(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871597
(24)【登録日】2021年4月20日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】コンクリート基礎用捨て型枠、現場型枠作製方法およびコンクリート基礎のベース部の幅拡張方法
(51)【国際特許分類】
E02D 27/01 20060101AFI20210426BHJP
【FI】
E02D27/01 D
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-249487(P2016-249487)
(22)【出願日】2016年12月22日
(65)【公開番号】特開2018-104903(P2018-104903A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2019年10月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】596066530
【氏名又は名称】宇都宮工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105843
【弁理士】
【氏名又は名称】神保 泰三
(72)【発明者】
【氏名】川上 浩史
(72)【発明者】
【氏名】小柳出 隆一
(72)【発明者】
【氏名】穐本 浩史
(72)【発明者】
【氏名】土井 昌司
(72)【発明者】
【氏名】板倉 広安
【審査官】
石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−077640(JP,A)
【文献】
特開2000−192476(JP,A)
【文献】
特開2011−089382(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0167503(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 27/01
E04G 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート基礎のベース部を形成するコンクリート基礎用捨て型枠であって、水平方向に長い形状を有し縦断面形状において縦面部と当該縦面部に繋がる繋ぎ面部とを有する凹凸状のリブ部を、上下方向の1以上の箇所に設けた鋼板からなるコンクリート基礎用捨て型枠を用い、
連接した上記コンクリート基礎用捨て型枠の両側に設けた固定部材にて上記コンクリート基礎用捨て型枠を挟んで支持することを特徴とする現場型枠作製方法。
【請求項2】
請求項1に記載の現場型枠作製方法において、上記コンクリート基礎用捨て型枠における打設時のコンクリートの荷重によるモーメントが最も大きくなる高さ位置に、上記リブ部の縦面部または繋ぎ面部が位置することを特徴とする現場型枠作製方法。
【請求項3】
請求項2に記載の現場型枠作製方法において、上記コンクリート基礎用捨て型枠における上記モーメントが最も大きくなる高さ位置の上記リブ部についての縦面部が、ベース部の基準側面となる箇所に位置し、この縦面部の下方であってベース部下端を形成する箇所には、別のリブ部における縦面部が上記基準側面よりも外側に位置することを特徴とする現場型枠作製方法。
【請求項4】
請求項3に記載の現場型枠作製方法において、上記コンクリート基礎用捨て型枠における上記モーメントが最も大きくなる高さ位置の上記リブ部の上方には、別のリブ部がその縦面部を上記基準側面よりも外側に位置させるとともに、当該別のリブ部の上方には、さらに別のリブ部がその縦面部を上記基準側面となる箇所に位置させることを特徴とする現場型枠作製方法。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の現場型枠作製方法において、上記コンクリート基礎用捨て型枠における上端部には、略水平に折り曲げられた曲げ部が形成されていることを特徴とする現場型枠作製方法。
【請求項6】
コンクリート基礎のベース部を形成するコンクリート基礎用捨て型枠を用いる現場型枠作製方法であって、
上記コンクリート基礎用捨て型枠は、水平方向に長い形状を有し縦断面形状において縦面部と当該縦面部に繋がる繋ぎ面部とを有する凹凸状のリブ部を、上下方向の1以上の箇所に設けた鋼板からなり、打設時のコンクリートの荷重によるモーメントが最も大きくなる高さ位置に、上記リブ部の縦面部または繋ぎ面部が位置し、上記モーメントが最も大きくなる高さ位置の上記リブ部についての縦面部が、ベース部の基準側面となる箇所に位置し、この縦面部の下方であってベース部下端を形成する箇所には、別のリブ部における縦面部が上記基準側面よりも外側に位置しており、
上記コンクリート基礎用捨て型枠に対して、コンクリートの投入前に土の埋め戻しを行うことを特徴とする現場型枠作製方法。
【請求項7】
コンクリート基礎のベース部を形成するコンクリート基礎用捨て型枠であって、水平方向に長い形状を有し縦断面形状において縦面部と当該縦面部に繋がる繋ぎ面部とを有する凹凸状のリブ部を、上下方向の1以上の箇所に設けた鋼板からなるコンクリート基礎用捨て型枠を用いて作製されたコンクリート基礎のベース部の幅を拡張する方法であって、上記ベース部の側面に存在する上記コンクリート基礎用捨て型枠および上記側面に横方向に鉄筋を差し込み、上記鉄筋を覆うようにコンクリートを打設することを特徴とするコンクリート基礎のベース部の幅拡張方法。
【請求項8】
コンクリート基礎のベース部を形成するコンクリート基礎用捨て型枠であって、水平方向に長い形状を有し縦断面形状において縦面部と当該縦面部に繋がる繋ぎ面部とを有する凹凸状のリブ部を、上下方向の1以上の箇所に設けた鋼板からなり、縦方向に折り線を形成することを容易にする鋼板切取り部が形成されていることを特徴とするコンクリート基礎用捨て型枠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンクリート基礎のベース部を形成するコンクリート基礎用捨て型枠、現場型枠作製方法およびコンクリート基礎のベース部の幅拡張方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリート基礎のベース部を形成するコンクリート基礎用捨て型枠として、ラス網を用いたラス型枠が知られている。しかしながら、上記ラス型枠では、網目からコンクリートのノロや余剰水分が出るため、土で埋め戻されるとしても、作製時点の見栄えが悪いという欠点がある。そこで、網目の無い鋼板を用いてコンクリート基礎用捨て型枠を作製することが考えられる。なお、特許文献1には、鋼板を用いた盛土の土留め構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−79683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記鋼板を用いてコンクリート基礎用捨て型枠では、その板厚が薄いと、投入されるコンクリートの荷重に耐えられずに変形し、また、板厚が厚いと重くなって作業性が悪くなり、さらに型枠の材料コストが高くつく欠点がある。
【0005】
この発明は、上記の事情に鑑み、投入されるコンクリートの荷重を受けても変形し難く、軽量で低コスト化が図れるコンクリート基礎用捨て型枠、現場型枠作製方法およびコンクリート基礎のベース部の幅拡張方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明のコンクリート基礎用捨て型枠は、上記の課題を解決するために、コンクリート基礎のベース部を形成するコンクリート基礎用捨て型枠であって、水平方向に長い形状を有し縦断面形状において縦面部と当該縦面部に繋がる繋ぎ面部とを有する凹凸状のリブ部を、上下方向の1以上の箇所に設けた鋼板からなることを特徴とする。
【0007】
上記の構成であれば、鋼板の板厚を薄くして軽量で低コスト化が図れるとともに、上記リブ部を有することで、投入されるコンクリートの荷重を受けたときの変形を抑制することができる。
【0008】
打設時のコンクリートの荷重によるモーメントが最も大きくなる高さ位置に、上記リブ部の縦面部または繋ぎ面部が位置するようにしてもよい。これによれば、少ないリブ数で効率的に変形を抑制することができる。
【0009】
上記モーメントが最も大きくなる高さ位置の上記リブ部についての縦面部が、ベース部の基準側面となる箇所に位置し、この縦面部の下方であってベース部下端を形成する箇所には、別のリブ部における縦面部が上記基準側面よりも外側に位置することを特徴とする。これによれば、ベース部下端を形成する箇所では、別のリブ部における縦面部が上記基準側面よりも外側に位置するので、仮に、コンクリートの投入前に捨て型枠に対する土の埋め戻しが行われ、その土圧で捨て型枠が型枠内側に動いたとしても、上記ベース部の下端のベース幅が規定幅を下回ることを回避することができる。
【0010】
上記モーメントが最も大きくなる高さ位置の上記リブ部の上方には、別のリブ部がその縦面部を上記基準側面よりも外側に位置させるとともに、当該別のリブ部の上方には、さらに別のリブ部がその縦面部を上記基準側面となる箇所に位置させてもよい。これによれば、上記のさらに設けられた別のリブ部の縦面部が上記基準側面となる箇所に位置するので、必要となるコンクリート量を極力少なくすることができる。
【0011】
上記コンクリート基礎用捨て型枠の上端部には、略水平に折り曲げられた曲げ部が形成されていてもよい。これによれば、上記最上端部での曲がりが抑制されるので、現場での型枠作製において、当該捨て型枠の通りを出すことが容易になる。
【0012】
縦方向に折り線を形成することを容易にする鋼板切取り部が形成されていてもよい。これによれば、出隅あるいは入隅に用いる場合に、当該コンクリート基礎用捨て型枠を縦方向の折り線で90度等に折り曲げることが現場において容易に行える。
【0013】
また、この発明の現場型枠作製方法は、上記コンクリート基礎用捨て型枠を用いた現場型枠作製方法であって、連接した上記コンクリート基礎用捨て型枠の両側に設けた固定部材にて上記コンクリート基礎用捨て型枠を挟んで支持することを特徴とする。
【0014】
ここで、仮に、上記コンクリート基礎用捨て型枠に対して串刺しで固定杭を設けると、このような串刺しに起因して生じる隙間からノロが漏れ出ることになる。上記の方法であれば、串刺しは行わず、上記コンクリート基礎用捨て型枠の両側に設けた固定部材にて当該捨て型枠を挟んで支持するので、上記のようなノロの漏れ出し防止し、コンクリート基礎のベース部が見える時点での美観向上を図ることができる。
【0015】
また、この発明のコンクリート基礎のベース部の幅拡張方法は、上記コンクリート基礎用捨て型枠を用いて作製されたコンクリート基礎のベース部の幅を拡張する方法であって、上記ベース部の側面に存在する上記コンクリート基礎用捨て型枠および上記側面に横方向に鉄筋を差し込み、上記鉄筋を覆うようにコンクリートを打設することを特徴とする。
【0016】
上記の方法であれば、上記ベース部の側面には、上記コンクリート基礎用捨て型枠のリブ部による凹凸が形成されているため、上記ベース部の側面をわざわざ斫る必要がなく、上記ベース部の幅を拡張するときの作業負担が軽減される。
【発明の効果】
【0017】
本発明であれば、投入されるコンクリートの荷重を受けても変形し難く、軽量で低コスト化が図れる等の諸効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に係るコンクリート基礎用捨て型枠およびこの捨て型枠によりベース部が形成されたコンクリート基礎を示した概略の断面図である。
【
図2】
図1のコンクリート基礎用捨て型枠の概略の立体図である。
【
図3】
図1のコンクリート基礎用捨て型枠の概略の立体図である。
【
図4】
図1のコンクリート基礎用捨て型枠にかかる荷重分布、モーメント等を示した説明図である。
【
図5】同図(A)および同図(B)は、
図1のコンクリート基礎用捨て型枠として高さが異なるものを示すとともに、ベース部の基準側面との関係を示した説明図である。
【
図6】
図1のコンクリート基礎用捨て型枠が土圧で移動することを示した説明図である。
【
図7】本発明の他の実施形態に係る出隅または入隅で用いるコンクリート基礎用捨て型枠を示した斜視図である。
【
図8】
図1と
図7のコンクリート基礎用捨て型枠を用いた本発明の実施形態に係る現場型枠作製方法を示した説明図である。
【
図9】同図(A)は
図1のコンクリート基礎用捨て型枠を用いた本発明の実施形態に係るベース部の幅拡張方法を示した説明図であり、同図(B)は従来のベース部の幅拡張方法を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示しているように、この実施形態のコンクリート基礎用捨て型枠1は、コンクリート基礎(布基礎等)7のベース部71を形成する捨て型枠であり、上記コンクリート基礎7の立上部72については別途、型枠8が設けられる。上記ベース部71の高さは、例えば、160〜180mm程度である。
【0020】
上記捨て型枠1は、
図2および
図3にも示すように、水平方向に長い形状を有し縦断面形状において縦面部21と当該縦面部21に繋がる繋ぎ面部22とを有する凹凸状のリブ部2(
図2の仮想線参照)を、上下方向の1以上の箇所に設けた鋼板からなる。上記縦面部21は例えば鉛直面とされており、上記繋ぎ面部22は例えば斜め面となっている。
【0021】
ここで、上記捨て型枠1には、
図4に示すように、打設時にコンクリートの荷重が加わるが、下側ほど大きな荷重が加わる。そして、上記捨て型枠1の下端を回転中心として上記捨て型枠1を外側に倒そうとするモーメントが発生する。上記モーメントが最も大きくなる高さ位置は、上記捨て型枠1の高さをLとすると、上記捨て型枠1の下端からL−L/√3の高さとなる。
【0022】
この実施形態では、
図5(A)および
図5(B)に示すように、打設時のコンクリートの荷重によるモーメントが最も大きくなる高さ位置(Mmax)に、上記リブ部2としてリブ部2Aの縦面部21または繋ぎ面部22が位置するようにしている。上記リブ部2Aの縦面部21の高さは例えば42mm程度とされ、上記繋ぎ面部22の高さは例えば9mm程度とされている。
【0023】
そして、上記リブ部2Aの縦面部21の下方であってベース部71の下端を形成する箇所には、別のリブ部2Bにおける縦面部21が基準側面(設計上のベース部の側面位置)よりも外側に位置している。上記リブ部2Bにおける縦面部21は、上記基準側面から例えば9.4mm程度外側に突出して位置している。また、上記リブ部2Bの縦面部21の高さは例えば23mm程度としている。
【0024】
さらに、上記リブ部2Aの縦面部21の上方には、別のリブ部2Cがその縦面部21を上記基準側面よりも外側に位置させるとともに、当該別のリブ部2Cの上方には、さらに別のリブ部2Dがその縦面部21を上記基準側面となる箇所に位置させている。この実施形態では、
図5(A)および
図5(B)に示したように、全高が異なる2種の捨て型枠1について、上記リブ部2A、上記リブ部2B、上記リブ部2Cの高さを同じにしている。また、上記リブ部2Dは、上記捨て型枠1の上端部と上記リブ部2Aの上端の略中間位置に形成されている。
【0025】
また、上記リブ部2Dの上側には、リブ部2Eがその縦面部21を上記基準側面よりも外側に位置させている。上記リブ部2Cおよび上記リブ部2Eの各々の縦面部21は、上記リブ部2Bの縦面部21と同じだけ外側に突出して位置している
【0026】
上記捨て型枠1の上端部、この例では、上記リブ部2Eの上端には、基礎コンクリート側に略水平に折り曲げられた曲げ部23が形成されている。この曲げ部23の水平幅は、例えば、6.4mm程度とされ、上記リブ部2Aおよび上記リブ部2Dの縦面部21を超えてコンクリートが設側に入り込まないようにしている。
【0027】
上記捨て型枠1であれば、鋼板の板厚を薄くして軽量で低コスト化を図ることができるとともに、上記リブ部2を有することで、投入されるコンクリートの荷重を受けたときの変形を抑制することができる。
【0028】
打設時のコンクリートの荷重によるモーメントが最も大きくなる高さ位置に上記リブ部2Aの縦面部31または繋ぎ面部32が位置すると、少ないリブ数で効率的に変形を抑制することができる。
【0029】
上記リブ部2Aについての縦面部21が、ベース部71の基準側面となる箇所に位置し、この縦面部21の下方であってベース部71の下端を形成する箇所にリブ部2Bにおける縦面部21が上記基準側面よりも外側に位置すると、仮に、
図6に示すように、コンクリートの投入前に当該捨て型枠1に対する土の埋め戻しが行われ、その土圧で当該捨て型枠1が型枠内側に動いたとしても、上記リブ部2Bにおける縦面部21が上記基準側面よりも外側に位置するので、ベース部71の底面のベース幅が規定幅を下回るのを回避することができる。なお、このような構造に限定されるものではなく、上記リブ部2Bについての縦面部21を、ベース部71の基準側面に位置させ、上記リブ部2Aにおける縦面部21を上記基準側面よりも外側に位置させる等の逆タイプの凹凸とする構造とすることもできる。
【0030】
また、
図5(A)および
図5(B)に示したように、上記リブ部2Aの上方に上記リブ部2Cがその縦面部21を上記基準側面よりも外側に位置させるとともに、上記リブ部2Cの上方に上記リブ部2Dがその縦面部21を上記基準側面となる箇所に位置させていると、上記リブ部2Dの縦面部21が上記基準側面となる箇所に位置するので、必要となるコンクリート量を極力少なくすることができる。
【0031】
また、上記捨て型枠1の上端部に曲げ部23が形成されていると、上記最上端部での曲がりが抑制されるので、現場での型枠作製において、当該型枠の通りを出すことが容易になる。
【0032】
図7に示す捨て型枠1Aは、出隅或いは入隅に用いられるものであり、縦方向に折り線を形成することを容易にする鋼板切取り部3が形成されている。このような捨て型枠1Aであれば、出隅あるいは入隅に用いる場合に、当該捨て型枠1を縦方向の折り線で90度等に折り曲げることが現場において容易に行えるようになる。この実施形態では、上記鋼板切取り部3を上記リブ部2Aと上記リブ部2Dの2か所に形成しており、上記縦方向の折り線が、上記リブ部2Bと上記リブ部2Cと上記リブ部2Eにおける各々の縦面部21、すなわち、上記基準側面よりも外側に位置する縦面部21において形成される。また、上記鋼鈑切取り部3は、上記折り線の方向に細長い略六角形状に形成されており、長手方向上に位置する六角形における角が上記縦方向の折り線上に位置するようにしている。
【0033】
次に、上記捨て型枠1,1Aを用いたこの実施形態の現場型枠作製方法について説明していく。この現場型枠作製方法では、
図8に示すように、コンクリート投入側となる上記捨て型枠1,1Aの内側に固定部材として固定杭(鉄筋等)41を地中に差し込むとともに、上記捨て型枠1,1Aの外側にも固定部材として固定杭42を地中に差し込み、上記内側の固定杭41と外側の固定杭42にて上記捨て型枠1,1Aを挟んで支持する。
【0034】
ここで、仮に、上記コンクリート基礎用捨て型枠1に対して串刺しで固定杭を設けると、このような串刺しに起因して生じる隙間からノロが漏れ出ることになる。上記の方法であれば、串刺しは行わず、上記コンクリート基礎用捨て型枠1の両側に設けた固定杭41,42にて当該捨て型枠1を挟んで支持するので、上記のようなノロの漏れ出し防止し、コンクリート基礎7のベース部71が見える時点での美観向上を図ることができる。
【0035】
なお、固定部材としては、固定杭41,42に限らず、上記捨て型枠1,1A専用に設計した専用金物(ブラケット等)を上記捨て型枠1,1Aの内側と外側に設けることで、上記捨て型枠1,1Aを挟んで支持するようにしてもよい。また、上記コンクリート基礎用捨て型枠1の両側に設ける固定部材を向かい合わせることに限らず、千鳥状に配置してもよい。また、上記コンクリート基礎用捨て型枠1の片側にだけ固定部材を設けることとしてもよいものである。
【0036】
次に、この実施形態のコンクリート基礎のベース部の幅拡張方法について説明していく。このベース部の幅拡張方法は、上記コンクリート基礎用捨て型枠1,1Aを用いて作製されたコンクリート基礎7のベース部71の幅を拡張する方法である。
図9(A)に示すように、まず、土を掘り起こしてベース部71を露呈させる。そして、上記ベース部71の側面および当該側面に存在する上記コンクリート基礎用捨て型枠1に横方向に鉄筋73を差し込む。次に、上記鉄筋73を覆うようにコンクリート74を打設し、ベース部71の幅を拡張する。なお、従来例を
図9(B)に示している。この従来例では、一般的な布基礎が示されており、そのベース部701の側面は凹凸の無い面となっている。そのため、ベース部701の側面を斫ることによって斫部701aを形成し、この斫部701aに鉄筋702を差し込み、接着強度を高めるためのプライマーの塗布処理を行い、上記鉄筋702を覆うようにコンクリート703を打設し、ベース部701の幅を拡張する。
【0037】
このように、
図9(A)に示したこの実施形態のベース部の幅拡張方法であれば、斫り処理や、この斫りによる凹凸が小さいことによるプライマー塗布処理を不要にすることができ、作業負担が格段に軽減される。
【0038】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 :コンクリート基礎用捨て型枠
1A :コンクリート基礎用捨て型枠
2 :リブ部
2A :リブ部
2B :リブ部
2C :リブ部
2D :リブ部
2E :リブ部
3 :鋼板切取り部
7 :コンクリート基礎
8 :型枠
21 :縦面部
22 :繋ぎ面部
23 :曲げ部
31 :縦面部
32 :繋ぎ面部
41 :固定杭(固定部材)
42 :固定杭(固定部材)
71 :ベース部
72 :立上部
73 :鉄筋
74 :コンクリート