(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載されたような洗浄剤組成物を希釈して鉄板の洗浄に使用すると、鉄板の加熱に伴い水が減少した際に洗浄剤組成物成分が飛散することがあった。そのため、保護メガネ、保護手袋等の保護具を着用することにより鉄板の洗浄を行うようにしていた。
【0009】
特許文献2に記載されたような洗浄剤組成物は、洗浄剤組成物中に水を多く含む組成であるが、この洗浄剤組成物を鉄板の洗浄に使用した場合も、鉄板の加熱に伴い水が減少した際に洗浄剤組成物成分が飛散することがあった。そのため、保護メガネ、保護手袋等の保護具を着用することにより鉄板の洗浄を行うようにしていた。
【0010】
すなわち、上述した洗浄方法では、鉄板の洗浄において洗浄剤組成物の飛散が生じることがあることが問題になった。
また、特許文献2に記載されたような組成の洗浄剤組成物を使用すると、洗浄時に臭気が発生するという問題もあった。
【0011】
本発明は、上記問題を解決するためにされたものであり、強固な油汚れが付着し、取り外して洗うことができない鉄板の洗浄に適しており、かつ、洗浄時の洗浄剤組成物の飛散と臭気の発生を防止することができる鉄板洗浄用洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の鉄板洗浄用洗浄剤組成物は、アルカリ剤(A)として、アルカリ金属水酸化物を0.5〜20.0重量%、界面活性剤(B)を0.5〜20.0重量%、SP値が10.0以上の溶剤(C)を0.5〜20.0重量%、及び、水(D)を含み、鉄板の洗浄に使用することを特徴とする。
【0013】
本発明の鉄板洗浄用洗浄剤組成物では、アルカリ剤(A)としてアルカリ金属水酸化物を使用する。
アルカリ剤は油汚れの洗浄に有効であり、一般的に用いられるアルカリ剤としてはアルカリ金属水酸化物の他にアミン系化合物、ケイ酸塩、炭酸塩等があるが、アミン系化合物であると臭気が強いという問題があり、ケイ酸塩であると鉄板上に白く残留するという問題があり、炭酸塩であると洗浄剤組成物が飛散するという問題がある。
一方、アルカリ金属水酸化物はこのような問題を生じないので、鉄板の油汚れの洗浄に有効なアルカリ剤として好適に使用することができる。
【0014】
アルカリ剤(A)の他に、界面活性剤(B)及びSP値が10.0以上の溶剤(C)を使用することにより、鉄板に強固に付着した油汚れを洗浄させることができる。
SP値が10.0以上と高い溶剤は、親水性の高い溶剤であるといえ、親水性の高い溶剤を使用すると洗浄剤組成物の飛散を防止することができ、また、加熱による臭気の発生も防止することができる。
【0015】
本発明の鉄板洗浄用洗浄剤組成物では、溶剤(C)がグリコールエーテル系溶剤、グリコール系溶剤及びグリセリンからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。
SP値が10.0以上の溶剤としてのグリコールエーテル系溶剤、グリコール系溶剤又はグリセリンは、親水性の高い溶剤であるので上記効果を発揮させることにとくに適している。
【0016】
本発明の鉄板の洗浄方法の第一の態様は、洗浄対象物である鉄板に水を注ぎ、
本発明の鉄板洗浄用洗浄剤組成物をさらに注ぎ、
鉄板を加熱することを特徴とする。
また、本発明の鉄板の洗浄方法の第二の態様は、本発明の鉄板洗浄用洗浄剤組成物を水と混合して希釈洗浄剤組成物を調製し、
洗浄対象物である鉄板に前記希釈洗浄剤組成物を注ぎ、
鉄板を加熱することを特徴とする。
上記洗浄方法において本発明の鉄板洗浄用組成物を使用すると、鉄板の加熱に伴い水が減少したとしても洗浄剤組成物成分が飛散しにくい。また、臭気の発生も防止される。
【0017】
本発明の鉄板の洗浄方法では、上記鉄板が餃子焼き用の鉄板、グリドルの鉄板、ロータリーシェフの内壁又はオーブンの内壁であることが好ましい。
これらの鉄板には強固な油汚れが付着し、機器からの鉄板の取り外しが困難なため、本発明の洗浄方法のような洗浄方法による洗浄が用いられ、本発明の鉄板洗浄用洗浄剤組成物を使用することに適している。
【発明の効果】
【0018】
本発明の鉄板洗浄用洗浄剤組成物は、強固な油汚れが付着し、取り外して洗うことができない鉄板の洗浄に適しており、かつ、洗浄時の洗浄剤組成物の飛散と臭気の発生を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の鉄板洗浄用洗浄剤組成物は、アルカリ剤(A)として、アルカリ金属水酸化物を0.5〜20.0重量%、界面活性剤(B)を0.5〜20.0重量%、SP値が10.0以上の溶剤(C)を0.5〜20.0重量%、及び、水(D)を含み、鉄板の洗浄に使用することを特徴とする。
なお、本明細書における各成分の配合量に関する記載は、純分での配合量である。
【0020】
本発明の鉄板洗浄用洗浄剤組成物を構成する、アルカリ剤(A)、界面活性剤(B)及び溶剤(C)について、それぞれ説明する。
アルカリ剤(A)としては、アルカリ金属水酸化物を使用する。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムからなる群から選択された少なくとも1種を使用することが好ましい。
アルカリ金属水酸化物は、他のアルカリ剤として考えられるアミン系化合物、ケイ酸塩、炭酸塩等と異なり、臭気、鉄板上への残留、洗浄剤組成物の飛散といった問題を生じないので本発明の鉄板洗浄用洗浄剤組成物に使用するアルカリ剤として適している。
アルカリ剤(A)の含有量は0.5〜20.0重量%であり、好ましくは0.5〜12.0重量%であり、より好ましくは2.0〜10.0重量%であり、さらに好ましくは4.0〜9.0重量%である。
アルカリ剤(A)の含有量が0.5重量%以上であると、洗浄効果に優れる。
アルカリ金属水酸化物を複数種類含むときのアルカリ剤(A)の含有量は、その合計量として定める。
【0021】
アルカリ剤(A)を配合することによって、鉄板洗浄用洗浄剤組成物の液性がアルカリ性となる。具体的には、鉄板洗浄用洗浄剤組成物のpHは12.5以上であることが好ましく、13.0以上であることがより好ましい。
【0022】
界面活性剤(B)としては、特に限定されるものではないが、飛散防止の観点からは親水性の高い界面活性剤であることが好ましい。
【0023】
界面活性剤(B)としては、脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホメチルエステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルコハク酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、プルロニック型ブロックポリマー、リバースプルロニック型ブロックポリマー、テトロニック型ブロックポリマー、リバーステトロニック型ブロックポリマー、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、アルキルグルコシド、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、脂肪酸ジエタノールアミド、キラヤサポニン、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン及びアルキルアミノ脂肪酸塩からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
これらの中では、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルグルコシド、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン及びアルキルエーテルカルボン酸塩が好ましい。
界面活性剤(B)の含有量は0.5〜20.0重量%であり、好ましくは0.5〜10.0重量%であり、より好ましくは1.0〜7.0重量%であり、さらに好ましくは1.5〜5.0重量%である。
界面活性剤(B)の含有量が0.5重量%以上であると、洗浄効果に優れる。
界面活性剤(B)は単独で用いても複数種類を組み合わせてもよく、界面活性剤(B)を複数種類含むときの界面活性剤(B)の含有量は、その合計量として定める。
なお、界面活性剤(B)が塩の場合、塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。
【0024】
溶剤(C)としては、飛散防止の観点から、SP値が10.0以上の親水性の高い溶剤を使用する。
溶剤の親水性の指標としてはSP値を使用することができる。溶剤のSP値(溶解度パラメーター)とは、分子凝集エネルギーの平方根で表される値で、Polymer HandBook(Second Edition)第IV章 Solubility Parameter Valuesに記載があり、その値を用いた。単位は(cal/cm)
1/2であり、25℃における値を指す。なお、データの記載がないものについては、R.F.Fedors,Polymer Engineering Science,14,p147(1967)に記載の方法で計算することができる。
【0025】
溶剤(C)としては、加熱時の飛散防止及び臭気防止の観点から沸点が高いことが好ましく、200℃以上であることが好ましく、230℃以上であることがより好ましい。
溶剤の沸点が230℃以上であると、鉄板を加熱しすぎた場合でも溶剤が鉄板上に残るため鉄板を傷めにくい。
【0026】
溶剤(C)としてはグリコールエーテル系溶剤、グリコール系溶剤及びグリセリンからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましく、グリコールエーテル系溶剤であることがより好ましい。
【0027】
溶剤(C)のなかで特に好ましい溶剤については沸点とSP値もともに示す。
エチレングリコールモノメチルエーテル:沸点124.5℃、SP値11.6
ジエチレングリコールモノメチルエーテル:沸点194.0℃、SP値10.7
トリエチレングリコールモノメチルエーテル:沸点249.0℃、SP値10.5
プロピレングリコールモノメチルエーテル:沸点121.0℃、SP値10.4
プロピレングリコールモノフェニルエーテル:沸点242.7℃、SP値10.5
エチレングリコールモノフェニルエーテル:沸点244.7℃、SP値11.5
エチレングリコールモノベンジルエーテル:沸点256.0℃、SP値10.8
トリエチレングリコール:沸点287.4℃、SP値13.1
グリセリン:沸点290.0℃、SP値16.5
【0028】
溶剤(C)の含有量は0.5〜20.0重量%であり、好ましくは0.5〜15.0重量%であり、より好ましくは2.0〜10.0重量%であり、さらに好ましくは3.0〜8.0重量%である。
溶剤(C)の含有量が0.5重量%以上であると、洗浄効果に優れる。
溶剤(C)は単独で用いても複数種類を組み合わせてもよく、溶剤(C)を複数種類含むときの溶剤(C)の含有量は、その合計量として定める。
【0029】
水(D)は、他の成分以外の残部として配合され、その配合量は特に限定されるものではない。水(D)としては、とくに限定されるものではないが、水道水、蒸留水、純水及びイオン交換水等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
【0030】
本発明の鉄板洗浄用洗浄剤組成物には、その他の成分として、キレート剤(E)、色素、香料、防腐剤、増粘剤、又は、可溶化剤、防錆剤等を含有していてもよい。
【0031】
キレート剤(E)の種類は特に限定されないが、キレート剤(E)としては、ヒドロキシカルボン酸系、アミノカルボン酸系、ホスホン酸系、リン酸系、エーテルカルボン酸塩系等が挙げられ、これらを併用してもよい。これらの中では、ヒドロキシカルボン酸系のキレート剤、及び、アミノカルボン酸系のキレート剤が好ましい。
キレート剤(E)の含有量は特に限定されないが、0.5〜2.5重量%であることが好ましい。
【0032】
ヒドロキシカルボン酸系のキレート剤としては、例えば、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、グルコン酸又はこれらの塩が挙げられる。
【0033】
アミノカルボン酸系のキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、1,3−プロパンジアミン四酢酸(PDTA)、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン六酢酸(DPTA−OH)、アスパラギン酸二酢酸(ASDA)、エチレンジアミンコハク酸(EDDS)又はこれらの塩等が挙げられる。
【0034】
ホスホン酸系のキレート剤としては、ヒドロキシエチリデンホスホン酸(HEDP)、ニトリロトリメチレンホスホン酸(NTMP)、ホスホノブタントリカルボン酸(PBTC)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(EDTMP)等が挙げられる。
上記キレート剤はホスホン酸部分の少なくとも一部が塩になっていてもよい。
【0035】
リン酸系のキレート剤としては、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸やこれらの塩等が挙げられる。
【0036】
上記キレート剤における塩としては、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属の塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の塩を挙げることができる。中でも、アルカリ金属の塩が好ましく、ナトリウム塩又はカリウム塩がより好ましい。
また、キレート剤とキレート剤の塩が鉄板洗浄用洗浄剤組成物の中で混在していてもよく、キレート剤が鉄板洗浄用洗浄剤組成物に含まれている場合にその後にナトリウムイオン等が加えられることによって塩となっていてもよい。
【0037】
本発明の鉄板洗浄用洗浄剤組成物は、任意の方法で製造することができる。
例えば、アルカリ剤(A)と、界面活性剤(B)と、溶剤(C)と、水(D)と、必要に応じてその他の成分とを添加し、攪拌混合すればよい。
【0038】
続いて、本発明の鉄板洗浄用洗浄剤組成物を用いた、本発明の鉄板の洗浄方法について説明する。
鉄板の洗浄方法の第一の態様は、洗浄対象物である鉄板に水を注ぎ、
本発明の鉄板洗浄用洗浄剤組成物をさらに注ぎ、
鉄板を加熱することを特徴とする。
また、本発明の鉄板の洗浄方法の第二の態様は、本発明の鉄板洗浄用洗浄剤組成物を水と混合して希釈洗浄剤組成物を調製し、
洗浄対象物である鉄板に前記希釈洗浄剤組成物を注ぎ、
鉄板を加熱することを特徴とする。
いずれの態様であっても、本発明の鉄板洗浄用洗浄剤組成物に含まれる成分と水が鉄板に触れた状態で鉄板を加熱する。
洗浄対象物としての鉄板としては、餃子焼き用の鉄板、グリドルの鉄板、ロータリーシェフの内壁、オーブンの内壁等が挙げられる。
特に、店舗や食品工場において長時間加熱状態で使用される鉄板の洗浄に適している。鉄板としては餃子焼き用の鉄板の他に、グリドルの鉄板が挙げられる。グリドルの鉄板にはハンバーガー店、焼きそば店、お好み焼き店、たこ焼き店で使用される鉄板が含まれる。
そのほか、たい焼き店、大判焼き店、クレープ店等の和洋菓子店で使用される鉄板、バーベキュー場、焼き肉店、焼き鳥店、串焼き店、鉄板焼き店、ステーキ店等で使用される鉄板の洗浄にも適している。
【0039】
また、本発明における「鉄板」には形状が板状ではなく金属製であって加熱調理する機器の加熱面も含まれ、ロータリーシェフの内壁、オーブンの内壁も本発明の「鉄板」に含まれる。ロータリーシェフは、野菜炒め等の炒め調理、茶葉、麦等の焙煎調理、カレー、シチュー等の煮込み料理等に使用される機器であり、これらの機器の内壁も外して洗浄機により洗浄をすることは難しいため本発明の洗浄方法を適用するのに適している。
また、オーブンには、ローストチキンを焼くロースターオーブン、ペキンダック用のオーブン、ベーカリーオーブン、ピザオーブン等が含まれ、これらの機器の内壁も外して洗浄機により洗浄をすることは難しいので本発明の洗浄方法を適用するのに適している。
【0040】
本発明の鉄板の洗浄方法では、洗浄対象物である鉄板に水を注ぎ、本発明の鉄板洗浄用洗浄剤組成物をさらに注ぎ、鉄板を加熱する。
鉄板の加熱温度は、汚れの付着の度合いや汚れの種類にもよるが、100℃以上とすることが好ましく、180℃以上とすることがより好ましい。また、鉄板の加熱温度は、240℃以下とすることが好ましく、230℃以下とすることがより好ましい。
さらに、加熱時間は1〜10分であることが好ましく、2〜5分であることがより好ましい。
また、加熱温度を、鉄板洗浄用洗浄剤組成物に含まれる溶剤(C)の沸点未満とすることが好ましい。
鉄板の形状が板状の場合は、鉄板上に水と鉄板洗浄用洗浄剤組成物が注がれた状態とする。
以下の説明では、水と鉄板洗浄用洗浄剤組成物の混合液を「鉄板洗浄液」と呼ぶ。
続いて、鉄板を加熱し、鉄板洗浄液を煮沸することが好ましい。
鉄板上の水分が蒸発したら加熱を止める。この段階で鉄板上の汚れ成分は鉄板から剥がれやすくなっている。鉄板の温度が下がったら再び鉄板に水を注ぎ、スクレーパーや金たわしなどを使用して鉄板の上の汚れを落とす。その後、鉄板上に残った水分と鉄板洗浄液の残渣を拭き取れば鉄板の洗浄がおおむね完了する。
その後仕上げにふき取り、食用油の塗布等を任意に行うことが好ましい。
なお、本発明の鉄板の洗浄方法は、機器から取り外すことのできない鉄板の洗浄方法に適している方法であるが、機器から取り外すことのできる鉄板に対して適用しても、鉄板の洗浄を好適に行うことができる。
【0041】
鉄板の形状が板状でない場合は、鉄板洗浄液の「煮沸」の状態にすることは難しいので、機器の内壁に鉄板洗浄液を接触させて機器の内壁を加熱する。加熱により上述した板状の鉄板の場合における「鉄板洗浄液の煮沸」の場合とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0042】
また、本発明における「鉄板」は、その材質が「鉄」であることを厳格に意味するものではなく、食品の調理に使用される金属であればよく、鋳鉄、鉄鋼、ステンレス、メッキ鋼板等にも使用することができる。
【実施例】
【0043】
以下に本発明をより具体的に説明する実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお実施例において、特に断らない限り「部」は「重量部」を「%」は「重量%」をそれぞれ意味する。
【0044】
(鉄板洗浄用洗浄剤組成物の調製)
表1及び表2に示す処方に従い、各成分を混合して、各実施例及び比較例に係る鉄板洗浄用洗浄剤組成物を得た。
なお、表中に示す成分は全て純分換算した重量であり、各成分としては以下のものを用いた。
水酸化ナトリウム:東ソー(株)製液体苛性ソーダ
水酸化カリウム:旭硝子(株)製液体苛性カリ
メタケイ酸ナトリウム:(株)ADEKA製メタケイ酸ソーダ
炭酸ナトリウム:(株)トクヤマ製ライト灰
モノエタノールアミン:(株)日本触媒製モノエタノールアミン
アルキルエーテル硫酸エステル塩:泰光油脂化学工業(株)製 ポリオキシエチレン(7)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム
アルキルアミンオキシド:クラリアントジャパン(株)製Genaminox CHE ラウリルジ(ヒドロキシエチル)アミンオキシド
アルキルグルコシド:BASFジャパン(株)製Glucopon215UP デシルグルコシド
アルキルエーテルカルボン酸塩(1):三洋化成工業(株)製 ビューライトLCA−30D ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム
アルキルエーテルカルボン酸塩(2):花王(株)製 カオーアキポRLM−100NV ポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム
アルキルベタイン:川研ファインケミカル(株)製 ソフタゾリンCL 2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン
プロピレングリコールモノメチルエーテル:ダウ・ケミカル日本(株)製 ダワノールPM
エチレングリコールモノメチルエーテル:日本乳化剤(株)製 メチルグリコール
ジエチレングリコールモノメチルエーテル:日本乳化剤(株)製 メチルジグリコール
トリエチレングリコールモノメチルエーテル:東邦化学工業(株)製 ハイモールTM
プロピレングリコールモノフェニルエーテル:日本乳化剤(株)製 フェニルプロピレングリコール
グリセリン:阪本薬品工業(株)製
グルコン酸ナトリウム:扶桑化学(株)製
エチレンジアミン四酢酸ナトリウム:BASFジャパン(株)製トリロンBXパウダー
【0045】
比較例で使用した溶剤(C)は下記の通りである。
ジエチレングリコールモノブチルエーテル:日本乳化剤(株)製 ブチルジグリコール SP値9.5
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル:日本乳化剤(株)製 メチルプロピレンジグリコール SP値9.6
ジプロピレングリコールモノブチルエーテル:日本乳化剤(株)製 ブチルプロピレンジグリコール SP値8.2
ジエチレングリコールモノベンジルエーテル:日本乳化剤(株)製 ベンジルジグリコール SP値9.6
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル:日本乳化剤(株)製 イソプロピルグリコール SP値9.2
エチレングリコールモノイソブチルエーテル:日本乳化剤(株)製 イソブチルグリコール SP値8.9
プロピレングリコールモノブチルエーテル:日本乳化剤(株)製 ブチルプロピレングリコール SP値8.9
トリエチレングリコールモノブチルエーテル:日本乳化剤(株)製 ブチルトリグリコール SP値9.6
【0046】
(洗浄力の評価)
強力小麦粉を5重量%混ぜた大豆白絞油をステンレスバットに塗り、230℃で12時間加熱した。汚れの付いたステンレスバットに11倍に希釈した洗浄液を入れ、電磁調理機器(ホシザキ電機(株)製 HIH−555LD15B)で最大熱容量で加熱した。水分が蒸発したら電磁調理機器の加熱を止め、ステンレスバットを流水で充分にすすいだ。乾燥後、汚れ落ちを目視で評価して洗浄力を以下の基準で判定した。
◎:汚れが良く落ちている
○:汚れがほとんど落ちている
×:汚れが残っている
【0047】
(洗浄時の液の飛び散りの評価)
洗浄力試験時にステンレスバットの周辺に洗浄液の飛び散りがないか目視で評価した。
飛び散りを以下の基準で判定した。
○:ステンレスバットの周辺に洗浄液の飛び散りがない
×:ステンレスバットの周辺に洗浄液が飛び散っている
【0048】
(洗浄時の臭気の評価)
洗浄力試験時にステンレスバットから2m離れた位置で不快な臭気がするか評価した。
臭気を以下の基準で判定した。
○:不快な臭気がしない
×:不快な臭気がする
【0049】
(洗浄後の仕上がりの評価)
洗浄力試験後のステンレスバットに洗浄液の残留物が付着していないか目視で評価して仕上がりを以下の基準で判定した。
○:ステンレスバットに付着物なし
×:ステンレスバットに白い付着物がある
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
表1及び表2の結果より、本発明の鉄板洗浄用洗浄剤組成物を使用すると、鉄板の洗浄力に優れ、洗浄時の洗浄剤組成物の飛散と臭気の発生を防止できることが分かった。