【文献】
全 昶厚,優良均質苗を育てる人工照明苗プラント,照明学会誌,照明学会,2001年 3月 1日,85巻3号,213-216
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.実施形態1
1.1 概要
図1には、実施形態1の栽培設備の要部が概略的に示されている。栽培設備は、収納棚1と、収納棚1に収納される複数の栽培ユニット2と、複数の栽培ユニット2に設置され、植物P1と栽培液L1を保持する複数の栽培槽3とを備える。栽培設備は更に、排出装置50と供給装置51とを備える。排出装置50は、複数の栽培槽3間で移動可能であり、複数の栽培槽3のそれぞれに対して栽培液L1の排出を行う。供給装置51は、複数の栽培槽3間で移動可能であり、複数の栽培槽3のそれぞれに対して栽培液L1の供給を行う。
【0012】
上記構成を備える栽培設備では、複数の栽培槽3間で移動可能な排出装置50と供給装置51によって、収納棚1に収納された複数の栽培ユニット2の複数の栽培槽3のそれぞれに対して、栽培液L1の排出と供給を行うことができる。そのため、この栽培設備では、収納棚1に栽培液L1を供給及び排出するための多数の配管を設置する必要がなく、設備の複雑化や大型化を防ぐことができて、収納棚1を高層化しやすくて、単位面積当たりの収穫量を増やしやすい。
【0013】
また、この栽培設備では、収納棚1と各種の作業を行うための作業ステーションA1との間で栽培ユニット2を搬送する場合に、栽培ユニット2の複数の栽培槽3を栽培液L1が入ってない又は略入っていない状態にしておくことができる。したがって、この栽培設備では、搬送時の栽培ユニット2の重量を抑えて、搬送の負荷の軽減を図ることができ、また、搬送時の各栽培槽3からの液漏れも防ぐことができる。
【0014】
1.2 詳細
続いて、本実施形態の栽培設備について更に詳しく説明する。栽培設備は、栽培対象となる植物P1を水耕栽培するための設備である。本実施形態の栽培設備は、複数の栽培ユニット2のうち少なくとも1つの栽培ユニット2を、収納棚1と収納棚1から離れた作業ステーションA1との間で搬送する搬送装置4を更に備える。排出装置50と供給装置51は、搬送装置4によって搬送される。栽培設備は、
図2に示すように、栽培棟100に設置される。栽培設備は、本実施形態では、水平方向の一方向に長尺な収納棚1を有する。以下では、収納棚1の長手方向を方向D1とし、収納棚1の短手方向を方向D2とし、収納棚1の高さ方向(つまり上下方向)を方向D3として、各構成について説明する。
【0015】
1.2.1 栽培棟
図2に示すように、栽培棟100は、栽培室101と、作業室102とを備える。作業室102は、壁103によって区切られた栽培室101とは別の部屋である。
【0016】
本実施形態では、栽培棟100は、方向D3(上下方向)に並んだ複数の作業室102を備える。栽培室101は、複数の作業室102にわたる高さを有する一つの部屋である。
【0017】
栽培室101は、植物P1を栽培するための部屋であり、収納棚1が設置される。栽培室101は、植物P1の栽培に適した温度、湿度等の環境に設定されている。
【0018】
作業室102は、作業室102に搬送された栽培ユニット2の複数の栽培槽3に対して、定植、収穫、洗浄、検査等の各種の作業を行う部屋である。作業室102内のスペースが、作業ステーションA1である。複数の作業室102は、例えば、部屋毎に異なる作業を行うように設定される。
【0019】
壁103には、栽培室101と各階の作業室102とをつなぐ出入口104が設けられている。本実施形態では、栽培室101と各階の作業室102とは、それぞれ一つの出入口104を介してつながっている。つまり、壁103には、作業室102の数と同数の出入口104が設けられている。
【0020】
栽培棟100は、壁103の複数の出入口104を開閉する複数の自動扉105を有する。各自動扉105は、栽培室101と作業室102との間で栽培ユニット2が移動するときにのみ、出入口104を開き、それ例外のときには、出入口104を閉じる。これにより、栽培棟100では、栽培室101内の環境を植物P1の栽培に適した条件に保ちやすくなっている。つまり、栽培室101内の温度、湿度を一定に保ちやすく、また、作業室102内の空気が栽培室101内に流れ込むことを抑制できる。
【0021】
栽培室101と作業室102との間での栽培ユニット2の移動は、搬送装置4によって行われる。
【0022】
1.2.2 収納棚
栽培設備は、
図2及び
図3に示すように、複数の収納棚1を備える。複数の収納棚1は、方向D2に間隔をおいて位置し、互いに平行である。複数の収納棚1は、栽培ユニット2の搬送通路を挟んで位置する一対の収納棚1のセットを、複数組備える。一対の収納棚1のセットと、方向D2に並ぶ他の一対の収納棚1のセットとは、隣接して位置している。栽培設備が備える収納棚1の数は、栽培室101の面積等に応じて、適宜設定される。
【0023】
収納棚1は、
図3及び
図4に示すように、方向D3(上下方向)に間隔をおいて並ぶ複数の棚部材10を有する多段棚である。収納棚1は、複数の棚部材10を支持する複数の支柱11を更に有する。複数の棚部材10と複数の支柱11のそれぞれは、例えば、金属製である。複数の支柱11は、方向D2に間隔をおいて並ぶ2本の支柱11のセットを、方向D1に間隔をおいて複数備える。
【0024】
収納棚1のサイズは、例えば、方向D1の長さが20m、方向D2の長さが2.1m、方向D3の長さが10mである。収納棚1のサイズは、栽培室101の広さ、及び積載する栽培ユニット2の数に応じて、適宜設定可能である。
【0025】
収納棚1は、栽培ユニット2が有する照射装置22に電力を供給する送電部12を更に有する。送電部12は、商用電源等の電源に電気的に接続されて、電力を得る。送電部12は、本実施形態では、非接触給電によって照射装置22に電力を供給する。
【0026】
収納棚1は、
図4に示すように、方向D1及び方向D3に並ぶように複数の収納エリアA2を有する。複数の収納エリアA2のそれぞれに、栽培ユニット2が1つ収納される。
【0027】
方向D3(上下方向)に隣接する収納エリアA2は、棚部材10によって分けられている。方向D1に隣接する2つの収納エリアA2は、方向D2に並ぶ2本の支柱11によって分けられている。
【0028】
1.2.3 栽培ユニット
複数の栽培ユニット2のそれぞれは、複数の栽培槽3を載せることが可能な多段棚である。複数の栽培ユニット2は、互いに同じ構造である。栽培ユニット2は、収納棚1に対して出し入れ可能に設けられている。
【0029】
栽培ユニット2は、
図1に示すように、方向D3に間隔をあけて並ぶ複数の支持板20と、複数の支持板20を支持する複数の支柱21と、を有する。複数の支持板20と複数の支柱21のそれぞれは、例えば、金属製である。
【0030】
栽培ユニット2のサイズは、例えば、方向D2の長さが、1.8mであり、方向D1の長さが1.5mであり、方向D3(上下方向)の長さが、2.0mである。この場合、栽培ユニット2を作業ステーションA1に配置した状態で、栽培ユニット2上の各栽培槽3に対して各種の作業が行いやすい。
【0031】
本実施形態では、栽培ユニット2は、支持板20を5つ有し、支柱21を4つ有する。5つの支持板20のそれぞれは、平面視矩形状であり、4隅が4つの支柱21によって支持されている。栽培ユニット2が有する支持板20の数は、適宜設定可能である。複数の支持板20のそれぞれは、本実施形態では、下側に開口した扁平な矩形の箱型である。
【0032】
栽培ユニット2は、複数の栽培槽3のそれぞれに向けて育成用の光を照射する複数の照射装置22を更に有する。複数の照射装置22のそれぞれは、本実施形態では、複数の支持板20のうち、最下段に位置する支持板20を除く残りの支持板20のそれぞれの下面に取り付けられたLED(Light Emitting Diode)ランプ220で構成される。LEDランプ220は、箱型の支持板20の厚み内に収まっている。
【0033】
栽培ユニット2は、収納棚1の送電部12から非接触給電によって電力が供給される受電部23を更に有する。受電部23は、最下段の支持板20に設けられている。受電部23には、電気配線(図示せず)を介してLEDランプ220が電気的に接続されている。
【0034】
栽培ユニット2には、最上段の支持板20を除く残りの支持板20のそれぞれの上に、栽培槽3が設置される。本実施形態では、
図4に示すように、各支持板20の上には、2つの栽培槽3が、方向D1に隣接して並ぶように設置されている。そのため、一つの栽培ユニット2には、合計八つの栽培槽3が設置される。各支持板20には、2つの栽培槽3のそれぞれの位置を固定する位置決め手段(図示せず)が設けられる。
【0035】
1.2.4 栽培槽
図1に示すように、複数の栽培槽3のそれぞれは、植物P1と、植物P1を生育するための栽培液L1とを保持する栽培容器である。複数の栽培槽3は、互いに同じ構造である。
【0036】
栽培槽3は、上側に開口した扁平な箱型のトレイ30と、トレイ30の上部に取り付けられる定植パネル31と、を有する。トレイ30内に、栽培液L1が保持される。トレイ30と定植パネル31のそれぞれは、平面視にて略矩形状である。トレイ30と定植パネル31のそれぞれは、樹脂成型品であり、例えば真空成型によって形成される。
【0037】
栽培槽3のサイズは、例えば、方向D2の長さが、1300mmであり、方向D1の長さが700mmであり、方向D3の長さが、70mmである。栽培槽3は持ち運びしやすいサイズに設けられている。本実施形態では、トレイ30には、15リットルの栽培液L1を溜めることができる。
【0038】
定植パネル31には、植物P1を保持する複数の開口310が設けられている。複数の開口310は、互いに間隔をおいて定植パネル31の全体に配置されている。定植パネル31に設けられる複数の開口310の数と間隔は、保持する植物P1の成長段階や種類によって適宜設定される。
【0039】
定植パネル31とトレイ30には、互いに係止し合う係止構造が設けられている。これにより、搬送時に定植パネル31がトレイ30に対して位置がずれることを抑制することができる。
【0040】
トレイ30には、複数種類の定植パネル31が取り付け可能である。複数種類の定植パネル31は、例えば、栽培初期から栽培中期にかけて用いられる第一の定植パネル31と、栽培中期から収穫期にかけて用いられる第二の定植パネル31とを含む。第一の定植パネル31は、第二の定植パネル31よりも、開口310の数が多く、隣接する開口310の間隔が狭い。植物P1の成長段階に対応した定植パネル31を、トレイ30に取り付けることで、栽培槽3において植物P1を効率良く栽培することができる。
【0041】
定植パネル31には、トレイ30内の栽培液L1の排出やトレイ30内への栽培液L1の供給に用いられる貫通孔311が設けられている。貫通孔311は、定植パネル31を方向D3(上下方向)に貫通している。貫通孔311は、定植パネル31の方向D2の片側(一対の収納棚1の間の通路側)の端部に設けられている。貫通孔311は、定植パネル31の種類に関わらず、一定の位置に形成される。
【0042】
1.2.5 搬送装置
搬送装置4は、複数の栽培ユニット2のそれぞれを一つずつ、収納棚1と作業ステーションA1との間で搬送する装置である。搬送装置4は、栽培ユニット2を、水平方向と上下方向の両方に移動させることができる。搬送装置4は、水平方向に移動可能な水平移動部40と、水平移動部40と一体であり、上下方向に移動可能な昇降部41と、を有する。本実施形態の搬送装置4は、栽培ユニット2の搬送に加えて、排出装置50及び供給装置51の搬送も行う。
【0043】
本実施形態では、搬送装置4は、スタッカークレーン42と、複数のコンベヤ装置43と、で構成される。スタッカークレーン42は、栽培室101に設置され、コンベヤ装置43は、栽培室101と作業室102のそれぞれに設置されている。栽培室101に設置されたコンベヤ装置43aと、作業室102に設置されたコンベヤ装置43bとは、互いに別体であり、自動扉105による出入口104の開閉を妨げない。
【0044】
図2及び
図5に示すように、スタッカークレーン42は、栽培室101の床面に設置された走行レール420と、走行レール420上を移動自在な矩形枠状のフレーム421と、フレーム421の移動をガイドするように走行レール420の上方に設置されたガイドレール422と、を備える。スタッカークレーン42は更に、フレーム421内に上下動自在に設置された荷台423と、荷台423に設けられたフォーク装置424と、荷台423を上下動させる昇降装置425と、フレーム421を走行レール420及びガイドレール422に沿って移動させる走行装置426と、を備える。
【0045】
スタッカークレーン42は、収納棚1に収納された対象の栽培ユニット2に隣接する位置まで荷台423を移動させた後、フォーク装置424の爪427を対象の栽培ユニット2の下に差し込んで持ち上げる。これにより、スタッカークレーン42は、栽培ユニット2を収納棚1から荷台423へと移動させることが可能である。また、スタッカークレーン42は、対象の栽培ユニット2を載せた荷台423を栽培室101内のコンベヤ装置43aに隣接する位置まで移動させた後、フォーク装置424を用いて、対象の栽培ユニット2をコンベヤ装置43aの上に載せることができる。
【0046】
コンベヤ装置43aは、栽培ユニット2を栽培室101内で水平方向(方向D1及び方向D2)に移動させる。栽培ユニット2は、コンベヤ装置43aとコンベヤ装置43bとの間で受け渡され、これにより、栽培室101と作業室102との間で移動する。
【0047】
本実施形態では、スタッカークレーン42のフレーム421とコンベヤ装置43a,43bが、水平移動部40を構成し、荷台423が、昇降部41を構成している。昇降部41を構成する荷台423は、水平移動部40のうちのフレーム421に一体に設けられており、フレーム421の水平移動に伴って、水平移動する。
【0048】
1.2.6 排出供給装置(排出装置と供給装置)
図1には、本実施形態の排出装置50と供給装置51を構成する一つの排出供給装置5が記載されている。排出供給装置5は、複数の栽培槽3間で移動可能であり、複数の栽培槽3に対して栽培液L1の供給と排出の両方を行う装置である。本実施形態では、排出供給装置5は、搬送装置4によって搬送される。
【0049】
排出供給装置5は、栽培液L1の排出と供給を行うノズル52と、ノズル52を接続対象(本実施形態では栽培槽3)に接続する接続装置53と、栽培液L1を溜めるタンク54と、タンク54とノズル52を接続するホース55と、を有する。排出供給装置5は更に、栽培液L1の排出と供給を行うためのポンプ56と、栽培槽3を撮像する撮像装置57と、接続装置53、ポンプ56及び撮像装置57を制御する制御装置とを有する。排出供給装置5の構成の全て(つまり、ノズル52、接続装置53、タンク54、ホース55、ポンプ56、撮像装置57及び制御装置)は、搬送装置4の昇降部41(つまり荷台423)に設置されている。
【0050】
ノズル52は、栽培槽3内の栽培液L1(詳しくは含有養分が減少した廃液L10)を吸引するための排出ノズルと、栽培槽3内に栽培液L1(詳しくは養分を含んだ養液L11)を吐出するための供給ノズルとを含む。なお、ノズル52は、一本のノズルで構成されてもよく、吸引と吐出が切替可能に設けられてもよい。
【0051】
接続装置53は、本実施形態では、ノズル52を支持して、ノズル52を水平方向(方向D1及び方向D2)と鉛直方向(方向D3)に自在に移動させる多関節のロボットアームである。ロボットアームは、上下方向(方向D3)に平行な軸を中心に回転することも可能であり、通路を挟んだ一対の収納棚1内の栽培ユニット2の各栽培槽3に、ノズル52を接続することも可能である。
【0052】
接続装置53は、ノズル52を、栽培槽3の定植パネル31の貫通孔311に挿入される挿入位置と、貫通孔311から離れた待機位置との間で、移動させることができる。接続装置53は、タンク54の上に設置されている。
【0053】
タンク54は、栽培液L1を溜めるタンク本体540と、タンク本体540を支持する四本の柱545と、タンク本体540から下方に離れて位置し、四本の柱545によって支持される底板546と、四本の柱545のそれぞれの下面から下方に向けて突出した複数の脚部541と、を有する。
【0054】
タンク本体540は、栽培槽3内から吸引した栽培液L1(廃液L10)を溜める廃液貯留部542と、栽培槽3に供給する新たな栽培液L1(養液L11)を溜める養液貯留部543と、廃液貯留部542と養液貯留部543とを区切る仕切壁544と、を有する。タンク本体540の内部空間の半分が、廃液貯留部542であり、残りの半分が、養液貯留部543である。本実施形態では、貯留部542,543は、方向D2に並んで位置するが、方向D1や方向D3に並んで位置してもよい。
【0055】
養液貯留部543に溜める栽培液L1(養液L11)の成分は、植物P1の成長段階や植物P1の種類に対応させて、適宜設定される。栽培液L1(養液L11)は、溶存酸素を含んでいる。養液貯留部543内には、循環ポンプ(図示せず)が設置され、栽培液L1(養液L11)は溶存酸素を含む状態が維持される。
【0056】
タンク54の容量は、例えば、1200リットルである。この場合、廃液貯留部542には、例えば600リットルの栽培液L1(廃液L10)を溜めることができ、養液貯留部543には、例えば600リットルの新たな栽培液L1(養液L11)を溜めることができる。この場合、タンク54は、五つの栽培ユニット2の複数の栽培槽3の全ての栽培液L1の交換が可能である。
【0057】
タンク54は、その底部の形状が、栽培ユニット2の底部の形状と共通している。そのため、タンク54は、底板546の下方の脚部541間に、スタッカークレーン42のフォーク装置424の爪427を差し込むことができ、フォーク装置424を用いて、荷台423とコンベヤ装置43aとの間で載せ替え可能である。
【0058】
ホース55は、ノズル52の排出ノズルとタンク54の廃液貯留部542とを接続する排出ホース550と、ノズル52の供給ノズルとタンク54の養液貯留部543とを接続する供給ホース551と、を含む。排出ホース550の下流端は、廃液貯留部542の上部に接続され、供給ホース551の上流端は、養液貯留部543の底部分に接続されている。
【0059】
ポンプ56は、排出ホース550に接続された排出ポンプ560と、供給ホース551に接続された供給ポンプ561とを有する。本実施形態では、排出ポンプ560は、例えば、真空ポンプである。なお、排出ポンプ560は、排出ノズルと一体に設けてもよい。供給ポンプ561は、本実施形態では、底板546の上に設置されており、供給ホース551の上流側の端部に接続されている。
【0060】
排出ポンプ560を駆動することで、栽培槽3内の栽培液L1(廃液L10)を排出ノズルで吸引してタンク54の廃液貯留部542に送ることができる。また、供給ポンプを駆動することで、養液貯留部543の栽培液L1(養液L11)を供給ノズルから吐出して栽培槽3へ供給することができる。
【0061】
撮像装置57は、栽培槽3を撮像する装置であり、例えばカメラである。撮像装置57は、搬送装置4の昇降部41に設置されており、これにより、鉛直方向及び水平方向に移動可能である。本実施形態では、撮像装置57は、接続装置53の上に設置されている。
【0062】
撮像装置57は、栽培槽3に保持された植物P1を静止画又は動画で撮像して、撮像データを作業ステーションA1に設置されたモニター等の表示装置に送信する。これにより、作業ステーションA1において、各栽培槽3の植物P1の生長具合を遠隔で確認することができる。
【0063】
制御装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)等のプロセッサ及びメモリを含むコンピュータ(マイクロコンピュータを含む)を有する。制御装置は、メモリに記憶された適宜のプログラムを実行することにより、接続装置53、ポンプ56、及び撮像装置57を制御する。
【0064】
本実施形態の排出供給装置5は、各栽培槽3の定植パネル31の貫通孔311の位置を検出するセンサーを更に有している。センサーとしては、周知のセンサーが利用可能である。制御措置は、センサーの検出結果に基づいて接続装置53を制御して、ノズル52の位置を調整する。
【0065】
1.2.7 その他
本実施形態の栽培設備は、
図6に示す処理装置6を更に備える。処理装置6は、排出供給装置5のタンク54から排出された栽培液L1(廃液L10)を処理する装置である。
【0066】
処理装置6は、タンク54から排出された栽培液L1(廃液L10)を受ける受け部材60と、栽培液L1(廃液L10)中のごみを取り除くゴミ分離器61と、栽培液L1(廃液L10)をろ過するろ過器62と、を有する。処理装置6は更に、ろ過された栽培液L1(廃液L10)を殺菌して処理済液L2とする殺菌装置63と、処理済液L2を溜める処理済液タンク64と、を有する。
【0067】
受け部材60は、例えば、上下逆の角錐状の容器からなるホッパーである。受け部材60には、例えば、排出供給装置5のポンプ56を駆動して、タンク54の廃液貯留部542に溜まった栽培液L1(廃液L10)をノズル52から受け部材60に吐出することで、栽培液L1(廃液L10)が供給される。なお、タンク54の廃液貯留部542から栽培液L1(廃液L10)を受け部材60へと排出する方法は、ポンプを用いた方法に限定されない。
【0068】
ゴミ分離器61は、受け部材60の下流側(本実施形態では下側)に位置し、受け部材60を通過した栽培液L1を受けて、この栽培液L1中の植物P1の根、葉等のごみを取り除く装置である。ゴミ分離器61は、栽培液L1を受ける容器610と、容器610内に着脱可能に設置された網611,612とを有する。下側に位置する網612は、上側に位置する網611よりも目の細かい網である。
【0069】
ろ過器62は、ゴミ分離器61の下流側(本実施形態では下側)に位置し、ゴミ分離器61を通過した栽培液L1を受けて、栽培液L1をろ過する。これにより、栽培液L1に残った微細なゴミを取り除くことができる。
【0070】
殺菌装置63は、ろ過器62の下流側に位置し、ろ過器62を通過した栽培液L1を殺菌して処理済液L2とする。殺菌装置63は、例えばナノバブルを用いて栽培液L1を殺菌する。
【0071】
処理済液タンク64は、殺菌装置63の下流側に位置して、処理済液L2を貯留する。処理済液タンク64に溜めた処理済液L2は、養分や酸素を投入することで、栽培液L1(養液L11)として再利用可能となる。
【0072】
処理装置6は、栽培棟100の作業室102に設置される。処理装置6は、例えば、各階の作業室102にわたるように設置され、栽培液L1の重さを利用して自然落下させて、受け部材60から処理済液タンク64まで移動させる。この場合、処理装置6は、ポンプが不要であるため、製造コストを抑えることができる。
【0073】
本実施形態の栽培設備では、排出供給装置5によって栽培液L1を吸引してタンク54の廃液貯留部542が栽培液L1(廃液L10)で満タンになる度に、排出供給装置5を作業室102まで搬送して、処理装置6によって栽培液L1(廃液L10)の処理を行う。これにより、本実施形態の栽培設備では、従来の植物工場が備える大型の処理装置が不要となる。
【0074】
1.2.8 栽培方法
続いて、上述した栽培設備を用いて、植物P1の栽培を行う栽培方法について説明する。
【0075】
栽培方法は、搬入工程S1、栽培工程S2、搬出前排出工程S3、搬出工程S4、及び作業工程S5を備える。
【0076】
搬入工程S1は、植物P1と栽培液L1を保持する複数の栽培槽3が設置された複数の栽培ユニット2を、搬送装置4を用いて、収納棚1に収納する工程である。このとき、栽培ユニット2の各支持板20には、栽培液L1(養液L11)が入ってない状態の複数の栽培槽3が設置されている。搬入工程S1では、栽培ユニット2の複数の栽培槽3に栽培液L1が入っていないため、搬送時に、各栽培槽3から栽培液L1がこぼれ落ちることがなく、搬送速度を上げることができて、搬送効率を高めることができる。
【0077】
栽培工程S2は、収納棚1に収納された複数の栽培ユニット2の複数の栽培槽3の植物P1の栽培を行う工程である。栽培工程S2は、複数の栽培ユニット2の複数の栽培槽3に対して栽培液L1(養液L11)を供給する供給工程S20と、複数の栽培ユニット2の複数の栽培槽3から栽培液L1(廃液L10)を排出する排出工程S21と、を含む。
【0078】
供給工程S20では、搬送装置4のスタッカークレーン42によって、排出供給装置5を対象の栽培ユニット2の付近まで移動させる。次いで、排出供給装置5の接続装置53によってノズル52を動かして、ノズル52の先端部を、対象の栽培ユニット2の栽培槽3の定植パネル31の貫通孔311に差し込む。次いで、排出供給装置5のポンプ56(供給ポンプ561)を駆動して、養液貯留部543内の栽培液L1(養液L11)をノズル52から吐出し、対象の栽培ユニット2の栽培槽3のトレイ30内に所定量の栽培液L1(養液L11)を溜める。供給工程S20では、上記のようにして、対象の栽培ユニット2の複数の栽培槽3の全てに対して、栽培液L1の供給を行う。
【0079】
排出工程S21は、対象の栽培ユニット2の栽培槽3から栽培液L1(含有養分が減少した廃液L10)を排出する工程である。排出工程S21では、供給工程S20と同様に、ノズル52の先端部を、対象の栽培ユニット2の栽培槽3の定植パネル31の貫通孔311に差し込む。次いで、排出供給装置5のポンプ56(排出ポンプ560)を駆動して、トレイ30内の栽培液L1(廃液L10)をノズル52から吸引し、タンク54の廃液貯留部542に送る。排出工程S21では、上記のようにして、対象の栽培ユニット2の複数の栽培槽3の全てに対して、栽培液L1(廃液L10)の排出を行う。
【0080】
栽培工程S2では、供給工程S20を1度行った後、植物P1の成長速度に応じて、排出工程S21と供給工程S20のセットを繰り返し行う。このセットは、対象の栽培ユニット2に対して、例えば、1週間おきに行われる。
【0081】
栽培工程S2において、排出供給装置5のタンク54の廃液貯留部542が栽培液L1(廃液L10)で満タンになるか、養液貯留部543中の栽培液L1(養液L11)が空になるか、またはその両方の場合に、搬送装置4によって排出供給装置5が栽培室101から作業室102へ搬送される。作業室102では、タンク54の廃液貯留部542の栽培液L1(廃液L10)の処理装置6への排出と、養液貯留部543への栽培液L1(養液L11)の補給のうち少なくとも一方が行われる。
【0082】
栽培工程S2では、収納棚1の送電部12から各栽培ユニット2の受電部23へ電力が供給される。これにより、各栽培ユニット2の照射装置22のLEDランプ220から、各栽培ユニット2の複数の栽培槽3が保持する複数の植物P1に向けて、育成用の光が照射され、栽培液L1が溜められた各栽培槽3において植物P1の栽培が促進される。
【0083】
本実施形態では、栽培工程S2は、撮像装置57で撮像した植物P1の生長具合を確認する確認工程S22を含む。供給工程S20及び排出工程S21において、対象の栽培ユニット2の栽培槽3に保持された植物P1が、撮像装置57によって撮像される。撮像装置57によって撮像された静止画又は動画は、作業ステーションA1の表示装置に送信されて、作業ステーションA1において確認することができる。
【0084】
搬出前排出工程S3は、対象の栽培ユニット2に設置された複数の栽培槽3の全てから、栽培液L1を排出する工程である。搬出前排出工程S3は、供給工程S20の後に行われる。
【0085】
詳しくは、搬出前排出工程S3では、上述した排出工程S21と同様の方法で、対象の栽培ユニット2の複数の栽培槽3の全てに対して、栽培液L1の排出を行う。なお、このときに吸引する栽培液L1は、含有養分が減少した廃液L10に限らず、含有養分を多く含む養液L11である場合もある。
【0086】
搬出工程S4は、搬出前排出工程S3の後に行われる。搬出工程S4は、栽培液L1が排出された対象の栽培ユニット2を、搬送装置4を用いて、収納棚1から作業ステーションA1に搬出する工程である。
【0087】
詳しくは、搬出工程S4では、搬送装置4のスタッカークレーン42によって、収納棚1から対象の栽培ユニット2を抜き出す。対象の栽培ユニット2は、スタッカークレーン42によって栽培室101内のコンベヤ装置43aまで搬送され、コンベヤ装置43aの上に載せられる。栽培室101内のコンベヤ装置43aによって対象の栽培ユニット2は搬送され、作業室102内のコンベヤ装置43bに渡される。このとき、栽培棟100の壁103の自動扉105が自動的に開く。自動扉105は、対象の栽培ユニット2の全体が作業室102内のコンベヤ装置43bに載せられると、出入口104を自動的に閉じる。
【0088】
搬出工程S4では、栽培ユニット2の複数の栽培槽3に栽培液L1が略入っていないため、搬送時に各栽培槽3から栽培液L1がこぼれ落ちることを抑制でき、搬送速度を上げることができて、搬送効率を高めることができる。また、搬出工程S4では、搬送時の振動によって、各栽培槽3の定植パネル31に保持された植物P1の根部分から栽培液L1をトレイ30に落下させることができる。
【0089】
作業工程S5は、作業ステーションA1に搬送された対象の栽培ユニット2の複数の栽培槽3に対して、各種の作業を行う工程である。
【0090】
作業工程S5では、例えば、対象の栽培ユニット2の複数の栽培槽3に保持された植物P1を収穫する。このとき、植物P1は、例えば、葉の部分と根の部分との境界部分を切断して、葉の部分だけ収穫する。本実施形態では、栽培ユニット2の搬送時に各栽培槽3に栽培液L1が入っていないため、搬送時に栽培液L1が葉の部分にかかることを防いで、植物P1の葉部分の洗浄に必要な水量が増加することを防ぐことができる。
【0091】
植物P1の葉部分の収穫が完了した栽培槽3は、トレイ30から定植パネル31を取り外して、トレイ30内から植物P1の切断された根部分や残った栽培液L1を取り出し、トレイ30と定植パネル31を洗浄する。これにより、トレイ30と定植パネル31は、再利用可能となる。
【0092】
作業工程S5では、他にも、対象の栽培ユニット2の複数の栽培槽3に保持された植物P1の成長具合を検査する作業や、対象の栽培ユニット2の複数の栽培槽3が有する定植パネル31を、他の定植パネル31に交換する作業が行われる。
【0093】
1.2.9 作用効果
以上説明した本実施形態の栽培設備では、栽培室101内において移動自在であり、収納棚1内の複数の栽培ユニット2の複数の栽培槽3に対して栽培液L1の供給と排出を行うことができる排出供給装置5(排出装置50と供給装置51)を備える。
【0094】
そのため、本実施形態の栽培設備では、栽培液L1を供給又は排出するための多数の配管や大型のポンプを収納棚1に設置する必要がなくて、設備の複雑化や大型化を防ぐことができる。したがって、本実施形態の栽培設備では、収納棚1を高層化しやすくて、単位面積当たりの収穫量を増やしやすい。
【0095】
また、本実施形態の栽培設備では、搬送装置4によって収納棚1と作業ステーションA1との間で栽培ユニット2を搬送する際に、栽培ユニット2の複数の栽培槽3を栽培液L1が入ってない又は略入っていない状態にしておくことができる。
【0096】
そのため、本実施形態の栽培設備では、搬送時の栽培ユニット2の重量を抑えることができて、搬送装置4にかかる負荷を抑制することができる。また、本実施形態の栽培設備では、搬送装置4によって栽培ユニット2を搬送する際に液漏れの心配が無いため、搬送装置4による栽培ユニット2の搬送速度を上げることができて、単位時間当たりの収穫量の向上を図ることができる。
【0097】
また、本実施形態の栽培設備では、搬送時の栽培ユニット2の各栽培槽3からの液漏れを防ぐことができるため、収納棚1や栽培ユニット2や搬送装置4や搬送通路が栽培液L1で汚れることを抑制することができる。
【0098】
また、本実施形態の栽培設備では、栽培ユニット2を搬送する搬送装置4によって、排出供給装置5を移動させることができるため、排出供給装置5を移動させるための装置が別途必要とならず、設備コストを抑えることができる。
【0099】
また、本実施形態の栽培設備では、栽培液L1の排出を行う排出装置50と栽培液L1の供給を行う供給装置51とが一つの排出供給装置5によって構成されているため、栽培ユニット2内の各栽培槽3に対して、栽培液L1の交換をまとめて行えて、作業性の向上を図ることができる。
【0100】
また、本実施形態の栽培設備では、栽培液L1の交換のために収納棚1と作業ステーションA1との間で栽培ユニット2を繰り返し搬送する場合に比べて、栽培ユニット2の搬送回数を減らすことができる。
【0101】
1.3 変形例
続いて、本実施形態の栽培設備の変形例について説明する。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0102】
排出装置50と供給装置51は、1つの排出供給装置5で構成されなくてもよく、別々の装置であってもよい。この場合、排出装置50と供給装置51のそれぞれは、排出供給装置5と共通する構造に設けられる。つまり、排出装置50は、ノズル52(排出ノズルに相当する部分)、接続装置53、タンク54(廃液貯留部542に相当する部分)、ホース55(排出ホース550に相当する部分)、ポンプ56(排出ポンプ560に相当する部分)、撮像装置57及び制御装置を有する。供給装置51は、ノズル52(供給ノズルに相当する部分)、接続装置53、タンク54(養液貯留部543に相当する部分)、ホース55(供給ホース551に相当する部分)、ポンプ56(供給ポンプ561に相当する部分)、撮像装置57及び制御装置を有する。
【0103】
排出供給装置5は、搬送装置4によって搬送されるのではなく、搬送装置4とは別の装置によって搬送されてもよい。また、排出装置50と供給装置51が別々に設けられる場合、排出装置50と供給装置51とは、搬送装置4とは別の装置によってそれぞれ搬送されてもよい。
【0104】
また、搬送装置4は、上述したスタッカークレーン42とコンベヤ装置43a,43bとの組み合わせに限定されない。搬送装置4は、例えば、スタッカークレーン42に代えて、吊り下げ式の搬送装置を有してもよい。また、搬送装置4は、栽培室101に設置されるコンベヤ装置43aを有さなくてもよく、スタッカークレーン42が収納棚1とコンベヤ装置43bとの間で栽培ユニット2を搬送してもよい。
【0105】
また、栽培設備は、撮像装置57を備えなくてもよく、植物P1の生長具合の確認は、栽培ユニット2を作業ステーションA1に搬送した際に行ってもよい。
【0106】
また、撮像装置57は、昇降部41に設置され、複数の栽培槽3を撮像するものであればよく、撮像装置57の設置位置は、接続装置53上に限らず、その他の部分であってもよい。
【0107】
栽培ユニット2は、上述した構造に限定されない。栽培ユニット2は、例えば、
図7に示す変形例1のように、各栽培槽3の定植パネル31の貫通孔311へのノズル52の挿入をガイドするガイド部材24を更に備えてもよい。ガイド部材24は、各段の支持板20の方向D1の片側(搬送通路側)の端面に固定されている。栽培ユニット2は、二つのガイド部材24を備える。二つのガイド部材24は、方向D1に間隔をおいて位置する。二つのガイド部材24の配置は、支持板20上に配置される二つの栽培槽3の位置に対応している。
【0108】
詳しくは、ガイド部材24は、方向D3に延びた板状の本体部240と、本体部240に設けられた複数の貫通孔241と、本体部240の下部が収まる水受け容器242と、を有する。本体部240の方向D1の両端部は、方向D1の中央部に対して傾いており、方向D1の端縁側ほど間隔が拡がっている。
【0109】
本体部240の方向D1の中央部に、複数の貫通孔241が、方向D3に間隔をおいて形成されている。複数の貫通孔241は、栽培ユニット2の各段の支持板20上に設置された各栽培槽3の定植パネル31の貫通孔311に対して、所定の位置関係となるように、その配置が設定されている。水受け容器242は、ノズル52の挿入時または抜出時の液漏れを受ける。
【0110】
排出供給装置5の制御装置は、例えば、センサーによって貫通孔241を検出したときに、貫通孔241と定植パネル31の貫通孔311に対して、ノズル52が一直線上に位置するように、ノズル52の位置を制御する。次いで、制御装置は、ノズル52を直線状に移動させることで、ノズル52をガイド部材24の貫通孔241と定植パネル31の貫通孔311に通過させて、トレイ30内に挿入することができる。
【0111】
また、栽培ユニット2は、
図8A及び
図8Bに示す変形例2のように、方向D3(上下方向)に間隔をおいて並んだ複数の支持板20を有する第一ユニット25と、第一ユニット25と組み合わせ可能であり、複数の照射装置22を有する第二ユニット26と、を有してもよい。
【0112】
第一ユニット25は、実施形態1の栽培ユニット2と構造が略共通しており、複数の照射装置22と受電部23を有していない。つまり、第一ユニット25は、方向D3に間隔をあけて並ぶ複数(五つ)の支持板20と、複数の支持板20を支持する複数(四つ)の支柱21と、を有する。複数の支持板20のそれぞれは、下側と側方(方向D2の片側)に開口した扁平な矩形の箱型である。
【0113】
第二ユニット26は、方向D1に間隔をおいて位置する二つの支柱260と、二つの支柱260の間に架け渡され、方向D3に間隔をおいて配置された複数の連結材261と、複数の連結材261のそれぞれに一端が固定され、方向D2に間隔をおいて配置された二つの支持材262と、を有する。各段の二つの支持材262に、照射装置22が架け渡されて支持されている。複数の連結材261と一対の支持材262は、第一ユニット25の複数の支持板20のうち最下段を除く残りの支持板20のそれぞれに対応する高さに、照射装置22を支持するように構成されている。
【0114】
第二ユニット26は、複数の照射装置22に接続された電源コード263を有する。電源コード263は、収納棚1に設けられた給電コードやコンセント等の給電部(図示せず)に機械的かつ電気的に接続される。
【0115】
第二ユニット26は、収納棚1に対して適宜の固定手段で固定されることで、棚部材10上に起立した状態で設置される。なお、第二ユニット26は、収納棚1の棚部材10上に自立するように設けられてもよい。
【0116】
第一ユニット25と第二ユニット26とを組み合わせた状態で、第二ユニット26の各段の照射装置22は、第一ユニット25の各段の支持板20内に配される。第一ユニット25は、搬送装置4によって収納棚1に搬入される際、第二ユニット26と組み合わさる位置に搬送される。
【0117】
第一ユニット25と第二ユニット26とは、支柱21,260を方向D2に重ねて配置した状態で、ボルト・ナット等の固定具で支柱21,260を連結することで、一体化させることができる。このように一体化させることで、搬送装置4を用いて第一ユニット25と第二ユニット26とをまとめて搬送することができる。
【0118】
変形例2の栽培ユニット2では、搬送装置4によって栽培ユニット2のうち第一ユニット25だけを搬送でき、照射装置22を有する第二ユニット26は収納棚1に残しておくことができる。そのため、変形例2の栽培ユニット2では、実施形態1の栽培ユニット2のような非接触給電を行う構造が不要であり、給電時に不具合が生じることを抑制でき、また、製造コストを抑えることができる。
【0119】
また変形例2の栽培ユニット2では、複数の照射装置22が設置された第二ユニット26を収納棚1に固定するだけで、収納棚1に複数の照射装置22をまとめて設置することができ、収納棚1に照射装置22を一つ一つ設置する施工が省略できる。
【0120】
また、排出供給装置5は、上述した構造のものに限定されない。例えば、排出供給装置5は、ノズル52を複数(詳しくは1つの栽培ユニット2の栽培槽3の数と同数)備えてもよく、一つの栽培ユニット2に設置された複数の栽培槽3に対して栽培液L1の交換を同時に行ってもよい。
【0121】
また、栽培ユニット2は、
図9に示す変形例3のように、実施形態1の栽培ユニット2の構成に加えて、ユニット用タンク27、供給管28、及び排出管29を更に有してもよい。
【0122】
ユニット用タンク27は、栽培液L1を溜めるタンクである。供給管28は、ユニット用タンク27と複数の栽培槽3とを接続し、複数の栽培槽3へユニット用タンク27内の栽培液L1を供給する。排出管29は、ユニット用タンク27と複数の栽培槽3とを接続し、複数の栽培槽3内の栽培液L1をユニット用タンク27に排出する。
【0123】
接続装置53の接続対象は、本実施形態では、ユニット用タンク27である。ユニット用タンク27は、栽培ユニット2の複数の支持板20のうち最下段の支持板20上に設置されている。ユニット用タンク27は、栽培液L1が溜まる内部空間とユニット用タンク27の外部空間とをつなぐ排出供給口270を有する。排出供給装置5のノズル52は、排出供給口270に挿入される。
【0124】
供給管28は、複数の栽培槽3のそれぞれとユニット用タンク27とを接続している。本実施形態では、供給管28は、例えば、直線状の主管280と、主管280に連通する複数のL字状の接続管281と、主管280とユニット用タンク27とに連通する連結管282と、を有する。連結管282には、ポンプ283が接続されている。ポンプ283は、栽培ユニット2の複数の支持板20のうち最下段の支持板20上に設置されている。接続管281の数は、栽培ユニット2に設置された複数の栽培槽3の数と同じである。複数の接続管281の下流側の端部は、複数の栽培槽3の定植パネル31の貫通孔311に一対一に挿入されている。ポンプ283を駆動することによって、ユニット用タンク27内の栽培液L1が、複数の接続管281のそれぞれから複数の栽培槽3内に供給される。
【0125】
排出管29は、複数の栽培槽3のそれぞれとユニット用タンク27とを接続している。本実施形態では、排出管29は、供給管28よりも太い管で構成されている。本実施形態では、排出管29は、例えば、直線状の主管290と、主管290に連通する複数のL字状の接続管291と、最下部の接続管291とユニット用タンク27とを連通する連結管292と、を有する。接続管291の数は、栽培ユニット2に設置された複数の栽培槽3の数と同じである。
【0126】
複数の接続管291の上流側の端部は、複数の栽培槽3のトレイ30の底壁に設けた排出口300に接続されている。排出口300は、栽培槽3において貫通孔311とは反対側の端部に位置する。各接続管291の上流端(上端)は、トレイ30の底面から所定の高さ(例えば50mm)に位置する。この高さは、栽培する植物の種類等によって適宜設定される。トレイ30には、接続管291の上端の高さまで栽培液L1が溜めることができる。接続管291の上端の高さを越えた栽培液L1は、接続管291の上端開口に流入して、ユニット用タンク27へと排出される。つまり、各接続管291のうちトレイ30内に位置する部分(上流側の端部)は、オーバーフロー管を構成している。
【0127】
また、各接続管291のうちトレイ30内に位置する部分の最下部には、少なくとも一つの排出孔が設けられている。トレイ30内の栽培液L1は、この排出孔を通じて常時ユニット用タンク27へと排出される。
【0128】
変形例3の栽培ユニット2では、ユニット用タンク27内の栽培液L1が、供給管28から複数の栽培槽3のそれぞれに供給されつつ、複数の栽培槽3内の栽培液L1が、排出管29からユニット用タンク27内へ排出される。これにより、複数の栽培槽3内には、接続管291の上端の高さまで栽培液L1が溜められた状態を維持できる。
【0129】
供給管28からの栽培液L1の供給を停止すると、各栽培槽3のトレイ30内の栽培液L1の全て又は略全てが接続管291の排出孔を通じてユニット用タンク27へと排出され、これにより、各栽培槽3を栽培液L1が入っていない又は略入っていない状態とすることができる。
【0130】
変形例3の栽培ユニット2では、排出供給装置5のノズル52は、ユニット用タンク27の排出供給口270に接続される。排出供給装置5によってユニット用タンク27内の栽培液L1(廃液L10)の排出と、ユニット用タンク27内への新たな栽培液L1(養液L11)の供給が行われる。排出供給装置5による栽培液L1の交換(排出と供給)は、ユニット用タンク27内の栽培液L1の含有養分が所定値以下に減少したと推測される期間毎(例えば1週間おき)に実施される。
【0131】
以上説明した変形例3の栽培ユニット2では、排出供給装置5のノズル52を複数の栽培槽3のそれぞれに接続する必要がないため、栽培液L1の排出及び供給にかかる時間の短縮化が図れる。
【0132】
また、変形例3の栽培ユニット2では、供給管28及び排出管29として、1つの栽培ユニット2に設置される複数の栽培槽3の数に対応した比較的細い管を利用することができ、また、ポンプ283として比較的容量の小さいポンプを用いることができる。そのため、変形例3の栽培ユニット2を備えた栽培設備では、従来例のように収納棚1に太い配管や大容量のポンプを設ける場合に比べて、設備の拡大化を抑えることができる。
【0133】
また、変形例3の栽培ユニット2は、搬送装置4によって収納棚1と作業ステーションA1との間で搬送できるため、ユニット用タンク27、供給管28、排出管29、及びポンプ283等のメンテナンスが行いやすい。
【0134】
また、変形例3の栽培ユニット2では、搬送装置4によって搬送する際に、複数の栽培槽3及びユニット用タンク27内に栽培液L1が入ってない又は略入っていない状態とすることができて、搬送時の液漏れを抑制することができる。
【0135】
2.実施形態2
続いて、
図10から
図14に示す実施形態2の栽培設備について説明する。以下では、実施形態2の栽培設備について、実施形態1の栽培設備と共通する構成については図中に同一の符号を付けて詳しい説明を省略し、実施形態1の栽培設備とは異なる構成については詳しく説明する。
【0136】
2.1 詳細
実施形態2の栽培設備は、
図10から
図12に示す排出装置50と、
図13及び
図14に示す供給装置51とを備える。排出装置50と供給装置51とは、一つの排出供給装置5によって構成されておらず、互いに別々の装置である。
【0137】
図12に示すように、排出装置50は、実施形態1の排出供給装置5と構造の一部が共通している。排出装置50は、栽培液L1(廃液L10)の排出を行うノズル52aと、ノズル52aを接続対象に接続する接続装置53aと、栽培液L1を溜めるタンク54aと、タンク54aとノズル52aを接続するホース55aと、を有する。排出装置50は更に、栽培液L1(廃液L10)を吸引するためのポンプ56aと、栽培槽3を撮像する撮像装置57aと、接続装置53a、ポンプ56a及び撮像装置57aを制御する制御装置(図示せず)と、を備える。排出装置50は更に、ホース55aを自動的に巻き取る巻き取り装置58aと、台59aと、を備える。台59aの上には、排出装置50のうちタンク54aと台59aを除いた残りの構成の全て(ノズル52a、接続装置53a、ホース55a、ポンプ56a、撮像装置57a、巻き取り装置58a及び制御装置)が設置されており、ノズルユニットを構成している。
【0138】
排出装置50の、ノズル52a、接続装置53a、タンク54a、ホース55a、ポンプ56a、撮像装置57a、及び制御装置は、実施形態1の排出供給装置5の、ノズル52の排出ノズル、接続装置53、タンク54の廃液貯留部542に相当する部分、排出ホース550、排出ポンプ560、撮像装置57、及び制御装置と構造が共通している。
【0139】
巻き取り装置58aは、例えば、ホース55aが巻き付けられるドラムと、ホース55aを巻き取る方向にドラムを回転させる付勢手段とを有する。ホース55aは、付勢手段による付勢力に抗して引っ張ることで、巻き取り装置58aから引き出すことができる。
【0140】
搬送装置4が備えるスタッカークレーン42は、荷台423と一体であり、フレーム421の外側において荷台423と共に昇降するノズル設置部428と、フレーム421の底部と一体であり、フレーム421の外側に位置して走行レール420上を走行するタンク設置部429とを更に有する。ノズル設置部428は、タンク設置部429の上方に位置する。ノズル設置部428は、荷台423とともに昇降部41を構成する。タンク設置部429は、フレーム421とともに水平移動部40を構成する。なお、
図10から
図12では、昇降装置425の図示を省略している。
【0141】
ノズル設置部428(つまり昇降部41)には、排出装置50のノズルユニットが、着脱可能に設置される。タンク設置部429(つまり水平移動部40)には、排出装置50のタンク54aが着脱可能に設置される。ノズル設置部428には、荷台423と同様にフォーク装置(図示せず)が設けられる。なお、ノズル設置部428に設けるフォーク装置は、荷台423に設けるフォーク装置424に対して小型である。このフォーク装置によって、ノズル設置部428には、排出装置50のノズルユニットを乗せ降ろしすることができる。
【0142】
スタッカークレーン42が排出装置50のノズルユニットを水平方向及び上下方向に移動させる際に、巻き取り装置58aによってホース55aが自動的に巻き取られることで、ホース55aがたわむことが抑制される。これにより、ホース55aの一部が、走行レール420とタンク設置部429との間に挟み込まれることや、収納棚1やスタッカークレーン42のフレーム421に衝突することが抑えられる。
【0143】
搬送装置4には、排出装置50に代えて、供給装置51を載せ替え可能である。
【0144】
図13及び
図14に示すように、供給装置51は、排出装置50と構造の一部が共通している。供給装置51は、栽培液L1(養液L11)の供給を行うノズル52bと、ノズル52bを接続対象に接続する接続装置53bと、後述するタンク7とノズル52bを接続するホース55bと、を有する。供給装置51は更に、栽培槽3を撮像する撮像装置57bと、接続装置53b及び撮像装置57bを制御する制御装置(図示せず)と、ホース55bを自動的に巻き取る巻き取り装置58bと、台59bと、を備える。台59b上には、供給装置51の残りの構成の全て(ノズル52b、接続装置53b、ホース55b、撮像装置57b、巻き取り装置58b、及び制御装置)が設置されており、ノズルユニットを構成している。
【0145】
供給装置51のノズル52b、接続装置53b、ホース55b、撮像装置57b、制御装置、巻き取り装置58b、及び台59bは、排出装置50のノズル52a、接続装置53a、ホース55a、撮像装置57a、制御装置、巻き取り装置58a、及び台59aと構造が共通している。
【0146】
本実施形態では、供給装置51は、ポンプ及びタンク(詳しくは搬送装置4によって搬送されるタンク)を有してない。なお、供給装置51は、ホース55bの一部に、真空ポンプ等の小型のポンプを有してもよい。
【0147】
ノズル設置部428(つまり昇降部41)には、供給装置51のノズルユニットが、着脱可能に設置される。ノズル設置部428に設けられたフォーク装置によって、ノズル設置部428には、供給装置51のノズルユニットは乗せ降ろしすることができる。
【0148】
実施形態2の栽培設備は、収納棚1に設置され、栽培液L1(養液L11)を溜めるタンク7と、タンク7に接続され、新たな栽培液L1をタンク7に供給する供給管70と、を更に備える。
【0149】
タンク7は、収納棚1の複数の収納エリアA2のうちの一つに設置される。本実施形態では、タンク7は、収納棚1が有する複数の収納エリアA2のうち、方向D1の一端部でありかつ最上部に位置する収納エリアA2に、設置されている。
【0150】
タンク7の底部には、ホース55bが着脱可能に接続されている。また、タンク7の底部には、供給管70の下流側の端部が着脱可能に接続されている。供給管70の上流側の端部は、新たな栽培液L1(養液L11)が溜められた養液タンク(図示せず)に接続されている。供給管70の一部にはポンプが設けられている。
【0151】
また、タンク7には、水位センサー(図示せず)が設けられている。水位センサーの検出結果に応じて、供給管70に設けられたポンプは、駆動と停止が切替制御される。
【0152】
これにより、タンク7には、供給管70から供給される新たな栽培液L1(養液L11)を所定量溜めることができる。タンク7内の栽培液L1は、ホース55bを通じてノズル52bへと流れる。これにより、ノズル52bから新たな栽培液L1を吐出することができる。
【0153】
なお、供給装置51は、ノズル52bからの新たな栽培液L1の供給と供給停止とを切り替える切替機構を更に有する。切替機構は、例えば、ノズル52bに設けられる電動弁やポンプであり、制御装置によって制御される。
【0154】
実施形態2の栽培設備では、収納棚1には、供給装置51のノズルユニットを載せることが可能な待機部13が設けられている。待機部13は、本実施形態では、収納棚1の方向D1の一端部から方向D1の外側に向けて突出した延長棚130で構成されている。なお、待機部13は、収納棚1が有する棚部材10のうち、タンク7が設置される部分に対して、方向D3又は方向D1に隣接する部分で構成されてもよく、この場合、収納エリアA2の一つに、供給装置51のノズルユニットが収納される。
【0155】
待機部13に供給装置51を設置することで、搬送装置4によって栽培ユニット2を搬送する際に、供給装置51のホース55bが移動の妨げとなることを抑制することができる。
【0156】
なお、供給管70は、タンク7内の栽培液L1を排出する排出管としての利用も可能である。この場合、供給管70の一部(ポンプよりもタンク7側の部分)には分岐した分岐管が設けられ、分岐管にはバルブが設けられる。ポンプを停止し、バルブを開くことで、タンク7内の栽培液L1は供給管70を通じて、例えば養液タンクへと排出することができる。供給管70を通じてタンク7内の栽培液L1を排出することで、タンク7を栽培液L1が入っていない状態とすることができる。タンク7は、ホース55bと供給管70を取り外すことで、搬送装置4によって移動させることも可能である。これにより、タンク7の洗浄等のメンテナンスを、作業ステーションA1にて行うことができる。
【0157】
2.2 栽培方法
続いて、上述した栽培設備を用いて、植物P1の栽培を行う栽培方法について説明する。以下では、実施形態1の栽培設備を用いた栽培方法と異なる部分について詳しく説明する。
【0158】
供給工程S20では、搬送装置4のスタッカークレーン42によって、供給装置51のノズルユニットを対象の栽培ユニット2の付近まで移動させる。次いで、タンク7内の栽培液L1(養液L11)をノズル52bから吐出し、対象の栽培ユニット2の栽培槽3のトレイ30内に所定量の栽培液L1(養液L11)を溜める。対象の栽培ユニット2に対する栽培液L1の吐出(供給)が完了したら、スタッカークレーン42のノズル設置部428から、供給装置51のノズルユニットを待機部13上に移動させる。
【0159】
排出工程S21では、ノズル設置部428に排出装置50のノズルユニットを設置し、タンク設置部429に排出装置50のタンク54aを設置する。次いで、排出工程S21では、搬送装置4のスタッカークレーン42によって、排出装置50のノズルユニットを対象の栽培ユニット2の付近まで移動させ、排出装置50のノズル52aを、対象の栽培ユニット2の栽培槽3の定植パネル31の貫通孔311に差し込む。次いで、排出装置50のポンプ56bを駆動して、栽培槽3のトレイ30内の栽培液L1(廃液L10)をノズル52aから吸引し、タンク54aに送る。
【0160】
排出工程S21において、排出装置50のタンク54aが栽培液L1(廃液L10)で満タンになれば、搬送装置4によって排出装置50を栽培室101から作業室102へ搬送する。作業室102では、タンク54aの栽培液L1(廃液L10)の処理装置6への排出が行われる。対象の栽培ユニット2に対する栽培液L1の吸引(排出)が完了したら、ノズル設置部428から排出装置50のノズルユニットを移動させ、タンク設置部429から排出装置50のタンク54aを移動させる。
【0161】
搬出前排出工程S3では、上述した排出工程S21と同様の方法で、排出装置50を用いて、対象の栽培ユニット2の複数の栽培槽3の全てに対して、栽培液L1の排出を行う。
【0162】
搬出工程S4では、栽培液L1が排出された対象の栽培ユニット2を、搬送装置4を用いて、収納棚1から作業ステーションA1に搬出する工程である。ここで、搬送装置4としては、ノズル設置部428に、排出装置50又は供給装置51のノズルユニットがいずれも設置されておらず、かつタンク設置部429に排出装置50のタンク54aが設置されていない状態のものを用いる。
【0163】
2.3 作用効果
以上説明した本実施形態の栽培設備は、栽培室101内において移動自在であり、収納棚1内の複数の栽培ユニット2の複数の栽培槽3に対して栽培液L1の供給と排出を行うことができる排出装置50と供給装置51を備える。
【0164】
そのため、本実施形態の栽培設備では、栽培液L1を供給又は排出するための多数の配管や大型のポンプを収納棚1に設置する必要がなくて、設備の複雑化や大型化を防ぐことができる。したがって、本実施形態の栽培設備では、収納棚1を高層化しやすくて、単位面積当たりの収穫量を増やしやすい。
【0165】
また、本実施形態の栽培設備では、搬送装置4によって収納棚1と作業ステーションA1との間で栽培ユニット2を搬送する際に、栽培ユニット2の複数の栽培槽3を栽培液L1が入ってない又は略入っていない状態にしておくことができる。
【0166】
そのため、本実施形態の栽培設備では、搬送時の栽培ユニット2の重量を抑えて、搬送装置4にかかる負荷を抑制することができる。また、本実施形態の栽培設備では、搬送時の栽培ユニット2の液漏れの心配が無いため、栽培ユニット2の搬送速度を上げることができて、単位時間当たりの収穫量の向上を図ることができる。
【0167】
また、本実施形態の栽培設備では、栽培ユニット2を搬送する搬送装置4によって、排出装置50と供給装置51のそれぞれを移動させることができるため、搬送装置が別途必要とならず、設備コストを抑えることができる。
【0168】
また、本実施形態の栽培設備では、排出装置50のうち重量の大きいタンク54aは水平移動のみ行い上下移動は行わないため、搬送時のスタッカークレーン42の昇降装置(図示せず)にかかる負荷を抑えることができる。
【0169】
また、本実施形態の栽培設備では、排出装置50のうちタンク54a以外の比較的軽量な部分(つまりノズルユニット)のみを昇降させるため、これらの昇降速度を向上させやすくて、栽培液L1の排出の作業効率を向上させることができる。
【0170】
また、本実施形態の栽培設備では、重量の大きいタンク7は収納棚1に設置されて移動しないため、搬送時のスタッカークレーン42の走行装置426及び昇降装置(図示せず)にかかる負荷を抑えることができる。
【0171】
また、本実施形態の栽培設備では、タンク7に比べて軽量な供給装置51のノズルユニットのみを昇降させるため、これらの昇降速度を向上させやすくて、栽培液L1の供給の作業効率を向上させることができる。
【0172】
また、本実施形態の栽培設備では、タンク7内には供給管70から新たな栽培液L1(養液L11)を自動的に供給することができるため、搬送装置4によるタンク7の移動が不要であり、この分だけ搬送効率の向上を図ることができる。
【0173】
また、本実施形態の栽培設備では、タンク7を収納棚1の最上部の収納エリアA2に配置しているため、タンク7から新たな栽培液L1(養液L11)をノズル52bに送る際に、タンク7に溜まった新たな栽培液L1の重さを利用でき、ポンプを省略又は小型化することができる。
【0174】
2.4 変形例
以上説明した実施形態2の栽培設備は、下記の変形例を採用可能である。
【0175】
実施形態2の栽培設備は、上述した実施形態1の栽培設備と同様の変形例を採用可能である。
【0176】
また、
図12に示す排出装置50は、実施形態1の排出供給装置5と同様に、新たな栽培液L1(養液L11)を供給する機能を更に有してもよい。また、
図13及び
図14に示す供給装置51及びタンク7は、実施形態1の排出供給装置5と同様に、栽培液L1(廃液L10)を排出する機能を更に有してもよい。これらの場合、実施形態2の栽培設備は、排出装置50と、供給装置51及びタンク7のうち、いずれか一方のみを有すればよい。
【0177】
3.まとめ
上述した実施形態及びその変形例の栽培設備のように、第一態様の栽培設備は、下記の構成を備える。
【0178】
すなわち、第一態様の栽培設備は、収納棚1と、収納棚1に収納され、植物P1と栽培液L1を保持する複数の栽培槽3とを備える。第一態様の栽培設備は更に、排出装置50と、供給装置51と、を備える。排出装置50は、複数の栽培槽3間で移動可能であり、複数の栽培槽3のそれぞれに対して栽培液L1の排出を行う。供給装置51は、複数の栽培槽3間で移動可能であり、複数の栽培槽3のそれぞれに対して栽培液L1の供給を行う。
【0179】
上記構成を備える第一態様の栽培設備では、収納棚1に収納された各栽培槽3に対して、排出装置50によって各栽培槽3内の栽培液L1を排出することができ、また、供給装置51によって各栽培槽3に栽培液L1を供給することができる。そのため、第一態様の栽培設備では、収納棚1に栽培液L1を供給又は排出するための多数の配管や大型のポンプを設置する必要がなく、設備の複雑化や大型化を防ぐことができて、収納棚1を高層化しやすくて、単位面積当たりの収穫量を増やしやすい。また、第一態様の栽培設備では、収納棚1と各種の作業を行うための作業ステーションA1との間で複数の栽培槽3を搬送する場合に、複数の栽培槽3を栽培液L1が入っていない又は略入っていない状態にしておくことができる。そのため、第一態様の栽培設備では、搬送時の各栽培槽3の重量を抑えて、搬送の負荷の軽減を図ることができ、また、搬送時の各栽培槽3からの液漏れも防ぐことができる。
【0180】
また、上述した実施形態及びその変形例の栽培設備のように、第二態様の栽培設備は、第一態様の栽培設備の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0181】
すなわち、第二態様の栽培設備は、収納棚1に収納され、複数の栽培槽3が設置される複数の栽培ユニット2と、複数の栽培ユニット2のうち少なくとも1つの栽培ユニット2を、収納棚1と収納棚1から離れた作業ステーションA1との間で、搬送する搬送装置4を更に備える。排出装置50と供給装置51は、搬送装置4によって搬送される。
【0182】
上記構成を備える第二態様の栽培設備では、栽培ユニット2を搬送する搬送装置4によって排出装置50と供給装置51を搬送できるため、搬送装置が別途必要とならず、設備コストを抑えることができる。
【0183】
また、上述した実施形態及びその変形例の栽培設備のように、第三態様の栽培設備は、第二態様の栽培設備の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0184】
すなわち、第三態様の栽培設備では、排出装置50と供給装置51は、栽培液L1の排出と供給の両方を行う一つの排出供給装置5で構成されている。
【0185】
上記構成を備える第三態様の栽培設備では、排出装置50と供給装置51が別々に設けられている場合に比べて、栽培液L1の排出と供給を効率良く行うことができる。
【0186】
また、上述した実施形態及びその変形例の栽培設備のように、第四態様の栽培設備は、第三態様の栽培設備の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0187】
すなわち、第四態様の栽培設備では、搬送装置4は、水平方向に移動する水平移動部40と、水平移動部40と一体であり、上下方向に移動する昇降部41と、を有する。排出供給装置5は、栽培液L1の排出と供給を行うノズル52と、ノズル52を接続対象に接続する接続装置53と、栽培液L1を溜めるタンク54と、タンク54とノズル52を接続するホース55と、を有する。昇降部41には、ノズル52と接続装置53とタンク54が設置されている。
【0188】
上記構成を備える第四態様の栽培設備では、搬送装置4の昇降部41によって、排出供給装置5のノズル52、接続装置53、及びタンク54をまとめて移動させることができるため、ノズル52とタンク54の距離を短くすることができる。そのため、第四態様の栽培設備では、ノズル52とタンク54との間での栽培液L1の移動にかかる時間を短縮できて、排出と供給の作業効率を高めやすい。
【0189】
また、上述した実施形態及びその変形例の栽培設備のように、第五態様の栽培設備は、第二態様の栽培設備の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0190】
すなわち、第五態様の栽培設備では、搬送装置4は、水平方向に移動する水平移動部40と、水平移動部40と一体であり、上下方向に移動する昇降部41と、を有する。排出装置50は、栽培液L1の排出を行うノズル52aと、ノズル52aを接続対象に接続する接続装置53aと、栽培液L1を溜めるタンク54aと、タンク54aとノズル52aを接続するホース55aと、を有する。昇降部41には、ノズル52aと接続装置53aが設置され、水平移動部40には、タンク54aが設置されている。
【0191】
上記構成を備える第五態様の栽培設備では、排出装置50のうち重量の大きいタンク54aは水平移動のみ行い上下移動は行わないため、搬送装置4にかかる負荷を抑えることができる。また、第五態様の栽培設備では、排出装置50のうちタンク54aに比べて軽量なノズル52aと接続装置53aを昇降させるため、これらの昇降速度を向上させやすくて、栽培液L1の排出の作業効率を向上させることができる。
【0192】
また、上述した実施形態及びその変形例の栽培設備のように、第六態様の栽培設備は、第二又は第五態様の栽培設備の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0193】
すなわち、第六態様の栽培設備は、収納棚1に設置され、栽培液L1を溜めるタンク7と、タンク7に接続され、タンク7に栽培液L1を供給する供給管70と、を更に備える。搬送装置4は、水平方向に移動する水平移動部40と、水平移動部40と一体であり、上下方向に移動する昇降部41と、を有する。供給装置51は、栽培液L1の供給を行うノズル52bと、ノズル52bを接続対象に接続する接続装置53bと、タンク7とノズル52bを接続するホース55bと、を有する。昇降部41には、ノズル52bと接続装置53bが設置されている。
【0194】
上記構成を備える第六態様の栽培設備では、重量の大きいタンク7は収納棚1に設置されて移動しないため、搬送装置4にかかる負荷を抑えることができる。また、第六態様の栽培設備では、タンク7に比べて軽量なノズル52bと接続装置53bを昇降させるため、これらの昇降速度を向上させやすくて、栽培液L1の供給の作業効率を向上させることができる。また、第六態様の栽培設備では、供給管70を通じてタンク7内に栽培液L1を供給することができる。そのため、第六態様の栽培設備では、搬送装置4によるタンク7の移動が不要であり、この分だけ搬送効率の向上を図ることができる。
【0195】
また、上述した実施形態及びその変形例の栽培設備のように、第七態様の栽培設備は、第四から第六のいずれか一つの態様の栽培設備の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0196】
すなわち、第七態様の栽培設備は、昇降部41に設置され、複数の栽培槽3を撮像する撮像装置57(57a,57b)を更に備える。
【0197】
上記構成を備える第七態様の栽培設備では、撮像装置57(57a,57b)によって複数の栽培槽3を撮像することで、各栽培槽3に保持された植物P1の生長具合を収納棚1から離れた場所(例えば作業ステーションA1)で確認することができる。そのため、第七態様の栽培設備では、栽培ユニット2が不適切なタイミングで収納棚1から作業ステーションA1に搬送されることを抑制することができて、栽培ユニット2の搬送回数を抑えることができる。
【0198】
また、上述した実施形態及びその変形例の栽培設備のように、第八態様の栽培設備は、第六態様の栽培設備の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0199】
すなわち、第八態様の栽培設備では、収納棚1は、供給装置51のノズル52b及び接続装置53bを設置可能な待機部13を更に有し、昇降部41は、ノズル52b及び接続装置53bを昇降部41と待機部13との間で移動させる移動装置(ノズル設置部428に設けられたフォーク装置)を有する。
【0200】
上記構成を備える第八態様の栽培設備では、供給装置51を使用しないときには、供給装置51を待機部13に設置しておくことができる。そのため、第八態様の栽培設備では、搬送装置4によって栽培ユニット2を搬送する際に、供給装置51のノズル52bとタンク7とをつなぐホース55bが栽培ユニット2の搬送の邪魔になることを防ぐことができる。
【0201】
また、上述した実施形態及びその変形例の栽培設備のように、第九態様の栽培設備は、第四から第八のいずれか一つの態様の栽培設備の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0202】
すなわち、第九態様の栽培設備は、タンク54(54a)から排出された栽培液L1を処理する処理装置6を更に備える。処理装置6は、タンク54(54a)から排出された栽培液L1を受ける受け部材60と、栽培液L1中のごみを取り除くゴミ分離器61と、栽培液L1をろ過するろ過器62と、ろ過された栽培液L1を殺菌して処理済液L2とする殺菌装置63と、処理済液L2を溜める処理済液タンク64と、を有する。
【0203】
上記構成を備える第九態様の栽培設備では、タンク54(54a)に回収した栽培液L1を処理装置6を利用して再利用可能に処理することができる。第九態様の栽培設備では、タンク54(54a)に回収した栽培液L1を、処理装置6を利用して都度、再生処理することができるため、従来の植物工場が備える大型の処理装置が不要となる。
【0204】
また、上述した実施形態の変形例の栽培設備のように、第十態様の栽培設備は、第二から第九のいずれか一つの態様の栽培設備の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0205】
すなわち、第十態様の栽培設備では、複数の栽培ユニット2のそれぞれは、複数の栽培槽3が設置される複数の支持板20を有する第一ユニット25と、第一ユニット25に対して組み合わせ可能であり、複数の栽培槽3に向けて育成用の光を照射する照射装置22を有する第二ユニット26と、を備える。第二ユニット26は、収納棚1に固定され、第一ユニット25は、搬送装置4によって搬送される。
【0206】
上記構成を備える第十態様の栽培設備では、栽培ユニット2のうち、複数の栽培槽3が設置された第一ユニット25だけを搬送することができ、照射装置22を有する第二ユニット26は収納棚1に残しておくことができる。そのため、第十態様の栽培設備では、収納棚1と栽培ユニット2に、例えば非接触給電を行うための構造を設ける必要がなくて、設備コストを抑えることができる。
【0207】
また、上述した実施形態及びその変形例の栽培設備のように、第十一態様の栽培設備は、第四から第九のいずれか一つの態様の栽培設備の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0208】
すなわち、第十一態様の栽培設備では、複数の栽培ユニット2のそれぞれは、栽培液L1を溜めるユニット用タンク27と、ユニット用タンク27と複数の栽培槽3とを接続し、複数の栽培槽3へユニット用タンク27内の栽培液L1を供給する供給管28と、ユニット用タンク27と複数の栽培槽3とを接続し、複数の栽培槽3内の栽培液L1をユニット用タンク27に排出する排出管29と、を備える。接続装置53(53a,53b)の接続対象は、ユニット用タンク27である。
【0209】
上記構成を備える第十一態様の栽培設備では、接続装置53(53a,53b)によってノズル52(52a,52b)をユニット用タンク27に接続すれば、複数の栽培槽3に対して栽培液L1の排出、供給又はその両方を行うことができる。そのため、第十一態様の栽培設備では、接続装置53(53a,53b)によって複数の栽培槽3のそれぞれにノズル52(52a,52b)を順に接続して、栽培液L1の排出、供給又はその両方を行う場合に比べて、栽培液L1の排出又は供給の作業効率を向上させることができる。
【0210】
また、上述した実施形態及びその変形例の栽培方法のように、第十二態様の栽培方法は、下記の構成を備える。
【0211】
すなわち、第十二態様の栽培方法は、搬入工程S1と、供給工程S20と、排出工程S21とを、を備える。栽培工程S2では、植物P1と栽培液L1を保持する複数の栽培槽3を、収納棚1に収納する。供給工程S20では、複数の栽培槽3間で移動可能な供給装置51によって、複数の栽培槽3に栽培液L1を供給する。排出工程S21では、複数の栽培槽3間で移動可能な排出装置50によって、複数の栽培槽3の栽培液L1を排出する。
【0212】
上記構成を備える第十二態様の栽培方法では、収納棚1に収納された各栽培槽3に対して、排出装置50によって各栽培槽3内の栽培液L1を排出することができ、また、供給装置51によって各栽培槽3に栽培液L1を供給することができる。そのため、第十二態様の栽培方法では、収納棚1に栽培液L1を供給又は排出するための多数の配管や大型のポンプを設置する必要がなく、設備の複雑化や大型化を防ぐことができて、収納棚1を高層化しやすくて、単位面積当たりの収穫量を増やしやすい。また、第十二態様の栽培方法では、収納棚1と各種の作業を行うための作業ステーションA1との間で複数の栽培槽3を搬送する場合に、複数の栽培槽3に栽培液L1が入っていない又は略入っていない状態にしておくことができる。そのため、第十二態様の栽培方法では、搬送時の複数の栽培槽3の重量を抑えて、搬送の負荷の軽減を図ることができ、また、搬送時の各栽培槽3からの液漏れも防ぐことができる。
【0213】
また、上述した実施形態及びその変形例の栽培方法のように、第十三態様の栽培方法は、第十二態様の栽培方法の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0214】
すなわち、第十三態様の栽培方法では、複数の栽培槽3間での排出装置50と供給装置51の移動は、複数の栽培槽3を収納棚1と収納棚1から離れた作業ステーションA1との間で搬送する搬送装置4によって行う。
【0215】
上記構成を備える第十三態様の栽培方法では、排出装置50と供給装置51の移動を搬送装置4によって行えるため、専用の搬送装置が別途必要とならず、設備コストを抑えることができる。
【0216】
以上、本開示を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではなく、本開示の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。
【解決手段】栽培設備は、収納棚1と、収納棚1に収納され、植物P1と栽培液L1を保持する複数の栽培槽3とを備える。栽培設備は更に、排出装置50と、供給装置51と、を備える。排出装置50は、複数の栽培槽3間で移動可能であり、複数の栽培槽3のそれぞれに対して栽培液L1の排出を行う。供給装置51は、複数の栽培槽3間で移動可能であり、複数の栽培槽3のそれぞれに対して栽培液L1の供給を行う。