特許第6871531号(P6871531)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871531
(24)【登録日】2021年4月20日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】リクレーマの揃速装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 63/00 20060101AFI20210426BHJP
【FI】
   B65G63/00 B
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-65145(P2017-65145)
(22)【出願日】2017年3月29日
(65)【公開番号】特開2018-167934(P2018-167934A)
(43)【公開日】2018年11月1日
【審査請求日】2019年10月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】300041192
【氏名又は名称】宇部興産機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【弁理士】
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】村井 康夫
(72)【発明者】
【氏名】末永 匡史
【審査官】 大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭58−132804(JP,U)
【文献】 特開2003−276980(JP,A)
【文献】 特開昭62−196229(JP,A)
【文献】 特開昭54−088574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 63/00−63/06
B65G 47/95
B65G 65/00−65/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
山形に積み上げられた粉粒体の傾斜面に対して起伏可能なハローフレームを有し前記傾斜面に沿って移動する台車と、前記台車の走行方向と直交する方向に移動する揺脚及び剛脚からなる走行手段を備え、前記粉粒体を掻き取り山裾へ落下させるリクレーマの前記揺脚に取り付けて、走行時の前記揺脚と前記剛脚の蛇行量を検出可能な変位量検出部と、
前記変位量検出部の検出値に基づいて、前記揺脚が前記剛脚よりも遅れた場合には前記剛脚を減速又は停止して前記揺脚を走行させる制御、又は前記剛脚が前記揺脚よりも遅れた場合には前記揺脚を減速又は停止して前記剛脚を走行させる制御を行う制御部と、
を備え
前記変位量検出部は、
一端が前記剛脚に固定されて他端が前記揺脚と点接触するブリッジと、前記揺脚に跨る伸縮ロッドの伸縮寸法を検出可能なエンコーダであることを特徴とするリクレーマの揃速装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、山形に積み上げられた石炭や石膏などの粉粒体を傾斜面に沿って掻き崩して搬出するリクレーマの揃速装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図7はリクレーマの説明図であり、(1)は平面図、(2)は(1)のA−A断面図、(3)は(1)のB−B断面図である。図示のようにリクレーマ1は、山形に積み上げられた石膏、鉱石、石炭等の粉粒体の稜線方向に移動する(ハロー動作する)台車12に、これと直交する方向に移動する走行手段14が設けられている。台車12には任意の傾斜角で起伏動作可能なハローフレーム20が配設されている。またハローフレーム20の下面(粉粒体と対向する面)に設置された掻き取り爪30によって掻き崩された粉粒体がハローフレーム20の根本側に落下していく。落下した粉粒体は、スクレーパコンベア40によって掻き寄せられコンベア等で外部へ搬出される。
【0003】
このような構成のリクレーマ1は、積み山の傾斜面に沿ってハローフレーム20を平行移動させると、ハローフレーム20に取り付けられた掻き取り爪30によって積み山の表面を掻き崩していく。一般に粉粒体の積み山の斜面が崩れ落ちないで安定している最大角を安息角という。山形に積み上げられた粉粒体の地面に対する傾斜角度がほぼこの安息角であれば、掻き取り爪30で掻き崩された粒状物群は山の傾斜面に沿って下方へと落下していく。しかし、粉粒体の安息角はその種類や性状、水分の含有量などによってバラツキがあり、安息角が均一でないケースが多い。このため、崩壊し難い粘性のある積み荷の場合は油圧駆動部を有するハローフレーム20の傾斜角度を調整して(下げて)掻き取り爪30を山肌に差し込み平行移動させる。通常の積み荷の場合は掻き取り爪30を差し込むことによって容易に崩壊するので、過剰に崩壊させないように傾斜角度を微調整するためオペレータの負担が大きい。ハローフレーム20の根本に集中して落下した粉粒体がスクレーパに急激な負担変動を与え最悪の場合はスクレーパの損傷原因となるので、慎重な運転操作が要求される。
【0004】
前述の走行手段は、スクレーパの長手方向のブリッジ両端部に接続している。スクレーパの掻き寄せ粉粒体が集まる側は剛脚側であり、ブリッジと一体的に構成されている。一方、反対側の揺脚側はブリッジと球面軸受によって接合している。このような揺脚により、スクレーパの負荷変動によって発生する剛脚側と揺脚側の走行手段の速度差による構造体の変形に伴う応力に起因する装置の破損を回避することができる。
【0005】
リクレーマの運転は、スクレーパの長手方向、換言すると掻き取り方向と直角方向に走行しているので、粉粒体の堆積物に向かって走行する。従って、運転時の負荷が大きくスクレーパの長手方向の直角に作用する負荷にばらつきがあり、実機においては、剛脚側と揺脚側の間に速度差が生じている。走行速度は例えば、0.004m/min〜0.04m/minと低速である。スクレーパの掻き寄せによって粉粒体が集まる剛脚側の荷重が大きくなり剛脚側の走行抵抗が著しく大きくなる。このため剛脚側と揺脚側の走行手段を同じ速度で走行することは難しい。この速度差によって生じるリクレーマの変形としては、次のような例が挙げられる。
レール上を走行する走行手段の車輪は、走行レールの上面幅よりも踏み面幅を広く設定し、片側につばを設けて車輪が走行レール上から脱輪しないようにしている。走行手段の剛脚側と揺脚側の速度差が大きくなった場合、蛇行して走行車輪のつばが常に走行レール端面と接触した状態となり、接触音やつば部分の早期摩耗の原因となっていた。
【0006】
そこで特許文献1に開示のリクレーマ走行制御装置は、走行車輪とレール側にパルス発信器を取り付けて、走行車輪の回転に伴ってパルス信号を発生させている。レール側の絶対位置を補正するストライカ運転制御によって蛇行を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭62−196229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1によれば、走行車輪の回転パルス信号から両側の走行手段の位置差を知ることができ、レール側に設置した絶対位置の補正ストライカで検出精度を向上させることができる。また車輪の摩耗やスリップ発生も検出することができ、測定精度を向上させることができる。
しかしながらパルス検出器の設置数や制御装置が大掛かりとなり全体的にコスト高となっていた。また粉粒体の環境下では、レール側の検出器の精度が不安定となるおそれが生じていた。
【0009】
そこで上記従来技術の問題点に鑑み、本発明は、リクレーマの走行手段の剛脚及び揺脚の速度差を無くし安定した走行を実現可能なリクレーマの揃速装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための第1の手段として、本発明は、山形に積み上げられた粉粒体の傾斜面に対して起伏可能なハローフレームを有し前記傾斜面に沿って移動する台車と、前記台車の走行方向と直交する方向に移動する揺脚及び剛脚からなる走行手段を備え、前記粉粒体を掻き取り山裾へ落下させるリクレーマの前記揺脚に取り付けて、走行時の前記揺脚と前記剛脚の蛇行量を検出可能な変位量検出部と、前記変位量検出部の検出値に基づいて、前記揺脚が前記剛脚よりも遅れた場合には前記剛脚を減速又は停止して前記揺脚を走行させる制御、又は前記剛脚が前記揺脚よりも遅れた場合には前記揺脚を減速又は停止して前記剛脚を走行させる制御を行う制御部と、を備え、前記変位量検出部は、一端が前記剛脚に固定されて他端が前記揺脚と点接触するブリッジと、前記揺脚に跨る伸縮ロッドの伸縮寸法を検出可能なエンコーダであることを特徴とするリクレーマの揃速装置を提供することにある。
上記第1の手段によれば、リクレーマの走行時に剛脚と揺脚の蛇行量が無くなり、剛脚走行車輪の接触音や早期摩耗が無く走行手段の経年劣化を低減できる。またスクレーパの操作性が向上して効率的な掻き出し作業を行える。また、剛脚及び揺脚の速度差に起因するズレ量を高精度かつ容易に検出できる。
【0011】
上記課題を解決するための第2の手段として、本発明は、第1の手段において、前記変位量検出部は、前記走行手段のブリッジから走行方向に沿って延出する第1リンク部の端部と回転自在に接続して前記揺脚から前記走行手段の走行方向に沿って延出する第2リンク部の長手方向と前記走行方向との間の成す角を検出可能なロータリーエンコーダであることを特徴とするリクレーマの揃速装置を提供することにある。
上記第2の手段によれば、剛脚及び揺脚の速度差に起因するズレ量を高精度かつ容易に検出できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、走行手段の剛脚及び揺脚の速度差が無くなることにより、走行車輪のつばが常に走行レール端面と接触することがなく、接触音やつば部分の早期摩耗を回避できる。また積み山の負荷がスクレーパの長手方向と直角に作用するため、剛脚及び揺脚の速度差が大きくならず、操作性が向上して、スクレーパの全体に渡って積み山を掻き出すことができ、効率的に掻き出し作業が行える。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明のリクレーマの揃速装置の構成概略図である。
図2】走行手段の説明図である。
図3】リクレーマの揃速装置の説明図である。
図4】変位量検出部の回転角θと走行手段の蛇行量の関係を示すグラフである。
図5】変形例のリクレーマの揃速装置の構成概略図である。
図6】変形例のリクレーマの揃速装置の説明図である。
図7】リクレーマの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のリクレーマの揃速装置の実施形態を添付の図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
図2は走行手段の説明図である。図示のように走行手段14の揺脚140及び剛脚142に跨るようにブリッジ144を取り付けている。ブリッジ144の揺脚140側は球面軸受148による点接触構造であり、剛脚142側は一体構造を採用している。ブリッジ144には粉粒体のスクレーパコンベア150が取り付けてあり、揺脚140側から剛脚142側へ掻き出している。剛脚142側には粉粒体の外部搬送コンベア152が配置されている。
走行レール上を走行するリクレーマは、スクレーパコンベア150の掻き取り力に対する反力によって、揺脚140側へ装置全体が変位しており、揺脚140側の球面軸受148を支点として、揺脚140の内側の走行車輪フランジが走行レールに倣い走行する傾向にある。
【0016】
[リクレーマの揃速装置10]
図1は本発明のリクレーマの揃速装置の構成概略図である。図3はリクレーマの揃速装置の説明図である。本発明のリクレーマの揃速装置10は、変位量検出部50と制御部60を主な基本構成としている。
【0017】
[変位量検出部50]
変位量検出部50は、揺脚140の球面軸受148から所定間隔を開けた揺脚140上面に取り付けて、揺脚140及び剛脚142との間の速度差に起因するズレ量、蛇行量を検出するエンコーダである。図1では、一例として1回転型のロータリーエンコーダを用いており、1回転分解数が8192、分解能0.044°として、以下説明する。
揺脚140側のブリッジ144端部には、走行方向に沿って、換言するとブリッジ144の長手方向と直交する方向かつ水平に延出(図1の紙面で上下方向であり、前進又は後退のいずれかの方向)する第1リンク部52を設けている。
第1リンク部52の一端(ブリッジ144側)はブリッジ144に固定している。一方、第1リンク部52の他端は第2リンク部54と水平面上で回転自在に結合している。
【0018】
第2リンク部54は、一端が第1リンク部52と回転自在に接続し、他端が変位量検出部50の角度検出軸に接続している。
このような構成の変位量検出部50は、図3(1)に示すように走行中のリクレーマの揺脚が剛脚よりも遅れると、球面軸受148を回転中心としてブリッジ144から直角方向(走行方向)に延出する第1リンク部52が外側(剛脚142と反対側)へ傾く。この第1リンク部52の傾きに伴って回転接続する第2リンク部54も外側に傾き、第2リンク部54に接続する変位量検出部50となるロータリーエンコーダの角度検出軸回転が回転する。この回転角度の測定値を後述する制御部60に送信している。
【0019】
[制御部60]
制御部60は、変位量検出部50と電気的に接続しており測定値(回転角度など)を受信可能に構成している。また制御部60は、走行手段14の揺脚140及び剛脚142の駆動部(不図示)と電気的に接続し、所定速度の制御信号を送信可能に構成している。
このような構成の制御部60は、変位量検出部50による測定値(回転角度など)に基づいて揺脚140及び剛脚142の間のズレ量、蛇行量を演算することができる。そして演算したズレ量、蛇行量に基づいて、走行手段14の揺脚140又は剛脚142へズレ量を回避する所定速度の制御信号を送信している。
【0020】
[作用]
上記構成による本発明のリクレーマの揃速装置の作用について以下説明する。なお図3に示す寸法などの実測値は一例であり、対象となるリクレーマにより任意に変更可能である。
図3に示すリクレーマのブリッジ144の長さを41500mm、第1リンク部52の長さを1700mm、第2リンク部54の長さを50mmとし、走行中のリクレーマの蛇行寸法Yを仮に70mmと設定する。
蛇行時の第1及び第2リンク部52,54の回転接続箇所と揺脚140までの長さaは、ブリッジの長さ41500mm:蛇行寸法(Y)70mm=第1リンク部の長さ:aの三角比(蛇行角度sinα=0.0966°)により、a=2.867mmとなる。変位量検出部50の検出角度θは、sinθ=a/第2リンク部の長さ50mmの関係によりθ=3.282°となる。従って、変位量検出部50の検出角度θから蛇行寸法Yを算出することができる。
【0021】
図3(2)に示すように剛脚142は、走行ローラの前後に一対のサイドローラ145を設けている。サイドローラ145とレール間隔における蛇行寸法Yは次のように演算することができる。
サイドローラベース(前後のサイドローラ間)をB=8000mm、サイドローラとレールの間隔g=10mm、一対のサイドローラとレールの間隔G(g×2)=10mm×2、ブリッジの長さL=41500mmとしたとき、蛇行量YはY=L×G/BによりY=103.8mmと演算することができる。この蛇行量Y=103.8mmは、サイドローラ145が走行レールに接触する蛇行量であり、異常音および摩耗が進行するため走行停止の目安となる。
【0022】
次に制御部60による揃速制御について以下説明する。図4は変位量検出部の回転角θと走行手段の蛇行量の関係を示すグラフである。同グラフの縦軸は変位量検出部の測定値となる回転角θ、横軸は蛇行量Yを示している。プロットを結ぶ線は蛇行量に基づく回転角度の比例関係を示している。そして同グラフの蛇行量25mmよりも小さい領域Iは安定走行を示し、蛇行量25mm以上70mmよりも小さい領域IIはそのまま走行を継続しながら警戒領域を示し、蛇行量70mm以上80mm(蛇行量103.8mmにおいてサイドローラが接触するためこれを回避するため、これよりも小さい蛇行量を仮に設定する)よりも小さい領域IIIは揃速制御の開始領域であり、領域Iに蛇行量及び回転角度が納まるまで制御する。蛇行量80mm以上は非常停止領域IVであり、その後、手動運転で修正する領域となる。
制御部60による具体的な揃速制御は、走行時において、走行手段14の揺脚140が剛脚142よりも遅れた場合には、揺脚140のみ走行を継続し、剛脚142は停止又は減速する制御信号を走行手段14に送信する。また走行手段14の剛脚142が揺脚140よりも遅れた場合には、剛脚142のみ走行を継続し、揺脚140は停止又は減速する制御信号を走行手段14に送信する。
【0023】
このような本発明のリクレーマの揃速装置によれば、走行手段の剛脚及び揺脚の速度差が無くなることにより、走行車輪のつばが常に走行レール端面と接触することがなくなり、接触音やつば部分の早期摩耗を回避できる。また積み山の負荷がスクレーパの長手方向と直角に作用するため、剛脚及び揺脚の速度差が大きくならず、操作性が向上して、スクレーパの全体に渡って積み山を掻き出すことができ、効率的に掻き出し作業が行える。
【0024】
[変形例]
図5は変形例のリクレーマの揃速装置の構成概略図である。図6は変形例のリクレーマの揃速装置の説明図である。図5に示すように変形例のリクレーマの揃速装置10Aは、変位量検出部50Aの構造が異なり、その他の構成については図1に示す装置と同一である。
変形例の変位量検出部50Aは、伸縮ロッド56に取り付けて、ロッドの伸縮寸法を検出可能なエンコーダである。図5では一例として直線型のエンコーダを用いており、分解能0.0039mmとして、以下説明する。
伸縮ロッド56は、ブリッジ144(一端が剛脚142に固定されて他端が揺脚140と点接触)と揺脚140に跨る所定の弾性を備えた部材である。この伸縮ロッド56に変位量検出部50Aを取り付けている。
【0025】
このような構成の変位量検出部50Aは、図6に示すように走行中のリクレーマの揺脚が剛脚よりも遅れると、揺脚140が外側(剛脚142と反対側)へ傾く。この揺脚140の傾きに伴って接続する伸縮ロッド56が縮小し(2点破線)、伸縮ロッド56に取り付けた変位量検出部50Aとなるエンコーダにより伸長寸法を測定することができ、この伸長寸法の測定値を制御部60へ送信している。また走行中のリクレーマの剛脚が揺脚よりも遅れると、揺脚140が内側(剛脚142側)へ傾く。この揺脚140の傾きに伴って接続する伸縮ロッド56が伸長し(1点破線)、伸縮ロッド56に取り付けた変位量検出部50Aとなるエンコーダにより伸長寸法を測定することができ、この伸長寸法の測定値を制御部60へ送信している。
制御部60は、変位量検出部50による測定値(伸縮寸法など)に基づいて揺脚140及び剛脚142の間のズレ量、蛇行量を演算することができる。そして演算したズレ量、蛇行量に基づいて、走行手段14の揺脚140又は剛脚142へズレ量を回避する所定速度の制御信号を送信している。
【0026】
図6に示すリクレーマのブリッジ144の長さを41500mm、伸縮ロッド56の取り付け位置の長さ(揺脚Aと球面軸受Qの間の距離AQ、球面軸受QとブリッジBの間の距離QB)を4000mm、伸縮ロッドの長さABは5656.854mm(=4000mm×ルート2)、球面軸受148から揺脚140への走行中のリクレーマの蛇行寸法Yを仮に±70mm(+70mmは剛脚が揺脚よりも先行時、−70mmは揺脚が剛脚よりも先行時)と設定する。
まず蛇行寸法Y=+70mmのとき(剛脚が揺脚よりも先行時)、ブリッジ上の伸縮ロッドの端部をCとする。ブリッジの走行前と+70mmの蛇行時の間の成す角度αは、0.0966°であり、sinα及びcosαによってx=3999.9943mm、y=6.7439mmとなる。点Cを通る揺脚の長手方向と交差する直線との交点をDとすると、AC=AD+DCの関係により、AC=5652.0835mmとなる。
次に蛇行寸法Y=−70mmのとき(揺脚が剛脚よりも先行時)、ブリッジ上の伸縮ロッドの端部をEとする。ブリッジの走行前と−70mmの蛇行時の間の成す角度αは、0.0966°であり、sinα及びcosαによってx=3999.9943mm、y=6.7439mmとなる。点E通る揺脚の長手方向と交差する直線との交点をFとすると、AE=AF+EFの関係により、AC=5661.620mmとなる。
従って、AB(走行前の伸縮ロッドの寸法)−AC(剛脚が揺脚よりも先行時)=4.7705mm、AE(揺脚が剛脚よりも先行時)−AB(走行前の伸縮ロッドの寸法)=4.766mmとなり、伸縮ロッドの寸法ABの±4.77mmが蛇行寸法Y±70mmにおける許容範囲となる。このように、変位量検出部50Aの測定値から蛇行寸法Yを算出することができる。
【0027】
このような変形例のリクレーマの揃速装置によれば、走行手段の剛脚及び揺脚の速度差が無くなることにより、走行車輪のつばが常に走行レール端面と接触することがなくなり、接触音やつば部分の早期摩耗を回避できる。また積み山の負荷がスクレーパの長手方向と直角に作用するため、剛脚及び揺脚の速度差が大きくならず、操作性が向上して、スクレーパの全体に渡って積み山を掻き出すことができ、効率的に掻き出し作業が行える。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、山形に積み上げられた石膏、鉱石、石炭等の粉粒体を扱う各種製造業の分野において、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0029】
1………リクレーマ、10,10A………リクレーマの揃速装置、12………台車、14………走行手段、140………揺脚、142………剛脚、144………ブリッジ、148………球面軸受、150………スクレーパコンベア、152………外部搬送コンベア、20………ハローフレーム、30………掻き取り爪、40………スクレーパコンベア装置、50,50A………変位量検出部、52………第1リンク部、54………第2リンク部、56………伸縮ロッド、60………制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7