(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表面加工が、スパッタリング、ダイシング、コーティング、塗装、蒸着、めっき、溶射、金属箔及び/又は金属製メッシュの貼付、研磨並びにモールディングからなる群から選ばれる少なくとも1種の加工である請求項1〜5のいずれか1項記載のチップの表面加工方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明1は、微細突起を備える表面Sを含むチップの表面加工方法であって、
前記表面Sをゲル状組成物に埋設して前記表面Sを前記ゲル状組成物で被覆する工程1と、前記ゲル状組成物で被覆された表面S以外の前記チップの表面を加工する工程2とを含み、
0〜150℃で液状−ゲル状転移温度(Tc)、及び/又は、チキソトロピック性を有し、
前記ゲル状組成物の貯蔵剛性率が、
30℃<Tcの場合は25℃で、0℃≦Tc≦30℃の場合はTc−20℃で、0.01〜10000kPaであるチップの表面加工方法であり、
本発明2は、本発明1で使用されるゲル状組成物である。
【0010】
〔チップ〕
本発明1の適用される微小突起を備える表面Sを含むチップとは、例えば、半導体用配線デバイスのようなシステム基板との接続のためにはんだボールのような電極が配置されている等によりその表面に微細突起を備えるチップをいい、好ましくは半導体製造工程で使用される程度の微細なチップであり、その大きさは、
好ましくは長さ0.2〜50mm、幅0.2〜50mm、厚さ0.1〜20mmの直方体領域に内包される大きさであり、
より好ましくは長さ0.3〜45mm、幅0.3〜45mm、厚さ0.2〜15mmの直方体領域に内包される大きさであり、
更に好ましくは長さ0.4〜40mm、幅0.4〜40mm、厚さ0.3〜12mmの直方体領域に内包される大きさであり、
好ましくは長さ0.5〜20mm、幅0.5〜20mm、厚さ0.4〜10mmの直方体領域に内包される大きさであり、
より好ましくは長さ0.7〜10mm、幅0.7〜10mm、厚さ0.5〜5mmの直方体領域に内包される大きさであり、
更に好ましくは長さ1〜5mm、幅1〜5mm、厚さ0.5〜3mmの直方体領域に内包される大きさである。
【0011】
チップの材質は、後述する表面加工に適用する観点から、
好ましくはセラミック基板、プラスチック(エポキシ、ビスマレイミドトリアジン、ポリイミド等)基板、シリコン基板である。
【0012】
チップの材質は、チップの用途によって異なるが、半導体用デバイス用チップでは、
好ましくはセラミック基板、プラスチック(エポキシ、ビスマレイミドトリアジン、ポリイミド等)基板、シリコン基板である。
【0013】
表面に微細突起を備える微小なチップとしては半導体用配線デバイスが典型であるが、具体的には、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)、MCM(Multi Chip Module)、DIP(Dual In-line Package)、SOP(Small Outline Package)等が挙げられる。
【0014】
表面Sに備わる微小突起とは、例えば、チップの平滑な微小表面上に点在する突起物であり、その大きさは、
好ましくは高さが20〜2000μm、断面直径20〜1000μmの円柱体領域に内包される大きさであり、
より好ましくは高さが15〜1500μm、断面直径15〜700μmの円柱体領域に内包される大きさであり、
更に好ましくは高さが10〜1000μm、断面直径10〜500μmの円柱体領域に内包される大きさであり、
突起間の距離は、突起とチップ表面の界面内の重心間の距離が、好ましくは10〜1000μm、より好ましくは15〜700μm、更に好ましくは20〜500μmである。
【0015】
チップの表面Sに備わる微小突起とは、例えば、
チップがBGA(Ball Grid Array)であれば、システム基板と電気的に接続をするためのはんだボール、
チップがMCM(Multi Chip Module)であれば、システム基板と電気的に接続をするための金属バンプ、
チップがDIP(Dual In-line Package)及びSOP(Small Outline Package)であれば、外部入出力用のピン等が挙げられる。
【0016】
〔ゲル状組成物〕
本発明1及び2におけるゲル状組成物は、包埋容易性・防汚染性及び表面加工容易性の観点から、
0〜150℃で液状−ゲル状転移温度(Tc)、及び/又は、チキソトロピック性を有し、
前記ゲル状組成物の貯蔵剛性率が、
30℃<Tcの場合は25℃で、0℃≦Tc≦30℃の場合はTc−20℃で、0.01〜10000kPaである。
Tc及び貯蔵剛性率の測定は実施例に記載された条件で行う。
【0017】
ゲル状組成物が、0〜150℃で液状−ゲル状転移温度(Tc)、及び/又は、チキソトロピック性を有するとは、ゲル状組成物が物理架橋ゲルであることを意味する。
【0018】
一般に、ゲル状組成物とは、組成物を構成する化合物が架橋されて個々の化合物の熱運動が抑制されるため、組成物全体の流動性が大きく低減した物質であり、架橋の構造・寿命により、化学架橋ゲルと物理架橋ゲルに分類される。
化学架橋ゲルは共有結合で架橋されたゲルで、構成化合物の熱運動では結合が切れず、架橋寿命は実質的に無限大である。化学架橋ゲルの連結構造(トポロジカルな3次元構造)は、ゲルが生成した時点のまま不変に保たれる。一方、
物理架橋ゲルは、水素結合、疎水性凝集、イオン結合などの非共有結合で架橋されているゲルで,温度変化や外力により架橋が生成消滅するため、前者ではTcを有し(熱可逆ゲルとも呼ばれる)、後者ではチキソトロピック性を有することになる。
【0019】
本発明1及び2に適用できる好適なゲル状組成物は、少なくとも工程1においては、一部化学架橋されていても、全体が物理架橋ゲルであることが好ましく、化学架橋されていない物理架橋ゲルであることがより好ましい。
【0020】
本発明1及び2に適用できるゲル状組成物は、そのような物理架橋ゲル組成物のゲル状態の貯蔵剛性率が、30℃<Tcの場合は25℃で、0℃≦Tc≦30℃の場合はTc−20℃で、0.01〜10000kPaであることで、包埋容易性・防汚染性及び表面加工容易性を好適に確保している。
【0021】
ゲル状組成物がTcを有するとは、ゲル状組成物はTc以上で液状となり、温度Tc未満では自然流動しないゲル状態(即ち、ゲル状組成物)であることを意味する。
【0022】
ゲル状組成物は、包埋容易性・防汚染性及び表面加工容易性の観点から、好ましくは10〜100℃の間で、より好ましくは20〜90℃の間で、更に好ましくは30〜80℃の範囲でTcを有する。
【0023】
ゲル状組成物がチキソトロピック性を有するとは、ゲル状組成物の剪断速度vにおける粘度η
vが、
30℃<Tcの場合は25℃で、0℃≦Tc≦30℃の場合はTc−20℃で、
η
0.1が、10〜10000Pa・s、好ましくは30〜5000Pa・s、より好ましくは50〜3000Pa・sであり、
η
10が、3〜500Pa・s、好ましくは5〜300Pa・s、より好ましくは5〜150Pa・sである性状を有することである。
なお、Tcを有さないゲル状組成物は30℃<Tcの場合に従う。
粘度η
vの測定は実施例に記載した条件で行う。
【0024】
工程1におけるチップの包埋容易性と、工程2におけるチップの表面Sの被覆安定性及び固定性に加えて部材上での成形性の観点を考慮すると、
η
0.1が、10〜10000Pa・s、好ましくは30〜5000Pa・s、より好ましくは50〜3000Pa・sであり、
η
1が、好ましくは10〜1000Pa・s、より好ましくは20〜700Pa・s、更に好ましくは30〜500Pa・sであり、
η
10が、好ましくは3〜500Pa・s、より好ましくは5〜300Pa・s、更に好ましくは5〜150Pa・sであり、
x
1=η
0.1/η
1が、好ましくは1.1〜20、より好ましくは1.2〜15、更に好ましくは1.25〜10である。
x
2=η
1/η
10が、好ましくは1.1〜20、より好ましくは1.2〜15、更に好ましくは1.25〜10である。
【0025】
x
1及びx
2が1より大きい(好ましくは1.2以上大きい)と、ゲル状組成物を例えばシート状に成形する際に、塗布装置を使用して所定の範囲に塗布したときに、塗布装置から押出されているときは適度に流動し、押出された後は流動が止まるため、所定の範囲からの流出や糸引きなどによる汚染が生じ難く、所定の範囲に均一に塗付することが可能となる。
【0026】
ゲル状組成物の貯蔵剛性率が上記範囲にあると、微細突起を備える表面Sを含むチップの表面加工をするに際して、例えばゲル状組成物をシート上に成形し、
工程1において、表面Sを当該シート表面に押埋して包埋した際に、表面S上の微細突起がゲル状組成物で密着して被覆され(包埋容易性に優れ)、チップが当該シートによって安定に固定されるため、
工程2において、表面Sの表面加工による汚染を抑止しつつ、ゲル状組成物で被覆されたS以外のチップの表面を安定に加工でき(表面加工容易性と防汚染性に優れ)、
さらに表面加工の終了後に、チップを微細突起に汚染物質を付着させることなく当該シートから取り出すことができる(以下「チップ抜脱性」ともいう)。
【0027】
本発明1及び2に適用できる好適なゲル状組成物としては、例えば、
Tcを有するゲル状組成物(以下「組成物X」という);
Tcを有し、かつ、チキソトロピック性を有する組成物(以下「組成物Y」という);及び、
Tcを有さないが、チキソトロピック性を有するゲル状組成物(以下「組成物Z」という)が挙げられる。
【0028】
(組成物X)
好適な組成物Xとしては以下を例示できる;
(1)特定の(メタ)アクリレート系ブロック共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物(以下「組成物X1」ともいう);
(2)特定のグラフト共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物(以下「組成物X2」ともいう);及び
(3)特定のスチレン系ブロック共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物(以下「組成物X3」ともいう)
【0029】
(1)組成物X1
〈組成物X1として好適な相溶性組成物〉
組成物X1としては、
ブロック共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物であって、
前記ブロック共重合体化合物は、
(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックaと、
(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックbとのブロック共重合体であり、
前記重合体ブロックaを構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が50℃超180℃以下であり、
前記重合体ブロックbを構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が−100℃以上50℃以下であり、
前記ブロック共重合体化合物は、25℃超150℃以下で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
前記相溶組成物は、25℃超150℃以下で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する相溶組成物を挙げることができる。
【0030】
組成物X1の好適な態様は、特開2017−66368号公報に詳細が記載されているが、本発明1においてより好ましい態様を説明する。なお、特開2017−66368号公報と同一の用語は特開2017−66368号公報記載と同じ内容を意味し、特開2017−66368号公報では上記ブロック共重合体化合物は化合物A、媒質は化合物Bと記載されており、本明細書でも同様に記載する。
【0031】
重合体ブロックa又は重合体ブロックbを構成可能な(メタ)アクリレート化合物としては、
好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;
メトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;及び
ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルネン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環構造含有(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、ジエチルアクリルアミド等のアクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも2種の化合物であり、
より好ましくは、
メタクリル酸メチル(メチルメタクリレート)及びアクリル酸n−ブチル(ブチルアクリレート)の組み合わせであって、
それぞれの化合物が単独で重合物を構成したときに示すTgに基づいて、重合体ブロックa又は重合体ブロックbの構成単位とする。
【0032】
重合体ブロックaは、(メタ)アクリレート単位だけで構成されていることが好ましいが、0〜150℃で、ブロック共重合体化合物が液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、後述する相溶化合物が液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する限り、共重合可能な他の化合物単位が含まれていることが許容される、(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体構造である。
【0033】
重合体ブロックa中の(メタ)アクリレート単位のモル比は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、更に好ましくは99〜100モル%である。
【0034】
重合体ブロックbは、(メタ)アクリレート単位だけで構成されていることが好ましいが、0〜150℃で、ブロック共重合体化合物が液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、後述する相溶化合物が液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する限り、共重合可能な他の化合物単位が含まれていることが許容される、(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体構造である。
【0035】
重合体ブロックb中の(メタ)アクリレート単位のモル比は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、更に好ましくは99〜100モル%である。
【0036】
ブロック共重合体化合物中の重合体ブロックa及びbは、それぞれ重合物a及びbとほぼ同等の重合構造を有すると考えられので、ブロック共重合体化合物のガラス転移点は、重合物a及びbのガラス転移点が含まれる温度範囲、即ち、50℃超180℃以下の温度範囲と、−100℃以上50℃以下の温度範囲とにガラス転移温度を有することが好ましい。ガラス転移点の測定は実施例に記載した条件で行う。
【0037】
ブロック共重合体化合物は、後述する相溶組成物の液状−ゲル状転移性の観点から、
重合体ブロックbの両末端に前記重合体ブロックaが結合したトリブロック構造を少なくとも1つ有することが好ましく、
トリブロック構造だけで構成されていることがより好ましいが、
0〜150℃で、ブロック共重合体化合物が液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
後述する相溶組成物が液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する範囲で、
トリブロック構造以外の構造(例えば、重合体ブロックaと重合体ブロックbが結合するジブロック構造)が含まれてよい。
【0038】
上記観点から、ブロック共重合体化合物中のトリブロック構造のモル比は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、更に好ましくは99〜100モル%である。
【0039】
ブロック共重合体化合物としては、市販品である「KURARITY」(登録商標、クラレ社)(例えば、LA2140、LA2250、LA4285、LA2330、LA2270、LA1114、LA1892)を使用することができる。
【0040】
ブロック共重合体化合物は、後述するゲル状の相溶組成物及び相溶組成物粘弾性体の弾性と粘着性を向上する観点から、重合体ブロックaと重合体ブロックbとのブロック共重合体の末端又は側鎖に、ラジカル反応性基、カチオン反応性基、アニオン反応性基及び湿気反応性基からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性官能基を有することによって反応性がさらに付与されていることが好ましい。これらの反応性基の好適な態様は特開2017−66368号公報に記載されている。
【0041】
組成物X1における媒質は、ブロック共重合体化合物と相溶して、0〜150℃で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する本発明の相溶組成物(以下、相溶組成物ともいう)を構成する化合物である。
【0042】
媒質としては、ブロック共重合体化合物との相溶組成物が流動性を有することができる化合物を目安として選択するとよく、(メタ)アクリレート系モノマー、(メタ)アクリルアミド系モノマー等のラジカル重合性不飽和結合含有モノマー、可塑剤、溶剤などであってよい。
【0043】
ブロック共重合体化合物との相溶組成物が流動性を有することができるモノマー化合物としては、
好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;4−tert−ブチルシクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルネン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、等の脂環構造含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン、ジエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
より好ましくは、イソデシルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート及び4−tert−ブチルシクロヘキシルアクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
【0044】
ブロック共重合体化合物との相溶組成物が流動性を有することができる可塑剤としては、
好ましくは、ジブチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル;
アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジイソノニル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル等の多価カルボン酸エステル;
安息香酸アルキル;
トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル;
トリメリット酸エステル;
(水添)ポリイソプレン、水酸基含有(水添)ポリイソプレン、(水添)ポリブタジエン、水酸基含有(水添)ポリブタジエン、ポリブテン等のゴム系ポリマー;
熱可塑性エラストマー;
石油樹脂;
脂環族飽和炭化水素樹脂;
テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂等のテルペン系樹脂;
ロジンフェノール等のロジン系樹脂;
不均化ロジンエステル系樹脂、重合ロジンエステル系樹脂、水添ロジンエステル系樹脂等のロジンエステル系樹脂;
キシレン樹脂;及び
アクリルポリマー、アクリルコポリマー等のアクリル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
より好ましくは、多価カルボン酸エステル及びロジンエステル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
【0045】
ブロック共重合体化合物に対して溶剤として作用する媒質としては、
好ましくは、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン、n−ヘキサン、メチルシクロヘキサン、スチレンなどの炭化水素類;
ジエチルエーテルなどのエーテル類;
酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸プロピレンなどのエステル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの窒素類;
ブチルグリコール、メチルジグリコール、ブチルジグリコール、3−メチル−3−メトキシブタノール、テトラヒドロフランなどのグリコールエーテル類;
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼンなどの塩素類;
ジメチルスルホキシド;アセトニトリル;ギ酸、酢酸等のカルボン酸類;及び水からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
より好ましくは、アルコール類、炭化水素類、エステル類及びケトン類からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
更に好ましくは、アセトン、ヘキサン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール及び炭酸ジエチルからなる群から選ぶことができる。
【0046】
媒質の粘度は、ブロック共重合体化合物と相溶して、0〜150℃で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する本発明の相溶組成物を製造できる範囲であればよいが、
ブロック共重合体化合物との相溶組成物を容易に製造する観点から、媒質の粘度は、
好ましくは0.001〜10Pa・sであり、より好ましくは0.001〜1Pa・sであり、更に好ましくは0.001〜0.5Pa・sである。
【0047】
なお、媒質がオリゴマー等の場合で温度Tcよりも低温環境で高粘度又は固体の場合でも、温度Tcよりも高温環境では低粘度になったり、低粘度の他の媒質には溶解したり、溶剤に溶解したりするので、これらを組合せてブロック共重合体化合物と混錬して相溶組成物を製造できる。
【0048】
ブロック共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物は、0〜150℃で、ブロック共重合体化合物は液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、相溶組成物は液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する組成物である。
【0049】
相溶組成物は、
温度Tc以上(好ましくは温度Tcよりも10℃以上高温、より好ましくは温度Tcよりも15℃以上高温、更に好ましくは温度Tcよりも20℃以上高温)の温度では、大気圧下で水平なガラスプレート上に0.01g以上滴下すると自然流動する液状体であるが、
温度Tc未満(好ましくは温度Tcよりも10℃以上低温、より好ましくは温度Tcよりも15℃以上低温、更に好ましくは温度Tcよりも20℃以上低温)の温度では、大気圧下で水平なガラスプレート上に0.01g以上静置しても流動しないゲル状体である。
【0050】
相溶組成物は、温度Tcの前後(好ましくはTc±10℃の温度範囲、より好ましくはTc±15℃の温度範囲、更に好ましくはTc±20℃の温度範囲)の温度で、ゲル状体と液状体に可逆的に変化する。
【0051】
相溶組成物をゲル状で使用できる温度範囲が広く、あまり高温で液状にする必要がないという観点から、温度Tcは、好ましくは10〜100℃、より好ましくは20〜90℃、更に好ましくは30〜80℃である。
【0052】
温度Tcは、
重合物aのTgが高い(メタ)アクリレート単位でブロック重合体aを構成するか、媒質の配合比率を少なくすると、高温側に設定でき、
重合物aのTgが低い(メタ)アクリレート単位でブロック重合体aを構成するか、媒質の配合比率を大きくすると、低温側に設定できる。
【0053】
相溶性組成物は、液状時の部材への塗付性及びゲル状時の部材同士の接着性並びに相転移性の観点から、化合物A100質量部に対して、化合物Bの質量部は、好ましくは200〜1000質量部、より好ましくは250〜800質量部である。
【0054】
相溶性組成物が相溶組成物粘弾性体である場合、粘弾性特性の観点から、化合物B中の反応性化合物の含有割合は、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは25〜70質量%、更に好ましくは30〜60質量%である。
【0055】
相溶性組成物が相溶組成物粘弾性体である場合、加える重合開始剤は、少なくとも化合物A及び化合物Bの合計に対して、好ましく1〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%、更に好ましくは2.5〜7.5質量%である。
【0056】
〈組成物X1として好適な相溶組成物粘弾性体〉
相溶性組成物は、ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の弾性と粘着性を向上する観点から、化合物A(好ましくは、反応性がさらに付与された化合物A)、化合物Bとしてラジカル反応性、カチオン反応性、アニオン反応性及び湿気反応性からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性を有する反応性化合物(好ましくは、更に可塑剤との組合せ)並びに重合開始剤を含有することが好ましい(以下、化合物A(好ましくは、反応性がさらに付与された化合物A)、化合物Bとしてラジカル反応性、カチオン反応性、アニオン反応性及び湿気反応性からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性を有する反応性化合物(好ましくは、更に可塑剤との組合せ)並びに重合開始剤を含有するゲル状の相溶性組成物を相溶組成物粘弾性体ともいう)。
【0057】
相溶組成物粘弾性体は、相溶組成物でシートを構成するのに適した弾性及び強度(以下、これらをまとめて粘弾性特性ともいう)を有することが好ましく、このような粘弾性特性を有する相溶組成物粘弾性体は、チップの表面Sを包埋するのに好適な粘着シートとして使用できる。
【0058】
以下に説明する組成物X1の相溶組成物粘弾性体の好適物性は、組成物X1、X2及びX3並びに組成物Yの相溶組成物粘弾性体の好適物性でもある。
【0059】
シートを構成できる程度の弾性率としては、
25℃において、好ましくは0.3〜1000kPa、より好ましくは0.5〜500kPa、更に好ましくは0.5〜200kPaであり、
25℃において、弾性率が0.3kPa未満の場合は、温度Tc−20℃において、好ましくは0.5〜500kPa、より好ましくは1〜200kPaである。
【0060】
なお、相溶組成物粘弾性体の弾性率は実施例に記載した測定条件で測定する。
【0061】
シートを構成できる程度の伸びとして、
好ましくは10〜1000%、より好ましくは30〜800%、更に好ましくは50〜500%であり、
シートを構成できる程度の破壊強度として、
好ましくは1×10
2〜1×10
7Pa、より好ましくは1×10
2〜1×10
6Pa、更に好ましくは1×10
3〜1×10
5Paである。
【0062】
なお、相溶組成物粘弾性体の伸びと破断強度は、ダンベル引張試験によって測定することができる。具体的には、相溶組成物粘弾性体の弾性率が、
25℃で0.3Pa以上の場合は25℃で、
0.3Pa未満の場合は温度Tc−20℃で、以下の条件で測定できる。
【0063】
《ダンベル試験》
(1)相溶組成物粘弾性体を温度Tc+20℃で液状にした後ダンベルの型に流し込み温度Tc未満の温度に冷却(実際は室温)して厚み1mmのダンベル試験片を作製する。
(2)ダンベル試験片を引張試験機(ミネベア製テクノグラフ、TG−2kN)にて10mm/minの引張り速度で引張り、測定結果から伸び率及び破断強度を読み取る。
【0064】
相溶組成物粘弾性体はこの粘着性によって、例えば、粘着シートを構成したときに、粘着シートを部材の表面に安定して貼合わせることができるため、工程1において安定したチップの表面Sの包埋作業をすることができる。
【0065】
さらに、相溶組成物粘弾性体の層に加熱、光照射及び加湿からなる群から選ばれる少なくとも1の処理をして、相溶組成物粘弾性体の層を熱硬化、光硬化及び湿硬化からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化をさせて、液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さない硬化体にすることで、硬化した相溶組成物粘弾性体の層が温度Tc以上の高温環境でも流動性のない粘弾性体のままとなり、工程2においてチップSの表面S以外の表面加工を安定におこなうことができ、表面加工後のチップ抜脱性も容易に行うことができる。
【0066】
(2)組成物X2
〈組成物X2として好適な相溶組成物〉
組成物X2としては、
グラフト共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物であって、
前記グラフト共重合体化合物は、
(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックaと、
(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックbとのグラフト共重合体化合物であり、
前記重合体ブロックaを構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が30℃超180℃以下であり、
前記重合体ブロックbを構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が−100℃以上30℃以下であり、
前記グラフト共重合体化合物は、0〜150℃で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
前記相溶組成物は、0〜150℃で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する相溶組成物を挙げることができる。
【0067】
重合体ブロックaを構成する(メタ)アクリレート単位は、それ単体で構成される重合物(以下、重合物aという)のガラス転移温度が30℃超180℃以下となる(メタ)アクリレート化合物が重合した際に形成される。なお、ガラス転移温度の安定性の観点から、重合物aの重量平均分子量は、好ましくは1×10
5以上、より好ましくは1×10
5〜1×10
9、更に好ましくは1×10
5〜1×10
7である。
【0068】
重合体ブロックbを構成する(メタ)アクリレート単位は、それ単体で構成される重合物(以下、重合物bという)のガラス転移温度が−100℃以上30℃以下となる(メタ)アクリレート化合物が重合した際に形成される。なお、ガラス転移温度の安定性の観点から、重合物bの重量平均分子量は、好ましくは1×10
5以上、より好ましくは1×10
5〜1×10
9、更に好ましくは1×10
5〜1×10
7である。
【0069】
なお、重量平均分子量は、GPCに基づいて測定されたものであり、好ましくは、以下の条件で測定される:
測定装置:島津製作所社製GPCシステム;
カラムの種類:有機溶媒系SECカラム(東ソー社製);
溶剤の種類:テトラヒドロフラン(THF)。
【0070】
重合体ブロックa又は重合体ブロックbを構成可能な(メタ)アクリレート化合物としては、
好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;
メトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;及び
ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルネン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環構造含有(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、ジエチルアクリルアミド等のアクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも2種の化合物であり、
より好ましくは、少なくともどちらかがメタクリレート化合物である。
【0071】
それぞれの化合物が単独で重合物を構成したときに示すTgに基づいて、重合体ブロックa又は重合体ブロックbの構成単位とする。
【0072】
重合体ブロックaは、(メタ)アクリレート単位だけで構成されていることが好ましいが、0〜150℃で、化合物Aが液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、後述する相溶化合物が液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する限り、共重合可能な他の化合物単位が含まれていることが許容される、(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体構造である。
【0073】
重合体ブロックa中の(メタ)アクリレート単位のモル比は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、更に好ましくは99〜100モル%である。
【0074】
重合体ブロックbは、(メタ)アクリレート単位だけで構成されていることが好ましいが、0〜150℃で、化合物Aが液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、後述する相溶化合物が液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する限り、共重合可能な他の化合物単位が含まれていることが許容される、(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体構造である。
【0075】
重合体ブロックb中の(メタ)アクリレート単位のモル比は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、更に好ましくは99〜100モル%である。
【0076】
化合物A中の重合体ブロックa及びbは、それぞれ重合物a及びbとほぼ同等の重合構造を有すると考えられので、化合物Aのガラス転移点は、重合物a及びbのガラス転移点が含まれる温度範囲、例えば、30℃超180℃以下の温度範囲と、−100℃以上30℃以下の温度範囲とにガラス転移温度を有することが好ましい。
【0077】
グラフト共重合体化合物は、重合体ブロックaと重合体ブロックbとのグラフト共重合体であり、
例えば、重合体ブロックaは(メタ)アクリレート単位が線状に結合した構造で、重合体ブロックaの構成単位の少なくとも一つが、さらに重合体ブロックbを構成する(メタ)アクリレート単位と結合して重合体ブロックaから枝分かれしたように重合体ブロックbが結合した構造をとる。
【0078】
重合体ブロックaの複数の構成単位のそれぞれに重合体ブロックbが結合している場合、重合体ブロックaを幹、それぞれの重合体ブロックbを枝と呼ぶ。
【0079】
グラフト共重合体化合物は、重合体ブロックaを幹、重合体ブロックbを枝とするグラフト共重合体でもよいし、重合体ブロックbを幹、重合体ブロックaを枝とするグラフト共重合体でもよい。
【0080】
グラフト共重合体化合物は、例えば、重合体ブロックaを予め製造し、重合体ブロックaの末端を構成するアクリレート単位a
eと(メタ)アクリレート単位b
eとを共重合して、(メタ)アクリレート単位b
eと(メタ)アクリレート単位a
eとの共重合体で幹が構成される場合がある。
この場合、幹中の(メタ)アクリレート単位a
eを(メタ)アクリレート単位b
eに置き換えた(メタ)アクリレート単位b
eの重合物を重合体ブロックbとみなし、重合体ブロックaから(メタ)アクリレート単位a
eを除いた重合体ブロックaの部分を枝とみなす。
【0081】
枝を重合体aで構成する場合、後述する相溶組成物が液状−ゲル状転移性の観点から、GPC法による数平均分子量が好ましくは3000〜100000、好ましくは5000〜50000であり、ガラス転移温度は30℃超180℃以下、好ましくは40℃超180℃以下、より好ましくは50℃超180℃以下、更に好ましくは枝の片末端が好ましくは60℃超180℃以下であり、(メタ)アクリロイル基を有する、好ましくはメタクリレート単位、より好ましくはメチルメタクリレート単位(MMA)等のメタクリレート単位であり(但し、メタクリル酸、アクリル酸エステル、アクリロニトリルなどのビニルモノマ−単位が少量含まれていてもよい)で構成される。
【0082】
幹を重合体bで構成する場合、後述する液相溶組成物が液状−ゲル状転移性の観点から、GPC法による数平均分子量が好ましくは5000〜200000、好ましくは10000〜150000であり、ガラス転移温度は−100℃以上30℃以下、好ましくは−100℃以上20℃以下、より好ましくは−100℃以上10℃以下、更に好ましくは−100℃以上0℃以下であり、好ましくはてエチルアクリレート単位(EA)、n−ブチルアクリレート単位(nBA)及びラウリルメタクリレート単位(LMA)からなる群から選ばれる少なくとも1種の(メタ)アクリレート単位、より好ましくはエチルアクリレート単位(EA)及び/又はn−ブチルアクリレート単位(n−BA)で構成される。
い。
【0083】
グラフト共重合体化合物の合計量W及び数平均分子量(重量平均分子量)Mとからグラフト共重合体化合物の総モル数NをN=W/Mで算出し、
枝を構成する予め合成した重合体ブロックaの合計量w
a及び数平均分子量(重量平均分子量)m
aとから、重合体ブロックaの総モル数n
aをn
a=w
a/m
aで算出して、
幹1本を構成する重合体ブロックbの数平均分子量(重量平均分子量)m
bと幹1本当たりの枝の数n
xを、m
b+n
x・m
a=M、n
x=n
a/N と定義して、m
bを算出し、これを重合体ブロックbの数平均分子量(重量平均分子量)としてもよい。
【0084】
後述する相溶組成物の液状−ゲル状転移性の観点から、グラフト共重合体化合物を構成する重合体ブロックaと重合体ブロックbの質量比(a/b)は、好ましくは5〜95/95〜5、より好ましくは10〜90/90〜10、更に好ましくは15〜85/85〜15である。
【0085】
後述する液相溶組成物が液状−ゲル状転移性の観点から、グラフト共重合体化合物の重量平均分子量は好ましくは8000〜300000、より好ましくは15000〜280000、更に好ましくは30000〜250000である。
【0086】
グラフト共重合体化合物は、例えば、特開平5−170838号公報、特開平6−234822号公報に記載された製造方法で得ることができ、例えば、表1に記載した三菱レイヨン社の市販品を使用できる。
【0088】
〈組成物X2として好適な相溶組成物粘弾性体〉
組成物X1として好適な相溶組成物と同様の観点から、組成物X2として好適な相溶組成物も、ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の弾性と粘着性を向上する観点から、化合物A(好ましくは、反応性がさらに付与された化合物A)、化合物Bとしてラジカル反応性、カチオン反応性、アニオン反応性及び湿気反応性からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性を有する反応性化合物(好ましくは、更に可塑剤との組合せ)並びに重合開始剤を含有することが好ましい(以下、化合物A(好ましくは、反応性がさらに付与された化合物A)、化合物Bとしてラジカル反応性、カチオン反応性、アニオン反応性及び湿気反応性からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性を有する反応性化合物(好ましくは、更に可塑剤との組合せ)並びに重合開始剤を含有するゲル状の相溶性組成物を相溶組成物粘弾性体ともいう)。
【0089】
組成物X2における媒質は、グラフト共重合体化合物と相溶して、0〜150℃で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する本発明の相溶組成物(以下、相溶組成物ともいう)を構成する化合物であり、例えば組成物X1における媒質を好適に挙げることができる。
【0090】
グラフト共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物は、0〜150℃で、化合物Aは液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
相溶組成物は液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する組成物であり、
組成物X1における相溶組成物と同様の性状を有することが好ましい。
【0091】
なお、温度Tcは、
重合物aのTgが高い(メタ)アクリレート単位でブロック重合体aを構成するか、化合物Bの配合比率を少なくすると、高温側に設定でき、
重合物aのTgが低い(メタ)アクリレート単位でブロック重合体aを構成するか、化合物Bの配合比率を大きくすると、低温側に設定できる。
【0092】
相溶性組成物は、液状時の部材への塗付性及び相転移性の観点から、グラフト共重合体化合物100質量部に対して、媒質の質量部は、好ましくは200〜1000質量部、より好ましくは250〜800質量部である。
【0093】
相溶性組成物が相溶組成物粘弾性体である場合、防汚染性、チップ抜脱性に適した粘弾性特性の観点から、媒質の反応性化合物の含有割合は、好ましくは20〜100質量%、より好ましくは25〜95質量%、更に好ましくは30〜90質量%である。
【0094】
相溶性組成物が相溶組成物粘弾性体である場合、加える重合開始剤は、少なくともグラフト共重合体化合物及び媒質の合計に対して、好ましく1〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%、更に好ましくは2.5〜7.5質量%である。
【0095】
(3)組成物X3
〈組成物X3として好適な相溶性組成物〉
組成物X3としては、
ブロック共重合体化合物と媒質とが相溶してなる相溶組成物であって、
前記ブロック共重合体化合物は、
スチレン系化合物単位を主体とする重合体ブロックaと、
アルケン系化合物、ジエン系化合物及びアルキン系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の炭化水素系化合物の単位を主体とする重合体ブロックb
1、又は(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックb
2とのブロック共重合体構造を有する化合物であり、
前記重合体ブロックb
2を構成する(メタ)アクリレート単位だけで構成される重合物のガラス転移温度が−100℃以上50℃以下であり、
前記相溶組成物は、0〜150℃で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する相溶組成物を挙げることができる。
【0096】
以下、重合体ブロックaと重合体ブロックb
1とのブロック共重合体構造を有する化合物を化合物A
1といい、重合体ブロックaと(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体ブロックb
2とのブロック共重合体構造を有する化合物を化合物A
2という。
【0097】
重合体ブロックaを構成するスチレン系化合物単位は、スチレン系化合物であるスチレン及び/又はビニル基と芳香環構造を維持したスチレンの誘導体が重合した際に形成される。以下、重合に使用するスチレン又はスチレンの誘導体をベース化合物と呼ぶ。
【0098】
重合体ブロックaを構成可能なスチレン系化合物としては、後述する硬化性樹脂組成物の相溶性と液状−ゲル状転移性の観点から、
好ましくは、スチレン;α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、4−ヘキシルスチレンなどのアルキル基置換スチレン;p−ヒドロキシスチレンなどのヒドロキシル基置換スチレン;p−メトキシスチレン、4−tert−ブトキシスチレンなどのアルコキシ基置換スチレン;4−アミノスチレンなどのアミノ基置換スチレン;及び4−クロロスチレン、4−ブロモスチレンなどのハロゲン置換スチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種のスチレン系化合物、
より好ましくは、スチレンである。
【0099】
重合体ブロックaは、スチレン系化合物単位だけで構成されていることが好ましいが、後述する硬化性樹脂組成物が相溶性と液状−ゲル状転移性を有する限り、共重合可能な他の化合物単位が含まれていることが許容される、スチレン系化合物単位を主体とする重合体構造である。
【0100】
重合体ブロックa中のスチレン系化合物単位のモル比は、後述する硬化性樹脂組成物の液状−ゲル状転移性の観点から、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、更に好ましくは99〜100モル%である。
【0101】
なお、重量平均分子量は、GPCに基づいて測定されたものであり、好ましくは、以下の条件で測定される(以下、同様である):
測定装置:島津製作所社製GPCシステム;
カラムの種類:有機溶媒系SECカラム(東ソー社製);
溶剤の種類:テトラヒドロフラン(THF)。
【0102】
(3.1)化合物A
1
重合体ブロックb
1を構成する特定炭化水素系化合物単位は、後述する特定炭化水素系化合物が重合した際に形成される。
【0103】
重合体ブロックb
1を構成可能な特定炭化水素系化合物としては、後述する硬化性樹脂組成物の相溶性と液状−ゲル状転移性の観点から、
アルケン系化合物としては、エチレン、プロピレン等のアルケン及び/又はこれらの(共)重合体並びにこれらの水添化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、
ジエン系化合物としては、ブタジエン、イソプレン等のジエン及び/又はこれらの(共)重合体並びにこれらの水添化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、
アルキン系化合物としては、アセチレン等のアルキン及び/又はこれらの(共)重合体
並びにこれらの水添化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
なお、本明細書では、重合体又は共重合体を「(共)重合体」と表記する。
【0104】
重合体ブロックb
1を構成可能な特定炭化水素系化合物としては、後述する硬化性樹脂組成物の相溶性と液状−ゲル状転移性の観点から、上述の化合物の中では、水添化合物の態様であることが好ましい。
【0105】
上述の好適な特定炭化水素系化合物において、同様の観点から、
ベースとなるアルケンとしては、好ましくはエチレン及び/又はプロピレンであり、
ベースとなるジエンとしては、好ましくはブタジエン及び/又はイソプレンであり、
ベースとなるアルキンとしては、好ましくはアセチレンである。
なお、本明細書では、例えば、「アルケン」、「アルケンの重合体」及び「アルケンの重合体の水添加物」の構成要素のアルケンを「ベースとなるアルケン」という。
【0106】
上述の好適な特定炭化水素系化合物において、同様の観点から、ベースとなる炭化水素としては、
好ましくはジエン及び/又はアルキンであり、より好ましくはジエンであり、
更に好ましくはブタジエン、イソプレン及びアセチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の炭化水素化合物であり、更に好ましくはブタジエン及び/又はイソプレンである。
【0107】
重合体ブロックb
1は、特定炭化水素系化合物単位だけで構成されていることが好ましいが、後述する硬化性樹脂組成物が相溶性と液状−ゲル状転移性を有する限り、共重合可能な他の化合物単位が含まれていることが許容される、特定炭化水素系化合物単位を主体とする重合体構造である。
【0108】
後述する硬化性樹脂組成物の相溶性と液状−ゲル状転移性の観点から、
重合物b
2の重量平均分子量は、好ましくは1×10
5以上、より好ましくは1×10
5〜1×10
9、更に好ましくは1×10
5〜1×10
7であり、
重合体ブロックb
1中の特定炭化水素系化合物単位のモル比は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、更に好ましくは99〜100モル%である。
【0109】
硬化性樹脂組成物の相溶性と液状−ゲル状転移性の観点から、化合物A
1の重量平均分子量は、好ましくは10000〜500000、より好ましくは30000〜400000、更に好ましくは50000〜300000である。
【0110】
硬化性樹脂組成物の相溶性と液状−ゲル状転移性の観点から、化合物A
1は、
重合体ブロックb
1の両末端に重合体ブロックaが結合したトリブロック体構造又は重合体ブロックaと重合体ブロックb
1が結合するジブロック体構造であることが好ましく、トリブロック体構造であることがより好ましい。
【0111】
後述する硬化性樹脂組成物の相溶性と液状−ゲル状転移性の観点から、
重合体ブロックaと重合体ブロックb
1の合計質量中の重合体ブロックaの質量%が高い方が好ましい。
【0112】
後述する硬化性樹脂組成物の相溶性と液状−ゲル状転移性の観点から、化合物A中の重合体ブロックa及び重合体ブロックb
1の合計のモル%は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、更に好ましくは99〜100モル%である。
【0113】
化合物A
1の重合体ブロックaと重合体ブロックb
1の各構造と結合形態は、後述する硬化性樹脂組成物が相溶性と液状−ゲル状転移性を有するように選択すればよく、例えば表1に挙げた市販品から選択することができる。
【0114】
なお、表2において、ハイブラー、セプトン、クレイトン及びタフテックは登録商標であり、
Sはスチレンをベース化合物とする単位、Bはブタジエンをベースとする単位、Iはイソプレンをベースとする単位、n−BAはn−ブチルアクリレートをベース化合物とする単位であり、
「a」は重合体ブロックa、「b
1」は重合体ブロックb
1、「b
2」は重合体ブロックb
2、「a−b
1」は重合体ブロックaと重合体ブロックb
1のジブロック共重合体、「a−b
1−a」「a−b
2−a」はそれぞれ重合体ブロックaと重合体ブロックb
1又はb
2のトリブロック共重合体をそれぞれ表す。
【0116】
(3.2)化合物A
2
重合体ブロックb
2を構成する(メタ)アクリレート単位は、それ単体で構成される重合物(以下、重合物b
2という)のガラス転移温度が−100℃以上50℃以下となる(メタ)アクリレート化合物が重合した際に形成される。なお、ガラス転移温度の安定性の観点から、重合物b
2の重量平均分子量は、好ましくは1×10
5以上、より好ましくは1×10
5〜1×10
9、更に好ましくは1×10
5〜1×10
7である。
【0117】
重合体ブロックb
2を構成可能な(メタ)アクリレート化合物としては、
好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;
メトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ置換アルキル(メタ)アクリレート;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;及び
ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルネン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環構造含有(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、ジエチルアクリルアミド等のアクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも2種の化合物であり、
より好ましくは、アクリル酸n−ブチル(ブチルアクリレート)である。
【0118】
後述する硬化性樹脂組成物が相溶性と液状−ゲル状転移性の観点から、重合体ブロックb
2は、(メタ)アクリレート単位だけで構成されていることが好ましいが、0〜150℃で、化合物Aが液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、後述する相溶化合物が液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する限り、共重合可能な他の化合物単位が含まれていることが許容される、(メタ)アクリレート単位を主体とする重合体構造である。
【0119】
後述する硬化性樹脂組成物が相溶性と液状−ゲル状転移性の観点から、重合体ブロックb
2中の(メタ)アクリレート単位のモル比は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、更に好ましくは99〜100モル%である。
【0120】
化合物A
2中の重合体ブロックb
2は、重合物b
2とほぼ同等の重合構造を有すると考えられので、化合物A
2のガラス転移点は、重合物b
2のガラス転移点が含まれる温度範囲、即ち、−100℃以上50℃以下の温度範囲にガラス転移温度を有することが好ましい。
い。
【0121】
化合物A
2は、後述する液相溶組成物が液状−ゲル状転移性の観点から、
重合体ブロックb
2の両末端に前記重合体ブロックaが結合したトリブロック構造を少なくとも1つ有することが好ましく、
トリブロック構造だけで構成されていることがより好ましいが、
0〜150℃で、化合物Aが液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
後述する相溶組成物が液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する範囲で、
トリブロック構造以外の構造(例えば、重合体ブロックaと重合体ブロックb
2が結合するジブロック構造)が含まれてよい。
【0122】
上記観点から、化合物A
2中のトリブロック構造のモル比は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、更に好ましくは99〜100モル%である。
【0123】
化合物A
2としては、アルケマ社から市販されるスチレンを単位とする重合体ブロックaとn−ブチルアクリレートを単位とする重合体ブロックb
2とするトリブロック構造物(重合体ブロックa−重合体ブロックb
2−重合体ブロックa)を使用することができる。
【0124】
硬化性樹脂組成物の相溶性と液状−ゲル状転移性の観点から、化合物A
2の重量平均分子量は、好ましくは10000〜500000、より好ましくは30000〜400000、更に好ましくは50000〜300000である。
【0125】
(3.3)媒質
組成物X3における媒質は、化合物A
1又はA
2と相溶して、0〜150℃で液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する組成物X
3における相溶組成物(以下、相溶組成物ともいう)を構成する化合物であり、例えば組成物X3における媒質を好適に挙げることができる。
【0126】
(3.4)相溶組成物
化合物A
1又はA
2と媒質とが相溶してなる相溶組成物は、
0〜150℃で、
化合物A
1又はA
2は液状−ゲル状転移温度(Tc)を有さず、
相溶組成物は液状−ゲル状転移温度(Tc)を有する組成物であり、
組成物X1における相溶組成物と同様の性状を有することが好ましい。
【0127】
相溶性組成物は、液状時の部材への塗付性及び相転移性の観点から、化合物A
1又はA
2100質量部に対して、媒質の質量部は、好ましくは200〜1000質量部、より好ましくは250〜800質量部である。
【0128】
〈組成物X3として好適な相溶性組成物粘弾性体〉
組成物X1として好適な相溶組成物と同様の観点から、組成物X3として好適な相溶組成物も、ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の弾性と粘着性を向上する観点から、化合物A
1又はA
2(好ましくは、反応性がさらに付与された化合物A
1又はA
2)、化合物Bとしてラジカル反応性、カチオン反応性、アニオン反応性及び湿気反応性からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性を有する反応性化合物(好ましくは、更に可塑剤との組合せ)並びに重合開始剤を含有することが好ましい(以下、化合物A
1又はA
2(好ましくは、反応性がさらに付与された化合物A
1又はA
2)、化合物Bとしてラジカル反応性、カチオン反応性、アニオン反応性及び湿気反応性からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性を有する反応性化合物(好ましくは、更に可塑剤との組合せ)並びに重合開始剤を含有するゲル状の相溶性組成物を相溶組成物粘弾性体ともいう)。
【0129】
相溶性組成物が相溶組成物粘弾性体である場合、粘弾性特性の観点から、媒質中の反応性化合物の含有割合は、好ましくは20〜100質量%、より好ましくは25〜95質量%、更に好ましくは30〜90質量%である。
【0130】
相溶性組成物が相溶組成物粘弾性体である場合、加える重合開始剤は、少なくとも化合物A
1又はA
2及び媒質の合計に対して、好ましく1〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%、更に好ましくは2.5〜7.5質量%である。
【0131】
組成物X1、X2又はX3における相溶組成物は、液状−ゲル状転移温度(Tc)を有するという性状を阻害しない範囲で、後述するような媒質以外の添加剤を任意に配合することができ、その場合の媒質以外の添加剤の配合量は、配合物の全質量中、好ましくは0〜50質量%、より好ましくは0〜30質量%である。
【0132】
相溶組成物は、相転移性及び/又は粘弾性特性を阻害しない範囲で、例えば、酸化防止剤、濡れ剤、界面活性剤、イオン性液体、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤、無機、有機各種フィラー、ポリマー等の添加剤を含めることができる。
【0133】
なお、相溶組成物中の添加剤とは、相溶組成物中に配合される添加剤と、相溶組成物と共に配合される添加剤を併せたものをいう。
【0134】
組成物X1、X2及びX3は、フィラーのような光を散乱させる化合物を添加させなければ、透明にすることができ、好ましくは0.3mmの厚みにおけるHAZE値1.0以下にすることができるので、光硬化性を利用する場合に効率のよい光照射をすることができる。
【0135】
HAZE値は、相溶性組成物の全光線透過率における、拡散透過率の割合を表し、効率のよい光照射の観点から、HAZE値は、好ましくは0.7以下、より好ましくは0.5以下、更に好ましくは0.3以下、更に好ましくは0.2以下にするとよい。
【0136】
(組成物Y)
例えば、組成物X1において、相溶組成物を得るためのブロック共重合体化合物および媒質を選択すると、さらにゲル状体においてチキソトロピー性を有する相溶性組成物(以下、チキソトロピック相溶性組成物ともいう)を構成し、さらに光学透明性と両立するチキソトロピック相溶性組成物を構成することができる。
【0137】
相溶性組成物が相溶性とチキソトロピー性を有するという観点から、相溶性組成物中、ブロック共重合体化合物100質量部に対して、媒質は好ましくは100〜1000質量部、より好ましくは120〜600質量部を配合する。
【0138】
(組成物Z)
Tcを有さないチキソトロピック性のゲル状組成物である組成物Zとしては、例えば、チキソトピック性を有しない液状媒質にレオロジー調整剤を添加してチキソトロピック性が付与された組成物が挙げられる。
【0139】
組成物Zを調整する際に使用できる媒質としては、
水、アルコール、酢酸、ギ酸、アセトン、アセトニトリル、エチレングリコール、グリセリン等の水系媒質;
ベンゼン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、ヘキサン、酢酸エチル、炭酸ジエチル等の非水系媒質;及び
油脂、鉱油、石油系溶媒等の油系媒質等が挙げられ、
これらに反応性の低いレオロジー調整剤を添加してチキソトロピック性を付与して組成物Zとすることができる。
【0140】
レオロジー調整剤としては、例えば、
シリカ、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、石綿粉、酸化銅、水酸化銅、酸化鉄、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉛、マグネシア、酸化スズ等の金属酸化物粒子、炭酸カルシウム、カーボン、シリカ、マイカ、スメクタイト、カーボンブラック等の無機微粒子;
ポリスチレンビーズ、ポリエチレン粒子、アクリル粒子、ポリシロキサン樹脂粒子、イソプレンゴム粒子、ポリアミド粒子等の有機微粒子;
ポリエチレン、ポリシロキサン、ポリアクリル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、アルキル変性セルロース、ペプチド、ポリペプチド等の高分子化合物;及び
アマイドワックス、水添ひまし油誘導体、1,3,5−トリス(トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレート、変性ポリエステルポリオール、エチルセルロース、メチルセルロース、セルロース誘導体、有機ベントナイト等の有機化合物などを挙げることができる。
【0141】
レオロジー調整剤として、さらに具体的には、以下を挙げることができる:
特開2017-066278号公報に例示されるアマイドワックス、水添ひまし油、1,3,5−トリス(トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレート等の有機化合物;ヒュームドシリカ、カーボンブラック等の無機化合物;
エチルセルロース、BYK−405、410、411、415、420、425、420、430、431等(ビック・ケミー株式会社)、Disparlonチクソトロピック剤シリーズ(楠本化成)等の市販品;
ポリシロキサン、ポリアクリル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、アルキル変性セルロース、ペプチド、ポリペプチド、及びこれらのうち2つ以上の構造を有する共重合体;
ポリスチレンビーズ、ポリエチレン粒子、アクリル粒子、ポリシロキサン樹脂粒子、イソプレンゴム粒子、ポリアミド粒子等の有機微粒子;
特開2014-082328号公報に例示される酸化銅、水酸化銅、酸化鉄、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉛、マグネシア、酸化スズ等の金属酸化物粒子、炭酸カルシウム、カーボン、シリカ、マイカ、スメクタイト等の無機微粒子;及び
特開2014-019802号公報に例示される揺変剤とも呼ばれる、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ及び石綿粉等の無機揺変剤;有機ベントナイト、変性ポリエステルポリオール、脂肪酸アマイド等の有機揺変剤;水添ヒマシ油誘導体、脂肪酸アマイドワックス、ステアリル酸アルミニウム、ステアリル酸バリウム等。
【0142】
組成物Zにおけるチキソトピック性を有しない液状媒質としては、組成物X、Yで挙げた好適な媒質が使用できる。
【0143】
組成物Zにおけるレオロジー調整剤としては、
シリカ、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、アマイドワックス、水添ひまし油誘導体、セルロース誘導体が好ましく、
アマイドワックス、水添ひまし油誘導体、セルロース誘導体がより好ましく、
アマイドワックスが更に好ましい。
【0144】
なお、チキソトピック性を有しない液状媒質にレオロジー調整剤を添加してチキソトロピック性が付与された組成物では、液状媒質中のレオロジー調整剤の配列の規則性が温度によっても急激に転移する場合は、Tcを有するに至る場合があり、このような組成物は組成物Yに属することになる。
【0145】
(より好適なゲル状組成物)
本発明1及び2に適用されるゲル状組成物は、例えば、シート状に成形して、シート状ゲル状組成物に工程1でチップの表面Sを包埋後に、湿気、熱又は光によって適度に硬化することで、包埋状態がより安定し、工程2での表面加工がより安定に容易にでき、微小突起上へのゲル状組成物の付着をより抑制して、表面加工後に硬化したシート状ゲル状組成物からのチップ抜脱がより容易になる。
【0146】
例えば、組成物X1、X2及びX3並びに組成物Yにおける化合物A及び化合物Bについていえば、以下のような態様が好適である。
【0147】
化合物Aは、硬化時の相溶組成物の弾性と粘着性を向上する観点から、重合体ブロックaと重合体ブロックbとのブロック共重合体の末端又は側鎖に、ラジカル反応性基、カチオン反応性基、アニオン反応性基及び湿気反応性基からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性官能基を有することによって反応性がさらに付与されていることが好ましい。
【0148】
なお、本明細書では空気中の水分(湿気)によって重合反応する反応性基のことを湿気反応性基といい、硬化性組成物中の湿気反応性基の重合反応による硬化性組成物の硬化を湿硬化という。
【0149】
ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の弾性と粘着性を向上する観点から、前述のラジカル反応性基としては、
好ましくは、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ウレタン(メタ)アクリレート、ビニル基、ビニルエーテル、アリルエーテル、マレイミド及び無水マレイン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の、
より好ましくは、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ウレタン(メタ)アクリレート及びビニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の、
更に好ましくは、(メタ)アクリレート及びウレタン(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種のラジカル反応性基である。
【0150】
ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の弾性と粘着性を向上する観点から、前述のカチオン反応性基としては、
好ましくは、エポキシ、オキセタン及びビニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン反応性基である。
【0151】
ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の弾性と粘着性を向上する観点から、前述のアニオン反応性基としては、好ましくはエポキシ、オキセタン及びビニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種のアニオン反応性基である。
【0152】
ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の弾性と粘着性を向上する観点から、前述の湿気反応性基としては、好ましくはイソシアネート基及び/又はアルコキシシリル基である。
【0153】
化合物Bは、硬化時の相溶組成物の強度、弾性及び粘着性を向上する観点から、ラジカル反応性、カチオン反応性、アニオン反応性及び湿気反応性からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性を有する反応性化合物を使用することが好ましい。
【0154】
ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の強度、弾性及び粘着性を向上する観点から、化合物Bにおけるラジカル反応性化合物としては、
好ましくは、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ウレタン(メタ)アクリレート、ビニル基、ビニルエーテル、アリルエーテル、マレイミド及び無水マレイン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の、
より好ましくは、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ウレタン(メタ)アクリレート及びビニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の、
更に好ましくは、(メタ)アクリレート及びウレタン(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種のラジカル反応性基(ラジカル反応の速度と安定性の観点からは好ましくは2官能以上の多官能)を有する反応性化合物である。
【0155】
ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の強度、弾性及び粘着性を向上する観点から、化合物Bにおけるカチオン反応性化合物としては、
好ましくは、エポキシ、オキセタン及びビニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン反応性を有する反応性化合物である。
【0156】
ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の強度、弾性及び粘着性を向上する観点から、アニオン反応性化合物としては、好ましくはエポキシ、オキセタン及びビニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種のアニオン反応性化合物である。
【0157】
ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の強度、弾性及び粘着性を向上する観点から、化合物Bにおける湿気反応性化合物としては、好ましくはイソシアネート基及び/又はアルコキシシラン基である。
【0158】
ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の強度、弾性及び粘着性を向上する観点から、好ましくは、
ラジカル反応性基を有する化合物Aとラジカル反応性化合物である化合物Bとの組合せ、
カチオン反応性基を有する化合物Aとカチオン反応性化合物である化合物Bとの組合せ、
アニオン反応性基を有する化合物Aとアニオン反応性化合物である化合物Bとの組合せ、及び、
湿気反応性基を有する化合物Aと湿気反応性化合物である化合物Bとの組合せからなる群から選ばれる少なくとも1の組合せによって相溶性組成物を構成する。
【0159】
ゲル状の相溶組成物及び硬化時の相溶組成物の強度、弾性及び粘着性を向上する観点と相溶性組成物の利用し易さの観点から、相溶組成物は、反応性化合物の種類に応じて適切な重合開始剤を含有していることが好ましい。
【0160】
反応性化合物がラジカル反応性化合物の場合は、重合開始剤としては、
好ましくは、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−メチルチオ]フェニル]−2−モルホリノプロパンー1−オン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー、2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、イソプロピルチオキサントン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタン、2,4−ジエチルチオキサントン、2ークロロチオキサントン、エチルアントラキノン、ベンゾフェノンアンモニウム塩、チオキサントンアンモニウム塩、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、1,4ジベンゾイルベンゼン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2,2’ビス(o−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テトラキス(3,4,5−トリメトキシフェニル)1,2’−ビイミダゾール、2,2’ビス(o−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイル ビフェニル、4−ベンゾイルジフェニルエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、o−メチルベンゾイルベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエチルエステル、活性ターシャリアミン、カルバゾール・フェノン系光反応開始剤化合物、アクリジン系光反応開始剤化合物、及び、トリアジン系光反応開始剤化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、
より好ましくは、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン及び/又は2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキシドである。
【0161】
反応性化合物がカチオン反応性化合物の場合は、重合開始剤としては、
好ましくはアリールジアゾニウム塩、ジアリールハロニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリホスホニウム塩、鉄アレン錯体、チタノセン錯体及びアリールシラノールアルミニウム錯体からなる群から選ばれる少なくとも1種のイオン性光酸発生剤化合物、並びに/又は、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、燐酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン及びN−ヒドロキシイミドスルホナートからなる群から選ばれる少なくとも1種の非イオン性光酸発生剤化合物である。
【0162】
反応性化合物がアニオン反応性化合物の場合は、重合開始剤としては、
好ましくは、1,10−ジアミノデカン、4,4’−トリメチレンジピペラジン、カルバメート類化合物及びその誘導体、コバルト−アミン錯体類化合物、アミノオキシイミノ類化合物及びアンモニウムボレート類化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
【0163】
反応性化合物が湿気反応性化合物の場合は、重合開始剤としては、
好ましくは、シラノール縮合触媒としてテトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、チタンテトラアセチルアセトナート及びビスアセチルアセトナトジイソプロポキシチタンからなる群から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物、
ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫フタレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノレート、ジブチル錫ジメチルマレエート、ジブチル錫ジエチルマレエート、ジブチル錫ジブチルマレエート、ジブチル錫ジオクチルマレエート、ジブチル錫ジトリデシルマレエート、ジブチル錫ジベンジルマレエート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジエチルマレエート、ジオクチル錫ジオクチルマレエート、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ジノニルフェノキサイド、ジブテニル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫ジエチルアセトアセトナート、ジブチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物及びジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物からなる群から選ばれる少なくとも1種の4価の有機錫化合物、
アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート及びジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテートからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機アルミニウム化合物、
ジルコニウムテトラアセチルアセトナートなどのジルコニウム化合物、
アミン系化合物、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルとアミン系化合物との反応物、飽和または不飽和の多価カルボン酸またはその酸無水物、カルボン酸化合物とアミン系化合物との塩など反応物、オクチル酸鉛、並びに、
イソシアネート反応触媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
【0164】
イソシアネート反応触媒としては、
好ましくは、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン、N,N´,N´−トリメチルアミノエチルピペラジン、トリエチレンジアミン及びジメチルエタノールアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種のアミン類化合物、
トリエチルホスフィンなどのトリアルキルホスフィン類化合物、
ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、錫オクトエート及びジブチル錫ジエチルヘキサノレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機スズ化合物、
ジ(2−エチルヘキサン酸)鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、並びに、ナフテン酸亜鉛から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
【0165】
相溶性組成物が硬化性である場合、表面加工容易性及びチップ抜脱性の観点から、
化合物B中の反応性化合物の含有割合は、好ましくは20〜100質量%、より好ましくは25〜95質量%、更に好ましくは30〜90質量%である。
【0166】
相溶性組成物が硬化性である場合、表面加工容易性及びチップ抜脱性の観点から、 相溶性組成物が相溶組成物粘弾性体である場合、加える重合開始剤は、少なくともブロック共重合体化合物及び媒質の合計に対して、好ましく1〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%、更に好ましくは2.5〜7.5質量%である。
【0167】
組成物Zの場合は、硬化時の相溶組成物の強度、弾性及び粘着性を向上する観点から、媒質中にラジカル反応性、カチオン反応性、アニオン反応性及び湿気反応性からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性を有する反応性化合物と、併せて、これらの硬化反応に必要な重合開始剤とを含ませておくことが好ましい。
【0168】
湿気硬化する化合物としては、例えば、イソシアネート基、アルコキシシリル基、又はケイ素原子に結合した水酸基若しくは加水分解性基を有しシロキサン結合を形成することにより架橋し得る反応性ケイ素基等の湿気反応性基を有する有機化合物が挙げられ、湿気反応性基の加水分解反応等によって架橋することで硬化物が得られる。
【0169】
熱硬化する成分化合物としては、硬化剤及び/又は熱重合開始剤の存在下で加熱することにより反応するエポキシ系、オキセタン系、ビニルエーテル系、フェノール系、熱硬性ポリウレタン系、不飽和ポリエステル系、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリルアミド系、(メタ)アクリロニトリル系、ビニル系化合物、アリルエーテル系、マレイミド及び無水マレイン酸、エポキシアリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等のモノマー及び/又はオリゴマーが挙げられる。
【0170】
光硬化する成分化合物としては、例えば光重合開始剤及び/又は光増感剤の存在下で紫外線照射により反応するエポキシ系、オキセタン系、ビニルエーテル系、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリルアミド系、(メタ)アクリロニトリル系、ビニル系、ビニルエーテル系、アリルエーテル系、マレイミド及び無水マレイン酸、エポキシアリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等のモノマー及び/又はオリゴマーが挙げられる。
【0171】
ゲル状組成物の硬化体は、チップ抜脱性の観点から、弾性率の範囲が、25℃おいて、好ましくは0.1〜10000000kPa、より好ましくは1〜1000000kPa、更に好ましくは10〜100000kPaである。
【0172】
〔表面加工方法〕
(工程1)
本発明1の工程1では、チップの表面Sをゲル状組成物に埋設して表面Sをゲル状組成物で被覆する。
【0173】
本発明2のゲル状組成物は、好ましくは予めシート状にしておき、ロボットアーム等でチップを握持してチップの表面Sをシート表面に押し込む等して表面Sの微小突起をシート中に押埋し、その後、少なくともチップの埋設域の近傍を、シート全体をゲル状組成物の硬化反応性に対応した好ましくは加湿、加熱又は光照射、より好ましくは加熱又は光照射、更に好ましくは光照射して硬化させる。
【0174】
本発明2のゲル状組成物がTcを有する場合、温度をTc以上にして液状になったゲル状組成物を型枠に充填するだけで容易にシート化できる。
【0175】
本発明2のゲル状組成物がチキソトロピック性を有する場合、ローラー等でゲル状組成物に応力を加えることでゲル状組成物は容易に変形するので、やはり容易にシート化できる。
【0176】
シート化された本発明2のゲル状組成物の貯蔵剛性率の範囲であれば、チップの表面Sをシート表面に押し込む等して表面Sの微小突起をシート中に押埋するだけで、ゲル状組成物が微小突起の表面に密着して表面Sを被覆する。
【0177】
工程1においてゲル状組成物で被覆された表面Sをそのまま静置すると、チップは表面Sだけがシート内に埋設しゲル状組成物で被覆されシートに固定されるが、他の表面は露出するため、工程2において当該他の表面を安定に種々加工することができ、その加工の間、ゲル状組成物で被覆された表面Sには当該加工に由来する汚染がされ難い状態に置かれることになる。
【0178】
シート化された本発明2のゲル状組成物の貯蔵剛性率の範囲であるか、硬化後のシート化された本発明2のゲル状組成物の弾性率の範囲であれば、埋設されたチップをロボットアーム等で握持して上方に引き上げるだけで、表面Sにゲル状組成物が粘着することなくチップを抜脱できる。
【0179】
工程1にけるチップの表面Sのゲル状組成物への埋設作業は、好ましくは−20〜150℃で、より好ましくは−5〜100℃で、更に好ましくは5〜70℃で、更に好ましくは15〜40℃で行う。
【0180】
(工程2)
本発明1の工程2では、ゲル状組成物で被覆された表面S以外のチップの表面を加工する。
【0181】
チップの種類、材質、構成の相違に応じて、表面加工としては
銀系塗装、ニッケル系塗装、銅系塗装のような金属等の塗装、化学めっき等のめっき、亜鉛溶射などの溶射、アルミニウム真空蒸着などの蒸着、スパッタリング、金属箔、金属製メッシュの貼付、ダイシング、コーティング、研磨、モールディング等を適宜選択することができる。
【0182】
(工程3)
表面加工されたチップは、チップを被覆するゲル状組成物を除去して取り出される。
【0183】
チップを被覆するゲル状組成物を除去方法としては、本発明2のゲル状組成物の場合は、前述したようにチップを埋設されたゲル状組成物のシートから物理的に抜脱すればよいが、その他の方法として、ゲル状組成物を硬化していない場合は、Tc以上の温度に加温してゲル状組成物を液状にして除去する、ゲル状組成物のシートを溶剤で溶解して除去すること等が挙げられる。
【0184】
(4)より好適な組成物X及びY
組成物X及びYは、上述したように表面Sが埋設される際にシート上であることが好ましいので、埋設作業を行うための基台上に容易にシート化できるという観点から、それぞれ、熱可逆性組成物X又はYであることがより好ましい。
【0185】
組成物X又はYであれば、温度Tc以上で液状であるため基台上に平滑な表面を有するように容易に塗工でき、温度Tc未満に冷却するだけでゲル状の流動性を有さない平滑なシートになり表面Sを埋設するために好適なシートとなる。
【0186】
組成物Yであれば、温度Tc未満でも、チキソトロピックな性状により、押し出し成形や振動を加えることで基台上に平滑な表面を有するように容易に塗工でき、表面Sを埋設するために好適なシートとなる。
【0187】
組成物X又はYは、工程2における表面加工後の表面Sからのゲル状組成物の除去容易性の観点から、好ましくは湿気、熱又は光等により、より好ましくは熱又は光により、更に好ましくは光により硬化する硬化性を有し、硬化後の組成物が特開2017-066368段落0062に説明される相溶組成物粘弾性体であることが好ましい。
【0188】
(ゲル状組成物の実施態様例)
(1)組成物X1の実施態様例
表3及び4を参照して説明する。
化合物a1を100g及び化合物b1を400g評量して、容器(材質SUS316製、容量2000ml)に充填し、80℃、大気圧下で、スリーワンモーター(新東科学社製)を使用して200回転/分で360分間攪拌して、実施態様例1−1の相溶組成物を得ることができる。
【0189】
化合物a1及び化合物b1を、表3及び4記載の化合物に置き換えて、表3及び4記載の配合で、実施態様例1−1と同様にして実施例1−2〜23の相溶組成物を得ることできる。
【0190】
〈組成物X1の化合物原料〉
(1−1)化合物A
重合体ブロックaがメチルメタクリレートで構成され、
重合体ブロックbがブチルアクリレートで構成された、
重合体ブロックa-重合体ブロックb-重合体ブロックaのトリブロック共重合体化合物及び重合体ブロックa-重合体ブロックbのジブロック共重合体化合物を使用した。
【0191】
ブチルアクリレートの重合物(重合物a)のガラス転移温度は−25℃、
メチルメタクリレートの重合物(重合物b)のガラス転移温度は140℃である。
【0192】
化合物a1:KURARITY LA2140(登録商標、クラレ社)
化合物a2:KURARITY LA2250(登録商標、クラレ社)
化合物a3:KURARITY LA2330(登録商標、クラレ社)
化合物a4:KURARITY LA4285(登録商標、クラレ社)
【0193】
重合体ブロックa及び重合体ブロックbの合計質量中、重合体ブロックaが、
LA2140では約20質量%、LA2250では約30質量%、
LA2330では約20質量%、LA4285は約50質量%、
LA1892では約50質量%、LA1114は約10質量%であり、
LA2140、LA2250、LA2330、LA4285はトリブロック体、
後述するLA1892、LA1114はジブロック体で、
分子量はLA2330>LA2140=LA2250=LA4285=LA1114=LA1892である。
【0194】
(1−2)化合物B
化合物b1:イソデシルアクリレート(サートマー社製、SR395)
化合物b2:4−tert−ブチルシクロヘキシルアクリレート(Rahn社製、genomer1119)
化合物b3:4−ヒドロキシブチルアクリレート(日本化成社製、4−HBA)
化合物b4:ジイソノニルシクロヘキシルジカルボキシレート(BASF社製、DINCH)
化合物b5:安息香酸アルキル(アルキルの炭素原子数12〜16)(Lipo Chemicals社製、Liponate NEB)
化合物b6:水添ロジンエステル(荒川化学工業社製、KE−311)
化合物b7:エポキシ系エステル(4,5−エポキシ−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ビス(2−エチルヘキシル))(DIC社製、W150)
化合物b8:不均化ロジンエステル(荒川化学社製、ME−D)
化合物b9:トリエチレングリコール ビス(2−エチルヘキサノエート)(Proviron社製、Proviplast1783)
【0195】
(1−3)化合物B1(ラジカル反応性2官能化合物及び多官能化合物)
化合物b1-1:PPGウレタンアクリレート(KSM社製、UA10000B)
化合物b1-2:脂肪族ウレタンアクリレート(ダイセル・オルネクス社製、EB270)
化合物b1-3:1.9−ノナンジオールジアクリレート(共栄社化学社製、1,9−NDA)
化合物b1-4:ポリブタジエンウレタンアクリレート(日本曹達、TE−2000)
【0196】
(1−4)化合物B2(ラジカル反応性モノマー化合物)
化合物b2-1:4−ヒドロキシブチルアクリレート(日本化成社製、4−HBA)
化合物b2-2:ラウリルアクリレート(共栄社化学社製、LA)
化合物b2-3:イソデシルアクリレート(サートマー社製、SR395)
化合物b2-4:イソボルニルアクリレート(日本化薬社製、RM−1002)
化合物b2-5:4−tert−ブチルシクロヘキシルアクリレート(Rahn社製genomer1119)
化合物b2-6:ペンタメチルピペリジルメタクリレ−ト(日立化成社製、FA−711MM)
【0197】
(1−5)その他の化合物
化合物r1:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製、I−184)
化合物r2:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルーフォスフィンオキサイド(BASF社製、I−TPO)
【0200】
(2)組成物X2の実施態様例
表5及び6を参照して説明する。
化合物a1を100g及び化合物b1を200g評量して、容器(材質SUS316製、容量2000ml)に充填し、80℃、大気圧下で、スリーワンモーター(新東科学社製)を使用して200回転/分で360分間攪拌して、実施態様例2−1の相溶組成物を得ることができる。
【0201】
実施態様例2−1における化合物a1及び化合物b1を、表5及び6記載の化合物に置き換えて、表5及び6記載の配合で、実施例態様例2−1と同様にして実施態様例2−2〜14を得ることができる。
【0202】
〈組成物X2の化合物原料〉
(2−1)化合物A
重合体ブロックaがメチルメタクリレート単位(MMA)で構成され、
重合体ブロックbがn−ブチルアクリレート単位(nBA)で構成され、
幹が重合体ブロックbで、枝が重合体ブロックaであるグラフト共重合体化合物を使用した。
【0203】
メチルメタクリレートの重合物(重合物a)のガラス転移温度は140℃、
n−ブチルアクリレートの重合物(重合物b)のガラス転移温度が−25℃である。
【0204】
化合物a-1:NB5015(三菱レイヨン社)
化合物a-2:NB5065(三菱レイヨン社)
化合物a-3:NB5066(三菱レイヨン社)
化合物a-4:NB5073(三菱レイヨン社)
化合物a-5:NB5088(三菱レイヨン社)
【0205】
(2−2)化合物B
化合物b-1:ライトアクリレートLA(ラウリルアクリレート、共栄社化学社)
化合物b-2:SR395(イソデシルアクリレート、サートマー社)
化合物b-3:Proviplast1783(トリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート、Proviron社)
化合物b-4:DINCH(ジイソノニルシクロヘキシルジカルボキシレート、BASF社)
化合物b1-1:水添ロジンエステル(荒川化学工業社製、KE−311)
化合物b1-2:DINCH(ジイソノニルシクロヘキシルジカルボキシレート、BASF社)
化合物b2-1:TE−2000(ポリブタジエンウレタンアクリレート、日本曹達社)
化合物b2-2:脂肪族ウレタンアクリレート(ダイセル・オルネクス社製、EB270)
化合物b2-3:PPGウレタンアクリレート(KSM社製、UA10000B)
化合物b3-1:ライトアクリレートLA(ラウリルアクリレート、共栄社化学社)
化合物b3-2:ペンタメチルピペリジルメタクリレ−ト(日立化成社製、FA−711MM)
化合物b3-3:イソボルニルアクリレート(日本化薬社製、RM−1002)
【0206】
(2−3)その他の化合物
化合物r-1:I−184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASF社)
【0209】
(3)組成物X3の実施態様例
表7〜11を参照して説明する。
化合物A
1として化合物a1−1を100g及び化合物Bとして化合物b−4を200g評量して、容器(材質SUS316製、容量2000ml)に充填し、80℃、大気圧下で、スリーワンモーター(新東科学社製)を使用して200回転/分で360分間攪拌して、実施態様例3−1−1の相溶組成物を得ることができる。
【0210】
実施例3−1−1における化合物A
1を表8〜10記載の化合物A
1又はA
2に置き換え、化合物Bを表8〜10記載の他の化合物Bに置き換え、さらにその他の化合物を加えて、表8〜10記載の配合で、実施例3−1−1と同様にして実施例3−1−2〜16及び3−2−1〜3の相溶組成物を得ることができる。
【0211】
〈組成物X3の化合物原料〉
(3−1)化合物A
表7記載の化合物を使用できる。重合物b
2のガラス転移温度は−25℃である。
【0213】
(3−2)化合物B
化合物b-1:サラコス99(イソノナン酸イソノニル、日清オイリオ社)
化合物b-2:DINCH(ジイソノニルシクロヘキシルジカルボキシレート、BASF社)
化合物b-3:サラコスP−8(パルミチン酸−2−エチルヘキシル、日清オイリオ社)
化合物b-4:genomer1119(4−tertブチルシクロヘキシルアクリレート、Rahn社)
化合物b-5:SR395(イソデシルアクリレート、サートマー社)
化合物b-6:KE−311(水添ロジンエステル、荒川化学社)
化合物b-7:アルコンP−100(炭化水素樹脂、荒川化学社)
化合物b-8:クリアロンM−105(水添芳香族変性テルペン樹脂、ヤスハラケミカル社)
化合物b-9:TE−2000(ポリブタジエンウレタンアクリレート、日本曹達社)
化合物b-10:1.9ND−A(ノナンジオールジアクリレート、共栄社)
化合物b-11:エステモールN−01(ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、日清オイリオ社)
化合物b-12:HOB(2−ヒドロキシブチルメタクリレート、共栄社)
【0214】
(3−3)その他の化合物
化合物r-1:I−184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASF社)
【0218】
(4)組成物Yの実施態様例
表11を参照して説明する。
化合物A及びB並びにその他の化合物r1を、それぞれ表11に従って選択し、化合物Aが100gとなるように表11に記載された重量部で評量して、容器(材質SUS316製、容量2000ml)に充填し、80℃、大気圧下で、スリーワンモーター(新東科学社製)を使用して200回転/分で360分間攪拌して、実施態様例1〜6の相溶組成物を得ることができる。
【0219】
〈組成物X1の化合物原料〉
(4−1)化合物A
化合物a1:KURARITY LA1892(登録商標、クラレ社製)
化合物a2:KURARITY LA1114(登録商標、クラレ社製)
【0220】
(4−2)化合物B
化合物b1:ジイソノニルシクロヘキシルジカルボキシレート(BASF社製、DINCH)
化合物b2:水添ロジンエステル(荒川化学工業社製、KE−311)
【0221】
(4−3)化合物B1(ラジカル反応性2官能化合物及び多官能化合物)
化合物b1-1:脂肪族ウレタンアクリレート(ダイセル・オルネクス社製、EB270)
化合物b1-2:1.9−ノナンジオールジアクリレート(共栄社化学社製、1,9−NDA)
化合物b1-3:ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学社製、A−TMMT)
化合物b1-4:ウレタンアクリレート(日本合成社製、UV7605B)
【0222】
(4−4)化合物B2(ラジカル反応性モノマー化合物)
化合物b2-1:ラウリルアクリレート(共栄社化学社製、LA)
化合物b2-2:イソボルニルアクリレート(日本化薬社製、RM−1002)
【0223】
(4−5)その他の化合物
化合物r1:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製、I−184)
【0225】
〔実施例〕
組成物X1及びYを製造して本発明1の実施例に供した。
【0226】
(1)化合物原料
(1−1)化合物A
化合物a1:KURARITY LA2330(登録商標、クラレ社製)
化合物a2:KURARITY LA4285(登録商標、クラレ社製)
化合物a3:KURARITY LA2250(登録商標、クラレ社製)
化合物a4:KURARITY LA2270(登録商標、クラレ社製)
化合物a5:KURARITY LA1892(登録商標、クラレ社製)
【0227】
LA2270では、重合体ブロックa及び重合体ブロックbの合計質量中、重合体ブロックaが約40質量%である。
【0228】
(1−2)化合物B
化合物b1:エポキシ化脂肪酸メチル(エポサイザーW121、DIC社)
化合物b2:ジイソノニルシクロヘキシルジカルボキシレート(DINCH、BASF社)
化合物b3:アジピン酸ビス(2−ブトキシエチル)(Proviplast0142、Proviron社)
化合物b4:トリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート(Proviplast1783、Proviron社製)
化合物b5:炭酸ビス(2-メトキシ-1-メチルエチル)(DIALCARB M−3、三井化学ファイン社製)
化合物b6:2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HO−250、共栄社化学社製)
化合物b7:イソデシルアクリレート(SR395、サートマー社製)
化合物b8:ジエチルアクリルアミドポリマー(MICARESTAR KP399、星光PMC社製)
化合物b9:ポリブタジエンウレタンアクリレート(TE−2000、日本曹達社製)
化合物b10:脂肪族ウレタンアクリレート(EB270、ダイセル・エボニック社製)
化合物b11:ラウリルアクリレート(LA、共栄社化学社製)
化合物b12:イソボルニルアクリレート(RM1002、日本化薬社製製)
【0229】
(1−3)その他の化合物
化合物r1:PPGウレタンアクリレート(UA10000B、KSM社製)
化合物r2:4−ヒドロキシブチルアクリレート(4−HBA、日本化成社製)
化合物r3:水添ロジンエステル(KE−311、荒川化学工業社製)
化合物r4:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(I−184、BASF社製)
【0230】
(2)ゲル状組成物
表12を参照して説明する。
【0231】
(2−1)化合物a1を100g及び化合物b1を300g評量して、容器(材質SUS316製、容量2000ml)に充填し、80℃、大気圧下で、スリーワンモーター(新東科学社製)を使用して200回転/分で360分間攪拌して、実施組成物X1−1の相溶組成物を得た。
【0232】
化合物a1及び化合物b1を、表12記載の化合物に置き換えて、表12記載の配合で、実施組成物X1の1と同様にして実施組成物X1−2〜9、実施組成物Y−1及び比較組成物1を得た。なお、比較組成物1は、UV硬化型粘着剤である。
【0233】
(2−2)実施組成物及び比較組成物に対して、以下の物性を測定した。
【0234】
(2−2−1)ブチルアクリレートの重合物(重合物a)及びメチルメタクリレートの重合物(重合物b)のガラス転移点。
(2−2−2)液状−ゲル状転移温度(Tc)
(2−2−3)粘度(Pa・s)
(2−2−4)25℃における貯蔵剛性率(kPa)
(2−2−5)25℃、剪断速度1(sec
−1)における粘度η
1(Pa・s)
(2−2−6)25℃、剪断速度10(sec
−1)における粘度η
10(Pa・s)
(2−2−7)HAZE値
(3)測定条件
【0235】
〈ガラス転移点〉
重合物a、重合物b及びブロック共重合体化合物のそれぞれについて、200℃に設定した神藤金属工業株式会社製の油圧式熱プレス機を用い、10MPaの圧力で0.5mm厚みにシート成形する。その後、動的粘弾性測定に必要な45mm×10mm×0.5mmの短冊片を切り出す。
セイコーインスツルメンツ社製動的粘弾性装置(DMS6100)を使用し、
引っ張りモードにて、−100℃〜200℃の温度範囲(昇温速度3℃/分)、周波数11Hzなる条件で測定して得られたチャートにおける、
tanδのピーク温度を読み取って短冊片を構成する重合物a、重合物b及びブロック共重合体化合物それぞれのガラス転移点とする。
【0236】
〈液状−ゲル状転移温度Tc及び貯蔵剛性率〉
ゲル状組成物の貯蔵剛性率G’と損失剛性率G”を、
レオメータ(Anton Paar社製)を使用し、
コーンローター(φ=25mm、ローター角度2°)、周波数1Hz、ひずみ1%で、
150℃から0℃に向けて、2℃/分で冷却して測定し、
25℃超150℃以下の範囲において、貯蔵剛性率G’と損失剛性率G”とが等しくなる温度をTcとする。
【0237】
<粘度>
レオメータ(Anton Paar社製)を使用し、コーンローター(φ=25mm、ローター角度2°)、周波数1Hz、ひずみ1%で、150℃から0℃に向けて、2℃/分で冷却して測定した。Tc以上の温度領域で測定された複素粘度の数値を粘度とした。
【0238】
<貯蔵剛性率>
レオメータ(Anton Paar社製)を使用し、コーンローター(φ=25mm、ローター角度2°)、周波数1Hz、ひずみ1%で、150℃から0℃に向けて、2℃/分で冷却して測定した。25℃で測定された貯蔵剛性率の数値を読み取った。ただし、転移温度が0℃≦Tc≦30℃の場合はTc−20℃における貯蔵剛性率とした。
【0239】
〈粘度η
v〉
レオメータ(Anton Paar社製)を使用し、コーンローター(φ=25mm、ローター角度2°)、25℃にて、剪断速度を0.01(sec
−1)から100(sec
−1)まで変化させて剪断速度vにおける粘度η
vを読み取る。
なお、コーンローターにゲル組成物の構造粘性に基づく抵抗が発生せずに測定値が計測できない場合は「測不」とした。
【0240】
〈HAZE値〉
実施例34〜39の相溶組成物のそれぞれについて、
2.5cm×3.8cm×1mmtのガラスの両端に0.3mmtのスペーサーを貼り、相溶組成物を挟んでメタルハライドランプ(アイグラフィックス社製、コンベアタイプ)にて、250mW/cm2、3000mJ/cm
2で相溶組成物を硬化させた。ヘイズメーター(日本電食工業社製、NDH5000)にて測定し、全光透過率と拡散透過率の比を求めた。
【0241】
(4)素材と機器
(4−1)素材
・ガラスプレート部材
NSGインテリア 社製、品番ガラス2.9T、10cm×10cm、厚み2.7mm、
・PETフィルム部材
パナック社製、品番ルミラー100T60、38mm×25mm、厚み0.1mm
・離形フィルム1
東洋紡社製E7002、10cm×10cm、厚み38μm
・離形フィルム2
東洋紡社製E7006、10cm×10cm、厚み50μm
・スペーサー1
アズワン社製、材質シリコーンゴム、品番6−612−02、幅10mm、高さ1mm
・スペーサー2
ミワックス社製、材質塩化ビニール、品番C−73S、幅2mm、高さ1.8mm
【0242】
(4−2)チップ:BGAチップ(基板厚み0.9mm、ハンダ電極高さ0.34mm、ハンダ電極径0.5mm)
【0243】
(4−3)その他の機器
・押圧用ガラスプレート:38mm×26mm、厚み1.1mm、松浪硝子社製、品番S1126、周囲に厚み1.8mmのスペーサーで囲われている。
・紫外線照射装置:コンベア型紫外線照射装置(アイグフィック社製、メタルハライドランプ)
・スプレー塗料:アサヒペン製ラッカースプレー(白)
・顕微鏡:KEYENCE社製、UHX−500
【0244】
(5)実施例1〜9及び比較例1
(5−1)ゲルシートの成形工程
(5−1−1)ガラスプレート部材1上に外周にスペーサー1を配置した離型フィルム1を設置して組成物充填槽を形成した。
【0245】
(5−1−2)実施組成物X1−1〜9及び実施例組成物Yを組成物充填槽の中心にそれぞれ充填し、組成物Xについては、離型フィルム2で挟み、さらにもう1枚のガラスプレート部材で各実施組成物を挟んだ後、
Tcが0〜60℃の場合は、80℃まで加熱して液状にしてから、
Tcが60〜150℃の場合は、Tc+20℃まで加熱して液状にしてから、
それぞれそのまま3時間加温した後に25℃まで自然放冷して、
離型フィルム1及び2に挟まれた、
実施組成物X1−1〜9のゲルシートX1−1〜9を、
実施組成物Yについては、表面をスペーサーに沿ってへらでスキージ(squeegee)することでゲルシートYを作製した。
(5−1−3)比較組成物1を組成物充填槽の中心に充填し離型フィルム2で挟み、さらにもう1枚のガラスプレート部材で各実施組成物を挟んだ後、ガラスプレート部材側から紫外線照射装置を用いてピーク照度400mW/cm2、積算光量3000mJ/cm
2(オーク社製、波長350nm)で硬化さて比較ゲルシート1を作製した。
【0246】
(5−2)工程1
(5−2−1)ゲルシートX1−1〜9及びY並びに比較ゲルシート1を38mm×25mmにカットした後、片面の離型フィルム1を剥離し、同サイズのPETフィルム部材に貼付け、各ゲルシートとPETフィルム部材との積層体Aを作製した。
【0247】
(5−2−2)積層体Aの残った離型フィルム2を剥離した各ゲルシートの表面にBGAチップのハンダ電極を備える表面Sを配置し、表面Sの裏面上に押圧用ガラスプレートを配置して、スペーサーで止まるまで押圧用ガラスプレートを押し下げ、各ゲルシートに向けてBGAチップを押し込んで埋設し、表面Sを各ゲルシートで被覆した。
【0248】
(5−2−3)ゲルシートX9、ゲルシートYについては、PETフィルム側から紫外線照射装置を用いてピーク照度400mW/cm
2、積算光量3000mJ/cm
2(オーク社製、波長350nm)で光硬化させた。
【0249】
(5−3)工程2
表面S側が各ゲルシート内に埋設され、表面S以外が各ゲルシートから露出したBGAチップの表面加工として、露出した表面にスプレー塗料でスプレーして着色剤を塗工した。
【0250】
(5−4)チップ抜脱工程
表面Sが各ゲルシートで被覆されたまま、PETフィルムを湾曲させることで、各ゲルシートをPETフィルム部材ごと表面Sから剥離させてBGAチップを抜脱した。
【0251】
(6)表面加工性の評価
(6−1)チップ包埋性
工程1で、各ゲルシートに向けてBGAチップを押し込んで埋設した際に、
目視にてシートからチップの浮きが発生していない場合を〇
目視にてシートからチップの浮きが発生している場合を×とした。
【0252】
(6−2)チップ抜脱性
チップ抜脱工程で、BGAチップを抜脱した際に、表面S及び電極の表面に、
ゲルシート由来の粘着物が付着することなく抜脱できた場合を〇、
ゲルシート由来の粘着物が付着した状態で抜脱できた場合を×とした。
【0253】
(6−3)防汚染性
チップ抜脱工程で、抜脱後のBAGチップの露出した表面Sの電極面を顕微鏡観察し、
表面加工(スプレー塗工)由来の汚染(着色)がない場合を〇、
表面加工(スプレー塗工)由来の汚染(着色)がある場合を×とした。
【0254】
以上の実施例及び比較例の結果を表12にまとめた。
表12に示されるように、Tc及びチキソトロピック性を有しない化学架橋ゲルである比較組成物1で形成した比較ゲルシートを、本発明1の工程1及び2に適用した場合、貯蔵剛性率及びη
10が低い値であっても、チップ包埋性及び防汚染性が十分とはいえないが、
Tc及び/又はチキソトロピック性を有する物理架橋ゲルである本発明2の実施組成物X1−1〜9及びYで形成した比較ゲルシートを、本発明1の工程1及び2に適用した場合は、所定の貯蔵剛性率の範囲であれば、チップ包埋性、チップ抜脱性及び防汚染性が良好で、包埋容易性、防汚染性及び表面加工容易性が共に良好である。