【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の技術的目的は、請求項1に記載の液体容器及び請求項15に記載の方法によって達成される。本発明のさらなる実施形態が、従属請求項及び以下の説明から生じる。
【0007】
第1の態様によれば、本発明は、第1のハーフシェル及び第2のハーフシェルを有する、自動車両用の液体容器に関し、これらのハーフシェルは、液体を収容するための格納容積を形成しており、第1のハーフシェルは、第1の支持層及び第1のバリア層を有し、第2のハーフシェルは、第2の支持層及び第2のバリア層を有し、第1のバリア層は、第1の支持層の格納容積とは反対の側に配置され、第2のバリア層は、第2の支持層の格納容積に面する側に配置されている。
【0008】
第1のハーフシェルは、自動車両用のプラスチック材料製燃料容器の上部シェルであり得る。第2のハーフシェルは、プラスチック材料製燃料容器の下部シェルであり得る。
【0009】
設置状態の上部シェルは車両に面している。設置状態の下部シェルは、車両とは反対を向いて、すなわち、通り又は道路に面している。したがって、第2のバリア層の内部配置のため、第2のバリア層は、機械的摩耗から、例えば道石から保護される。
【0010】
外側に配置される第1のバリア層では、車両に面する配置のため、このような保護は必要でない。上部シェルはしたがって、第1のバリア層を貫通することなく、内部取り付け部品又は成形要素を取り付ける、特に溶接するために用いることができる。
【0011】
液体容器の他の一実施形態によれば、格納容積に面する側の第1の支持層は、1つ又は複数の成形要素、接続部、又は機能ユニットを有することが提供される。これらは、例えば、弁ホルダー、機能ユニットの形状嵌め及び力嵌め固定のためのクリップ、又は機能ユニットを一体的に結合するための台座であり得る。第1のバリア層が第1の支持層の格納容積とは反対の側に配置される結果として、成形要素、接続部、又は機能ユニットは、第1のバリア層を中断することなく、第1の支持層の格納容積に面する側に取り付け、成形、又は適用することができる。したがって、第1のバリア層の構造的完全性に悪影響を与えることなく、例えば、射出成形プロセスにおいて一体的に又は一部品で形成された成形要素を製造することができる。
【0012】
成形要素、接続部、又は機能ユニットは、例えば、格納容積内に突出して延びる要素であり得る。
【0013】
成形要素及び/又は接続部は、射出成形プロセスにおいて第1の支持層と一部品で形成されてもよく、及び/又は第1の支持層上に逐次的に成形されていてもよい。射出成形プロセスにおいて一部品で実現される成形要素及び/又は接続部の一体結合は、成形要素及び/又は接続部を費用効率よく製造することが可能であるという利点を有する。成形要素及び/又は接続部の逐次的成形は、成形要素及び/又は接続部の壁厚及び位置に関して設計の自由度が大きくなるという利点を提供する。
【0014】
液体容器の他の一実施形態によれば、格納容積内に配置されるすべての成形要素、接続部、又は機能ユニットが第1の支持層上に設けられ、格納容積内に配置される成形要素、接続部、又は機能ユニットは第2のバリア層上には設けられないことが提供される。このように、第1のバリア層又は第2のバリア層を貫通又は中断する必要なく、すべての必要な成形要素、接続部、又は機能ユニットを液体容器内に配置することができる。
【0015】
あるいは、1つ又は複数の成形要素、接続部、又は機能ユニットを取り付けるために用いられるプラスチック材料が、第2のバリア層の第2の支持層とは反対の側に局所的に成形されることが提供され得る。例えば、支持層が射出成形によって製造された後、支持材料が、逐次射出成形によって、第2のバリア層の支持層とは反対の側で、バリア層上に局所的に成形され得る。局所的に成形されたプラスチック材料は、例えば、サージタンクが溶接又は接着結合され得る、例えば、支持材料から成る台座又は板状要素であり得る。このように、第2のバリア層を貫通又は中断することなく、内部バリア層を有する第2のハーフシェルの領域に機能ユニットを配置することができる。第2のバリア層のバリア効果をこのように維持することができ、加えて、下部ハーフシェルの局所成形プラスチック材料の領域に成形要素、接続部、又は機能ユニットを配置することができる。
【0016】
バリア層の少なくとも1つは、射出成形プロセスにおいて関連する支持層に一体的に結合された単層フィルムであり得る。この目的のため、フィルムを射出成形金型の金型半体に収容し、可塑化された支持材料で成形又は背面成形することができる。射出成形プロセスを介してバリアフィルムと支持層との間に一体的結合が形成される。したがって、材料の使用を少なくして費用効率よく支持層及びバリアフィルムを有するハーフシェルを製造することができる。
【0017】
代替として又は追加として、バリア層の少なくとも1つは、射出成形プロセスにおいて関連する支持層に一体的に結合された複層フィルムであることが提供され得る。このような複層フィルムは、例えば、エチレンビニルアルコールコポリマー(EVOH)から成る中心層を含む5重フィルムであってもよく、EVOH層は低密度ポリエチレン(LDPE)層によって両側が覆われ、LDPE層は高密度ポリエチレン(HDPE)層によって覆われている。
【0018】
複層フィルムのカバー層は特に、支持材料とバリアフィルムとの間の信頼できる一体的結合を達成するため、支持材料と同じ設計を有し得る。多層フィルムのバリア効果はこのように、例えば、主にEVOH層によって提供され得る一方、LDPE層はそれぞれ外部HDPE層のための接着促進剤として用いられ、HDPE層には次いで信頼できる接着又は一体的結合のための支持材料を設けることができ、この支持材料は同様にバリアフィルムのカバー層のHDPEから成り得る。
【0019】
液体容器は、ガソリン又はディーゼル燃料を収容するためのプラスチック材料製燃料容器であり得る。バリア層及び/又は支持層は、ディーゼル燃料又はガソリンと接触するのに特に適している。バリア層の材料及び支持層の材料はしたがって、それらの膨潤特性に関して、液体燃料と直接接触するのに適していなければならない。支持材料ならびにバリア層は、それらの耐化学性及び膨潤特性に関して、燃料との直接接触における使用に適していなければならない。
【0020】
一重又は多重支持層は、以下の材料の1つ又は複数を含んでもよく、又は以下の材料の1つ又は複数から成り得る。すなわち、エラストマー、熱可塑性エラストマー、高密度ポリエチレン(HDPE)、繊維強化ポリアミド、ポリアミド(PA)、部分芳香族ポリアミド、耐衝撃性ポリアミド、である。
【0021】
一重又は多重バリア層は、以下の材料の1つ又は複数を含んでもよく、又は以下の材料の1つ又は複数から成り得る。すなわち、エチレンビニルアルコールコポリマー(EVOH)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド(PA)、部分芳香族ポリアミド、高密度ポリエチレン(HDPE)、フルオロポリマー、である。例えば、バリア層は、中心のEVOH層がPAカバー層によって両側で覆われている、又は接している、PA及びEVOHから成る3重設計を有し得る。また、例えば、6重壁構造、又はHDPE、LDPE、及びEVOHから成る上述の5重構造を提供することも可能である。
【0022】
液体容器の他の一実施形態によれば、接続領域におけるハーフシェルは互いに一体的に結合され、接続領域における第1の支持層は第2のバリア層及び/又は第2の支持層に一体的に結合され、接続領域における第1のバリア層と第2のバリア層とは互いに間隔を空けて両側で第1の支持層に接し、接続領域における第1の支持層は、格納容積と液体容器の周囲との間に浸透経路を形成していることが提供される。
【0023】
閉鎖液体容器を形成するためのハーフシェルの一体結合は、プラスチック材料溶接法、特に接触式法又は非接触式溶接法によって行うことができる。例には、熱板溶接、振動溶接、放射溶接、超音波溶接、又は熱風溶接が含まれる。
【0024】
接続領域におけるバリア層が互いに間隔を空けて、浸透経路が支持層の支持材料から形成されれば、2つのバリア層はしたがって、格納容積を本質的に完全に、すなわち、必須のタンク接続を除いて包囲するであろう閉鎖バリアブラダーを形成せず、代わりに、接続領域において第1の支持材料から成る部分が存在し、これを介して格納容積と周囲との間に接続があり、これは効果的な拡散を有し、バリアフィルムによって形成されていない。
【0025】
浸透経路に沿った拡散関連の放出を低く保つため、断面で見た浸透経路の長さが浸透経路の幅の2倍以上であることを提供することができ、浸透経路の幅は、接続領域におけるバリア層間の距離に対応している。換言すれば、接続領域におけるこのような浸透経路は、拡散関連の放出を最小限に抑えるため、好ましくは延長された狭い設計を有するべきである。
【0026】
代替として又は追加として、断面で見た浸透経路の長さが第1のハーフシェル及び第2のハーフシェルの壁厚より大きいことがさらに提供され得る。
【0027】
このような構成は、例えば、液体容器の設置位置で見た水平面に対してある角度で延びる浸透経路によって達成することができる。液体容器の寸法を大幅に増大させることなく構造設計を介して浸透経路を長くするため、ハーフシェル間に形成される浸透経路又は接続領域をこのように傾斜させて、又は斜めに延ばすことができる。
【0028】
第1のバリア層と第2のバリア層とが互いに一体的に結合されていることが提供され得る。この場合、ハーフシェル間の接続領域に浸透経路が形成されず、充填ネック、通気孔、及び/又は引き出し開口のような必須タンク接続が提供されるという制限はあるが、バリア層は、液体容器の格納容積を本質的に完全に包囲する本質的に閉じたバリアブラダーを形成する。拡散関連の放出をこのように確実に制限することができる。
【0029】
バリア層が格納容積を本質的に完全に包囲すると本明細書で言及するとき、これは特に、ハーフシェル間の接続領域における浸透経路を回避することを指しており、液体容器に燃料を充填するため、及び液体容器から燃料を引き出すため、供給ライン、出口、及び/又は通気弁が提供され、その近傍において第1又は第2のバリア層が局所的に貫通されることが理解される。したがって、ハーフシェルの壁に貫通接続開口を設けることができる。接続開口は、射出成形プロセスにおいて製造しておくことができる。
【0030】
液体容器の他の一実施形態によれば、第1のバリア層は、格納容積に面する第1の支持層の側を本質的に完全に覆っていることが提供される。例えば、格納されるべき液体燃料の信頼できる封入をこのように達成することができる。
【0031】
代替として又は追加として、第2のバリア層は、格納容積に面する第2の支持層の側を本質的に完全に覆っていることが提供され得る。ここでも、これは拡散関連の放出を確実に削減するのに役立つ。
【0032】
「本質的に完全に」という表現は、タンクシステムに任意選択で要求される上述の入口及び出口を考慮に入れている。
【0033】
液体容器のハーフシェルの少なくとも一方はウェブを有し、ウェブは、少なくとも部分的に、相補的な形状を有する対応する他方のハーフシェルのレセプタクルに形状が適合するように着座しており、ウェブに沿ってハーフシェルの一体的結合が形成されていることが提供され得る。例えば、第1のハーフシェルにこのようなウェブを設けることができ、第1のハーフシェルは特に第2のハーフシェルのためのカバーを形成することができる。
【0034】
第1のハーフシェルと第2のハーフシェルとは非対称設計を有してもよく、第2のハーフシェルは、例えば、第1のハーフシェルによって閉鎖可能な上部で開いているシェルを形成している。
【0035】
相補的な形状と共にウェブはセンタリングを形成することができ、そのため、第1のハーフシェル及び第2のハーフシェルが組み立てられるとき、周方向に延びる結合領域全体に沿って信頼できる一体的結合が達成される。したがって、第1のハーフシェルは、例えば、第2のハーフシェルに関してカバーのセルフセンタリングを形成することができる。
【0036】
液体容器のコンポーネントの寸法を大幅に増大させることなく延長された浸透経路を構造的に設計するため、第1のハーフシェルを収容するために設けることができる、第2のハーフシェルの自由に突出する壁部が、例えば、液体容器の設置状態で水平面に対してある角度で延びる周状の取り付け斜面を有し得る。第1のハーフシェルは、この斜面に対して相補的な形状を有し、第1のハーフシェル上の周状の溶接カラー又はウェブによって形成されて第2のハーフシェルの中心に置かれ得る凹部又は折り目を有し得る。
【0037】
液体容器の他の一実施形態によれば、ウェブを有するハーフシェルのバリア層は、端部でウェブの周囲に折り返されているか、又はウェブを囲んでいることが提供され、バリア層は特にウェブの端面側を少なくとも部分的に覆っている。例えば、外部バリア層を有する第1のハーフシェル上にウェブが提供されれば、ウェブの囲い込みが、少なくとも部分的に、バリア効果を高めるため、浸透経路が周囲へ出る領域におけるバリア層間の浸透経路の幅を局所的に狭めることができる。代替として又は追加として、端面側でウェブの周囲に折り返された第1のハーフシェルの外部バリア層又はバリアフィルムは、第2のハーフシェルの第2のバリア層に当接し、及び/又はこれに一体的に結合されることが提供され得る。ここでも、格納容積を周方向に本質的に完全に包囲する本質的に閉じられたバリアブラダーをこのように形成することができる。
【0038】
ウェブは、少なくとも部分的に、レーザ透過性プラスチック材料から成り、一体的結合はレーザ透過溶接によって形成されていることが提供され得る。高品質の溶接結合をこのように迅速に達成することができる。
【0039】
支持層の1つの壁厚はそれ自体、2mm〜6mm、特に2mm〜4mmであり得る。この小さな壁厚は、例えば、ハーフシェルの全表面の90%を超えて提供することができ、局所補強リブ、出口、又は他の局所厚化領域を提供することもできる。
【0040】
バリア層、特にバリアフィルムの1つの厚さは、100μm〜1000μmであり得る。
【0041】
第2の態様によれば、本発明は、
第1のハーフシェルを射出成形するステップであって、第1のハーフシェルは、第1の支持層及び第1のバリア層を有する、ステップと、
第2のハーフシェルを射出成形するステップであって、第2のハーフシェルは、第2の支持層及び第2のバリア層を有する、ステップと、
これらのハーフシェルが液体を収容するための格納容積を形成するような方法でこれらのハーフシェルを結合するステップであって、第1のバリア層は、格納容積に面する第1の支持層の側に配置され、第2のバリア層は、格納容積に面する第2の支持層の側に配置される、ステップと、
を有する、液体容器を製造するための方法に関する。
【0042】
内部バリア層を有するハーフシェルと外部バリア層を有するハーフシェルを組み合わせた結果として、本発明による方法の使用によって、拡散関連の放出に対する高レベルの安全性を提供すると同時に、第1のバリア層を貫通することなく、格納容積内又は内部に取り付け部品を取り付けることが可能になる液体容器が提供され得る。
【0043】
例示的な一実施形態を概略的に示す図面を参照して、本発明を以下により詳細に説明する。