特許第6871439号(P6871439)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6871439エレベータ制御装置およびエレベータのリニューアル支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6871439
(24)【登録日】2021年4月19日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】エレベータ制御装置およびエレベータのリニューアル支援方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 3/00 20060101AFI20210426BHJP
   B66B 5/00 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   B66B3/00 R
   B66B3/00 G
   B66B5/00 Z
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-3756(P2020-3756)
(22)【出願日】2020年1月14日
【審査請求日】2020年1月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 匠
【審査官】 三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−215019(JP,A)
【文献】 特開2019−151481(JP,A)
【文献】 特開2019−006564(JP,A)
【文献】 特開2002−179349(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 3/00−5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの用品ごとに、異常発生時の状況を示す異常時状況情報を記憶する異常時状況情報記憶部と、
前記エレベータの起動回数および前記用品ごとの使用環境の情報を取得し、取得した情報に基づいて、前記用品ごとの現在からの寿命を推定する用品寿命推定部と、
前記用品寿命推定部で推定された、前記用品ごとの寿命の情報を、前記エレベータに接続された表示装置に表示させる表示制御部と、
前記表示装置に前記用品ごとの寿命の情報が表示された後に、前記用品のいずれかについて、疑似的に異常発生時と同等の状況にするための異常時状況動作指示を取得すると、前記異常時状況情報記憶部から該当する用品の異常時状況情報を取得し、前記エレベータに、該当する状況にするための動作を実行させる動作制御部と、
を備えることを特徴とするエレベータ制御装置。
【請求項2】
前記用品寿命推定部で推定された前記用品ごとの寿命が、所定期間以下であるか否かをそれぞれ判定する寿命判定部をさらに備え、
前記表示制御部は、寿命判定部において、推定された寿命が所定期間以下であると判定された用品の情報を、前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項に記載のエレベータ制御装置。
【請求項3】
前記用品ごとに、前記用品寿命推定部で推定された寿命までの経過期間ごとに、寿命が近づく影響で起こりうる状況を予測する状況予測部をさらに備え、
前記動作制御部は、前記用品のいずれかについて、疑似的に所定期間経過後と同等の状況にするための期間経過時状況動作指示を取得すると、前記状況予測部で予測された、該当する用品の該当する経過期間後の状況にするための動作を実行させる
ことを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータ制御装置。
【請求項4】
前記用品ごとの保守に関する情報を入力する保守情報入力部をさらに備え、
前記用品寿命推定部は、前記エレベータの起動回数、使用環境、および前記保守情報入力部から入力された情報に基づいて、前記用品ごとの寿命を推定する
ことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のエレベータ制御装置。
【請求項5】
前記状況予測部で予測された情報に基づいて、前記用品ごとおよび寿命までの経過期間ごとに、他の用品に及ぼす作用を予測する作用予測部をさらに備え、
前記動作制御部は、前記用品のいずれかについて、前記期間経過時状況動作指示とともに、他の用品に及ぼす作用を確認するための作用確認指示を取得すると、前記状況予測部で予測された、該当する用品の該当する経過期間の状況にするための動作を実行させる際に、該当する用品の該当する期間経過時の他の用品に及ぼす作用を含めた動作を実行させる
ことを特徴とする請求項に記載のエレベータ制御装置。
【請求項6】
エレベータ制御装置が、
エレベータの用品ごとに、異常発生時の状況を示す異常時状況情報を記憶し、
前記エレベータの起動回数および前記用品ごとの使用環境の情報を取得し、取得した情報に基づいて、前記用品ごとの現在からの寿命を推定し、
推定された前記用品ごとの寿命の情報を、前記エレベータに接続された表示装置に表示させ、
前記表示装置に、前記用品ごとの寿命の情報が表示された後に、前記用品のいずれかについて、疑似的に異常発生時と同等の状況にするための異常時状況動作指示を取得すると、記憶した情報の中から該当する用品の異常時状況情報を取得し、前記エレベータに、該当する状況にするための動作を実行させる
ことを特徴とするエレベータのリニューアル支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エレベータ制御装置およびエレベータのリニューアル支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータには寿命があり、法定耐用年数は17年と定められている。そのため、この耐用年数が経過するまでに新たなエレベータにリニューアルをすることで、安全にエレベータを使用し続けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−184287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、使用期間中に点検や部品交換等を適宜行うことで、法定耐用年数を超えてもある程度は利用が可能である。そのため、管理者の故障に対する危機感が薄くなり、法定耐用年数を超えても使用し続けることがある。しかし、適正にエレベータを利用し続けるためには適切な時期にリニューアルを行うことが必要であるため、リニューアルに関する管理者の意識を向上させることが望まれていた。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、エレベータのリニューアルに関する、エレベータ管理者の意識を向上させるための支援を行う、エレベータ制御装置およびエレベータのリニューアル支援方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための実施形態によればエレベータ制御装置は、異常時状況情報記憶部と用品寿命推定部と表示制御部と動作制御部とを備える。異常時状況情報記憶部は、エレベータの用品ごとに、異常発生時の状況を示す異常時状況情報を記憶する。用品寿命推定部は、前記エレベータの起動回数および前記用品ごとの使用環境の情報を取得し、取得した情報に基づいて、前記用品ごとの現在からの寿命を推定する。表示制御部は、前記用品寿命推定部で推定された、前記用品ごとの寿命の情報を、前記エレベータに接続された表示装置に表示させる。動作制御部は、前記表示装置に前記用品ごとの寿命の情報が表示された後に、前記用品のいずれかについて、疑似的に異常発生時と同等の状況にするための異常時状況動作指示を取得すると、前記異常時状況情報記憶部から該当する用品の異常時状況情報を取得し、前記エレベータに、該当する状況にするための動作を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態によるエレベータ制御装置を利用したエレベータの構成を示す全体図。
図2】第1実施形態によるエレベータ制御装置の動作を示すフローチャート。
図3】第2実施形態によるエレベータ制御装置を利用したエレベータの構成を示す全体図。
図4】第2実施形態によるエレベータ制御装置の動作を示すフローチャート。
図5】第3実施形態によるエレベータ制御装置を利用したエレベータの構成を示す全体図。
図6】第3実施形態によるエレベータ制御装置の動作を示すフローチャート。
図7】第4実施形態によるエレベータ制御装置を利用したエレベータの構成を示す全体図。
図8】第5実施形態によるエレベータ制御装置を利用したエレベータの構成を示す全体図。
図9】第5実施形態によるエレベータ制御装置の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
《第1実施形態》
〈第1実施形態によるエレベータ制御装置を利用したエレベータの構成〉
本発明の第1実施形態によるエレベータ制御装置を利用したエレベータの構成について、図1を参照して説明する。本実施形態によるエレベータ1Aは、建物内の昇降路2上部に設置された巻き上げ機3と、巻き上げ機3にロープ4で吊り下げられ、昇降路2内を走行する乗りかご5と、乗りかご5にテールコード6を介して接続されるとともに巻き上げ機3に信号線で接続されたエレベータ制御装置7Aとを備える。
【0009】
乗りかご5は、エレベータの管理人および利用者が各種操作を行うためのかご内操作盤51と、かご内表示装置52とを有する。かご内操作盤51は、物理ボタンやタッチパネルで構成され、利用者や管理者が操作することでエレベータ制御装置7Aに対して信号を出力する。かご内表示装置52は、液晶インジケータやドットマトリックスインジケータ等で構成され、エレベータ制御装置7Aから出力された情報を表示する。
【0010】
エレベータ制御装置7Aは、起動回数計測部701と、使用環境判定部702と、用品寿命推定部703と、操作情報取得部704と、表示制御部705と、異常時状況情報記憶部706と、運転モード切替部707と、動作制御部708とを有する。
【0011】
起動回数計測部701は、エレベータ1Aが停止状態(未応答の呼び登録がなくなり乗りかご5が乗り捨てられた状態)から走行状態に移行するために起動した回数を計数する。使用環境判定部702は、エレベータ1Aの用品ごとの使用環境を示す情報を判定する。用品とは、エレベータ1Aを構成する用品であり、例えばロープ4や巻き上げ機3のブレーキ等、定期的な保守点検時に交換しないが、寿命がくるとエレベータ1Aの運転に影響を与えるものを含む。使用環境とは例えば、該当する用品が設置されている箇所の温度や湿度、塩分濃度等である。
【0012】
用品寿命推定部703は、起動回数計測部701で計測されたエレベータ1Aの起動回数と、使用環境判定部702で判定された各用品の使用環境の情報に基づいて、用品ごとの現在からの寿命を推定する。寿命の推定処理は、過去に発生した故障時のデータを参照して実行してもよいし、アレニウスモデル等の計算により推定処理を実行してもよい。
【0013】
操作情報取得部704は、エレベータ1Aの管理者による操作情報を取得する。表示制御部705は、用品寿命推定部703で推定された用品ごとの寿命の情報等を、かご内表示装置52に表示させる。異常時状況情報記憶部706は、用品ごとに、異常発生時のエレベータ1Aの状況を示す異常時状況情報を記憶する。異常時状況情報としては例えば、巻き上げ機3で異常が発生した際に起こる乗りかご5内への利用者の閉じ込めや、着床検出センサで異常が発生した際に起こる乗りかご5の着床位置のずれ等がある。
【0014】
運転モード切替部707は、動作制御部708によるエレベータ1Aの運転モードを、通常運転モードと、疑似的に所定用品の異常発生時と同等の状況にするため運転を行う疑似運転モードとで切り替える。動作制御部708は、通常時は通常運転モードでエレベータ1A内の機器を制御し、運転モード切替部707により疑似運転モードに切り替えられると、異常時状況情報記憶部706から該当する用品の異常時状況情報を取得し、該当する状況にするための動作を実行させる。
【0015】
〈第1実施形態によるエレベータ制御装置を利用したエレベータの動作〉
次に、本実施形態によるエレベータ1Aの動作について、図2のフローチャートを参照して説明する。エレベータ1Aの通常運転モードによる運転時に(S1)、管理者がかご内操作盤51で、用品ごとの寿命情報の表示を要求する操作を行うと、エレベータ制御装置7Aの操作情報取得部704において当該操作情報が取得される。操作情報取得部704で当該操作情報が取得されると(S2の「YES」)、表示制御部705により用品寿命推定部703で推定された用品ごとの寿命の情報が取得され、かご内表示装置52に表示される(S3)。
【0016】
表示された情報を管理者が視認し、いずれかの用品、例えば寿命が短いことが予測されている用品を指定して、疑似的に異常発生時と同等の状況にするための異常時状況動作指示操作をかご内操作盤51で行うと、操作情報取得部704において当該操作の情報が取得される。操作情報取得部704で当該異常時状況動作指示操作の情報が取得されると(S4の「YES」)、運転モード切替部707により、動作制御部708の動作が通常運転モードから疑似運転モードに切り替えられる(S5)。
【0017】
疑似運転モードに切り替えられると、動作制御部708により、当該異常時状況動作指示操作時に指定された用品の異常時状況情報が異常時状況情報記憶部706から取得され、該当する動作が実行される(S6)。該当する動作として例えば、一時的に安全回路を遮断して故障状態にすることで乗りかご5内の利用者の閉じ込めを発生させる動作や、乗りかご5の着床位置のずれを発生させて利用者に不都合な状況にする動作などがある。
【0018】
その後、管理者によりかご内操作盤51で疑似運転モードの終了を指示する操作が行われたかまたは、予め設定された期間が経過すると(S7の「YES」)、運転モード切替部707により、動作制御部708の動作が通常運転モードに切り替えられ(S8)、ステップS1に戻る。
【0019】
ステップS4において、かご内表示装置52に用品ごとの寿命情報が表示された後、管理者により異常発生時の動作を要求する操作が行われずに(S4の「NO」)、かご内操作盤51で表示終了を指示する操作が行われたかまたは予め設定された一定期間が経過すると(S9の「YES」)、表示を終了させ(S10)、ステップS1に戻る。この一定期間の計測は、ステップS2において用品ごとの寿命情報の表示を要求する操作が行われた時点から開始してもよいし、寿命情報が表示された時点から開始してもよい。
【0020】
以上の第1実施形態によれば、エレベータの管理者が、簡易な操作で、エレベータの用品に異常が発生した際の動作を体験することができ、エレベータのリニューアルに関するエレベータ管理者の意識を向上させることができる。
【0021】
《第2実施形態》
〈第2実施形態によるエレベータ制御装置を利用したエレベータの構成〉
本発明の第2実施形態によるエレベータ制御装置7Bを利用したエレベータの構成について、図3を参照して説明する。本実施形態によるエレベータ1Bは、エレベータ制御装置7Bが寿命判定部709を有する他は、第1実施形態で説明したエレベータ1Aの構成と同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
【0022】
本実施形態において寿命判定部709は、用品寿命推定部703で推定された各用品の寿命が、所定期間以下であるか否かをそれぞれ判定する。表示制御部705は、寿命判定部709において、推定された寿命が所定期間以下であると判定された用品の情報を、かご内表示装置52に表示させる。
【0023】
〈第2実施形態によるエレベータ制御装置を利用したエレベータの動作〉
次に、本実施形態によるエレベータ1Aの動作について、図4のフローチャートを参照して説明する。本実施形態においてエレベータ1Aの通常運転モードによる運転時には(S11)、エレベータ制御装置7Bの寿命判定部709において所定期間ごとに、用品寿命推定部703で推定された各用品の寿命がそれぞれ、所定期間以下であるか否かが監視される。そして、寿命が所定期間以下の用品があると判定されると(S12の「YES」)、管理者の操作の有無に関わらず、当該用品に関し、推定された寿命の情報がかご内表示装置52に表示される(S14)。
【0024】
また、ステップS12で寿命が所定期間以下の用品がないと判定されているときに(S12の「NO」)、管理者によりかご内操作盤51で、用品ごとの寿命情報の表示を要求する操作が行われると(S13の「YES」)、推定された用品ごとの寿命の情報がかご内表示装置52に表示される(S14)。
【0025】
以降、ステップS15〜S21で実行される処理は、第1実施形態で説明したステップS4〜S10の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0026】
以上の第2実施形態によれば、エレベータ用品のいずれかの推定寿命が所定期間以下になったときには、該当する情報を強制的にかご内表示装置に表示させることで、エレベータのリニューアルに関するエレベータ管理者の意識をさらに向上させることができる。
【0027】
《第3実施形態》
〈第3実施形態によるエレベータ制御装置を利用したエレベータの構成〉
本発明の第3実施形態によるエレベータ制御装置7Cを利用したエレベータの構成について、図5を参照して説明する。本実施形態によるエレベータ1Cは、エレベータ制御装置7Cが状況予測部710を有する他は、第2実施形態で説明したエレベータ1Bの構成と同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
【0028】
本実施形態において状況予測部710は、用品ごとに、用品寿命推定部703で推定された寿命までの経過期間ごと、例えば寿命が3年の用品について現在から1年経過ごと(1年後、2年後、および3年後)に、寿命が近づく影響で起こりうる状況を予測する。寿命が近づく影響で起こりうる状況としては例えば、乗りかご5内の照明装置(図示せず)の明るさが、1年後は半減、2年後は点滅、3年後は寿命につき消灯等が予測される。
【0029】
動作制御部708は、用品のいずれかについて、疑似的に所定期間経過後と同等の状況にするための期間経過時状況動作指示を取得すると、状況予測部710で予測された、該当する用品の該当する経過期間後の状況にするための動作を実行させる。
【0030】
〈第3実施形態によるエレベータ制御装置を利用したエレベータの動作〉
次に、本実施形態によるエレベータ1Cの動作について、図6のフローチャートを参照して説明する。本実施形態において、ステップS31〜S34で実行される処理は、第2実施形態で説明したステップS11〜S14の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0031】
ステップS34において用品ごとの寿命の情報がかご内表示装置52に表示された後、管理者によりいずれかの用品を指定する操作が行われると(S35の「YES」)、現在から当該用品の寿命までの間の経過年数ごとの情報(1年後、2年後、および3年後)が表示制御部705によりかご内表示装置52に表示される(S36)。
【0032】
表示された情報を管理者が視認し、いずれかの経過年数を指定して、疑似的に当該年数経過時と同等の状況のするための期間経過時動作指示操作をかご内操作盤51で行うと、操作情報取得部704において当該操作の情報が取得される。操作情報取得部704で当該期間経過時動作指示操作の情報が取得されると(S37の「YES」)、運転モード切替部707により、動作制御部708の動作が通常運転モードから疑似運転モードに切り替えられる(S38)。
【0033】
疑似運転モードに切り替えられると、動作制御部708により、当該期間経過時動作指示操作時に指定された経過年数について、状況予測部710で予測された状況情報が取得され、該当する状況にするための動作が実行される(S39)。該当する状況のするための動作としては例えば、乗りかご5内の照明の照度を下げる動作などがある。
【0034】
その後、管理者によりかご内操作盤51で疑似運転モードの終了を指示する操作が行われたかまたは、予め設定された期間が経過すると(S40の「YES」)、運転モード切替部707により、動作制御部708の動作が通常運転モードに切り替えられ(S41)、ステップS31に戻る。
【0035】
ステップS34において、かご内表示装置52に用品ごとの寿命情報が表示されてから、管理者によりいずれかの用品を指定する操作が行われずに(S35の「NO」)、かご内操作盤51で表示終了を指示する操作が行われたかまたは予め設定された一定期間が経過すると(S42の「YES」)、表示を終了させ(S43)、ステップS31に戻る。
【0036】
また、ステップS36において、かご内表示装置52に寿命までの経過年数が表示されてから、管理者により期間経過時動作実行指示操作が行われずに(S37の「NO」)、かご内操作盤51で表示終了を指示する操作が行われたかまたは予め設定された一定期間が経過すると(S42の「YES」)、表示を終了させ(S43)、ステップS31に戻る。この一定期間の計測は、ステップS35においていずれかの用品を指定する操作が行われてから開始してもよいし、寿命までの経過年数が表示された時点から開始してもよい。
【0037】
以上の第3実施形態によれば、エレベータの管理者が、簡易な操作で、エレベータ用品の寿命が近づいたときの動作を体験することができ、エレベータのリニューアルに関するエレベータ管理者の意識を向上させることができる。
【0038】
《第4実施形態》
〈第4実施形態によるエレベータ制御装置を利用したエレベータの構成〉
本発明の第4実施形態によるエレベータ制御装置を利用したエレベータの構成について、図7を参照して説明する。本実施形態によるエレベータ1Dは、エレベータ制御装置7Dが保守情報入力部711を有する他は、第3実施形態で説明したエレベータ1Cの構成と同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
【0039】
本実施形態において保守情報入力部711は、管理者の操作等により、用品ごとの保守に関する情報、例えば部品交換や清掃の実施等の情報を入力する。用品寿命推定部703は、エレベータの起動回数、使用環境、および保守情報入力部711から入力された情報に基づいて、用品ごとの寿命を推定する。
【0040】
〈第4実施形態によるエレベータ制御装置を利用したエレベータの動作〉
本実施形態によるエレベータ1Dの動作は、第3実施形態で説明した図6のフローチャートで示す動作と同様であるため、詳細な説明は省略する。本実施形態では、ステップS34でかご内表示装置52に表示させる情報として、エレベータの起動回数、使用環境、および保守情報入力部711から入力された情報に基づいて用品寿命推定部703で推定された用品ごとの寿命の情報が表示制御部705により取得され、かご内表示装置52に表示される。
【0041】
以上の第4実施形態によれば、用品の保守情報も考慮して推定された精度の高い寿命情報を管理者に提供するため、管理者はリニューアルの検討が必要な用品を適切に判断することができる。
【0042】
《第5実施形態》
〈第5実施形態によるエレベータ制御装置を利用したエレベータの構成〉
本発明の第5実施形態によるエレベータ制御装置7Eを利用したエレベータの構成について、図8を参照して説明する。本実施形態によるエレベータ1Eは、エレベータ制御装置7Eが作用予測部712を有する他は、第4実施形態で説明したエレベータ1Eの構成と同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
【0043】
本実施形態において作用予測部712は、状況予測部710で予測された情報に基づいて、用品ごとおよび寿命までの経過期間ごとに、他の用品に及ぼす作用を予測する。例えば、ガイドシューが2年後には摩耗してガイドシューが走るレール部分に傷が発生するという状況予測に基づいて、乗りかご5(他の用品)の走行時の揺れが大きくなることが予測される。
【0044】
動作制御部708は、用品のいずれかについて、期間経過時状況動作指示とともに、他の用品に及ぼす作用を確認するための作用確認指示を取得すると、状況予測部710で予測された、該当する用品の該当する経過期間の状況にするための動作を実行させる際に、該当する用品の該当する期間経過時の他の用品に及ぼす作用を含めた動作を実行させる。
【0045】
〈第5実施形態によるエレベータ制御装置を利用したエレベータの動作〉
次に、本実施形態によるエレベータ1Eの動作について、図9のフローチャートを参照して説明する。本実施形態において、ステップS51〜S56で実行される処理は、第4実施形態で説明したステップS31〜S36の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0046】
ステップS56において該当用品の寿命までの間の経過年数ごとの情報が表示された後、管理者によりいずれかの経過年数を指定する操作が行われると(S57の「YES」)、表示制御部705により、当該用品の当該経過年数について状況予測部710で予測された、他の用品に及ぼす作用の情報がかご内表示装置52に表示される。また、当該他の用品に及ぼす作用の情報とともに、疑似運転モードによる運転動作に当該作用を含めるか否かを問い合わせる情報が、かご内表示装置52に表示される(S58)。
【0047】
表示された情報を管理者が視認し、疑似運転モードによる運転動作に当該作用を含めることを指示する操作を行うと、操作情報取得部704において当該操作の情報が取得される。操作情報取得部704で当該指示操作の情報が取得されると(S59の「YES」)、運転モード切替部707により、動作制御部708の動作が通常運転モードから疑似運転モードに切り替えられる(S60)。
【0048】
疑似運転モードに切り替えられると、動作制御部708により、当該期間経過時動作指示操作時に指定された経過年数について、状況予測部710で予測された当該用品の状況情報が取得されるとともに、作用予測部712で予測された他の用品に及ぼす作用の情報が取得される。そして、他の用品に及ぼす作用を含めて、該当する状況にするための動作が実行される(S61)。例えば、ガイドシューの傷の発生時の状況と同等の状況として異音を発生させるとともに、ガイドシューの傷による乗りかご5の揺れを生じさせて走行させる。
【0049】
その後、管理者によりかご内操作盤51で疑似運転モードの終了を指示する操作が行われたかまたは、予め設定された期間が経過すると(S62の「YES」)、運転モード切替部707により、動作制御部708の動作が通常運転モードに切り替えられ(S63)、ステップS51に戻る。
【0050】
ステップS54において、かご内表示装置52に用品ごとの寿命情報が表示されてから、管理者によりいずれかの用品を指定する操作が行われずに(S55の「NO」)、かご内操作盤51で表示終了を指示する操作が行われたかまたは予め設定された一定期間が経過すると(S64の「YES」)、表示を終了させ(S65)、ステップS51に戻る。
【0051】
また、ステップS56において、かご内表示装置52に寿命までの経過年数が表示されてから、管理者により期間経過時動作実行指示操作が行われずに(S57の「NO」)、かご内操作盤51で表示終了を指示する操作が行われたかまたは予め設定された一定期間が経過すると(S64の「YES」)、表示を終了させ(S65)、ステップS31に戻る。
【0052】
また、ステップS59において、疑似運転モードによる運転動作に当該作用を含めないことを指示する操作を行うと、操作情報取得部704において当該操作の情報が取得される。操作情報取得部704で当該指示操作の情報が取得されると(S59の「NO」)、運転モード切替部707により、動作制御部708の動作が通常運転モードから疑似運転モードに切り替えられる(S66)。
【0053】
疑似運転モードに切り替えられると、動作制御部708により、当該期間経過時動作指示操作時に指定された経過年数について、状況予測部710で予測された状況情報が取得され、該当する状況にするための動作が実行される(S67)。
【0054】
その後、管理者によりかご内操作盤51で疑似運転モードの終了を指示する操作が行われたかまたは、予め設定された期間が経過すると(S62の「YES」)、運転モード切替部707により、動作制御部708の動作が通常運転モードに切り替えられ(S63)、ステップS51に戻る。
【0055】
以上の第5実施形態によれば、エレベータ用品の寿命が近づいたときの動作として、他の用品に及ぼす作用を考慮した動作を体験することができ、エレベータのリニューアルに関するエレベータ管理者の意識をさらに向上させることができる。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
1A,1B,1C,1D,1E…エレベータ、2…昇降路、3…巻き上げ機、4…ロープ、5…乗りかご、6…テールコード、7A,7B,7C,7D,7E…エレベータ制御装置、51…かご内操作盤、52…かご内表示装置、701…起動回数計測部、702…使用環境判定部、703…用品寿命推定部、704…操作情報取得部、705…表示制御部、706…異常時状況情報記憶部、707…運転モード切替部、708…動作制御部、709…寿命判定部、710…状況予測部、711…保守情報入力部、712…作用予測部
【要約】      (修正有)
【課題】エレベータのリニューアルに関する、エレベータ管理者の意識を向上させるための支援を行う、エレベータ制御装置およびエレベータのリニューアル支援方法を提供する。
【解決手段】実施形態によればエレベータ制御装置7Aは、異常時状況情報記憶部706と動作制御部708とを備える。異常時状況情報記憶部706は、エレベータの用品ごとに、異常発生時の状況を示す異常時状況情報を記憶する。動作制御部708は、用品のいずれかについて、疑似的に異常発生時と同等の状況にするための異常時状況動作指示を取得すると、異常時状況情報記憶部706から該当する用品の異常時状況情報を取得し、エレベータに、該当する状況にするための動作を実行させる。
【選択図】図1
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