(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の前記スナップショットそれぞれは、異なるエリアに関連付けられ、複数の前記機能のうち前記エリアにおいて実行される優先度が高い機能が実行可能な状態で記録され、
前記スナップショット選択部は、前記現在位置情報を含むエリアと関連付けられたスナップショットを選択する、
請求項1に記載の車載器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば車載器のような電子機器は、電子式料金収受システム(ETC:Electronic Toll Collection System(登録商標)、「自動料金収受システム」ともいう)を利用して、有料道路の料金所、駐車場の出入口等に設置された路側通信装置と無線通信を行うことにより、これら施設の利用料金の支払いを自動的に行うことができる。
また、近年では、駐車違反等の違反車両を取り締まる違反取締システムと、車載器との間で無線通信を行うことにより、違反車両の取り締まりに必要な情報を送受信する技術が考えられている。
【0005】
車両のエンジン始動後すぐに電子式料金収受システムの路側通信装置との通信領域を通過する場合、また、エンジン停止中ではあるが違反取締システムからの呼びかけに応答する必要がある場合等、車載器は短時間で起動して各種処理が実行できる状態となることが求められる。
しかしながら、従来のハイバネーション機能を用いて起動した場合、スナップショットイメージのデータサイズが大きいと、メモリにデータを転送する時間が増えるため、起動時間を短縮することが困難な場合がある。この結果、車載器は、利用料金の支払い処理、違反取締システムとの通信処理、運行管理システムへ走行情報を送信する処理等が正常に行えなくなる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用している。
本発明の第1の態様によれば、車載器(10)は、停止を検知した場合に、現在位置情報を取得する位置情報取得部(110)と、取得された前記現在位置情報に基づいて、複数の機能のうち一部の機能が実行可能な状態で記録された複数のスナップショットのうち一つを選択するスナップショット選択部(111)と、選択された前記スナップショットを次回起動時に読み込むスナップショットとして登録する登録部(112)と、を備える。
特定のエリアの近傍で停車していた場合、エンジン始動後すぐに当該特定のエリアを通過する可能性がある。このため、現在位置によっては、車載器は次回起動時に、当該特定のエリアで必要となる機能を有効にするように直ちに起動することが求められる場合がある。このような場合、上述の態様に係る車載器は、複数のスナップショットのうち、一部の機能のみが実行可能な状態で記録された小容量のスナップショットを選択して登録することができる。これにより、車載器は、次回起動時には小容量のスナップショットを読み込むだけで起動できるので、全ての機能を実行可能な状態で起動するよりも起動時間を短縮することができる。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様に係る車載器(10)において、複数の前記スナップショットそれぞれは、異なるエリアに関連付けられ、複数の前記機能のうち前記エリアにおいて実行される優先度が高い機能が実行可能な状態で記録され、前記スナップショット選択部(111)は、前記現在位置情報を含むエリアと関連付けられたスナップショットを選択する。
このようにすることで、車載器は、登録されたスナップショットを読み込むことで、現在位置において実行される優先度が高い必要最低限の機能のみを実行可能な状態で起動することができる。これにより、車載器は、現在位置において実行される優先度が低い機能の実行準備は後回しにできるので、起動時間を更に短縮することができる。
【0008】
本発明の第3の態様によれば、第2の態様に係る車載器(10)において、複数の前記機能のうち前記エリアにおいて実行される可能性が高い機能には、他の機能よりも高い前記優先度が設定される。
このようにすることで、車載器は、現在位置において実行される可能性の高い機能のみを実行可能な状態で起動し、現在位置において実行される可能性が低い機能の実行準備は後回しにできるので、起動時間を更に短縮することができる。
【0009】
本発明の第4の態様によれば、第2又は第3の態様に係る車載器(10)において、複数の前記スナップショットは、それぞれ異なる優先度が予め設定されており、前記スナップショット選択部(111)は、前記現在位置情報が複数のエリアに含まれる場合、前記優先度に基づいてスナップショットを選択する。
このようにすることで、スナップショット選択部は、現在位置情報が複数のエリアに含まれる場合であっても、優先度に応じて適切なスナップショットを選択することができる。これにより、優先度の高い機能の処理が失敗する可能性を低減させることができる。
【0010】
本発明の第5の態様によれば、制御方法は、停止を検知した場合に、現在位置情報を取得する位置情報取得ステップと、取得された前記現在位置情報に基づいて、複数の機能のうち一部の機能が実行可能な状態で記録された複数のスナップショットのうち一つを選択するスナップショット選択ステップと、選択された前記スナップショットを次回起動時に読み込むスナップショットとして登録する登録ステップと、を有する。
【0011】
本発明の第6の態様によれば、プログラムは、車載器のコンピュータを機能させるプログラムであって、前記コンピュータに、停止を検知した場合に、現在位置情報を取得する位置情報取得ステップと、取得された前記現在位置情報に基づいて、複数の機能のうち一部の機能が実行可能な状態で記録された複数のスナップショットのうち一つを選択するスナップショット選択ステップと、選択された前記スナップショットを次回起動時に読み込むスナップショットとして登録する登録ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
上述の車載器、制御方法、及びプログラムによれば、起動時間を短縮することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態に係る車載器について、
図1〜
図7を参照しながら説明する。
【0015】
(車載器の概要)
図1は、本発明の一実施形態に係る車載器の概要を説明するための図である。
図1に示すように、車載器10は、複数の車両A(A1、A2、A3、…)それぞれに搭載される。
本実施形態に係る車載器10は、例えば有料道路等の道路課金エリアの利用料金(通行料金)を支払うための「通行料金支払機能」、駐車場の利用料金(駐車料金)を支払うための「駐車料金支払機能」、違反取締システムに応答するための「取締応答機能」等を有している。
【0016】
車載器10は、「通行料金支払機能」として、道路課金エリアの出入口に設けられた無線通信装置C1と狭域通信(Dedicated ShortRange Communications:DSRC)技術に基づく無線通信を、所定の周波数帯で行うことにより、通行料金の支払いに必要な各種情報(以下、「課金情報」とも称する)の送受信を行う。
課金情報には、例えば、車載器10を特定可能な車載器ID、車載器10が搭載された車両Aの車種区分、通行料金の支払いに用いるICカード(クレジットカード等)のカード番号及び有効期限等の情報が含まれる。
また、通行料金支払機能は、一つ以上のタスクにより構成される。本実施形態における通行料金支払機能は、少なくとも、無線通信装置C1と通信を行う「通行料金用通信タスク」、ICカードの読み書きを行う「カード処理タスク」により構成される。
【0017】
また、車載器10は、「駐車料金支払機能」として、駐車場の出入口に設けられた無線通信装置C2とDSRC技術に基づく無線通信を、所定の周波数帯で行うことにより、駐車料金の支払いに必要な「課金情報」(車載器ID、車種区分、カード番号及び有効期限等)の送受信を行う。課金情報には、通行料金支払機能と同様に、車載器ID、車種区分、カード番号及び有効期限等の情報が含まれる。
また、駐車料金支払機能は、一つ以上のタスクにより構成される。本実施形態における駐車料金支払機能は、少なくとも、無線通信装置C2と通信を行う「駐車料金用通信タスク」、ICカードの読み書きを行う「カード処理タスク」により構成される。
【0018】
更に、車載器10は、「取締応答機能」として、無線通信装置C3とDSRC技術に基づく無線通信を、所定の周波数帯で行うことにより、違反取締システムに対し車両A(及びその車載器10)に関する情報を含む「車両情報」(車載器ID、車種区分等)の送受信を行う。
また、取締応答機能は、一つ以上のタスクにより構成される。本実施形態における取締応答機能は、少なくとも、無線通信装置C3と通信を行う「取締応答用通信タスク」により構成される。
なお、本実施形態では、
図1に示すように、違反取締システムの無線通信装置C3が巡回車両A0に搭載されている態様について説明する。巡回車両A0が車両A2に接近すると、無線通信装置C3は車載器10に対し車両情報の送信を要求する。車載器10は、車両情報の送信要求を受け付けると、「取締応答用通信タスク」により車両A2(及びその車載器10)の車両情報を無線通信装置C3に送信する。
そうすると、巡回車両A0に搭乗する監視員は、無線通信装置C3が受信した車両情報に基づき車両A2の駐車違反等の取り締まりを行う。また、監視員は、車両情報に含まれる車両A2の車種区分と、目視により確認した車両A2の車種区分が異なっている場合、車載器10を不正に載せ替えたと判断して、当該車両A2の不正行為の取り締まりを行う。
【0019】
また、車載器10は、車両Aが路側帯又は駐車場内において停車中、車両Aのエンジン停止に伴い、電源OFFとなっている。このとき、車載器10は、車両Aのエンジン始動、又は、違反取締システムから所定の無線通信技術(例えばBluetooth(登録商標)、光無線通信等)を使用して送信された通信開始要求をトリガとして起動処理を開始する。
なお、車載器10は、電源OFF時は、違反取締システムからの通信開始要求を受信するための無線通信部(不図示)のみはCPU11とは独立して処理開始可能な状態で待機しているものとする。そして、無線通信装置C3は、車載器10が電源OFFとなっている場合を考慮して、車載器10に対し所定の通信技術を使用して通信開始要求を送信する。そうすると、車載器10は、通信開始要求をトリガとして自身の起動処理を行い、「取締応答用通信タスク」が処理開始可能な状態となってからDSRCを用いた無線通信を開始する。
上述のように、車両Aが無線通信装置C1〜C3の何れかの近傍に位置する場合、車載器10は即座に無線通信装置C1〜C3と通信を行う可能性があるので、起動時間を極力短くすることが求められる。このため、本実施形態に係る車載器10は、以下に説明するような高速起動を実現するための機能構成を有している。
【0020】
(車載器の機能構成)
図2は、本発明の一実施形態に係る車載器の機能構成を示す図である。
図2に示すように、車載器10は、CPU11と、主記憶装置12と、補助記憶装置13とを備えている。
【0021】
CPU11は、車載器10の動作全体を司るプロセッサであって、予め補助記憶装置13に記憶された所定のプログラムを主記憶装置12に展開し、当該プログラムに従って動作する。これにより、CPU11は、位置情報取得部110、スナップショット選択部111、登録部112、起動処理部113としての機能を発揮する。
【0022】
位置情報取得部110は、車載器10が停止を検知した場合(車両Aのエンジン停止を検知した場合、又は、車両Aから車載器10へ停止指令が入力された場合)に、測位情報に基づく車両Aの現在位置情報を取得する。
【0023】
スナップショット選択部111は、取得された現在位置情報に基づいて、予め用意された複数のスナップショットのうち一つを選択する。
【0024】
図3は、本発明の一実施形態に係るスナップショットの一例を示す図である。
スナップショットは、車載器10の主記憶装置12をキャプチャしたメモリイメージである。本実施形態に係るスナップショットは、車載器10の必要最低限の機能のみが実行可能となっている状態をパッケージ化したものである。
必要最低限の機能とは、車載器10が有する複数の機能のうち、車両Aの現在位置において実行される優先度が高い機能である。優先度が高い機能とは、車載器10が電源OFF状態であっても優先的に動作しなければならない機能であり、例えば、車載器10の安全を担保するための機能(異常状態を検知する機能等)が含まれる。
また、車載器10が有する複数の機能のうち、車両Aの現在位置において実行される可能性が高い機能には、他の機能よりも高い優先度が設定される。複数の機能それぞれの優先度は車両Aの現在位置に応じて異なるので、様々な優先度パターンに応じた複数のスナップショットが用意される。例えば、本実施形態では、
図3に示すように複数のスナップショット1、2、3…が予め用意されている。
「スナップショット1」は、車載器10において実行される複数の機能(タスク)のうち、「通行料金支払機能」を構成する「通行料金用通信タスク」、「カード処理タスク」のみが実行可能な状態で記録されたメモリイメージである。実行可能な状態とは、各機能に係る設定(無線通信設定等)、データ(通行料金を算出するための料金テーブル等)等が主記憶装置12上に読み込まれており、即座に通行料金の支払いに係る機能を実行できる状態を示す。なお、「通行料金支払機能」以外の機能(タスク)は、設定、データ(駐車料金を算出するための料金テーブル、位置情報取得用の地図データ等)の読み込み等に時間がかかるため、スナップショット1では実行準備が完了していない(未初期化)状態となっている。
「スナップショット2」は、「駐車料金支払機能」を構成する「駐車料金用通信タスク」、「カード処理タスク」のみが実行可能な状態で記録されたメモリイメージである。なお、「駐車料金支払機能」以外の機能(タスク)は実行準備が完了していない状態となっている。
「スナップショット3」は、「取締応答機能」を構成する「取締応答用通信」のみが実行可能な状態で記録されたメモリイメージである。なお、「取締応答機能」以外の機能(タスク)は実行準備が完了していない状態となっている。
また、図示は省略するが、全てのタスクが実行可能な状態で記録された「スナップショット4」が更に用意されていてもよい。また、車載器10が有する機能に応じて、更に他のスナップショットが用意されていてもよい。
なお、上述の各スナップショットには、車載器10の起動シーケンスも含まれており、既に実行準備が完了している機能(タスク)以外については、起動シーケンスに基づき、順次、初期化されて実行可能な状態にされるものとする。
【0025】
図4は、本発明の一実施形態に係るスナップショットテーブルの一例を示す図である。
補助記憶装置13には、
図4に示すスナップショットテーブル130が予め記憶されている。スナップショットテーブル130は、複数のスナップショットそれぞれに、「対象エリア」と、「優先度」とを関連付けて記憶したものである。
「対象エリア」は、車載器10の特定の機能を実行する可能性の高い場所(地点、範囲)を示す情報であり、当該機能の実行準備が完了している状態を示すスナップショットと関連付けられている。例えば、「スナップショット1」には、「通行料金支払機能」を実行する可能性の高い「エリア1(道路課金エリア近傍)」が関連付けられる。「スナップショット2」には、「駐車料金支払機能」を実行する可能性の高い「エリア2(駐車場)」が関連付けられる。「スナップショット3」には、「取締応答機能」を実行する可能性の高い「エリア3(路側帯、駐車禁止エリア)」が関連付けられる。また、「スナップショット4」にはエリア1〜3以外の場所を示す「エリア4(その他)」が関連付けられる。
このように、本実施形態に係るスナップショットは、それぞれのエリアにおいて実行される可能性の高い最小限の機能のみが実行可能な状態で記録されたメモリイメージである。
「優先度」は、車両Aの現在位置が複数の対象エリアに該当する場合、どのスナップショットを優先して選択するかを示す情報である。優先度の数字が小さいほど、優先度が高いことを示す。なお、
図4の優先度は一例であり、様々な要件に応じて優先度を変更してもよい。
【0026】
登録部112は、選択されたスナップショットを次回起動時に読み込むスナップショット(起動用スナップショット131)として登録する。なお、起動用スナップショット131は補助記憶装置13に記憶される。
【0027】
起動処理部113は、車載器10の起動時に、補助記憶装置13から起動用スナップショット131を読み込んで主記憶装置12に展開する。これにより、車載器10は、複数の機能(タスク)のうち、所定の機能のみの実行準備が完了した状態で起動される。
【0028】
主記憶装置12は、例えばRAM(Random Access Memory)であり、CPU11のワークエリアとして使用される揮発性のメモリである。
【0029】
補助記憶装置13は、例えば磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等の不揮発性のメモリ(一時的でない有形の媒体)である。補助記憶装置13には、車載器10のOS(Operation System)、プログラム、各種データ等が記憶される。また、補助記憶装置13には、複数のスナップショットが登録された「スナップショットテーブル130(
図4)」と、次回起動時に読み込む「起動用スナップショット131」とが記憶される。
【0030】
(車載器の処理フロー)
図5は、本発明の一実施形態に係る車載器の電源OFF処理の一例を示すフローチャートである。
以下、
図5を参照して、車載器10の電源OFF処理の一例について説明する。
【0031】
車両Aのエンジン停止を検知した場合、又は、車両Aから車載器10へ停止指令が入力された場合、車載器10は、
図5に示す電源OFF処理を実行する。
当該電源OFF処理において、まず、位置情報取得部110は、車両Aの現在の位置を示す「現在位置情報」を取得する(ステップS10)。
このとき、位置情報取得部110は、GNSS(Global Navigation Satellite System)等の技術を利用して取得した情報(衛星信号等)に基づいて、車両Aの現在位置情報(緯度、経度)を特定して取得する。
【0032】
次に、スナップショット選択部111は、現在位置情報と、主記憶装置12に予め記憶されている地図情報とに基づいて、車両Aが位置するエリア(以下、「現在エリア」とも称する)を特定する。そして、スナップショット選択部111は、スナップショットテーブル130(
図4)を参照して、現在エリアが「エリア1(道路課金エリア近傍)」であるか判断する(ステップS11)。
スナップショット選択部111は、現在エリアが「エリア1」である場合(ステップS11:YES)、「エリア1」に関連付けられた「スナップショット1」を選択する。そうすると、登録部112は、選択された「スナップショット1」を起動用スナップショット131として登録する(ステップS12)。このとき、登録部112は、起動用スナップショット131の記憶領域に「スナップショット1」をコピーした後、ファイル名を起動用スナップショット131として予め定義されたファイル名にリネームする。
登録部112が「スナップショット1」を起動用スナップショット131として登録する処理(コピー及びリネーム)を完了すると、電源OFF処理を終了し、車載器10は電源OFFとなる。
【0033】
また、現在エリアが「エリア1」でない場合(ステップS11:NO)、スナップショット選択部111は、スナップショットテーブル130を参照して、現在エリアが「エリア2(駐車場)」であるか判断する(ステップS13)。
スナップショット選択部111は、現在エリアが「エリア2」である場合(ステップS13:YES)、「エリア2」に関連付けられた「スナップショット2」を選択する。そうすると、登録部112は、選択された「スナップショット2」を起動用スナップショット131として登録する(ステップS14)。
登録部112が「スナップショット2」を起動用スナップショット131として登録する処理(コピー及びリネーム)を完了すると、電源OFF処理を終了し、車載器10は電源OFFとなる。
【0034】
また、現在エリアが「エリア2」でない場合(ステップS13:NO)、スナップショット選択部111は、スナップショットテーブル130を参照して、現在エリアが「エリア3(路側帯、駐車禁止エリア)」であるか判断する(ステップS15)。
スナップショット選択部111は、現在エリアが「エリア3」である場合(ステップS15:YES)、「エリア3」に関連付けられた「スナップショット3」を選択する。そうすると、登録部112は、選択された「スナップショット3」を起動用スナップショット131として登録する(ステップS16)。
登録部112が「スナップショット3」を起動用スナップショット131として登録する処理(コピー及びリネーム)を完了すると、電源OFF処理を終了し、車載器10は電源OFFとなる。
【0035】
また、現在エリアがエリア1〜エリア3の何れでもない場合(ステップS15:NO)、スナップショット選択部111は、その他のエリアを示す「エリア4」に関連付けられた「スナップショット4」を選択する。そうすると、登録部112は、選択された「スナップショット4」を起動用スナップショット131として登録する(ステップS17)。
登録部112が「スナップショット4」を起動用スナップショット131として登録する処理(コピー及びリネーム)を完了すると、電源OFF処理を終了し、車載器10は電源OFFとなる。
【0036】
なお、
図5には図示されていないが、スナップショット選択部111は、スナップショットテーブル130の「優先度」に応じて処理の順番を変更してもよい。即ち、スナップショット選択部111は、まず、現在エリアが、最も高い「優先度」と関連付けられたエリア(「優先度:1」のエリア)であるか判断する。そして、スナップショット選択部111は、現在エリアが当該エリアでない場合は、次に優先度の高いエリア(「優先度:2」のエリア)を選択して判断を行う。このようにすることで、スナップショット選択部111は、現在エリアが複数のエリアに該当する場合であっても、優先度に応じて適切なスナップショットを選択することができる。
【0037】
図6は、本発明の一実施形態に係る車載器の起動処理の一例を示すフローチャートである。
以下、
図6を参照して、車載器10の起動処理の一例について説明する。
【0038】
エンジン始動、又は違反取締システムからの通信開始要求により車載器10に起動指令が入力されると、起動処理部113は、補助記憶装置13に記憶されている「起動用スナップショット131」を読み込み、主記憶装置12に展開する(ステップS20)。
そうすると、車載器10は、起動用スナップショット131として登録されたスナップショットに基づいて、所定の機能(タスク)の実行準備が完了された状態で起動する。
【0039】
次に、起動処理部113は、起動用スナップショット131に含まれる起動シーケンスに基づいて、実行準備が完了していない他の機能(タスク)を順次、初期化して実行できる状態にする(ステップS21)。車載器10は、他の全ての機能の初期化を完了すると、通常動作モードに遷移する。
【0040】
図7は、本発明の一実施形態に係る車載器の起動時間の一例を示す図である。
図7に示すように、起動用スナップショット131としてスナップショット1〜4の何れが登録されているかに応じて、起動時間は変化する。
図7の網掛けで示される箇所は、実行可能な状態で起動される(高速起動される)機能を示し、網掛けなしで示される箇所は、実行準備が完了していない状態(未初期化状態)で起動される機能を示す。
上述のように、スナップショット1〜3には、エリア別に必要最低限の機能のみが実行可能な状態で記録されている。このため、スナップショット1〜3は、全ての機能が実行可能な状態で記録されているスナップショット4よりも小容量である。したがって、
図7に示すように、起動処理部113がスナップショット1、2、3を読み込む時間(t1、t2、t3)は、スナップショット4を読み込む時間(t4)よりも短くなる。
このため、例えばエリア1(道路課金エリア近傍)において車両Aのエンジンを始動し、すぐに料金所(道路課金エリア内)に移動した場合であっても、「通行料金支払機能」の実行準備が間に合わず、通行料金の支払い処理が失敗する可能性を低減させることができる。
したがって、車載器10は、起動時に上述のステップS20(
図6)に示すように車両Aが位置するエリアに応じて予め記憶されたスナップショットを展開することにより、当該エリアですぐに使用される可能性の高い機能を短時間で利用可能な状態にすることができる。
【0041】
(作用効果)
以上のように、本実施形態に係る車載器10は、停止が検知場合に、現在位置情報を取得する位置情報取得部110と、取得された現在位置情報に基づいて、一部の機能が実行可能な状態で記録された複数のスナップショットのうち一つを選択するスナップショット選択部111と、選択されたスナップショットを次回起動時に読み込む起動用スナップショット131として登録する登録部112と、を備える。
例えば道路課金エリアの近傍で停車していた場合、エンジン始動後すぐに道路課金エリアを通過する可能性がある。また、路側帯で停車中(エンジン停止中)に、巡回車両A0が近傍を通過し、違反取締システムに対する応答を行わなければならない可能性がある。このように、車両Aの現在位置によっては、車載器10は次回起動時に直ちに起動することが求められる場合がある。このような場合、本実施形態に係る車載器10は、複数のスナップショットのうち、一部の機能のみが実行可能な状態で記録された小容量のスナップショットを選択して登録することができる。これにより、車載器10は、次回起動時には小容量のスナップショットを読み込むだけで起動できるので、全ての機能を実行可能な状態で起動するよりも起動時間を短縮することができる。
【0042】
また、複数のスナップショットそれぞれは、異なるエリアに関連付けられ、複数の機能のうちエリアにおいて実行される優先度が高い機能が実行可能な状態で記録され、スナップショット選択部111は、現在位置情報を含むエリアと関連付けられたスナップショットを選択する。
このようにすることで、車載器10は、登録されたスナップショットを読み込むことで、現在位置において実行される優先度が高い必要最低限の機能のみを実行可能な状態で起動することができる。これにより、車載器は、現在位置において実行される優先度が低い機能の実行準備は後回しにできるので、起動時間を更に短縮することができる。
【0043】
また、複数の機能のうちエリアにおいて実行される可能性が高い機能には、他の機能よりも高い前記優先度が設定される。
このようにすることで、車載器10は、現在位置において実行される可能性の高い必要最低限の機能のみを実行可能な状態で起動し、現在位置において実行される可能性が低い機能の実行準備は後回しにできるので、起動時間を更に短縮することができる。
【0044】
また、複数のスナップショットは、それぞれ異なる優先度が予め設定されており、スナップショット選択部111は、現在位置情報が複数のエリアに含まれる場合、優先度に基づいてスナップショットを選択する。
このようにすることで、スナップショット選択部111は、現在位置情報が複数のエリアに含まれる場合であっても、優先度に応じて適切なスナップショットを選択することができる。これにより、優先度の高い機能の処理が失敗する可能性を低減させることができる。
【0045】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的思想を逸脱しない限り、これらに限定されることはなく、多少の設計変更等も可能である。
例えば、上述の実施形態において、スナップショット4として全ての機能が実行可能な状態で記録されたメモリイメージを予め用意する例について説明したが、これに限られることはない。他の実施形態では、車載器10は、エリア1〜3に該当しないエリア4(その他のエリア)では、スナップショットを読み込まずに、全ての機能を初期化しつつ起動を行うようにしてもよい。
【0046】
また、上述の実施形態において、スナップショット選択部111は、現在位置情報が復数のエリアに含まれる場合、優先度の高いスナップショットを選択する態様について説明したが、これに限られることはない。他の実施形態では、スナップショット選択部111は、複数のスナップショットを起動用スナップショット131として登録するようにしてもよい。この場合、起動処理部113は、車載器10に入力された起動指令(エンジン始動、又は、違反取締システムからの通信開始要求)に基づいて、何れの起動用スナップショット131を読み込むか判断してもよい。例えば、起動用スナップショット131としてスナップショット1及びスナップショット3が登録されている場合、起動処理部は、エンジン始動による起動指令が入力されたときはスナップショット1を読み込み、違反取締システムからの通信開始要求による起動指令が入力されたときはスナップショット3を読み込む。
このようにすることで、車載器10の起動時に、実際に実行を要求された機能(例えば「取締応答機能」)のみを含むスナップショット(スナップショット3)が読み込まれるので、当該機能の実行準備が遅れて処理が失敗する可能性を更に低減することができる。
【0047】
また、上述の実施形態に係る車載器10は、有料道路等の道路課金エリアの利用料金(通行料金)を支払うための「通行料金支払機能」、駐車場の利用料金(駐車料金)を支払うための「駐車料金支払機能」、違反取締システムに応答するための「取締応答機能」機能を有している態様について説明したが、これに限られることはない。他の実施形態では、車載器10は、更に別の機能を有していてもよい。
例えば、車載器から路側通信装置を介して車両の走行情報(位置情報、速度、加速度、角速度等)を収集し、複数の走行情報に基づいて車両の運行を評価、管理する運行管理システムがある。このため、他の実施形態では、車載器10は、運行管理システムに車両Aの走行情報を送信するための「走行情報送信機能」を更に有していてもよい。 車載器10は、「走行情報送信機能」として、路側に設置された運行管理システム無線通信装置と無線通信を行うことにより、車両Aの「走行情報(位置情報、速度、加速度、角速度等)」を送信する。また、走行情報送信機能は、少なくとも、無線通信装置と通信を行う「走行情報送信用通信タスク」により構成される。
従来のシステムでは、運行管理システムの路側通信装置近傍で車両のエンジンを停止させた場合、再びエンジンを始動してすぐに移動を開始すると、車載器10が起動して各種処理を実行可能な状態となる前に路側通信装置の通信領域から離れてしまい、走行情報の送信が正常に行えない可能性がある。
しかしながら、本発明に係る車載器10は、運行管理システムの無線通信装置の近傍で電源OFFとなった場合、無線通信装置の近傍を示すエリアに関連付けられたスナップショット(走行情報送信用通信タスクが実行可能な状態で記憶されているスナップショット)を起動用スナップショット131として登録する。これにより、次回車載器10が起動した際には、走行情報送信機能がすぐに実行可能な状態となるので、起動後すぐに移動を開始した場合であっても、当該車両Aの走行情報を送信が失敗する可能性を低減させることができる。