(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6871654
(24)【登録日】2021年4月20日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】乳房用処置具
(51)【国際特許分類】
A61F 2/12 20060101AFI20210426BHJP
【FI】
A61F2/12
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2020-59579(P2020-59579)
(22)【出願日】2020年3月30日
【審査請求日】2020年8月21日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513249851
【氏名又は名称】株式会社日本医療機器開発機構
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】内田 毅彦
【審査官】
木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2016/0250017(US,A1)
【文献】
特表2013−518674(JP,A)
【文献】
特表2016−504955(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前胸部内部に挿入される膨張及び収縮が可能なパック部(3)と,
前記パック部(3)の外周に設置され,前記パック部の膨張に伴って伸展する外骨格部(5)と,を含み,
前記パック部(3)と前記外骨格部(5)は互いに分離されており,
前記パック部(3)の膨張によって前記外骨格部(5)を伸展させた後に前記パック部(3)を収縮させると,前記外骨格部(5)はその伸展状態が維持されたまま,前記パック部(3)が体外に除去される
乳房用処置具(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の乳房用処置具(1)であって,
前記パック部(3)と体外とを接続するためのポート部(7)をさらに含む,
乳房用処置具(1)。
【請求項3】
請求項1に記載の乳房用処置具(1)であって,
前記外骨格部(5)は,生体吸収性素材からなる,
乳房用処置具(1)。
【請求項4】
請求項1に記載の乳房用処置具(1)であって,
乳房再建術又は豊胸術に用いられる,
乳房用処置具(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,乳房再建術及び豊胸術などの乳房処置に用いられる乳房処置具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より,乳房にできた腫瘍を手術により切除する外科療法が行われている。乳癌あるいは乳房部腫瘍切除術において乳房の全摘出を行うと患者の肉体的,精神的,あるいは社会的負担が過大になることから,近年では病巣組織のみを部分的に切除する乳房温存術が普及してきている。しかし,病巣の部分的な切除であっても患部に陥没が生じることになり,患者に大きな負担を強いることになる。そのため,乳房全摘術および乳房温存術を含む乳房の腫瘍切除術後に乳房再建術を受ける患者が増加している。乳房再建術としては,乳房部の腫瘍病巣組織を切除した欠損部位に例えばシリコン製の人工乳房を植え込むインプラント手術が一般的行われている。
【0003】
特許文献1には,乳房再建術に用いられる処置具として,人工乳房を植え込むための空間(ポケット)を確保するためエキスパンダーが開示されている。特許文献1に記載のエキスパンダーは,全体的に半球形の形を持つ包被と,この包被内に流体を注入するための管を含む。このエキスパンダーを用いた乳房再建術では,まず包被を患部の皮膚下(大胸筋下を含む前胸部)に挿入し,管を通して包被に流体を注入して包被を膨張させることによって皮膚下に空間を形成する。その後,この包被を外科的に除去して,皮膚下の空間に適当なサイズの人工乳房を植え込む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭61−131741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の処置具は,同処置具を用いて皮膚下に空間を形成することを目的としており,空間を形成後には抜去され,形成された空間にシリコン製の人工乳房を植え込むこと,または皮弁などの自家等の生体組織を植え込むことを前提としたものである。しかし,まず第一に,このような人工乳房は生体非吸収性であるため感染を起こす可能性があるとともに,接触によるアレルギー,発がん等の悪影響が懸念される。第二に,自家組織を用いた移植の場合,その自家組織を患者の他の身体部位から移植するため患者に対する侵襲が大きいのみならず,動静脈を吻合し生着させる必要があるため高度な医療技術を必要とし普及の妨げになっている。
【0006】
また,この処置具を用いた乳房再建術では,包被を膨張させることによって形成された皮膚下の空間に当該空間のサイズに適合する人工乳房や自家組織等を埋め込む必要があるが,その際にこれらの埋植物を挿入するために十分な大きさの切開処置を乳房付近に施す必要があり,術後に比較的大きな創傷が残ることになる。さらに,この処置具を用いて皮膚下に空間を形成する過程は,切除された乳房組織の大きさにもよるが一般的には6週間以上を要する。その間患者は処置具内部に生理食塩水などの流体を挿入するために複数回外来診療などを受ける必要があるため負担を強いられる。これに加え,乳房再建術は十分に空間が形成されてから行われるが,乳房部の腫瘍摘出術を行ってから6週間以上を空けて再度全身麻酔下にて手術を受けるため危険を伴う。
【0007】
そこで,本発明は,人工乳房や自家組織等の埋植物に依らず,また術後の創傷を小さく抑えることが可能な乳房処置を行えるようにすることを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発明者は,上記の目的を達成する手段について鋭意検討した結果,流体の注入又は排出によって膨張又は収縮するパック部の周囲に,このパック部の膨張に伴って伸展する外骨格部を配置することにより,人工乳房や自家組織等の埋植物がなくても乳房(脂肪細胞)の再建が可能であり,しかも切開による創傷を小さく抑えることができるようになるという知見を得た。そして,本発明者は,上記知見に基づけば従来技術の課題を解決できることに想到し,本発明を完成させた。具体的に説明すると,本発明は以下の構成を有する。
【0009】
本発明は,乳房再建術又は豊胸術などの乳房処置に用いられる乳房用処置具1に関する。本発明に係る乳房用処置具1は,主に前胸部内部に挿入されるパック部3と,このパック部3の外周に設置される外骨格部5とを含む。パック部3は,その内部に生理食塩水などの液体や二酸化炭素などの気体を注入することが可能であり,これらの流体の注入によって膨張し,また流体の排出によって収縮する。外骨格部5は,パック部3の外面に沿って配置されており,パック部3の膨張に伴って伸展するように構成されている。また,パック部3と外骨格部5は互いに分離されており,パック部3の膨張によって外骨格部5を伸展させた後にこのパック部3を収縮させると,外骨格部5はその伸展状態が維持され,パック部3と外骨格部5との間に隙間が生じる。このため,伸展状態の外骨格部5を生体内に残したまま,収縮したパック部3を体外に除去することが可能となっている。
【0010】
本発明に係る乳房用処置具1を用いた手術では,まずパック部3と外骨格部5を前胸部内部に挿入し,パック部3を膨張させることにより外骨格部5を伸展させた後,このパック部3を少しだけ収縮させて,そのままの状態で一定期間保持する。すると,脂肪などの自己組織が外骨格部5を取り囲むとともに,パック部3と外骨格部5の隙間に自己組織が形成される。そして,パック部3を段階的に収縮させていき自己組織の形成範囲を拡張することで,最終的には人工乳房を用いずに自己細胞による乳房の再建が可能となる。また,パック部3と外骨格部5は小さく収縮した状態で前胸部への挿入することができ,またパック部3を除去する際にもこのパック部3は小さく収縮した状態となるため,処置具1の挿入及び除去にあたり必要となる切開範囲は最小限で済む。このため,本発明によれば,術後の創傷を最小限に留めることができる。
【0011】
本発明に係る乳房用処置具1は,さらに,パック部3と体外とを接続するためのポート部7をさらに含むこととしてもよい。このポート部7としては,例えばパック部3内に流体を注入する又はパック部3内の流体を排出するための管状の部材が用いられる。これにより,パック部3の膨張と収縮を自由にコントロールできる。また,ポート部7を介してパック部3を体外に引き抜きやすくなる。
【0012】
本発明に係る乳房用処置具1において,外骨格部5は生体吸収性素材からなることが好ましい。これにより,外骨格部5は術後に徐々に生体に吸収されることとなるため,外骨格部5を生体内から除去する必要がなくなる。
【0013】
本発明の別の側面は,上記乳房用処置具1を用いた乳房処置方法である。乳房処置方法の例は,乳房再建術及び豊胸術である。乳房処置方法では,まず,上記乳房用処置具1に含まれるパック部3及び外骨格部5を前胸部内部に挿入する。次に,生体内でパック部3を膨張させることによって外骨格部5を伸展させる。次に,外骨格部5を伸展させた状態のままパック部3を収縮させることにより,パック部3と外骨格部5の間に隙間を形成する。その後,この隙間が形成された状態を一定期間維持することによって,外骨格部5の周囲と両部材3,5の隙間に脂肪細胞などの自己組織を形成する。また,任意的に,両部材3,5の隙間に他家組織や人工物などの生体適合性のものを注入することとしてもよい。その後,パック部3を段階的に収縮させることで,自己組織の形成範囲を拡大する。最後に,小さく収縮されたパック部3を外科的に除去し,外骨格部5及び自己組織によって乳房を再建あるいは増大させる。また,外骨格部5が生体吸収素材のみからなるものである場合,この外骨格部5は術後次第に生体へと吸収されて,最終的には崩壊する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば,シリコン製インプラント等の人工乳房や自家組織等の埋植物に依らず,また術後の創傷を小さく抑えることが可能な乳房処置を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は,本発明に係る乳房用処置具1の構成を模式的に示している。
【
図2】
図2は,乳房用処置具1を用いた乳房処理を模式的に示した断面図である。
【
図3】
図3は,乳房用処置具1を用いた乳房処理を模式的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜変更したものも含む。
【0017】
図1は,本発明に係る乳房用処置具1の一例を示している。
図1に示されるように,乳房用処置具1は,基本的に,パック部3,外骨格部5,及びポート部7を含む。ポート部7は,流体(気体又は液体)を移送するための管であり,一端はパック部3の内部に接続され,他端は流体を供給及び排出するための装置(省略)に接続されている。パック部3は,ポート部7を介してその内部に流体を供給すると膨張し,ポート部7を介してパッその内部から流体を排出すると収縮するように構成されている。また,パック部3の周囲を取り囲むように外骨格部5が配置されている。外骨格部5は,パック部3の膨張に伴って伸展するものの,パック部3が縮小してもその伸展状態は維持されたままとなる。
【0018】
パック部3は,生体適合性を持つ樹脂材料によって形成される。パック部3の材料としては,例えば,ポリアミド樹脂,ポリアミドエラストマ,ポリエステル,ポリウレタン,ポリ塩化ビニル樹脂,ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂,テフロン(登録商標)等のフッ素樹脂,エチレン−酢酸ビニル共重合体等の各種合成樹脂材料を採用できる。また,パック部の材料としては,生体適合性を持つ弾性樹脂材料であって,シリコーンゴム,ラテックスゴム,ブチルゴム,イソプレンゴム,ポリウレタンエラストマー,フッ素ゴム,天然ゴム等の各種材料を採用できる。パック部3の容積は,処置対象となる乳房の容積に合わせればよく,例えば200〜1000mlの範囲で選択すればよい。
【0019】
外骨格部5は,構造的に又は材質的に不可逆に伸展可能に構成された部材である。
図1に示した例では,外骨格部5は,伸展前の状態において複数の屈折点又は湾曲点を有するメッシュ状であり,これらの屈折点又は湾曲点が伸びることで不可逆的に全体が伸展するように構成されている。このような外骨格部5の伸展構造は,図示したものに限られず,ステント等の医療用の生体拡張部材で採用されている公知のメッシュ型の伸展構造を適宜採用することができる。外骨格部5は,パック部3の膨張に伴って伸展させる必要があるため,パック部3の全周囲を取り囲むように配置されていることが好ましい。ただし、パック部3の膨張により伸展するものであれば,パック部3の周囲には部分的に外骨格部5によって覆われていない部分があってもよい。また,外骨格部5は,構造的な伸展構造に依らなくても,不可逆的に伸展する金属材料等によって形成することも可能である。
【0020】
また,外骨格部5は,後述するとおり,脂肪組織が再生し乳房が再建されるまでの間は強度を保持し,その後は生体内に吸収される生体吸収性(生分解性)素材であることが好ましい。生体吸収性素材の例は,マグネシウムを代表とする金属やポリ乳酸(D−,L−,メソ体,又はそれらの混合物)などのポリマーである。生体吸収性ポリマーとしては,特にポリL−乳酸(PLLA)が,その他のポリ乳酸重合体(PLA)やポリ乳酸グリコール酸共重合体(PLGA)を採用することもできる。ポリ乳酸の重量平均分子量は,通常,4000〜200000程度である。なお,重量平均分子量はGPCを用いて測定される値である。なお,外骨格部5は,上記の生体吸収性素材に限られず,チタンやステンレス,Ti−Ni合金,Co−Cr合金などの生体適合性金属を用いることもできる。
【0021】
ポート部7としては,公知の医療用チューブを用いることができ,その材質や構造については特に限定されない。
【0022】
図2及び
図3は,本発明に係る乳房用処置具1を用いた乳房処置(乳房再建術又は豊胸術)の一例を示した断面図である。まず,
図2のステップ(a)に示されるように,乳房再建又は豊胸を目的とする前胸部内部に,パック部3及び外骨格部5を挿入する。また,このとき,パック部3内にはポート部7の一端が接続されている。また,ポート部7は,患者の皮膚上に設置しておくこととしてもよいし,皮膚下に植え込むこととしてもよい。
【0023】
次に,ステップ(b)のように,ポート部7を介して,生理食塩水などの液体又は二酸化炭素などの気体をパック部3に注入する。これにより,パック部3が膨張する。また,パック部3の膨張に伴って,このパック部3の外面に沿って設置されている外骨格部5が伸展する。すると,処置対象の前胸部は,パック部3及び外骨格部5によって内部から押し込まれるようにして膨らみ,特に外骨格部5によって内部から支持されることによってその形状が維持される。
【0024】
次に,ステップ(c)のように,ポート部7を介して,パック部3に注入した流体の一部を外部に排出する。これにより,パック部3は部分的に収縮する。他方で,外骨格部5は,前胸部内部で伸展したままの状態となり,前胸部の形状を維持し続ける。このため,パック部3の外面と外骨格部5との間に隙間が形成されることとなる。
【0025】
次に,ステップ(c)によってパック部3と外骨格部5の間に隙間が形成された状態のまま所定期間経過させる。これにより,ステップ(d)のように,患者自身の脂肪細胞などの自己細胞が外骨格部5の周囲を取り囲むとともに,パック部3と外骨格部5の間に隙間にもこの自己細胞の第一層が形成される。上記した所定の待機期間は,この隙間に自己細胞が十分に形成される期間を考慮して設定すればよく,一般的には1〜6ヶ月程度の期間を要する。また,このパック部3と外骨格部5と隙間には,自家の脂肪組織,再生医療用幹細胞,他家組織,あるいは人工物など生体適合するものを注入することも可能である。これにより,自己細胞形成の待機期間を短縮することができる。
【0026】
次に,パック部3と外骨格部5の隙間に十分な自己細胞等の層が形成された後,
図3に示したステップ(e)のように,ポート部7を介してパック部3内部に流体を注入してパック部3を再度膨張させる。このようにして,パック部3を膨張させてパック部3と外骨格部5の間の自己細胞を内部から押し固めることで,再建後の乳房のかたちを維持しやすくなる。
【0027】
次に,ステップ(f)のように,ポート部7を介してパック部3内の流体の一部を外部に排出することによってパック部3を部分的に収縮させ,自己細胞の第1層とパック部3の外面との間に再度隙間を形成する。パック部3を構成する部材はこの時に自己細胞の第1層と癒着しにくい材質であることが好ましい。
【0028】
次に,ステップ(f)によって自己細胞の第一層とパック部3に隙間が形成された状態のまま所定期間経過させる。これにより,ステップ(g)のように,自己細胞の第一層とパック部3の隙間に自己細胞の第二層が形成される。ここでの待機期間は,この隙間に自己細胞が十分に形成される期間を考慮して設定すればよく,一般的には1〜6ヶ月程度の期間を要する。また,この自己細胞の第一層とパック部3の隙間に,自家の脂肪組織,再生医療用幹細胞,他家組織,あるいは人工物など生体適合するものを注入することも可能である。これにより,自己細胞形成の待機期間を短縮することができる。
【0029】
その後,ステップ(e)からステップ(g)を繰り返し行うことによって,自己細胞の層を段階的に増やしていく。このように,徐々にパック部3の容積を小さくしていき,パック部3が小さい切開で体外に取り出ことができる程度に十分に小さいサイズになるまで,これらのステップを繰り返し行う。これにより,パック部3を除去する際の創傷を最大限小さくすることができる。他方で,外骨格部5はそのまま体内に残り続けることになるが,外骨格部5を生体吸収性素材で構成しておくことで,術後の時間経過に伴って徐々に生体へと吸収され,最終的には崩壊する。このため,術後一定期間の間は,外骨格部5によって乳房の形状を保持することができる。また,外骨格部5は自然に崩壊するため,これを取り出す手術を別途行う必要がなくなる。遠隔期に全身麻酔下で従来の乳房再建術を実施する必要がなくなることになれば患者の負担を著しく軽減することができる。
【0030】
以上,本願明細書では,本発明の内容を表現するために,図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし,本発明は,上記実施形態に限定されるものではなく,本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は,乳房再建術及び豊胸術などの乳房処置に用いられる乳房処置具に関する。従って,本発明は医療機器の製造業において好適に利用され得る。
【符号の説明】
【0032】
1…乳房用処置具 3…パック部
5…外骨格部 7…ポート部
【要約】
【課題】人工乳房に依らず,また術後の創傷を小さく抑えた乳房処置を行うための処置具を提供する。
【解決手段】乳房用処置具1は,前胸部内部に挿入されるパック部3と,このパック部3の外周に設置される外骨格部5とを含む。まずパック部3と外骨格部5を前胸部内部に挿入し,パック部3を膨張させることにより外骨格部5を伸展させた後,このパック部3を少しだけ収縮させて,そのままの状態で一定期間保持する。すると,脂肪などの自己組織が外骨格部5を取り囲むとともに,パック部3と外骨格部5の隙間に自己組織が形成される。そして,パック部3を段階的に収縮させていき自己組織の形成範囲を拡張させることで,最終的には人工乳房を用いずに自己細胞による乳房の再建が可能となる。また,乳房用処置具1の挿入及び除去にあたり必要となる切開範囲は最小限で済む。
【選択図】
図2