特許第6871658号(P6871658)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6871658-反復分類に基づく水域識別方法及び装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871658
(24)【登録日】2021年4月20日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】反復分類に基づく水域識別方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/3554 20140101AFI20210426BHJP
   G06N 20/10 20190101ALI20210426BHJP
   G01N 21/27 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   G01N21/3554
   G06N20/10
   G01N21/27 A
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-139359(P2020-139359)
(22)【出願日】2020年8月20日
(65)【公開番号】特開2021-32898(P2021-32898A)
(43)【公開日】2021年3月1日
【審査請求日】2020年8月20日
(31)【優先権主張番号】201910779699.9
(32)【優先日】2019年8月22日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519295166
【氏名又は名称】▲広▼州大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 芳蒂
【審査官】 横尾 雅一
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第106442422(CN,A)
【文献】 特開2015−036850(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第106442420(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第105957079(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第107590816(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第107271405(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第102073879(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00−21/61
A01G 7/00
G06T 1/00
G06T 7/00
G06N 20/00−20/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水域と非水域のスペクトル特性に基づいて、第1類水域抽出規則及び第2類水域抽出規則を含む水域抽出規則と、非水域抽出規則とを含む抽出規則を作成し、規則に使用される異なる波帯に対して閾値を設定するステップS1と、
前記抽出規則に基づいて、水域トレーニングサンプルと非水域トレーニングサンプルとを含むトレーニングサンプルを抽出するステップS2と、
前記トレーニングサンプルとSVM分類器を組み合わせることによって、前記トレーニングサンプルの周りの予め設定された近傍範囲の分類すべきピクセルを分類し、分類結果を得るステップS3と、
前記抽出規則のうちの閾値を更新し、更新後の抽出規則に基づいて前記分類結果を判断し、更新後のトレーニングサンプルを得るステップS4と、
新しいトレーニングサンプルが生成しなくなるまで、ステップS3〜ステップS4を繰り返して、最終分類結果を得るステップS5とを少なくとも含み、
前記第1類水域の抽出規則は、(NDWI>0)∩(MNDWI>0)∩(Band 2<A=であり、ここにおいて、「∩」は、共通部分を求めることを示し、A∈(0.10,0.12)、Band nは第n番目の波帯の反射率であり、NDWIは正規化水指数であり、MNDWIは改良型正規化水指数であり、前記第2類水域の抽出規則は、(Band 4)∩(Band 4<B=∩(Band 3>Band 5)∩(slope<C=∩(NDVI<D=であり、ここにおいて、B∈(0.13,0.16)、C∈(3,4)、D∈(0.14,0.20)、slopeデータは地物が位置する箇所の地形の傾きに関するデータであるスロープであり、前記非水域抽出規則は、(Band 4)∩(Band 3<Band 5=∩(Band 4>E)∩(slope>F)∩(NDVI>G)であり、ここにおいて、E∈(0.16,0.23)、F∈(25,35)、G∈(0.35,0.40)、NDVIは正規化植生指数Normalized Differenced Vegetation Indexの略語であり、前記A、B、C、D、E、F、Gは異なる波帯の反射率の初期閾値であり、
前記第1類水域の抽出規則を作成することによって、前記第1類水域を特殊屋根建物と区別し、前記第2類水域の抽出規則を作成することによって、前記第2類水域を植生と水田と区別することを特徴とする反復分類に基づく水域識別方法。
【請求項2】
前記トレーニングサンプルの周りの3×3近傍範囲のピクセルは分類すべきピクセルである、ことを特徴とする請求項1に記載の反復分類に基づく水域識別方法。
【請求項3】
前記抽出規則のうちの閾値を更新する前記ステップは、具体的には、
各々の前記閾値を5%増加又は減少させ、新しい閾値を形成することである、ことを特徴とする請求項1に記載の反復分類に基づく水域識別方法。
【請求項4】
更新後の抽出規則に基づいて前記分類結果を判断し、更新後のトレーニングサンプルを得る前記ステップは、具体的には、
更新後の抽出規則に基づいて前記分類結果を判断し、更新後の水域抽出規則に合致すると、水域トレーニングサンプルに追加し、更新後の非水域トレーニング規則に合致すると、非水域トレーニングサンプルに追加し、判断終了後に更新後のトレーニングサンプルを得ることである、ことを特徴とする請求項1に記載の反復分類に基づく水域識別方法。
【請求項5】
規則作成モジュールと、抽出モジュールと、分類モジュールと、判断モジュールと、反復モジュールとを備え
前記規則作成モジュールは、水域と非水域のスペクトル特性に基づいて、第1類水域抽出規則及び第2類水域抽出規則を含む水域抽出規則と、非水域抽出規則とを含む抽出規則を作成し、規則に使用される異なる波帯に対して閾値を設定することに用いられ、
前記抽出モジュールは、前記抽出規則に基づいて、水域トレーニングサンプルと非水域トレーニングサンプルとを含むトレーニングサンプルを抽出することに用いられ、
前記分類モジュールは、前記トレーニングサンプルとSVM分類器を組み合わせることによって、前記トレーニングサンプルの周りの予め設定された近傍範囲の分類すべきピクセルを分類し、分類結果を得ることに用いられ、
前記判断モジュールは、前記抽出規則のうちの閾値を更新し、更新後の抽出規則に基づいて前記分類結果を判断し、更新後のトレーニングサンプルを得ることに用いられ、
前記反復モジュールは、新しいトレーニングサンプルが生成しなくなるまで、トレーニングサンプルを繰り返して分類して分類結果を得、前記分類結果に基づいて新しいトレーニングサンプルを得、最終分類結果を得ることに用いられ、
前記第1類水域の抽出規則は、(NDWI>0)∩(MNDWI>0)∩(Band 2<A)であり、ここにおいて、「∩」は、共通部分を求めることを示し、A∈(0.10,0.12)、Band nは第n番目の波帯の反射率であり、NDWIは正規化水指数であり、MNDWIは改良型正規化水指数であり、前記第2類水域の抽出規則は、(Band 4)∩(Band 4<B)∩(Band 3>Band 5)∩(slope<C)∩(NDVI<D)であり、ここにおいて、B∈(0.13,0.16)、C∈(3,4)、D∈(0.14,0.20)、slopeデータは地物が位置する箇所の地形の傾きに関するデータであるスロープであり、NDVIは正規化植生指数Normalized Differenced Vegetation Indexの略語であり、前記非水域抽出規則は、(Band 4)∩(Band 3<Band 5)∩(Band 4>E)∩(slope>F)∩(NDVI>G)であり、ここにおいて、E∈(0.16,0.23)、F∈(25,35)、G∈(0.35,0.40)、前記A、B、C、D、E、F、Gは異なる波帯の反射率の閾値であり、
前記第1類水域の抽出規則を作成することによって、前記第1類水域を特殊屋根建物と区別し、前記第2類水域の抽出規則を作成することによって、前記第2類水域を植生と水田と区別することを特徴とする反復分類に基づく水域識別装置。
【請求項6】
前記トレーニングサンプルの周りの3×3近傍範囲のピクセルは分類すべきピクセルである、ことを特徴とする請求項に記載の反復分類に基づく水域識別装置。
【請求項7】
前記抽出規則のうちの閾値を更新する前記ステップは、具体的には、
各々の前記閾値を5%増加又は減少させ、新しい初期閾値を形成することである、ことを特徴とする請求項に記載の反復分類に基づく水域識別装置。
【請求項8】
更新後の抽出規則に基づいて前記分類結果を判断し、更新後のトレーニングサンプルを 得る前記ステップは、具体的には、
更新後の抽出規則に基づいて前記分類結果を判断し、更新後の水域抽出規則に合致すると、水域トレーニングサンプルに追加し、更新後の非水域トレーニング規則に合致すると、非水域トレーニングサンプルに追加し、判断終了後に更新後のトレーニングサンプルを得ることである、ことを特徴とする請求項に記載の反復分類に基づく水域識別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモートセンシング画像処理の技術分野に関し、特に反復分類に基づく水域識別方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水資源は人間の生産と生活に密接に関連しているだけでなく、中国経済の持続可能で安定した発展にも関連している。人口ベースの継続的な増加に伴い、水資源の極端に不均一な分布により、中国の水資源の需給間のギャップが大幅に広がっている。従って、水資源を監視及び識別し、水資源の状態を動的に分析することが特に重要になっている。
【0003】
従来の技術を用いて水域識別を行うと、以下の課題が存在する。
水指数方法を用いる場合、閾値の決定は重要なことであり、映像取得時の大気と光の条件が異なるため、水指数の固定閾値がなく、実際の操作では、各シーンの映像に対して適切な閾値を決定する必要がある。更に重要なことに、水指数を使用して水域を抽出する場合、従来の研究では、通常、水域の内部スペクトル特徴の相違性を配慮しておらず、画一的に対処し、あるシーンのリモートセンシング映像における水域に対して統一された閾値を用いると、異なる水域タイプの漏れと誤分類を引き起こしやすい。
【0004】
教師付き分類方法を用いて水域を抽出する場合、分類システムを作成し、トレーニングサンプルと分類器を選択する必要がある。最尤推定分類器(MLC)、サポートベクターマシン(SVM)、ランダムフォレスト、クラス分類木と回帰木、k近傍法、最小距離分類器などの分類器は広く使用されている。上記分類器は計算効率が非常に高いが、分類正確性がサンプルの代表性、正確性、完全性に大きく依存している。この方法は、さまざまな土地被覆タイプのトレーニングサンプルが完全であると要求されており、サンプル選択担当者に対して高く要求されている。
【0005】
教師なし分類方法は、まずリモートセンシング映像に対して教師なし分類を行い、次に、事前の知識と補助データを使用してノイズを除去し、水域を抽出し、プロセスが複雑で、後処理作業が非常に膨大である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】中国特許出願公開第107271367号明細書
【0007】
本発明は、水域識別方法及び装置を提供する。該方法は、水域の標準スペクトル曲線に基づいて識別すべきマルチスペクトル画像の水域確率画像を取得するステップと、前記水域確率画像を複数の識別すべきユニットとして分割するステップと、前記識別すべきユニットにおける各々のピクセルの水域確率に基づいて適応度値に対してターゲット関数を作成するステップと、前記ターゲット関数に対して反復解法を行って、前記適応度値が最大の場合の前記識別すべきユニットの水域分布を取得して、前記識別すべきユニットに対して水域識別を行うステップとを含む。本発明の実施例では、水域に関連する情報のみを抽出し、非水域情報を排除し、従って、ターゲットが明瞭であるとともに、すべてのスペクトル波帯情報を配慮し、水域情報に対する還元性が高く、水指数(特定スペクトル波帯のみを配慮する)より高い情報利用率を有し、大範囲地域に対して正確に水域識別を行うことを実現する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施例は、水域と非水域のスペクトル特徴に基づいて抽出規則を作成し、トレーニングサンプルを選択し、SVMと組み合わせて、抽出規則の閾値を絶えず調整し、反復分類することによって、水域の自動識別を実現する、反復分類に基づく水域識別方法を提供することを目的とする。該方法は、水域識別の正確性と信頼性の向上に寄与し、水域を識別する作業効率を効果的に向上できる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を実現するために、1つの態様では、本発明の1つの実施例は、反復分類に基づく水域識別方法を提供し、反復分類に基づく水域識別方法は、
水域と非水域のスペクトル特性に基づいて、第1類水域抽出規則及び第2類水域抽出規則を含む水域抽出規則と、非水域抽出規則とを含む抽出規則を作成し、規則に使用される異なる波帯に対して閾値を設定するステップS1と、
前記抽出規則に基づいて、水域トレーニングサンプルと非水域トレーニングサンプルとを含むトレーニングサンプルを抽出するステップS2と、
前記トレーニングサンプルとSVM分類器を組み合わせることによって、前記トレーニングサンプルの周りの予め設定された近傍範囲の分類すべきピクセルを分類し、分類結果を得るステップS3と、
前記抽出規則のうちの閾値を更新し、更新後の抽出規則に基づいて前記分類結果を判断し、更新後のトレーニングサンプルを得るステップS4と、
新しいトレーニングサンプルが生成しなくなるまで、ステップS3〜ステップS4を繰り返して、最終分類結果を得るステップS5とを少なくとも含む。
【0010】
更に、前記第1類水域の抽出規則は、(NDWI>0)∩(MNDWI>0)∩(Band 2<A)であり、ここにおいて、「∩」は、共通部分を求めることを示し、A∈(0.10,0.12)、Band nは第n個の波帯の反射率であり、NDWIは正規化水指数であり、MNDWIは改良型正規化水指数であり、前記第2類水域の抽出規則は、(Band 4)∩(Band 4<B)∩(Band 3>Band 5)∩(slope<C)∩(NDVI<D)であり、ここにおいて、B∈(0.13,0.16)、C∈(3,4)、D∈(0.14,0.20)、slopeデータは地物が位置する箇所のスロープであり、NDVIは正規化植生指数Normalized Differenced Vegetation Indexの略語であり、前記非水域抽出規則は、(Band 4)∩(Band 3<Band 5)∩(Band 4>E)∩(slope>F)∩(NDVI>G)であり、ここにおいて、E∈(0.16,0.23)、F∈(25,35)、G∈(0.35,0.40)、前記A、B、C、D、E、F、Gは異なる波帯の反射率の閾値である。
【0011】
更に、前記トレーニングサンプルの周りの3×3近傍範囲のピクセルは分類すべきピクセルである。
【0012】
更に、前記抽出規則のうちの閾値を更新する前記ステップは、具体的には、
各々の前記閾値を5%増加又は減少させ、新しい初期閾値を形成することである。
【0013】
更に、更新後の抽出規則に基づいて前記分類結果を判断し、更新後のトレーニングサンプルを得る前記ステップは、具体的には、
更新後の抽出規則に基づいて前記分類結果を判断し、更新後の水域抽出規則に合致すると、水域トレーニングサンプルに追加し、更新後の非水域トレーニング規則に合致すると、非水域トレーニングサンプルに追加し、判断終了後に更新後のトレーニングサンプルを得ることである。
【0014】
他の態様では、本発明の他の実施例は、規則作成モジュールと、抽出モジュールと、分類モジュールと、判断モジュールと反復モジュールとを備える反復分類に基づく水域識別装置を提供し、
前記規則作成モジュールは、水域と非水域のスペクトル特性に基づいて、第1類水域抽出規則及び第2類水域抽出規則を含む水域抽出規則と、非水域抽出規則とを含む抽出規則を作成し、規則に使用される異なる波帯に対して閾値を設定することに用いられ、
前記抽出モジュールは、前記抽出規則に基づいて、水域トレーニングサンプルと非水域トレーニングサンプルとを含むトレーニングサンプルを抽出することに用いられ、
前記分類モジュールは、前記トレーニングサンプルとSVM分類器を組み合わせることによって、前記トレーニングサンプルの周りの予め設定された近傍範囲の分類すべきピクセルを分類し、分類結果を得ることに用いられ、
前記判断モジュールは、前記抽出規則のうちの閾値を更新し、更新後の抽出規則に基づいて前記分類結果を判断し、更新後のトレーニングサンプルを得ることに用いられ、
前記反復モジュールは、新しいトレーニングサンプルが生成しなくなるまで、トレーニングサンプルを繰り返して分類して分類結果を得、分類結果に基づいて新しいトレーニングサンプルを得、最終分類結果を得ることに用いられる。
【0015】
更に、前記第1類水域の抽出規則は、(NDWI>0)∩(MNDWI>0)∩(Band 2<A)であり、ここにおいて、「∩」は、共通部分を求めることを示し、A∈(0.10,0.12)、Band nは第n個の波帯の反射率であり、NDWIは正規化水指数であり、MNDWIは改良型正規化水指数であり、前記第2類水域の抽出規則は、(Band 4)∩(Band 4<B)∩(Band 3>Band 5)∩(slope<C)∩(NDVI<D)であり、ここにおいて、B∈(0.13,0.16)、C∈(3,4)、D∈(0.14,0.20)、slopeデータは地物が位置する箇所のスロープであり、NDVIは正規化植生指数Normalized Differenced Vegetation Indexの略語であり、前記非水域抽出規則は、(Band 4)∩(Band 3<Band 5)∩(Band 4>E)∩(slope>F)∩(NDVI>G)であり、ここにおいて、E∈(0.16,0.23)、F∈(25,35)、G∈(0.35,0.40)、前記A、B、C、D、E、F、Gは異なる波帯の反射率の閾値である。
【0016】
更に、前記トレーニングサンプルの周りの3×3近傍範囲のピクセルは分類すべきピクセルである。
【0017】
更に、前記抽出規則のうちの閾値を更新する前記ステップは、具体的には、
各々の前記閾値を5%増加又は減少させ、新しい初期閾値を形成することである。
【0018】
更に、更新後の抽出規則に基づいて前記分類結果を判断し、更新後のトレーニングサンプルを得る前記ステップは、具体的には、更新後の抽出規則に基づいて前記分類結果を判断し、更新後の水域抽出規則に合致すると、水域トレーニングサンプルに追加し、更新後の非水域トレーニング規則に合致すると、非水域トレーニングサンプルに追加し、判断終了後に更新後のトレーニングサンプルを得ることである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施例は、水域と非水域のスペクトル特徴に基づいて抽出規則を作成し、トレーニングサンプルを選択し、SVMと組み合わせて、抽出規則の閾値を絶えず調整し、反復分類することによって、水域の自動識別を実現する、反復分類に基づく水域識別方法を提供することであることを目的とする。該方法は、水域識別の正確性と信頼性の向上に寄与し、水域を識別する作業効率を効果的に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明による反復分類に基づく水域識別方法のフローチャートである
図2】本発明による反復分類に基づく水域と非水域のスペクトル特徴図である。
図3】本発明による反復分類に基づく水域識別装置の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施例の図面を参照しながら、本発明の実施例における技術案について明瞭、かつ完全に説明し、当然ながら、説明される実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく得られる全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0022】
(実施例1)
図1〜2に示されるように、本発明の実施例による反復分類に基づく水域識別方法であって、
第1類水域抽出規則及び第2類水域抽出規則を含む水域抽出規則と、非水域抽出規則とを含む水域と非水域のスペクトル特性に基づいて抽出規則を作成し、規則に使用される異なる波帯に対して閾値を設定するステップS1と、
前記抽出規則に基づいて、水域トレーニングサンプルと非水域トレーニングサンプルとを含むトレーニングサンプルを抽出するステップS2と、
前記トレーニングサンプルとSVM分類器を組み合わせることによって、前記トレーニングサンプルの周りの予め設定された近傍範囲の分類すべきピクセルを分類し、分類結果を得るステップS3と、
前記抽出規則のうちの閾値を更新し、更新後の抽出規則に基づいて前記分類結果を判断し、更新後のトレーニングサンプルを得るステップS4と、
ステップS3〜ステップS4を繰り返して、新しいトレーニングサンプルが生成しなくなるまで、最終分類結果を得るステップS5とを少なくとも含む。
【0023】
本発明の実施例では、水域を第1類水域と第2類水域に分類し、第1類水域は、反射率が波長の増加に伴って低下する一方、第2類水域は、クロロフィル又は藻類を含むので、スペクトル曲線が植生に類似するが、反射率の数値が低い。
【0024】
図2を参照すると、水域のスペクトル特徴は、反射率が波長の増加に伴って低下し、各波帯の反射率が0.15以下であり、一般的に正規化水指数NDWI>0又は改良型正規化水指数MNDWI>0を用いて抽出できることであることが理解できる。しかしながら、いくつかの建物の屋根は、特殊な金属材料を用いるか、又はある特殊色を塗ることによって、MNDWI>0,NDWI>0の条件を満たす。特殊な屋根建物のBand 2の反射率が高いことを配慮すると、本発明の実施例は、第2波帯の反射率に対して予め設定された閾値Aを設定することで第1類水域と特殊屋根の建物を区別する。第1類水域トレーニングサンプルの抽出規則は、(NDWI>0)∩(MNDWI>0)∩(Band 2<A)であり、ここにおいて、「∩」は、共通部分を求めることを示し、A∈(0.10,0.12)。第2類水域は、スペクトル特徴が植生、水田に類似するクロロフィルを含むので、第2類水域を植生、水田と区別するために、第2類水域の水域抽出規則は、(Band 4)∩(Band 4<B)∩(Band 3>Band 5)∩(slope<C)∩(NDVI<D)であり、ここにおいて、B∈(0.13,0.16)、C∈(3,4)、D∈(0.14,0.20)、slopeデータは地物が位置する箇所のスロープであり、NDVIは正規化植生指数Normalized Differenced Vegetation Indexの略語である。本発明の実施例の非水域抽出規則は、(Band 4)∩(Band 3<Band 5)∩(Band 4>E)∩(slope>F)∩(NDVI>G)であり、ここにおいて、E∈(0.16,0.23)、F∈(25,35)、G∈(0.35,0.40)。
【0025】
本発明の実施例では、異なる波帯の反射率の予め設定された閾値を設定し、抽出規則を作成することによって、条件に合致するトレーニングサンプルを正確に選択でき、それにより、水域識別の正確性を効果的に向上でき、本発明は、閾値を更新することで更に抽出規則を更新し、更新後の抽出規則によって反復分類結果を判断し、手動による介入がなく、水域識別の全自動化を実現し、作業効率を効果的に向上できる。
【0026】
本発明の実施例の1つの具体的な実施形態としては、第1類水域抽出規則は、(NDWI>0)∩(MNDWI>0)∩(Band 2<A)であり、ここにおいて、「∩」は、共通部分を求めることを示し、A∈(0.10,0.12)、Band nは第n個の波帯の反射率であり、NDWIは正規化水指数であり、MNDWIは改良型正規化水指数であり、第2抽出規則は、(Band 4)∩(Band 4<B)∩(Band 3>Band 5)∩(slope<C)∩(NDVI<D)であり、ここにおいて、B∈(0.13,0.16)、C∈(3,4)、D∈(0.14,0.20)、slopeデータは地物が位置する箇所のスロープであり、NDVIは正規化植生指数Normalized Differenced Vegetation Indexの略語であり、非水域抽出規則は、(Band 4)∩(Band 3<Band 5)∩(Band 4>E)∩(slope>F)∩(NDVI>G)であり、ここにおいて、E∈(0.16,0.23)、F∈(25,35)、G∈(0.35,0.40)、A、B、C、D、E、F、Gは異なる波帯の反射率の閾値であり、以上提案された区間範囲から取得できる。
【0027】
本発明の実施例では、第1類水域抽出規則を作成することによって、第1類水域を特殊屋根建物と区別し、第2類水域抽出規則を作成することによって、第2類水域を植生と水田と区別し、トレーニングサンプルを正確且つ全面的に抽出できる。
【0028】
本発明の実施例の1つの具体的な実施形態としては、トレーニングサンプルの周りの予め設定された3×3近傍範囲は分類すべきピクセルである。
【0029】
本発明の実施例では、トレーニングサンプルの周りの3×3近傍範囲の分類すべきピクセルを分類することによって、新しい分類結果を取得する。
【0030】
本発明の実施例の1つの具体的な実施形態としては、抽出規則のうちの閾値を更新するステップは、具体的には、
各々の閾値を5%増加又は減少させ、新しい閾値を形成することである。
【0031】
抽出規則がある波帯がある値より小さいことである場合、更新する閾値は初期閾値を5%増加させた値であり、抽出規則がある波帯がある値より大きいことである場合、更新する閾値は初期閾値を5%減少させた値である。たとえば、抽出規則がa>0.1であると、0.1が初期閾値であり、初期閾値を5%減少させた後、該条件はa>0.095に変わり、抽出規則がa<0.1であると、初期閾値を5%増加させた後、該条件はa<0.105に変わり、閾値の変化により、抽出規則条件が「広くなり」、それにより、より多くのピクセルが要件を満たす。本発明の実施例は、各々の初期閾値を5%増加又は減少させ、新しい初期閾値を形成することで、更新後の抽出規則を用いて分類結果を判断するとき、より多くのピクセルを取得でき、それにより、水域識別の正確性と全面性の向上に寄与する。
【0032】
本発明の実施例の1つの具体的な実施形態としては、更新後の抽出規則に基づいて分類結果を判断し、トレーニングサンプルを得るステップは、具体的には、
更新後の抽出規則に基づいて分類結果を判断し、更新後の水域抽出規則に合致すると、水域トレーニングサンプルに追加し、更新後の非水域トレーニング規則に合致すると、非水域トレーニングサンプルに追加し、判断終了後に更新後のトレーニングサンプルを得ることである。
【0033】
本発明の実施例では、抽出規則のうちの閾値を更新することで抽出規則を更新し、更新後の抽出規則によって分類結果を識別及び判断し、抽出規則を満たすより多くの分類すべきピクセルを取得でき、それにより、水域の抽出が全面的かつ正確になる。
【0034】
本発明の実施例は、以下の有益な効果を有する。
本発明の実施例では、異なる波帯の反射特徴に基づいて抽出規則を作成することによって、条件に合致するトレーニングサンプルを正確に選択でき、それにより、水域識別の正確性を向上させ、本発明は、閾値を更新することで更に抽出規則を更新し、反復分類して、水域の自動識別を実現する。該方法は、手動による介入がなく、水域識別の全自動化を実現し、水域を識別する作業効率を効果的に向上できる。
【0035】
(実施例2)
図2〜3に示すように、本発明の実施例による反復分類に基づく水域識別装置であって、規則作成モジュール101と、抽出モジュール102と、分類モジュール103と、判断モジュール104と、反復モジュール105とを備え、
規則作成モジュール101は、水域と非水域のスペクトル特性に基づいて、第1類水域抽出規則及び第2類水域抽出規則を含む水域抽出規則と、非水域抽出規則とを含む抽出規則を作成し、規則に使用される異なる波帯に対して閾値を設定することに用いられ、
抽出モジュール102は、前記抽出規則に基づいて、水域トレーニングサンプルと非水域トレーニングサンプルとを含むトレーニングサンプルを抽出することに用いられ、
分類モジュール103は、前記トレーニングサンプルとSVM分類器を組み合わせることによって、前記トレーニングサンプルの周りの予め設定された近傍範囲の分類すべきピクセルを分類し、分類結果を得ることに用いられ、
判断モジュール104は、前記抽出規則のうちの閾値を更新し、更新後の抽出規則に基づいて前記分類結果を判断し、更新後のトレーニングサンプルを得ることに用いられ、
反復モジュール105は、新しいトレーニングサンプルが生成しなくなるまで、トレーニングサンプルを繰り返して分類して分類結果を得、前記分類結果に基づいて新しいトレーニングサンプルを得、最終分類結果を得ることに用いられる。本発明の実施例では、水域分類を第1類水域と第2類水域に分類し、第1類水域は、反射率が波長の増加に伴って低下する一方、第2類水域は、クロロフィル又は藻類を含むので、スペクトル曲線が植生に類似するが、反射率数値が低い。
【0036】
図2を参照すると、水域のスペクトル特徴は、反射率が波長の増加に伴って低下し、各波帯の反射率が0.15以下であり、一般的に正規化水指数NDWI>0又は改良型正規化水指数MNDWI>0を用いて抽出できることであることが理解できる。しかしながら、いくつかの建物の屋根は、特殊な金属材料を用いるか、又はある特殊色を塗ることによって、MNDWI>0,NDWI>0の条件を満たす。特殊な屋根建物のBand 2の反射率が高いことを配慮すると、本発明の実施例は、第2波帯の反射率に対して予め設定された閾値Aを設定することで第1類水域と特殊屋根の建物を区別する。第1類水域トレーニングサンプルの抽出規則は、(NDWI>0)∩(MNDWI>0)∩(Band 2<A)であり、ここにおいて、「∩」は、共通部分を求めることを示し、A∈(0.10,0.12)。第2類水域は、スペクトル特徴が植生、水田に類似するクロロフィルを含むので、第2類水域を植生、水田と区別するために、第2類水域の水域抽出規則は、(Band 4)∩(Band 4<B)∩(Band 3>Band 5)∩(slope<C)∩(NDVI<D)であり、ここにおいて、B∈(0.13,0.16)、C∈(3,4)、D∈(0.14,0.20)、slopeデータは地物が位置する箇所のスロープであり、NDVIは正規化植生指数Normalized Differenced Vegetation Indexの略語である。本発明の実施例の非水域抽出規則は、(Band 4)∩(Band 3<Band 5)∩(Band 4>E)∩(slope>F)∩(NDVI>G)であり、ここにおいて、E∈(0.16,0.23)、F∈(25,35)、G∈(0.35,0.40)。
【0037】
本発明の実施例では、異なる波帯の反射率の予め設定された閾値を設定し、抽出規則を作成することによって、条件に合致するトレーニングサンプルを正確に選択でき、それにより、水域識別の正確性を効果的に向上でき、本発明は、閾値を更新することで更に抽出規則を更新し、更新後の抽出規則によって反復分類結果を判断し、手動による介入がなく、水域識別の全自動化を実現し、作業効率を効果的に向上できる。
【0038】
本発明の実施例の1つの具体的な実施形態としては、第1類水域抽出規則は、(NDWI>0)∩(MNDWI>0)∩(Band 2<A)であり、ここにおいて、「∩」は、共通部分を求めることを示し、A∈(0.10,0.12)、Band nは第n個の波帯の反射率であり、NDWIは正規化水指数であり、MNDWIは改良型正規化水指数であり、第2抽出規則は、(Band 4)∩(Band 4<B)∩(Band 3>Band 5)∩(slope<C)∩(NDVI<D)であり、ここにおいて、B∈(0.13,0.16)、C∈(3,4)、D∈(0.14,0.20)、slopeデータは地物が位置する箇所のスロープであり、NDVIは正規化植生指数Normalized Differenced Vegetation Indexの略語であり、非水域抽出規則は、(Band 4)∩(Band 3<Band 5)∩(Band 4>E)∩(slope>F)∩(NDVI>G)であり、ここにおいて、E∈(0.16,0.23)、F∈(25,35)、G∈(0.35,0.40)、A、B、C、D、E、F、Gは異なる波帯の反射率の閾値であり、以上提案された区間範囲から取得できる。
【0039】
本発明の実施例では、第1類水域抽出規則を作成することによって、第1類水域を特殊屋根建物と区別し、第2類水域抽出規則を作成することによって、第2類水域を植生と水田と区別し、トレーニングサンプルを正確且つ全面的に抽出できる。
【0040】
本発明の実施例の1つの具体的な実施形態としては、トレーニングサンプルの周りの予め設定された3×3近傍範囲は分類すべきピクセルである。
【0041】
本発明の実施例では、トレーニングサンプルの周りの3×3近傍範囲の分類すべきピクセルを分類することによって、新しい分類結果を取得する。
【0042】
本発明の実施例の1つの具体的な実施形態としては、抽出規則のうちの閾値を更新するステップは、具体的には、
各々の閾値を5%増加又は減少させ、新しい閾値を形成することである。
【0043】
抽出規則がある波帯がある値より小さいことである場合、更新する閾値は初期閾値を5%増加させた値であり、抽出規則がある波帯がある値より大きいことである場合、更新する閾値は初期閾値を5%減少させた値である。たとえば、抽出規則がa>0.1であると、0.1が初期閾値であり、初期閾値を5%減少させた後、該条件はa>0.095に変わり、抽出規則がa<0.1であると、初期閾値を5%増加させた後、該条件はa<0.105に変わり、閾値の変化により、抽出規則条件が「広くなり」、それにより、より多くのピクセルが要件を満たす。本発明の実施例は、各々の初期閾値を5%増加又は減少させ、新しい初期閾値を形成することで、更新後の抽出規則を用いて分類結果を判断するとき、より多くのピクセルを取得でき、それにより、水域識別の正確性と全面性の向上に寄与する。
【0044】
本発明の実施例の1つの具体的な実施形態としては、更新後の抽出規則に基づいて分類結果を判断し、トレーニングサンプルを得るステップは、具体的には、
更新後の抽出規則に基づいて分類結果を判断し、更新後の水域抽出規則に合致すると、水域トレーニングサンプルに追加し、更新後の非水域トレーニング規則に合致すると、非水域トレーニングサンプルに追加し、判断終了後に更新後のトレーニングサンプルを得ることである。
【0045】
本発明の実施例では、抽出規則のうちの閾値を更新することで抽出規則を更新し、更新後の抽出規則によって分類結果を識別及び判断し、抽出規則を満たすより多くの分類すべきピクセルを取得でき、それにより、水域の抽出が全面的かつ正確になる。
【0046】
本発明の実施例は、以下の有益な効果を有する。
本発明の実施例では、異なる波帯の反射特徴に基づいて抽出規則を作成することによって、条件に合致するトレーニングサンプルを正確に選択でき、それにより、水域識別の正確性を向上させ、本発明は、閾値を更新することで更に抽出規則を更新し、反復分類して、水域の自動識別を実現する。該方法は、手動による介入がなく、水域識別の全自動化を実現し、水域を識別する作業効率を効果的に向上できる。
【0047】
以上は、本発明の好適な実施形態であり、なお、当業者にとっては、本発明の原理から逸脱することなく、更にいくつかの改良や修飾を行うことができ、これらの改良や修飾も本発明の保護範囲と見なされるべきである。
図1
図2
図3