特許第6871390号(P6871390)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871390
(24)【登録日】2021年4月19日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】複数のエネルギー蓄積要素にエネルギーを供給するため、および/または、エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーを提供するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20210426BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20210426BHJP
   H01M 10/46 20060101ALI20210426BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20210426BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   H02J7/00 302C
   H02J7/02 F
   H01M10/46
   H01M10/48 P
   H01M10/48 301
   H01M10/44 P
【請求項の数】6
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2019-536690(P2019-536690)
(86)(22)【出願日】2017年9月19日
(65)【公表番号】特表2019-530423(P2019-530423A)
(43)【公表日】2019年10月17日
(86)【国際出願番号】EP2017073686
(87)【国際公開番号】WO2018054926
(87)【国際公開日】20180329
【審査請求日】2019年5月20日
(31)【優先権主張番号】102016218160.2
(32)【優先日】2016年9月21日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591037214
【氏名又は名称】フラウンホッファー−ゲゼルシャフト ツァ フェルダールング デァ アンゲヴァンテン フォアシュンク エー.ファオ
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
(74)【代理人】
【識別番号】100167966
【弁理士】
【氏名又は名称】扇谷 一
(72)【発明者】
【氏名】ブルフ マキシミリアン
(72)【発明者】
【氏名】フェッター マティアス
(72)【発明者】
【氏名】アバッシー ナカーシュ
【審査官】 下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−298505(JP,A)
【文献】 特開2008−312395(JP,A)
【文献】 特開2015−223073(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 − 7/12
H02J 7/34 − 7/36
H01M 10/42 − 10/48
H02J 50/00 − 50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のエネルギー蓄積要素にエネルギーを供給するため、および、前記エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーを提供するための装置(100;200;310;400;500;600;600´)であって、
第1のエネルギー蓄積要素を接続するための第1のエネルギー蓄積端末(130a;530a;630a)と、
第2のエネルギー蓄積要素を接続するための第2のエネルギー蓄積端末(130b;530b;630b)と、
エネルギーを供給および/または提供するための別の端末(150;530d−e;650)と、
前記第1のエネルギー蓄積端末を共有された磁束に双方向に結合するように構成される第1のカップリング機構(120a)と、
前記第2のエネルギー蓄積端末を前記共有された磁束に双方向に結合するように構成される第2のカップリング機構(120b)と、
前記別の端末を前記共有された磁束に結合するように構成される別のカップリング機構(140;520d−e)と、
を備え、
前記装置は、前記第1のエネルギー蓄積端末および前記第2のエネルギー蓄積端末および前記別の端末のガルバニック分離を備え、
前記装置は、関連するカップリング機構と共に前記共有された磁束へのエネルギー蓄積要素の結合および取り外しが動作中に可能であるように構成され、
前記結合は、前記第1のカップリング機構に結合された結合インダクタンス(922a)を、前記第1のエネルギー蓄積端末(130a)に接続される前記第1のカップリング機構(120a)および前記第1のエネルギー蓄積要素と共に、前記共有された磁束が存在する領域に機械的に導くことを含み、
前記取り外しは、前記第1のカップリング機構に結合される前記結合インダクタンス(922a)を、前記第1のエネルギー蓄積端末(130a)に接続される前記第1のカップリング機構(120a)および前記第1のエネルギー蓄積要素と共に、前記共有された磁束が存在する領域から離れるように機械的に導くことを含み、
エネルギーの交換が前記共有された磁束を介して1つ以上のエネルギー蓄積要素の間で行われ続けている間に、結合または取り外しが実行しうるように構成される、装置。
【請求項2】
前記装置は、前記共有された磁束が存在していても、前記第1のカップリング機構(120a)と、前記第1のエネルギー蓄積端末(130a)と、前記第1のエネルギー蓄積端末に接続された前記第1のエネルギー蓄積要素と共に、第1の磁束ガイド部の取り外しができるように構成されており、
前記第1の磁束ガイド部は、動作中、いくつかの分離可能な部分を含む共有された磁束ガイドの一部である、請求項1に記載する装置。
【請求項3】
前記結合は、前記第1のカップリング機構に結合されたコイル(922a)を、磁束ガイド部、前記第1のカップリング機構(120a)および前記第1のエネルギー蓄積端末(130a)に接続された前記第1のエネルギー蓄積要素と共に、前記共有された磁束が存在する領域に機械的に導くことを含み、
前記取り外しは、前記第1のカップリング機構に結合されたコイル(922a)を前記第1のカップリング機構(120a)および前記第1のエネルギー蓄積端末(130a)に接続された前記第1のエネルギー蓄積要素と共に、前記共有された磁束が存在する領域から離れるように機械的に導くことを含む、請求項1または請求項2のいずれかに記載する装置。
【請求項4】
複数のエネルギー蓄積要素にエネルギーを供給するため、および、前記エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーを提供するための装置(100;200;310;400;500;600;600´)であって、
第1のエネルギー蓄積要素を接続するための第1のエネルギー蓄積端末(130a;530a;630a)と、
第2のエネルギー蓄積要素を接続するための第2のエネルギー蓄積端末(130b;530b;630b)と、
エネルギーを供給および/または提供するための別の端末(150;530d−e;650)と、
前記第1のエネルギー蓄積端末を共有された磁束に双方向に結合するように構成される第1のカップリング機構(120a)と、
前記第2のエネルギー蓄積端末を前記共有された磁束に双方向に結合するように構成される第2のカップリング機構(120b)と、
前記別の端末を前記共有された磁束に結合するように構成される別のカップリング機構(140;520d−e)と、
を備え、
前記装置は、前記第1のエネルギー蓄積端末および前記第2のエネルギー蓄積端末および前記別の端末のガルバニック分離を備え、
前記第1または第2のカップリング機構はエネルギー蓄積要素の電圧または電流を検出するように構成されるセンサー(228a)を備え、
前記装置は動作中に、前記第1のカップリング機構または前記第2のカップリング機構によって前記エネルギー蓄積要素の1つを一時的に分離し、
前記第1のエネルギー蓄積要素または前記第2のエネルギー蓄積要素が分離された状態の間かつ動作中に、1つ以上の他のエネルギー蓄積要素と交番磁界との間にエネルギーの交換が存在し続ける間に、前記エネルギー蓄積要素の開路電圧および/または内部抵抗を測定し、前記測定に基づいて、前記分離されたエネルギー蓄積要素の充電状態または保存状態を決定するように構成される、または、
前記第1のエネルギー蓄積要素または前記第2のエネルギー蓄積要素の分離の間かつ動作中に、1つ以上の他のエネルギー蓄積要素と交番磁界との間にエネルギーの交換が存在し続ける間に、前記エネルギー蓄積要素の開路電圧および/または内部抵抗を測定し、前記測定に基づいて、前記分離されたエネルギー蓄積要素の充電状態または保存状態を決定するように構成される、装置。
【請求項5】
前記装置は、前記第1のエネルギー蓄積要素または前記第2のエネルギー蓄積要素が分離された状態の間かつ動作中に、1つ以上の他のエネルギー蓄積要素と前記交番磁界との間にエネルギーの交換が存在し続ける間に、前記エネルギー蓄積要素の前記内部抵抗を測定し、前記測定に基づいて、前記分離されたエネルギー蓄積要素の充電状態または保存状態を決定する、または、
前記第1のエネルギー蓄積要素または前記第2のエネルギー蓄積要素の分離の間かつ動作中に、1以上の他のエネルギー蓄積要素と前記交番磁界との間にエネルギーの交換が存在し続ける間に、前記エネルギー蓄積要素の前記内部抵抗を測定し、前記測定に基づいて、前記分離されたエネルギー蓄積要素の充電状態または保存状態を決定するように構成される、請求項4に記載する装置。
【請求項6】
複数のエネルギー蓄積要素にエネルギーを供給するため、および、前記エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーを提供するための装置(100;200;310;400;500;600;600´)であって、
第1のエネルギー蓄積要素を接続するための第1のエネルギー蓄積端末(130a;530a;630a)と、
第2のエネルギー蓄積要素を接続するための第2のエネルギー蓄積端末(130b;530b;630b)と、
エネルギーを供給および/または提供するための別の端末(150;530d−e;650)と、
共有された磁束ガイド(110)と、
前記第1のエネルギー蓄積端末を前記共有された磁束ガイドに双方向に結合するように構成される第1のカップリング機構(120a)と、
前記第2のエネルギー蓄積端末を前記共有された磁束ガイドに双方向に結合するように構成される第2のカップリング機構(120b)と、
前記別の端末を前記共有された磁束ガイドに結合するように構成される別のカップリング機構(140;520d−e)と、
を備え、
前記装置は、前記第1のエネルギー蓄積端末および前記第2のエネルギー蓄積端末および前記別の端末のガルバニック分離を備え、
前記第1のカップリング機構および/または前記第2のカップリング機構および/または前記別のカップリング機構は、前記共有された磁束ガイドに配置され、交流電圧が誘起された、または動作中に交流電流が流れるそれぞれのコイルに、それぞれのDC電圧エネルギー蓄積要素を結合するように構成されるDC電圧回路/AC電圧回路連結手段(224a−c;624a−c)を備え、
前記装置は前記DC電圧回路/AC電圧回路連結手段のための制御信号を提供するように構成される制御ユニットを備え、
前記制御ユニットは、前記制御信号によって、それぞれのエネルギー蓄積要素から前記磁束ガイドへ、またはその逆方向に、前記第1のカップリング機構内または前記第2のカップリング機構内のエネルギーが流れる方向を特定し、
前記制御信号を前記磁束ガイドの内に生成されたまたは生成される交番磁界の周波数に適応させるように構成され、
前記装置は、それぞれが前記カップリング機構の個々の1つを制御する、または、カップリング機構のグループを制御するように構成され複数の分散制御ユニット(226a−c)を備え、
前記装置は、前記分散制御ユニットの機能を調整するように構成される中央制御ユニットを備え、
前記装置は、前記中央制御ユニットと前記分散制御ユニットの間で制御信号を送信するための、前記共有された磁束ガイドを介した電磁誘導による前記制御ユニットの結合を備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る実施の形態は、複数のエネルギー蓄積要素にエネルギーを供給するため、および、エネルギー蓄積要素に蓄積されたエネルギーを提供するための装置に関する。本発明の1つの実施の形態は、複数のエネルギー蓄積要素にエネルギーを供給するため、および/または、エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーを提供するための装置を備えるエネルギー蓄積システムと、第1のエネルギー蓄積要素と、第2のエネルギー蓄積要素とに関する。本発明の1つの実施の形態は、複数のエネルギー蓄積要素にエネルギーを供給するため、および/または、エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーを提供するための方法に関する。本発明の1つの実施の形態は、複数のエネルギー蓄積要素にエネルギーを供給するため、および/または、エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーを提供するための装置に関する。本発明の1つの実施の形態は、複数のエネルギー蓄積要素にエネルギーを供給するため、および/または、エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーを提供するための装置を備えるエネルギー蓄積システムと、第1のエネルギー蓄積要素と、第2のエネルギー蓄積要素とに関し、第1および第2のエネルギー蓄積要素は、直列に電気的に接続される。
【0002】
本発明に係る別の実施の形態は、固定エネルギー蓄積要素(例えば、予備バッテリー電源)および電気自動車のバッテリーシステムを含む。加えて、本発明の別の実施の形態は、分離されたバッテリーセル電圧を備える双方向の蓄積システムを提供する。さらに、本発明に係る実施の形態は、蓄積システムと蓄積電子機器を含む。
【背景技術】
【0003】
今のところ、電気エネルギーを蓄積および提供するための様々な概念がある。例えば、再充電可能なバッテリーセルはこの目的のための使用しうる。しかしながら、例えば、消費物のための十分な電流または十分な電圧を生成するために、お互いにいくつかのバッテリーセルと適切に接続しあうことが場合によっては必要である。
【0004】
国際公開第2015071045号は、搭載電力制御回路を記載している。
【0005】
米国特許第6,172,505号は、ストレージバッテリーの状態を電気的に試験または監視するための装置を記載している。
【0006】
米国公開特許第2005007797号は、バッテリーのための静止インバーターを記載している。
【0007】
米国特許第5,994,793号は、常時電力システムを記載している。
【0008】
米国公開特許第2010283433号は、バッテリーのための負荷補償装置に一般的に関する発明を記載している。
【0009】
オーストリア特許第514385号は、スクエアバックコンバーターを記載している。
【0010】
米国特許第6100663号は、バッテリーを誘導的に充電するための充電器を記載している。
【0011】
米国公開特許第2007029965号は、バッテリー充電回路、および、平面誘導充電プラットフォームとの互換性のための構造を記載している。
【0012】
国際公開第11144509号は、回路の費用を削減した誘導バッテリー平衡(=バッテリーの充電均等化)を記載している。
【0013】
米国公開特許第2005040711号は、マルチポートパワーコンバーターを記載しており、すべてのポートは高周波変圧器の異なる巻線によって結合されている。
【0014】
米国特許第4742441号は、高周波スイッチングパワーコンバーターを記載している。
【0015】
米国特許第3517300号は、周波数リンクを備えるパワーコンバーター回路を記載している。
【0016】
米国公開特許第20030141843号は、バッテリー駆動装置のための電圧平衡装置を記載している。
【0017】
米国公開特許第20050077879号は、直列に接続されたエネルギー源および蓄積手段のためのエネルギー送信装置を記載している。
【0018】
米国公開特許第20050140335号は、直列接続されたバッテリーパックのための平衡装置を記載している。
【0019】
したがって、複数のエネルギー蓄積要素にエネルギーを供給すること、および、エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーの提供を容易にする柔軟な概念が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明に係る実施の形態は、複数のエネルギー蓄積要素にエネルギーを供給するため、および、エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーを提供するための装置を提供する。装置は、第1のエネルギー蓄積要素を接続するための第1のエネルギー蓄積端末(ポート)と、第2のエネルギー蓄積要素を接続するための第2のエネルギー蓄積端末と、エネルギーを供給および/または提供するための別の端末と、を備える。さらに、装置は、共有された磁束ガイドを備える。加えて、装置は、第1のエネルギー蓄積端末を共有された磁束ガイド(または、一般的には、共有された磁束)に双方向に結合するように構成される第1のカップリング機構と、第2のエネルギー蓄積端末を共有された磁束ガイド(または、一般的には、共有された磁束)に双方向に結合するように構成される第2のカップリング機構と、別の端末を共有された磁束ガイド(または、一般的には、共有された磁束)に結合するように構成される別のカップリング機構とを備える。装置は、さらに、第1のエネルギー蓄積端末および第2のエネルギー蓄積端末および別の端末のガルバニック分離を備える。このように構成された装置は、エネルギー蓄積要素からの、および、エネルギー蓄積要素へのエネルギーの柔軟な提供および供給を容易にする。
【0021】
本発明に係るこの実施の形態は、好ましくは磁束ガイドの中に形成された、または、磁束ガイドの中に強まった交番磁界によって、電気的エネルギーを双方向に送信し、結合し、効果的に分離することができ(しかしながら、共有された磁束ガイドは必須ではない)、エネルギー蓄積要素を互いに結合するための磁界ベースのカップリング機構の利用は、エネルギー束の方向およびエネルギー束の量を個々に特定する際の大きな自由度を容易にする。加えて、磁界ベースのカップリング機構は、高電圧および/または大電流を避けることができ、エネルギー蓄積システムの信頼性の改善をすることができる。さらに、エネルギー蓄積端末に接続されたエネルギー蓄積要素のガルバニック分離によって、ユーザーにとって危険な電流や電圧の増加を妨げることができるので、このような実装は有利である。さらに、前記ガルバニック分離によって、エネルギー蓄積要素を接続または取り外しすることがより容易になるので、改善されたモジュール性を達成することができる。加えて、例えば、異なる劣化状態を有するエネルギー蓄積要素は、単純化された方法でエネルギー蓄積端末に接続することができる。要約すると、記載された実施の形態は、高い柔軟性を有するエネルギーを供給または提供するための装置を可能にする。
【0022】
かなり一般的には、上述の共有された磁束ガイドも、共有された磁束、または、共有された磁束を得たあらゆる種類の装置(1つまたは3つ)によって再配置することができる。例えば、カップリング機構が結合された磁界(または磁束)が共有されていれば十分である。しかしながら、コイルの鉄心(または、一般的に、磁束ガイド)を別々に形成することができる(そのため、例えば、それぞれのカップリング機構は、それに関係する磁束ガイドの一部を有する。)。
【0023】
本明細書で共有された磁束ガイドの結合について言及する限り、前記結合も共有された磁束または共有された磁界に結合することによって再配置することができる。
【0024】
したがって、本発明の一態様は、複数のエネルギー蓄積要素にエネルギーを供給するため、および、エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーを提供するための装置に関連し、第1のエネルギー蓄積要素を接続するための第1のエネルギー蓄積端末と、第2のエネルギー蓄積要素を接続するための第2のエネルギー蓄積端末と、エネルギーを供給および/または提供するための別の端末と、第1のエネルギー蓄積端末を共有された磁束に双方向に結合するように構成される第1のカップリング機構と、第2のエネルギー蓄積端末を共有された磁束に双方向に結合するように構成される第2のカップリング機構と、別の端末を共有された磁束に結合するように構成される別のカップリング機構とを備え、装置は、第1のエネルギー蓄積端末および第2のエネルギー蓄積端末および別の端末のガルバニック分離を備える。
【0025】
この装置は、最初に記載した装置と同じ考慮事項に基づいており、最初に記載した装置と同じ特徴および機能を追加することができる。
【0026】
さらに好ましい実施の形態では、装置は変圧器を備え、第1のカップリング機構、第2のカップリング機構、および、別のカップリング機構は変圧器の共有された磁束ガイドに配置されたコイルを備える。このような実施の形態では、例えばコイルの巻き数を適切に寸法設定することによって、端末において所望の電圧比を有利に生成することができる。
【0027】
このような好ましい実施の形態では、装置は、別のエネルギー蓄積端末と、別のエネルギー蓄積端末に双方向に結合するための別のカップリング機構とを備える。別のエネルギー蓄積端末は、別のエネルギー蓄積要素に接続するように構成され、変圧器は多相変圧器の形で構成される。例えば、既に存在するまたは生成される三相供給ネットワークへの結合を可能にするために、このような実施の形態は有益である。
【0028】
好ましい実施の形態では、第1のカップリング機構および/または第2のカップリング機構および/または別のカップリング機構および/またはさらに別のカップリング機構は、DC電圧回路/AC電圧回路連結手段を備える。前記DC電圧回路/AC電圧回路連結手段は、共有された磁束ガイドに配置され、交流電圧が誘起された、または動作中に交流電流が流れるそれぞれのコイルに、それぞれのDC電圧エネルギー蓄積要素を結合するように構成される。実施の形態において記載されるような装置の構成は、エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーに基づいて、(例えば、エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーに基づいて、交番磁界への寄与を生じさせることによって)交流電圧を生成し、例えば、DC電圧エネルギー蓄積要素を交番磁界に結合する(例えば、交番磁界によって生成されたAC電圧に基づいて、エネルギー蓄積要素の中に蓄積するための直流を生成することによって)という点で、有利である。
【0029】
好ましい実施の形態において、装置は、DC電圧回路/AC電圧回路連結手段のための制御信号を提供するように構成される制御ユニットを備える。制御ユニットは、制御信号によって、それぞれのエネルギー蓄積要素から磁束ガイドへ、またはその逆方向に、第1のカップリング機構内または第2のカップリング機構内のエネルギーが流れる方向を特定するように構成される。さらに、制御ユニットは、制御信号を磁束ガイド内に生成されたまたは生成される交番磁界の周波数に適応するように構成される。したがって、実装された装置は、例えば、互いに異なる周波数を有するエネルギー蓄積要素と電源および/または消費物を相互に調整するという点で有利である。ここで、例えば、固定動作周波数を有する電源または負荷は、交番磁界の周波数を決定する。例えば、制御ユニットは目的の周波数情報、すなわち、交番磁界の周波数に関する情報を決定し、それをDC電圧回路/AC電圧回路連結手段に転送し得る。得られた目的の周波数情報に従って、双方向のカップリング機構は、例えば、DC電圧回路/AC電圧回路連結手段によって磁束ガイドの交番磁界にDC電圧エネルギー蓄積要素を結合することができる。
【0030】
好ましい実施の形態では、装置は、制御ユニットによってバッテリー管理を実行するように構成される。したがって、実装された装置は、例えば等価平衡度を実行できるという点で有利である。
【0031】
好ましい実施の形態では、装置は、それぞれがカップリング機構の個々の1つを制御する、または、カップリング機構のグループを制御するように構成された、複数の分散制御ユニットを備える。加えて、装置は、分散制御ユニットの機能を調整するように構成される中央制御ユニットを備える。さらに、分散制御ユニットは、中央制御ユニットに無線で結合される。実施の形態に対応する装置は、例えば、エネルギー蓄積要素の簡単な分離を可能にするという点で有利である。さらに、例えば、新しく追加された分散制御ユニットを、ケーブルリンクを介して中央制御ユニットに接続する必要がないので、このような装置は拡張性に関して利点を提供する。
【0032】
好ましい実施の形態では、装置は、共有された磁束ガイドを介した電磁誘導による、制御ユニットの結合を備える。記載された前記結合によって、信号は中央制御ユニットと分散制御ユニットとの間を伝送される。実施の形態による装置は、例えば、追加の伝送経路を確立する必要がないので、エネルギー的に有利な信号送信について有利である。さらに、記載された実施の形態は、例えば、装置のよりコンパクトな設計を可能にする。
【0033】
さらに好ましい実施の形態は、装置は、制御ユニットのエネルギー要求が、磁束ガイドを介して送信された電力によってカバーされるように構成される制御ユニットを備える。装置のこのような実装は、制御ユニットが追加のエネルギー供給を必要としないので、有利である。
【0034】
好ましい実施の形態では、装置は、動作中に、第1のエネルギー蓄積端末、第2のエネルギー蓄積端末、または、別のエネルギー蓄積端末において、エネルギー蓄積要素の結合または取り外しが可能となるように構成される。このような実施の形態は、エネルギー蓄積要素のガルバニック分離によって、すなわち、エネルギー蓄積要素が電気的に直列に接続されないという点でより有利になる。1つ以上のエネルギー蓄積要素と磁束ガイドの中に存在する交番磁界との間でエネルギー交換が行われ続ける間に接続または取り外しができるので、このような装置の実施の形態は、有利になる。
【0035】
好ましい実施の形態では、第1または第2のカップリング機構は、エネルギー蓄積要素の電圧または電流を検出するように構成されるセンサーを備える。このようなセンサーは、例えば、エネルギー蓄積要素に作用する電圧または電流を検知するために有利に用いられる。
【0036】
好ましい実施の形態では、装置は、動作中に、すなわち、エネルギー交換が1つ以上のほかのエネルギー蓄積要素および交番磁界との間で存在し続けている間に、第1のカップリング機構または第2のカップリング機構によって(例えば、エネルギー蓄積端末と磁束ガイド上に配置されたコイルとの間の半導体スイッチを開放することによって)、エネルギー蓄積要素の1つを一時的に切断するように構成され、エネルギー交換が分離されたエネルギー蓄積要素と交番磁界との間で存在しない。加えて、装置は、例えば、第1のエネルギー蓄積要素または第2のエネルギー蓄積要素が分離された状態かつ動作中に、すなわち、1つ以上の他のエネルギー蓄積要素と交番磁界との間にエネルギーの交換が存在し続ける間に、例えば、エネルギー蓄積要素の無負荷電圧または内部抵抗を測定することによって、分離されたエネルギー蓄積要素の充電状態または保存状態および/または劣化状態を決定するように構成され、例えば、エネルギー蓄積要素は装置から取り外される、または、切断する必要もない。
【0037】
好ましい実施の形態では、装置は、エネルギー蓄積要素を特徴づけるために、エネルギー交換が1つ以上のほかのエネルギー蓄積要素および交番磁界を介して行われ続けている間、および、所定の電力が負荷プロファイルにしたがって装置の一部の負荷に出力される間、動作中に、第1のカップリング機構または第2のカップリング機構によってエネルギー蓄積要素の負荷状態を変更するように構成される。
【0038】
(エネルギー蓄積要素の)内部抵抗を決定するために、無負荷電圧を測定すること(エネルギー蓄積要素が分離されているときに測定が通常行われても良い)に加え、バッテリーに(または、一般的に、エネルギー蓄積要素に)短く定義された負荷を供給することが必要かもしれない(しかし、必ずしも必要としない)。
【0039】
一態様によれば、例えば、電圧差(過電圧)が、開回路電圧と負荷状態(定義された電流があるとき)にある電圧との差から計算され、電圧差は、オームの法則に従って、電流とともに内部抵抗になる。
【0040】
本発明(電気的に分離された方法で、共有された磁束および/またはそれぞれのカップリング機構を介する共有された磁束ガイドに結合された個々のエネルギー蓄積要素を有する)による設計が与えられると、(例えば、電気自動車を運転するための)上位の負荷プロファイルを提供しながら個々の要素(例えば、一般的には、エネルギー蓄積要素)に対して様々な負荷(診断プロファイル/測定のような)を再現することが可能である。
【0041】
切断前に流れる電流が分かっている場合は、(例えば、動作中に)(エネルギー蓄積要素の)単純な切断は内部抵抗を測定するために用いることもできる。したがって、これは、負荷がかけられている間の電圧と電流、およびアイドル状態の間の電圧が生じるだろう(そして、例えば、前記量が別の計算に用いられても良い)。
【0042】
しかしながら、前の電流負荷(例えば、前の切断)は定義されていない可能性がある。したがって、例えば、与えられた設計により、残留エネルギーの提供とは無関係で内部抵抗の計算を可能にする分離および/または定義された負荷(電流パルス)が可能であるという点で、装置は任意に補足されてもよい。充電状態に加えて、内部抵抗がバッテリーの劣化や性能に関する結論を示すために用いられうる。
【0043】
一般的に、ここで記載された装置は、内部抵抗を測定するための定義された負荷(例えば、正常動作中の電流パルス)の可能性が提供される(エネルギー蓄積要素の特徴付けを可能にする)ように(任意に)示しうる。
【0044】
好ましい実施の形態では、装置はエネルギー蓄積要素がエネルギー蓄積端末に結合される極性に関係なく、エネルギー蓄積要素の充電またはエネルギー蓄積要素から磁束ガイドを通して磁界へのエネルギーの結合をすることができるように構成される制御ユニットを備える。記載された実施の形態による装置は、例えば、適切に分極されていないエネルギー蓄積要素を接続することによって引き起こされうるユーザーの健康被害を防ぐという点で有利である。
【0045】
好ましい実施の形態では、装置は、第1のエネルギー蓄積端末に接続された第1のエネルギー蓄積要素の充電状態および第2のエネルギー蓄積端末に接続された第2のエネルギー蓄積要素の充電状態を調整するように構成される。したがって、実装された実施の形態は、例えば、異なる電荷量を備えるエネルギー蓄積要素を採用するために有利に用いられうる。
【0046】
好ましい実施の形態では、装置は、前記エネルギー蓄積要素を選択的に充電または放電することによって、第1のエネルギー蓄積端末に接続されたエネルギー蓄積要素または第2のエネルギー蓄積端末に接続されたエネルギー蓄積要素の充電状態を調整するように構成される。選択的な充電または放電は、例えば、エネルギー蓄積要素の中に提供される電荷の効果的な利用を提供するために有利に用いられうる。
【0047】
好ましい実施の形態では、装置は、異なるエネルギー蓄積端末に接続されたエネルギー蓄積要素の放電速度の違いを用いることによって、エネルギー蓄積要素の充電状態を調整するように構成される。例えば、充電状態が調整されるときに、エネルギー蓄積要素の効果的な充電または放電が可能になるので、実施の形態において記載された装置は、例えば、エネルギー蓄積要素の電荷量を効果的に利用するために有利に用いられうる。
【0048】
好ましい実施の形態では、装置は、1つ以上の他のエネルギー蓄積要素を用いることによって最終放電限界まで、例えば、エネルギー蓄積要素の放電後にエネルギーの供給を可能にし続けるように構成される。例えば、別のエネルギーを引き出すことは不利な放電深度を引き起こすかもしれないので、ここでは、別のエネルギーが最終放電限界に到達したエネルギー蓄積要素から引き出されない。言い換えると、エネルギー蓄積要素への不可逆的な損傷は、例えば、さらなる放電を防止することによって防止することができる。ここで有利なことは、他のエネルギー蓄積要素からエネルギーを取り出すことによって継続的な動作を保証することができる。このような動作、例えばエネルギーの提供が、ある期間にわたってより少ない総電力で実行されてもよく、または、すべてのエネルギー蓄積要素が放電のために利用可能な状態と比較してより短い期間にわたって同じ総電力で実行されてもよい。
【0049】
好ましい実施の形態では、第1のカップリング機構および/または第2のカップリング機構は接続されたエネルギー蓄積要素の温度を検知する温度センサーを備える。このような温度検知は、バッテリー管理を実装するために有利に用いられうる。
【0050】
好ましい実施の形態では、装置は、温度センサーによって検知された温度によって、エネルギー蓄積要素の信頼できる動作状態を保証するように構成される。例えば、得られた温度情報は、過熱からエネルギー蓄積要素を保護するために有利に用いられうる。
【0051】
好ましい実施の形態では、装置は、別の電源または消費物に結合するために別の誘電カップリング機構を備える。この方法で実装された装置は、例えば、装置の拡張性を保証する点で有利である。
【0052】
好ましい実施の形態は、エネルギー蓄積システムを説明する。エネルギー蓄積システムは、複数のエネルギー蓄積要素にエネルギーを供給するため、および/または、エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーを提供するための装置であって、上述の実施の形態に記載した装置を含む。加えて、エネルギー蓄積システムは、第1のエネルギー蓄積要素と、第2のエネルギー蓄積要素とを含み、エネルギー蓄積要素は、再充電可能なバッテリーによって実装される。この方法で実装されたエネルギー蓄積要素は、例えば、市販のバッテリーを用いることによって、エネルギー蓄積システムの低コストの実装に有利に適している。加えて、記載されたシステムは、特にエネルギー蓄積要素の一部で、大電流および/または高電圧を避けるために用いられ得る。
【0053】
好ましい実施の形態では、エネルギー蓄積システムは、第1のエネルギー蓄積端末に接続された第1のエネルギー蓄積要素が第2のエネルギー蓄積端末に接続された第2のエネルギー蓄積要素と異なるように構成される。第1および第2のエネルギー蓄積要素は、例えば、それぞれの容量、端子電圧、セルの数、保存状態、および/または、劣化状態、またはバッテリーの技術に関して異なるかもしれない。したがって、構成されたシステムは、例えば、新しい要素を購入する結果として既に存在する異種のエネルギー蓄積要素を用いることによってコスト削減するという点で有利である。加えて、このシステムは、エネルギー蓄積要素に関して採用された柔軟な方法によって構成し得る。すなわち、例えば、所望の電圧は、異なる容量のエネルギー蓄積要素の異なる数によって生成される。従来のシステムでは、たいていの場合、高圧である(例えば、電気自動車について400ボルト)目的の電圧は、直列で低いセル電圧(約4ボルト)を接続することによって、生み出すことができる。しかしながら、結果として、セルの数も定義され、前記セルの数は、並列接続によってのみ乗じることができ、すなわち、2倍、3倍などにすることができる。一方、記載された実施の形態にしたがって、2.5倍にすることも可能である。すなわち、例えば、100この直列と2つの並列のセルの代わりに、10このエネルギー蓄積要素がそれぞれの場合、25この直列セルと共に結合される。それゆえに、1つは異なる数のセルを用いることによって電圧を得ることができ、前記セルも異なる容量を追加的に有し得る。
【0054】
好ましい実施の形態では、システムは、磁束ガイドを介して磁気的に結合されるいくつかの電気的に分離されたエネルギー蓄積要素を備える。この方法で構成されたシステムは、例えば、結果として、ユーザーにとって危険となり得る大きな直流または高い直流電圧の発生を防ぐことができる。
【0055】
本発明による好ましい実施の形態は、複数のエネルギー蓄積要素にエネルギーを供給すること、および/または、エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーを提供する方法を提供する。ここで、第1のエネルギー蓄積要素と第2のエネルギー蓄積要素とは共有された磁束ガイドに結合される。さらに、その方法は、共有された磁束ガイド内に交番磁界を生成するため、もしくは補強または貢献するため、および、磁束ガイドに結合された消費物にエネルギーを提供するために第1のエネルギー蓄積要素のエネルギーを少なくとも一時的に利用することを含む。加えて、その方法は、磁束ガイド内に存在し、磁束ガイドに結合された電源によって生成された交番磁界に基づいて、エネルギーを第1のエネルギー蓄積要素に少なくとも一時的に供給することを含む。さらに、その方法は、共有された磁束ガイド内に交番磁界を生成するため、もしくは補強または貢献するために第2のエネルギー蓄積要素のエネルギーを少なくとも一時的に利用することを含む。また、その方法は、磁束ガイド内に存在する交番磁界に基づいて、エネルギーを第2のエネルギー蓄積要素に少なくとも一時的に供給することを含む。実施の形態に記載された方法は、柔軟な方法でエネルギー蓄積用要素を充電または放電するために有利に用いられ得る。その方法は、本発明に係る装置に関して本明細書に記載された特徴および機能のすべてによって拡張し得る。
【0056】
本発明の実施の形態は、複数のエネルギー蓄積要素にエネルギーを供給するため、および/または、エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーを提供するための装置を提供する。装置は、第1のエネルギー蓄積要素を接続するための第1のエネルギー蓄積端末と、第2のエネルギー蓄積要素を接続するための第2のエネルギー蓄積端末と、エネルギーを供給および/または提供するための別の端末と、共有された磁束ガイドと、第1のエネルギー蓄積端末を共有された磁束ガイドに結合するように構成される第1のカップリング機構と、第2のエネルギー蓄積端末を共有された磁束ガイドに結合するように構成される第2のカップリング機構と、別の端末を共有された磁束ガイドに結合するように構成される別のカップリング機構とを含む。加えて、第1のエネルギー蓄積端末および第2のエネルギー蓄積端末は、第1のエネルギー蓄積要素および第2のエネルギー蓄積要素を、電気的直列接続をするように構成される。さらに、装置は、第1のエネルギー蓄積端末に接続されたエネルギー蓄積要素を選択的に充電または放電することによって、第1および第2のエネルギー蓄積要素の充電状態または第2のエネルギー蓄積端末に接続されたエネルギー蓄積要素の充電状態を平衡に保つように構成される。このような装置は、例えば、電気的直列接続によって、または、共有された磁束ガイドを介した結合によって有利に影響し得るエネルギー蓄積要素に電荷を供給する、または、エネルギー蓄積要素から電荷を引き出すという点で有利である。例えば、エネルギーが磁気的な結合を介してエネルギー蓄積要素に供給される間、直列接続は、電気消費物に電流を供給するのに役立つ。一般的に言えば、直列接続を用いる間、装置は、例えば、第1の機能(例えば、エネルギー蓄積要素の充電またはエネルギーを第1の消費物へ供給すること)を達成し得る。装置の第2の機能(例えば、電荷平衡、第1の機能と異なる電源からの充電、または、第1の機能と異なる消費物にエネルギーを提供すること)は、例えば、磁気的な結合を介して達成し得る。第1および第2の機能は、例えば、相互にまたは同時に使用し得る。加えて、選択的な充電または放電は、例えば、エネルギー蓄積要素内に提供された電荷の効率的な利用が可能になるように有利に用いられ、利用効率の向上は、例えば、エネルギー蓄積要素の充電がバランスをとるために必須ではないという事実に基づく。充電に必要とされる電流は、例えば、その転送、または、引き出し、または再蓄積する間に追加的に損失するという結果を生じる。エネルギー蓄積要素の充電が劣化を早め得るので、既に弱くなったおよび/または劣化が進んだ状態を示すエネルギー蓄積要素の不必要な充電を控えること、および、選択的な放電によって他のエネルギー蓄積要素への充電に適応することができることが利点である。
【0057】
好ましい実施の形態では、装置は、共有された充電電流を用いて、電気的に直列に接続されたエネルギー蓄積要素に充電するように構成され、共有された充電電流は直列接続を通して流れ、直列に接続されたエネルギー蓄積要素は、例えば、1つのエネルギー蓄積要素のようなそれぞれの充電電流の電源から直列に接続されたエネルギー蓄積要素の個々の端子電圧の合計と等しい端子電圧を効率的に実行する。このような装置は、例えば、共有された磁束ガイドを介してエネルギーを負荷に提供するという点で有利であり、例えば、エネルギー蓄積要素に電気的直列接続を介したエネルギーを供給されることが可能である。
【0058】
好ましい実施の形態では、装置は、直列に接続されたエネルギー蓄積要素を介して共有された負荷に接続するように構成され、共有された負荷電流は直列接続を通して流れ、直列に接続されたエネルギー蓄積要素は、例えば、1つのエネルギー蓄積要素として負荷についておよび/または負荷の観点から直列に接続されたエネルギー蓄積要素の個々の端子電圧の合計が等しい端子電圧を効率的に実行する。したがって、実装された装置は、磁束ガイドを介してエネルギー蓄積要素を充電する点で有利である。すなわち、例えば、エネルギー蓄積要素からのエネルギーが同時に直列接続内に位置する負荷を供給するために用いられる。
【0059】
好ましい実施の形態では、装置は、第1のカップリング機構および/または第2のカップリング機構を介して磁束ガイドの交番磁界からエネルギーを個々に引き出すことによって、第1のエネルギー蓄積端末に接続された第1のエネルギー蓄積要素の個々の充電を可能にするように、および/または、第2のエネルギー蓄積端末に接続された第2のエネルギー蓄積要素の個々の充電を可能にするように構成される。したがって、実装された装置は、例えば、エネルギー蓄積要素の異なる充電状態または異なる容量を考慮するという点で有利である。
【0060】
本発明の好ましい実施の形態はエネルギー蓄積システムを記載する。エネルギー蓄積システムは、上記記載した複数のエネルギー蓄積要素にエネルギーを供給するため、および/または、前記エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーを提供するための装置を含む。加えて、システムは、第1のエネルギー蓄積要素および第2のエネルギー蓄積要素を含み、第1のエネルギー蓄積要素および第2のエネルギー蓄積要素が電気的に直接に接続される。エネルギー蓄積システムは、同時にエネルギー蓄積システムのエネルギー蓄積要素(例えば、バッテリー)からエネルギーを提供し、エネルギーをエネルギー蓄積システムのエネルギー蓄積要素へ供給するために有利に用いられる。
【0061】
以下の添付図面を参照して本発明に係る実施の形態をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1図1は本発明の一実施の形態に係る装置の概略図を示す。
図2図2は本発明の一実施の形態に係る装置の概略図を示す。
図3図3は本発明の一実施の形態に係るエネルギー蓄積システムの概略図を示す。
図4図4は本発明の一実施の形態に係る装置の概略図を示す。
図5図5は本発明の一実施の形態に係るエネルギー蓄積システムの概略図を示す。
図6A図6Aは本発明の一実施の形態に係るエネルギー蓄積システムの概略図を示す。
図6B図6Bは本発明の一実施の形態に係るエネルギー蓄積システムの概略図を示す。
図6C図6Cは本発明の一実施の形態に係るエネルギー蓄積システムの概略図を示す。
図7図7は本発明の一実施の形態に係る方法の概略図を示す。
図8図8は本発明の別の実施の形態の概略図を示す。
図9図9は本発明の別の実施の形態の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0063】
1.図1の実施の形態
図1は本発明の一実施の形態に係る装置の概略図を示す。
【0064】
装置100は、磁束ガイド110と、第1の双方向のカップリング機構120aおよび第2の双方向のカップリング機構120bと、第1のエネルギー蓄積端末130aおよび第2のエネルギー蓄積端末130bと、を含む。加えて、装置100は、カップリング機構140と別の端末150とを含む。
【0065】
装置100のエネルギー蓄積端末130a−bは、エネルギー蓄積要素と接続ができるように構成される。第1の双方向のカップリング機構120aと第2の双方向のカップリング機構120bとは、第1のエネルギー蓄積端末130aおよび第2のエネルギー蓄積端末130bに接続された第1のエネルギー蓄積要素または第2のエネルギー蓄積要素をそれぞれ、磁束ガイド110に結合するように構成される。ここで、エネルギーは磁束ガイドに結合され、または、第1の双方向のカップリング機構120aまたは第2の双方向のカップリング機構120bを介して磁束ガイド110から分離しうる。磁束ガイド110から取り出されたエネルギーは、例えばエネルギー蓄積端末130a−bを介して第1または第2のエネルギー蓄積要素を提供しうる。
【0066】
ところで、磁束ガイド110に結合されたエネルギーは、第1のエネルギー蓄積端末130aと第1の双方向のカップリング機構120aとを介して磁束ガイド110に接続される第1のエネルギー蓄積要素から引き出され得る。加えて、例えば、磁束ガイド110に結合された磁力は、第2のエネルギー蓄積端末130bと第2の双方向のカップリング機構120bとを介して磁束ガイド110に接続される第2のエネルギー蓄積要素から引き出され得る。さらに、磁束ガイド110に結合されたエネルギーは、エネルギー蓄積端末、例えば、エネルギー蓄積端末130aおよび130bと、双方向のカップリング機構、例えば、双方向のカップリング機構120aおよび120bとを介して磁束ガイド110に結合される複数のエネルギー蓄積要素から引き出され得る。
【0067】
加えて、別のカップリング機構140は、例えば、端末150にエネルギーを提供するために使用し得る。さらに、別のカップリング機構140は、例えば、端末150を介して磁束ガイドに電源を接続する働きをしており、エネルギーは磁束ガイドに結合され、エネルギーは、例えば、エネルギー蓄積端末130a−bの1つに接続されるエネルギー蓄積要素に提供される。
【0068】
要約すると、その中に形成された交流磁気を有する磁束ガイド110を介したエネルギーの転送によって、端末150で消費物は提供しうることを述べる。この目的を達成するために、交番磁界はエネルギー蓄積端末130a−bと双方向のカップリング機構120a−bを介して磁束ガイド110に接続されたエネルギー蓄積要素から引き出されたエネルギーによって高められ得る。さらに、磁束ガイド110の交番磁界からのエネルギーは第1のエネルギー蓄積端末130aまたは第2のエネルギー蓄積要素130bに接続される第1のエネルギー蓄積要素または第2のエネルギー蓄積要素に提供し得り、例えば、電源は別の端末150で磁束ガイド110内の交番磁界に供給し、すなわち、交番磁界を作るために供給される。加えて、エネルギー蓄積端末130aおよび130bとは、端末に接続されるエネルギー蓄積要素を電気的に分離するように構成される。
【0069】
任意的に、装置100は、以下に記載される構造的特徴および/または機能のうちの1つまたはすべてによって補足し得る。
【0070】
2.図2の第2の実施の形態
図2は本発明の一実施の形態に係る装置の概略図を示す。
【0071】
装置200は、磁束ガイド110と、第1の双方向のカップリング機構120aと、第2の双方向のカップリング機構120bと、別の双方向のカップリング機構120cと、第1のエネルギー蓄積端末130aと、第2のエネルギー蓄積端末130bと、別のエネルギー蓄積端末130cとを含む。加えて、装置200は、別のカップリング機構140と別の端末150とを含む。さらに、装置200は、例えば、無線方式で、または、磁束ガイドを介して、双方向のカップリング機構120a−cに誘導的に結合する中央制御ユニット210を含む。それに加えて、装置200は、別の任意的な誘導カップリング機構220を含む。双方向のカップリング機構120a−cは、それぞれの誘導コイル220a−cを備え、それによって、磁束ガイド110内の交番磁界の結合が可能とされる。さらに、双方向のカップリング機構120a−cはそれぞれDC電圧回路/AC電圧回路連結手段224a−cを備え、それによって、例えば、DC電圧エネルギー蓄積要素が磁束ガイド110内の交番磁界の結合しうる。さらに、双方向のカップリング機構120は分散制御ユニット226a−cをそれぞれ備え、それぞれが中央制御ユニット210に接続される。さらに、双方向のカップリング機構120a−cは温度センサー228a、または、電圧または電流センサー228bを備えていてもよい。加えて、磁束ガイド110を介して誘導結合する場合には、中央制御ユニットはコイル212を備えていてもよい。加えて、別のカップリング機構140はコイル242を備え、それによって、別の端末150が磁束ガイド110に結合されていてもよい。加えて、磁束ガイド110上のコイル222a−c、212、242の配置は変圧器230を形成する。
【0072】
双方向のカップリング機構120a−cは、オーバーヒートした場合に適切な対策、例えばエネルギー蓄積要素のスイッチをオフまたは冷却をするために、エネルギー蓄積端末130a−c、例えば温度センサー228aによって、接続されるエネルギー蓄積要素の信頼できる動作を保証し得る。加えて、双方向のカップリング機構120a−cは、電圧または電流センサー228bによって、例えば、エネルギー蓄積端末130a−cに接続されるそれぞれのエネルギー蓄積要素の充電状態または保存状態を決定し得る。例えば、必要であれば、エネルギー蓄積要素の効率的な動作について適切な対策を講じるためであり、例えば、個々に調整可能なエネルギーの取り出しまたはそれぞれのエネルギー蓄積要素からまたはエネルギー蓄積要素へ供給するエネルギーが実装される。電圧または電流のこのような決定は、充電状態または劣化状態を決定するために、例えば端末150でエネルギーを提供または供給し続ける間、エネルギー蓄積要素を一時的に分離することによって実行し得る。
【0073】
要約すると、装置200が、例えば、エネルギー蓄積端末130a−cに接続し得るエネルギー蓄積要素の柔軟な充放電を可能にすることが述べられている。それらの充電状態によると、エネルギーを個々に引き出し、または、それらに供給しうる。前記エネルギーの個々の引き出しまたは供給は、特に双方向のカップリング機構120a−cによって可能とされる。カップリング機構120a−cは、磁束ガイド110の交番磁界の内または外のエネルギーを個々に結合し得る。例えば、別の双方向のカップリング機構と、エネルギー蓄積端末とを備えることによって、装置200は個々に拡張し得る。さらに、装置200は、例えば別の端末150と別のカップリング機構140とによって、エネルギーを磁束ガイド110の交番磁界に供給し、または、磁束ガイド110内の交番磁界から引き出し得る。例えば、別の端末150は別のカップリング機構140を介して磁束ガイド110内の交番磁界にエネルギーを供給するように接続する電源を有していてもよい。また、別の端末150は、例えば、別のカップリング機構を介して磁束ガイド110の交番磁界から引き出されたエネルギーによって供給するように接続する負荷を有していてもよい。
【0074】
3.図3のエネルギー蓄積システム
図3は本発明の一実施の形態に係るエネルギー蓄積システムの概略図を示す。
【0075】
エネルギー蓄積システム300は、エネルギーを複数のエネルギー蓄積要素に供給するため、および、エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーを提供するための装置310と、第1のエネルギー蓄積要素320aと、第2のエネルギー蓄積要素320bと、別のエネルギー蓄積要素320cと、を備える。エネルギー蓄積要素320a−cは、電気的なエネルギー蓄積装置、例えば、再充電可能なバッテリーや蓄電池を含みうる。加えて、エネルギー蓄積要素320a−cは、お互いと個々に異なる。例えば、第1のエネルギー蓄積要素320aは、第2のエネルギー蓄積要素320bよりも多い個々のセルまたはバッテリー数を含み得る。さらに、個々のエネルギー蓄積要素320a−cは、それぞれ1つのバッテリーから成立し得る。保存状態、劣化状態、または、基礎的技術を、例えば、それぞれの容量によって、それぞれ異なる。さらに、エネルギー蓄積要素320a−cは、例えば、個々のセルまたはバッテリーの直列または並列接続によって、複数のバッテリーを含み得る。
【0076】
要約すると、エネルギー蓄積システム300は、低コストかつ柔軟な方法で既存のエネルギー蓄積要素を利用し得ることが述べられている。例えば、既存のエネルギー蓄積装置が使用することができるので、新しい要素の購入は必要とされていない。
【0077】
4.図4の実施の形態
図4は本発明の一実施の形態に係る装置400の概略図を示す。
【0078】
装置400は、磁束ガイド110と、第1のカップリング機構140aと、第2のカップリング機構140bと、別のカップリング機構140cと、第1のエネルギー蓄積端末130aと、第2のエネルギー蓄積端末130bと、別の端末150とを含む。加えて、装置400は、第1のエネルギー蓄積端末130aおよび第2のエネルギー蓄積端末130bのシリアルリンク410を備える。
【0079】
第1のカップリング機構140aまたは第2のカップリング機構140bまたは別のカップリング機構140cは、エネルギーを磁束ガイド110内に形成し得る交番磁界から引き出すまたは交番磁界に供給するように構成し得る。したがって、エネルギー蓄積端末130aおよび130bに接続されたエネルギー蓄積要素の柔軟な充放電は可能となる。別の端末150は、例えば、磁束ガイド110を介してエネルギー蓄積端末130a−bに接続されるエネルギー蓄積要素へエネルギーを提供するために使用し得る電源に接続する役目をし得る。加えて、負荷も、例えば、別の端末150に接続し得り、負荷は、第1のエネルギー蓄積端末130aまたは第2のエネルギー蓄積端末130bに接続されたエネルギー蓄積要素から磁束ガイド110を介してエネルギーを供給し得る。シリアルリンク410によって、エネルギー端末130aおよび130bに接続されたエネルギー蓄積要素は、直列で使用し得る。例えば、共有された充電電流はエネルギー端末130aおよび130bに接続されたエネルギー蓄積要素に流れ得る。代わりに、共有された負荷電流はエネルギー蓄積端末130aおよび130bに接続されたエネルギー蓄積要素を通して流れ得る。
【0080】
要約すると、ここで説明された装置400は、ここでは、第1のエネルギー蓄積端末130aまたは第2のエネルギー蓄積端末130bに接続されたエネルギー蓄積要素にエネルギー、例えば別の端末150に接続された電源からのエネルギーを、個々に供給することに適していることが述べられている。さらに、別の端末150に接続された負荷は、第1のエネルギー蓄積端末130aまたは第2のエネルギー蓄積端末130bで引き出されたエネルギー蓄積要素からエネルギーを提供し得る。ここで、エネルギー蓄積要素の調整またはつり合わすために、相互の充電は、エネルギー蓄積端末130aおよび130bに接続されたエネルギー蓄積要素を選択的に放電することによって妨げ得る。この方法で、充電過程がエネルギー蓄積要素の劣化および弱めることを引き起こすため、再充電の間に生じる欠損は、例えば、妨げ得り、または弱いエネルギー蓄積要素を広め得る。
【0081】
5.図5の実施の形態
図5は本発明の一実施の形態に係るエネルギー蓄積システム500の概略図を示す。
【0082】
エネルギー蓄積システム500は、磁束ガイド100と、複数のカップリング機構520a−eと、第1のエネルギー蓄積端末530aと、第2のエネルギー蓄積端末530bと、別のエネルギー蓄積端末530cと、2つの別のエネルギー蓄積端末530d、および530とを含む。エネルギー蓄積端末530a−cは、エネルギー蓄積端末530a−cに接続されたエネルギー蓄積要素の直列接続が可能であるように構成される。
【0083】
上述したエネルギー蓄積システム500の要素は、図4に記載する装置400の要素に大部分は対応する。エネルギー蓄積システム500は、さらに、第1のエネルギー蓄積要素540aと、第2のエネルギー蓄積要素540bと、別のエネルギー蓄積要素540cとを含み、エネルギー蓄積端末530a−cに接続され、それによって直列に接続される。直列接続は、例えば、エネルギー蓄積要素へエネルギーを供給するために、エネルギー蓄積要素へ直列に電気的に接続された共有された電源550aの利用が可能となる。加えて、直列接続は共有された負荷電流を有するエネルギー蓄積要素に直列に接続された共有された負荷を供給する役目をし、前記負荷電流はエネルギー蓄積要素からエネルギーを引き出すことによって供給される。電源または負荷550aは電気的なドライブであり、例えば、電気的消費物または発電機の特性が時々現れる。加えて、例えば、別の電源または負荷550bおよび550cは、共有された磁束ガイド110を介して接続し得る。最後に、別の電源、例えば550bおよび550cはエネルギー蓄積要素にエネルギーを供給する役目をし得る。加えて、別の負荷、例えば550bおよび550cは、エネルギー蓄積要素から引き出されたエネルギーを供給し得る。
【0084】
6.図6a−cの実施の形態
図6a−cは、本発明の一実施の形態に係る装置の概略図を示す。
【0085】
装置600は、3つのエネルギー蓄積要素640a−cを備え、1つのバッテリーセルを含むエネルギー蓄積要素640と、並列接続で接続する2つのバッテリーセルを含むエネルギー蓄積要素640bと、直列接続で接続する2つのバッテリーセルを含むエネルギー蓄積要素640cと、を備える。エネルギー蓄積要素640a−cは、エネルギー蓄積端末630a−cを介してそれぞれの双方向のカップリング機構620a−cに接続される。共有された磁束ガイド110を介したコイルによって、双方向のカップリング機構620a−cがエネルギー蓄積要素640a−cをお互いにおよび電源また負荷を接続するために適切な別の端末650にリンクする。双方向のカップリング機構620a−cは、DC電圧回路/AC電圧回路連結手段624a−cをそれぞれ備える。さらに、双方向のカップリング機構620a−cは、分散制御ユニット226a−cをそれぞれ有する。加えて、装置600は別の制御ユニット210を備える。図6は装置600の実施の形態を示し、中央制御ユニット210は分散制御ユニット226a−cと、例えば有線接続で通信しあう。
【0086】
図6bは、対照的に、装置600´の実施の形態を示し、装置600ととてもよく似ており、中央制御ユニット210と分散制御ユニットとの間の通信は、例えば無線を介して実装される。装置600と600´とで対応する特徴は同じ参照番号で示され、ここでは再度説明しない。むしろ、読み手は装置600に与えられた説明を参照されたい。
【0087】
図6cは、本発明の一実施の形態に係る装置600´を示し、エネルギー蓄積要素640aと、関連するエネルギー蓄積端末630aと、対応するカップリング機構620とを追加または取り外しすることができる。これは、分散制御ユニット226a−cを有する中央制御ユニット210の図6bに記載する無線接続によって、可能または容易となる。ここで記載された装置600と600´とは、拡張可能なエネルギー蓄積システムを実装することによって、特に有利である。
【0088】
7.図7の実施の形態
図7は本発明の一実施の形態に係る方法の概略図を示す。図7で示される方法において、エネルギーを供給および使用することの一時的に考えられる原因が示されている。ここで、エネルギーは、共有された磁束ガイド内の交番磁界を生成するために、同時にまたは時間的に連続して第1のエネルギー蓄積要素および第2のエネルギー蓄積要素から引き出され得る。加えて、エネルギーは、共有された磁束ガイド内の交番磁界に基づいて、同時にまたは時間的に連続して第1のエネルギー蓄積要素または第2のエネルギー蓄積要素に供給され得る。上述したステップの順序は、ここで記載された方法と無関係であり、エネルギー蓄積要素へエネルギーを提供することまたはエネルギー蓄積要素からエネルギーを引き出すことに関して、方法は、特に高いレベルの柔軟性を提供する。
【0089】
8.図8の実施の形態
図8は、本発明の別の実施の形態の概略図を示す。
【0090】
図8の装置800は、図1の装置100とわずかに異なる。それゆえに、同一の特徴は、ここでは同一の参照番号によって示される。
【0091】
図1の装置100と本質的な違いは、図8の装置800では共有された磁束ガイドを必要としないという点である。むしろ、エネルギー蓄積端末130a、130bおよび別の端末150に、対応するカップリング機構によって共有された磁束810に結合されることで一般的に十分である。共有された磁束ガイドはこの目的に必須ではない。むしろ、例えば、カップリング機構の一部を形成し得る対応するカップリングコイルは、自由場を介して共有された磁束に結合し得る。
【0092】
代わりに、例えば、様々なエネルギー蓄積端末はそれぞれのカップリング機構を介してそれぞれのフラックス誘導部に接続し得る。この詳細は図9で説明されるだろう。
【0093】
9.図9の実施の形態
図9は本発明の別の実施の形態の概略図を示す。
【0094】
図9の装置900は、図1の装置100とわずかに異なる。それゆえに、同一の特徴は、ここでは同一の参照番号によって示される。
【0095】
図9の装置900において、第1のエネルギー蓄積端末130aは、第1の双方向のカップリング機構120aを介して第1のフラックス誘導部920a(または第1のフラックス誘導部に巻かれた第1のカップリングインダクタンス)に結合される。第2のエネルギー蓄積端末130bは、第2の双方向のカップリング機構120bを介して第2のフラックス誘導部920b(または第2のフラックス誘導部に巻かれた第2のカップリングインダクタンス)に結合される。別のエネルギー蓄積端末150は、別の双方向のカップリング機構140を介して第3のフラックス誘導部920c(または第3のフラックス誘導部に巻かれた第3のカップリングインダクタンス)に結合される。
【0096】
動作状態において、フラックス誘導部920a、920b、920cは共有された磁束ガイドを形成し得る。すなわち、空隙924a、924bがフラックス誘導部の間に存在する可能性がある。しかしながら、“共有された”磁束ガイドはここでは1つの部分で形成されておらず、いくつかの分離可能な部分から成り立っている。
【0097】
例えば、装置900の動作中(すなわち、共有された磁界が存在する間)、関連する第1の双方向のカップリング機構120aと関連する第1のエネルギー蓄積端子130と共に、より好ましくは第1のエネルギー蓄積端末に接続されたエネルギー蓄積装置も共に第1のフラックス誘導部920aを取り外すことを可能にする。この流れの中で、例えば、第1のフラックス誘導部920aと、第1の双方向のカップリング機構120aと、第1のエネルギー蓄積端末130aと、第1のエネルギー蓄積装置(図示せず)とを含む全体のブロックは共有された磁界のみを介して装置900の他のユニットへ結合するので、有線接続を切断する必要がない。最後に、装置900は、上述したブロックが安全性に関連するカバーを取り外すことなしに動作中、取り外されまたは再設置されるように機械的に実装される。したがって、関連するカップリング機構と関連するフラックス誘導部と共にエネルギー蓄積装置を交換することができる。
【0098】
したがって、1つの実施の形態は、複数のエネルギー蓄積要素にエネルギーを供給するため、および、エネルギー蓄積要素の中に蓄積されたエネルギーを提供するための装置900を含み、第1のエネルギー蓄積要素に接続するための第1のエネルギー蓄積端末と、第2のエネルギー蓄積要素に接続するための第2のエネルギー蓄積端末と、エネルギーを供給および/または提供するために別の端末150とを含む。また、装置は、共有された磁界に第1のエネルギー蓄積端末を双方的に結合するように構成される第1のカップリング機構120aと、共有された磁界に第2のエネルギー蓄積端末を双方的に結合するように構成される第2のカップリング機構120bと、共有された磁界に別の端末を結合するように構成される別のカップリング機構140とを含む。装置は、第1のカップリング機構と第2のカップリング機構と別のカップリング機構とのガルバニック分離を備える。関連するカップリング機構と共に共有された磁界へ/からのエネルギー蓄積要素の結合および取り外しが動作中に可能なように構成される。エネルギーの交換が共有された磁界を介して1つ以上のエネルギー蓄積要素の間に存在し続ける間、結合および取り外しが影響し得るように構成される。結合は、例えば、磁束ガイド(例えば、それぞれのカップリング機構とそれぞれのエネルギー蓄積要素と共に機械的に)の対応する部分が共有された磁界が存在する領域から導くように動くという点で達成し得る。取り外しは、例えば、磁束ガイド(例えば、それぞれのカップリング機構とそれぞれのエネルギー蓄積要素と共に機械的に)の対応する部分が共有された磁界が存在する領域から離れるという点で影響し得る。
【0099】
したがって、電気的な接続を切断することなしにメモリモジュール(エネルギー蓄積要素)を取り外すという前記設計が(任意的に)可能である。最後に、コアは共有されたコアに位置するのではなく、残りの構造の磁界(誘電結合)(例えば共有された磁界中)中に位置する。機械的な接続(ケーブルのような)がないので、いつでもシステムから取り外し得る。
【0100】
かなり一般的に、ここで記載される他の実施の形態においても、共有された磁界は上述する共有された磁束ガイドを再配置し得る。例えば、カップリング機構が結合された磁界に共有されることが十分である。しかしながら、コイルの鉄心は別々に実装し得る。
【0101】
それゆえに、ここで記載される実施の形態において、上述の共有された磁束ガイドの代わりに分離した磁心を利用することもできる。したがって、コイルを電気的に切断することを(任意的に)可能となるだけでなく、(例えば、カップリング機構と、可能であれば、磁束ガイドの部分とを有する)モジュールに沿ってコイルを取り外すことができる(すなわち、電気的な接続を中断することなく)。
【0102】
これは、例えば図9に示されており、残りの構造920a、120a、130a、940を有するコイル922aが取り外され/追加される。
【0103】
10.別の側面および結論
以下では、いくつかの考察および結論が本発明に関する概念を開発することを考慮に入れて説明されるだろう。
【0104】
電気エネルギーを蓄積することについて、ガルバニックセル(バッテリーセル)は使用し得る。しかしながら、このようなセルは通常は低電圧を有し、時々低電流も有する。これは、高電圧または大電流を生成するためにいくつかのセルが結合してバッテリーを形成することを意味する。
【0105】
いくつかの方法が個々のバッテリーセルを接続するために要求されている。しかしながら、それらの多くは大量に支出すれば達成することができる。加えて、本発明に係るいくつかの実施の形態とは対照的に、もし1つの直列要素だけが欠損したら、蓄積システムは機能をしなくなる。
【0106】
大電流がもはや単純な切替要素(例えば、MOSFETs(金属−酸化物−半導体 電界効果トランジスタ))で切替えられず、高い電圧を与えられず、十分な絶縁を保証されないにちがいない。これら2つのポイントが電気的要素についての費用を増加し得る。
【0107】
大きい直接的な電流および/または高い直接的な電圧は、安全性の点から重大であると考え得る。一方で、直接的な電流が存在するとき、アークが簡単に引き裂かれないという問題がある。他方で、特定の基準および規則は、特定の境界値の時点で従わなければならない。
【0108】
バッテリーの充電状態が開放回路電圧の量によって決定し得る。もしバッテリーが動作中である場合、すなわち電流が流れている場合、この電圧値は変わるだろう。結果として、バッテリーセルの高価なモデルは充電状況についての情報を得るために開発されるに違いない。
【0109】
電気的直列接続なので、一列のセルは最も乏しいセルの容量に制限される。これは、本発明に係るいくつかの実施の形態とは対照的に、最も乏しいセルが充電できなくなるとすぐにすべてのシステムも電力を出力することができないことを意味する。
【0110】
いくつかの比較例が以下に述べられるだろう。
【0111】
小さなガルバニックセルを強力なバッテリシステムに接続することは、いくつかの比較例において、電気的な導体(銅製のケーブル)による直列、可能であれば並列の電気配線によって影響される。
【0112】
良い接続を達成するために、バッテリーセルは、いくつかの場合、溶接またははんだ付けされる。したがって、再配置は多くの費用を必要とする。いくつかの比較例において、バッテリーはもはや操作できない、もしくは、バッテリーセルまたはバッテリーセグメントが取り外される場合だけで、とても制限された範囲で操作可能であるだろう。
【0113】
いくつかの比較例において、特定の要素は配線のために時々使用され、管理は高い絶縁度を保証する必要がある。安全性は基準が適応される点で具体的に強制される。充電状態は、電流センサーと共に充電状態を認識する能力がある複雑なバッテリーモデルによって決定される。
【0114】
いわゆる等価平衡度によって、最も乏しいセルの電力または容量は残りのバッテリーシステムに関連して補償し得る。しかしながら、従来のバッテリーシステムでは、この平衡度の変形が代わりのものである受動的な平衡度よりも、より高価であり、より時間を消費することが明らかであり、それがほとんど採用されていない理由である。原則として、受動的な平衡度によって、不均衡が動作中に蓄積されることを妨げる。しかしながら、バッテリーシステムの電力は最も乏しいセルの電力に制限されたままである。
【0115】
ここで記載される実施の形態を個々にまたは組み合わせて追加する別の実施の形態または特徴または側面が以下に記載されるだろう。
【0116】
本発明に係る実施の形態は、いくつかのコイルによる磁心上で(または一般的に磁束ガイド上で)磁気的な結合によって電力(例えば、いくつかのエネルギー蓄積要素)の組み合わせを達成する。加えて、本発明に係るいくつかの実施の形態は、変圧器上の特定の端末によってバッテリー電圧レベルの再分割を達成する。さらに、本発明に係る実施の形態は、自動車のアプリケーションで内蔵された供給を制限しない。さらに、本発明に係る実施の形態は、共有された変圧器を備えるシステムを含む。
【0117】
本発明に係るいくつかの実施の形態は、バッテリーの個々のセルの多くを磁気的な結合を介して組み合わせすることを可能にして、大きい直接的な電流または高い直接的な電圧を妨げ得るいくつかの場合またはそれによって、等価または受動的な平衡度を過剰にさせる。
【0118】
加えて、本発明に係るいくつかの実施の形態は、バッテリーを充電および放電するための両方に役立ち、それによって、いくつかの場合において平衡度を過剰にさせる双方向のシステムを提供する。さらに、本発明に係るいくつかの実施の形態はシステムを記載しており、セルは直列で電気的に結合されていない。加えて、本発明に係るいくつかの実施の形態は、バッテリーの再分割の利点を記載する。さらに、本発明に係るいくつかの実施の形態は、磁気的な結合を介してバッテリーの多くのセルを組み合わせるシステムを記載しており、大きい直接的な電流または高い直接的な電圧を避けるいくつかの場合またはそれによって、等価または受動的な平衡度を過剰にさせる。さらに、本発明に係るいくつかの実施の形態は、蓄積装置を提供するシステムを含む。
【0119】
本発明に係るいくつかの実施の形態は、バッテリー蓄積装置を記載しており、セルまたはセルの列が変圧器によって電気的ではなく磁気的に接続されるという点で少なくともいくつかの上述の問題を回避する。個々のバッテリーのエネルギーの磁気的な結合が好ましくは電流が変化することで可能にするので、中央制御ユニットは(例えば、エネルギー蓄積端末と磁束ガイドとの間に)挿入し得る。これは、より多くの費用を必要とするという考えを与え、不利な点の外側を明確にする利点の多くを提供する。
【0120】
いくつかの実施の形態において、個々にまたは組み合わせて実装し得るこれらの利点は、次の通りである。
・個別のバッテリーセルおよび/または一列のセルは動作中でさえ、取り外されまたは再配置され得る。
・異なるバッテリーセルを採用し得る(メーカー、容量、電圧または劣化の度合いなど)。
・それぞれのセルのセグメントの電力は完全に利用される。
・セグメントの短い中断によって、無負荷電圧であり、その結果、充電度を決定し得る。
・システムにおいて、大きい直接電流および/または高い直接電圧を発生させるところはない。
・エネルギー管理への制御ユニットの通信(とてもシンプルに維持される、例えば、目的の電力だけを制御ユニットに送ることができる)が無線通信を介して行われる場合、バッテリーセグメントは磁界(例えば、磁束ガイド)および/または無線接続を介して完全に無線通信方法で(残りの)バッテリーシステムに結合されるだろう。したがって、電気的な接続が切断を達成するために切られる必要はないことが示される。
・制御ユニットは2つの端末(バッテリーと導電性コイル)のそれぞれに電圧センサーを有し得る。加えて、それは、それぞれの極の接続を反転する、または、完全に切断し得る。したがって、制御ユニットおよび/またはバッテリーシステムは、バッテリーの接続上で、極性が認識され、制御がそれに応じて適応されるだろうということを示し得る。したがって、極の混同とバッテリーの誤った接続が問題にならない。したがって、取り付けの間またはバッテリーの再配置の間の高いセキュリティリスクが排除される。
・バッテリーセグメント(または、一般的には、エネルギー蓄積要素)の充電度は制御ユニットによる他のセグメントの充電度(例えば、他のカップリング方法を介して磁束ガイドに結合されるエネルギー蓄積要素の充電度)に積極的に適応し得る。容量の改良された実施に加えて、充電操作の間、放電抵抗を介して受動的な充電平衡度が免除されるので、これは効率によって別の利点を提供する。したがって、エネルギーが放電抵抗によって浪費されず、追加的に浪費された熱がバッテリーシステム内に挿入されない。
・システムは磁心上の別のコイルを介して、または、すぐ近くの磁界(自動車、他の消費物(内臓されたネットワーク、家のDC主電源など)、またはエネルギー源(例えば、太陽光発電システム)の導電的な充電が可能である)を介して容易に補われ得る。
【0121】
周波数(例えば、磁束ガイドの交番磁界の周波数)は可変であるが、目的の値を設定することも可能である。前記目的の値は主な周波数(50Hz)に相当、または、それよりも高くてもよく、挿入された閉回路の制御/配線によって主な周波数を減少してもよい。
【0122】
変圧器は単相の変圧器または三相の変圧器であってもよく、三相の変圧器を使用する場合、個々のバッテリー誘導コイルがいくつかの位置で統合することが可能である。
【0123】
接続されたバッテリーの電圧および導体(例えば、コイル内に誘電された電圧)に加えて、本発明の実施の形態において、制御ユニットも、1つ以上のセンサーを介してバッテリーセルの温度を監視し得り、電力を制限することによって、または、セグメントのスイッチを切ることによって温度に対応する。
【0124】
バッテリー誘導コイルの制御ユニット(例えば、分散制御ユニット)は、本発明の実施の形態において、バッテリー管理タスクを同時に実行してもよい。しかしながら、1つは別々のまたは特定のまたは中央バッテリー管理ユニット(制御ユニット)を採用してもよい。
【0125】
本発明の実施の形態において、制御ユニットはそれらのエネルギー要求が誘導された電力および/またはバッテリーによってカバーされること示し得る。
【0126】
本発明の実施の形態において、電流センサーは必須ではなく、制御ユニットを補い得る。
【0127】
本発明の実施の形態におけるシステムは、並列のバッテリー配置におけるコンデンサを使用することによって、および/または、高い周波数を使用することによって、最適化し得る。
【0128】
本発明の実施の形態において、制御ユニットが位相反応を検知し得り、それらの切替を適応し得ることが、導体電圧を測定することによって可能である。代わりに、切替信号はエネルギー管理によって通信され、電圧を測定するために、および/または位相を測定するためのセンサーを提示し得る。
【0129】
本発明の実施の形態において、ここで示されたバッテリーシステムも、単相の変圧器に加えて、バッテリーセルを備える回路に接続されたいくつかの導体回路を有する複数相の変圧器を備え得る。
【0130】
本発明に係る1つの実施の形態はバッテリー管理システムと制御ユニット(反転された整流)とを組み合わせることによって達成する。
【0131】
本発明に係る実施の形態において、通信は有線接続、例えば、SPI(シリアル−ペリフェラル インタフェース)、CAN(コントローラ エリア ネットワーク、例えば自動車分野で使用される)などを介して、もしくは、WLAN(無線ローカルエリアネットワーク)、ブルートゥース(登録商標)、NFC(近距離無線通信)またはそれらのようなものによって無線の方法で実行し得る。加えて、誘電された電圧自身を介して実行し得る。最後に、中央エネルギー管理システムも特定のコイルを介して磁心に接続し得る。
【0132】
本発明に係る実施の形態において、リチウムイオンバッテリーを加えて、他の蓄積システム(鉛蓄電池、NiMH(ニッケル水素電池)、コンデンサなど)は、含まれ得る。
【0133】
本発明に係る蓄積システムは、個々のコイルが(動作中にも)取り外されまたは追加されてもよいことが示されている。
【0134】
本発明に係る実施の形態は、技術的な特徴として、磁気的な接続と、バッテリー蓄積システムの個々のセグメントのガルバニック分離とを備える。特に、例えば、バッテリーセルは、磁心上に位置されるコイルによって切替および/または制御する方法を介してお互いに接続されており、交番磁界を介して電源/電流のシンクに接続し得る。したがって、例えば、高価ではなく、より信頼でき、より容易に再配置でき、等価平衡されたバッテリーシステムを実装し得る。
【0135】
したがって、本発明に係る実施の形態は、エネルギー蓄積要素の選択的な充電または放電を可能にし、結果として接続されたエネルギー蓄積要素の充電状態を調整し得る。調整(平衡)を達成するために、例えば、エネルギーが1つのエネルギー蓄積要素から他のものへ導かれることを必要としないことが特にここでは利点である。特に、従来の等価平衡度(高い充電状態を有するセルから低い充電状態を有するセルへエネルギーの転送)はこれによって過剰とされる。前の段落で強調されるように、記載されたシステムによって、等価平衡度は選択された充電によって特に実行される。しかしながら、これは、システムを同質にするために、蓄積されたエネルギーが再分配される必要がないという利点を有する。
【0136】
本発明の別の実施の形態において、エネルギー蓄積要素からエネルギーを取り出すときに、装置はエネルギー蓄積要素の劣化状態を考慮することができ、それによって、劣化状態に適応した放電電流がエネルギー蓄積要素から取り出される。例えば、放電電流のより小さい量は劣化の重い信号を有するエネルギー蓄積要素から取り出され得る。加えて、装置は劣化状態に適応するエネルギー蓄積要素の充電を可能にする。例えば、充電電流のより小さい量は、激しい劣化状態を既に表すエネルギー蓄積要素に供給し得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9