(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0003】
これに鑑みて、本開示の実施例は、位置決め穴が外力の作用により変形しやすいという問題を解決するための位置決め構造及びフレキシブル回路基板を提供することを目的とする。
第1の様態において、本開示の一実施例は、位置決め構造を提供する。当該位置決め構造は、位置決め穴を有するフレキシブル基板と、フレキシブル基板に設置され、位置決め穴を補強するように位置決め穴の周囲の所定範囲内に配置され、位置決め穴に対応する穴を有する補強層と、を備える。
本開示の一実施例では、補強層は硬質層を備え、当該硬質層はフレキシブル基板に設置され、位置決め穴の周囲の所定範囲内に配置され、位置決め穴に揃った穴を有する。
本開示の一実施例では、補強層は保護膜を更に備え、当該保護膜はフレキシブル基板に設置され、位置決め穴の周囲の所定範囲内に配置され、その一部又は全体が硬質層を被覆する。
本開示の一実施例では、補強層は保護膜を更に備え、当該保護膜はフレキシブル基板に設置され、硬質層周囲の所定範囲内に配置され、その内周が硬質層の外周に隣接する。
本開示の一実施例では、硬質層は金属めっき層又は硬質コーティング層又は補強層である。
本開示の一実施例では、位置決め穴は円形であり、保護膜はリング状であり、硬質層はリング状である。
本開示の一実施例では、硬質層は、前記位置決め穴の外周に沿ってリング状に配置される複数のセグメントを含む。
本開示の一実施例では、位置決め穴は円形であり、保護膜はリング状であり、複数のセグメントにおける各セグメントは、円形、扇形、半円形、不規則形のうちのいずれか1種である。
本開示の一実施例では、補強層の外周と位置決め穴のエッジとの距離範囲は、0mm〜10mmである。
第2の様態において、本開示の実施例は、フレキシブル回路基板を提供する。当該フレキシブル回路基板は、電子部品及び第1の様態に記載の位置決め構造を含む。
本開示の実施例に係る位置決め構造は、フレキシブル基板に位置決め穴を設置すること及び、位置決め穴の外周の所定範囲内に沿って補強層を敷設することによって、位置決め穴の強度を向上させる目的を果たし、外力の作用下における位置決め穴の不良な変形を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本開示の目的、技術手段及び利点をより明らかにするために、以下、図面を参照しながら、本開示をさらに詳細に説明する。以下の説明及び特許請求の範囲により、本開示の利点及び特徴は一層明確になる。説明したいのは、図面はいずれも極簡略化された形式であり、且つ概略縮尺を使用しており、便利で明確に本開示の実施例の目的を補助的に説明するためのものに過ぎない。
【0006】
図1は、本開示の第1実施例に係る位置決め構造の構造を示す模式図である。
図1に示すように、本開示の第1実施例に係る位置決め構造は、位置決め穴2を有するフレキシブル基板1と、フレキシブル基板1に設置され、位置決め穴2を補強するように位置決め穴2周囲の所定範囲内に配置され、位置決め穴2に対応する穴を有する補強層3と、を備える。
本開示の第1実施例に係る位置決め構造は、フレキシブル基板1に位置決め穴2を設けること及び、位置決め穴2の外周に沿って所定範囲内に補強層3を敷設することによって、位置決め穴2の強度を向上させる目的を果たし、外力の作用による位置決め穴2の不良な変形を防止することができる。
理解すべきなのは、補強層3の孔は、位置決め穴2と同じサイズであってもよく、位置決め穴2より大きなサイズであってもよい。
理解すべきなのは、位置決め穴2の周囲に補強層3を設置する所定範囲は、実際の状況に応じて自由に設定することができる。例えば、所定範囲を0mm〜10mmに設定することができ、即ち、補強層3の外周と位置決め穴2のエッジとの距離範囲を0mm〜10mmとすることができる。補強層3の所定範囲を0mm〜10mmに設定することで、位置決め穴2の周囲構造に影響を与えないとともに、補強層3の補強効果も十分に発揮できるという目的を実現することができる。また、所定範囲の大きさは、位置決め穴2のサイズに応じて設定されてもよく、例えば、位置決め穴2の半径が大きいほど、所定範囲も大きくする。
理解すべきなのは、フレキシブル基板1に設けられる位置決め穴2の具体的な寸法及び形状は、実際の状況に応じて自由に設定することができる。例えば、位置決め穴2を半径が5mmである円形穴として設定することができる。ただし、本開示の実施例はそれに限っておらず、位置決め穴2は、正方形又は楕円形であってもよい。
理解すべきなのは、本開示の実施例に係る位置決め構造の拡張性及び適応性を高めるために、位置決め穴2が設けられているフレキシブル基板1の表と裏の両面に補強層3を設置してもよく、又は表と裏の両面のどちらかの面に補強層3を設置してもよい。
本開示の一実施例では、補強層3はリング状シートであり、補強層3の内周は位置決め穴2のエッジと重なり合う。補強層3をリング状シートとして設置することによって、補強層3が位置決め穴2を十分に固定することを保証するとともに、コストの低減及び資源の節約を実現することができる。理解すべきなのは、補強層3は、位置決め穴2の形状に応じて設定されてもよい。例えば、位置決め穴2が正方形である場合、補強層3は方形リング状であってもよく、位置決め穴2が楕円形である場合、補強層3は楕円形リング状であってもよい。無論、補強層3の形状は位置決め穴2の形状と異なってもよく、例えば、位置決め穴2が円形である場合に、補強層3が方形リング状であってもよい。
理解すべきなのは、補強層3の具体的な形状は、実際の状況に応じて自由に設定されることができる。例えば、補強層3は、位置決め穴2の外周に沿ってリング状に配置されて位置決め穴2に対して補強効果を果たす複数のセグメントとして設置することができる。また、セグメントの具体的な形状は、実際の状況に応じて自由に設定することができ、セグメントの形状は菱形、円形、扇形などの形状を含むが、それに限ってはいない。
本開示の一実施例では、フレキシブル基板1はフレキシブル回路基板である。実際に応用する場合、駆動用フレキシブル回路基板(Driver FPC)及びタッチフレキシブル回路基板(TP FPC)をボンディングして電気的導通を実現する必要がある場合、駆動用フレキシブル回路基板(Driver FPC)及び/又はタッチフレキシブル回路基板(TP FPC)の位置決め穴2に対して、片面又は両面に補強層3を敷設する処理を施すことによって、位置決め穴2の強度及び硬度を十分に向上させ、フレキシブル回路基板に設けられた位置決め穴2が、様々な実際の状況及び使用要求に十分適応できるようにし、本開示の実施例に係る位置決め構造の適応性及び拡張性を高めることができる。
本開示一実施例では、補強層3の材質は、ポリイミドフィルム(PI膜)、被覆膜(Cover Film)、被覆層(Cover Lay)など絶縁保護効果及び補強効果を兼ねる材質を含むが、それに限ってはいない。また、理解すべきなのは、補強層3の層数は少なくとも一層であり、具体的な層数及び各層の具体的な材質は実際の状況に応じて自由に設定することができる。
本開示の第1実施例は実際の応用において、フレキシブル基板1に複数の位置決め穴2を設け、位置決め穴2が設けられたフレキシブル基板1の少なくとも一面の位置決め穴2の外周に補強層3を敷設することにより、位置決め穴2の外周の強度と硬度を高め、外力の作用による位置決め穴2の変形を防止する。
【0007】
図2は、本開示の第2実施例に係る位置決め構造の構造を示す模式図である。
図2に示すように、本開示の第2実施例に係る位置決め構造は、本開示の第1実施例に係る位置決め構造とほぼ同じであるため、以下は相違点のみを詳しく説明し、同一点は省略する。本開示の第2実施例に係る位置決め構造における補強層3は、硬質層31及び保護膜32を備え、硬質層31及び保護膜32はフレキシブル基板1の同じ側に敷設され、硬質層31の内周は位置決め穴2のエッジと重なり合い、保護膜32は硬質層31の位置決め穴2から離れた側に貼付され、保護膜32の一部又は全体は硬質層31を被覆する。
本開示一実施例では、硬質層31はリング状シートであり、硬質層31の内周は位置決め穴2のエッジと重なり合う。
本開示一実施例では、硬質層31の金属めっき層は銅箔である。
本開示一実施例では、硬質層31の金属めっき層はアルミ箔である。
本開示一実施例では、硬質層31はスプレーされた硬質コーティング層(hard coating)である。
本開示一実施例では、硬質層31の材質は補強層である。
本開示一実施例では、補強層の材質は被覆膜(Cover Film)、被覆層(Cover Lay)など絶縁保護効果及び補強効果を兼ねる材質を含むが、これに限ってはいない。また、理解すべきなのは、補強層の層数は少なくとも一層であり、具体的な層数及び各層の具体的な材質は実際の状況によって自由に設定することができる。
本開示一実施例では、保護膜32はさらに、硬質層31の酸化防止と、その後の表面処理のための被覆と、その後の表面実装技術(SMT)におけるソルダーマスクとしての役割を有する。
【0008】
実際に応用する場合、フレキシブル基板1に複数の位置決め穴2を設け、位置決め穴2が設けられたフレキシブル基板1の少なくとも一面の位置決め穴2の外周に硬質層31を敷設し、敷設された硬質層31の
位置決め穴2から離れた側に保護膜32を敷設する。なお、保護膜32の内周は硬質層31の内周に等しく、保護膜32の外周は硬質層31の外周より大きい。
【0009】
本開示の第2実施例に係る位置決め構造は、フレキシブル基板1に位置決め穴2を設け、位置決め穴2の外周に沿って補強層3を敷設し、補強層3は硬質層31及び保護膜32を備える。なお、硬質層31及び保護膜32はフレキシブル基板1の同じ側に敷設され、硬質層31の内周は位置決め穴2の外周と重なり合い、保護膜32は硬質層31の位置決め穴2から離れた側に貼付され、保護膜32の一部又は全体が硬質層31を被覆する。よって、位置決め穴2の強度を高める目的を実現し、外力の作用による位置決め穴2の不良な変形を防止して、位置決め穴2の不良な変形により位置決め穴2の位置決めの精度が低下してしまうことを避けることができる。
本開示一実施例では、補強層3は硬質層31のみを備え、保護膜32を備えない。硬質層31は、フレキシブル基板1に設置され、位置決め穴2の周囲の所定範囲内に配置され、硬質層31は位置決め穴2に揃った穴を有する。本開示の実施例に係る位置決め構造は、硬質層31を用いて位置決め穴2の強度を高める目的を実現し、外力の作用による位置決め穴2の不良な変形を防止することができる。
【0010】
図3は、本開示の第3実施例に係る位置決め構造の構造を示す模式図である。
図3に示すように、本開示の第3実施例に係る位置決め構造は、本開示の第1実施例に係る位置決め構造とほぼ同じであるため、以下は相違点のみを詳しく説明し、同一点は省略する。本開示の第3実施例に係る位置決め構造における補強層3は、硬質層31及び保護膜32を備え、硬質層31及び保護膜32はフレキシブル基板1の同じ側に敷設され、硬質層31の内周は位置決め穴2の外周と重なり合い、保護膜32の内周は硬質層31の外周と重なり合う。
本開示一実施例では、硬質層31はリング状シートであり、硬質層31の内周は位置決め穴2の外周と重なり合う。
本開示一実施例では、硬質層31の金属めっき層は銅箔である。
本開示一実施例では、硬質層31の金属めっき層はアルミ箔である。
本開示一実施例では、硬質層31はスプレーされた硬質コーティング層(hard coating)である。
【0011】
実際に応用する場合、フレキシブル基板1に複数の位置決め穴2を設け、位置決め穴2が設けられたフレキシブル基板1の少なくとも一面の位置決め穴2の外周に硬質層31を敷設し、敷設された硬質層31の
位置決め穴2から離れた側に保護膜32を敷設し、保護膜32の内周は硬質層31の外周に等しい。
【0012】
本開示の第3実施例に係る位置決め構造は、フレキシブル基板1に位置決め穴2を設け、位置決め穴2の外周に沿って補強層3を敷設し、補強層3は硬質層31及び保護膜32を備える。硬質層31及び保護膜32はフレキシブル基板1の同じ側に敷設され、硬質層31の内周は位置決め穴2の外周と重なり合い、保護膜32は硬質層31の位置決め穴2から離れた側に貼付され、保護膜32の内周が硬質層31の外周に等しくなるように設置される。よって、位置決め穴2の強度を高める目的を実現し、外力の作用下における位置決め穴2の不良な変形を防止し、位置決め穴2の不良変形により位置決め穴2の位置決めの精度が低下してしまうことを避けることができる。
【0013】
図4は、本開示の第4実施例に係る位置決め構造の構造を示す模式図である。
図4に示すように、本開示の第4実施例に係る位置決め構造は、本開示の第3実施例に係る位置決め構造とほぼ同じであるため、以下は相違点のみを詳しく説明し、同一点は省略する。本開示の第4実施例に係る位置決め構造の硬質層31は、位置決め穴2の外周に沿って均等にリング状に配置された、その内周が位置決め穴2の外周と重なり合う2つの半円リング状シートとして設置される。
本開示の第4実施例に係る位置決め構造は、フレキシブル基板1に位置決め穴2を設け、位置決め穴2の外周に沿って補強層3を敷設し、補強層3は硬質層31及び保護膜32を備える。硬質層31及び保護膜32はフレキシブル基板1の同じ側に敷設され、硬質層31は、位置決め穴2の外周に沿って均等にリング状に配置された、その内周が位置決め穴2のエッジと重なり合う二つの半円状シートとして設置され、保護膜32は硬質層31の位置決め穴2から離れる側に貼付され、かつ保護膜32の内周が硬質層31の外周に等しくなるように設置される。よって、位置決め穴2の強度を高める目的を実現し、外力の作用による位置決め穴2の不良な変形を防止し、位置決め穴2の不良な変形により位置決め穴2の位置決めの精度が低下してしまうことを避けることができる。
【0014】
図5は、本開示の第5実施例に係る位置決め構造の構造を示す模式図である。
図5に示すように、本開示の第5実施例に係る位置決め構造は、本開示の第3実施例に係る位置決め構造とほぼ同じであるため。以下は相違点のみを詳しく説明し、同一点は省略する。本開示の第5実施例に係る位置決め構造の硬質層31は、三つの扇形シートとして設置され、三つの扇形シートは位置決め穴2の外周に沿って均等にリング状に配置され、隣接する扇形シートの間に扇形ギャップを含み、三つの扇形シートの内周は位置決め穴2の外周と重なり合う。
本開示の第5実施例に係る位置決め構造は、フレキシブル基板1に位置決め穴2を設け、位置決め穴2の外周に沿って補強層3を敷設し、補強層3は硬質層31及び保護膜32を備える。硬質層31及び保護膜32はフレキシブル基板1の同じ側に敷設され、硬質層31は、位置決め穴2の外周に沿って均等にリング状に配置された、その内周が位置決め穴2のエッジと重なり合う三つの扇形シートとして設置され、保護膜32は硬質層31の位置決め穴2から離れた側に貼付され、かつ保護膜32の内周が硬質層31の外周に等しくなるように設置される。よって、位置決め穴2の強度を高める目的を実現し、外力の作用による位置決め穴2の不良な変形を防止し、位置決め穴2の不良な変形により位置決め穴2の位置決めの精度が低下してしまうことを避けることができる。
図6は、本開示の第6実施例に係る位置決め構造の構造を示す模式図である。
図6に示すように、本開示の第6実施例に係る位置決め構造は、本開示の第3実施例に係る位置決め構造とほぼ同じであるため、以下は相違点のみを詳しく重点に説明し、同一点は省略する。本開示の第6実施例に係る位置決め構造の硬質層31は、位置決め穴2の外周に沿って均等にリング状に配置される複数の円形シートとして設置される。
本開示の第6実施例に係る位置決め構造は、フレキシブル基板1に位置決め穴2を設け、位置決め穴2の外周に沿って補強層3を敷設し、補強層3は硬質層31及び保護膜32を備える。硬質層31及び保護膜32はフレキシブル基板1の同じ側に敷設され、硬質層31は、位置決め穴2の外周に沿って均等にリング状に配置された複数の円形シートとして設置され、保護膜32は硬質層31の位置決め穴2から離れた側に貼付され、かつ保護膜32の内周が硬質層31の外周に等しくなるように設置される。よって、位置決め穴2の強度を高める目的を実現し、外力の作用下における位置決め穴2の不良な変形を防止し、位置決め穴2の不良な変形により位置決め穴2の位置決めの精度が低下してしまうことを避けることができる。
理解すべきなのは、硬質層31の具体的な形状は、実際の状況によって自由に設定することができる。例えば、硬質層31は、複数のセグメントとしてもよく、硬質層31におけるセグメントの具体的な形状は実際の状況によって自由に設定することができ、本開示の上述の実施例に記載の形状に限っていない。例えば、硬質層31におけるセグメントの形状は、楕円形又は不規則な形とすることができる。
以上は本開示の好適な実施例に過ぎず、本開示の保護範囲を制限するためのものではない。本開示の精神及び原則内で行われる任意の修正、均等な置換や改良などはいずれも、本開示の保護範囲内に属するべきである。