(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被写体を照明するための照明光を伝送する照明用ファイバの入射端部が設けられた照明用プラグ端子と、前記照明用ファイバの出射端部を揺動して前記照明光の照射位置を変位させることが可能なアクチュエータ部から延びる信号線の端部が設けられた電気用プラグ端子と、前記照明光により照明された前記被写体からの戻り光を伝送する受光用ファイバの出射端部が設けられた受光用プラグ端子と、を備えた内視鏡のプラグに接続されるレセプタクルを具備する内視鏡プロセッサであって、
前記レセプタクルは、
前記レセプタクルの外殻を形成する筐体内における一定の範囲内で変位可能であるとともに、前記照明用プラグ端子に接続される照明用レセプタクル端子と、
前記筐体内における一定の範囲内で変位可能であるとともに、前記電気用プラグ端子に接続される電気用レセプタクル端子と、
前記照明用レセプタクル端子と前記電気用レセプタクル端子との間に配置され、前記筐体に対して固定されているとともに、前記受光用プラグ端子に接続される受光用レセプタクル端子と、
を備え、
前記照明用プラグ端子は、所定の面からの突出長が第1の長さを有し、
前記電気用プラグ端子は、前記所定の面からの突出長が第2の長さを有し、
前記受光用プラグ端子は、前記所定の面からの突出長が前記第1の長さ及び前記第2の長さよりも長い第3の突出長であり、
前記受光用レセプタクル端子に隣接する位置に位置決めされた状態で配置されているとともに、前記受光用レセプタクル端子に接続された前記受光用プラグ端子における前記受光用ファイバの出射端部を経て出射される前記戻り光を集光するように構成された集光光学系と、
前記集光光学系に隣接する位置に位置決めされた状態で配置されているとともに、前記集光光学系を経て出射される前記戻り光を受光するように構成された受光素子と、
をさらに有することを特徴とする内視鏡プロセッサ。
前記照明用レセプタクル端子から離れた位置に配置されているとともに、前記照明用レセプタクル端子に接続されている光ファイバに対して前記照明光を供給するように構成された光源部と、
前記電気用レセプタクル端子から離れた位置に配置されているとともに、前記電気用レセプタクル端子に接続されている信号線に対して前記アクチュエータ部を駆動させるための駆動信号を供給するように構成された駆動信号生成部と、
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡プロセッサ。
前記照明用レセプタクル端子は、略コの字形状のストッパー及び前記ストッパーと前記筐体とにより囲まれた空間内に設けられたエラストマーにより、前記筐体に対して位置決めされた状態で配置されているとともに、前記エラストマーの弾性力に応じた一定の範囲内で変位することができるように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡プロセッサ。
前記電気用レセプタクル端子は、ねじ部材及び支持部材により前記筐体に対して位置決めされた状態で配置されている電気基板の表面に設けられているとともに、前記支持部材における前記ねじ部材の周囲に設けられたエラストマーの弾性力に応じた一定の範囲内で変位することができるように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡プロセッサ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明を行う。
【0012】
図1から
図10は、本発明の実施形態に係るものである。
【0013】
内視鏡システム1は、
図1に示すように、被検者の体腔内に挿入される走査型の内視鏡2と、内視鏡2を着脱自在に接続可能な本体装置3と、本体装置3に接続される表示装置4と、本体装置3に対する情報の入力及び指示を行うことが可能な入力装置5と、を有して構成されている。
図1は、実施形態に係る内視鏡システムの要部の構成を示す図である。
【0014】
内視鏡2は、被検者の体腔内に挿入可能な細長形状を備えて形成された挿入部11を有して構成されている。また、内視鏡2は、本体装置3から供給される照明光を用いて被写体を走査するように構成されている。
【0015】
挿入部11の内部における基端部から先端部にかけての部分には、本体装置3から供給される照明光を観察光学系14へ導くための光ファイバである照明用ファイバ12Aと、被写体からの戻り光を受光して本体装置3へ導くための1本以上の光ファイバを具備する受光用ファイバ13と、がそれぞれ挿通されている。また、挿入部11の内部には、本体装置3から供給される駆動信号をアクチュエータ部15へ伝送するための信号線16Aが設けられている。
【0016】
照明用ファイバ12Aは、例えば、1本のシングルモードファイバにより構成されている。また、照明用ファイバ12Aの光入射面を含む入射端部は、照明用プラグ端子71(後述)の内部に配置されている。また、照明用ファイバ12Aの光出射面を含む出射端部は、挿入部11の先端部に設けられた観察光学系14の光入射面の近傍に配置されている。
【0017】
受光用ファイバ13は、例えば、複数本のマルチモードファイバを束ねて構成されている。また、受光用ファイバ13の光入射面を含む入射端部は、挿入部11の先端部の先端面における、観察光学系14の光出射面の周囲に固定配置されている。また、受光用ファイバ13の光出射面を含む出射端部は、受光用プラグ端子72(後述)の内部に配置されている。
【0018】
観察光学系14は、照明用ファイバ12Aの光出射面を経て出射される光を集光して被写体へ照射するための1つ以上のレンズを具備して構成されている。
【0019】
挿入部11の先端部側における照明用ファイバ12Aの中途部には、本体装置3から信号線16Aを介して供給される駆動信号に基づいて駆動することにより、照明用ファイバ12Aの出射端部を揺動させることができるように構成されたアクチュエータ部15が設けられている。
【0020】
アクチュエータ部15は、例えば、本体装置3から供給される駆動信号に基づいて駆動することにより、照明用ファイバ12Aの出射端部を第1の方向に沿って揺動させることが可能な1つ以上の圧電素子を備えた第1のアクチュエータと、本体装置3から供給される駆動信号に基づいて駆動することにより、当該出射端部を当該第1の方向に直交する第2の方向に揺動させることが可能な1つ以上の圧電素子を備えた第2のアクチュエータと、を具備して構成されている。すなわち、アクチュエータ部15は、本体装置3から供給される駆動信号に基づいて駆動することにより、照明用ファイバ12Aの出射端部(及び観察光学系14)を経て被写体に照射される照明光の照射位置を変位させることができるように構成されている。
【0021】
挿入部11の基端部には、内視鏡2を本体装置3のレセプタクル62(後述)に着脱自在に接続するためのプラグ61が設けられている。すなわち、本実施形態に係るコネクタ装置は、プラグ61及びレセプタクル62を具備して構成されている。
【0022】
プラグ61は、例えば、
図2に示すような外観形状を具備して形成されている。また、プラグ61は、レセプタクル62との接続方向に位置する所定の面SPから突出して形成された照明用プラグ端子71と、当該所定の面SPから突出して形成された受光用プラグ端子72と、当該所定の面SPから突出して形成された電気用プラグ端子73と、を有している。
図2は、実施形態に係るプラグの外観形状の一例を示す図である。
【0023】
照明用プラグ端子71は、所定の面SPからの突出長がPLAになるように形成されているとともに、レセプタクル62に設けられた照明用レセプタクル端子81(後述)に接続されるように構成されている。また、照明用プラグ端子71は、所定の面SPにおける受光用プラグ端子72に隣接する位置に設けられている。また、照明用プラグ端子71の内部には、照明用ファイバ12Aの入射端部が設けられている。
【0024】
受光用プラグ端子72は、所定の面SPからの突出長がPLAより長いPLBになるように形成されているとともに、レセプタクル62に設けられた受光用レセプタクル端子82(後述)に接続されるように構成されている。また、受光用プラグ端子72は、プラグ61の所定の面SPの中央部における照明用プラグ端子71及び電気用プラグ端子73に隣接する位置に設けられている。すなわち、受光用プラグ端子72は、照明用プラグ端子71と電気用プラグ端子73との間に配置されている。また、受光用プラグ端子72の内部には、受光用ファイバ13の出射端部が設けられている。
【0025】
電気用プラグ端子73は、所定の面SPからの突出長がPLAより短いPLCになるように形成されているとともに、レセプタクル62に設けられた電気用レセプタクル端子83(後述)に接続されるように構成されている。また、電気用プラグ端子73は、所定の面SPにおける受光用プラグ端子72に隣接する位置に設けられている。また、電気用プラグ端子73の内部には、アクチュエータ部15から延びる信号線16Aの端部が設けられている。
【0026】
すなわち、プラグ61は、受光用プラグ端子72の突出長PLBが、照明用プラグ端子71の突出長PLA及び電気用プラグ端子73の突出長PLCよりも長くなるように形成されている。
【0027】
本体装置3は、内視鏡プロセッサとしての機能を具備して構成されている。また、本体装置3は、光源部21と、駆動信号生成部22と、画像生成部23と、制御部24と、を有して構成されている。また、本体装置3の所定の位置には、内視鏡2のプラグ61を着脱自在に接続するためのレセプタクル62が設けられている。また、本体装置3の内部には、光源部21から供給される照明光をレセプタクル62の照明用レセプタクル端子81へ導くための光ファイバである照明用ファイバ12Bと、駆動信号生成部22から供給される駆動信号をレセプタクル62の電気用レセプタクル端子83へ伝送するための信号線16Bと、がそれぞれ設けられている。
【0028】
レセプタクル62は、例えば、
図3に示すように、照明用プラグ端子71を挿嵌することが可能な円筒形状の照明用レセプタクル端子81と、受光用プラグ端子72を挿嵌することが可能な円筒形状の受光用レセプタクル端子82と、電気用プラグ端子73の内部に嵌め込むことが可能な四角筒形状の電気用レセプタクル端子83と、を具備して構成されている。また、レセプタクル62(または後述の筐体91)の後端側における受光用レセプタクル端子82に隣接する位置には、受光用プラグ端子72の内部に設けられた受光用ファイバ13の出射端部を経て出射される戻り光を受光するとともに、当該受光した戻り光に応じた光検出信号を生成して出力するように構成された受光ユニット84が設けられている。
図3は、実施形態に係るレセプタクルの構成の一例を説明するための図である。
【0029】
照明用レセプタクル端子81は、例えば、
図3に示すように、ストッパー811及びエラストマー812により、レセプタクル62の外殻を形成する筐体91に対して位置決めされた状態で配置されている。具体的には、照明用レセプタクル端子81は、
図4及び
図5に示すように、外周面の一部が、略コの字形状を具備するストッパー811と、筐体91の内底面と、により囲まれた空間内に設けられたエラストマー812に環状に密着した状態で配置されている。また、照明用レセプタクル端子81の内部には、照明用ファイバ12Bの光出射面を含む出射端部が、割りスリーブ81C(後述)により保持された状態で配置されている。
図4及び
図5は、実施形態に係る照明用レセプタクル端子の構成の一例を説明するための図である。
【0030】
ストッパー811は、ねじ813により、筐体91の内底面に対して固定されている(
図4参照)。
【0031】
すなわち、以上に述べたような構成によれば、照明用レセプタクル端子81には、ストッパー811と筐体91とにより囲まれた空間内に設けられたエラストマー812の弾性力に応じた一定の範囲内で変位可能なフローティング構造が用いられている。また、以上に述べたような構成によれば、照明用レセプタクル端子81は、筐体91内における一定の範囲内で変位可能であるとともに、照明用プラグ端子71に接続されるように構成されている。
【0032】
受光用レセプタクル端子82は、例えば、
図3に示すように、照明用レセプタクル端子81と電気用レセプタクル端子83との間に配置されているとともに、筐体91の後端側に形成された切り欠きに嵌め込まれた状態で固定されている。また、受光用レセプタクル端子82は、受光用プラグ端子72に接続されるように構成されている。
【0033】
電気用レセプタクル端子83は、例えば、
図3及び
図6に示すように、電気基板831における筐体91の前端側の面(電気基板831の表面)に設けられている。また、電気基板831における筐体91の後端側の面(電気基板831の裏面)には、
図3及び
図6に示すように、本体装置3の内部の信号線16B等の接続に用いられる1つ以上の電気用コネクタハウジング92が設けられている。
図6は、実施形態に係る電気用レセプタクル端子の構成の一例を説明するための図である。
【0034】
電気基板831は、
図3及び
図6に示すように、段付きねじ832及びナット836を具備するねじ部材により、裏面側に設けられた支持部材833に対して位置決めされた状態で配置されている。
【0035】
支持部材833は、ねじ835により、筐体91の内底面に対して固定されている(
図4参照)。また、支持部材833は、段付きねじ832の周囲にエラストマー834を設けて構成されている。
【0036】
すなわち、以上に述べたような構成によれば、電気用レセプタクル端子83には、支持部材833における段付きねじ832の周囲に設けられたエラストマー834の弾性力に応じた一定の範囲内で電気基板831とともに変位可能なフローティング構造が用いられている。また、以上に述べたような構成によれば、電気用レセプタクル端子83は、筐体91内における一定の範囲内で変位可能であるとともに、電気用プラグ端子73に接続されるように構成されている。
【0037】
受光ユニット84は、例えば、
図3に示すように、受光用レンズユニット841と、電気基板842と、を有して構成されている。
【0038】
受光用レンズユニット841は、受光用レセプタクル端子82に接続されている受光用プラグ端子72に設けられた受光用ファイバ13の出射端部を経て出射される光を集光するように構成されている。
【0039】
電気基板842は、受光用レンズユニット841を経て出射される戻り光を受光し、当該受光した戻り光に応じた光検出信号を生成するとともに、当該生成した光検出信号を増幅して画像生成部23へ出力するように構成されている。
【0040】
光源部21は、例えば、赤色域のレーザ光(以降、R光とも称する)を発する赤色レーザ光源と、緑色域のレーザ光(以降、G光とも称する)を発する緑色レーザ光源と、青色域のレーザ光(以降、B光とも称する)を発する青色レーザ光源と、を具備して構成されている。また、光源部21は、本体装置3の内部における照明用レセプタクル端子81から離れた位置に配置されているとともに、照明用ファイバ12Bの光入射面を含む入射端部に接続されている。また、光源部21は、制御部24の制御に応じ、R光、G光及びB光の出力強度を変化させることができるように構成されている。すなわち、光源部21は、制御部24の制御に応じ、R光、G光及びB光のうちの少なくとも1つの色の光を照明光として照明用ファイバ12Bに対して供給するように構成されている。
【0041】
駆動信号生成部22は、例えば、信号発生器等を具備して構成されている。
【0042】
また、駆動信号生成部22は、本体装置3の内部における電気用レセプタクル端子83から離れた位置に配置されているとともに、信号線16Bを介して電気用レセプタクル端子83に接続されている。また、駆動信号生成部22は、制御部24の制御に応じ、照明用ファイバ12Aの出射端部を揺動させるための駆動信号を生成するとともに、当該生成した駆動信号を信号線16Bに対して供給するように構成されている。
【0043】
画像生成部23は、例えば、画像生成回路等を具備して構成されている。また、画像生成部23は、制御部24の制御に応じ、受光ユニット84から順次出力される光検出信号を輝度値等の画素情報に変換してマッピングするマッピング処理を行うことにより観察画像を生成し、当該生成した観察画像を表示装置4へ出力するように構成されている。
【0044】
制御部24は、例えば、制御回路等を具備して構成されている。また、制御部24は、光源部21、駆動信号生成部22及び画像生成部23の各部に対して制御を行うように構成されている。具体的には、制御部24は、例えば、R光、G光及びB光をこの順番で繰り返し照明用ファイバ12Bに供給させるための制御を光源部21に対して行うように構成されている。また、制御部24は、例えば、照明用ファイバ12Aの出射端部を渦巻状の走査パターンで揺動するような駆動信号を生成させるための制御を駆動信号生成部22に対して行うように構成されている。また、制御部24は、例えば、被写体に照射される照明光の照射位置が渦巻状の走査パターンの中心点から最外点に至るまでの期間中に受光ユニット84から出力される光検出信号を用いて観察画像を生成させるための制御を画像生成部23に対して行うように構成されている。また、制御部24は、例えば、図示しない信号線を介して電気用プラグ端子73と電気用レセプタクル端子83との接続状態を検出することができるように構成されている。また、制御部24は、電気用プラグ端子73と電気用レセプタクル端子83とが接続されていることを検出した場合に光源部21から照明光を出射させるための制御を行う一方で、電気用プラグ端子73と電気用レセプタクル端子83とが接続されていることを検出できなかった場合に光源部21から照明光を出射させないようにするための制御を行うように構成されている。
【0045】
表示装置4は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)を具備し、本体装置3から出力される観察画像を表示することができるように構成されている。
【0046】
入力装置5は、ユーザの操作に応じた指示を制御部24に対して行うことが可能な1つ以上のスイッチ及び/またはボタン等を具備して構成されている。なお、入力装置5は、本体装置3とは別体の装置として構成されていてもよく、または、本体装置3と一体化したインターフェースとして構成されていてもよい。
【0047】
次に、プラグ61とレセプタクル62との接続部分に係る内部構造の具体例について説明する。なお、以降においては、プラグ61とレセプタクル62とが、
図7に示すような接続状態で接続された場合を例に挙げて説明する。
図7は、実施形態に係るプラグとレセプタクルとが接続された場合の例を示す図である。
【0048】
照明用プラグ端子71の内部には、
図8に示すように、照明用ファイバ12Aの入射端部を固定するためのフェルール71Aと、フェルール71Aを保持するためのフェルールホルダ71Bと、が設けられている。
図8は、実施形態に係る照明用プラグ端子と照明用レセプタクル端子との接続部分に係る内部構造の一例を説明するための図である。
【0049】
照明用レセプタクル端子81の内部には、
図8に示すように、照明用ファイバ12Bの出射端部を固定するためのフェルール81Aと、フェルール81Aを保持するためのフェルールホルダ81B及び割りスリーブ81Cと、が設けられている。
【0050】
そして、以上に述べたような構成によれば、プラグ61とレセプタクル62とが接続された際に、フェルール71Aとフェルール81Aとが割りスリーブ81Cの内部において直線状に整列されることにより、照明用ファイバ12Aの入射端部が照明用ファイバ12Bの出射端部に対して位置決めされた状態で配置される。また、以上に述べたような構成によれば、プラグ61とレセプタクル62とが接続された際に、フェルール71Aの端面とフェルール81Aの端面とが割りスリーブ81Cの内部において当接することにより、照明用ファイバ12Aの入射端部と照明用ファイバ12Bの出射端部とが光学的に接続される。
【0051】
受光用レセプタクル端子82の内部には、
図9に示すように、受光用プラグ端子72の内部に設けられた受光用ファイバ13の出射端部を経て出射される光を受光用レンズユニット841に入射させるためのレンズ82Aが設けられている。
図9は、実施形態に係る受光用プラグ端子と受光用レセプタクル端子との接続部分に係る内部構造の一例を説明するための図である。
【0052】
受光用レンズユニット841の内部には、
図9に示すように、複数のレンズを具備する集光光学系841Aが設けられている。
【0053】
集光光学系841Aは、受光用レンズユニット841の内部における受光用レセプタクル端子82(のレンズ82A)に隣接する位置に位置決めされた状態で配置されているとともに、レンズ82Aを経て出射される戻り光を集光するように構成されている。すなわち、集光光学系841Aは、受光用レセプタクル端子82に接続された受光用プラグ端子72における受光用ファイバ13の出射端部を経て出射される戻り光を集光するように構成されている。
【0054】
電気基板842は、受光用レンズユニット841の集光光学系841Aを経て出射される戻り光を受光するための受光素子842Aを表面に設けて構成されている。また、電気基板842は、受光素子842Aにおいて受光された戻り光に応じた光検出信号を生成するとともに、当該生成した光検出信号を増幅して画像生成部23へ出力するように構成されている。
【0055】
受光素子842Aは、電気基板842の表面における集光光学系841Aに隣接する位置に位置決めされた状態で配置されている。
【0056】
そして、以上に述べたような構成によれば、プラグ61とレセプタクル62とが接続された際に、受光用レセプタクル端子82の内部に受光用プラグ端子72が挿嵌されることにより、受光用ファイバ13の出射端部を経て出射される光を受光素子842Aの受光面に受光させることができる。
【0057】
電気用プラグ端子73の内部には、
図10に示すように、アクチュエータ部15から延びる信号線16Aの端部を接続するためのプラグ側ランド73Bが一端側に形成されているとともに、レセプタクル側ランド73Cが他端側に形成された電気基板73Aが設けられている。
図10は、実施形態に係る電気用プラグ端子と電気用レセプタクル端子との接続部分に係る内部構造の一例を説明するための図である。
【0058】
電気用レセプタクル端子83の内部には、
図10に示すように、電気基板831(
図10では省略)の表面から延出した接点ピン83Aが設けられている。
【0059】
そして、以上に述べたような構成によれば、プラグ61とレセプタクル62とが接続された際に、レセプタクル側ランド73Cと接点ピン83Aとが接触することにより、信号線16Aと電気基板831(信号線16B)とが電気的に接続される。
【0060】
ここで、レセプタクル62は、受光用ファイバ13が被写体からの戻り光を伝送する際に生じる損失を極力小さくするために、受光用レセプタクル端子82に隣接する位置に受光ユニット84を設けて構成されている。
【0061】
但し、前述のようなレセプタクル62の構成によれば、受光用ファイバ13を経て出射される戻り光を受光素子842Aの受光面に効率的に受光させる必要があるため、集光光学系841Aを形成する複数のレンズの大型化を招きやすくなる。また、前述のようなレセプタクル62の構成によれば、受光素子842Aにおいて受光した戻り光に応じて生成した光検出信号をアンプ等の増幅回路で増幅してから出力する必要があるため、当該増幅回路の回路規模に応じた電気基板842の大型化を招きやすくなる。
【0062】
そのため、前述のようなレセプタクル62の構成において、例えば、照明用レセプタクル端子81、受光用レセプタクル端子82及び電気用レセプタクル端子83の3つの端子を変位可能とするような場合には、当該3つの端子において許容可能な位置ずれ量の合計を考慮した大規模なフローティング構造の設置が必要になり、その結果、レセプタクル62が大型化してしまう、という問題点が生じる。
【0063】
これに対し、本実施形態によれば、照明用レセプタクル端子81と電気用レセプタクル端子83との間に設けられた受光用レセプタクル端子82を筐体91に固定して変位させないようにしつつ、照明用レセプタクル端子81及び電気用レセプタクル端子83を筐体91内で個別に変位させることができるようにしている。そのため、本実施形態によれば、大型化した集光光学系841A及び電気基板842にフローティング構造を付与する必要がなくなるとともに、照明用レセプタクル端子81において許容可能な位置ずれ量と、電気用レセプタクル端子83において許容可能な位置ずれ量と、を個別に考慮しつつ筐体91内にフローティング構造を設けることができる。その結果、本実施形態によれば、レセプタクル62を小型化することができる。
【0064】
また、本実施形態によれば、照明用プラグ端子71と電気用プラグ端子73との間に設けられた受光用プラグ端子72の長さ(突出長PLB)が、照明用プラグ端子71の長さ(突出長PLA)及び電気用プラグ端子73の長さ(突出長PLC)よりも長くなるようにしている。そのため、本実施形態によれば、受光用プラグ端子72が受光用レセプタクル端子82に接続(挿嵌)された後、照明用プラグ端子71が照明用レセプタクル端子81に対して仮位置決めされるとともに、電気用プラグ端子73が電気用レセプタクル端子83に対して仮位置決めされる。また、本実施形態によれば、本体装置3に受光用レンズユニット841が固定されているため、フローティング構造が必要ない受光用レセプタクル端子82が照明用レセプタクル端子81と電気用レセプタクル端子83の間に配置される。その結果、本実施形態によれば、例えば、受光用レセプタクル端子82、照明用レセプタクル端子81、電気用レセプタクル端子83の順に配列した場合に比べて、照明用レセプタクル端子81を筐体91内で変位させる際の最大変位量と、電気用レセプタクル端子83を筐体内で変異させる最大変位量と、をそれぞれ小さくすることができる。すなわち、本実施形態によれば、レセプタクル62を小型化することができる。
【0065】
また、本実施形態によれば、電気用プラグ端子73の長さ(突出長PLC)が、照明用プラグ端子71の長さ(突出長PLA)及び受光用プラグ端子72の長さ(突出長PLB)よりも短くなるようにしている。そのため、本実施形態によれば、照明用プラグ端子71が照明用レセプタクル端子81に接続され、かつ、受光用プラグ端子72が受光用レセプタクル端子82に接続された後において、電気用プラグ端子73が電気用レセプタクル端子83に接続される。一方、本実施形態によれば、電気用プラグ端子73と電気用レセプタクル端子83とが接続されていない場合に、光源部21から照明光(レーザ光)を出射させないようにするための制御が行われる。すなわち、本実施形態によれば、照明用プラグ端子71と照明用レセプタクル端子81とが確実に接続されている状態において、光源部21から照明光(レーザ光)が出射される。そのため、本実施形態によれば、例えば、光源部21から出射された照明光(レーザ光)が、照明用プラグ端子71が接続されていない状態の照明用レセプタクル端子81を介して本体装置3の外部へ放出されてしまうような状況を回避しつつ、内視鏡観察を安全に行うことができる。
【0066】
なお、前述のような作用効果を得るためには、少なくとも電気用プラグ端子73の長さ(突出長PLC)が照明用プラグ端子71の長さ(突出長PLA)よりも短ければよい。そのため、例えば、電気用プラグ端子73の長さ(突出長PLC)が受光用プラグ端子72の長さ(突出長PLB)よりも長くなるようにプラグ61が構成されている場合であっても、前述のものと同様の作用効果を得ることができる。
【0067】
また、本実施形態によれば、照明用プラグ端子71、受光用プラグ端子72及び電気用プラグ端子73がプラグ61の所定の面SPからそれぞれ突出して設けられているとともに、レセプタクル62の照明用レセプタクル端子81及び電気用レセプタクル端子83にフローティング構造が用いられている。そのため、本実施形態によれば、フローティング構造を用いつつ、光ファイバ及び信号線等を簡便に接続することができる。
【0068】
なお、本実施形態は、3つのプラグ端子と3つのレセプタクル端子とを接続するような構成を具備する限りにおいては、走査型の内視鏡2とは異なる他の方式の内視鏡に適用されるものであってもよい。具体的には、本実施形態は、例えば、第1のレセプタクル端子、第2のレセプタクル端子及び第3のレセプタクル端子をレセプタクルの筐体内に設けた内視鏡プロセッサと、当該第1のレセプタクル端子に接続される第1のプラグ端子、当該第2のレセプタクル端子に接続される第2のプラグ端子、及び、当該第3のレセプタクル端子に接続される第3のプラグ端子をプラグに設けた内視鏡と、を具備する内視鏡システムにおいても略同様に適用される。そして、このような場合においては、例えば、第1のレセプタクル端子及び第2のレセプタクル端子のうちの少なくとも一方が、レセプタクルの筐体内における一定の範囲内で変位可能であり、第3のレセプタクル端子が当該第1のレセプタクル端子と当該第2のレセプタクル端子との間に配置されているとともに当該筐体に対して固定されており、プラグに設けられた第3のプラグ端子が第1のプラグ端子と第2のプラグ端子との間に配置されていればよい。
【0069】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更や応用が可能であることは勿論である。
【0070】
本出願は、2016年10月25日に日本国に出願された特願2016−208424号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲に引用されるものとする。