(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1面にコーティングされている鉛フリーはんだの厚さと、前記第2面にコーティングされている鉛フリーはんだの厚さのうちの少なくとも一方が、20〜100μmである、請求項1〜5のいずれかに記載の積層接合材料。
前記基材と前記第1面にコーティングされている鉛フリーはんだの厚さの比と、前記基材と前記第2面にコーティングされている鉛フリーはんだの厚さの比のうちの少なくとも一方が、2:1〜10:1である、請求項1〜6のいずれかに記載の積層接合材料。
基板と、前記基板上に配置された半導体素子と、前記基板と前記半導体素子との間に配置され、前記基板と前記半導体素子とを接合する第1積層接合材料と、前記基板の前記半導体素子とは逆側に配置された放熱部と、前記基板と前記放熱部との間に配置され、前記基板と前記放熱部とを接合する第2積層接合材料と、を備え、
前記第1積層接合材料と前記第2積層接合材料のうちの少なくとも一方は、基材の線膨張係数が5.5〜15.5ppm/Kであり、第1面および第2面が鉛フリーはんだでコーティングされており、
前記基材は、Cu−W基材料、Cu−Mo基材料、Cu−W基材料とCu−Mo基材料との積層材料のいずれかからなり、
前記基材の第1面および第2面のうちの少なくとも一方と前記鉛フリーはんだとの界面が、前記基材側から順にNi、Snにより下地処理されている、半導体パッケージ。
前記第1面にコーティングされている鉛フリーはんだの厚さと、前記第2面にコーティングされている鉛フリーはんだの厚さのうちの少なくとも一方が、20〜100μmである、請求項10〜15のいずれかに記載の半導体パッケージ。
前記基材と前記第1面にコーティングされている鉛フリーはんだの厚さの比と、前記基材と前記第2面にコーティングされている鉛フリーはんだの厚さの比のうちの少なくとも一方が、2:1〜10:1である、請求項10〜16のいずれかに記載の半導体パッケージ。
基板と、前記基板上に配置されたパワー半導体素子と、前記基板と前記パワー半導体素子との間に配置され、前記基板と前記パワー半導体素子とを接合する積層接合材料と、を備え、
前記積層接合材料は、基材の線膨張係数が5.5〜15.5ppm/Kであり、第1面および第2面が鉛フリーはんだでコーティングされており、
前記基材は、Cu−W基材料、Cu−Mo基材料、Cu−W基材料とCu−Mo基材料との積層材料のいずれかからなり、
前記基材の第1面および第2面のうちの少なくとも一方と前記鉛フリーはんだとの界面が、前記基材側から順にNi、Snにより下地処理されている、パワーモジュール。
基板と、前記基板上に配置されたパワー半導体素子と、前記基板と前記パワー半導体素子との間に配置され、前記基板と前記パワー半導体素子とを接合する第1積層接合材料と、前記基板の前記パワー半導体素子とは逆側に配置された放熱部と、前記基板と前記放熱部との間に配置され、前記基板と前記放熱部とを接合する第2積層接合材料と、を備え、
前記第1積層接合材料と前記第2積層接合材料のうちの少なくとも一方は、基材の線膨張係数が5.5〜15.5ppm/Kであり、第1面および第2面が鉛フリーはんだでコーティングされており、
前記基材は、Cu−W基材料、Cu−Mo基材料、Cu−W基材料とCu−Mo基材料との積層材料のいずれかからなり、
前記基材の第1面および第2面のうちの少なくとも一方と前記鉛フリーはんだとの界面が、前記基材側から順にNi、Snにより下地処理されている、パワーモジュール。
前記第1面にコーティングされている鉛フリーはんだの厚さと、前記第2面にコーティングされている鉛フリーはんだの厚さのうちの少なくとも一方が、20〜100μmである、請求項20〜25のいずれかに記載のパワーモジュール。
前記基材と前記第1面にコーティングされている鉛フリーはんだの厚さの比と、前記基材と前記第2面にコーティングされている鉛フリーはんだの厚さの比のうちの少なくとも一方が、2:1〜10:1である、請求項20〜26のいずれかに記載のパワーモジュール。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施形態の第1の態様に係る積層接合材料は、基材の線膨張係数が5.5〜15.5ppm/Kであり、第1面および第2面が鉛フリーはんだでコーティングされている。
【0014】
本件発明者らが冷熱サイクル試験により実際に検証したところ、このような態様によれば、特に高温環境下において接合部に生じる歪みを緩和でき、高信頼性を達成できることが分かった。本件発明者らの考えでは、基材の線膨張係数が、半導体素子の線膨張係数と基板や放熱部の材料の線膨張係数との中間にあってバランスが取れるため、特に高温環境下において半導体素子と基板のCTE差による接合部に生じる歪みを緩和できると考えられる。
【0015】
実施形態の第2の態様に係る積層接合材料は、第1の態様に係る積層接合材料であって、前記基材の線膨張係数が5.9〜14.4ppm/Kである。
【0016】
本件発明者らが冷熱サイクル試験により実際に検証したところ、このような態様によれば、特に高温環境下において半導体素子側の接合部に生じる歪みを緩和でき、高信頼性を達成できることが分かった。
【0017】
実施形態の第3の態様に係る積層接合材料は、第1または2の態様に係る積層接合材料であって、前記基材の線膨張係数が7.0〜11.6ppm/Kである。
【0018】
本件発明者らが冷熱サイクル試験により実際に検証したところ、このような態様によれば、基板側の接合部に生じる歪みの緩和効果がより高く、より高い信頼性を達成できることが分かった。
【0019】
実施形態の第4の態様に係る積層接合材料は、第1〜3のいずれかの態様に係る積層接合材料であって、前記基材は、Cu−W基材料、Cu−Mo基材料、Cu−W基材料とCu−Mo基材料との積層材料、Cu−W基材料の第1面および第2面にそれぞれCu基材料が積層された複合材料、Cu−Mo基材料の第1面および第2面にそれぞれCu基材料が積層された複合材料、Cu−W基材料とCu−Mo基材料との積層材料の第1面および第2面にそれぞれCu基材料が積層された複合材料のいずれかからなる。
【0020】
このような態様によれば、基材が高い熱伝導性を有するため、接合部における過度な温度上昇を抑制でき、接合部に生じる熱的な歪み自体が低減され、結果として製品の長寿命化にさらに有利に作用する。
【0021】
実施形態の第5の態様に係る積層接合材料は、第1〜4のいずれかの態様に係る積層接合材料であって、前記基材のCu含有量が、60%以下である。
【0022】
このような態様によれば、基材の線膨張係数がより低くなるため、特に高温環境下においてCTE差による接合部に生じる歪みをさらに緩和できる。
【0023】
実施形態の第6の態様に係る積層接合材料は、第1〜5のいずれかの態様に係る積層接合材料であって、前記基材のCu含有量が、15%以上である。
【0024】
このような態様によれば、基材の熱伝導性がより高まるため、接合部に生じる熱的な歪み自体がさらに低減され得る。
【0025】
実施形態の第7の態様に係る積層接合材料は、第1〜6のいずれかの態様に係る積層接合材料であって、前記基材の第1面および第2面のうちの少なくとも一方と前記鉛フリーはんだとの界面が、前記基材側から順にNi、Snにより下地処理されている。
【0026】
このような態様によれば、基材と鉛フリーはんだとの密着性を高めることができる。
【0027】
実施形態の第8の態様に係る積層接合材料は、第1〜7のいずれかの態様に係る積層接合材料であって、前記第1面にコーティングされている鉛フリーはんだの厚さと、前記第2面にコーティングされている鉛フリーはんだの厚さのうちの少なくとも一方が、20〜100μmである。
【0028】
実施形態の第9の態様に係る積層接合材料は、第1〜8のいずれかの態様に係る積層接合材料であって、前記基材と前記第1面にコーティングされている鉛フリーはんだの厚さの比と、前記基材と前記第2面にコーティングされている鉛フリーはんだの厚さの比のうちの少なくとも一方が、2:1〜10:1である。
【0029】
実施形態の第10の態様に係る積層接合材料は、第1〜9のいずれかの態様に係る積層接合材料であって、前記鉛フリーはんだの融点が、210℃以上である。前記鉛フリーはんだの融点が、230℃以上であってもよい。
【0030】
このような態様によれば、半導体素子の動作温度の上昇により積層接合材料が200℃以上の高温に達する場合であっても、積層接合材料に含まれる鉛フリーはんだが溶けて故障することが防止され得る。
【0031】
実施形態の第11の態様に係る半導体パッケージは、基板と、前記基板上に配置された半導体素子と、前記基板と前記半導体素子との間に配置され、前記基板と前記半導体素子とを接合する積層接合材料と、を備え、前記積層接合材料は、基材の線膨張係数が5.5〜15.5ppm/Kであり、第1面および第2面が鉛フリーはんだでコーティングされている。
【0032】
本件発明者らが冷熱サイクル試験により実際に検証したところ、このような態様によれば、特に高温環境下において接合部に生じる歪みを緩和でき、高信頼性を達成できることが分かった。本件発明者らの考えでは、積層接合材料に含まれる基材の線膨張係数が、半導体素子材料の線膨張係数と基板の線膨張係数との中間にあってバランスが取れるため、特に高温環境下において半導体素子と基板のCTE差による接合部に生じる歪みを緩和できると考えられる。
【0033】
実施形態の第12の態様に係る半導体パッケージは、基板と、前記基板上に配置された半導体素子と、前記基板と前記半導体素子との間に配置され、前記基板と前記半導体素子とを接合する第1積層接合材料と、前記基板の前記半導体素子とは逆側に配置された放熱部と、前記基板と前記放熱部との間に配置され、前記基板と前記放熱部とを接合する第2積層接合材料と、を備え、前記第1積層接合材料と前記第2積層接合材料のうちの少なくとも一方は、基材の線膨張係数が5.5〜15.5ppm/Kであり、第1面および第2面が鉛フリーはんだでコーティングされている。
【0034】
本件発明者らが冷熱サイクル試験により実際に検証したところ、このような態様によれば、特に高温環境下において接合部に生じる歪みを緩和でき、高信頼性を達成できることが分かった。本件発明者らの考えでは、積層接合材料に含まれる基材の線膨張係数が、半導体素子の線膨張係数と基板や放熱部の材料の線膨張係数との中間にあってバランスが取れるため、特に高温環境下において半導体素子と基板のCTE差による接合部に生じる歪みを緩和できると考えられる。
【0035】
実施形態の第13の態様に係る半導体パッケージは、第11または12の態様に係る半導体パッケージであって、前記基材の線膨張係数が5.9〜14.4ppm/Kである。
【0036】
本件発明者らが冷熱サイクル試験により実際に検証したところ、このような態様によれば、特に高温環境下において半導体素子側の接合部に生じる歪みを緩和でき、高信頼性を達成できることが分かった。
【0037】
実施形態の第14の態様に係る半導体パッケージは、第11〜13のいずれかの態様に係る半導体パッケージであって、前記基材の線膨張係数が7.0〜11.6ppm/Kである。
【0038】
本件発明者らが冷熱サイクル試験により実際に検証したところ、このような態様によれば、基板側の接合部に生じる歪みの緩和効果がより高く、より高い信頼性を達成できることが分かった。
【0039】
実施形態の第15の態様に係る半導体パッケージは、第11〜14のいずれかの態様に係る半導体パッケージであって、前記基材は、Cu−W基材料、Cu−Mo基材料、Cu−W基材料とCu−Mo基材料との積層材料、Cu−W基材料の第1面および第2面にそれぞれCu基材料が積層された複合材料、Cu−Mo基材料の第1面および第2面にそれぞれCu基材料が積層された複合材料、Cu−W基材料とCu−Mo基材料との積層材料の第1面および第2面にそれぞれCu基材料が積層された複合材料のいずれかからなる。
【0040】
このような態様によれば、基材が高い熱伝導性を有するため、接合部における過度な温度上昇を抑制でき、接合部に生じる熱的な歪み自体が低減され、結果として製品の長寿命化にさらに有利に作用する。
【0041】
実施形態の第16の態様に係る半導体パッケージは、第11〜15のいずれかの態様に係る半導体パッケージであって、前記基材のCu含有量が、60%以下である。
【0042】
このような態様によれば、積層接合材料に含まれる基材の線膨張係数がより低くなるため、特に高温環境下においてCTE差による接合部に生じる歪みをさらに緩和できる。
【0043】
実施形態の第17の態様に係る半導体パッケージは、第11〜16のいずれかの態様に係る半導体パッケージであって、前記基材のCu含有量が、15%以上である。
【0044】
このような態様によれば、積層接合材料に含まれる基材の熱伝導性がより高まるため、接合部に生じる熱的な歪み自体がさらに低減され得る。
【0045】
実施形態の第18の態様に係る半導体パッケージは、第11〜17のいずれかの態様に係る半導体パッケージであって、前記基材の第1面および第2面のうちの少なくとも一方と前記鉛フリーはんだとの界面が、前記基材側から順にNi、Snにより下地処理されている。
【0046】
このような態様によれば、積層接合材料に含まれる基材と鉛フリーはんだとの密着性を高めることができる。
【0047】
実施形態の第19の態様に係る半導体パッケージは、第11〜18のいずれかの態様に係る半導体パッケージであって、前記第1面にコーティングされている鉛フリーはんだの厚さと、前記第2面にコーティングされている鉛フリーはんだの厚さのうちの少なくとも一方が、20〜100μmである。
【0048】
実施形態の第20の態様に係る半導体パッケージは、第11〜19のいずれかの態様に係る半導体パッケージであって、前記基材と前記第1面にコーティングされている鉛フリーはんだの厚さの比と、前記基材と前記第2面にコーティングされている鉛フリーはんだの厚さの比のうちの少なくとも一方が、2:1〜10:1である。
【0049】
実施形態の第21の態様に係る半導体パッケージは、第11〜20のいずれかの態様に係る半導体パッケージであって、前記鉛フリーはんだの融点が、210℃以上である。前記鉛フリーはんだの融点が、230℃以上であってもよい。
【0050】
このような態様によれば、半導体素子の動作温度の上昇により積層接合材料が200℃以上の高温に達する場合であっても、積層接合材料に含まれる鉛フリーはんだが溶けて故障することが防止され得る。
【0051】
実施形態の第22の態様に係るパワーモジュールは、基板と、前記基板上に配置されたパワー半導体素子と、前記基板と前記パワー半導体素子との間に配置され、前記基板と前記パワー半導体素子とを接合する積層接合材料と、を備え、前記積層接合材料は、基材の線膨張係数が5.5〜15.5ppm/K以下であり、第1面および第2面が鉛フリーはんだでコーティングされている。
【0052】
本件発明者らが冷熱サイクル試験により実際に検証したところ、このような態様によれば、特に高温環境下において接合部に生じる歪みを緩和でき、高信頼性を達成できることが分かった。本件発明者らの考えでは、積層接合材料に含まれる基材の線膨張係数が、半導体素子の線膨張係数と基板の線膨張係数との中間にあってバランスが取れるため、特に高温環境下において半導体素子と基板のCTE差による接合部に生じる歪みを緩和できると考えられる。
【0053】
実施形態の第23の態様に係るパワーモジュールは、基板と、前記基板上に配置されたパワー半導体素子と、前記基板と前記パワー半導体素子との間に配置され、前記基板と前記パワー半導体素子とを接合する第1積層接合材料と、前記基板の前記パワー半導体素子とは逆側に配置された放熱部と、前記基板と前記放熱部との間に配置され、前記基板と前記放熱部とを接合する第2積層接合材料と、を備え、前記第1積層接合材料と前記第2積層接合材料のうちの少なくとも一方は、基材の線膨張係数が5.5〜15.5ppm/K以下であり、第1面および第2面が鉛フリーはんだでコーティングされている。
【0054】
本件発明者らが冷熱サイクル試験により実際に検証したところ、このような態様によれば、特に高温環境下において接合部に生じる歪みを緩和でき、高信頼性を達成できることが分かった。本件発明者らの考えでは、積層接合材料に含まれる基材の線膨張係数が、半導体素子の線膨張係数と基板や放熱部の材料の線膨張係数との中間にあってバランスが取れるため、特に高温環境下において半導体素子と基板のCTE差による接合部に生じる歪みを緩和できると考えられる。
【0055】
実施形態の第24の態様に係るパワーモジュールは、第22または23の態様に係るパワーモジュールであって、前記基材の線膨張係数が5.9〜14.4ppm/Kである。
【0056】
本件発明者らが冷熱サイクル試験により実際に検証したところ、このような態様によれば、特に高温環境下において半導体素子側の接合部に生じる歪みを緩和でき、高信頼性を達成できることが分かった。
【0057】
実施形態の第25の態様に係るパワーモジュールは、第22〜24のいずれかの態様に係るパワーモジュールであって、前記基材の線膨張係数が7.0〜11.6ppm/Kである。
【0058】
本件発明者らが冷熱サイクル試験により実際に検証したところ、このような態様によれば、基板側の接合部に生じる歪みの緩和効果がより高く、より高い信頼性を達成できることが分かった。
【0059】
実施形態の第26の態様に係るパワーモジュールは、第22〜25のいずれかの態様に係るパワーモジュールであって、前記基材は、Cu−W基材料、Cu−Mo基材料、Cu−W基材料とCu−Mo基材料との積層材料、Cu−W基材料の第1面および第2面にそれぞれCu基材料が積層された複合材料、Cu−Mo基材料の第1面および第2面にそれぞれCu基材料が積層された複合材料、Cu−W基材料とCu−Mo基材料との積層材料の第1面および第2面にそれぞれCu基材料が積層された複合材料のいずれかからなる。
【0060】
このような態様によれば、基材が高い熱伝導性を有するため、接合部における過度な温度上昇を抑制でき、接合部に生じる熱的な歪み自体が低減され、結果として製品の長寿命化にさらに有利に作用する。
【0061】
実施形態の第27の態様に係るパワーモジュールは、第22〜26のいずれかの態様に係るパワーモジュールであって、前記基材のCu含有量が、60%以下である。
【0062】
このような態様によれば、積層接合材料に含まれる基材の線膨張係数がより低くなるため、特に高温環境下においてCTE差による接合部に生じる歪みをさらに緩和できる。
【0063】
実施形態の第28の態様に係るパワーモジュールは、第22〜27のいずれかの態様に係るパワーモジュールであって、前記基材のCu含有量が、15%以上である。
【0064】
このような態様によれば、積層接合材料に含まれる基材の熱伝導性がより高まるため、接合部に生じる熱的な歪み自体がさらに低減され得る。
【0065】
実施形態の第29の態様に係るパワーモジュールは、第22〜28のいずれかの態様に係るパワーモジュールであって、前記基材の第1面および第2面のうちの少なくとも一方と前記鉛フリーはんだとの界面が、前記基材側から順にNi、Snにより下地処理されている。
【0066】
このような態様によれば、積層接合材料に含まれる基材と鉛フリーはんだとの密着性を高めることができる。
【0067】
実施形態の第30の態様に係るパワーモジュールは、第22〜29のいずれかの態様に係るパワーモジュールであって、前記第1面にコーティングされている鉛フリーはんだの厚さと、前記第2面にコーティングされている鉛フリーはんだの厚さのうちの少なくとも一方が、20〜100μmである。
【0068】
実施形態の第31の態様に係るパワーモジュールは、第22〜30のいずれかの態様に係るパワーモジュールであって、前記基材と前記第1面にコーティングされている鉛フリーはんだの厚さの比と、前記基材と前記第2面にコーティングされている鉛フリーはんだの厚さの比のうちの少なくとも一方が、2:1〜10:1である。
【0069】
実施形態の第32の態様に係るパワーモジュールは、第22〜31のいずれかの態様に係るパワーモジュールであって、前記鉛フリーはんだの融点が、210℃以上である。前記鉛フリーはんだの融点が、230℃以上であってもよい。
【0070】
このような態様によれば、パワー半導体素子の動作温度の上昇により積層接合材料が200℃以上の高温に達する場合であっても、積層接合材料に含まれる鉛フリーはんだが溶けて故障することが防止され得る。
【0071】
以下に、添付の図面を参照して、実施の形態の具体例を詳細に説明する。なお、以下の説明および以下の説明で用いる図面では、同一に構成され得る部分について、同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
【0072】
(積層接合材料)
図1は、一実施の形態に係る積層接合材料10の概略構成を示す縦断面図である。
【0073】
図1に示すように、積層接合材料10は、基材11と、基材11の第1面および第2面にコーティングされている鉛フリーはんだ12a、12bとを有している。
【0074】
このうち基材11は、線膨張係数が5.5〜15.5ppm/Kの材料からなる。基材11は、線膨張係数が5.9〜14.4ppm/Kであることがより好ましく、線膨張係数が7.0〜11.6ppm/Kであることが特に好ましい。具体的には、たとえば、基材11として、Cu−W基材料またはCu−Mo基材料が用いられる。基材11として、Cu−W基材料とCu−Mo基材料との積層材料が用いられてもよい。基材11として、Cu−W基材料の第1面および第2面にそれぞれCu基材料が積層された複合材料、Cu−Mo基材料の第1面および第2面にそれぞれCu基材料が積層された複合材料、Cu−W基材料とCu−Mo基材料との積層材料の第1面および第2面にそれぞれCu基材料が積層された複合材料のいずれかが用いられてもよい。基材11が複合材料からなる場合には、中央に位置するCu−Mo基材料、Cu−W基材料またはCu−W基材料とCu−Mo基材料との積層材料と、その一方の面に積層されているCu基材料の厚さの比は、たとえば4:1〜1:2であってもよい。
【0075】
なお、本明細書において、Cu−W基材料とは、当該材料を構成する元素のうち、質量比でCuとWが最も多い材料をいい、好ましくは当該材料全体に対してCuとWの含有量の合計が質量比で50%以上である。Cu−W基材料は、CuとW以外の元素を不純物として含んでいてもよい。また、Cu−Mo基材料とは、当該材料を構成する元素のうち、質量比でCuとMoが最も多い材料をいい、好ましくは当該材料全体に対してCuとMoの含有量の合計が質量比で50%以上である。Cu−Mo基材料は、CuとMo以外の元素を不純物として含んでいてもよい。
【0076】
基材11のCu含有量が増加すると、熱膨張率が大きくなるため、基材11のCu含有量は、質量比で60%以下であることが好ましい。
【0077】
また、基材11のCu含有量が増加すると、熱伝導率が向上するため、基材11のCu含有量は、質量比で15%以上であることが好ましい。
【0078】
図1に示すように、鉛フリーはんだ12a、12bは、基材11の第1面(図示された例では上面)および第2面(図示された例では下面)にそれぞれコーティングされている。
【0079】
鉛フリーはんだ12a、12bの材料は、特に限定されるものではないが、たとえばSnAgCu基合金などが用いられてもよい。なお、SnAgCu基合金とは、当該合金を構成する元素のうち、質量比でSnとAgとCuが最も多い合金をいい、好ましくは当該合金全体に対してSnとAgとCuの含有量の合計が質量比で50%以上である。SnAgCu基合金は、SnとAgとCu以外の元素を不純物として含んでいてもよい。具体的には、たとえば、鉛フリーはんだ12a、12bとして、SAC305(Sn3.0Ag0.5Cu)が用いられてもよい。
【0080】
第1面にコーティングされている鉛フリーはんだ12aと第2面にコーティングされている鉛フリーはんだ12bとは、同一の組成を有していてもよいし、互いに異なる組成を有していてもよい。
【0081】
鉛フリーはんだ12a、12bの融点は、210℃以上であることが好ましく、230℃以上であってもよいし、240℃以上であってもよいし、250℃以上であってもよい。
【0082】
第1面にコーティングされている鉛フリーはんだ12aの厚さと、第2面にコーティングされている鉛フリーはんだ12bの厚さのうちの少なくとも一方は、20〜100μmであることが好ましい。第1面にコーティングされている鉛フリーはんだ12aの厚さと、第2面にコーティングされている鉛フリーはんだ12bの厚さの両方とも、20〜100μmであってもよい。
【0083】
基材11と第1面にコーティングされている鉛フリーはんだ12aの厚さの比と、基材11と第2面にコーティングされている鉛フリーはんだ12bの厚さの比のうちの少なくとも一方は、2:1〜10:1であることが好ましい。基材11と第1面にコーティングされている鉛フリーはんだ12aの厚さの比と、基材11と第2面にコーティングされている鉛フリーはんだ12bの厚さの比の両方とも、2:1〜10:1であってもよい。
【0084】
鉛フリーはんだ12a、12bのコーティングは、めっきなどの既存の方法で行われる。クラッドでコーティングの厚さを調整してもよい。
【0085】
図1に示すように、基材11の第1面および第2面の少なくとも一方と鉛フリーはんだ12a、12bとの界面が、基材11側から順にNi、Snにより下地処理(たとえばめっき処理)されていることが好ましい。基材11とSnとの間がNiで下地処理されていることで、基材11側へのSnの拡散を抑制できる。またNi上にSnが下地処理されていることで、鉛フリーはんだ12a、12bをコーティングしやすくなる。したがって、基材11と鉛フリーはんだ12a、12bとの密着性が高まる。基材11の第1面および第2面の両方と鉛フリーはんだ12a、12bとの界面が、基材11側から順にNi、Snにより下地処理(たとえばめっき処理)されていてもよい。
【0086】
図示された例では、基材11の第1面と鉛フリーはんだ12aとの間に下地処理による第1下地層13aが形成されており、基材11の第2面と鉛フリーはんだ12bとの間に下地処理による第2下地層13bが形成されている。
【0087】
(半導体パッケージ、パワーモジュール)
次に、
図2を参照し、一実施の形態に係る半導体パッケージ20について説明する。なお、本明細書において、半導体パッケージ20に含まれる半導体素子22がパワー半導体素子である場合には、そのような半導体パッケージ20(すなわちパワー半導体パッケージ)をパワーモジュールということがある。
【0088】
図2は、一実施の形態に係る半導体パッケージ20の概略構成を示す縦断面図である。
【0089】
図2に示すように、半導体パッケージ20は、基板21と、基板21上に配置された半導体素子22と、基板21と半導体素子22とを接合する第1積層接合材料10aとを有している。
【0090】
このうち第1積層接合材料10aの構成は、上述した一実施の形態に係る積層接合材料10の構成と同じであり、説明を省略する。
【0091】
基板21の種類は、特に限定されるものではないが、たとえばDBC(Direct Bonded Copper)基板またはDBA(Direct Bonded Alminium)基板が用いられる。
【0092】
図2に示すように、半導体素子22は、基板21上に第1積層接合材料10aを介して配置されており、基板21と半導体素子22とは第1積層接合材料10aによって接合されている。
【0093】
半導体素子22の種類は、特に限定されるものではないが、たとえばパワートランジスタやパワーダイオードなどのパワー半導体素子が用いられる。この場合、半導体素子22の動作温度の上昇により第1積層接合材料10aが200℃以上の高温に達することがあっても、第1積層接合材料10aにおいて、鉛フリーはんだ12a、12bの融点が210℃以上であれば、鉛フリーはんだ12a、12bが溶けて故障することが防止され得る。
【0094】
本実施の形態では、
図2に示すように、半導体パッケージ20は、基板21上に配置された放熱部23と、基板21と放熱部23とを接合する第2積層接合材料10bとをさらに有している。
【0095】
このうち第2積層接合材料10bの構成は、上述した一実施の形態に係る積層接合材料10の構成と同じであり、説明を省略する。
【0096】
図2に示すように、放熱部23は、基板21の半導体素子22とは逆側に第2積層接合材料10bを介して配置されており、基板21と放熱部23とは第2積層接合材料10bによって接合されている。
【0097】
図2に示す例では、放熱部23は、放熱板23aと、放熱板23aの一方の面(図示された例では下面)に密着して固定された放熱フィン23bとを有しており、放熱板23aの他方の面(図示された例では上面)は第2積層接合材料10bに密着して固定されている。放熱部23の材料としては、熱伝導性の高い材料が用いられ、たとえば、CuMoやCuWが用いられる。
【0098】
本件発明者らが後述する冷熱サイクル試験により実際に検証したところ、以上のような本実施の形態によれば、特に高温環境下において接合部に生じる歪みを緩和でき、高信頼性を達成できることが分かった。本件発明者らの考えでは、第1積層接合材料10aおよび第2積層接合材料10bに含まれる基材11の線膨張係数が、半導体素子22の線膨張係数と基板21や放熱部23の材料の線膨張係数との中間にあってバランスが取れるため、特に高温環境下において半導体素子22と基板21や放熱部23のCTE差によって、半導体素子22と基板21との間の接合部および基板21と放熱部23との間の接合部に生じる歪みを緩和できると考えられる。
【0099】
また、本実施の形態によれば、第1積層接合材料10aおよび第2積層接合材料10bに含まれる基材11が、Cu−W基材料、Cu−Mo基材料、Cu−W基材料とCu−Mo基材料との積層材料、Cu−W基材料の第1面および第2面にそれぞれCu基材料が積層された複合材料、Cu−Mo基材料の第1面および第2面にそれぞれCu基材料が積層された複合材料、Cu−W基材料とCu−Mo基材料との積層材料の第1面および第2面にそれぞれCu基材料が積層された複合材料のいずれかからなり、基材11が高い熱伝導性を有するため、接合部における過度な温度上昇を抑制でき、接合部に生じる熱的な歪み自体が低減され、結果として半導体パッケージ20の製品としての長寿命化にさらに有利に作用する。
【0100】
また、本実施の形態によれば、第1積層接合材料10aおよび第2積層接合材料10bに含まれる基材11のCu含有量が60%以下であるため、当該基材11の線膨張係数がより低くなり、特に高温環境下においてCTE差による接合部に生じる歪みをさらに緩和できる。
【0101】
また、本実施の形態によれば、第1積層接合材料10aおよび第2積層接合材料10bに含まれる基材11のCu含有量が15%以上であるため、当該基材11の熱伝導性がより高まり、接合部に生じる熱的な歪み自体がさらに低減され得る。
【0102】
また、本実施の形態によれば、第1積層接合材料10aおよび第2積層接合材料10bにおいて、基材11の第1面および第2面のうちの少なくとも一方と鉛フリーはんだ12a、12bとの界面が、基材11側から順にNi、Snにより下地処理されているため、基材11と鉛フリーはんだ12a、12bとの密着性を高めることができる。
【0103】
また、本実施の形態によれば、第1積層接合材料10aおよび第2積層接合材料10bにおいて、鉛フリーはんだ12a、12bの融点が210℃以上であるため、半導体素子22の動作温度の上昇により第1積層接合材料10aおよび第2積層接合材料10bが200℃以上の高温に達する場合であっても、第1積層接合材料10aおよび第2積層接合材料10bに含まれる鉛フリーはんだ12a、12bが溶けて故障することが防止され得る。
【0104】
(実施例)
次に、本実施の形態に係る具体的な実施例について説明する。
【0105】
本件発明者らは、
図3および
図4に示すように、実施例1〜20および比較例1〜7の接合材料(6.5mm□)をそれぞれ用意し、各接合材料を用いて基板(20mm□、厚さ2mmのCuブロック)と半導体素子(5.5mm□、厚さ0.4mmのSiチップ)とを接合したサンプルを作成した。次に、各サンプルに対して、冷熱衝撃装置 TSA−71L−A(エスペック(株)製)を使用して、−40℃〜+150℃(各さらし時間0.5h)の試験条件にて、冷熱サイクル試験を実施した。そして、冷熱サイクル試験前、250サイクル後、500サイクル後、1000サイクル後の各時点における各サンプルに対して、超音波映像装置 FineSAT FAS200II(日立建機ファインテック(株)製)を使用して、Siチップ側およびCuベース側の各々からSAT観察を行って、SAT観察画像から接合部の欠陥部面積率を算出し、その変化率(欠陥部変化率)を評価した。ここで、欠陥部変化率は、下式(1)により計算した。
欠陥部変化率(%)={(1000サイクル後の欠陥部面積率−冷熱サイクル試験前の欠陥部面積率)/1000サイクル後の欠陥部面積率}×100 式(1)
【0106】
図3および
図4の「欠陥部変化率」の列は、試験結果を示している。
図3および
図4において、欠陥部変化率「◎」は、Siチップ側の欠陥部変化率が50%未満であり、かつ、Cuベース側の欠陥部変化率が99.5%未満のものである。欠陥部変化率「〇」は、Siチップ側の欠陥部変化率が50%未満であるが、Cuベース側の欠陥部変化率が99.5%以上のものである。欠陥部変化率「×」は、Siチップ側の欠陥部変化率が50%以上のものである。
【0107】
図5は、実施例1〜2および比較例1〜2の欠陥部変化率を比較して示す棒グラフである。
図6は、実施例3〜4および比較例3の欠陥部変化率を比較して示す棒グラフである。
図7は、実施例5〜6および比較例4〜5の欠陥部変化率を比較して示す棒グラフである。
【0108】
図3〜
図7に示すように、実施例1〜20ではいずれも、1000サイクル後のSiチップ側の欠陥部変化率が50%未満であり、特に高温環境下においてSiチップ側の接合部に生じる歪みを緩和でき、高信頼性であることが確認された。他方、
図4に示すように、比較例1〜7では、1000サイクル後のSiチップ側の欠陥部変化率が50%以上(比較例1〜5では80%以上)であり、特に高温環境下においてSiチップ側の接合部に生じる歪みを緩和できず、信頼性が低いことが確認された。実施例1〜20は基材の線膨張係数が5.9〜14.4ppm/Kである。一方、比較例1、4は基材が存在せず、比較例2〜3、5は基材の線膨張係数が17.1ppm/Kと高く、比較例6〜7は基材の線膨張係数が4.6〜5.2ppm/Kと低い。したがって、基材の第1面および第2面が鉛フリーはんだでコーティングされた積層接合材料において、基材の線膨張係数が5.5(5.9と4.6の中間)〜15.5(14.4と17.1の中間)ppm/K、より好ましくは5.9〜14.4ppm/Kであれば、1000サイクル後のSiチップ側の欠陥部変化率が50%未満となり、特にSiチップ側の接合部に生じる歪みを緩和でき、高信頼性を達成できると言える。
【0109】
また、
図3および
図4に示すように、実施例1〜6、9〜10、12〜18では、Cuベース側の欠陥部変化率が99.5%未満であり、Cuベース側の接合部に生じる歪みの緩和効果がより高いことが確認された。実施例1〜6、9〜10、12〜18は基材の線膨張係数が7.0〜11.6ppm/Kであるのに対し、実施例7〜8、11は基材の線膨張係数が5.9〜6.8ppm/Kであり、実施例19〜20は基材の線膨張係数が13.8〜14.4ppm/Kである。このことから、基材の第1面および第2面が鉛フリーはんだでコーティングされた積層接合材料において、接合部に生じる歪みの緩和効果がより高く、より高い信頼性を達成するためには、基材の線膨張係数は7.0〜11.6ppm/Kであることがより好ましいと言える。
【0110】
以上、本発明の実施の形態および変形例を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。また、各実施の形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【解決手段】積層接合材料10において、、基材11の線膨張係数は、5.5〜15.5ppm/Kであり、第1面及び第2面は、鉛フリーはんだ12a、12bでコーティングされている。基材11は、Cu−W基、Cu−Mo基材料又はCu−W、Cu−Mo基材料の積層材料、Cu−W、Cu−Mo基材料にCu基材料が積層された複合材料である。基材11の第1面と鉛フリーはんだ12aとの間に下地処理による第1下地層13aを、基材11の第2面と鉛フリーはんだ12bとの間に下地処理による第2下地層13bを、形成してもよい。