【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1に述べられているようなチェーン・リンクによって得られる。
【0008】
本発明によれば、ヒンジ・ピンは、少なくとも1つの凹部を有しており、少なくとも1つの凹部は、幅の狭い側部から遠く離れているピンの側部において、その長さの一部分だけにわたって、ピンの円筒形状の表面から後退させられており、
また、半径R1を有するピン受け入れ手段の円筒形状の領域から突き出て
いる、
ピン受け入れ手段のラッチング・ノーズが、とりわけ、トランスバース・バーの閉位置において(または、その枢動角度全体にわたって)、
少なくとも1つの凹部の中へ係合して
いる。そのうえ、ピン受け入れ手段と協働する別の部分において、ヒンジ・ピンは、円筒形状になっており、したがって、円弧の形状の断面のものになっている。したがって、トランスバース・バーの閉位置において、ラッチング・ノーズは、好ましくは、ヒンジ・ピンの円筒形状の領域から後退させられている領域に当接し、または、この領域を超えて係合する。これは、ピン受け入れ手段とヒンジ・ピンとの間のラッチング接続が、追加的に固定され、エネルギー・ガイディング・チェーンの動作時の前記ヒンジ領域の中のトランスバース・バーの望まれない分離が、実質的に妨げられ、それによって、チェーンのより信頼性の高い動作を保証するということ意味している。確かに、従来のチェーン・リンクでは、トランスバース・バー自体もまた、円筒形状のヒンジ・ピンの上の円筒形状のピン受け入れ手段によって固定されており、それによって、ラッチング接続を形成している。しかし、チェーン・リンクの本発明による構成では、ピン受け入れ手段とヒンジ・ピンとの間のラッチング接続は、同じ状態のままになっているヒンジ・ピンの周りのピン受け入れ手段の周囲範囲によって実質的に安定化させられている。その場合は、ピン受け入れ手段のラッチング・ノーズが、凹部の周囲範囲の端部領域において、ヒンジ・ピンに当接することが可能である。それに加えて、ラッチング・ノーズは、凹部の端部領域において引っ掛けることができ、とりわけ、トランスバース・バーの枢動移動において開く方向に関して引っ掛けることができる。そのために、少なくとも、ラッチング・ノーズの方を向いている端部領域において(または、両方の端部領域において)、凹部は、凸形に湾曲した領域を有することが可能であり、または、ヒンジ・ピンの半径方向に平坦に延在し、トランスバース・バーの閉位置においてラッチング・ノーズが当接する領域を有することが可能であり、または、ラッチング・ノーズがその中へ係合するアンダーカット構成をも有することが可能である。そのように、たとえば、トランスバース・バーを圧迫するケーブルまたはラインに起因して、トランスバース・バーの内側に作用する力は、とりわけ、好ましくは吸収され得る。それに加えて、そのように、ヒンジ・ピンのためのピン受け入れ手段の開口部の幅は、重要でない程度にだけしかサイズが低減されていないか、または、事実上少しもサイズが低減されておらず、トランスバース・バーをチェーン・リンク・プレートに固定するためのヒンジ・ピンの上へのピン受け入れ手段のラッチング係合が、重要でない程度にだけしか阻止されないか、または、事実上少しも阻止されないようになっており、これは、特に、小さい壁部厚さを必要とする小さいチェーン・リンクの場合に、とりわけ有利なものである。それに加えて、本発明によるチェーン・リンクの構成によって、トランスバース・バーの枢動移動においてピン受け入れ手段をガイドする役割も果たす、ヒンジ・ピンの円筒形状の領域は、半径方向外向きに拡大されておらず、それによって、トランスバース・バーがその開位置に向かう方向に特定の範囲を超えて枢動させられる場合には、トランスバース・バーの枢動移動は妨害される可能性があり、または、そうでなければ、ヒンジ・ピンからのトランスバース・バーの望まれない解放につながる可能性もある。それに加えて、本発明によるチェーン・リンクは、増加した耐用年数を有しており、エネルギー・ガイディング・チェーンのより均一でより滑らかな変位を可能にするということが見出された。
【0009】
したがって、本発明によるチェーン・リンクでは、ピン受け入れ手段へのヒンジ・ピンのラッチング係合のために2つの異なるラッチング領域が存在している。これは、一方では、ピン凹部を備えたラッチング領域であり、ピン凹部は、半径R1を有するピンの円筒形状の表面から後退させられており、半径R1を有するピン受け入れ手段の円筒形状の領域から突き出ているピン受け入れ手段のラッチング・ノーズが、ピン凹部の中へ係合する。また、これは、他方では、ヒンジ・ピンの他の(第2の)部分であり、他の(第2の)部分は、半径R1を有する円筒形状になっており、半径R1のピン受け入れ手段と協働する。したがって、ヒンジ・ピンのその他の(第2の)部分は、円弧の形状および/または半径R1の断面を有しているので、これは、トランスバース・バーの枢動移動のときに、とりわけ精密で安定した案内をトランスバース・バーに与える。その理由は、半径R1のピン受け入れ手段が、トランスバース・バーの枢動角度全体にわたって、半径R1のピンの周りのその周囲範囲全体にわたってガイドされるからである。他方では、ピン受け入れ手段から突き出ており、ピンの中の凹部の中へ係合する、ラッチング・ノーズに起因する追加的なラッチング接続は、トランスバース・バーが、その閉位置において、とりわけ、ケーブルまたはラインなどによって外向きに湾曲させられているときに、とりわけ十分に固定されているということを提供し、ケーブルまたはラインなどは、チェーンの中にガイドされており、エネルギー・ガイディング・チェーンの動作時に、チェーンの内部からトランスバース・バーを圧迫し、トランスバース・バーの意図しない解放を引き起こす可能性がある。しかし、本発明の過程において、凹部を備えた第1に述べられたラッチング接続によって、および、ラッチング・ノーズがピン受け入れ手段から突き出ていることによって、単にトランスバース・バーが保持されている場合には、これは、とりわけ、速い枢動移動の場合に、および/または、その枢動移動の間にトランスバース・バーに作用する力に関して、または、少なくとも部分的に開けられた位置において、たとえば、横断方向の力および/または捩じり力が関係しているときなどに、トランスバース・バーの枢動特性に対する悪影響につながるということが見出された。本発明を考慮して、これは、ピンの上でのトランスバース・バーの精密な保持および安定化が、とりわけ、トランスバース・バーに作用する横断方向の力および/または捩じり力に関して、ピン受け入れ手段のラッチング・ノーズだけがその中へ係合する凹部によって不安定化させられ、その理由は、半径R1のピンおよびピン受け入れ手段の互いとの接触領域のサイズが低減させられるからであるという事実に起因する。たとえば、トランスバース・バーが部分的に開けられているときに、凹部の中へ係合しているラッチング・ノーズは、半径R1のピンおよびピン受け入れ手段の2つの動作領域と比較して、横断方向の力および/または捩じり力に対するわずかな抵抗だけに対抗するということが認識されることとなる。その点において、エネルギー・ガイディング・チェーンは、多くの場合、悪条件下において、たとえば、チェーンの修理またはメンテナンスのためにマシンに連結されているチェーンのマニュアル・フィッティング、ピースワーク状況におけるチェーンのマニュアル・フィットメント(fitment)などの場合において、ケーブルなどとフィットさせられることとなることが多く、また、トランスバース・バーを開閉させるときに、多くの場合に制御されていない力が、トランスバース・バーに作用する可能性があるということが心に留められるべきである。したがって、トランスバース・バーの2つの上述のラッチング領域は、有利なエネルギー・ガイディング・チェーンを提供するために、特定の方式で互いに補完し合い、トランスバース・バーは、容易に開閉することもできる。それに加えて、トランスバース・バーが閉じられた状態のチェーンの動作時のいくつかの状況下において、横断方向の力および/または捩じり力が、たとえば、チェーンの中にガイドされているケーブルなどがトランスバース・バーにぶつかることに起因して、トランスバース・バーに作用する可能性がある。
【0010】
半径R1のピン領域の円筒形状の構成、および、ピン受け入れ手段に関する同じ半径R1に起因して、ピンおよびピン受け入れ手段のその部分は、遊びのないおよびクリアランスのない方式で協働する。したがって、ピンの第2の円筒形状の部分の領域において、ピンおよびピン受け入れ手段は、これらの表面領域全体にわたって、より具体的には、トランスバース・バーの枢動角度全体にわたって、互いに当接している。そのように、トランスバース・バーの枢動移動のときに、凹部および凹部の中へ係合するラッチング・ノーズを備えたピンとピン受け入れ手段との間の第1のラッチング接続も考慮して、この配置は、とりわけ、その部分的にもしくは完全に開けられている位置において、または、その閉位置においても、トランスバース・バーに作用する横断方向の力および/または捩じり力に関して、ヒンジ・ピンによるトランスバース・バーのとりわけ安定した案内を提供する。
【0011】
好ましくは、ピンの他の円筒形状の部分は、ピン受け入れ手段とラッチ式に協働し、それによって、閉位置において、および、トランスバース・バーの枢動移動においても、リンク・プレートへのトランスバース・バーのとりわけ安定した精密な固定を提供する。そのために、ピン受け入れ手段は、ピン周囲の180°以上にわたって、たとえば、220°以上または280°以上にわたって延在している。とりわけ好適な実施形態では、凹部、および、凹部に係合するラッチング・ノーズは、ヒンジ・ピンの端部領域から間隔を置いて配置された関係で配置されているだけであり、ヒンジ・ピンは、その2つの端部領域において、円筒形状になっている。したがって、ピンの中の後退させられた凹部は、ピンとピン受け入れ手段との間の協働のエリアの中央領域に配置されており、好ましくは、その中央に配置されている。半径R1の端部領域(したがって、これらは互いから間隔を置いて配置されている)に起因する、ピンの上のピン受け入れ手段のとりわけ正確な案内に起因して、トランスバース・バーは、トランスバース・バーの部分的にまたは完全に開けられている位置、および、その閉位置の両方において、横断方向の力および/または捩じり力に関してとりわけ安定化させられており、これが、その枢動移動におけるトランスバース・バーの正確な案内に関してもとりわけ望ましいということが判明し、トランスバース・バーが、低いレベルの摩耗によって、容易に正確に枢動させられ得るようになっている。それに加えて、これは、チェーンの内部からトランスバース・バーを圧迫するケーブルなどによって最も頻繁に負荷を掛けられるトランスバース・バーの中央領域がとりわけ安定化させられるということを提供する。それに加えて、その設計構成は、射出成形によって、とりわけ有利な方式で生産され得る。
【0012】
代替的に、少なくとも1つの凹部、および、少なくとも1つの凹部の中へ係合するラッチング・ノーズ、または、複数の凹部、および、複数の凹部の中へ係合するそれぞれのラッチング・ノーズは、ヒンジ・ピンの端部領域から間隔を置いて配置され得るだけではなく、ヒンジ・ピンは、別の部分の中に設けられ、または、円筒形状の構成のものになっている。随意的に、その場合では、ヒンジ・ピンは、複数の他の部分においても円筒形状になっていることが可能である。少なくとも1つの凹部、または、少なくとも1つの凹部の中へ係合するラッチング・ノーズは、ヒンジ・ピンの少なくとも1つの端部領域または両方の端部領域に配置されることができ、ヒンジ・ピンは、ピンの一方または両方の端部領域とは異なる一部分において、円筒形状の構成のもの(すなわち、その周囲全体にわたって半径R1のもの)になっている。好ましくは、凹部、および、凹部の中へ係合するラッチング・ノーズは、ヒンジ・ピンの両方の端部領域に設けられている。好ましくは、半径R1のピンの円筒形状の部分(したがって、これは、周囲全体にわたってピンの周りに延在している)は、ピンの中央領域に配置されており、とりわけ、好ましくは、ピン上の中央に配置されている。たとえば、トランスバース・バーの幅が、チェーン・リンクの長さに対して比較的に小さい場合に、したがって、トランスバース・バーの外側縁部領域が、チェーンの内部からトランスバース・バーを圧迫するケーブルなどによってより重く負荷を掛けられる場合に、これは、とりわけ有利である可能性がある。
【0013】
随意的に、ピンの中に2つ以上の後退させられた凹部が存在することも可能であり、ラッチング・ノーズが、ピン受け入れ手段の上で凹部の中へ係合し、および/または、トランスバース・バーの保持領域において、円筒状の形状のピンの3つ以上の他の(第2の)部分が存在することも可能であり、また、これらは、たとえば、代替的な相互に並列された関係で配置され得る。随意的に、トランスバース・バーの保持領域において、配置は、ピン受け入れ手段のラッチング・ノーズがその中へ係合する1つだけのピン凹部、および、その周囲にわたって半径R1を有するピンの1つだけの他の(第2の)部分を有することが可能である。したがって、一般的に、ヒンジ・ピンおよびピン受け入れ手段の2つの特定の異なる領域のうちの第1および/または第2のものは、複数の相互に間隔を置いて配置された部分を提供することが可能である。
【0014】
凹部を備えたピンの領域、および、第2の円筒形状のピン領域は、互いから独立して、ピン受け入れ手段の幅方向の範囲にわたって、10〜90%または20〜80%または35〜65%にわたって、たとえば、40〜60%にわたって、それぞれ延在することが可能である。
【0015】
好ましくは、凹部およびヒンジ・ピンは、ピンおよびピン受け入れ手段が協働するそれぞれの長手方向の範囲の部分にわたって、トランスバース・バーの長手方向軸線に対して鏡像対称的な構成のものである。これは、ケーブルなどがトランスバース・バーの内側を圧迫するときに、とりわけ有利な力の分配を提供する。その理由は、とりわけ、トランスバース・バーがそのような力を受ける場所が、チェーンの動作中に予測不可能に変化する可能性があり、これは、さまざまなチェーン・フィットメント状況において、トランスバース・バーの簡単で信頼性の高いハンドリングを提供することが可能であるからである。
【0016】
先述の構成と組み合わせて、半径R1のヒンジ・ピンとピン受け入れ手段との間のヒンジ接続に加えて、提供されるその閉位置にあるトランスバース・バーとチェーン・リンク・プレートとの間でラッチ式に協働するラッチング手段が設けられているチェーン・リンクを提供することが可能であり、前記追加的なラッチング手段は、その開位置においてトランスバース・バーの枢動角度を限定する。追加的なラッチング手段は、意図的でなくトランスバース・バーが開くことを妨げる。それに加えて、チェーン・リンクをケーブルおよびラインなどとフィットさせるとき、または、ケーブルおよびラインなどを除去するときの、チェーン・リンクのハンドリングは、ラッチング手段がトランスバース・バーの開位置において当接部の形態になっているということに起因して、実質的により容易にできるようにされる。ラッチング手段は、ピン受け入れ手段の上述のラッチング・ノーズを含むことが可能である。ラッチング・ノーズの協働する構成(カウンター・ラッチング手段)は、ヒンジ・ピンの1つの部分、たとえば、上述の凹部の端部領域によって提供され得る。一般的に、当接部は、ピン受け入れ手段の内向きに配設されている側部に配置され得る。
【0017】
好ましくは、凹部は、アーチ形の表面コンターのものであり、ピンの円筒形状の表面と同じ湾曲方向を有している。ピン受け入れ手段のラッチング・ノーズが、トランスバース・バーの枢動移動において、凹部の領域においてヒンジ・ピンに接触しており、または、トランスバース・バーの枢動移動の少なくとも一部にわたって、ヒンジ・ピンに当接しているときに、これは、特に有利なものである。
【0018】
一般的に、本発明によれば、ラッチング・ノーズは、トランスバース・バーの枢動角度の少なくとも一部分にわたって、好ましくは、ヒンジ・ピンの中の凹部の領域において、たとえば、凹部の端部領域において、ヒンジ・ピンの周りの凹部の周囲範囲に対して、ヒンジ・ピンに当接することが可能である。好ましくは、ラッチング・ノーズは、とりわけ、その凹部の領域において、トランスバース・バーの枢動角度全体にわたって、ヒンジ・ピンに当接する。
【0019】
とりわけ好ましくは、凹部の表面コンターは、半径R2の円弧の形態になっており、ラッチング・ノーズがヒンジ・ピンの円筒形状の表面コンターに当接するときに、その場合では、ラッチング・ノーズの変形またはピン受け入れ手段の領域を伴うことなく、凹部の領域において、トランスバース・バーの簡単な枢動移動が可能にされるようになっている。半径R2は、ここでは、ヒンジ・ピンの円筒形状の領域の半径R1よりも小さい。
【0020】
凹部は、一般的に、溝の形態になっていることが可能であり、好ましくは、ヒンジ・ピンの周囲方向に凹部の範囲にわたって、溝は一定の深さである。
【0021】
凹部は、一般的に、本発明にしたがって配設されており、好ましくは、半径R1によって画定されるヒンジ・ピンの軸線(シリンダーの軸線)の下に配設されており、ヒンジ軸線は、前記平面の中に配設されており、前記平面は、トランスバース・バーの長手方向の延在に対して平行に、および、チェーン・プレートの主平面に対して垂直方向に延在している。その場合では、チェーン・プレートの主平面は、チェーン・プレートの外側の表面および内側の表面に対して平行に延在している。
【0022】
ヒンジ・ピンは、それぞれ、好ましくは、ヒンジ・プレートに配置されており、ピン受け入れ手段は、トランスバース・バーに配置されている。
【0023】
凹部は、ヒンジ・ピンのシリンダーの軸線を含有する、ヒンジ・ピンの中央平面に関して対称的に延在していることが可能であり、ピン中央平面は、チェーン・プレートの主中央平面に対して平行に配置され得る。
【0024】
とりわけ好ましくは、凹部の湾曲の軸線、および、ピンの半径R1の円筒形状の表面(したがって、円筒形状の外側の表面)は、相互に同軸の関係で配置されている。したがって、ピン受け入れ手段の円筒形状の画定表面、および、ラッチング・ノーズの画定縁部は、その枢動軸線の周りにトランスバース・バーの枢動移動のときに、同心円状の半径の上を変位させられる。したがって、ヒンジ・ピンのシリンダー軸線は、一般的に、本発明によるトランスバース・バーの枢動移動の軸線を表すことが可能である。凹部の中へ係合するラッチング・ノーズによって、または、とりわけ凹部の領域においてヒンジ・ピンに当接するラッチング・ノーズによって、これが損なわれることなく、これは、トランスバース・バーの簡単な枢動移動を可能にする。
【0025】
好ましくは、凹部の中へ係合するラッチング・ノーズは、チェーン・プレートの外側の方を向いている、ピン受け入れ手段の側部に配設されている。これがケーブルまたはラインなどによってその内側において力を受けるときに、これは、トランスバース・バーの解放をとりわけ効果的に妨げるかまたは防止する。その外向きの湾曲を引き起こすことができる力が、トランスバース・バーの内側に印加されるときに、ラッチング・ノーズは、特定の幾何学形状に起因して、ヒンジ・ピンの軸線の方向に付勢され、したがって、ラッチング・ノーズとヒンジ・ピンとの間のラッチング接続が、追加的に固定またはロックされる。それに加えて、これは、トランスバース・バーが開くときに、次いで、好ましくはヒンジ・ピンの軸線の下に配置されているラッチング・ノーズが、それぞれのチェーン・プレートの内側に向かう方向に枢動させられ、また、凹部の中に配置されるときに、トランスバース・バーの枢動移動を妨げない。
【0026】
ピン受け入れ手段の領域において、および/または、その端部領域において、または、場合によっては、その範囲全体にもわたって、トランスバース・バーは、その外側(チェーン・リンクから離れる方を向く側部)に開口部のない構成のものになっていることが可能である。これは、たとえば、アパーチャーの領域において、ダートの堆積(たとえば、アブレシブ摩耗に起因する)を防止し、エネルギー・ガイディング・チェーンが、有利には、汚い環境において、または、クリーン・ルーム条件下において使用され得るようになっている。
【0027】
一般的に、凹部は、好ましくは、トランスバース・バーのその閉位置からその開位置への移動のときに、少なくとも、トランスバース・バーの枢動角度と同じ角度範囲にわたって延在しており、その点において、凹部は、より大きい角度範囲のものであることも可能であるということが認識されることとなる。その点において、角度範囲は、ヒンジ・ピンの周囲方向に関係している。
【0028】
とりわけ好ましくは、凹部、および、凹部の中へ係合するラッチング・ノーズは、ヒンジ・ピンの端部領域から所定の間隔で配置されているだけであり、ヒンジ・ピンは、その2つの端部領域において、半径R1の円筒形状の構成のものである。これは、ヒンジ・ピンの間隔を置いて配置された円筒形状の領域に起因して、トランスバース・バーの枢動移動において、トランスバース・バーの安定した案内を提供する。その端部領域におけるヒンジ・ピンのシリンダー部分は、ヒンジ・ピンの端部領域に直接的に配置されることができ、したがって、トランスバース・バーの枢動移動において、ピンの長手方向に延在するピン受け入れ手段の端部領域と接触していることが可能である。随意的に、半径R1のヒンジ・ピンのシリンダー領域はまた、好ましくは、わずかにだけ、ピン受け入れ手段の端部領域から間隔を置いて配置され得る。好ましくは、同時に、ピン受け入れ手段のラッチング・ノーズは、トランスバース・バーの枢動移動のときに、凹部の領域において、ヒンジ・ピンと接触した状態になっており、それによって、トランスバース・バーとチェーン・プレートとの間のヒンジ接続の安定性が、追加的に強化される。とりわけ好ましくは、その開位置においてトランスバース・バーの枢動角度を限定するための当接部が設けられている。これは、ケーブルまたはラインなどをチェーン・リンクの内部の中へ導入するときに、または、前記ケーブルまたはラインなどをチェーン・リンクの内部から除去するときに、チェーン・リンクのハンドリングを促進させる。とりわけ好ましくは、凹部の端部領域は、当接部の形態をしており、当接部は、トランスバース・バーの対応する当接部と接触するようになっており、トランスバース・バーの対応する当接部は、とりわけ、ピン受け入れ手段のラッチング・ノーズによって提供されることができ、それによって、請求項17に述べられているようなチェーン・リンクの設計構成の有利な開発を提供する。たとえば、凹部がステップを備えたピン受け入れ手段の中へ入ることによって、または、受け入れ手段を画定する表面が実質的に径方向に延在していることによって、または、随意的に、アンダーカット構成が凹部の端部領域に設けられていることによって、凹部の端部領域における当接部は、たとえば、突起または凹部の端部領域の適切な構成によって提供され得る。トランスバース・バーの当接位置(開位置)において、トランスバース・バーは、実質的にチェーン・プレートとの延長の位置に配置されることができ、トランスバース・バーの枢動角度が、約90°になるようになっており、好ましくは、トランスバース・バーの枢動角度は、90°よりも大きく、たとえば、100°以上または120°以上、随意的に、180°以上にもなっており、トランスバース・バーが、追加的な手段なしに、その開位置において、安定した条件で支持されるようになっている。したがって、ピン受け入れ手段のラッチング・ノーズは、一方では、トランスバース・バーの外向きの湾曲を防止することに関して、および、他方では、トランスバース・バーの開位置における当接部として作用することに関して、複数の機能を果たすことが可能である。
【0029】
好ましくは、チェーン・プレートの内側の方を向いているトランスバース・バーのピン受け入れ手段の領域は、チェーン・プレートの外側を向いているピン受け入れ手段の領域よりも、トランスバース・バーからチェーン・リンクの内部の方向に遠くへ突き出ている。ピン受け入れ手段の遠くへ突き出ている領域は、この場合では、ヒンジ・ピンの上にトランスバース・バーをラッチングするときに、一種のガイド手段または挿入補助としての役割を果たすことが可能である。それに加えて、これは、トランスバース・バーとチェーン・プレートの内側との間の移行領域においても、少なくとも実質的に連続的なチェーン・リンクの内側を提供することが可能である。これは、エネルギー・ガイディング・チェーンの動作時に、たとえば、アブレシブ摩耗にも起因する、チェーン・リンクの内部の中にガイドされるケーブルまたはラインなどの損傷を防止する。とりわけ好ましくは、そのために、チェーン・プレートの内側を向いているピン受け入れ手段の領域は、トランスバース・バーの閉位置において、チェーン・プレートの内側によって終端し、チェーン・リンクの内側が連続的になるようになっており、好ましくは、トランスバース・バーが閉じられたときに、トランスバース・バーとチェーン・プレートとの間の移行領域に任意のギャップを有さないようになっている。
【0030】
好ましくは、チェーン・リンクの内部を向いているその側部において、トランスバース・バーとチェーン・プレートとの間の移行領域において、チェーン・リンクの内部の中へ突出する突起は存在していない。これは、チェーン・リンクの内部の中へケーブルなどを導入することを促進させ、それに加えて、エネルギー・ガイディング・チェーンの動作時に、たとえば、アブレシブ摩耗にも起因する、ケーブルおよびラインなどに対する損傷を回避する。これは、トランスバース・バーとチェーン・プレートとの間のヒンジ接続の本発明による構成によっても実質的に実現され、とりわけ、ヒンジ・ピンの上に配置されている当接部、および、ヒンジ・ピン凹部の領域におけるトランスバース・バー当接の説明された構成によっても実現される。
【0031】
好ましくは、スクリュードライバーなどのようなツールを導入するためのスロットが、トランスバース・バーの閉位置において、チェーン・プレートと、チェーン・プレートの外側を向いているピン受け入れ手段の領域との間に設けられており、スロットの中へツールを導入することによってチェーン・リンクを開けるために、トランスバース・バーがてこを使用してヒンジ・ピンから離され得るようになっている。
【0032】
とりわけ好ましくは、トランスバース・バーとチェーン・プレートとの間のヒンジ接続は、それぞれのトランスバース・バーの両方の反対側の端部領域に設けられており、また、本発明による設計構成のものになっている。そのように、トランスバース・バーは、両方の端部領域において、それぞれのヒンジ・ピンから解放可能となっており、または、チェーン・リンクは、トランスバース・バーの両方の端部領域において開けられ得る。そのように、チェーン・リンクは、ケーブルまたはラインなどを導入または除去するときに、フレキシブルにハンドリングされ得る。それに加えて、これは、エネルギー・ガイディング・チェーンの動作時に、トランスバース・バーの外向きの湾曲、および、チェーン・プレートからのトランスバース・バーの意図的でない解放に効果的に対抗する。
【0033】
好適な変形例によれば、チェーン・リンクの2つの相互に反対側のトランスバース・バーのうちの1つだけが、本発明による構成で、チェーン・プレートにおけるトランスバース・バーの少なくとも1つまたは両方の端部領域において、ヒンジ式に解放可能に保持されており、また、反対側のトランスバース・バーは、2つのチェーン・プレートの上にワンピースで形成されている。とりわけ、小さいサイズのチェーン・リンクの場合では、チェーン・リンクの安定性が、それによって強化される。別の変形例では、チェーン・リンクの上に反対側の関係で配設されている両方のトランスバース・バーは、とりわけ、本発明にしたがって、プレートから解放可能であるように適合されることができ、チェーン・リンクが両方の側部から開けられることとなるようになっている。
【0034】
本発明は、さらに、複数のチェーン・リンクを有するエネルギー・ガイディング・チェーンに関するものであり、複数のチェーン・リンクは、一緒にヒンジ式に接続されており、本発明にしたがってそれぞれ設計されている。エネルギー・ガイディング・チェーンは、上側ラン、下側ラン、および、これらの間に配設されている、方向が変化する領域とともに配置され得るような構成のものであることが可能である。上側および下側ランは、その場合、真っ直ぐな条件で配置されることが可能であり、その場合、隣接するチェーン・リンクが、互いに当接した状態になることが可能である。方向が変化する領域において、チェーン・リンクは、互いに対して枢動させられ、したがって、互いに対して当接位置にはない。
【0035】
本発明が、例として、図を参照して説明される。