特許第6871639号(P6871639)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6871639問診情報入力装置、方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871639
(24)【登録日】2021年4月20日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】問診情報入力装置、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/20 20180101AFI20210426BHJP
【FI】
   G16H10/20
【請求項の数】14
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-97566(P2019-97566)
(22)【出願日】2019年5月24日
(65)【公開番号】特開2020-194202(P2020-194202A)
(43)【公開日】2020年12月3日
【審査請求日】2019年12月16日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.2018年11月7日 訪問先にて発表 2.2018年11月7日−8日 第14回九州ホスピタルショウにて発表 3.2018年11月7日 チラシ「iPad問診システム」にて発表
(73)【特許権者】
【識別番号】512272074
【氏名又は名称】株式会社WorkVision
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】末永 幸司
(72)【発明者】
【氏名】片鎌 秀起
(72)【発明者】
【氏名】小池 裕治
(72)【発明者】
【氏名】宮内 弘旭
(72)【発明者】
【氏名】猪股 亮介
【審査官】 石川 正二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−091298(JP,A)
【文献】 再公表特許第2011/016447(JP,A1)
【文献】 特開2010−094243(JP,A)
【文献】 特開2015−001876(JP,A)
【文献】 特開2017−111755(JP,A)
【文献】 特開2019−079503(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H10/00−80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機関に設けられた問診情報入力装置に適用されるプログラムであって、
前記医療機関を訪れた患者に対して、問診情報の入力を促すための質問を提供する質問情報提供機能、
前記質問に対して、前記患者によって入力された問診情報を受け付ける問診情報受付機能、
前記受け付けられた問診情報を、内容確認のために提供する確認情報提示機能、
前記内容確認のために提供された問診情報の内容が正しいとの確認がなされた場合、前記問診情報を確定する問診情報確定機能
前記確定された前記問診情報を、前記患者の患者番号に紐付けて確定済問診情報記憶装置に記憶させる機能、
前記確定済問診情報記憶装置に記憶されている問診情報を、任意のタイミングで、前記医療機関の管理サーバへ送信する機能を、プロセッサに実現させるためのプログラム。
【請求項2】
前記質問情報提供機能は、一度に1つの質問を提供し、複数の質問を提供する場合には、最初の質問を提供し、前記最初の質問に対する問診情報が入力された後に、次の質問を提供することを繰り返すことによって、前記複数の質問を提供する機能を有する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記質問情報提供機能は、文字情報、音声情報、および画像情報のうちの少なくとも何れかによって、前記質問を提供する機能を有する、請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記質問情報提供機能は、前記質問を文字情報または音声情報で提供する場合、前記患者によって指定された言語で、前記質問を提供する機能を有する、請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記質問情報提供機能は、前記質問を画像情報で提供する場合、前記質問を、前記質問の内容を類推できる絵情報で提供する機能を有する、請求項3に記載のプログラム。
【請求項6】
前記問診情報受付機能は、前記問診情報の入力を、文字情報、音声情報、および画像情報のうちの少なくとも何れかによって受け付ける機能を有する、請求項1乃至5のうち何れか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記画像情報は、人間の身体の部分を示す画像を含む、請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記問診情報は、患者のバイタルデータを含み、
前記問診情報受付機能は、前記患者のバイタルデータを測定した測定器から出力されたバイタルデータを受け付ける機能を有する、請求項1乃至7のうち何れか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記問診情報受付機能は、前記患者のバイタルデータを測定し前記問診情報入力装置とペアリングされた測定器から出力されたバイタルデータを、無線で受信することによって受け付ける機能を有する、請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記測定器は、体温計、血圧計、脈拍計、身長計、体脂肪計、骨密度計、血中酸素測定器、および体重計のうちの何れかである、請求項8または9に記載のプログラム。
【請求項11】
任意のコメントの入力を受け付けるためのコメント入力機能をさらに含む、請求項1乃至10のうち何れか1項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記問診情報確定機能によって確定された問診情報に基づいて、前記患者の病名を推定する病名推定機能をさらに含む、請求項1乃至11のうち何れか1項に記載のプログラム。
【請求項13】
医療機関に設けられた問診情報入力装置に適用される問診情報入力方法であって、
前記問診情報入力装置が、
前記医療機関を訪れた患者に対して、問診情報の入力を促すための質問を提供し、
前記質問に対して、前記患者によって入力された問診情報を受け付け、
前記受け付けられた問診情報を、内容確認のために提供し、
前記内容確認のために提供された問診情報の内容が正しいとの確認がなされた場合、前記問診情報を確定し、
前記確定された前記問診情報を、前記患者の患者番号に紐付けて確定済問診情報記憶装置に記憶し、
前記確定済問診情報記憶装置に記憶されている問診情報を、任意のタイミングで、前記医療機関の管理サーバへ送信する、問診情報入力方法。
【請求項14】
医療機関を訪れた患者に対して、問診情報の入力を促すための質問を提供する質問情報提供部と、
前記質問に対して、前記患者によって入力された問診情報を受け付ける問診情報受付部と、
前記受け付けられた問診情報を、内容確認のために提供する確認情報提示部と、
前記内容確認のために提供された問診情報の内容が正しいとの確認がなされた場合、前記問診情報を確定する問診情報確定部と
前記問診情報確定部によって確定された前記問診情報を、前記患者の患者番号に紐付けて記憶するための確定済問診情報記憶装置と、
前記確定済問診情報記憶装置に記憶されている問診情報を、任意のタイミングで、前記医療機関の管理サーバへ送信する通信部とを備えた、問診情報入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、病院等の医療機関における問診情報の電子的な入力および活用を実現するための問診情報入力装置、方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
問診とは、病院等の医療機関が、患者本人や家族の病歴、現在の病気の経過・状況・症状などを把握するためのヒアリング行為のことである。問診内容を帳票で表したものが問診票と呼ばれている。
【0003】
従来、病院等の医療機関に通院する患者は、初診時や、前回の診断から所定期間(例えば、1か月以上)経過後の再診時において、自分の現在の身体状態を、紙の問診票に手書きにより入力している。
【0004】
そして、医療機関の職員は、手書きにより入力された問診票から、必要な情報を読み取り、管理サーバに入力している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018−116554号公報
【特許文献2】特開2018−028799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これは職員の負担を増やすのみならず、患者や患者の介添者のような他人によって手書きされた内容は見難いために、誤った情報が管理サーバに入力される恐れもある。
【0007】
また、医療機関側としては、問診票を紙媒体として保管することになるので、保管のための場所を要するのみならず、紙媒体でありがちな紛失の恐れも排除できない。
【0008】
さらには、電子化されていないために、統計データを活用することも容易ではない。
【0009】
本発明の問診情報入力装置、方法、およびプログラムは、上述したような問題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0011】
すなわち、請求項1の発明は、医療機関に設けられた問診情報入力装置に適用されるプログラムであって、前記医療機関を訪れた患者に対して、問診情報の入力を促すための質問を提供する質問情報提供機能、前記質問に対して、前記患者によって入力された問診情報を受け付ける問診情報受付機能、前記受け付けられた問診情報を、内容確認のために提供する確認情報提示機能、前記内容確認のために提供された問診情報の内容が正しいとの確認がなされた場合、前記問診情報を確定する問診情報確定機能、前記確定された前記問診情報を、前記患者の患者番号に紐付けて確定済問診情報記憶装置に記憶させる機能、前記確定済問診情報記憶装置に記憶されている問診情報を、任意のタイミングで、前記医療機関の管理サーバへ送信する機能をプロセッサに実現させる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載のプログラムにおいて、前記質問情報提供機能は、一度に1つの質問を提供し、複数の質問を提供する場合には、最初の質問を提供し、前記最初の質問に対する問診情報が入力された後に、次の質問を提供することを繰り返すことによって、前記複数の質問を提供する機能を有する。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のプログラムにおいて、前記質問情報提供機能は、文字情報、音声情報、および画像情報のうちの少なくとも何れかによって、前記質問を提供する機能を有する。
【0014】
請求項4の発明は、請求項3に記載のプログラムにおいて、前記質問情報提供機能は、前記質問を文字情報または音声情報で提供する場合、前記患者によって指定された言語で、前記質問を提供する機能を有する。
【0015】
請求項5の発明は、請求項3に記載のプログラムにおいて、前記質問情報提供機能は、前記質問を画像情報で提供する場合、前記質問を、前記質問の内容を類推できる絵情報で提供する機能を有する。
【0016】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のうち何れか1項に記載のプログラムにおいて、前記問診情報受付機能は、前記問診情報の入力を、文字情報、音声情報、および画像情報のうちの少なくとも何れかによって受け付ける機能を有する。
【0017】
請求項7の発明は、請求項6に記載のプログラムにおいて、前記画像情報は、人間の身体の部分を示す画像を含む。
【0018】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のうち何れか1項に記載のプログラムにおいて、前記問診情報は、患者のバイタルデータを含み、前記問診情報受付機能は、前記患者のバイタルデータを測定した測定器から出力されたバイタルデータを受け付ける機能を有する。
【0019】
請求項9の発明は、請求項8に記載のプログラムにおいて、前記問診情報受付機能は、前記患者のバイタルデータを測定し前記問診情報入力装置とペアリングされた測定器から出力されたバイタルデータを、無線で受信することによって受け付ける機能を有する。
【0020】
請求項10の発明は、請求項8または9に記載のプログラムにおいて、前記測定器は、体温計、血圧計、脈拍計、身長計、体脂肪計、骨密度計、血中酸素測定器、および体重計のうちの何れかである。
【0021】
請求項11の発明は、請求項1乃至10のうち何れか1項に記載のプログラムにおいて、任意のコメントの入力を受け付けるためのコメント入力機能をさらに含む。
【0022】
請求項12の発明は、請求項1乃至11のうち何れか1項に記載のプログラムにおいて、前記問診情報確定機能によって確定された問診情報に基づいて、前記患者の病名を推定する病名推定機能をさらに含む。
【0023】
請求項13の発明は、医療機関に設けられた問診情報入力装置に適用される問診情報入力方法であって、前記問診情報入力装置が、前記医療機関を訪れた患者に対して、問診情報の入力を促すための質問を提供し、前記質問に対して、前記患者によって入力された問診情報を受け付け、前記受け付けられた問診情報を、内容確認のために提供し、前記内容確認のために提供された問診情報の内容が正しいとの確認がなされた場合、前記問診情報を確定し、前記確定された前記問診情報を、前記患者の患者番号に紐付けて確定済問診情報記憶装置に記憶し、前記確定済問診情報記憶装置に記憶されている問診情報を、任意のタイミングで、前記医療機関の管理サーバへ送信する。
【0024】
請求項14の発明は、医療機関を訪れた患者に対して、問診情報の入力を促すための質問を提供する質問情報提供部と、前記質問に対して、前記患者によって入力された問診情報を受け付ける問診情報受付部と、前記受け付けられた問診情報を、内容確認のために提供する確認情報提示部と、前記内容確認のために提供された問診情報の内容が正しいとの確認がなされた場合、前記問診情報を確定する問診情報確定部と、前記問診情報確定部によって確定された前記問診情報を、前記患者の患者番号に紐付けて記憶するための確定済問診情報記憶装置と、前記確定済問診情報記憶装置に記憶されている問診情報を、任意のタイミングで、前記医療機関の管理サーバへ送信する通信部とを備えた問診情報入力装置である。
【発明の効果】
【0025】
本発明の問診情報入力装置、方法、およびプログラムによれば、問診情報が電子的に入力されるので、職員が管理サーバに入力する手間を省くことができるのみならず、誤った情報が管理サーバに入力されることも回避することができる。また、問診情報を電子媒体として保管できるので、紙媒体として保管するのに必要であった保管場所も不要となる。これによって、紙の保管や印刷に係るコストを削減できるのみならず、紙媒体でありがちであった紛失インシデントによる個人情報の漏洩の心配も不要となる。さらには、情報を電子的に管理できることから、問診情報に基づいて、種々の統計分析を容易に行うことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明の実施形態に係る問診情報入力装置の電子回路構成例を示すブロック図である。
図2図2は、問診システムと問診情報入力装置との接続関係を示す全体図である。
図3図3は、問診情報入力端末の起動時に表示される初期画面の一例を示す模式図である。
図4図4は、初期画面後に表示される患者情報選択画面の一例を示す模式図である。
図5図5は、患者番号検索後に表示される患者情報表示画面の一例を示す模式図である。
図6図6は、質問情報提供プログラムによって提供される次の質問情報入力画面の一例を示す模式図である。
図7図7は、質問情報提供プログラムによって提供される質問情報入力画面の一例を示す模式図である。
図8図8は、質問情報提供プログラムによって提供されるさらに次の質問情報入力画面の一例を示す模式図である。
図9図9は、質問情報提供プログラムによって提供されるバイタルデータの入力のための質問情報入力画面の一例(測定前)を示す模式図である。
図10図10は、質問情報提供プログラムによって提供されるバイタルデータの入力のための質問情報入力画面の一例(測定中)を示す模式図である。
図11図11は、質問情報提供プログラムによって提供されるバイタルデータの入力のための質問情報入力画面の一例(測定終了)を示す模式図である。
図12図12は、質問情報提供プログラムによって提供される既往症に関する入力のための質問情報入力画面の一例を示す模式図である。
図13図13は、確認情報提示プログラムによって提示される問診情報の内容確認用表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0028】
なお、以下の実施形態の説明において、一度説明した部分については、同一符号を用いて示し、重複説明を避ける。
【0029】
図1は、本発明の実施形態に係る問診情報入力装置の電子回路構成例を示すブロック図である。
【0030】
問診情報入力装置10は例えばタブレット端末によって実現され、問診情報入力装置10の電子回路は、バス11によって互いに接続されたCPU12、記録媒体読取部14、ディスプレイ15、入力部16、スピーカ17、通信部18、マイク19、メモリ20、および記憶装置30を備えている。
【0031】
入力部16は、例えばソフトキーボード、タッチペン、タッチスクリーン等のように、ユーザからの操作入力を受け付ける部位である。
【0032】
メモリ20は、質問情報提供プログラム21と、問診情報受付プログラム22と、確認情報提示プログラム23と、問診情報確定プログラム24と、コメント入力プログラム25と、病名推定プログラム26と、送信プログラム27とを記憶している。これらプログラム21〜27は、メモリ20に予め記憶されていてもよいし、あるいはメモリカード等の外部記録媒体13から記録媒体読取部14を介してメモリ20に読み込まれて記憶されたものであってもよい。
【0033】
これらプログラム21〜27は、ユーザによる入力部16からの入力によって書き換えできないようになっている。
【0034】
メモリ20には、このようなユーザ書き換え不可能な情報の他に、ユーザが書き換え可能なデータを記憶するエリアとして、入力部16によりなされた操作入力に対応する情報が順次入力されるエリアである書込可能データエリア29が確保されている。
【0035】
CPU12は、コンピュータであって、メモリ20に記憶されている各プログラム21〜27に従い回路各部の動作を制御し、ユーザによって入力部16からなされた操作入力に従う処理を実行する。
【0036】
記憶装置30は、確定済問診情報記憶装置32を備えている。確定済問診情報記憶装置32は、例えばSSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)等からなる。
【0037】
質問情報提供プログラム21は、患者または患者の介添者に問診情報の入力を促すための質問を提供する。質問情報提供プログラム21によって提供された質問は、ディスプレイ15から表示される。患者は、問診情報入力装置10を使用するために、予め医療機関によって登録され、患者のID番号である患者番号が付されている。
【0038】
質問情報提供プログラム21は、一度に1つの質問を提供する。複数の質問がある場合には、質問情報提供プログラム21は、まず最初の質問を提供し、最初の質問に対する問診情報が入力された後に、次の質問を提供することを繰り返すことによって、複数の質問を提供する。こうすることによって、患者や患者の介添者がストレスを感じることなく、質問に対して確実に回答できるように配慮している。
【0039】
質問情報提供プログラム21は、質問を、文字情報としてのみならず、音声情報や、画像情報として提供することもできる。文字情報や画像情報を提供する場合、ディスプレイ15から表示する。また、音声情報として提供する場合、スピーカ17から出力する。
【0040】
質問情報提供プログラム21はさらに、質問を文字情報または音声情報で提供する場合、患者や患者の介添者によって指定された言語で、質問を提供することもできる。これは、ディスプレイ15から質問を表示する際に、言語指定欄も表示しておき、患者や患者の介添者によるタッチ操作等により言語指定欄が指定されると、指定された言語に切り換わって質問が表示されることによって実現される。また、これ以降、音声情報が出力される場合には、指定された言語の音声情報が、スピーカ17から出力される。
【0041】
質問情報提供プログラム21はさらにまた、質問を画像情報で提供する場合、質問の内容を類推できる静止画や動画といった絵情報等を適宜表示することもできる。これによって、視力の衰えた高齢者や、漢字の読めない子供であっても難なく質問を理解することが可能となる。また、患者や患者の介添者が、患者の患部を正確に示すことができるように、身体の部位を示す身体マップを表示することもできる。
【0042】
このように、質問情報提供プログラム21は、一度に1つの質問しか提供しないなど、質問の提供の仕方を工夫することによって、電子機器の操作に不慣れな患者や患者の介添者であっても、何ら抵抗感を感じることに無く、問診入力操作を完了できるように、ユーザ側の視点から配慮した設計がなされている。
【0043】
問診情報受付プログラム22は、質問情報提供プログラム21によって提供された質問に対して、患者や患者の介添者によって入力された問診情報を受け付け、問診情報確定プログラム24によって確定されるまで保持する。
【0044】
入力は、入力部16からのタッチ操作によって、マイク19からの音声入力によって、あるいは、通信ネットワーク50を介してなされる外部の測定器からの送信によってなされる。
【0045】
外部の測定器は、例えば体温計、血圧計、脈拍計、身長計、体脂肪計、骨密度計、血中酸素測定器、および体重計のように、患者のバイタルデータを測定するための測定器である。これら測定器は、問診情報入力装置10と予めペアリングされており、各々測定したバイタルデータを、例えばBluetooth(登録商標)のような通信ネットワーク50を介して送信する。
【0046】
送信されたバイタルデータは、通信部18によって受信され、質問情報提供プログラム21によって提供された質問に対する問診情報として、問診情報受付プログラム22によって保持される。
【0047】
問診情報受付プログラム22は、操作感も機能の一部として捉え、患者や患者の介添者によって入力部16から入力される毎に、適宜、スピーカ17からタップ音等を出力することによって、良好な使用感を患者や患者の介添者に提供することができる。
【0048】
質問情報提供プログラム21によって提供されたすべての質問に対する問診情報が、問診情報受付プログラム22に入力され、保持されると、確認情報提示プログラム23は、問診情報受付プログラム22に保持されている問診情報を、内容確認のために、患者や患者の介添者に提示する。この提示は、ディスプレイ15から表示することによってなされるが、必要に応じてスピーカ17から音声情報として出力してもよい。
【0049】
確認情報提示プログラム23によって提示された問診情報に対して、患者や患者の介添者による確認がなされると、問診情報確定プログラム24は、問診情報受付プログラム22に保持されている問診情報を、該患者の問診情報として確定し、患者の患者番号に紐付けて確定済問診情報記憶装置32に記憶する。なお、患者や患者の介添者による確認行為は、例えば、ディスプレイ15から表示されるOKボタンに対するタッチ操作や、マイク19への音声入力を含むが、これらに限定されない。
【0050】
コメント入力プログラム25は、患者の問診情報に対して、患者や患者の介添者や職員等がコメント等の任意の追加情報を、任意のタイミングで入力することを可能とするプログラムである。
【0051】
病名推定プログラム26は、問診情報確定プログラム24によって確定された問診情報に基づいて、患者の病名を推定するプログラムである。この推定にはAI技術を使うことができる。
【0052】
確定済問診情報記憶装置32に記憶されている問診情報は、送信プログラム27を使って、任意のタイミングで、通信部18から通信ネットワーク50を介して、医療機関の管理サーバである問診システム100へ送信することができる。
【0053】
図2は、問診システム100と、問診情報入力装置10との接続関係を示す全体図である。
【0054】
前述したように、問診情報入力装置10は、通信ネットワーク50を介して問診システム100に接続されている。通信ネットワーク50は、医療機関内の専用ネットワークであるので、問診情報はネットワーク外部に漏洩しない。
【0055】
問診システム100は、問診システム100を制御するサーバ101と、問診情報入力装置10から出力された問診情報をデータベース化して記憶するためのストレージ102と、多数の問診情報入力装置10と通信することが可能であり、これら問診情報入力装置10から出力された問診情報をストレージ102に書き込むデータ登録プログラム103とを備えている。
【0056】
ストレージ102には、患者の個人情報である患者情報マスタデータベース102aや、問診情報入力装置10から送信された確定済問診情報が蓄積された確定済み問診情報データベース102bが記憶されている。
【0057】
問診情報入力装置10は、通信部18から、通信ネットワーク50を介して、これらストレージ102内の患者情報マスタデータベースデータベース102aおよび確定済み問診情報データベース102bにアクセスすることができる。
【0058】
データ登録プログラム103はまた、必要に応じて、メンテナンス業務aのためにメンテナンスシステム200のビュワープログラムbからアクセスされるように構成することができる。
【0059】
また、他システム210とのデータ連携のためのデータ連携プログラム104を問診システム100に構築し、他システム210が、自身のデータ連携プログラム214から、データ連携プログラム104を介して、データ登録プログラム103にアクセスできるように構成することもできる。
【0060】
次に、以上のように構成した本発明の実施形態に係る問診情報入力装置の動作例を説明する。
【0061】
例えばタブレット端末によって実現される問診情報入力装置10を起動すると、先ず、ディスプレイ15から、図3に示すような初期画面A1が表示される。
【0062】
図3は、問診情報入力端末の起動時に表示される初期画面の一例を示す模式図である。
【0063】
問診情報入力装置10の起動は、患者や患者の介添者ではなく、病院等の医療機関の職員によって行われる。問診情報入力装置10が、職員によって起動され、初期画面A1が表示されると、職員は患者や患者の介添者に対して何科の診療を受けたいのかを尋ねる。例えば、患者が「内科」の診療を希望しているのであれば、職員は、例えばタッチ操作によって「内科」の欄を指定する。これによって、問診情報入力装置10は、患者が「内科」の診療を希望していることを認識し、質問情報提供プログラム21は、「内科」に関連する質問を提供するようになる。
【0064】
初期画面A1への入力が終了すると、次に、ディスプレイ15から、図4に示すような患者情報選択画面A2が表示され、問診情報入力装置10が職員から患者や患者の介添者へ手渡される。
【0065】
図4は、初期画面後に表示される患者情報選択画面の一例を示す模式図である。
【0066】
患者情報選択画面A2では、患者番号A21、カナ氏名A23、漢字氏名A24、生年月日A25、性別A27(男A28、女A29、未指定A30)等が表示される。
【0067】
患者番号A21は、患者に付与されている固有のID番号であり、過去にこの医療機関に通院したことがある患者であれば、既に付与されている。患者は、自分の患者番号を知っているのであれば、自分の患者番号を入力し、検索ボタンA22をタッチする。なお、患者の代わりに、職員が患者の患者番号を入力し、検索ボタンA22をタッチしてもよい。
【0068】
これによって、問診システム100の患者情報マスタデータベース102aが検索され、一致する患者番号があれば、患者情報マスタデータベース102aから、患者番号A21に対応するカナ氏名、漢字氏名、生年月日、性別が検索され、図5に示す患者情報表示画面A3のように表示される。
【0069】
図5は、患者番号検索後に表示される患者情報表示画面の一例を示す模式図である。
【0070】
なお、患者情報選択画面A2から患者番号A21を入力する場合、誤った患者番号が入力されると、他の患者の患者情報が表示された患者情報表示画面A3が表示されることになる。したがって、患者や患者の介添者が患者情報選択画面A2から患者番号A21を入力した場合には、いったん、問診情報入力装置10を職員が取り扱い、患者情報表示画面A3に表示された内容(例えば、生年月日)を、患者や患者の介添者に問い合わせ、真正な患者であることを確認してから、この患者や患者の介添者に問診情報入力装置10を再び手渡すようにする。
【0071】
一方、患者が、自分の患者番号を忘れてしまった場合は、患者情報選択画面A2から患者番号A21を入力せずに、カナ氏名A23、漢字氏名A24、生年月日A25、性別A27を入力し、検索ボタンA31をタッチする。入力をやり直す場合には、クリアボタンA26をタッチすることによって、入力した情報を、クリアすることができる。
【0072】
検索ボタンA31をタッチすると、問診システム100の患者情報マスタデータベース102aから、カナ氏名A23、漢字氏名A24、生年月日A25、性別A27にマッチする患者情報が検索され、患者情報表示画面A3がディスプレイ15から表示される。
【0073】
一方、患者が、この医療機関における患者番号を付与されていない場合も、患者や患者の介添者は、職員の指示にしたがって、患者情報選択画面A2から、患者のカナ氏名A23、漢字氏名A24、生年月日A25、性別A27を入力し、検索ボタンA31をタッチする。
【0074】
これに応じて、問診システム100は、入力されたカナ氏名A23、漢字氏名A24、生年月日A25、性別A27にマッチする患者情報が、患者情報マスタデータベース102aに記憶されていないと判定すると、この患者に新たな患者番号を付与し、患者情報マスタデータベース102aに登録する。これによって、ディスプレイ15から、図5に示すように、付与された患者番号が表示された患者情報表示画面A3が表示される。
【0075】
また、患者情報表示画面A3では、言語指定ボタンA38も提供されており、患者や患者の介添者は、日本語A38a、英語A38b、中国語A38cのうち、所望する言語指定ボタンA38をタッチすることによって、以降表示される画面も含めて、指定した言語で、文字情報がディスプレイ15から表示され、音声情報がスピーカ17から出力されるなど、外国人に対する配慮もなされている。
【0076】
患者や患者の介添者は、患者情報表示画面A3に表示された内容、すなわち、患者のカナ氏名、漢字氏名、生年月日、年齢、性別が、正しい情報であることを確認すると、確定ボタンA36をタッチする。これによって、質問情報提供プログラム21によって、後述する図6図12に例示されるような質問情報入力画面A4〜A8が、ディスプレイ15から表示されるようになる。
【0077】
なお、前述したように、本実施形態では、初期画面A1において「内科」が選択されているので、質問情報提供プログラム21によって提供される後述する質問情報入力画面A4〜A8は、内科に関連した質問となっているが、初期画面A1において他の科(例えば、「外科」)が選択された場合には、質問情報提供プログラム21によって、外科に関連する質問情報入力画面が表示されることになる。
【0078】
患者情報表示画面A3に表示された内容が、正しい情報ではない場合、患者や患者の介添者や職員は、前へボタンA37をタッチすることによって、患者情報選択画面A2に戻り、患者情報選択画面A2に対する入力をやり直すことができる。
【0079】
一例として、質問情報提供プログラム21によってディスプレイ15から表示される質問は、一度に1つずつである。複数の質問を提供する場合には、先ず最初の質問が提供され、最初の質問に対する問診情報が入力された後に、次の質問が提供されるという具合に、最終的にすべての質問が提供される。
【0080】
また、別の例として、質問情報提供プログラム21によってディスプレイ15から表示される質問は、一度に1つずつではなく、すべての質問が一度に表示されてもよい。その場合、患者や患者の介添者や職員は、画面をスクロールすることによって、すべての質問を順次見ることができる。
【0081】
質問情報提供プログラム21によれば、質問は、文字情報としてのみならず、音声情報や、画像情報としても提供される。文字情報や画像情報は、ディスプレイ15から表示される。また、音声情報は、スピーカ17から出力される。これによって、電子機器の操作に不慣れな患者や患者の介添者や、視力の衰えた高齢者や、漢字の読めない子供であっても、ストレスを感じることなく、質問に対して確実に回答することができる。
【0082】
患者情報表示画面A3において、確定ボタンA36がタッチされると、次の質問のために、図6に例示するような質問情報入力画面A4がディスプレイ15から表示される。
【0083】
図6は、質問情報提供プログラムによって提供される次の質問情報入力画面の一例を示す模式図である。
【0084】
質問情報入力画面A4では、次の質問として「どのような症状ですか?」という文字情報A41が表示され、その下に、例えば、「胸が痛い」A42aのように、症状を表す文字情報が記された複数の選択ボタンA42a〜A42fが表示されている。
【0085】
質問情報入力画面A4に表示される選択ボタンA42の内容は、初期画面A1で選択された診療科に応じて変わる。図6では、初期画面A1で「内科」が選択されたことに応じて、内科に関連する症状が記された選択ボタンA42a〜A42fが表示されている。選択ボタンA42の数は、図6に例示される数よりも多い場合も、少ない場合もあり得る。選択ボタンA42の数が多く、1度に表示しきれない場合は、スクロール表示によりすべての選択ボタンA42が表示されるようにしてもよい。
【0086】
患者や患者の介添者は、選択ボタンA42a〜A42fのうちの何れか(例えば、「胸が痛い」選択ボタンA42a)をタッチ等により選択する。選択は複数でもよい。選択が終了すると、次へボタンA44をタッチすることによって、次の質問情報入力画面A5に進む。一方、前へボタンA43をタッチすると、患者情報表示画面A3に戻ることができる。
【0087】
図7は、質問情報提供プログラムによって提供される質問情報入力画面の一例を示す模式図である。
【0088】
図7に例示されるように、質問情報入力画面A5では、最初の1つの質問として、「いつ頃から症状がありますか?」という文字情報A50が表示されている。また、回答入力欄A54の後ろには「日前」という文字情報A51も表示されている。
【0089】
質問情報入力画面A5には、「日前」という文字情報A51の前に、回答入力欄A54が表示されているので、患者や患者の介添者は、回答入力欄A54に、「何日前から症状があったのか」を入力すべきであると容易に理解することができる。図7に示す例は、回答入力欄A54に「3」が入力された状態を示している。このように、患者や患者の介添者は、「3日前」から症状があったという情報を、入力することができる。この入力でよければ、患者や患者の介添者は、確定ボタンA55をタッチする。これによって、入力された内容は、その後、問診情報確定プログラム24によって確定されるまで、問診情報受付プログラム22によって保持される。一方、入力を修正したい場合には、取消キーA56を所定回数タッチすることによって、入力した情報(数字)を、タッチされた回数に応じた数消去することができる。これによって、回答入力欄A54への再入力が可能となる。また、前へボタンA57をタッチすると、質問情報入力画面A4に戻る。
【0090】
図8は、質問情報提供プログラムによって提供されるさらに次の質問情報入力画面の一例を示す模式図である。
【0091】
図8に例示される質問情報入力画面A6に表示される内容は、質問情報入力画面A4において選択された選択ボタンA42a〜A42fに応じて変わる。図8では、質問情報入力画面A4において、「胸が痛い」選択ボタンA42aが選択されたことに応じて、「どこに症状がありますか?」という文字情報A61とともに、身体マップとして、胸の画像A62が表示されている。
【0092】
患者や患者の介添者は、例えば、ある範囲にわたって症状がある場合には、丸印欄A62aをタッチした後、胸の画像A62上において症状のある範囲をタッチすることによって、症状がある範囲を丸印で指定することができる。症状のある範囲が複数あれば、次いで、その範囲をタッチすることによって、症状がある範囲を複数、丸印で指定することができる。また、例えば、身体における特定の箇所に症状がある場合には、患者や患者の介添者は、×印欄A62bをタッチした後、画像A62上において症状のある箇所をタッチすることによって、症状がある箇所を×印で指定することができる。症状がある箇所が複数あれば、次いで、その箇所をタッチすることによって、症状がある箇所を複数、×印で指定することができる。これによって、患者や患者の介添者は、任意の数の患部の場所およびその症状を、文字で表現するよりもより正確に指定することができる。
【0093】
患者や患者の介添者は、クリアボタンA63をタッチすることによって、指定した箇所をクリアすることができ、確定ボタンA64をタッチすることによって、次の質問情報入力画面A7に進むことができる。一方、前へボタンA65をタッチすることによって、前の質問情報入力画面A5に戻ることができる。
【0094】
図9は、質問情報提供プログラムによって提供されるバイタルデータの入力のための質問情報入力画面(測定前)の一例を示す模式図である。
【0095】
質問情報入力画面A7は、バイタルデータを入力するための画面である。バイタルデータは、例えば、体温、血圧、脈拍数、身長、体脂肪率、骨密度、血中酸素、および体重等を含む。図9は、バイタルデータを入力する画面の例として、体温を入力するための画面表示例を示しているが、さらに別のバイタルデータ(例えば、血圧)の入力が必要である場合には、図9に示す質問情報入力画面A7の入力後に、次の入力のための質問情報入力画面A7が続けて表示される。
【0096】
図9に示すように、体温を入力するための質問情報入力画面A7では、「体温を測定して下さい」という文字情報A71が表示される。また、測定ステータスを示す「測定前」という文字情報A72aも表示される。
【0097】
患者は、これに応じて、職員から体温計を受け取り、自分の体温の測定を開始する。この体温計は、問診情報入力装置10と予めペアリングされており、例えばBluetooth(登録商標)が適用された通信ネットワーク50を介して、測定のステータスや、測定値が、通信部18へ送信される。
【0098】
従って、測定が開始されると、図10に示されるように、測定ステータスを示す文字情報A72aは、「測定前」から「測定中」に変わる。
【0099】
図10は、質問情報提供プログラムによって提供されるバイタルデータの入力のための質問情報入力画面(測定中)の一例を示す模式図である。
【0100】
さらに、測定が完了すると、図11に示されるように、測定ステータスを示す文字情報A72aは、「測定中」から「測定終了」に変わり、体温計から通信部18へ送信された測定結果に応じて、例えば「37.5℃」のような測定結果が、測定結果表示欄A73から表示される。
【0101】
図11は、質問情報提供プログラムによって提供されるバイタルデータの入力のための質問情報入力画面(測定終了)の一例を示す模式図である。
【0102】
図示は省略するが、同様に、血圧、脈拍数、身長、体脂肪率、骨密度、血中酸素、および体重等を入力する場合も、問診情報受付プログラム22は、問診情報入力装置10と予めペアリングされた血圧計、脈拍計、身長計、体脂肪計、骨密度計、血中酸素測定器、および体重計からそれぞれ、測定のステータスや、測定値を、通信ネットワーク50を介して受信し、質問情報入力画面A7から表示させることができる。このように、測定器から送信されたバイタルデータもまた、患者や患者の介添者によって入力された問診情報として、問診情報受付プログラム22によって保持される。
【0103】
患者や患者の介添者は、図11に示すように、測定終了時の質問情報入力画面A7において、前へボタンA74をタッチすることによって、前の質問情報入力画面A6に戻ることができる一方、次へボタンA75をタッチすることによって、次の質問情報入力画面A8に進むことができる。
【0104】
質問情報入力画面A7において次へボタンA75がタッチされると、質問情報提供プログラム21によって、図12に例示するような質問情報入力画面A8が、ディスプレイ15から表示される。
【0105】
図12は、質問情報提供プログラムによって提供される既往症に関する入力のための質問情報入力画面の一例を示す模式図である。
【0106】
質問情報入力画面A8では、「今までに下記の病気になったことがありますか?」という文字情報A81が表示されることによって、既往症に関する質問がなされる。初期画面A1において「内科」が選択されているので、図12に例示される質問情報入力画面A8は、内科に関連する病気が、A83〜A87においてリスト表示されているが、初期画面A1において他の科(例えば、「外科」)が選択された場合には、質問情報提供プログラム21によって、外科に関連する病気がリスト表示される。
【0107】
患者や患者の介添者は、A83〜A87においてリスト表示された病気のうち、患者に該当する既往症があれば、タッチ等により選択することができる。これは、複数選択が可能である。一方、既往症がない場合には、「特になしボタン」A82をタッチする。
【0108】
患者や患者の介添者は、質問情報入力画面A8において、前へボタンA88をタッチすることによって、前の質問情報入力画面A7に戻ることができる一方、次へボタンA89をタッチすることによって、問診情報の入力が完了する。
【0109】
このようにして、問診情報受付プログラム22は、患者や患者の介添者から問診情報の入力を受け付け、保持することができる。なお、上記では、一例として、主にタッチ操作によって問診情報の入力を受け付ける例について説明したが、問診情報の入力は、タッチ操作に限定されず、スピーカ17を介して音声を介してなされることも可能である。
【0110】
質問情報入力画面A8において、次へボタンA89がタッチされ、問診情報の入力が完了すると、確認情報提示プログラム23が起動し、問診情報受付プログラム22に保持されている問診情報が、内容確認のために、患者や、患者の介添者や、職員に提示される。この提示は、図13に例示するように、ディスプレイ15からの表示によってなされるが、必要に応じてスピーカ17からの音声出力によってなされてもよい。
【0111】
図13は、確認情報提示プログラムによって提示される問診情報の内容確認用表示画面の一例である。
【0112】
内容確認用表示画面A9では、「以下の入力内容でよろしいですか?よろしければ登録ボタンを押してください」という文字情報A91が表示されることによって、患者や患者の介添者に対して、入力画面A1〜A8から入力した問診情報の内容の確認が促される。
【0113】
文字情報A92a、b、c、d・・・では、入力画面A1〜A8においてなされた質問項目が表示されており、文字情報93a、b、c・・・では、各質問項目に対して患者、患者の介添者、または職員によって入力され、問診情報受付プログラム22に保持されている問診情報が表示されている。
【0114】
患者や患者の介添者は、表示された質問項目と回答内容を確認し、この内容でよければ、登録ボタンA95をタッチする。一方、訂正したい場合には、対応する文字情報A93a、b、c・・・の右側に表示されている訂正ボタンA94a、b、c・・・をタッチすることによって、対応する文字情報A93a、b、c・・・で指定されている問診情報の内容を訂正することができる。
【0115】
登録ボタンA95がタッチされると、問診情報受付プログラム22に保持されている問診情報は、問診情報確定プログラム24によって、該患者の問診情報として確定され、確定された問診情報が、患者の患者番号に紐付けて確定済問診情報記憶装置32に記憶される。
【0116】
このようにして確定済問診情報記憶装置32に記憶された問診情報に対して、コメント入力プログラム25を起動することによって、患者、患者の介添者、または職員は、コメント等の任意の追加情報を入力することが可能となる。また、例えばAI技術が適用された病名推定プログラム26を起動することによって、確定された問診情報に基づいて、患者の病名を推定することができる。
【0117】
確定済問診情報記憶装置32に記憶されている問診情報は、送信プログラム27によって、任意のタイミングで、通信部18から通信ネットワーク50を介して、医療機関の管理サーバである問診システム100へ送信される。このように、問診システム100に送信されることによって、問診情報を、患者の電子カルテに組み込むことも可能になるので、医師による診断の利便性の向上に寄与することができる。
【0118】
上述したように、本発明の問診情報入力装置、方法、およびプログラムによれば、問診情報が電子的に入力されるので、職員が管理サーバに入力する手間を省くことができるのみならず、誤った情報が管理サーバに入力されることも回避することができる。また、問診情報を電子媒体として保管できるので、紙媒体として保管するのに必要であった保管場所も不要となる。これによって、紙の保管や印刷に係るコストを削減できるのみならず、紙媒体でありがちであった紛失インシデントによる個人情報の漏洩の心配も不要となる。さらには、情報を電子的に管理できることから、問診情報に基づいて、種々の統計分析を容易に行うことも可能となる。
【0119】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0120】
10・・問診情報入力装置、
11・・バス、
12・・CPU、
13・・外部記録媒体、
14・・記録媒体読取部、
15・・ディスプレイ、
16・・入力部、
17・・スピーカ、
18・・通信部、
19・・マイク、
20・・メモリ、
21・・質問情報提供プログラム、
22・・問診情報受付プログラム、
23・・確認情報提示プログラム、
24・・問診情報確定プログラム、
25・・コメント入力プログラム、
26・・病名推定プログラム、
27・・送信プログラム、
29・・書込可能データエリア、
30・・記憶装置、
32・・確定済問診情報記憶装置、
50・・通信ネットワーク、
100・・問診システム、
101・・サーバ、
102・・ストレージ、
102a・・患者情報マスタデータベース、
102b・・確定済み問診情報データベース、
103・・データ登録プログラム、
104・・データ連携プログラム、
200・・メンテナンスシステム、
210・・他システム、
214・・データ連携プログラム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13