【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明に係る実施の形態は、複数のエネルギー蓄積要素にエネルギーを供給するため、および、エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーを提供するための装置を提供する。装置は、第1のエネルギー蓄積要素を接続するための第1のエネルギー蓄積端末(ポート)と、第2のエネルギー蓄積要素を接続するための第2のエネルギー蓄積端末と、エネルギーを供給および/または提供するための別の端末と、を備える。さらに、装置は、共有された磁束ガイドを備える。加えて、装置は、第1のエネルギー蓄積端末を共有された磁束ガイド(または、一般的には、共有された磁束)に双方向に結合するように構成される第1のカップリング機構と、第2のエネルギー蓄積端末を共有された磁束ガイド(または、一般的には、共有された磁束)に双方向に結合するように構成される第2のカップリング機構と、別の端末を共有された磁束ガイド(または、一般的には、共有された磁束)に結合するように構成される別のカップリング機構とを備える。装置は、さらに、第1のエネルギー蓄積端末および第2のエネルギー蓄積端末および別の端末のガルバニック分離を備える。このように構成された装置は、エネルギー蓄積要素からの、および、エネルギー蓄積要素へのエネルギーの柔軟な提供および供給を容易にする。
【0021】
本発明に係るこの実施の形態は、好ましくは磁束ガイドの中に形成された、または、磁束ガイドの中に強まった交番磁界によって、電気的エネルギーを双方向に送信し、結合し、効果的に分離することができ(しかしながら、共有された磁束ガイドは必須ではない)、エネルギー蓄積要素を互いに結合するための磁界ベースのカップリング機構の利用は、エネルギー束の方向およびエネルギー束の量を個々に特定する際の大きな自由度を容易にする。加えて、磁界ベースのカップリング機構は、高電圧および/または大電流を避けることができ、エネルギー蓄積システムの信頼性の改善をすることができる。さらに、エネルギー蓄積端末に接続されたエネルギー蓄積要素のガルバニック分離によって、ユーザーにとって危険な電流や電圧の増加を妨げることができるので、このような実装は有利である。さらに、前記ガルバニック分離によって、エネルギー蓄積要素を接続または取り外しすることがより容易になるので、改善されたモジュール性を達成することができる。加えて、例えば、異なる劣化状態を有するエネルギー蓄積要素は、単純化された方法でエネルギー蓄積端末に接続することができる。要約すると、記載された実施の形態は、高い柔軟性を有するエネルギーを供給または提供するための装置を可能にする。
【0022】
かなり一般的には、上述の共有された磁束ガイドも、共有された磁束、または、共有された磁束を得たあらゆる種類の装置(1つまたは3つ)によって再配置することができる。例えば、カップリング機構が結合された磁界(または磁束)が共有されていれば十分である。しかしながら、コイルの鉄心(または、一般的に、磁束ガイド)を別々に形成することができる(そのため、例えば、それぞれのカップリング機構は、それに関係する磁束ガイドの一部を有する。)。
【0023】
本明細書で共有された磁束ガイドの結合について言及する限り、前記結合も共有された磁束または共有された磁界に結合することによって再配置することができる。
【0024】
したがって、本発明の一態様は、複数のエネルギー蓄積要素にエネルギーを供給するため、および、エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーを提供するための装置に関連し、第1のエネルギー蓄積要素を接続するための第1のエネルギー蓄積端末と、第2のエネルギー蓄積要素を接続するための第2のエネルギー蓄積端末と、エネルギーを供給および/または提供するための別の端末と、第1のエネルギー蓄積端末を共有された磁束に双方向に結合するように構成される第1のカップリング機構と、第2のエネルギー蓄積端末を共有された磁束に双方向に結合するように構成される第2のカップリング機構と、別の端末を共有された磁束に結合するように構成される別のカップリング機構とを備え、装置は、第1のエネルギー蓄積端末および第2のエネルギー蓄積端末および別の端末のガルバニック分離を備える。
【0025】
この装置は、最初に記載した装置と同じ考慮事項に基づいており、最初に記載した装置と同じ特徴および機能を追加することができる。
【0026】
さらに好ましい実施の形態では、装置は変圧器を備え、第1のカップリング機構、第2のカップリング機構、および、別のカップリング機構は変圧器の共有された磁束ガイドに配置されたコイルを備える。このような実施の形態では、例えばコイルの巻き数を適切に寸法設定することによって、端末において所望の電圧比を有利に生成することができる。
【0027】
このような好ましい実施の形態では、装置は、別のエネルギー蓄積端末と、別のエネルギー蓄積端末に双方向に結合するための別のカップリング機構とを備える。別のエネルギー蓄積端末は、別のエネルギー蓄積要素に接続するように構成され、変圧器は多相変圧器の形で構成される。例えば、既に存在するまたは生成される三相供給ネットワークへの結合を可能にするために、このような実施の形態は有益である。
【0028】
好ましい実施の形態では、第1のカップリング機構および/または第2のカップリング機構および/または別のカップリング機構および/またはさらに別のカップリング機構は、DC電圧回路/AC電圧回路連結手段を備える。前記DC電圧回路/AC電圧回路連結手段は、共有された磁束ガイドに配置され、交流電圧が誘起された、または動作中に交流電流が流れるそれぞれのコイルに、それぞれのDC電圧エネルギー蓄積要素を結合するように構成される。実施の形態において記載されるような装置の構成は、エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーに基づいて、(例えば、エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーに基づいて、交番磁界への寄与を生じさせることによって)交流電圧を生成し、例えば、DC電圧エネルギー蓄積要素を交番磁界に結合する(例えば、交番磁界によって生成されたAC電圧に基づいて、エネルギー蓄積要素の中に蓄積するための直流を生成することによって)という点で、有利である。
【0029】
好ましい実施の形態において、装置は、DC電圧回路/AC電圧回路連結手段のための制御信号を提供するように構成される制御ユニットを備える。制御ユニットは、制御信号によって、それぞれのエネルギー蓄積要素から磁束ガイドへ、またはその逆方向に、第1のカップリング機構内または第2のカップリング機構内のエネルギーが流れる方向を特定するように構成される。さらに、制御ユニットは、制御信号を磁束ガイド内に生成されたまたは生成される交番磁界の周波数に適応するように構成される。したがって、実装された装置は、例えば、互いに異なる周波数を有するエネルギー蓄積要素と電源および/または消費物を相互に調整するという点で有利である。ここで、例えば、固定動作周波数を有する電源または負荷は、交番磁界の周波数を決定する。例えば、制御ユニットは目的の周波数情報、すなわち、交番磁界の周波数に関する情報を決定し、それをDC電圧回路/AC電圧回路連結手段に転送し得る。得られた目的の周波数情報に従って、双方向のカップリング機構は、例えば、DC電圧回路/AC電圧回路連結手段によって磁束ガイドの交番磁界にDC電圧エネルギー蓄積要素を結合することができる。
【0030】
好ましい実施の形態では、装置は、制御ユニットによってバッテリー管理を実行するように構成される。したがって、実装された装置は、例えば等価平衡度を実行できるという点で有利である。
【0031】
好ましい実施の形態では、装置は、それぞれがカップリング機構の個々の1つを制御する、または、カップリング機構のグループを制御するように構成された、複数の分散制御ユニットを備える。加えて、装置は、分散制御ユニットの機能を調整するように構成される中央制御ユニットを備える。さらに、分散制御ユニットは、中央制御ユニットに無線で結合される。実施の形態に対応する装置は、例えば、エネルギー蓄積要素の簡単な分離を可能にするという点で有利である。さらに、例えば、新しく追加された分散制御ユニットを、ケーブルリンクを介して中央制御ユニットに接続する必要がないので、このような装置は拡張性に関して利点を提供する。
【0032】
好ましい実施の形態では、装置は、共有された磁束ガイドを介した電磁誘導による、制御ユニットの結合を備える。記載された前記結合によって、信号は中央制御ユニットと分散制御ユニットとの間を伝送される。実施の形態による装置は、例えば、追加の伝送経路を確立する必要がないので、エネルギー的に有利な信号送信について有利である。さらに、記載された実施の形態は、例えば、装置のよりコンパクトな設計を可能にする。
【0033】
さらに好ましい実施の形態は、装置は、制御ユニットのエネルギー要求が、磁束ガイドを介して送信された電力によってカバーされるように構成される制御ユニットを備える。装置のこのような実装は、制御ユニットが追加のエネルギー供給を必要としないので、有利である。
【0034】
好ましい実施の形態では、装置は、動作中に、第1のエネルギー蓄積端末、第2のエネルギー蓄積端末、または、別のエネルギー蓄積端末において、エネルギー蓄積要素の結合または取り外しが可能となるように構成される。このような実施の形態は、エネルギー蓄積要素のガルバニック分離によって、すなわち、エネルギー蓄積要素が電気的に直列に接続されないという点でより有利になる。1つ以上のエネルギー蓄積要素と磁束ガイドの中に存在する交番磁界との間でエネルギー交換が行われ続ける間に接続または取り外しができるので、このような装置の実施の形態は、有利になる。
【0035】
好ましい実施の形態では、第1または第2のカップリング機構は、エネルギー蓄積要素の電圧または電流を検出するように構成されるセンサーを備える。このようなセンサーは、例えば、エネルギー蓄積要素に作用する電圧または電流を検知するために有利に用いられる。
【0036】
好ましい実施の形態では、装置は、動作中に、すなわち、エネルギー交換が1つ以上のほかのエネルギー蓄積要素および交番磁界との間で存在し続けている間に、第1のカップリング機構または第2のカップリング機構によって(例えば、エネルギー蓄積端末と磁束ガイド上に配置されたコイルとの間の半導体スイッチを開放することによって)、エネルギー蓄積要素の1つを一時的に切断するように構成され、エネルギー交換が分離されたエネルギー蓄積要素と交番磁界との間で存在しない。加えて、装置は、例えば、第1のエネルギー蓄積要素または第2のエネルギー蓄積要素が分離された状態かつ動作中に、すなわち、1つ以上の他のエネルギー蓄積要素と交番磁界との間にエネルギーの交換が存在し続ける間に、例えば、エネルギー蓄積要素の無負荷電圧または内部抵抗を測定することによって、分離されたエネルギー蓄積要素の充電状態または保存状態および/または劣化状態を決定するように構成され、例えば、エネルギー蓄積要素は装置から取り外される、または、切断する必要もない。
【0037】
好ましい実施の形態では、装置は、エネルギー蓄積要素を特徴づけるために、エネルギー交換が1つ以上のほかのエネルギー蓄積要素および交番磁界を介して行われ続けている間、および、所定の電力が負荷プロファイルにしたがって装置の一部の負荷に出力される間、動作中に、第1のカップリング機構または第2のカップリング機構によってエネルギー蓄積要素の負荷状態を変更するように構成される。
【0038】
(エネルギー蓄積要素の)内部抵抗を決定するために、無負荷電圧を測定すること(エネルギー蓄積要素が分離されているときに測定が通常行われても良い)に加え、バッテリーに(または、一般的に、エネルギー蓄積要素に)短く定義された負荷を供給することが必要かもしれない(しかし、必ずしも必要としない)。
【0039】
一態様によれば、例えば、電圧差(過電圧)が、開回路電圧と負荷状態(定義された電流があるとき)にある電圧との差から計算され、電圧差は、オームの法則に従って、電流とともに内部抵抗になる。
【0040】
本発明(電気的に分離された方法で、共有された磁束および/またはそれぞれのカップリング機構を介する共有された磁束ガイドに結合された個々のエネルギー蓄積要素を有する)による設計が与えられると、(例えば、電気自動車を運転するための)上位の負荷プロファイルを提供しながら個々の要素(例えば、一般的には、エネルギー蓄積要素)に対して様々な負荷(診断プロファイル/測定のような)を再現することが可能である。
【0041】
切断前に流れる電流が分かっている場合は、(例えば、動作中に)(エネルギー蓄積要素の)単純な切断は内部抵抗を測定するために用いることもできる。したがって、これは、負荷がかけられている間の電圧と電流、およびアイドル状態の間の電圧が生じるだろう(そして、例えば、前記量が別の計算に用いられても良い)。
【0042】
しかしながら、前の電流負荷(例えば、前の切断)は定義されていない可能性がある。したがって、例えば、与えられた設計により、残留エネルギーの提供とは無関係で内部抵抗の計算を可能にする分離および/または定義された負荷(電流パルス)が可能であるという点で、装置は任意に補足されてもよい。充電状態に加えて、内部抵抗がバッテリーの劣化や性能に関する結論を示すために用いられうる。
【0043】
一般的に、ここで記載された装置は、内部抵抗を測定するための定義された負荷(例えば、正常動作中の電流パルス)の可能性が提供される(エネルギー蓄積要素の特徴付けを可能にする)ように(任意に)示しうる。
【0044】
好ましい実施の形態では、装置はエネルギー蓄積要素がエネルギー蓄積端末に結合される極性に関係なく、エネルギー蓄積要素の充電またはエネルギー蓄積要素から磁束ガイドを通して磁界へのエネルギーの結合をすることができるように構成される制御ユニットを備える。記載された実施の形態による装置は、例えば、適切に分極されていないエネルギー蓄積要素を接続することによって引き起こされうるユーザーの健康被害を防ぐという点で有利である。
【0045】
好ましい実施の形態では、装置は、第1のエネルギー蓄積端末に接続された第1のエネルギー蓄積要素の充電状態および第2のエネルギー蓄積端末に接続された第2のエネルギー蓄積要素の充電状態を調整するように構成される。したがって、実装された実施の形態は、例えば、異なる電荷量を備えるエネルギー蓄積要素を採用するために有利に用いられうる。
【0046】
好ましい実施の形態では、装置は、前記エネルギー蓄積要素を選択的に充電または放電することによって、第1のエネルギー蓄積端末に接続されたエネルギー蓄積要素または第2のエネルギー蓄積端末に接続されたエネルギー蓄積要素の充電状態を調整するように構成される。選択的な充電または放電は、例えば、エネルギー蓄積要素の中に提供される電荷の効果的な利用を提供するために有利に用いられうる。
【0047】
好ましい実施の形態では、装置は、異なるエネルギー蓄積端末に接続されたエネルギー蓄積要素の放電速度の違いを用いることによって、エネルギー蓄積要素の充電状態を調整するように構成される。例えば、充電状態が調整されるときに、エネルギー蓄積要素の効果的な充電または放電が可能になるので、実施の形態において記載された装置は、例えば、エネルギー蓄積要素の電荷量を効果的に利用するために有利に用いられうる。
【0048】
好ましい実施の形態では、装置は、1つ以上の他のエネルギー蓄積要素を用いることによって最終放電限界まで、例えば、エネルギー蓄積要素の放電後にエネルギーの供給を可能にし続けるように構成される。例えば、別のエネルギーを引き出すことは不利な放電深度を引き起こすかもしれないので、ここでは、別のエネルギーが最終放電限界に到達したエネルギー蓄積要素から引き出されない。言い換えると、エネルギー蓄積要素への不可逆的な損傷は、例えば、さらなる放電を防止することによって防止することができる。ここで有利なことは、他のエネルギー蓄積要素からエネルギーを取り出すことによって継続的な動作を保証することができる。このような動作、例えばエネルギーの提供が、ある期間にわたってより少ない総電力で実行されてもよく、または、すべてのエネルギー蓄積要素が放電のために利用可能な状態と比較してより短い期間にわたって同じ総電力で実行されてもよい。
【0049】
好ましい実施の形態では、第1のカップリング機構および/または第2のカップリング機構は接続されたエネルギー蓄積要素の温度を検知する温度センサーを備える。このような温度検知は、バッテリー管理を実装するために有利に用いられうる。
【0050】
好ましい実施の形態では、装置は、温度センサーによって検知された温度によって、エネルギー蓄積要素の信頼できる動作状態を保証するように構成される。例えば、得られた温度情報は、過熱からエネルギー蓄積要素を保護するために有利に用いられうる。
【0051】
好ましい実施の形態では、装置は、別の電源または消費物に結合するために別の誘電カップリング機構を備える。この方法で実装された装置は、例えば、装置の拡張性を保証する点で有利である。
【0052】
好ましい実施の形態は、エネルギー蓄積システムを説明する。エネルギー蓄積システムは、複数のエネルギー蓄積要素にエネルギーを供給するため、および/または、エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーを提供するための装置であって、上述の実施の形態に記載した装置を含む。加えて、エネルギー蓄積システムは、第1のエネルギー蓄積要素と、第2のエネルギー蓄積要素とを含み、エネルギー蓄積要素は、再充電可能なバッテリーによって実装される。この方法で実装されたエネルギー蓄積要素は、例えば、市販のバッテリーを用いることによって、エネルギー蓄積システムの低コストの実装に有利に適している。加えて、記載されたシステムは、特にエネルギー蓄積要素の一部で、大電流および/または高電圧を避けるために用いられ得る。
【0053】
好ましい実施の形態では、エネルギー蓄積システムは、第1のエネルギー蓄積端末に接続された第1のエネルギー蓄積要素が第2のエネルギー蓄積端末に接続された第2のエネルギー蓄積要素と異なるように構成される。第1および第2のエネルギー蓄積要素は、例えば、それぞれの容量、端子電圧、セルの数、保存状態、および/または、劣化状態、またはバッテリーの技術に関して異なるかもしれない。したがって、構成されたシステムは、例えば、新しい要素を購入する結果として既に存在する異種のエネルギー蓄積要素を用いることによってコスト削減するという点で有利である。加えて、このシステムは、エネルギー蓄積要素に関して採用された柔軟な方法によって構成し得る。すなわち、例えば、所望の電圧は、異なる容量のエネルギー蓄積要素の異なる数によって生成される。従来のシステムでは、たいていの場合、高圧である(例えば、電気自動車について400ボルト)目的の電圧は、直列で低いセル電圧(約4ボルト)を接続することによって、生み出すことができる。しかしながら、結果として、セルの数も定義され、前記セルの数は、並列接続によってのみ乗じることができ、すなわち、2倍、3倍などにすることができる。一方、記載された実施の形態にしたがって、2.5倍にすることも可能である。すなわち、例えば、100この直列と2つの並列のセルの代わりに、10このエネルギー蓄積要素がそれぞれの場合、25この直列セルと共に結合される。それゆえに、1つは異なる数のセルを用いることによって電圧を得ることができ、前記セルも異なる容量を追加的に有し得る。
【0054】
好ましい実施の形態では、システムは、磁束ガイドを介して磁気的に結合されるいくつかの電気的に分離されたエネルギー蓄積要素を備える。この方法で構成されたシステムは、例えば、結果として、ユーザーにとって危険となり得る大きな直流または高い直流電圧の発生を防ぐことができる。
【0055】
本発明による好ましい実施の形態は、複数のエネルギー蓄積要素にエネルギーを供給すること、および/または、エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーを提供する方法を提供する。ここで、第1のエネルギー蓄積要素と第2のエネルギー蓄積要素とは共有された磁束ガイドに結合される。さらに、その方法は、共有された磁束ガイド内に交番磁界を生成するため、もしくは補強または貢献するため、および、磁束ガイドに結合された消費物にエネルギーを提供するために第1のエネルギー蓄積要素のエネルギーを少なくとも一時的に利用することを含む。加えて、その方法は、磁束ガイド内に存在し、磁束ガイドに結合された電源によって生成された交番磁界に基づいて、エネルギーを第1のエネルギー蓄積要素に少なくとも一時的に供給することを含む。さらに、その方法は、共有された磁束ガイド内に交番磁界を生成するため、もしくは補強または貢献するために第2のエネルギー蓄積要素のエネルギーを少なくとも一時的に利用することを含む。また、その方法は、磁束ガイド内に存在する交番磁界に基づいて、エネルギーを第2のエネルギー蓄積要素に少なくとも一時的に供給することを含む。実施の形態に記載された方法は、柔軟な方法でエネルギー蓄積用要素を充電または放電するために有利に用いられ得る。その方法は、本発明に係る装置に関して本明細書に記載された特徴および機能のすべてによって拡張し得る。
【0056】
本発明の実施の形態は、複数のエネルギー蓄積要素にエネルギーを供給するため、および/または、エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーを提供するための装置を提供する。装置は、第1のエネルギー蓄積要素を接続するための第1のエネルギー蓄積端末と、第2のエネルギー蓄積要素を接続するための第2のエネルギー蓄積端末と、エネルギーを供給および/または提供するための別の端末と、共有された磁束ガイドと、第1のエネルギー蓄積端末を共有された磁束ガイドに結合するように構成される第1のカップリング機構と、第2のエネルギー蓄積端末を共有された磁束ガイドに結合するように構成される第2のカップリング機構と、別の端末を共有された磁束ガイドに結合するように構成される別のカップリング機構とを含む。加えて、第1のエネルギー蓄積端末および第2のエネルギー蓄積端末は、第1のエネルギー蓄積要素および第2のエネルギー蓄積要素を、電気的直列接続をするように構成される。さらに、装置は、第1のエネルギー蓄積端末に接続されたエネルギー蓄積要素を選択的に充電または放電することによって、第1および第2のエネルギー蓄積要素の充電状態または第2のエネルギー蓄積端末に接続されたエネルギー蓄積要素の充電状態を平衡に保つように構成される。このような装置は、例えば、電気的直列接続によって、または、共有された磁束ガイドを介した結合によって有利に影響し得るエネルギー蓄積要素に電荷を供給する、または、エネルギー蓄積要素から電荷を引き出すという点で有利である。例えば、エネルギーが磁気的な結合を介してエネルギー蓄積要素に供給される間、直列接続は、電気消費物に電流を供給するのに役立つ。一般的に言えば、直列接続を用いる間、装置は、例えば、第1の機能(例えば、エネルギー蓄積要素の充電またはエネルギーを第1の消費物へ供給すること)を達成し得る。装置の第2の機能(例えば、電荷平衡、第1の機能と異なる電源からの充電、または、第1の機能と異なる消費物にエネルギーを提供すること)は、例えば、磁気的な結合を介して達成し得る。第1および第2の機能は、例えば、相互にまたは同時に使用し得る。加えて、選択的な充電または放電は、例えば、エネルギー蓄積要素内に提供された電荷の効率的な利用が可能になるように有利に用いられ、利用効率の向上は、例えば、エネルギー蓄積要素の充電がバランスをとるために必須ではないという事実に基づく。充電に必要とされる電流は、例えば、その転送、または、引き出し、または再蓄積する間に追加的に損失するという結果を生じる。エネルギー蓄積要素の充電が劣化を早め得るので、既に弱くなったおよび/または劣化が進んだ状態を示すエネルギー蓄積要素の不必要な充電を控えること、および、選択的な放電によって他のエネルギー蓄積要素への充電に適応することができることが利点である。
【0057】
好ましい実施の形態では、装置は、共有された充電電流を用いて、電気的に直列に接続されたエネルギー蓄積要素に充電するように構成され、共有された充電電流は直列接続を通して流れ、直列に接続されたエネルギー蓄積要素は、例えば、1つのエネルギー蓄積要素のようなそれぞれの充電電流の電源から直列に接続されたエネルギー蓄積要素の個々の端子電圧の合計と等しい端子電圧を効率的に実行する。このような装置は、例えば、共有された磁束ガイドを介してエネルギーを負荷に提供するという点で有利であり、例えば、エネルギー蓄積要素に電気的直列接続を介したエネルギーを供給されることが可能である。
【0058】
好ましい実施の形態では、装置は、直列に接続されたエネルギー蓄積要素を介して共有された負荷に接続するように構成され、共有された負荷電流は直列接続を通して流れ、直列に接続されたエネルギー蓄積要素は、例えば、1つのエネルギー蓄積要素として負荷についておよび/または負荷の観点から直列に接続されたエネルギー蓄積要素の個々の端子電圧の合計が等しい端子電圧を効率的に実行する。したがって、実装された装置は、磁束ガイドを介してエネルギー蓄積要素を充電する点で有利である。すなわち、例えば、エネルギー蓄積要素からのエネルギーが同時に直列接続内に位置する負荷を供給するために用いられる。
【0059】
好ましい実施の形態では、装置は、第1のカップリング機構および/または第2のカップリング機構を介して磁束ガイドの交番磁界からエネルギーを個々に引き出すことによって、第1のエネルギー蓄積端末に接続された第1のエネルギー蓄積要素の個々の充電を可能にするように、および/または、第2のエネルギー蓄積端末に接続された第2のエネルギー蓄積要素の個々の充電を可能にするように構成される。したがって、実装された装置は、例えば、エネルギー蓄積要素の異なる充電状態または異なる容量を考慮するという点で有利である。
【0060】
本発明の好ましい実施の形態はエネルギー蓄積システムを記載する。エネルギー蓄積システムは、上記記載した複数のエネルギー蓄積要素にエネルギーを供給するため、および/または、前記エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーを提供するための装置を含む。加えて、システムは、第1のエネルギー蓄積要素および第2のエネルギー蓄積要素を含み、第1のエネルギー蓄積要素および第2のエネルギー蓄積要素が電気的に直接に接続される。エネルギー蓄積システムは、同時にエネルギー蓄積システムのエネルギー蓄積要素(例えば、バッテリー)からエネルギーを提供し、エネルギーをエネルギー蓄積システムのエネルギー蓄積要素へ供給するために有利に用いられる。
【0061】
以下の添付図面を参照して本発明に係る実施の形態をより詳細に説明する。