(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置の斜視図である。
【
図2】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置の一部である包装機本体部の内部の模式図である。
【
図3】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置で用いられる包材の説明図である。
【
図4】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるホッパ部材の近傍の説明図である。
【
図5】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える表示形成部と包材との位置関係の説明図である。
【
図6】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える表示形成部の第1の斜視図である。
【
図7】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える表示形成部の第2の斜視図である。
【
図8】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える表示形成部の第3の斜視図である。
【
図9】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える表示形成部の正面図である。
【
図10】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える表示形成部の側面図である。
【
図11】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える表示形成部の背面図である。
【
図12】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペンユニットの第1の斜視図である。
【
図13】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペンユニットの第2の斜視図である。
【
図14】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペンユニットの側面図である。
【
図15】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペン保持部の第1の斜視図である。
【
図16】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペン保持部の第2の斜視図である。
【
図17】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペン保持部の正面図である。
【
図18】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペンの斜視図である。
【
図19】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える保持部蓋の第1の斜視図である。
【
図20】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える保持部蓋の第2の斜視図である。
【
図21】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える保持部蓋の側面図である。
【
図22】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える保持部蓋の平面図である。
【
図23】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える表示部形成部から保持部蓋を取り外した状態の斜視図である。
【
図24】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える表示部形成部から保持部蓋を取り外し、さらに複数のペンの全てを抜き取った状態の斜視図である。
【
図25】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える覆い部本体の第1の斜視図である。
【
図26】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える覆い部本体の第2の斜視図である。
【
図27】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える覆い部本体の正面図である。
【
図28】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える覆い部本体の側面図である。
【
図29】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える可動部の第1の斜視図である。
【
図30】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える可動部の第2の斜視図である。
【
図31】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える可動部の正面図である。
【
図32】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える可動部の側面図である。
【
図33】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペン保持部ソケットの第1の斜視図である。
【
図34】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペン保持部ソケットの第2の斜視図である。
【
図35】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペン保持部ソケットの平面図である。
【
図36】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペンユニットの開口部の開閉の説明図である。
【
図37】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペンユニットの、開口部が閉状態にあるときの第1の斜視図である。
【
図38】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペンユニットの、開口部が閉状態にあるときの第2の斜視図である。
【
図39】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペン保持部および可動部の回動の仕組みの概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態1)
(構成)
図1〜
図38を参照して、本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置について説明する。本実施の形態における薬剤包装装置101の外観を
図1に示す。
図1に示すように、薬剤包装装置101は、包装機本体部81と、制御部82とを備える。包装機本体部81は、前面の一部に開閉可能な前扉63を備える。包装機本体部81は、前面に取出し口64を有する。薬剤包装装置101は、清掃ノズル65を備える。清掃ノズル65はホース66を介して包装機本体部81に接続されている。包装機本体部81は、上面に錠剤投入部61と散剤投入口62a,62bとを備える。制御部82は、ディスプレイ82aとキーボード82bとを備える。
【0012】
包装機本体部81の内部のいくつかの構成要素について模式的に
図2に示す。
図2に示すのは、包装機本体部81の内部の構成のあくまで一例である。
図2に示すように、包装機本体部81は、上部にホッパシュート11を備える。ホッパシュート11の下端はホッパ部材12の内部に薬剤を落とすように配置されている。ホッパ部材12の下端は二つ折りになっている包材10の隙間に薬剤を落とすように配置されている。包材10は、たとえば包装シートである。包材10は、たとえばセロハンを主材料とする基材と、熱溶着可能な層、すなわちたとえばポリエチレンを主材料とする層との2層構造であってよい。包材10は、ロール13の状態で包装機本体部81の内部に設置されている。ロール13は、たとえば前扉63を開けることによってユーザがアクセス可能な位置に配置されている。ユーザは、前扉63を開けた状態でロール13を交換することができる。ロール13から繰り出された包材10は、矢印91に示すように適宜送られ、ホッパ部材12の下端を受け入れつつ搬送される。包材10は、
図3に示すように二つ折りとなっている。包材10は、左側部10aと右側部10bとを含む。左側部10aと右側部10bとは、底部10cを介してつながっている。包材10は、
図3に示す矢印93のように進行する。
図4に示すように、ホッパ部材12は、上部にホッパ部材入口67を有し、下部にホッパ部材出口68を有する。ホッパ部材12の下部は、包材10の左側部10aと右側部10bとの間に挿入されている。薬剤1は、ホッパ部材入口67からホッパ部材12の内部に投入され、包材10の左側部10aと右側部10bとの間に落下する。包材10は、シール機構14によってシールされる。送りローラ16によって包材10は矢印93の向きに搬送される。
【0013】
包装機本体部81の内部において、適当な箇所に表示部形成部20が設置される。以下では、包材10が搬送される方向に沿って、「上流」および「下流」という表現を用いる。表示部形成部20は、
図2に例示したようにホッパ部材12が包材10の隙間に薬剤1を落下させる位置よりも上流側に配置されてもよく、シール機構14より下流側に配置されてもよい。
【0014】
表示部形成部20が包材10に対して作用する部分の一例を
図5に示す。ここでは、ガイドバー17によって包材10の進行方向が切り替わる箇所において、表示部形成部20が包材10に近接して配置されている。表示部形成部20は、ペンユニット21と、ペンユニット支持機構22とを含む。ペンユニット21はペンユニット支持機構22によって支持されている。
【0015】
ここではガイドバー17によって包材10の進行方向が切り替わる箇所において表示部形成部20が包材10に近接して配置され、この位置で包材10に対する書き込み作業が行なわれるものとして示したが、これはあくまで一例である。表示部形成部20は、包材10は平坦な状態で搬送されている区間の途中において包材10に近接して配置され、この位置で包材10に対する書き込み作業が行なわれるものであってもよい。
【0016】
表示部形成部20を単独で取り出して斜め下から見たところを
図6に示す。
図6に示すように、ペンユニット21は、覆い部本体21aと、ペン保持部23と、ペン保持部ソケット30とを備える。ペン保持部ソケット30はペン保持部23の前端近傍の一部を受け入れるカップ形状の部材である。ペン保持部23は、ペンユニット21のうちペン保持部23以外の部分に対して着脱可能である。ペンユニット21は、複数のペン24を備える。ここでは、ペン24の数は4であるものとして説明するが、ペン24の数を4としたのはあくまで一例であって、ペン24の数は4以外であってもよい。たとえばペンユニット21はペン24を1つしか備えない構成であってもよい。ペン24は、ペン保持部ソケット30の底面に設けられた貫通孔を通過して覆い部本体21aの内側において突出している。
【0017】
表示部形成部20を異なる向きから見たところを
図7に示す。
図7に示すように、ペン保持部23は保持部蓋26を備える。保持部蓋26はボタン26aを備える。ボタン26aは保持部蓋26の外周の1ヶ所において外向きに突出するように設けられている。表示部形成部20をさらに異なる向きから見たところを
図8に示す。ペンユニット21は、覆い部本体21aの内側に重なるように可動部27を備える。
図8では可動部27が開いている状態を示している。ペンユニット支持機構22は、ペンユニット21に対向するように第1の磁気センサ28aおよび第2の磁気センサ28bを備える。ペンユニット支持機構22は、ステッピングモータ41,42を備える。ステッピングモータ41による回転は、歯車43を介してペンユニット21に伝達される。
【0018】
表示部形成部20の正面図を
図9に示し、側面図を
図10に示し、背面図を
図11に示す。
図9に示すように、本実施の形態では、ペンユニット21の外周面に沿うように第1の磁気センサ28aおよび第2の磁気センサ28bが配置されている。
【0019】
ペンユニット21を単独で取り出したところを
図12に示す。ペンユニット21は、前側の端部に覆い部本体21aを備える。ペンユニット21の内部に配置された複数のペン24は、互いに平行に配置されている。複数のペン24は、軸線90の周りに配置されている。複数のペン24はそれぞれペン先24aを有する。複数のペン24のペン先24aは、同じ向きを向いている。複数のペン24のペン先24aは、軸線90に垂直な一定の平面内に配置されている。可動部27は、軸線90を中心として回動可能となっている。保持部蓋26は、複数の磁石26eを備える。複数の磁石26eは保持部蓋26の外周面においてそれぞれ間隔をあけて配置されている。複数の磁石26eは、複数のペン24にそれぞれ対応するように配置されている。複数の磁石26eは等角度間隔で配置されていてもよい。
【0020】
ペンユニット21を異なる向きから見たところを
図13に示す。ペン保持部23は、ペン保持部本体25と保持部蓋26とを備える。保持部蓋26はペン保持部本体25の後端に接続されている。保持部蓋26は、中心孔26fを有する。保持部蓋26は、複数の貫通孔26dを有する。複数の貫通孔26dの数は4であるものとして説明するが、これはあくまで一例である。貫通孔26dの数は4以外であってもよい。通常、貫通孔26dの数はペン24の数と等しく設定される。実際に設置されるペン24の数は、貫通孔26dの数より少なくてもよい。複数の貫通孔26dは中心孔26fの周りを取り囲むように配置されている。中心孔26fからは中心棒29の先端が露出している。複数の貫通孔26dの各々からは後端部24bが露出している。後端部24bはペン24の一部である。ペンユニット21をさらに異なる向きから見たところを
図14に示す。
【0021】
ペンユニット支持機構22に設けられた第1の磁気センサ28a(
図6、
図9参照)は保持部蓋26の磁石26e(
図12〜
図14参照)を検出するためのものである。第1の磁気センサ28aで磁石26eを検出することによって、ペン保持部23が後述の回転の停止位置にあるか否かを検出することができる。
【0022】
ペンユニット支持機構22に設けられた第2の磁気センサ28b(
図7、
図9参照)は、保持部蓋26の磁石26e(
図12〜
図14参照)を検出するためのものである。第2の磁気センサ28bで磁石26eを検出することによって、ペン保持部23が正しく装着されているか否かを検出することができる。ペン保持部23が所定の角度位置にあるときに、第2の磁気センサ28bによって検出される対象が何もない場合には、ペン保持部23が正しく装着されていないと判断することができる。この判断は、制御部82(
図1参照)によって行なうことができる。制御部82は、ペン保持部23が正しく装着されていないと判断した場合には、エラーメッセージを出すなどしてユーザにその旨を知らせることができる。本実施の形態では、前記所定の角度位置は、可動部27が後述の閉位置となる角度位置であり、ペン保持部23が後述の回転角度−123°となる角度位置である。第2の磁気センサ28bが磁石26eを検出できるのは、ペン保持部本体25(
図15参照)がペンユニット21に正しく装着されており、かつ、保持部蓋26がペン保持部本体25に正しく装着されているときに限られるので、第2の磁気センサ28bによる検出結果を参照することで、ペン保持部本体25がペンユニット21に正しく装着されているか否かだけでなく、保持部蓋26がペン保持部本体25に正しく装着されているか否かをも確認することができる。
【0023】
本実施の形態では、第2の磁気センサ28bで磁石26eを検出することによって、ペン保持部23が正しく装着されているか否かを検出することとしているが、これはあくまで一例である。ペンユニット支持機構22には、第2の磁気センサ28bに代えて、反射型の光センサが用いられてもよい。保持部蓋26には、磁石26eに代えて、光反射部が設けられてもよい。光反射部は、保持部蓋26の外周面に全周にわたって形成されてもよい。この場合、ペン保持部23の角度位置にかかわらず、ペン保持部23が正しく装着されているか否かを検出することができる。
【0024】
本実施の形態では、ペンユニット支持機構22は、第3の磁気センサ28c(
図6、
図8、
図9参照)をさらに備える。可動部27には、後述の磁石27cが設けられる(
図29、
図30参照)。可動部27が後述の閉位置にあるとき、すなわちペン保持部23が後述の回転角度−123°となるとき、第3の磁気センサ28cによって磁石27cを検出することができる。第3の磁気センサ28cによって磁石27cを検出した位置を基準にして、ステッピングモータ41を回転させることで、複数のペン24の中のいずれかのペン24のペン先24aを選択的に、覆い部本体21aの開口部21rに対応する位置に移動させることができる。
【0025】
ペン保持部23を単独で取り出したところを
図15に示す。ペン保持部23を異なる向きから見たところを
図16に示す。ペン保持部本体25は複数のペン24を保持している。複数のペン24の各々の外周面の一部は、ペン保持部本体25の外周に沿って露出している。ペン保持部本体25は、外周面に溝25aを有する。溝25aは、ペン保持部本体25の長手方向に沿って配置されている。ペン保持部23の正面図を
図17に示す。
【0026】
ペン24を単独で取り出したところを
図18に示す。ペン24は、ペン先24aと、後端部24bと、中間部24cとを備える。ペン先24aにはインクが含まれている。中間部24cは、ペン先24aと後端部24bとの間に配置されている。中間部24cは、ほぼ円筒形の外面を有する。後端部24bには、ペン先24aに配置されたインクの色を示すマークが配置されていてもよい。ペン24は、油性ペンであってよい。
【0027】
保持部蓋26を単独で取り出したところを
図19に示す。保持部蓋26を異なる向きから見たところを
図20に示す。保持部蓋26の側面図を
図21に示す。保持部蓋26の平面図を
図22に示す。
図19および
図22では、中心孔26fの中にロック板26gが見えている。ロック板26gは、ボタン26aと一体的に形成されている。ボタン26aおよびロック板26gを含む1枚の一体物の金属板が用意され、保持部蓋26の内部に配置されている。ボタン26aを保持部蓋26の中心軸に向かって押し込むことにより、ロック板26gは
図22における下方に変位する。これにより、中心孔26fの空間にロック板26gが入り込まない状態が実現され、その結果、中心孔26fに中心棒29が出入り可能となる。
【0028】
表示部形成部20から保持部蓋26を取り外したところを
図23に示す。ペンユニット21の後端に複数の後端部24bが突出している。複数の後端部24bに取り囲まれるようにして中心棒29が突出している。中心棒29は先端近傍にくびれ部を有する。くびれ部は、ロック板26gと係合するための部分である。ロック板26gがくびれ部に入り込むことにより、保持部蓋26はロックされた状態、すなわち、保持部蓋26はペン保持部23から外れない状態となる。複数のペン24は、後端部24bを引っ張ることによってペンユニット21から抜き取ることができる。複数のペン24の全てを抜き取った状態を
図24に示す。ペンユニット21の後端に複数のペン収容部25dが開口している。ペン24をペン収容部25dに挿入することによって、
図23に示したようにペン24を装着することができる。
【0029】
ペンユニット21の一部である覆い部本体21aを単独で取り出したところを
図25に示す。覆い部本体21aを異なる向きから見たところを
図26に示す。覆い部本体21aの正面図を
図27に示す。覆い部本体21aの側面図を
図28に示す。覆い部本体21aは開口部21rを有する。ここで示す例では、覆い部本体21aは、円錐台と円柱形とをつなぎ合わせた形状の部分を含む。開口部21rは、この部分から一部を切り取るようにして設けられたものである。
【0030】
可動部27を単独で取り出したところを
図29に示す。可動部27を異なる向きから見たところを
図30に示す。可動部27の正面図を
図31に示す。可動部27の側面図を
図32に示す。可動部27は開口部27aを有する。可動部27の開口部27aの大きさは、覆い部本体21aの開口部21rの大きさとほぼ同じである。
【0031】
ペン保持部ソケット30を単独で取り出したところを
図33に示す。ペン保持部ソケット30は、ペン24を通すための複数の開口部30aを有する。ペン保持部ソケット30は、外周面に突起30bを備える。ペン保持部ソケット30を異なる向きから見たところを
図34に示す。ペン保持部ソケット30は、内周面に突起30cを備える。突起30cは、ペン保持部23のペン保持部本体25の外周面に設けられた溝25a(
図15〜
図17参照)と係合する。突起30cおよび溝25aによって、ペン保持部23とペン保持部ソケット30とが、軸線90まわりの周方向に互いに位置決めされる。ペン保持部ソケット30の平面図を
図35に示す。
【0032】
ペン保持部23は、磁力によってペン保持部ソケット30に着脱可能に保持される。ペン保持部23には、被吸着部23aが設けられる(
図15〜
図17参照)。被吸着部23aは、ペン保持部23のペン保持部本体25の前端部に取り付けられる。被吸着部23aは、磁性体で形成された板部材である。ペン保持部ソケット30には、被吸着部23aを磁力によって吸着する磁石30dが設けられる(
図12参照)。磁石30dは、ペン保持部ソケット30の底部に設けられる。被吸着部23aが磁石30dの磁力によって吸着されることで、ペン保持部23がペン保持部ソケット30に着脱可能に保持される。
【0033】
薬剤包装装置101は、薬剤1を包材10で包装する薬剤包装装置であって、ペン先24aを有する少なくとも1つのペン24を保持するペン保持部23と、ペン保持部23によって保持された上記少なくとも1つのペン24のペン先24aを包材10に対して当接または離隔させるように、ペン保持部23を駆動する駆動機構と、ペン保持部23によって保持された上記少なくとも1つのペン24のペン先24aを覆う覆い部31とを備える。覆い部31は、包材10に臨むように開口する開口部21rを有する覆い部本体21aと、覆い部本体21aに沿って移動することで、開口部21rを開閉する可動部27とを備える。
【0034】
図36〜
図38を参照して、ペンユニット21における可動部27の移動の様子を説明する。覆い部本体21aの開口部21rが開閉される。
図36では、開口部21rが完全に開状態にある様子を示している。可動部27が
図36における矢印96の向きに移動することによって、開口部21rは
図37に示すように閉状態となる。閉状態となっているときのペンユニット21を異なる向きから見た様子を
図38に示す。ペンユニット21はペン保持部ソケット30とともに回動する歯車44を備える。
【0035】
(作用・効果)
本実施の形態における薬剤包装装置101では、可動部27を動かすことによって覆い部本体21aの開口部21rを開閉する。覆い部本体21aの開口部21rを開放することで、ペン24で包材10に表示部を形成することが可能となる。一方、ペン24の不使用時には、覆い部本体21aの開口部21rを閉鎖することで、ペン先24aを確実に保護することができる。これにより、たとえ薬剤の粉が舞っている状態であっても、薬剤の粉がペン先24aに付着することを防止することができるので、ペンの筆記性能の低下を防止することができる。また、ユーザが薬剤包装装置101に包材10を配置する際に、ユーザの手指や包材10にペン先24aが接触することも防止することができる。
【0036】
可動部27は、覆い部本体21aに沿って移動することで、覆い部本体21aの開口部21rを開閉する。したがって、ペン先24aを保護するための構成を小形化することができる。
【0037】
本実施の形態で示したように、上記少なくとも1つのペンは、複数のペン24を含むことが好ましい。ペン保持部23は、上記複数のペン24のペン先24aが一定の軸線90を中心とする周方向に並ぶように、上記複数のペン24を保持し、上記覆い部は、ペン保持部23によって保持された上記複数のペン24のペン先24aを一括して覆うことが好ましい。上記駆動機構は、ペン保持部23を、軸線90を中心として回動させることで、ペン保持部23によって保持された上記複数のペン24の中のいずれかのペン24のペン先24aを選択的に開口部21rに対応する位置に移動させる第1駆動機構と、ペン保持部23を、包材10に対して移動させることで、開口部21rに対応する位置にあるペン先24aを、包材10に対して当接または離隔させる第2駆動機構と、可動部27を、覆い部本体21aに沿って移動させることで、開口部21rを開閉する第3駆動機構とを備え、上記第1駆動機構および上記第3駆動機構は、共通の駆動源を備えることが好ましい。この構成を採用することにより、たとえば互いに色が異なる複数のペン24の組合せをペン保持部23に保持させておくことも可能となる。第1駆動機構および第2駆動機構の連携により、ペン保持部23を回動させることによって複数のペン24の中の所望のペン24を選択してから選択されたペン24のペン先24aを包材10に当接させることができるので、選択した所望の色で包材10に表示部を形成することができる。ペン保持部23を回動させる第1駆動機構と、開口部21rを開閉する第3駆動機構とが共通の駆動源を備えるので、薬剤包装装置101全体として駆動源の数を少なくすることができ、構造を簡素化することができる。
【0038】
図38に示した歯車44は、第1駆動機構に相当する。
図8に示したステッピングモータ42は第2駆動機構に相当する。ペン保持部ソケット30は第3駆動機構に相当する。
【0039】
図8に示したステッピングモータ41が、第1駆動機構および第3駆動機構の共通の駆動源に相当する。ステッピングモータ41で引き起こされた回転運動は、歯車43を介して、さらに
図38に示すペンユニット21の歯車44を介してペン保持部ソケット30の回転運動として伝えられる。ペン保持部ソケット30の外周面に設けられた突起30bは、可動部27の内周に設けられた突起27bに係合しており、突起30bが突起27bを押圧していることにより可動部27を回動させることができる。可動部27は一定の向きの回転をするようにバネで付勢されている。突起30bが突起27bの自由な回動を抑制していることにより可動部27を所望の姿勢に保つことができる。
【0040】
本実施の形態で示したように、可動部27は、覆い部本体21aに対して、軸線90を中心として回動可能であることが好ましい。この構成を採用することにより、可動部27は、ペン保持部23の回動の中心線と同じ中心線によって回動することになるので、駆動源からの回転運動を伝えやすくなり、構造を簡素化することができる。
【0041】
ペン保持部23および可動部27の回動の仕組みについて、
図39を参照して説明する。
図39に「回転の動作」として示されているのは、ペン保持部23が回転する角度範囲を直線で表現したものである。「回転の停止位置」として5つの円が表示されているのは、ペン保持部23が回転を停止することがありうる角度位置が5通りあることを意味する。「シャッタ」とは可動部27のことである。「ペン」として、円で囲まれた1から4の数字が表示されているのは、4種類のペンの各々が開口部21rに対応する位置に位置付けられたことを意味する。たとえば回転角度0°のときには、第1のペン24が開口部21rに対応する位置に位置付けられる。回転角度90°のときには、第2のペン24が開口部21rに対応する位置に位置付けられる。回転角度180°のときには、第3のペン24が開口部21rに対応する位置に位置付けられる。回転角度270°のときには、第4のペン24が開口部21rに対応する位置に位置付けられる。開口部21rに対応する位置に位置付けられたペン24は、既に包材10に接近した位置にあるので、第2駆動機構によってペン保持部23が変位することにより、包材10にペン先24aを当接させることができる。
【0042】
図12に示したように、ペン保持部23および可動部27は、軸線90を中心として、第1回動方向94および上記第1回動方向94とは反対の第2回動方向95に回動可能である。ペン保持部23には、基準角度位置97が設定されている。
図39において、回転角度0°の位置が基準角度位置97である。
図39において右に進むことは第1回動方向94の向きの回転を表す。
図39において左に進むことは第2回動方向95の向きの回転を表す。ペン保持部23が基準角度位置97に対して第1回動方向94の上流側で第1回動方向94に回動されるときに、可動部27が閉位置から開位置に回動される。これは−123°から0°へと回動する場合を意味する。ペン保持部23が基準角度位置97に対して第1回動方向94の上流側で第2回動方向95に回動されるときに、可動部27が開位置から閉位置に回動される。これは0°から−123°へと回動する場合を意味する。「第1回動方向94の上流側」とは、
図39における左寄りの位置を示す。ペン保持部23が基準角度位置97に対して第1回動方向94の下流側で第1回動方向94および第2回動方向95に回動されることで、可動部27が開位置にある状態で、ペン保持部23によって保持された上記複数のペン24の中のいずれかのペン24のペン先24aが選択的に開口部21rに対応する位置に移動される。「第1回動方向94の下流側」とは、
図39における右寄りの位置を示す。この構成を採用することにより、ペン保持部23および可動部27は、共通する軸線90を中心とした回転運動を活かして可動部27の開閉とペン24の切替えを効率良く行なうことができる。
【0043】
本実施の形態で示したように、可動部27は、第1回動方向94に付勢されることで、開位置に維持され、ペン保持部23が基準角度位置97に対して第1回動方向94の上流側で第2回動方向95に回動されるときに、第2回動方向95に押圧されて、開位置から閉位置に回動されることが好ましい。この構成を採用することにより、可動部27は第1回動方向94に付勢されているので、この付勢に打ち勝つ大きな力で第2回動方向95に回動させるか、この付勢力を利用して第1回動方向94に回動させるかの選択により可動部27を所望の位置へ回動させることができる。こうして、簡単な構成でありながら、可動部27による開口部21rの開閉を行なうことができる。
【0044】
ここでは、可動部27は第1回動方向94に付勢されることで、無負荷時には開位置に維持されるものとし、第2回動方向95に回動されるときに開位置から閉位置へと回動するものとして説明したが、これはあくまで一例であり、逆の構成であってもよい。
【0045】
本実施の形態で示したように、可動部27は、被押圧部を備え、薬剤包装装置101は、ペン保持部23が回動するときには共に回動する押圧部を備え、上記被押圧部は、ペン保持部23が上記基準角度位置に対して第1回動方向94の上流側で第2回動方向95に回動されるときに、上記押圧部によって押圧されることが好ましい。本実施の形態では、ペン保持部ソケット30の外周面に設けられた突起30bが「押圧部」に相当し、可動部27の内周に設けられた突起27bが「被押圧部」に相当する。この構成を採用することにより、簡単な構造でありながら回転運動を確実に伝えることができる。
【0046】
なお、上記実施の形態のうち複数を適宜組み合わせて採用してもよい。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。