(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の洗濯乾燥機の一実施形態である全自動洗濯乾燥機1について、図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、本実施の形態に係る、全自動洗濯乾燥機1の側面断面図である。
【0024】
全自動洗濯乾燥機1は、外観を構成する筐体10を備える。筐体10は、上下の面が開放された方形筒状の胴体部11と、胴体部11の上面を覆う上面板12と、胴体部11を支持する脚台13とを含む。上面板12には、洗濯物を投入するための投入口14が形成される。投入口14は、開閉自在な上蓋15により覆われる。
【0025】
筐体10内には、外槽20が、防振装置を有する4本の吊棒21により弾性的に吊り下げ支持される。外槽20の上面は、外槽カバー22により覆われる。外槽カバー22には、投入口14に対応する位置に、投入口14とほぼ同じ大きさの開口部22aが形成される。開口部22aは、内蓋23により開閉可能に覆われる。
【0026】
外槽20内には、上面が開放されたほぼ円筒状の洗濯脱水槽24が配される。洗濯脱水槽24の内壁面24aには、全周に亘って多数の脱水孔24bが形成される。洗濯脱水槽24の上部には、バランスリング25が設けられる。洗濯脱水槽24の底部には、パルセータ26が配される。
【0027】
外槽20の外底部には、洗濯脱水槽24およびパルセータ26を駆動するトルクを発生させる駆動ユニット30が配される。駆動ユニット30は、駆動モータ31と、伝達機構部32とを含む。伝達機構部32は、クラッチ機構を有し、当該クラッチ機構による切替操作により、洗い工程およびすすぎ工程では、駆動モータ31のトルクをパルセータ26のみに伝達してパルセータ26のみを回転させ、脱水工程では、駆動モータ31のトルクをパルセータ26および洗濯脱水槽24に伝達してパルセータ26および洗濯脱水槽24を一体的に回転させる。
【0028】
外槽20の外底部には、排水口部20aが形成される。排水口部20aには、排水バルブ40が設けられる。排水バルブ40は、排水ホース41に接続される。排水バルブ40が開放されると、洗濯脱水槽24および外槽20に溜められた水が排水ホース41を通じて機外へ排出される。
【0029】
上面板12の後部には、上面が開口する収容部12aが設けられる。収容部12aの上面は、後カバー16により覆われる。収容部12a内には、洗濯脱水槽24内の洗濯物を乾燥させるための乾燥装置50と外槽20内への給水を行うための給水装置(図示せず)が収容される。
【0030】
次に、パルセータ26の構成について詳細に説明する。
【0031】
図2は、本実施の形態に係る、パルセータ26の斜視図である。
【0032】
パルセータ26は、ほぼ円盤状のベース100と、ベース100の表面に180度の間隔を置いて形成された2枚の羽根部110と、ベース100の外周縁に形成された2つの壁部120とを含む。ベース100は、その表面が中心部101に向かって緩やかに上り傾斜する。
【0033】
各羽根部110は、ベース100の中心部101から外周縁に亘って放射状に延びる。各羽根部110には、直線的に水平方向に延びる頂上部111の両側に、洗濯物を上方に押し上げるための平坦な傾斜面112が形成される。パルセータ26の回転軸方向Xに垂直な面に対する傾斜面112の傾斜角度αは、たとえば45度とされる。傾斜角度αが小さすぎると、乾燥装置50による乾燥時にパルセータ26が回転したとき、傾斜面112を上った洗濯物を高く上げられなくなる。反対に、傾斜角度αが大きすぎると、パルセータ26が回転したとき、洗濯物が傾斜面112を上りにくくなる。よって、傾斜角度αは、30度から60度の範囲に設定されるとよい。
【0034】
ベース100および羽根部110の表面には、多数の通水孔130が形成される。通水孔130は、パルセータ26の裏側に水を通す。
【0035】
壁部120は、ベース100の外周縁に沿うように円弧状に形成される。壁部120は、パルセータ26の回転時、ベース100の表面に載った洗濯物が、遠心力で洗濯脱水槽24の内壁面24a側に移動しようとしたとき、その洗濯物を止めて羽根部110の傾斜面112に向かわせるようにする。これにより、洗濯物が傾斜面112によって良好に跳ね上げられる。
【0036】
次に、乾燥装置50の構成にいて詳細に説明する。
【0037】
図3は、本実施の形態に係る、外槽カバー22の上方に乾燥装置50が設置された状態を示す斜視図である。
図4(a)は、本実施の形態に係る、通気ダクト210の天面が省略された状態の乾燥装置50の斜視図であり、
図4(b)は、本実施の形態に係る、
図4(a)のA−A´線で切断された送風機200の断面図である。
図5(a)および(b)は、それぞれ、本実施の形態に係る、ノズル260の斜視図および側面図である。
図6は、本実施の形態に係る、洗濯脱水槽24を上方から見たときのノズル260の吹出口261の方向について説明するため図である。
【0038】
乾燥装置50は、送風機200と、通気ダクト210と、加熱器220と、第1導入ダクト230と、第2導入ダクト240と、導出ダクト250と、ノズル260とを含む。
【0039】
送風機200は、高風量・高静圧タイプの遠心ファンであり、ファンケーシング201と、ファン202と、ファンモータ203とを備える。ファンケーシング201は、樹脂材料により形成され、その底壁面201aに吸込口204が形成され、その周壁面201bに吐出口205が形成される。ファン202は、ファンケーシング201内に吸込口204と対面するように配置される。ファンモータ203は、ファンケーシング201の天壁面201cに配置され、モータ軸203aがファンケーシング201内に臨み、ファン202に連結される。
【0040】
ファンモータ203によってファン202が回転駆動されると、吸込口204を通じてファン202の中央部に空気が取り込まれ、取り込まれた空気がファン202の外周へと送り出される。これにより、ファンケーシング201内で風が発生し、発生した風が吐出口205から送出される。送風機200の最大風量は、たとえば、3m
3/min程度とされ、最大静圧は、たとえば、11kPa程度とされる。
【0041】
通気ダクト210は、上下に扁平な四角い箱状を有し、ファンケーシング201の右側にファンケーシング201と一体形成される。通気ダクト210は、その内部において左右に延びる仕切壁面213により、第1風路211と第2風路212とに分けられる。なお、第1風路211は、本発明の第1の風路に相当し、第2風路212は、本発明の第2の風路に相当する。
【0042】
第1風路211は、左右方向に長尺であり、左端部がファンケーシング201の吐出口205に繋がる。第1風路211の右端部には、底壁面211aに第1流出口214が形成される。吐出口205から送出された風は、第1風路211内を右方向、即ち第1流出口214に向かって流れる。以下、第1風路211を流れる風を、「第1の風」と称することとする。
【0043】
送風機200は、遠心ファンであり、吐出口205から送出された風は、ファンケーシング201の外側、即ち、
図4(a)の後側ほど流速が速くなる。よって、第1風路211内では、後壁面211b側を流れる第1の風の流速が、後壁面211bに対向する前壁面である仕切壁面213側を流れる第1の風の流速より大きくなる。後壁面211bおよび仕切壁面213は、第1の風の流れ方向に沿う壁面である。なお、後壁面211bは、本発明の第1の壁面に相当し、仕切壁面213は、本発明の壁面および第2の壁面に相当する。
【0044】
仕切壁面213には、吐出口205の近傍に開口部215形成される。開口部215により、第1風路211と第2風路212とが連通する。開口部215における吐出口205と反対側の縁部から第1風路211内に張り出すようにして、案内板216が設けられる。案内板216は、仕切壁面213に垂直な方向から吐出口205側に傾く。案内板216よりも吐出口205側には、開口部215から張出すようにして、案内板216と平行であって案内板216よりも張出量が少ない2つの整流板217が設けられる。なお、案内板216は、本発明の風案内部および風減速部に相当する。
【0045】
第1風路211を流れる第1の風の一部の風が、案内板216にせき止められ、案内板216に案内されるようにして開口部215へ向かい、開口部215から第2風路212内へ流出する。この際、開口部215に向かう一部の風は、整流板217により整流され、円滑に開口部215へと流れる。ただし、一部の風は、案内板216によって一旦はせき止められるので、その流速が低下する。
【0046】
第2風路212は、左右方向に長尺であり、第1風路211の前側に隣接する。第2風路212の右端部には、底壁面212aに第2流出口218が形成される。
【0047】
加熱器220は、たとえば、PTCヒータであり、その内部を通過する風を加熱する。また、加熱器220は、風が通過する方向に扁平な直方体形状を有する。加熱器220は、開口部215を塞ぐように、即ち扁平な方向が開口部215の開口方向と同じとなるように第2風路212に配置される。
【0048】
開口部215を通って第2風路212内へ流出した一部の風は、加熱器220を通過し、加熱器220によって加熱される。以下、加熱器220で加熱された風を、「第2の風」と称することとする。第2の風は、第2風路212内を、第2流出口218に向かって開口部215の開口方向と直交する方向に流れる。
【0049】
第1導入ダクト230は、フレキシブルなダクトであり、ゴム等の弾性材料で形成され、中間部分に蛇腹部231を有する。第1導入ダクト230の上端部は、第1風路211の第1流出口214に接続される。また、第2導入ダクト240は、フレキシブルなダクトであり、ゴム等の弾性材料で形成され、中間部分に蛇腹部241を有する。第2導入ダクト240の上端部は、第2風路212の第2流出口218に接続される。さらに、導出ダクト250は、フレキシブルなダクトであり、ゴム等の弾性材料で形成され、中間部分に蛇腹部251を有する。導出ダクト250の上端部は、ファンケーシング201の吸込口204に接続される。
【0050】
図3に示すように、外槽カバー22には、開口部22aの後方において、右側に第1導入口22bが形成され、第1導入口22bの前方に第2導入口22cが形成され、左側に導出口22dが形成される。第1導入ダクト230の下端部が第1導入口22bに接続される。また、第2導入ダクト240の下端部が第2導入口22cに接続される。さらに、導出ダクト250の下端部が導出口22dに接続される。なお、第2導入口22cは、本発明の導入部に相当する。
【0051】
ノズル260は、ノズル260の前方に向って緩やかに湾曲する断面円形の中空形状を有し、その先端部260aが、ノズル260の前側と後側とが傾斜する先細り形状とされる。ノズル260の先端には、ノズル260の左右方向に延びる長方形のスリット状の吹出口261が形成される。本実施の形態では、ノズル260の軸線方向Lに対して吹出口261の開口方向Dがなす開口角度βが、たとえば、30度から60度の範囲に設定される。
【0052】
ノズル260の上端部には、円環状のフランジ部262が設けられる。ノズル260は、フランジ部262を用いて外槽カバー22の第1導入口22bに下方から取り付けられる。ノズル260が、第1導入口22bを介して第1導入ダクト230の下端部に接続される。
【0053】
ノズル260が外槽カバー22に取り付けられた状態において、ノズル260の軸線方向Lは、鉛直方向と平行となる、よって、ノズル260の吹出口261は、鉛直方向から開口角度βを有して斜め下方向を向く。吹出口261の開口角度βが小さすぎると、即ち吹出口261の開口方向Dが真下に近すぎると、吹出口261から吹き出される風の下方向へ勢いが強くなり過ぎ、洗濯物の上下の動きが悪くなる。一方、吹出口261の開口角度βが大きくなりすぎると、即ち、吹出口261の開口方向Dが水平方向に近すぎると、吹出口261から吹き出される温風の下方向へ勢いが弱くなり過ぎ、後述する洗濯物のしわ伸ばし効果が小さくなる。よって、上述のように、吹出口261の開口角度βは、30度から60度の範囲に設定されるとよい。
【0054】
さらに、
図6に示すように、ノズル260は、洗濯脱水槽24の上部において、バランスリング25を避けるようにして、洗濯脱水槽24の内壁面24a寄りに配置される。そして、ノズル260の向きは、その吹出口261が、洗濯脱水槽24を上方から見たときにパルセータ26の中心Pに向かない方向に開口するように設定される。即ち、
図6の右回り方向をパルセータ26の正転方向Aとし、
図6の左回り方向をパルセータ26の逆転方向Bとしたとき、吹出口261は正転方向A側に向けられる。なお、吹出口261は逆転方向B側に向けられてもよい。また、吹出口261の向く先は、
図6に斜線の楕円で示すように、パルセータ26の中心Pから半分、即ち、
図6に示す1/2Rの長さよりも外周側の領域となる。
【0055】
次に、全自動洗濯乾燥機1の動作について説明する。
【0056】
全自動洗濯乾燥機1では、各種運転コースの洗濯運転、洗濯乾燥運転または乾燥運転が行われる。洗濯運転は、洗濯のみを行う運転であり、洗い工程、中間脱水工程、すすぎ工程および最終脱水工程が順番に実行される。洗濯乾燥運転は、洗濯から乾燥までを連続的に行う運転であり、最終脱水工程に続いて乾燥工程が実行される。乾燥運転は、乾燥のみを行う運転であり、乾燥工程のみが実行される。
【0057】
洗い工程およびすすぎ工程では、洗濯脱水槽24内に水が溜められた状態で、パルセータ26が正転方向Aおよび逆転方向Bに回転する。パルセータ26の回転により洗濯脱水槽24内に水流が発生する。洗い工程では、発生した水流と水に含まれる洗剤とにより洗濯物が洗われる。すすぎ工程では、発生した水流により洗濯物がすすがれる。
【0058】
中間脱水工程および最終脱水工程では、洗濯脱水槽24およびパルセータ26が一体となって高速回転する。洗濯脱水槽24に発生する遠心力の作用により、洗濯物が脱水される。
【0059】
乾燥工程では、乾燥装置50において、送風機200および加熱器220が動作する。送風機200から高速の風が第1の風として通気ダクト210へ送出される。通気ダクト210へ送出された第1の風は、主に第1風路211を流れて第1流出口214から流出され、第1導入ダクト230を通ってノズル260へと至る(
図4(a)実線矢印参照)。そして、第1の風は、ノズル260の吹出口261から洗濯脱水槽24の底部あって、
図6に示すパルセータ26の外周側の領域に向かって勢い良く吹き出す。本実施の形態では、ノズル260の吹出口261から吹き出した直後の温風の流速、即ち初期の流速が、100m/s程度となる。なお、初期の流速は、50m/s以上、好ましくは、80m/s以上とされるとよい。このように、吹出口261から吹き出す温風は、従来の乾燥工程において洗濯脱水槽24内に吹き出す流速20m/s程度の温風よりも大幅に勢いが強いものとなる。
【0060】
一方、通気ダクト210へ送出された第1の風のうち、仕切壁面213側を通る一部の風は、案内板216にせき止められ、その流速を落としつつ開口部215へと向かい、開口部215から第2風路212内へ流出する。開口部215から流出した一部の風は、加熱器220で加熱され、高温、たとえば、80℃程度の第2の風となって第2風路212を流れ、第2流出口218から流出する。第2風路212から流出した第2の風は、第2導入ダクト240を通り、第2導入口22cから、外槽20内、即ち洗濯脱水槽24内に導入される(
図4(a)破線矢印参照)。
【0061】
洗濯脱水槽24内では、パルセータ26が正転方向Aの回転と逆転方向Bの回転とを繰り返す。
【0062】
図7(a)および(b)は、本実施の形態に係る、乾燥工程における洗濯脱水槽24内での洗濯物の動きを模式的に示す図である。
図7(a)および(b)では、パルセータ26と、ノズル260と、洗濯物のみが描かれている。
【0063】
パルセータ26が回転すると、
図7(a)のように、洗濯物は、パルセータ26の羽根部110に押されながら、羽根部110の傾斜面112を滑り上がることにより、羽根部110の進行方向の上方に跳ね上げられる。パルセータ26が正転方向Aに回転する場合、ノズル260からの第1の風が、跳ね上げられた洗濯物が進む方向と反対方向から洗濯物に強く吹き付けられる。
図7(b)に示すように、洗濯物には進行方向への加速力と温風の吹付力とが相反する方向に働くため、これらの力によって洗濯物が水平方向に拡げられ、洗濯物のしわが伸ばされる。ここで、パルセータ26による撹拌時、洗濯物は、遠心力によってパルセータ26の外周側に集まりやすいが、ノズル260の吹出口261の向く先がパルセータ26の外周側の領域であるため、外周側で跳ね上げられた洗濯物に温風が当たりやすい。
【0064】
さらに、第2導入口22cから導入された高温の第2の風により、外槽20内、即ち、洗濯脱水槽24内が温められ、これによって洗濯物が乾かされる。
【0065】
なお、外槽20内の空気は、導出口22dから導出され、導出ダクト250を通って送風機200、即ちファンケーシング201内に取り込まれる。
【0066】
<実施の形態の効果>
以上、本実施の形態によれば、パルセータ26の傾斜面112の作用によって上方に跳ね上げられた洗濯物にノズル260から第1の風が強く吹き付けられる構成とされているので、洗濯脱水槽24内で洗濯物が拡がりやすく、乾燥時に洗濯物にしわが発生しにくくなる。
【0067】
また、本実施の形態によれば、第1風路211を流れる第1の風の一部の風が、案内板216により減速されつつ開口部215から第2風路212へと流出され、流速が低下した一部の風が加熱器220に通される。これにより、加熱器220を通過する一部の風が良好に加熱され、この結果、第2風路212内で高温の第2の風を発生させることができる。そして、高温の第2の風が導入されることにより、外槽20内、即ち洗濯脱水槽24内を良好に温めることができる。したがって、第1の風の吹き付けより洗濯物のしわの発生を抑制させつつ、第2の風の導入により洗濯物を良好に乾燥させることができる。さらに、第2の風を発生させるために、新たな送風機を用いる必要がなく、送風機200だけで済み、コストの増加が抑えられる。
【0068】
なお、第1風路211を高速で流れる第1の風が加熱器220で加熱される構成の場合、加熱器220の通過が速いため第1の風を良好に加熱できず、第1の風が高温になりにくい。このため、外槽20内、即ち洗濯脱水槽24内を良好に温めることができない。よって、洗濯物のしわは発生しにくくなるものの、乾燥性能が低下しやすい。
【0069】
さらに、本実施の形態によれば、第1風路211を通る第1の風の流速が遅い側に位置する仕切壁面213に開口部215が設けられているので、後壁面211bに開口部215が設けられる場合に比べて、より遅い一部の風を第2風路212の加熱器220に導くことでき、その一部の風を加熱器220で、一層良好に加熱することができる。
【0070】
さらに、本実施の形態によれば、第2風路212が、第2の風が開口部215の開口方向と直交する方向に流れる構成とされ、加熱器220が、開口部215を塞ぐように、即ち、扁平な方向が開口部215の開口方向と同じになるように第2風路212内に配置されるので、扁平な方向が第2の風の流れ方向と平行となるように加熱器220が第2風路212内に配置される場合に比べて、第2風路212が第2の風の流れ方向に直交する方向、即ち、幅方向に大きくならないようにすることができ、第2風路212、延いては通気ダクト210をコンパクトにできる。
【0071】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態等によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0072】
<変更例1>
図8は、変更例1に係る、通気ダクト210の天面が省略された状態の乾燥装置50の斜視図である。
【0073】
本変更例では、第2風路212内において、加熱器220の下流に、他の部分よりも流路が絞られた絞り部219が設けられる。絞り部219は、山形の第1の突部219aおよび第2の突部219bが、他の部分より狭い流路を形成する所定の間隔を開けて対向する構成とされる。このように、絞り部219が設けられた場合、加熱器220の出口側で第2の風が滞留しやすくなるので、加熱器220へ導入される風の流速を一層低下させることができ加熱器220を通過する風が一層良好に加熱される。
【0074】
<変更例2>
図9(a)は、変更例2に係る、乾燥装置50の斜視図であり、
図9(b)は、変更例2に係る、ノズル270の側面図である。
図10は、変更例2に係る、
図9(a)のB−B´断面で切断した乾燥装置50の要部の斜視断面図である。
【0075】
本変更例の乾燥装置50では、上記実施の形態のノズル260に替えて、ノズル270が設けられる。また、上記実施の形態と異なり、第2風路212に第2流出口218が設けられず、第2流出口218に接続される第2導入ダクト240が設けられない。替わって、第2風路212には、仕切壁面213に第3流出口281が形成され、第3流出口281から流出管282が第1流出口214の中央部まで延びる。流出管282の第1流出口214側の端部では、その両側に設けられた連結リブ283が第1流出口214の開口縁部に接続される。これにより、流出管282が第1風路211内に固定される。
【0076】
ノズル270は、上部270aが円筒形状であり、下部270bが先細りの形状を有して下斜め方向に延びる。ノズル270の下部270bの先端に、円形の吹出口271が形成される。ノズル270の軸線方向Lに対して吹出口271の開口方向Dがなす開口角度βは、上記実施の形態のノズル260と同様、30度から60度の範囲に設定されるとよい(
図9(b)参照)。
【0077】
ノズル270の上端には円環状のフランジ部272が形成され、フランジ部272に複数の挿通孔273が形成される。ノズル270は、外槽カバー22の第1導入口22bに下方から取り付けられる。このとき、フランジ部272の挿通孔273を通されたネジ(図示せず)が第1導入口22bの周囲に止められる。ノズル270が、第1導入口22bを介して第1導入ダクト230の下端部に接続される。
【0078】
ノズル270の内部には、導入管274がノズル270と一体に設けられる。導入管274は、ノズル270の曲がりに対応して屈曲する形状を有し、その導入口275が吹出口271に向かって開口する。導入管274は、導入口275の近傍部分が、その両側に設けられた連結リブ276によってノズル270の内壁面に固定される。導入管274は、第1導入ダクト230の内部に挿入された第3導入ダクト290を介して流出管282に接続される。第3導入ダクト290は、フレキシブルなダクトであり、ゴム等の弾性材料で形成され、中間部分に蛇腹部291を有する。なお、導入管274は、本発明の導入部に相当する。
【0079】
本変更例の乾燥装置50では、第2風路212で発生した高温の第2の風が第3流出口281から流出し、流出した第2の風が、流出管282、第3導入ダクト290および導入管274を通って導入口275から放出される(
図10の破線矢印参照)。一方、第1風路211を流れて来た第1の風は、第1流出口214から流出され、第1導入ダクト230内で第3導入ダクト290の周りを流れ、ノズル270内へと至る。ノズル270内に流れ込んだ第1の風は、導入管274の周りを流れ、導入口275から放出された第2の風とともに吹出口271から吹き出す(
図10の実線矢印参照)。
【0080】
これにより、第2の風は、第1の風の勢いに乗って洗濯脱水槽24の下方まで運ばれる。よって、本変更例の構成では、第2の風によって外槽20内、即ち洗濯脱水槽24内を効果的に温めることができる。
【0081】
<その他の変更例>
上記実施の形態では、外槽カバー22の開口部22aよりも後側、即ち、洗濯脱水槽24の上部の後側に、乾燥装置50のノズル260が配置された。しかしながら、ノズル260の位置は、これに限定されるものではなく、適宜変更されてよい。たとえば、外槽カバー22の開口部22aより前側にノズル260が配置されてもよい。
【0082】
また、ノズル260、270やパルセータ26以外、種々の形状のノズルやパルセータが用いられてよい。
【0083】
さらに、送風機200は、遠心ファン以外のファンでもよく、加熱器220は、PTCヒータ以外のヒータでもよい。
【0084】
さらに、上記実施の形態では、案内板216によって、第1の風の一部の風を、その流速を低下させた後に第2風路212に流出させるようにした。しかしながら、第1の風の一部の風を減速させる風減速部は、案内板216以外の構成であってもよく、また、第2風路212内において加熱器220で加熱される前に風の流速を低下させるようにしてもよい。この場合、たとえば、加熱器220が開口部215と少し距離を置いて配置され、加熱器220の上流側に、風の抵抗となる抵抗板が配置されるような構成を採ることができる。
【0085】
さらに、上記実施の形態では、第2導入口22cが、外槽20の上部、即ち外槽カバー22に設けられた。しかしながら、第2導入口22cが外槽20の側壁下部に設けられ、その位置まで第2導入ダクト240が延ばされるような構成が採られてもよい。この場合、外槽20内の下部の位置から高温の第2の風を導入させることができる。
【0086】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。