特許第6871558号(P6871558)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6871558
(24)【登録日】2021年4月20日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】締結部材携帯保持具
(51)【国際特許分類】
   B25H 3/00 20060101AFI20210426BHJP
【FI】
   B25H3/00 Z
【請求項の数】1
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-53647(P2020-53647)
(22)【出願日】2020年3月25日
【審査請求日】2020年3月31日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506250044
【氏名又は名称】株式会社吉成産業
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(72)【発明者】
【氏名】吉成 茂紀
【審査官】 須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−299763(JP,A)
【文献】 特開平02−205417(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0034367(US,A1)
【文献】 特開2005−207448(JP,A)
【文献】 特開2012−051050(JP,A)
【文献】 実開平06−080019(JP,U)
【文献】 特開平09−042263(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/008377(WO,A1)
【文献】 登録実用新案第3202485(JP,U)
【文献】 実開昭61−042276(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3014229(JP,U)
【文献】 独国特許出願公開第102016000906(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25H1/00−5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の板厚と横幅を有し相対向する長手方向の両側面部がそれぞれ板厚の内部を通って斜め下方へ貫通して直線状に形成された複数の係止孔を有し、長手方向の一端側に陳列時及びベルト携帯時の共通の係止手段としての引掛け穴を有する長方形状の板材と、
頭部が前記係止孔より大きく軸部が前記係止孔より小さく、且つ、前記両側面部の内の一側面部に形成された複数の係止孔から軸部が挿入されて頭部が前記係止孔から露出し隣接する前記軸部の間に、前記両側面部の内の他側面部の係止孔から挿入されて頭部が前記他側面部の係止孔から露出しているそれぞれの軸部が位置するように収納されてなる締結部材と、
前記係止孔を塞ぐシート材料を貫通して前記締結部材を前記係止孔に挿入することで生じるシート材料の破砕端片と当該締結部材の外周囲との係合による前記締結部材を前記係止孔内に係止するための保持手段と、
を具備していることを特徴とする締結部材携帯保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のネジ、ボルト等の締結部材を携帯するための保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から建築現場等でネジ、ボルト、ビスまたは釘等の締結部材を持ち運ぶときは、乱雑に複数の締結部材が包装されたプラスチック製容器から特許文献1に記載されているような、腰下げベルトに吊り下げ部を有した収納ケースに締結部材を移し替えて持ち運び作業を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−104734
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記に示すような道具入れを用いて締結部材を持ち運んで作業を行うと、移し替える途中で締結部材が転がり落ちたり、またネジのような締結部材を取り出す際は一つ一つが小さいため、収納ケースからネジを1本ずつ取り出したりすることは煩わしく作業効率が低いものである。
【0005】
また、ネジのような小さな締結部材は持ちにくいため収納ケースからネジを取り出す際に誤って落下させてしまう恐れがある。その結果、ネジの紛失や損傷、または下方で作業している人が怪我をする危険性がある。更に、これらの締結部材は小袋に入れて販売されているので、使用時には袋を破って収納ケースに詰め替えなければならないような手間を有している。
【0006】
本発明は上記課題を鑑みて、販売店から購入したそのままの状態で使用可能で収納ケースに詰め替える必要がなくなり、同時に持ち運びが容易で可能であり、作業を行う際にも効率良く締結部材を取り出すことができ、尚且つ取り出す際に締結部材を誤って落下させにくい締結部材携帯保持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の締結部材携帯保持具は、所定の板厚と横幅を有し相対向する長手方向の両側面部がそれぞれ板厚の内部を通って斜め下方へ貫通して直線状に形成された複数の係止孔を有し、長手方向の一端側に陳列時及びベルト携帯時の共通の係止手段としての引掛け穴を有する長方形状の板材と、頭部が前記係止孔より大きく軸部が前記係止孔より小さく、且つ、前記両側面部の内の一側面部に形成された複数の係止孔から軸部が挿入されて頭部が前記係止孔から露出し隣接する前記軸部の間に、前記両側面部の内の他側面部の係止孔から挿入されて頭部が前記他側面部の係止孔から露出しているそれぞれの軸部が位置するように収納されてなる締結部材と、前記係止孔を塞ぐシート材料を貫通して前記締結部材を前記係止孔に挿入することで生じるシート材料の破砕端片と当該締結部材の外周囲との係合による前記締結部材を前記係止孔内に係止するための保持手段と、を具備していることを特徴とする。
【0015】
前記係止合手段が板材を貫通する引掛け穴であることを特徴としたことにある
【発明の効果】
【0016】
本発明の特徴によれば、板材の側面部において板材の板厚内部方向に開口した複数の係止孔を有しており、また係止孔内の締結部材を係止するための保持手段を有している。このために、締結部材は当該係止孔内に挿入されると係止孔から抜けずに保持されるので、板材に保持された状態で携帯することができる。また、当該係止孔の側面部から締結部材の頭部が露出しているので、使用時においては、使用者は一本毎の締結部材の頭部を認識できるため正確に締結部材を取り出すことができる。また同時に収納ケースで締結部材が乱雑にされた状態から取り出す必要がなくなり、既定位置で既定方向を向いた締結部材を取り出すことができるため、作業効率が増大する。また、係止孔の数は保持したい締結部材の数に応じて自由に設定することができる。
【0019】
前記係止孔を塞ぐシート材料を貫通して前記締結部材を前記係止孔に挿入すると、破れたシート材料の破砕端片と当該締結部材の外周囲との係合により、締結部材の係止孔からの脱落を防止できると共に少ない力の作用で引き抜くことができる。
【0020】
板材における係止孔が板材の一方の側面部から他方の側面部まで貫通することで、左右どちらの方向からも締結部材を挿入することができ、また締結部材の先端形状を確認することもでき締結部材の種類を判別することができる。
【0022】
係止手段が引掛け穴であるので止め具に引掛けて携帯することができるなど、作業中常に、締結部材携帯保持具を手で持つ必要がなくなる。更にこの引掛け孔を用いて、商品を店頭に陳列する際には吊り下げ棒に引掛けて多数の商品を取り出し自在に陳列することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係る締結部材携帯保持具の斜視図。
図2】板材に透過孔を有した形態の平面図。
図3】板材に番号が係止孔毎に振られネジの先端部を見える形態の平面図。
図4】係止孔が貫通した形態の断面図。
図5】締結部材携帯保持具の図1におけるA−A断面の断面図の一部。
図6図4において係止孔の最奥部がネジの先端形状と略同一形状であるときの断面図。
図7】締結部材携帯保持具の使用状態の一例を示す斜視図。
図8】締結部材携帯保持具の使用状態の一例を示す斜視図。
図9】締結部材携帯保持具の狭い場所でのリストバンド型の使用状態の一例を示す斜視図。
図10】本発明に係る複数の締結部材携帯保持具が小売店等で陳列された状態の斜視図。
図11図1の締結部材携帯保持具が2段に積み重ねられた形態の斜視図。
図12】板材の側面部に対して斜め方向にネジが保持されている形態の斜視図。
図13】(a)1つの締結部材携帯保持具における係止孔がシート材料または内部に突起物を有している斜視図。(b)係止孔の断面図。(c)係止孔が片面粘着シートまたはシート材料により挟まれてネジが保持されている断面図。
図14】板材の端部にフックを有した形態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
この発明の実施形態について以下図面を参照にしながら説明をする。図1は本発明の締結部材携帯保持具1の実施形態の斜視図を示している。締結部材携帯保持具1は板材2に係止孔3が形成されており、この係止孔3に締結部材としてのネジ4が収納されており、更にネジ4を係止孔3に保持するために、図5に示すような突起物5を有しており、また表面部6から裏面部7にかけて締結部材携帯保持具1を引掛けるための引掛け孔8を有している。
【0025】
使用者Pは引掛け孔8に紐等を通して身に着けることができ、締結部材携帯保持具1を携帯することができる。当該締結部材携帯保持具1を用いてネジ4による締結作業を行うと、乱雑状態のネジ4から取り出す必要がなくなり、ネジ4の頭部12が露出されており、軸部11が係止孔3に保持されて収納されているため、収納されたネジ4は係止孔3を横一列に整列されて収納されており既定方向で既定位置のネジ4を手もしくは図15に示すように磁性を有したビット付きの電動ドライバー15を用いて取り出すことができるため、使用者Pはネジ4を取り出す効率が格段に上がり、作業内容によって異なるが本来ならばネジを30本使い終わるのに20〜30分かかる作業時間とすれば約半分近い15分で完了することができる。作業効率も上がると同時にネジ4の頭部12を認識して取り出すことができるためネジ4を下に落とす危険性が少なくなる効果を有する。締結部材携帯保持具1のネジ4を使い終わった後は、予備の締結部材携帯保持具13を付け替えることで作業を再び行うことができる。
【0026】
板材2は主に直方体の形状として用いられ、表面部6または裏面部7、および側面部9からなり、当該板材2の長手側面部においてネジ4を収納して保持するための係止孔3が開口されている。図2に示すように表面部6または裏面部7の一方または両方の中心部分にネジ4の種類を外部からの目視によって判別するための透過孔10を有していてもよい。透過孔10によりネジ4の軸部11を見ることができるため、収納されたネジ4を取り出さなくてもネジ4の種類を判断することができる。または、図3に示すように、ネジ4の軸部11の中心部のみ板材2で覆われており、ネジ4の先端部が見えるような状態で保持することができ、これによりネジ4の種類を判別することができる。
【0027】
ネジ4を保持することができれば、板材2の大きさは限定されず、形状も四角形だけでなく、三角形、多角形や円などの形状でもよい。また、図11に示すように板材2の表面部6または裏面部7のどちらか一方に両面粘着シート18を貼ることで2つの締結部材携帯保持具1を重ねるようにして2段の締結部材携帯保持具1とすることもできる。これにより、2倍の数のネジ4を保持して携帯することが可能になる。ネジ4等の締結部材が軽い場合や小さい場合は使用者Pの負担がかからない限度において、さらに3段、4段とした締結部材携帯保持具1とすることができ、収納して保持できる締結部材の数を増やすことができる。また、複数段の締結部材携帯保持具1にする方法は両面粘着シート18を用いることに限定されず、接着剤、留め具、溶接器具、などを用いて板材2同士が固定できる手段を有してればよい。
【0028】
板材2の色は保持しているネジ4の種類により変えれば、使用者Pは板材2の色を見るとすぐにネジ4の種類を判別することができる。また、板材2の素材はプラスチックなどの合成樹脂、紙、木材またはゴム製が好適に使用でき、ネジ4を保持することができれば素材は限定されないが、少なくとも締結部材携帯保持具1を積み重ねても下方の締結部材携帯保持具1が破損または変形しない程度の強度を有する必要がある。また板材2の素材が透明であれば前記透過孔10はなくてもよい。また、板材2の板厚の内部に係止孔3を形成するのに代えて、板材2の表面部7や裏面部8に袋状の挿入袋を横方向に複数設けてもよい。
【0029】
係止孔3は、ネジ4を収納するための孔であり、形状は円形に限られず楕円形、多角形、扇形または半円状など様々な形を有することができる。係止孔3の大きさはネジ4の大きさと略同一であり、形状は主に四角形のものであれば形成加工がし易く、適度の接触摩擦によって係止されるので好ましいが、ネジ4の頭部12よりも小さい大きさであればよく、ネジ等の締結部材の形状や大きさにより最適な形を選択することができる。図5に示すように係止孔3同士間の距離Lは締結部材の頭部12の大きさによって変えることができる。頭部12が大きいほど係止孔3同士間の距離Lを大きくし、頭部12同士が被らない程度にする必要がある。係止孔3の孔の方向は側面部9から板材2の板厚の内部横方向に直線状に形成されていればよく、図12に示すように側面部9に対して垂直方向だけではなく斜め方向に対して形成されて締結部材を収納していてもよい。また図6図13において係止孔3は貫通していないが、図3から分かるように係止孔3は、側面部9を貫通していてもよく、貫通することでどちらの方向からもネジ4を収納することができる。側面部9の一方にネジ4を全て収納するよりも、左右交互にネジ4を収納することで係止孔3同士間の距離Lが短くなるため多量のネジ4を収納することができる。また、収納されているネジ4の頭部12を見ることができるため、ネジ12の残量をすぐに確認することができる。
【0030】
図3に示すように板材2の表面部6または裏面部7に係止孔3に沿って番号などの識別印を付すことでネジ4の具体的な残数を確認することができる。これにより作業現場に締結部材携帯保持具1を複数個持ってゆく場合もネジ4の数を正確に把握して持っていくことができる。係止孔3は板材2の内部に形成されているため、係止孔3の素材は、主に板材2と同一であるが、係止孔3の形や締結部材の種類により板材2と別の素材を用いてもよい。例えば、係止孔3とネジ4の形状がどちらも円柱状で同一であれば接触面積が増えるため、摩擦係数の大きいゴムの素材だとネジ4が抜けにくくなる恐れがる。そのような同一形状で接触面積が大きい場合は摩擦の少ない素材を用いることが好ましい。
【0031】
突起物5は、前述の通りネジ4が係止孔3から抜け出て脱落しないようにする役割を有しており、ネジ4一本につき少なくとも1つ以上の突起物5等の係止手段があれば好ましい。ネジ4の螺旋構造の窪み部分に突起物5が入り込むことで、ネジ4が引掛り係止孔3からネジ4が抜けにくい仕組みとなっている。突起物5の大きさは、突起物5が大きすぎると引掛りが大きくなりネジ4の出し入れが困難になるためネジ4の大きさによって変える必要があるが、ネジ4の出し入れが円滑に行うことができる程度の大きさであればよい。また、当該突起物5の設置位置は主にネジ4の中心部分上において設置されているが、ネジ4を保持することができれば設置位置はどこでもよい。
【0032】
図13(a)は、係止孔3の入口を塞ぐようにシート材料20が貼られており、シート材料20をネジ4などの締結部材が突き破るように挿入できる一体成形型の締結部材携帯保持具1となっている。これにより、この突き破られたシート材料20の破断片がネジ4の外周囲を引掛けることで係止孔3から外に出ずに保持することができる。また、係止孔3とシート材料20とが一体成形型となっていなくても、係止孔3の入口箇所にシート材料20が覆われていればよく、例えば、図13(b)の係止孔3の入口を、(c)に示すように、片面粘着シート19で覆った締結部材携帯保持具1としてもよい。片面粘着シート19を用いた方が、入口に被せるだけで保持手段を形成することができるため、容易に締結部材携帯保持具1を作製することができる。そして必要であれば、1つの係止孔3に突起物5と、片面粘着シート19またはシート材料20と、を併用して用いることもできるし、1つの締結部材携帯保持具1において、ある係止孔3は突起物5のみを有し、ある係止孔3は片面粘着シート19またはシート材料20のみを有し、ある係止孔3は突起物5と片面粘着シート19またはシート材料20とを両方有したような、係止孔3によって保持手段がそれぞれ異なる締結部材携帯保持具1としてもよい。シート材料20または片面粘着シート19は、紙、布、アルミニウム、ビニール、ポリエステル、ポリエチレン、ポリイミド、セロファン、アセテート、合成樹脂またはこれらの複合素材により形成される。
【0033】
また、図6に示すようにネジ4の直径が係止孔3の直径とほぼ同一且つ、係止孔3の先端部の構造もネジ4の先端部と同一の形状とすることで、接触面積を増大させて摩擦力を上げ、ネジ4を保持することもできる。この場合は、係止孔3は板材2を貫通しておらず、突起物5によりネジ4を保持する場合と比べて、摩擦係数の大きい素材を適用する必要がある。また、ネジ4の先端部のみ摩擦係数の大きい材料とすることもできる。また、ネジ4と係止孔3とが摩擦力を有していれば、係止孔3の先端部の構造はネジ4の構造と略同一形状でなくてもよい。
【0034】
引掛け穴8は締結部材携帯保持具1の端部に表面部6から裏面部7にかけて開けた孔であり、図7及び図8の実施例でも示すように、腰下げベルト14のフック部分に紐をつけて引掛け孔8に紐やフック等をかけることで、手で所持しなくても腰等にぶら下げて締結部材携帯保持具1を携帯することができる。ネジ4を全て使い終わった後は、ネジ4が充填された予備の締結部材携帯保持具13(1)と交換することですぐに再び用いることができる。また実際に使用するときは、図8に示すように、左手で締結部材携帯保持具1を持ち、右手で磁性を有したビットの電動ドライバー15を持ちそのままネジ4の頭部12に当てて差し込んで1本ずつネジ4を取り出して締め付ける。締付が終われば次のネジ4を同じようにして取り出して締め付ける作業を繰り返し行う。従って使用者Pはネジ4を手で触れることなく作業を連続して効率よく行うことができる。
【0035】
また、本発明品を小売店等で陳列する際は、ハングタブタグフック等を有した包装容器を用いて本発明品を吊り下げ棒17に吊り下げることもできるが、図10に示すように当該引掛け孔8を吊り下げ棒17に掛けて吊り下げることもできる。使用者Pは締結部材携帯保持具1を購入した後は、締結部材を収納ケースに詰め替える必要がなくなりそのまま作業現場に行って引掛け孔8に紐等を通してすぐに使用することができる。また、小売業者にとっても棚卸をする際、複数の重なった本発明品の厚みを測ることで本発明の個数がわかるため、締結部材携帯保持具1を数える必要がなくなる利点がある。
【0036】
引掛け穴8に代えて、図14に示すように、板材2の端部にフック21を設けることで、使用者Pの腰等のベルトなどにフック21をかけることも可能である。このようなフック21を用いることで、着脱作業が容易に行うことができるので、作業中に紐等が邪魔になるような現場では当該手段が好適に用いられる。このように使用者Pの用途によって締結部材携帯保持具1を携帯する手段を変えることができ、携帯することができるものであれば引掛け穴8やフック21以外の手段でもよい。
【0037】
また、図9に示す実施例においては、締結部材携帯保持具1の板材2の表面部6または裏面部7のどちらか一面に面ファスナーを有しており作業者Pの腕に巻いたリストバンド16と密着することにより、使用者Pの腕上でネジ4を保持することができる。本実施例においては例えば空間が狭い場所において作業をする際に利き手と逆の腕に締結部材携帯保持具1を取り付けることで、狭い場所でもスムーズに作業を行うことができる。また、本実施例においては使用者Pから見て腕の外側の係止孔3にネジ4を保持すると、腕に締結部材携帯保持具1を装着しているため、ネジ4が取り出しにくくなり腕の内側の係止孔3のみにネジ4を保持することが好ましい。また本実施例の場合においても、腰下げベルト14のフック部分に予備の締結部材携帯保持具13(1)を保持することができる。
【0038】
以上の説明においては、締結部材をネジ4で説明したが、止着部としての軸の先端に頭部を具備している長尺な部材であれば釘やビスなどネジを刻んでいない締結部材であってもよい。
【0039】
また、所定の板厚を有する板材の内部に直線状の係止孔を設ける実施例について説明したが、内部に係止孔を設けることに代えて、板材の表裏面に締結部材を一本ずつ収納する細長な袋状の収納孔を形成する定型状面材を貼り付けて具備するようにした締結部材携帯保持具であっても良い。このような実施例の場合には、定型状面材も板材の一部として捉えることが出来るので、本願の発明の範囲に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明品は全体として簡易な構造をとっているため、工場で大量生産が可能であり、小売店で陳列して販売する際は、全体として直方体の形状であるため収まりがよく、隙間なく吊り下げて販売することができる。またネジ等の締結部材を用いて作業を行う者にとっても、締結部材を扱う作業効率が上昇するため、建築物等の完成までの時間を大幅に短縮することができ、その結果産業の発展に貢献することとなる。
【符号の説明】
【0041】
1 締結部材携帯保持具
2 板材
3 係止孔
4 ネジ(締結部材)
5 突起物
6 表面部
7 裏面部
8 引掛け孔
9 側面部
10 透過孔
11 軸部
12 頭部
13 予備の締結部材携帯保持具
14 腰下げベルト
15 電動ドライバー
16 リストバンド
17 吊り下げ棒
18 両面粘着シート
19 片面粘着シート
20 シート材料
21 フック
【要約】
【課題】販売店から購入したそのままの状態で使用可能で収納ケースに詰め替える必要がなくなり、同時に持ち運びが容易で可能であり、作業を行う際にも効率良く締結部材を取り出すことができ、尚且つ取り出す際に締結部材を誤って落下させにくい締結部材携帯保持具を提供する。
【解決手段】上記目的を達成するために、所定の板厚と横幅を有する板材の側面部から板厚の内部横方向に直線状に形成された複数の係止孔と、前記係止孔に対して軸部が軸方向に挿入されて頭部が前記側面部から露出している締結部材と、前記締結部材を前記係止孔内に係止するための保持手段とを、具備していることを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14