(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871319
(24)【登録日】2021年4月19日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】爆発的な減圧からの損傷を防止するための密封アセンブリー及びそれを含むブロックフィッティングアセンブリー
(51)【国際特許分類】
F16J 15/10 20060101AFI20210426BHJP
F25B 41/40 20210101ALI20210426BHJP
【FI】
F16J15/10 L
F16J15/10 Q
F25B41/00 J
【請求項の数】18
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-146101(P2019-146101)
(22)【出願日】2019年8月8日
(65)【公開番号】特開2020-26885(P2020-26885A)
(43)【公開日】2020年2月20日
【審査請求日】2019年8月8日
(31)【優先権主張番号】62/716,588
(32)【優先日】2018年8月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】16/519,168
(32)【優先日】2019年7月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516011246
【氏名又は名称】ハンオン システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エリック ケスラー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル スプラウル
【審査官】
的場 眞夢
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−014183(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0225110(US,A1)
【文献】
特開2008−256091(JP,A)
【文献】
特開2001−015392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/00−15/14
F16L 27/00−27/12
F25B 31/00−31/02
39/00−41/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調システム用の密封アセンブリーであって、
前記密封アセンブリーは、環状内部密封部材と、前記環状内部密封部材に結合される環状外部密封部材と、を含み、
前記環状外部密封部材の一部が前記環状内部密封部材の環状外部部分に重なり、
前記環状外部密封部材は、一面に形成された第1凹部を有し、
前記第1凹部は、前記環状外部密封部材が圧縮された時の実質的な閉鎖構成と、前記環状外部密封部材が減圧された時の実質的な開放構成と、の間を転移し、
前記閉鎖構成において、前記環状内部密封部材の開口部内を流れる冷媒からのガスが収着(sorption)によって前記環状外部密封部材の内に内臓されて、前記開放構成において、前記内蔵されたガスが前記環状外部密封部材から前記第1凹部を通過して排出されることを特徴とする密封アセンブリー。
【請求項2】
前記環状外部密封部材の他面に第2凹部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の密封アセンブリー。
【請求項3】
前記第2凹部と前記第1凹部は、前記一面と前記他面に、それぞれ対応するように形成されることを特徴とする請求項2に記載の密封アセンブリー。
【請求項4】
前記第1凹部は、長円形スロット、円筒形のスロット、又は連続的な環状スロットの中のいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載の密封アセンブリー。
【請求項5】
前記環状内部密封部材は、金属で形成され、前記環状外部密封部材が、エラストマー材料で形成され、前記環状外部密封部材は、オーバーモールド(over mold)によって前記環状内部密封部材に結合されることを特徴とする請求項1に記載の密封アセンブリー。
【請求項6】
空調システム用の密封アセンブリーであって、
前記密封アセンブリーは、環状内部密封部材と、前記環状内部密封部材に結合する環状外部密封部材と、を含み、
前記環状外部密封部材の一部が前記環状内部密封部材の環状外部部分に重なり、
前記環状外部密封部材は、一面に形成される複数の第1凹部及び他面に形成される複数の第2凹部を有し、
前記複数の第1凹部及び前記複数の第2凹部の各々は、前記環状外部密封部材が圧縮された時の閉鎖構成と前記環状外部密封部材が減圧された時の開放構成との間を転移し、
前記閉鎖構成において、前記環状内部密封部材の開口部内を流れる冷媒からのガスが収着(sorption)によって前記環状外部密封部材の内に内蔵されて、前記開放構成において、前記内蔵されたガスが前記環状外部密封部材から前記第1凹部、前記第2凹部を通過して排出されることを特徴とする密封アセンブリー。
【請求項7】
前記環状内部密封部材は金属であり、前記環状外部密封部材はエラストマーの材料であり、前記環状外部密封部材が、前記環状内部密封部材にオーバーモールドされていることを特徴とする請求項6に記載の密封アセンブリー。
【請求項8】
前記複数の第1凹部、前記複数の第2凹部は、前記一面と前記他面に、それぞれ対応するように形成されることを特徴とする請求項6に記載の密封アセンブリー。
【請求項9】
前記複数の第1凹部は、アーチ型の長円形横断面を持ち、環状に配置された複数のスロットであることを特徴とする請求項6に記載の密封アセンブリー。
【請求項10】
前記複数の第1凹部は、複数の円筒形凹部であることを特徴とする請求項6に記載の密封アセンブリー。
【請求項11】
前記複数の第1凹部は、複数の環状凹部であることを特徴とする請求項6に記載の密封アセンブリー。
【請求項12】
前記複数の第1凹部は、前記環状外部密封部材の半径方向に対して角度が付けられた複数の環状で整列されたスロットであることを特徴とする請求項6に記載の密封アセンブリー。
【請求項13】
前記複数の第1凹部及び前記複数の第2凹部は、複数の同心円状に並べられた複数の行(rows)内に配置されることを特徴とする請求項6に記載の密封アセンブリー。
【請求項14】
前記複数の行は、前記環状外部密封部材の前記一面と前記他面に、それぞれ対応するように形成されていることを特徴とする請求項13に記載の密封アセンブリー。
【請求項15】
前記複数の行の中、隣接した行は、前記環状外部密封部材の厚さに関して相互にオフセットされていることを特徴とする請求項13に記載の密封アセンブリー。
【請求項16】
前記複数の第1凹部の各々は、第1深さで前記一面から延伸され、前記複数の第2凹部の各々は第2深さで前記他面から延伸されて、前記複数の第1凹部の前記第1深さは前記環状外部密封部材の厚さに対応して変わり、前記複数の第2凹部の前記第2深さは前記環状外部密封部材の厚さに対応して変わることを特徴とする請求項6に記載の密封アセンブリー。
【請求項17】
前記環状外部密封部材の前記一面及び前記他面の各々は曲線輪郭を有することを特徴とする請求項6に記載の密封アセンブリー。
【請求項18】
一つの雌ブロックフィッティング及び一つの雄ブロックフィッティングで構成されて冷媒を移送するチューブを受容するブロックフィッティングと、
前記雌ブロックフィッティングと前記雄ブロックフィッティング間に収容される密封アセンブリーと、
を含み、
前記密封アセンブリーは、表裏に形成された複数の凹部を有する環状エラストマーの密封部材を備え、
前記複数の凹部は、前記密封部材が圧縮された時の閉鎖構成及び前記密封部材が減圧された時の開放構成との間で転移し、
前記閉鎖構成において、前記移送される冷媒からのガスが収着(sorption)によって前記環状エラストマーの密封部材の内に内蔵されて、前記開放構成において、前記内蔵されたガスが前記環状エラストマーの密封部材から前記複数の凹部を通過して排出されることを特徴とするブロックフィッティングアセンブリー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連した出願に対する相互参照]
本出願は、2018年8月9日に出願された米国仮出願第62/716、588号の利益を請求する。前記出願の全体の開示内容は参照のために本明細書に併合されている。
本発明は、爆発的な減圧からの損傷を防止するための車両空調システム用密封アセンブリー及びそれを含むブロックフィッティングアセンブリーに係り、より詳しくは、必要なシール機能を維持しながら空調システムの減圧中に空調システムを通し高圧ガスが漏出するようにする爆発的な減圧からの損傷を防止するための車両空調システム用密封アセンブリー及びそれを含むブロックフィッティングアセンブリーに関する。
【背景技術】
【0002】
R744(CO
2)冷媒などの冷媒を使用する空調システムのような空調システムで用いられる車両用冷媒部品は、米国及びヨーロッパ連合のような政府機関によって法律に規定された通り、必要な試験を行わなければならない。空調システムをスイッチ・オン及びスイッチ・オフすることで、空調システムで減圧が発生するので、試験を行うことが必要である。
【0003】
例えば、R744冷媒と直接又は間接的に接触する車両用冷媒成分は、接続技術のエラストマーがR744冷媒と直接又は間接的に接触する場合、ドイツ自動車産業協会(Verband der Automobilindustrie 以下「VDA」)及びドイツ標準化機構(Deutsches Institut fur Normung、以下「DIN」)に準拠し、VDA DIN SPEC、74102:2015−08に準拠して、減圧試験を実施しなければならない。
【0004】
テストするときには、実際の運転操作及び高い周囲温度での空調システムのアイドリング操作のシミュレーションとが特に大事なことである。エラストマーは、圧力が急速に開放される時、高度に圧縮されたR744冷媒がエラストマーを通って抜け出ようとするために破損する傾向がある。
【0005】
ある空調システムにおいては、金属シールフィッティング、又はフィッティングとの間の密封を維持するためにフィッティングとの間にガスケットが用いられる。しかしながら、一般には、余分なエラストマーのシールが金属シールフィッティングと共に使用される。したがって、エラストマーシールは、R744冷媒による急速な加圧及びそれに続くR744冷媒の急速な減圧のために損傷を受けやすいので、メタルシール継手は、エラストマーシールのために解体試験を受ける必要がある。
【0006】
高圧が加えられるエラストマーのシールに対する減圧損傷を防止するために、一般的にニトリルゴム(NBR)でコーティングしているスプリング金属コアを有するガスケットシールとのコネクターが採用される。しかし、エラストマーのシールによる従来のシールは、一般的には、ガスを要求されたほど速く抜け出させることができず、その結果、シールに損傷をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−256091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、必要なシール機能を維持しながら空調システムの減圧中にエラストマーシールに生じる損傷を最小化するエラストマーのシール及びそれを含むブロックフィッティングアセンブリーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであって、本発明の密封アセンブリーは、空調システム用の密封アセンブリーであって、環状内部密封部材及び環状内部密封部材に結合される環状外部密封部材を含み、環状外部密封部材は、第1表面内に形成された第1凹部を有し、第1凹部は環状外部密封部材が圧縮された時の実質的な閉鎖構成と、環状外部密封部材が減圧された時の実質的な開放構成と、の間を転移することを特徴とする。
【0010】
また本発明は、ガスが収着(sorption)によって環状外部密封部材の内に内蔵され、開放構成において、ガスが環状外部密封部材から第1凹部を通過して排出されることができる。
また本発明は、環状外部密封部材の第2表面に第2凹部が形成されること好ましい。
【0011】
前記第2凹部は、第1凹部と整列されることができる。
前記第1凹部は、長円形スロット、円筒形のスロット、又は連続的な環状スロットの中のいずれか一つであり得る。
【0012】
前記環状内部密封部材が金属で形成され、環状外部密封部材がエラストマー材料で形成され、環状外部密封部材がオーバーモールド(over mold)によって環状内部密封部材に結合されることが好ましい。
【0013】
本発明の密封アセンブリーは、空調システム用の密封アセンブリーであって、環状内部密封部材及び環状内部密封部材に結合する環状外部密封部材を含み、環状外部密封部材は第1表面内に形成される複数の第1凹部及び第2表面内に形成される複数の第2凹部を有し、複数の第1凹部及び複数の第2凹部の各々は、環状外部密封部材が圧縮された時の閉鎖構成と環状外部密封部材が減圧された時の開放構成との間を転移することを特徴とする。
【0014】
前記環形内部密封部材が金属であり、環状外部密封部材がエラストマーの材料であり、環状外部密封部材が環状内部密封部材にオーバーモールドされていることが好ましい。
複数の第1凹部は、複数の第2凹部等と整列されることができる。
【0015】
前記複数の第1凹部は、アーチ型の長円形横断面を持ち環状に配置された複数のスロットであることを特徴とする。
前記複数の第1凹部は、複数の円筒形凹部であることが好ましい。
また、前記複数の第1凹部は、複数の環状凹部であることができる。
また、前記複数の第1凹部は、複数の環状で整列された斜めのスロットであり得る。
【0016】
また、前記複数の第1凹部及び複数の第2凹部は複数の行(rows)内に配置されることを特徴とする。
また、前記複数の行は、環状外部密封部材の厚さに関して整列されることができる。
また、前記複数の行の中、隣接した行は、環状外部密封部材の厚さに関して相互にオフセットされ得る。
【0017】
また、前記複数の第1凹部の各々は第1深さで第1表面内に延伸され、複数の第2凹部の各々は第2深さで第2表面内に延伸されて、複数の第1凹部の第1深さは環状外部密封部材の厚さに対応して変わり、複数の第2凹部の第2深さは環状外部密封部材の厚さに対応して変わることを特徴とする。
また、前記環状外部密封部材の第1表面及び第2表面の各々は、曲線輪郭を有することができる。
【0018】
更に、本発明のブロックフィッティングアセンブリーは、一つの雌ブロックフィッティング及び一つの雄ブロックフィッティングで構成されて冷媒を移送するチューブを受容するブロックフィッティングと、ブロックフィッティング及びブロックフィッティングに噛み合う蜜封アセンブリーと、を含み、前記密封アセンブリーは、内部に形成された複数の凹部を有する環状エラストマーの密封部材を備え、エラストマーの密封部材は収着プロセスを通して内蔵された冷媒からガスを取り込み、前記密封アセンブリーは複数の凹部を通してガスを排出することを特徴とする。
【0019】
また、前記複数の凹部は、密封部材が圧縮される時の閉鎖構成及び密封部材が減圧する時の開放構成の間で転移し、ガスは複数の凹部が実質的に開放構成にある時に排出されることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
この開示内容によれば、必要なシール機能を維持しながら空調システムの減圧中にエラストマーのシールに生じる損傷を最小化するエラストマーのシールが発見された。
【0021】
この開示内容の一実施例によれば、空調システム用密封アセンブリーは、環状内部密封部材、及び環状内部密封部材に結合する環状外部密封部材を含む。前記環状外部密封部材は、第1表面内に形成された第1凹部を有する。第1凹部は、環状外部密封部材が圧縮される時の実質的に閉鎖構成と、環状外部密封部材が減圧される時の実質的に開放構成の間を転移する。
【0022】
この開示内容の他の実施例によれば、空調システム用密封アセンブリーが開示される。密封アセンブリーは、環状内部密封部材及び環状内部密封部材に結合する環状外部密封部材を含む。環状外部密封部材は、第1表面内に形成される複数の第1凹部及び第2表面内に形成される複数の第2凹部を有する。複数の第1凹部及び複数の第2凹部それぞれは、環状外部密封部材が圧縮された時の閉鎖構成と、前記環状外部密封部材が圧力減少された時の開放構成と、の間を転移する。
【0023】
この開示内容のもう一つの実施例形態によれば、ブロックフィッティングアセンブリーが開示される。ブロックフィッティングアセンブリーは、一つの雌ブロックフィッティング及び一つの雄ブロックフィッティング構成されるブロックフィッティングを備える。ブロックフィッティングは、冷媒を移送するチューブを受容する。密封アセンブリーが前記ブロックフィッティングに噛合って、内部に形成された複数の凹部を持つ環状エラストマーの密閉収着部材を備える。エラストマーのシールは収着プロセス(sorption process)で内蔵された前記冷媒からガスを収着する。前記エラストマーのシールは前記複数の凹部を介して前記ガスを排出する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の上記利点だけでなく他の利点は、添付図面から考慮してみると、望ましい実施例の下記の詳細説明から当該技術分野におけて通常の知識を有する者(以下、当業者という)なら容易に明らかになるはずである。
【0025】
【
図1】本願開示内容の1実施例によるブロックフィッティングアセンブリーの分解平面透視図である。
【
図2】
図1のブロックフィッティングアセンブリーの密封アセンブリーの左側面立面図である。
【
図3】密封アセンブリー内に形成される凹部が開放構造になっている3−3に沿って切断された
図2の密封アセンブリーの部分的な横断面図である。
【
図4】密封アセンブリー内に形成される凹部が閉鎖構造になっている、3−3に沿って切断された
図2の密封アセンブリーの部分的な横断面図である。
【
図5】本発明の他の実施形態による密封アセンブリーの左側面立面図である。
【
図6】本発明の他の実施形態による密封アセンブリーの左側面立面図である。
【
図7】本発明の他の実施形態による密封アセンブリーの左側面立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の詳細な説明及び添付した図面は、本発明の様々な実施形態を説明し例示する。詳細な説明及び図面は、当業者が発明して使用することを可能にする役割をするだけで、いかなる方式でも発明の範囲を制限しようとする意図するものではない。挙げられた方法について、提供された段階の順序は、単に例示しただけで、必須や臨界的なものではない。
【0027】
本願明細書において使われる「a」及び「an」は、アイテムの中の「少なくとも一つ」が提供されていることを示し、複数のアイテムが可能な場合、提供される場合もある。
本願明細書において使われる「実質的に」は、当業者が本願開示の内容を考慮してその用語を理解するように、「相当な程度まで」、「ほぼ」、又は「近似するように」を意味する。「前方」、「後方」、「内部」、「外部」、「最下部」、「最上部」、「水平」、「垂直」、「上部」、「下部」、「側面」などのような空間に関する用語は、図面に例示されている如く、1つの要素又は特徴と、他の要素又は特徴との関係を説明するために、説明を容易にするよう本明細書に使われることができる。また、空間的に相対的な用語は、図に示されている向きに加えて、使用中又は動作中の装置の異なる向きを包含することを意図することもできる。
【0028】
用語の第1、第2、第3などは様々な要素、部品、領域、階層及び/又はセクションを説明するために本願明細書で使われることもできるが、これら要素、部品、領域、階層及び/又はセクションは、該用語によって制限されてはならない。これらの用語は、一つの要素、部品、領域、階層、又はセクションを他の領域、階層又はセクションから区別することにだけ使われることもある。
【0029】
本明細書で使用されるときの「第1」、「第2」、「第3」などの用語、及び他の数値用語は、文脈によって明確に示されない限り、順序又は序列を意味しない。従って、下に論議される第1要素、部品、領域、階層又はセクションは、例示された実施例の教示を逸脱することなく、第2要素、部品、領域、階層又はセクションを指すことができる。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態によるブロックフィッティングアセンブリー1を示す。ブロックフィッティングアセンブリー1は、車両のR744冷媒システムのような車両の冷媒システム用として構成される。しかしながら、本願の開示内容のブロックフィッティングアセンブリー1は、所望に応じて、石油及びガスのボーリングシステム、車両冷媒システムとは異なる冷媒システム、又は他の流体システムとなどの、他のシステム用として構成されることができることが理解できる。
【0031】
ブロックフィッティングアセンブリー1は、内部に第1チューブ100の一端部及び第2チューブ200の一端部を受容してチューブ100、200を軸方向に整列するように構成される。ブロックフィッティングアセンブリー1は雄ブロックフィッティング2及び雌ブロックフィッティング4を備える。雄ブロックフィッティング2及び雌ブロックフィッティング4の第1開口部6、8は、各々チューブ100、200が軸方向に実質的に整列するように開口部の内部にチューブ100、200の一端部を受容する。
【0032】
密封アセンブリー10が雄ブロックフィッティング2及び雌ブロックフィッティン4の第1開口部6、8を実質的に囲んで密封するように、雄ブロックフィッティング2及び雌ブロックフィッティング4との間に受容される。それぞれの第1開口部6、8の整列を容易にするために、雄ブロックフィッティング2に形成される雄凸部3を受容するように雌ブロックフィッティング4の内に雌型刻み目(図示せず)が形成される。したがって、冷媒が実質的に漏らない方式でチューブ100、200を通して移送される。
【0033】
雄ブロックフィッティング2及び雌ブロックフィッティング4の第2開口部7、9は、各々、雄ブロックフィッティング2及び雌ブロックフィッティング4を共に固定しやすくするためにファスナー5を開口部の内部に受容する。
図1に示すブロックフィッティング2、4の特徴及び形状は、採用するブロックフィッティングアセンブリーの類型、又はアプリケーションに従って変わる場合がある。
【0034】
例えば、雄ブロックフィッティング2及び/又は雌ブロックフィッティング4は、整列ピンを受容するための一つ以上の穴を備えることができる。他の例では、雄ブロックフィッティング2及び雌ブロックフィッティング4のそれぞれが、所望により、ピーナッツ形、円形、卵形、長円形、多角形、又は他の任意の形状など、示されている洋ナシ形又は卵形とは異なる代替の断面形状を有することができる。
【0035】
図示した通り、ブロックフィッティング2、4は、構成要素又はシステムと別のブロックフィッティングとして例示されている。しかし、代替の実施形態によれば、ブロックフィッティング2、4は、それぞれシステムと一体化するか、又はシステム構造と一体化された構成ブロックのような構成要素として構成されることができる。例えば、構成要素はコンデンサーブロック、又はコンプレッサーマニホールドのような冷媒システム構成要素であり得る。他の例では、構成要素は、ハウジング又はシステムの他の類似構造であり得る。
【0036】
代替実施例によれば、雄ブロックフィッティング2は、システム構造又はシステムの雌ブロック構成要素として構成された雌ブロック構成要素に結合するために構成されたブロックフィッティングである。同様に、雄型ブロック構成要素はシステムの雄型ブロック構成要素であるか、またはシステム構造は、ブロック継手として構成された雌型ブロック継手4に結合するように構成されている。
【0037】
図2〜
図4は、ブロックフィッティングアセンブリー1の密封アセンブリー10を例示する。密封アセンブリー10は、環状内部密封部材12及び環状内部密封部材12に結合する環状外部密封部材14を備える。環状内部密封部材12は、金属材料で形成される。しかし、環状内部密封部材12は、所望に応じて他の材料で形成される場合もある。
【0038】
環状外部密封部材14は、エラストマー材料で形成される。エラストマー材料は、例えば、エチレンプロピレンジエンモノマー(EDPM)ゴム、FKMフッ素重合体、ケーマズカンパニー(Chemours Company)によって製造されたVITON(登録商標)フッ素エラストマー、水素化ニトリルブタジエンゴム(HNBR)のようなニトリルゴム、又は所望する場合、任意の他の類似のエラストマーでありうる。
【0039】
しかし、環状外部密封部材14は、変形性及び耐薬品性などの所望の特性を有する他の材料で形成される場合もある。例えば、環状外部密封部材14は、ナイロン又はプラスチックで形成されることも可能である。例えば、図示されている実施例では、環状外部密封部材14はオーバーモールド(over mold)によって環状内部密封部材12に結合され、ここで環状外部密封部材14の一部が環状内部密封部材12の環状外部部分に重なり合っている。
【0040】
例えば、図示されているように、外周縁面24、第1表面26の外部半径部分及び環状内部密封部材12の第1表面26に対向する第2表面28の外部半径部分周囲に形成される。その結果、環状内部密封部材12は環状外部密封部材14に抱き込まれて組み立てられ、密封アセンブリー10を形成する。
【0041】
例示されている実施形態では、環状内部密封部材12の外周縁面24に隣接した第1表面26及び第2表面28が外周縁面24に向けてテーパーされ、環状内部密封部材12が外周縁面24に向けてその厚さがだんだん減少するようにする。しかし、環状内部密封部材12の第1表面26及び第2表面28は連続的に扁平となることがあるし、ここで環状内部密封部材12は外周縁面24に向けて外方側にテーパーしないことが理解される。
【0042】
環状外部密封部材14は、第1表面18及び第1表面に対向する第2表面20の内に 形成された複数の凹部16を備える。凹部16は横断面がアーチ型長方形の形状を有する複数のスロットで構成される。本願明細書において、第1表面18に形成された凹部16は、第1凹部16aとし、第2表面20に形成された凹部16は、本願明細書において、第2凹部16bとする。図示するように、凹部16は環状外部密封部材14の外部端部30に隣接した環状外部密封部材14の一部に形成される。しかし、凹部16は、環状外部密封部材14の内部端部32から外部端部30まで、環状外部密封部材14の全体厚さ(t)に沿って形成されることができる。
【0043】
第1凹部16aの各々は、第1深さ(d1)で第1表面18内に延伸し、第2凹部16bの各々は第2深さ(d2)で第2表面20内に延伸する。図示するように、第1凹部16aのそれぞれの第1深さ(d1)は、環状外部密封部材14の厚さ(t)によって変わり、第2凹部16bのそれぞれの第2深さ(d2)は、環状外部密封部材14の厚さ(t)によって変わる。しかし、他の実施形態では、第1凹部16aのそれぞれの第1深さ(d1)と第2凹部16bのそれぞれの第2深さ(d2)とは、実質的に同一であり得ることがわかる。
【0044】
更に他の実施形態では、第1凹部16aの全体ではないが、少なくとも2個の第1深さ(d1)は実質的に同一であり得るし、第2凹部16bの全体ではないが、少なくとも2個の第2深さ(d2)は実質的に同一であり得る。環状外部密封部材14の材料の境界34は、第1凹部16aを第2凹部16bから分離させる。
【0045】
境界34は環状外部密封部材14の幅(w)の実質的に中央部分に形成され、ここで境界34は、環状外部密封部材14の第1表面18からの垂直距離、及び環状外部密封部材14の厚さ(t)に沿って第2表面20からの垂直距離に等間隔に配置されている。しかし、他の実施形態では、境界34は環状外部密封部材14の幅(w)の中央から外れた部分に形成されることができるし、境界34は環状外部密封部材14の第1表面18から垂直距離、及び環状外部密封部材14の厚さ(t)に沿って第2表面20から垂直距離が同一にならないように距離を置いて形成できることを理解すべきである。
【0046】
図示された通り、環状外部密封部材14の第1表面18及び第2表面20は、各々変化する扁平でない輪郭を有し、各表面18、20のそれぞれの輪郭は曲線となっている。他の実施形態によれば、環状外部密封部材14の第1表面18及び第2表面20は、実質的に平面の輪郭を有することができる。第1凹部16a及び第2凹部16bのそれぞれの深さは第1表面18及び第2表面20の輪郭に依存することも可能である。
【0047】
図示されているように、凹部16は環状内部密封部材12と重なり合った環状外部密封部材14の部分内に、そして環状内部密封部材12と重なり合わない環状外部密封部材14の部分内に形成される。しかしながら、他の実施形態では、凹部16は環状内部密封部材12に重なりあわない環状外部密封部材14内に全体的に、又は環状外部密封部材14の全体内に形成されることができる。
【0048】
環状外部密封部材14の第1表面18内に形成された第1凹部16aは、環状外部密封部材14の第2表面20に形成された第2凹部16bと整列され、凹部16が形成された環状外部密封部材14の厚さを最小化する。しかし、必要に応じて、環状外部密封部材14の第1表面18内に形成された第1凹部16aは、環状外部密封部材14の第2表面20に形成された第2凹部16bと整列されないこともある。
【0049】
凹部16は、複数の同心円状に並べられた複数の環状行として形成される。図示した実施形態では4行の凹部16が形成されている。しかし、環状外部密封部材14は、4行より多いか少ない行の凹部16を備えることが理解できる。凹部16の行は環状外部密封部材14の表面18、20の各々に、互い違いのパターンで形成される。
【0050】
例えば、凹部16はそれぞれの表面18、20の複数の環状に整列された行の内に形成されることができ、一つの行の凹部16は、隣接する行からずれていて、交互の行の凹部16に整列されている。しかし、凹部16の行の中、どれとも相互に整列できなかったり、凹部16の行の全体が相互に整列できず、凹部16は所望により、実質的にランダムパターンで形成され得ることがわかる。しかしながら例示されている凹部16は環状で連続的に延伸されているが、凹部16は一つ以上の断続的なアークセグメントに延長できることがわかる。
【0051】
図3において、環状外部密封部材14は「成形されたままの」又は「自由な状態」で示されており、これは、環状外部密封部材14が圧縮された状態又は圧縮された構成ではないことを意味する。自由状態の構成では、環状外部密封部材14は拡張され、凹部16を画定する対向した側壁22は、両方から開放構造の凹部16を規定するように分離されるか、両方から外側の側にずらされるか両方から離隔されている。
【0052】
図5に示すように、空調システムの圧縮中に、環状外部密封部材14は、各凹部16のそれぞれの側壁22を収縮させするか、圧縮するか、圧迫して、環状外部密封部材14の半径方向に対して相互に内側に向かって付勢する。環状外部密封部材14の圧縮により、凹部16の側壁22が閉じた構成に転移し、凹部16の側壁22は相互に噛み合うことができる。
【0053】
環状外部密封部材14の圧縮により凹部16の側壁22が閉鎖された構成に向けて転移し、各凹部16を画定する側壁22は、実質的に互いに係合するか、又は互いにほぼ近接し、互いにほぼ係合して、凹部16を通るガス又は流体の通過を著しく制限し最小化する。圧縮中に、密封アセンブリー10は、凹部16が閉鎖した構成であり所望の外側シール幅が維持されるため、密封の完全性が維持される。
【0054】
図3に示したように、減圧中に、凹部16の側壁22は、実質的に自由状態の位置と同様な位置に戻り、側壁22は開放された構成で環状外部密封部材14の半径方向に関して互いに離間している。その結果、凹部16において環状外部密封部材14の幅(w)は、環状外部密封部材14の外部の厚さより小さい。
【0055】
圧縮中に、例えば、空調システムを介して流れるR744冷媒からCO
2ガスのような気体が環状外部密封部材14の内部に収着によって内蔵される。CO
2ガスを生成する流体の一例としてR744冷媒を挙げたが、他の流体がガスを生成して環状外部密封部材14 内に内蔵されるガスを生成し、放出を必要とすることもあるのが理解できるはずである。
【0056】
収着とは、一つの物質が 単一プロセスで吸収、及び吸着によって他の物質に付着する化学的及び物理的なプロセスである。しかし、減圧中に、ガスは環状外部密封部材14を早く抜け出さなければならない。凹部16は、ガスが移動する距離を制御し最小化させる。凹部16によって、ガスが凹部のない密封部材よりも短い距離で環状外部密封部材14から放出される。
【0057】
凹部16は、ガスのための、より早い脱出経路を提供する。圧縮の種類に応じて、凹部16の側壁22の全体又は一部のみが閉鎖構成に転行することもできることが理解される。
図3〜
図4はガス(「O」と表示されている)が環状外部密封部材14から排出するときに取る最小化された経路(矢印で表示されている)を概略的に例示する。
他の実施形態によれば、環状外部密封部材14内に形成された凹部16は、所望に応じて、多様な形状及び構成を有することができる。代替の凹部の例を以下に示す。
【0058】
図5に、他の実施形態による密封アセンブリー10’を示す。
図5に示すように、
図1〜4に示した密封アセンブリー10の特徴は、同じ参照番号で示しているが、便宜上プライム記号(’)を付している。密封アセンブリー10’は、凹部16’の各々が円筒形で円形横断面の形状を有し、環状外部密封部材14’の半径方向に対して7個の環状整列行で形成されることを除き、
図1〜
図4の密封アセンブリー10と実質的に同様である。
【0059】
凹部16’は、必要に応じて、他の横断面形状を有することができることが理解される。例えば、凹部16’の横断面の形状は、所望に応じて、楕円形、卵形、三角形、長方形、多角形、蛇行形、長円形、ジグザグ形、あるいは任意の他の形状であり得る。更に、上記した通り、凹部16’は、必要に応じて整列されたか整列されていない任意の数の行を形成することができる。
【0060】
図5に示す実施形態では、第1表面18’内に形成された凹部16’は、第2表面20´に形成された凹部(図市省略)と整列されるか整列されないことがある。第2表面20’内に形成された凹部16’の配置に対して、第1表面18’内に形成された凹部16’の配置は、
図1〜
図4に記載及び図示した凹部16の配置と同一であるか類似している。
【0061】
図5によれば、凹部16’の各々の側壁22’の対向する部分は、冷媒システムが圧縮状態中又は減圧状態中に、環状外部密封部材14’の半径方向に関して、閉鎖構成又は開放構成によって相互に接近したり離隔したりしている。その結果、凹部16’のガスは外側シール部材14’から迅速に放出され得る。
【0062】
図6に、他の代替実施形態による密封アセンブリー10’’を示す。
図6の密封アセンブリー10’’の特徴は、
図1〜
図5の密封アセンブリー10、10’の特徴と同一か類似のものであり、同じ参照番号で表示されるが、便宜のため、2重プライム(’’)記号を付した。密封アセンブリー10’’は、凹部16’’の各々が環状外部密封部材14’’の第1表面18’’と第2表面20’’の両者内に連続的で環状として形成されたリングであることを除き、
図1〜
図5の密封アセンブリー10、10’’と実質的に同様である。
【0063】
凹部16’’は、互いにその中心が同じである。図示した実施例では、凹部16’’の4個の行が例示されている。しかし、前記本願明細書で上述した通り、凹部16’’は、必要に応じて任意の数の行の内に形成されることができる。第1表面18’’内に形成された凹部16’’は、第2表面20’’内に形成された凹部(図示せず)と整列しているか整列していなくてもよい。第2表面20’’内に形成された凹部16’’の配置に対して第1表面18’’内に形成された凹部16’’の配置、及び深さは、
図1〜
図5に於いて記載及び図示されている凹部16、16’の配置と同一であるか類似し得る。
【0064】
図6によれば、凹部16’’のそれぞれの側壁22’’は、冷媒システムの圧縮及び減圧状態中に、環状外部密封部材14’’の半径方向に関して閉鎖構成及び開放構成により相互に向けて接近及び離間するように転移する。結果として、凹部16’’のガスが環状外部密封部材14’’から迅速に排出され得る。
【0065】
図7に、他の実施形態による密封アセンブリー10’’’を例示する。
図7の密封アセンブリー密封アセンブリー10’’’は、
図1〜
図6の密封アセンブリー10、10’、10’’の特徴と同一であるので同じ参照番号で表示されるが、便宜のため、三重プライム(’’’)記号を付している。シールアセンブリ10’’’は、
図1〜6のシールアセンブリ10、10’、10’’と実質的に同じである。
【0066】
ただし、各凹部16’’’は環状に整列した傾斜スロットであり、凹部16’’’は、外側シール部材14’’’の外側端部30’’’と内側端部32’’’との間に垂直に延びる線に対して角度が付けられている。例示した実施形態では、凹部16’’’は、環状外部密封部材14’’’の表面18’’’、20’’’の各々内に、単一の環状行で形成される。しかしながら、前記本願明細書で上述したように、凹部16’’’は、所望に応じて任意の数の行に形成することができる。
【0067】
第1表面18’’’に形成された凹部16’’’は、第2表面20’’’に形成された凹部(図示せず)と整列されるか整列されなくてもよい。例えば、第1表面18’’’に形成された凹部16’’’は、所望によって、第2表面20’’’に形成された凹部16’’’と同様で、同じ傾きで、同じで反対方向の傾きで、あるいは同じでなく反対方向の傾きでその角度を成すことができる。第2表面20’’’に形成された凹部16’’’の配置に対して、第1表面18’’’に形成された凹部16’’’の配置及び深さは
図1〜
図6に記載及び図示されている凹部16、16’、16’’の配置と同一であるか類似し得る。
【0068】
図7によれば、凹部16’’’の各々の側壁22’’’は、冷媒システムの圧縮及び減圧状態中に、環状外部密封部材14’’’の半径方向に対して閉鎖構成又は開放構成から相互に近づいたり又は相互に離隔したりして転移する。凹部16’’’の結果として、ガスが環状外部密封部材14’’’から迅速に排出されることができる。
【0069】
特定した代表的な実施例、及び細部事項が発明を例示する目的として示されているものの、当業者には、下記に添付した請求範囲で更に説明する本願開示の範囲を逸脱することなく、多様な変更が行えるのは明らかである。
【符号の説明】
【0070】
100 第1チューブ
200 第2チューブ
1 ブロックフィッティングアセンブリー
2 雄ブロックフィッティング
3 雄凸部
4 雌ブロックフィッティング4
5 ファスナー
6 第1開口部
7 第2開口部
8 第1開口部
9 第2開口部
10 密封アセンブリー
12 環状内部密封部材
14 環状外部密封部材
16 凹部
18 第1表面
20 第2表面
22 側壁
24 外周縁面
26 第1上面
28 第2上面
30 外部端部
34 境界