特許第6871306号(P6871306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871306
(24)【登録日】2021年4月19日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】乗客コンベア
(51)【国際特許分類】
   B66B 29/00 20060101AFI20210426BHJP
   B66B 31/00 20060101ALI20210426BHJP
   B66B 25/00 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   B66B29/00 K
   B66B31/00 Z
   B66B25/00 A
   B66B31/00 B
【請求項の数】9
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-107655(P2019-107655)
(22)【出願日】2019年6月10日
(65)【公開番号】特開2020-200140(P2020-200140A)
(43)【公開日】2020年12月17日
【審査請求日】2019年6月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【弁理士】
【氏名又は名称】前澤 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100203091
【弁理士】
【氏名又は名称】水鳥 正裕
(72)【発明者】
【氏名】吉田 幹
【審査官】 須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−054864(JP,A)
【文献】 特開2004−224548(JP,A)
【文献】 特開2012−041158(JP,A)
【文献】 特開平09−071240(JP,A)
【文献】 特開2001−019336(JP,A)
【文献】 特開2011−001147(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 29/00
B66B 25/00
B66B 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道の駅のホーム側に降り口が設けられた乗客コンベアであって、
前記乗客コンベアの乗り口にあるゲートを開閉するゲート装置と、
前記ホームに列車が到着したことを検出する停車検出手段と、
前記乗り口を撮影するカメラと、
前記停車検出手段が前記列車の到着を検出したときに、前記カメラで撮影した画像中の乗客の有無を検出し、前記乗客が発見されないときに前記ゲート装置で前記ゲートを閉じる制御手段と、
を有する乗客コンベア。
【請求項2】
前記列車の発車を検出する発車検出手段をさらに有し、
前記制御手段は、前記発車検出手段が前記列車の発車を検出すると、前記ゲート装置で前記ゲートを開く、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項3】
前記停車検出手段は、前記ホームに設置されたホームドア装置のホームドアが開いたときを検出して、前記列車が停車したとする、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項4】
前記停車検出手段は、前記ホームに設置された監視カメラの画像から前記列車の到着を検出する、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項5】
前記発車検出手段は、前記ホームで鳴らされる発車ベルの状態を検出して、前記列車が発車したとする、
請求項2に記載の乗客コンベア。
【請求項6】
前記発車検出手段は、前記ホームに設置されたホームドア装置のホームドアが閉じたときを検出して、前記列車が発車したとする、
請求項2に記載の乗客コンベア。
【請求項7】
前記発車検出手段は、前記ホームに設置された監視カメラの画像から前記列車の発車を検出する、
請求項2に記載の乗客コンベア。
【請求項8】
スピーカをさらに有し、
前記制御手段は、前記列車の到着を検出した後、前記ゲート装置で前記ゲートを閉じるときに前記スピーカで前記ゲートが閉じることを警告するアナウンスを行う、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項9】
前記制御手段は、前記ゲート装置で前記ゲートを閉じているときは、前記乗客コンベアの運転を停止、又は低速で運転する、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、乗客コンベアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エスカレータや動く歩道などの乗客コンベアは、鉄道の駅に設置され、毎日多数の乗客が使用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−171467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような鉄道の駅に設けられた乗客コンベアに関して、朝夕のラッシュ時に発車ベルが鳴ったとき、停車中の列車に急いで乗車するため、乗客コンベアを駆け上がったり駆け下りたりしてホームに急ぐ乗客がいる。そのため、乗客の転倒や他の乗客との接触などが発生するという問題点があった。
【0005】
そこで本発明の実施形態は上記問題点に鑑み、到着した列車に、急いで乗客が乗客コンベアを駆け上がったり駆け下りたりするのを防止できる乗客コンベアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、鉄道の駅のホーム側に降り口が設けられた乗客コンベアであって、前記乗客コンベアの乗り口にあるゲートを開閉するゲート装置と、前記ホームに列車が到着したことを検出する停車検出手段と、前記停車検出手段が前記列車の到着を検出したときに、前記カメラで撮影した画像中の乗客の有無を検出し、前記乗客が発見されないときに前記ゲート装置で前記ゲートを閉じる制御手段と、を有する乗客コンベアである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態のエスカレータを設置した鉄道の駅の説明図。
図2】エスカレータのブロック図。
図3】エスカレータのゲート装置の開閉状態を示す表。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態の乗客コンベアをエスカレータ10を例にして、図1図3を参照して説明する。本実施形態のエスカレータ10は、図1に示すように、鉄道の駅1に設けられ、改札口2からホーム3に向かうものである。なお、改札口2からホーム3に向かうエスカレータ10は、駅の構造によって上昇する場合と下降する場合があるが、本実施形態では下階に改札口2があり、上階に列車4が停止するホーム3があるとする。
【0009】
図1に示すように、ホーム3には、ホームドア装置5が設けられ、ホームドア6が、列車4のドア7と共に開閉する。ホームドア装置5がホームドア6を開閉する場合には、列車4の車掌が行うか、又はホームドア6の近傍にセンサが設けられ、ドア7の開閉に伴って連動してホームドア6が開閉する。
【0010】
図1図2に示すように、ホーム3の天井には、ホーム用スピーカ8が設けられ、駅員のアナウンスが出力される。ホーム3の柱には発車ベル装置9が設けられ、列車4の車掌が、発車ベル装置9のONスイッチ9aを押すとホーム用スピーカ8から発車ベルが鳴り、OFFスイッチ9bを押すと発車ベルが止まる。
【0011】
(1)エスカレータ10の構造
エスカレータ10の構造について、図1を参照して説明する。エスカレータ10のトラス12は、ホーム3が設けられている上階と、改札口2が設けられている下階とに架け渡されている。トラス12に沿って、無端状に連結された踏段16が上方向に移動する。トラス12の上部からは左右一対の欄干14,14が立設され、それぞれの欄干14の上部には、踏段16と同期して移動する手摺りベルト18が設けられている。
【0012】
トラス12の上階に設けられている機械室20内部には、踏段16と手摺りベルト18を駆動するためのモータ22と制御部24が設置されている。エスカレータ10の下階側と上階側にはスピーカ26が設置されている。エスカレータの下階の乗り口の手前には、乗客の乗り込みを阻止するためのゲート装置28のゲート30が設けられている。この乗り口の上方にある下階の天井面には、カメラ32が設けられ、エスカレータの乗り込む乗客を撮影している。
【0013】
(2)エスカレータ10の電気的構成
次に、エスカレータ10の電気的構成について図2のブロック図を参照して説明する。エスカレータ10の制御手段である制御部24には、モータ22の回転方向と回転数を制御する駆動回路34、スピーカ26,26、ゲート装置28、カメラ32が接続されている。また、制御部24には、駅1に設置されている発車ベル装置9、ホームドア装置5が接続されている。なお、発車ベル装置9には、上記したようにホーム用スピーカ8、ONスイッチ9a、OFFスイッチ9bが接続されている。
【0014】
(3)エスカレータ10の制御方法
次に、エスカレータ10の制御方法について図3を参照して説明する。なお、エスカレータ10の乗り口は改札口2側にあり、降り口はホーム3側にある。この図3の表は、横軸の第1列が電車のドア7の開閉状態と到着及び出発の状態、第2列がホームドア6の開閉状態、第3列が発車ベルのON/OFFスイッチ9a,9bの状態、第4列にゲート装置28のゲート30の状態を示している。
【0015】
第1段階として、ホーム3に列車4が到着する。
【0016】
第2段階として、列車4のドア7が開くと同時に、ホームドア6が開き、改札口2側にある乗り口に設けられたゲート30をゲート装置28が閉じる。この場合に、乗客がエスカレータ10に乗り込もうとしている状態でゲート装置28がゲート30を閉じると良くないため、制御部24は、カメラ32で撮影した画像を解析し、乗り口に乗客が存在しないとき、すなわち、乗客の流れが途絶えたときにゲート30を閉じる。また、ゲート30が閉まっている状態においては、スピーカ26からゲート30が閉まっている理由をアナウンスする。例えば、「発車する列車への駆け込みを防止するためエスカレータ10の乗り込みを禁止しています」などである。
【0017】
第3段階として、列車4に乗務する車掌が出発を知らせる発車ベルを鳴らすため、発車ベル装置9のONスイッチ9aを押す。ホーム用スピーカ8から発車ベルが鳴る。また、ゲート装置28のゲート30は閉じた状態となっている。
【0018】
第4段階として、車掌が発車ベルを止めるため、発車ベル装置9のOFFスイッチ9bを押すと、ゲート30が閉じた状態から開く状態になる。
【0019】
第5段階として、列車4のドア7が閉じ、ホームドア6も閉じる。そしてゲート30は開いた状態となる。これにより、乗客はエスカレータ10に乗り込むことができ、ホーム3に移動できる。但し、ホームドア6、列車4のドア7は閉まっているため、ここで駆け込んでも間に合わないことをスピーカ26から警告のアナウンスを行う。例えば、「1番線のドアが閉まっています。これからの乗車はできません」、「1番線は発車しています。次の列車をご利用下さい」などである。
【0020】
第6段階として、列車4が出発し、ホームドア6も閉じた状態となっている。そして、ゲート30が開いた状態であるため乗客は引き続きホーム3に上がることができる。
【0021】
なお、本実施形態において、昇り用のエスカレータ10と下り用のエスカレータ10が併設されている場合には、昇り用のエスカレータ10の乗り口にのみゲート30を設ければよい。そして、下り用のエスカレータ10については、通常の運転速度で常に運転させる。
【0022】
(4)効果
本実施形態によれば、ホームドア6が開いたときを列車4が到着したときとして検出し、その後カメラ32でエスカレータ10に乗り込む乗客が途切れたときにゲート30を閉じて発車間際(停車中)列車4に乗るためにエスカレータ10を急いで駆け上がる乗客を減少させることができる。
【0023】
また、発車ベル装置9によって発車ベルが鳴るのが終了すると、列車4が発車したとして、ゲート30を開き、乗客が再びホーム3に移動できるようにする。そのため、乗客は安全にホーム3に移動できる。
【0024】
(5)変更例
上記実施形態では、1階に改札口2、2階にホーム3が設置されていたが、これに代えて上階に改札口2、下階にホーム3が設置されている場合には、下りのエスカレータ10で本実施形態を適用する。
【0025】
また、上記実施形態では、ホームドア6が開いたときに列車4が到着したとしたが、ホームドア6が設置されていない駅1では、例えば監視カメラによって列車4のドア7が開いたときを検出し、そのときを列車4が到着したと判断してもよい。
【0026】
また、上記実施形態ではゲート30が閉じた状態でも、エスカレータ10の踏段16は通常の速度で移動させていたが、これに代えて踏段16の移動を停止、又は低速で運転させてもよい。
【0027】
また、上記実施形態では発車ベル装置9で発車ベルが鳴る構造であったが、これに代えて音楽(メロディ)が鳴る構造であってもよい。
【0028】
また、上記実施形態では、エスカレータ10に適用して説明したが、これに代えて動く歩道に適用してもよい。
【0029】
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0030】
1・・・駅、2・・・改札口、3・・・ホーム、4・・・列車、5・・・ホームドア装置、6・・・ホームドア、7・・・列車のドア、8・・・ホーム用スピーカ、9・・・発車ベル装置、10・・・エスカレータ、24・・・制御部、26・・・スピーカ、28・・・ゲート装置、30・・・ゲート、32・・・カメラ
図1
図2
図3