(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施の形態である無線通信システム1について説明する。
図1を参照すると、無線通信システム1は2つの無線通信装置、第1の無線通信装置10、第2の無線通信装置20からなる。
【0019】
第1の無線通信装置10、第2の無線通信装置20は、互いにポイントツーポイントの無線通信を行う。後述するように、第1の無線通信装置10、第2の無線通信装置20は、どちらも、互いに異なる通信方式に従って無線通信を行う複数の無線通信I/F(インタフェース)を備えるものであればよい。第1の無線通信装置10、第2の無線通信装置20の一方或いは両方が、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ワークステーション、PDA (Personal Data Assistant)、スマートフォン等の携帯電話端末といった情報処理装置であってもよい。或いは、第1の無線通信装置10、第2の無線通信装置20の一方或いは両方が、キーボード、マウス、スキャナ、プリンタといった周辺機器であってもよい。
【0020】
図2に示すように、第1の無線通信装置10は、筐体11、第1の無線通信部12、第2の無線通信部13、制御部14、ケーブル15を備える。第2の無線通信装置20は、筐体21、第1の無線通信部22、第2の無線通信部23、制御部24を備える。
【0021】
第1の無線通信装置10の各部について説明する。筐体11は第2の無線通信部13、制御部14を含む装置の各部を収容する筐体である。ただし、ケーブル15の大部分は筐体11の外に延びている。また、第1の無線通信部12はケーブル15の先端に接続され、筐体11の内部に収容されていない。
【0022】
尚、第1の無線通信部12は、ケーブル15に接続された状態で筐体11の外に出すことが可能であればよい。このため、例えば、第1の無線通信部12を収容するための空間を収容部と、ケーブル15の巻き取り機構とを筐体11の内部に設けて、第1の無線通信部12を筐体11から出し入れ可能としてもよい。第1の無線通信部12を筐体11の内部から外部に取り出すとき、巻き取り機構からケーブル15が延びるように構成する。逆に、筐体11の外部から内部に第1の無線通信部12を収容するときには、ケーブル15を巻き取り機構に巻き取らせるように構成する。
【0023】
第1の無線通信部12は第1の通信方式に従って無線通信を行うための無線通信I/Fである。第1の無線通信部12は、送信機と受信機の間の距離、即ち、通信圏が、数cm程度かそれより短距離であるような近接無線通信を行うための無線通信I/Fである。第1の通信方式はそのような近接無線通信に好適な無線通信方式であり、例えば、NFC (Near Field Communication)、ZigBee
(登録商標)が考えられる。
【0024】
第2の無線通信部13は、第2の通信方式に従って無線通信を行うための無線通信I/Fである。第2の無線通信部13は、第1の無線通信部12よりも電波の到達距離が長く、広い通信圏を有する。また、第2の無線通信部13は、第1の無線通信部12よりも高速な無線通信を行うことが好ましい。第2の通信方式はそのような無線通信に好適な無線通信方式であり、例えば、Wi-Fi、Bluetoothが考えられる。
【0025】
制御部14は、第1の無線通信部12、第2の無線通信部13を含む第1の無線通信装置10の各部の動作を制御するプロセッサである。
【0026】
ケーブル15は第1の無線通信部12と制御部14とを電気的に接続するためのケーブルである。
【0027】
第2の無線通信装置20の各部について説明する。筐体21は第2の無線通信装置20の各部を収容する筐体である。第1の無線通信装置10における第1の無線通信部12とは異なり、筐体21は第1の無線通信部22も収容する。
【0028】
第1の無線通信部22は、第1の無線通信装置10における第1の無線通信部12に対応し、第1の無線通信部12と同様に、第1の通信方式に従って近接無線通信を行うための無線通信I/Fである。第1の無線通信部12と第1の無線通信部22の間には第1の通信方式に従って第1の通信経路31を確立することができる。
【0029】
第2の無線通信部23は、第1の無線通信装置10における第2の無線通信部13に対応し、第2の無線通信部13と同様に、第2の通信方式に従って無線通信を行うための無線通信I/Fである。第2の無線通信部13と第2の無線通信部23の間には第2の通信方式に従って第2の通信経路32を確立することができる。
【0030】
制御部24は、第1の無線通信部22、第2の無線通信部23、記憶部25を含む第2の無線通信装置20の各部の動作を制御するプロセッサである。
【0031】
次に、無線通信システム1の動作について
図3を参照して説明する。今、第1の無線通信装置10と第2の無線通信装置20は、第1の無線通信部12、22の間では通信できない程度に互いに離間し、かつ、第2の無線通信部13、23の間では通信可能な程度に互いに離間して配置されているものとする。上述のように、第1の無線通信部12、22は近接無線通信を行うための無線通信I/Fであり、第2の無線通信部13、23はそれよりも長距離で無線通信を行うための無線通信I/Fである。このため、第1の無線通信装置10と第2の無線通信装置20とをこのような位置関係で配置することが可能である。
【0032】
この時点では、第2の無線通信部13、23の間に第2の通信経路32を確立していてもよいし、確立していなくてもよい。ただし、既に第2の通信経路32を確立している場合、第2の通信経路32を介した通信は禁止されているものとする。このような、第2の通信経路32を介した通信の制限は、第2の無線通信装置20の側で制御部24が行うこととしてもよい。或いは、第1の無線通信装置10の側で制御部14が行うこととしてもよい。或いは、制御部14、24が連携して行うこととしてもよい。以下では、制御部24が第2の通信経路32を介したデータ通信の可否を制御するものして説明する。いずれにしても、最初の時点では、第2の無線通信部13、23は互いの通信圏内にあるものの、通信を行わない。
【0033】
まず、第1の無線通信装置10の筐体11からケーブル15を延ばし、第1の無線通信部12を第1の無線通信部22に近づけていく(ステップS1)。
【0034】
第1の無線通信部12、22間の距離が次第に短くなり、互いの通信圏内に入ると、第1の無線通信部12と第1の無線通信部22との間に第1の通信経路31を確立する(ステップS2)。第1の通信経路31を確立するのに先立って、認証処理は行わなくともよい。認証処理を行わない場合、第1の無線通信部12、22は、単に、互いの通信圏内に入り次第、第1の通信経路31を確立する。
【0035】
第1の通信経路31の確立は、第2の通信経路32を介した通信の実行を許可するための認証の手法として機能する。この許可に応じて、第2の通信経路32が未確立の場合、第2の無線通信部13、23は互いの間に第2の通信経路32を確立する。第2の通信経路32が既に確立しているものの通信を制限している場合には、その制限を解除する。そして第2の通信経路32を介したデータ通信を開始する(ステップS3)。上述のように、第2の通信経路32は第1の通信経路31よりも高速なため、第2の通信経路32の確立後は高速な無線データ通信を行うことができる。
【0036】
第2の無線通信部13、23が第2の通信経路32を介してデータ通信を行っている間、第1の無線通信部12、22は、一定時間毎に、第1の通信経路31が維持されているか確認する(ステップS4)。第1の通信経路31が維持されている場合、第2の通信経路32はそのまま維持される。
【0037】
言い換えると、筐体11にケーブル15を介して接続された第1の無線通信部12と、筐体21内に配置された第1の無線通信部22との間の距離が、互いの通信圏内にあるほどに近い場合、第2の通信経路32は維持される。従って、第2の通信経路32を介してデータ通信が可能な状態が維持される。
【0038】
他方、ステップS4にて第1の通信経路31が維持されていないことを検知すると、制御部24は第2の無線通信部23に第2の通信経路32を介したデータ通信を中断させる(ステップS5)。即ち、制御部24は、第2の無線通信部23に第2の通信経路32を解放させる。或いは、制御部24は、第2の無線通信部23に第2の通信経路32を維持させつつも、第2の通信経路32経由のデータ通信を中断させる。その結果、第1の無線通信装置10と第2の無線通信装置20の間の第2の通信経路32を介したデータ通信は実行不可能な状態となる。
【0039】
言い換えると、筐体11にケーブル15を介して接続された第1の無線通信部12と、筐体21内に配置された第1の無線通信部22との間の距離が、互いの通信圏外になるほどに離れた場合、第2の通信経路32を介したデータ通信はできなくなる。
【0040】
このように、無線通信システム1では、第1の無線通信部12と第1の無線通信部22とが互いの通信圏内にあることと、第2の通信経路32を介したデータ通信が可能な状態とが対応する。一方、第1の無線通信部12と第1の無線通信部22とが互いの通信圏内にないことと、第2の通信経路32を介したデータ通信が不可能な状態とが対応する。また、第1の無線通信装置10において、第1の無線通信部12はケーブル15を介して筐体11に接続されている。
【0041】
このため、第1の無線通信部12と第1の無線通信部22とを互いの通信圏内まで近づけて配置したとき、第1の無線通信装置10と第2の無線通信装置20とがあたかもケーブル15で有線接続されているかのような外観をなす一方、第1の無線通信部12と第1の無線通信部22とを互いの通信圏外まで遠ざけたとき、その有線接続が切断されたかのような外観をなす。
【0042】
このような外観を提示することにより、無線通信システム1によれば、第1の無線通信装置10と第2の無線通信装置20の間に第2の通信経路32が確立しているか否かを、第1の無線通信装置10と(第2の無線通信装置20を収容した)筐体20の位置関係として視覚的にユーザに提示することができる。
【0043】
次に、上述の実施形態の一変形である無線通信システム2について説明する。上述の無線通信システム1では、第1の通信経路31の確立に先立って、第2の通信経路32は確立していてもよいし、していなくてもよいものとして説明した。ここで説明する無線通信システム2では、第1の通信経路31の確立に先立って第2の通信経路32は確立しない。
【0044】
図4に示すように、無線通信システム2では、第2の無線通信装置20は記憶部25を更に備える。記憶部25は、第2の通信方式に従って第2の無線通信部23と無線通信を行うために必要な設定情報26を格納する記憶装置である。記憶装置の種類は問わない。例えば、半導体記憶装置のようなメモリ装置であってもよいし、固定磁気ディスク装置のようなストレージ装置であってもよい。設定情報26は、第2の通信経路32を確立するのに先立って、第2の無線通信部23が相手の無線通信装置に対して要求する認証情報、例えば識別情報、パスワードが含まれる。更に、設定情報26には、IEEE 802.11a、IEEE 802.11b、IEEE 802.11g、IEEE 802.11n、IEEE 802.11acといったWi-Fi規格の種類や、周波数帯、チャネル、OFDM(直交周波数分割多重)方式、MIMO(空間多重)方式といった伝送方式、搬送波数、伝送速度、WEP (Wired Equivalent Privacy)、WPA2-PSK、WPA/WPA2-PSK、WPA/WPA2-PSKといった無線通信のためのセキュリティ方式に関する情報等を含むこととしてもよい。以下、設定情報26のうち、認証情報以外の情報を総称して通信諸元と呼ぶものとする。
【0045】
次に、無線通信システム2の動作について説明する。今、第1の無線通信装置10と第2の無線通信装置20は、第1の無線通信部12、22の間では通信できない程度に互いに離間し、かつ、第2の無線通信部13、23の間では通信可能な程度に互いに離間して配置されているものとする。上述のように、第1の無線通信部12、22は近接無線通信を行うための無線通信I/Fであり、第2の無線通信部13、23はそれよりも長距離で無線通信を行うための無線通信I/Fである。このため、第1の無線通信装置10と第2の無線通信装置20とをこのような位置関係で配置することが可能である。
【0046】
この時点で、第2の無線通信部13、23は互いの通信圏内にあるが、第2の無線通信部13、23の間には第2の通信経路32を確立していない。このため、無線通信システム2は第2の通信経路32を介したデータ通信を実行できない状態にある。
【0047】
図5を参照すると、まず、第1の無線通信装置10の筐体11からケーブル15を延ばし、第1の無線通信部12を第1の無線通信部22に近づけていく(ステップS21)。
【0048】
第1の無線通信部12、22間の距離が次第に短くなり、互いの通信圏内に入ると、第1の無線通信部12と第1の無線通信部22との間に第1の通信経路31を確立する(ステップS22)。第1の通信経路31を確立するのに先立って、認証処理は行わなくともよい。認証処理を行わない場合、第1の無線通信部12、22は、単に、互いの通信圏内に入り次第、第1の通信経路31を確立する。
【0049】
ステップS22で確立した第1の通信経路31を介して、第2の無線通信装置20から第1の無線通信装置10に設定情報26を送信する(ステップS23)。即ち、第2の無線通信装置20では、第1の通信経路31の確立の検知に応じて、制御部24は、記憶部25から設定情報26を読み出す。そして、制御部24は、第1の無線通信部22を用いて第1の通信経路31を介して第1の無線通信部12に設定情報26を送信する。
【0050】
次に、第1の無線通信装置10において、制御部14は、第2の無線通信部13により、設定情報26に含まれる認証情報に基づく接続要求を、第2の無線通信部23に対して行う(ステップS24)。上述のように、設定情報26には、第2の通信経路32を確立するのに先立って、第2の無線通信部23が相手の無線通信装置に対して要求する認証情報が含まれている。制御部14は、第1の無線通信部12にて受信した設定情報26から認証情報を抽出する。そして、制御部14は、抽出した認証情報を用いて、第2の無線通信部13に第2の無線通信部23への接続要求を実行させる。
【0051】
次に、第2の無線通信装置20において、第2の無線通信部13から送信された認証情報に基づいて、制御部24は、第2の無線通信部23への接続要求を許可する(ステップS25)。即ち、制御部24は、第2の無線通信部23で受信した接続要求に含まれる認証情報と、記憶部25に格納している設定情報26に含まれる認証情報とを比較して、接続要求を許可するか否かを判定する。
【0052】
認証に成功すると、第2の無線通信部13と第2の無線通信部23との間に第2の通信経路32を確立(ステップS26)し、第1の無線通信装置10と第2の無線通信装置20との間で、第2の通信経路32を介したデータ通信を行う(ステップS27)。上述のように、第2の通信経路32は第1の通信経路31よりも高速なため、第2の通信経路32の確立後は高速な無線データ通信を行うことができる。尚、認証に失敗した場合には、第2の通信経路32を確立しない。
【0053】
このように、第2の無線通信部23は、設定情報26に含まれる認証情報に基づく認証処理を経て、第2の通信経路32の確立を許可する。第1の通信経路31を確立する際の認証は必須ではないが、第2の通信経路32を確立する際の認証は必須である。このため、第1の無線通信装置10は、第2の無線通信部13、23が互いの通信圏内にある場合であっても、第1の通信経路31を介して設定情報26を予め受信しない限り、第2の無線通信装置20と第2の通信経路32を介してデータ通信を行うことはできない。
【0054】
また、第2の通信経路32が確立するときの無線通信システム1の状況を見ると、
図1に示すように、筐体11からケーブル15が第2の無線通信装置20に向かって延びて、無線通信システム1の中において、第1の無線通信部12、22がごく近い位置に配置された状況となっている。このような状況は、見たものに対して、あたかも第1の無線通信装置10と第2の無線通信装置20とが、ケーブル15を介して有線接続しているかのような錯覚を与える。
【0055】
第2の無線通信部13、23が第2の通信経路32を介してデータ通信を行っている間、第1の無線通信部12、22は、一定時間毎に、第1の通信経路31が維持されているか確認する(ステップS28)。第1の通信経路31が維持されている場合、第2の通信経路32はそのまま維持される。
【0056】
言い換えると、筐体11にケーブル15を介して接続された第1の無線通信部12と、筐体21内に配置された第1の無線通信部22との間の距離が、互いの通信圏内にあるほどに近い場合、第2の通信経路32は維持される。従って、第2の通信経路32を介してデータ通信が可能な状態が維持される。
【0057】
他方、ステップS28にて第1の通信経路が維持されていないことを検知すると、制御部24は第2の無線通信部23に第2の通信経路32を解放させる(ステップS9)。その結果、第1の無線通信装置10と第2の無線通信装置20の間の第2の通信経路32を介したデータ通信は継続できない状態となり、実行中の通信は切断される。
【0058】
言い換えると、筐体11にケーブル15を介して接続された第1の無線通信部12と、筐体21内に配置された第1の無線通信部22との間の距離が、互いの通信圏外になるほどに離れた場合、第2の通信経路32は解放され、実行中のデータ通信は切断される。
【0059】
このように、無線通信システム2では、第1の無線通信部12と第1の無線通信部22とが互いの通信圏内にあることと、第2の通信経路32の確立とが対応する。一方、第1の無線通信部12と第1の無線通信部22とが互いの通信圏外にあることと、第2の通信経路32の未確立とが対応する。
【0060】
次に、無線通信システム1の一変形である無線通信システム40について説明する。
図6、
図7を参照すると、無線通信システム40は、それぞれが第2の無線通信装置20に対応する複数の第2の無線通信装置20−1、20−2、20−3、…、20−N(Nは2以上の自然数)を備える点で無線通信システム1と異なる。このようなシステムの例としては、パチンコ店、パチスロ店等におけるパチンコ台、パチスロ台等の遊技機(第2の無線通信装置20−1、20−2、20−3、…、20−Nに対応する)と、その設定等を行う店舗端末(第1の無線通信装置10に対応する)がある。
【0061】
尚、
図6、
図7には、第1の無線通信装置10、第2の無線通信装置20−1、20−2、20−3、…、20−Nの構成を簡略化したものが記載されているが、どの無線通信装置も、無線通信システム1において対応するものと同様の構成を有するものとする。例えば、
図6、
図7には、第2の無線通信部13、制御部14を図示していないが、無線通信システム40の第1の無線通信装置10もこれらを備えるものとする。
【0062】
同様に、
図6、
図7の第2の無線通信装置20−1、20−2、20−3、…、20−Nには、筐体21、第1の無線通信部22、第2の無線通信部23、制御部24を図示していないが、これらも設けられているものとする。以下、これら不図示の要素について第2の無線通信装置20−1、20−2、20−3、…、20−Nのいずれかを指定して言及する際には、筐体21、第1の無線通信部22、第2の無線通信部23、制御部24の各参照符号の後ろに続けて補助の参照符号を追加して言及する。例えば第2の無線通信装置20−1であれば、筐体21−1、第1の無線通信部22−2、第2の無線通信部23−1、制御部24−1を備える。第2の無線通信装置20−2、20−3、…、20−Nについても同様である。
【0063】
動作についても基本的には無線通信システム1と同様である。即ち、無線通信システム40の第1の無線通信装置10は無線通信システム1の第1の無線通信装置10と同様に動作する。第2の無線通信装置20−1、20−2、20−3、…、20−Nは、それぞれ無線通信システム1の第2の無線通信装置20と同様に動作する。
【0064】
今、第1の無線通信装置10の第2の無線通信部13は、第2の無線通信装置20−1、20−2、20−3、…、20−Nの第2の無線通信部23−1、23−2、…、23−Nの通信圏内にあるものとする。逆に、第2の無線通信装置20−1、20−2、20−3、…、20−Nの第2の無線通信部23−1、23−2、…、23−Nも、それぞれ、第1の無線通信装置10の第2の無線通信部13の通信圏内にある。通信圏41、42−1、42−2、…42−Nは、それぞれ順に、第1の無線通信部12、22−1、22−2、…、22−Nの通信圏を示す。
【0065】
最初に、
図6に示すように、第1の無線通信装置10の第1の無線通信部12と、第2の無線通信装置20−1の第1の無線通信部22−1とは、互いの通信圏内にある。このとき、無線通信システム1に関して説明したように、第1の無線通信部12と第1の無線通信部22−1との間には第1の通信経路31−1が確立され、これに応じて、第2の通信経路32−1を介したデータ通信が可能な状態となる。
【0066】
上述したように、第1の無線通信部12の通信圏は数cm程度かそれより短距離なので、このとき、第1の無線通信部22−1、22−2、…、22−Nのうち、第1の無線通信部12に最も近い距離にあるのが、第2の無線通信装置20−1の筐体21−1の中にある第1の無線通信部22−1であることは視覚的に容易に区別することができる。その結果、無線通信システム40は、第2の通信経路32−1経由のデータ通信を実行中であることを視覚的に提示することができる。
【0067】
また、このとき、ケーブル15は、あたかも、筐体11と第2の無線通信装置20−1の間を有線接続しているかのように両者の間を繋いでいる(かのように見える)ので、このことによっても、無線通信システム40は、第2の通信経路32−1経由のデータ通信を実行中であることを視覚的に提示することができる。
【0068】
図6に示した位置関係から第1の無線通信部12を移動させた状態を
図7に示す。図示したように、第1の無線通信部12の移動に伴って通信圏41が移動し、最も近い位置にある他の第1の無線通信部が、第1の無線通信部22−1から第1の無線通信部22−2に代わる。これに応じて、第2の通信経路32−1経由のデータ通信を終了し、代わって第2の通信経路32−2経由のデータ通信を実行する。
【0069】
また、第1の無線通信部12の移動に伴ってケーブル15が延びる向きも変わる。今度は、ケーブル15は、あたかも、筐体11と第2の無線通信装置20−2の間を繋いでいるかのように見える。実際には、第1の無線通信部12、22は無線通信を行っているので、有線接続はされていない。
【0070】
このように、第1の無線通信装置10が、第2の無線通信装置20−1、20−2、20−3、…、20−Nのうちどれとの間で第2の通信経路32経由のデータ通信を実行しているのかを、第1の無線通信部12の位置とケーブル15が延びる向きによって視覚的に提示することができる。
【0071】
また、第1の無線通信部12、22を互いの通信圏内まで近づけることを、第2の通信経路経由のデータ通信を実行する際の認証手法として用いているので、ユーザは、単に第1の無線通信部12を第1の無線通信部22に近づけるだけで第2の通信経路を介した高速なデータ通信を行うことができる。
【0072】
以上、本発明を実施の形態及びその変形に即して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0073】
例えば、無線通信システム2では、第2の通信経路32を確立するための設定情報26を格納する記憶部25を第2の無線通信装置20に設けて、第1の通信経路31を介して、第2の無線通信装置20から第1の無線通信装置10に設定情報26を通知した。しかし、第2の通信経路を確立するための設定情報を格納しておく記憶部を、必ずしも第2の無線通信装置20に設ける必要はなく、第1の無線通信装置10に設けることとしてもよいことは、当業者には明らかであろう。
【0074】
第2の通信経路32のための設定情報を記憶する記憶部を第1の無線通信装置10に設ける場合、第1の通信経路31を介して、第1の無線通信装置10から第2の無線通信装置20に設定情報を通知する。第2の無線通信装置20は、通知された設定情報を用いて、第1の無線通信装置10に第2の通信経路32による接続要求を行う。第1の無線通信装置10は、接続要求に含まれる認証情報と、自身の記憶部に格納している設定情報に含まれる認証情報とを比較し、一致する場合にのみ接続要求を許可して、第2の無線通信部13、23の間に第2の通信経路32を確立する。
【0075】
また、無線通信システム2において、第2の通信経路32の確立を、第1の通信経路31を介して送信した設定情報に基づくもののみに限定することとしてもよい。例えば、無線通信システム1において、制御部24は、予め第1の通信経路31を介して送信した設定情報に基づく認証情報を含む、第2の無線通信部23に対する接続要求のみを許可する。その一方で、それ以外の接続要求を一律に不許可にすることとする。このようにすれば、例えば、第2の無線通信装置20の管理者の目が届かない場所から、第2の無線通信部23との間に第2の通信経路を確立しようとする試みを排除することができるので、セキュリティの向上を図ることができる。
【0076】
また、第1の無線通信装置10は、筐体11から延びるケーブル15の先端に第1の無線通信部12を設けたものとなっているが、
図8の第1の無線通信装置51のように、アンテナ12−1と、それ以外の主要部12−2とに二分することとしてもよい。この場合、主要部12−2を筐体11に内蔵する一方、ケーブル15を介して筐体11の外部にアンテナ12−1を延ばす。
【0077】
この場合、第2の通信経路32経由のデータ通信の可否に関して、無線通信システム1の第1の無線通信部12に相当する機能を有するのはアンテナ12−1のみであり、主要部12−2の位置は第2の通信経路32経由のデータ通信の可否に関与しない。
【0078】
上記の実施形態の一部又は全部は以下の付記のようにも記載されうるが、これらに限定されるものではない。
【0079】
(付記1)
第1の無線通信方式に従って無線通信を行うための第1の無線通信手段、
前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式に従って無線通信を行うための無線通信手段であって、前記第1の無線通信手段よりも通信圏が広い第2の無線通信手段、
筐体、及び、
前記筐体から外部に向かって延びて、前記第1の無線通信手段の少なくともアンテナを含む一部乃至全部と、前記筐体内の回路とを電気的に接続するケーブル
を備え、
前記第1の無線通信手段と、当該他の無線通信装置が備える前記第1の無線通信手段との間に確立される通信経路を第1の通信経路と呼び、前記第2の無線通信手段と、前記他の無線通信装置が備える前記第2の無線通信手段との間に確立される通信経路を第2の通信経路と呼ぶとき、
前記ケーブルに接続された前記第1の無線通信手段の一部乃至全部と、前記他の無線通信装置が備える前記第1の無線通信手段とが互いの通信圏内に入ったことに応じて、前記第1の通信経路を確立し、
前記第1の通信経路の確立に応じて、前記第2の通信経路を介した通信を実行不可能な状態から実行可能な状態に移行する
無線通信装置。
【0080】
(付記2)
確立した前記第1の通信経路の解放に応じて、前記第2の通信経路を介した通信を実行不可能な状態に移行する
付記1に記載の無線通信装置。
【0081】
(付記3)
前記第2の通信経路を介した通信を実行可能な状態は、前記第2の通信経路を確立し、かつ、前記第2の通信経路を介した通信を許可する状態であり、
前記第2の通信経路を介した通信を実行不可能な状態は、前記第2の通信経路を確立し、かつ、前記第2の通信経路を介した通信を制限する状態である、
付記1または付記2に記載の無線通信装置。
【0082】
(付記4)
前記第2の通信経路を介した通信を実行可能な状態は、前記第2の通信経路を確立した状態であり、
前記第2の通信経路を介した通信を実行不可能な状態は、前記第2の通信経路を解放した状態である、
付記1または付記2に記載の無線通信装置。
【0083】
(付記5)
前記第1の無線通信手段は、前記確立した第1の通信経路を介して、前記第2の通信経路を確立するための設定情報を、前記他の無線通信装置との間で送信或いは受信し、
前記第2の無線通信手段は、前記送信或いは受信した設定情報に基づいて、前記他の無線通信装置との間に前記第2の通信経路を確立する
付記4に記載の無線通信装置。
【0084】
(付記6)
前記設定情報は認証のために用いる情報である認証情報を含み、
前記第1の通信経路の確立に先立って認証が行われることなく、かつ、前記第2の通信経路の確立に先立って、前記認証情報に基づく認証が行われる、付記5に記載の無線通信装置。
【0085】
(付記7)
前記第1の無線通信手段は、前記確立した第1の通信経路を介して、前記他の無線通信装置から前記設定情報を受信し、
前記第2の無線通信手段は、前記受信した設定情報に基づいて、前記他の無線通信装置の前記第2の無線通信手段に対し、接続要求を送信する
付記5または付記6に記載の無線通信装置。
【0086】
(付記8)
更に、前記設定情報を格納するための記憶手段を備え、
前記第1の無線通信手段は、前記確立した第1の通信経路を介して、前記他の無線通信装置に前記設定情報を送信し、
前記第2の無線通信手段は、前記送信した設定情報に基づいて、前記他の無線通信装置の前記第2の無線通信手段から受信した接続要求を了承するか否かを判定する
付記5乃至付記7のいずれかに記載の無線通信装置。
【0087】
(付記9)
前記設定情報に基づいて許可された接続要求に応じてのみ、前記第2の通信経路の確立は許可される、付記5乃至付記8のいずれかに記載の無線通信装置。
【0088】
(付記10)
付記1乃至付記9のいずれかに記載の無線通信装置と共に用いられて、前記他の無線通信装置として動作する無線通信装置。
【0089】
(付記11)
情報処理装置、前記情報処理装置の周辺機器、遊技機、前記遊技機に接続して用いるための端末のいずれかである、付記1乃至付記10のいずれかに記載の無線通信装置。
【0090】
(付記12)
第1及び第2の無線通信装置を備え、
前記第1の無線通信装置は、
第1の無線通信方式に従って無線通信を行うための第1の無線通信手段、
前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式に従って無線通信を行うための無線通信手段であって、前記第1の無線通信手段よりも通信圏が広い第2の無線通信手段、
筐体、及び、
前記筐体から外部に向かって延びて、前記第1の無線通信手段の少なくともアンテナを含む一部乃至全部と、前記筐体内の回路とを電気的に接続するケーブル
を備え、
前記第2の無線通信装置は、前記第1の無線通信手段及び前記第2の無線通信手段を備え、
前記第1の無線通信装置の前記第1の無線通信手段と、前記第2の無線通信装置の前記第1の無線通信手段との間に確立される通信経路を第1の通信経路と呼び、前記第1の無線通信装置の前記第2の無線通信手段と、前記第2の無線通信装置の前記第2の無線通信手段との間に確立される通信経路を第2の通信経路と呼ぶとき、
前記第1の無線通信装置において前記ケーブルに接続された前記第1の無線通信手段の一部乃至全部と、前記第2の無線通信装置の前記第1の無線通信手段とが互いの通信圏内に入ったことに応じて、前記第1の通信経路を確立し、
前記第1の通信経路の確立に応じて、前記第2の通信経路を介した通信を実行可能な状態に移行する
無線通信システム。
【0091】
(付記13)
確立した前記第1の通信経路の解放に応じて、前記第2の通信経路を介した通信を実行不可能な状態に移行する
付記12に記載の無線通信システム。
【0092】
(付記14)
前記第2の通信経路を介した通信を実行可能な状態は、前記第2の通信経路を確立し、かつ、前記第2の通信経路を介した通信を許可する状態であり、
前記第2の通信経路を介した通信を実行不可能な状態は、前記第2の通信経路を確立し、かつ、前記第2の通信経路を介した通信を制限する状態である、
付記12または付記13に記載の無線通信システム。
【0093】
(付記15)
前記第2の通信経路を介した通信を実行可能な状態は、前記第2の通信経路を確立した状態であり、
前記第2の通信経路を介した通信を実行不可能な状態は、前記第2の通信経路を解放した状態である、
付記12または付記13に記載の無線通信システム。
【0094】
(付記16)
前記第1の無線通信手段は、前記確立した第1の通信経路を介して、前記第2の通信経路を確立するための設定情報を、前記他の無線通信装置との間で送信或いは受信し、
前記第2の無線通信手段は、前記送信或いは受信した設定情報に基づいて、前記他の無線通信装置との間に前記第2の通信経路を確立する
付記15に記載の無線通信システム。
【0095】
(付記17)
前記設定情報は認証のために用いる情報である認証情報を含み、
前記第1の通信経路の確立に先立って認証が行われることなく、かつ、前記第2の通信経路の確立に先立って、前記認証情報に基づく認証が行われる、付記15または付記16に記載の無線通信システム。
【0096】
(付記18)
第2の無線通信装置は前記設定情報を格納するための記憶手段を備え、
前記第2の無線通信装置は、前記確立した第1の通信経路を介して、前記第1の無線通信装置に前記設定情報を送信し、
前記第1の無線通信装置は、受信した前記設定情報に基づいて、前記第2の無線通信装置に接続要求を送信し、
前記第2の無線通信装置は、受信した接続要求及び前記記憶手段に記憶した前記設定情報に基づいて、前記第2の通信経路を確立する
付記15乃至付記17のいずれかに記載の無線通信システム。
【0097】
(付記19)
前記第1の無線通信装置は、前記設定情報を格納するための記憶手段を備え、
前記第1の無線通信手段は、前記確立した第1の通信経路を介して、前記第2の無線通信装置に前記設定情報を送信し、
前記第2の無線通信装置は、受信した前記設定情報に基づいて、前記第1の無線通信装置に接続要求を送信し、
前記第1の無線通信装置は、受信した接続要求及び前記記憶手段に記憶した前記設定情報に基づいて、前記第2の通信経路を確立する
付記15乃至付記17のいずれかに記載の無線通信システム。
【0098】
(付記20)
前記設定情報に基づいて許可された接続要求に応じてのみ、前記第2の通信経路の確立は許可される、付記15乃至付記19のいずれかに記載の無線通信システム。
【0099】
(付記21)
前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置の組み合わせは、情報処理装置と情報処理装置、情報処理装置と前記情報処理装置に接続して用いる周辺機器、及び、遊技機と前記遊技機と接続して用いられる端末のいずれかである、付記15乃至付記20のいずれかに記載の無線通信システム。
【0100】
(付記22)
第1の無線通信装置と第2の無線通信装置の間で無線通信を行う無線通信方法において、
前記第1の無線通信装置は、
第1の無線通信方式に従って無線通信を行うための第1の無線通信手段、
前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式に従って無線通信を行うための無線通信手段であって、前記第1の無線通信手段よりも通信圏が広い第2の無線通信手段、
筐体、及び、
前記筐体から外部に向かって延びて、前記第1の無線通信手段の少なくともアンテナを含む一部乃至全部と、前記筐体内の回路とを電気的に接続するケーブル
を備え、
前記第2の無線通信装置は、前記第1の無線通信手段及び前記第2の無線通信手段を備え、
前記第1の無線通信装置の前記第1の無線通信手段と、前記第2の無線通信装置の前記第1の無線通信手段との間に確立される通信経路を第1の通信経路と呼び、前記第1の無線通信装置の前記第2の無線通信手段と、前記第2の無線通信装置の前記第2の無線通信手段との間に確立される通信経路を第2の通信経路と呼ぶとき、
前記第1の無線通信装置において前記ケーブルに接続された前記第1の無線通信手段の一部乃至全部と、前記第2の無線通信装置の前記第1の無線通信手段とが互いの通信圏内に入ったことに応じて、前記第1の通信経路を確立する段階、及び、
前記第1の通信経路の確立に応じて、前記第2の通信経路を介した通信を実行可能な状態に移行する段階
を含む、無線通信方法。
【0101】
(付記23)
確立した前記第1の通信経路の解放に応じて、前記第2の通信経路を介した通信を実行不可能な状態に移行する付記22に記載の無線通信方法。
【0102】
(付記24)
前記第2の通信経路を介した通信を実行可能な状態は、前記第2の通信経路を確立し、かつ、前記第2の通信経路を介した通信を許可する状態であり、
前記第2の通信経路を介した通信を実行不可能な状態は、前記第2の通信経路を確立し、かつ、前記第2の通信経路を介した通信を制限する状態である、
付記22または付記23に記載の無線通信方法。
【0103】
(付記25)
前記第2の通信経路を介した通信を実行可能な状態は、前記第2の通信経路を確立した状態であり、
前記第2の通信経路を介した通信を実行不可能な状態は、前記第2の通信経路を解放した状態である、
付記22または付記23に記載の無線通信方法。
【0104】
(付記26)
前記第1の無線通信手段は、前記確立した第1の通信経路を介して、前記第2の通信経路を確立するための設定情報を、前記他の無線通信装置との間で送信或いは受信し、
前記第2の無線通信手段は、前記送信或いは受信した設定情報に基づいて、前記他の無線通信装置との間に前記第2の通信経路を確立する
付記25に記載の無線通信方法。
【0105】
(付記27)
前記設定情報は認証のために用いる情報である認証情報を含み、
前記第1の通信経路の確立に先立って認証が行われることなく、かつ、前記第2の通信経路の確立に先立って、前記認証情報に基づく認証が行われる、付記25または付記26に記載の無線通信方法。
【0106】
(付記28)
第2の無線通信装置は前記設定情報を格納するための記憶手段を備え、
前記第2の無線通信装置は、前記確立した第1の通信経路を介して、前記第1の無線通信装置に前記設定情報を送信し、
前記第1の無線通信装置は、受信した前記設定情報に基づいて、前記第2の無線通信装置に接続要求を送信し、
前記第2の無線通信装置は、受信した接続要求及び前記記憶手段に記憶した前記設定情報に基づいて、前記第2の通信経路を確立する
付記25乃至付記27のいずれかに記載の無線通信方法。
【0107】
(付記29)
前記第1の無線通信装置は、前記設定情報を格納するための記憶手段を備え、
前記第1の無線通信手段は、前記確立した第1の通信経路を介して、前記第2の無線通信装置に前記設定情報を送信し、
前記第2の無線通信装置は、受信した前記設定情報に基づいて、前記第1の無線通信装置に接続要求を送信し、
前記第1の無線通信装置は、受信した接続要求及び前記記憶手段に記憶した前記設定情報に基づいて、前記第2の通信経路を確立する
付記25乃至付記27のいずれかに記載の無線通信方法。
【0108】
(付記30)
前記設定情報に基づいて許可された接続要求に応じてのみ、前記第2の通信経路の確立は許可される、付記25乃至付記29のいずれかに記載の無線通信方法。
【0109】
(付記31)
前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置の組み合わせは、情報処理装置と情報処理装置、情報処理装置と前記情報処理装置に接続して用いる周辺機器、及び、遊技機と前記遊技機と接続して用いられる端末のいずれかである、付記25乃至付記30のいずれかに記載の無線通信方法。
【0110】
(付記32)
第1の無線通信方式に従って無線通信を行うための第1の無線通信手段、
前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式に従って無線通信を行うための無線通信手段であって、前記第1の無線通信手段よりも通信圏が広い第2の無線通信手段、
筐体、及び、
前記筐体から外部に向かって延びて、前記第1の無線通信手段の少なくともアンテナを含む一部乃至全部と、前記筐体内の回路とを電気的に接続するケーブル
を備える無線通信装置の処理装置に、
前記第1の無線通信手段と、当該他の無線通信装置が備える前記第1の無線通信手段との間に確立される通信経路を第1の通信経路と呼び、前記第2の無線通信手段と、前記他の無線通信装置が備える前記第2の無線通信手段との間に確立される通信経路を第2の通信経路と呼ぶとき、
前記ケーブルに接続された前記第1の無線通信手段の一部乃至全部と、前記他の無線通信装置が備える前記第1の無線通信手段とが互いの通信圏内に入ったことに応じて、前記第1の通信経路を確立する手順、及び、
前記第1の通信経路の確立に応じて、前記第2の通信経路を介した通信を実行可能な状態に移行する手順
を実行させるプログラム。
【0111】
(付記33)
確立した前記第1の通信経路の解放に応じて、前記第2の通信経路を介した通信を実行不可能な状態に移行する手順を、前記無線通信装置の処理装置に実行させる、付記32に記載のプログラム。
【0112】
(付記34)
前記第2の通信経路を介した通信を実行可能な状態は、前記第2の通信経路を確立し、かつ、前記第2の通信経路を介した通信を許可する状態であり、
前記第2の通信経路を介した通信を実行不可能な状態は、前記第2の通信経路を確立し、かつ、前記第2の通信経路を介した通信を制限する状態である、
付記32または付記33に記載のプログラム。
【0113】
(付記35)
前記第2の通信経路を介した通信を実行可能な状態は、前記第2の通信経路を確立した状態であり、
前記第2の通信経路を介した通信を実行不可能な状態は、前記第2の通信経路を解放した状態である、
付記32または付記33に記載のプログラム。
【0114】
(付記36)
前記第1の無線通信手段は、前記確立した第1の通信経路を介して、前記第2の通信経路を確立するための設定情報を、前記他の無線通信装置との間で送信或いは受信し、
前記第2の無線通信手段は、前記送信或いは受信した設定情報に基づいて、前記他の無線通信装置との間に前記第2の通信経路を確立する
付記35に記載のプログラム。
【0115】
(付記37)
前記設定情報は認証のために用いる情報である認証情報を含み、
前記第1の通信経路の確立に先立って認証が行われることなく、かつ、前記第2の通信経路の確立に先立って、前記認証情報に基づく認証が行われる、
付記35または付記36に記載のプログラム。
【0116】
(付記38)
前記第1の無線通信手段は、前記確立した第1の通信経路を介して、前記他の無線通信装置から前記設定情報を受信する手順、及び、
前記第2の無線通信手段は、前記受信した設定情報に基づいて、前記他の無線通信装置の前記第2の無線通信手段に対し、接続要求を送信する手順
を、前記無線通信装置の処理装置に実行させる、付記35乃至付記37のいずれかに記載のプログラム。
【0117】
(付記39)
前記無線通信装置は前記設定情報を格納するための記憶手段を備え、
前記第1の無線通信手段は、前記確立した第1の通信経路を介して、前記他の無線通信装置に前記設定情報を送信する手順、及び、
前記第2の無線通信手段は、前記送信した設定情報に基づいて、前記他の無線通信装置の前記第2の無線通信手段から受信した接続要求を了承するか否かを判定する手順
を、前記無線通信装置の処理装置に実行させる、付記35乃至付記37のいずれかに記載のプログラム。
【0118】
(付記40)
前記設定情報に基づいて許可された接続要求に応じてのみ、前記第2の通信経路の確立は許可される、付記35乃至付記39のいずれかに記載のプログラム。
【0119】
(付記41)
付記32乃至付記40のいずれかに記載のプログラムに従って動作する無線通信装置と共に用いられる前記他の無線通信装置として、無線通信装置の処理装置を動作させるプログラム。
【0120】
(付記42)
前記無線通信装置は、情報処理装置、前記情報処理装置の周辺機器、遊技機、前記遊技機に接続して用いるための端末のいずれかである、付記35乃至付記41のいずれかに記載のプログラム。