(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0015】
本発明の実施形態に係るロボット掃除機1000について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
==ロボット掃除機==
本実施形態に係るロボット掃除機1000は、室内や廊下、屋上、机上、屋外のグランドなどのような様々な場所において、所定の清掃エリアを自律的に走行ながら清掃することが可能な自律走行型掃除機である。
【0017】
そして本実施形態に係るロボット掃除機1000は、ロボット自身が地図を作るSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)等の技術を用いて、周囲に存在する様々な物体までの距離及び方向を検知しながら走行することで、清掃エリアの形状や広さ、清掃エリアに置かれている物体の位置、さらには清掃エリア内での自らの位置及び移動軌跡を把握し、清掃エリア内を効率的に清掃する。
【0018】
例えば
図2に示すような室内における清掃エリア500をロボット掃除機1000を用いて清掃する場合、ロボット掃除機1000は、清掃エリア500内を走行しながら周囲の壁面520Aや間仕切り520B、可搬物体(椅子、プランター、荷物など)520C等の物体520までの距離及び方位を順次検知し、それと共に、清掃するべき床面510の形状や広さ、自らの位置などを検知する。
【0019】
なおロボット掃除機1000の移動軌跡とは、ロボット掃除機1000の位置姿勢の時系列を意味する。ロボット掃除機1000の位置姿勢とは、たとえば、ロボット掃除機1000が移動する清掃エリア500上に規定される2次元座標系における位置座標および方位角(x,y,θ)である。
【0020】
また詳しくは後述するが、ロボット掃除機1000は、このような周囲の物体520の検知結果を元に、占有格子地
図600と呼ばれる地図を作成し、清掃エリア500を認識する。
【0021】
占有格子地
図600は、例えば
図4Cに示すように、ロボット掃除機1000の清掃エリア500を、複数の矩形状のセル610に分割するようにして構築した地図である。ロボット掃除機1000は、
図4Aから
図4Cに示すように、清掃エリア500内を移動しながら、順次、周囲の物体520を検知し、占有格子地
図600を構築していく。各セル610のサイズは任意であるが、例えば一辺数センチメートル(例えば5センチメートル)程度である。
【0022】
そしてロボット掃除機1000は、各セル610ごとに、掃除済みか否か、及び物体520が置かれているか否かのそれぞれの状態をフラグにより管理している。詳細は後述する。
【0023】
一方で、本実施形態に係るロボット掃除機1000は、ユーザと協調して動作し、ユーザによる誘導に従って清掃エリア500内を清掃することもできる。
【0024】
例えば
図3A〜
図3Cに示すように、ロボット掃除機1000が清掃エリア500を清掃する際に、物体520が置かれている場所は避けて掃除を行うが(
図3A)、ユーザが物体520の場所を移動させると(
図3B)、ロボット掃除機1000はそれに反応し、物体520が移動前に置かれていた場所に移動して、その場所の掃除を行う(
図3C)。
【0025】
このようにして、本実施形態に係るロボット掃除機1000は、人間と協調して動作することができる。
【0026】
次に、ロボット掃除機1000の構成について詳しく説明する。ロボット掃除機1000は、
図1に示すように、掃除機本体300と掃除機制御部100とを備えて構成される。
【0027】
=掃除機本体=
掃除機本体300は、特に図示はしないが、吸気口、排気口、吸気用モータ、ファン及びフィルタ等を有して構成され、掃除機制御部100によって制御される吸気用モータを用いてファンを回転させ、吸気口から吸い込んだ空気を排気口から排出する際に、空気とともに吸い込んだゴミをフィルタに捕捉する。
【0028】
また掃除機本体300は、自走用モータ及び車輪を有し、掃除機制御部100によって制御される自走用モータを用いて車輪を回転させることにより、清掃エリア500を走行する。
【0029】
=掃除機制御部=
掃除機制御部100は、制御部110、物体検知部120、制御モード設定指示受付部140、停止指示受付部150、音声コマンド受付部160を備えて構成される。掃除機制御部100は、掃除機本体300に搭載され、掃除機本体300と共に移動しながら掃除機本体300を制御する。
【0030】
<物体検知部>
物体検知部120は、掃除機本体300と共に移動しながら、清掃エリア500に置かれた物体520の位置及び方位を検知するセンサである。本実施形態に係る物体検知部120は、例えばレーザパルスを出射する光源と、レーザパルスの反射光を検出する検出器とを備えた2次元(2D)レーザスキャナであり、所定の方向に向けて出射したレーザパルスが往復する時間を計測することで物体までの距離を算定する。なお、ロボット掃除機1000から周囲の物体520までの距離及び方位が計測されることで、ロボット掃除機1000と物体520との間の清掃エリア500の広さや形状も分かる。
【0031】
本実施形態に係る物体検知部120は、レーザパルスの光源及び検出器が所定速度で回転し、所定角度毎あるいは所定時間毎にレーザパルスを出射し、その反射光を検出する。例えば本実施形態では、物体検知部120は左回転に毎秒10回転で回転し、光源が1°回転する毎にレーザパルスを出射する。これらの回転の向きや回転速度、レーザパルスの出射頻度の値は一例であり、センサの機種によって異なる。
【0032】
そして物体検知部120は、計測した距離及びその時のレーザパルスの出射方向を計測結果として出力する。
【0033】
もちろんレーザパルスには到達可能距離がある。そのため、物体検知部120は、レーザパルスが物体520まで届かなかった場合や反射光が検出できなかったような場合には、計測結果を出力しない。例えば
図4A〜
図4Cに破線で示す円弧は物体検知部120の計測可能距離を示し、この計測可能距離よりも遠くにある物体520は検知されない。このため、本実施形態に係る物体検知部120は、光源が1回転する間に、最大で360カ所の距離及び方向を計測結果として出力するが、計測結果が360個よりも少ないこともある。
【0034】
なお物体検知部120には、レーザ光の往復時間を計測するレーザスキャナの他に、レーザ光の送信信号と受信信号の位相差を計測するものや、レーザ光の出射点と受光点との間の距離に基づく三角法を用いるものがあり、それらのどれでもよい。本実施形態では、代表として2Dレーザスキャナを扱うこととするが、3Dレーザスキャナでもよい。またレーザスキャナの他に、複数の受光素子を用いて複数地点の距離を同時に測定する距離画像カメラを用いてもよい。
【0035】
<制御モード設定指示受付部>
制御モード設定指示受付部140は、制御部110の制御モードを設定するための入力装置である。ユーザは、制御モード設定指示受付部140に制御モード設定指示を入力することにより、制御部110の制御モードを設定することができる。
【0036】
制御部110は、通常モード(第1制御モード)、あるいは協調モード(第2制御モード)で動作する。
【0037】
制御部110は、通常モードで動作する場合は、物体検知部120による検知結果を元に、SLAM等によって周囲の地図を構築しつつ自己位置を推定することで、清掃エリア500内の未清掃領域が順次清掃されるように、掃除機本体300を自律的に走行させる。
【0038】
これに対し、協調モードで動作する場合は、制御部110は、ユーザにより示される清掃箇所が清掃されるように掃除機本体300を走行させる。例えば制御部110は、ユーザの後を追って新たな清掃箇所が掃除されるように掃除機本体300を走行させるようにしても良いし、ユーザにより発せられた音声コマンドを認識し、その音声コマンドによって示される清掃箇所が掃除されるように掃除機本体300を走行させるようにしても良い。
【0039】
あるいは制御部110は、
図3A〜
図3Cに示したように、ユーザが清掃エリア500内の物体520を移動したことを検知して、その物体520が移動前に置かれていた場所に移動し、その場所を掃除するようにしても良い。
【0040】
なお、制御モード設定指示受付部140は、ユーザによって操作可能なスイッチによって構成されるようにしても良いし、ユーザにより発音された音声を認識可能な音声認識装置によって構成されるようにしても良い。
【0041】
スイッチを用いて制御モード設定指示受付部140を構成した場合は、ユーザによる制御モード設定指示を誤りなく正確に検知できる。一方、音声認識装置によって制御モード設定指示受付部140を構成した場合は、ユーザはわざわざスイッチ操作を行わずとも、制御モードの設定あるいは変更を行うことが可能となる。この場合、ユーザは、予め決められた所定の音声コマンドを発声するだけで、制御モードの設定あるいは切替を行うことができる。
【0042】
さらには、スイッチを用いて制御モード設定指示受付部140を構成する場合は、掃除機本体300にスイッチを設ける形態としてもよいし、掃除機本体300とは別体のリモコン端末(不図示)を用いて、このリモコン端末にスイッチを設ける形態としてもよい。この場合、リモコン端末は、専用の入力装置でもよいし、携帯電話機やスマートフォンなどの可搬型情報機器であっても良い。このようなリモコン端末を用いて制御部110の制御モードを設定するように構成する場合は、ユーザは掃除機本体300から離れた位置から、制御モードの切り替えを行うことが可能となる。
【0043】
なお制御モード設定指示受付部140を音声認識装置によって構成する場合は、後述する音声コマンド受付部160と音声認識装置を共用しても良い。
【0044】
<停止指示受付部>
停止指示受付部150は、掃除機本体300を停止させるための入力装置である。停止指示受付部150に停止指示が入力された場合、制御部110は、掃除機本体300の移動を停止する。
【0045】
なお、停止指示受付部150も、制御モード設定指示受付部140と同様に、ユーザによって操作可能なスイッチによって構成されるようにしても良いし、ユーザにより発音された音声を認識可能な音声認識装置によって構成されるようにしても良い。
【0046】
また同様に、停止指示受付部150がスイッチにより構成される場合は、掃除機本体300に設けられる形態でもよいし、リモコン端末に設けられる形態でもよい。さらに、停止指示受付部150が音声認識装置によって構成される場合は、後述する音声コマンド受付部160と音声認識装置を共用しても良い。
【0047】
<音声コマンド受付部>
音声コマンド受付部160は、ユーザによって発声された音声コマンドを認識可能な音声識別装置である。そして制御部110は、この音声コマンドに従って掃除機本体300を制御する。
【0048】
例えば制御部110が協調モードで動作している場合に、ユーザが「ついて来て」と発声すると、制御部110は、掃除機本体300をユーザの後を追って走行させる。あるいは、ユーザが「掃除して」と発声すると、制御部110は、ロボット掃除機1000の現在位置及びその周辺の一定範囲が掃除されるように掃除機本体300を制御する。さらには、ユーザが「止まって」と発声した場合は、制御部110は、掃除機本体300をその場で停止させる。
【0049】
あるいはまた、ユーザが「通常モードに切り替えて」と発声した場合は、制御部110は制御モードを協調モードから通常モードに切り替える。あるいは、ユーザが「掃除終わり」と発声した場合は、制御部110は、掃除を終了する。
【0050】
このような態様により、本実施形態に係るロボット掃除機1000はユーザと協調して掃除を行うことができる。
【0051】
なお、音声コマンド受付部160は、通常モードでも音声コマンドを受け付けるようにすることもできる。この場合、例えばユーザが「協調モードに切り替えて」と発声した場合は、制御部110は制御モードを通常モードから協調モードに切り替える。あるいは、ユーザが「掃除終わり」と発声した場合は、制御部110は、清掃エリア500に未掃除領域が残っていても掃除を終了する。
【0052】
その他、音声コマンド受付部160は、制御部110に対する様々音声コマンドを受け付けることができる。
【0053】
<制御部>
制御部110は、上述した物体検知部120による物体520の検知結果や、制御モード設定指示受付部140、停止指示受付部150及び音声コマンド受付部160が受け付けたユーザからの指示内容に従って、掃除機本体300を制御する。具体的には、制御部110は、上述した吸気用モータや自走用モータなどの、掃除機本体300が有する各種の機器を駆動する。
【0054】
その際、制御部110は、通常モードで動作する場合は、物体検知部120による検知結果を元に、物体520が置かれていない未清掃領域が順次清掃されるように、掃除機本体300を自律的に走行させる。
【0055】
一方で協調モードで動作する場合は、制御部110は、ユーザによる誘導に従って掃除機本体300を走行させる。もちろん、制御部110が協調モードで動作している間も、物体検知部120は周囲の物体520までの距離及び方位の計測を継続しており、制御部110は、協調モードで動作している間も継続して物体検知部120からの検知結果を取得して占有格子地
図600の構築を続けている。
【0056】
なお制御部110は、不図示のCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどの記憶装置、各種のデータ入出力インタフェース等の機器を有するコンピュータにより構成される。そしてCPUが記憶装置に記憶されているプログラムを実行することにより、本実施形態に係る制御部110が有する各種機能が実現される。
【0057】
また制御部110は、データ入出力インタフェースを通じて、物体検知部120などの外部機器からデータを取得することもできる。またプログラムがUSB(登録商標)メモリ等の記録媒体に記録されている場合には、これらの記録媒体からプログラムを記憶装置にロードすることができる。あるいはプログラムが他のコンピュータに格納されている場合には、インターネットや電話網等の通信ネットワークを介してこのコンピュータからプログラムを記憶装置にダウンロードすることもできる。
【0058】
ところで、上述したように、物体検知部120は周囲にレーザ光を出射し、その反射光を検知することで物体520までの距離及び方向を計測する。制御部110はその計測結果をもとに占有格子地
図600を作成する。
図4Cに示すように、占有格子地
図600は空間(床面510)をセル610に分割し、各セル610は「占有」(物体が置かれている)、「非占有」、「未定」の状態をもつ。ロボット掃除機1000は非占有のセル610を通ることができる。占有格子地
図600を作るには、レーザ光の反射により計測された(物体上の)点の位置にあるセル610は占有、レーザ光が通過したセル610は非占有、レーザ光が通過も反射もしていないセル610は未定に設定する。そして、複数回の計測を重ね合わせて、セル610の状態推定の精度を高める。このような占有格子地
図600の作成方法については、非特許文献1に詳しい。
【0059】
ところが、物体検知部120から出射されるレーザ光が物体520まで届かない場合や、反射光が受光できない場合がある。たとえば、物体検知部120のセンサには最大計測距離があり、それを超えた位置にある物体520は計測できない。また、センサによっては視野が360度より小さい場合があり、視野の範囲外の物体520は計測できない。他の物体520の陰にある物体520も計測できない。
【0060】
そのため制御部110は、例えば
図4Aに示すように、物体検知部120から出射されたレーザ光が壁面520Aや間仕切り520Bなどの物体520に届き、反射光を検出できた範囲でのみ占有格子地
図600を作成する。そして制御部110は、物体検知部120が物体520からの反射光を受光できなかった範囲(最大計測距離の外部や他の物体520の陰)については未定状態のままとし、この一部を未定状態としたまま、清掃エリア500を走行する。たとえば、
図4Aで受光不可範囲と書かれた部分は、壁面520Aまでの距離が最大計測距離を超えるため未定状態のままとなる。
【0061】
そうすると、ロボット掃除機1000が清掃エリア500内を移動するにつれ、
図4B及び
図4Cに順に示すように、次第に未定状態の領域が減少していき、清掃エリア500の全体が判明していく。
【0062】
上述したように、制御部110は、通常モードで動作する場合は、清掃エリア500内に設定した所定の走行ルートに沿って掃除機本体300を走行させることで、清掃エリア500の未清掃領域を順次清掃していく。そして制御部110は、清掃エリア500内を走行するにつれて清掃エリア500が拡張するのに合わせて、ロボット掃除機1000の走行ルートを延長あるいは修正する。
【0063】
ここで、制御部110は、
図6A〜
図6Dに示すように、占有格子地
図600の各セル610にフラグを設定及び更新することで、清掃エリア500内の清掃済み領域及び未清掃領域を管理している。また制御部110は、各セル610ごとに、物体520が置かれているか否かもフラグにより管理している。本実施形態では、各セル610にA、B、C、Dの4種類のフラグのいずれかを設定することで、制御部110はこれらの状態を管理している。
【0064】
図5に示すように、フラグAは、掃除が未実施でありかつ物体520が置かれている状態を示す。そしてフラグBは、掃除は実施済みであるが、物体520が置かれている状態を示す。フラグCは、掃除が未実施でありかつ物体520も置かれていない状態を示す。フラグDは、掃除は実施済みでありかつ物体520も置かれていない状態を示す。
【0065】
図6A〜
図6Dを例に具体的に説明する。まず
図6Aは、ロボット掃除機1000が現在(P)で示す位置にあり、走行ルートrt1に沿って掃除が行われていることを示す。そして
図6Aにおいて、実線で記載された部分の走行ルートrt1は、ロボット掃除機1000の過去の移動軌跡を示し、破線で記載された部分は、これから走行しようとする走行ルートを示している。
【0066】
そして制御部110は、すでに掃除済みのセル610にはフラグD(掃除済み、物体なし)を設定しており、これから掃除を行なおうとしているセル610には、フラグC(掃除未実施、物体なし)を設定している。そして制御部110は、フラグCを設定したセル610が順次掃除されるように、走行ルートrt1を設定していく。
【0067】
次に
図6Bに示すように、清掃エリア500内に可搬物体520Cが置かれていることが判明した場合は、制御部110は、その場所のセル610にはフラグA(掃除未実施、物体あり)を設定すると共に、フラグAが設定されているセル610を通らないように走行ルートrt1を設定する。
【0068】
このようにして制御部110は、通常モードで動作している場合は、清掃エリア500内を清掃しつつ、新たな未掃除の領域(フラグC)が見つかる毎に走行ルートrt1を延長ないしは修正していく。
【0069】
ここで、ユーザが可搬物体520Cの置き場所を変え、元々可搬物体520Cが置かれていた場所をロボット掃除機1000に掃除させたい場合について説明する。
【0070】
この場合の作業手順は様々に定めることが可能であるが、一例として、ユーザは、一旦ロボット掃除機1000に停止指示を入力し、ロボット掃除機1000を停止させる。その後、ユーザは、
図6Cに示すように可搬物体520Cの場所を移動する。そしてユーザは、ロボット掃除機1000に協調モードを設定して起動する。
【0071】
そうすると、制御部110は、ロボット掃除機1000が停止した際の占有格子地
図600(
図6B)と、協調モードが設定された際の占有格子地
図600(
図6C)と、を比較する。
図6Cでは、元々可搬物体520Cが置かれていたセル610はフラグA(掃除未実施、物体あり)からフラグC(掃除未実施、物体なし)に更新され、新たに可搬物体520Cが置かれたセル610はフラグD(掃除実施済み、物体なし)からフラグB(掃除実施済み、物体あり)に更新されている。なお、停止位置(P)から可搬物体520Cの裏側は見えないので、フラグDのままとなる。次に、制御部110は、フラグAからフラグCに変化した領域を検出する。この領域が、可搬物体520Cの移動によって生じた新たな掃除領域である(
図6D)。
【0072】
そして制御部110は、
図6Dに示すような走行ルートrt2を作成し、上記新たな掃除領域の清掃を行うと共に、その領域のセル610をフラグC(掃除未実施、物体なし)からフラグD(掃除実施済み、物体なし)に更新する(不図示)。
【0073】
その後、制御部110は、ロボット掃除機1000が元の位置(P)に戻ってきたら、制御モードを通常モードに切り替えて走行ルートrt1に沿って清掃を継続する。
【0074】
なお、走行ルートrt2の作成方法も種々考えられるが、例えば
図7に示すようにすることができる。
【0075】
まず制御部110は、占有格子地
図600上で、フラグA(掃除未実施、物体あり)からフラグC(掃除未実施、物体なし)に更新された未掃除領域を包含するような矩形を作成する。そして制御部110は、現在位置(P)から矩形の最寄の頂点に掃除機本体300を走行させる。
【0076】
そして制御部110は、矩形内の各セル610を塗りつぶすように、走行ルートrt2を作成し、その走行ルートrt2に沿って掃除機本体300を走行させる。
【0077】
なお、ロボット掃除機1000が停止してから協調モードで起動するまでの間に、ユーザが複数の物体520の置き場所を変えた場合には、制御部110は、これらの各物体520の移動前の置き場所に順次移動して、それぞれの置き場所を清掃するように掃除機本体300を走行させるようにすることもできる。
【0078】
このような態様によれば、一度に複数の場所を掃除させることができるため、より効率的に清掃エリア500の清掃を行うことが可能となる。
【0079】
あるいは、ロボット掃除機1000は、通常モードで走行ルートrt1に沿って清掃エリア500を清掃している間に、ユーザが清掃エリア500に置かれている物体520を移動させた場合、上述した停止指示の入力や協調モードの入力がなされなくても、その物体520の移動を契機として制御モードを協調モードに切り替えて、ユーザが移動した物体520が元々置かれていた場所まで移動して、その場所を清掃するようにすることもできる。
【0080】
この場合、ロボット掃除機1000は、周囲に存在する複数の物体520のうちの一つだけ物体520の位置が変化したことを検知することによって、ユーザがその物体520を移動したことを検知できる。
【0081】
あるいは、ロボット掃除機1000は、初めから協調モードで起動した場合は、ユーザが物体520の場所を移動させるたびに、その場所まで移動して清掃するようにすることもできる。
【0082】
このような態様により、例えば普段は物体520が置かれているために掃除がしにくい場所を集中的に掃除を行うようなことも可能となる。
【0083】
あるいは、通常モードでの清掃エリア500の清掃が完了した後に、清掃エリア500内に置かれている複数の物体520の位置をそれぞれずらし、ロボット掃除機1000を協調モードで起動して、それらの各場所をまとめて清掃するようにすることもできる。
【0084】
このように本実施形態に係るロボット掃除機1000によれば、ユーザが様々な使い方をしても、ユーザと協調して掃除を行うことができる。
【0085】
==ロボット掃除機の制御フロー==
次に、
図8に示すフローチャートを参照しながら、本実施形態に係るロボット掃除機1000の制御フローの一例を説明する。
【0086】
本実施形態では、まずロボット掃除機1000が起動されると、ロボット掃除機1000は通常モードで動作する。そして上述したように、ロボット掃除機1000は、物体検知部120による周囲の物体520の検知結果を元に、清掃エリア500内の清掃を開始する(S1000)。
【0087】
ロボット掃除機1000は、清掃エリア500内に、清掃可能でかつ清掃未実施のセル610(フラグCのセル)がまだ残っている場合には、S1010においてNOに進む。そしてユーザによる停止指示が入力されていなければ(S1020:NO)、ロボット掃除機1000は、清掃エリア500の清掃を継続する(S1000)。
【0088】
一方、ユーザによる停止指示が入力された場合には(S1020:YES)、ロボット掃除機1000は、一旦移動を停止し、所定時間以内(例えば15秒以内)に協調モードONの入力がなされたか否かを検知する(S1030)。協調モードONの入力が所定時間以内になされなかった場合には、ロボット掃除機1000はそのまま掃除を終了する。
【0089】
協調モードONの入力がなされた場合は(S1030:YES)、ロボット掃除機1000は、協調モードで起動し、停止指示を解除した上で(S1040)、ロボット掃除機1000が停止した際の占有格子地
図600と、協調モードで起動した際の占有格子地
図600と、を比較する。そしてロボット掃除機1000は、各セル610のフラグを確認し、元々物体520が置かれていた未掃除領域のうち、物体520が取り除かれた領域(フラグAからフラグCに変化した領域)があった場合には、その領域に移動して掃除する(S1050)。ロボット掃除機1000は、このような領域が複数あった場合には、各領域を順に掃除する。あるいはこのとき、ロボット掃除機1000は、ユーザの音声コマンドを認識し、その音声コマンドに従って移動及び掃除を行うようにしても良い。
【0090】
そしてそのような領域に対する掃除あるいはユーザの指示に従った掃除が一通り終わると、ロボット掃除機1000は、協調モードをOFFに切り替えて通常モードに移行し(S1060)、清掃エリア500内に清掃可能でかつ清掃未実施のセル610(フラグCのセル610)が残っているかどうかを確認する(S1010)。
【0091】
清掃可能でかつ清掃未実施のセル610(フラグCのセル610)が残っている場合には、ロボット掃除機1000は、引き続き清掃を行うが(S1000)、全ての清掃エリア500内のセル610がフラグA(掃除未実施、物体あり)かフラグB(掃除済み、物体あり)かフラグD(掃除済み、物体なし)である場合は(S1010:YES)、ロボット掃除機1000は、移動及び清掃を停止し、所定の警報音を吹鳴する等により、ユーザに清掃が完了した旨の通知を行う(S1070)。
【0092】
その後、ロボット掃除機1000は、所定時間内に協調モードONの入力がなされていなければ(S1030)、そのまま掃除を終了する。
【0093】
以上、本実施形態に係るロボット掃除機1000について詳細に説明したが、本実施形態に係るロボット掃除機1000によればユーザと協調して掃除を行うことが可能となる。このような態様により、例えば、室内に物体520が置かれていてそのままでは清掃できないような場所についても、その物体520を脇に移動することで、その場所をロボット掃除機1000に掃除させるようなことが可能となる。
【0094】
また本実施形態に係るロボット掃除機1000によれば、ユーザの音声コマンドに従って清掃エリア500を清掃させるようなことも可能となる。この場合、例えば、オフィスやリビングでロボット掃除機1000を常時巡回させておき、誰かが床面にごみを散らかしてしまったような場合に、ロボット掃除機1000を呼びつけてすぐにその場所を掃除させるようなことも可能となる。
【0095】
なお上述した実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。