(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、炭酸塩系アルカリ性洗剤と界面活性剤の組み合わせとを使用しながら、適切な洗浄性能とすすぎ性能とを提供する、2−イン−1工業用アルカリ洗浄組成物に関する。例示的な実施態様において、非イオン性界面活性剤は、飲用水で効果的な水性すすぎ剤を生成する。本発明の実施態様は特定のアルカリ性洗剤に限定されず、これらは変動することができ、本明細書に提供される開示に基づいて当業者が理解することができる。本明細書で使用される全ての専門用語は、特定の実施態様を説明することのみを目的とし、いかなる方法又は範囲を限定するものではないことを理解すべきである。例えば、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、特に別の指定がなければ、単数形「a」、「an」、及び「the」は複数の対象を含むことができる。さらに、全ての単位、接頭語、及び記号は、そのSI許容形で表わすことができる。
【0016】
本明細書内に記載の数値範囲は、その範囲を画定する数値を含み、画定された範囲内の各整数を含む。本開示を通して、本発明の種々の態様が範囲形式で提示されている。範囲形式の記載は、単に利便性と簡潔性のためであり、本発明の範囲の融通の利かない限定と解釈されるべきではない。従って、範囲の記載は、具体的には範囲内の全ての可能な下位範囲並びに個々の数値を有すると考えるべきである。例えば、1〜6などの範囲の記載は、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6などの開示された下位範囲、並びに範囲内の個々の数値、例えば1、2、3、4、5、及び6を有すると考えるべきである。これは範囲の広さに関係なく適用される。
【0017】
本発明がより容易に理解できるように、まずいくつかの用語を定義する。特に別の指定がなければ、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明の実施態様が関係する分野の当業者により通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと同様の、変更された、又はこれに相当する多くの方法及び材料は、過度の実験をすることなく、本発明の実施態様の実施において使用することができ、好適な材料及び方法が記載されている。本発明の実施態様の説明と特許請求において、以下の用語は後述の定義に従って使用されるであろう。
【0018】
本明細書で使用される用語「約」は、現実の世界で濃縮物又は使用溶液を作成するために使用される典型的な測定及び液体処理操作により;これらの操作中の不注意なエラーにより;組成物を作成するか又は方法を実施するために使用される成分の製造、供給源、又は純度の差異などにより発生し得る数量の変動を指す。用語「約」はまた、特定の初期混合物から得られる組成物についての、異なる平衡条件のために異なる量を包含する。用語「約」により修飾されても又はされなくても、特許請求の範囲は、量の均等物を含む。
【0019】
用語「活性物質」又は「パーセント活性物質」又は「重量パーセント活性物質」又は「活性物質の濃度」は、本明細書において同義に使用され、水又は塩などの不活性成分を引いたパーセントとして表される、洗浄に関連するこれらの成分の濃度を指す。
【0020】
本明細書において用語「アルキル」は、S、O、Si、又はNから独立して選択される1種以上のヘテロ原子置換基を任意に含有する、直鎖又は分枝鎖の1価炭化水素基を指す。アルキル基は一般に、1〜20個の原子を有するものを含む。アルキル基は、置換されていなくてもよく、又は組成物の特定の機能を妨害しない置換基で置換されていてもよい。置換基としては、例えば、アルコキシ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、アルキル置換アミノ、又はハロが挙げられる。本明細書において使用される「アルキル」の例としては、特に限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、イソブチル、イソプロピル、及びC8〜C20アルキル鎖などが挙げられる。さらに「アルキル」としては、「アルキレン」、「アルケニレン」、又は「アルキニレン」が挙げられる。
【0021】
本明細書において用語「アルキレン」は、S、O、Si、又はNから独立して選択される1種以上のヘテロ原子置換基を任意に含有する、直鎖又は分枝鎖の2価炭化水素基を指す。アルキレン基は一般に、1〜20個の原子を有するものを含む。アルキレン基は、置換されていなくてもよく、又は組成物の特定の機能を妨害しない置換基で置換されていてもよい。置換基としては、例えば、アルコキシ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、アルキル置換アミノ、又はハロが挙げられる。本明細書において使用される「アルキレン」の例としては、特に限定されないが、メチレン、エチレン、プロパン−1,3−ジイル、プロパン−1,2−ジイルなどが挙げられる。
【0022】
本明細書において用語「アルケニレン」は、1つ以上の炭素−炭素2重結合を有し、S、O、Si、又はNから独立して選択される1種以上のヘテロ原子置換基を任意に含有する、直鎖又は分枝鎖の2価炭化水素基を指す。アルケニレン基は一般に、1〜20個の原子を有するものを含む。アルケニレン基は、置換されていなくてもよく、又は組成物の特定の機能を妨害しない置換基で置換されていてもよい。置換基としては、例えば、アルコキシ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、アルキル置換アミノ、又はハロが挙げられる。本明細書において用語「アルキリン」は、1つ以上の炭素−炭素3重結合を有し、S、O、Si、又はNから独立して選択される1種以上のヘテロ原子置換基を任意に含有する、直鎖又は分枝鎖の2価炭化水素基を指す。アルキリン基は一般に、1〜20個の原子を有するものを含む。アルケニレン基は、置換されていなくてもよく、又は組成物の特定の機能を妨害しない置換基で置換されていてもよい。置換基としては、例えば、アルコキシ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、アルキル置換アミノ、又はハロが挙げられる。
【0023】
本明細書において用語「アルコキシ」は、−O−アルキルを指し、ここでアルキルは上記で定義したものである。本明細書において用語「洗浄」は、汚れ除去、漂白、微生物群の減少、及びそれらの任意の組み合わせを促進又は補助するために使用される方法を指す。
【0024】
本明細書において用語「一般に安全と認められる(generally recognized as safe)」すなわち「GRAS」は、21 C.F.R. 第1章、§170.38及び/又は570.38に定義されているように、直接人による食料消費のため、又は現行の用途の製造管理及び品質管理に関する基準(good manufacturing practice )条件に基づく成分として、米国食品医薬品局(FDA)により安全であると分類されている成分を指す。
【0025】
本明細書において用語「汚れ」又は「ステイン」は、例えば、特に限定されないが、鉱物粘土、砂、天然鉱物質、カーボンブラック、グラファイト、カオリン、環境塵、及び食品の汚れ、例えばポリフェノール、デンプン、タンパク質、油脂などの粒状材料を含んでも含まなくてもよい、極性又は非極性物質を指す。
【0026】
本明細書において用語「実質的に含まない」は、その成分を完全に欠くか、又は組成物の性能に影響を与えないような少量の成分を有する組成物を指す。成分は、不純物として又は混入物として存在することがあり、0.5重量%未満でなければならない。別の実施態様において成分の量は0.1重量%未満であり、さらに別の実施態様において成分の量は0.01重量%未満である。
【0027】
用語「実質的に同様の洗浄性能」は、一般に同程度(若しくは少なくとも有意に低くはない程度)の清潔さの、又は一般に同程度(若しくは少なくとも有意に少なくない程度)の努力を伴う、又はこれらの両方である、代替洗浄物質又は代替洗浄システムを指す。
【0028】
用語「閾値剤(threshold agent)」とは、溶液からの水の硬度イオンの結晶化を阻害するが、しかしながら水の硬度イオンと特定の複合体を形成する必要のない化合物を指す。閾値剤は、特に限定されないが、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、オレフィン/マレイン酸コポリマーなどを含む。
【0029】
本明細書において用語「食器類(ware)」は、食事器具や調理器具、及び皿を指す。本明細書において用語「食器洗浄」という用語は、食器類を洗浄すること、クリニーングすること、又はすすぐことを指す。食器類は、プラスチック性の物品もまた指す。本発明に係る組成物を用いて洗浄できるプラスチックの種類としては、特に限定されないが、ポリカーボネートポリマー(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンポリマー(ABS)、ポリスルホンポリマー(PS)が挙げられる。本発明の化合物及び組成物を使用して洗浄できる他のプラスチック例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びメラミン樹脂からのプラスチックが挙げられる。
【0030】
用語「重量パーセント(weight percent)」、「wt%」、「重量パーセント(percent by weight)」、「重量%」、及びこれらの変形は、その物質の重量を組成物の総重量で割って100を掛けたものとして、その物質の濃度を示す。本明細書において「パーセント」、「%」などは、「重量%」、「wt%」などと同義であることが意図されている。
【0031】
本発明の方法及び組成物は、本発明の構成要素及び成分、並びに本明細書に記載の他の成分を含むか、これらから本質的になるか、又はこれらからなることができる。本明細書において「から本質的になる」とは、追加の工程、構成要素、又は成分が、特許請求される方法及び組成物の基本的かつ新規な特徴を実質的に変更しない限りにおいて、方法及び組成物が、追加の工程、構成要素又は成分を含むことができることを意味する。
【0032】
アルカリ性2−イン−1洗剤組成物
アルカリ源
アルカリ性洗剤組成物はアルカリ源を含む。アルカリ源は、アルカリ金属炭酸塩を含む。適切なアルカリ源の例としては、特に限定されないが、アルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、及びこれらの混合物が挙げられる。ある態様において、アルカリ性洗剤組成物は、水酸化物アルカリ源を含まない。水を洗剤組成物に添加して使用溶液を作成したとき、アルカリ源は使用溶液のpHを制御する。使用溶液のpHは、十分な清浄性を提供するために、アルカリ性の範囲に維持されなければならない。ある実施態様において、使用溶液のpHは約9〜約12である。特に、使用溶液のpHは約9.5〜約11.5である。
【0033】
ある実施態様においてアルカリ源は、水和性塩として機能して、固体組成物を形成することもできる。水和性塩は、実質的に無水と見なすこともできる。実質的に無水とは、水和性構成要素の重量に基づいて、構成要素に含まれる水が約2重量%未満であることを意味する。水の量は、約1重量%未満でもよく、約0.5重量%未満でもよい。当業者が認めるように、水和性塩が完全に無水である必要性は無い。ある実施態様において、アルカリ源を水和する水和水(すなわち水和性塩)もある。水への言及は、水和水と自由水の両方を含むことを理解すべきである。用語「水和水」は、非水分子に何らかのかたちで引力的に結合している水を指す。引力の例示的な形態としては、水素結合が挙げられる。水和水はまた、処理及び冷却中に混合物の粘度を上昇させ、構成要素の分離を防止するように機能する。洗剤組成物中の水和水の量は、アルカリ源/水和性塩に依存するであろう。水和水に加えて、洗剤組成物は、非水分子に引力的に結合していない自由水もまた有しすることがある。
【0034】
ある態様において、アルカリ性洗剤組成物は、約10重量%〜95重量%のアルカリ源、約25重量%〜90重量%のアルカリ源、約40重量%〜85重量%のアルカリ源、好ましくは約45重量%〜75重量%のアルカリ源を含む。さらに、本発明において限定されないが、記載の全ての範囲はその範囲を画定する数値を含み、画定された範囲内の各整数を含む。
【0035】
界面活性剤
本発明に係る2−イン−1アルカリ性組成物は、界面活性剤の組み合わせを使用して、良好な洗浄性能とすすぎ性能とを提供する。ある実施態様において、アルカリ性洗剤組成物の界面活性剤は、少なくとも2つの非イオン性界面活性剤を含む。ある実施態様において非イオン性界面活性剤は、アルコールアルコキシレートとアルキルアルコキシレートを含む。さらなる実施態様において非イオン性界面活性剤は、アルコールアルコキシレート、アルキルアルコキシレート、EO/POコポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。ある態様において、アルカリ性洗剤組成物は、約0.1重量%〜30重量%の界面活性剤、約0.1重量%〜25重量%の界面活性剤、約0.1重量%〜20重量%の界面活性剤、約1重量%〜15重量%の界面活性剤、約1重量%〜10重量%の界面活性剤、及び好ましくは約5重量%〜10重量%の界面活性剤を含む。さらに、本発明において限定されないが、記載の全ての範囲はその範囲を画定する数値を含み、画定された範囲内の各整数を含む。
【0036】
いくつかの実施態様において、アルコールアルコキシレートとアルキルアルコキシレートとの比率は、約1:5〜約5:1、約1:3〜約3:1、約1:2〜約2:1、及び好ましくは約1:1である。例示的な実施態様において、非イオン性界面活性剤は、アルキルアルコキシレートとアルコールアルコキシレートとを、約1:1、約1:5〜約5:1、約1:3〜約3:1、又は約1:2〜約2:1の比率で含む。好適な態様においてアルカリ性洗剤組成物は、アルキルアルコキシレートとアルコールアルコキシレートとを約1:1の比率で含む。
【0037】
アルコールアルコキシレート
本発明に係る2−イン−1アルカリ性組成物は、アルコールアルコキシレートを含む少なくとも2つの非イオン性界面活性剤を使用する。適切なアルコールアルコキシレートは、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、及びこれらの混合物を含む。特に、適切なアルコールアルコキシレートは、約1〜約30モルのアルキルオキサイドと、約4〜約20個の炭素の長さの炭素基を有することができる。好適な実施態様においてアルコールエトキシレートは、約10〜約40モルのアルキルオキサイドを有するC8〜C18アルコールアルコキシレートでもよい。より好適な実施態様においてアルコールアルコキシレートは、約10〜約30モルのアルキルオキサイドを有するC8〜C16アルコールアルコキシレートでもよい。さらにより好適な実施態様においてアルコールアルコキシレートは、約15〜約25モルのアルキルオキサイドを有するC10〜C12アルコールアルコキシレートでもよい。好適なアルコールアルコキシレートの例は、ブランドSurfonic(Huntsmanから入手可能)、Rhodasurf(Rhodiaから入手可能)、Novel(Sasol社から入手可能)、Lutensol(BASFから入手可能)で入手可能である。
【0038】
本発明のある態様において、アルカリ性洗剤組成物は、約0.1重量%〜約0.15重量%のアルコールアルコキシレート、約0.1重量%〜約10重量%のアルコールアルコキシレート、約0.1重量%〜約7重量%のアルコールアルコキシレート、又は約1重量%〜約49重量%のアルコールアルコキシレートを含む。
【0039】
アルキルアルコキシレート
本発明に係る2−イン−1アルカリ性組成物は、アルキルアルコキシレートを使用する。エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド誘導体を有するアルキルアルコキシレートは、アルカリ性組成物のために特に適している。他の実施態様においてアルキルアルコキシレートは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、ペンタレンオキサイド、ヘキシレンオキサイド、ヘプタレンオキサイド、オクタレンオキサイド、ノナレンオキサイド、デシレンオキサイド、及びこれらの混合物を含む。アルキル基は、C8〜C18の直鎖又は分枝鎖であることができる。
【0040】
本発明のある実施態様においてアルキルアルコキシレートは、EO/POコポリマーであることができる。EO/POコポリマーは、約1〜約50モルのEOと、約1〜約50モルのPOとを有することができる。好適な実施態様において、EO/POコポリマーはブロックポリマーである。本発明の別の態様において、EO/POコポリマーは、C8〜C18アルキル基及びいかなるアルキル基も含有しない。
【0041】
これらのEO/POコポリマー界面活性剤は、EO及びPO基が小さなブロック形態であるか又はランダム形態であるコンパクトなアルコールEO/PO界面活性剤を含むことができる。他の実施態様においてアルキルアルコキシレートは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、ペンタレンオキサイド、ヘキシレンオキサイド、ヘプタレンオキサイド、オクタレンオキサイド、ノナレンオキサイド、デシレンオキサイド、及びこれらの混合物を含む。アルキル基は、C10〜C18の直鎖又は分枝鎖であることができる。ある態様において、EO/POコポリマー界面活性剤は、アルコールアルコキシレート界面活性剤と組み合わせた2−イン−1アルカリ性組成物での使用に特に適している。市販の界面活性剤の例は、例えば、商品名Pluronic(登録商標)及びPluronic R(BASFから入手可能)、Tetronic(Dowから入手可能)、及びSurfonic(Huntsmanから入手可能)で入手可能である。
【0042】
使用可能なエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド誘導体界面活性剤のいくつかの例としては、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーなど、又はこれらの誘導体が挙げられる。ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーのいくつかの例としては、以下の式を有するものが挙げられる:
(EO)x(PO)y(EO)x
(PO)y(EO)x(PO)y
(PO)y(EO)x(PO)y(EO)x(PO)y
【0043】
式中、EOはエチレンオキサイド基を示し、POはプロピレンオキサイド基を示し、x及びyは、ブロックコポリマー組成物全体の中のそれぞれのアルキレンオキサイドモノマーの平均分子量の割合を反映する。本発明のある態様において、好適なEO/POコポリマーは、式(EO)x(PO)y(EO)xで表される。本発明のさらなる態様において、好適なEO/POコポリマーは、式(PO)y(EO)x(PO)yで表される。いくつかの実施態様において、xは約5〜約50の範囲であり、yは約1〜約50の範囲であり、xプラスyは約6〜約200の範囲である。分子中の各xとyは異なっていてもよいことを理解すべきである。いくつかの実施態様において、この物質は、約200より大きく、約25,000より小さい分子量を有することができる。例えばいくつかの実施態様において、この物質は、約500〜約25,000、又は約1000〜約20,000の範囲内の分子量を有することができる。
【0044】
いくつかの実施態様において、EO/PO界面活性剤は、約1〜約50個のエチレンオキサイド基と、約1〜約50個のプロピレンオキサイド基とを有していてもよい。いくつかの実施態様において、この物質は、約400を超える分子量を有することができ、いくつかの実施態様において、約500を超える分子量を有することができる。例えばいくつかの実施態様において、この物質は、約500〜約7000又はそれ以上の分子量(g/モル)を有することができるか、又は約950〜約4000又はそれ以上、又は約1000〜約3100又はそれ以上、又は約2100〜約6700又はそれ以上、又は約2500〜約4200又はそれ以上の範囲の分子量(g/モル)を有することができる。
【0045】
The Surfactant Science Series, Marcel Dekker, Inc., New York, 1983の第1巻であるSchick, M. J.により編集された論文「非イオン性界面活性剤(Nonionic Surfactants)」は、本発明の実施に一般的に用いられる非イオン性化合物のさらなる説明を提供する。非イオン性クラス及びこれらの界面活性剤の典型的なリストは、1975年12月30日に発行されたLaughlin and Heuringの米国特許第3,929,678号明細書に記載されている。更なる例は、「Surface Active Agents and detergents」 (Vol. I and II by Schwartz, Perry and Berch)に記載されている。これらの参考文献の各々は、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0046】
本発明のある態様において、アルカリ性洗剤組成物は、約0.1重量%〜約15重量%のアルキルアルコキシレート、約0.1重量%〜約10重量%のアルキルアルコキシレート、又は約0.1重量%〜約7重量%のアルキルアルコキシレートを含む。
【0047】
ポリマー
本発明は、少なくとも1つのポリカルボン酸ポリマー、コポリマー、及び/又はターポリマーからなるポリマーを含むことができる。本発明の特に適切なポリカルボン酸ポリマーとしては、特に限定されないが、ポリアクリル酸ポリマー及びコポリマー、ポリマレインポリマー及びコポリマー、及びアクリル酸/マレイン酸コポリマーが挙げられる。他の適切なポリカルボン酸ポリマーとしては、ポリマレイン酸ホモポリマー、ポリアクリル酸コポリマー、無水マレイン酸/オレフィンコポリマーが挙げられる。好適な実施態様においてポリマーは、ポリアクリル酸ポリマー、コポリマー、ターポリマー、及び/又はこれらの塩を含むか、これらから本質的になるか、又はこれらからなる。
【0048】
本発明の洗剤組成物は、ポリアクリル酸ポリマー、コポリマー、及び/又はターポリマーを使用することができる。ポリアクリル酸は、下記の構造式を有する:
【化1】
【0049】
式中、nは任意の整数である。適切なポリアクリル酸ポリマー、コポリマー、及び/又はターポリマーの例としては、特に限定されないが、ポリアクリル酸、(C
3H
4O
2)
n、又は2−プロペン酸、アクリル酸、ポリアクリル酸、プロペン酸のポリマー、コポリマー、及び/又はターポリマーが挙げられる。
【0050】
本発明の実施態様において、特に好適なアクリル酸ポリマー、コポリマー、及び/又はターポリマーの分子量は、約100〜約10,000、好適な実施態様において約500〜約7,000、より好適な実施態様において約1,000〜約5,000、及び最も好適な実施態様において約1,500〜約4,500である。
【0051】
ポリマレイン酸(C
4H
2O
3)
x又は加水分解されたポリ無水マレイン酸又はシス−2−ブテン二酸ホモポリマーは、以下の構造式を有する:
【化2】
【0052】
式中、nとmは任意の整数である。本発明で使用できるポリマレイン酸ホモポリマー、コポリマー、及び/又はターポリマー(及びこれらの塩)の例は、分子量が約100〜約10,000、より好ましくは約500〜約7,000、さらにより好適な実施態様において、約1,000〜約5,000、及び最も好適な実施態様において約1,500〜約4,500であるものが特に好適である。市販のポリマレイン酸ホモポリマーは、BWA(商標)Water Additives, 979 Lakeside Parkway, Suite 925 Tucker, GA 30084, USA からのマレイン酸ホモポリマーのBelclene 200 シリーズ、及びAkzoNobelから入手可能なAquatreat AR-801 がある。
【0053】
好適な実施態様においてポリマーは、アクリル酸とマレイン酸とのコポリマーである。好ましくは、アクリル酸/マレイン酸コポリマーは、約1,000〜約10,000g/モルの分子量、好ましくは約1,000〜約5,000g/モルの分子量を有する。適切なアクリル酸/マレイン酸コポリマーの例としては、特に限定されないが、The Dow Chemical Company, Wilmington Delaware, USAからのAcusol 448が挙げられる。
【0054】
ポリマーを使用する実施態様において、組成物は、約0.1重量%〜約50重量%、約0.1重量%〜約40重量%、約0.1重量%〜約30重量%、又は約1重量%〜約20重量%の量のポリマーを含むことが予測される。記載される全ての範囲は、その中に含まれる数を含む。本発明のポリマーは、少なくとも1つのポリアクリル酸ポリマー、コポリマー、及び/又はターポリマーを含むか、これらから本質的になるか、又はこれらからなることができる。さらに、本発明において限定されないが、記載の全ての範囲はその範囲を画定する数値を含み、画定された範囲内の各整数を含む。
【0055】
追加の機能性成分
本発明の2−イン−1アルカリ性組成物は、工業用食器洗浄用途での使用に適した種々の機能性成分とさらに組み合わせることができる。いくつかの実施態様において、炭酸塩系アルカリ源及び非イオン性界面活性剤(及び/又はポリマー)を含むアルカリ性洗浄及びすすぎ助剤組成物は、洗剤組成物の総重量の多量又は実質的に全てを構成する。例えば、いくつかの実施態様において、機能性成分はそこに、ほとんど又は全く処方されない。
【0056】
他の実施態様において、追加の機能性成分が組成物中に含まれてもよい。機能性成分は、組成物に所望の特性及び機能を提供する。本出願の目的のために、用語「機能性成分」は、使用溶液及び/又は濃縮溶液、例えば水溶液中に分散又は溶解されると、特定の用途において有益な特性を提供する材料を含む。機能性材料のいくつかの具体的な例は、さらに詳細に後述するが、しかしながら、考察される具体的な材料は例としてのみ与えられ、多種類の他の機能性成分を使用することができる。例えば、以下に説明する機能性材料の多くは、洗浄、特に食器洗浄用途に使用される材料に関する。しかしながら、他の実施態様は、他の用途で使用するための機能性成分を含むことができる。
【0057】
好適な実施態様において、組成物は、追加のアルカリ源すなわちアルカリ金属水酸化物を含まない。さらに好適な実施態様において、組成物はすすぎ助剤を含まない。
【0058】
他の実施態様において組成物は、ビルダー、水質調整剤、安定剤、消泡剤、再堆積防止剤、漂白剤、消毒剤、溶解性調整剤、分散剤、腐食防止剤、及び金属保護剤、安定化剤、腐食防止剤、酵素、追加の金属イオン封鎖剤及び/若しくはキレート化剤、香料及び/若しくは染料、レオロジー調整剤若しくは増粘剤、ヒドロトロープ若しくはカプラー、緩衝剤、溶剤、固化剤などを含むことができる。
【0059】
ビルダー
アルカリ性洗剤組成物は、キレート剤又は金属イオン封鎖剤(例えばビルダー)とも呼ばれる1つ又はそれ以上のビルディング剤を含んで、水を処理又は軟化させ、沈殿物又は他の塩の形成を防止することができる。これらとしては、特に限定されないが、縮合リン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩とメタケイ酸塩、ホスホン酸塩、アミノカルボン酸、及び/又はポリカルボン酸系ポリマーが挙げられる。一般にキレート剤は、天然水中に通常存在する金属イオンに配位結合(ビルディング)して、金属イオンが、洗剤組成物の他の洗浄成分の作用を妨害することを防ぐことができる分子である。キレート剤又は金属イオン封鎖剤でもよいビルダーの好適な添加レベルは、約0.1重量%〜約70重量%、約1重量%〜約60重量%、約5重量%〜約50重量%、又は約20重量%〜約50重量%である。固体洗剤が濃縮物として提供される場合、この濃縮物は、約1重量%〜約60重量%、約3重量%〜約50重量%、及び約6重量%〜約45重量%のビルダーを含むことができる。ビルダーの更なる範囲としては、約3重量%〜約20重量%、約6重量%〜約15重量%、及び約25重量%〜約50重量%が挙げられる。さらに、本発明において限定されないが、記載の全ての範囲はその範囲を画定する数値を含み、画定された範囲内の各整数を含む。
【0060】
縮合リン酸塩の例としては、特に限定されないが、オルトリン酸ナトリウム及びオルトリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム及びピロリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、及びヘキサメタリン酸ナトリウムが挙げられる。縮合リン酸塩は、組成物中に存在する自由水を水和水として固定することにより、洗剤組成物の固化をある程度まで支援することもできる。好適なビルダーは、無水トリポリリン酸ナトリウムである。
【0061】
ホスホン酸塩の例としては、特に限定されないが、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸(PBTC)、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、CH
2C(OH)[PO(OH)
2]
2;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、N[CH
2PO(OH)
2]
3;アミノトリ(メチレンホスホン酸塩)、ナトリウム塩(ATMP)、N[CH
2PO(ONa)
2]
3;2−ヒドロキシエチルイミノビス(メチレンホスホン酸)、HOCH
2CH
2N[CH
2PO(OH)
2]
2;ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、(HO)
2POCH
2N[CH
2CH
2N[CH
2PO(OH)
2]
2]
2;ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸塩)、ナトリウム塩(DTPMP)、C
9H
(28−x)N
3Na
xO
15P
5(x=7);ヘキサメチレンジアミン(テトラメチレンホスホン酸塩)、カリウム塩、C
10H
(28−x)N
2KxO
12P
4(x=6);ビス(ヘキサメチレン)トリアミン(ペンタメチレンホスホン酸)、(HO
2)POCH
2N[(CH
2)
2N[CH
2PO(OH)
2]
2]
2;及び、リン酸、H
3PO
3が挙げられる。好適なホスホン酸塩の組み合わせは、ATMPとHEDPである。ホスホン酸塩を添加するとき、中和反応により熱又はガスがほとんど又は全く発生することがないように、中和若しくはアルカリホスホン酸塩、又は混合物に添加される前にホスホン酸塩とアルカリ源とを組み合わせることが好ましい。しかしながら、ある実施態様において、洗剤組成物はリンを含まない。
【0062】
NTAをほとんど又は全く含有しない有用なアミノカルボン酸材料としては、特に限定されないが、N−ヒドロキシエチルアミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、アスパラギン酸−N,N−二酢酸(ASDA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、グルタミン酸−N,N−二酢酸(GLDA)、エチレンジアミンコハク酸(EDDS)、2−ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA)、イミノ二コハク酸(IDS)、3−ヒドロキシ−2,2’−イミノ二コハク酸(HIDS)、及び他の類似の酸、又はカルボン酸置換基とともにアミノ基を有するそれらの塩が挙げられる。しかし、ある実施態様において、組成物は、アミノカルボン酸塩を含まない。
【0063】
水質調整ポリマーは、非リンビルダーとして使用することもできる。例示的な水質調整ポリマーとしては、特に限定されないが、ポリカルボン酸塩が挙げられる。ビルダーとして及び/又は水質調整ポリマーとして使用できる例示的なポリカルボン酸塩としては、特に限定されないが、ペンダントカルボン酸塩(−CO
2-)基を有するもの、例えば、ポリアクリル酸、マレイン酸、マレイン酸/オレフィンコポリマー、スルホン化コポリマー又はターポリマー、アクリル酸/マレイン酸コポリマー、ポリメタクリル酸、アクリル酸−メタクリル酸コポリマー、加水分解されたポリアクリルアミド、加水分解されたポリメタクリルアミド、加水分解されたポリアミド−メタクリルアミドコポリマー、加水分解されたポリアクリロニトリル、加水分解されたポリメタクリロニトリル、加水分解されたアクリロニトリル−メタクリロニトリルコポリマーが挙げられる。他の適切な水質調整ポリマーとしては、カルボン酸又はエステル官能基を含む澱粉、糖、又はポリオールが挙げられる。例示的なカルボン酸としては、特に限定されないが、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、及びイタコン酸、又はこれらの塩が挙げられる。例示的なエステル官能基としては、アリール、環式、芳香族、及びC
1〜C
10直鎖、分岐鎖、又は置換エステルが挙げられる。キレート剤/金属イオン封鎖剤のさらなる議論については、Kirk-Othmer, Encyclopedia of Chemical Technology, Third Edition, volume 5, pages 339-366 and volume 23, pages 319-320、を参照されたい(この開示内容は、引用により本明細書に組み込まれる)、これらの材料はまた、結晶改質剤として機能する化学量論量で使用することもできる。
【0064】
水質調整剤
アルカリ性洗剤組成物は、1種以上の水質調整剤を含むことができる。ある態様において、ホスホン酸を使用することができる。ホスホン酸は、水溶性酸の塩、特にナトリウム又はカリウムなどのアルカリ金属塩;アンモニウム塩;又は、アルキロールが2〜3個の炭素原子を有するアルキロールアミン塩、例えばモノ−、ジ−、又はトリエタノールアミン塩の形態で使用することができる。好適なホスホン酸塩としては、有機ホスホン酸塩が挙げられる。好適な有機ホスホン酸塩としては、Bayer Corp.(Pittsburgh Pa.)から商品名BAYHIBIT(商標)として入手可能なホスホノブタントリカルボン酸(PBTC)、及びMonsanto Chemical Co.から商品名DEQUEST(商標)2010として入手可能なヒドロキシエチリデンジホスホン酸(HEDP)が挙げられる。本発明での使用に適した水質調整剤のさらなる説明は、米国特許第6,436,893号明細書に記載されている(これは引用によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
【0065】
ある態様において、本組成物は、約0.1重量%〜50重量%の水質調整剤、約1重量%〜40重量%の水質調整剤、約1重量%〜30重量%の水質調整剤、好ましくは約5重量%〜20重量%の水質調整剤を含む。さらに、本発明において限定されないが、記載の全ての範囲はその範囲を画定する数値を含み、画定された範囲内の各整数を含む。
【0066】
中和剤
アルカリ性洗剤組成物は、中和剤もまた含んでもよい。例えばある実施態様においてアルカリ性中和剤を使用して、水質調整剤などの酸性成分を中和することができる。適切なアルカリ性中和剤としては、例えばアルカリ金属水酸化物、例えば、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、及びこれらの組合せなどが挙げられる。アルカリ金属水酸化物の中和剤は、固体ビーズ、水溶液に溶解したもの、又はこれらの組み合わせを含む、当該分野で公知の任意の形態で組成物に添加することができる。さらに、ある実施態様において、2種以上の中和剤を使用することができる。本発明のある態様において、本発明の組成物は、アルカリ源として水酸化物を含まないが、しかしながら、例えばHEDPなどの水質調整剤を含む、組成物中の酸性成分を中和するためにのみ使用される。
【0067】
ある態様において本組成物は、約0.1重量%〜50重量%の中和剤、約0.1重量%〜30重量%の中和剤、約1重量%〜25重量%の中和剤、好ましくは約10重量%〜25重量%の中和剤を含む。本発明のある実施態様において中和剤は、アルカリ金属水酸化物を、最大約10重量%の量、好ましくは約0.01重量%〜約10重量%の量で含む。さらに、本発明において限定されないが、記載の全ての範囲はその範囲を画定する数値を含み、画定された範囲内の各整数を含む。
【0068】
エッチング防止剤
アルカリ性洗剤組成物は、ガラスのエッチングを防止できるエッチング防止剤もまた含むことができる。適切なエッチング防止剤の例としては、組成物に、亜鉛、塩化亜鉛、グルコン酸亜鉛、アルミニウム、及びベリリウムなどの金属イオンを添加することが挙げられる。腐食防止剤は、アルミニウムイオン源と亜鉛イオン源の組合せを指すことができる。固体洗剤組成物を使用溶液の形態で提供する場合、アルミニウムイオン源及び亜鉛イオン源は、それぞれアルミニウムイオン及び亜鉛イオンを提供する。腐食防止剤の量は、アルミニウムイオン源及び亜鉛イオン源の合計量に基づいて計算される。使用溶液中でアルミニウムイオンを提供するものは全て、アルミニウムイオンの供給源と見なすことができ、使用溶液中に提供したとき亜鉛イオンを提供するものは全て、亜鉛イオン供給源と見なすことができる。アルミニウムイオン源及び/又は亜鉛イオン源が反応して、アルミニウムイオン及び/又は亜鉛イオンを形成することは必ずしも必要ではない。アルミニウムイオンはアルミニウムイオン源と見なすことができ、そして亜鉛イオンは亜鉛イオン源と見なすことができる。アルミニウムイオン源と亜鉛イオン源は、有機塩、無機塩、及びこれらの混合物として提供することができる。例示的なアルミニウムイオン源としては、特に限定されないが、アルミニウム塩、例えばアルミン酸ナトリウム、臭化アルミニウム、塩素酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、ギ酸アルミニウム、酒石酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウム、臭素酸アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウム亜鉛、及びリン酸アルミニウムなどが挙げられる。例示的な亜鉛イオン源としては、特に限定されないが、亜鉛塩、例えば塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、ヨウ化亜鉛、チオシアン酸亜鉛、フルオロケイ酸亜鉛、二クロム酸亜鉛、塩素酸亜鉛、亜鉛酸ナトリウム、グルコン酸亜鉛、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、クエン酸亜鉛、乳酸亜鉛、蟻酸亜鉛、臭素酸亜鉛、臭化亜鉛、弗化亜鉛、フッ化亜鉛、フルオロケイ酸亜鉛、及びサリチル酸亜鉛などが挙げられる。
【0069】
本組成物は、好ましくは約0.001重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約7重量%、最も好ましくは約0.01重量%〜約1重量%のエッチング防止剤を含む。さらに、本発明において限定されないが、記載の全ての範囲はその範囲を画定する数値を含み、画定された範囲内の各整数を含む。
【0070】
腐食防止剤
アルカリ性洗剤組成物は、腐食防止剤を任意に含むことができる。腐食防止剤は、腐食防止剤を有する組成物で処理されていない表面よりも、光沢がありバイオフィルムが蓄積しない表面を生成する組成物を提供する。
【0071】
本発明に従って使用することができる好適な腐食防止剤としては、ホスホン酸塩、ホスホン酸、トリアゾール、有機アミン、ソルビタンエステル、カルボン酸誘導体、サルコシネート、リン酸塩、亜鉛、硝酸塩、クロム、モリブデン含有成分、及びホウ酸塩含有成分が挙げられる。例示的なリン酸塩又はホスホン酸としては、商品名Dequest(すなわち、Dequest 2000、Dequest 2006、Dequest 2010、Dequest 2016、Dequest 2054、Dequest 2060、及び Dequest 2066)としてSolutia, Inc.、セントルイス、ミズーリ州から入手可能である。例示的なトリアゾールは、商品名Cobratec(すなわち、Cobratec 100、Cobratec TT-50-S、及びCobratec 99)としてPMC Specialties Group, Inc.、シンシナティ、オハイオ州から入手可能である。例示的な有機アミンとしては、脂肪族アミン、芳香族アミン、モノアミン、ジアミン、トリアミン、ポリアミン、及びこれらの塩が挙げられる。例示的なアミンとしては、商品名Amp(すなわち、Amp-95)としてAngus Chemical Companyバファローグローブ、イリノイ州から;商品名WGS(すなわち、WGS-50)としてJacam Chemicals, LLC、ストーリング、カンザス州から;商品名 Duomeen(すなわち、Duomeen O及びDuomeen C)としてAkzo Nobel Chemicals, Inc.シカゴ、イリノイ州から;商品名 DeThox amine(C Series及びT Series)としてDeForest Enterprises, Inc.ボカラトン、フロリダ州から;商品名DeriphatシリーズとしてHenkel Corp.、アンブラーペンシルベニア州から;及び商品名Maxhib(AC Series)としてChemax, Inc.グリーンビル、サウスカロライナ州から入手可能である。例示的なソルビタンエステルは、商品名Calgene (LA-series) で Calgene Chemical Inc.スコーキー、イリノイ州から入手可能である。例示的なカルボン酸誘導体としては、商品名Recor(すなわち、Recor 12)としてCiba-Geigy Corp.、タリータウン、ニューヨーク州から入手可能である。例示的なサルコシネートとしては、商品名HamposylとしてHampshire Chemical Corp.レキシントン、マサチューセッツ州から;及び商品名SarkosylとしてCiba-Geigy Corp.タリータウン、ニューヨーク州から入手可能である。
【0072】
本組成物は任意に、食器洗浄機の金属部分に強化された光沢を提供し、及び/又はより光沢のある表面を提供するための腐食防止剤を含む。腐食防止剤が組成物中に組み込まれると、これは好ましくは、約0.01重量%〜約7.5重量%、約0.01重量%〜約5重量%、及び約0.01重量%〜約3重量%の量で含まれる。
【0073】
再堆積防止剤
アルカリ性洗剤組成物は、洗浄溶液中の汚れの持続的な懸濁を促進し、除去された汚れが洗浄される基材上へ再堆積するのを防ぐことができる再堆積防止剤を含むことができる。適切な再堆積防止剤の例としては、脂肪酸アミド、複合リン酸塩エステル、スチレン無水マレイン酸コポリマー、及びヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体が挙げられる。組成物は、好ましくは約0.5重量%〜約10重量%、より好ましくは約1重量%〜約5重量%の再堆積防止剤を含む。
【0074】
酵素
アルカリ性洗剤組成物は1種以上の酵素を含むことができ、これらの酵素は、基材、例えば食器、カップ及びボウル、並びにポット及びパンなどから、タンパク質系、炭水化物系、又はトリグリセリド系の汚れを除去するための望ましい活性を提供することができる。本発明の組成物に適する酵素は、表面に存在する1種以上の汚れ残留物を分解又は変化させ、こうして汚れを取り除くか、又は界面活性剤若しくは洗浄組成物の他の成分により汚れをより取り除きしやすくすることにより作用する。汚れ残留物の分解と変化の両方は、洗浄される表面又は布地に汚れを結合させる物理化学的な力を低減することにより、すなわち汚れをより水溶性にすることにより、洗浄力を改善することができる。例えば、1種以上のプロテアーゼは、汚れ残留物中に存在する複合的な巨大分子タンパク質構造物を切断して、より短鎖分子にすることができ、これらの分子は、上記プロテアーゼを含有する洗浄溶液により、表面からより容易に脱着され、可溶化され、又はより容易に除去される。
【0075】
適切な酵素としては、例えば植物、動物、細菌、真菌、又は酵母起源などの任意の適切な起源の、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、グルコナーゼ、セルラーゼ、ペルオキシダーゼ、又はこれらの混合物が挙げられる。好適な選択は、pH活性及び/又は安定性最適条件、熱安定性、及び活性洗剤に対する安定性、ビルダーなどの要因により影響される。この点で、細菌アミラーゼ及びプロテアーゼ、及び真菌セルラーゼなどの細菌や真菌の酵素が好適である。いくつかの実施態様において酵素は好ましくは、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、又はこれらの組み合わせである。酵素についての有用な文献(引用により本明細書に組み込まれる)は、"Industrial Enzymes," Scott, D., in Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, 3rd Edition, (editors Grayson, M. and EcKroth, D.) Vol. 9, pp. 173-224, John Wiley & Sons, New York, 1980 である。
【0076】
酵素を使用する実施態様において、組成物は、好ましくは約0.001重量%〜約10重量%、約0.01重量%〜約10重量%、約0.05重量%〜約5重量%の酵素、さらに好ましくは約0.1重量%〜約1重量%の酵素を含む。
【0077】
抗菌剤
アルカリ性洗剤組成物は、抗菌剤又は防腐剤を任意に含むことができる。抗菌剤は、組成物中で使用して、市販の製品、材料系、表面などの微生物混入及び劣化を防ぐことができる化学組成物である。抗菌剤は、殺菌剤でもよい。一般にこれらの材料は、フェノール類、ハロゲン化合物、四級アンモニウム化合物、金属誘導体、アミン類、アルカノールアミン類、ニトロ誘導体、アナリド(analides)、有機硫黄及び硫黄−窒素化合物、及びその他の化合物を含む特定のクラスに入る。抗菌剤は、化学的組成と濃度に応じて、微生物の数のさらなる増殖を単に制限するか、又は全て若しくはかなりの割合の微生物群を破壊することができる。用語「微生物(microbes)」と「微生物(microorganisms)」は、典型的には、主に細菌や真菌微生物を指す。使用において、抗菌剤は、水性流を使用して希釈及び調合すると水性消毒剤及び殺菌剤組成物を形成する最終製品へと形成され、これらの水性消毒剤や殺菌剤組成物は、種々の表面と接触して微生物群の増殖の防止又は実質的な割合の死滅を引き起こす。使用できる一般的な抗菌剤としては、フェノール系抗菌剤、例えばペンタクロロフェノール、オルトフェニルフェノールが挙げられ;使用可能なハロゲン含有抗細菌剤としては、トリクロロイソシアヌル酸塩、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム(無水又は二水和物)、ヨウ素−ポリ(ビニルピロリジン−オンエン)錯体、臭素化合物、例えば2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール;四級抗菌剤、例えば塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム;アミン及びニトロ含有抗微生物組成物、例えばヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロ−オキシエチル)−s−トリアジン、ジチイオカルバメート、例えばジメチルジチオカルバメートナトリウム、及びその微生物的性質により当該分野で公知の種々の他の物質が挙げられる。抗微生物剤をカプセル化して、安定性を改善し、及び/又は洗剤組成物中の他の物質との反応性を低減してもよい。
【0078】
抗菌剤又は防腐剤が組成物中に組み込まれる場合、これは好ましくは、約0.01重量%〜約5重量%、約0.01重量%〜約2重量%、及び約0.1重量%〜約1.0重量%の量で含まれる。
【0079】
発泡防止剤
形成される任意の泡の安定性を低下させるために、アルカリ性洗浄組成物の非イオン性界面活性剤に発泡防止剤を加えてもよい。発泡防止剤の例としては、ポリジメチルシロキサン中に分散したシリカ、脂肪族アミド、炭化水素ワックス、脂肪酸、脂肪エステル、脂肪アルコール、脂肪酸石鹸、エトキシレート、鉱油、ポリエチレングリコールエステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、アルキルリン酸塩エステル、例えばモノステアリルリン酸塩などが挙げられる。消泡剤の議論は、Martinらの米国特許第3,048,548号明細書、Brunelleらの米国特許第3,334,147号明細書、Rueらの米国特許第3,442,242号明細書中に見られ、これらの開示内容は引用により本明細書に組み込まれる。組成物は、好ましくは約0.0001重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約3重量%の発泡防止剤を含む。
【0080】
追加の界面活性剤
本発明の組成物は、追加の界面活性剤を含んでもよい。特に好適な界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、及び両性イオン性界面活性剤が挙げられる。好適な実施態様において、組成物はカチオン性及び/又はアニオン性界面活性剤を実質的に含まない。ある態様において組成物は、約0.01重量%〜40重量%の追加の界面活性剤、好ましくは約0.1重量%〜30重量%の追加の界面活性剤、より好ましくは約1重量%〜25重量%の追加の界面活性剤を含むことができる。さらに、本発明において限定されないが、記載の全ての範囲はその範囲を画定する数値を含み、画定された範囲内の各整数を含む。
【0081】
非イオン性界面活性剤
本発明の組成物と共に使用するのに適した適切な非イオン性界面活性剤としては、アルコキシル化界面活性剤が挙げられる。適切なアルコキシル化界面活性剤としては、EO/POコポリマー、キャップ化EO/POコポリマー、アルコールアルコキシレート、キャップ化アルコールアルコキシレート、これらの混合物などが挙げられる。溶媒として使用するのに適切なアルコキシル化界面活性剤としては、EO/POブロックコポリマー、例えばプルロニック及び逆プルロニック界面活性剤;アルコールアルコキシレート、例えばDehypon LS-54(R−(EO)
5(PO)
4)とDehypon LS-36(R−(EO)
3(PO)
6);そして、キャップ化アルコールアルコキシレート、例えばPlurafac LF221及びTegoten EC11;これらの混合物などが挙げられる。
【0082】
半極性タイプの非イオン性界面活性剤は、本発明の組成物に有用な別のクラスの非イオン性界面活性剤である。半極性非イオン性界面活性剤としては、アミンオキサイド、ホスフィンオキサイド、スルホキシド、及びこれらのアルコキシル化誘導体が挙げられる。
【0083】
アミンオキサイドは、以下の一般式に対応する三級アミンオキサイドである:
【化3】
【0084】
式中、矢印は半極性結合の従来の表示法である;R
1、R
2、及びR
3は、脂肪族、芳香族、複素環式、脂環式、又はこれらの組み合わせであってもよい。一般に、洗剤目的のアミンオキサイドについて、R
1は約8〜約24個の炭素原子のアルキル基である;R
2及びR
3は、1〜3個の炭素原子のアルキル又はヒドロキシアルキル、又はこれらの混合物である;R
2とR
3は、例えば酸素又は窒素原子を介して互いに結合して環構造を形成することができる;R
4は、2〜3個の炭素原子を含有するアルキレン又はヒドロキシアルキレン基である;そして、nは0〜約20の範囲である。アミンオキサイドは、対応するアミンと過酸化水素など酸化剤とから生成することができる。
【0085】
有用な水溶性アミンオキサイド界面活性剤としては、オクチル、デシル、ドデシル、イソドデシル、ココナツ、又は獣脂アルキルジ(低級アルキル)アミンオキサイドから選択され、その具体例は、オクチルジメチルアミンオキサイド、ノニルジメチルアミンオキサイド、デシルジメチルアミンオキサイド、ウンデシルジメチルアミンオキサイド、ドデシルジメチルアミンオキサイド、イソドデシルジメチルアミンオキサイド、トリデシルジメチルアミンオキサイド、テトラデシルジメチルアミンオキサイド、ペンタデシルジメチルアミンオキサイド、ヘキサデシルジメチルアミンオキサイド、ヘプタデシルジメチルアミンオキサイド、オクタデシルジメチルアミンオキサイド、ドデシルジプロピルアミンオキサイド、テトラデシルジプロピルアミンオキサイド、ヘキサデシルジプロピルアミンオキサイド、テトラデシルジブチルアミンオキサイド、オクタデシルジブチルアミンオキサイド、ビス(2−ヒドロキシエチル)ドデシルアミンオキサイド、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−ドデコキシ−1−ヒドロキシプロピルアミンオキサイド、ジメチル−(2−ヒドロキシドデシル)アミンオキサイド、3,6,9−トリオクタデシルジメチルアミンオキサイド、及び3−ドデコキシ−2−ヒドロキシプロピルジ−(2−ヒドロキシエチル)アミンオキサイドである。
【0086】
両性界面活性剤
両性(amphoteric又はampholytic)界面活性剤は、塩基性及び酸性の親水性基と有機疎水基との両方を含む。これらのイオン性物質は、他の種類の界面活性剤について本明細書に記載されているあらゆるアニオン性基又はカチオン性基であってもよい。塩基性窒素及び酸性カルボン酸塩基は、塩基性及び酸性親水性基として用いられる典型的な官能基である。いくつかの界面活性剤では、スルホン酸塩、硫酸塩、ホスホン酸塩、又はリン酸塩が負の電荷を提供する。
【0087】
両性界面活性剤は、広義には、脂肪族の二級及び三級アミンの誘導体として記載されており、その脂肪族基は直鎖状又は分枝状であることができ、脂肪族置換基の1つは約8〜18個の炭素原子を含み、1つはアニオン性水可溶化基、例えばカルボキシ、スルホ、スルファト、ホスファト、又はホスホノを含む。両性界面活性剤は、当該分野で公知の2つの大きなクラスに細分化されており、"Surfactant Encyclopedia" Cosmetics & Toiletries, Vol. 104 (2) 69-71 (1989)に記載されている(これは、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる)。第1のクラスは、アシル/ジアルキルエチレンジアミン誘導体(例えば2−アルキルヒドロキシエチルイミダゾリン誘導体)とその塩を含む。第2のクラスは、N−アルキルアミノ酸及びこれらの塩を含む。いくつかの両性界面活性剤は、両方のクラスに該当すると想定される。
【0088】
両性界面活性剤は、当業者に公知の方法により合成することができる。例えば2−アルキルヒドロキシエチルイミダゾリンは、長鎖カルボン酸(又はその誘導体)とジアルキルエチレンジアミンとの縮合及び閉環により合成される。市販の両性界面活性剤は、その後の加水分解と、アルキル化(例えば、クロロ酢酸又は酢酸エチルを用いて)によるイミダゾリン環の開環により誘導体化される。アルキル化中に1つ又は2つのカルボキシ−アルキル基が反応して三級アミンを形成し、異なるアルキル化剤を用いるエーテル結合により、異なる三級アミンが生じる。
【0089】
本発明において用途を有する長鎖イミダゾール誘導体は一般に、以下の一般式を有する。
【化4】
【0090】
ここで、Rは約8〜18個の炭素原子を含む非環式疎水基であり、Mは、陰イオン(一般的にはナトリウム)の電荷を中和する陽イオンである。本発明の組成物で使用できる市販の優れたイミダゾリン由来の両性物質としては、例えば、ココアンホプロピオネート、ココアンホカルボキシ−プロピオネート、ココアンホグリシネート、ココアンホカルボキシ−グリシネート、ココアンホプロピル−スルホン酸塩、及びココアンホカルボキシ−プロピオン酸が挙げられる。アンホカルボン酸は、脂肪イミダゾリンから製造することができ、ここで、アンホジカルボン酸のジカルボン酸官能基は、二酢酸及び/又はジプロピオン酸である。
【0091】
本明細書で上記したカルボキシメチル化化合物(グリシネート)は、しばしばベタインと呼ばれる。ベタインは、両性イオン界面活性剤と題されたセクションで後述される特別なクラスの両性物質である。
【0092】
長鎖N−アルキルアミノ酸は、RNH
2(ここで、R=C
8〜C
18直鎖又は分枝鎖アルキル)脂肪族アミンとハロゲン化カルボン酸との反応により容易に調製される。アミノ酸の一級アミノ基のアルキル化は、二級及び三級アミンにつながる。アルキル置換基は、2つ以上の反応性窒素中心を与える追加のアミノ基を有していてもよい。ほとんどの市販のN−アルキルアミン酸は、ベータアラニン又はベータ−N(2−カルボキシエチル)アラニンのアルキル誘導体である。本発明における用途を有する市販のN−アルキルアミノ酸両性電解質の例としては、アルキルベータ−アミノジプロピオネート、RN(C
2H
4COOM)
2、及びRNHC
2H
4COOMが挙げられる。ある実施態様において、Rは約8〜約18個の炭素原子を含む非環式疎水基であってもよく、Mは陰イオンの電荷を中和する陽イオンである。
【0093】
適切な両性界面活性剤としては、例えばココナツ油又はココナツ脂肪酸などのココナツ製品から誘導されるものが挙げられる。追加の適切なココナツ由来の界面活性剤は、その構造の一部として、エチレンジアミン成分、アルカノールアミド成分、アミノ酸成分、例えばグリシン、又はこれらの組合せ、及び約8〜18(例えば12)個の炭素原子の脂肪族置換基を含む。このような界面活性剤は、アルキルアンホジカルボン酸と考えることもできる。これらの両性界面活性剤は、:C
12−アルキル−C(O)−NH−CH
2−CH
2−N
+(CH
2−CH
2CO
2Na)
2−CH
2−CH
2−OH、又はC
12−アルキル−C(O)−N(H)−CH
2−CH
2−N
+(CH
2−CO
2Na)
2−CH
2−CH
2−OHとして表される化学構造を含むことができる。二ナトリウムココアンホジプロピオネートは、1つの適切な両性界面活性剤であり、商品名Miranol(商標)FBSでRhodia Inc.、クランベリー、ニュージャージー州から市販されている。化学名ココアンホ二酢酸二ナトリウムを有する別の適切なココナツ由来の両性界面活性剤もまたRhodia Inc.、クランベリー、ニュージャージー州から、商品名Mirataine(商標)JCHAとして市販されている。
【0094】
両性クラス及びこれらの界面活性剤の分子種の典型的なリストは、Laughlin and Heuringの米国特許第3,929,678号明細書(1975年12月30日発行)に記載されている。さらなる例は、"Surface Active Agents and Detergents" (Vol. I and II by Schwartz, Perry and Berch)に示されている。
【0095】
双性イオン性界面活性剤
双性イオン性界面活性剤は、両性界面活性剤のサブセットと見なすことができ、アニオン性電荷に含めることができる。双性イオン性界面活性剤は、二級及び三級アミンの誘導体、複素環式二級及び三級アミンの誘導体、四級アンモニウム、四級ホスホニウム、又は三級スルホニウム化合物の誘導体として、広く説明することができる。典型的には、双性イオン性界面活性剤としては、正に帯電した四級アンモニウム、又はいくつかの場合、スルホニウム若しくはホスホニウムイオン;負に帯電したカルボキシル基;及びアルキル基が挙げられる。双性イオンは、一般的には、分子の等電点領域にほぼ等しい程度にイオン化し、正負の電荷中心間の強い「内部塩」の引力を発生することができる、カチオン性及びアニオン性基を含有する。このような双性イオン性合成界面活性剤の例としては、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体が挙げられ、脂肪族基は、直鎖でも分枝状でもよく、脂肪族置換基の1つは8〜18個の炭素原子を含有し、1つはアニオン性の水可溶化基、例えば、カルボキシ、スルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、又はホスホン酸塩を含む。
【0096】
ベタイン及びサルテイン界面活性剤は、本明細書で使用するための代表的な双性イオン性界面活性剤である。これらの化合物の一般式は次のとおりである:
【化5】
【0097】
式中、R
1は、0〜10個のエチレンオキサイド部分と0〜1個のグリセリル部分とを有する、8から18個の炭素原子のアルキル、アルケニル、又はヒドロキシアルキル基を含み;Yは、窒素、リン、及び硫黄原子からなる群から選択され;R
2は、1〜3個の炭素原子を含有するアルキル又はモノヒドロキシアルキル基であり;Yが硫黄原子であるときxは1であり、Yが窒素又はリン原子であるときxは2であり;R
3は、1〜4個の炭素原子のアルキレン又はヒドロキシアルキレン又はヒドロキシアルキレンであり、Zは、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩、ホスホン酸塩、及びリン酸塩基からなる群から選択される基である。
【0098】
上記の構造を有する双性イオン性界面活性剤の例としては、4−[N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−N−オクタデシルアンモニオ]−ブタン−1−カルボン酸塩;5−[S−3−ヒドロキシプロピル−S−ヘキサデシルスルホニオ]−3−ヒドロキシペンタン−1−硫酸塩;3−[P,P−ジエチル−P−3,6,9−トリオキサテトラコサンホスホニオ]−2−ヒドロキシプロパン−1−リン酸塩;3−[N,N−ジプロピル−N−3−ドデコキシ−2−ヒドロキシプロピル−アンモニオ]プロパン−1−ホスホン酸塩;3−(N,N−ジメチル−N−ヘキサデシルアンモニオ)プロパン−1−スルホン酸塩;3−(N,N−ジメチル−N−ヘキサデシルアンモニオ)−2−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸塩;4−[N,N−ジ(2−(2−ヒドロキシエチル)−N(2−ヒドロキシドデシル)アンモニオ]−ブタン−1−カルボン酸塩;3−[S−エチル−S−(3−ドデコキシ−2−ヒドロキシプロピル)スルホニオ]プロパン−1−リン酸塩;3−[P,P−ジメチル−P−ドデシルホスホニオ]プロパン−1−ホスホン酸塩;及びS−[N,N−ジ(3−ヒドロキシプロピル)−N−ヘキサデシルアンモニオ]−2−ヒドロキシペンタン−1−硫酸塩が挙げられる。洗浄界面活性剤に含まれるアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状、及び飽和又は不飽和であってもよい。
【0099】
本発明の組成物に使用するのに適する双性イオン性界面活性剤としては、以下の一般的な構造のベタインが挙げられる:
【化6】
【0100】
これらの界面活性剤ベタインは、典型的には、極端なpHで強いカチオン性又はアニオン性を示さず、その等電点の範囲でも低い水溶性を示さない。「外部」の四級アンモニウム塩とは異なり、ベタインはアニオン界面物質と適合性がある。適切なベタインの例としては、ココナツアシルアミドプロピルジメチルベタイン;ヘキサデシルジメチルベタイン;C
12−14アシルアミドプロピルベタイン;C
8−14アシルアミドヘキシルジエチルベタイン;4−C
14−16アシルメチルアミドジエチルアンモニオ−1−カルボキシブタン;C
16−18アシルアミドジメチルベタイン;C
12−16アシルアミドペンタンジエチルベタイン;及び、C
12−16アシルメチルアミドジメチルベタインが挙げられる。
【0101】
本発明に有用なサルテイン(sultaine)は、式R(R
1)
2N
+R
2SO
3−を有する化合物を含み、RはC
6〜C
18ヒドロカルビル基であり、各R
1は、典型的には独立してC
1〜C
3アルキル、例えばメチルであり、R
2はC
1〜C
6ヒドロカルビル基、例えば、C
1〜C
3アルキレン基又はヒドロキシアルキレン基である。
【0102】
両性イオン性クラス、及びこれらの界面活性剤の分子種の典型的なリストは、Laughlin and Heuringによる米国特許第3,929,678号明細書(1975年12月30日発行)に記載されている。さらなる例は、"Surface Active Agents and Detergents" (Vol. I and II by Schwartz, Perry and Berch)に示されている。これらの参考文献の各々は、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0103】
ある実施態様において、本発明の組成物はベタインを含む。例えば組成物は、ココアミドプロピルベタインを含むことができる。
【0104】
実施形態 本発明の2−イン−1のアルカリ性洗剤組成物の例示的な範囲を、固体洗剤組成物の重量パーセントで、表1A及び1Bに示す。
【表1】
【表2】
【0105】
洗剤組成物は、濃縮組成物を含むか、又は希釈して使用組成物を形成してもよい。一般に濃縮物とは、水で希釈して、対象に接触して所望の洗浄、すすぎなどを提供する使用溶液を提供することを意図する組成物を指す。洗浄すべき物品に接触する洗剤組成物は、本発明の方法で使用される処方に応じて、濃縮物又は使用組成物(又は使用溶液)と呼ぶこともできる。洗剤組成物中のアミノカルボン酸塩、水質調整剤、アルカリ性、水、及び他の任意の機能性成分の濃度は、洗剤組成物が濃縮物として提供されるか、又は使用溶液として提供されるかどうかに応じて変動することを理解すべきである。
【0106】
使用溶液は、所望の洗浄性を有する使用溶液を提供する希釈比で、濃縮物を水で希釈することにより濃縮物から調製することができる。濃縮物を希釈して使用組成物を形成するよう使用される水は、希釈水又は希釈液と呼ぶことができ、場所によって変化することができる。典型的な希釈率は約1〜約10,000倍であるが、しかしながら、水の硬度、除去すべき汚れの量などを含む因子に依存するであろう。ある実施態様において、濃縮物は、約1:10〜約1:10,000の比率の濃縮物対水で希釈される。具体的には濃縮物は、約1:100〜約1:5,000の濃縮物対水で希釈される。より具体的には濃縮物は、約1:250〜約1:2,000の濃縮物対水で希釈される。
【0107】
使用方法−食器洗浄機における物品の洗浄
ある実施態様において本発明の方法は、本明細書に開示されたアルカリ性2−イン−1洗剤組成物を提供することを使用することを含む。特に、使用方法は、好ましくは、固体アルカリ性2−イン−1洗剤組成物を使用することを含み、固体組成物は、食器洗浄機、特に工業用食器洗浄機に関連するディスペンサーに挿入される。本発明のある実施態様において、固体組成物は、固体組成物あたり約10〜約10,000の用量を有する複数回使用用量として提供することができる。本発明の別の態様において、固体組成物は、1回の洗浄で1回使用される1回使用組成物に配合することができる。この方法はまた、アルカリ性2−イン−1洗剤組成物及び水を用いて洗浄溶液を生成することと、食器洗浄機中で物品の汚れに洗浄溶液を接触させることと、別のすすぎ助剤組成物の使用を必要とすることなく、飲用水で物品をすすぐこととを含む。このすすぎは飲用水でのみ行われる。
【0108】
別の実施態様において本発明の方法は、2−イン−1洗剤組成物の個々の成分を別々に提供し、個々の成分をその場(in situ)で水と混合して所望の洗浄溶液を生成することを含むことができる。
【0109】
本発明の方法を実施するとき、上述の2−イン−1洗剤組成物は、食器洗浄機のディスペンサーに挿入される。ディスペンサーは、組成物の物理的形状に応じて、種々の異なるディスペンサーから選択することができる。例えば液体組成物は、蠕動ポンプ又はベローズポンプのいずれかのポンプを使用して、シリンジ/プランジャ注入、重力送り、サイフォン供給、吸引器、例えばポリビニルアルコール又はホイルパウチなどの水溶性のパケットを使用する1回用量、加圧室からの排出、又は膜若しくは浸透性の表面を通した拡散により分配することができる。組成物がゲル又は濃い液体である場合、組成物は、蠕動ポンプ又はベローズポンプのいずれかのポンプを使用して、シリンジ/プランジャ注入、コーキングガン、例えばポリビニルアルコール又はホイルパウチなどの水溶性のパケットを使用する1回用量、加圧室からの排出、又は膜若しくは浸透性の表面を通した拡散により分配することができる。好ましくは、組成物が固体又は粉末である場合、組成物は、噴霧、フラッド、オーガ、シェーカー、タブレット型ディスペンサー、例えばポリビニルアルコール又はホイルパウチなどの水溶性のパケットを使用する1回用量、又は膜若しくは透過性の表面を通した拡散により分配することができる。ディスペンサーはまた、1つの成分が片側に分配され、他の成分が他の側に分配されるデュアルディスペンサーであってもよい。これらの例示的なディスペンサーは、種々の食器洗浄機中に位置するか又は関連し、カウンターの食器洗浄機、バー洗浄機、ドア機械、コンベア機、又はフライト機械を含む。ディスペンサーは、食器洗浄機内、食器洗浄機から離れて、又は食器洗浄機の外に取り付けられて存在してもよい。単一のディスペンサーは、1つ以上の食器洗浄機に供給することができる。
【0110】
2−イン−1洗剤組成物をいったんディスペンサー内に挿入すると、食器洗浄機の洗浄サイクルが開始され、洗浄溶液が生成される。洗浄溶液は、アルカリ性2−イン−1洗剤組成物と食器洗浄機からの水とを含む。水は、硬水、軟水、清潔な水、又は汚れた水などいずれのタイプの水でもよい。最も好ましい洗浄溶液は、16ガロンの食器洗浄機における組成物の溶液に基づいてpHプローブによって測定したとき、好ましいpH範囲である約7〜約11.5、より好ましくは約9.5〜約11.5を維持するものである。プローブが両方の機能を果たすことを可能にする場合、プローブのスイッチを単にpHからミリボルトに切り替えることにより、同じプローブを用いてミリボルトを測定することができる。ディスペンサー又は食器洗浄機は、pHプローブを任意に含んで、洗浄サイクルを通して洗浄溶液のpHを測定することができる。実際の濃度又は水と洗剤との比は、使用される特定の界面活性剤に依存する。典型的な濃度範囲としては、最大3000ppm、好ましくは1〜3000ppm、より好ましくは100〜3000ppm、最も好ましくは300〜2000ppmが挙げられる。再度、実際に使用される濃度は、選択された界面活性剤に依存する。
【0111】
本発明の方法に従って使用する場合、使用溶液は高温を有する(すなわち高温に加熱する)ことができる。ある例において、約120°F〜約185°F、約140°F〜約185°Fの温度の使用溶液を、洗浄すべき基材と接触させる。別の例では、約150°F〜約160°Fの温度の使用溶液を、洗浄すべき基材と接触させる。
【0112】
洗浄溶液が生成された後、洗浄溶液は食器洗浄機中の物品上の汚れに接触する。汚れの例としては、一般的に食品で遭遇する汚れ、例えば、タンパク質性の汚れ、疎水性脂肪汚れ、炭水化物及び単純な糖に関連するデンプン質及び砂糖系汚れ、牛乳及び乳製品の汚れ、果物及び野菜の汚れなどが挙げられる。汚れとしては、例えば硬水からのミネラル、例えばカリウム、カルシウム、マグネシウム、及びナトリウムなどもまた挙げられる。接触される物品としては、ガラス、プラスチック、アルミニウム、鋼、銅、真鍮、銀、ゴム、木材、セラミックなどで作られた物品が挙げられる。物品としては、食器洗浄機中に一般的に存在するもの、例えばガラス、ボウル、プレート、カップ、ポット及びパン、耐熱製品、例えばクッキーシート、ケーキパン、マフィン鍋など、銀製食器、例えばフォーク、スプーン、ナイフ、調理器具、例えば木製スプーン、ヘラ、ゴムスクレーパー、ユーティリティナイフ、トング、グリル調理器具、給仕用具などが挙げられる。洗浄溶液は、スプレー、浸漬、排水ポンプ液、ミスト、及び噴霧を含むいくつかの方法で汚れに接触することができる。
【0113】
洗浄溶液がいったん汚れに接触すると、汚れは物品から除去される。物品からの汚れの除去は、洗浄溶液が物品に接触する方法に応じて、洗浄溶液と汚れとの化学反応、並びに物品上の洗浄溶液の機械的作用により達成される。
【0114】
いったん汚れが除去されると、物品は、別個の又は追加のすすぎ助剤組成物を使用することなく、食器洗浄機の洗浄サイクルの一部として飲用水を用いてすすがれる。
【0115】
これらの方法は、ここに記載されたよりも多くの工程又は少ない工程を含むことができる。例えば、方法は、通常食器洗浄機の洗浄サイクルに関連する追加の工程を含むことができる。例えば、方法は、酸性洗剤の使用を任意に含むこともできる。例えば、方法は、任意に、酸性洗剤を記載されているアルカリ性洗剤と交互に含むことができる。
【0116】
組成物の製造方法
本発明の組成物は、液体製品、濃縮液体製品、ゲル化液体製品、ペースト、顆粒及びペレット化固体組成物、粉末、固体ブロック組成物、鋳造固体ブロック組成物、押出固体ブロック組成物等を含むことができる。
【0117】
固体粒状材料は、乾燥した固体成分を適切な比率で単にブレンドするか、適切な凝集系において材料を凝集させることにより作製することができる。ペレット化材料は、固体粒状材料又は凝集材料を適切なペレット化装置中で圧縮して、適切なサイズのペレット化材料を得ることにより製造することができる。固体ブロックと鋳造固体ブロック材料は、容器内に材料の予備硬化ブロック又は鋳造可能な液体(容器内で硬化して固体ブロックになる)を導入することにより作製することができる。好適な容器は、使い捨てのプラスチック容器又は水溶性フィルムの容器を含む。組成物用の他の適切なパッケージングは、フレキシブルバッグ、パケット、シュリンクラップ、及びポリビニルアルコールなどの水溶性フィルムを含む。
【0118】
固体洗剤組成物は、バッチ又は連続的混合システムを使用して形成することができる。例示的実施態様において、一軸又は二軸スクリュー押出機を使用して、1つ以上の成分を高剪断で組み合わせ混合して、均質な混合物を生成することができる。いくつかの実施態様において、加工温度は成分の溶融温度又はそれ以下である。処理された混合物は、成形、鋳造、又は他の適切な手段により混合機から分配することができ、ここで、洗剤組成物は硬化して固体形態になる。マトリクスの構造は、その硬度、融点、材料分布、結晶構造、及び他の同様の特性に従って、当該分野で公知の方法に従って特徴付けることができる。一般に、本発明の方法に従って処理された固体洗剤組成物は、その質量全体を通して成分の分布に関して実質的に均質であり、寸法的に安定である。
【0119】
押出工程において、液体及び固体成分を最終的な混合システムに導入し、成分がその塊全体に分布した実質的に均質な半固体混合物を形成するまで、成分を混合する。次にこの混合物を、混合システムから、金型又は他の成形手段の中へ又はこれらを通して排出する。次に製品をパッケージ化する。例示的な実施態様において、形成される組成物は、約1分〜約3時間で固体状態に硬化し始める。特に、形成された組成物は、約1分〜約2時間で固体状態へと硬化し始める。より具体的には形成された組成物は、約1分〜約20分で固体状態へと硬化し始める。
【0120】
鋳造工程において、液体成分及び固体成分を最終的な混合システムに導入し、成分がその塊全体に分布した実質的に均質な液体混合物を形成するまで、成分を混合する。例示的な実施態様において、成分は混合装置で少なくとも約60秒間混合される。混合が完了すると、製品はパッケージング容器に移され、そこで固化が起こる。例示的な実施態様において、鋳造組成物は、約1分〜約3時間で固体状態へと硬化し始める。特に、鋳造組成物は、約1分〜約2時間で固体状態へと硬化し始める。より具体的には、鋳造組成物は、約1分〜約20分で固体状態に硬化し始める。
【0121】
圧縮固体プロセスでは、流動性の固体、例えば結合剤を含む顆粒固体又は他の粒状固体などの流動性固体(例えば、水和キレート剤、例えば水和アミノカルボン酸塩、水和ポリカルボン酸塩、又は水和アニオン性ポリマー、水和クエン酸塩、又は水和酒石酸塩などと一緒にアルカリ金属炭酸塩)を、圧力下で一緒にする。加圧固体プロセスでは、組成物の流動性固体を、あるフォーム(例えば金型又は容器)内に置く。方法は、流動性固体をフォーム内に穏やかに押し込んで、固体洗浄組成物を製造することを含むことができる。圧力は、ブロック機械又はターンテーブルプレス等により適用することができる。圧力は、約1〜約2000psi、約1〜約300psi、約5psi〜約200psi、又は約10psi〜約100psiで適用することができる。ある実施態様において、方法は、約1psiより大きいか若しくはこれに等しい、約2より大きいか若しくはこれに等しい、約5より大きいか若しくはこれに等しい、又は約10psiより大きいか若しくはこれに等しい、低い圧力を使用することができる。本明細書において用語「psi」又は「平方インチあたりのポンド」は、加圧される流動性固体に適用される実際の圧力を指し、加圧している装置中のある点で測定されたゲージ又は油圧を指すものではない。方法は、固体洗浄組成物を製造する硬化工程を含むことができる。本明細書で言及されるように、流動性固体を含む未硬化組成物を圧縮して、流動性固体を構成する粒子間の充分な表面接触を提供し、未硬化組成物は安定な固体洗浄組成物に固化するであろう。互いに接触している充分な量の粒子(例えば顆粒)は、安定な固体組成物を製造するのに効果的な、粒子の互いの結合を提供する。硬化工程を含むことは、圧縮固体がある期間、例えば数時間、又は約1日(又はそれ以上)にわたって固化することを可能にすることを含む。さらなる態様において、方法は、例えば引用によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,889,048号明細書に開示された方法のように、フォーム又は金型内の流動性固体を振動させることを含むことができるであろう。
【0122】
圧縮固体の使用は、打錠機で高い圧力を必要とする従来の固体ブロック又はタブレット組成物、又は多量のエネルギーを消費する組成物の溶融を必要とする鋳造、及び/又は高価な機器と高度な技術ノウハウを必要とする押出成形よりも、多くの利点を提供する。圧縮固体は、固体洗浄組成物を作成する必要性がある他の固体調製物のこのような種々の限界を克服する。さらに、圧縮固体組成物は、組成物が貯蔵又は処理され得る条件下でその形状を保持する。
【0123】
「固体」という用語は、硬化した組成物が流れず、適度なストレスや圧力又は単なる重力下でその形状を実質的に保持することを意味する。固体は、粉末、フレーク、顆粒、ペレット、錠剤、トローチ剤、パック、ブリケット、レンガ、固体ブロック、1回用量、又は当業者に公知の他の固体形態などの、種々の形態であってもよい。固体鋳造組成物及び/又は加圧固体組成物の硬度は、例えばコンクリートのように比較的緻密で硬質な溶融された固体製品から、硬化したペーストとして特徴付けられる硬さまでの範囲とすることができる。さらに「固体」という用語は、固体洗剤組成物の貯蔵及び使用の予想される条件下での洗剤組成物の状態を指す。一般的には、洗剤組成物は、最大約100°F、特に約120°Fまでの温度にさらされると、固体の形で残ることが予測される。
【0124】
得られる固体洗剤組成物は、特に限定されないが、鋳造固体製品;押出成形又は成形固体ペレット、ブロック、錠剤、粉末、顆粒、フレーク;圧縮固体を含む形態を取ることができるか;又は成形した固体を次に粉砕又は成形して、粉末、顆粒、又はフレークにすることができる。例示的な実施態様において、固化マトリックスにより形成される押出ペレット材料は約50g〜約250gの重量を有し、組成物により形成される押出固体は約100g以上の重量を有し、組成物により形成された固体ブロック洗剤は約1〜約10kgの重量を有する。固体組成物は、機能性材料の安定な供給源を提供する。いくつかの実施態様において、固体組成物は、例えば水性媒体又は他の媒体中に溶解して、濃縮液及び/又は使用溶液を作成することができる。この溶液は、後の使用及び/又は希釈のための保存容器に向けられるか、又は使用場所に直接適用することができる。
【0125】
以下の特許は、本発明の固体洗浄組成物で使用できる固化、結合及び/又は硬化剤の種々の組み合わせを開示している。以下の米国特許は引用により本明細書に組み込まれる:米国特許第7,153,820号明細書;米国特許第7,094,746号明細書;米国特許第7,087,569号明細書;米国特許第7,037,886号明細書;米国特許第6,831,054号明細書;米国特許第6,730,653号明細書;米国特許第6,660,707号明細書;米国特許第6,653,266号明細書;米国特許第6,583,094号明細書;米国特許第6,410,495号明細書;米国特許第6,258,765号明細書;米国特許第6,177,392号明細書;米国特許第6,156,715号明細書;米国特許第5,858,299号明細書;米国特許第5,316,688号明細書;米国特許第5,234,615号明細書;米国特許第5,198,198号明細書;米国特許第5,078,301号明細書;米国特許第4,595,520号明細書;米国特許第4,680,134号明細書;米国再発行特許第32,763号明細書;及び米国再発行特許第32818号明細書。
【0126】
液体組成物は、典型的には水性液体又は水性液体溶媒系中の成分を成形することにより作製することができる。このような系は典型的には、水又は適合する溶媒中に活性成分を溶解又は懸濁し、次にその製品を適切な濃度に希釈して、濃縮物又はその使用溶液のいずれかを形成することにより作製される。ゲル化組成物は、適切な濃度のゲル化剤を含む適合する水性液体、又は混合水性有機系中に、活性成分を溶解又は懸濁することにより、同様に製造することができる。
【0127】
本明細書における全ての刊行物及び特許出願は、本発明が属する当業者のレベルを示すものである。全ての刊行物及び特許出願は、各個々の刊行物又は特許出願が引用により具体的かつ個別に示されている場合と同じ程度に、引用により本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0128】
本発明の実施態様を、以下の非限定的な実施例でさらに定義する。これらの実施例は、本発明の特定の実施態様を示すが、しかしながら、単に例示として与えられていることを理解すべきである。上記考察とこれらの実施例から、当業者は、本発明の本質的な特徴を確認することができ、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の実施態様の種々の変更及び修正を行って、これを種々の用途及び条件に適合させることができる。すなわち、上述したもの及び本明細書に記載したもの以外に、本発明の実施態様の種々の修飾は、上記説明から当業者には明らかであろう。このような修飾はまた、添付の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【0129】
実施例1〜4
実施例1〜4で使用した材料をここに示す:
Pluronic(登録商標)25R2:BASFから入手可能なEO/POコポリマー。
Novel(登録商標)II 1012GB-21:Sasolから入手可能なアルコールアルコキシレート。
複数の供給源から商業的に入手可能な追加の材料としては:炭酸ナトリウム、灰一水和物、トリポリリン酸ナトリウム(無水)、塩化亜鉛、HEDP、及びKOHを含むものであった。
実施例1〜4について、例示的な2−イン−1洗剤を調整し、表2に示す。実施例1〜4を通じて、処方は実験処方1(実験1)ともいう。
【表3】
【0130】
既存の洗剤、すすぎ助剤、及び実験処方1を蒸留水に対して試験した。洗剤対照1及び対照2は、市販の界面活性剤(リン酸塩系界面活性剤)であった。すすぎ助剤対照1及びすすぎ助剤対照2は、2つの市販のすすぎ助剤(少なくとも2つのイオン性カテゴリー(例えば非イオン性及びカチオン性)のより多量の活性成分界面活性剤を使用した)であった。以下で説明する全ての実験についての使用濃度を以下の表に提供する。
【表4】
【0131】
全ての食器洗浄試験は、Hobart AM-15食器洗浄機で10オンスLibbeyガラスを用いて行った。Hobart AM-15食器洗浄機の仕様は以下のとおりである。
【0132】
【表5】
【0133】
実施例1
動的表面張力
SITA Science line t60は、最大で半静的な範囲までの液体の動的表面張力を測定する。気泡は、既知の半径の毛細管から生成される。気泡の圧力は、Young-Laplace式に従って表面張力と相関させることができる気泡の寿命の関数として測定される。動的表面張力は、動的条件下での界面活性剤及び他の界面活性化合物の動的挙動、すなわち界面活性剤がいかに速く表面に到達することができるか、への見通しを提供する。動的表面張力は、界面活性剤の濃度、温度、及び種類の関数である。界面活性剤の動的表面張力の挙動は、界面活性剤の迅速な対応が要求される用途において、例えば自動食器洗浄機の短いすすぎサイクルで、特に重要である。
【0134】
装置と材料:
1. SITA T60 (Sita Messtechnik, Germany)
2. 攪拌棒を備えた油浴
3. 加熱及び撹拌プレート
4. ガラスビーカー
5. ガラスバイアル(20ml)
【0135】
SITA Science line t60をDI水で較正した。較正後の清潔な水試料は、72.0±1.0mN/mの表面張力を有するはずである(水質や温度に応じて)。較正後、SITAをプログラムして所望の時間間隔(すなわち、0.3、1.6、3.0、及び9.1秒)で読み取りを行った。試験すべき各組成物(試料A〜Cと記す)(例えば、実験1の3つの試料、洗剤対照1の3つの試料)について、所望のppmの3つの別々の溶液を調製した。10〜15mlを20mlのバイアルに移し、72℃(160°F)±2℃に加熱した油浴中に浸漬した。試料を10〜15分間平衡化した。試料を個別に油浴から取り出し、SITAで試験した。各試料を試験した後、SITAのクリーニング操作を行い、次にDI水の表面張力をチェックして、SITAが十分に清潔であることを確認した。DI水の測定値が72.0±1.0mN/m以内でなかった場合は、洗浄操作を再度実行した。160°Fでの表面張力(mN/m)対気泡寿命の実験データを、以下の表4A〜4Fに示し、ここで、τは泡寿命(S)であり、γは表面張力(mN/m)である。
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【0136】
0.3、1.6、3.0、及び9.1秒の平均気泡寿命について、160°Fにおける平均表面張力を試験した。その結果を表5に示す。
【表12】
【0137】
データは、9.1秒の気泡寿命における表面張力の大幅な低下により、実験処方1の表面張力が急速に低下することを示す。これは、すすぎ助剤対照2などの成績の良いすすぎ助剤と同様である。これらの結果を、
図1に示す。
【0138】
実施例2
業務用食器洗浄用洗剤の100サイクルの膜評価
食器類からステインや膜を除去する種々の洗剤組成物の能力を調べるために、ガラスの表面から全ての膜や異物を除去することにより、6つのLibbey 10オンスガラスタンブラーを準備した。次に、Hobart AM-15食器洗浄機に適量の水を満たし、水の硬度を調べた。硬度値を記録した後、タンクヒーターをオンにした。実験の日に、水の硬度は17グレインであった。食器洗浄機をオンにして、約150°F〜約160°Fの洗浄温度、及び約175°F〜約190°Fのすすぎ温度に達するまで、食器洗浄機の洗浄/すすぎサイクルを行った。次に、コントローラーを設定して、適量の洗剤を洗浄タンクに入れた。洗剤は、サイクル中に水と混合して使用溶液を生成した時、使用溶液中の洗剤濃度が750パーツパーミリオン(ppm)になるように入れた。洗浄タンク内の溶液を滴定して、洗剤濃度を確認した。食器洗浄機は、58リットルの洗浄浴容量、2.8リットルのすすぎ容量、50秒の洗浄時間、及び9秒のすすぎ時間を有した。
【0139】
6個の清潔なガラスタンブラーを、Raburnラック中に対角線状に入れ、4個のNewport 10オンスプラスチックタンブラーを、Raburnラック中に対角線からはずして入れ(配置については下図を参照)、ラックを食器洗浄機の内部に入れた(P=プラスチックタンブラー;G=ガラスタンブラー)。
【0140】
【表13】
【0141】
次に、100サイクル試験を開始した。各洗浄サイクルの開始時に、適量の洗剤を自動的に食器洗浄機に入れて、初期洗剤濃度を維持した。洗剤濃度は、電導度により制御した。
【0142】
100サイクルの終了後、食器洗浄機からラックを取り出し、ガラスタンブラーとプラスチックタンブラーを乾燥させた。次に、膜の評点と、分析光ボックス評価とを使用して、ガラスタンブラーとプラスチックタンブラーをステインと膜の蓄積について等級付けをした。膜の評点スケールを表6に示す。
【表14】
【0143】
光ボックス試験は、デジタルカメラ、光ボックス、光源、露出計、及び「Spot Advance」と「Image Pro Plus」商用ソフトウェアを用いる制御コンピュータを使用した。評価すべきガラスを横にして光ボックス上に置き、露出計を用いて光源の強度を所定の値に調整した。ガラスの写真画像を撮影し、コンピュータに保存した。次にソフトウェアを使用してガラスの上半分を解析すると、コンピュータは、グラフの下の面積が膜の厚さに比例するヒストグラムを示した。
【0144】
一般的に、小さい光ボックススコアは、より多くの光がタンブラーを通過することができたことを示している。すなわち、光ボックススコアが小さいほど、組成物がタンブラー表面のスケール生成を防止するのにより有効であった。清潔な未使用のガラスタンブラーは、約12,000の光ボックススコアを有し、これは、6個のガラスタンブラーについて72,000のスコアに相当し、そして清潔な未使用のプラスチックタンブラーは約25,500の光ボックススコアを有し、これは、4個のプラスチックタンブラーについて約102,000の光ボックススコアに相当する。最小の得られる光ボックススコア(すなわち、6個の清潔なガラスタンブラーと4個の清潔なプラスチックタンブラーの合計)は、約174,000である。一般的に、6個の清潔なガラスタンブラーと4個の清潔なプラスチックタンブラーの合計が約360,000以下であれば、洗剤組成物は、硬水のスケール生成を制御するのに有効であると考えられる。
【0145】
100サイクルの試験の結果を、表7〜8に示し、ガラス及びプラスチックタンブラーの平均膜評点を与える。
【表15】
【表16】
【0146】
実施例3
業務用食器洗浄用洗剤の50サイクル再堆積実験
本発明に係る組成物及び対照の洗浄効果を、業務用食器洗浄用洗剤の50サイクル再堆積実験を使用してさらに評価した。清潔なガラスとプラスチックに対する組成物の能力を試験するために、6個の10オンスのLibbey耐熱ガラスタンブラーと1個のプラスチックタンブラーを使用した。ガラスタンブラーは使用前に清潔にした。各実験で新しいプラスチックタンブラーを使用した。
【0147】
ビーフシチューとホットポイント汚れの50/50の組み合わせを用いて食品汚れ溶液を調製し、2000ppmの汚れで使用した。この汚れは、2缶のDinty Moore Beef Stew(1360g)、大きな1缶のトマトソース(822g)、15.5スティックのBlue Bonnet Margarine(1746g)、及び粉末ミルク(436.4g)を含んだ。ホットポイント汚れを機械に加えて、約2000ppmのサンプ(sump)濃度を維持した。
【0148】
食器洗浄機に17グレインの水を満たした後、ヒーターをオンにした。洗浄温度を、約150〜160°Fに調整した。最終すすぎ温度を約175〜190°Fに調整した。洗浄タンク中の洗剤の量を表示するようにコントローラーを設定した。ガラスタンブラーとプラスチックタンブラーをRaburnラックに入れ(配置については下図を参照;P=プラスチックタンブラー、G=ガラスタンブラー)、ラックを食器洗浄機に入れた。
【0149】
【表17】
【0150】
次に、食器洗浄機を起動し、自動サイクルで運転した。各サイクルの開始時に、適量のホットポイント汚れを加えて、2000ppmのサンプ濃度を維持した。洗剤の濃度は、電導度により制御した。
【0151】
50サイクルが終了した時、ガラスを一晩乾燥させた。次に、ステイン及び膜の蓄積についてガラスを等級付けした(視覚的)。
【0152】
次にクマシーブリリアントブルーR染色を使用し、続いて酢酸/メタノール溶液を用いて脱色して、タンパク質蓄積についてガラスタンブラーとプラスチックタンブラーを等級付けした。クマシーブリリアントブルーR染色液は、蒸留水中1.25gのクマシーブリリアントブルーR色素を45mlの酢酸及び455mlの50%メタノールと一緒にして調製した。脱色溶液は、蒸留水中45%メタノールと10%酢酸からなった。
【0153】
脱色後にガラスタンブラーとプラスチックタンブラー上に残存しているタンパク質の量を、1〜5のスケールで視覚的に評価した。評点1は、脱色後にタンパク質が存在しなかったことを示した−ステイン無し/膜無し。評点2は、脱色後にランダムな場所がタンパク質で覆われていた(かろうじて識別できる)ことを示した−ランダムなステイン(又は約20%の表面が膜で覆われていた)。評点3は、脱色後に、表面の約4分の1〜半分がタンパク質で覆われていたことを示した(すなわち、約40%の表面が膜で覆われていた)。評点4は、脱色後に、ガラス/プラスチック表面の約半分がタンパク質で覆われていたことを示した(すなわち、約60%の表面が膜で覆われていた)。評点5は、脱色後に、全表面がタンパク質で覆われていたことを示した(すなわち、少なくとも約80%の表面が膜で覆われていた)。
【0154】
汚れの除去について試験したガラスタンブラーの評点を平均して、ガラス表面からの平均汚れ除去評点を決定し、汚れの除去について試験したプラスチックタンブラーの評点を平均して、プラスチック表面からの平均汚れ除去評点を決定した。同様に、再堆積性について試験したガラスタンブラーの評点を平均して、ガラス表面の平均再堆積評点を決定し、再堆積性について試験したプラスチックタンブラーの評点を平均して、プラスチック表面の平均再堆積評点を決定した。
【0155】
結果を以下の表に示し、本発明に係る洗剤組成物が、少なくとも実質的に類似の洗浄効果を提供し、種々の実施態様において、市販品より優れた効果を与えることを示している。評点スケールを表9に示す。
【表18】
【0156】
50サイクル試験の結果は、表10〜11に示される。
【表19】
【表20】
【0157】
実施例4
業務用食器洗浄用洗剤又はすすぎ助剤の7サイクルのステイン、膜、及び汚れ除去評価
清潔なガラスとプラスチックに対する組成物の能力を試験するために、12個の10オンスLibbey耐熱ガラスタンブラーと4個のNewportプラスチックタンブラーを使用した。ガラスタンブラーは使用前に清潔にした。
【0158】
ビーフシチューとホットポイント汚れの50/50の組み合わせを用いて食品汚れ溶液を調製した。この溶液の濃度は約2000ppmであった。この汚れは、2缶のDinty Moore Beef Stew(1360g)、大きな1缶のトマトソース(822g)、15.5スティックのBlue Bonnet Margarine(1746g)、及び粉末ミルク(436.4g)を含んだ。
【0159】
次に、食器洗浄機を適量の水で満たした。食器洗浄機を水で満たした後、ヒーターをオンにした。最終すすぎ温度を約180°Fに調整した。Campbell's Cream of Chicken Soup:Kemp's Whole Milkの1:1(容量)混合物中でガラスを3回回転させて、ガラスタンブラーとプラスチックタンブラーを汚した。次にガラスを約160°Fのオーブンに8分間入れた。ガラスを乾燥中に、食器洗浄機に約120gの食品汚れ溶液(これは、ポンプ内の約2000ppmの食品汚れに対応する)を入れた。
【0160】
汚れたガラスタンブラーとプラスチックタンブラーをRaburnラックに入れ(配置については下図を参照;P=プラスチックタンブラー、G=ガラスタンブラー)、ラックを食器洗浄機に入れた。タンブラーの最初の2つの列は汚れ除去について試験し、タンブラーの第2の2つの列は再堆積性について試験した。
【0161】
【表21】
【0162】
次に、食器洗浄機を起動し、自動サイクルで運転した。自動サイクルが終了後、ガラスタンブラーとプラスチックタンブラーの上部を乾いたタオルでぬぐった。汚れの除去について試験されているガラスタンブラーとプラスチックタンブラーを取り出し、スープ/ミルク汚し操作を繰り返した。再堆積ガラスとプラスチックタンブラーは取り出さなかった。
【0163】
各サイクルの開始時に、適量の洗剤と食品汚れを洗浄タンクに加えて、すすぎ希釈の代わりとした。汚れと洗浄工程は、7サイクル繰り返した。
【0164】
次にクマシーブリリアントブルーR染色を使用し、続いて酢酸/メタノール溶液を用いて脱色して、タンパク質蓄積についてガラスタンブラーとプラスチックタンブラーを等級付けした。クマシーブリリアントブルーR染色液は、蒸留水中約1.25gのクマシーブリリアントブルーR色素を約45mlの酢酸及び約455mlの50%メタノールと一緒にして調製した。脱色溶液は、蒸留水中45%メタノールと10%酢酸からなった。脱色後にガラスタンブラーとプラスチックタンブラー上に残存しているタンパク質の量を、1〜5のスケールで視覚的に評価した。評点1は、脱色後にタンパク質が存在しなかったことを示した。評点2は、脱色後にランダムな場所がタンパク質で覆われていた(かろうじて識別できる)ことを示した。評点3は、脱色後に、表面の約4分の1がタンパク質で覆われていたことを示した。評点4は、脱色後に、ガラス/プラスチック表面の約半分がタンパク質で覆われていたことを示した。評点5は、脱色後に、全表面がタンパク質で覆われていたことを示した。
【0165】
タンパク質の除去について試験したガラスタンブラーの評点を平均して、ガラス表面からの平均タンパク質除去評点を決定し、タンパク質の除去について試験したプラスチックタンブラーの評点を平均して、プラスチック表面からの平均タンパク質除去評点を決定した。同様に、再堆積性について試験したガラスタンブラーの評点を平均して、ガラス表面の平均タンパク質再堆積評点を決定し、タンパク質再堆積性について試験したプラスチックタンブラーの評点を平均して、プラスチック表面の平均タンパク質再堆積評点を決定した。
【0166】
ガラスは、黒い背景に対してガラス視野領域で視覚的に評価した。各セットのガラスをセットとして評価、すなわち試験した全ての製品について全ての再堆積ガラスを評価した。各セットについて、全体の平均を決定することができる。使用した評価スケールを表12に示す。
【表22】
【0167】
7サイクル試験の結果は、表13〜14に与えられ、ガラスタンブラーとプラスチックタンブラーについて、平均ステイン、膜、及びタンパク質染色評点(標準偏差とともに)を示す。
【表23】
【表24】
【0168】
実施例5〜8
実施例5〜8で使用した材料を以下に示す:
Pluronic(登録商標)25R2:BASFから入手可能なEO/POコポリマー。
Novel(登録商標)II 1012GB-21:Sasolから入手可能なアルコールアルコキシレート。
Acusol(登録商標):Dow Chemical Companyから入手可能なポリアクリル酸コポリマー。
複数の供給源から商業的に入手可能な追加の材料は:炭酸ナトリウム、灰一水和物、トリポリリン酸ナトリウム(無水)、塩化亜鉛、HEDP、及びKOHを含むものであった。
【0169】
ポリマーを含む例示的な2−イン−1洗剤を調製し、表15に示す。実施例を通じて、処方は実験処方2(実験2)ともいう。
【表25】
【0170】
既存の洗剤、すすぎ助剤、及び実験処方2を、蒸留水に対して試験した。洗剤対照1及び対照2は、市販の洗剤(リン酸塩系界面活性剤)である。すすぎ助剤対照1及びすすぎ助剤対照は、2つの市販のすすぎ助剤(少なくとも2つのイオン性カテゴリー(例えば非イオン性及びカチオン性)のより多量の活性成分界面活性剤を使用する)であった。以下で説明する全ての実験のための使用濃度を、以下の表16に提供する。
【表26】
【0171】
全ての食器洗浄試験は、Hobart AM-15食器洗浄機で10オンスLibbeyガラスを用いて行った。Hobart AM-15食器洗浄機の仕様は以下のとおりである。
【0172】
【表27】
【0173】
実施例5
動的表面張力
SITA Science line t60は、最大で半静的な範囲までの液体の動的表面張力を測定する。気泡は、既知の半径の毛細管から生成される。気泡の圧力は、Young-Laplace式に従って表面張力と相関させることができる気泡の寿命の関数として測定される。動的表面張力は、動的条件下での界面活性剤及び他の界面活性化合物の動的挙動、すなわち界面活性剤がいかに速く表面に到達することができるか、への見通しを提供する。動的表面張力は、界面活性剤の濃度、温度、及び種類の関数である。界面活性剤の動的表面張力の挙動は、界面活性剤の迅速な対応が要求される用途において、例えば自動食器洗浄機の短いすすぎサイクルで、特に重要である。
【0174】
装置と材料:
1. SITA T60 (Sita Messtechnik, Germany)
2. 攪拌棒を備えた油浴
3. 加熱及び撹拌プレート
4. ガラスビーカー
5. ガラスバイアル(20ml)
【0175】
SITA Science line t60をDI水で較正した。較正後の清潔な水試料は、72.0±1.0mN/mの表面張力を有するはずである(水質や温度に応じて)。較正後、SITAをプログラムして所望の時間間隔(すなわち、0.3、1.6、3.0、及び9.1秒)で読み取りを行った。試験すべき各組成物(A〜Cと記す)について、所望のppmの3つの別々の溶液(例えば、実験2の3つの試料、洗剤対照1の3つの試料)を調製した。10〜15mlを20mlのバイアルに移し、72°C(160°F)±2℃に加熱した油浴中に浸漬した。試料を10〜15分間平衡化した。試料を個別に油浴から取り出し、SITAで試験した。各試料を試験した後、SITAの洗浄操作を行い、次にDI水の表面張力をチェックして、SITAが十分に清潔であることを確認した。DI水の測定値が72.0±1.0mN/m以内でなかった場合は、洗浄操作を再度実行した。160°Fでの表面張力(mN/m)対気泡寿命の実験データを、以下の表17A〜17Fに示し、ここで、τは泡寿命(秒)であり、γは表面張力(mN/m)である。
【表28】
【表29】
【表30】
【表31】
【表32】
【表33】
【0176】
0.3、1.6、3.0、及び9.1秒の平均気泡寿命について160°Fでの平均表面張力を試験した。結果を表18に示す。
【表34】
【0177】
データは、実験処方2の表面張力が、9.1秒の気泡寿命における表面張力の大幅な低下により、急速に低下することを示す。これは、すすぎ助剤対照2などの成績の良いすすぎ助剤と同様である。これらの結果を
図2に示す。
【0178】
実施例6
業務用食器洗浄用洗剤の100サイクルの膜評価
食器類からステインや膜を除去する種々の洗剤組成物の能力を調べるために、ガラスの表面から全ての膜や異物を除去することにより、6つのLibbey 10オンスガラスタンブラーを準備した。次に、Hobart AM-15食器洗浄機に適量の水を満たし、水の硬度を調べた。硬度値を記録した後、タンクヒーターをオンにした。実験の日に、水の硬度は17グレインであった。食器洗浄機をオンにして、約150°F〜約160°Fの洗浄温度、及び約175°F〜約190°Fのすすぎ温度に達するまで、食器洗浄機の洗浄/すすぎサイクルを行った。次に、コントローラーを設定して、適量の洗剤を洗浄タンクに入れた。洗剤は、サイクル中に水と混合して使用溶液を生成した時、使用溶液中の洗剤濃度が750パーツパーミリオン(ppm)になるように入れた。洗浄タンク内の溶液を滴定して、洗剤濃度を確認した。食器洗浄機は、58リットルの洗浄浴容量、2.8リットルのすすぎ容量、50秒の洗浄時間、及び9秒のすすぎ時間を有した。
【0179】
6個の清潔なガラスタンブラーを、Raburnラック中に対角線状に入れ、4個のNewport 10オンスプラスチックタンブラーを、Raburnラック中に対角線からはずして入れ(配置については下図を参照)、ラックを食器洗浄機の内部に入れた(P=プラスチックタンブラー;G=ガラスタンブラー)。
【0180】
【表35】
【0181】
次に、100サイクル試験を開始した。各洗浄サイクルの開始時に、適量の洗剤を自動的に食器洗浄機に入れて、初期洗剤濃度を維持した。洗剤濃度は、電導度により制御した。
【0182】
次に、100サイクル試験を開始した。各洗浄サイクルの開始時に、適量の洗剤を自動的に食器洗浄機に入れて、初期洗剤濃度を維持した。洗剤濃度は、電導度により制御した。
【0183】
100サイクルの終了後、食器洗浄機からラックを取り出し、ガラスタンブラーとプラスチックタンブラーを乾燥させた。次に、膜の評点と、分析光ボックス評価とを使用して、ガラスタンブラーとプラスチックタンブラーをステインと膜の蓄積について等級付けをした。膜の評点スケールを表19に示す。
【表36】
【0184】
光ボックス試験は、デジタルカメラ、光ボックス、光源、露出計、及び「Spot Advance」と「Image Pro Plus」商用ソフトウェアを用いる制御コンピュータを使用した。評価すべきガラスを横にして光ボックス上に置き、露出計を用いて光源の強度を所定の値に調整した。ガラスの写真画像を撮影し、コンピューターに保存した。次にソフトウェアを使用してガラスの上半分を解析すると、コンピューターは、グラフの下の面積が膜の厚さに比例するヒストグラムを示した。
【0185】
一般的に、小さい光ボックススコアは、より多くの光がタンブラーを通過することができることを示している。すなわち、光ボックススコアが小さいほど、組成物がタンブラー表面のスケール生成を防止するのにより有効であった。清潔な未使用のガラスタンブラーは、約12,000の光ボックススコアを有し、これは、6個のガラスタンブラーについて72,000のスコアに相当し、そして清潔な未使用のプラスチックタンブラーは約25,500の光ボックススコアを有し、これは、4個のプラスチックタンブラーについて約102,000の光ボックススコアに相当する。最小の得られる光ボックススコア(すなわち、6個の清潔なガラスタンブラーと4個の清潔なプラスチックタンブラーの合計)は、約174,000である。一般的に、6個の清潔なガラスタンブラーと4個のプラスチック製タンブラーの合計が約360,000以下であれば、洗剤組成物は、硬水のスケール生成を制御するのに有効であると考えられる。
【0186】
100サイクルの試験の結果を、表20及び21に示す。
【表37】
【表38】
【0187】
実施例7
業務用食器洗浄用洗剤の50サイクル再堆積実験
本発明に係る組成物及び対照の洗浄効果を、業務用食器洗浄洗剤の50サイクル再堆積実験を使用して、さらに評価した。清潔なガラスとプラスチックに対する組成物の能力を試験するために、6個の10オンスのLibbey耐熱ガラスタンブラーと1個のプラスチックタンブラーを使用した。ガラスタンブラーは使用前に清潔にした。各実験で新しいプラスチックタンブラーを使用した。
【0188】
ビーフシチューやホットポイント汚れの50/50の組み合わせを用いて食品汚れ溶液を調製し、2000ppmの汚れで使用した。この汚れは、2缶のDinty Moore Beef Stew(1360g)、大きな1缶のトマトソース(822g)、15.5スティックのBlue Bonnet Margarine(1746g)、及び粉末ミルク(436.4g)を含んだ。ホットポイント汚れを機械に加えて、約2000ppmの汚れ濃度を維持した。
【0189】
食器洗浄機に17グレインの水を充填した後、ヒーターをオンにした。洗浄温度を、約150〜160°Fに調整した。最終すすぎ温度は約175〜190°Fに調整した。洗浄タンク中の洗剤の量を表示するようにコントローラーを設定した。ガラスタンブラーとプラスチックタンブラーをRaburnラックに入れ(配置については下図を参照;P=プラスチックタンブラー、G=ガラスタンブラー)、ラックを食器洗浄機に入れた。
【0190】
【表39】
【0191】
次に、食器洗浄機を起動し、自動サイクルで運転した。各サイクルの開始時に、適量のホットポイントゾルを加えて、2000ppmの汚れ濃度を維持した。洗剤の濃度は、電導度により制御した。
【0192】
50サイクルが終了した時、ガラスを一晩乾燥させた。次に、ステイン及び膜の蓄積についてガラスを等級付けした(視覚的)。
【0193】
次に、クマシーブリリアントブルーR染色を使用し、次に酢酸/メタノール溶液を用いて脱色して、タンパク質蓄積についてガラスタンブラーとプラスチックタンブラーを等級付けした。クマシーブリリアントブルーR染色液は、蒸留水中1.25gのクマシーブリリアントブルーR色素を45mlの酢酸及び455mlの50%メタノールを一緒にして調製された。脱色溶液は、蒸留水中45%メタノールと10%酢酸からなった。
【0194】
脱色後にガラスタンブラーとプラスチックタンブラー上に残存しているタンパク質の量を、1〜5のスケールで視覚的に評価した。評点1は、脱色後にタンパク質が存在しなかったことを示した−ステイン無し/膜無し。評点2は、脱色後にランダムな場所(かろうじて識別できる)がタンパク質で覆われていたことを示した一ランダムなステイン(又は約20%の表面が膜で覆われていた)。評点3は、脱色後に、表面の約4分の1〜半分がタンパク質で覆われていたことを示した(すなわち、約40%の表面が膜で覆われていた)。評点4は、脱色後に、ガラス/プラスチック表面の約半分がタンパク質で覆われていたことを示した(すなわち、約60%の表面が膜で覆われていた)。評点5は、脱色後に、全表面がタンパク質で覆われていたことを示す(すなわち、少なくとも約80%の表面が膜で覆われていた)。
【0195】
汚れの除去について試験したガラスタンブラーの評点を平均して、ガラス表面からの平均汚れ除去評点を決定し、汚れの除去について試験したプラスチックタンブラーの評点を平均して、プラスチック表面からの平均汚れ除去評点を決定した。同様に、再堆積性について試験したガラスタンブラーの評点を平均して、ガラス表面の平均再堆積評点を決定し、再堆積性について試験したプラスチックタンブラーの評点を平均して、プラスチック表面の平均再堆積評点を決定した。
【0196】
結果を以下の表に示し、本発明に係る洗剤組成物が、少なくとも実質的に類似の洗浄効果を提供し、種々の実施態様において、市販品より優れた効果を提供することを示す。評点尺度を表22に示す。
【表40】
【0197】
50サイクル試験の結果を、表23及び24に示す。
【表41】
【表42】
【0198】
実施例8
業務用食器洗浄用洗剤又はすすぎ助剤の7サイクルのステイン、膜、及び汚れ除去評価
清潔なガラスとプラスチックに対する組成物の能力を試験するために、12個の10オンスLibbey耐熱ガラスタンブラーと4個のNewportプラスチックタンブラーを使用した。ガラスタンブラーは使用前に清潔にした。
【0199】
ビーフシチューとホットポイント汚れの50/50の組み合わせを用いて食品汚れ溶液を調製した。この溶液の濃度は約2000ppmであった。この汚れは、2缶のDinty Moore Beef Stew(1360g)、大きな1缶のトマトソース(822g)、15.5スティックのBlue Bonnet Margarine(1746g)、及び粉末ミルク(436.4g)を含んだ。
【0200】
次に、食器洗浄機を適量の水で満たした。食器洗浄機を水で満たした後、ヒーターをオンにした。最終すすぎ温度を約180°Fに調整した。ガラスをCampbell's Cream of Chicken Soup:Kemp's Whole Milkの1:1(容量)混合物中で3回回転して、ガラスタンブラーとプラスチックタンブラーを汚した。次にガラスを約160°Fのオーブンに8分間入れた。ガラスを乾燥中に、食器洗浄機に約120gの食品汚れ溶液(これは、ポンプ内の約2000ppmの食品汚れに対応)を入れた。
【0201】
汚れたガラスタンブラーとプラスチックタンブラーをRaburnラックに入れ(配置については下図を参照;P=プラスチックタンブラー、G=ガラスタンブラー)、ラックを食器洗浄機に入れた。タンブラーを有する最初の2つの列は汚れ除去について試験し、タンブラーを有する第2の2つの列は再堆積性について試験した。
【0202】
【表43】
【0203】
次に、食器洗浄機を起動し、自動サイクルで運転した。自動サイクルが終了後、ガラスタンブラーとプラスチックタンブラーの上部を乾いたタオルでぬぐった。汚れの除去について試験されているガラスタンブラーとプラスチックタンブラーを取り出し、スープ/ミルク汚し操作を繰り返した。再堆積ガラスとプラスチックタンブラーは取り出さなかった。
【0204】
各サイクルの開始時に、適量の洗剤と食品汚れを洗浄タンクに加えて、すすぎ希釈の代わりとした。汚れと洗浄工程は、7サイクル繰り返した。
【0205】
次に、クマシーブリリアントブルーR染色を使用し、次に酢酸/メタノール溶液を用いて脱色して、タンパク質蓄積についてガラスタンブラーとプラスチックタンブラーを等級付けした。クマシーブリリアントブルーR染色液は、蒸留水中約1.25gのクマシーブリリアントブルーR色素を約45mlの酢酸及び約455mlの50%メタノールを一緒にして調製された。脱色溶液は、蒸留水中45%メタノールと10%酢酸からなった。脱色後にガラスタンブラーとプラスチックタンブラー上に残存しているタンパク質の量を、1〜5のスケールで視覚的に評価した。評点1は、脱色後にタンパク質が存在しなかったことを示した。評点2は、脱色後にランダムな場所がタンパク質で覆われていた(かろうじて識別できる)ことを示す。評点3は、脱色後に、表面の約4分の1がタンパク質で覆われていたことを示した。評点4は、脱色後に、ガラス/プラスチック表面の約半分がタンパク質で覆われていたことを示した。評点5は、脱色後に、全表面がタンパク質で覆われていたことを示した。
【0206】
タンパク質の除去について試験したガラスタンブラーの評点を平均して、ガラス表面からの平均タンパク質除去評点を決定し、タンパク質の除去について試験したプラスチックタンブラーの評点を平均して、プラスチック表面からの平均タンパク質除去評点を決定した。同様に、再堆積性について試験したガラスタンブラーの評点を平均して、ガラス表面の平均タンパク質再堆積評点を決定し、タンパク質再堆積性について試験したプラスチックタンブラーの評点を平均して、プラスチック表面の平均タンパク質再堆積評点を決定した。
【0207】
評価結果:
ガラスは、黒い背景に対してガラス視野領域で視覚的に評価した。各セットのガラスをセットとして評価、すなわち試験した全ての製品について全ての再堆積ガラスを評価する。各セットについて、全体の平均を決定することができる。使用された評価スケールを表25に示す。
【表44】
【0208】
7サイクル試験の結果を、表26及び27に示し、ガラスタンブラーとプラスチックタンブラーについて、平均ステイン、膜、及びタンパク質染色評点(標準偏差とともに)を示す。
【表45】
【表46】
【0209】
これらの実施例は、既存の洗剤や既存の洗剤とすすぎ助剤と比較すると、伝統的な食器洗浄操作による洗浄と再堆積防止のほとんどのカテゴリーで、本発明の組成物が、同様の、実質的に同様の、又はより優れた性能を提供したことを示す。
【0210】
こうして本発明を記載したが、これが多くの方法で変更できることは明らかであろう。このような変更は本発明の精神及び範囲からの逸脱とみなされるべきではなく、全てのこのような修飾は、以下の特許請求の範囲に含まれることが意図されている。上記明細書は、開示された組成物の製造と使用そして方法の説明を提供する。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、多くの実施態様を行うことができるため、本発明は特許請求の範囲内にある。以下の項目[1]〜[26]に、本発明の実施形態の例を列記する。
[1]
アルカリ金属炭酸塩を含むアルカリ源と;
少なくとも2種の非イオン性界面活性剤であって、アルコールアルコキシレート及びアルキルアルコキシレートを含む、非イオン性界面活性剤と;
ビルダーと
を含む、アルカリ性洗浄すすぎ組成物であって、
前記組成物が、洗浄機能とすすぎ機能との両方を果たす、アルカリ性洗浄すすぎ組成物。
[2]
前記アルカリ源が約10重量%〜約90重量%で存在し、前記非イオン性界面活性剤が約0.1〜約80重量%で存在する、項目1に記載の組成物。
[3]
前記アルコールアルコキシレートと前記アルキルアルコキシレートとが約3:1〜1:3の比率である、項目1に記載の組成物。
[4]
前記組成物が、別々の洗剤組成物及びすすぎ助剤組成物と実質的に同様の洗浄及びすすぎ性能を提供する、項目1に記載の組成物。
[5]
0.1重量%〜約50重量%の中和剤をさらに含む、項目1に記載の組成物。
[6]
前記アルカリ源はアルカリ金属炭酸塩を含み、前記アルカリ源はアルカリ金属水酸化物を実質的に含まず、前記中和剤は最大約10重量%のアルカリ金属水酸化物を含む、項目5に記載の組成物。
[7]
酵素をさらに含む、項目1に記載の組成物。
[8]
前記酵素が、プロテアーゼ、リパーゼ、及び/又はアミラーゼである、項目7に記載の組成物。
[9]
前記アルキルアルコキシレートが約0.1重量%〜約15重量%で存在する、項目1に記載の組成物。
[10]
アルカリ金属炭酸塩を含むアルカリ源と;
少なくとも2種の非イオン性界面活性剤であって、アルコールアルコキシレート及びEO/POコポリマーを含む、非イオン性界面活性剤と;
ビルダーと;
ポリカルボン酸ポリマー、コポリマー、及び/又はターポリマーを含む、ポリマーと
を含む、アルカリ性洗浄すすぎ組成物であって、
前記組成物が、洗浄機能とすすぎ機能との両方を果たす、アルカリ性洗浄すすぎ組成物。
[11]
前記アルカリ源が約10重量%〜約90重量%で存在し、前記非イオン性界面活性剤が約0.1〜約80重量%で存在し、前記ポリマーが約0.1〜約50重量%で存在する、項目10に記載の組成物。
[12]
前記EO/POコポリマーと前記アルコールアルコキシレートとが約3:1〜1:3の比率である、項目10に記載の組成物。
[13]
前記組成物が、別々の洗剤組成物及びすすぎ助剤組成物と実質的に同様の洗浄及びすすぎ性能を提供する、項目10に記載の組成物。
[14]
0.1重量%〜約50重量%の中和剤をさらに含む、項目10に記載の組成物。
[15]
前記ポリマーが0.1重量%〜約40重量%で存在し、ポリアクリル酸ポリマー、コポリマー、及び/又はターポリマーを含む、項目10に記載の組成物。
[16]
前記ポリアクリル酸ポリマー、コポリマー、及び/又はターポリマーが、アクリル酸/マレイン酸コポリマーである、項目15に記載の組成物。
[17]
前記アルカリ源はアルカリ金属炭酸塩を含み、前記アルカリ源はアルカリ金属水酸化物を実質的に含まず、前記中和剤は最大約10重量%のアルカリ金属水酸化物を含む、項目14に記載の組成物。
[18]
酵素をさらに含む、項目17に記載の組成物。
[19]
食器類に項目1又は10に記載のアルカリ性洗剤組成物を接触させることを含む、食器類の洗浄及びすすぎ方法。
[20]
前記アルカリ源が約10重量%〜約90重量%で存在し、前記非イオン性界面活性剤が約0.1〜約80重量%で存在する、項目19に記載の方法。
[21]
前記アルコールアルコキシレートと前記アルキルアルコキシレートとが約3:1〜1:3の比率である、項目19に記載の方法。
[22]
前記アルカリ性洗剤組成物が、約0.1重量%〜約50重量%の中和剤をさらに含む、項目19に記載の方法。
[23]
前記アルカリ源はアルカリ金属炭酸塩を含み、アルカリ源はアルカリ金属水酸化物を実質的に含まず、中和剤は最大約10重量%のアルカリ金属水酸化物を含む、項目22に記載の方法。
[24]
前記アルカリ性洗剤組成物が、プロテアーゼ、リパーゼ、及び/又はアミラーゼ酵素をさらに含む、項目19に記載の方法。
[25]
前記アルキルアルコキシレートは、約0.1重量%〜約15重量%で存在する、項目19に記載の方法。
[26]
前記アルカリ性洗剤は、鋳造、押出し、又は圧縮固体である、項目1又は10に記載の組成物。