(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アクティブ領域に選択的に配置され、下部で前記ベース領域に接続された第2導電型のベースコンタクト領域を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の半導体装置。
前記フローティング領域に対向するように前記半導体層の表面に形成され、隣り合う前記第2トレンチ内の前記第2埋め込み絶縁膜と一体的に形成された表面絶縁膜を含む、請求項19に記載の半導体装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のIGBTの構造では、トレンチ内部のゲート電極とエミッタ電極とが、Si表面上の層間絶縁膜によって絶縁されている。層間絶縁膜には、隣り合うトレンチの間のSi表面を露出させるコンタクトホールが形成されている。エミッタ電極は、当該コンタクトホールを介してSi表面に接続されている。
このような構造では、ゲート電極とエミッタ電極との短絡を防止するために、マスクの位置ずれおよび寸法ばらつき等を考慮したマージン(たとえば、0.35μm〜0.5μm)を含めてコンタクトホールの位置・大きさをデザインしなければならない。この制約が、隣り合うトレンチの間隔を制限し、デバイスの微細化を困難にしている。
【0005】
本発明の目的は、エミッタ領域へのコンタクトを形成する際のデザインマージンが必要なく、デバイスの微細化を図ることができる半導体装置およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、第1導電型の半導体層と、前記半導体層の表面部に配置された第2導電型のベース領域と、前記半導体層の表面から前記ベース領域の底部を超えて延びる複数のトレンチであって、それぞれの間にアクティブ領域を定義するトレンチと、前記アクティブ領域に配置された第1導電型の複数のエミッタ領域であって、それぞれが隣り合う前記トレンチをつなぐエミッタ領域と、前記トレンチに埋め込まれたゲート電極と、前記ゲート電極上で前記トレンチに埋め込まれ、前記半導体層の表面と同じか当該表面よりも低い高さ位置に上面を有する埋め込み絶縁膜と、前記アクティブ領域および前記埋め込み絶縁膜を覆っており、前記ベース領域および前記エミッタ領域に電気的に接続されたエミッタ電極とを含む、半導体装置を提供する。
【0007】
この構成によれば、ゲート電極とエミッタ電極とを埋め込み絶縁膜で絶縁できるので、隣り合うトレンチ間のアクティブ領域の半導体表面全体を、エミッタコンタクト領域として使用することができる。そのため、エミッタ領域へのコンタクトを形成する際に、マスクの位置ずれおよび寸法ばらつき等を考慮したデザインマージンが必要ない。さらに、エミッタ領域の構造が、隣り合うトレンチをつなぐ橋掛け構造であるため、前記同様のデザインマージンを必要としない。その結果、前記デザインマージンを削減したデバイスの微細化を達成することができる。
【0008】
そして、微細化によるアクティブ領域の幅の縮小化によって、半導体層でのホール密度を高めてオン電圧を低減することができる。そのため、比較的低いオン電圧を確保したまま、ベース領域に対するエミッタ領域の面積比(エミッタ領域の配置率)を調節することによって、短絡耐量値を容易に制御することができる。その結果、オン電圧と短絡耐量のトレードオフの関係を改善することができる。
【0009】
本発明の一実施形態では、前記エミッタ電極が、平坦電極であってもよい。
この構成によれば、エミッタ電極にボンディングワイヤ等の配線材を接合するときの接合強度を向上させることができる。
本発明の一実施形態は、前記アクティブ領域に選択的に配置され、下部で前記ベース領域に接続された第2導電型のベースコンタクト領域を含んでいてもよい。
【0010】
前記ベースコンタクト領域は、前記エミッタ領域よりも浅く形成されていてもよい。
前記ベースコンタクト領域が、前記埋め込み絶縁膜よりも浅く形成され、前記エミッタ領域が、前記埋め込み絶縁膜よりも深く形成されていてもよい。
前記ベースコンタクト領域は、前記アクティブ領域の前記エミッタ領域を除く全領域に形成されていてもよい。
【0011】
前記トレンチは、ストライプ状に形成され、前記エミッタ領域は、当該ストライプ状のトレンチに垂直に交わるストライプ状に形成されていてもよい。
隣り合う前記トレンチの間隔は、1μm以下であってもよい。
隣り合う前記エミッタ領域の間隔は、3.5μm〜10μmであってもよい。
前記埋め込み絶縁膜は、SiO
2からなっていてもよいし、前記ゲート電極は、ポリシリコンからなっていてもよい。また、前記半導体層は、Siからなっていてもよいし、前記エミッタ電極は、Al−Si−Cu系合金からなっていてもよい。
【0012】
本発明の一実施形態は、前記エミッタ電極と前記半導体層との間に配置されたTi/TiN/Ti積層構造を有するバリア層をさらに含んでいてもよい。
本発明の一実施形態は、第1導電型の半導体層の表面部に、第2導電型のベース領域を形成する工程と、それぞれの間にアクティブ領域を定義するように、前記半導体層の表面から前記ベース領域の底部を超えて延びる複数のトレンチを形成する工程と、前記トレンチをゲート電極で埋め戻す工程と、前記ゲート電極を上部から選択的に除去することによって、前記ゲート電極上に前記トレンチの側面で定義されたスペースを形成する工程と、前記スペースに、前記半導体層の表面と同じか当該表面よりも低い高さ位置に上面を有する埋め込み絶縁膜を埋め込む工程と、それぞれが隣り合う前記トレンチをつなぐように、前記アクティブ領域に第1導電型の複数のエミッタ領域を形成する工程と、前記アクティブ領域および前記埋め込み絶縁膜を覆うようにエミッタ電極を形成する工程とを含む、半導体装置の製造方法を提供する。
【0013】
この方法によって、前述の半導体装置を製造することができる。
前記埋め込み絶縁膜を埋め込む工程は、前記半導体層の表面を覆うように絶縁材料を堆積させる工程と、前記半導体層の表面が露出するまで前記絶縁材料をエッチバックすることによって、前記埋め込み絶縁膜を形成する工程とを含んでいてもよい。
前記絶縁材料を堆積させる工程は、TEOS原料を用いたCVD法によってSiO
2を堆積させる工程を含んでいてもよい。
【0014】
本発明の一実施形態は、第1導電型の半導体層と、前記半導体層の表面部に配置された第2導電型のベース領域と、前記半導体層の表面から前記ベース領域の底部を超えて延びる複数のトレンチと、前記トレンチに埋め込まれたゲート電極と、前記ゲート電極上で前記半導体層の表面を超えて突出し、前記トレンチの側面と連続する側面を有する絶縁膜と、前記半導体層と前記絶縁膜との間の段差によって形成され、底部に前記半導体層からなるアクティブ領域が定義された掘り込み構造と、前記アクティブ領域に選択的に配置された第1導電型のエミッタ領域と、前記アクティブ領域および前記絶縁膜を覆っており、前記ベース領域および前記エミッタ領域に電気的に接続されたエミッタ電極とを含む、半導体装置を提供する。
【0015】
この構成によれば、ゲート電極とエミッタ電極とを、トレンチの側面と連続する側面を有する絶縁膜で絶縁できるので、隣り合うトレンチ間のアクティブ領域の半導体表面全体を、エミッタコンタクト領域として使用することができる。そのため、エミッタ領域へのコンタクトを形成する際に、マスクの位置ずれおよび寸法ばらつき等を考慮したデザインマージンが必要ない。その結果、前記デザインマージンを削減したデバイスの微細化を達成することができる。
【0016】
そして、微細化によるアクティブ領域の幅の縮小化によって、半導体層でのホール密度を高めてオン電圧を低減することができる。そのため、比較的低いオン電圧を確保したまま、ベース領域に対するエミッタ領域の面積比(エミッタ領域の配置率)を調節することによって、短絡耐量値を容易に制御することができる。その結果、オン電圧と短絡耐量のトレードオフの関係を改善することができる。
【0017】
さらに、掘り込み構造が形成されているので、アクティブ領域における半導体表面からゲート電極の頂部までの距離を短くすることができる。そのため、この構造が形成されていない場合に比べてエミッタ領域を浅く形成しても、エミッタ領域をゲート電極に確実に対向させることができる。エミッタ領域が浅くてよいので、エミッタ領域を形成する際の不純物の拡散時間を短縮でき、半導体層の表面に沿う面内方向への不純物の横広がりを抑制することができる。これにより、エミッタ領域パターンのロスの低減による微細化を達成できると共に、ベース領域の半導体表面からの深さ(ベース長)を短くできることによる高性能化を実現することができる。
【0018】
前記掘り込み構造は、隣り合う前記トレンチの間の半導体領域の全域に広がっていてもよい。
前記エミッタ領域は、隣り合う前記トレンチをつなぐように形成されていてもよい。
この構成によれば、エミッタ領域の構造が、隣り合うトレンチをつなぐ橋掛け構造であるため、前記同様のデザインマージンを必要としない。その結果、前記デザインマージンを削減したデバイスの微細化をより良好に達成することができる。
【0019】
本発明の一実施形態は、前記アクティブ領域に選択的に配置され、下部で前記ベース領域に接続された第2導電型のベースコンタクト領域を含んでいてもよい。
前記ベースコンタクト領域は、前記エミッタ領域と同じ深さで形成されていてもよい。
前記ベースコンタクト領域は、前記アクティブ領域の前記エミッタ領域を除く全領域に形成されていてもよい。
【0020】
前記トレンチは、ストライプ状に形成され、前記エミッタ領域は、当該ストライプ状のトレンチに垂直に交わるストライプ状に形成されていてもよい。
隣り合う前記トレンチの間隔は、1μm以下であってもよい。
前記エミッタ領域は、前記トレンチに沿って複数形成されており、隣り合う前記エミッタ領域の間隔は、3.5μm〜10μmであってもよい。
【0021】
前記絶縁膜は、SiO
2からなっていてもよいし、前記ゲート電極は、ポリシリコンからなっていてもよい。また、前記半導体層は、Siからなっていてもよいし、前記エミッタ電極は、Al−Si−Cu系合金からなっていてもよい。
本発明の半導体装置は、前記エミッタ電極と前記半導体層との間に配置されたTi/TiN/Ti積層構造を有するバリア層をさらに含んでいてもよい。
【0022】
本発明の一実施形態は、第1導電型の半導体層の表面部に、第2導電型のベース領域を形成する工程と、前記半導体層の表面から前記ベース領域の底部を超えて延びる複数のトレンチを形成する工程と、前記トレンチをゲート電極で埋め戻す工程と、前記ゲート電極を上部から選択的に除去することによって、前記ゲート電極上に前記トレンチの側面で定義されたスペースを形成する工程と、前記スペースに、前記半導体層の表面と同じか当該表面よりも低い高さ位置に上面を有する絶縁膜を埋め込む工程と、前記半導体層を表面から前記絶縁膜に対して自己整合的に除去することによって、底部に前記半導体層からなるアクティブ領域が定義された掘り込み構造を形成する工程と、前記掘り込み構造に第1導電型の不純物を選択的に注入し、拡散させることによって、前記アクティブ領域にエミッタ領域を形成する工程と、前記アクティブ領域および前記絶縁膜を覆うようにエミッタ電極を形成する工程とを含む、半導体装置の製造方法を提供する。
【0023】
この方法によって、前述の半導体装置を製造することができる。
前記絶縁膜を埋め込む工程は、前記半導体層の表面を覆うように絶縁材料を堆積させる工程と、前記半導体層の表面が露出するまで前記絶縁材料をエッチバックすることによって、前記絶縁膜を形成する工程とを含んでいてもよい。
前記絶縁材料を堆積させる工程は、TEOS原料を用いたCVD法によってSiO
2を堆積させる工程を含んでいてもよい。
【0024】
本発明の一実施形態は、第1導電型の半導体層と、前記半導体層に形成されたゲートトレンチおよびエミッタトレンチと、前記ゲートトレンチに埋め込まれたゲート電極と、前記エミッタトレンチに埋め込まれた埋め込み電極と、前記ゲートトレンチと前記エミッタトレンチとの間において前記半導体層の表面部に形成された第2導電型のベース領域と、前記ベース領域の表面部に形成された第1導電型のエミッタ領域と、前記ゲート電極上で前記ゲートトレンチに埋め込まれ、前記半導体層の表面と同じか当該表面よりも低い高さ位置に上面を有する第1埋め込み絶縁膜と、前記埋め込み電極上で前記エミッタトレンチに埋め込まれ、前記半導体層の表面と同じか当該表面よりも低い高さ位置に上面を有する第2埋め込み絶縁膜と、前記第1および第2埋め込み絶縁膜を覆っており、前記ベース領域および前記エミッタ領域に電気的に接続されたエミッタ電極とを含む、半導体装置を提供する。
【0025】
本発明の一実施形態では、前記エミッタトレンチが複数形成されており、前記複数のエミッタトレンチの間に形成された第2導電型のフローティング領域を含んでいてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置1,51の模式的な平面図である。
図2および
図3は、半導体装置1の模式的な断面図であって、それぞれ、
図1の切断線A−AおよびB−Bで半導体装置1を切断したときの断面に対応している。なお、
図1は、平面図であるが、明瞭化のために幾つかの構成要素にハッチングを付している。
【0028】
半導体装置1は、トレンチゲート型IGBTを備えるデバイスであって、本発明の半導体層の一例としての半導体基板2を含む。半導体基板2は、たとえば、50μm〜200μmの厚さのn
−型シリコン基板であってよい。
半導体基板2は、その裏面3から表面7へ向かって順に、p
+型コレクタ領域4、n型バッファ領域5およびn
−型ドリフト領域6が積層された構造を有している。
【0029】
p
+型コレクタ領域4のp型ドーパントとしては、たとえば、B(ホウ素)、Al(アルミニウム)等を使用できる(以下、p型不純物領域において同じ)。一方、n型バッファ領域5およびn
−型ドリフト領域6のn型ドーパントとしては、たとえば、N(窒素)、P(リン)、As(ひ素)等を使用できる(以下、n型不純物領域において同じ)。
また、p
+型コレクタ領域4のドーパント濃度は、たとえば、1×10
15cm
−3〜2×10
19cm
−3である。一方、n型バッファ領域5のドーパント濃度は、たとえば、1×10
15cm
−3〜5×10
17cm
−3であり、n
−型ドリフト領域6のドーパント濃度は、たとえば、1×10
13cm
−3〜5×10
14cm
−3である。
【0030】
n
−型ドリフト領域6の表面部には、p型ベース領域8が形成され、さらに、表面7からp型ベース領域8の底部を超えて延びる複数のゲートトレンチ9が形成されている。p型ベース領域8のドーパント濃度は、たとえば、1×10
16cm
−3〜1×10
18cm
−3である。また、p型ベース領域8の表面7からの深さは、たとえば、1.0μm〜4.0μmである。
【0031】
複数のゲートトレンチ9は、互いに平行なストライプ状に形成されている。これにより、隣り合うゲートトレンチ9間のp型ベース領域8は、ストライプ状に分割されている。この分割されたストライプ状の半導体領域(Si結晶領域)が、アクティブ領域10として定義される。
図1に示すように、隣り合うゲートトレンチ9の間隔P
1(ゲートトレンチ9の中心間の距離)は、たとえば、1μm以下である。また、ゲートトレンチ9の幅W
1は、たとえば、0.6μm〜3.0μmであり、アクティブ領域10の幅W
2は、幅W
1よりも狭く、たとえば、0.5μm〜1.5μmである。
【0032】
ゲートトレンチ9には、ゲート絶縁膜11を介してゲート電極12が埋め込まれている。ゲート絶縁膜11は、たとえばSiO
2からなり、ゲート電極12は、たとえばポリシリコンからなる。また、ゲート絶縁膜11の厚さは、たとえば、1100Å〜1300Å(この実施形態では、1200Å)である。
ゲート電極12は、ゲートトレンチ9の深さ方向途中まで埋め込まれている。これにより、ゲートトレンチ9においてゲート電極12の上方には、ゲート電極12の上面およびゲートトレンチ9の両側面によって定義されたスペース13が形成されている。
【0033】
スペース13は、p型ベース領域8よりも浅く形成されており、たとえば、ゲートトレンチ9の長手方向全域に亘って延びるシャロートレンチとなっている。スペース13の表面7からの深さは、たとえば、0.2μm〜0.5μmである。
スペース13には、埋め込み絶縁膜14が埋め込まれている。埋め込み絶縁膜14は、たとえばSiO
2からなる。埋め込み絶縁膜14は、アクティブ領域10の表面7と同じか当該表面7よりも低い高さ位置に上面15を有している。上面15がアクティブ領域10の表面7よりも低い高さ位置の場合、その高低差は、後述する絶縁材料38のエッチバックの際に、当該絶縁材料38が若干オーバーエッチングされることによって形成される凹みによって生じるものである。したがって、半導体基板2の表面7は、半導体(Si)表面と絶縁物(SiO
2)表面とが互いに段差なく連続して平坦面となっているか、もしくは、半導体(Si)表面に対して絶縁物(SiO
2)表面が若干凹むことで非常に浅い凹部が形成された略平坦な面となっている。
【0034】
埋め込み絶縁膜14とゲート電極12との間には、絶縁薄膜16が介在されている。絶縁薄膜16は、たとえばSiO
2からなる。また、絶縁薄膜16は、ゲート絶縁膜11よりも薄く、たとえば、150Å〜250Å(この実施形態では、200Å)の厚さを有している。
アクティブ領域10においてp型ベース領域8の表面部には、複数のn
+型エミッタ領域17が形成されている。各n
+型エミッタ領域17は、隣り合うゲートトレンチ9をつなぐように形成されている。n
+型エミッタ領域17が隣り合うゲートトレンチ9をつなぐとは、
図1に示すように、各n
+型エミッタ領域17が、一方のゲートトレンチ9から他方のゲートトレンチ9に延びる過程で分断されていないことを意味している。
【0035】
また、複数のn
+型エミッタ領域17は、ストライプ状のゲートトレンチ9に垂直に交わるストライプ状に配列されている。これにより、ゲートトレンチ9およびn
+型エミッタ領域17は、全体として、平面視格子状に形成されている。
図1に示すように、隣り合うn
+型エミッタ領域17の間隔P
2(n
+型エミッタ領域17の中心間の距離)は、たとえば、3.5μm〜10μmである。各n
+型エミッタ領域17の幅W
3は、たとえば、0.35μm〜1.0μmである。
【0036】
また、各n
+型エミッタ領域17は、埋め込み絶縁膜14の底部よりも深く形成されていて、ゲート絶縁膜11を介してゲート電極12に対向している。n
+型エミッタ領域17の表面7からの深さは、たとえば、0.6μm〜0.8μmである。また、n
+型エミッタ領域17のドーパント濃度は、1×10
19cm
−3〜5×10
20cm
−3である。
【0037】
また、アクティブ領域10においてp型ベース領域8の表面部には、複数のp
+型ベースコンタクト領域18が形成されている。p
+型ベースコンタクト領域18は、アクティブ領域10のn
+型エミッタ領域17を除く全領域に形成されている。つまり、アクティブ領域10においてp型ベース領域8の表面部には、n
+型エミッタ領域17およびp
+型ベースコンタクト領域18がゲートトレンチ9に沿って交互に配置されている。p
+型ベースコンタクト領域18の幅W
4は、幅W
3よりも広く、たとえば、3μm〜9μmである。このようなアクティブ領域10において、p型ベース領域8に対するn
+型エミッタ領域17の面積比(n
+型エミッタ領域17の配置率)は、たとえば、20%以下であり、好ましくは、10%〜15%である。これにより、良好な短絡耐量を達成することができる。
【0038】
また、各p
+型ベースコンタクト領域18は、n
+型エミッタ領域17および埋め込み絶縁膜14の底部よりも浅く形成されている。p
+型ベースコンタクト領域18の表面7からの深さは、たとえば、0.2μm〜0.8μmである。また、p
+型ベースコンタクト領域18のドーパント濃度は、たとえば、5×10
18cm
−3〜1×10
20cm
−3である。
【0039】
半導体基板2上には、エミッタ電極19が形成されている。エミッタ電極19は、たとえばAl−Si−Cu系合金からなる。エミッタ電極19は、その一方表面および他方表面が表面7の半導体(Si)表面および絶縁物(SiO
2)表面に沿うように、アクティブ領域10および埋め込み絶縁膜14を覆っている。前述のように表面7が(略)平坦面となっていることから、エミッタ電極19は、この平坦性を引き継いだ平坦電極となっている。そのため、エミッタ電極19にボンディングワイヤ等の配線材を接合するときの接合強度を向上させることができる。
【0040】
つまり、
図2および
図3に示すように、エミッタ電極19では、アクティブ領域10に接してn
+型エミッタ領域17およびp
+型ベースコンタクト領域18に接続されたコンタクト部分と、埋め込み絶縁膜14に接してゲート電極12に対向する非コンタクト部分とが、互いに段差なく連続している。非コンタクト部とゲート電極12とは、埋め込み絶縁膜14によって絶縁されている。
【0041】
また、半導体基板2とエミッタ電極19との間には、
図2および
図3に示すように、Ti/TiN/Ti積層構造を有するバリア膜20が介在されていてもよい。
半導体基板2の裏面3には、コレクタ電極21が形成されている。コレクタ電極21は、裏面3から順に積層されたAlSi/Ti/Ni/Au積層構造を有している。
そして、半導体装置1は、たとえば、
図4に示すようなインバータ回路22に組み込んで使用することができる。
図4は、半導体装置1が組み込まれたインバータ回路図である。
【0042】
インバータ回路22は、負荷の一例としての三相モータ23に接続される三相インバータ回路である。インバータ回路22は、直流電源24およびスイッチ部25を含む。
直流電源24は、この実施形態では、たとえば、700Vである。直流電源24には、その高圧側に高圧側配線26が接続され、その低圧側に低圧側配線27が接続されている。
【0043】
スイッチ部25は、三相モータ23のU相23U、V相23VおよびW相23Wのそれぞれの相に対応する3つのアーム28〜30を備えている。
アーム28〜30は、高圧側配線26と低圧側配線27との間に並列に接続されている。アーム28〜30は、それぞれ高圧側のハイサイドトランジスタ(半導体装置1)31H〜33Hと、低圧側のローサイドトランジスタ(半導体装置1)31L〜33Lとを備えている。各トランジスタ31H〜33Hおよび31L〜33Lには、それぞれ回生ダイオード34H〜36Hおよび34L〜36Lが、低圧側から高圧側に順方向電流が流れるような向きで並列に接続されている。
【0044】
インバータ回路22では、各アーム28〜30のハイサイドトランジスタ31H〜33Hおよびローサイドトランジスタ31L〜33Lのオン/オフ制御を交互に切り替えることによって、つまり、一方のトランジスタがスイッチオンで、他方のトランジスタがスイッチオフである状態を交互に切り替えることによって、三相モータ23に交流電流を流すことができる。一方、両方のトランジスタをスイッチオフの状態にすることによって、三相モータ23への通電を停止することができる。このようにして、三相モータ23のスイッチング動作を行う。
【0045】
図5A〜
図5Lは、半導体装置1の製造工程の一部を工程順に示す図である。
図5A〜
図5Lにおいて、紙面左側の図が
図2の断面に対応しており、紙面右側の図が
図3の断面に対応している。
半導体装置1を製造するには、
図5Aに示すように、n
−型の半導体基板2(n
−型ドリフト領域6)の表面7に対してp型ドーパントがイオン注入(インプラ)され、その後、半導体基板2がアニール処理される。これにより、p型ドーパントがドライブイン拡散してp型ベース領域8が形成される。
【0046】
次に、
図5Bに示すように、半導体基板2が選択的にエッチングされることによって、ゲートトレンチ9が形成される。また、隣り合うゲートトレンチ9で挟まれた部分にアクティブ領域10が形成される。
次に、
図5Cに示すように、半導体基板2が熱酸化されることによって、ゲートトレンチ9の内面を含む表面全域にゲート絶縁膜11が形成される。
【0047】
次に、
図5Dに示すように、たとえばLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法によって、ポリシリコン等の電極材料37が半導体基板2上に堆積される。電極材料37の堆積は、ゲートトレンチ9を完全に埋め戻し、半導体基板2が電極材料37で覆われるまで続けられる。
次に、
図5Eに示すように、電極材料37がエッチバックされることによって、電極材料37の不要部分が除去される。これにより、ゲートトレンチ9の深さ方向途中部まで埋め込まれたゲート電極12が形成されると共に、ゲート電極12の上方にスペース13が形成される。
【0048】
次に、
図5Fに示すように、半導体基板2が熱酸化されることによって、ゲート絶縁膜11で覆われていないゲート電極12の上面に絶縁薄膜16(熱酸化膜)が形成される。
次に、
図5Gに示すように、TEOS原料を用いたCVD法によってSiO
2からなる絶縁材料38が半導体基板2上に堆積される。その後、絶縁材料38の表面を平坦化させるため、半導体基板2をアニール処理してもよい。また、このアニール処理は、前述の
図5A(ドライブイン拡散)、
図5C(ゲート熱酸化)および
図5D(ポリシリコンデポ)等の加熱工程を経て徐々に深くなったp型ベース領域8のこの時点での深さを確認した上で、最終的な深さ調整をするために利用してもよい。
【0049】
次に、
図5Hに示すように、絶縁材料38がエッチバックされることによって、絶縁材料38の不要部分が除去される。これにより、スペース13に埋め込まれた埋め込み絶縁膜14が形成される。
次に、
図5Iに示すように、半導体基板2の表面7に対してn型ドーパントがイオン注入(インプラ)され、その後、半導体基板2がアニール処理される。これにより、n型ドーパントがドライブイン拡散してn
+型エミッタ領域17が形成される。
【0050】
次に、
図5Jに示すように、半導体基板2の表面7に対してp型ドーパントがイオン注入(インプラ)され、その後、半導体基板2がアニール処理される。これにより、p型ドーパントがドライブイン拡散してp
+型ベースコンタクト領域18が形成される。
次に、半導体基板2上に、たとえばスパッタ法によって、Ti膜が堆積されアニール処理された後、同様の方法によってTiN膜、Ti膜およびAl−Si−Cu系合金膜が順に堆積される。そして、これらTi/TiN/Ti/Al−Si−Cu系合金をパターニングすることによって、
図5Kに示すように、エミッタ電極19およびバリア膜20が同時に形成される。
【0051】
次に、必要に応じて半導体基板2を裏面3からの研削によって薄化させた後、
図5Lに示すように、半導体基板2の裏面3に対して選択的にn型およびp型ドーパントがイオン注入(インプラ)され、その後、半導体基板2がアニール処理(この実施形態では、レーザアニール)される。これにより、n型およびp型ドーパントがドライブイン拡散してn型バッファ領域5およびp
+型コレクタ領域4が形成される。その後、たとえばスパッタ法によって、AlSi膜、Ti膜、Ni膜およびAu膜が順に堆積される。これにより、コレクタ電極21が形成される。
【0052】
以上のような工程を経て、
図1〜
図3に示す半導体装置1が得られる。なお、
図5A〜
図5Lでは半導体装置1の製造工程の一部を表したに過ぎず、当該製造工程は、
図5A〜
図5Lで示されなかった工程を含んでいてもよい。
この半導体装置1によれば、
図2および
図3に示すように、ゲート電極12とエミッタ電極19とを埋め込み絶縁膜14で絶縁できるので、隣り合うゲートトレンチ9間のアクティブ領域10の半導体(Si)表面全体を、エミッタコンタクト領域として使用することができる。そのため、n
+型エミッタ領域17およびp
+型ベースコンタクト領域18の形成(
図5Iおよび
図5J)後、半導体基板2に層間絶縁膜等の絶縁膜を形成する工程を経ずに、
図5Kに示すように、エミッタ電極19の材料を直接堆積すればよい。
【0053】
したがって、n
+型エミッタ領域17およびp
+型ベースコンタクト領域18へのコンタクトを形成する際に、ゲートトレンチ9に直交する方向におけるマスクの位置ずれおよび寸法ばらつき等を考慮したデザインマージンが必要ない。さらに、n
+型エミッタ領域17の構造が、
図1に示すように、隣り合うゲートトレンチ9をつなぐ橋掛け構造であるため、その形成にあたり、前記同様のデザインマージンを必要としない。その結果、前記デザインマージンを削減したデバイスの微細化を達成することができる。
【0054】
そして、微細化によるアクティブ領域10の幅W
2の縮小化によって、p型ベース領域8とn
−型ドリフト領域6との界面付近でのホール密度を高めてオン電圧を低減することができる。ホール密度の向上効果およびオン電圧の低減効果は、それぞれ、
図6および
図7によって証明することができる。
図6は、Si表面からの深さとホール密度との関係を示すシミュレーションデータである。
図7は、コレクタ−エミッタ電圧(VCE)とコレクタ電流(IC)との関係を示すシミュレーションデータである。
【0055】
図6および
図7において、実施例の実線は、この実施形態に係る半導体装置1の結果を示している。一方、参考例は、ゲート電極12とエミッタ電極19とを絶縁するための絶縁膜として、埋め込み絶縁膜14に代えて表面7上の層間絶縁膜を採用し、コンタクトホール形成のためのデザインマージンを考慮してゲートトレンチ9の間隔P
1を半導体装置1よりも広げた、半導体装置の結果を示している。
【0056】
図6から、実施例のホール密度は、Si表面からの深さに関係なく、参考例よりも高いことがわかる。また、
図7から、実施例のオン電圧が参考例よりも低いことが明らかである。
以上より、半導体装置1のようにゲートトレンチ9の間隔P
1を狭めることによって、ホール密度を向上できると共に、オン電圧を低減できることがわかった。その結果、前記間隔P
1を維持して比較的低いオン電圧を確保したまま、p型ベース領域8に対するn
+型エミッタ領域17の面積比(n
+型エミッタ領域17の配置率)を調節することによって、短絡耐量値も容易に向上させることができる。つまり、半導体装置1によれば、オン電圧と短絡耐量のトレードオフの関係を改善することができる。
【0057】
図8は、本発明の一実施形態に係る半導体装置50の模式的な断面図である。
図8では、前述の半導体装置1と異なる構成要素について主に説明し、共通の構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
半導体装置51では、n
−型ドリフト領域6を介してゲートトレンチ9に対向するようにエミッタトレンチ44が形成されている。エミッタトレンチ44は、
図8に示すように、各ゲートトレンチ9を挟むように一対ずつ設けられていてもよい。
図8では、ゲートトレンチ9および一対のエミッタトレンチ44を含むトレンチユニットが、ストライプ状に複数形成されている。
【0058】
エミッタトレンチ44には、ゲートトレンチ9と同様に、絶縁膜45を介して埋め込み電極46が配置されていてもよい。埋め込み電極46は、エミッタ電極19に電気的に接続されていてもよい。絶縁膜45および埋め込み電極46は、それぞれ、ゲート絶縁膜11およびゲート電極12と同じ工程で形成することができる。したがって、エミッタトレンチ44において埋め込み電極46の上方には、埋め込み電極46の上面およびエミッタトレンチ44の両側面によって定義されたスペース47が形成されていてもよい。
【0059】
スペース47には、SiO
2等の絶縁材料からなる埋め込み絶縁膜48が埋め込まれていてもよい。埋め込み絶縁膜48は、隣り合うエミッタトレンチ44を繋ぐ表面絶縁膜49と一体的に形成されていてもよい。埋め込み絶縁膜48および表面絶縁膜49は、埋め込み絶縁膜14と同じ工程で形成することができる。たとえば、
図5Gで絶縁材料38を堆積した後、エミッタ電極19のコンタクトに必要な箇所を選択的にエッチングしてコンタクトホール53を形成し、コンタクトホール53以外の部分を表面絶縁膜49として残せばよい。
【0060】
ゲートトレンチ9と一方のエミッタトレンチ44との間のp型ベース領域8の表面部にn
+型エミッタ領域17が形成され、ゲートトレンチ9と他方のエミッタトレンチ44との間のp型ベース領域8の表面部にp
+型ベースコンタクト領域18が形成されている。
隣り合うエミッタトレンチ44間のn
−型ドリフト領域6には、p型フローティング領域52が形成されている。p型フローティング領域52は、表面絶縁膜49に対向している。p型フローティング領域52は、電気的にフローティング状態が保たれた半導体領域であり、ゲートトレンチ9に隣り合うエミッタトレンチ44によって、ゲートトレンチ9と分離されている。p型フローティング領域52は、p型ベース領域8よりも深い位置(たとえば、エミッタトレンチ44の底部を超える位置)まで延びていてもよい。これにより、スイッチングオフ動作時にエミッタトレンチ44に負荷するコレクタ−エミッタ電圧を緩和することができる。そのため、急峻な電圧変化(dv/dt)に対してデバイスの破壊を防止することができる。p型フローティング領域52のドーパント濃度は、たとえば、5×10
15cm
−3〜1×10
18cm
−3である。
【0061】
隣り合うエミッタトレンチ44の間隔P
3は、たとえば、1.5μm以上であり、好ましくは、3μm以下である。また、ゲートトレンチ9を挟んで対向する一対のエミッタトレンチ44の間隔P
4は、たとえば、3μm以下である。この間隔P
4は、たとえば、コンタクトホール53と同じサイズであってもよい。
以上、半導体装置50によれば、埋め込み絶縁膜14,48が形成されているので、前述の半導体装置1と同様に、デザインマージンを削減したデバイスの微細化を達成することができる。さらに、p型フローティング領域52によって高い短絡耐量を達成することもできる。つまり、デバイスの微細化と高性能化の両立を図ることができる。たとえば、微細化に関しては、コンタクトホール53を3μm程度に抑えることができる。
【0062】
図9〜
図11は、本発明の一実施形態に係る半導体装置51の模式的な断面図であって、それぞれ、
図1の切断線A−A、B−BおよびC−Cで半導体装置51を切断したときの断面に対応している。なお、
図9〜
図11では、前述の半導体装置1と異なる構成要素について主に説明し、共通の構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
半導体装置51において、スペース13には、埋め込み絶縁膜14が埋め込まれている。埋め込み絶縁膜14は、たとえばSiO
2からなる。埋め込み絶縁膜14は、アクティブ領域10の表面7を超えて突出し、ゲートトレンチ9の側面39と連続する側面40を有している。つまり、ゲートトレンチ9の側面39と埋め込み絶縁膜14の側面40とが、ゲートトレンチ9の深さ方向に沿って互いに段差なく連続している。なお、この「段差なく連続する」は、ゲート絶縁膜11のような薄膜の厚さによって形成される微小な段差は無視するものとする。
【0063】
また、埋め込み絶縁膜14が表面7を超えて突出しているため、半導体基板2上には、半導体基板2の表面7と埋め込み絶縁膜14の上面15との間に段差によって形成され、底部にアクティブ領域10が露出する掘り込み構造41が形成されている。掘り込み構造41は、ゲートトレンチ9によって分割されたストライプ状の半導体領域の全域に形成されている。
【0064】
また、掘り込み構造41は、
図9および
図10に示すように、アクティブ領域10の表面7の深さ位置が、埋め込み絶縁膜14の厚さ方向途中に配置される深さで形成されていてもよい。つまり、埋め込み絶縁膜14が、アクティブ領域10の表面7に対して下側および上側に跨るように形成されていてもよい。掘り込み構造41の深さは、たとえば、0.3μm〜0.6μmである。
【0065】
埋め込み絶縁膜14とゲート電極12との間には、絶縁薄膜16が介在されている。絶縁薄膜16は、たとえばSiO
2からなる。また、絶縁薄膜16は、ゲート絶縁膜11よりも薄く、たとえば、150Å〜250Å(この実施形態では、200Å)の厚さを有している。
アクティブ領域10においてp型ベース領域8の表面部には、複数のn
+型エミッタ領域17が形成されている。各n
+型エミッタ領域17は、隣り合うゲートトレンチ9をつなぐように形成されている。n
+型エミッタ領域17が隣り合うゲートトレンチ9をつなぐとは、
図1に示すように、各n
+型エミッタ領域17が、一方のゲートトレンチ9から他方のゲートトレンチ9に延びる過程で分断されていないことを意味している。
【0066】
また、複数のn
+型エミッタ領域17は、ストライプ状のゲートトレンチ9に垂直に交わるストライプ状に配列されている。これにより、ゲートトレンチ9およびn
+型エミッタ領域17は、全体として、平面視格子状に形成されている。
図1に示すように、隣り合うn
+型エミッタ領域17の間隔P
2(n
+型エミッタ領域17の中心間の距離)は、たとえば、3.5μm〜10μmである。各n
+型エミッタ領域17の幅W
3は、たとえば、0.35μm〜1.0μmである。
【0067】
また、各n
+型エミッタ領域17は、埋め込み絶縁膜14の底部よりも深く形成されていて、ゲート絶縁膜11を介してゲート電極12に対向している。n
+型エミッタ領域17の表面7からの深さは、たとえば、0.2μm〜0.5μmである。また、n
+型エミッタ領域17のドーパント濃度は、1×10
19cm
−3〜5×10
20cm
−3である。
【0068】
また、アクティブ領域10においてp型ベース領域8の表面部には、複数のp
+型ベースコンタクト領域18が形成されている。p
+型ベースコンタクト領域18は、アクティブ領域10のn
+型エミッタ領域17を除く全領域に形成されている。つまり、アクティブ領域10においてp型ベース領域8の表面部には、n
+型エミッタ領域17およびp
+型ベースコンタクト領域18がゲートトレンチ9に沿って交互に配置されている。p
+型ベースコンタクト領域18の幅W
4は、幅W
3よりも広く、たとえば、3μm〜9μmである。このようなアクティブ領域10において、p型ベース領域8に対するn
+型エミッタ領域17の面積比(n
+型エミッタ領域17の配置率)は、たとえば、20%以下であり、好ましくは、10%〜15%である。これにより、良好な短絡耐量を達成することができる。
【0069】
また、各p
+型ベースコンタクト領域18は、
図11に示すように、n
+型エミッタ領域17と同じ深さで形成されている。p
+型ベースコンタクト領域18の表面7からの深さは、たとえば、0.2μm〜0.8μmである。また、p
+型ベースコンタクト領域18のドーパント濃度は、たとえば、5×10
18cm
−3〜1×10
20cm
−3である。
【0070】
半導体基板2上には、エミッタ電極19が形成されている。エミッタ電極19は、たとえばAl−Si−Cu系合金からなる。エミッタ電極19は、掘り込み構造41に入り込んでn
+型エミッタ領域17およびp
+型ベースコンタクト領域18に接続されている。
具体的には、
図9および
図10に示すように、エミッタ電極19は、アクティブ領域10に接してn
+型エミッタ領域17およびp
+型ベースコンタクト領域18に接続されたコンタクト部分と、埋め込み絶縁膜14に接してゲート電極12に対向する非コンタクト部分とを有している。非コンタクト部とゲート電極12とは、埋め込み絶縁膜14によって絶縁されている。
【0071】
また、半導体基板2とエミッタ電極19との間には、
図9および
図10に示すように、Ti/TiN/Ti積層構造を有するバリア膜20が介在されていてもよい。バリア膜20は、その一方表面および他方表面が、掘り込み構造41によって形成された半導体基板2上の凹凸に沿うように形成されている。
半導体基板2の裏面3には、コレクタ電極21が形成されている。コレクタ電極21は、裏面3から順に積層されたAlSi/Ti/Ni/Au積層構造を有している。
【0072】
そして、この半導体装置51も、前述の半導体装置1と同様に、たとえば、
図4に示すようなインバータ回路22に組み込んで使用することができる。
次に、半導体装置51の製造方法を説明する。
半導体装置51を製造するには、まず、
図5A〜
図5Gに示した工程と同じ工程が行われる。
【0073】
図5Gにおいて、絶縁材料38が半導体基板2上に堆積された後、
図12Aに示すように、絶縁材料38がエッチバックされることによって、絶縁材料38の不要部分が除去される。これにより、スペース13に埋め込まれた埋め込み絶縁膜14が形成される。このとき、埋め込み絶縁膜14の上面15は、アクティブ領域10の表面7と同じか当該表面7よりも低い高さ位置に上面15を有している。上面15がアクティブ領域10の表面7よりも低い高さ位置の場合、その高低差は、絶縁材料38のエッチバックの際に、当該絶縁材料38が若干オーバーエッチングされることによって形成される凹みによって生じるものである。したがって、半導体基板2の表面7は、半導体(Si)表面と絶縁物(SiO
2)表面とが互いに段差なく連続して平坦面となっているか、もしくは、半導体(Si)表面に対して絶縁物(SiO
2)表面が若干凹むことで非常に浅い凹部が形成された略平坦な面となっている。
【0074】
次に、
図12Bに示すように、埋め込み絶縁膜14で挟まれたアクティブ領域10が選択的にエッチングされることによって掘り込み構造41が形成される。この際、埋め込み絶縁膜14(SiO
2)は、アクティブ領域10(Si)に対してエッチング選択比を有しているため、エッチングマスクとして使用することができる。これにより、掘り込み構造41は、埋め込み構造41に対して自己整合的に形成される。
【0075】
次に、
図12Cに示すように、半導体基板2の表面7に対してn型ドーパントがイオン注入(インプラ)され、その後、半導体基板2がアニール処理される。これにより、n型ドーパントがドライブイン拡散してn
+型エミッタ領域17が形成される。
次に、
図12Dに示すように、半導体基板2の表面7に対してp型ドーパントがイオン注入(インプラ)され、その後、半導体基板2がアニール処理される。これにより、p型ドーパントがドライブイン拡散してp
+型ベースコンタクト領域18が形成される。
【0076】
次に、半導体基板2上に、たとえばスパッタ法によって、Ti膜が堆積されアニール処理された後、同様の方法によってTiN膜、Ti膜およびAl−Si−Cu系合金膜が順に堆積される。そして、これらTi/TiN/Ti/Al−Si−Cu系合金をパターニングすることによって、
図12Eに示すように、エミッタ電極19およびバリア膜20が同時に形成される。
【0077】
次に、必要に応じて半導体基板2を裏面3からの研削によって薄化させた後、
図12Fに示すように、半導体基板2の裏面3に対して選択的にn型およびp型ドーパントがイオン注入(インプラ)され、その後、半導体基板2がアニール処理(この実施形態では、レーザアニール)される。これにより、n型およびp型ドーパントがドライブイン拡散してn型バッファ領域5およびp
+型コレクタ領域4が形成される。その後、たとえばスパッタ法によって、AlSi膜、Ti膜、Ni膜およびAu膜が順に堆積される。これにより、コレクタ電極21が形成される。
【0078】
以上のような工程を経て、
図9〜
図11に示す半導体装置51が得られる。なお、
図12A〜
図12Fでは半導体装置51の製造工程の一部を表したに過ぎず、当該製造工程は、
図12A〜
図12Fで示されなかった工程を含んでいてもよい。
この半導体装置51によれば、
図9および
図10に示すように、ゲート電極12とエミッタ電極19とを埋め込み絶縁膜14で絶縁できるので、隣り合うゲートトレンチ9間のアクティブ領域10の半導体(Si)表面全体を、エミッタコンタクト領域として使用することができる。そのため、n
+型エミッタ領域17およびp
+型ベースコンタクト領域18の形成(
図12Cおよび
図12D)後、半導体基板2に層間絶縁膜等の絶縁膜を形成する工程を経ずに、
図12Eに示すように、エミッタ電極19の材料を直接堆積すればよい。
【0079】
したがって、n
+型エミッタ領域17およびp
+型ベースコンタクト領域18へのコンタクトを形成する際に、ゲートトレンチ9に直交する方向におけるマスクの位置ずれおよび寸法ばらつき等を考慮したデザインマージンが必要ない。さらに、n
+型エミッタ領域17の構造が、
図1に示すように、隣り合うゲートトレンチ9をつなぐ橋掛け構造であるため、その形成にあたり、前記同様のデザインマージンを必要としない。その結果、前記デザインマージンを削減したデバイスの微細化を達成することができる。
【0080】
そして、微細化によるアクティブ領域10の幅W
2の縮小化によって、p型ベース領域8とn
−型ドリフト領域6との界面付近でのホール密度を高めてオン電圧を低減することができる。ホール密度の向上効果およびオン電圧の低減効果は、それぞれ、前述の半導体装置1と同様に、
図6および
図7によって証明することができる。
以上より、半導体装置51のようにゲートトレンチ9の間隔P
1を狭めることによって、ホール密度を向上できると共に、オン電圧を低減できることがわかった。その結果、前記間隔P
1を維持して比較的低いオン電圧を確保したまま、p型ベース領域8に対するn
+型エミッタ領域17の面積比(n
+型エミッタ領域17の配置率)を調節することによって、短絡耐量値も容易に向上させることができる。つまり、半導体装置51によれば、オン電圧と短絡耐量のトレードオフの関係を改善することができる。
【0081】
さらに、半導体装置51によれば、掘り込み構造41が形成されているので、アクティブ領域10における半導体(Si)表面からゲート電極12の頂部までの距離を短くすることができる。具体的には、
図11に示すように、掘り込み構造41が形成されていない場合の表面7の高さ位置42に比べて、表面7を低くすることができる。そのため、n
+型エミッタ領域17を浅く形成しても、n
+型エミッタ領域17をゲート電極12に確実に対向させることができる。n
+型エミッタ領域17が浅くてよいので、n
+型エミッタ領域17を形成する際の不純物の拡散時間を短縮することができる。これにより、
図11に示すように、半導体基板2の表面7に沿う面内方向への不純物の横広がり43を抑制することができる。その結果、n
+型エミッタ領域17パターンのロスの低減による微細化を達成できると共に、p型ベース領域8の表面7からの深さ(p型ベース長)を短くできることによる高性能化(エミッタ電極19の直列抵抗の低減)を実現することができる。
【0082】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、半導体装置1,50,51の各半導体部分の導電型を反転した構成が採用されてもよい。つまり、半導体装置1,50,51において、p型の部分がn型であり、n型の部分がp型であってもよい。
また、前述の実施形態では、半導体装置1,50,51が備えるIGBTの構成のみを図示したが、本発明の半導体装置は、IGBT以外の素子(たとえば、MOSFET、ダイオード等)をIGBTの形成領域とは異なる領域に備えていてもよい。
【0083】
また、半導体装置51において、埋め込み絶縁膜14は、その底部が半導体基板2の表面7と同じ高さ位置にあってもよい。
また、半導体装置51において、各n
+型エミッタ領域17は、一方のゲートトレンチ9から他方のゲートトレンチ9に延びる過程で分断されていてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。