(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで一般に、近くのディスプレイや物体ばかりを長時間見続けると、水晶体が大きく膨らんで緊張し、徐々に眼精疲労が蓄積されていく。
本発明は、ユーザが遠近感の変化を知覚させる画像を視ることで眼精疲労の回復を促す眼精疲労回復装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、ユーザが覗く接眼レンズと、前記接眼レンズを介して前記ユーザの左眼及び右眼にてそれぞれ視認され、遠方にある立体画像として認識させるための左眼用画像及び右眼用画像を表示する表示部と、前記表示部を移動させ、前記ユーザに前記立体画像の遠近感の変化を知覚させる駆動部と、
設置面に載り、ユーザからの操作用の信号を入力するためのボタンが設けられたベース部と、間隔を空けて前記ベース部から上方へ延び、前記ユーザが両手でそれぞれ把持する握りとして機能する一組の支柱と、前記支柱によって支持され、外部から遮光された空間を形成し、内部に前記表示部及び前記駆動部を収めた光学系収納部と、を備え、前記表示部が往復移動しながら、前記立体画像の表示と非表示とを繰り返す眼精疲労回復装置である。
【0006】
【0007】
請求項
2に記載の発明は、請求項
1記載の眼精疲労回復装置において、前記左眼用画像及び前記右眼用画像がそれぞれ前記右眼及び前記左眼にて視認されることを抑制する遮蔽部材を更に備える。
【0008】
請求項
3に記載の発明は、請求項
2記載の眼精疲労回復装置において、前記遮蔽部材が、前記表示部の表示面を正面視して該表示面を左側と右側を分割するように左右中央部に設けられ、前記表示面が、前記左側に前記左眼用画像を表示し、前記右側に前記右眼用画像を表示する。
【0009】
請求項
4に記載の発明は、請求項
3記載の眼精疲労回復装置において、前記駆動部が、前記表示部に固定され、ラックと、前記ラックと噛み合うピニオンと、前記表示部の移動を案内するガイドと、前記ピニオンを回転させるモータと、を有し、前記ラックの延びる方向が、前記表示部から前記ユーザの両眼へ斜め上方に延びる光軸の方向である。
【0010】
請求項
5に記載の発明は、請求項
3記載の眼精疲労回復装置において、前記駆動部が、前記表示部を支持するナットと、前記ナットに対応するボールねじと、前記表示部の移動を案内するガイドと、前記ボールねじを回転させるモータと、を有し、前記ボールねじの延びる方向が、前記表示部から前記ユーザの両眼へ斜め上方に延びる光軸の方向である。
【0011】
【0012】
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ユーザが遠近感の変化を知覚させる画像を視ることで眼精疲労の回復を促す眼精疲労回復装置を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
【0016】
〔第1の実施の形態〕
本発明の第1の実施の形態に係る眼精疲労回復装置10は、
図1に示すように、ベース部12、支持部14及び光学系収納部16を備え、ユーザが接眼レンズ162L、162Rを覗き、遠近感が変化する画像を視認することで、眼精疲労を回復させることができる。
【0017】
ベース部12は、テーブル等の設置面に載る板状の部材である。ベース部12の上面には、前後左右に動く操作レバー122や押ボタン124が設けられ、ユーザからの操作用の信号が入力される。
【0018】
支持部14は、間隔を空けてベース部12から上方へ延びる一組の支柱である。支持部14は、接眼レンズ162L、162Rを覗いて眼精疲労を回復する治療の間にユーザが両手でそれぞれ把持する握りとして機能する。
【0019】
光学系収納部16は、支持部14によって支持され、内部に外部から遮光された空間が形成されている。光学系収納部16は、この空間に、接眼レンズ162L、162R、表示部164、遮蔽板166、駆動部168、駆動回路174及び制御器(不図示)を有している(
図2参照)。
接眼レンズ162L、162Rは、それぞれ凸レンズであり、左眼用及び右眼用に対応する。各接眼レンズ162L、162Rはレンズホルダ170を介して前面カバー103に固定される。詳細には、レンズホルダ170は、間隔を空けて配置された円環状の左保持部170L及び右保持部170Rと、右保持部170R及び左保持部170Lを互いに連結する棒状の接続部材170Cと、を有し、左保持部170L及び右保持部170Rは、それぞれ接眼レンズ162L、162Rの外周縁を保持する。
【0020】
表示部164は、例えば液晶ディスプレイであり、フレーム172に固定されている。表示部164は、ユーザが視認する視標となる画像を表示する表示面165を有している。この表示面165に表示される画像は、例えばフルーツ、数字及び図形等である。
ただし、画像は、表示部164の表示面165の左側と右側にそれぞれ左眼用画像及び右眼用画像として表示され、接眼レンズ162L、162Rを介して左眼及び右眼で視認されることでユーザに奥行き感を知覚させる画像である。この画像は、凸レンズである接眼レンズ162L、162Rの作用により、ユーザから見て無限遠にあるように設定されるので、ユーザは、その画像を遠方の離れた位置にある立体画像と認識する。画像は静止画であっても良いし、動画であってもよい。
表示面165は、斜め上方を向いている。詳細には、表示面165の法線方向が、表示面165からユーザの両眼へとそれぞれ向かう光軸AXL、AXRが延びる方向となっている。
【0021】
遮蔽板(遮蔽部材の一例)166は、表示部164の表示面165を正面視して、表示面165を左側と右側に分割するように設けられ、左眼用画像が右眼にて、右眼用画像が左眼にて視認されてしまうことを抑制できる。
遮蔽板166の正面側(ユーザ側)の端部には、一部が切り欠かれた切り欠き166aが形成され、この切り欠き166aの部分をレンズホルダ170の接続部材170Cが通っている。
【0022】
駆動部(知覚提供手段の一例)168は、
図3に示すように、ナット168a(
図2参照)、ボールねじ168b、ガイド168c及びモータ168dを有し、矢印で示す方向Aに表示部164を移動させることができる。
【0023】
ナット168aは、フレーム172の下部が固定され、フレーム172を介して表示部164を支持する
【0024】
ボールねじ168bは、ナット168aに対応し、表示部164の表示面165(
図2参照)の法線方向(方向A)に延びている。従って、ボールねじ168bのユーザ側となる先端の高さ位置は、後端の高さ位置よりも高くなるように配置されている。
【0025】
ガイド168cは、
図3に示すように、表示部164をフレーム172を介して支持し、ナット168aの方向Aへの移動を案内できる。
【0026】
モータ168dは、例えばエンコーダ付きのDCモータであり、ボールねじ168bを回転させることができる。モータ168dの回転シャフトは、カップリング168eを介してボールねじ168bの後端に連結されている。
【0027】
従って、モータ168dが回転すると、ボールねじ168bが回転し、表示部164は、ガイド168cによって案内されながらボールねじ168bが延びる方向、すなわち、
図2に示す光軸AXL、AXRが延びる方向に移動する。表示部164の移動範囲は、例えば10〜30mmに設定される。
なお、ナット168a(表示部164)の原点位置は、ユーザから見て手前側の移動範囲の端部に設定され、電源が入れられるとこの原点位置に復帰する。
【0028】
駆動回路174は、表示部164を駆動するための回路であり、
図2に示すように、背面カバー104の内側に固定されている。
制御器(不図示)は、CPUを有し、CPUにて実行されるコンピュータプログラムにより眼精疲労回復装置10を制御できる。制御器は背面カバー104と駆動回路174との間に配置されている。
【0029】
なお、眼精疲労回復装置10の額が当たる接触面102の近傍には、紙製のディスポーザブルの額当て(不図示)を引っ掛ける突起PL、PRが形成されている。
【0030】
次に、眼精疲労回復装置10の動作について説明する。
まず、ユーザが電源を入れると、モータ168dが回転するとともにボールねじ168bが回転し、ナット168aにフレーム172を介して固定された表示部164が、原点位置に復帰する。
【0031】
次に、ユーザが接眼レンズ162L、162Rを覗き、操作レバー122や押ボタン124を用いて所定の操作を行うと、眼精疲労を回復するための治療が開始される。
治療が開始されると、モータ168dが回転し、視標となる画像(ユーザが遠方にあると認識する立体画像)を表示した表示部164が予め決められた時間t1の間、予め決められた速さで移動範囲を往復する。
ただし、表示部164は、移動範囲の両端においては、予め決められた時間t2だけ停止する。また、表示部164は、予め決められた周期T1で画像の表示と非表示とを繰り返す。更に、表示部164は、予め決められた周期T2で表示する画像を変更する。
【0032】
このように、表示部164が往復移動することによって、ユーザが遠方にあると認識される立体画像が近づいたり遠ざかったりして、ユーザが立体画像の遠近感の変化を知覚させるとともに、立体画像の表示及び非表示が繰り返される。
その結果、水晶体の厚さを調節する毛様体が伸縮運動し、目のピント調節機能がリフレッシュされ、眼精疲労の回復が促される。
【0033】
〔第2の実施の形態〕
続いて、本発明の第2の実施の形態に係る眼精疲労回復装置について説明する。第1の実施の形態に係る眼精疲労回復装置10と同一の構成要素については、同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
【0034】
第2の実施の形態に係る眼精疲労回復装置は、第1の実施の形態に係る眼精疲労回復装置10と駆動部の構成が主として相違する。すなわち、本実施の形態に係る眼精疲労回復装置は、ボールねじ機構を有する駆動部168に代えて、ラック・アンド・ピニオン機構を有する駆動部268を備えている。
詳細には、この駆動部(知覚提供手段の一例)268は、
図4に示すように、ラック268a、ピニオン268b、ガイド168c及びモータ268dを有し、第1の実施の形態に係る眼精疲労回復装置10と同様に、矢印で示す方向Aに表示部164を移動させることができる。
【0035】
ラック268aは、表示部164を固定するフレーム172の下部に固定されている。ラックは、表示部164の表示面165(
図2参照)の法線方向(方向A)に延びている。
【0036】
ピニオン268bは、ラック268aと噛み合う歯車である。
【0037】
モータ268dは、例えばエンコーダ付きのDCモータであり、ピニオン268bを回転させることができる。モータ268dの回転シャフトの延びる方向は、ラック268aが延びる方向と直交するように設けられている。この回転シャフトには、ピニオン268bが同心となるように取り付けられている。
従って、モータ268dが回転すると、ピニオン268bが回転し、表示部164は、ラック268aが延びる方向、すなわち、
図2に示す光軸AXL、AXRが延びる方向に移動する。表示部164の移動範囲は、例えば10〜30mmに設定される。
なお、表示部164の原点位置は、ユーザから見て手前側の移動範囲の端部に設定され、電源が入れられるとこの原点位置に復帰する。
【0038】
次に、眼精疲労回復装置10の動作について説明する。
まず、ユーザが電源を入れると、モータ268dが回転するとともにピニオン268bが回転し、ラック268aにフレーム172を介して固定された表示部164が、原点位置に復帰する。
【0039】
次に、ユーザが接眼レンズ162L、162Rを覗き、操作レバー122や押ボタン124を用いて所定の操作を行うと、眼精疲労を回復するための治療が開始される。
治療が開始されると、モータ268dが回転し、視標となる画像(ユーザが遠方にあると認識する立体画像)を表示した表示部164が予め決められた時間t1の間、予め決められた速さで移動範囲を往復する。
ただし、表示部164は、移動範囲の両端においては、予め決められた時間t2だけ停止する。また、表示部164は、予め決められた周期T1で画像の表示と非表示とを繰り返す。更に、表示部164は、予め決められた周期T2で表示する画像を変更する。
【0040】
このように、表示部164が往復移動することによって、ユーザが遠方にあると認識される立体画像が近づいたり遠ざかったりして、ユーザが立体画像の遠近感の変化を知覚させるとともに、立体画像の表示及び非表示が繰り返される。
その結果、水晶体の厚さを調節する毛様体が伸縮運動し、目のピント調節機能がリフレッシュされ、眼精疲労の回復が促される。
【0041】
以上説明したように、第1及び第2の実施の形態に係る眼精疲労回復装置によれば、ユーザが近づいたり遠ざかったりする遠方の立体画像を眺めることにより、水晶体の厚さを調節する毛様体が伸縮運動し、目のピント調節機能がリフレッシュされ、眼精疲労の回復が促される。
【0042】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
表示部164は液晶ディスプレイに限定されるものではなく、画像を表示する任意の表示器であればよい。
また、知覚提供手段は、ユーザに画像の遠近感の変化を知覚させることができれば駆動部168や駆動部268に限定されるものではない。
【解決手段】眼精疲労回復装置10は、ユーザが覗く接眼レンズ162L、162Rと、接眼レンズ162L、162Rを介して視認される画像を表示する表示部164と、ユーザに画像の遠近感の変化を知覚させる知覚提供手段と、を備え、知覚提供手段が、表示部164を移動させる駆動部168であり、表示部164の移動方向が、表示部164から両眼へと向かう光軸が延びる方向である。