【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成26年度−30年度、国立研究開発法人日本医療研究開発機構、「未来医療を実現する医療機器・システム研究開発事業」「先端医療機器の開発/高い安全性と更なる低侵襲化及び高難度治療を可能にする軟性内視鏡手術システムの研究開発」委託研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来から、内視鏡と鉗子やメス等の処置具とを体腔内へ挿入して、体腔内の治療を行う手技が行われている。
【0003】
この種の手技を行うための内視鏡治療装置として、内視鏡と、該内視鏡の観察下において使用される前記処置具と、前記内視鏡と前記処置具とを夫々内部に進退自在に挿入可能である複数のインナーチューブと、前記インナーチューブを挿入可能であるアウターチューブとを備える内視鏡治療装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この内視鏡医療装置は、先端を被処置部に対向させたうえで、内視鏡を前進させて径方向中央に配置されたインナーチューブから突出させ、また、各処置具を前進させて該内視鏡の周囲に配置されたインナーチューブから突出させ、手技を行う。
【0005】
ところで、手術時の処置部周辺の作業領域や視野を確保するために、周辺組織を持ち上げる圧排器具が知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献1の圧排器具の先端部には、複数のブレードが積層されて揺動可能に配置されている。ブレードは、開閉機構により、扇形状に開いたり閉じたりするように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記内視鏡医療装置による手術時においては、患者の体内に前記圧排器具を挿入するための切開部を新たに設ける必要があり、内視鏡医療装置によって低侵襲化を図る目的に沿わないという問題がある。
【0008】
また、圧排器具を複数本使用する場合には、処置部周辺の作業領域や視野を確保し続けるために、圧排器具の本数分だけ各圧排器具を保持する人手を別途要するという問題がある。
【0009】
本発明は、かかる不都合を解消して、前記内視鏡医療装置による手術時において、切開部を新たに設けることなく挿入でき、別途の人手を要せず処置部周辺の作業領域や視野を確保し続けることができる圧排器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するために、本発明の圧排器具は、内視鏡による観察下において使用する処置具を挿通して体腔内に案内する案内用チューブの先端部に設けられた圧排器具であって、膨張及び収縮可能で前記案内用チューブから離れる方向に膨張するバルーンと、該バルーンに流体を供給する給排気管とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の圧排器具は、内視鏡による観察下において使用する処置具を挿通して体腔内に案内する案内用チューブの先端部に設けられる。したがって、本発明の圧排器具は、自然開口部、または、該案内チューブを挿入するための切開部から該案内チューブとともに挿入されるので、圧排器具用に新たに切開部を設けることなく体腔内に挿入することができる。
【0012】
また、前記案内用チューブは被処置部に対向するように配置されるところ、本発明の圧排器具は該案内用チューブの先端部にバルーンが設けられており、該バルーンは給排気管を通じて流体が供給されて案内用チューブから離れる方向に膨張する。この結果、バルーンによって、被処置部周辺の組織を退かし、あるいは持ち上げることができる。
【0013】
以上のとおり、本発明の挿入補助具によれば、切開部を新たに設けることなく挿入でき、別途の人手を要せず処置部周辺の作業領域や視野を確保し続けることができる。
【0014】
本発明の圧排器具は、収縮した状態の前記バルーンが収納される収納部を案内用チューブの先端部に備えることが好ましい。
【0015】
これによれば、案内用チューブを患者の体内に挿入する際に、バルーンが妨げにならないので、スムーズに挿入することができる。
【0016】
また、前記収納部を備える圧排器具において、前記収納部は、前記案内用チューブの外周側にバルーンを出し入れ可能な開口部を有し、前記給排気管の先端部は、可撓性を有し、前記バルーンの膨張によって前記案内用チューブの外周方向に屈曲されて該バルーンを前記収納部の外部へ抜出させることが好ましい。
【0017】
これによれば、給排気管の先端部は可撓性を有するので、収納部に収納されたバルーンが膨張するにつれて、該先端部が屈曲することで該バルーンを外部へ出すことができる。このとき、バルーンは、案内用チューブの外周側に設けられた開口部から外部に出るので、案内用チューブから外周方向に膨張する。
【0018】
したがって、収納部に収納されたバルーンを案内用チューブから外周方向に確実に膨張させることができる。
【0019】
また、前記収納部を備える圧排器具において、前記収納部は、先端側に前記バルーンを出し入れ可能な開口部を有し、前記給排気管は、前記案内用チューブの軸方向に沿って進退可能に、前記収納部の内部に挿入され、前記バルーンを前記開口部から突出させるまで前進可能に構成することもできる。
【0020】
これによれば、給排気管を前進させることで、収納部の先端側に設けられた開口部から前記バルーンを突出させることができるので、収納部に収納されたバルーンを案内用チューブの基端から先端方向に沿って確実に膨張させることができる。
【0021】
本発明の圧排器具において、前記収納部は、前記案内用チューブの先端から突出した前記処置具と前記案内用チューブの先端から突出した前記内視鏡との間隙、または、前記案内用チューブの先端から突出した前記処置具と該処置具と隣接して前記案内用チューブの先端から突出した他の前記処置具との間隙に、該案内用チューブに沿って延設されることが好ましい。
【0022】
これによれば、収納部は、処置具と内視鏡又は処置具との間に配置されるので、収納部からバルーンが案内用チューブから離れる方向に膨張した際に、バルーンが内視鏡及び処置具に干渉することを防止することができる。
【0023】
また、本発明は、前記圧排器具を備え、前記案内用チューブの先端に装着可能な圧排器具システムとすることができる。
【0024】
これによれば、必要に応じて圧排器具システムを装着することで、手術時の処置部周辺の作業領域や視野を確保することができる。
【0025】
本発明の圧排器具システムは、前記圧排器具を複数備え、各圧排器具同士が連結され、または、隣接する各圧排器具を周方向に夫々連結する板状の連結部材によって連結されて、前記案内用チューブの延長線に沿う筒状体に組立て可能であることが好ましい。
【0026】
これによれば、圧排器具の個数を選択したうえで、圧排器具同士を直接、または、連結部材を介して連結することで、圧排器具システムを組み立てることができる。よって、手術時の処置部周辺の作業領域や視野を確保に必要な個数の圧排器具を準備することができる。
【0027】
また、前記圧排器具システムにおいて、前記連結部材は、周方向の幅が異なる複数の種類を備えることが好ましい。
【0028】
これによれば、手術時の処置部周辺の作業領域や視野を確保に必要な圧排器具の配置に応じた圧排器具システムを組み立てることができる。
【0029】
連結部材を備える本発明の圧排器具システムにおいて、前記案内用チューブの軸心の延長線に沿って配置される支柱部と、該支柱部から離れる方向に放射状に延出し、該支柱部と各圧排器具とを夫々連結する支持部とを備えることが好ましい。
【0030】
これによれば、圧排器具と連結部材とを周方向に連結して組み上げた圧排器具システムを、支柱部及び支持部とによって内周側から支持することができる。よって、圧排器具システムの強度を高めることができるので、より確実に手術時の処置部周辺の作業領域や視野を確保することができる。
【0031】
前記圧排器具システムにおいて、前記支柱部の外周面には、周方向に所定の間隔を存して、支持部の内周側端部を連結可能な係止部が複数設けられていることが好ましい。
【0032】
これによれば、圧排器具の個数または配置に応じて支柱部に支持部を取り付けて、圧排器具を内周側から支持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る圧排器具システム1は、内視鏡治療装置10の先端部に装着されるものである。なお、本実施形態では、腹腔鏡手術(ラパロ)用の内視鏡治療装置10を用いて説明するが、本発明の圧排器具システム1は、他の手術方法、例えば、自然開口部越経管腔的内視鏡手術(NOTES)を行う場合にも使用可能である。
【0035】
まず、本発明の圧排器具システム1が取り付けられる内視鏡治療装置10について、
図1並びに
図2A及び
図2Bを用いて説明する。
【0036】
図2Aに示すように、内視鏡治療装置10は、軟性の内視鏡11と、鉗子12,12(本発明の処置具に相当)と、当該内視鏡11及び鉗子12,12を体内への挿入を補助するために用いられるインナーチューブ13,13,13と、インナーチューブ13が挿入されるアウターチューブ14(本発明の案内用チューブに相当)とを備える。
【0037】
なお、本実施形態では、鉗子12を処置具の例として説明するが、処置具はこれに限られず、メスや把持剥離鉗子、生検鉗子などであってもよい。また、本実施形態ではインナーチューブ13は、アウターチューブ14に3本挿入されているが、手技に応じて径や数を自由に交換できる。
【0038】
アウターチューブ14は、可撓性を有する筒状体であり、
図2A及び
図2Bに示すように、その内部にインナーチューブ13が進退自在に挿入されている。アウターチューブ14の先端部には、圧排器具システム1を装着できるように、段差を介して小径部14aが形成され、小径部14aの先端には小径部14aより大径の大径部14bが設けられている。
【0039】
インナーチューブ13は、可撓性を有する筒状体であり、
図2A及び
図2Bに示すように、内視鏡11、鉗子12が内部に進退自在に挿入されている。
【0040】
インナーチューブ13の先端部には、屈曲可能な首振りパイプ13aとノーズカバー13bが取り付けられている。首振りパイプ13aは、薄肉の大径部状部材を多関節状に連結し、任意の一方向にのみ屈曲可能な可撓性を備えたパイプであり、例えばステンレス管の加工品として構成され、伸直状態から一方向にのみ曲がる屈曲機構として構成されている。首振りパイプ13aの先端部には、ノーズカバー13bが固定されている。
【0041】
インナーチューブ13の基端部には、
図1に示すように、スライドノブ13cが取り付けられている。インナーチューブ13には、ワイヤ部材(図示せず)が、先端側においてノーズカバー13bに固定され、首振りパイプ13aの外側であってアウターチューブ14の内周側を通過して軸方向に沿って延び、基端側においてスライドノブ13cに固定されている。
【0042】
スライドノブ13cは、インナーチューブ13上を摺動自在に構成されており、基端側に牽引することで、
図1及び
図2Bに示すように、首振りパイプ13aをアウターチューブ14の径方向外側に屈曲させることができる。
【0043】
他方、内視鏡11及びと鉗子12の先端部には、アウターチューブ14の径方向内側に屈曲可能な屈曲部11a,12aを備え、他方、基端部には、該屈曲部11a,12aを屈曲させる操作をする駆動部(図示せず)を夫々有する。
【0044】
駆動部は、モータと駆動側プーリとワイヤと従動側プーリ―とを備え、モータを回転させると駆動側プーリが回転してワイヤが移動され、これにより従動側プーリが回転して屈曲部11a,12aが屈曲される。
【0045】
これにより、
図1及び
図2Bに示すように、内視鏡11の先端に備えられたカメラ11bと鉗子12の鉗子部12bとをアウターチューブ14の径方向内側に屈曲させて、被処置部に対向させることができる。
【0046】
次いで、上記内視鏡治療装置10に装着される圧排器具システム1について説明する。
【0047】
圧排器具システム1は、
図3に示すように、長尺板状のプロップバー2(本発明の圧排器具に相当)と、プロップバー2の長手方向に沿って連結される短尺板状のジョイントスペーサー3(本発明の連結部材に相当)とを備える。本実施形態の圧排器具システム1では、プロップバー2とジョイントスペーサー3とを連結させることでアウターチューブ14の外周と面一の略円筒状に形成されている。
【0048】
また、圧排器具システム1は、前記プロップバー2の先端部内周側に取り付けられたセンターハブ4(本発明の支柱部に相当)及びピラープレート5(本発明の支持部に相当)と、プロップバー2の先端部外周側に収納されたバルーン6とを備える。
【0049】
バルーン6は、膨張及び収縮可能な略円筒状のバルーン本体61と、バルーン本体61に流体を供給する給排気管62とを備える。
図4に示すように、給排気管62の先端は、バルーン本体61の後端に設けられた孔部61aを囲った状態で固定されて、バルーン本体61の内部に流体を連通可能に接続されている。給排気管62は、内視鏡治療装置10に取り付けられる際には、前記アウターチューブの内部を先端側から基端側に向けて、インナーチューブ13,13の間を通して挿入される。
【0050】
なお、給排気管62の後端には、バルーン6に流体を供給するポンプ(図示せず)が接続されている。
【0051】
プロップバー2は、
図5Aに示すように、アウターチューブ14の外周側からみて略矩形状であって、アウターチューブ14の先端側からみて略扇形状の板状部材である。
【0052】
プロップバー2の先端部には、収縮した状態のバルーン6が収納される収納部21が設けられている。収納部21は、外周面から内周面側に向かって凹状に形成され、外周面に膨張したバルーン6がはみ出していけるように開口部21aが設けられている。
【0053】
収納部21は、
図3に示すように、本実施形態の収納部21は、先端側からみたときに収納したバルーン6がプロップバー2で全て隠れるように、バルーン6の直径以上の深さに形成されている。
【0054】
図5A及び
図5Bに示すように、収納部21の基端側の側壁には、前記給排気管62を基端側に通過させるための略U字形状の穴部21bが設けられている。
【0055】
プロップバー2の後端側の側面部には、長手方向に沿って、ありほぞ22a、あり溝22bが夫々設けられている。
【0056】
図5Bに示すように、プロップバー2の先端部には、裏面側に長手方向に沿って、略直方体形状の突起部23が設けられており、突起部23の先端面には、ほぞ穴23aが設けられている。
【0057】
また、プロップバー2の裏面側には、係止部24,24が穴部21bに連設されている。係止部24,24は、所定の距離を存して隣接する一対の条片であって、先端が互いに近づく方向に湾曲しており、給排気管62を挟み込んで係止する。
【0058】
この状態で、給排気管62を介してバルーン本体61に流体を給気すると、
図4に示すように、バルーン本体61は膨張して収納部21の開口部21aからはみ出していく。このとき、給排気管62は、可撓性を有しているため、係止部24によって係止されている箇所より先端側において、アウターチューブの外周側に屈曲される。これにより、バルーン本体61は、容易にアウターチューブの外周側に膨張することができる。
【0059】
図5A及び
図5Bに示すように、プロップバー2の後端部の一側面には、短手方向の幅が他の部分よりも狭くなる段差部25が設けられている。
【0060】
図6A及び
図6Bに示すように、ジョイントスペーサー3は、瓦形状の板状部材であって、長手方向の長さが、プロップバー2よりも短く形成されている。これにより、
図1に示すように、インナーチューブ13をアウターチューブ14の径方向外側に屈曲させることができ、バルーン6の近傍で、カメラ11bと鉗子部12bを扱うことができる。
【0061】
ジョイントスペーサー3の側面部には、長手方向に沿って、ありほぞ31a、あり溝31bが夫々設けられている。また、ジョイントスペーサー3の後端部の一側面には、短手方向の幅が他の部分よりも狭くなる段差部32が設けられている。
【0062】
プロップバー2のありほぞ22a、あり溝22bに対して、隣接するプロップバー2のあり溝22b、ありほぞ22aをすべり込ませて連結させる、または、隣接するジョイントスペーサー3のあり溝31b、ありほぞ31aをすべり込ませて連結させて数珠つなぎにしていくことで、圧排器具システム1は略円筒状に形成される。このとき、プロップバー2及びジョイントスペーサー3には、段差部25及び段差部32が夫々設けられているので、圧排器具システム1の基端部には軸方向に沿って溝が形成されるため、内視鏡治療装置10の先端の大径部14bを無理嵌めして装着することができる。
【0063】
なお、本実施形態では、
図3に示すように、下側は2枚のプロップバー2同士が互いに直接連結され、その他は、3枚のジョイントスペーサー3を介してプロップバー2が合計4枚連結されているが、本発明はこれに限られず、カメラ11bと鉗子部12bの数や配置によって、適宜組み立てることができる。また、本実施形態では、各プロップバー2、各ジョイントスペーサー3は、全て同じサイズに形成されているものを説明したが、プロップバー2、ジョイントスペーサー3は、軸方向の長さや、周方向の幅が異なるものを複数種類を準備し、手技に応じて適宜選択して組み立てることもできる。
【0064】
図7は、センターハブ4を背面からみた斜視図である。センターハブ4は、略円柱形状であって、アウターチューブ14の軸心の延長線に沿って配置される。センターハブ4は、後端から先端方向に沿って複数(本実施形態では7つ)の溝部41(本発明の係止部に相当)が設けられている。
【0065】
図8に示すように、ピラープレート5は、矩形状の板状部材であり、長手方向に沿った一端に突起部51が設けられている。突起部51は、板状部材の厚さ方向からみて略円形状に形成されている。突起部51は、センターハブ4の溝部41に後端側から嵌入させて滑り込ませることで、ピラープレート5とセンターハブ4とが組み立てられる。本実施形態では、
図3に示すように、中心に配置されたセンターハブ4に対して、4つのピラープレート5が放射状に接合されている。
【0066】
なお、前記溝部41は、突起部51に対応する形状に形成されている。
【0067】
ピラープレート5の長手方向の他端は、
図4に示すように、ピラープレートほぞ穴23aに嵌入される。
【0068】
次に、
図9を参照して、圧排器具システム1の使用方法について説明する。
【0069】
まず、内視鏡治療装置10の先端に圧排器具システム1を装着する。次いで、内視鏡11及び鉗子12の各先端をインナーチューブ13の内部まで後退させ、該インナーチューブ13をジョイントスペーサー3の先端より基端側まで後退させる。以上の準備を行った圧排器具システム1を体腔内に挿入し、被処置部Wに対向させる。
【0070】
次いで、給排気管62を介してバルーン本体61に流体を給気する。これにより、バルーン本体61は、徐々に膨張することで給排気管62をアウターチューブ14の軸線方向から離れる方向に屈曲させて、収納部21の開口部21aからはみ出し、アウターチューブの外周側に膨張し、被処置部W周辺の組織を圧排する。
【0071】
次いで、インナーチューブ13を先端方向に摺動させ、スライドノブ13cを基端側に牽引することで、アウターチューブ14の径方向外側に屈曲させる。
【0072】
次いで、内視鏡11及び鉗子12をインナーチューブ13の先端から突出させ、アウターチューブ14の径方向内側に屈曲させて、被処置部に対向させる。
【0073】
これにより、内視鏡11によって被処置部Wを俯瞰的に観察しながら鉗子12,12を左右方向から接近させることができるため、距離感を掴み易くすることができる。
【0074】
以上説明した圧排器具システム1によれば、バルーン6によって、被処置部W周辺の組織を圧排することができるので、視野と作業空間を広くすることができる。
【0075】
また、被処置部W周辺の組織を圧排することで、該組織を足場として圧排器具システム1及び内視鏡治療装置10を支持できるため、鉗子12による手技の際の反力を支えることができる。
【0076】
また、圧排器具システム1を内視鏡治療装置10に装着して体腔内に挿入することができるので、圧排器具を挿入するための切開部が不要となるため、より低侵襲な治療を実現できる。
【0077】
また、圧排器具システム1を内視鏡治療装置10に装着する構成とすることで、圧排器具の本数分だけ各圧排器具を保持する人手を必要としない。
【0078】
また、圧排器具システム1は、必要な手技によって、部品を交換して組立て可能であるとともに、プロップバー2の先端部がセンターハブ4及びピラープレート5によって内側から補強されているため、十分に組織を圧排することができる。
【0079】
[変形例]
本実施形態では、収納部21の開口部21aは、外周側に設けられているものを説明したが、本発明はこれに限られるものではない。すなわち、収納部21の開口部は、プロップバー2の先端部に設けることができる。併せて、バルーン6を収納部21の内部を進退自在とすることにより、先端側にバルーン本体61を突出させて膨張させることで、前方の組織を圧排して、被処置部W周辺を押さえつけることで被処置部Wを緊張させて切除しやすくすることもできる。