(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871630
(24)【登録日】2021年4月20日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】串刺食品製造装置
(51)【国際特許分類】
A23P 10/10 20160101AFI20210426BHJP
A21C 11/00 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
A23P10/10
A21C11/00 J
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-192399(P2018-192399)
(22)【出願日】2018年10月11日
(65)【公開番号】特開2020-58299(P2020-58299A)
(43)【公開日】2020年4月16日
【審査請求日】2020年5月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】591047394
【氏名又は名称】株式会社飯田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100069431
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 成則
(74)【代理人】
【識別番号】100102761
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 元也
(72)【発明者】
【氏名】飯田 一
(72)【発明者】
【氏名】飯田 博
【審査官】
山本 崇昭
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭63−216423(JP,A)
【文献】
特開昭63−216421(JP,A)
【文献】
特開昭63−216422(JP,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2009−0112447(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21C 1/00−15/04
A23P 10/00−30/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する第1の成型ロール及び第2の成型ロールにより成型された食品を串押出装置から押し出された串により串刺して該串刺食品を排出する串刺食品製造装置において、
前記串刺食品の串を周面に当接させることで前記串刺食品が前記成型ロールから剥離するように前記串刺食品の串を案内する串案内部材、
を具備し、
前記串案内部材は、
前記串刺食品の前記第1の成型ロールの排出側に設けられ、前記串刺食品を前記第1の成型ロールから剥離するために前記串刺食品の串が当接する第1の周面を有するとともに、
前記第1の周面から延材して前記第2の成型ロール側に湾曲した湾曲部を有し、該湾曲部に前記串刺食品を前記第2の成型ロールから剥離するために前記串刺食品の串が当接する第2の周面を有することを特徴とする串刺食品製造装置。
【請求項2】
前記串案内部材は、
前記成型ロールから排出される前記串刺食品の仕上げ成形を行う仕上ロールのガイド部材に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の串刺食品製造装置。
【請求項3】
前記串案内部材は、
前記成型ロールの軸方向外側に設けられる第1の串案内部材と、
前記成型ロールの軸方向内側に設けられる第2の串案内部材と、
を具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の串刺食品製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米粉又は獣肉、鳥肉、魚肉等のすり身からなる練食品を成型ロールで団子状に成型して串刺して排出する串刺食品製造装置に関し、詳しくは、成型した串刺食品が成型ロールに付着して装置内に詰まる等の不都合を解消した串刺食品製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の串刺食品製造装置としては、特許文献1に開示された「団子製造機」が知られている。
【0003】
この特許文献1に開示された「団子製造機」には、一対の成型ロールが設けられ、この一対の成型ロールにより成型された団子を成型し、一方串整列ドラムから自重落下する串を順次串レール内に収容し、この串レール内に収容された串を往復動する串押出装置のプッシャーにより上記一対の成型ロールにより成型された団子側に押し出し、この串を成型ロールにより形成される孔を通って成型ロール内の団子に串刺しを行うように構成されている。
【0004】
ここで、成型ロールは間欠駆動され、串押出装置のプッシャーはこの成型ロールの間欠駆動に同期して動作するように構成されており、これにより、団子の中心に対する串刺しが行われる。
【0005】
ところで、上記「団子製造機」のような串刺食品製造装置において、串刺食品の生地の粘性が強かったり、串刺食品の生地が柔らかすぎたりすると、成型した串刺食品が成型ロールに付着して串刺食品同士が付着し、装置内に詰まる等の不都合があった。この現象は、串刺食品の径が小さくなり、串刺食品の重量が小さくなった場合に顕著になった。
【0006】
そこに、このような串刺食品の重量が小さい場合は、人手で串刺食品同士を離したり、成型ロールに付着した串刺食品を成型ロールから離したりする操作が必要になり、これが串刺食品製造装置における串刺食品の生産効率を大きく劣化させる原因になっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−74986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、人手の介入を可及的に少なくし、串刺食品の生産効率を大幅に向上させた串刺食品製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、対向する第1の成型ロール及び第2の成型ロールにより成型された食品を串押出装置から押し出された串により串刺して該串刺食品を排出する串刺食品製造装置において、前記串刺食品の串を周面に当接させることで前記串刺食品が前記成型ロールから剥離するように前記串刺食品の串を案内する串案内部材、を具備
し、前記串案内部材は、前記串刺食品の前記第1の成型ロールの排出側に設けられ、前記串刺食品を前記第1の成型ロールから剥離するために前記串刺食品の串が当接する第1の周面を有するとともに、前記第1の周面から延材して前記第2の成型ロール側に湾曲した湾曲部を有し、該湾曲部に前記串刺食品を前記第2の成型ロールから剥離するために前記串刺食品の串が当接する第2の周面を有することを特徴とする
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記串案内部材は、前記成型ロールから排出される前記串刺食品の仕上げ成形を行う仕上ロールのガイド部材に取り付けられることを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、
請求項1又は2に記載の発明において、前記串案内部材は、前記成型ロールの軸方向外側に設けられる第1の串案内部材と、前記成型ロールの軸方向内側に設けられる第2の串案内部材と、を具備することを特徴とする
【発明の効果】
【0014】
本発明は、対向する第1の成型ロール及び第2の成型ロールにより成型された食品を串押出装置から押し出された串により串刺して該串刺食品を排出する串刺食品製造装置において、前記串刺食品の串を周面に当接させることで前記串刺食品が前記成型ロールから剥離するように前記串刺食品の串を案内する串案内部材、を具備
し、前記串案内部材は、前記串刺食品の前記第1の成型ロールの排出側に設けられ、前記串刺食品を前記第1の成型ロールから剥離するために前記串刺食品の串が当接する第1の周面を有するとともに、前記第1の周面から延材して前記第2の成型ロール側に湾曲した湾曲部を有し、該湾曲部に前記串刺食品を前記第2の成型ロールから剥離するために前記串刺食品の串が当接する第2の周面を有するように構成したので、人手の介入を可及的に少なくし、串刺食品の生産効率を大幅に向上させた串刺食品製造装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明に係る串刺食品製造装置を適用して構成した団子製造機の概略を示す側面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した団子製造機の概略を示す正面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示した団子製造機の串投入機構の概略を示す説明図である。
【
図4】
図4は、
図1に示した団子製造機の串押出装置の動作を説明する説明図である。
【
図5】
図5は、
図1に示した団子製造機の串案内部材の動作を説明する説明図である。
【
図6】
図6は、
図1に示した団子製造機の串案内部材の他の動作を説明する説明図である。
【
図7】
図7は、
図1に示した団子製造機の串案内部材の側面図及び正面図である。
【
図8】
図8は、
図1に示した団子製造機の串案内部材の他の例を示す側面図及び正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための実施例について、願書に添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る串刺食品製造装置を適用して構成した団子製造機の概略を示す側面図であり、
図2は、
図1に示した団子製造機の概略を示す正面図である。また、
図3は、
図1に示した団子製造機の串投入機構の概略を示す説明図であり、
図4は、
図1に示した団子製造機の串押出装置の動作を説明する説明図である。
【0018】
図1乃至
図4において、この実施例の団子製造機100は、団子を製造するための団子生地は、
図1及び
図2に示す団子製造機100の生地ホッパー10に投入され、生地供給ロール20に導かれる。
【0019】
生地供給ロール20は、一対の生地供給ロール20a、生地供給ロール20bからなり、供給された団子生地を板状に成形して、団子成型ロール30に供給する。
【0020】
団子成型ロール30は、それぞれ表面に団子型31a、31bが形成された、一対の成型ロール30a、30bからなり、生地供給ロール20から供給された板状の団子生地を挟み込んで整列された複数の団子を成型する。
【0021】
なお、団子成型ロール30には、団子型31a、31bに対応して串刺し穴32を形成するための凹部32a、32bが形成されている。
【0022】
一方、団子成型ロール30で成型された複数の団子を串刺しするための複数の串Sは、串投入口40に投入される。
【0023】
串投入口40に投入された複数の串Sは、
図3に示すように、串整列ロール50の外周面の複数の串溝50aに一本ずつ整列して収容され、団子成型ロール30の串刺し位置、すなわち、
図4に示す成型ロール30a、30bの凹部32a、32bにより形成された串刺し穴32の位置に対応して設けられた串レール42の溝42a内に落下する。ここで、串レール42は、串押出装置43の一部を構成している。
【0024】
串押出装置43の串レール42の溝42a内には、この溝に沿って往復動する図示しないプッシャーが設けられており、このプッシャーにより串Sが、
図2に示すように、成型ロール30側に押し出され、成型ロール30a、30bの凹部32a、32bにより形成串刺し穴32を通って団子成型ロール30で成型整列された複数の団子の串刺しが行われる。
【0025】
なお、上記団子製造機100の成型ロール30a、30bは、所定周期で間欠駆動するように構成されており、串押出装置43による串刺し穴32を用いた串刺し動作は、上記成型ロール30a、30bの間欠動作に同期して行われる。
【0026】
団子成型ロール30で成型整列され串押出装置43により串Sにより串刺しされた串刺団子は、仕上ロール50のガイド51内に落下する。
【0027】
仕上ロール50は、上記串刺団子の仕上げ成形を行うもので、表面に串刺団子の仕上げ成形を行うための図示しない成形型が形成されている。
【0028】
この仕上ロール50で仕上げ成形された串刺団子は、ガイド51を通ってベルトコンベア60上に排出される。
【0029】
ところで、上記構成において、生地ホッパー10に投入される団子生地の粘性が強かったり、柔らかすぎたりすると、団子成型ロール30で成型され、串押出装置43串刺しされた串刺団子が成型ロール30a又は成型ロール30bに付着して、仕上ロール50側に落下しない場合があり、この場合、この串刺団子は、成型ロール30a又は成型ロール30bに沿って回り込んだり、串刺団子同士が付着したして、この串刺団子が装置内に詰まって操作停止となるという不都合があった。
【0030】
このために、従来は、成型ロール30a又は成型ロール30bに付着した串刺団子を人手で離したしていたが、この動作は非常に危険であり、また、串刺団子の生産性が大幅に低下する原因になっていた。
【0031】
そこで、本発明に係る団子製造機100においては、上記不都合を解消するために、仕上ロール50のガイド51に取り付けられ、団子成型ロール30側に突出する串案内部材70a及び串案内部材70bを団子成型ロール30の軸方向外側と団子成型ロール30の軸方向内側とに設けている。
【0032】
次に、上記串案内部材70aの動作を
図5乃至
図7を参照して説明する。
【0033】
図5及び
図6は、
図1に示した団子製造機の串案内部材70aの動作を説明する説明図であり、
図7は、串案内部材70aの側面図(
図7(A))及び正面図(
図7(B))である。
【0034】
串案内部材70aは、
図7に示すように、仕上ロール50のガイド51に取り付けるための取付孔71a、71bが設けられた取付部71と、串刺団子の串Sが当接して串刺団子の串Sを案内するように機能する案内部72とを有して構成される。
【0035】
ここで、案内部72は、成型ロール(第1の成型ロール)30bから串刺団子を剥離するように串刺団子の串Sを案内する第1の周面73を有し、また、案内部72は、第1の周面73から延材して成型ロール(第2の成型ロール)30a側に湾曲した湾曲部に設けられ、串刺団子を成型ロール30aから剥離するように串刺団子の串Sを案内する第2の周面74を有している。
【0036】
この串案内部材70aは、取付部71と案内部72との境界部分に段差部75が形成されており、この段差部75を用いて串案内部材70aの取付部71が、取付孔71a、71bに挿入される螺子等により仕上ロール50のガイド51に取り付けられ、この状態で、串案内部材70aの案内部72の裏面は、成型ロール30bの外周段差部に摺接するように構成されている。
【0037】
上記構成において、串Sにより串刺しされた串刺団子Dが成型ロール30bの団子型31bに付着した状態になると、
図5に示すように、串刺団子Dの串Sの先端は串案内部材70aの第1の周面73に当接し、これにより串刺団子Dは成型ロール30bの団子型31bから剥離されて下方に落下する。
【0038】
また、串刺団子Dが成型ロール30aの団子型31aに付着した状態になると、
図6に示すように、串刺団子Dの串Sの先端は串案内部材70aの第2の周面74に当接し、これにより串刺団子Dは成型ロール30aの団子型31aから剥離されて下方に落下する。
【0039】
なお、上記説明においては、団子成型ロール30の軸方向外側に取り付けられる串案内部材70aについて述べたが、団子成型ロール30の軸方向内側に取り付けられる串案内部材70bも串案内部材70aと同様の構成からなり、同様の機能を果たす。
【0040】
なお、団子成型ロール30の軸方向外側に取り付けられる串案内部材70aは、串刺団子の串Sの先端を案内するが、団子成型ロール30の軸方向内側に取り付けられる串案内部材70bは、串刺団子の串Sの他端を案内する。
【0041】
図7に示した串案内部材70aにおいては、案内部72が成型ロール(第1の成型ロール)30bから串刺団子を剥離するように串刺団子の串Sを案内する第1の周面73と、串刺団子Dを成型ロール(第2の成型ロール)30aから剥離するように串刺団子の串Sを案内する第2の周面74とを有して構成したが、以下の
図8に示すように上記第2の周面74部分を省略するように構成してもよい。
【0042】
図8は、
図1に示した団子製造機の串案内部材の他の例を示す側面図(
図8(A))及び正面図(
図8(B))である。
【0043】
図8に示す串案内部材700aは、仕上ロール50のガイド51に取り付けるための取付孔701a、701bが設けられた取付部701と、串刺団子の串Sが当接して串刺団子の串Sを案内するように機能する案内部702とを有して構成される。
【0044】
ここで、案内部702は、成型ロール(第1の成型ロール)30bから串刺団子を剥離するように串刺団子の串Sを案内する第1の周面703を有している。
【0045】
この串案内部材700aは、取付部701と案内部702との境界部分に段差部705が形成されており、この段差部705を用いて串案内部材700aの取付部701が、取付孔701a、701bに挿入される螺子等により仕上ロール50のガイド51に取り付けられ、この状態で、串案内部材700aの案内部702の裏面は、成型ロール30bの外周段差部に摺接するように構成されている。
【0046】
なお、上記説明においては、団子成型ロール30の軸方向外側に取り付けられる串案内部材700aについて述べたが、団子成型ロール30の軸方向内側に取り付けられる串案内部材700bも串案内部材700aと同様の構成からなり、同様の機能を果たす。
【0047】
なお、団子成型ロール30の軸方向外側に取り付けられる串案内部材700aは、串刺団子の串Sの先端を案内するが、団子成型ロール30の軸方向内側に取り付けられる串案内部材700bは、串刺団子の串Sの他端を案内する。
【0048】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内であれば、当業者の通常の創作能力によって多くの変形が可能である。
【0049】
例えば、上記実施例では、串刺食品として串刺団子を用いた場合を示したが、例えば、獣肉、鳥肉、魚肉等のすり身からなる練食品を成型ロールで団子状に成型して串刺しした串刺食品にも同様に適用できる。
【符号の説明】
【0050】
10…生地ホッパー
20、20a、20b…生地供給ロール
30…団子成型ロール
30a…成型ロール(第2の成型ロール)
30b…成型ロール(第1の成型ロール)
40…串投入口
41…串整列ロール
43…串押出装置
50…仕上ロール
51…ガイド
60…ベルトコンベア
70a、70b、700a…串案内部材
71、701…取付部
72、702…案内部
73、703…第1の周面
74…第2の周面
75、705…段差部
100…団子製造機