特許第6871569号(P6871569)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871569
(24)【登録日】2021年4月20日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】ラップマシーン
(51)【国際特許分類】
   A01F 15/08 20060101AFI20210426BHJP
   A01F 25/13 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   A01F15/08 R
   A01F25/13 Z
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-56998(P2017-56998)
(22)【出願日】2017年3月23日
(65)【公開番号】特開2018-157790(P2018-157790A)
(43)【公開日】2018年10月11日
【審査請求日】2020年1月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000132909
【氏名又は名称】株式会社タカキタ
(74)【代理人】
【識別番号】100111349
【弁理士】
【氏名又は名称】久留 徹
(72)【発明者】
【氏名】福田 博
【審査官】 小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−012134(JP,A)
【文献】 特開2006−069778(JP,A)
【文献】 特開平11−089347(JP,A)
【文献】 特開平07−048088(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0027101(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01F 1/00− 1/06
A01F12/00
A01F13/00−17/04
A01F25/00−25/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロールベールを載置するターンテーブルを支持するベール支持台と、
当該ベール支持台を傾動させる傾動機構と、
当該傾動機構によって傾動するターンテーブルにロールベールをピックアップさせるアームと、を備え、
前記ベール支持台から起立するアームに、前記ロールベールをピックアップする方向に向けたカメラを取り付けたことを特徴とするラップマシーン
【請求項2】
前記アームが、ベール支持台から起立する固定アームと、当該固定アームの上端側に設けられた回動アームとを備えてなるものであり、
前記カメラが、固定アームに取り付けられるものである請求項に記載のラップマシーン。
【請求項3】
前記アームが、ベール支持台から起立する固定アームと、当該固定アームの上端側に設けられた回動アームとを設けてなるものであり、
前記カメラが、回動アームに取り付けられるものである請求項に記載のラップマシーン。
【請求項4】
前記カメラが、ターンテーブルに載置されるロールベールの高さ位置の範囲内に設けられるものである請求項1に記載のラップマシーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールベールにフィルムを巻き付けるラップマシーンに関するものであり、より詳しくは、圃場に放置されたロールベールをピックアップする際に、その位置などを容易に把握できるようにしたラップマシーンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ロールベールを生成する場合、刈り取った作物から円柱状のロールベールを成形する。そして、その生成されたロールベールを別途設けられたラップマシーンを用いて圃場からピックアップし、その外周にフィルムを巻き付けて再び圃場に放出するようにしている。
【0003】
このとき、ロールベールにフィルムを巻き付けるラップマシーンでは、次のような作業が行われる。
【0004】
まず、圃場に放置されているロールベールをピックアップする際、トラクターに牽引されたラップマシーンをバックさせ、ロールベールを真後ろのピックアップ位置に位置させる。そして、ラップマシーンのターンテーブルを後方に向けて傾斜させ、ベール支持台に取り付けられたアームやターンテーブルのローラーを用いてロールベールを挟み込み、ロールベールを持ち上げてターンテーブルに移し替える。そして、ターンテーブルを用いてロールベールを水平軸および鉛直軸を中心に回転させ、外周にフィルムを巻き付けていくようにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−124111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このようにロールベールをピックアップしてフィルムを巻き付ける場合、次のような問題がある。
【0007】
すなわち、ラップマシーンがトラクターに牽引されている場合、後方のロールベールの位置を確認しながらトラクターをバックさせなければならないが、トラクターの後方には、ラップマシーンのアームが起立して設けられているため、ロールベールの位置を確認しにくくなる。また、ロールベールが近づくとターンテーブルの死角にロールベールが位置することになるため、運転手は後方のロールベールをのぞき込むようにしなければならず、腰や背中の筋を痛める原因となっていた。
【0008】
そこで、本発明は上記課題を解決するために、運転手がロールベールを直接目視しなくても、その位置などを確認できるようにしたラップマシーンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明は上記課題を解決するために、ロールベールを載置するターンテーブルを支持するベール支持台と、当該ベール支持台を傾動させる傾動機構と、当該傾動機構によって傾動するターンテーブルにロールベールをピックアップさせるアームと、を備え、前記ベール支持台から起立するアームに、前記ロールベールをピックアップする方向に向けたカメラを取り付けるようにしたものである。
【0010】
このように構成すれば、圃場のロールベールの位置をカメラで確認することができるため、運転手がロールベールの位置を直接目視しなくても、運転席の前方に設けられたディスプレイでロールベールの位置を確認してロールベールをピックアップすることができるようになる。
【0011】
また、このような発明において、前記アームを、ベール支持台から起立する固定アームと、当該固定アームの上端側に設けられた回動アームとを設けて構成し、前記カメラを、当該固定アームに取り付けるようにする。
【0012】
このように構成すれば、固定された高い位置にカメラを取り付けて視野を広くすることができるようになる。
【0013】
もしくは、前記アームを、ベール支持台から起立する固定アームと、当該固定アームの上端側に設けられた回動アームとを設けて構成し、前記カメラを、当該回動アームに取り付けるようにすることもできる。
【0014】
このように構成すれば、回動アームを回動させることによってカメラの映像角度を変えることができ、ロールベールの位置を始めとする種々の映像を確認することができるようになる。
【0015】
また、前記カメラを、ターンテーブルに載置されるロールベールの高さ位置の範囲内に設けるようにする。
【0016】
このように構成すれば、ロールベールにフィルムの巻き付けている状態もカメラで確認することができるようになる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ロールベールを載置するターンテーブルを支持するベール支持台と、当該ベール支持台を傾動させる傾動機構と、当該傾動機構によって傾動するターンテーブルにロールベールをピックアップさせるアームと、を備え、前記ベール支持台から起立するアームに、前記ロールベールをピックアップする方向に向けたカメラを取り付けるようにしたので、運転手がロールベールの位置を直接目視しなくても、運転席の前方に設けられたディスプレイでロールベールの位置を確認してロールベールをピックアップさせることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施の形態を示すトラクターに牽引されるラップマシーンを示す図
図2】同形態におけるロールベールのピックアップ時の状態を示す図
図3】同形態におけるターンテーブルを示す図
図4】同形態におけるフィルムユニットのストレッチ原理を示す図
図5】同形態におけるカメラの取り付け状態を示す図
図6】同形態におけるディスプレイの映像例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
この実施の形態におけるラップマシーン1は、図1に示すように、トラクター10に牽引されて使用されるものであって、ロールベール6を載置するターンテーブル2と、このターンテーブル2を傾動可能に支持するベール支持台23と、このベール支持台23を傾動させることによって圃場のロールベール6をピックアップできるようにした支持アーム3などを備えて構成されている。そして、特徴的に、このベール支持台23に取り付けられた支持アーム3の所定の高さ位置に、ロールベール6のピックアップの方向を向けたカメラ7を設けるとともに、その映像をトラクター10の運転席の前方に設けられたディスプレイ74に映し出せるようにしたものである。以下、本実施の形態におけるラップマシーン1の構成について詳細に説明する。
【0021】
まず、ロールベール6を支持するターンテーブル2は、ベール支持台23に支持されるものであって、図3に示すように、一定間隔をもって平行に設けられる一対のローラー21と、そのローラー21の間に張架されるベルト22などを備えて構成されている。そして、図1に示すように、ローラー21をその回転軸を中心に回転させることで水平軸を中心にロールベール6を回転させるとともに、ターンテーブル2の下方に設けられたモーター27(図1参照)を用いて鉛直軸を中心にロールベール6を回転させるようになっている。
【0022】
このターンテーブル2を支持するベール支持台23は、傾動機構20を用いて後方側に向けて傾動するように構成されている。この傾動機構20は、車体後方側に設けられた支点25と、この支点25に連結されるベール支持台23と、ベール支持台23と本体のフレームに取り付けられる油圧シリンダー24などによって構成されるもので、図2に示すように、この油圧シリンダー24を伸ばすことによってベール支持台23の前方側を持ち上げられるようにしている。
【0023】
このベール支持台23とトラクター10の運転席との間には、ロールベール6を支持する支持アーム3が設けられる。この支持アーム3は、図1図3に示すように、ベール支持台23の前方中央部分から起立する起立アーム31と、その起立アーム31の先端側で回動可能に取り付けられた回動アーム32と、その回動アーム32の先端側にT字状に設けられた接触アーム33などを設けて構成されている。そして、起立アーム31と回動アーム32の間の油圧シリンダー34を用いて、その回動アーム32を回動させ、ロールベール6のピックアップや放出などの補助を行えるようにしている。
【0024】
一方、本体のフレームには、フィルムユニット4が取り付けられる。このフィルムユニット4は、このターンテーブル2に載置されたロールベール6に対して、フィルムをストレッチさせながら繰り出せるようにしたものであって、図1に示すように、本体のフレームから起立する支柱41の上端側に設けられる。このストレッチを行う場合、図4の原理図に示すように、ギア比の異なるギアを噛み合わせることで、それぞれのストレッチローラ42、43の回転数を変えられるようにしている。このとき、出口側(ロールベール6側)に設けられた第二ストレッチローラ43を、フィルムロール45側に設けられた第一ストレッチローラ42よりも相対的に速く回転できるようになっている。これにより、フィルムロール45から供給されたフィルムをストレッチさせながら繰り出してロールベール6に密着させるように巻き付けることができるようになる。この第一ストレッチローラ42は、バネ44を介してフィルムロール45の外周を押圧させるようになっており、これによって、フィルムロール45の慣性による自由回転を抑制して、無駄にフィルムが繰り出されるのを防止できるようにしている。
【0025】
このフィルムユニット4から繰り出されたフィルムは、ロールベール6に巻き付けられ、その後、ターンテーブル2の前方に設けられた切断保持部5(図1など参照)によってフィルムを束ねた状態で保持・切断される。このような保持や切断を行う場合、図2に示すようにターンテーブル2を傾動させ、これによって、切断保持部5でフィルムを下端から束ねた状態で切断できるようにする。このような切断を行う場合、フィルムを保持した状態でロールベール6側のフィルムを切断し、これによって、次のロールベール6にフィルムを巻き付ける際に、フィルムの端部を保持したままターンテーブル2を回転させるようにしている。
【0026】
このような構成において、本実施の形態では、ベール支持台23から起立する支持アーム3にカメラ7を取り付け、後方の映像を運転席側のディスプレイ74に映し出せるようにしている。
【0027】
このカメラ7は、図5に示すように、支持アーム3の固定された起立アーム31にブラケット70を介して取り付けられる。このブラケット70は、カメラ固定台71をボルト72を用いて起立アーム31を挟み込めるようになっており、任意の高さ位置に調整して取り付けられるようになっている。なお、このカメラ7を起立アーム31の後面、すなわち、ロールベール6に近い側に取り付けると、ロールベール6がカメラ7に当たってしまう可能性がある。このため、この実施の形態では、支持アーム3の側面に取り付けるようにしている。なお、このような起立アーム31の側面にカメラ7を取り付ける場合、ロールベール6の回転方向下流側の側面にカメラ7を取り付けるようにしてもよい。このような位置に取り付ければ、ロールベール6を回転させた場合であっても、起立アーム31によって回転方向から回転してくるロールベール6からカメラ7を保護することができるようになるというメリットがある。
【0028】
また、このカメラ7の高さ位置については、後方を確認できる高さ位置だけでなく、ターンテーブル2に載置されるロールベール6へのフィルムの巻き付け状態も確認できるような高さ位置に設定しておく。具体的には、図1に示すように、水平状態に設定されたターンテーブル2上のロールベール6の高さ位置の範囲内に取り付けるようにしておくのが好ましい。
【0029】
このように取り付けられるカメラ7の視野の方向としては、図6(a)に示すように、ターンテーブル2の後端部を映し出せるような方向にしておき、これによってターンテーブル2を水平な状態にして後進させる際にターンテーブル2とロールベール6の位置関係を確認できるようにしておく。
【0030】
このように設置されたカメラ7の映像は、トラクター10の運転席における前方側のディスプレイ74に図6に示すような状態で映し出される。このディスプレイ74に映像を映し出す際には、ロールベール6をピックアップさせる際の最適な位置である枠線75をあらかじめ映し出しておき、この枠線75にロールベール6を入れるように後進させる。
【0031】
次に、このように構成されたラップマシーン1の動作例について説明する。
【0032】
まず、圃場に放置されたロールベール6をピックアップしてフィルムを巻き付ける場合、トラクター10を後進させてそのロールベール6の近傍まで近づけ、ロールベール6をそのターンテーブル2の真後ろに位置させるようにする。このとき、運転手は、前方側に設けられたディスプレイ74を見ながらトラクター10を後進させ、ディスプレイ74に映し出されている枠線75の中にロールベール6を入れるようにする(図6(a)の状態)。
【0033】
そして、その枠線75の中にロールベール6を入れた後、今度は、図2に示すように、ベール支持台23を油圧シリンダー24を用いて傾動させてロールベール6をピックアップする。このとき、ベール支持台23が傾動することに伴って支持アーム3が持ち上がり、カメラ7の方向を斜め上方から下方に向けることができるようになる。これにより、図6(b)に示すように、より地面に近い部分を映し出すことができ、ロールベール6とターンテーブル2とローラー21との位置関係を把握することができるようになる。
【0034】
そして、このように映像を見ながら、支持アーム3の回動アーム32をターンテーブル2に寄せることによってローラー21と接触アーム33でロールベール6を挟み込み、ベール支持台23を元の状態に戻してロールベール6をターンテーブル2に載置させる(図1の状態)。
【0035】
このとき、ロールベール6をターンテーブル2に載置させると、カメラ7の直前にはロールベール6が存在することとなり、正常にロールベール6が載置されたことを確認することができる。
【0036】
そして、このようにロールベール6を載置した後、ターンテーブル2を回転させてフィルムを巻き付けていく。この際、カメラ7にはフィルムが巻き付けられている状態が映し出されることになるため、フィルムがなくなっていないかなどを確認することができるようになる。
【0037】
そして、所定回数フィルムを巻き付けた後、図2と同じ状態となるように、ターンテーブル2を傾斜させてフィルムを切断保持部5で切断し、ロールベール6を圃場に放出する。このときも同様に、カメラ7によって圃場へ放出されたか否かをディスプレイ74に映し出すことができ、その放出状態を確認することができるようになる。
【0038】
このように上記実施の形態によれば、ロールベール6を載置するターンテーブル2を支持するベール支持台23と、当該ベール支持台23を傾動させる傾動機構20と、当該傾動機構20によって傾動するターンテーブル2にロールベール6をピックアップさせる起立アーム31とを備え、前記ベール支持台23から起立する起立アーム31に、前記ロールベール6をピックアップする方向に向けたカメラ7を取り付けるようにしたので、運転手が直接ロールベール6の方向を目視しなくても、運転席の前方に設けられたディスプレイ74でロールベール6の位置を確認してロールベール6をピックアップすることができるようになる。
【0039】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
【0040】
例えば、上記実施の形態では、トラクター10に牽引されるラップマシーン1を例に挙げて説明したが、自走型のラップマシーンなどにも適用することができる。この場合において、ターンテーブルを運転席の前方側に設けている場合は、前方側の支持アームにカメラを取り付けるようにしてもよい。このようにすれば、ベール支持台を傾動させることによって、運転席から死角となるターンテーブルの近傍の状態を確認することができるようになる。
【0041】
また、上記実施の形態では、支持アーム3の起立アーム31にカメラ7を設けるようにしたが、これに限らず、回動アーム32などにカメラ7を取り付けるようにしてもよい。このような位置にカメラ7を取り付けるようにすれば、回動アーム32の角度を調整することで、任意の位置の映像を映し出すことができるようになる。
【符号の説明】
【0042】
1・・・ラップマシーン
2・・・ターンテーブル(21ローラー、22ベルト)
3・・・支持アーム(31起立アーム、32回動アーム、33接触アーム、34油圧シリンダー)
4・・・フィルムユニット(42第一ストレッチローラ、43第二ストレッチローラ、44バネ、45フィルムロール)
5・・・切断保持部
6・・・ロールベール
7・・・カメラ
20・・・傾動機構(23ベール支持台、24油圧シリンダー、25支点)
70・・・ブラケット(71カメラ支持台、72ボルト)
74・・・ディスプレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6