【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、洗浄剤用途に用いられる共重合体について種々検討したところ、特定の構造のカチオン性基含有単量体由来の構造単位と特定の疎水性単量体由来の構造単位とを有し、重量平均分子量が特定の範囲である共重合体が、洗濯時及び洗濯後に充分な抗菌性能を発揮し、再汚染防止能にも優れることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
【0007】
すなわち本発明は、カチオン性基含有単量体(A)由来の構造単位(a)と疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)とを有する洗浄剤用共重合体であって、上記洗浄剤用共重合体は、構造単位(a)として下記式(4)及び/又は(5);
【0008】
【化1】
【0009】
(式(4)及び(5)中、R
1、R
2は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。Zは、水素原子又はメチル基を表す。Yは、2価の連結基を表す。X
−は、陰イオンを表す。)で表されるカチオン性基含有単量体(A)由来の構造単位を有し、かつ、重量平均分子量が1000〜100万である共重合体(α)、又は、構造単位(a)として下記式(6)及び/又は(7);
【0010】
【化2】
【0011】
(式(6)及び(7)中、R
3〜R
5は、同一又は異なって、炭素数1〜12の炭化水素基を表す。Zは、水素原子又はメチル基を表す。Yは、2価の連結基を表す。X
−は、陰イオンを表す。m、nは、同一又は異なって、1〜3の整数である。)で表されるカチオン性基含有単量体(A)由来の構造単位を有し、上記疎水性単量体(B)が、単独重合体の溶解性パラメータが15以下であって、水酸基、炭素数1〜18のアルコキシ基、スルホン酸基、リン酸基、ハロゲノ基、エポキシ基及びカルボニル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を有していてもよい(メタ)アクリレート類;不飽和モノカルボン酸類;スチレン等の芳香族ビニル系単量体;オレフィン系単量体;不飽和アルコールとカルボン酸とのエステル;ハロゲン化ビニル;アルキルビニルエーテル類;炭素数2〜8の環状エーテル含有基を有する不飽和単量体と炭素数1〜20のアルコールとの付加反応物;炭素数2〜20の不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物及びそれらの末端疎水変性物;環状ビニル系単量体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であり、上記カチオン性基含有単量体(A)及び疎水性単量体(B)以外のその他の単量体(E)由来の構造単位(e)の割合が全構造単位100質量%に対して0〜10質量%であり、上記その他の単量体(E)が、ポリオールの2置換以上の水酸基と(メタ)アクリル酸とのエステル類;ポリオールの2置換以上のメタクリル酸エステル類;ポリオールの2置換以上の水酸基と不飽和アルコールとのエーテル類;フタル酸ジアリル、リン酸トリアリル、メタクリル酸アリル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、アジピン酸ジビニル、クロトン酸ビニル、1,5−ヘキサジエン、ジビニルベンゼン、不飽和カルボン酸重金属塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であり、かつ、重量平均分子量が1000〜20万である共重合体(β)であることを特徴とする洗浄剤用共重合体である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
【0012】
<洗浄剤用共重合体>
本発明の洗浄剤用共重合体は、抗菌性能を発揮するものであり、抗菌性能とは、殺菌(微生物を殺す)、静菌(微生物の繁殖を抑える)、滅菌、消毒、制菌、除菌、防腐、防カビ等の性能を有することをいう。対象となる微生物は、細菌、真菌である。
上記細菌としては、大腸菌、緑膿菌、サルモネラ菌、モラクセラ菌、レジオネラ菌等のグラム陰性菌;黄色ブドウ球菌、クロストリジウム属細菌等のグラム陽性菌が挙げられる。上記真菌としてはカンジダ菌、ロドトルラ、パン酵母等の酵母類;赤カビ、黒カビ等のカビ類が挙げられる。
【0013】
本発明の洗浄剤用共重合体(以下、単に本発明の共重合体ともいう。)は、カチオン性基含有単量体(A)由来の構造単位(a)と疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)とを有する共重合体である。このような共重合体が抗菌性を発揮する理由は以下のように推定される。本発明の共重合体を、微生物に作用させると、共重合体が有するカチオン性基含有単量体(A)由来のカチオン性基がマイナスの電荷を有する微生物の表面に吸着する。さらに共重合体が有する疎水基が細胞膜部分と親和性を示し、細胞膜と相互作用することにより、細胞膜を構成する脂質等の間の相互作用を破壊し、及び/又は、膜に結合しているタンパク質等の機能を阻害することにより、細胞が破壊され、及び/又は、細胞の生理活性が阻害され、微生物が死滅することが推定される。
また、本発明の洗浄剤用共重合体は、再汚染防止能にも優れるものであり、本発明の共重合体が有するカチオン性基含有単量体(A)由来のカチオン性基がアニオン性を有する親水性汚れや泥などの親水性粒子に吸着し、疎水性単量体由来の疎水基が疎水性汚れに吸着することにより、汚れ成分が繊維に付着することが抑制され、再汚染防止能が発揮されることとなる。
【0014】
本発明の共重合体は、共重合体(α)又は共重合体(β)である。本明細書中において単に「共重合体」という場合には共重合体(α)又は共重合体(β)に共通する事項を意味するものとする。
共重合体(α)の重量平均分子量は、1000〜100万である。共重合体(β)の重量平均分子量は、1000〜20万である。従来のカチオン系殺菌剤は、洗濯中に衣料に剤が付着することにより、洗濯時に充分な抗菌性能を発現できないと考えられる。これに対して本発明の共重合体は、重量平均分子量が1000〜100万の範囲であることにより、洗濯中における繊維への吸着を充分に抑制しつつ、濯ぎにより洗い流されることを充分に抑制でき、洗濯後の繊維への吸着性に優れることとなる。これにより、洗濯中の抗菌性能と洗濯後の抗菌性能の持続性とを両立させることができる。また、本発明の共重合体は、重量平均分子量が下記好ましい範囲であれば抗菌性能の持続性及び洗濯中の抗菌性により優れる傾向にある。
共重合体(α)の重量平均分子量として好ましくは2000〜80万であり、より好ましくは3000〜60万であり、更に好ましくは4000〜40万であり、一層好ましくは5000〜20万であり、より一層好ましくは6000〜18万であり、更に一層好ましくは7000〜14万であり、特に好ましくは8000〜10万であり、特に一層好ましくは1万〜8万であり、最も好ましくは14000〜75000である。
【0015】
共重合体(β)の重量平均分子量として好ましくは2000〜20万であり、より好ましくは3000〜20万であり、更に好ましくは4000〜18万であり、一層好ましくは5000〜16万であり、より一層好ましくは6000〜14万であり、更に一層好ましくは7000〜12万であり、特に好ましくは8000〜10万であり、特に一層好ましくは1万〜8万であり、最も好ましくは14000〜75000である。共重合体の重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
【0016】
本発明の洗浄剤用共重合体は、カチオン性基含有単量体(A)由来の構造単位(a)を有している。上記カチオン性基含有単量体(A)は、エチレン性不飽和基とカチオン性基とを少なくとも1つずつ有していれば、特に制限されない。ここでカチオン性基とは、カチオンを有する基又はカチオンを発生させる基であり、例えば、第1〜3級アミノ基、第1〜3級アミノ基の酸による中和物、第4級アンモニウム塩基等が挙げられる。カチオン性基としては、下記式(1)〜(3);
【0017】
【化3】
【0018】
(式(1)及び(2)中、R
1、R
2は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。式(3)中、R
3〜R
5は、同一又は異なって、炭素数1〜12の炭化水素基を表す。X
−は、陰イオンを表す。)のいずれかで表される基であることが好ましい。
上記炭化水素基は、鎖状構造であっても、環構造を有していてもよいが、鎖状構造であることが好ましい。炭化水素基が鎖状構造である場合、直鎖状であっても分岐を有していてもよい。
上記炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基が好ましく、より好ましくはアルキル基、アルケニル基であり、更に好ましくはアルキル基である。
また、上記炭化水素基の炭素数としては、1〜10が好ましく、より好ましくは1〜8であり、特に好ましくは1〜5であり、最も好ましくは1〜2である。
上記式(1)及び(2)においてR
1及びR
2のうち少なくともいずれか一方は、炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、R
1及びR
2の両方が炭素数1〜12の炭化水素基であることがより好ましい。
上記式(3)においてR
3〜R
5は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基であることが好ましい。
R
1〜R
5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、tert−ブチル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が最も好ましい。
【0019】
上記式(2)及び(3)におけるX
−は、特に制限されないが、例えば、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等のハロゲン化物イオン;硫酸メチルイオン等の硫酸アルキルイオン;酢酸イオン等の有機酸のイオン等が挙げられる。
上記式(2)におけるX
−は、有機酸のイオンが好ましい。
上記式(3)におけるX
−は、ハロゲン化物イオン、硫酸アルキルイオンが好ましい。
【0020】
上記カチオン性基としては、第1〜3級アミノ基、第1〜3級アミノ基の酸による中和物及び第4級アンモニウム塩基の中でも、第3級アミノ基、第3級アミノ基の酸による中和物又は第4級アンモニウム塩基が好ましい。第3級アミノ基、第3級アミノ基の酸による中和物としてはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基又はこれらの塩酸、酢酸等の酸による中和物が好ましい。
【0021】
上記カチオン性基含有単量体(A)は、下記式(4)〜(7);
【0022】
【化4】
【0023】
(式(4)及び(5)中、R
1、R
2は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。式(6)及び(7)中、R
3〜R
5は、同一又は異なって、炭素数1〜12の炭化水素基を表す。Zは、水素原子又はメチル基を表す。Yは、2価の連結基を表す。X
−は、陰イオンを表す。m、nは、同一又は異なって、1〜3の整数である。)で表される構造であることが好ましい。
【0024】
式(6)及び(7)におけるX
−の具体例は、式(2)及び(3)におけるX
−と同様である。好ましくはハロゲン化物イオン又はアルキル硫酸イオンであり、より好ましくは塩化物イオン、メチル硫酸イオンである。
【0025】
抗菌性及び耐加水分解性の観点から、上記Zは、メチル基であることが好ましい。
上記式(7)におけるm、nは、同一又は異なって、1〜3の整数であり、好ましくは1又は2であり、より好ましくは1である。
【0026】
上記式(4)〜(6)における2価の連結基としては、特に制限されないが、例えば、下記式(8);
【0027】
【化5】
【0028】
(式中、iは、0〜12の整数を表す。)、下記式(9);
【化6】
【0029】
(式中、jは、1〜10の整数を表す。)及び下記式(10);
【0030】
【化7】
【0031】
(式中、kは、0〜4の整数を表す。)で表される構造が挙げられる。
上記2価の連結基としては、上記式(8)又は(9)で表される構造が好ましい。
上記式(8)におけるiは、1〜6であることが好ましく、より好ましくは1〜4である。
上記式(9)におけるjは、1〜6であることが好ましく、より好ましくは1〜4である。
【0032】
上記カチオン性基含有単量体(A)として、具体的には、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のN,N−ジアルキルアミノ基含有(メタ)アクリレート類及び上記モノマーに4級化剤を付加させたモノマー若しくはこれらの塩酸、酢酸等の酸による中和物;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアルキルアミノ基含有(メタ)アクリルアミド類及び上記モノマーに4級化剤を付加させたモノマー若しくはこれらの塩酸、酢酸等の酸による中和物;モノメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モノエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モノメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、モノエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−(tert−ブチルアミノ)エチル等のモノアルキルアミノ基含有(メタ)アクリレート類及びこれらの塩酸、酢酸等の酸による中和物;モノメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、モノエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、モノメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、モノエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のモノアルキルアミノ基含有(メタ)アクリルアミド類及びこれらの塩酸、酢酸等の酸による中和物;(メタ)アクリル酸−2−アミノエチル等の(メタ)アクリル酸とアルカノールアミンとのエステル類及びこれらの塩酸、酢酸等の酸による中和物;ジアリルジメチルアンモニウムクロリド等のN,N−ジアリルメチルアミン及びこれに4級化剤を付加させたモノマー若しくはこれの塩酸、酢酸等の酸による中和物;アリルアミン及びこれの塩酸、酢酸等の酸による中和物;1−アリルオキシ−3−ジブチルアミノ−2−オール、1−アリルオキシ−3−ジエタノールアミノ−2−オール等の炭素数2〜8の環状エーテル含有基を有する不飽和単量体と炭素数1〜24のアミン化合物との付加反応物及びこれに4級化剤を付加させたモノマー若しくはこれの塩酸、酢酸等の酸による中和物等が挙げられる。
【0033】
上記炭素数1〜24のアミン化合物は、アミノ基を有し、炭素数2〜8の環状エーテル含有基を有する不飽和単量体の環状エーテル構造と反応することができる限り特に制限されない。炭素数1〜24のアミン化合物の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜16がより好ましい。炭素数1〜24のアミン化合物としては、第1級アミン、第2級アミンが挙げられ、例えば、炭素数1〜24の(ジ)アルキルアミン、炭素数1〜24の(ジ)アルカノールアミン、炭素数1〜24のアルキルアルカノールアミン等が挙げられる。
炭素数1〜24の(ジ)アルキルアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、ヘプチルアミン、ジヘプチルアミン、オクチルアミン、ジオクチルアミン、ドデシルアミン、ジドデシルアミン等が好ましい。
炭素数1〜24の(ジ)アルカノールアミンとしては、メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ジメタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジブタノールアミン、ヘキサノールアミン等が好ましい。
炭素数1〜24のアルキルアルカノールアミンとしては、メチルエタノールアミン等が好ましい。
上記カチオン性基含有単量体(A)として、好ましくは、N,N−ジアルキルアミノ基含有(メタ)アクリレート類及びこれらの塩酸、酢酸等の酸による中和物やこれらに4級化剤を付加させたモノマー、N,N−ジアルキルアミノ基含有(メタ)アクリルアミド類及びこれらの塩酸、酢酸等の酸による中和物やこれらに4級化剤を付加させたモノマー、中でもN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド及びこれらの塩酸、酢酸等の酸による中和物やこれらに4級化剤を付加させたモノマーがより好ましい。
上記4級化剤としては、特に制限されるものではないが、塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル、ヨウ化メチル等のハロゲン化アルキル;硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジ−n−プロピル等のアルキル硫酸等の一般的なアルキル化剤が挙げられる。
【0034】
本発明の洗浄剤用共重合体は、疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)を有している。上記疎水性単量体(B)は、単独重合を行って得られた単独重合体(ホモポリマー)に対する溶解性パラメータが15以下である。なお、溶解性パラメータが15以下であっても、カチオン性基を有するものについては、カチオン性基含有単量体(A)に含まれるものとする。
ここで、上記溶解性パラメータは、「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE」(1974年、Vol.14、No.2)の147〜154ページに記載の方法によって計算される値である。
以下にその方法を概説する。単独重合体の溶解性パラメータ(δ)(cal/cm
3)
1/2は、該重合体を形成している構成単位の蒸発エネルギー(△ei)及びモル体積(△vi)に基づいて、下記の計算法により算出される。
δ=(△ei/△vi)
1/2 (cal/cm
3)
1/2【0035】
疎水性単量体(B)を単独で重合した際に得られた単独重合体(ホモポリマー)に対する溶解性パラメータが15以下であれば、本発明の共重合体における疎水性が充分なものとなり、微生物の細胞膜に対する親和性が向上し、細胞膜との相互作用が増大することで、細胞膜の生理活性にダメージを与えるため、従来のカチオン系殺菌剤よりも抗菌性能に優れる。上記溶解性パラメータとして好ましくは14以下であり、より好ましくは13以下であり、更に好ましくは12以下である。上記溶解性パラメータとしては通常5以上である。
【0036】
上記疎水性単量体(B)としては、単独重合体での溶解性パラメータが15以下であれば特に制限されないが、(メタ)アクリル酸と置換基を有していてもよいアルコールとのエステル((メタ)アクリレート)類;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α―アリルオキシアクリル酸及びこれらの塩等の不飽和モノカルボン酸類;スチレン等の芳香族ビニル系単量体;エチレン、プロピレン等のオレフィン系単量体;酢酸ビニル等の不飽和アルコールとカルボン酸とのエステル;塩化ビニル等のハロゲン化ビニル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;1−アリルオキシ−3−ブトキシプロパン−2−オール等の炭素数2〜8の環状エーテル含有基を有する不飽和単量体と炭素数1〜20のアルコールとの付加反応物;アリルアルコールのエチレンオキシド付加物、メタリルアルコールのエチレンオキシド付加物、イソプレノールのエチレンオキシド付加物等の炭素数2〜20の不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物及びそれらの末端疎水変性物;N−ビニルピロリドン等の環状ビニル系単量体が挙げられる。
【0037】
上記不飽和モノカルボン酸の塩としては、金属塩が挙げられる。上記金属塩の金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属が挙げられる。
【0038】
上記(メタ)アクリレートにおける置換基としては、水酸基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜18のアルコキシ基;オキシアルキレン基、スルホン酸基、リン酸基等のオキソ基含有基;フルオロ基等のハロゲノ基;グリシジル基等のエポキシ基;アルデヒド基等のカルボニル基等が挙げられる。
【0039】
上記のような置換基を有しないアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニルメタクリレート等が挙げられる。
【0040】
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのエステル基の炭素数が1〜18の水酸基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0041】
アルコキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレート、エトキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリプロポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0042】
オキソ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールメトキシ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールメトキシ(メタ)アクリレート等の(ジ)エチレングリコール(メトキシ)(メタ)アクリレート;アルコキシポリエチレングリコールメタクリレート(アントックスLMA−10)等のアルキレングリコールの繰り返し数が1〜100のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;スルホプロピル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等が挙げられる。
【0043】
フルオロ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレートなどのエステル基の炭素数が2〜6のフルオロ基含有アルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0044】
エポキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、α−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルアリルエーテル等が挙げられる。
【0045】
カルボニル基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、アセトニル(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートアセチルアセテート、ブタンジオール−1,4−アクリレートアセチルアセテート、2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシアルキルプロペナール等が挙げられる。
【0046】
上記疎水性単量体(B)は、少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルを含むことが好ましい。すなわち、本発明の共重合体は、少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステル由来の構造単位を有するものであることが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、下記式(11);
【0047】
【化8】
【0048】
(式中、R
6は、水素原子又はメチル基を表す。R
7は、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。)で表される化合物であることが好ましい。
上記炭化水素基の炭素数は、1〜20であることが好ましい。より好ましくは1〜16であり、更に好ましくは1〜12であり、特に好ましくは1〜8である。
上記炭化水素基の炭素数が1〜20であれば、重合体の水溶性、粘度を好適な範囲とすることができ、取扱いに優れるものとなる。上記炭化水素基の炭素数が1〜12であれば、重合体の製造が容易となり、さらに、抗菌性に加えて安全性にも優れるものとなる。
【0049】
上記炭化水素基としては、特に制限されず、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等の鎖状炭化水素基、芳香族炭化水素基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等の環状炭化水素基が挙げられる。上記炭化水素基は、分岐を有していてもよく、分岐を有する場合の炭化水素基の炭素数は、主鎖及び分岐鎖の合計の炭素数を意味する。
上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルへキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ステアリル基、イコシル基等が挙げられる。
上記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基、イコセニル基等が挙げられる。
上記アルキニル基としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ドデシニル基、オクタデシニル基、イコシニル基等が挙げられる。
【0050】
上記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ベンジル基、トリル基、o−キシリル基等が挙げられる。
上記シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
上記シクロアルケニル基としては、例えば、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
上記炭化水素基として、好ましくはアルキル基、アルケニル基であり、より好ましくはアルキル基である。
すなわち上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル(メタ)アクリレート)が好ましい。
【0051】
アルキル(メタ)アクリレートとして好ましくはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレートであり、より好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。
【0052】
本発明の洗浄剤用共重合体はまた、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構造単位(b−1)と、溶解性パラメータが15以下であって、カルボキシル基、水酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する単量体由来の構造単位(b−2)とを有するものであることが好ましい。このような構造単位を有する共重合体もまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
上記カルボキシル基、水酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する単量体は、溶解性パラメータが15以下であって、カルボキシル基、水酸基及びエーテル基のいずれかの官能基を有しているものであればよく、(メタ)アクリル酸エステル構造を有しているものであっても、カルボキシル基、水酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有するモノマーに分類するものとする。
本発明の共重合体が構造単位(b−2)とを有することにより、共重合体の水溶性が向上し、また、塩やpHの変化による共重合体の析出、抗菌性の低下等の影響をより充分に緩和することができるため、幅広いpH領域において共重合体を使用することができ、中性から弱アルカリ領域のものが多い洗浄剤により好適に用いることができる。本発明の共重合体はまた、上記構造を有することにより共重合体の親水性が向上し、再汚染防止能により優れることとなる。上記カルボキシル基、水酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する単量体としては、上述の不飽和モノカルボン酸類;水酸基含有(メタ)アクリレート;アルキルビニルエーテル類;炭素数2〜20の不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物;炭素数2〜8の環状エーテル含有基を有する不飽和単量体と炭素数1〜20のアルコールとの付加反応物等が挙げられる。
【0053】
カルボキシル基、水酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する単量体としては、不飽和モノカルボン酸類;水酸基含有(メタ)アクリレート;炭素数2〜20の不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物;炭素数2〜8の環状エーテル含有基を有する不飽和単量体と炭素数1〜20のアルコールとの付加反応物が好ましい。
上記不飽和モノカルボン酸類としては、(メタ)アクリル酸及びこれらの塩が好ましい。
上記水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0054】
上記炭素数2〜20の不飽和アルコールの炭素数は、2〜18であることが好ましく、炭素数2〜20の不飽和アルコールとしては、ビニルアルコール、アリルアルコール、イソプレニルアルコール等が挙げられる。
上記炭素数2〜20の不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物におけるアルキレンオキシドの炭素数は、2〜16であることが好ましく、より好ましくは、2〜12である。上記アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、スチレンオキシド等が挙げられる。より好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドであり、更に好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシドである。
上記アルキレンオキシドの平均付加モル数は、1〜100であることが好ましい。より好ましくは、1〜80であり、更に好ましくは、1〜70であり、特に好ましくは、1〜50である。
上記炭素数2〜20の不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物としては、イソプレノールのエチレンオキシド付加物が好ましい。
【0055】
上記炭素数1〜20のアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール等のアルキルアルコールが挙げられる。好ましくはエタノール、プロパノール、ブタノール等の炭素数2〜16のアルキルアルコールである。
上記炭素数2〜8の環状エーテル含有基を有する不飽和単量体と炭素数1〜20のアルコールとの付加反応物としては1−アリルオキシ−3−ブトキシプロパン−2−オールが好ましい。
【0056】
本発明の共重合体は、上記カチオン性基含有単量体(A)、疎水性単量体(B)以外のその他の単量体(E)由来の構造単位(e)を有していてもよい。その他の単量体(E)としては、カチオン性基含有単量体(A)、疎水性単量体(B)と共重合できるものである限り特に制限されない。その他の単量体(E)の単独重合体での溶解性パラメータは、15以下であっても、15を超えるものであってもよく、溶解性パラメータが15よりも大きい単量体(E−1)としては、特に制限されないが、例えば、アクリロニトリル等が挙げられる。
上記単量体(E−1)の溶解性パラメータとして好ましくは15よりも大きく、20以下であり、より好ましくは15よりも大きく、17以下である。
その他の単量体の溶解性パラメータが15以下であっても、15を超えるものであっても、上記疎水性単量体を好ましい割合で重合している限り、共重合体としての疎水性は充分に維持されることとなる。
また、粘度を調整する観点から溶解性パラメータの値にかかわらずエチレン性不飽和基を2個以上有する単量体が含まれていてもよい。エチレン性不飽和基を2個以上有する単量体としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、サッカロース、ソルビトール、1,4−ブタンジオール等のポリオールの2置換以上の水酸基と(メタ)アクリル酸とのエステル類;上記ポリオールの2置換以上のメタクリル酸エステル類;上記ポリオールの2置換以上の水酸基とアリルアルコール、ビニルアルコール等の不飽和アルコールとのエーテル類;フタル酸ジアリル、リン酸トリアリル、メタクリル酸アリル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、アジピン酸ジビニル、クロトン酸ビニル、1,5−ヘキサジエン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらのその他の単量体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
抗菌性を向上させる観点から、本発明の共重合体はその他の単量体として重合性金属塩を共重合していてもよい。重合性金属塩としてはアクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛、α―アリルオキシアクリル酸亜鉛等の不飽和カルボン酸の重金属塩が挙げられる。
【0057】
本発明の共重合体は、カチオン性基含有単量体(A)由来の構造単位(a)の割合が全構造単位100質量%に対して、15〜99.9質量%であることが好ましい。より好ましくは20〜99質量%であり、更に好ましくは20〜98質量%であり、更により好ましくは25〜95質量%であり、一層好ましくは25〜94質量%であり、より一層好ましくは25〜93質量%であり、更に一層好ましくは25〜90質量%であり、特に好ましくは30〜88質量%であり、最も好ましくは30〜85質量%である。
上記割合の下限値としては36質量%、40質量%、50質量%、55質量%であってもよい。
【0058】
上記カチオン性基含有単量体(A)が第1〜3級アミノ基含有単量体及び/又はこれらの酸による中和物の場合、すなわち共重合体(α)における構造単位(a)の割合は、全構造単位100質量%に対して20〜99.9質量%であることが好ましい。より好ましくは25〜99.9質量%であり、更に好ましくは30〜99.9質量%であり、更により好ましくは36〜99.9質量%である。すなわち、共重合体(α)における構造単位(a)の割合が、全構造単位100質量%に対して36〜99.9質量%である洗浄剤用共重合体は本発明の好ましい実施形態の1つである。上記割合として更により好ましくは40〜99.9質量%であり、一層好ましくは45〜99.9質量%であり、更に一層好ましくは45〜95質量%であり、特に好ましく45〜93質量%であり、最も好ましくは45〜90質量%である。
上記割合の下限値としては50質量%、55質量%、60質量%であってもよい。
【0059】
一方、カチオン性基含有単量体(A)が第4級アンモニウム塩の場合、すなわち共重合体(β)における構造単位(a)の割合は、全構造単位100質量%に対して15〜99.9質量%であることが好ましい。より好ましくは20〜99質量%であり、更に好ましくは20〜98質量%であり、更により好ましくは20〜97質量%であり、一層好ましくは20〜95質量%であり、より一層好ましくは25〜90質量%であり、更に一層好ましくは25〜85質量%であり、特に好ましくは25〜80質量%である。
上記割合の下限値としては51質量%、53質量%、55質量%、60質量%であってもよい。
【0060】
本発明の共重合体、すなわち共重合体(α)及び/又は(β)は、共重合体を形成する構造単位の総量100質量%に対して、疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)を0.01〜85質量%の割合で有することが好ましい。より好ましくは0.01〜75質量%であり、更に好ましくは0.01〜64質量%の割合で有することである。更により好ましくは0.01〜60質量%、一層好ましくは0.01〜50質量%であり、より一層好ましくは0.01〜48質量%であり、更に一層好ましくは0.01〜45質量%であり、特に好ましくは0.1〜40質量%であり、最も好ましくは1〜30質量%である。
【0061】
上記カチオン性基含有単量体(A)が第1〜3級アミノ基含有単量体及び/又はこれらの酸による中和物の場合、すなわち共重合体(α)における疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)の割合は、全構造単位100質量%に対して0.01〜80質量%の割合であることが好ましい。より好ましくは0.01〜70質量%であり、更に好ましくは0.01〜64質量%であり、更により好ましくは0.01〜60質量%であり、一層好ましくは0.01〜55質量%であり、より一層好ましくは0.01〜50質量%であり、特に好ましくは0.01〜45質量%であり、最も好ましくは0.01〜40質量%である。
【0062】
上記カチオン性基含有単量体(A)が第4級アンモニウム塩の場合、すなわち共重合体(β)における疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)の割合は、全構造単位100質量%に対して0.01〜85質量%の割合であることが好ましい。より好ましくは0.1〜80質量%であり、更に好ましくは1〜75質量%であり、更により好ましくは2〜70質量%であり、一層好ましくは3〜65質量%であり、より一層好ましくは4〜55重量%であり、更に一層好ましくは5〜49質量%であり、特に好ましくは10〜47質量%であり、特に一層好ましくは15〜45質量%であり、最も好ましくは20〜40質量%である。
【0063】
本発明の共重合体は、共重合体における疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)の含有割合が、共重合体におけるカチオン性基含有単量体(A)由来の構造単位(a)100質量%に対して、0.01〜567質量%であることが好ましい。より好ましくは0.1〜400質量%、更に好ましくは1〜300質量%であり、一層好ましくは1.01〜200質量%であり、より一層好ましくは2.05〜100質量%であり、更に一層好ましくは5.3〜80質量%であり、特に好ましくは11.1〜60質量%である。本発明の共重合体における構造単位(b)の含有割合がこのような範囲であれば、上記共重合体の抗菌性能が向上する傾向にある。上記割合の上限値としては50質量%、40質量%、35質量%、25質量%であってもよい。
【0064】
本発明の共重合体の疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)として(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構造単位(b−1)を有する場合、構造単位(b−1)の割合は、共重合体を形成する構造単位の総量100質量%に対して、0.01〜80質量%であることが好ましい。より好ましくは0.015〜75質量%、更に好ましくは1〜70質量%であり、特に好ましくは5〜65質量%である。上記割合の上限値としては55質量%、49質量%、40質量%、30質量%であってもよい。
【0065】
本発明の共重合体は上述のとおり、カチオン性基含有単量体(A)由来の構造単位(a)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構造単位(b−1)と、更にカルボキシル基、水酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する単量体由来の構造単位(b−2)とを有していてもよく、上記共重合体における構造単位(b−2)の割合は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構造単位(b−1)100質量%に対して、0〜100質量%であることが好ましい。より好ましくは0〜50質量%である。
【0066】
本発明の共重合体は、共重合体を形成する構造単位の総量100質量%に対して、その他の単量体(E)由来の構造単位(e)の含有割合が、0〜10質量%であることが好ましい。より好ましくは0〜8質量%、更に好ましくは0〜5質量%である。
その他の単量体の中でも上記構造単位(e−1)を有する場合、構造単位(e−1)の割合は、共重合体を形成する構造単位の総量100質量%に対して、0〜1質量%であることが好ましい。より好ましくは0〜0.5質量%である。
その他の単量体の中でもエチレン性不飽和基を2個以上有する単量体由来の構造単位の含有割合は、共重合体を形成する構造単位の総量100質量%に対して0〜1%であることが好ましく、より好ましくは、0〜0.5質量%、更に好ましくは0〜0.1質量%である。
【0067】
本発明の共重合体としては、カチオン性基含有単量体(A)由来の構造単位(a)と疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)のみからなる共重合体もまた、好ましい形態の1つである。この場合、構造単位(a)と構造単位(b)の割合の合計は100質量%であり、これらの構造単位のそれぞれの割合は、100質量%から上述の構造単位(a)の割合又は構造単位(b)の割合を差し引いた値となる。
【0068】
本発明の共重合体の構造はランダム共重合体構造、グラフト構造、ブロック共重合体構造、グラジエント共重合体構造、星形構造、デンドリマー構造などが挙げられるが、いずれの構造であってもよい。
【0069】
<共重合体の製造方法>
本発明の共重合体の製造は特に制限されないが、単量体成分を重合することにより製造することができ、各単量体成分の具体例及び好ましい例並びに好ましい割合は、共重合体における各構造単位において述べたとおりである。
【0070】
上記共重合体は、上記単量体成分を重合開始剤の存在下で重合する方法により製造することが好ましい。単量体成分を重合させる際には、重合方法に応じて重合開始剤を適宜用いることができる。上記重合開始剤としては、通常用いられるものを使用することができ、例えば、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]n水和物、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩二水和物、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物等が好適である。これらの重合開始剤のうち、アゾ系化合物が好ましい。上記重合開始剤としては、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0071】
上記重合開始剤の使用量は、上記単量体成分の重合を開始できる量であれば特に制限されないが、全単量体成分100質量部に対して、通常0.01〜50質量部であり、好ましくは0.05〜30質量部、より好ましくは0.05〜20質量部であることが好ましい。
【0072】
本発明で用いるカチオン性基含有単量体の使用方法としては、それらを酸により中和した酸中和物、又は、4級化剤により4級化した4級アンモニウム塩として用いてもよい。
カチオン性基含有単量体の中和に用いる酸としては、特に制限されるものではないが、塩酸、硫酸等の無機酸;酢酸、クエン酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸等の有機酸が挙げられる。
カチオン性基含有単量体の4級化剤としては、上述のとおりである。
【0073】
上記酸、又は、4級化剤を用いる場合、これらの使用量としては、上記カチオン性基含有単量体の一部又は全部が中和又は4級化される限り特に制限されないが、重合反応に用いるカチオン性基含有単量体1モルに対して、酸、又は、4級化剤は0.1〜1モルであることが好ましい。
【0074】
上記共重合方法において、単量体成分や重合開始剤等の反応容器への添加方法としては、反応容器に単量体成分の全てを仕込み、重合開始剤を反応容器内に添加することによって共重合を行う方法;反応容器に単量体成分の一部を仕込み、重合開始剤と残りの単量体成分を反応容器内に連続してあるいは段階的に(好ましくは連続して)添加することによって共重合を行う方法;反応容器に重合溶媒を仕込み、単量体成分と重合開始剤の全量を添加する方法;単量体のうちの一(例えば、カチオン性基含有単量体)の一部を反応容器に仕込み、重合開始剤と残りの単量体成分を反応容器内に(好ましくは連続して)添加することによって共重合を行う方法等が好適である。このような方法の中でも、得られる共重合体の分子量分布を狭く(シャープに)することができうることから、重合開始剤と単量体成分を反応容器に逐次滴下する方法で共重合を行うことが好ましい。
【0075】
上記共重合方法としては、例えば、溶液重合やバルク重合、懸濁重合、乳化重合、リビング重合やグラフト重合等の方法で行うことができ、特に限定されるものではないが、溶液重合が好ましい。この際使用できる溶媒は、水であることが好ましい。水のみを使用する場合には、脱溶剤工程を省略できる点で好適である。
【0076】
上記共重合方法は、回分式でも連続式でも行うことができる。また、共重合の際、必要に応じて使用される溶媒としては、公知のものを使用でき、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、THF(テトラヒドロフラン)等の1価のアルコール類;グリセリン、(ポリ)エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の芳香族又は脂肪族炭化水素類;酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類等が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、単量体成分及び得られる共重合体の溶解性の点から、水及び炭素数1〜4の低級アルコールからなる群より選択される1種又は2種以上の溶媒を用いることが好ましい。上記溶媒は、比較的安価なものであり、本発明の製造方法は、経済的にも優れる。また、上記共重合方法においては、水にプロピレングリコールやエチレングリコール等の多価アルコール溶媒を加えて重合してもよい。上記多価アルコール溶媒は水と併用することによって、ポリマーの溶解性を高めることができ、ソープフリー重合をより充分に抑制することができる。これにより、水溶性に乏しいポリマーの生成をより充分に抑制し、溶液の透明性をより向上させることができる。
上記多価アルコール溶媒と水とを併用する場合、水100質量%に対する多価アルコール溶媒の割合は、0〜200質量%であることが好ましい。
本発明の共重合体の製造方法は、必要に応じて、任意の連鎖移動剤、pH調節剤、緩衝剤などを用いることができる。
【0077】
重合の際の温度は特に限定されないが、通常50〜120℃であり、好ましくは60〜110℃である。重合時の温度が上記範囲であれば、残存単量体成分が少なくなる傾向にある。なお、重合時の温度は、重合反応の進行中において、常に一定に保持する必要はなく、例えば、室温から重合を開始し、適当な昇温時間又は昇温速度で設定温度まで昇温し、その後、設定温度を保持するようにしてもよいし、単量体成分や開始剤等の滴下方法に応じて、重合反応の進行中に経時的に重合温度を変動(昇温又は降温)させてもよい。また、単量体成分を重合させる際には、単量体成分が均一に重合するようにするために、適宜、撹拌することが好ましい。
【0078】
重合時間は特に制限されず、重合反応の進行状況に応じて適宜設定すればよいが、通常、2〜9時間程度である。なお、本発明において、「重合時間」とは単量体の滴下前の加熱撹拌を行っている時間、単量体を添加している時間及び単量体の滴下後の熟成時間を表す。
【0079】
反応系内の圧力としては、常圧(大気圧)下、減圧下、加圧下のいずれであってもよい。反応系内の雰囲気としては、空気雰囲気でも不活性雰囲気でもどちらでもよい。
【0080】
上記重合反応系における重合反応が終了した時点での水溶液中の固形分濃度(すなわち単量体の重合固形分濃度)は、20質量%以上が好ましく、25〜80質量%であることがより好ましい。このように重合反応終了時の固形分濃度が20質量%以上と高ければ、高濃度かつ一段で重合を行うことができる。そのため、従来の製造方法では場合によっては必要であった濃縮工程を省略することができるなど、効率よく共重合体を得ることができる。それゆえ、その製造効率を大幅に上昇させたものとすることができ、その結果、本発明の共重合体の生産性を大幅に向上し、製造コストの上昇も抑制することが可能となる。
【0081】
本発明の共重合体の製造方法は、全ての使用原料の添加が終了した以後に、単量体の重合率を上げること等を目的として熟成工程を設けても良い。熟成時間は、通常1〜240分間、好ましくは1〜180分間、より好ましくは1〜120分間である。熟成時間が1分間未満の場合には、熟成不十分につき単量体成分が残ることがあり、残存単量体に起因する毒性や臭気などが問題となる。
【0082】
また、熟成工程における好ましい重合体溶液の温度は、上記重合温度と同様の範囲である。したがって、ここでの温度も一定温度(好ましくは上記滴下が終了した時点での温度)で保持してもよいし、熟成中に経時的に温度を変化させてもよい。
【0083】
<洗浄剤及び洗浄剤組成物>
本発明はまた、本発明の洗浄剤用共重合体を含む洗浄剤でもある。
上述のとおり、本発明の共重合体は、抗菌性能を発揮するため、上記洗浄剤は抗菌剤を含む洗浄剤ということもできる。さらに上記洗浄剤用共重合体を洗剤ビルダー又は洗剤組成物として使用する方法もまた本発明の1つである。
上記洗浄剤は、本発明の共重合体と共重合体以外の他の成分とを含んでいてもよく、その他の成分としては、界面活性剤、洗剤に用いられる添加剤、重合開始剤残渣、残存モノマー、重合時の副生成物、水分等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含有することができる。
これらの成分の中でも界面活性剤は主な洗浄成分であり、洗浄剤としては界面活性剤を含むものであることが好ましい。すなわち、本発明の洗浄剤用共重合体からなる抗菌剤と界面活性剤とを含む洗浄剤組成物もまた、本発明の一つである。
上記洗浄剤組成物は、界面活性剤以外の上記その他の成分を含んでいてもよい。
洗浄剤又は洗浄剤組成物における上記共重合体の含有量は特に制限されないが、洗浄剤又は洗浄剤組成物の全量100質量%に対して、好ましくは0.001〜20質量%であり、より好ましく0.01〜10質量%であり、更に好ましくは0.01〜5質量%である。
上記界面活性剤や添加剤の具体的な形態は特に制限されず、洗浄剤分野において一般的に知られている知見が適宜参照されうる。
上記洗浄剤としては、特に制限されないが、衣料用の粉末洗剤や、液体洗剤が挙げられる。
【0084】
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。2種以上が併用される場合、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との合計量は、界面活性剤の全量100質量%に対して50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは70質量%以上であり、特に好ましくは80質量%以上である。
【0085】
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸及びそのエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和脂肪酸塩、不飽和脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキルリン酸エステル及びその塩、アルケニルリン酸エステル及びその塩等が好適に挙げられる。これらのアニオン性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基としては、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
上記洗浄剤又は洗浄剤組成物が、アニオン性界面活性剤を含むことにより、黄色ブドウ球菌に対する抗菌性能がより向上することとなり、本発明の共重合体が、疎水性単量体(B)として、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構造単位と、更に溶解性パラメータが15以下であって、カルボキシル基、水酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有するモノマー由来の構造単位、及び/又は、溶解性パラメータが15よりも大きい単量体由来の構造単位とを有するものである場合に、再汚染防止能と抗菌性能とをより効果的に発揮させることができる。
【0086】
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミド及びそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコキシド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミンオキサイド等が好適に挙げられる。これらのノニオン性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基としては、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩等が好適である。また、両性界面活性剤としては、カルボキシル型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤等が好適である。これらのカチオン性界面活性剤、両性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基としては、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
【0087】
上記界面活性剤の配合(含有)割合は、洗浄剤又は洗浄剤組成物の全量100質量%に対して、好ましくは5〜70質量%であり、より好ましくは10〜60質量%であり、更に好ましくは15〜50質量%であり、一層好ましくは20〜45質量%であり、特に好ましくは25〜40質量%である。界面活性剤の配合割合が10質量%より少ないと、充分な洗浄力を発揮できなくなるおそれがあり、界面活性剤の配合割合が60質量%より多いと、経済性が低下するおそれや安定性が悪くなる可能性がある。
【0088】
添加剤としては、洗剤ビルダー、汚れ抑制剤(ベンゾトリアゾール、エチレン−チオ尿素等)、ソイルリリース剤、色移り防止剤、柔軟剤、pH調節用アルカリ性物質、香料、可溶化剤、蛍光剤、着色剤、起泡剤、泡安定剤、つや出し剤、殺菌剤、漂白剤、漂白助剤、酵素(プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等)、染料、溶媒等が好適に挙げられる。また、粉末洗剤組成物の場合にはゼオライトを配合することが好ましい。
上記洗浄剤組成物は、酵素、蛍光剤、溶媒及び洗剤ビルダーからなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含むことが好ましい。
【0089】
上記洗剤ビルダーとしては、特に制限されないが、例えば、炭酸塩、炭酸水素塩、珪酸塩、硫酸塩等のアルカリビルダー;トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩、ボウ硝、ニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、ジエチレントリアミン五酢酸塩、クエン酸塩、ジグリコール酸塩、オキシカルボン酸塩、(メタ)アクリル酸の共重合体塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体、フマル酸塩、ゼオライト等のキレートビルダー;カルボキシメチルセルロース等の多糖類のカルボキシル誘導体等が挙げられる。上記ビルダーに用いられる対塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、アンモニウム、アミン等が挙げられる。
【0090】
上記酵素としては、衣料用洗剤用途等に通常用いられる酵素が利用することができ、例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナーゼ等が挙げられる。
洗浄剤又は洗浄剤組成物中の酵素の含有量は、洗浄剤又は洗浄剤組成物の総量100質量%に対して0.01〜3質量%が好ましい。
【0091】
上記添加剤の合計の配合割合は、洗浄剤又は洗浄剤組成物100質量%に対して0.1〜50質量%が好ましい。より好ましくは0.2〜40質量%であり、更に好ましくは0.3〜35質量%であり、特に好ましくは0.4〜30質量%であり、最も好ましくは0.5〜20質量%である。添加剤の合計の配合割合が0.1質量%未満であると、充分な洗剤性能を発揮できなくなるおそれがあり、50質量%を超えると経済性が低下するおそれがある。