特許第6871302号(P6871302)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871302
(24)【登録日】2021年4月19日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】3次元物体の付加製造装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/371 20170101AFI20210426BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20210426BHJP
   B33Y 50/00 20150101ALI20210426BHJP
   B29C 64/386 20170101ALI20210426BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20210426BHJP
   B33Y 40/00 20200101ALI20210426BHJP
   B22F 3/105 20060101ALI20210426BHJP
   B22F 3/16 20060101ALI20210426BHJP
   B28B 1/30 20060101ALI20210426BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20210426BHJP
【FI】
   B29C64/371
   B33Y30/00
   B33Y50/00
   B29C64/386
   B29C64/153
   B33Y40/00
   B22F3/105
   B22F3/16
   B28B1/30
   B29C64/393
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-96931(P2019-96931)
(22)【出願日】2019年5月23日
(65)【公開番号】特開2019-202540(P2019-202540A)
(43)【公開日】2019年11月28日
【審査請求日】2019年8月16日
(31)【優先権主張番号】18173920.2
(32)【優先日】2018年5月23日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】16/276,600
(32)【優先日】2019年2月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504473474
【氏名又は名称】コンセプト・レーザー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ハー ユルゲン ヴェルナー
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン ギュンター
【審査官】 ▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2018/0126460(US,A1)
【文献】 特開2010−265521(JP,A)
【文献】 特表2016−523735(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第101653827(CN,A)
【文献】 特開2010−047813(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00−64/40
B33Y 10/00−99/00
B22F 3/105
B22F 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー源(4)によって固化可能な造形材料(3)層の連続的な層ごとの選択照射及び固化によって3次元物体(2)を付加製造するための装置(1)であって、前記装置(1)は、
付加製造プロセスにおいて発生する残滓(10)で充満させることができるガス流(9、9’)をプロセスチャンバ(6)内に発生させるように適合された流れ発生装置(8)
前記ガス流(9、9’)に含まれる前記残滓(10)に関する少なくとも1つの残滓情報判定するように適合された判定ユニット(13、13’)と、
前記少なくとも1つの残滓情報に応じて前記付加製造プロセスを中断するように適合された制御ユニット(17)とを備え、
前記付加製造プロセスが、少なくとも1つの作業パッケージの後に中断されることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記制御ユニット(17)は、前記少なくとも1つの残滓情報に応じて、少なくとも1つの流れパラメータ制御するように適合されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記御ユニット(17)は、前記装置(1)で遂行される付加製造プロセスに関する少なくとも1つのプロセスパラメータ、前記残滓情報に応じて調節するように適合されることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記制御ユニット(17)は、前記少なくとも1つの残滓情報に応じて、前記付加製造プロセス、少なくとも一時的に中断するように適合されることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記制御ユニット(17)は、少なくとも1つの残滓閾値を生成及び/又は受信するように適合され、前記制御ユニット(17)は、前記残滓閾値に一致又はそれを超える前記残滓情報により少なくとも1つのプロセスパラメータを調節るように適合され、また、前記制御ユニット(17)は、残滓閾値未満の前記残滓情報により前記付加製造プロセス継続するように適合されることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記判定ユニット(13、13’)は、ある体積のガスを通過する光の透過量を測定して、透過及び/又は散乱光検出に基づいて残滓情報を判定するように適合された少なくとも1つのセンサ(14、14’、15)を備えることを特徴とする、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
少なくとも1つのセンサ(14、14’、15)が少なくとも1つのガス出口(12、12’)に配置され、前記ガス流(9、9’)は前記ガス出口(12、12’)を通って前記装置(1)の前記プロセスチャンバ(6)の外へ流れ、及び/又は少なくとも1つのセンサ(14、14’、15)が保護ガラス(16)の下に配置されていることを特徴とする、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
少なくとも2つの判定ユニット(13、13’)が少なくとも2つの異なる出口(12、12’)に割り当てられ、前記流れ発生装置(8)は、造形面(7)の異なる領域(19、19’)上を流れて前記少なくとも2つの異なる出口(12、12’)を通過する、少なくとも2つのガス流(9、9’)を案内するように適合されることを特徴とする、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記制御ユニット(17)は、前記少なくとも2つの異なる判定ユニット(13、13’)を介して判定された前記異なる残滓情報に応じて、前記少なくとも1つのプロセスパラメータ、及び/又は前記2つの異なるガス流(9、9’)を制御するように適合されることを特徴とする、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記制御ユニット(17)は、前記残滓情報をデータ記憶装置(18)に格納するように適合されることを特徴とする、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記制御ユニット(17)は、前記残滓情報を空間的に分解して、マップ生成するように適合されることを特徴とする、請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記制御ユニット(17)は、前記残滓情報基づいて、後処理必要とするか否かを示すように適合されることを特徴とする、請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の3次元物体(2)を付加製造するための装置(1)ための流れ発生装置(8)であって、前記ガス流(9、9’)に含まれる前記残滓(10)に関する少なくとも1つの残滓情報判定するように適合された判定ユニット(13、13’)を特徴とする、流れ発生装置(8)。
【請求項14】
請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の、エネルギー源(4)によって固化可能な造形材料(3)の層の連続的な層ごとの選択照射及び固化によって3次元物体(2)を付加製造するための少なくとも1つの装置(1)操作する方法であって、前記装置(1)の処理チャンバ(6)内に、前記付加製造プロセスにおいて発生する残滓(10)を充満させることができるガス流(9、9’)が生成され、前記ガス流(9、9’)の少なくとも1つの残滓情報が、前記ガス流(9、9’)に含まれる前記残滓(10)関連して判定されることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー源によって固化可能な造形材料層の連続的な層ごとの選択照射及び固化によって、3次元物体を付加製造するための装置に関する。本装置は、付加製造プロセスにおいて発生する残滓で充満されることができるガス流をプロセスチャンバ内に発生させるように適合された流れ発生装置を備える。
【背景技術】
【0002】
3次元物体を付加製造する装置は、従来技術により一般に知られている。典型的には、造形材料が連続的かつ層ごとに塗布されて、例えばエネルギー源により生成される放射で照射されることにより、選択的に固化される。付加製造プロセスが遂行されるプロセスチャンバ内部に一定のプロセス雰囲気を付与するために、プロセスチャンバ内部にガス流を発生させるための流れ発生装置を備えて、ガス流を付加製造プロセスで生成される残滓で充満又は満たすことができれば有利である。特に、製造プロセスにおいて具体的には造形材料の照射時に発生する、舞い上がった造形材料粒子又は煙粒子を、ガス流によってプロセスチャンバの外に輸送して、残滓がプロセス品質及び/又は物体の品質に影響しないようにすることが可能である。
【0003】
さらに、流れ発生装置はプロセスガスの流れを生成して残滓をプロセスチャンバの外へ輸送するが、ガス流によるプロセスチャンバ外へ輸送能力以上の残滓が生成される可能性があるために、残滓は付加製造プロセスに負の影響を与え得ることが従来技術から知られている。そのような状況においては、造形材料が照射されようとしている領域外へ残滓を適切に輸送することは完全には保証されない。残った残滓が、例えばエネルギー源から出射されるエネルギービーム、具体的にはレーザビームや電子ビームなどの放射と相互作用し、付加製造プロセスに影響を与え得る。エネルギー源が残滓と相互作用すると、エネルギー源から提供される放射の吸収や回折を生じ、したがって特定の造形材料体積内で適切なエネルギー量が消耗されない可能性がある。この場合には、不適切なエネルギー量、すなわち造形材料を適切に固化させるのに必要とされるよりも少ないエネルギーが造形材料内で消耗されるために、固化プロセスに負の影響を与える。
【0004】
付加製造プロセスで「生成される」処理残滓は、例えばプロセスチャンバ内に存在するが明示的に生成されたものではない、埃粒子や持ち上げられ/舞い上がった造形材料などの、付加製造プロセスにおいて既に存在する残滓にも関係し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、残滓のプロセスチャンバ外への輸送を改善した、3次元物体の付加製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、本発明の請求項1に記載の装置で達成される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項に拠る。
【0007】
本明細書に記載の装置は、エネルギービーム、具体的にはレーザビーム又は電子ビームなどのエネルギー源によって固化することができる粉末状の造形材料(「造形材料」)の層を、連続して選択的に層ごとに固化する手段により、工業部品などの3次元物体を付加製造するための装置である。それぞれの造形材料は、金属、セラミック、又はポリマー粉末であってもよい。それぞれのエネルギービームは、レーザビーム又は電子ビームであってもよい。それぞれの装置は、造形材料の塗布及び造形材料の固化が別々に遂行される、例えば選択的レーザ焼結装置、選択的レーザ溶融装置、又は選択的電子ビーム溶融装置などの装置であってもよい。あるいは、造形材料の連続した層ごとの選択的固化が、少なくとも1つの結合材料を介して遂行されてもよい。結合材料は対応の塗布ユニットで塗布され、例えば、UV光源などの適切なエネルギー源を用いて照射されてもよい。
【0008】
本装置は、その動作時に使用される複数の機能ユニットを備えてもよい。例示的な機能ユニットは、プロセスチャンバ、プロセスチャンバ内に配置された造形材料層を少なくとも1つのエネルギービームで選択的に照射するように適合された照射デバイス、及び、前述したような、たとえば所与の流動プロファイル、流速などの所与の流動特性でプロセスチャンバを少なくとも部分的に貫通して流れるガス状流体流を生成するように適合された流れ発生装置である。ガス状流体流は、プロセスチャンバを通って流れる間に、固化されていない粒子状の造形材料、特に装置の動作中に発生する煙又は煙の残滓で充満可能である。ガス状流体流は典型的には不活性であり、典型的には、たとえばアルゴン、窒素、二酸化炭素などの不活性ガスの流れである。
【0009】
本発明は、ガス流中に含まれる残滓に関する、少なくとも1つの残滓情報、具体的には残滓の量及び/又はガス流中の残滓濃度、を判定するように適合された判定ユニットが提供される、という考えに基づいている。したがって、本発明により、残滓情報が本発明装置の判定ユニットを介して判定可能となる。残滓情報は、付加製造プロセスにおいて生成され(又はプロセス中に存在し)て、かつガス流に含まれる、すなわちそれでガス流が充満される、残滓に関する。
【0010】
少なくとも1つの残滓情報を判定することで、付加製造プロセスにおいて、現在残滓が生成されているかどうか、又はどれだけ生成されているか、あるいはプロセスガス流を介して輸送されているか否かのそれぞれが検証可能となる。特に、プロセスガス流が、現在生成されている残滓より多くの残滓で充満可能であって、プロセスガス流で輸送されることができるか否かをモニタ可能である。したがって、ガス流が既に飽和している場合には、付加製造プロセスにおいて生成されるか又は存在する残滓の必ずしもすべてが、輸送されて、ガス流を介してプロセスチャンバから適切に排除されるわけではないという結論を導くことができる。
【0011】
したがって、付加製造プロセスの制御は、少なくとも部分的には、判定ユニットを介して判定される少なくとも1つの残滓情報に基づくことができる。例えば、流れ発生装置は少なくとも1つのガス流を含むことができ、それが、既に説明したように、造形材料がレーザビーム又は電子ビームなどのエネルギービームを介して直接照射される造形平面の少なくとも1つ部分に割り当てられる。残滓情報によって、付加製造プロセスで現在生成されている残滓がプロセス品質又は物体品質に影響を及ぼし得るか否か、又は残滓がガス流によってプロセスチャンバから適切に排除可能か否か、を判定可能である。
【0012】
勿論、残滓情報には、ガス流中に含まれる残滓に関する複数の(異なる)情報、例えば、残滓量及び/又はガス流中の残滓濃度及び/又は残滓の粒子サイズなどが含まれ得る。
【0013】
本発明の装置の第1の実施形態によれば、少なくとも1つの流れパラメータ、具体的にはガス流の流速を、少なくとも1つの残滓情報に応じて制御するように適合された制御ユニットを提供することができる。この実施形態によれば、流れ発生装置によって生成されたガス流を、例えばガス流を(物理的に)規定する流れパラメータを制御することにより、制御することが可能である。したがって、ガス流は、判定ユニットを介して判定される残滓情報に応じて制御され得る。例えば、ガス流中に、僅かな残滓、又は比較的低量の残滓、又は低濃度の残滓が判定される場合、制御ユニットはそれに応じて少なくとも1つの流れパラメータを設定して、例えばガス流の流速を低減又は下げるようになっていてもよい。他方で、ガス流中に、比較的多量の残滓、又は高濃度の残滓が判定される場合、制御ユニットはそれに応じて少なくとも1つの流れパラメータを設定して、例えばガス流の流速を上げて、ガス流中の比較的大量の残滓又は比較的高濃度の残滓がプロセスチャンバから適切に排除可能となるようになっていてもよい。
【0014】
言い換えると、残滓情報、具体的には残滓量及び/又は現在ガス流中に含まれていると判定される残滓濃度に基づいて、付加製造プロセスにおいて現在生成されている残滓量について結論を出すことが可能である。この結論に基づいて、例えば付加製造プロセスにおいてより多くの残滓が生成されている場合には、適切に流速を増加させるようにガス流を制御又は変化させることが可能であり、例えばより少ない残滓が生成されている場合には、流速を下げることが可能である。このことは特に、付加製造プロセスにおいて残滓の排除に対するその時の必要性に対応してガス流を制御すること、すなわち適合させることを可能とする。勿論、プロセスチャンバから残滓を排除/輸送する能力に関するその他の任意のパラメータ、例えば、ガス流の流速、ガス流の温度、又はガス流が生成される特定の領域などを、制御ユニットにより制御可能である。
【0015】
さらに、この制御ユニット又はある制御ユニットは、装置で遂行される付加製造プロセスに関する少なくとも1つのプロセスパラメータ、具体的には照射パラメータを残滓情報に応じて調節するように適合されてもよい。こうして、前述したように、少なくとも1つのプロセスパラメータを調節するように適合された、分離された制御ユニット又は同一の制御ユニットを有することも可能である。「プロセスパラメータ」という用語は、装置上で遂行される付加製造プロセスに影響を与える任意のパラメータ、特に付加製造装置に関するパラメータを指し得る。例示的なプロセスパラメータは、エネルギー源、具体的にはエネルギービームの強度及び/又は出力等の照射パラメータであってもよい。したがって、判定された残滓情報に応じて、少なくとも1つのプロセスパラメータを調節することが可能である。例えば、本発明の判定ユニットにより判定された残滓情報が、比較的大量の残滓が付加製造プロセスの現下のプロセスステップで生成されることを示す場合、造形材料の適切な固化を確保するために、それに応じてプロセスパラメータを調節して、例えば、エネルギー源の強度及び/又は出力を調節することにより、造形材料内で適切な量のエネルギーが確実に消耗されるようにすることが可能である。
【0016】
したがって、制御ユニットが残滓情報に応じて付加製造プロセスを制御することが可能である。制御ユニットはさらに製造プロセス、特に少なくとも1つの照射プロセスを、残滓情報に応じて少なくとも一時的に中断するように適合されてもよい。したがって、付加製造プロセスにおいて現在生成されている残滓の量が、例えばガス流が既に飽和しているために、プロセスチャンバから輸送して排除することができないことにより、残滓情報が造形材料の適切な照射が現時点で保証されないことを示す場合には、付加製造プロセスが一時的に中断されて停止される場合がある。したがって、エネルギー源から出射される放射、例えばエネルギービームと、生成される残滓との間に、プロセス品質又は物体品質を低下させ得る相互作用が生じる可能性がある。そのような、残滓情報が付加製造プロセスへの残滓の影響の可能性を示唆する状況においては、例えば、残滓が適切に排除されることが保証され、あるいは残滓情報がプロセスチャンバ内に存在する残滓が減少したことを示すまでは、制御ユニットが少なくとも1つの照射プロセスを一時的に中断することが可能である。
【0017】
こうして、判定ユニットにより判定される残滓情報が、例えば連続的に又は所定の期間の間、付加製造プロセスにおいて存在する残滓が造形材料の適切な照射を可能とすることを示すまでは、制御ユニットは付加製造プロセス、すなわち少なくとも1つの照射プロセスを、個々に中断することが可能である。残滓の付加製造プロセスからの排除が確保されて、残滓情報が残滓の量又は残滓の濃度が適切な照射プロセスを可能とすることを示していることを、判定ユニットが判定した後は、付加製造プロセス、具体的には少なくとも1つの照射プロセスが継続され得ることは、勿論である。
【0018】
付加製造プロセスの制御を改善するために、制御ユニットは、少なくとも1つの残滓閾値を生成及び/又は受信するようになっており、制御ユニットは、残滓閾値に一致又はそれを超える残滓情報により、少なくとも1つのプロセスパラメータを調節する、特に少なくとも1つの製造プロセスを中断するようになっており、また、制御ユニットは、残滓閾値未満の残滓情報により付加製造プロセス、特に照射プロセスを継続するようになっている。勿論、「超過する」及び「未満の」という用語は、判定される残滓情報の種類により変化し得る。具体的には、制御ユニットが、残滓閾値に一致又はそれより低い残滓情報により少なくとも1つのプロセスパラメータを調節し、また残滓閾値を超える残滓情報により付加製造プロセスを継続するように適合されることも可能である。
【0019】
一般に、残滓情報は付加製造プロセスで生成される残滓量又はガス流中の残滓濃度に関係し得る。これらの場合、前述したように付加製造プロセスを制御可能であり、残滓情報が残滓閾値に一致又はそれを超える場合に、少なくとも1つの製造プロセスを中断してもよい。例えば、残滓量又は残滓濃度が対応する閾値を超える場合、付加製造プロセスへの影響が考えられる。したがって、残滓量又は残滓濃度が再び残滓閾値より低くなるまで、制御ユニットが少なくとも1つのプロセスパラメータを制御、具体的には、少なくとも1つの製造プロセスを中断するようになっている。残滓濃度又は残滓量が再び残滓閾値未満になると、付加製造プロセス、具体的には照射プロセスを継続するように、制御ユニットを適合させることが可能である。
【0020】
勿論、残滓閾値は特定の値であってもよいし、又は値の区間又は範囲として定義されてもよい。例えば、残滓閾値は、付加製造プロセスの遂行に許容される残滓量又は残滓濃度などの残滓情報の範囲を定義してもよい。また、それを超えると(又はそれ未満では)適切な付加製造プロセスの実行が不可能な特定の値を残滓閾値に定義することも可能である。
【0021】
本発明の装置は更に改良されて、少なくとも1つの作業パッケージ、特に少なくとも1つの走査ベクトル、及び/又は少なくとも1つのアイランド、及び/又は少なくとも1つのストライプ、及び/又は少なくとも1つの層、が終了した後に、付加製造プロセスが中断されるように、制御ユニットが残滓情報に応じて付加製造プロセスを中断するように適合されてもよい。こうして、現在進行中の、例えば現在照射中の作業パッケージを終わらせてから、付加製造プロセスを制御ユニットにより中断させることが可能である。これにより、作業パッケージが部分的に照射されるばかりでなく、開始された作業パッケージを製造プロセスが中断される前に確実に終了させることが可能となる。
【0022】
「作業パッケージ」という用語は、付加製造プロセス時に、特に造形材料の照射時に遂行されるべき、特定のタスク又は特定のタスクのグループを定義することができる。したがって、作業パッケージは、エネルギービームが案内されて造形材料を照射する、少なくとも1つの走査ベクトルを含むか、その走査ベクトルであってもよい。作業パッケージはまた、照射される層の特定の領域又は一部として理解されるアイランドを含むか、又はアイランドであってもよい。作業パッケージはさらに、造形材料のストライプ及び/又は少なくとも1つの層を含むか、又はそのストライプ又はその層であってもよい。したがって、付加製造装置において現在遂行されている作業パッケージは、制御ユニットが付加製造プロセスを中断する前に、終了することができる。
【0023】
本発明装置の別の実施形態によれば、判定ユニットは、ある体積のガス、特にある体積のガス流を通過する光の透過量を測定して、透過及び/又は散乱光検出に基づいて残滓情報を判定するように適合された、少なくとも1つのセンサを備えてもよい。こうして、この少なくとも1つのセンサを使用して、放射、具体的には光の透過又は光の散乱を測定して、その測定値に基づいて残滓情報が判定される。ガス流を通過する光はガス流に充満された残滓に含まれる粒子で吸収又は散乱される。そのため、残滓量又は残滓濃度がそれぞれにガス流を透過する光の強度に関連し、又は散乱光強度に関係するので、残滓情報は、透過及び/又は散乱光の検出に基づいて判定可能である。したがってセンサは、例えばそのセンサに入射する光の強度に関係して信号を生成するようになった、CCDセンサ又はCMOSセンサなどの任意の光学センサで構築されてよい。
【0024】
前に説明したように、装置、特に判定ユニットは少なくとも1つのセンサを備えてもよい。少なくとも1つのセンサが少なくとも1つのガス出口に配置され、ガス流はガス出口を通って装置のプロセスチャンバの外へ流れ、及び/又は少なくとも1つのセンサが保護ガラスの下に配置されてもよい。「保護ガラス」という用語は、造形材料を照射するために、エネルギー源がそれを介してプロセスチャンバに結合される、任意の構造を指す。したがって、本出願の範囲において保護ガラスは、エネルギービーム、具体的にはレーザビームなどのエネルギー源から出射される放射が通過することができる、プロセスチャンバの任意の境界を指し得る。
【0025】
典型的には保護ガラスは、付加製造プロセスで生成される残滓などのプロセスチャンバ内の雰囲気、又は造形材料の照射により生成される熱などの熱の影響からエネルギー源を保護するために使用される。「ガラス」という用語は、材料に関して保護ガラスを限定するものではない。保護ガラスは、例えばPMMAなどの合成材料から構築されるか、又はそれを含んでもよい。「保護ガラスの下」という用語は、例えば走査ユニットのとなりに、好ましくは保護ガラスの直下又は保護ガラスから所定距離離れて配置された、保護ガラスの隣のセンサ配置を指してもよい。したがってセンサは、ガス流から離間して、すなわちガス流が流れている領域とは別のプロセスチャンバ内の領域にあってもよい。保護ガラスは、例えばプロセスチャンバの壁セグメント又は天井セグメントを形成して、プロセスチャンバの境界となってもよい。そしてセンサが保護ガラスに隣接する。
【0026】
少なくとも1つのガス出口に配置された少なくとも1つのセンサが、ガス出口を通って流れるプロセスガス流に充満されている残滓の中身の測定に使用されてもよい。こうして、例えばガス流が残滓に関して飽和されていることを示すことが可能な、残滓情報を生成することができる。前述したように、保護ガラスの下に配置された少なくとも1つのセンサあるいは別のセンサを有することも可能である。保護ガラスは、それを通して、エネルギー源から出射された放射がプロセスチャンバ内に結合される構造であるので、保護ガラスの下の領域、すなわち保護ガラスと造形平面の間の領域では、放射が造形平面に自由に到達して造形平面内でエネルギーを適切に消耗することが極めて重要である。
【0027】
例えば、少なくとも1つのガス出口に配置された少なくとも1つのセンサを介して生成される残滓情報は、付加製造プロセスの制御、具体的には少なくとも1つのプロセスパラメータの制御に使用することができる。例えば、ガス流の流速などの、少なくとも1つの流れパラメータを変更または調節することにより、流れ発生装置を制御することも可能である。保護ガラスの下に配置された少なくとも1つのセンサを使用して、規定のプロセス要件の範囲内で現在遂行されている付加製造プロセスに関する情報を引き出すこともできる。例えば、保護膜の下に配置されたセンサが、プロセスガス中の残滓の量又は濃度が臨界にあること示す場合には、プロセス品質と物体品質に負の影響が生じる可能性がある。
【0028】
したがって、保護ガラスの下に配置されたセンサにより測定された値によって、物体品質及び/又はプロセス品質についての直接的な結論を引き出すことが可能であり、例えば、特定の量又は濃度、特には残滓閾値を超える値が測定される場合には、付加製造プロセスの中断が必要とみなされ得る。したがって制御ユニットは、異なるセンサを介して測定された値によって、付加製造プロセスを違う形で制御するように適合されることが特に可能である。
【0029】
本発明装置の別の実施形態によれば、少なくとも2つの異なる出口に割り当てられた、少なくとも2つの判定ユニットが提供されてもよい。ここで、流れ発生装置は、造形面の異なる領域上を流れて、少なくとも2つの異なる出口を通過する、少なくとも2つの異なるガス流を案内するようになっている。したがって、1つのガス流のみが生成されるのではなく、造形平面の異なる領域上を流れることができる少なくとも2つの異なるガス流を生成することが可能である。2つの異なるガス流は、同一又は異なる取入れ口から、好ましくは造形面近くの異なる位置に配置された、少なくとも2つの異なる出口まで、流れることができる。2つの異なる判定ユニットが少なくとも2つの異なる出口に割り当てられるので、装置の少なくとも2つの異なる出口のそれぞれに関する残滓情報を個別に判定することができる。これにより、造形平面を異なる領域に分割可能であって、そこでは、ガス流が付加製造プロセスで生成される残滓をその領域から流し去ることができる。各領域で生成される残滓に応じて、個別の残滓情報が各領域ごとに生成可能である。
【0030】
好ましくは、制御ユニットは、少なくとも2つの異なる判定ユニットを介して判定された異なる残滓情報に応じて、前記少なくとも1つのプロセスパラメータ、及び/又は少なくとも2つの異なるガス流を制御するように適合されてもよい。こうして制御ユニットは、前述したように生成され、造形平面の異なる領域を流れる2つの異なる流れの流れパラメータを、指定された判定ユニットを介して生成される個々の残滓情報に応じて制御可能とすることができる。
【0031】
例えば、第1の判定ユニットが、第1のガス流が第1の取入れ口から第1の出口へ流れる、第1の領域に割り当てられてもよい。さらに、第2の判定ユニットが設けられて、第2のガス流が第2の取入れ口から第2の出口へ流れる、第2の領域に割り当てられる。各判定ユニット、すなわち第1の判定ユニットと第2の判定ユニットは、それぞれ第1の領域と第2の領域に関する残滓情報を判定する。勿論、各判定ユニットには前に説明したように、第1の出口又は第2の出口にそれぞれ配置可能な少なくとも1つのセンサ、及び/又は保護ガラスの下に配置可能な少なくとも1つのセンサが備えられてもよい。付加製造プロセス時に照射されるべき造形材料の現在の層の照射パターンに応じて、照射されるべき領域/構造は第1の領域と第2の領域に均等に分布しているわけではない。したがって、第1の領域と第2の領域で生成される残滓をプロセスチャンバから適切に排除することを保証するために、第1のガス流と第2のガス流を別々に制御する必要があり得る。
【0032】
例えば、(第2の領域において照射されるべき領域に比べて)第1の領域において小さな領域のみが照射される場合、(第2の領域に比べて)第1のガス流が比較的小さい流速で流れるように第1のガス流が制御されてもよい。したがって、第1の判定ユニットは、第1の流れパラメータをそれに応じて調節可能である。第2の判定ユニットも残滓情報を判定するが、これは第2の領域を流れる第2のガス流に関するものである。この例では、第2の領域では第1の領域よりも沢山の構造が照射されるので、第2の領域では第1の領域よりも多くの残滓が生成される。したがって、第2の判定ユニットは、第2のガス流が(第1の領域に比べて)比較的高い流速で流れるように、(判定される残滓情報に基づいて)第2の流れパラメータを制御してもよい。したがって、制御ユニットは、流速、すなわち流れパラメータを造形平面の各領域で個別に制御してもよい。
【0033】
勿論、少なくとも2つの領域に対して、少なくとも1つのプロセスパラメータを別々に制御することも可能である。こうして、前に述べたように、この領域で生成される残滓が残滓の閾値に一致するかそれを超える場合には、少なくとも2つの領域の内の1つにおいて個別に付加製造プロセス又は照射プロセスを中断することが可能である。照射プロセスはそれぞれの領域で中断されるが、少なくとも1つの他の領域における残滓情報が残滓閾値より低いままであれば、少なくともその領域において照射プロセスを継続することができる。第1の領域で判定された残滓情報が、再び残滓閾値より低くなれば、すぐに照射プロセスを第1の領域で継続することができる。
【0034】
制御ユニットはさらに、残滓情報をデータ記憶装置に格納するようになっていてもよい。「データ記憶装置」という用語は、フラッシュディスクやハードディスクドライブなどのような、残滓情報を格納するように適合された任意の記憶装置を指してもよい。具体的には、残滓情報をデータ記憶装置内に格納し、例えば品質管理の目的で、データ記憶装置から残滓情報を再び読み出すことが可能である。
【0035】
制御ユニットはさらに、マップ、特に付加製造プロセスで造形される3次元物体の3次元マップを生成し、その3次元マップが残滓情報を空間的に分解するようになっていてもよい。そうして、付加製造プロセス中に造形される3次元物体に関連する残滓情報を空間的に分解することが可能である。したがって、残滓情報を3次元物体の異なる部分又は異なる位置に関連付けることが可能である。例えば、ガス流中の残滓の量又は濃度が所定の値を超えていること、具体的には残滓閾値に一致するかそれを超えていることを残滓情報が示す3次元物体の領域又は部分に関連付けることが可能である。前に説明したように、残滓情報に応じて、付加製造プロセスにおける物体品質又はプロセス品質への影響が既に存在している可能性がある。
【0036】
こうして、制御ユニットは、残滓情報、特に3次元マップに基づいて、後処理、具体的には非破壊分析処理を必要とするかどうかを示すようになっていてもよい。したがって前述したように、残滓情報と3次元物体の3次元マップとの間に直接的な関係を構築することが可能である。ここで3次元マップは、3次元物体の付加製造プロセス時に判定される残滓情報を空間的に分解する。
【0037】
(3次元マップにおける)物体の1つの位置で、ガス流に充満された残滓が残滓閾値に一致するかそれを超えることを残滓情報が示す場合には、物体品質及び/又はプロセス品質への影響が存在し得る。そのような場合、例えばガス流が残滓で飽和したことを残滓情報が示す、物体の対応する位置又は部分において、付加製造プロセス中に物体品質への負の影響が発生したか否かを検証するために、非破壊分析が必要とみなされ得る。したがって、コンピュータ断層撮影法などの非破壊分析プロセスを遂行して、3次元物体中に欠陥が存在するか否かを検証することができる。
【0038】
さらには、本発明は、3次元物体を付加製造するための装置、特に既に説明した本発明の装置のための流れ発生装置に関係し、そこには、ガス流中に含まれる残滓に関する少なくとも1つの残滓情報、特に残滓の量及び/又はガス流中の残滓濃度、を判定するように適合された判定ユニットが備えられる。
【0039】
さらには、本発明は、エネルギー源によって固化可能な造形材料層の連続的な層ごとの選択照射及び固化によって3次元物体を付加製造するための少なくとも1つの装置、具体的にはこれまでに述べたような本発明の装置を操作する方法に関する。ここで、付加製造プロセスにおいて発生する残滓で充満させることができるガス流が、装置のプロセスチャンバ内に生成され、そのガス流の少なくとも1つの残滓情報が、ガス流中に含まれる残滓、具体的には残滓の量に関連して判定される。
【0040】
本発明の装置に関して説明した、詳細及び利点の全ては、本発明の流れ発生装置及び本発明の方法に完全に移転可能であることは明らかである。
【0041】
本発明の例示的実施形態を、図を参照して説明する。図は模式図である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明装置の側面図である。
図2図1の本発明装置の平面図である。
図3図1のIII−III断面図である。
図4図1のIV−IV断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、エネルギー源4によって固化可能な造形材料3の層の連続的な層ごとの選択照射及び固化によって3次元物体2を付加製造する装置1である。この例示的実施形態におけるエネルギー源4は、照射装置として構築され、エネルギービーム5を生成して装置1のプロセスチャンバ6に、具体的には造形平面7上に案内し、そこで造形材料3が層ごとに配置されて物体2を付加的に造形する。
【0044】
装置1はさらに流れ発生装置8を備え、ガス流9、具体的には不活性ガス、例えばアルゴンなどの特定のプロセスガスの流れを生成するようになっている。ガス流9は、煙又若しくはくすぶり、又は巻き上げられた造形材料粒子などの残滓10で充満させることができる。残滓10はしたがって、プロセスチャンバ2の外に輸送されることができる。それはガス流9が少なくとも1つの取入れ口11と出口12との間で生成されて、残滓10で充満されて、残滓10を流れの方向に、プロセスチャンバ6の外に輸送されることができるからである。
【0045】
装置1は、ガス流9に含まれる残滓10に関する少なくとも1つの残滓情報を判定するように適合された判定ユニット13を備え、判定ユニット13は好ましくはガス流9に含まれる残滓10の量及び/又は残滓10の濃度を判定するようになっている。すなわち、装置1で遂行される付加製造プロセスにおいて生成される残滓10に関する残滓情報を、判定ユニット13によって判定することが可能である。残滓情報を判定するために、判定ユニット13は、2つのセンサ14、15を含んでいるか、又はそれに接続されている。センサ14は出口12に配置され、センサ15はエネルギー源4をプロセスチャンバ6の内部環境から保護する保護ガラス16の近くに配置される。保護ガラス16は、例えばPMMAで作られた透明ガラスとして構築されてもよい。エネルギービーム5はそこを透過して造形平面7上に案内することができる。センサ14、15の具体的な設定は、以下の図3図4で説明する。
【0046】
判定ユニット13は制御ユニット17に接続され、該制ユニット17は判定ユニット13によって判定される残滓情報に応じて、少なくとも1つの流れパラメータ、例えばガス流9の流速、を制御するようになっている。言い換えると、ガス流9は、付加製造プロセスにおいて生成される残滓10に関する残滓情報に応じて調節可能である。例えば、ガス流9中の残滓10の濃度又はガス流9中の残滓10の量に応じて、制御ユニット17はガス流9、例えば流れ発生装置8により生成されるガス流9の流速、を調整するようになっている。
【0047】
制御ユニット17はさらに、装置1で遂行される付加製造プロセスに関する少なくとも1つのプロセスパラメータを残滓情報に応じて調節するようになっている。制御ユニット17はしたがって、照射パラメータを調節し、それを基に、エネルギー源4を介してエネルギービーム5が生成されて造形平面7上へ案内される。具体的には、エネルギービーム5の強度及び/又は出力、走査速度すなわち書き込み時間、又は造形平面7内の造形材料3の体積で消耗されるエネルギーに影響を与えるその他のパラメータなどの照射パラメータを、制御ユニット17を介して調節することが可能である。したがって、造形材料3内で適切な量のエネルギーを消耗することが確保される。
【0048】
さらに、制御ユニット17は残滓情報に応じて、照射プロセスを一時的に中断するようにもなっている。例えば、(制御ユニット17を介して生成及び/又は受信される)残滓閾値を超えるか一致する場合には、制御ユニット17は照射プロセスを一時的に中断するようになっている。例えば、ガス流9中の残滓10の量又はガス流9中の残滓10の濃度が残滓閾値を超える場合、したがって、造形平面7内での造形材料3の適切な照射が確保されない場合には、残滓10をガス流9によってプロセスチャンバ6の外に輸送することによりプロセスチャンバ6内に存在する残滓10が減少するまでは、制御ユニット17は一時的に照射プロセスを中断してもよい。
【0049】
さらには、例えば、1スキャンベクトル、及び/又は少なくとも1アイランド、及び/又は少なくとも1ストライプなどの、少なくとも1層又はその層の少なくとも一部分の、少なくとも1つの作業パッケージが終了した後に、付加製造プロセスを中断することが可能である。こうして、それぞれの構造が終了してから照射プロセスを停止することができる。
【0050】
判定ユニット13には2つのセンサ14、15が割り当てられているので、プロセスチャンバ6内の2つのセクションで残滓情報を判定することが可能である。例えば、センサ14が残滓情報を判定すると、付加製造プロセス及び流れ発生装置8は、付加製造プロセスで生成されてプロセスチャンバ6内に存在する残滓10を減らすように、制御ユニット17介して制御可能である。既に説明したように、残滓10が残滓閾値を超えた場合、例えば、ガス流9が飽和してそれ以上の残滓10を充満させることができず、残滓10をプロセスチャンバ6から適切に排除できない場合には、照射プロセスを中断しさえすればよい。
【0051】
ただし、保護ガラス16の下に配置されたセンサ15により生成される残滓情報が、保護ガラス16又は保護ガラス16の下の領域内に残滓10が存在することを示す場合には、残滓10がプロセスチャンバ6全体に広がって、エネルギービームがプロセスチャンバ6を通って造形平面7に向かって透過する際にエネルギービームへ影響するので、付加製造プロセスの中断は即座に必要であると考えられる。ここで、両方の場合において、残滓情報が再び残滓閾値より下がると、付加製造プロセスを再度継続可能である。
【0052】
制御ユニット17はデータ記憶装置18にさらに接続され、そこに残滓情報が格納され、そこから、例えば品質管理のために再び読み出すことができる。具体的には、制御ユニット17はマップを生成し、そのマップをデータ記憶装置18に格納するようになっている。ここでマップは3次元物体2の3次元マップであって、このマップは物体2に関連する残滓情報を空間的に分解する。こうして、制御ユニット17は、残滓情報、特にデータ記憶装置18に格納された3次元マップに基づいて、後処理、特に非破壊分析処理を必要とするかどうかを示すようになっている。例えば、3次元マップが物体2の少なくとも一部を指定して、そこでは、判定ユニット13により判定された残滓情報により、残滓10がプロセスチャンバ6内に規定の程度、具体的には残滓閾値を超えて存在していたことが示される場合には、物体品質への影響の可能性を結論することができ、この物体2に欠陥があるか否かの検証のために後処理が必要と考えられる。
【0053】
図2は本発明の装置1の平面図であり、同一部品には同一番号が使用されている。図2に示す状態の流れ発生装置8は、2つの取入れ口11、11’と2つの出口12、12’とを備える。ここで、2つのガス流9、9’が生成されて、造形平面7の2つの領域19、19’を流れる。図2の装置1は、それぞれの領域19、19’で生成される残滓10に関する残滓情報を判定するようになった、2つの判定ユニット13、13’を備える。したがって、センサ14、14’は出口12、12’に配置される。
【0054】
コントローラ17はとりわけ、領域19、19’に流れるガス流9、9’の流れパラメータを、個別の判定ユニット13、13’を介して判定される残滓情報に基づいて個別に制御するようになっている。例えば、第1のガス流9は造形面7、特に第1の領域上19に案内される。そこでは、判定ユニット13が第1の領域19上を流れるガス流9に存在する残滓10に関する残滓情報を(センサ14を使用して)判定する。同様に、判定ユニット13’が第2の領域19’上を流れるガス流9’に存在する残滓10に関する残滓情報を(センサ14’を使用して)判定するようになっている。
【0055】
個別の残滓情報に応じて、制御ユニット17は流れパラメータを調節して、ガス流9が、例えばガス流9’とは別の流れパラメータで流れるようにできる。図2に示す例示的実施形態において、第1の領域19の照射パターン20は、領域19’の照射パターン20’よりもはるかに小さい。こうして、エネルギービーム5は領域19’よりも領域19ではより小さい領域の造形材料3を照射するために、領域19で生成される残滓10は、領域19’で生成されるものより少ない。したがって、制御ユニット17は、ガス流9、9’の流速を調節して、領域19のガス流9に比べて、ガス流9’が速く流れるようにする。
【0056】
勿論、制御ユニット17は、異なる領域19、19’に対するプロセスパラメータを個別に制御するようにもなっている。例えば、残滓情報が、領域19’にある残滓10が残滓閾値を超えていることを示す場合には、領域19’での照射プロセスは中断することができる。その一方で、残滓情報が、領域19にある残滓10が残滓閾値よりも低いことを示す限りは、領域19では、照射プロセスを継続することができる。領域19’での照射プロセスは、残滓情報が再び残滓閾値より低くなったことを示せばすぐに継続することができる。
【0057】
図3は例えば出口12、12’に配置された、既に説明したセンサ14、15を示す。センサ14、15はセンサ信号21を生成して発するようになっており、それがガス流9、9’を通して送られ、反射器22で反射される。そうしてセンサ14、15に向かって送り返される。センサ14、15で受信されるセンサ信号21の強度に応じて、ガス流9、9’中に含まれる残滓10の量及び/又は濃度を判定することが可能である。この構成では、センサ14、15から出た初期の信号21を、センサ14、15で受信する信号21と比較することが可能である。こうして、ガス流9、9’内に含まれる残滓10で吸収又は散乱される信号の一部を判定可能である。残滓10により失われる信号21の一部は、ガス流9、9’内の残滓10の量及び/又は濃度に関係するので、残滓情報は、残滓10の量及び/又は濃度を表すことができる。
【0058】
図4はセンサ14、15に関する代替手法を示す。ここで、センサ信号21は、残滓10が取得されるガス流9、9’に焦点が合わされる。同時に、センサ信号とみなすことができる散乱光22の強度が、センサ14、15を介して測定され、残滓情報、具体的にはガス流9、9’中の残滓10の量及び/又はガス流9、9’中の残滓10の濃度、が判定される。残滓10で反射される散乱光22の強度は、ガス流9、9’中の残滓10の量及び/又は濃度に関係するので、残滓情報は、残滓10の量及び/又は濃度を表すことができる。
【0059】
本発明の方法は、好ましくは本発明の流れ発生装置8を使用して、本発明の装置1で遂行され得ることは自明であろう。
図1
図2
図3
図4