(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMの正面図及び背面図を
図1及び
図2に示しており、まず、この図を参照して、ぱちんこ遊技機PMの全体構成について概要説明する。
【0011】
[ぱちんこ遊技機の基本構成]
はじめに、
図1を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機PMは、
図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3a,3bにより横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
【0012】
前枠2には、この前枠2の上部前面域に合わせた方形状のガラス枠5及び球皿ユニット6がヒンジ機構7a,7b,7cを利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。前枠2には、遊技盤20が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス枠5の複層ガラスを通して遊技盤20の正面の遊技領域PAを視認可能に臨ませるようになっている。
【0013】
ガラス枠5の前面側には、遊技の展開状況に応じて発光する枠ランプ(LEDランプ)10や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生するスピーカ11が設けられている。
球皿ユニット6には、遊技球を貯留する上下の球皿(上球皿8及び下球皿9)が設けられており、上球皿8の正面中央には遊技者によって押圧操作される演出ボタン(演出スイッチ)15が設けられ、下球皿9の正面右側には遊技球の発射操作を行う発射ハンドル12が設けられている。以下では、便宜上、演出用の操作入力手段を「演出ボタン15」と称するが、本例における演出ボタン(演出スイッチ)15とは、オン/オフ操作式のボタン型のスイッチ、操作入力の方向に応じた出力を行う十字型のスイッチ(十字キー、十字ボタン)、傾動操作式のレバー型のスイッチ、回転操作式のダイヤルスイッチ、遊技者の手が近付いたとき又は接触したときに出力を行う近接スイッチ、タッチセンサ、タッチパネルなど、あらゆる操作入力手段を含む概念で用いる。
【0014】
続いて、
図2を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの背面側の基本構造を説明する。前枠2の背面側には、ほぼ中央に前後連通する窓口30aを有して前枠2よりも幾分小型の矩形枠状に形成された裏セット盤30が着脱自在に取り付けられている。裏セット盤30の各部には、多数個の遊技球を貯留する貯留タンク31、貯留タンク31から導かれた遊技球を払い出す賞球払出ユニット33、賞球払出ユニット33から払い出された遊技球を上球皿6に導くための賞球通路部34などが設けられている。
【0015】
遊技盤20の背面側には、ぱちんこ遊技機PMの作動を統括的に制御するメイン制御基板100や、遊技の展開状況に応じた演出全般の制御を行うサブ制御基板200などが取り付けられている。一方、裏セット盤30の背面側には、主に遊技球の発射及び払い出しに関する制御を行う払出制御基板300や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板400などが取り付けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造及び封印シール構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で遊技盤20背面又は裏セット盤30背面の所定位置にそれぞれ配設される。これらの制御基板とぱちんこ遊技機PM各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)を介して相互に接続されて、ぱちんこ遊技機PMが作動可能に構成されている。
【0016】
[遊技盤の構成]
次に、本実施形態に係る遊技盤20の構成について
図3〜
図5を参照して説明する。遊技盤20は、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等の合成樹脂材料を用いて矩形平板状に形成された基板をベースとして構成されている。遊技盤20の前面には、外レール21a及び内レール21bが円弧状に固設されて遊技球が転動可能な略円形の遊技領域PAが区画形成され、この遊技領域PAに風車や多数本の遊技釘とともに、第1始動口61、第2始動口62、作動ゲート63、大入賞口64などの各種入賞口が設けられている。また、遊技盤20には、
図3では図示省略しているが(その代わりに
図6を参照)、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普通図柄表示装置75、普図保留ランプ76などの各種表示装置が設けられている。遊技領域PAの略中央にはセンター飾り22が配設されており、このセンター飾り22の中央開口を通してリールユニット80が視認可能に設けられている。遊技領域PAの下端には各入賞口に入球せずに転動流下した遊技球を遊技盤20の裏側へ排出するアウト口29が設けられている。以下、遊技盤20に設けられた各構成要素を順番に説明する。
【0017】
第1始動口61は、第1特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第1始動口スイッチ611を備えている。第1始動口61への遊技球の入球は、第1特別図柄抽選の契機となる。
【0018】
第2始動口62は、第2特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第2始動口スイッチ621を備えている。第2始動口62への遊技球の入球は、第2特別図柄抽選の契機となる。また、第2始動口62は、普通電動役物622と、この普通電動役物622を開閉駆動させるための普通電動役物ソレノイド623とを備える。普通電動役物622は、第2始動口62へ遊技球が入球し難い閉鎖状態と該状態よりも遊技球が入球し易い開放状態とに可変する。ここで、第2始動口62は、普通電動役物622が開放されなければ、遊技球が入球し難い構造となっている。一方、普通電動役物622が開放されると、第2始動口62への入球容易性が高まる。
【0019】
作動ゲート63は、普通図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の通過を検出するための作動ゲートスイッチ631を備えている。なお、作動ゲート63への遊技球の通過は、第2始動口62の普通電動役物622を拡開させるか否かを決定するための普通図柄抽選の契機となる。
【0020】
大入賞口64は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選で大当り又は小当りとなった場合に開放状態となる横長方形状をなす入賞口として形成される。大入賞口64は、遊技球の入球を検出するための大入賞口スイッチ641を備えるとともに、いわゆるアタッカー装置と称される特別電動役物642と、この特別電動役物642を開閉駆動させるた
めの大入賞口ソレノイド643とを備えている。特別電動役物642は、大入賞口64に遊技球が入球不能又は入球困難な通常状態と遊技球が入球可能又は入球容易な開放状態とに可変する。本例において大入賞口64は、遊技領域PAにおける右側寄りの領域に設けられている。そのため、特別遊技状態(大当り遊技状態)においては、遊技領域PAへ向けて遊技球を発射する際に、右側領域を狙って打つ、いわゆる右打ちを行うことで、大入賞口64への入球が容易となっている。
【0021】
第1特別図柄表示装置71は、遊技球が第1始動口61に入球したことを契機として、第1特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第1特別図柄表示装置71は、例えば8個のLEDランプから構成され、第1特別図柄の変動表示は当該ランプの点滅パターンに従って表現され、当該ランプの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第1特別図柄が確定表示される。
【0022】
第2特別図柄表示装置72は、遊技球が第2始動口62に入球したことを契機として、第2特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第2特別図柄表示装置72は、例えば8個のLEDランプから構成され、第2特別図柄の変動表示は当該ランプの点滅パターンに従って表現され、当該ランプの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第2特別図柄が確定表示される。
【0023】
第1特図保留ランプ73および第2特図保留ランプ74は、例えば2個のLEDランプからそれぞれ構成され、当該ランプの点灯・点滅表示によって第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数(最大4個)を表現する。第1特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは特別遊技の実行中に、第1始動口61への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一旦保留されることになった数を示している。同様に、第2特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは特別遊技の実行中に、第2始動口62への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一旦保留されることになった数を示している。
【0024】
普通図柄表示装置75は、例えば2個のLEDランプから構成され、普通図柄の変動表示及び確定表示を行う。普図保留ランプ76は、例えば4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が普通図柄変動の保留数(まだ実行されていない普通図柄変動の数)に相当する。
【0025】
なお、これらの表示装置の近傍には、図示省略するが、特別遊技におけるラウンド遊技の回数(ラウンド数:特別電動役物642が連続して作動する回数)を表示するラウンド表示器が設けられている。
【0026】
センター飾り22は、リールユニット80の周囲に設置され、遊技球の流路、リールの保護、装飾等の機能を有する。センター飾り22には、遊技の展開状況に応じた演出動作を実行する複数の可動役物24が設けられている。可動役物24は、駆動源としてモータ(例えば、ステッピングモータ)を備えて構成されている。また、センター飾り22には、遊技の展開状況に応じて発光する盤ランプ(LEDランプ)25が設けられている。以下の説明では、便宜上、枠ランプ10および盤ランプ25を総称して「演出ランプLP」とも称する。
【0027】
リールユニット80は、
図4に示すように、3個のリール(左リール81A、中リール81B、右リール81C)と、各リール81A〜81Cを同一軸線上に保持するリールケ
ース83とを備えて構成される。以下の説明において、左リール81A、中リール81B、右リール81Cを特に区別しない場合には、単に「リール81」と総称する場合がある。
【0028】
リール81は、リールベース84に装着されたアッセンブリ状態で、リールケース83に着脱可能に取り付けられる。リールベース84には、
図5に示すように、フォトセンサ86、モータ87、バックライト88が取り付けられている。
【0029】
リール81は、透光性を有する材料を用いて中空の円筒状(ドラム形)に形成されている。リール81の外周面には、複数種の図柄(装飾図柄)が表示された図柄表示面82が設けられている。リール81の側面には、十字形に形成された被検出部材85が着脱可能に取り付けられる。
【0030】
被検出部材85には、その中心から径方向外方に延出した4つの突出片が周方向に90度の間隔で形成されており、同じ長さの3つの突出片には連結凸部85aが突設され、これら3つの突出片よりも長い1つの突出片には遮光部85bが突設されている。リール81のリム部81dには、被検出部材85の連結凸部85aと整合する位置に連結孔81aが開設されており、連結凸部85aが連結孔81aに嵌合することにより、被検出部材85がリール81に取り付けられるようになっている。このとき、リール81の中心に形成された軸孔81cと、被検出部材85の中心に形成された軸孔85cとが位置整合して互いの中心軸方向に連通するようになっている。また、リール81には、被検出部材85の遮光部85bと整合する位置に通過孔81bが開口されており、遮光部85bが通過孔81bに挿通されている(遮光部85bの先端側は通過孔81bを越えてリール81の内側に突出している)。リールベース84には、各リール81の回転を検出するためのフォトセンサ86が取り付けられている。フォトセンサ86は、発光部及び受光部を有する透過型のフォトセンサからなり、リール81の回転に伴って被検出部材85の遮光部85bが発光部と受光部との間に位置することで、発光部から受光部へ入射する光が遮光部85bにより遮断されたときに、リール81の初期位置(基準位置)を検出する。そのため、サブ制御基板200は、フォトセンサ86にて検出された初期位置と、入力したステップ数とによって、各リール81の現在の回転位置を検出可能である。
【0031】
モータ87は、例えば、X相、Y相、X−相、Y−相の磁界を形成する励磁コイルを有する2相のユニポーラ型ステッピングモータであり、その回転軸に取り付けられたロータと、その外側に固定されたステータとで構成される。各ステータには対応する励磁コイルがそれぞれ巻線されており、励磁コイルに励磁電流を流して磁力を発生させると、ロータが引き付けられることで一定角度(1ステップ角度)だけ回転する。また、モータ87は、通電方向を切り替えることにより、正転方向又は逆転方向に回転駆動可能である。モータ87の回転軸87aは、リール81の軸孔81c及び被検出部材85の軸孔85cに固定され、モータ87の回転駆動に対してリール81及び被検出部材85が同期回転可能になっている。
【0032】
リール81の内側には、複数個のLED(図示せず)が実装されたバックライト88が配設される。バックライト88は、複数個のLEDを光源として図柄表示部を内側(裏側)から照明する。ここで、前述したように、リール81の図柄表示面82には、該リール81の回転方向に沿って複数の図柄(装飾図柄)が配列表示されている。それにより、遊技者が各リール81を遊技機の正面側から見たとき、バックライト88によりリール81の内側から明るく照明された装飾図柄を明瞭に視認可能となる。
【0033】
このように構成されるリールユニット80は、サブ制御基板200からの制御信号(励磁信号)に基づき、各リール81のモータ87が回転駆動されることで、各リール81が
回転して図柄表示面82に表示された装飾図柄を変動表示する。なお、装飾図柄の具体例については後述する。
【0034】
[ぱちんこ遊技機の制御構成]
次に、
図6を追加参照して、本実施形態に係るぱちんこ遊技機PMに搭載された各制御基板について説明する。
図6は、ぱちんこ遊技機PMの制御構成を示す制御ブロック図である。
【0035】
メイン制御基板100は、各スイッチからの検出情報などに基づき、ROMに格納された各種の制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。具体的に、メイン制御基板100は、第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、大入賞口スイッチ641などと電気的に接続されており、各種スイッチからの検出信号を入力する。また、メイン制御基板100は、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普通図柄表示装置75および普図保留ランプ76に電気的に接続されるとともに、普通電動役物ソレノイド623および特別電動役物ソレノイド643,653に電気的に接続されており、生成した制御信号を各種表示手段および各種ソレノイドに送信する。
【0036】
メイン制御基板100とサブ制御基板200との間は、シリアル通信方式又はパラレル通信方式により、メイン制御基板100からサブ制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、メイン制御基板100からサブ制御基板200へ各種の演出制御コマンドが送信される。一方、サブ制御基板200からメイン制御基板100へデータを送信することはできず、また、メイン制御基板100に対してデータの送信を要求することはできない。
【0037】
サブ制御基板200は、メイン制御基板100からの演出制御コマンドに基づき、ROMに記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行する。サブ制御基板200は、演出ランプLP、可動役物24、演出ボタン15、スピーカ11及びリールユニット80などと電気的に接続されている。サブ制御基板200は、メイン制御基板100からの演出制御コマンドに基づく演出制御処理にて、リールユニット80を制御するためのリール制御信号、スピーカを制御するための音響制御信号、演出ランプLPを制御するためのランプ制御信号、可動役物24を制御するための駆動制御信号などを生成して、この制御信号を各デバイスに送信する。なお、サブ制御基板200は、サブメイン制御基板及びサブサブ制御基板に機能分割して構成することもできる。
【0038】
払出制御基板300は、メイン制御基板100と双方向通信可能に接続されており、メイン制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて賞球払出ユニット33を駆動させて賞球を払い出すための制御を実行するとともに、遊技者による発射ハンドル12の操作量(回動量)に基づき球送り機構13と発射機構14とを同期的に駆動させて遊技球の発射の制御を実行する。
【0039】
電源基板400は、詳細図示を省略するが、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、各制御基板で使用される通常時の電源を生成するための通常電源回路と、バックアップ電源を生成するためのバックアップ電源回路と、電圧低下による電源断を監視するための電源断監視回路と、を具備して構成され、各制御基板や遊技用機器等の電子・電気部品に必要な電源を供給する。電源基板400には、電源回路を起動させるための電源スイッチが接続されており、遊技島の電源装置から1次電源が供給されていることを前提として、該電源スイッチがオンになると、電源基板400の通常電源回路から各制御基板などに所定の電源が供給される。電源基板400は、遊技島の電源装置からの電源供給が遮
断されたことを検出可能に構成されており、電源断の検出時にはその旨を報知する電源断信号(NMI信号)をメイン制御基板100、サブ制御基板200、払出制御基板300に送信する。なお、バックアップ電源回路は、遊技島の電源装置から遊技機に電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。また、電源基板400には、遊技機の電源投入時に、メイン制御基板100のRAMの一時記憶内容を一旦消去して初期値を設定するためのRAMクリアスイッチ(図示せず)が接続されている。なお、RAMクリアスイッチは、電源基板400ではなく、例えばメイン制御基板100に接続される構成であってもよい。
【0040】
<ぱちんこ遊技機の基本動作>
以上のように構成される、ぱちんこ遊技機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島に固定設置され、前枠2、ガラス枠5等が閉鎖施錠された状態で遊技に供され、上球皿8に遊技球を貯留させて発射ハンドル12を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドル12が回動操作されると、上球皿8に貯留された遊技球が、ガラス枠5の背面側に配設される球送り機構13によって1球ずつ発射機構14に送り出され、該発射機構14により遊技領域PAに打ち出される。
【0041】
遊技領域PAを転動流下する遊技球が、第1始動口61、第2始動口62、大入賞口64のいずれかに入球すると、その入賞口の種別に応じた賞球が賞球払出ユニット33により上球皿8又は下球皿9に払い出される。また、遊技球が第1始動口61又は第2始動口62に入球すると、特別図柄の抽選乱数値が取得され、当該乱数値を所定の上限個数まで特別図柄の保留球として一時記憶する。そして、所定の始動条件が成立する場合に、最先の作動保留球に係る抽選乱数値に対して特別図柄の当否判定、図柄判定、変動パターン判定を行い、この判定結果に応じた態様で、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72において特別図柄が変動表示されるとともに、演出表示装置70において装飾図柄が変動表示される。特別図柄および装飾図柄の変動表示は、前記選択された変動パターンに応じた変動時間の経過後に同期的に停止表示される。
【0042】
第1特別図柄又は第2特別図柄が大当りを示す停止態様で確定表示された場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口64の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する態様である。本実施形態では、特別遊技として、ラウンド遊技が16回(16ラウンド)に設定された16R特別遊技と、ラウンド遊技が8回(8ラウンド)に設定された8R特別遊技と、ラウンド遊技が2回(2ラウンド)に設定された2R特別遊技とが設けられている。
【0043】
本実施形態では、16R特別遊技、8R特別遊技および2R特別遊技のいずれに移行されたとしても、特別遊技の終了後から特別図柄の変動回数が所定の終期回数に達するまで、特別図柄の確率変動機能(「確変」とも称する)が一律に作動する。すなわち、本実施形態に係るぱちんこ遊技機PMは、確変突入率が100%の回数切り確変機、所謂「ST機」と称される遊技機である。従って、本実施形態では、特別図柄の確率変動機能が所定の終期回数(「ST回数」とも称する)に達するまでの期間(「ST期間とも称する」)に限定されている。特別図柄の確率変動機能が作動した場合には、特別図柄抽選の大当り確率が通常の低確率状態から高確率状態へ移行するため、新たな大当り(特別遊技)が比較的早期に発生するようになる。
【0044】
一方、特別遊技が終了した後は、特別図柄の確率変動機能と付随して又は独立して、特別図柄の変動時間短縮機能(以下「時短」ともいう)が作動する場合がある。特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、特別図柄及び装飾図柄の平均的な変動時間が通常よりも短縮される傾向となり、単位時間当たりの特別図柄抽選回数が向上する(単位時間当たり
の大当りの獲得容易性を高めることができる)。
【0045】
さらに、特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、これに付随して、電チューサポート機能が作動する。電チューサポート機能は、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物622の開放延長機能が作動することにより、第2始動口62への入球容易性が高められる状態(「入球容易状態」とも称する)である。なお、普通図柄の確率変動機能が作動すると、普通図柄の当選確率が通常状態よりも高まる状態となる。普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、普通図柄の変動時間が短縮される状態となる。普通電動役物622の開放時間延長機能が作動すると、普通電動役物622の開放時間が通常状態よりも延長された状態となる。この入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常よりも増加する可能性が高まる上、第2始動口62への入球容易性も高まるため、第2始動口62への入球数が増加する可能性も向上する。したがって、電チューサポート機能の作動により、その期間中は第2始動口62への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち球をほとんど減らさずに遊技を継続することが可能となる。
【0046】
<ぱちんこ遊技機の主要な機能構成>
次に、
図7の機能ブロック図を追加参照しながら、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PM(主として、メイン制御基板100/サブ制御基板200)の各種機能について説明する。
【0047】
メイン制御基板100は、
図7に示すように、入球判定手段110、遊技抽選乱数発生手段120、保留制御手段130、事前判定手段135、特別図柄抽選処理手段140、普通図柄抽選処理手段145、特別遊技制御手段150、図柄表示制御手段155、電動役物制御手段160、遊技状態制御手段165、エラー監視制御手段170、メイン情報記憶手段180、コマンド送受信手段190、を含む。なお、メイン制御基板100における上述の各手段は、メイン制御基板100上に設けられたCPU、ROM、RAM、電子回路等のハードウェア及びROM等に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
【0048】
入球判定手段110は、第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、大入賞口スイッチ641などからの検出信号に基づき、各入賞口への遊技球の入球を判定する。
【0049】
遊技抽選乱数発生手段120は、乱数生成回路で生成した内蔵乱数をソフトウェアで取り込み、これに後述の特別図柄当りソフト乱数を加算することで、特別図柄の当否抽選に使用される特別図柄当り乱数を生成する。また、遊技抽選乱数発生手段120は、CPUのプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、当り乱数生成のために前述の内蔵乱数に加算される特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当りソフト乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための特別図柄当りソフト初期値乱数、特別図柄の停止図柄として当り図柄(条件装置を作動させることとなる図柄の組合せ)の決定に使用する特別図柄停止図柄乱数、特別図柄停止図柄乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための特別図柄停止図柄初期値乱数、特別図柄の変動パターンの選択に使用するための特別図柄変動パターン乱数、普通図柄の当否抽選に使用するための普通図柄当り乱数、普通図柄当り乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための普通図柄当り初期値乱数、普通図柄の変動パターンの選択に使用するための普通図柄変動パターン乱数などが含まれる。これらのソフトウェア乱数の更新時期としては、タイマ割込み処理が発生する
毎に1回更新(インクリメントやデクリメント、素数の加算など)し、また、初期値乱数についてはタイマ割込み処理を実行していない間(ループ処理中)も割込み周期の残余時間を利用して更新する。
【0050】
保留制御手段130は、特別図柄保留制御手段131、普通図柄保留制御手段132、を含む。
【0051】
特別図柄保留制御手段131は、第1始動口61又は第2始動口62への遊技球の入球を契機として、特別図柄遊技に係る抽選乱数値である、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、当該乱数値を第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報として管理する。特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報をそれぞれ所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に一時記憶する。
【0052】
第1特別図柄保留格納領域および第2特別図柄保留格納領域には、各始動口61,62への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)、がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、作動保留球情報として、特別図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、特別図柄変動パターン乱数を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。作動保留球情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の保留球情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
【0053】
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1特別図柄保留球数カウンタと、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2特別図柄保留球数カウンタとを有している。特別図柄保留制御手段131は、特別図柄の作動保留球数の更新処理として、特別図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
【0054】
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数を更新(加算又は減算)したとき、当該保留球数の更新情報を含む演出制御コマンド(「図柄記憶数コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。この1コマンドには、第1特別図柄の作動保留球数と第2特別図柄の作動保留球数との両方の情報が含まれる。なお、原則として、各特別図柄の作動保留球は入球した順番に消化されることになるが、本実施形態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する、いわゆる優先消化を採用するため、第2特別図柄遊技に係る作動保留球が存在する間は、第1特別図柄遊技に係る作動保留球の存在に関係なく、第2特別図柄遊技に係る作動保留球を優先的に消化するように構成されている。なお、この優先消化の下では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合は、第1特別図柄の作動保留球が存在していたとしても、第1特別図柄の作動保留球の消化が保留されることになる。
【0055】
普通図柄保留制御手段132は、作動ゲート63への遊技球の入球を契機として、普通図柄遊技に係る抽選乱数値である、普通図柄当り乱数値、普通図柄当り図柄乱数値、普通図柄変動パターン乱数値、を取得して、当該乱数値を普通図柄の作動保留球情報として管
理する。普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球情報を所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の普通図柄保留格納領域に一時記憶する。また、普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球数をカウントするための普通図柄保留球数カウンタを有している。普通図柄保留制御手段132は、作動普通図柄の保留球数の更新処理として、普通図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
【0056】
事前判定手段135は、所定の事前判定タイミングにて特別図柄の作動保留球を取得した場合、当該作動保留球を対象として先読み予告のための事前判定を実行する。上記の事前判定タイミングの一例としては、(1)当り待ち中、且つ、電チューサポート機能が未作動中に第1特別図柄の作動保留球を取得した場合、(2)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が作動中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、のうちのいずれかの条件を満足するときである。具体的には、事前判定手段135は、今回取得した作動保留球に対応する乱数値をメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域から読み出して、当否の事前判定(当否事前判定)、図柄の事前判定(図柄事前判定)、変動パターンの事前判定(変動パターン事前判定)を順次実行する。各事前判定で用いられる事前判定テーブルは、図示省略するが、当否事前判定用テーブル、図柄事前判定用テーブル、変動パターン事前判定用テーブルのそれぞれが乱数の総数に相当する領域が複数の領域に区画され、この領域(判定置数)ごとに、抽選ID(事前判定の結果を示す番号(「事前判定番号」とも称する))が割り当てられている。そのため、この事前判定の結果は、後述の特別図柄抽選処理手段140による本抽選の結果(当否判定の結果、図柄判定の結果、変動パターン判定の結果)に準ずるものとなっている。なお、当否事前判定用テーブルや図柄事前判定用テーブルなどは、実際に変動を開始するときに抽選に使用する当否抽選テーブルや図柄抽選テーブルなどと同じものであってもよい。ここで、変動パターン事前判定用テーブルは、変動開始時の遊技状況(確変の有無、時短の有無、特殊テーブルを参照する限定頻度期間中か否か、保留球数など)が変化する可能性があることから、前述のように、複数の領域の何れに含まれるかを判定する方が望ましい。そして、事前判定手段135は、事前判定の結果(事前判定番号)の情報を含む演出制御コマンド(「事前判定コマンド」と称する)を順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
【0057】
特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄当否判定手段141、特別図柄停止図柄判定手段412、特別図柄変動パターン判定手段143、を含む。特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄の変動開始条件が成立したとき、メイン情報記憶手段180における特別図柄保留格納領域の最先の記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、これをメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。ここで、「特別図柄の変動開始条件が成立する」とは、その一例として、(1)大当り又は小当り中ではないこと、(2)第1特別図柄および第2特別図柄のいずれも変動待機中であること、(3)第1特別図柄および第2特別図柄の少なくとも一方に作動保留球が存在すること、の全ての条件を満足したときであり、その結果として、特別図柄が変動開始可能な状態であると判断される。
【0058】
特別図柄当否判定手段141は、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、大当り、小当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否判定の結果は、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに一時記憶され(例えば、大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)、以降の処理で使用された後、特別図柄
の変動停止時にクリアされる。特別図柄当否判定手段141は、この当否判定の際に参照される特別図柄当否抽選テーブルを保持する。
【0059】
ここで、
図8は、特別図柄当否抽選テーブルを模式的に示す図であり、(A)は通常状態(低確率状態)で参照され、(B)は確変状態(高確率状態)で参照される。この特別図柄当否抽選テーブルには、特別図柄当り乱数値と、大当り、小当り、はずれの判定結果とが対応付けられており、この対応付けられた乱数範囲に応じて大当りおよび小当りの当選確率が定まる。
図8からも分かるように、特別図柄遊技の当否抽選において、通常状態(低確率状態)では乱数値が「0〜217」の範囲に該当したときのみ大当りとなる。一方、確変状態(高確率状態)では大当りの範囲が拡大され、乱数値が「0〜217」の範囲に該当する場合だけでなく、「218〜2170」の範囲に該当する場合にも大当りとなる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当りの抽選確率が低確率状態(約1/300)から高確率状態(約1/30)に変動する。このように大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否抽選と第2特別図柄の当否抽選とで大当りの当選確率は等しい。ここで、特別図柄当り乱数値が大当りの範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当する場合には小当りとなる。本例では、第1特別図柄の当否判定のみ小当りが存在するように構成しているが、例えば、第2特別図柄の当否判定にも小当りを設けて、第2特別図柄の当否判定よりも第1特別図柄の当否判定のほうが高い確率で小当りとなるように構成してもよい。なお、以下では、説明の便宜上、特段の場合を除き「小当り」に関する記載を省略する。
【0060】
特別図柄停止図柄判定手段142は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選の結果に基づいて、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止図柄を決定する。特別図柄停止図柄判定手段142は、第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄を決定する際に参照される第1特別図柄停止図柄テーブルおよび第2特別図柄停止図柄テーブルを有している。
【0061】
図9(A)は第1特別図柄停止図柄テーブルの一例を模式的に示す図である。第1特別図柄停止図柄テーブル(大当り図柄用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、三種類の停止図柄(大当り図柄)「A1」,「B1」,「C1」が割り当てられている。なお、本例では、説明の便宜上、各大当り図柄に対して、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、大入賞口64の作動パターン)も付記している。なお、括弧内の回数「100回」は、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、すなわち、ST回数を意味する。このテーブルでは、第1特別図柄の停止図柄「A1」〜「C1」が大当りの種別に応じて区分されている。具体的には、図柄「A1」には16R特定時短有図柄、図柄「B1」には8R特定時短有図柄、図柄「C1」には2R特定時短有図柄がそれぞれ対応付けられている。なお、本実施形態において、「特定図柄」とは特別遊技の終了後に特別図柄の確率変動機能を作動させることとなる図柄、「時短有図柄」とは特別遊技の終了後に特別図柄の変動時間短縮機能(および電チューサポート機能)を作動させることとなる図柄、「時短無図柄」とは特別遊技の終了後に特別図柄の変動時間短縮機能(および電チューサポート機能)を作動させることのない図柄である(後述する第2特別図柄についても同様である)。
【0062】
図柄A1,B1は、特別遊技の終了後の遊技状態を特別図柄確変状態(高確率状態)へ移行させる、いわゆる「確変大当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、あるいは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能が付与されることになる。図柄A1については、特別遊技の規定ラウンド数は16ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。図柄B1については、特別遊技の規定ラウンド数は8ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。
【0063】
図柄C1は、上記の「確変大当り」と比較して大入賞口64の開放回数および開放時間が異なるものの、特別遊技の終了後の遊技状態を特別図柄の確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「突然確変大当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、あるいは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能が付与されることになる。特別遊技の規定ラウンド数は2ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約0.7秒である。
【0064】
一方、第1特別図柄停止図柄テーブル(はずれ図柄用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、単一の停止図柄(はずれ図柄)「H1」が一義的に割り当てられている。また、第1特別図柄停止図柄テーブル(小当り図柄用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、単一の停止図柄(小当り図柄)「K1」が一義的に割り当てられている。なお、小当りの場合には、遊技状態の変更の契機とはならず、当否抽選の前後で当該遊技状態が維持される。
【0065】
図9(B)は第2特別図柄停止図柄テーブルの一例を模式的に示す図である。第2特別図柄停止図柄テーブル(大当り図柄用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、二種類の停止図柄(大当り図柄)「A2」,「B2」が割り当てられている。なお、本例では、説明の便宜上、各大当り図柄に対して、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、大入賞口64の作動パターン)も付記している。このテーブルでは、第2特別図柄の停止図柄「A2」,「B2」が大当りの種別に応じて区分されている。具体的には、図柄「A2」には16R特定時短有図柄、図柄「B2」には8R特定時短有図柄がそれぞれ対応付けられている。
【0066】
図柄A2,B2は、特別遊技の終了後の遊技状態を特別図柄確変状態(高確率状態)へ移行させる、いわゆる「確変大当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、あるいは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能が付与されることになる。図柄A2については、特別遊技の規定ラウンド数は16ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。図柄B2については、特別遊技の規定ラウンド数は8ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。
【0067】
また、第2特別図柄停止図柄テーブル(はずれ図柄用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、単一の停止図柄(はずれ図柄)「H2」が一義的に割り当てられている。
【0068】
ここで、本実施形態では、上記のように、大当り種別として、16R大当り(16R特定時短有図柄)と8R大当り(8R特定時短有図柄)と2R大当り(2R特定時短無図柄)との3種類が設けられている。そして、特別遊技における賞球獲得の期待値(賞球獲得期待値)は、16R大当り>8R大当り>2R大当りとなっている。そして、前述の説明からも分かるように、第1特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、30%の確率で16R大当りが選択されるのに対して、第2特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、70%の確率で16R大当りが選択されることにより、第1始動口61に入賞するよりも第2始動口62に入賞した方が、多くの出玉を獲得できる点で遊技者に有利である。なお、本実施形態では、各大当り遊技のラウンドにおける大入賞口64の開放時間を30秒など固定時間としたが(全てのラウンドを「長開放ラウンド」としたが)、同一の大当り遊技中に所定のラウンドでは、大入賞口64の開放時間を0.7秒に短くする「短開放ラウンド」を設けるようにして、規定ラウンド数が同一であっても、実質的に出玉を獲
得できるラウンド数を少なくした大当りを具備していてもよい。
【0069】
特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンを決定する。ここで、特別図柄変動パターン判定手段143は、
図10〜
図11に示すように、特別図柄の変動パターンを選択する際に参照される複数種の変動パターンテーブルを保持している。特別図柄変動パターン判定手段143は、現在の変動パターン選択状態と当否抽選の結果とに基づき、複数種の変動パターンテーブルの中からいずれかの変動パターンテーブルを選択する。なお、変動パターン選択状態と変動パターンテーブルとの関係については後述する。各変動パターンテーブルには、複数種の変動パターンが規定されている。各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には特別図柄変動パターン乱数値に応じて、変動パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、変動パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、変動パターンが決定されるようになっている。各種の変動パターンは、その図柄変動の終了条件として当該変動パターンごとに変動時間が定められており、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。なお、本例では、説明の便宜上、数種類の変動パターンテーブルおよび数種類の変動パターンのみを例に挙げて説明するが、実際には、遊技状態の他、保留数に応じたハズレ変動パターンテーブル、当り図柄の種類に応じた変動パターンテーブル(16R大当り用変動パターンテーブル、8R大当り用変動パターンテーブル、2R大当り用変動パターンテーブルなど)、特定の変動表示(大当り後の数回転の変動表示、ST終了時の変動表示など)であることをもとに参照される特殊変動パターンテーブルを有する場合もあり、変動パターンテーブルの種類によっては、100種類以上の変動パターンを含む場合が存在する。また、本例では、各変動パターンテーブルは、第1特別図柄用と第2特別図柄用抽選とで共通仕様としているが、これに限定されず、第1特別図柄用と第2特別図柄用とで異なる仕様としてもよい。
【0070】
ここで、本実施形態では、上記の変動パターン選択状態として、「通常変動状態α」および「短縮変動状態β」の2種類が存在する。ここで、通常変動状態αとは、遊技状態が通常状態のときに選択される通常変動パターンテーブル(
図10)を参照して特別図柄の変動パターンを選択する状態である。短縮変動状態βとは、遊技状態が確変状態のときに選択される短縮変動パターンテーブル(
図11)を参照して特別図柄の変動パターンを選択する状態である。以下に、各変動パターンテーブルについて詳述する。
【0071】
(通常変動パターンテーブル)
図10は、通常変動パターンテーブルを示す模式図である。通常変動パターンテーブルは、現在滞在中の変動パターン選択状態が通常変動状態αである場合に設定される変動パターンテーブルである。通常変動パターンテーブルは、当否判定の結果(大当り/はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。
【0072】
はずれ用の通常変動パターンテーブルには、変動パターンPH1(超短縮)、PH2(短縮)、PH3(通常)、PH4(擬似連1回)、PH5(擬似連2回)、PH6(擬似連3回)、PH7(擬似連1回→リーチ)、PH8(擬似連2回→リーチ)、PH9(擬似連3回→リーチ)、PH10(ルーレット演出→失敗)、PH11(ルーレット演出→擬似連継続)、PH12(ルーレット演出→リーチ→ボタン連打演出)、PH13(ルーレット演出→リーチ→ボタン一撃演出)が設定されており、この複数種の変動パターンPH1〜PH13の中から一の変動パターンが抽選で選択される。
【0073】
大当り用の通常変動パターンテーブルには、変動パターンPA1(超短縮)、PA2(短縮)、PA3(通常)、PA4(擬似連1回)、PA5(擬似連2回)、PA6(擬似連3回)、PA7(擬似連1回→リーチ)、PA8(擬似連2回→リーチ)、PA9(擬
似連3回→リーチ)、PA10(ルーレット演出→失敗)、PA11(ルーレット演出→擬似連継続)、PA12(ルーレット演出→リーチ→ボタン連打演出)、PA13(ルーレット演出→リーチ→ボタン一撃演出)が設定されており、この複数種の変動パターンPA1〜PA13の中から一の変動パターンが抽選で選択される。なお、大当り用の通常変動パターンテーブルには、変動パターンPA10(ルーレット演出→失敗)には選択率が割り振られておらず、その変動パターンが選択されることはない。
【0074】
(短縮変動パターンテーブル)
図11は、短縮変動パターンテーブルを示す模式図である。短縮変動パターンテーブルは、現在滞在中の変動パターン選択状態が短縮変動状態βである場合に設定される変動パターンテーブルである。短縮変動パターンテーブルは、当否判定の結果(大当り/はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。
【0075】
はずれ用の短縮変動パターンテーブルには、変動パターンPH1(超短縮)、PH2(短縮)、PH3(通常)、PH4(擬似連1回)、PH5(擬似連2回)、PH6(擬似連3回)、PH7(擬似連1回→リーチ)、PH8(擬似連2回→リーチ)、PH9(擬似連3回→リーチ)、PH10(ルーレット演出→失敗)、PH11(ルーレット演出→擬似連継続)、PH12(ルーレット演出→リーチ→ボタン連打演出)、PH13(ルーレット演出→リーチ→ボタン一撃演出)が設定されており、この複数種の変動パターンPH1〜PH13の中から一の変動パターンが抽選で選択される。なお、該はずれ用の短縮変動パターンテーブルでは、上記のはずれ用の通常変動パターンテーブルと比較して、変動パターンPH1(超短縮)の選択される割合が高く設定されており、平均的な変動時間値が短縮されるようになっている。
【0076】
大当り用の短縮変動パターンテーブルには、変動パターンPA1(超短縮)、PA2(短縮)、PA3(通常)、PA4(擬似連1回)、PA5(擬似連2回)、PA6(擬似連3回)、PA7(擬似連1回→リーチ)、PA8(擬似連2回→リーチ)、PA9(擬似連3回→リーチ)、PA10(ルーレット演出→失敗)、PA11(ルーレット演出→擬似連継続)、PA12(ルーレット演出→リーチ→ボタン連打演出)、PA13(ルーレット演出→リーチ→ボタン一撃演出)が設定されており、この複数種の変動パターンPA1〜PA13の中から一の変動パターンが抽選で選択される。なお、大当り用の短縮変動パターンテーブルには、変動パターンPA10(ルーレット演出→失敗)には選択率が割り振られておらず、その変動パターンが選択されることはない。
【0077】
ここで、特別図柄の変動表示と連動して行われる装飾図柄の変動演出は、特別図柄の変動パターンの種別(変動時間)などに基づき決定される。
図10〜
図11には、参考として、各変動パターンに対応して設定される変動演出の内容を記載している。図中、「超短縮」、「短縮」、「通常」は、3列の装飾図柄が変動して、一度もリーチ状態を経由せずに、いわゆるバラケ目で「はずれ」となる演出である。この非リーチ態様に変動パターンでは、「通常変動」よりも「短縮変動」、「短縮変動」よりも「超短縮変動」の方が短い時間で変動表示が停止する点で相互に変動態様が異なる。
【0078】
図中、「擬似連」は、装飾図柄の1回の変動表示の間に、装飾図柄を仮停止表示(擬似停止)させることにより、擬似的に複数回の変動表示をさせたように見せる変動演出である。この擬似連(擬似連続変動)は、3列の装飾図柄が全て擬似的に仮停止(擬似停止)した後に再変動を開始する再変動表示を1回以上実行する構成となっている。本例では、擬似連が発生した後にリーチに発展しない変動パターンと、擬似連が発生した後にリーチに発展する変動パターンとが用意されている。擬似連は、リーチに発展する変動表示においては、リーチ状態が形成される前段階で実行表示され、再変動表示(擬似連)の回数が多くなるほど、大当り期待度の高いリーチの発生が期待できるようになっている。また、
本例において、「擬似連1回」とは1回の再変動表示(擬似連)が行われること、「擬似連2回」とは2回の再変動表示(擬似連)が行われること、「擬似連3回」とは3回の再変動表示(擬似連)が行われることを意味する。本例では、擬似連の回数が多くなるほど、すなわち、擬似連1<擬似連2<擬似連3の順に、大当り期待度が高くなるように設定されている。加えて、3列の装飾図柄のうち、左列及び右列の装飾図柄がリーチ状態(テンパイ)で仮停止する場合の方が、左列及び右列の装飾図柄が非リーチ状態で仮停止する場合よりも、大当り期待度が高くなるように設定されている。
【0079】
図中、「リーチ」は、3列ある装飾図柄のうち2列(一般的には左列及び右列)に同一の装飾図柄が停止した状態(リーチ状態、テンパイ状態)で、残り1列(一般的には中列)に異なる装飾図柄が停止したならば「はずれ」となり、残り1列(一般的には中列)に同一の装飾図柄が停止したならば「大当り」となる変動演出である。図中、「擬似連1回→リーチ」は、擬似連が1回発生した後にリーチに発展する変動演出、「擬似連2回→リーチ」は、擬似連が2回発生した後にリーチに発展する変動演出、「擬似連3回→リーチ」は、擬似連が3回発生した後にリーチに発展する変動演出である。
【0080】
図中、「ルーレット演出」は、装飾図柄が特定の出目(後述のチャンス図柄組合せ)で仮停止表示されたことを契機として、この仮停止表示後の発展先を予告する演出である。図中、「ルーレット演出→失敗」は、上記ルーレット演出が実行された後、擬似連が継続することもなく、また、リーチに発展することもなく、そのまま変動表示が終了する変動演出である。図中、「ルーレット演出→擬似連継続」は、上記ルーレット演出が実行された後、擬似連が継続する変動演出である。図中、「ルーレット演出→リーチ→ボタン連打演出」は、上記ルーレット演出が実行された後、リーチに発展して、演出ボタンの連打が指示されるボタン演出が発生する変動演出である。図中、「ルーレット演出→リーチ→ボタン一撃演出」は、上記ルーレット演出が実行された後、リーチに発展して、演出ボタンの一撃の操作(1回の操作)が指示されるボタン演出が発生する変動演出である。なお、このルーレット演出の具体的な内容については後述する。ここで、
図10,
図11で示した各変動パターンに対する演出内容は当該変動パターンで実行される代表的な変動演出を例示するものであり、必ずしも演出内容に示した変動演出が実行されるものとは限らない。このとき、メイン制御基板100側で抽選した変動パターン1つに対して、サブ制御基板200側で抽選する演出内容を複数対応させることによって、変動演出の単調化を避けることができる。また、サブ制御基板200側の変動演出の抽選態様を、遊技状態や演出モードに応じて変更して、或る遊技状態もしくは或る演出モードにおいて変動パターンと演出内容とが1対1の関係となっていたり、変動パターンと演出内容とが1対多の関係となっていたりしてもよい。
【0081】
なお、前述の説明では、はずれ用の変動パターンテーブルを単一のテーブルで表現しているが、当否抽選の結果がはずれとなった場合は、特別図柄の作動保留球数(0〜3)に応じて異なる変動パターンテーブルが選択されるように構成してもよい。つまり、特別図柄の作動保留球数に応じた変動パターンテーブルを用いることで、作動保留球数が多いほど相対的に短い変動時間が選択される割合を高くして、逆に、作動保留数が少ないほど相対的に長い変動時間が選択される割合を高くすることができる。また、図示省略するが、短縮変動パターンテーブルにおいて、第2特別図柄の保留記憶数が0となるときの変動においては、第2特別図柄(保留記憶数=0)のはずれ用の変動パターンテーブル(例えば
、変動パターンPH3(10秒)の選択率100%)を使用し、当該変動中での電チュー(第2始動口62)への遊技球の入球効率を高め、第2特別図柄での変動を途切れさせない
ようにしてもよい。
【0082】
また、特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄の変動パターンを選択した後、サブ制御基板200に対して装飾図柄の変動開始を指示するため、サブ制御基板200
との通信が正常に行われているか否かを確認するための演出制御コマンド(通信検査コマンド)、変動付加情報(変動時間を加減算するための情報)を含む演出制御コマンド(変動付加情報指定コマンド)、変動パターン情報を含む演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)、キャラクタ演出番号(図柄群および遊技状態)の情報を含む演出制御コマンド(図柄指定コマンド)等を生成して(以降、これらのコマンドを纏めて「変動開始コマンド」と称する)、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
【0083】
普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄当否判定手段146と、普通図柄停止図柄判定手段147と、普通図柄変動パターン判定手段148と、を有する。普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄の変動開始条件が充足したとき、普通図柄保留格納領域における最先の記憶領域に格納された普通図柄当り乱数値、普通図柄変動パターン乱数値を読み出して、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域、普通図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。
【0084】
普通図柄当否判定手段146は、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域から普通図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否抽選の結果は、メイン情報記憶手段180の普通図柄判定フラグに一時記憶され、以降の処理で使用された後、普通図柄の変動停止時にクリアされる。普通図柄当否判定手段146は、この当否抽選の際に参照される普通図柄当否抽選テーブルを保持しており、通常状態(低確率状態)においては例えば「160/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照し、普通図柄の確変状態(高確率状態)においては、例えば「282/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照して、普通図柄の当否抽選を実行する。
【0085】
普通図柄停止図柄判定手段147は、図柄抽選テーブルを参照して、当否抽選の結果が当りである場合には所定の当り図柄を割り当てる一方、はずれである場合には所定のはずれ図柄を割り当てるようになっている。
【0086】
普通図柄変動パターン判定手段148は、メイン情報記憶手段180の普通図柄変動パターン判定領域から普通図柄変動パターン乱数値を読み出すとともに、普通図柄変動パターンテーブルを参照して、通常状態における普通図柄の変動表示においては、相対的に長い変動時間を選択する(例えば「4秒・5秒・6秒・7秒・8秒・9秒・10秒」の7種類をそれぞれ均一的に選択する)。一方、普通図柄の時短状態(入球容易状態)では、変動時間短縮機能の作動により、相対的に短い変動時間(例えば「0.5秒」)を選択する。なお、普通図柄遊技の制御においては、メイン制御基板100のCPUの処理負荷軽減のため、非電チューサポート状態においては、普通図柄抽選の当選確率を「0」とする仕様や、普通図柄の変動時間を単一のものとする仕様を採用することも考えられる。
【0087】
特別遊技制御手段150は、当否抽選の結果が大当りである場合、前記決定された大当り図柄に応じて、大当り開始デモおよび大当り終了デモに係るデモ時間を決定する。また、特別遊技制御手段150は、サブ制御基板200側に対して、大当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り開始デモコマンド」と称する)と、大当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り終了デモコマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。なお、大当り開始デモコマンドは、サブ制御基板200側において、特別遊技中に展開される一連の大当り演出(大当り開始デモ演出、ラウンド演出、大当り終了デモ演出)の内容を決定するための契機ともなる。また、特別遊技制御手段150は、特別遊技中の各ラウンド遊技において、各ラウンド遊技に対応したラウンド演出の開始を指示するための演出制御コマンド(「ラウンド演出指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。このラウンド演出指定コマンドには、現在のラウ
ンド数の情報および大入賞口64の開放や閉鎖の情報などが含まれる。なお、上記デモ時間に関しては、大当り図柄のみではなく、大当りした際の遊技状態(通常中または時短中など)によって同一の大当り図柄であっても大当り開始デモや大当り終了デモに係るデモ時間を異ならせてもよい。
【0088】
また、特別遊技制御手段150は、当否抽選の結果が小当りの場合、小当り遊技中に演出表示装置70等に表示される小当り開始デモおよび小当り終了デモに係るデモ時間を決定する。また、特別遊技制御手段150は、小当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り開始デモコマンド」)と、小当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り終了デモコマンド」)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
【0089】
図柄表示制御手段155は、特別図柄表示制御手段156、普通図柄表示制御手段157、を含む。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第1特別図柄を第1特別図柄表示装置71に変動表示させるとともに、該変動表示後に第1特別図柄を確定表示させる。また、特別図柄表示制御手段156は、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第2特別図柄を第2特別図柄表示装置72に変動表示させるとともに、該変動表示後に第2特別図柄を確定表示させる。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄および第2特別図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマを有している。第1特別図柄表示装置71および第2特別図柄表示装置72の動作状態は、メイン情報記憶手段180の特別図柄遊技ステイタスに基づき監視される。特別図柄表示制御手段156は、特別図柄の変動停止の際に(すなわち、特別図柄遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、サブ制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(「変動停止コマンド」と称する)を生成する。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の変動パターン(変動時間)に従って、普通図柄を普通図柄表示装置75に変動表示させるとともに、該変動表示後に普通図柄を確定表示させる。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための普通図柄遊技タイマを有している。普通図柄表示装置75の動作状態は、メイン情報記憶手段180の普通図柄遊技ステイタスに基づき監視される。
【0090】
電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、特別遊技処理として、特別電動役物ソレノイド643に制御信号を出力し、特別電動役物642を所定の作動パターンに従って開放させる。特別遊技は、特別電動役物642の1回の作動を1回のラウンド遊技(単位遊技)とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(本例では、16R,8R,2R)だけ連続して実行するものである。電動役物制御手段160は、特別電動役物642の作動回数(すなわち、実行中のラウンド数)を格納するための大入賞口開放カウンタを保持する。ここで、大当り種別がいわゆる16R大当り(図柄A1,A2)又は8R大当り(図柄B1,B2)である場合には、1回のラウンド遊技において大入賞口64を最大で約30秒間開放させる。他方、大当り種別がいわゆる2R大当り(図柄C1)である場合には、1回のラウンド遊技において大入賞口64を最大で約0.7秒間開放させる。ここで、特別遊技における大入賞口64の閉鎖条件(単位遊技の終了条件)とは、規定カウント数の遊技球の入賞又は規定秒数の開放可能期間の経過である。また、開放可能期間における大入賞口64の開閉動作は、1回だけでなく、複数回実行される場合を有していてもよい。
【0091】
また、電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が小当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、小当り遊技処理として、特別電動役物ソレノイド643に制御信号を出力し、特別電動役物642を短期間だけ開放させる。小当り遊技は1回のラウンド遊技で構成される点で、複数回のラウンド遊技で構成される大当り遊技とは区別される
。ここで、前述した2R特別遊技と小当り遊技とを比較すると、内部的には相違するものの、1回の開閉時間(0.7秒)が同じ点及び開閉回数が同一である点(前者が1ラウンド当たり1開閉を2ラウンドの2回、後者が1ラウンド当たり2開閉を1ラウンドの2回)で共通するので、見た目上は近似した開放時間・開放パターンの遊技が繰り広げられる。
【0092】
また、電動役物制御手段160は、普通図柄の当否抽選に当選した場合、普通電動役物ソレノイド623に制御信号を出力して、所定の開放時間だけ普通電動役物622を開放させる。ここで、電動役物制御手段160は、通常状態では普通電動役物622を極短時間(例えば0.2秒間)だけ開放させるのに対し、入球容易状態(電チューサポート状態)では普通電動役物622を通常状態と比較して相対的に長い時間(例えば4秒間)に亘り開放させる。
【0093】
遊技状態制御手段165は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合に、当該大当りに係る図柄の種類に基づき、特別遊技の終了後の遊技状態を決定するとともに、特別遊技の終了後の遊技状態を切り替える。以下では、前述した特別図柄および普通図柄に関する諸機能のうち、1)特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能の全てが作動する遊技状態を「確変状態」と称し、2)特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能のみが作動する遊技状態を「時短状態」と称し、3)特別図柄の確率変動機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態」と称し、4)全ての機能が作動していない状態を「通常状態」と称する。なお、「確変状態」、「時短状態」、「潜伏確変状態」は、いずれも「通常状態」と比べて、遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。なお、各遊技状態は、特別図柄遊技の作動状態(高確率/低確率)と普通図柄遊技の作動状態(開放延長あり/開放延長なし)との組み合わせにより、(1)確変状態を「高確率/開放延長」、(2)時短状態を「低確率/開放延長」、(3)潜伏確変状態を「高確率/非開放延長」、(4)通常状態を「低確率/非開放延長」、と表現することもできる。また、本実施形態では、前述のとおり、回数切りの所謂ST機であるため、特別遊技の終了後の遊技状態は、特別図柄の変動回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終期回数、すなわちST回数に到達するまでの間、確変状態が継続する(但し、ST回数内で次回の大当りが発生した場合には当該変動にて確変状態は終了し、大当り終了後に再度ST回数が設定される)。なお、ST期間中に小当りとなった場合には、ST回数が0リセット(復活)されることはなく、小当り発生の前後でST回数は継続してカウントされている。本実施形態では、ST回数は100回に設定されているが、他の回数に設定されてもよいことは勿論である。なお、確変状態へ移行した場合は、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が同時に作動して、該確変状態が継続する限り、各機能も継続することになる。なお、特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合には、当該大当り前の遊技状態が通常状態および確変状態のいずれであっても、特別遊技中は通常状態であり且つ特別遊技後はST回数を限度として一律に確変状態となる。一方、特別図柄の当否抽選の結果が小当りであれば、当該小当り前の遊技状態が通常状態であった場合、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も通常状態となる。また、当該小当り前の遊技状態が特別図柄の確変状態であった場合には、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も特別図柄の確変状態となる。
【0094】
また、遊技状態制御手段165は、特別遊技が実行された場合に、当該大当りないし小当りの図柄種別に基づき、特別遊技後の変動パターン選択状態を決定するとともに、特別遊技後の変動パターン選択状態を切り替える。変動パターン選択状態とは、前述の変動パターンテーブルを選択する際に参照される条件の一つである。変動パターン選択状態の切り替え時期は、特別遊技の終了時又は変動パターン選択状態の終期回数を満了したときである。本実施形態では、前述したように、変動パターン選択状態として、「通常変動状態α」および「短縮変動状態β」の2種類が存在する。なお、各変動パターン選択状態につ
いては既に説明しているため、ここでは重複説明を省略する。本実施形態では、大当り図柄(A1,B1,C1,A2,B2)のいずれが選択された場合でも、(1)特別遊技の終了直後、変動回数がST期間(100回)内にあるときは短縮変動状態βに滞在し、(2)ST回数の終了後、すなわち、その実行回数として101回目以降は通常変動状態αに滞在する。無論、初当たりが発生するまでの期間は、通常変動状態αに滞在することになる。そして、遊技状態制御手段165は、現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(「遊技状態指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
【0095】
エラー監視制御手段170は、I/Oポート回路104の入力情報を監視し、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、サブ制御基板200にエラー状態演出を指示すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を要求する。なお、
図6では記載を省略しているが、扉開放スイッチはガラス枠5が開放されているか否かの検出手段であり、枠開放スイッチは前枠2が開放されているか否かの検出手段であり、裏セット開放スイッチは裏セット盤30が開放されているか否かの検出手段である。また、磁気センサおよび電波センサはいわゆる不正遊技行為を発見するための検出手段である。
【0096】
メイン情報記憶手段180は、特別図柄遊技および普通図柄遊技にて取得した乱数値情報、特別図柄および普通図柄の作動保留球情報、特別図柄遊技および普通図柄遊技に関する遊技状態(確変状態、時短状態、入球容易状態)の情報、変動パターン選択状態に関する情報、当否抽選の結果情報(大当り、小当り、はずれ)、特別図柄や普通図柄に係る停止図柄および変動パターンの情報、特別遊技に関する情報(ラウンド数、開放時間、開放態様(1ラウンド遊技あたりの開放回数)など)、特別図柄表示装置71,72の動作状態を示すステイタス情報、特別電動役物642の動作状態を示すステイタス情報、演出制御コマンドデータの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。
【0097】
コマンド送受信手段190は、コマンド送信要求があった場合に、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納された各種の演出制御コマンドデータをパラレル伝送方式にてサブ制御基板200に送信するように構成されている。なお、各演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含んだ2バイト構成となっており、MODEとEVENTを区別するために、MODEデータのBit7は「1」、EVENTデータのBit7は「0」としている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、MODEおよびEVENTの各々の送信タイミングでストローブ信号が出力される。各処理で発生した演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域にセットされた順番に従って割込み周期毎に1コマンド送信される。
【0098】
サブ制御基板200は、
図7に示すように、演出抽選乱数発生手段210、演出統括手段220、リール制御手段230、ランプ制御手段240、役物制御手段250、音声制御手段260、エラー演出制御手段270、サブ情報記憶手段280、コマンド送受信手段290、を含む。なお、サブ制御基板200における上述の各手段は、サブ制御基板200上に配されたCPU、ROM、RAM、電子回路等のハードウェア及びROMに格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
【0099】
演出抽選乱数発生手段210は、CPUのプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数(演出抽選乱数)を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウン
タは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、先読み演出の抽選に使用する先読み抽選乱数、装飾図柄の停止図柄の抽選に使用する装飾図柄乱数、装飾図柄の変動演出パターンの抽選に使用する変動演出パターン乱数、予告演出の抽選に使用する予告抽選乱数、大当り演出パターンの抽選に使用する大当り演出パターン乱数、演出ステージの移行抽選に使用するステージ抽選乱数などが含まれる。これらの乱数の更新時期としては、後述の演出制御側メイン処理内でコマンド解析が行われなかった場合(メイン制御基板100から演出制御コマンドを受信しなかった場合)の残余時間を利用して更新する。
【0100】
演出統括手段220は、演出モード制御手段221、保留情報表示制御手段222、先読み予告制御手段223、変動演出制御手段224、装飾図柄制御手段225、予告演出制御手段226、大当り演出制御手段227を含む。
【0101】
演出モード制御手段221は、メイン制御基板100からの遊技状態指定コマンドに基づき、メイン制御基板100側で管理された遊技状態および変動パターン選択状態との整合性をとるかたちで、演出モードの移行制御を実行する。本実施形態では、2種類の演出モードとして、通常演出モードMα、確変演出モードMβが含まれており、メイン制御基板100から指示された特別図柄の変動パターンが同一であっても、演出モード毎に図柄変動演出の具体的内容を特定する変動演出パターン(詳細後述)が異なるように設定されている。
【0102】
保留情報表示制御手段222は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2保留球数カウンタを有している。保留情報表示制御手段222は、メイン制御基板100からの図柄記憶数コマンドを受信すると、この図柄記憶数コマンドに含まれる作動保留球数の情報に基づき、対応するカウンタの値を更新(加算)する。一方、保留情報表示制御手段222は、メイン制御基板100からの変動開始コマンドを受信すると、すなわち、作動保留球が消化されると、対応するカウンタの値を更新(減算)する。また、保留情報表示制御手段222は、第1保留球数カウンタおよび第2保留球数カウンタの値に基づいて、演出用保留ランプ(図示せず)を所定の表示態様で発光する制御を行う。
【0103】
先読み予告制御手段223は、先読み予告演出の対象となる作動保留球に対して先読み的な判定(「先読み抽選」と称する)を実行する。先読み予告演出は、先読み対象の作動保留球が消化される以前の一又は複数回の変動表示に亘って大当り当選又は高期待度演出(例えばリーチ演出)発生の可能性を予告するいわゆる連続予告演出の一態様として発生される。このとき、先読み抽選は、メイン制御基板100からの事前判定コマンドに含まれる事前判定結果の情報に基づき実行される。ここで、先読み予告制御手段223は、メイン制御基板100からの事前判定コマンドを受信すると、第1特別図柄の事前判定結果の情報と第2特別図柄の事前判定結果の情報とを区別して、それぞれ所定の上限個数(4個)まで、作動保留球の入球順序と結合したかたちでサブ情報記憶手段280の先読み情報格納領域に一時記憶する。この先読み情報格納領域は、メイン制御基板100の保留記憶領域と同様の構成となっており、各始動口61,62への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、当否事前判定結果の情報、図柄事前判定結果の情報、変動パターン事前判定結果の情報を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。事前判定結果の情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の事前判定結果の情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された事前判定結果
の情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。なお、先読み予告演出の具体的内容については後述する。
【0104】
変動演出制御手段224は、メイン制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報、変動付加情報など)に基づき、装飾図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程(演出過程)を規定した変動演出パターンを抽選により決定する。ここで、メイン制御基板100側では特別図柄のメイン変動パターン(例えば「強SPリーチ」など)が定まるのに対して、サブ制御基板200側では当該メイン変動パターンを基に演出表示過程のシナリオを詳細に規定した装飾図柄のサブ変動パターン(例えば、「強SPリーチA,B…」など)が定まる。本実施形態では、前述したように、装飾図柄の変動演出として、非リーチ演出(超短縮変動演出、短縮変動演出、通常変動演出など)、リーチ演出、擬似連続変動演出などが設定されている。そして、装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程のシナリオが定義されており、当該表示過程中の各段階において予告演出を発生させるタイミングなどもタイムスケジュールとして規定されている。また、この装飾図柄の変動演出パターンについては、特別図柄の変動パターンが同一であっても(同一情報の変動開始コマンドを受信した場合でも)、滞在中の演出モードを異にすれば、互いに演出内容の異なる変動演出パターンが選択され得ることになる。すなわち、変動演出パターンテーブルは、滞在中の演出モードごとに用意される。
【0105】
装飾図柄制御手段225は、メイン制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(停止図柄情報、遊技状態情報)と、変動演出制御手段224により決定された上記の変動演出パターンとに基づき、装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせ(左図柄・中図柄・右図柄)を抽選により決定する。詳細は後述するが、本例では、複数種類の装飾図柄を含む3つの図柄列が構成されており、この装飾図柄は例えば数字や文字等からなる識別要素により形成される。また、装飾図柄制御手段225は、装飾図柄の停止図柄の組合せ(「停止図柄パターン」ともいう)を抽選で決定する際に参照される複数種の停止図柄パターンテーブルを保持している。この複数種のテーブルとしては、大当り用の停止図柄パターンテーブル、小当り用の停止図柄パターンテーブル、リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブル、非リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブルなどがある。装飾図柄の停止図柄の組合せは、3つの装飾図柄の組み合わせとして形成され、大当りを示す停止図柄の組合せ(「大当り図柄組合せ」と称する)と、小当りを示す停止図柄の組合せ(「小当り図柄組合せ」と称する)と、はずれを示す停止図柄の組合せ(「はずれ図柄組合せ」と称する)とを含む。
【0106】
図12は、各リール81の図柄列(装飾図柄の配列)を示す模式図である。装飾図柄制御手段225は、各リール81の装飾図柄を図柄番号にて管理して、図柄番号の組合せにより装飾図柄の組合せを特定する。本実施形態では、「0」〜「13」の図柄番号が設定されている。後述のリール制御手段230は、3列のリール81の回転駆動を制御することにより、各図柄列において複数種の装飾図柄を変動表示させた後、上記の抽選にて選択された装飾図柄の組合せを各有効ライン上に停止表示(確定停止表示又は仮停止表示)させる。本実施形態では、各リール81を正転方向に回転させた場合には、各装飾図柄は図柄番号「0」→「1」→「2」→・・・→「12」→「13」の順に有効ライン上に巡回表示される。一方、各リールを逆転方向に回転させた場合には、各装飾図柄は図柄番号「13」→「12」→「11」→・・・→「1」→「0」の順に有効ラインに巡回表示される。以下では、左リールの図柄列を「左図柄列」、中リールの図柄列を「中図柄列」、右リールの図柄列を「右図柄列」とも称する。
【0107】
各図柄列の装飾図柄は、当否判定の結果やリーチ演出、予告演出等の表示として用いられる有効図柄と、当否判定の結果やリーチ演出、予告演出等の表示として用いられないブ
ランク図柄とに大別される。各図柄列には、有効図柄とブランク図柄とが交互に配置されており、「有効図柄」→「ブランク図柄」→「有効図柄」→「ブランク図柄」→「有効図柄」→・・・といった順に変動表示される。
【0108】
本実施形態において、有効図柄は、大当り図柄組合せ又は小当り図柄組合せを形成する当選有効図柄と、チャンス図柄組合せを形成する特殊有効図柄とに大別される。本実施形態では、当選有効図柄として「マイティ7」、「白7」、「赤7」、「青7」、「BAR」、「REG」などが設定されている。基本的には、同じ種類の当選有効図柄が有効ライン上に3つ揃った態様で確定停止表示されると、大当りに当選したことが遊技者に報知される。ここで、「マイティ7」は、「白7」が上・中・下の3つの有効停止ライン上に臨む大きさに設定された装飾図柄(BIG図柄とも称する)であり、左図柄列及び右図柄列における図柄番号2〜4に配列されている(中図柄列には配列されていない)。「マイティ7」および「白7」は、「赤7」及び「青7」の何れとも組み合わされて、大当り図柄組合せを構成することができる。また、本実施形態では、特殊有効図柄として「ドラ」、「キュア」、「チャンス」などが設定されている。この特殊有効図柄は、有効ライン上に一時的に仮停止表示される仮停止図柄として用いられ、後述のルーレット演出の実行契機となるチャンス図柄組合せ(「特殊目」とも称する)として機能する。
【0109】
一方、本実施形態では、ブランク図柄として、星印を模した図柄が設定されている。ブランク図柄は、各図柄列において上下の有効図柄の間に配置されている。
【0110】
図13は、装飾図柄の表示領域を示す模式図である。上述のセンター飾り22の中央には、3列のリール81を視認可能とする図柄表示領域29が設けられている。図柄表示領域29は、3列のリール81とも、上・中・下の3つの装飾図柄が表示可能となっている。遊技者は、基本的には、図柄表示領域29に臨む3つの装飾図柄のみを視認することができる。図柄表示領域29には、いわゆるファイブラインと呼ばれる5本の有効ラインが設定されている。本実施形態では、図柄表示領域29の中央に水平に延びる第1有効ラインL1と、第1有効ラインL1の上方において水平に延びる第2有効ラインL2と、第1有効ラインL1の下方において水平に延びる第3有効ラインL3と、図柄表示領域29の左上隅から右下隅へと斜めに延びる第4有効ラインL4と、図柄表示領域29の左下隅から右上済へと斜めに延びる第5有効ラインL5とが設定されている。そのため、図柄表示領域29の上段には第2有効ラインL2上の装飾図柄が表示され、図柄表示領域29の中段には第1有効ラインL1上の装飾図柄が表示され、図柄表示領域29の下段には第3有効ラインL3上の装飾図柄が表示される。
【0111】
本実施形態では、装飾図柄の組合せとして、何れかの有効ラインL1〜L5上に同じ種類の当選有効図柄が3つ揃って停止表示された場合には、その装飾図柄の組合せ(例えば、「赤7−赤7−赤7」、「青7−青7−青7」など)は、大当り図柄組合せとなる。一方、各有効ラインL1〜L5上に停止表示された装飾図柄の組合せにおいて、1つでも異なる種類の装飾図柄が含まれる場合には、その装飾図柄の組合せ(例えば、「赤7−BAR−REG」、「青7−ブランク−青7」など)は、はずれ図柄組合せとなる。但し、何れかの有効ライン上において、「マイティ7−白7−マイティ7」、「マイティ7−赤7−マイティ7」、「マイティ7−青7−マイティ7」のうちの何れかの装飾図柄の組合せが停止表示された場合には、その装飾図柄の組合せは、大当り図柄組合せとなる。ここで、何れかの有効ライン上において、装飾図柄の組合として「ドラ−キュア−チャンス」が仮停止表示された場合は、当該仮停止表示後の展開(変動継続態様)を示唆又は報知するルーレット演出が開始される。なお、ルーレット演出の詳細については後述する。
【0112】
予告演出制御手段226は、変動演出制御手段224によて決定された変動演出パターンのシナリオに沿って装飾図柄の変動過程の各段階で実行される予告演出の内容を規定し
た予告演出パターンを抽選により決定する。予告演出パターンには、各リールを特殊な態様で回転させる演出パターン(リールアクション)や、演出ランプLPや可動役物24を特定の発光態様で点灯させる演出パターン、特定の音声を出力する演出パターン、可動役物24を動作させる演出パターン等が含まれる。予告演出は、装飾図柄の変動表示と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する大当り信頼度が高いことを予告的に示唆するものである。予告演出には、装飾図柄の変動過程においてリーチ状態が発生する前(リーチ発生時を含む)に実行される予告演出と、リーチ状態が発生した後に実行される予告演出とがある。予告演出はそれぞれ大当り信頼度が異なるものとなっており、基本的には、リーチ発生前に表示される予告演出よりも、リーチ発生後に表示される予告演出の方が相対的に大当り期待度は高くなっている。予告演出制御手段226は、予告演出パターンを選択する際に参照される予告抽選テーブルを予告演出の種類別に保持しており、変動演出パターンのシナリオに沿って発生する予告演出の種類に応じた予告抽選テーブルを選択するようになっている。なお、具体的な予告演出の種類については後述する。この予告演出は、基本的には、装飾図柄の変動表示に、1又は複数の予告演出の表示を合成することによって行われる。そのため、同一の変動演出パターンによる装飾図柄の変動表示であっても、1又は複数の予告演出との組み合わせによって多彩な演出態様を発生させることが可能となる。なお、本実施形態では、同じ予告演出パターンが複数回の変動表示に亘って連続して発生するのを防止すべく、予告抽選処理が行われた後に、予告演出パターンを差し替えるための予告変換処理が設定されている(詳細後述)。
【0113】
大当り演出制御手段227は、特別遊技中であることを報知する大当り演出の内容(大当り演出パターン)を決定する。大当り演出は、特別遊技の開始を報知する開始デモ演出と、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出と、特別遊技の終了を報知する終了デモ演出とを含む。大当り演出決定手段227は、メイン制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信した場合、サブ情報記憶手段280に格納された大当り種別の情報などに基づき、大当り演出パターン(開始デモ演出パターン、ラウンド演出パターン、終了デモ演出パターン)を決定する。この大当り演出パターンには、大当り種別に応じて、大当り開始デモ演出時間とラウンド演出時間(大入賞口64の開放パターンに応じた演出時間)と大当り終了デモ演出時間とが設定されるとともに、その時間軸に沿って一連の演出内容が設定されている。また、大当り演出決定手段227は、大当り演出パターンに従って、メイン制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信したことを契機として開始デモ演出を実行し、ラウンド演出指定コマンドを受信したことを契機として各ラウンド演出を実行し、大当り終了デモコマンドを受信したことを契機として終了デモ演出を実行する。
【0114】
以上、演出統括手段220は、前記決定された演出内容(先読み演出パターン、変動演出パターン、予告演出パターン、停止図柄パターン、大当り演出パターンなど)に基づき画像および音響に関する画像制御コマンドを生成して、これをサブ情報記憶手段280のコマンド格納領域に格納する。
【0115】
リール制御手段230は、演出統括手段220にて設定された演出内容(装飾図柄の停止図柄、変動演出パターンなど)に従ってリールユニット80のモータを制御して、各リール81の回転を制御する。
【0116】
ランプ制御手段240は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って演出ランプLPの点灯や発光色等を制御する。
【0117】
役物制御手段250は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って各可動役物24の駆動を制御する。
【0118】
音声制御手段260は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従ってスピーカ11の音声出力を制御する。
【0119】
エラー演出制御手段270は、メイン制御基板100からエラー演出指定コマンドを受信した場合にエラー演出パターンを決定し、遊技機にエラー状態が発生したことを当該エラー演出パターンに従って報知するように構成されている。また、サブ制御基板200に接続されている演出装置類から異常信号を受け取った場合(リールユニット80の脱調等回転異常、可動役物24の動作異常、スピーカ11の異常など)に、その旨を報知する場合もある。
【0120】
サブ情報記憶手段280は、装飾図柄の情報、変動演出パターンの情報、予告演出パターンの情報、制御コマンドの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。
【0121】
コマンド送受信手段290は、メイン制御基板100から送信された演出制御コマンドを受信し、この演出制御コマンドをサブ情報記憶手段280の演出制御コマンドバッファに格納するように構成されている。コマンド送受信手段290は、メイン制御基板100からの前述のストローブ信号の入力に基づき割込みを発生させて演出制御コマンドの受信割込み処理(詳細後述)を実行し、この割込み処理において各種の演出制御コマンドを取得するようになっている。なお、コマンド送受信手段290は、ストローブ信号を受信した場合には、この演出制御コマンドの受信割込み処理を他の割込み処理(後述する優先レベル7未満の割込み処理)よりも優先的に行うようになっている。
【0122】
[各種の演出]
かかる構成のぱちんこ遊技機PMでは、前述したように、遊技の進行状況等に応じて、各種の演出がサブ制御基板200により制御されて実行されるように構成されている。以下では、主として演出統括手段220により制御される(1)変動演出、(2)予告変換処理、(3)ルーレット演出について順に詳述する。
【0123】
[変動演出]
まず、装飾図柄の変動演出について説明する。ここで、
図14は、本実施形態のシナリオ振分抽選を説明するための概念図である。本実施形態では、図柄の変動演出(予告演出およびリーチ演出を含む)の内容を三つの階層に分けて抽選する。つまり、第1階層〜第3階層といった階層構造を利用して、第1階層→第2階層→第3階層の順に抽選を実行していくことにより(上位層のパターンから下位層のパターンにブレークダウンしていくことにより)、最終的に予告演出の内容とリーチ演出の内容とが決定されるように構成されている。具体的には、第1階層において変動演出の基本パターンが決定され、第2階層において当該基本パターンに基づき予告演出およびリーチ演出の各シナリオが決定され、第3階層において各シナリオに規定された予告演出およびリーチ演出の具体的内容が決定されるものとなっている。それでは、各階層における処理の内容について順に説明する。
【0124】
<第1階層:サブ変動抽選>
まず、第1階層では、特別図柄の変動パターン(メイン変動パターン)に基づき、装飾図柄の変動演出パターン(サブ変動パターン)を抽選で決定する。
図15は、変動演出パターン抽選テーブルの一例を示す模式図である。変動演出パターンテーブルには、特別図柄の変動パターンに対して複数種の変動演出パターンのうちのいずれかを選択可能なように選択率が割り振られている。図中では、便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には、取得した抽選乱数値に応じて、変動演出パターンを決定するための判定置数(抽選乱数値の範囲)が設定されており、その抽選乱数値がいずれの判定置数に属するかに基づき、変動演出パターンが決定されるようになっている。
【0125】
本実施形態では、説明の便宜上、1の変動パターンに対して1の変動演出パターンが対応付けられているが、実際には1の変動パターンに対して1又は複数の変動演出パターンが対応付けられている。具体的に、当否判定の結果がはずれである場合は、特別図柄の変動パターンPH1〜PH13に対して、装飾図柄の変動演出パターンPEH1〜PEH13が対応付けられている。一方、当否判定の結果が大当りである場合は、特別図柄の変動パターンPA1〜PA13に対して、装飾図柄の変動演出パターンPEA1〜PEA13が対応付けられている。
【0126】
続いて、前記決定された変動演出パターンに基づき、各変動グループ(付加変動情報別変動グループ、リーチ別変動グループ)に振り分けるための抽選を行う。
【0127】
図16は、付加情報別変動グループ抽選テーブルの一例を示す模式図である。付加情報別変動グループ抽選テーブルには、前記決定された変動演出パターンに対して複数種の付加情報別変動グループのうちのいずれかを選択可能なように選択率が割り振られている。図中では、便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には、取得した抽選乱数値に応じて、付加情報別変動グループを決定するための判定置数(抽選乱数値の範囲)が設定されており、その抽選乱数値がいずれの判定置数に属するかに基づき、付加情報別変動グループが決定されるようになっている。この付加情報別変動グループ抽選テーブルでは、前記決定された変動演出パターンを基に、付加情報別変動グループに振り分けられる。本例における付加情報別変動グループは、主として擬似連続変動演出の演出態様を規定した擬似連続変動パターンとして機能する。
【0128】
本実施形態では、説明の便宜上、1の変動演出パターンに対して1の付加情報別変動グループが対応付けられているが、実際には1の変動演出パターンに対して1又は複数の付加情報別変動グループが対応付けられている。具体的に、当否判定の結果がはずれである場合の付加情報別変動グループとして、変動演出パターンPEH1に対して「擬似連なしA」、変動演出パターンPEH2に対して「擬似連なしB」、変動演出パターンPEH3に対して「擬似連なしC」、変動演出パターンPEH4に対して「擬似連1回A」、変動演出パターンPEH5に対して「擬似連2回A」、変動演出パターンPEH6に対して「擬似連3回A」、変動演出パターンPEH7に対して「擬似連1回B」、変動演出パターンPEH8に対して「擬似連2回B」、変動演出パターンPEH9に対して「擬似連3回B」、変動演出パターンPEH10に対して「擬似連1回C」、変動演出パターンPEH11に対して「擬似連2回C」、変動演出パターンPEH12に対して「擬似連1回D」、変動演出パターン13に対して「擬似連1回E」が対応付けられている。一方、当否判定の結果が大当りである場合の付加情報別変動グループとして、変動演出パターンPEA1に対して「擬似連なしA」、変動演出パターンPEA2に対して「擬似連なしB」、変動演出パターンPEA3に対して「擬似連なしC」、変動演出パターンPEA4に対して「擬似連1回A」、変動演出パターンPEA5に対して「擬似連2回A」、変動演出パターンPEA6に対して「擬似連3回A」、変動演出パターンPEA7に対して「擬似連1回B」、変動演出パターンPEA8に対して「擬似連2回B」、変動演出パターンPEA9に対して「擬似連3回B」、変動演出パターンPEA11に対して「擬似連2回C」、変動演出パターンPEA12に対して「擬似連1回D」、変動演出パターンPEA13に対して「擬似連1回E」が対応付けられている。なお、詳細後述するが、はずれの変動演出パターンPEH10〜PEH13及び大当りの変動演出パターンPEA11〜PEA13は、特殊目の仮停止表示中に行われるルーレット演出(擬似1連目に行われるルーレット演出)を伴う変動演出パターンであるため、少なくとも擬似連1回の実行が規定されている。
【0129】
図17は、リーチ別変動グループ抽選テーブルの一例を示す模式図である。リーチ別変
動グループ抽選テーブルには、前記決定された変動演出パターンに対して複数種のリーチ別変動グループのうちのいずれかを選択可能なように選択率が割り振られている。図中では、便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には、取得した抽選乱数値に応じて、リーチ別変動グループを決定するための判定置数(抽選乱数値の範囲)が設定されており、その抽選乱数値がいずれの判定置数に属するかに基づき、リーチ別変動グループが決定されるようになっている。
【0130】
本実施形態では、説明の便宜上、1の変動演出パターンに対して1のリーチ別変動グループが対応付けられているが、実際には1の変動演出パターンに対して1又は複数のリーチ別変動グループが対応付けられている。具体的に、当否判定の結果がはずれである場合のリーチ別変動グループとして、変動演出パターンPEH1に対して「非リーチ(超短縮)」、変動演出パターンPEH2に対して「非リーチ(短縮)」、変動演出パターンPEH3に対して「非リーチ(通常)」、変動演出パターンPEH4に対して「非リーチ(擬似1)」、変動演出パターンPEH5に対して「非リーチ(擬似2)」、変動演出パターンPEH6に対して「非リーチ(擬似3)」、変動演出パターンPEH7に対して「リーチ(擬似1)」、変動演出パターンPEH8に対して「リーチ(擬似2)」、変動演出パターンPEH9に対して「リーチ(擬似3)」、変動演出パターンPEH10に対して「非リーチ(ルーレット:×)」、変動演出パターンPEH11に対して「非リーチ(ルーレット:続)」、変動演出パターンPEH12に対して「リーチ(ルーレット:連打)」、変動演出パターンPEH13に対して「リーチ(ルーレット:一撃)」が対応付けられている。一方、当否判定の結果が大当りである場合のリーチ別変動グループとして、変動演出パターンPEA1に対して「非リーチ(超短縮)」、変動演出パターンPEA2に対して「非リーチ(短縮)」、変動演出パターンPEA3に対して「非リーチ(通常)」、変動演出パターンPEA4に対して「非リーチ(擬似1)」、変動演出パターンPEA5に対して「非リーチ(擬似2)」、変動演出パターンPEA6に対して「非リーチ(擬似3)」、変動演出パターンPEA7に対して「リーチ(擬似1)」、変動演出パターンPEA8に対して「リーチ(擬似2)」、変動演出パターンPEA9に対して「リーチ(擬似3)」、変動演出パターンPEA11に対して「非リーチ(ルーレット:続)」、変動演出パターンPEA12に対して「リーチ(ルーレット:連打)」、変動演出パターンPEA13に対して「リーチ(ルーレット:一撃)」が対応付けられている。
【0131】
上記二種の変動グループ抽選テーブルでは、上述したように、一の変動演出パターンに対して一の各変動グループ(付加情報別変動グループ、リーチ別変動グループ)が対応付けられており(すなわち、1対1の対応関係となっており)、変動演出パターンと各変動グループとは実質的に同一のものとなっている。そのため、以下では、特段の場合を除き、変動演出パターンと各変動グループとを区別せず、一纏めに「変動演出パターン」と称する場合がある。
【0132】
<第2階層:予告シナリオ抽選/SPシナリオ抽選>
第2階層では、第1階層で選択された変動演出パターンを基に、各種演出のシナリオ(予告シナリオ、SPシナリオ)を振り分けるための抽選を行う。なお、本実施形態においては、第2階層の抽選として、予告シナリオ抽選についてのみ説明し、SPシナリオ抽選については説明を省略する。
【0133】
図18は、予告シナリオ抽選テーブルの一例を示す模式図である。予告シナリオ抽選テーブルには、前記決定された変動演出パターンに対して複数種の予告シナリオ(ID番号)のうちのいずれかを選択可能なように選択率が割り振られている。図中では、便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には、取得した抽選乱数値に応じて、予告シナリオを決定するための判定置数(抽選乱数値の範囲)が設定されており、その抽選乱数値がいずれの判定置数に属するかに基づき、予告シナリオが決定されるようになっている。予告シ
ナリオには、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程のタイムスケジュールに沿って、当該表示過程中の各段階において発生可能な予告演出のカテゴリ(「予告演出カテゴリ」と称する)が定められている。予告演出カテゴリとは、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程のタイムスケジュールにおいて、その発生タイミングや演出の内容等に応じて1又は複数の予行演出をグループ(群)として纏めたものである。本実施形態では、複数種の予告演出カテゴリとして、予告演出カテゴリAには「開始アクション」が設定され、予告演出カテゴリBには「開始音」が設定され、予告演出カテゴリCには「開始役物」が設定され、予告演出カテゴリDには「開始SU(ステップアップ)」が設定され、予告演出カテゴリEには「変動中」が設定され、予告演出カテゴリFには「変動中役物」が設定され、予告演出カテゴリGには「ルーレット」が設定され、予告演出カテゴリHには「停止アクション」が設定されている。予告演出カテゴリA〜Hは、装飾図柄の変動表示過程のタイムスケジュールに従って振り分けられている。基本的には、上記8種類の予告演出カテゴリA〜Hにおいて、変動開始に近いタイミングで出現する予告演出カテゴリほど大当り期待度が低く、変動終了に近いタイミングで出現する予告演出カテゴリであるほど大当り期待度が高くなるように設定されている。予告演出カテゴリA〜Hの個別の内容については後述する。なお、
図18には「実行」,「非実行」としてのみ抽選結果を示しているが、抽選結果である1のIDの結果には、それぞれ予告シナリオのカテゴリA〜H内で実行される予告演出の種類を含めた内容でデータが保持されており、「実行」の場合における抽選結果として、どの種類の予告を実施するかまでを含めた抽選結果を得るようになっている。
【0134】
ここで、前述したように、SPシナリオ抽選については説明を省略するが、SPシナリオには、リーチ発展後の変動表示過程のタイムスケジュールに沿って、当該表示過程中の各段階において発生可能なリーチ演出の種類が定められている。
【0135】
<第3階層:予告抽選/SPリーチ抽選>
第3階層では、第1階層で選択された各変動グループを基に、予告演出およびリーチ演出の個別抽選を行う。この第3階層では、第2階層で選択された各予告演出カテゴリA〜Hを対象として予告演出パターンの個別抽選が行われるとともに、第2階層で選択された各リーチ演出を対象としてリーチ演出パターンの個別抽選が行われる。
【0136】
図19〜
図26は、各種の予告抽選テーブルを示す模式図である。各予告抽選テーブルには、予告演出の種類ごとに、一又は複数の予告演出パターンが規定されている。図中では、便宜上、抽選に供する数値が省略されているが、実際には、取得した抽選乱数値に応じて、予告演出パターンを決定するための判定置数(抽選乱数値の範囲)が設定されており、その抽選乱数値がいずれの判定置数に属するかに基づき、予告演出パターンが決定されるようになっている。なお、各予告演出の予告演出パターンは、図示省略するが、当否判定の結果が大当りである場合は、ID0<ID1<ID2<・・・という順に選択率が高くなるのに対して、当否判定の結果がはずれである場合は、ID0>ID1>ID2>・・・という順に選択率が低くなっている。従って、各予告演出の予告演出パターンは、ID0<ID1<ID2<・・・という順に1段階ずつ大当り期待度が高くなるように設定されている。
【0137】
図19は、予告演出カテゴリAの予告抽選テーブルを示す模式図である。予告演出カテゴリAは、開始アクションに関する予告演出カテゴリとして設定されている。この予告演出カテゴリAには、予告演出の種類として、第1アクション、第2アクション、マイティ7煽りが設定されている。第1アクションとは、当該変動表示の開始時における各リール81の動きに応じて大当り期待度を示唆又は報知する予告演出である。同じく、第2アクションとは、当該変動表示の開始時における各リール81の動き(第1アクションとは異なる動き)に応じて大当り期待度を示唆又は報知する予告演出である。マイティ7煽りと
は、左右のリール81がマイティ7(BIG図柄)で停止するか否かを煽る予告演出である。図中(A)には、第1アクションの予告演出パターンが抽選IDごとに規定されており、ID0には「演出なし」、ID1には「半コマアップ)」、ID2には「ガタガタ」が設定されている。図中(B)には、第2アクションの予告演出パターンが抽選IDごとに規定されており、ID0には「演出なし」、ID1には「左スベリ」、ID2には「左中スベリ」、ID3には「左中右スベリ」が設定されている。図中(C)には、マイティ7煽りの予告演出パターンが抽選IDごとに規定されており、ID0には「演出なし」、ID1には「左(ガセ)」、ID2には「左(OK)・右(ガセ)」、ID3には「左(OK)・右(OK)」が設定されている。
【0138】
なお、本実施形態において、予告演出カテゴリAに含まれる複数種の予告演出(第1アクション、第2アクション、マイティ7煽り)は、同じ変動表示において複合的に実行されることはなく、前述の予告シナリオ抽選の実行結果に示されるIDに対応するデータとして「実行」に対応する予告演出の種類が予め定められており、当該変動表示においていずれか1つの予告演出のみが実行されるようになっている。また、シナリオ抽選で「実行」,「非実行」のみ決定し、詳細のデータまでは保持しない態様における予告抽選の方法(変形例)としては、(1)第1アクションの予告抽選で非当選した場合に第2アクションの予告抽選を行い、第2アクションの予告抽選で非当選した場合にマイティ7煽りの予告抽選を行うようにしたり、(2)各予告演出の予告抽選を個別に行い、各予告抽選に当選した予告演出パターンの中からいずれかの予告演出パターンを抽選で決定したりしてもよい。
【0139】
図20は、予告演出カテゴリBの予告抽選テーブルを示す模式図である。予告演出カテゴリBは、開始音に関する予告演出カテゴリとして設定されている。この予告演出カテゴリBには、予告演出の種類として、変動開始音が設定されている。変動開始音とは、当該変動表示の開始時にスピーカから出力される音声(ボイス音)の種類に応じて大当り期待度を示唆又は報知する予告演出である。図中(A)には、変動開始音の予告演出パターンが抽選IDごとに規定されており、ID0には「演出なし」、ID1には「ボイス1」、ID2には「ボイス2」、ID3には「ボイス3」、ID4には「ボイス4」が設定されている。
【0140】
図21は、予告演出カテゴリCの予告抽選テーブルを示す模式図である。予告演出カテゴリCは、開始役物に関する予告演出カテゴリとして設定されている。この予告演出カテゴリCには、予告演出の種類として、変動開始役物演出が設定されている。変動開始役物演出とは、当該変動表示の開始時に駆動される可動役物24のランプの発光色に応じて大当り期待度を示唆又は報知する予告演出である。図中(A)には、変動開始役物演出の予告演出パターンが抽選IDごとに規定されており、ID0には「演出なし」、ID1には「青」、ID2には「黄」、ID3には「緑」、ID4には「赤」が設定されている。
【0141】
図22は、予告演出カテゴリDの予告抽選テーブルを示す模式図である。予告演出カテゴリDは、開始SU(ステップアップ)に関する予告演出カテゴリとして設定されている。この予告演出カテゴリDには、予告演出の種類として、変動開始SUが設定されている。変動開始SUとは、当該変動表示の開始時から予め定められた順番に従って演出態様(スピーカ11の音声)を段階的に変化させる演出であり、発展する段階数(最終的に発展した演出態様)に応じて大当り期待度を示唆又は報知する予告演出である。図中(A)には、変動開始SUの予告演出パターンが抽選IDごとに規定されており、ID0には「演出なし」、ID1には「ボイス1」、ID2には「ボイス1→ボイス2」、ID3には「ボイス1→ボイス2→ボイス3」が設定されている。
【0142】
図23は、予告演出カテゴリEの予告抽選テーブルを示す模式図である。予告演出カテ
ゴリEは、変動中に関する予告演出カテゴリとして設定されている。この予告演出カテゴリEには、予告演出の種類として、バックライトSU、バックライトボタン、停止目告知が設定されている。バックライトSUとは、当該変動表示中において予め定められた順番に従って各リール81のバックライト88の発光色を段階的に変化させる演出であり、発展する段階数(最終的に発展した発光色)に応じて大当り期待度を示唆又は報知する予告演出である。バックライトボタンとは、当該変動表示中において演出ボタン15の操作(連打)に応じて各リール81のバックライト88の発光色を段階的に変化させる演出であり、発展する段階数(最終的に発展した発光色)に応じて大当り期待度を示唆又は報知する予告演出である。停止目告知とは、当該変動表示中において1以上の停止図柄(停止出目)を事前に告知して、この停止出目の告知数及び告知内容に応じて大当り期待度を示唆又は報知する予告演出である。図中(A)には、バックライトSUの予告演出パターンが抽選IDごとに規定されており、ID0には「演出なし」、ID1には「青」、ID2には「青→黄」、ID3には「青→黄→緑」、ID4には「青→黄→緑→赤」が設定されている。図中(B)には、バックライトボタンの予告演出パターンが抽選IDごとに規定されており、ID0には「演出なし」、ID1には「青」、ID2には「青→黄」、ID3には「青→黄→緑」、ID4には「青→黄→緑→赤」が設定されている。図中(C)には、停止目告知の予告演出パターンが抽選IDごとに規定されており、ID0には「演出なし」、ID1には「左」、ID2には「右」、ID3には「左中」、ID4には「中右」、ID5には「左右」が設定されている。
【0143】
図24は、予告演出カテゴリFの予告抽選テーブルを示す模式図である。予告演出カテゴリFは、変動中役物に関する予告演出カテゴリとして設定されている。この予告演出カテゴリFには、予告演出の種類として、変動中役物演出が設定されている。変動中役物演出とは、当該変動表示中に駆動される可動役物24のランプの発光色に応じて大当り期待度を示唆又は報知する予告演出である。図中(A)には、変動中役物演出の予告演出パターンが抽選IDごとに規定されており、ID0には「演出なし」、ID1には「白」、ID2には「青」、ID3には「黄」、ID4には「緑」、ID5には「赤」が設定されている。
【0144】
図25は、予告演出カテゴリGの予告抽選テーブルを示す模式図である。予告演出カテゴリGは、ルーレットに関する予告演出カテゴリとして設定されている。この予告演出カテゴリGには、予告演出の種類として、ルーレット演出が設定されている。ルーレット演出とは、上記のチャンス図柄組合せ(「ドラ−キュア−チャンス」)が仮停止表示されたことを契機として実行されるルーレットの最終結果に応じて大当り期待度(仮停止表示後の遊技の展開)を示唆又は報知する予告演出である。図中(A)には、ルーレット演出の予告演出パターンが抽選IDごとに規定されており、ID0には「演出なし」、ID1には「×」、ID2には「続」、ID3には「連打」、ID4には「一撃」が設定されている。
【0145】
ここで、ルーレット演出の予告抽選処理では、他の予告演出の予告抽選処理とは異なり、抽選乱数を用いた抽選方式ではなく、上記第1階層のサブ変動抽選で選択された変動演出パターン(サブ変動パターン)に応じて、その予告演出パターンが一義的に決定される。その理由として、ルーレット演出は、詳細後述するが、装飾図柄の変動演出の内容(特殊目の仮停止表示、リーチ発展、擬似連継続、はずれ図柄組合せへの変換など)と密接に絡む演出であるため、上記のサブ変動抽選にて選択された変動演出パターンと切り離したかたちで予告演出パターンを決定すると、変動演出の内容とルーレット演出の内容とに齟齬が生じるおそれがあるからである。そのため、ルーレット演出の予告抽選処理においては、上記第1階層のサブ変動抽選にて選択された変動演出パターンに応じて一義的に決定される。具体的には、変動演出パターンとしてPEH10が選択された場合は、予告演出パターンとして「ID1:×」が一義的に選択され、変動演出パターンとしてPEH11
,PEA11が選択された場合は、予告演出パターンとして「ID2:続」が一義的に選択され、変動演出パターンとしてPEH12,PEA12が選択された場合は、予告演出パターンとして「ID3:連打」が一義的に選択され、変動演出パターンとしてPEH13,PEA13が選択された場合は、予告演出パターンとして「ID4:一撃」が一義的に選択される。その結果、各予告演出パターンの大当り期待度は、それに対応する変動演出パターンの大当り期待度と略同一となる。なお、ルーレット演出の詳細については後述する。
【0146】
図26は、予告演出カテゴリHの予告抽選テーブルを示す模式図である。予告演出カテゴリHは、停止アクションに関する予告演出カテゴリとして設定されている。この予告演出カテゴリHには、予告演出の種類として、バウンド演出が設定されている。バウンド演出とは、当該変動表示の終了時に所定コマ数だけ上下にバウンド変動するリール81の個数に応じて大当り期待度を示唆又は報知する予告演出である。図中(A)には、バウンド演出の予告演出パターンが抽選IDごとに規定されており、ID0には「演出なし」、ID1には「左」、ID2には「左右」、ID3には「左右中」が設定されている。
【0147】
その結果、このような第1階層〜第3階層といった階層構造を利用したシナリオ振分抽選によって、装飾図柄の変動開始〜変動停止までの一連の演出表示過程のシナリオが決定されるとともに、当該表示過程中の各段階において発生する予告演出およびSPリーチ演出の具体的内容(演出パターン)が決定されることになる。
【0148】
[予告変換処理]
次に、本実施形態における予告変換処理について説明する。本実施形態では、複数回の変動表示において同じ予告演出パターンが連続して発生するのを防止すべく、予告変換処理が設定されている。本実施形態では、複数種の予告演出パターンのうち、特定の予告演出パターン(後述の「弱予告」に属する予告演出パターン)を予告変換処理の対象としている。
【0149】
まず、予告変換処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態において定義される予告演出パターンの属性について説明する。本実施形態において、予告演出パターンは、大当り期待度の高低に応じて二種類の属性(弱予告/強予告)に区別される。すなわち、予告演出パターンは、大当り期待度が相対的に低く設定された弱予告(弱予告属性)と、大当り期待度が相対的に高く設定された強予告(強予告属性)とに区別される。
【0150】
図27は、予告演出パターンを属性(弱予告/強予告)ごとに区別して示す模式図である。図中では、予告演出カテゴリ(予告演出の種類)ごとに、各予告演出パターンが「弱予告」又は「強予告」に区別されている。
【0151】
予告演出カテゴリA(開始アクション)には、前述したように、予告演出の種類として、第1アクション、第2アクション及びマイティ7煽りが設定されている。ここで、第1アクションの予告演出パターンとして、「半コマアップ」及び「ガタガタ」は弱予告に属する。第2アクションの予告演出パターンとして、「左スベリ」及び「左中スベリ」は弱予告に属し、「左中右スベリ」及び「リールロック」は強予告に属する。マイティ7煽りの予告演出パターンとして、「左(ガセ)」は弱予告に属し、「左(OK)・右(ガセ)」及び「左(OK)・右(OK)」は強予告に属する。
【0152】
予告演出カテゴリB(開始音)には、前述したように、予告演出の種類として、変動開始音が設定されている。変動開始音の予告演出パターンとして、「ボイス1」及び「ボイス2」は弱予告に属し、「ボイス3」及び「ボイス4」は強予告に属する。
【0153】
予告演出カテゴリC(開始役物)には、前述したように、予告演出の種類として、変動開始役物演出が設定されている。変動開始役物演出の予告演出パターンとして、「青」及び「黄」は弱予告に属し、「緑」及び「赤」は強予告に属する。
【0154】
予告演出カテゴリD(開始SU)には、前述したように、予告演出の種類として、変動開始SUが設定されている。変動開始SUの予告演出パターンとして、「ボイス1」及び「ボイス1→ボイス2」は弱予告に属し、「ボイス1→ボイス2→ボイス3」は強予告に属する。
【0155】
予告演出カテゴリE(変動中)には、前述したように、予告演出の種類として、バックライトSU、バックライトボタン、停止目告知が設定されている。バックライトSUの予告演出パターンとして、「青」及び「青→黄」は弱予告に属し、「青→黄→緑」及び「青→黄→緑→赤」は強予告に属する。バックライトボタンの予告演出パターンとして、「青」及び「青→黄」は弱予告に属し、「青→黄→緑」及び「青→黄→緑→赤」は強予告に属する。停止目告知の予告演出パターンとして、「左」及び「右」は弱予告に属し、「左右」、「中右」及び「左右」は強予告に属する。
【0156】
予告演出カテゴリF(変動中役物)には、前述したように、予告演出の種類として、変動中役物演出が設定されている。変動中役物演出の予告演出パターンとして、「白」、「青」及び「黄」は弱予告に属し、「緑」及び「赤」は強予告に属する。
【0157】
予告演出カテゴリG(ルーレット)には、前述したように、予告演出の種類として、ルーレット演出が設定されている。ルーレット演出の予告演出パターンとして、「×」は弱予告に属し、「続」、「連打」及び「一撃」は強予告に属する。
【0158】
予告演出カテゴリH(停止アクション)には、前述したように、予告演出の種類として、バウンド演出が設定されている。バウンド演出の予告演出パターンとして、「左」、「左中」及び「左右中」は強予告に属する。
【0159】
続いて、本実施形態における予告変換処理の具体的な内容について説明する。予告変換処理とは、今回の変動表示の予告抽選において選択された予告演出パターンが、前回の変動表示において実行された予告演出パターンと一致する場合に、予め設定された予告変換テーブルの内容に即して、該選択された予告演出パターンを他の予告演出パターンに差し替える処理をいう。
【0160】
予告変換処理では、上記の複数種の予告演出パターンのうち、特定の予告演出パターンが変換の対象となる。この特定の予告演出パターンとは、弱予告に属する予告演出パターンを意味する。つまり、予告変換処理において変換対象となる予告演出パターンは、複数種の予告演出パターンのうち、弱予告に属する予告演出パターンのみである。そのため、前回の予告演出パターンと同じ予告演出パターンが選択された場合であっても、該予告演出パターンが弱予告に属していれば変換の対象となるが、強予告に属していなければ変換の対象とはならない。但し、弱予告に属する予告演出パターンであっても、ルーレット演出の予告演出パターン(ID1:×)については変換の対象から除く。その理由として、ルーレット演出は、装飾図柄の変動演出の内容(特殊目の仮停止表示、リーチ発展、擬似連継続、はずれ図柄組合せへの変換など)と密接に絡む演出であるため、上記のサブ変動抽選にて選択された変動演出パターンと切り離したかたちで該予告演出パターン他の予告演出パターンに変換してしまうと、変動演出において特殊目が仮停止表示されたにも関わらず、ルーレット演出が発生しないという事態が生じるからである。
【0161】
本実施形態では、前回の変動表示の当否判定の結果が「はずれ」であり、且つ、今回の
変動表示の当否判定の結果が「はずれ」である場合に、上記の予告変換処理が実行される。つまり、同一の予告演出パターンが連続発生して、いずれの変動表示においても「はずれ」になると、当該予告演出パターンが発生したときの遊技者の期待感および高揚感が減殺され遊技の興趣性が低下することから、原則として同一の予告演出パターンを連続発生させないという趣旨である。そのため、今回の変動表示の当否判定の結果が「大当り」である場合は、前回の変動表示において実行された予告演出パターンと同一の予告演出パターンが選択されたとしても、上記の予告変換処理を実行しない。それにより、同一の予告演出パターンが連続して発生した場合は、法則崩れの発生により、大当り確定となる遊技性を創出することができる。
【0162】
ここで、予告演出パターンの履歴に関する情報(「予告履歴情報」と称する)は、サブ情報記憶手段280に設けられた予告履歴情報記憶領域に記憶される。この予告履歴情報は、少なくとも前回の変動表示において実行された予告演出パターン(弱予告の予告演出パターン)を特定可能な情報であればよい。そのため、予告履歴情報記憶領域には、予告抽選処理において選択された予告演出パターン情報(予告変換処理が行われた場合には、該予告変換処理にて変換された後の予告演出パターン情報)が予告履歴情報として一時記憶される。そして、予告変換処理では、該予告履歴情報を参照して、今回の変動表示の予告抽選で選択された予告演出パターンが、前回の変動表示にて実行された予告演出パターンと一致するか否かを判定する。
【0163】
本実施形態において、予告変換の対象となった予告演出パターンは、前回の変動表示において実行された予告演出パターン(今回の予告抽選において選択された予告演出パターン)とは異なる他の予告演出パターンに変換される。他の予告演出パターンとは、予告変換の対象となった予告演出パターンと同じく、「弱予告」に属する予告演出パターンである。すなわち、予告演出パターンの変換の前後で、「弱予告」という属性自体は維持される。なお、予告演出パターンの変換前/変換後の対応関係は、次述の予告変換テーブルに規定されている。
【0164】
図28は、本実施形態における予告変換テーブルを示す模式図である。予告変換テーブルには、予告演出カテゴリA〜Hごとに、変換前の予告演出パターンと、変換後の予告演出パターンとの対応関係が示されている。
【0165】
予告演出カテゴリAにおける予告変換処理では、変換対象の予告演出パターンが第1アクションの「半コマアップ」又は「ガタガタ」である場合は、第2アクションの「左スベリ」に変換され、変換対象の予告演出パターンが第2アクションの「左スベリ」又は「左中スベリ」である場合は、マイティ7煽りの「左(ガセ)」に変換され、変換対象の予告演出パターンがマイティ7煽りの「左(ガセ)」である場合は、第1アクションの「半コマアップ」に変換される。
【0166】
予告演出カテゴリBにおける予告変換処理では、変換対象の予告演出パターンが変動開始音の「ボイス1」又は「ボイス2」である場合は、変動開始SUの「ボイス1→ボイス2」に変換される。なお、該予告変換処理では、予告演出カテゴリも変換されている(予告演出カテゴリBから予告演出カテゴリDに変換されている)。ここで、予告演出カテゴリBは、音系の予告演出であり、図柄変動に影響が出にくいため、演出尺自体も長めの予告演出カテゴリに変換される。それにより、単発の音系の予告演出から段階的にステップアップ(チャンスアップ)する音系の予告演出に切り替わるので、何のボイス音が発生するかと、どこまでボイス音がステップアップするかとで、異なる演出として体感しやすくなる。
【0167】
予告演出カテゴリCにおける予告変換処理では、変換対象の予告演出パターンが変動開
始役物演出の「青」である場合は、変動開始役物演出の「黄」に変換され、変換対象の予告演出パターンが変動開始役物演出の「黄」である場合は、変動開始役物演出の「青」に変換される。
【0168】
予告演出カテゴリDにおける予告変換処理では、変換対象の予告演出パターンが変動開始SUの「ボイス1」である場合は、バックライトSUの「青」に変換され、変換対象の予告演出パターンが変動開始SUの「ボイス1→ボイス2」である場合は、バックライトSUの「青→黄」に変換される。該予告変換処理では、音系のステップアップ予告(聴覚情報演出)から発光系のステップアップ予告(視覚情報演出)に変換されるので、遊技者の聴覚・視覚に基づき異なる演出として体感しやすくなる。
【0169】
予告演出カテゴリEにおける予告変換処理では、変換対象の予告演出パターンがバックライトSUの「青」又は「青→黄」である場合は、停止目告知の「左」に変換され、変換対象の予告演出パターンがバックライトボタンの「青」又は「青黄」である場合は、停止目告知の「右」に変換され、変換対象の予告演出パターンが停止目告知の「左」である場合は、バックライトSUの「青」に変換され、変換対象の予告演出パターンが停止目告知の「右」である場合は、バックライトボタンの「青」に変換される。
【0170】
予告演出カテゴリFにおける予告変換処理では、変換対象の予告演出パターンが変動中役物演出の「白」ある場合は、変動中役物演出の「なし」に変換され、変換対象の予告演出パターンが変動中役物演出の「青」である場合は、変動中役物演出の「白」に変換され、変換対象の予告演出パターンが変動中役物演出の「黄」である場合は、変動中役物演出の「青」に変換される。
【0171】
なお、予告演出カテゴリG,Hの予告演出パターンは、いずれも予告変換の対象外として設定されている。すなわち、ルーレット演出(予告演出カテゴリG)は、前述したように、装飾図柄の変動演出と密接に絡む演出であるため、変動演出の内容と切り離したかたちで、予告演出パターンを変換してしまうと、変動演出の内容と変換後の予告演出の内容との間に齟齬が生じるおそれがあるからである。また、予告演出カテゴリHには、相対的に大当り期待度が高く設定された強予告の予告演出パターンのみが設定されているため(弱予告の予告演出パターンが設定されていないため)、予告変換の対象外となっている。
【0172】
このように予告変換テーブルには、予告変換の対象となる予告演出パターンと、変換後の予告演出パターンとが1対1の対応関係で設定されており、乱数抽選等を行わず、予告変換の対象となった予告演出パターンに応じて変換後の予告演出パターンが一義的に決定されるようになっている。
【0173】
続いて、本実施形態における予告変換処理の具体例について説明する。
図29は、予告変換処理の具体例を説明するための模式図である。
【0174】
まず、
図29に示すように、前回の変動表示(N回目の変動表示)において、第1アクションの予告演出パターンとして「半コマアップ」、変動開始音の予告演出パターンとして「ボイス1」、変動開始役物演出の予告演出パターンとして「赤」、バックライトSUの予告演出パターンとして「青」、バウンド演出の予告演出パターンとして「左」が実行されたものとする。前回の変動表示において実行された上記の予告演出パターンは、予告履歴情報として、サブ情報記憶手段280の予告履歴情報記憶領域に一時記憶される。
【0175】
次いで、今回の変動表示(N+1回目の変動表示)の開始時に、上述のシナリオ振分抽選が行われる。本例では、シナリオ振分抽選の結果、予告シナリオに応じた個別抽選(予告抽選処理)が行われる。具体的には、各予告抽選処理において、第1アクションの予告
演出パターンとして「半コマアップ」変動開始音の予告演出パターンとして「ボイス2」、変動開始役物演出の予告演出パターンとして「赤」、バックライトSUの予告演出パターンとして「青」、ルーレット演出の予告演出パターンとして「続」が選択される。ここで、上記の予告履歴情報を参照して、前回の変動表示において実行された予告演出パターンと、当該変動表示の予告抽選処理において選択された予告演出パターンとが比較される。比較の結果、当該変動表示の予告抽選処理において選択された予告演出パターンのうち、「第1アクションの予告演出パターン(半コマアップ)」、「変動開始役物演出の予告演出パターン(赤)」及び「バックライトSUの予告演出パターン(青)」が、前回の変動表示において実行された予告演出パターンと一致していることが判定される。このとき、変動開始役物演出の予告演出パターン「赤」は、大当り期待度が相対的に高く設定された「強予告」に属するため、前述のとおり、予告変換の対象とはならない。一方、第1アクションの予告演出パターン「半コマアップ」と、バックライトSUの予告演出パターン「青」は、大当り期待度が相対的に低く設定された「弱予告」に属するため、予告変換の対象となる。そのため、今回の予告変換処理では、第1アクションの予告演出パターン「半コマアップ」が、予告変換テーブルの内容に従って、第2アクションの予告演出パターン「左スベリ」に変換される。また、バックライトSUの予告演出パターン「青」が、予告変換テーブルの内容に従って、停止目告知の予告演出パターン「左」に変換される。そして、最終的には、当該変動表示にて実行される予告演出パターンとして、第2アクションの予告演出パターン「左スベリ」、変動開始音の予告演出パターン「ボイス2」、変動開始役物演出の予告演出パターン「赤」、停止目告知の予告演出パターン「左」、ルーレット演出の予告演出パターン「続」が設定される。なお、この最終的に設定された予告演出パターンは、最新の予告履歴情報として記憶され、次回の変動表示の予告抽選処理(予告変換処理)において利用される。
【0176】
[ルーレット演出]
次に、本実施形態におけるルーレット演出について説明する。ルーレット演出は、装飾図柄が特殊目(チャンス図柄組合せ)で仮停止表示されたことを契機として行われるものであり、該ルーレットの結果に応じて、その後の遊技の展開(変動継続態様)を示唆又は報知する予告演出である。チャンス図柄組合せとは、前述したとおり、「ドラ−キュア−チャンス」という特定の出目(特殊有効図柄)で構成される図柄組合せである。そのため、本実施形態では、チャンス図柄組合せとして「ドラ−キュア−チャンス」が何れかの有効ラインL1〜L5上にて仮停止表示された場合に、ルーレット演出が実行されることになる。
【0177】
図3及び
図30に示すように、遊技領域PAには蝙蝠(コウモリ)を模した役物にルーレット表示装置90が設けられている。ルーレット表示装置90には、蝙蝠(コウモリ)の羽根に相当する部分に、4つの表示部91〜94が設けられている。具体的には、
図90に示すように、ルーレット表示装置90には、「×」という文字情報が表示される第1表示部91と、「続」という文字情報が表示される第2表示部92と、「連打」という文字情報が表示される第3表示部93と、「一撃」という文字情報が表示される第4表示部94とを備えている。
【0178】
各表示部91〜94の正面側には、パールインク印刷シート(あるいはハーフ蒸着シート)を使用しており、背面側には上記の文字情報が微細な凸凹として刻まれた導光板(図示せず)が設けられている。このような構成により、該表示部91〜94内に設けられた不図示のLEDランプ(LED基板)を発光しないときは、外来光がパールインク印刷シートの正面で反射するので、遊技者に文字情報が視認されにくく、該表示部91〜94内に設けられたLEDランプ(LED基板)を発光したときは、パールインク印刷シートの後方の方が部分的に光が強くなるため、遊技者に文字情報が視認可能となっている。そのため、各表示部91〜94を1つずつ順番に発光することで、各表示部91〜94に付さ
れた「一撃」、「連打」、「続」、「×」といった文字情報を1つずつ順番に発光表示させて、これらの4つの選択肢を有するルーレット演出を行うことが可能となる。なお、ルーレット表示装置90は、例えば、液晶表示装置やドットマトリックス式のLED表示装置等から構成されていてもよい。
【0179】
ルーレット演出の実行中は、3列の装飾図柄は何れかの有効ラインL1〜L5上において特殊目(チャンス図柄組合せ)で仮停止表示される。この特殊目の仮停止表示時間は、ルーレット演出の演出尺として用いられる。なお、特殊目の仮停止表示から再変動表示までの区間は、1回目の擬似連(擬似1連目)として構成されるため、ルーレット演出は擬似1連目に行われる演出であるとも言える。
【0180】
各リール81が仮停止した状態では、各リール81のバックライト88を減灯又は消灯する制御を行い、装飾図柄(図柄表示領域29)の視認性を下げることで、主たる演出(ルーレット演出)に遊技者の注目を集めることができる。例えば、図柄表示領域29の全体(全ての有効ライン)の視認性を下げるのではなく、第1有効ラインL1上のみバックライト88を点灯したり、一部のリール81(中レール81B、或いは、左右リール81A,81C)のみバックライト88を点灯したりする制御を行ってもよい。また、装飾図柄(図柄表示領域29)の視認性を下げるため、バックライト88の発光色を特殊な発光色(明度や彩度の低い色彩など)等に変換してもよい。
【0181】
本実施形態では、特殊目の仮停止表示中に行われるルーレット演出の結果に応じて、その後の遊技の展開(変動表示が継続するか否か、或いは、どのような変動表示態様に発展するのか)が示唆される。ルーレットが第1表示部91で最終的に停止した場合(停止結果が「×」である場合)は、特殊目の仮停止表示が終了した直後、即、変動表示が終了して「はずれ」となることが示唆される。ルーレットが第2表示部92で最終的に停止した場合(停止結果が「続」である場合)は、特殊目の仮停止表示が終了した後、当該変動表示が再開して(再変動表示が開始して)、擬似連が継続することが示唆される。ルーレットが第3表示部93で最終的に停止した場合(停止結果が「連打」である場合)は、特殊目の仮停止表示が終了した後、当該変動表示が再開して、リーチ(ボタン連打演出)に発展することが示唆される。ルーレットが第4表示部94で最終的に停止した場合(停止結果が「一撃」である場合)は、特殊目の仮停止表示が終了した後、当該変動表示が再開して、リーチ(ボタン一撃演出)に発展することが示唆される。
【0182】
ここで、ルーレット演出の結果が「×」である場合は、ルーレットが第1表示部91で停止するタイミングで、仮停止中の特殊目を所定のバラケ目に変換して(仮停止中のチャンス図柄組合せを所定のはずれ図柄組合せに変換して)、該はずれ図柄組合せを確定停止表示する。「特殊目を所定のバラケ目に変換する」とは、特殊目(チャンス図柄組合せ)で仮停止表示された装飾図柄を順方向又は逆方向に高速送りして、上述の停止図柄抽選にて決定された所定のバラケ目(はずれ図柄組合せ)に変更することを意味する。
【0183】
なお、ルーレット演出の結果が「連打」又は「一撃」となる場合、すなわち、その後の展開として「リーチ」に発展することが示唆される場合は、ルーレットが停止する前に、仮停止表示中の装飾図柄の組み合わせをリーチ状態(テンパイ状態)に変換しておくことで、ルーレット演出の結果を装飾図柄の変動表示態様に迅速に反映させるように構成してもよい。
【0184】
また、本実施形態では、特殊目の仮停止時や、ルーレットの開始時・変動時・停止時などに、所定のサウンド演出を重ねることで、コマンドの通信不良が発生した場合でも、ルーレット演出がどのような展開で進んでいるのかを遊技者に対して教示し得るように構成している。具体的には、特殊目が仮停止表示されたときに「どら、きゅあ、ちゃんす」と
いう台詞を音声出力したり、ルーレットが開始したときに「ルーレット・スタート」という台詞を音声出力したり、ルーレットが「続」で停止したときに「まだまだ〜」という台詞を音声出力したり、ルーレットが「一撃」で停止したときに「いっくよ〜」という台詞を音声出力したり、ルーレットが「×」で停止したときに「残念〜」という台詞を音声出力したりすることが好適である。
【0185】
また、本実施形態では、当該変動表示が開始された後、チャンス図柄組合せ(特殊目)が仮停止表示される前に、電源断が発生した場合(例えば、停電等により遊技機PMへの電力供給が遮断された場合)、その電源断の復帰後には、装飾図柄の変動表示(電源断復帰時の最初の変動表示)の終了時に、予め設定された復帰用図柄組合せが確定停止表示され、当該変動表示の途中でチャンス図柄組合せ(特殊目)が仮停止表示されることはない。なお、上記復帰用図柄組合せとは、電源断復帰時の変動表示の終了時に確定停止表示される図柄組合せであり、当否判定の結果が大当りであるときの復帰用図柄組合せ(復帰用大当り図柄組合せ)と、当否判定の結果がはずれであるときの復帰用図柄組合せ(復帰用はずれ図柄組合せ)とが用意されている。復帰用大当り図柄組合せとしては、大当り種別(16R大当り、8R大当り、2R大当り)などに応じて異なる復帰用図柄組合せが用意されている。また、復帰用はずれ図柄組合せとしては、単一の図柄組合せ(例えば「BAR−キュア−ブランク」)のみが用意されている。
【0186】
加えて、本実施形態では、ルーレット演出の結果が「×」となり、仮停止表示中のチャンス図柄組合せ(特殊目)を所定のはずれ図柄組合せ(バラケ目)に変換する場合、その所定のはずれ図柄組合せが、例えば、エラー表示図柄組合せ、初期図柄組合せ等にはならないように構成している。ここで、エラー表示図柄組合せとは、遊技機に所定のエラーが発生した場合に表示される図柄組合せ(例えば「ブランク−白7−ブランク」)である。初期図柄組合せとは、遊技機の機種ごとに設定される初期表示用の図柄組合せ(例えば「マイティ7−キュア−チャンス」,「ドラ−キュア−マイティ7」)である。所定のはずれ図柄組合せ(バラケ目)として、エラー表示図柄組合せ、初期図柄組合せ等を除外することで、例えば遊技者に予期せぬ瞬断等(遊技者には気付き難い電源断)が発生したことや、遊技機にエラーが発生したと錯覚されてしまうのを未然に防止することができる。
【0187】
続いて、ルーレット演出の演出例について説明する。
図31は、ルーレット演出の演出例を示す模式図である。なお、図中には、紙面の都合上、第1有効ラインL1上に位置する装飾図柄のみを図示している。
【0188】
図中(A)に示すように、装飾図柄の変動表示が開始される。このとき、ルーレット表示装置90の各表示部91〜94はいずれも発光表示されておらず、各表示部91〜94に付された文字情報はいずれも視認することができない。
【0189】
図中(B)に示すように、当該変動表示中の所定のタイミングにて、チャンス図柄組合せ(「ドラ−キュア−チャンス」)が仮停止表示される。それと同時に、サウンド演出として、スピーカ11から「どら、きゅあ、ちゃんす」という音声が出力される。
【0190】
図中(C)に示すように、チャンス図柄組合せが仮停止表示されたことを契機として、ルーレット演出が開始される。それと同時に、サウンド演出として、スピーカ11から「ルーレット・スタート」という音声が出力される。なお、図示例では、ルーレット演出の開始に伴い、第1表示部91の文字情報「×」が発光表示されている。
【0191】
図中(D)に示すように、ルーレットが次の表示部(第2表示部92)に移動して、第2表示部の文字情報「続」が発光表示される。
【0192】
図中(E)に示すように、ルーレットが次の表示部(第3表示部93)に移動して、第3表示部93の文字情報「連打」が発光表示される。
【0193】
図中(F)に示すように、ルーレットが次の表示部(第4表示部94)に移動して、第4表示部94の文字情報「一撃」が発光表示される。以降、「×」→「続」→「連打」→「一撃」→・・・といった順に、各表示部91〜94の発光表示が順次切り替えられていき、ルーレット演出が進行する。なお、ルーレットが停止段階になってくるタイミング(ルーレットの変動が徐々に遅くなるタイミング)で、仮停止表示中の装飾図柄の揺れを徐々に大きくして、ルーレット演出の結果を煽るようにしてもよい。また、ルーレットが停止段階になってくるタイミングで、仮停止表示中の装飾図柄が再変動を開始するか否かをを煽るようにしてもよい。
【0194】
図中(G)に示すように、ルーレットが最終的に第1表示部91で停止することで(第1表示部91の文字情報「×」が発光表示されることで)、その後の展開として、擬似連が継続することもなく、また、リーチに発展することもなく、当該変動表示が直ちに終了して「はずれ」となることが示唆される。それと同時に、サウンド演出として、スピーカ11から「残念」という音声が出力される。
【0195】
図中(H)に示すように、ルーレット演出が終了するタイミング(ルーレットが最終的に第1表示部91で停止した直後のタイミング)で、仮停止表示中のチャンス図柄組合せ(特殊目)が所定のはずれ図柄組合せ(バラケ目)に変換され、該はずれ図柄組合せ(バラケ目)が確定停止表示される(当該変動表示の結果が「はずれ」であることが告知される)。このようにルーレット演出の終了時に、装飾図柄の組合せを、直ちにチャンス図柄組合せから所定のはずれ図柄組合せに変換することで、遊技の結果が「はずれ」であることを遊技者に対して明確に教示することができるため、遊技者が現在の遊技状況を理解し難くなるという不都合を解消することができる。
【0196】
<メイン制御基板側の処理>
次に、
図32〜
図46のフローチャートを参照しながら、メイン制御基板100における動作処理の手順について説明する。メイン制御基板100側の処理は、主制御側メイン処理と、主制御側タイマ割込み処理と、を含んで構成される。
【0197】
《主制御側メイン処理》
図32〜
図33はメイン制御基板100の主制御側メイン処理を示すフローチャートである。この主制御側メイン処理では、電源投入時のリセットによりCPUのセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S1以降の処理が開始される。
【0198】
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定するとともに(S1)、RAMのアクセス許可を行う(S2)。続いて、タイマ割込みが発生した場合に処理するプログラムの先頭アドレスが格納されたベクタテーブルを設定し(S3)、CPUの内蔵レジスタに初期値を設定する(S4)。
【0199】
続いて、RAMクリアスイッチがオンされているか否かを判定する(S5)。RAMクリアスイッチがオンされている場合(S5:YES)には、後述するS9でRAMの全領域がゼロクリアされる。他方、RAMクリアスイッチがオンされていない場合(S5:NO)には、電源断情報フラグの値を読み込んで、電源断正常の情報が保存されているか否かを判定する(S6)。
【0200】
ここで、電源断正常の情報が保存されている場合(S6:YES)には、RAMの所定
領域を対象としてチェックサムを算出する(S7)。そして、このチェックサムが0であるか否か、すなわち、チェックサムが正常であるか否かを判定する(S8)。なお、ここで算出される電源投入時のチェックサムには、後述の電源断時処理で算出されるチェックサムの補数が含まれているため、正常にバックアップされていれば、電源投入時のチェックサムは「0」となる。このように、電源断前にRAMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源投入時に判断する。このとき、チェックサムが正常である場合(S8:YES)には、電源断前の状態に復帰すべく、後述するS12に移行する。他方、チェックサムが異常である場合に(S8:NO)には、RAMの全領域をゼロクリアする(S9)。次に、RAMに電源投入時の初期化データを設定する(S10)。続いて、リールユニット80の初期化、演出ランプLPの初期化などを行うため、サブ制御基板200への演出制御コマンド(「演出初期コマンド」)を要求する(S11)。
【0201】
次に、電源断復帰設定処理において、RAMにおける、電源投入正常情報の設定、各種エラーの初期設定、払出制御基板300との通信初期設定を順に行う(S12)。ここで、電源投入正常情報の設定としては、電源投入が正しく行われたことを保存するため、電源断情報フラグに電源投入正常データを格納するとともに、電源断発生の情報を初期化するため、電源断確認フラグをオフにする。次に、データ転送元アドレス、データ転送先アドレス、転送バイト数、をセットして、転送バイト数分のデータを転送する(S13)。そして、電源断時における特別図柄遊技ステイタスの値を読み込んで、特別図柄遊技に係る電源断復帰処理を行う(S14)。
【0202】
続いて、メイン制御基板100とサブ制御基板200との電源断復帰時の演出制御コマンド(「電源断復帰コマンド」)の送信要求を行う(S15)。この電源断復帰コマンドには、通信線の検査、特別図柄の作動状態、確率変動回数、時短回数、入球容易状態回数、変動パターン選択状態、エラー状態に関する情報が含まれている。なお、電源断前の未送信分のコマンド要求はクリアされる。次に、図柄記憶数コマンド要求処理において、電源断時の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を読み込み、この作動保留球数の情報を含む演出制御コマンドを要求する(S16)。
【0203】
続いて、普通電動役物622を電源断前の状態(例えば、第2始動口62を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S17)。さらに、特別電動役物642を電源断前の状態(例えば、大入賞口64を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S18)。続いて、特別図柄モードフラグの値を読み込み、電源断時における特別図柄の確率変動機能の作動状態を設定する(S19)。なお、特別図柄モードフラグとは、特別図柄遊技の作動確率(高確率又は低確率)を設定するためのフラグである。次いで、タイマ割込みを起動させるため、CTC回路の初期設定として、所定のカウント値を設定して、タイマ割込みを4ms毎に発生させる(S20)。続いて、タイマ割込み処理の発生を禁止すべく割込み禁止を設定する(S21)。そして、ウォッチドッグタイマのリスタート準備として、クリアワード1(「55H」)を設定する(S22)。
【0204】
次に、電源断の発生を判定するため、電源断確認フラグの値を読み込み、電源断が発生しているか否かを判定する(S23)。電源断が発生していない場合には、初期値乱数更新処理を実行する(S24)。この初期値乱数更新処理では、この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
【0205】
次に、タイマ割込み処理の発生を許可すべく割込み許可を設定して(S25)、上述の割込みを禁止する処理(S21)に戻り、S21〜S25のループ処理を繰り返し実行する。ここで、タイマ割込み処理は所定の周期ごとに定期的に実行されるが、前回の割込み
処理が完了してから次回の割込み処理が発生するまでの間の残余時間を利用して、S21〜S25までの処理を繰り返す。そして、割込み禁止状態において割込み要求があった場合には、S25で割込み許可となったときにタイマ割込み処理が起動することとなる。他方、S23で電源断確認フラグがオンとなっている場合、すなわち、電源断が発生している場合には、S26に移行して、次述する電源断時処理を実行する。
【0206】
次に、電源断時処理(S26〜S32)として、まず、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S26)。次に、電源断情報フラグの内容が電源投入正常データであるか否かを判定する(S27)。電源投入正常情報である場合(S27:Yes)には、電源断情報フラグに電源断正常データを設定する(S28)。他方、電源投入正常情報でない場合(S27:No)には、電源断情報フラグに電源断異常データを設定して(S29)、S32に移行する。
【0207】
次に、RAMの所定領域(チェックサム領域を除く)に対してチェックサムを算出する(S30)。そして、チェックサムデータに対する補数を算出し、この補数の結果値をRAM103のチェックサム領域に設定する(S31)。続いて、RAMのアクセス禁止設定をして(S32)、電源が落ちるまで処理をループする。
【0208】
《主制御側タイマ割込み処理》
次に、メイン制御基板100の主制御側タイマ割込み処理を説明する。
図34は、メイン制御基板100のタイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、CTC回路からの一定時間(例えば4ms)毎のクロックパルスにより起動され、上述の主制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。なお、以下で使用する用語として、「条件装置」および「役物連続作動装置」という用語は概念上の制御機器を意味しており、「条件装置」とは、特別図柄遊技で大当りが発生した場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」とは、特別電動役物642を連続して複数回作動させることができるものである。
【0209】
まず、このタイマ割込みが発生すると、CPU内のレジスタの内容をRAMのスタック領域に退避させた後、割込み動作条件を設定する(S51)。次に、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S52)。このとき、予め設定されたタイムアウト時間内に、CPUのWDTクリアレジスタに、クリアワード1、クリアワード2が順に書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。すなわち、CPUがプログラムを正常に実行しているときは、定期的にクリアワード1,2が設定されることにより、ウォッチドッグタイマがタイムアウトする前にクリアおよびリスタートされることとなる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
【0210】
次に、入力処理を実行する(S53)。この入力処理では、メイン制御基板100に接続されている各種スイッチとして、RAMクリアスイッチ以外のスイッチの情報が読み込まれる。すなわち、第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、大入賞口スイッチ641、扉開放スイッチ、枠開放スイッチ、裏セット開放スイッチ、磁気センサ、電波センサ、などの入力情報を読み込み、それらの状態判定を行ったうえで、これらの検出情報を格納する。
【0211】
次に、各種乱数更新処理を実行する(S54)。この各種乱数更新処理では、普通図柄変動パターン乱数および特別図柄変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数については、乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。他方、特別図柄変動パターン乱数については、前回の乱数から所定値(例えば3511)を減算する。なお、減算した結果が0未満の場合には、減算した結
果に所定値(例えば50000)を加算する。
【0212】
次に、初期値更新型乱数更新処理を実行する(S55)。この初期値更新型乱数更新処理では、普通図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数および特別図柄当り図柄乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。また、カウンタの数値が1周した場合には、対応する初期値乱数の値を初期値として設定する。
【0213】
次に、初期値乱数更新処理を実行する(S56)。この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
【0214】
次に、タイマ減算処理を実行する(S57)。このタイマ減算処理では、ぱちんこ遊技機PMの遊技動作制御に用いる各種タイマの値を減算更新する。例えば、各種タイマの値を割込み周期(本例では4ms)ずつ減算する。なお、各種タイマには、特別図柄表示装置71,72に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマ、などが含まれる。
【0215】
次に、第2始動口有効期間設定処理を実行する(S58)。この第2始動口有効期間設定処理では、第2始動口62の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として、第2始動口62の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
【0216】
次に、入賞監視処理を実行する(S59)。この入賞監視処理では、前記入力処理(S53)での第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、大入賞口スイッチ641の検出情報に基づき、遊技球のスイッチ通過検査を行い、その結果、遊技球が各スイッチを通過したと判断した場合、遊技球が各スイッチを通過したことを示す情報を含む演出制御コマンドの送信要求、などを行う。
【0217】
次に、賞球制御処理を実行する(S60)。この賞球制御処理では、入賞の種別に対応する賞球個数の指示をすべく払出制御コマンドを払出制御基板300へ送信するとともに、払出制御基板300からの受信データを監視して払出制御基板300との通信検査を行う。
【0218】
次に、普通図柄作動ゲート監視処理を実行する(S61)。この普通図柄作動ゲート監視処理では、遊技球の作動ゲート63への通過を監視し、作動ゲート63を通過していると判断した場合、普通図柄抽選に係る乱数を作動保留球情報として取得して、最大4個を限度として作動保留球数の更新を行うとともに、普通図柄抽選に係る乱数の記憶を行う。
【0219】
次に、普通図柄制御処理を実行する(S62)。この普通図柄制御処理では、普通図柄表示装置75又は普通電動役物622に係る一連の処理を行うため、普通図柄遊技ステイタスの値に応じて、普通図柄変動中処理、普通図柄停止図柄表示中処理、普通電動役物作動中処理、普通電動役物作動終了デモ中処理、などを実行する。なお、普通図柄変動中処理では、普通図柄を変動表示又は確定表示させるべく、普通図柄の表示パターン番号データを作成(更新)する。
【0220】
次に、普通図柄変動開始監視処理を実行する(S63)。この普通図柄変動開始監視処理では、普通図柄の作動状態を監視して、普通図柄の変動開始条件を充足していると判断したとき、普通図柄作動保留球数を1個消化して、普通図柄の当否判定、図柄の判定、変動パターンの判定、変動時間の設定、などを順に行う。
【0221】
次に、始動口監視制御処理を実行する(S64)。この始動口監視制御処理では、遊技球の第1始動口61および第2始動口62への入賞を監視して、遊技球の入賞があった場合、保留球数の更新、特別図柄抽選に係る乱数記憶、先読み予告演出判定、図柄記憶数のコマンド要求、などを順に行う。
【0222】
次に、特別図柄制御処理を実行する(S65)。この特別図柄制御処理では、特別図柄表示装置71,72に係る一連の処理として、特別図柄遊技ステイタスの値に応じて、詳細後述する特別図柄変動開始処理(S420)、特別図柄変動中処理(S430)、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)、などを実行する。
【0223】
次に、特別電動役物制御処理を実行する(S66)。この処理では、特別図柄の抽選結果が「大当り」又は「小当り」となった場合に、特別電動役物642に係る動作処理として、特別電動役物642の作動開始および作動終了の設定、大入賞口64の開放時間および開放回数の更新、確率変動機能の作動開始設定、変動時間短縮機能の作動開始設定、変動パターン選択状態の設定、などを順に実行する。
【0224】
次に、大入賞口有効期間設定処理を実行する(S67)。この大入賞口有効期間設定処理では、大入賞口64の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として大入賞口64の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
【0225】
次に、特別図柄変動開始監視制御処理を実行する(S68)。この特別図柄変動開始監視制御処理では、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球が存在する場合、保留球数を1個消化して、図柄記憶数のコマンド要求、特別図柄の当否判定、特別図柄の図柄判定、確率変動機能の判定、時間短縮機能の判定、特別電動役物の作動パターンの設定、デモ演出時間の設定、などを順に行う。
【0226】
次に、異常検知処理を実行する(S69)。この異常検知処理では、前記入力処理(S53)での入力情報に基づき、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを順に検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、サブ出制御基板200にエラー表示を要求すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を生成する。
【0227】
次に、入球通過時間異常検出処理を実行する(S70)。この入球通過時間異常検出処理では、入賞検出スイッチのオン信号が連続して所定時間以上検出された場合に、入球通過時間異常を設定して、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)の要求を行うとともに、外部端子へ出力するためのセキュリティ信号の出力要求を行う。
【0228】
次に、遊技状態表示処理を実行する(S71)。この遊技状態表示処理では、特別電動役物642が連続して作動する回数(規定ラウンド数)、普通図柄および特別図柄の作動保留球数、などの表示データを作成する。また、前記の異常検知処理で検出したエラー状態の情報をメイン制御基板100の状態表示灯に表示させるための表示データを作成する。
【0229】
次に、LED出力処理を実行する(S72)。このLED出力処理では、特別図柄および普通図柄の表示、保留球数の表示、特別電動役物が連続して作動する回数、エラーの表示などを行うべく、前記の特別図柄制御処理(S65)、異常検知処理(S69)、遊技状態表示処理(S71)等で作成された表示データを、各特別図柄表示装置71,72、
普通図柄表示装置75、各特図保留ランプ73,74、普図保留ランプ76、メイン制御基板100の状態表示灯などに出力するとともに、これら各種表示装置における表示の初期化を行う。
【0230】
次に、発射制御信号出力処理を実行する(S73)。この発射制御信号出力処理では、払出制御基板300との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されていない場合に、払出制御基板300に対して発射許可の信号を出力し、遊技球の発射を許可する。他方、払出制御基板300との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されたいる場合には、払出制御基板300に対して発射禁止の信号を出力し、遊技球の発射を禁止する。
【0231】
次に、ソレノイド出力処理を実行する(S74)このソレノイド出力処理では、各電動役物622,642を作動させるべく、前記の普通図柄制御処理(S62)および特別電動役物制御処理(S66)において取得した制御データに基づき、各電動役物ソレノイド623,643に対して励磁信号を出力する。
【0232】
次に、演出制御コマンド送信処理を実行する(S75)。この演出制御コマンド送信処理では、前記の処理でメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域(リングバッファ)に格納された演出制御コマンドの中から、ポインタで指定された演出制御コマンドを読み出して、この演出制御コマンドをサブ制御基板200に対して送信する。
【0233】
次に、外部情報出力処理を実行する(S76)。この外部情報出力処理では、外部端子板を介して、遊技機の動作状態情報を外部情報としてホールコンピュータ等の外部装置に出力する。
【0234】
次に、退避していたレジスタの内容を復帰させて、CPUを割込み許可状態に設定する(S77)。これにより、主制御側タイマ割込み処理を終了して上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を実行する。
【0235】
なお、主制御側メイン処理中又は割込み処理中に、メイン制御基板100が電源断(所定の閾値に基づき供給電圧の低下)を検出すると、ノンマスカブル割込みを発生させて、電源断確認フラグをオンにする。そして、元の処理に戻ったうえで、前述の電源断時処理(S26〜S32)を実行することとなる。
【0236】
≪特別図柄遊技処理≫
次に、主制御側タイマ割込み処理内の特別図柄遊技に係る一連の処理について説明する。特別図柄遊技に係る処理には、前述の始動口監視制御処理(S64)、特別図柄制御処理(S65)、特別電動役物制御処理(S66)、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)、などが該当する。
【0237】
(始動口監視制御処理)
始めに、始動口監視制御処理(S64)について説明する。
図35は、始動口監視制御処理(S64)の詳細を示すフローチャートである。
【0238】
まず、第1始動口61への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S201)。第1始動口61への入賞を検出した場合(S201:YES)には、第1特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S202)。
【0239】
第1特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S202:YES)には、第1特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値、を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段
180の第1特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S203)。そして、第1特別図柄の作動保留球数の更新として、第1特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S204)、第1始動口61の入賞チェックを終了する。
【0240】
続いて、第2始動口62への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S205)。第2始動口62への入賞を検出した場合(S205:YES)には、第2特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S206)。第2特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S206:YES)には、第2特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値、を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第2特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S207)。そして、第2特別図柄の作動保留球数の更新として、第2特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S208)、第2始動口62の入賞チェックを終了する。
【0241】
続いて、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数の更新があったか否か、すなわち、S204又はS208にて第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が加算されたか否かを判定する(S209)。作動保留球数の更新があった場合(S209:YES)には、第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S210)。
【0242】
次いで、遊技機の状態を確認し、事前判定タイミングであるか否かを判定する(S211)。事前判定タイミングである場合(S211:YES)には、保留n記憶領域の当り乱数バッファから特別図柄当り乱数値を読み出して、当否事前判定を行う(S212)。そして、この事前判定結果の情報(当否事前判定番号)を含む当否事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S213)。
【0243】
また、保留n記憶領域の当り図柄乱数バッファから特別図柄当り図柄乱数値を読み出して、図柄事前判定を行う(S214)。そして、この事前判定結果の情報(図柄事前判定番号)を含む図柄事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S215)。さらに、保留n記憶領域の変動パターン乱数バッファから特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、変動パターン事前判定を行う(S216)。そして、この事前判定結果の情報(変動パターン事前判定番号)を含む変動パターン事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S217)。
【0244】
(特別図柄変動開始監視制御処理)
次に、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)について説明する。
図36は特別図柄変動開始監視制御処理(S68)の詳細を示すフローチャートである。
【0245】
この特別図柄変動開始監視制御処理(S68)では、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、変動開始条件を充足している方の特別図柄側に対して、後述の特別図柄変動開始監視処理(S310)を実行する。なお、第1特別図柄および第2特別図柄の双方が変動開始条件を充足している場合には、前述したように、第2特別図柄側の処理が優先的に実行される。
【0246】
まず、大当り中又は小当り中であるか否かを判定する(S301)。続いて、第1特別図柄および第2特別図柄の双方が変動待機中であるか、すなわち、第1特別図柄遊技ステイタスおよび第2特別図柄遊技ステイタスが共に「00H(変動待機中)」であるか否かを判定する(S302)。
【0247】
続いて、第2特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定して(S303)、当該保留球数が「0」でない場合(S303:NO)には、第2特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第2特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S304)、第2特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S310)に移行する。すなわち、本実施形態では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合には、第1特別図柄の作動保留球の存在の有無に拘わらず、第2特別図柄の作動保留球が優先的に消化されるようになっている。この特別図柄変動開始監視処理(S310)の詳細は
図37を用いて後述する。
【0248】
他方、第2特別図柄の作動保留球数が「0」である場合(S303:YES)には、第1特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定する(S305)。ここで、当該保留球数が「0」でない場合(S305:NO)には、第1特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第1特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S306)、第1特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S310)に移行する。
【0249】
なお、第1特別図柄および第2特別図柄の変動開始条件が共に成立していない場合(S301:YES,S302:NO,S305:YES)には、特別図柄変動開始監視処理(S310)をスキップする。
【0250】
(特別図柄変動開始監視処理)
次に、特別図柄変動開始監視処理(S310)について説明する。
図37は、特別図柄変動開始監視処理(S310)の詳細を示すフローチャートである。
【0251】
この特別図柄変動開始監視処理(S310)では、上述のS304又はS306で設定された第1特別図柄変動開始監視テーブル又は第2特別図柄変動開始監視テーブルを参照して、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。
【0252】
まず、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の作動保留球数を1減算する(S311)。そして、減算後の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S312)。続いて、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の特別図柄保留格納領域にアクセスして、最先の保留記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を順に読み出し、これらの乱数値を、後述の特別図柄当否判定処理(S320)、図柄判定処理(S330)、変動パターン選択処理(S423)に使用するため、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域に転送する(S313)。また、保留記憶領域の更新として、保留2記憶領域〜保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の保留記憶領域にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(S314)。
【0253】
続いて、特別図柄当否判定処理を実行する(S320)。特別図柄当否判定処理(S320)では、まず、特別図柄当否抽選テーブルを取得する。このとき、遊技状態が特別図柄確変状態である場合は高確率の当否抽選テーブルを取得し、遊技状態が通常状態である場合は低確率の当否抽選テーブルを取得する。次いで、メイン情報記憶手段180の特別
図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出す。そして、特別図柄当否抽選テーブルを参照して、特別図柄当り乱数値に基づき、特別図柄の当否判定を実行する。また、この当否判定結果に対応した値(大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)をメイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納する。
【0254】
続いて、図柄判定処理を実行する(S330)。図柄判定処理(S330)では、当否判定の結果に応じて、特別図柄の停止図柄、キャラクタ演出番号(変動付加図柄情報)を決定する。そして、今回決定した特別図柄の停止図柄、キャラクタ演出番号をメイン情報記憶手段180の図柄格納領域に格納する。なお、キャラクタ演出番号は、決定された停止図柄の種類(大当り・小当り図柄A1〜C1,A2〜B2,K1の6パターン)と、特別図柄および普通図柄の確率変動機能の作動状態(特別図柄の確変オン/特別図柄の確変オフ/普通図柄の確変オン/普通図柄の確変オフの4パターン)との組み合わせに基づき、計24パターンの中のいずれかが決定される。なお、当否判定の結果がはずれの場合には、キャラクタ演出番号「0」が決定される。
【0255】
続いて、当否判定の結果が小当りに該当するか否かを判定するとともに(S341)、当否判定の結果が大当りに該当するか否かを判定する(S342)。当否判定の結果が小当りである場合(S341:YES)は、S347に移行し、当否判定の結果がはずれである場合(S341:NO,S342:NO)は、S349に移行する。
【0256】
他方、当否判定の結果が大当りである場合(S341:NO,S342:YES)には、S330で決定された図柄の種類(大当り種別)に基づき、特別遊技後の遊技状態として、特別図柄の確率変動機能を作動させるか否かを判定する(S343)。すなわち、図柄の種類(大当り種別)が、特定図柄を示すものである場合には確率変動機能を付与することを決定し、図柄の種類が通常図柄を示すものである場合には確率変動機能を付与しないことを決定する。この判定結果は、メイン情報記憶手段180の確率変動判定フラグに記憶される。
【0257】
また、S330で決定された図柄の種類(大当り種別)に基づき、特別遊技後の遊技状態として、変動時間短縮機能の作動回数を決定するとともに(S344)、電チューサポート機能の作動回数を決定する(S345)。この判定結果(変動時間短縮機能の作動回数情報、電チューサポート機能の作動回数情報)は、メイン情報記憶手段180の時短回数格納領域および入球容易状態回数格納領域に記憶される。
【0258】
続いて、S330で決定された図柄の種類(大当り種別)に基づき、特別電動役物642の作動パターンを設定する(S346)。具体的には、特別電動役物642の作動パターンとして、ラウンド遊技の規定ラウンド数(本例では、16ラウンド、8ラウンド、2ラウンド)、大入賞口64の最大開放時間(本例では、30秒、0.7秒)などを設定する。
【0259】
次いで、S330で決定された図柄の種類と現在の遊技状態とに基づき、特別遊技終了後又は小当り遊技後の変動パターン選択状態を設定する(S347)。続いて、S330で決定された図柄の種類に基づき、特別遊技又は小当り遊技のデモ演出時間(当り開始デモ時間および当り終了デモ時間)を設定する(S348)。次いで、前述の特別図柄当否判定処理(S320)および図柄判定処理(S330)で使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域および特別図柄図柄判定領域をクリアする(S349)。そして、今回の変動対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスを「00H(待機中)」から「01H(変動開始)」に遷移する(S350)。
【0260】
(特別図柄制御処理)
次に、特別図柄制御処理(S65)について説明する。
図38は、特別図柄制御処理(S65)の詳細を示すフローチャートである。
【0261】
まず、特別電動役物642が未作動中であるか否か、すなわち、特別電動役物遊技ステイタスが「00H(当り待ち状態)」であるか否かを判定する(S401)。続いて、特別電動役物642が未作動中である場合(S401:YES)には、第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でないか否かを判定する(S402)。
【0262】
第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でない場合(S402:YES)には、第2特別図柄に係る処理を実行するため、第2特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S403)、特別図柄制御汎用処理(S410)に移行する。他方、第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」である場合(S402:NO)には、第1特別図柄に係る処理を実行するため、第1特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S404)、特別図柄制御汎用処理(S410)に移行する。
【0263】
なお、次述する特別図柄制御汎用処理(S410)では、上述のS403又はS404で設定された第1特別図柄制御テーブル又は第2特別図柄制御テーブルを使用して、今回の変動の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。この特別図柄制御汎用処理(S410)の詳細は
図39を用いて後述する。
【0264】
(特別図柄制御汎用処理)
続いて、特別図柄制御汎用処理を実行する(S410)。ここで、
図39は、特別図柄制御汎用処理(S410)の詳細を示すフローチャートである。
【0265】
この特別図柄制御汎用処理(S410)では、特別図柄遊技ステイタスの値(「01H」,「02H」,「03H」)に応じた処理に移行するための分岐処理(S411〜S414)を実行する。まず、今回の変動の対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスが0でないか否かを判定する(S411)。特別図柄遊技ステイタスが「00H」でない場合(S411:YES)には、特別図柄遊技ステイタスが「01H(変動開始)」であるか否かを判定する(S412)。特別図柄遊技ステイタスが「01H」である場合(S412:YES)には、特別図柄変動開始処理(S420)に移行する。この特別図柄変動開始処理(S420)の詳細は
図40を用いて後述する。一方、S412でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「02H(変動中)」であるか否かを判定する(S413)。特別図柄遊技ステイタスが「02H」である場合(S413:YES)には、特別図柄変動中処理(S430)に移行する。この特別図柄変動中処理(S430)の詳細は
図41を用いて後述する。S413でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「03H(停止図柄表示中)」であるか否かを判定する(S414)。特別図柄遊技ステイタスが「03H」である場合(S414:YES)には、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)に移行する。この特別図柄停止図柄表示中処理(S440)の詳細は
図42〜
図43を用いて後述する。
【0266】
(特別図柄変動開始処理)
次に、特別図柄変動開始処理(S420)について説明する。
図40は、特別図柄変動開始処理(S420)の詳細を示すフローチャートである。
【0267】
まず、当否抽選の結果および変動パターン選択状態等に基づき、特別図柄変動パターン
テーブルを取得する(S421)。続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域から特別図柄変動パターン乱数値を読み出す(S422)。そして、特別図柄変動パターンテーブルを参照して、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、複数種の変動パターンの中からいずれかを選択する(S423)。
【0268】
次いで、今回選択された変動パターンに対応する変動時間を設定する(S424)。そして、特別図柄の変動開始の設定として、図柄表示制御手段165の特別図柄遊技タイマに変動時間を格納するとともに(S425)、サブ制御基板200への変動開始コマンドを生成する(S426)。変動開始コマンドとしては、演出表示装置70における図柄変動演出を開始させるべく、通信検査コマンド、変動付加図柄情報指定コマンド、変動パターン指定コマンド、図柄指定コマンドを順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に記憶する。
【0269】
続いて、変動パターンの決定に使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域の内容をクリアする(S427)。そして、特別図柄遊技ステイタスを「01H(変動開始)」から「02H(変動中)」に遷移する(S428)。
【0270】
(特別図柄変動中処理)
次に、特別図柄変動中処理(S430)について説明する。
図41は、特別図柄変動中処理(S430)の詳細を示すフローチャートである。
【0271】
まず、特別図柄の変動表示を行うため、特別図柄の表示パターン番号切替処理を実行する(S431)。この表示パターン番号切替処理(S431)では、所定の切替時間毎に、特別図柄の表示パターン番号データを生成する。この表示パターン番号データは、特別図柄を変動表示又は確定表示させるべく、LED出力処理(S73)において、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72に出力される。
【0272】
次いで、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄の変動時間が終了したか否かを判定する(S432)。特別図柄の変動時間が終了した場合(S432:YES)には、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72に確定表示すべき特別図柄の停止図柄を設定する(S433)。続いて、サブ制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を指示するための変動停止コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S434)。
【0273】
次いで、特別図柄遊技タイマに確定表示時間として「500(ms)」を格納する(S435)。なお、「確定表示時間」とは、特別図柄の変動停止の際に、停止図柄を確定的に停止表示させる時間である。そして、特別図柄遊技ステイタスを「02H(変動中)」から「03H(停止図柄表示中)」に遷移する(S436)。
【0274】
(特別図柄停止図柄表示中処理)
次に、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)について説明する。
図42〜
図43は、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)の詳細を示すフローチャートである。
【0275】
まず、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄(停止図柄)の確定表示時間が終了したか否かを判定する(S441)。ここで、特別図柄の確定表示時間が終了した場合(S441:YES)には、特別図柄遊技ステイタスを「03H(停止図柄表示中)」から「00H(待機中)」に遷移する(S442)。
【0276】
続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納された当否判定データが大当りデータ「55H」であるか否かを判定する(S443)。当否判定データが大当
りデータである場合(S443:YES)には、特別図柄の確率変動機能の作動停止(S444)、特別図柄の変動時間短縮機能の作動停止(S445)、電チューサポート機能の作動停止(S446)を順に行う。具体的には、特別図柄モードフラグに「00H(未作動)」を設定するとともに、時短回数カウンタおよび入球容易状態回数カウンタに「00H」を設定してゼロクリアする。
【0277】
次いで、特別遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り開始デモコマンド)を生成する(S447)。続いて、変動パターン選択状態の実行回数(変動パターン選択状態回数カウンタ)をゼロクリアする(S448)。また、特別電動役物遊技ステイタスを「00H(当り待ち状態)」から「01H(特別遊技)」に遷移する(S449)。そして、当否判定フラグの内容をクリアするため、「00H」を設定する(S450)。
【0278】
他方、当否判定データが大当りデータでない場合(S443:NO)には、特別図柄の確率変動機能が作動中であるか否かを判定する(S451)。特別図柄の確率変動機能が作動中である場合(S451:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタを1減算する(ステップS452)。続いて、確率変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS453)。確率変動回数カウンタがゼロである場合(S453:YES)には、特別図柄の確率変動機能の作動を停止する(S454)。減算後の確率変動回数カウンタがゼロでない場合(S453:NO)には、S454をスキップして、S455に移行する。
【0279】
次いで、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(S455)。特別図柄の変動時間短縮機能が作動中である場合(S455:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の時短回数カウンタを1減算する(ステップS456)。続いて、時短回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS457)。時短回数カウンタがゼロである場合(S457:YES)には、特別図柄時短状態の終了回数に到達したとして、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を停止する(S458)。減算後の時短回数カウンタがゼロでない場合(S457:NO)には、S458をスキップして、S459に移行する。
【0280】
次いで、電チューサポート機能が作動中であるか否かを判定する(S459)。電チューサポート機能が作動中である場合(S459:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の入球容易状態回数カウンタを1減算する(ステップS460)。続いて、入球容易状態回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS461)。入球容易状態回数カウンタがゼロである場合(S461:YES)には、入球容易状態の終了回数に到達したとして、電チューサポート機能の作動を停止する(S462)。減算後の入球容易状態回数カウンタがゼロでない場合(S461:NO)には、S462をスキップして、S463に移行する。
【0281】
次いで、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを1減算する(S463)。そして、変動パターン選択状態を更新する(S464)。具体的には、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを参照し、現在の変動パターン選択状態の実行回数が予め設定された終了回数に達したか否かを判定し、終了回数に達している場合には、次に規定された変動パターン選択状態に切り替える。他方、終了回数に達していない場合には、現在の変動パターン選択状態を維持する。
【0282】
次いで、前述のS451〜S464にて更新された現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S465)。なお、サブ制御
基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、演出モードの設定および更新を実行する。
【0283】
続いて、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されているか否かを判定する(S466)。小当りデータが格納されている場合(S466:YES)には、小当り遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(小当り開始デモコマンド)を生成する(S467)。続いて、特別電動役物遊技ステイタスを「00H(当り待ち状態)」から「02H(小当り遊技)」に遷移する(S468)。そして、当否判定フラグの内容をクリアするため「00H」を設定する(S469)。
【0284】
他方、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されていない場合(S466:NO)、すなわち、特別図柄判定フラグにはずれデータ「00H」が格納されている場合には、S467〜S469をスキップする。なお、特別図柄判定フラグがはずれデータである場合に、当該フラグの内容をクリアする処理をしなかったのは、もともとはずれデータとして「00H」が格納されているからである。
【0285】
(特別電動役物制御処理)
次に、特別電動役物制御処理(S66)について説明する。
図44〜
図46は、電動役物制御処理(S66)の詳細を示すフローチャートである。
【0286】
まず、特別電動役物遊技ステイタスが「01H(特別遊技)」であるか否かを判定する(S501)。特別電動役物遊技ステイタスが「01H」である場合(S501:YES)には、以降の処理において特別遊技処理を実行する。この特別遊技処理において、まず、特別電動役物642が作動中であるか否かを判定する(S502)。特別電動役物642が作動していない場合(S502:NO)には、特別電動役物642の作動開始時間であるか否かを判定する(S503)。特別電動役物642の作動開始時間とは、各ラウンド遊技おいて特別電動役物642の作動を開始するタイミングである。
【0287】
特別電動役物642の作動開始時間である場合(S503:YES)には、ラウンド演出を開始させるべく演出制御コマンド(ラウンド演出指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S504)。なお、サブ制御基板200側では、このラウンド演出指定コマンドの情報(現在のラウンド数などの情報)に基づき、特別遊技中における各ラウンド遊技に対応したラウンド演出を実行する。そして、特別電動役物642の作動を開始して(S505)、特別電動役物642の作動中の処理として、S506〜S510の処理を実行する。
【0288】
特別電動役物642の作動中の処理として、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入賞したか否かを判定するとともに(S506)、特別電動役物642の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(S507)。このとき、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入賞した場合(S506:YES)又は特別電動役物642の作動時間が経過した場合(S507:YES)には、特別電動役物642の作動を停止させる(S507)。そして、特別電動役物642の連続作動回数が予め定められた規定ラウンド数に達したか否かを判定する(S509)。連続作動回数が規定ラウンド数に達していない場合(S509:NO)には、特別電動役物642の連続作動回数を1インクリメントする(S510)。
【0289】
他方、特別電動役物642の連続作動回数が規定ラウンド数に達している場合(S509:YES)には、S511に移行して、特別遊技の当り終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大
当り終了デモコマンド)を生成する(S511)。
【0290】
続いて、時短回数カウンタに、上記S344で設定した変動時間短縮回数情報を格納する(S512)。また、入球容易状態回数カウンタに、上記S345で設定した入球容易状態回数情報を格納する(S513)。
【0291】
続いて、上記S343で設定された確率変動判定フラグの内容を参照して、条件装置の作動が特定図柄(いわゆる確変図柄)による作動であるか否かを判定する(S514)。特定図柄による条件装置の作動である場合(S514:YES)には、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタに作動時データ「64H」を格納して、特別図柄の確率変動機能の作動を開始する(S515)。他方、特定図柄による条件装置の作動でない場合(S514:NO)には、確率変動回数カウンタに未作動時データ「00H」を格納して、S515をスキップする。
【0292】
続いて、時短回数カウンタに記憶された変動時間短縮回数情報が変動時間短縮機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S516)。変動時間短縮機能作動データである場合(S516:YES)には、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を開始する(S517)。他方、変動時間短縮機能作動データでない場合(S516:NO)には、S517をスキップする。
【0293】
続いて、入球容易状態回数カウンタに記憶された入球容易状態回数情報が電チューサポート機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S518)。電チューサポート機能作動データである場合(S518:YES)には、電チューサポート機能の作動を開始させる(S519〜S521)。すなわち、普通図柄の確率変動機能の作動開始(S519)、普通図柄の変動時間短縮機能の作動開始(S520)、普通電動役物622の開放延長機能の作動開始(S521)、を順に実行する。他方、電チューサポート機能作動データでない場合には、S519〜S521をスキップする。
【0294】
次いで、上記S347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(S522)。続いて、前述のS512〜S522にて設定された特別遊技後の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S523)。なお、サブ制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、特別遊技後の演出モードを設定する。そして、特別電動役物遊技ステイタスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(S524)。
【0295】
他方、特別電動役物遊技ステイタスが「01H(特別遊技)」でない場合(S501:NO)には、S530に移行して、特別電動役物遊技ステイタスが「02H(小当り遊技)」であるか否かを判定する(S530)。特別電動役物遊技ステイタスが「02H」である場合(S530:YES)には、以降の処理で小当り遊技処理を実行する。
【0296】
小当り遊技処理において、まず、特別電動役物642が作動中であるか否かを判定する(S531)。特別電動役物642が作動していない場合(S531:NO)には、特別電動役物642の作動を開始する(S532)。他方、特別電動役物642が作動中である場合(S531:YES)には、S532をスキップする。
【0297】
続いて、特別電動役物642の作動中の処理として、大入賞口64に遊技球が規定入賞数(最大入賞数)だけ入賞したか否かを判定するとともに(S533)、特別電動役物642の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(S534)。このとき、大入賞口64に遊技球が規定入賞数だけ入賞した場合(S533:YES)又は特別電動役物
642の作動時間が経過した場合(S534:YES)には、特別電動役物642の作動を停止する(S535)。
【0298】
続いて、小当り遊技の終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(小当り終了デモコマンド)を生成する(S536)。次いで、上記S347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(S537)。続いて、上記S537にて設定された特別遊技後の変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S538)。この遊技状態指定コマンドは、サブ制御基板200側で、演出モードの移行契機の判定、移行先の演出モードの特定などに用いられる。そして、特別電動役物遊技ステイタスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(S539)。
【0299】
<サブ制御基板側の処理>
次に、
図47〜
図52のフローチャートを参照しながら、サブ制御基板200における動作処理の手順について説明する。サブ制御基板200側の処理は、電源投入時などCPUがリセットされると実行されるリセット開始処理(演出制御側メイン処理を含む)と、一定周期毎に起動される演出制御側タイマ割込み処理と、メイン制御基板100からのストローブ信号に起因して起動される演出制御コマンドの受信割込み処理とを含み構成される。
【0300】
《リセット開始処理》
まず、サブ制御基板200のリセット開始処理について説明する。
図47はサブ制御基板200のリセット開始処理を示すフローチャートである。このリセット開始処理では、電源投入時のリセット、各種異常時を起因としたリセット、WDT(暴走検知時)を起因としたリセットのいずれかにより起動し、CPUのセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S601以降の処理が開始される。
【0301】
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定する(S601)。そして、各種初期設定が完了するまで全ての割込み処理を禁止する(S602)。
【0302】
続いて、ハードウェアに関する基本的な設定として、CPU内に設けられている内蔵レジスタに初期値を設定するとともに、I/Oポート回路を初期化する(S603)。さらに、RAM内のメモリ領域を初期化する(S604)。ここでは、初期値付きの変数には初期値を設定し、初期値なしの変数には0クリアによる初期化を行う。また、CPUがROMに記憶された制御プログラムをRAMに適宜展開する。
【0303】
続いて、演出制御コマンドの受信割込み処理以外の割込みを禁止する(S605)。次いで、予め各機種共通で設定された各種のエラーのうち、当該機種で有効とすべきエラーの種別を設定する処理を行う(S606)。さらに、演出ランプLP(枠ランプ10、盤ランプ25)を全消灯状態とするため消灯リクエストを行う(S607)。そして、CPUの暴走を監視するためウォッチドッグタイマを起動する(S608)。
【0304】
続いて、遊技演出の主たる処理として演出制御側メイン処理を実行する(S609)。この演出制御側メイン処理(S609)の詳細は
図48を用いて後述する。なお、前記S609で演出制御側メイン処理へ移行すると、メイン処理から当該リセット開始処理へ復帰することは通常はあり得ないが、プログラムのバグ等の発生によって、万が一、この処理へ復帰してきた場合には、消費電力が通常作動時よりも低減された小消費電力モード(スリープモード)へ遷移する。
【0305】
《演出制御側メイン処理》
次に、サブ制御基板200の演出制御側メイン処理(S609)について説明する。
図48は演出制御側メイン処理(S609)を示すフローチャートである。
【0306】
まず、演出制御側メイン処理内において制御プログラムがRAMで正確に展開されているか否かのチェックを開始するためのアドレス(プログラムが展開された先頭アドレス)を取得する(S611)。続いて、全ての割込みを許可(各種の割込み処理の起動を許可)する(S612)。
【0307】
次いで、デバイスの初期化動作を実行する(S613)。この初期化動作は、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時(リセット開始時)に1度だけ実行される動作態様のことであり、モータ、ソレノイド等のデバイスによって可動役物24の動作を制御するために必要となる位置情報を確認することを目的として実行される。なお、初期化動作の終了時には、可動役物24は予め設定された初期位置(基準位置)に復帰する。
【0308】
続いて、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、ウォッチドッグタイマをクリアする(S614)。このとき、CPUがプログラムを正常に実行しているときは、予め設定されたタイムアウト時間内に、CPUのWDTクリアレジスタに、所定のクリアワードが書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
【0309】
続いて、入力ポートチェック処理を実行する(S615)。この入力ポートチェック処理では、I/Oポート回路(入力ポート)の読み込みを割込み発生毎に監視して、複数回(例えば4回)の監視において入力ポートの状態が全て「1」の場合は信号レベルを「1(Hレベル)」、全て「0」の場合は信号レベルを「0(Lレベル)」、それ以外の場合は信号レベルを変化させない(これにより入力信号が確定される)。
【0310】
続いて、エラー演出管理処理を実行する(S616)。このエラー演出管理処理では、後続のコマンド解析処理(S620)で設定されるエラー演出パターンに基づき、各種デバイスによるエラー演出を開始させる。さらに、エラー演出管理処理では、エラー管理タイマに初期値(エラー演出時間)を設定して、エラー演出の進行を管理する。このエラー管理タイマは、演出制御側タイマ割込み処理にて16ms周期で減算更新される。そして、エラー管理タイマがタイムアウトした場合は、当該エラー演出を終了させる。
【0311】
続いて、演出ボタン監視制御処理を実行する(S617)。この演出ボタン監視制御処理では、図柄の変動表示中にボタン予告演出を組み込んでいる場合に、操作有効時間内における演出ボタン15の入力状態を監視して、演出ボタン15の入力状態に関する情報を保持する。
【0312】
次に、デバイス管理処理を実行する(S619)。このデバイス管理処理では、後述のコマンド解析処理(S620)にて各種デバイス(リールユニット80、演出ランプLP、役物24)の動作要求があった場合、ROMに記憶された複数種の制御パターンデータの中から、演出番号に対応した制御パターンデータを特定して、対象デバイスの制御を開始する。各制御パターンデータ(制御コマンド)は、演出制御側タイマ割込み処理にて一定周期毎に出力されることで、対象デバイスの動作が実施されることになる。
【0313】
続いて、コマンド解析処理(S620)を実行する。このコマンド解析処理では、サブ情報記憶手段280のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制
御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。このコマンド解析処理(S620)の詳細は
図46を用いて後述する。
【0314】
そして、今回のループ処理中で、コマンド解析(演出制御コマンドの解析)を実行したか否かを判定する(S621)。コマンド解析直後の場合(S621:YES)は、S614に戻り、次のループ処理へ移行する。一方、コマンド解析を実行しなかった場合(S621:NO)、すなわち、コマンドバッファが空である場合には、所定時間が経過するまで、演出抽選乱数更新処理を実行する(S622)。なお、本実施形態では、上記の所定時間として、リール81やランプLPの切り替え制御の最小単位(32ms)の半分の時間となる「16ms」が設定されている。この演出抽選乱数更新処理では、先読み予告抽選乱数、装飾図柄乱数、変動演出パターン乱数、予告演出パターン乱数などの各種の演出抽選乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値に戻す。
【0315】
(コマンド解析処理)
次に、コマンド解析処理(S620)について説明する。
図49は、コマンド解析処理(S620)の詳細を示すフローチャートである。このコマンド解析処理では、メイン制御基板100からの演出制御コマンドがサブ情報記憶手段280のコマンド格納領域に格納されているか否かを監視して、格納された演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。
【0316】
まず、サブ情報記憶手段280のコマンド格納領域に遊技状態指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S631)。遊技状態指定コマンドが格納されている場合(ステップS631:YES)には、演出状態移行処理(S632)へ移行する。演出状態移行処理(S632)では、遊技状態指定コマンドに含まれる変動パターン選択状態情報と、特別遊技の終了時から起算した変動表示回数とに基づき、演出モードを遷移する処理を実行する。
【0317】
続いて、サブ情報記憶手段280のコマンド格納領域に保留関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S633)。ここで、保留関連コマンドには、図柄記憶数コマンド、事前判定コマンドが含まれる。この保留関連コマンドが格納されている場合(S633:YES)には、保留情報管理処理(S634)へ移行する。この保留情報管理処理(S634)では、サブ情報記憶手段280から図柄記憶数コマンド又は事前判定コマンドを読み出して、事前判定結果の情報に基づき先読み判定を実行するとともに、不図示の保留ランプの表示個数および表示態様(表示色など)を更新するための処理を行う。
【0318】
次いで、サブ情報記憶手段280のコマンド格納領域に図柄変動関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S635)。ここで、図柄変動関連コマンドには、変動開始コマンド、変動停止コマンドが含まれる。図柄変動関連コマンドが格納されている場合(ステップS635:YES)には、変動演出内容決定処理(S636)へ移行する。この変動演出内容決定処理(S636)では、受信した図柄変動関連コマンドが変動開始コマンドである場合には図柄変動演出を開始させるための処理を実行し、受信した図柄変動関連コマンドが変動停止コマンドである場合には実行中の図柄変動演出を終了させるための処理を実行する。この変動演出内容決定処理(S636)の詳細は
図50を用いて後述する。
【0319】
続いて、サブ情報記憶手段280のコマンド格納領域に大当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S637)。ここで、大当り演出関連コマンドには、大当り開始デモ演出コマンド、ラウンド演出指定コマンド、大当り終了デモ演出コマンドを含む。大当り演出関連コマンドが格納されている場合(ステップS637:YES)には、
大当り演出内容決定処理(S638)へ移行する。この大当り演出内容決定処理(S638)では、開始デモ演出、ラウンド演出、終了デモ演出を実行するための処理を行う。
【0320】
続いて、サブ情報記憶手段280のコマンド格納領域に小当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S639)。ここで、小当り演出関連コマンドには、小当り開始デモ演出コマンド、小当り終了デモ演出コマンドを含む。小当り演出関連コマンドが格納されている場合(ステップS639:YES)には、小当り演出内容決定処理(S640)へ移行する。この小当り演出内容決定処理(S640)では、小当り開始デモ演出、小当り終了デモ演出を実行するための処理を行う。
【0321】
続いて、サブ情報記憶手段280のコマンド格納領域にエラー演出指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S641)。このエラー演出指定コマンドが格納されている場合(S641:YES)には、エラー演出内容決定処理(S642)へ移行する。このエラー演出内容決定処理(S642)では、サブ情報記憶手段280からエラー演出指定コマンドを読み出して、演出ランプLPの点灯やスピーカ11の音声などによってエラー状態を報知するためのエラー演出パターンを決定する。
【0322】
なお、サブ情報記憶手段280のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されていない場合(S631:NO、S633:NO、S635:NO、S637:NO、S639:NO、S641:NO)は、何もせずコマンド解析処理を終了する。
【0323】
(変動演出内容決定処理)
次に、変動演出内容決定処理(S636)について説明する。
図50は、変動演出内容決定処理(S636)の詳細を示すフローチャートである。この変動演出内容決定処理では、前述のシナリオ振分抽選として、第1階層の抽選処理(S703〜S705)、第2階層の抽選処理(S706〜S707)、及び第3階層(S708〜S709)の抽選処理が順に行われる。
【0324】
まず、サブ情報記憶手段280に変動開始コマンドが格納されているか否かを判定する(S701)。変動開始コマンドが格納されている場合(S701:YES)には、この変動開始コマンド(変動パターン指定コマンド、変動付加情報指定コマンド、図柄指定コマンド)の内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる変動パターン(変動時間)、特別図柄(停止図柄)、変動付加時間、遊技状態などを示す情報を取得する(S702)。なお、この取得情報は、サブ情報記憶手段280の変動演出内容判定領域に格納される。
【0325】
続いて、変動演出パターン抽選処理を実行する(S703)。この変動演出パターン抽選処理では、上記S702で取得した情報(主に変動パターン情報)に基づき、変動演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から抽選乱数値を取得して、複数種の変動演出パターンの中から、いずれかの変動演出パターンを抽選で決定する。ここで決定された変動演出パターン番号は、サブ情報記憶手段280の変動演出パターン情報格納領域に一時記憶される。
【0326】
次いで、付加情報別変動グループ抽選処理を実行する(S704)。この付加情報別変動グループ抽選処理では、上記S703で選択された変動演出パターンに基づき、変動情報別変動グループ抽選テーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から抽選乱数値を取得して、付加情報別変動グループを抽選で決定する。
【0327】
続いて、リーチ別変動グループ抽選処理を実行する(S705)。このリーチ別変動グループ抽選では、上記S703で選択された変動演出パターンに基づき、リーチ別変動グループ抽選テーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から抽選乱数値を
取得して、リーチ別変動グループを抽選で決定する。
【0328】
次いで、予告シナリオ抽選処理を実行する(S706)。この予告シナリオ抽選処理では、上記S703で選択された変動演出パターンに基づき、予告シナリオ抽選テーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から抽選乱数値を取得して、予告シナリオを抽選で決定する。
【0329】
続いて、SPシナリオ抽選処理を実行する(S707)。このSPシナリオ抽選では、上記S703で選択された変動演出パターンに基づき、SPシナリオ抽選テーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から抽選乱数値を取得して、SPシナリオを抽選で決定する。
【0330】
次いで、予告抽選処理を実行する(S708)。この予告抽選処理では、上記S706で選択された予告シナリオに基づき、該シナリオに沿って規定された各予告演出の種類に対応する予告抽選テーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から抽選乱数値を取得して、予告演出パターン(予告演出のバリエーション)を抽選で決定する。ここで決定された予告演出パターン番号は、サブ情報記憶手段280の予告演出パターン情報格納領域に一時記憶される。
【0331】
続いて、SPリーチ抽選処理を実行する(S709)。このSPリーチ抽選処理では、上記S707で選択されたSPシナリオに基づき、該シナリオに沿って規定された各演出のリーチ演出抽選テーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から抽選乱数値を取得して、リーチ演出パターン(リーチ演出のバリエーション)を抽選で決定する。
【0332】
そして、このような第1階層〜第3階層といった階層構造を利用したシナリオ振分抽選(S703〜S709)によって、装飾図柄の変動開始〜変動停止までの一連の演出表示過程のシナリオが決定されるとともに、当該表示過程中の各段階において発生する予告演出及びリーチ演出の具体的内容(バリエーション)が決定される。
【0333】
次いで、予告変換処理を実行する(S710)。この予告変換処理では、予告演出カテゴリA〜Hごとに、上記S708で選択された予告演出パターンが、前回の変動表示で実行された予告演出パターンと一致するか否かを判定して、一致する予告演出パターンが存在する場合には、予告変換テーブルの内容に従って、該予告演出パターンを他の予告演出パターンに差し替える。なお、予告変換処理の詳細は
図51を用いて後述する。
【0334】
続いて、予告履歴情報更新処理を実行する(S711)。この予告履歴情報更新処理では、上記S708で選択された予告演出パターン(但し、上記S710で予告変換されている場合は該変換後の予告演出パターン)を予告履歴情報としてサブ情報記憶手段280の予告履歴情報記憶領域に一時記憶する。
【0335】
続いて、停止図柄抽選処理を実行する(S712)。この停止図柄抽選処理では、上記S702で取得した情報(主に特別図柄情報)と、上記S703で選択された変動演出パターンとに基づき、装飾図柄停止パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から抽選乱数値を取得して、装飾図柄の停止図柄の組合せ(左図柄・中図柄・右図柄)を特定した停止図柄パターンを抽選で決定する。ここで決定された停止図柄パターン番号は、サブ情報記憶手段280の確定停止図柄情報格納領域に一時記憶される。
【0336】
また、この停止図柄抽選処理(S710)では、上記S704で選択された付加情報別変動グループとして「擬似連1回」〜「擬似連3回」が設定されている場合は、装飾図柄
の仮停止図柄の組合せ(左図柄・中図柄・右図柄)を特定した仮停止図柄パターンを抽選で決定する。ここで決定された仮停止図柄パターン番号は、サブ情報記憶手段280の仮停止図柄情報格納領域に一時記憶される。なお、上記S708で選択された1又は複数の予告演出パターンの中に、ルーレット演出の演出パターンが含まれている場合は、擬似1連目の仮停止図柄組合せとして「チャンス図柄組合せ(特殊目)」を決定する。ここで決定された仮停止図柄パターン番号は、上記と同様に、サブ情報記憶手段280の仮停止図柄情報格納領域に一時記憶される。
【0337】
次いで、サブ情報記憶手段280に設定された先読み情報格納領域の更新処理として、保留2記憶領域〜保留4記憶領域に格納された事前判定情報(先読み抽選に供する保留情報)を下位の保留記憶領域(保留1記憶領域〜保留3記憶領域)にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(S713)。
【0338】
続いて、先読み抽選処理を実行する(S714)。この先読み抽選処理では、上記S713で更新設定した事前判定情報(保留情報)に基づき、各種の先読み演出(例えば保留変化先読み演出など)を対象として先読み抽選を個別に実行し、その先読み演出の実行の可否とともに先読み演出パターンを決定する。
【0339】
そして、上記S703〜S714で取得した各種の演出情報に基づき、装飾図柄の変動開始に要する制御コマンド(変動演出開始コマンド)を生成し、この制御コマンドをサブ情報記憶手段280のコマンド格納領域に設定する(S715)。
【0340】
一方、変動開始コマンドが格納されていない場合(S701:NO)には、サブ情報記憶手段280に変動停止コマンドが格納されているか否かを判定する(S716)。変動停止コマンドが格納されている場合(S716:YES)には、変動停止コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる図柄停止情報を取得する(S717)。
【0341】
そして、装飾図柄の変動停止に要する制御コマンド(変動演出停止コマンド)を生成し、この制御コマンドをサブ情報記憶手段280のコマンド格納領域に設定する(S715)。
【0342】
なお、サブ情報記憶手段280のコマンド格納領域に図柄変動関連コマンド(変動開始コマンド、変動停止コマンド)が格納されていない場合(S701:NO、S716:NO)には、そのまま処理を終了する。
【0343】
(予告変換処理)
次に、予告変換処理(S710)について説明する。ここで、
図51は、予告変換処理(S710)の詳細を示すフローチャートである。
【0344】
まず、上記S702で取得した変動開始コマンドの情報に基づき、当否判定の結果が「はずれ」であるか否かを判定する(S731)。当否判定の結果が「はずれ」である場合(S731:YES)、複数の予告演出カテゴリA〜Hのうち、判定の対象となる一の予告演出カテゴリを設定する(S732)。ここで、初回の判定対象としては、予告演出カテゴリAが設定される。続いて、サブ情報記憶手段280の予告演出パターン情報格納領域に、判定の対象となる予告演出パターンが記憶されているか否かを判定する(S733)。予告演出パターンが記憶されている場合(S733:YES)、該予告演出パターンが「弱予告」に属するか否かを判定する(S734)。該予告演出パターンが「弱予告」に属する場合(S734:YES)、該予告演出パターンが前回の変動表示にて実行された予告演出パターン(サブ情報記憶手段280の予告履歴情報記憶領域に記憶された予告演出パターン)と一致するか否かを判定する(S735)。予告演出パターンが一致する
存在する場合(S735:YES)、予告変換テーブルの内容に従って、該予告演出パターンを他の予告演出パターンに差し替える(S736)。続いて、全ての予告演出カテゴリA〜Hについて判定を終了したか否かを判定する(S737)。全ての予告演出カテゴリA〜Hについて判定を終了していない場合(S737:NO)は、判定対象の予告演出カテゴリを次の予告演出カテゴリに切り替える(S738)。例えば、判定対象の予告演出カテゴリが「予告演出カテゴリA」であれば「予告演出カテゴリB」に切り替え、判定対象の予告演出カテゴリが「予告演出カテゴリB」であれば「予告演出カテゴリC」に切り替え、判定対象の予告演出カテゴリが「予告演出カテゴリC」であれば「予告演出カテゴリD」に切り替える。そして、このように予告演出カテゴリを切り替えた後、上記S733に戻り、S733以降の処理を再度進める。一方、全ての予告演出カテゴリA〜Hについて判定を終了した場合(S737:YES)、当該予告変換処理を終了する。
【0345】
《演出制御コマンドの受信割込み処理》
次に、演出制御コマンドの受信割込み処理を説明する。
図52は、演出制御コマンドの受信割込み処理を示すフローチャートである。この演出制御コマンドの受信割込み処理では、前述したように、メイン制御基板100からのストローブ信号の入力に基づいて割込みが発生することで開始され、この割込み処理において各種の演出制御コマンドが取得されるようになっている。なお、演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含む構成となっており、メイン制御基板100からサブ制御基板200へ、MODEデータ、EVENTデータの順に送信される。以下では、説明の便宜上、MODEデータを「第1コマンド」、EVENTデータを「第2コマンド」とも称する。
【0346】
まず、メイン制御基板100からのストローブ信号に基づく割込みが発生すると、演出制御コマンドの入力値が確定したか否かを判定する(S901)。具体的には、コマンドデータを最高5回まで読み込み、2回連続で同じ値が読み込まれた時点で入力値が確定となる。これはノイズ等により演出制御コマンドの読み取りが失敗するおそれがあるためであり、2回連続で同じ値が読み込まれるまでは入力値を確定とはしない。
【0347】
続いて、今回受信したコマンドが第1コマンド(MODE)であるか否か、換言すれば、第1コマンド(MODE)であるか第2コマンド(EVENT)であるかを判定する(S902)。今回受信したコマンドが第1コマンドである場合(S902:YES)は、当該第1コマンドをテンポラリ領域に一時的に記憶する(S903)。そして、演出抽選乱数発生手段210から演出抽選乱数を取得して、この乱数情報をサブ情報記憶手段280の演出抽選乱数格納領域に一時記憶する(S904)。なお、演出抽選乱数の取得時期を、演出制御コマンドの受信時としているのは、演出制御コマンドは遊技球の始動入賞時や特別図柄の変動開始時など物理的に不規則なタイミングで送信されるため、それを契機とすることで取得時期に周期性を出さないようにするためである。このように演出抽選乱数の取得時期を不規則とすることで、各種の演出抽選においても、同一の演出が不自然に繰り返し選択されてしまう等の不都合が発生し難くなる。
【0348】
一方、今回受信したコマンドが第2コマンドである場合(S902:NO)には、すでに第1コマンドを受信済であるか否かを判定する(S905)。すなわち、演出制御コマンドを第1コマンド(MODE)→第2コマンド(EVENT)の順に受信したか否か判定して、演出制御コマンドの組合せに矛盾がないかを確認する。演出制御コマンドの組合せに矛盾がない場合(S905:YES)は、ライトポインタ(書き込み用のポインタ)の示すアドレスを取得する(S906)。続いて、第1コマンドと第2コマンドとを、ライトポインタの指示するアドレスに従って、サブ情報記憶手段280の演出制御コマンドバッファ(リングバッファ)に保存する(S907)。保存されたコマンドデータは、メイン処理における前記のコマンド解析処理(S620)で読み出され、演出制御コマンド
の種別に対応した演出制御処理が実行される。次いで、ライトポインタの示すアドレスを更新する(S908)。さらに、前記S903で一時記憶したコマンドデータ(第1コマンド)をクリアする(S909)。そして、当該演出制御コマンド受信割込み処理を終了して、割込み前の元の処理へ復帰する。
【0349】
[効果]
以上、本実施形態において達成される主要な効果を整理すれば、下記のようになる。
【0350】
(1)特殊図柄組合せの仮停止中に行われるルーレット演出の結果として、当該変動表示が継続しないことが示唆された場合に、直ちにチャンス図柄組合せから所定のはずれ図柄組合せに変換することで、遊技の結果を遊技者に対して明確に教示することができるため、遊技者が現在の遊技状況を理解し難くなるという不都合を解消できるとともに、ルーレット演出の演出効果が希薄になるのを回避でき、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
【0351】
(2)コマンドの通信不良等が発生することで、リールユニットが正しく動作しなかった場合であっても、音やランプ演出の実行を伴うことで、遊技者に対して本来示唆されるはずのルーレット演出の結果(当該変動表示が継続されないこと)を識別可能とすることができる。
【0352】
(3)当該変動表示の予告抽選において選択された特定の予告演出パターンが、前回の変動表示において実行された予告演出パターンと同一となった場合、該選択された特定の予告演出パターンを予め定められた他の予告演出パターンに変換することで、複数回の変動表示において同じ予告演出パターンが連続して発生することを未然に防止できるため、遊技演出の単調性を解消して遊技の持続性を高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
【0353】
(4)予告変換処理において、当該変動表示の予告抽選において選択された「弱予告」の予告演出パターンを、他の「弱予告」の予告演出パターンに変換することで(予告演出パターンの属性を維持しつつ他の予告演出パターンに差し替えることで)、出現のランダム性をある程度維持しつつ、遊技の展開状況に応じた予告演出パターンを発生させることが可能となり、本来出現するはずのない想定外の予告演出パターンが発生することもなく、遊技者に違和感や不信感を抱かせるといった不具合が生じるおそれもない。
【0354】
なお、本発明は、上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。また、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素を適宜組み合わせたもの、あるいは、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素のうち一部を削除又は周知・慣用技術等で転換したものについても、本発明の範囲に含まれるものである。
【0355】
上述の実施形態では、連続する2回の変動表示において予告演出パターンが同一となる場合に、予告変換処理が実行されるように構成されていたが、この構成に限定されるものではなく、例えば、連続する3回以上の変動表示において予告演出パターンが同一となる場合に、予告変換処理が実行されるように構成してもよい。
【0356】
上述の実施形態では、予告演出カテゴリごとに、前回の変動表示において実行された予告演出パターンと、今回の変動表示において選択された予告演出パターンとが一致しているか否かを判定し、いずれか1つの予告演出カテゴリでも予告演出パターンが一致している場合には、その予告演出パターンを他の予告演出パターンに差し替えていたが、この構成に限定されるものではなく、1つの予告演出カテゴリでは足りず、複数(例えば3つ以
上)の予告演出カテゴリにおいて予告演出パターンが一致している場合に限り、予告演出パターンを差し替えるようにしてもよい。また、1又は複数の予告演出カテゴリにおいて予告演出パターンが一致している場合であっても、全体として異なる演出態様に見えるのであれば差し替え不要と判定するように構成してもよい。具体的には、前回の変動表示と今回の変動表示とでリーチの種類が異なれば、或いは、前回の変動表示がリーチ有りで今回の変動表示がリーチ無しであれば、遊技者としてはリーチ中の変動に注目しており、それ以外の予告演出についての印象は低くなりがちであるため、予告変換処理をキャンセルするように構成してもよい。また、複数回の変動表示に跨る先読み演出(高期待度の作動保留球をトリガ保留とする連続予告演出)の実行中や、一又は複数の作動保留球内に大当りとなる作動保留球が存在する場合には、当該高期待度(又は大当り)の作動保留球が消化される以前の変動表示において、予告変換処理をキャンセルするように構成してもよい。つまり、複数回の変動表示にて弱予告(ガセ予告)が連続すると、法則崩れの発生により、次回以降の変動表示の大当り期待度が向上(大当りが確定)するという遊技性を創出することができる。また、ボタン演出の予告演出パターンを差し替える場合には、該ボタン演出以外の予告演出パターンに差し替えることが好適である。つまり、遊技者参加型の予告演出パターンが連続して発生したにも関わらずガセで終わると、遊技者が不快に感じたり、その後、演出ボタンを操作しようとする意欲が減退したりするおそれがあるからである。
【0357】
上述の実施形態では、変換前の予告演出パターンと変換後の予告演出パターンとが1対1の関係で対応付けされていたが(すなわち、変換パターンの種類が1つだけであったが)、その場合には、同じ予告演出パターンが連続するという事態は回避できるものの、いくつかの予告演出パターン(ガセ予告)が頻発して「はずれ」になる事象が増加するおそれがあるため、予告変換処理の実行回数をカウントするカウンタを用意して、そのカウント値に応じて(カウント値をオフセット値として)、複数種の予告演出パターンを記憶した予告変換テーブルの中から変換後の予告演出パターンを決定するように構成してもよい。なお、上記カウンタではなく、変換後の予告演出パターンを乱数抽選により決定するように構成してもよい。
【0358】
上述の実施形態では、予告演出パターンを「弱予告」及び「強予告」に区別して、弱予告に属する予告演出パターンを予告変換の対象としたが、この構成に限定されるものではなく、例えば、予告演出パターンを「弱予告」、「中予告」及び「強予告」といった更に複数種の属性に区別して、「弱予告」に属する予告演出パターンを予告変換の対象としたり、「弱予告」又は「中予告」に属する予告演出パターンを予告変換の対象としたりしてもよい。なお、遊技状態が通常状態(低確率状態)である場合など、大当り発生までの道程が長い場合には、全ての属性(「強予告」を含む)の予告演出パターンを予告変換の対象として、いずれの予告演出パターンも連続して発生しないように構成してもよい。
【0359】
上述の実施形態では、当該変動表示の当否判定の結果が「はずれ」である場合に限り、予告変換処理を実行するように構成したが、この構成に限定されるものではなく、当該当否判定の結果が「大当り」である場合でも、予告変換処理を実行するように構成してもよい。
【0360】
上述の実施形態では、4つの選択肢を有するルーレット演出として構成したが、この構成に限定されるものではなく、ルーレット演出の選択肢を2つ又は3つにしてもよく、また、5つ以上の選択肢を有する構成としてもよい。また、ルーレット演出の結果として、例えば「大当り確定」や「次回の変動表示が激熱」、「激熱の作動保留球が存在」など、他の選択肢を用意してもよい。また、ルーレットの表示結果が「×」となる場合には、図柄表示領域の視認性を低下させているときに、仮停止(揺れ変動)しているリールの位置を徐々にずらしていき、ルーレットの結果表示のタイミング(ランプ復帰タイミング)と
同期して、所定のはずれ図柄組合せ(バラケ目)を確定停止させるようにしてもよい。その効果としては、当該変動表示におけるトータル的な演出時間を短縮することができる。加えて、ルーレットの表示結果により「はずれ」であることが確定しているのに、該変換の待ち時間だけ遊技者は待機しなければいけないと、遊技の興趣性が低下するおそれがあるからである。
【0361】
上述の実施形態では、装飾図柄の図柄表示装置として、ドラム回転式のリールユニットを例示して説明したが、この構成に限定されるものではなく、例えば液晶表示装置やドットマトリックス式のLED表示装置など、他の表示装置を適用してもよい。