特許第6871410号(P6871410)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871410
(24)【登録日】2021年4月19日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】スイッチ構造
(51)【国際特許分類】
   H01H 9/02 20060101AFI20210426BHJP
   H01H 13/04 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   H01H9/02 K
   H01H9/02 B
   H01H13/04 C
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-553099(P2019-553099)
(86)(22)【出願日】2017年3月27日
(65)【公表番号】特表2020-516023(P2020-516023A)
(43)【公表日】2020年5月28日
(86)【国際出願番号】EP2017057212
(87)【国際公開番号】WO2018177501
(87)【国際公開日】20181004
【審査請求日】2019年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】ユーソ・ヘイスカネン
(72)【発明者】
【氏名】ヤリ・ランミンパラス
【審査官】 太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭58−117021(JP,U)
【文献】 実開昭59−107170(JP,U)
【文献】 特開平05−036330(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/00− 9/28
H01H 13/00−13/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイス用のボタン構造であって、前記電子デバイスが、外面および内面を有するハウジングを備え、前記外面および前記内面が、貫通開口部によって接続されており、
前記ボタン構造が、
押しボタンと、スイッチアセンブリと、を備え、
前記スイッチアセンブリが、スイッチおよびコネクタを備え、前記スイッチおよび前記コネクタが連結されるように構成され、前記スイッチが、前記スイッチの中心軸線に少なくとも部分的に沿って延びる接続手段を備え、前記接続手段が、前記コネクタの少なくとも一部を収容するように構成され、
前記スイッチが、前記外面からの方向で前記貫通開口部に挿入されるように構成され、
前記コネクタが、前記スイッチアセンブリが前記ハウジングに固定されるように前記スイッチに接続されるよう構成される、ボタン構造。
【請求項2】
前記コネクタが、前記ボタン構造が前記外面に向かう方向に前記貫通開口部から出るのを防止するストッパ手段を備える、請求項に記載のボタン構造。
【請求項3】
前記コネクタが、前記内面に当接して、前記貫通開口部の外側に配置されるように構成される、請求項またはに記載のボタン構造。
【請求項4】
前記内面と前記コネクタとの間に配置される圧縮手段をさらに備える、請求項からのいずれか一項に記載のボタン構造。
【請求項5】
請求項からのいずれか一項に記載のボタン構造を収容するように構成される電子デバイスであって、前記電子デバイスが、外面および内面を有するハウジングを備え、前記外面および前記内面が、貫通開口部によって接続される、電子デバイス。
【請求項6】
請求項からのいずれか一項に記載のボタン構造を電子デバイスに設ける方法であって、
前記電子デバイスが、外面および内面を有するハウジングを備え、前記外面および前記内面が、貫通開口部によって接続されており、
前記方法が、
a)前記押しボタンと前記スイッチとを接続するステップと、
b)前記外面からの方向で前記スイッチを前記貫通開口部に挿入するステップと、
c)前記スイッチが前記貫通開口部の方向への移動によって前記コネクタから分離され得ないように前記コネクタと前記スイッチとを接続するステップと、
を含む、方法。
【請求項7】
ステップc)が、
c11)前記内面からの方向で前記コネクタを、前記スイッチ内に延びるスロットに挿入するステップと、
c12)前記スイッチが前記貫通開口部から取り外され得ないように前記コネクタを前記スロットと連結するステップと、
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
ステップc)が、
c21)前記コネクタが前記内面に当接し、前記ハウジングから前記コネクタを取り外さなければ前記スイッチが前記貫通開口部から取り外され得ないように、前記貫通開口部に対して垂直な方向で少なくとも1つのスリットと少なくとも1つのピンとを連結するステップ
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
スイッチおよびコネクタを備えるスイッチアセンブリであって、前記スイッチおよび前記コネクタが連結されるように構成され、前記スイッチが、前記スイッチの中心軸線に少なくとも部分的に沿って延びる接続手段を備え、前記接続手段が、前記コネクタの少なくとも一部を収容するように構成され、
前記接続手段が、前記中心軸線の方向に突出する少なくとも1つのピンを備え、前記ピンが、増大された断面を有する端部を備え、
前記コネクタが、少なくとも1つの部分的に開口端のスリットを備え、前記スリットが、前記中心軸線に対して垂直な方向で前記ピンの前記端部と解放可能に連結され、前記中心軸線の前記方向では前記ピンと解放不可能に連結されるように構成される、スイッチアセンブリ。
【請求項10】
前記スイッチが、前記中心軸線の方向への移動によって前記コネクタから分離され得ない、請求項9に記載のスイッチアセンブリ。
【請求項11】
クラッシュリブが、前記スイッチの外周から突出し、前記クラッシュリブが、前記スイッチと開口部との間の締まり嵌めをもたらすように構成される、請求項9または10に記載のスイッチアセンブリ。
【請求項12】
前記スイッチが、前記スイッチの外周を少なくとも部分的に覆うように構成される封止手段を備える、請求項9から11のいずれか一項に記載のスイッチアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子デバイス用のスイッチアセンブリおよびそのようなスイッチアセンブリを備えるボタン構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスの部品は、このようなデバイスの内部がほこりまたは水の侵入から保護されるように設計されるのと同時に、使用するためには可能な限り空間、時間、およびコストの効率が高くなければならない。例えば、押しボタンは、対応するねじ穴の必要な存在により侵入のリスクを増加させるねじによって電子デバイスのハウジングに取り付けられる場合がある。
【0003】
ボタンが相互接続フランジによってボタン保持体に接続される既存の解決策は、ボタンが使用者によって押されたときにボタン保持体に対して移動することを可能にする。ボタン保持体は、ハウジングの内部から延びるねじによって電子デバイスのハウジングに接続され、ボタンには封止要素が設けられる。
【0004】
このような解決策にはいくつかの欠点がある。第1に、いくつかの小さい部品の存在により、製造および組み立てに時間がかかる。第2に、これらの複数の部品がすべて、非常に空間を浪費することになる。第3に、より多数の部品および組み立てステップは、押しボタンと他の部品との間の大きい公差の累計をもたらし、押しボタンの触覚特性を損なう。
【発明の概要】
【0005】
上で確認された欠点の少なくとも一部に対処するスイッチアセンブリおよびボタン構造を提供することが目的である。
【0006】
前述のおよび他の目的は、独立請求項の特徴によって達成される。さらなる実施の形態は、従属請求項、明細書、および図から明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、スイッチおよびコネクタを備えるスイッチアセンブリであって、スイッチおよびコネクタが連結されるように構成され、スイッチが、スイッチの中心軸線に少なくとも部分的に沿って延びる接続手段を備え、接続手段が、コネクタの少なくとも一部を収容するように構成される、スイッチアセンブリが提供される。このような解決策は、2つの主要な部品、すなわちスイッチ部品およびコネクタ部品を連結するのみの簡単なステップにより、迅速な上に安定した組み立てをもたらす。少数の部品は、電子デバイス内のより小さい空間要件につながる。さらに、公差の累計が低減され、スイッチアセンブリに対応する押しボタンの触覚特性が改善される。
【0008】
スイッチの中心軸線Cは、スイッチ本体の両方の自由端の間に、すなわち、スイッチアセンブリが取り付けられる貫通開口部の中心軸線にも対応する方向に延びる。これは、スイッチアセンブリが電子デバイスに取り付けられる場合、電子デバイスの幅の方向に対応し得る。したがって、第1の垂直軸線は、電子デバイスの高さの方向に延び、第2の垂直軸線は、電子デバイスの厚さの方向に延びる。それはまた、電子デバイスの高さの方向に対応し得る。この場合、第1の垂直軸線は、電子デバイスの幅の方向に延び、第2の垂直軸線は、電子デバイスの厚さの方向に延びる。
【0009】
第1の態様の第1の可能な実施の形態では、スイッチは、中心軸線の方向への移動によってコネクタから分離され得ない。したがって、安定した接続が維持されて、スイッチが、それが取り付けられた電子デバイスから分離されるのが妨げられる。
【0010】
第1の態様の第2の可能な実施の形態では、
接続手段は、少なくとも1つのスロットを備える。この解決策は、従来技術と比較して大幅に小さい空間を必要とする。
【0011】
第1の態様の第3の可能な実施の形態では、接続手段は、スロットから延びる少なくとも1つの楔形の溝をさらに備え、溝は、中心軸線の方向にテーパとされ、コネクタは、少なくとも1つの対応する楔形の凸部を備える。このようにして、凸部は、スロットおよび溝に容易に挿入された上で、コネクタがスイッチから容易に取り外され得ないように連結され得る。
【0012】
第1の態様の第4の可能な実施の形態では、凸部は、楔形の溝と連結されるように構成される弾性接触ブレードを備える。
【0013】
第1の態様の第5の可能な実施の形態では、接続手段は、中心軸線の方向に突出する少なくとも1つのピンを備え、ピンは、増大された断面を有する端部を備え、コネクタは、少なくとも1つの部分的に開口端のスリットを備え、スリットは、中心軸線に対して垂直な方向でピン端部と解放可能に連結され、中心軸線の方向ではピンと解放不可能に連結されるように構成される。このようにして、コネクタは、スイッチに容易かつ解放可能に接続され得る。
【0014】
第1の態様の第6の可能な実施の形態では、クラッシュリブが、スイッチの外周から突出する。これは、スイッチとそれが取り付けられる開口部との間の締まり嵌めをもたらす。
【0015】
第1の態様の第7の可能な実施の形態では、接続手段および/またはコネクタは、少なくとも1つの凹部を備え、コネクタおよび/またはスロットは、それに対応して少なくとも1つの凸部を備え、凸部は、凹部と連結されるように構成される。
【0016】
第1の態様の第8の可能な実施の形態では、スイッチは、スイッチの外周を少なくとも部分的に覆うように構成される封止手段を備え、これにより、デバイスは防水性となることが可能になる。
【0017】
第2の態様によれば、電子デバイス用のボタン構造であって、電子デバイスが、外面および内面を有するハウジングを備え、面が、貫通開口部によって接続されており、ボタン構造が、押しボタンと、上記によるスイッチアセンブリと、を備え、スイッチが、外面からの方向で開口部に挿入されるように構成され、コネクタが、スイッチアセンブリがハウジングに固定されるようにスイッチに接続されるよう構成される、ボタン構造が提供される。これは、2つの主要な部品、すなわちスイッチ部品およびコネクタ部品を連結するのみの簡単なステップによる迅速な上に安定した解決策である。さらに、コネクタは、電気的接続を提供し、スイッチを電子デバイスのハウジングに固定するという二重の機能を有する。少数の部品は、電子デバイス内のより小さい空間要件につながる。加えて、公差の累計が低減され、スイッチアセンブリに対応する押しボタンの触覚特性が改善される。
【0018】
第2の態様の第1の可能な実施の形態では、コネクタは、中心軸線に少なくとも部分的に沿って延びるスロットの内側に少なくとも部分的に配置されるように構成される。この解決策は、従来技術より大幅に少ない空間の浪費のものである。
【0019】
第2の態様の第2の可能な実施の形態では、スイッチは、スロットから延びる少なくとも1つの楔形の溝をさらに備え、溝は、中心軸線の方向にテーパとされ、コネクタは、少なくとも1つの対応する楔形の凸部をさらに備える。これは、凸部が、対応するスロットおよび溝に容易に挿入された上で、コネクタがスイッチから容易に分離され得ないように連結されることを可能にする。
【0020】
第2の態様の第3の可能な実施の形態では、コネクタは、ボタン構造が外面に向かう方向に開口部から出るのを防止するストッパ手段を備える。
【0021】
第2の態様の第4の可能な実施の形態では、クラッシュリブが、スイッチの外周から突出し、クラッシュリブは、スイッチと開口部との間の締まり嵌めをもたらすように構成される。
【0022】
第2の態様の第5の可能な実施の形態では、コネクタは、内面に当接して、開口部の外側に配置されるように構成される。
【0023】
第2の態様の第6の可能な実施の形態では、スイッチは、中心軸線の方向に突出する少なくとも1つのピンを備え、ピンは、増大された断面を有する端部を備え、コネクタは、少なくとも1つの部分的に開口端のスリットを備え、スリットは、中心軸線に対して垂直な方向でピンと解放可能に連結され、中心軸線の方向ではピンと解放不可能に連結されるように構成される。このようにして、コネクタは、スイッチに容易かつ解放可能に接続され得る。
【0024】
第2の態様の第7の可能な実施の形態では、ボタン構造は、内面とコネクタとの間に配置される圧縮手段をさらに備える。圧縮手段は、電子デバイスの内部に向かう内向きの方向においてコネクタ、したがってスイッチに一定の力を与える。
【0025】
第3の態様によれば、上記によるボタン構造を収容するように構成される電子デバイスであって、電子デバイスが、外面および内面を有するハウジングを備え、面が、貫通開口部によって接続されており、ボタン構造が、スイッチおよびコネクタを備え、スイッチが、貫通開口部に挿入されるように構成され、コネクタが、スイッチが貫通開口部から外の方向への移動によってコネクタから分離され得ないようにスイッチと連結されるように構成される、電子デバイスが提供される。この解決策は、押しボタンとスイッチとの間の公差の累計を低減し、従って、押しボタンがスイッチと完全に中心合わせされていなくても押しボタンの触覚性を改善する。
【0026】
第3の態様の第1の可能な実施の形態では、スイッチは、スロットと、スロットから延びる少なくとも1つの楔形の溝と、を備え、コネクタは、楔形の溝と連結されるように構成される少なくとも1つの弾性接触ブレードを備える。これは、スイッチがコネクタに容易に接続され、その上でそれらが容易に分離され得ないように2つを連結することを可能にする。
【0027】
第3の態様の第2の可能な実施の形態では、スイッチは、増大された断面を有する端部が設けられる少なくとも1つのピンを備え、コネクタは、少なくとも1つの部分的に開口端のスリットを備え、スリットは、貫通開口部に対して垂直な方向でピン端部と解放可能に連結されるように構成される。このようにして、コネクタは、スイッチに容易かつ解放可能に接続され得る。
【0028】
第4の態様によれば、上記によるボタン構造を電子デバイスに設ける方法であって、電子デバイスが、外面および内面を有するハウジングを備え、面が、貫通開口部によって接続されており、
本方法が、押しボタンとスイッチとを接続するステップと、外面からの方向でスイッチを開口部に挿入するステップと、スイッチが開口部の方向への移動によってコネクタから分離され得ないようにコネクタとスイッチとを接続するステップと、を含む、方法が提供される。このような方法は、2つの主要な部品、すなわちスイッチ部品およびコネクタ部品を連結するのみの簡単さにより、迅速な上に安定した組み立てをもたらす。
【0029】
第4の態様の第1の可能な実施の形態では、最後のステップは、内面からの方向でコネクタを、スイッチ内に延びるスロットに挿入するステップであって、スイッチが開口部から取り外され得ないようにコネクタをスロットと連結する、ステップを含む。これは、スイッチがコネクタに容易に接続され、その上でそれらが容易に分離され得ないように2つを連結することを可能にする。
【0030】
第4の態様の第2の可能な実施の形態では、最後のステップは、コネクタが内面に当接し、ハウジングからコネクタを取り外さなければスイッチが開口部から取り外され得ないように、開口部に対して垂直な方向で少なくとも1つのスリットと少なくとも1つのピンとを連結するステップを含む。このようにして、コネクタは、スイッチに容易かつ解放可能に接続され得る。
【0031】
これらおよび他の態様は、以下で説明される実施形態から明らかになる。
【0032】
本開示の以下の詳細な部分では、態様、実施形態、および実施態様が、図面に示されている例示的な実施形態を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1a】本発明の一実施形態によるボタン構造および部分的なハウジングの分解立面図を示す。
図1b】本発明の一実施形態によるコネクタの立面図を示す。
図1c図1bに示されている実施形態の分解立面図を示す。
図2a】本発明の別の実施形態によるスイッチの立面正面図を示す。
図2b図2aに示されている実施形態の立面背面図を示す。
図3図2aに示されている実施形態の分解立面図を示している。
図4a】ボタン構造がハウジングから分離された状態の、図1aに示されているボタン構造およびハウジングの断面図を示す。
図4b】ボタン構造がハウジングの開口部に挿入された状態の、図4aに示されているボタン構造およびハウジングの断面図を示す。
図5a】コネクタがスイッチおよびハウジングから分離された状態の、図1aに示されているボタン構造およびハウジングのさらなる断面図を示す。
図5b】コネクタがスイッチに挿入された状態の、図5aに示されているボタン構造およびハウジングの断面図を示す。
図6】本発明のさらに別の実施形態によるボタン構造および部分的なハウジングの分解立面図を示す。
図7a図6に示されている実施形態のスイッチの立面正面図を示す。
図7b図7aに示されている実施形態の分解立面図を示す。
図8図6に示されている実施形態によるコネクタの立面背面図を示す。
図9】ハウジングの内側から見た、コネクタがスイッチおよびハウジングから分離された状態の、図6に示されているボタン構造および部分的なハウジングの立面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、電子デバイスのハウジング7の一部と、スイッチ2およびコネクタ3を備えるスイッチアセンブリ1と、押しボタン10と、を備える実施形態を示す。部品は、機械的に接続されるように適合され、スイッチ2はまた、コネクタ3に電気的に接続されるように適合される。これは、以下でより詳細に説明される。
【0035】
図2図3、および図7は、スイッチの実施形態を示し、スイッチは、スイッチ本体2a、スイッチ接点2b、およびスイッチ接点カバー2cを備える。スイッチはまた、封止手段5を備え得る。
【0036】
一実施形態では、封止手段5は、スイッチ2の外周を少なくとも部分的に覆うように構成される。封止手段5は、外周に延びる隆起部を有するガスケットを備え得る。封止手段/ガスケット5は、別個のゴム部品であってもよく、または液体射出成形によってスイッチ本体2a、好ましくは第2のスイッチ本体部上に直接成形されてもよい。
【0037】
スイッチ本体2aは、プラスチック材料を含み、好ましくはインサート成形によって製造される。スイッチ本体2aは、スイッチ本体2aの中心軸線Cに沿って配置される第1のスイッチ本体部および第2のスイッチ本体部の2つの部分から構成される。
【0038】
一実施形態では、第1のスイッチ本体部は、第2のスイッチ本体部の断面より大きい断面を有する。すなわち、スイッチの側面断面図は、本質的にT字状のスイッチ本体2aを示し、一方、正面または背面断面図は、第1のスイッチ本体部または第2のスイッチ本体部を通って切断が行われたかどうかに応じて、1つまたは2つの本質的に矩形の表面領域を示す。
【0039】
一実施形態ではドームを備えるスイッチ接点2bは、第1のスイッチ本体部の自由端に配置されるスロットに配置されるように構成される。スイッチ接点カバー2cは、例えばスイッチ接点カバー2cを上述の自由端にレーザ溶接または接着することによって、スイッチ接点/ドーム2bおよびスロットを覆うように設けられる。
【0040】
スイッチアセンブリ1は、連結されるように構成されるスイッチ2およびコネクタ3を備える。スイッチ2は、スイッチの中心軸線Cに少なくとも部分的に沿って延びる接続手段4を備え、接続手段4は、コネクタ3の少なくとも一部を収容するように構成される。
【0041】
スイッチ2の中心軸線Cは、スイッチ接点カバー2cと第2のスイッチ本体の自由端との間に、すなわち、ハウジング7の貫通開口部9の中心軸線に対応する方向に延びる。これは、スイッチアセンブリが電子デバイスに取り付けられる場合、電子デバイスの幅の方向に対応する。第1の垂直軸線は、電子デバイスの高さの方向に延び、第2の垂直軸線は、電子デバイスの厚さの方向に延びる。図1および図6は、電子デバイスの厚さを示しているが、高さおよび幅の一部のみを示している。
【0042】
一実施形態では、スイッチ2には、スイッチ2の外周から突出するクラッシュリブが設けられる。
【0043】
一実施形態では、スイッチ2は、中心軸線Cの方向への移動によってコネクタ3から分離され得ない。すなわち、一旦スイッチ2およびコネクタ3が接続されたら、スイッチ2は、それらをそれぞれ反対の方向に引っ張ることによってコネクタ3から取り外され得ない。接続手段4および/またはコネクタ3は、少なくとも1つの凹部を備え、コネクタ3および/または接続手段4は、それに対応して少なくとも1つの凸部を備え、凸部は、凹部と連結されるように構成される。
【0044】
一実施形態では、接続手段4は、スイッチ2の中心軸線Cに沿って、少なくともスイッチ本体2aの第2の部分を通って延びる。接続手段4は、スイッチ接点/ドーム2bまで延びるように構成され、これにより、スイッチ接点は、上述の電気的接続によってコネクタ3と相互作用し得る。
【0045】
一実施形態では、接続手段4は、図2bに見られる少なくとも1つのスロット4aを備える。接続手段4は、スロット4aから延びる少なくとも1つの楔形の溝4bをさらに備える。図5aおよび図5bを参照されたい。溝4bは、中心軸線Cの方向にテーパとされる。より具体的には、中心軸線Cに対して垂直な方向の溝の深さは、スイッチ接点2bおよび結局は押しボタン10から最も遠い部分でその最大となる。すなわち、この楔形は、第2のスイッチ本体部から第1のスイッチ本体部に向かう方向に減少する。
【0046】
コネクタ3は、フレックス部3cにはんだ付けされる少なくとも1つの対応する楔形の凸部3aを備える。フレックス部補強材3dは、スイッチ2に接続されたときにコネクタ3を堅く保持するためにフレックス部3cに接続される。一実施形態では、凸部3aは、楔形の溝4bと連結されるように構成される弾性接触ブレードを備える。このようにして、コネクタ/接触ブレード3は、スロット4aおよび溝4bに容易に挿入され、さらに、コネクタ/接触ブレード3がスロット4aおよび溝4bから容易に取り外され得ないように連結され得る。弾性接触ブレードは、打ち抜き金属ブレードから構成されてもよい。スイッチ本体2aは、打ち抜き金属ブレード上にインサート成形されてもよい。
【0047】
図6および図7に示されているさらなる実施形態では、接続手段4は、中心軸線Cの方向に突出する少なくとも1つのピン4cを備える。すなわち、スイッチの中心軸線およびピンの中心軸線は平行に延びる。ピンは、少なくともスイッチ本体2aの第2の部分を通り、部分的にスイッチ本体2aの第1の部分内に延びる。ピン4cは、スイッチ接点/ドーム2bまで延びるように構成され、これにより、スイッチ接点は、上述の電気的接続によってコネクタ3と相互作用し得る。
【0048】
一実施形態では、ピン4cは、増大された断面を有する端部4dを備える。ピンは、図7bに見られるように、増大された断面を同様に有する反対側に配置されたさらなる端部を備えてもよい。ピン4cは、好ましくは、インサート成形された金属ピンを備える。
【0049】
図6および図8に示されているように、この実施形態は、少なくとも1つの部分的に開口端のスリット3bを有するコネクタ3を備える。スリット3bは、中心軸線Cに対して垂直な方向でピン端部4dと解放可能に連結されるのと同時に、中心軸線Cの方向ではピン4cと解放不可能に連結されるように構成される。すなわち、スリット3bは、スリットが逆U字形状を本質的に有するように、一端に開口部を有する一方で、他端では閉ざされる。スリットの内部は、それがピンの端部4dを収容し得るように、より大きい寸法を有する。取り付けられたときにスイッチに面して当接する部分であるスリットの外部は、ピン4cのより小さい中央部のみを収容するように適合されたより小さい寸法を有する。言い換えれば、スリットの外部の寸法は、ピン端部4dの寸法より小さい。
【0050】
したがって、スリット3bは、スイッチおよびピンの中心軸線に対して垂直な方向でピン4cの端部4d上にスライドされるように適合される。スイッチ2/ピン4cは、中心軸線Cの方向への移動によってコネクタ3/スリット3bから分離され得ない。すなわち、一旦スイッチ2およびコネクタ3が接続されたら、スイッチ2/ピン4cは、それらをそれぞれ反対の方向に引っ張ることによってコネクタ3/スリット3bから取り外され得ない。しかしながら、スイッチ2/ピン4cは、スリット3bおよびピン4cを接続するときに使用される方向とは反対の、スイッチ2およびピン4cの中心軸線に対して垂直な方向にコネクタ3/スリット3bをスライドさせることによってコネクタ3/スリット3bから分離され得る。
【0051】
図1図4図6、および図9は、携帯電話などの電子デバイスに配置されるボタン構造6の実施形態を示す。電子デバイスは、貫通開口部9によって接続された外面8aおよび内面8bを有するハウジング7を備える。ボタン構造6は、押しボタン10と、上述のスイッチアセンブリ1の実施形態と、を備える。スイッチ2は、前記外面8aから内面8bに向かう方向で貫通開口部9に挿入されるように構成される。コネクタ3は、スイッチアセンブリ1がハウジング7に固定されるようにスイッチ2に接続されるよう構成される。
【0052】
一実施形態では、コネクタ3は、スイッチ2の中心軸線Cに少なくとも部分的に沿って延びるスロット4aの内側に少なくとも部分的に配置されるように構成される。上述されたように、スイッチは、スロット4aから延びる少なくとも1つの楔形の溝4bをさらに備え得、溝4bは、中心軸線Cの方向にテーパとされ、
コネクタ3は、少なくとも1つの対応する楔形の凸部3aを備える。
【0053】
コネクタ3は、組み立てられたボタン構造6が外面8aに向かう方向に開口部9から出るのを防止するストッパ手段11を備え得る。すなわち、ストッパ手段11は、スロット4aの寸法より少なくとも部分的に大きい寸法を有する。
【0054】
上述されたように、スイッチ2には、スイッチ2の外周から突出するクラッシュリブが設けられてもよい。クラッシュリブは、スイッチ2の外部と開口部9の内部との間の締まり嵌めをもたらすように構成される。
【0055】
さらなる実施形態では、コネクタ3は、内面8bに当接して、開口部9の外側に配置されるように構成される。この実施形態は、中心軸線Cの方向に突出する少なくとも1つのピン4cが設けられるスイッチ2を備える。上述されたように、ピン4cは、増大された断面を有する端部4dを備え、
コネクタ3は、少なくとも1つの部分的に開口端のスリット3bを備える。スリット3bは、中心軸線Cに対して垂直な方向でピン4cと解放可能に連結され、中心軸線Cの方向ではピン4cと解放不可能に連結されるように構成される。
【0056】
一実施形態では、ボタン構造6は、内面とコネクタとの間に配置される圧縮手段、例えばガスケットをさらに備える。圧縮手段は、ゴムまたは発泡材料で作製されてもよい。圧縮手段は、内面8bとコネクタ3との間で圧縮され、したがって、電子デバイスの内部に向かう内向きの方向において、コネクタ3、したがってスイッチ2に一定の力を与える。
【0057】
図1および図6は、上述されたボタン構造6を収容するように構成される電子デバイスの実施形態を示す。電子デバイスは、外面8aおよび内面8bを有するハウジング7を備え、面8a、8bは、貫通開口部9によって接続される。ボタン構造6は、スイッチ2およびコネクタ3を備える。スイッチ2は、貫通開口部9に挿入されるように構成され、コネクタ3は、スイッチ2が貫通開口部9から外の方向への移動によってコネクタ3から分離され得ないようにスイッチ2と連結されるように構成される。
【0058】
一実施形態では、スイッチ2は、スロット4aと、スロット4aから延びる少なくとも1つの楔形の溝4bと、を備え、コネクタ3は、楔形の溝4bと連結されるように構成される少なくとも1つの弾性接触ブレード3aを備える。
【0059】
さらなる実施形態では、スイッチ2は、増大された断面を有する端部4dが設けられる少なくとも1つのピン4cを備え、コネクタ3は、少なくとも1つの部分的に開口端のスリット3bを備える。スリット3bは、貫通開口部9に対して垂直な方向でピン端部4dと解放可能に連結されるように構成される。
【0060】
一実施形態では、電子デバイスに、以下のステップによってボタン構造6が設けられる。第1に、押しボタン10が、スイッチ2に接続される。一実施形態では、これは、スイッチ2の中心軸線Cに対して垂直な方向で行われる。第2に、スイッチ2が、外面8aからの方向で開口部9に挿入される。第3に、コネクタ3が、スイッチ2が開口部9の方向への移動によってコネクタ3から分離され得ないようにスイッチ2に接続される。
【0061】
一実施形態では、第3のステップは、内面8bからの方向でコネクタ3を、スイッチ2内に延びるスロット4aに挿入することを含み、コネクタ3は、スイッチ2が開口部9から取り外され得ないようにスロット4aと連結される。
【0062】
さらなる実施形態では、第3のステップは、コネクタ3が内面8bに当接し、ハウジング7からコネクタ3を取り外さなければスイッチ2が開口部9から取り外され得ないように、開口部9に対して垂直な方向で少なくとも1つのスリット3bと少なくとも1つのピン4cとを連結することを含む。
【0063】
様々な態様および実施態様が、本明細書の様々な実施形態に関連して説明された。しかしながら、開示された実施形態に対する他の変形例は、図面、本開示、および添付の特許請求の範囲の研究から、特許請求された主題を実施する当業者によって理解および達成され得る。特許請求の範囲において、「備える(comprising)」という語は、他の要素またはステップを排除せず、不定冠詞「1つの(a)」または「1つの(an)」は、複数を排除しない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが好適に使用され得ないことを示すものではない。
【0064】
特許請求の範囲で使用されている参照符号は、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0065】
1 スイッチアセンブリ
2 スイッチ
2a スイッチ本体
2b スイッチ接点
2c スイッチ接点カバー
3 コネクタ
3a 楔形の凸部
3b スリット
3c フレックス部
3d フレックス部補強材
4 接続手段
4a スロット
4b 楔形の溝
4c ピン
4d 端部
5 封止手段
6 ボタン構造
7 ハウジング
8a 外面
8b 内面
9 貫通開口部
10 押しボタン
11 ストッパ手段
C 中心軸線
図1(a)】
図1(b)】
図1(c)】
図2(a)】
図2(b)】
図3
図4(a)】
図4(b)】
図5(a)】
図5(b)】
図6
図7(a)】
図7(b)】
図8
図9