(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
四方を囲む外壁と、前記外壁の内側を仕切って複数の収容部を形成する内壁と、前記各収容部の下面を塞ぐ底板とで構成された本体を備え、前記本体は、断面が波型に成形された中芯を有する1枚の段ボールシートから成り、
前記段ボールシートは、矩形の主板部を有し、前記主板部の内側を、前記中芯の長さ方向に対して直角な複数の主折罫線で区切ることによって、両端に位置する2つの外板と、互いに隣接する一対の内板と、複数の連結板とが設けられ、
前記各外板及び前記各内板の、前記複数の主折罫線と直角な両端部には、連結片がそれぞれ延設され、前記各連結片は、延設方向の先端部に係合部が設けられ、基端部が副折罫線により前記内板又は前記外板と区切られ、
前記主折罫線及び前記副折罫線を折り曲げて立体的に組み立てた状態で、前記一対の内板は、互いに重なって起立して前記内壁となり、前記外板は、前記内壁と同じ高さに起立して前記外壁の一部となり、前記複数の連結板は、前記底板となり、前記連結板を挟んで対向する前記外板及び前記内板に延設された前記各連結片は、当該各連結片の前記係合部同士が係合して当該外板及び内板を相互に連結し、前記外壁の一部となり、
前記本体に取り付けられる補助部材が設けられ、前記補助部材は、断面が波型に成形された中芯を有する1枚の補助段ボールシートから成り、
前記補助段ボールシートは矩形の外形を有し、その内側を、前記中芯の長さ方向に平行な2つの補助折罫線で区切ることによって、両端に位置する2つの仕切り板と、前記2つの仕切り板を連結する補助連結板とが設けられ、
前記2つの仕切り板には、前記補助折罫線と直角な一端部から内側に延びる第一補助スリットが各々形成され、前記補助連結板と前記各仕切り板との境界部には、前記第一補助スリットを同じ側の端部から内側に延びる第二補助スリットがそれぞれ形成され、
前記本体は、前記内壁の先端部の離れた2箇所に、内側に延びる内壁スリットが形成され、前記外壁の前記2つの内壁スリットに対向する2箇所に、前記外壁の先端部から内側に延びる外壁スリットが形成され、
前記補助部材を前記本体に取り付けた状態で、前記補助部材は、前記補助折罫線を介してコの字状に折れ曲がり、前記第一補助スリットが前記内壁スリットに係合し、前記第二補助スリットが前記外壁スリットに係合して前記本体に保持され、前記補助連結板は前記外壁の外側に重なり、前記2つの仕切り板は、前記収容部内をさらに仕切るとともに、前記連結板を挟んで対向する前記外壁及び前記内壁を相互に連結することを特徴とする緩衝仕切り部材。
前記主板部の内側に前記一対の内板が複数組設けられ、前記主折罫線及び副折罫線を折り曲げて立体的に組み立てた状態で、前記連結板を挟んで対向する2つの前記内板に延設された前記各連結片は、当該各連結片の前記係合部同士が係合して当該2つの内板を相互に連結し、前記外壁の一部となる請求項1記載の緩衝仕切り部材。
前記補助部材を前記本体に取り付けた状態で、前記補助連結板は、前記外壁と同じ高さに起立して前記外壁の外側に重なり、前記2つの仕切り板は、前記底板の上面に前記内壁と同じ高さに起立する請求項3記載の緩衝仕切り部材。
請求項1乃至4のいずれか載の緩衝仕切り部材とこれを収容する外箱とで構成され、前記緩衝仕切り部材が前記外箱内に収容された状態で、前記緩衝仕切り部材は、前記外壁の外面が前記外箱の側面に係止され組み立て状態の形状が保持されることを特徴とする包装箱。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の集合包装箱は、収容部を囲む外壁(壁部とサイド部分)に十字状の交差部が形成され、外壁の外面から仕切り板等の端部が外向きに突出する構造なので、その分だけ集合包装箱全体の外形が大きくなり、外箱を大きくしなければならないという問題がある。
【0006】
また、この集合包装箱は、収容部の数が4つの場合、4つの部材(本体部分、仕切り板、2つのサイド部材)が必要であり、仮に仕切り板を省略して収容部の数を減らしたとしても、最低3つの部材(本体部分、2つのサイド部分)が必要になる。
【0007】
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、従来よりも構成部材の数を少なくすることができ、外形がコンパクトで、上方からの荷重に対して高い強度を備えた緩衝仕切り部材及びこれを用いた包装箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、四方を囲む外壁と、前記外壁の内側を仕切って複数の収容部を形成する内壁と、前記各収容部の下面を塞ぐ底板とで構成された本体を備え、前記本体は、断面が波型に成形された中芯を有する1枚の段ボールシートから成り、
前記段ボールシートは、矩形の主板部を有し、前記主板部の内側を、前記中芯の長さ方向に対して直角な複数の主折罫線で区切ることによって、両端に位置する2つの外板と、互いに隣接する一対の内板と、複数の連結板とが設けられ、前記各外板及び前記各内板の、前記複数の主折罫線と直角な両端部には、連結片がそれぞれ延設され、前記各連結片は、延設方向の先端部に係合部が設けられ、基端部が副折罫線により前記内板又は前記外板と区切られ、
主折罫線及び副折罫線を折り曲げて立体的に組み立てた状態で、前記一対の内板は、互いに重なって起立して前記内壁となり、前記外板は、前記内壁と同じ高さに起立して前記外壁の一部となり、前記複数の連結板は、前記底板となり、前記連結板を挟んで対向する前記外板及び前記内板に延設された前記各連結片は、当該各連結片の前記係合部同士が係合して当該外板及び内板を相互に連結し、前記外壁の一部となる緩衝仕切り部材である。
【0009】
前記主板部の内側に前記一対の内板が複数組設けられ、前記主折罫線及び副折罫線を折り曲げて立体的に組み立てた状態で、前記連結板を挟んで対向する2つの前記内板に延設された前記各連結片は、当該各連結片の前記係合部同士が係合して当該2つの内板を相互に連結し、前記外壁の一部となる構成にしてもよい。また、前記段ボールシートは、前記主折罫線と重なる位置に切れ目が設けられた構成であることが好ましい。
【0010】
前記本体に取り付けられる補助部材が設けられ、前記補助部材は、断面が波型に成形された中芯を有する1枚の補助段ボールシートから成り、前記補助段ボールシートは矩形の外形を有し、その内側を、前記中芯の長さ方向に平行な2つの補助折罫線で区切ることによって、両端に位置する2つの仕切り板と、前記2つの仕切り板を連結する補助連結板とが設けられ、前記2つの仕切り板には、前記補助折罫線と直角な一端部から内側に延びる第一補助スリットが各々形成され、前記補助連結板と前記各仕切り板との境界部には、前記第一補助スリットを同じ側の端部から内側に延びる第二補助スリットがそれぞれ形成され、
前記本体は、前記内壁の先端部の離れた2箇所に、内側に延びる内壁スリットが形成され、前記外壁の前記2つの内壁スリットに対向する2箇所に、前記外壁の先端部から内側に延びる外壁スリットが形成され、
前記補助部材を前記本体に取り付けた状態で、前記補助部材は、前記補助折罫線を介してコの字状に折れ曲がり、前記第一補助スリットが前記内壁スリットに係合し、前記第二補助スリットが前記外壁スリットに係合して前記本体に保持され、前記補助連結板は前記外壁の外側に重なり、前記2つの仕切り板は、前記収容部内をさらに仕切るとともに、前記連結板を挟んで対向する前記外壁及び前記内壁を相互に連結する構成にしてもよい。
【0011】
この場合、前記補助部材を前記本体に取り付けた状態で、前記補助連結板は、前記外壁と同じ高さに起立して前記外壁の外側に重なり、前記2つの仕切り板は、前記底板の上面に前記内壁と同じ高さに起立する構成であることが好ましい。
【0012】
また、本発明は、上記の緩衝仕切り部材とこれを収容する外箱とで構成され、前記緩衝仕切り部材が前記外箱内に収容された状態で、前記緩衝仕切り部材は、前記外壁の外面が前記外箱の側面に係止され組み立て状態の形状が保持される包装箱である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の緩衝仕切り部材は、従来と同等以上の強度を得ることができ、しかも本体を構成する部材の数を従来よりも少なくできる。例えば、複数の収容部を1列に配置する構造であれば、1つの部材(段ボールシートだけ)で構成することも可能である。また、本体の外壁の外面から突出する部材がないので、従来よりも外形をコンパクトにすることができる。
【0014】
本体を構成する段ボールシートは、主折罫線が基材の中芯の長さ方向に対して直角に設けてあるので、さらに主折罫線と重なる適宜の位置に切れ目を設けることによって、組み立て状態で、各内板及び外板の上下端部に、中芯の波型断面が見える端面が形成される。その結果、上下に積み重ねられて外壁及び内壁に対して上方から荷重が加わったとき、この端面で荷重をしっかり受けとめることができるようになり、外壁及び内壁の強度をさらに高くすることができる。
【0015】
また本体に所定の補助部材を取り付けることによって、補助部材の仕切り板で収容部をさらに効率よく仕切ることができる。
【0016】
本発明の包装箱によれば、中仕切りを有しない既存の外箱の中に上記の緩衝仕切り部材を設置することによって、優れた緩衝効果を有した中仕切り付きの箱体を容易に得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の緩衝仕切り部材及びこれを用いた包装箱の第一の実施形態について、
図1〜
図6に基づいて説明する。この実施形態の緩衝仕切り部材10は、
図1に示すように、互いに区切られた複数の収容部を備えたトレイ状の部材であり、本体12に2つの補助部材14(14(1),14(2))を取り付けて形成される。また、この実施形態の包装箱16は、別途用意した外箱18内に緩衝仕切り部材10を設置することによって形成される中仕切り付きの箱体である。
【0019】
緩衝仕切り部材10の本体12は、四方を囲む外壁GHと、外壁GHの内側を仕切って複数の収容部を形成する内壁NHと、各収容部の下面を塞ぐ底板Bとで構成される。本体12は、段ボールのブランクを打ち抜いて形成された1枚の段ボールシート20(断面が波型に成形された中芯20aを有する)を立体的に組み立てることによって形成される。
【0020】
段ボールシート20は、
図2(a)、(b)に示すように、略矩形の主板部22を有し、主板部22の内側に、外板24、連結板26、内板28(1)、内板28(2)、連結板30、内板32(1)、内板32(2)、連結板34、外板36が順に設けられ、それぞれ中芯20aの長さ方向に対して直角な主折罫線38,40,42,44,46,48,50,52で区切られている。外板24,36及び内板28(1),28(2) ,32(1),32(2)は、長さが互いに同じで短く、連結板26,30,34は長さが互いに同じで少し長い。
【0021】
外板24,36、内板28(1),28(2),32(1),32(2)の、主折罫線38と直角な一端部には、略矩形の連結片54,56,58,60,62,64がそれぞれ延設され、各基端部が副折罫線66,68,70,72,74,76で区切られている。
【0022】
連結片54の延設方向の先端部には、係合部54aが設けられている。係合部54aは、連結片54の側端部(連結片58側の端部)から内側に延びるスリットにより形成され、スリットと副折罫線66との間隔は、連結板26の長さの約1/2に設定されている。他の連結片56,58,60,62,64も連結片54とほぼ同じ構造であり、それぞれ係合部54aと同様の係合部56a,58a,60a,62a,64aが設けられている。
【0023】
外板24,36、内板28(1),28(2),32(1),32(2)の、連結片54,56,58,60,62,64と反対側の各端部には、略矩形の連結片78,80,82,84,86,88がそれぞれ延設され、各基端部が副折罫線90,92,94,96,98,100で区切られている。
【0024】
連結片78の延設方向の先端部には、係合部78aが設けられている。係合部78aは、連結片78の側端部(連結片82側の端部)から内側に延びるスリットにより形成され、スリットと副折罫線96との間隔は、連結板26の長さの約1/2に設定されている。他の連結片80,82,84,86,88も連結片78とほぼ同じ構造であり、それぞれ係合部78aと同様の係合部80a,82a,84a,86a,88aが設けられている。
【0025】
外板24には、外板24の幅をほぼ3等分する位置に、主折罫線38と反対側の端部から内側に延びる外壁スリット24a,24bが設けられている。同様に、外板36には、外板36の幅をほぼ3等分する位置に、主折罫線52と反対側の端部から内側に延びる外壁スリット36a,36bが設けられている。
【0026】
内板28(1),28(2)には、内板28(1),28(2)の幅をほぼ3等分する位置に、折罫線42とほぼ直交するスリット状の透孔28a,28bが設けられている。同様に、内板32(1),32(2)には、内板32(1),32(2)の幅をほぼ3等分する位置に、折罫線48とほぼ直交するスリット状の透孔32a,32bが設けられている。
【0027】
さらに、主折罫線38と重なる位置に、所定の間隔を空けて3つの切れ目102が設けられている。同様に、主折罫線40,42,44,46,48,50,52と重なる位置にも、それぞれ切れ目104,106,108,110,112,114,116が設けられている。
【0028】
緩衝仕切り部材10の補助部材14は、段ボールのブランクを打ち抜いて形成された1枚の補助段ボールシート118(断面が波型に成形された中芯118aを有する)を立体的に組み立てることによって形成される。
【0029】
補助段ボールシート118は略矩形の外形を有し、その内側に、仕切り板120(1)、補助連結板122、補助仕切り板120(2)が順に設けられ、それぞれ中芯の長さ方向に平行な補助折罫線124,126で区切られている。補助連結板122の長さ(補助折罫線124と126の間隔)は、段ボールシート20の外壁スリット24aと24bの間隔とほぼ同じで、仕切り板120(2),120(2)の長さは、それぞれ段ボールシート20の連結板26の長さの約3/2である。
【0030】
仕切り板120(1)には、補助折罫線124と直角な一端部から内側に延びる第一補助スリット120bが設けられ、補助折罫線124と第一補助スリット120bとの間隔は、段ボールシート20の連結板26の長さとほぼ同じに設定されている。同様に、仕切り板120(2)には、補助折罫線126と直角な一端部(第一補助スリット120a側の端部)から内側に延びる第一補助スリット120aが設けられ、補助折罫線126と第一補助スリット120aとの間隔は、段ボールシート20の連結板26の長さとほぼ同じに設定されている。
【0031】
補助連結板122と各仕切り板120(1),120(2)との境界部には、第一補助スリット120aと120bと同じ側の端部から内側に延びる第二補助スリット128b,128aがそれぞれ形成されている。
【0032】
さらに、補助連結板122の、各補助スリットを設けた側の端部に、所定の幅で短く突出する凸部122aが設けられ、反対側の端部の同じ位置に、凸部122aとほぼ同じ大きさに切り欠いた凹部122bが設けられている。
【0033】
次に、緩衝仕切り部材10の組み立て方法の一例を説明する。なお、
図2(a)と
図4(a)に示す段ボールシート20と補助段ボールシート118は、それぞれ表面側から見たものであり、以下、各シート20,118の表面が凸になる折り方を正折り、裏面が凸になる折り方を逆折りと称して説明する。
【0034】
緩衝仕切り部材10を組み立てるときは、先に段ボールシート20で本体12を形成し、その後、本体12に補助部材14を取り付けるという手順で行う。
【0035】
本体12を組み立てるときは、まず、主折罫線52を90度に正折りし、外板36を連結板34に対して起立させる。さらに、副折罫線68,92をそれぞれ90度に正折りして連結片56,80を倒し、副折罫線76,100をそれぞれ90度に正折りして連結片64,88を倒す。
【0036】
そして、主折罫線50を90度に正折りし、連結板34を内板32(2)に対して起立させる。このとき、連結片56の係合部56aを連結片64の係合部64aに係合させ、連結片80の係合部80aを連結片88の係合部88aに係合させ、外板36及び内板32(2)を相互に連結する。これで、外板36と内板32(2)は、連結板34に対してほぼ直角に起立し、互いに対向した状態に固定される。
【0037】
次に、主折罫線48を逆折りし、内板32(2)及び内板32(1)の表面同士を当接させた後、主折罫線46を90度に正折りし、内板32(1)を連結板30に対して起立させる。さらに、副折罫線74,98をそれぞれ90度に正折りして連結片62,86を倒し、副折罫線72,96をそれぞれ90度に正折りして連結片60,84を倒す。
【0038】
そして、主折罫線44を90度に正折りし、連結板30を内板28(2)に対して起立させる。このとき、連結片62の係合部62aを連結片60の係合部60aに係合させ、連結片86の係合部86aを連結片84の係合部84aに係合させ、内板32(1)及び内板28(2)を相互に連結する。これで、内板32(1)と内板28(2)は、連結板30に対してほぼ直角に起立し、互いに対向した状態に固定される。
【0039】
次に、主折罫線42を逆折りし、内板28(2)及び内板28(1)の表面同士を当接させた後、主折罫線40を90度に正折りし、内板28(1)を連結板26に対して起立させる。さらに、副折罫線70,94をそれぞれ90度に正折りして連結片58,82を倒し、副折罫線66,90をそれぞれ90度に正折りして連結片54,78を倒す。
【0040】
そして、主折罫線38を90度に正折りし、外板24を連結板26に対して起立させる。このとき、連結片54の係合部54aを連結片58の係合部58aに係合させ、連結片78の係合部78aを連結片82の係合部82aに係合させ、外板24及び内板28(1)を相互に連結する。これで、外板24と内板28(1)は、連結板26に対してほぼ直角に起立し、互いに対向した状態に固定される。これで、組み立てが終了し、
図4に示す本体12の組み立て状態になる。
【0041】
この組み立て状態で、一対の内板28(1),28(2)は互いに重なって起立し、一対の内板32(1),32(2)も互いに重なって起立し、それぞれ内壁NHとなる。外板24,36は、それぞれ内壁NHと同じ高さに起立して外壁GHの一部となる。連結板26,30,34は、それぞれ底板Bとなる。また、互いに重なって係合している一対の連結片54と58、連結片60と62、連結片56と64、連結片78と82、連結片84と86、連結片80と88は、それぞれ外壁GHの一部となる。
【0042】
外壁GHには、外板24で成る部分の上端に外壁スリット24a,24bが形成され、外板36で成る部分の上端に外壁スリット36a,36bが形成される。また、2つの内壁NHについては、内板28(1),28(2)で成る方の上端に、透孔28a,28bによって内壁スリット28A,28Bが形成され、内板32(1),32(2)で成る方の上端に、透孔32a,32bによって内壁スリット32A,32Bが形成される。
【0043】
次に、2つの補助段ボールシート118を用意し、補助折罫線124,126をそれぞれ90度に正折りし、コの字状の補助部材14(1),14(2)を形成する。そして、補助部材14(1)については、第一補助スリット120a,120bを内壁スリット28A,28Bにそれぞれ係合させ、第二補助スリット128a,128bを外壁スリット24a,24bに係合させ、本体12に保持させる。また、補助部材14(2)については、第一補助スリット120a,120bを内壁スリット32B,32Aにそれぞれ係合させ、第二補助スリット128a,128bを外壁スリット36B,36Aにそれぞれ係合させ、本体12に保持させる。これで、組み立てが終了し、
図1に示す緩衝仕切り部材10の組み立て状態になる。
【0044】
この組み立て状態で、補助部材14(1)は、補助連結板122が外壁GHと同じ高さに起立して外壁GH(外板24)の外側に重なり、2つの仕切り板120(1),(2)は、底板B(連結板26,30)の上面に内壁NHと同じ高さに起立し、収容部内をさらに仕切るとともに、底板B(連結板26)を挟んで対向する内壁NH及び外壁GHを相互に連結する。同様に、補助部材14(2)は、補助連結板122が外壁GHと同じ高さに起立して外壁GH(外板36)の外側に重なり、2つの仕切り板120(1),(2)は、底板B(連結板30,34)の上面に内壁NHと同じ高さに起立し、収容部内をさらに仕切るとともに、底板B(連結板34)を挟んで対向する内壁NH及び外壁GHを相互に連結する。
【0045】
本体12は、各主折罫線が基材の中芯20aの長さ方向に対して直角に設けてあるので、外壁GHとなる外板24,36の上端部に、中芯20aの波型断面が見える端面が形成され、外壁GHとなる各連結片の上下端部にも、中芯20a波型断面が見える端面が形成される。
【0046】
また、本体12に設けた切れ目102,104,106,108,110,112,114,116は、
図5(a)、(b)に示すように配置され、外壁GHとなる外板24,36の下端部には、切れ目102,116によって、中芯20aの波型断面が見える端面が形成される。同様に、内壁NHとなる内板28(1),28(2),32(1),32(2)の上下端部にも、切れ目104,106,108,110,112,114によって、中芯20aの波型断面が見える端面が形成される。
【0047】
その後、組み立てた緩衝仕切り部材10を別に組み立てた外箱18の中に入れ、各収容部に商品等の収容物(図示せず)をセットした後、その上面に新たな緩衝仕切り部材10を重ね置き、各収容部に商品等の収容物(図示せず)をセットする。これで、
図6に示す状態になる。外箱18のサイズは、緩衝仕切り部材10と同じか僅かに大きく設定され、緩衝仕切り部材10が外箱18内に収容された状態で、緩衝仕切り部材10の外壁GHの外面が外箱18の側面18aに係止される。そして、外箱18の天蓋を閉鎖することによって包装が終了し、商品等が包装箱16に入った状態で出荷される。
【0048】
第一の実施形態の緩衝仕切り部材10によれば、本体12の外壁GHの外面から突出する部材がないので、従来よりも外形をコンパクトにすることができる。
【0049】
また、従来以上の強度を得ることができ、複数段に重なられても潰れにくいという特徴がある。例えば、内板(内板28(1)等)と連結片(連結片58等)とが交差する部分は、1枚の基材が折れ曲がって連続しているので、別々の基材が十字に交差する従来の構造よりも上方からの荷重に対する強度が高い。また、内板(内板28(1)等)によって形成される内壁NHや連結片(連結片58等)によって形成される外壁GHの部分は、基材が2枚重なるので、1枚で形成されるよりも強度が高い。また、
図5(a)、(b)に示すように、外壁GHとなる各外板(外板24等)と内壁NHとなる各内板(内板28(1)等)の上端部に中芯20a波型断面が見える端面が形成される構造になっているので、上方からの荷重を、各端面でしっかり受けとめることができ、外壁GH及び内壁NHの強度がさらに高くなる。
【0050】
さらに、補助部材14(1),14(2)の仕切り板120(1),120(2)は、底板B(連結板26等)の上面に、内板28(1)等で成る内壁NHと同じ高さに起立する構造なので、仕切り板120(1),120(2)も内壁NHと同様に作用し、上方からの荷重に対する強度をさらに高くする効果が得られる。また、外板24,36によって形成される外壁GHの部分は、補助部材118の補助連結板122が外壁GHと同じ高さに起立して外側に重なるので、外壁GHがさらに補強される。
【0051】
なお、本体12の構造だけで十分な強度が得られる場合は、仕切り板120(1),120(2)は、必ずしも底板B(連結板26等)の上面に内板(内板28(1)等)と同じ高さに起立する構造にする必要はなく、収容部内を簡易的に区切るだけの構造にしてもよい。同様に、補助連結板122は、必ずしも外壁GHと同じ高さに起立する構造にする必要はなく、例えば、補助部材14を本体12に取り付ける作業を容易にすることを重視して、他の構造に変更してもよい。
【0052】
また、第一の実施形態の包装箱16によれば、中仕切りを有しない既存の外箱18の中に緩衝仕切り部材10を1段又は複数段に重ねて設置することによって、優れた緩衝効果を有した中仕切り付きの箱体を容易に得ることができる。
【0053】
緩衝仕切り部材10は、外箱18の中に収容せずに単体で使用することも可能である。緩衝仕切り部材10は、本体12だけで取り扱うと、主折罫線42,48が折れたり伸びたりして形状が変化するが、補助部材14を取り付けることによって、形状が固定される。また、緩衝仕切り部材10を複数段に重ねると、上段側の補助連結板122の凹部122bに下段側の補助連結板122の凸部122aが係合し、上段側の緩衝仕切り部材10が位置決めされるので、ある程度の段数であれば、安定に積み重ねることができる。したがって、緩衝仕切り部材10は、外箱18がなくても問題なく使用できる。
【0054】
次に、本発明の緩衝仕切り部材及びこれを用いた包装箱の第二の実施形態について、
図7〜
図9に基づいて説明する。ここで、上記実施形態を同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0055】
この実施形態の緩衝仕切り部材130は、
図7に示すように、互いに区切られた複数の収容部を備え、大きさが上記の緩衝仕切り部材10の約1/3のトレイ状の部材であり、本体12のみで形成される。また、この実施形態の包装箱132は、別途用意した外箱134内に緩衝仕切り部材130を設置することによって形成される中仕切り付きの箱体である。緩衝仕切り部材130は、本体12がそのまま緩衝仕切り部材130になる。
【0056】
緩衝仕切り部材130は、上記緩衝仕切り部材10の本体12と同様に、四方を囲む外壁GHと、前記外壁の内側を仕切って複数の収容部を形成する内壁NHと、各収容部の下面を塞ぐ底板Bとで構成される。緩衝仕切り部材130は、段ボールのブランクを打ち抜いて形成された1枚の段ボールシート136(断面が波型に成形された中芯136aを有する)を立体的に組み立てることによって形成される。
【0057】
段ボールシート136の構成は、
図8(a)、(b)に示すように、上記の段ボールシート20と類似しており、異なるのは、外板24,36、内板28(1),28(2),32(1),32(2)、及び連結板26,30,34の幅が約1/3に短縮されているという点である。また、外壁スリット24a,24b,36a,36bとスリット状の透孔28a,28b,32a,32bが省略され、切れ目102,104,106,108,110,112,114,116の数が、それぞれ1つずつになっている。
【0058】
緩衝仕切り部材130の組み立て方法は、上記緩衝仕切り部材10の本体12の組み立て方法と同様である。
【0059】
緩衝仕切り部材130は、
図7に示す組み立て状態で、一対の内板28(1),28(2)は互いに重なって起立し、一対の内板32(1),32(2)も互いに重なって起立し、それぞれ内壁NHとなる。外板24,36は、それぞれ内壁NHと同じ高さに起立して外壁GHの一部となる。連結板26,30,34は、それぞれ底板Bとなる。また、互いに重なって係合している一対の連結片54と58、連結片60と62、連結片56と64、連結片78と82、連結片84と86、連結片80と88は、それぞれ外壁GHの一部となる。この内壁NH、外壁GH及び底板Bの構成も、上記緩衝仕切り部材10の本体12と同様である。
【0060】
その後、組み立てた緩衝仕切り部材130を別に組み立てた外箱134の中に入れ、各収容部に商品等の収容物(図示せず)をセットした後、その上面に新たな緩衝仕切り部材130を重ね置き、各収容部に商品等の収容物(図示せず)をセットする。これで、
図9に示す状態になる。外箱134のサイズは、緩衝仕切り部材130と同じか僅かに大きく設定され、緩衝仕切り部材130が外箱134内に収容された状態で、緩衝仕切り部材130の外壁GHの外面が外箱134の側面134aに係止される。そして、外箱134の天蓋を閉鎖することによって包装が終了し、商品等が包装箱132に入った状態で出荷される。
【0061】
第二の実施形態の緩衝仕切り部材130は、床面積が比較的小さい場合に適しており、上記の緩衝仕切り部材10とほぼ同様の効果を得ることができ、しかも、1つの構成部材(段ボールシート136だけ)で形成できるという利点がある。
【0062】
また、第二の実施形態の包装箱132によれば、中仕切りを有しない既存の外箱134の中に緩衝仕切り部材130を1段又は複数段に重ねて設置することによって、優れた緩衝効果を有した中仕切り付きの箱体を容易に得ることができる。
【0063】
緩衝仕切り部材130の場合、単体で取り扱うと、主折罫線42,48が折れたり伸びたりして形状が変化するので、外箱内に収容して形状を安定させ、外箱134と一体に取り扱うことが好ましい。ただし、形状が変化するのを別の方法で防止できれば、外箱134なしで使用することも可能である。
【0064】
なお、本発明の緩衝仕切り部材及びこれを用いた包装箱は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の連結片の係合部(連結片54の係合部54a等)の構造は一例であり、組み立て状態で対応する2つの連結片が一体に重なって外壁GHの一部を形成することができれば、他の構造に変更してもよい。補助部材14(1),14(2)は、1枚の部材で形成され、ロの字状に形成して本体12に設けても良い。
【0065】
上記の緩衝仕切り部材10,130の場合、1対の内板で成る内壁NHを2つ備えているが、収容部の数に合わせて内壁NHの数を増減することができる。特に、収容部の数が多い大形の緩衝仕切り部材を構成するときは、強度をより高くするため、内壁NHの数を増やすことが好ましい。強度の心配がなければ、補助部材の数を増やすことによって収容部の数を簡易的に増やすようにしてもよい。この場合、補助部材の数に合わせて、本体の外壁スリット及び内壁スリットの数も増やす。
【0066】
切れ目(切れ目102等)の長さや数は適宜変更することができる。ただし、個々の長さが長すぎたり、数が多すぎたりすると、組み立て時に主折罫線(主折罫線38等)の部位が破断しにくくなるので注意する。荷重に対する外壁GHや内壁NHの強度が十分であれば、切れ目は省略してもよい。
【0067】
緩衝仕切り部材を入れる外箱は、少なくとも底面及び側面を有する箱体であればよく、天蓋は省略してもよい。また、外箱のサイズは、複数の緩衝仕切り部材を底面に整列配置できる大きさとしてもよい。