特許第6871332号(P6871332)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許68713323次元物体を付加製造する装置及び3次元物体を付加製造する装置のフィルタ・ユニットを交換する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871332
(24)【登録日】2021年4月19日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】3次元物体を付加製造する装置及び3次元物体を付加製造する装置のフィルタ・ユニットを交換する方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 3/105 20060101AFI20210426BHJP
   B22F 3/16 20060101ALI20210426BHJP
   B29C 64/371 20170101ALI20210426BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20210426BHJP
   B29C 64/268 20170101ALI20210426BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20210426BHJP
   B33Y 40/00 20200101ALI20210426BHJP
   B28B 1/30 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   B22F3/105
   B22F3/16
   B29C64/371
   B29C64/153
   B29C64/268
   B33Y30/00
   B33Y40/00
   B28B1/30
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-175183(P2019-175183)
(22)【出願日】2019年9月26日
(62)【分割の表示】特願2018-27534(P2018-27534)の分割
【原出願日】2018年2月20日
(65)【公開番号】特開2020-73308(P2020-73308A)
(43)【公開日】2020年5月14日
【審査請求日】2019年9月26日
(31)【優先権主張番号】17191958.2
(32)【優先日】2017年9月19日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506154834
【氏名又は名称】ツェーエル・シュッツレヒツフェアヴァルトゥングス・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ファービアン・ツォイルナー
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ・ヘッツェル
(72)【発明者】
【氏名】イェンス・シュタムベルガー
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・ホフマン
(72)【発明者】
【氏名】パスカル・クラウゼ
(72)【発明者】
【氏名】ダグマー・ヴォールファルト
【審査官】 中西 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許出願公開第102016203513(DE,A1)
【文献】 特表2015−529573(JP,A)
【文献】 特開2014−034161(JP,A)
【文献】 特表2016−519711(JP,A)
【文献】 特表2009−538226(JP,A)
【文献】 実公昭50−002139(JP,Y1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0207147(US,A1)
【文献】 独国実用新案第202012013036(DE,U1)
【文献】 特開2016−174990(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/079494(WO,A1)
【文献】 特開平09−136013(JP,A)
【文献】 特開昭62−180718(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 3/105
B22F 3/16
B29C 64/153
B29C 64/268
B33Y 10/00−99/00
B28B 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元物体を付加製造する装置であって、
プロセスガス流から残留物を濾過するように適合されているフィルタ・ユニットと、
前記フィルタ・ユニットの連結手段前記装置の連結手段に向けて移動すること、及び/または、前記装置の前記連結手段を前記フィルタ・ユニットの連結手段に向けて移動することにより、少なくとも部分的に、切断状態から連結状態に前記フィルタ・ユニットを自動的に遷移するように適合されている位置決めデバイスであって、前記切断状態では、前記フィルタ・ユニットは前記プロセスガス流と切断されており、前記連結状態では、前記フィルタ・ユニットは前記プロセスガス流と連結している、位置決めユニットと、
を含み、
前記装置の連結手段及び前記フィルタ・ユニットの連結手段の各々は、バルブ要素及び制御ユニットを含み、前記バルブ要素は前記制御ユニットによって能動的に制御されるように適合されているか、
前記装置の連結手段及び前記フィルタ・ユニットの連結手段の各々はバルブ要素を含み、前記バルブ要素は前記フィルタ・ユニットと接触して開くように適合されている、
装置。
【請求項2】
前記位置決めデバイスは、前記切断状態から前記連結状態に前記フィルタ・ユニットを上昇させるように適合され、前記連結状態から前記切断状態に前記フィルタ・ユニットを下降させようにさらに適合されている上昇ユニットを含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記上昇ユニットは、前記切断状態から前記連結状態へ前記フィルタ・ユニットを上昇させ、前記連結状態から前記切断状態へ前記フィルタ・ユニットを下降させる駆動手段を含む、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記駆動手段は、油圧及び/または空気圧式の上昇エレメント、スピンドルドライブ、チェーンドライブ、またはウォームドライブの少なくとも1つとして構築されるか、もしくは、油圧及び/または空気圧式の上昇エレメント、スピンドルドライブ、チェーンドライブ、またはウォームドライブの少なくとも1つを含む、
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記上昇ユニットはトグルレバー機構を含む、
請求項3または請求項4の何れか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記駆動手段は、前記トグルレバー機構と連結され、前記連結状態から前記切断状態に前記フィルタ・ユニットを移動させるように適合されている、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記駆動手段は、レバーアーム間の継手で前記トグルレバー機構と連結されている、
請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記上昇ユニットは前記連結状態から前記切断状態に移動している前記フィルタ・ユニットを保持するように適合されている保持要素を含む、
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記保持要素は前記レバーアームの1つに連結されている、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記位置決めデバイスは前記連結状態で、前記フィルタ・ユニットにセルフロックされる、
請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記フィルタ・ユニットは自動的に移動することができる、
請求項1〜請求項10の何れか1項に記載の装置。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか1項に記載の3次元物体を付加製造する装置のフィルタ・ユニットを交換する方法であって、
位置決めデバイスによって、前記フィルタ・ユニットを連結手段に向けて移動すること、及び/または、前記連結手段を前記フィルタ・ユニットに向けて移動することにより、少なくとも部分的に、切断状態から連結状態に前記フィルタ・ユニットを自動的に遷移し、
前記切断状態では、前記フィルタ・ユニットはプロセスガス流と切断されており、
前記連結状態では、前記フィルタ・ユニットは前記プロセスガス流と連結しており、
前記フィルタ・ユニットにより、プロセスガス流から残留物を濾過する、
方法。
【請求項13】
前記フィルタ・ユニットを使用して前記プロセスガス流から残留物をさらに濾過し、
前記位置決めデバイスによって、前記フィルタ・ユニットを前記連結手段から遠ざかるように移動させること、及び/または前記連結手段を前記フィルタ・ユニットから遠ざかるように移動させることによって、少なくとも部分的に、前記連結状態から前記切断状態に自動的に遷移させる、
請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー源によって固化することができる造形材料層を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって3次元の物体を付加製造(積層造形)する装置に関し、この装置は、少なくとも1つのプロセスガス流から残留物を濾過するように適合されたフィルタ・ユニットを有する。
【背景技術】
【0002】
そのような付加製造装置は、従来技術からよく知られている。造形平面、すなわちエネルギー源、たとえばエネルギービームを介して直接照射することができる造形材料の平面内で、造形材料を照射するため、煙、燻り、又は固化されていない造形材料粒子などの残留物が生成される可能性がある。そのような残留物が製造プロセスに悪影響を及ぼさないことを保証するために、典型的には、残留物を充填することができるプロセスガス流が生成され、それにより、残留物を造形平面から離れる方へ、たとえばプロセスチャンバの外へ案内することができる。さらに、プロセスガス流から残留物を濾過するフィルタ・ユニットを設けることができ、それにより、濾過されたプロセスガスを再利用することができる。プロセスガス流は、プロセスガス、たとえばアルゴン、の流れを生成する好適な流れ生成デバイスによって生成することができる。
【0003】
概して、フィルタ・ユニット内で濾過され、すなわちフィルタ・ユニットを流れるプロセスガス流から分離された残留物(粒子)は、たとえば、フィルタ・ユニットのフィルタ・チャンバ内に受け取られる。フィルタ・チャンバ内の残留物の量が規定の充填レベルに到達した場合、特にフィルタ・チャンバが満杯になった場合、製造プロセスの継続、特にプロセスガス流の濾過を可能にするために、フィルタ・チャンバを空にするか又は交換しなければならない。通常、フィルタ・チャンバを清浄にし、又はフィルタ・ユニットのフィルタ・チャンバを交換するには、フィルタ・ユニットを付加製造装置から分離しなければならない。通常、フィルタ・ユニットを付加製造装置から分離するために、サービススタッフは、フィルタ・ユニットと装置を連結する少なくとも1つの連結手段、たとえばフィルタ・ユニットのプロセスガス入口及び/又はプロセスガス出口を取り外さなければならない。それぞれの連結手段は、たとえば、少なくとも1つのホースクランプを介して取り付けられていることがあり、連結手段を装置の対応する連結手段から取り外したり又はその逆に取り付けるには、このホースクランプを緩めたり締めたりしなければならない。前記連結手段は、付加製造装置のうちサービススタッフにとって届きにくい区域内に配置されている可能性がある。
【0004】
したがって、たとえばフィルタ・チャンバを清浄にしたり、空にしたり、又は交換することなどの保守の目的で、フィルタ・ユニットを挿入し且つ/又は取り出すとき、フィルタ・ユニットの連結手段の取り付けや取り外しには労力を要し、時間がかかる。特に、フィルタ・ユニットが取り外されている間に製造プロセスを実行することができない場合、付加製造装置の休止時間が生じる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、目的は、フィルタ・ユニットの保守が改善された装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1に記載の装置によって本発明で実現される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項に準拠する。
【0007】
本明細書に記載する装置は、エネルギー源、たとえばエネルギービームによって固化することができる粉末状の造形材料(「造形材料」)層を連続して選択的に層ごとに固化することによって3次元の物体、たとえば技術的構成要素、を付加製造する装置である。それぞれの造形材料は、金属、セラミック、又はポリマーの粉末とすることができる。それぞれのエネルギービームは、レーザビーム又は電子ビームとすることができる。それぞれの装置は、たとえば、選択的レーザ焼結装置、選択的レーザ溶融装置、又は選択的電子ビーム溶融装置とすることができる。別法として、造形材料を連続して層ごとに選択的に固化することは、少なくとも1つの結合材料を介して実行することもできる。結合材料は、対応する塗布ユニットによって塗布することができ、たとえば、適したエネルギー源例えばUV光源によって照射することができる。
【0008】
この装置は、その動作中に使用される複数の機能ユニットを備えることができる。例示的な機能ユニットには、プロセスチャンバ、プロセスチャンバ内に配置された造形材料層を少なくとも1つのエネルギービームで選択的に照射するように適合された照射デバイス、及び所与の流動特性、たとえば所与の流動プロファイル、流速などでプロセスチャンバを通って少なくとも部分的に流れるガス状流体流を生成するように適合された上記の流れ生成デバイス、が挙げられる。ガス状流体流は、プロセスチャンバを通って流れる間に、固化されていない粒状の造形材料、特に装置の動作中に生成される煙又は煙残留物を充填することが可能である。ガス状流体流は、典型的には不活性であり、すなわち典型的には不活性ガス、たとえばアルゴン、窒素、二酸化炭素などの流れである。
【0009】
本発明は、フィルタ・ユニット又はフィルタ・ユニットの少なくとも一部がプロセスガス流に連結されていない(プロセスガス流から切断されている)切断状態から、フィルタ・ユニットがプロセスガス流に連結された連結状態へ、またその逆に連結状態から切断状態へ、フィルタ・ユニット又はフィルタ・ユニットの少なくとも一部を少なくとも部分的に自動的に移動させるように適合された少なくとも1つの位置決めデバイスが提供されるという概念に基づいている。したがって、フィルタ・ユニットは、単に手動で付加製造装置に連結される(装置から切断される)のではなく、フィルタ・ユニットの連結状態は、少なくとも1つの位置決めデバイスによって少なくとも部分的に自動的に変化させられる。
【0010】
したがって、フィルタ・ユニットは、少なくとも1つの位置決めデバイスを介して、少なくとも部分的に自動的に、特に完全に自動的に、切断状態と連結状態との間で移動させることができる。切断状態は、フィルタ・ユニットがプロセスガス流に連結されていない、すなわち付加製造装置に連結されていない(装置から切断されている)フィルタ・ユニットの状態を指し、したがって装置内で生成される(且つ/又は装置を通って少なくとも部分的に流れる)プロセスガス流は、フィルタ・ユニットと流体連通していない。フィルタ・ユニットの切断状態は、フィルタ・ユニットを付加製造装置から取り外す(離れる方へ動かす)ことができ、保守することができるフィルタ・ユニットの状態を指し、たとえば、フィルタ・チャンバを空にしたり且つ/又は清浄したりすることができる。連結状態は、フィルタ・ユニットがプロセスガス流に連結されている、すなわちフィルタ・ユニットが付加製造装置に連結されているフィルタ・ユニットの状態を指し、したがって装置内で生成される(且つ/又は装置を通って少なくとも部分的に流れる)プロセスガス流は、フィルタ・ユニットと流体連通している。
【0011】
フィルタ・ユニットを装置に連結するために、少なくとも1つの連結手段、たとえばホース又はパイプが設けられ、プロセスガス流は、連結手段を通って案内される。フィルタ・ユニットのそれぞれの連結手段は、装置の対応する連結手段に取り外し可能に連結することができる。位置決めデバイスは、フィルタ・ユニットの少なくとも部分的に自動化された連結を可能にし、したがって時間を節約することができ、たとえばサービススタッフの作業を容易にすることができる。したがって、装置の休止時間を低減又は回避することができる。
【0012】
さらに、フィルタ・ユニットは、装置に対して完全に連結又は切断される必要はない。また、フィルタ・ユニットの少なくとも一部、たとえばフィルタ・チャンバの連結状態を変化させることも可能である。したがって、フィルタ・ユニットは、装置に恒久的に連結することができ、フィルタ・チャンバは、フィルタ・ユニットの残り部分から取り外し可能とすることができる。話を簡単にするために、本出願全体にわたって「フィルタ・ユニット」という用語を使用するが、「フィルタ・ユニットの少なくとも一部」、特にフィルタ・チャンバもまた、フィルタ・ユニットに関して説明するのと同じやり方で装置に連結(切断)することができることを理解されたい。したがって、フィルタ・ユニットに関して説明するすべての特徴の詳細及び利点は、それぞれのフィルタ・ユニットの少なくとも一部、たとえばフィルタ・チャンバに完全に移行可能である。
【0013】
本発明の第1の実施形態によれば、位置決めデバイスは、フィルタ・ユニットを切断状態から連結状態へ上昇させるように適合され且つフィルタ・ユニットを連結状態から切断状態へ降下させるように適合された上昇ユニットを備える。この実施形態によれば、位置決めデバイスは、付加製造装置に対して事前定義された位置に配置されたフィルタ・ユニットを上昇させるように適合される。切断状態において、事前定義された位置に位置決めされたそれぞれのフィルタ・ユニットは、位置決めデバイスを介して持ち上げることができ、連結状態へ上昇させることができる。したがって、フィルタ・ユニットを上昇させることによって、プロセスガス流へのフィルタ・ユニットの連結を可能にするそれぞれの連結手段を取り付けることができる。
【0014】
したがって、フィルタ・ユニットを連結状態から切断状態へ降下させることによって、連結手段を取り外すことができ、それによってプロセスガス流に対するフィルタ・ユニットの連結を分離することができる。当然ながら、連結状態から切断状態へのフィルタ・ユニットの降下は、フィルタ・ユニットにかかる重力の作用を使用して実行することができる。特に、フィルタ・ユニットの制御された降下を実行することができる。
【0015】
切断状態と連結状態との間でフィルタ・ユニットの移動を実行するために、特にフィルタ・ユニットを切断状態から連結状態へ上昇させ且つフィルタ・ユニットを連結状態から切断状態へ(制御されたやり方で)降下させるために、上昇ユニットは、少なくとも1つの駆動手段を備える。したがって、駆動手段は、駆動運動において、フィルタ・ユニットを連結状態から切断状態へまたその逆に移動させるように制御することができる。
【0016】
駆動手段は、少なくとも1つの油圧及び/若しくは空気圧式の上昇要素、並びに/又は少なくとも1つのスピンドルドライブ及び/若しくは少なくとも1つのチェーンドライブ及び/若しくは少なくとも1つのウォームドライブとして構築することができ、又はこれ(これら)を備えることができる。概して、駆動手段の選択は任意であり、個々のフィルタ・ユニットの特有のパラメータに関して実行することができる。
【0017】
好ましくは、上昇ユニットは、トグルレバー機構を備えることができる。それぞれのトグルレバー機構は、中心旋回点、たとえば旋回継手を介して連結された少なくとも2つのレバーアームを備えることができる。レバーアームはそれぞれ、たとえばレバーアームの領域内において中心旋回点の反対側で別の旋回点に連結される。レバーアームの相対運動を実行することによって、フィルタ・ユニットを切断状態から連結状態へまたその逆に移動させることができる。
【0018】
したがって、フィルタ・ユニットは、切断状態でトグルレバー機構に取り付ける(又はトグルレバー機構から取り外す)ことができ、トグルレバー機構の次の動き(その後の動き)に応じて、連結状態と切断状態との間のフィルタ・ユニットの移動が可能になる。2つのレバーアームは、互いに対して本質的に垂直に配置することができ、それにより、レバーアームの一方は、本質的に他方のレバーアームの頂点上に配置され、中心継手が両レバーアームを連結する。それに対応して動くとき、特にレバーアーム間の角度を増大させることによって、切断状態から連結状態へのフィルタ・ユニットの遷移を実行することができる。したがって、レバーアーム間の角度を減少させることによって、フィルタ・ユニットを連結状態から切断状態へ降下させることができる。
【0019】
さらに、この駆動手段又は別の駆動手段、特にモータ並びに/又は空気圧及び/若しくは油圧ドライブは、トグルレバー機構に連結することができ、駆動手段は、フィルタ・ユニットを連結状態から切断状態へまたその逆に動かすように適合される。したがって、(上述の)駆動手段又は別個の分離駆動手段を、トグルレバー機構に結合することができる。駆動手段は、トグルレバー機構を動かすように適合することができ、それによりトグルレバー機構のレバーアーム間の角度が変化する。フィルタ・ユニットがトグルレバー機構のレバーアームの一方(特に、上部レバーアーム)に取り付けられている状態で、駆動手段によって実現される駆動運動の結果、フィルタ・ユニットが上昇(又は降下)し、したがってそれに対応してフィルタ・ユニットが動く。
【0020】
この装置は、駆動手段をレバーアーム間にある(中心)継手でトグルレバー機構に連結することができるように、さらに改善することができる。したがって、トグルレバー機構の2つのレバーアームを連結する中心旋回継手に駆動手段を連結することによって、駆動手段をトグルレバー機構に連結することができる。したがって、駆動手段は、トグルレバー機構を特に線形に駆動することができ、レバーアームの一方は、旋回継手に対して回転可能な位置に保持することができ、旋回継手は、固定構造に対して連結することができ、たとえば装置又は別の構造に対して固定して連結することができる。この固定された連結とは、旋回点(中心旋回点及び少なくとも1つの他の旋回点)の周りの回転運動はなお可能であるが、レバーアームを横方向に動かすことはできないレバーアームの配置を指す。他方のレバーアームは、フィルタ・ユニットに同様な仕方で直接的又は間接的に連結することができる。
【0021】
この装置の別の実施形態によれば、上昇ユニットは、連結状態から切断状態へまたその逆に移動されている、特に動かされているフィルタ・ユニットを保持するように適合された少なくとも1つの保持要素、特にフォーク要素を備えることができる。位置決めデバイス、特に上昇ユニットは、少なくとも1つの保持要素を使用してフィルタ・ユニットを持ち上げることができる。また、保持ユニットは、搭載位置内でフィルタ・ユニットを取り付ける(取り外す)ためにそれぞれの取り付け手段を備えることができる。したがって、上昇ユニットは、切断状態から連結状態へまたその逆に移動されている間、保持要素に接触している。上昇ユニットの保持要素を介してフィルタ・ユニットに接触することは、位置決めデバイスの上昇ユニットに対するフィルタ・ユニットの取り付けと見なすことができる。フィルタ・ユニットの取り付けは、特にポジティブロッキング連結又は摩擦ロッキング連結とすることができる。
【0022】
保持要素は、たとえばフォークリフトと同様に、フォーク要素として構築することができる。フォーク要素は、フィルタ・ユニットをたとえばフィルタ・ユニットの側面領域内でさらに少なくとも部分的に取り囲むことができ、それによってフィルタ・ユニットの安全な移動及び動きを保証する。フィルタ・ユニットを切断状態から連結状態へ動かすために、フィルタ・ユニットは、上昇ユニットが少なくとも1つの保持要素を介してフィルタ・ユニットを持ち上げることができる規定の搭載位置内に位置決めされる。上昇ユニットによって誘起される保持要素の動きのため、フィルタ・ユニットは、保持要素とともに動かされ、それによって切断状態から連結状態へ又はその逆に移動される。
【0023】
保持要素は、トグルレバー機構のレバーアームの一方、特に上部レバーアームに連結することができる。「上部」という用語は、フィルタ・ユニットの運動方向及び/又は付加製造装置が配置される地面からのレベルに関する。したがって、「上方へ」は、フィルタ・ユニットが切断状態から連結状態へ移動されている間に動かされる方向として定義することができる。同様に、連結状態から切断状態へ降下させられているとき、フィルタ・ユニットは、「下方へ」動かされる。したがって、駆動手段がトグルレバー機構に対応する力を印加することによって、フィルタ・ユニットを動かすことができ、保持要素は、フィルタ・ユニットを保持する。保持要素がレバーアームの一方、特に上部レバーアームに取り付けられているため、保持要素及びフィルタ・ユニットは動かされ、フィルタ・ユニットの連結状態を制御することができる。
【0024】
したがって、駆動手段を介してトグルレバー機構の中心継手に対応する力が印加される結果、レバーアーム間の角度が増大し、上部レバーアームに取り付けられた保持要素が上昇する。中心継手に印加される力を低減させる(又は対応する力を逆方向に印加する)ことによって、レバーアーム間の角度を減少させることができ、上部レバーアームに取り付けられた保持要素が降下する。
【0025】
この装置の別の実施形態によれば、位置決めデバイスは、特に連結状態でフィルタ・ユニットに対して自動ロッキング式である。「自動ロッキング」という用語は、力の加えられていない状態(駆動手段を介して力が印加されていない場合)で、たとえばフィルタ・ユニットを動かす(又はフィルタ・ユニットを定位置で保持する)力を印加する駆動手段の能力が働かない場合に、位置決めデバイスを規定の位置に自動的にロックすることを指す。位置決めデバイスは、力の加えられていない状態で自動ロッキング位置に入ることがさらに可能である。したがって、フィルタ・ユニットが連結状態であるとき、自動ロッキングが保証される。したがって、フィルタ・ユニットは、たとえば重力のために連結状態から切断状態へ移動しない。
【0026】
好ましくは、トグルレバー機構は、位置決めデバイスの自動ロッキング特性を提供するために使用される。トグルレバー機構の死点(両レバーアームが一直線に並ぶ)を通過した後、フィルタ・ユニットの連結状態に到達する。したがって、フィルタ・ユニットを切断し、すなわちフィルタ・ユニットを連結状態から切断状態へ移動させるには、トグルレバー機構の死点をもう一度通過する必要があり、それにはトグルレバー機構に力を印加しなければならないため、位置決めデバイスは、安定した位置に留まる。したがって、力の加えられていない状態で、位置決めデバイスは、死点を通過するのに適した対応する力がトグルレバー機構上に印加されるまで、自動ロッキングしたままとなる。したがって、フィルタ・ユニットとの位置決めデバイスの自動ロッキング位置を連結状態とすることによって、障害が生じた場合、位置決めデバイスの自動ロッキング特性のため、フィルタ・ユニットは連結状態から切断状態へ移動しないで、連結状態に留まることを保証することができる。したがって、装置に対するフィルタ・ユニットの連結が分離された場合、プロセスガス入口(出口)を介して周辺の空気がプロセスガス流に入り込む可能性がある、フィルタ・ユニットの望ましくない切断を防止することができる。
【0027】
さらに、装置をフィルタ・ユニットに連結する少なくとも1つの連結手段の少なくとも1つのバルブ要素を少なくとも部分的に自動化することができ、特に制御ユニットによって能動的に制御することができ、且つ/又は対応する連結手段に接触すると開くように適合することができる。それぞれの連結手段は、たとえば、プロセスガス入口又はプロセスガス出口として特に機能することができるホース又はチューブ又はパイプとすることができる。連結手段は、フィルタ・ユニットをプロセスガス流に連結するために使用される。少なくとも1つの連結手段を少なくとも部分的に自動化することによって、連結手段の開(又は閉)状態を制御することが可能になる。たとえば、連結手段は、開状態と閉状態との間で移動させることができるバルブを備えることができる。したがって、連結手段は、フィルタ・ユニットを装置から分離しなければならない場合に閉じ、フィルタ・ユニットが連結状態にあり、プロセスガス流に連結されるべきである場合に開くことができる。開状態と閉状態との間のバルブの移行は、少なくとも部分的に自動的に実行することができ、特に完全に自動化することができる。
【0028】
したがって、それぞれのバルブは、たとえば制御ユニット、特に装置の制御ユニット又は別個の制御ユニット、たとえばフィルタ・ユニットに割り当てられた制御ユニットを介して、能動的に制御することができる。したがって、フィルタ・ユニットの切断工程において、特定のプロセスパラメータ、特に装置内のプロセスチャンバの不活性化レベルが満たされることを保証するために、それぞれのバルブを閉じることができる。したがって、フィルタ・ユニットを装置に取り付けた後、特にフィルタ・ユニットの連結手段及び装置の連結が確立された後、制御ユニットを介してそれぞれのバルブを開くことができる。
【0029】
また、対応する連結手段に接触したとき、連結手段の少なくとも1つのバルブを開くことも可能である。したがって、2つの対応する連結手段が機械的に接触するときに開(又は閉)状態が制御される。したがって、フィルタ・ユニットが連結状態に移動され、それぞれの連結手段が接触したとき、バルブを自動的に開くことが可能になる。また、フィルタ・ユニットが連結状態から切断状態へ移動され、連結手段の接触又は連結がそれぞれ分離されたとき、バルブを自動的に閉じることが実行可能になる。手動で制御されたり且つ/又は少なくとも部分的に自動化されたりするバルブの任意の組合せが可能であることは自明である。
【0030】
位置決めデバイスは、フィルタ・ユニットが搭載位置にある状態で、装置の少なくとも1つの連結手段、特にチューブ又はバルブをフィルタ・ユニットの方へ又はその逆に動かすようにさらに適合することができる。事前定義された搭載位置は、フィルタ・ユニットが切断状態から連結状態へ移動するように配置される位置として定義される。したがって、フィルタ・ユニットを切断状態から連結状態へ動かすことに対する別法又は追加として、フィルタ・ユニットが搭載位置に留まっている間に、又は対応する連結手段の方へやはり動かされている間に、位置決めデバイスを介して少なくとも1つの連結手段を動かすことができる。したがって、フィルタ・ユニットの動き及び少なくとも1つの連結手段の動きの組合せも可能であり、位置決めデバイスは、装置に対するフィルタ・ユニットの連結を確立するために、連結手段及びフィルタ・ユニットを互いの近づく方へ動かすように適合される。
【0031】
装置のフィルタ・ユニットは、さらに可動とすることができ、特に自動的に可動とすることができる。したがって、フィルタ・ユニットを動かすように適合された少なくとも1つの可動手段を設けることができる。したがって、フィルタ・ユニットは、装置と少なくとも1つのプロセスステーションとの間で自動的に動かすことができ、プロセスステーションでは、フィルタ・ユニットのフィルタ・チャンバを空にしたり、清浄にしたり、又は交換することができる。さらに、複数のフィルタ・ユニットを同じ装置に割り当てる(複数のフィルタ・チャンバを1つのフィルタ・ユニットに割り当てる)ことが可能であり、個々のフィルタ・ユニット(フィルタ・チャンバ)は、自動的に動かすことができる。
【0032】
さらに、本発明は、請求項の1つに記載の装置向けの位置決めデバイスに関するものであり、この位置決めデバイスは、フィルタ・ユニットがプロセスガス流から切断された切断状態と、フィルタ・ユニットがプロセスガス流に連結された連結状態との間で、フィルタ・ユニットを少なくとも部分的に自動的に移動させるように適合されたトグルレバー機構を備える上昇ユニットを備える。
【0033】
加えて、本発明は、エネルギー源によって固化することができる造形材料層を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって3次元の物体を付加製造する装置のフィルタ・ユニットを交換する方法に関するものであり、フィルタ・ユニットは、少なくとも1つのプロセスガス流から残留物を濾過するように適合され、フィルタ・ユニット又はフィルタ・ユニットの少なくとも一部は、フィルタ・ユニット又はフィルタ・ユニットの少なくとも一部がプロセスガス流から切断された切断状態と、フィルタ・ユニットがプロセスガス流に連結された連結状態との間で、少なくとも部分的に自動的に移動される。
【0034】
本発明の装置に関して説明したすべての特徴、詳細、及び利点は、本発明の位置決めデバイス及び付加製造装置のフィルタ・ユニットを交換する本発明の方法に完全に移行可能であることは自明である。
【0035】
本発明の例示的な実施形態について、図を参照して説明する。これらの図は概略図である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の位置決めデバイスを示す図である。
図2】フィルタ・ユニットが切断状態にある、第1の実施形態による本発明の装置 を示す図である。
図3】フィルタ・ユニットが連結状態にある、図2の本発明の装置を示す図である 。
図4】第2の実施形態による本発明の装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、3次元の物体を付加製造する装置17(図2、3)向けの位置決めデバイス1を示し、位置決めデバイス1は、フィルタ・ユニット4がプロセスガス流に連結されていない(プロセスガス流から切断されている)切断状態(図2に示す)と、フィルタ・ユニット4がプロセスガス流に連結された連結状態との間で、フィルタ・ユニット4(図2〜4)を自動的に移動させるように適合されたトグルレバー機構3を有する上昇ユニット2を備える。また、フィルタ・ユニット4のフィルタ・チャンバ(図示せず)を別個に連結/切断することも可能である。
【0038】
位置決めデバイス1は、トグルレバー機構3に連結された駆動手段5を備える。駆動手段5は、たとえば、流体ポート6、7を有する空気圧又は油圧駆動手段として構築される。流体ポート6、7を介して印加される流体の圧力に応じて、駆動要素8を位置決めすることができる。駆動手段5は、中心旋回継手9でトグルレバー機構3に結合される。中心継手9は、トグルレバー機構3の2つのレバーアーム10、11を互いに連結する。レバーアーム11は、継手12を介して装置の構造に連結される。レバーアーム10は、「上部」レバーアーム10と見なしたり又は考えたりすることができ、継手13を介して保持要素14に連結される。保持要素14は、フォーク要素として構築され、保持要素14は、搭載位置15内に配置されたフィルタ・ユニット4を部分的に取り囲むことができる。搭載位置15とは、図2〜4に関して以下で説明するように、保持要素14がフィルタ・ユニット4を持ち上げることができる位置を指す。
【0039】
言い換えれば、ポート6、7を介して印加される流体の圧力に応じて、駆動要素8は、駆動手段5の空気圧シリンダに対して動く。したがって、駆動要素8は、中心継手9を押し、それによってトグルレバー機構3のレバーアーム10、11間の角度16を増大させる。角度16を増大させることによって、したがってレバーアーム10、11又はトグルレバー機構3がまっすぐになる。トグルレバー機構3がまっすぐになると、レバーアーム10及び継手13は、地面に対して持ち上げられる。保持要素14がたとえば継手13を介して上部レバーアーム10に結合されているため、保持要素14も同様に持ち上げられる。
【0040】
ポート7を介して対応する圧力を印加することによって、駆動手段5の駆動要素8を逆方向に動かすことができ、それによって中心継手9を押し、レバーアーム10、11間の角度16を減少させることができる。したがって、対応する動きの結果、保持要素14が降下する。当然ながら、モータ又はスピンドルドライブ若しくはウォームドライブなど、任意の駆動手段5を使用することができる。
【0041】
図2は、3次元の物体を付加製造する装置17を示す。装置17は、製造プロセス中に生成された残留物を少なくとも1つのプロセスガス流18(図3参照)から濾過するように適合されたフィルタ・ユニット4を備える。装置17は、図1に示す位置決めデバイス1を備える。位置決めデバイス1は、フィルタ・ユニット4がプロセスガス流18に連結されていない(プロセスガス流18から切断されている)切断状態(図2に示す)と、フィルタ・ユニット4がプロセスガス流18に連結された連結状態(図3に示す)との間で、フィルタ・ユニット4を自動的に移動させるように適合される。
【0042】
フィルタ・ユニット4は、連結手段19を備え、連結手段19はそれぞれ、バルブ20を備える。装置17のそちら側では、対応する連結手段21が設けられ、連結手段21は、バルブ22を備える。フィルタ・ユニット4をプロセスガス流18に連結するには、連結手段19及び21を互いに連結し、バルブ20、22を開かなければならない。図2、3に示す実施形態によれば、バルブ20、22は、対応する連結手段19、21が接触すると開く。また、バルブ20、22を能動的に制御することも可能であり、対応する信号をバルブ20、22に送ってバルブ20、22を開状態と閉状態との間で移動させる制御ユニット(図示せず)を設けることができる。
【0043】
図2に示すように、フィルタ・ユニット4は、保持要素14がフィルタ・ユニット4を持ち上げることができる搭載位置15内に配置される。駆動手段5のポート6を介して対応する圧力が印加されるため、駆動要素8は圧力駆動される。したがって、継手9に接触する駆動要素8は、トグルレバー機構3を駆動し、それによりレバーアーム10、11間の角度16が増大し、上部レバーアーム10が上昇する。上部レバーアーム10は、継手9が配置された中心区域とは反対側の区域内で、継手13に連結される。
【0044】
保持要素14が継手13を介してレバーアーム10に結合されているため、保持要素14は、駆動手段5の駆動要素8の動きのために上昇する。言い換えれば、駆動手段5は、トグルレバー機構3を駆動して保持要素14の動きを引き起こすように適合される。保持要素14がトグルレバー機構3を介して持ち上げられると、保持要素14は、フィルタ・ユニット4の底面に接触する。したがって、保持要素14は、フィルタ・ユニット4のローラ要素23間を通過することができる歯を備えることができる。
【0045】
保持要素14がさらに持ち上げられると、位置決めデバイス1は、フィルタ・ユニット4を切断状態(図2に示す)から連結状態(図3に示す)へ上昇させる。したがって、フィルタ・ユニット4は上昇し、連結手段19、21は互いに接触する。したがって、連結手段19、21を連結することができる。この実施形態によれば、バルブ20、22は接触すると開き、それにより、接触の際、装置17の連結手段21に対するフィルタ・ユニット4の連結が確立される。したがって、図3に示すように、フィルタ・ユニット4は、プロセスガス流18に連結される。
【0046】
図3からさらに導出することができるように、トグルレバー機構3、したがって位置決めデバイス1は、自動ロッキング(セルフロック)位置内に配置される。フィルタ・ユニット4の連結状態は、トグルレバー機構3が死点をすでに通過した位置にある。したがって、駆動手段5のポート7を介して対応する圧力が印加され、したがって駆動要素8が対応する力をトグルレバー機構3に印加するまで、保持要素14が降下することはなく、連結手段19及び21間の連結が確立されたままであることを保証する。
【0047】
フィルタ・ユニット4を装置17の連結手段21から切断するために、バルブ20、22を閉じることができる(又は連結手段19、21を切断すると閉じる)。したがって、フィルタ・ユニット4は、プロセスガス流18から分離される。次に、ポート7を介して対応する圧力を印加することができ、したがって、駆動要素8は、図3に示す状態から図2に示す状態へ動かされ、それによって対応する力をトグルレバー機構3に印加する。したがって、継手9は、死点を逆方向に通過し、レバーアーム10及び継手13が降下する。保持要素14が継手13(又はレバーアーム10)に連結されているため、保持要素14も同様に降下する。保持要素14がフィルタ・ユニット4を搬送(又は保持)するため、フィルタ・ユニット4のローラ要素23が地面に接触するまで、フィルタ・ユニット4は保持要素14とともに降下する。
【0048】
フィルタ・ユニット4は、自動的にさらに動かすことができ、それにより、たとえばフィルタ・ユニット4のフィルタ・チャンバ(図示せず)が規定の充填レベルに到達した場合、フィルタ・ユニット4は、プロセスステーションへ自動的に動かされ、プロセスステーションにおいて、フィルタ・チャンバを清浄にし、空にし、又は保守することができる。逆に、フィルタ・ユニット4は、搭載位置15へ自動的に動かすことができ、上述したように、位置決めデバイス1は、フィルタ・ユニット4を搭載位置15から連結状態へ移動させることができる。
【0049】
図4は、本発明の第2の実施形態による装置24を示し、同じ部分には同じ参照符号を使用している。装置24は、2つの上昇ユニット26を備える位置決めデバイス25を備える。上昇ユニット26は、たとえば油圧シリンダとして構築された駆動手段を備える。上昇ユニット26は、矢印27によって示すように、フィルタ・ユニット4の切断状態(図4に示す)と連結状態(図示せず)との間でフィルタ・ユニット4を上昇させるように適合される。加えて、装置24は、特に装置24の連結手段21をフィルタ・ユニット4の連結手段19の方へ引っ張るように連結手段21を位置決めするように適合された位置決めデバイス28を備える。したがって、上述したように、連結手段19、21間の連結を確立することができる。
【0050】
当然ながら、図1〜4に示す実施形態は、任意に組み合わせることができる。本発明の方法は、図1〜4に関して説明したように、装置17、24上で実行することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 位置決めデバイス
2 上昇ユニット
3 トグルレバー機構
4 フィルタ・ユニット
5 駆動手段
6 流体ポート
7 流体ポート
8 駆動要素
9 中心(旋回)継手
10 レバーアーム
11 レバーアーム
12 継手
13 継手
14 保持要素(保持ユニット)
15 搭載位置
16 レバーアーム10,11間の角度
17 装置
18 プロセスガス流
19 連結手段
20 バルブ
21 連結手段
22 バルブ
23 ローラ要素
24 装置
25 位置決めデバイス
26 上昇ユニット
28 位置決めデバイス
図1
図2
図3
図4