特許第6871660号(P6871660)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6871660油頁岩スラグコンクリート配合比の設計方法
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  • 特許6871660-油頁岩スラグコンクリート配合比の設計方法 図000036
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6871660
(24)【登録日】2021年4月20日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】油頁岩スラグコンクリート配合比の設計方法
(51)【国際特許分類】
   B28C 7/04 20060101AFI20210426BHJP
   C04B 18/10 20060101ALI20210426BHJP
   C04B 24/22 20060101ALI20210426BHJP
   C04B 14/06 20060101ALI20210426BHJP
   C04B 14/48 20060101ALI20210426BHJP
   C04B 28/02 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   B28C7/04
   C04B18/10 Z
   C04B24/22 Z
   C04B14/06 Z
   C04B14/48 Z
   C04B28/02
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-153633(P2020-153633)
(22)【出願日】2020年9月14日
【審査請求日】2020年9月14日
(31)【優先権主張番号】202010159500.5
(32)【優先日】2020年3月13日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519295166
【氏名又は名称】▲広▼州大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】焦 楚杰
(72)【発明者】
【氏名】権 長青
【審査官】 手島 理
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第107500677(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第104609788(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第103172318(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第102161579(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第102108020(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 2/00−32/02
C04B 40/00−40/06
B28C 1/00− 9/04
JSTPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油頁岩スラグを粗骨材とする、ことを特徴とする油頁岩スラグコンクリート配合比の設計方法において、
前記油頁岩スラグコンクリートの原料は、セメント材料、骨材、減水剤および水からなり、前記セメント材料は、セメントまたはセメントとシリカ粉末からなり、前記骨材は、砂と油頁岩スラグからなるか、または石、鋼繊維の少なくとも1種、砂と油頁岩スラグからなり、前記水は、純用水であるか、または純用水および予備湿潤用水からなる油頁岩スラグコンクリートの原料種類を決定するステップ(1)と、
減水剤以外の各原料の見かけ密度を測定するステップ(2)と、
水セメント比を算出し、JGJ51-2002<軽量骨材コンクリート技術規程>の規定によって単位体積油頁岩スラグコンクリートの純用水量と初期砂率(ここで、砂率とは前記骨材中の重量率である)を決定し、そして水セメント比と単位体積油頁岩スラグコンクリートの純用水量から単位体積油頁岩スラグコンクリートのセメント材料使用量を算出するステップ(3)と、
単位体積油頁岩スラグコンクリートの減水剤量を算出し、前記粗骨材に対する油頁岩スラグの体積置換率を決定し、前記セメント材料にシリカ粉末を含む場合には、さらに単位体積油頁岩スラグコンクリートにおけるセメント使用量およびシリカ粉末使用量を算出するステップ(4)と、
前記骨材に鋼繊維を含まない場合には、最終砂率は前記初期砂率であり、前記骨材に鋼繊維を含む場合には、前記油頁岩スラグコンクリートの原料に対する鋼繊維の体積率および単位体積油頁岩スラグコンクリートの鋼繊維使用量を決定し、鋼繊維の体積率に応じて砂率を最終砂率に調整するステップ(5)と、
前記水が予備湿潤用水を含まない場合には、減水剤の体積を無視し、絶対体積法を用いて単位体積の油頁岩スラグコンクリートにおける砂使用量および油頁岩スラグ使用量をそれぞれ算出し、前記水に予備湿潤用水を含む場合には、減水剤および予備湿潤用水の体積を無視し、絶対体積法を用いて単位体積の油頁岩スラグコンクリートにおける砂使用量および油頁岩スラグ使用量をそれぞれ算出し、かつ、予備湿潤用水量を算出し、予備湿潤用水量が油頁岩スラグの飽和水要求量(すなわち、飽和吸水量)を超えないようにし、骨材に石を含む場合には、対応する絶対体積法を用いて単位体積油頁岩スラグコンクリートの石使用量を算出するステップ(6)とを含む、ことを特徴とする設計方法。
【請求項2】
前記ステップ(3)では、水セメント比は、以下の式によって決定し、
【数23】
ここで、W/Bは、水セメント比、αa、αbどれも回帰係数であり、fbは、セメント材料28dセメント砂圧縮強度でり、単位は、MPaであり、fcu,kは、コンクリート立方体の圧縮強度基準値であり、コンクリートの設計強度レベル値を取り、単位は、MPaであり、σはコンクリート強度標準偏差であり、単位は、MPaであり、αab,fb,fcu,kおよびσは、どれもJGJ55-2011<普通コンクリート配合比設計手順>に規定された方法によって値をとる、ことを特徴とする請求項に記載の設計方法。
【請求項3】
前記ステップ(4)では、JGJ55-2011<普通コンクリート配合比設計規定>の規定によって減水剤の使用量を算出する、ことを特徴とする請求項に記載の設計方法。
【請求項4】
前記ステップ(5)では、前記骨材に鋼繊維を含む場合には、最終砂率は以下の式によって決定し、
【数24】
ここで、Spは、最終砂率であり、単位は、%であり、Sp0は、初期砂率であり、単位は、%であり、Vfは、鋼繊維体積率であり、単位は、%であることを特徴とする請求項に記載の設計方法。
【請求項5】
前記ステップ(6)では、単位体積の油頁岩スラグコンクリートにおける砂の体積は、以下の式(1)によって算出し、
【数25】
ここで、Vsは、単位体積の油頁岩スラグコンクリートにおける砂の体積であり、単位は、m3であり、mw、mc、msfは、それぞれ単位体積の油頁岩スラグコンクリートにおける純用水、セメント、シリカ粉末の使用量であり、単位は、どれもkgであり、ρw、ρc、ρsfは、それぞれ純用水、セメント、シリカ粉末の見かけ密度であり、単位は、どれもkg/m3であり、Vfは、鋼繊維体積率であり、単位は、%であり、Spは、最終砂率であり、単位は、%であり、単位体積の油頁岩スラグコンクリートにおける砂の使用量は、式(2)によって算出し、
【数26】
ここで、msは、単位体積の油頁岩スラグコンクリートにおける砂の使用量であり、単位は、kgであり、ρsは、中砂の見かけ密度であり、単位は、kg/m3であり、
単位体積の油頁岩スラグコンクリートにおける油頁岩スラグの使用量は、式(3)によって算出し、
【数27】
ここで、mrは、単位体積の油頁岩スラグコンクリートにおける油頁岩スラグの使用量であり、単位は、kgであり、ρrは、油頁岩スラグの見かけ密度であり、単位は、kg/m3であり、Vrは、油頁岩スラグの体積置換率であり、単位は、%であり、
骨材に石を含む場合には、単位体積油頁岩スラグコンクリートの石使用量は、式(4)によって算出し、
【数28】
ここで、mgは、単位体積油頁岩スラグコンクリートの石使用量であり、単位は、kgであり、ρgは、石の見かけ密度であり、単位は、kg/m3であり、
前記セメント材料にシリカ粉末を含まない場合には、式(1)、式(3)および式(4)
【数29】
前記骨材に鋼繊維を含まない場合には、式(1)、式(2)および式(4)のVf=0であることを特徴とする請求項に記載の設計方法。
【請求項6】
前記砂は、中砂であり、前記石は、砕石である、ことを特徴とする請求項に記載の設計方法
【請求項7】
前記油頁岩スラグコンクリートは、砂と油頁岩スラグ、又は砂、油頁岩スラグと石とを均一に混合した後、予備湿潤用水を加えて予備湿潤処理を行い、予備湿潤均一な材料を得て、前記予備湿潤均一な材料を余剰原料と混合して調製されたものであり、ここで、前記余剰原料は、セメント材料、純用水及び減水剤、又はセメント材料、純用水、減水剤および鋼繊維からなり、前記余剰原料に鋼繊維を含まない場合には、前記予備湿潤均一材料は、セメント材料、純用水、減水剤とを順次混合され、前記余剰原料に鋼繊維を含む場合には、前記予備湿潤均一材料は、セメント材料、純用水、減水剤、鋼繊維とを順次混合され、単位体積油頁岩スラグコンクリートの予備湿潤用水量は、以下の式によって決定し、
【数30】
ここで、m’wは、単位体積油頁岩スラグコンクリートの予備湿潤用水量であり、単位は、kgであり、mrは、単位体積油頁岩スラグコンクリートの油頁岩スラグ使用量であり、単位は、kgであり、wxは、油頁岩スラグの飽和吸水率であり、単位は、%であり、ηは、予備湿潤の程度であり、40〜100%の値を取る、ことを特徴とする請求項に記載の設計方法。
【請求項8】
前記油頁岩スラグコンクリートは、P.O 42.5Rセメント、シリカ粉末、油頁岩スラグ、砕石、川砂、鋼繊維、減水剤、予備湿潤用水および純用水から調製されたものである、ことを特徴とする請求項に記載の設計方法。
【請求項9】
1立方メートル当たりの油頁岩スラグコンクリートにおける各原料含有量は、次表のとおりであり、単位は、kgである、ことを特徴とする請求項に記載の設計方法。
【表3】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート調製および固体廃棄物の建築材料資源化利用分野に関するもので、より詳細には、油頁岩スラグコンクリート配合比の設計方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
油頁岩の油含有率が低いため、乾留と燃焼の形式で油頁岩を利用する場合、大量の油頁岩スラグを残し、貴重な土地資源を占用し、美しい農村の建設に影響するだけでなく、水源と土地にも深刻な汚染をもたらし、土壌毒化、農作物損傷などの一連の環境問題を引き起こし、さらに住民の健康安全を深刻に脅かしている。
【0003】
油頁岩スラグの未固結多孔質の構造によって保温、断熱、吸音、防音、軽量などの特性を有し、活性成分も含まれている。コンクリートは、現在土木工事で最も使用量の多い建築材料であり、毎年、大量の骨材が消費されたことが知られている。油頁岩スラグを骨材として油頁岩スラグ環境配慮型コンクリートを調製して、壁、下地などの材料として使用されると、油頁岩スラグの建築資源化利用を実現することができる。その研究開発と応用は、資源節約、環境保護、汚染管理及び建築コストの低減に対しても重大な意義がある。
【0004】
長期にわたり、環境化学工業領域、建築材料の専門家らは、油頁岩スラグの回収利用を研究している。しかしながら、彼らの多くの研究は、油頁岩スラグから化学元素を抽出し、粉砕(粗磨と細磨)、配合材料として使用されることだけであり、一定の成果を得たが、油頁岩スラグの在庫量は依然として膨大で、危害が依然として存在している。コンクリートは、大量使用された建築材料として、コンクリートに他の成分材料を混入することで、異なるタイプのコンクリートを得ることができる。Raado L M、Hain Tら(RAADO L M,HAIN T,KUUSIKE R,et al.Composition and Properties of Oil Shale Ash Concrete[J].Oil Shale,2014,31(2):147-160.)は、油頁岩スラグを微細化にした後、粉末状配合物でコンクリートを調製に成功したが、該コンクリート28dの圧縮強度は一般に5MPa未満であった。この状況に基づいて、本発明の実施形態の一態様によれば、油頁岩スラグを粗骨材の形式でコンクリートを調製する配合比設計方法が提案され、油頁岩スラグコンクリートの強度をさらに向上させ、油頁岩スラグ建築材料の資源化利用を実現するとともに、二次エネルギー消費を削減する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許出願公開第109053013号明細書
【0006】
本発明は、材料分野に関するもので、具体的には、コンクリート原料、コンクリート用複合粉体及びその製造方法に関するものである。火山灰30〜50部、脱硫石膏5〜15部、油頁岩10〜30部、スラグ15〜30部、活性剤4〜6部、華千素3〜4部を主に含み、活性剤が硫酸ナトリウム又はメタアル酸ナトリウムであるコンクリート用複合粉体。華千素は、コンクリート混合物の性能を改善できるものであり、火山灰、脱硫石膏、油頁岩及びスラグが華千素により良好な技術結合性を有し、活性剤も複合粉体の性能を向上させることができ、有効な供給を実現するとともに、技術経済性能を更に向上させ、従来運用できず低品質産業廃棄物を活用することで環境保護などの一連の問題を解決した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の技術に存在する問題点及び不足を克服するために、本発明は、油頁岩スラグコンクリート配合比の設計方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を実現するために、本発明の用いる技術方案は、以下のとおりである。
【0009】
油頁岩スラグを粗骨材とする油頁岩スラグコンクリート配合比の設計方法。油頁岩スラグを粗骨材とすると、細骨材よりもコンクリート製造時の消費量が大きく、資源化利用を容易にする。
【0010】
前記設計方法の好ましい実施形態として、前記設計方法は、以下のステップを含んだ。
【0011】
ステップ(1)、前記油頁岩スラグコンクリートの原料種類を決定する。前記油頁岩スラグコンクリートの原料は、セメント材料、骨材、減水剤および水からなり、前記セメント材料は、セメントまたはセメントとシリカ粉末からなり、前記骨材は、砂と油頁岩スラグからなるか、または石、鋼繊維の少なくとも1種、砂と油頁岩スラグからなり、前記水は、純用水であるか、または純用水および予備湿潤用水からなる。
ステップ(2)、減水剤以外の各原料の見かけ密度を測定する。
ステップ(3)、水セメント比を算出する。JGJ51-2002<軽量骨材コンクリート技術規程>の規定によって単位体積油頁岩スラグコンクリートの純用水量と初期砂率を決定し、そして水セメント比と単位体積油頁岩スラグコンクリートの純用水量から単位体積油頁岩スラグコンクリートのセメント材料使用量を算出する。
ステップ(4)、単位体積油頁岩スラグコンクリートの減水剤量を算出し、油頁岩スラグの体積置換率を決定する。前記セメント材料にシリカ粉末を含む場合には、さらに単位体積油頁岩スラグコンクリートにおけるセメント使用量およびシリカ粉末使用量を算出する必要がある。
ステップ(5)、前記骨材に鋼繊維を含まない場合には、最終砂率は前記初期砂率であり、前記骨材に鋼繊維を含む場合には、鋼繊維の体積率および単位体積油頁岩スラグコンクリートの鋼繊維使用量を決定し、鋼繊維の体積率に応じて砂率を最終砂率に調整する。
ステップ(6)、前記水が予備湿潤用水を含まない場合には、減水剤の体積を無視し、絶対体積法を用いて単位体積の油頁岩スラグコンクリートにおける砂使用量および油頁岩スラグ使用量をそれぞれ算出する。前記水に予備湿潤用水を含む場合には、減水剤および予備湿潤用水の体積を無視し、絶対体積法を用いて単位体積の油頁岩スラグコンクリートにおける砂使用量および油頁岩スラグ使用量をそれぞれ算出し、かつ、予備湿潤用水量を算出し、予備湿潤用水量が油頁岩スラグの飽和水要求量(すなわち、飽和吸水量)を超えないようにする。骨材に石を含む場合には、対応する絶対体積法を用いて単位体積油頁岩スラグコンクリートの石使用量を算出する必要がある。油頁岩スラグを粗骨材の形式で、石を全部または部分的に置換する。油頁岩スラグ体積の置換率は、油頁岩スラグ体積と油頁岩スラグと石の総体積の割合のことであり、0〜100%の範囲内から値をとる。
【0012】
前記設計方法の好ましい実施形態として、前記ステップ(3)では、水セメント比は、以下の式によって決定する。
【数1】
ここで、W/Bは、水セメント比であり、αa、αbは、回帰係数であり、fbは、セメント材料28dセメント砂圧縮強度でり、単位は、どれもMPaである。fcu,kは、コンクリート立方体の圧縮強度基準値であり、コンクリートの設計強度レベル値を取り、単位は、MPaである。σは、コンクリート強度標準偏差であり、単位は、MPaである。αab,fb,fcu,kおよびσは、どれもJGJ55-2011<普通コンクリート配合比設計手順>に規定された方法によって値をとった。ここで、油頁岩スラグ強度が低い特性を考慮して、3つの強度レベル(すなわち、15MPa)を向上させたことに基づいて水セメント比を算出した。
【0013】
前記設計方法の好ましい実施形態として、前記ステップ(4)では、JGJ55-2011<普通コンクリート配合比設計規定>の規定によって減水剤の使用量を算出する。
【0014】
前記設計方法の好ましい実施形態として、前記ステップ(5)では、前記骨材に鋼繊維を含む場合には、最終砂率は以下の式によって決定する。
【数2】
ここで、Spは、最終砂率であり、単位は、%である。Sp0は、初期砂率であり、単位は、%である。Vfは、鋼繊維体積率であり、単位は、%である。
【0015】
前記設計方法の好ましい実施形態として、前記ステップ(6)では、単位体積の油頁岩スラグコンクリートにおける砂の体積は、以下の式(1)によって算出する。
【数3】
ここで、Vsは、単位体積の油頁岩スラグコンクリートにおける砂の体積であり、単位は、m3である。mw、mc、msfは、それぞれ単位体積の油頁岩スラグコンクリートにおける純用水、セメント、シリカ粉末の使用量であり、単位は、どれもkgである。ρw、ρc、ρsfは、それぞれ純用水、セメント、シリカ粉末の見かけ密度であり、単位は、どれもkg/m3である。Vfは、鋼繊維体積率であり、単位は、%である。Spは、最終砂率であり、単位は、%である。
【0016】
単位体積の油頁岩スラグコンクリートにおける砂の使用量は、式(2)によって算出する。
【数4】
ここで、msは、単位体積の油頁岩スラグコンクリートにおける砂の使用量であり、単位は、kgである。ρsは、中砂の見かけ密度であり、単位は、kg/m3である。
【0017】
単位体積の油頁岩スラグコンクリートにおける油頁岩スラグの使用量は、式(3)によって算出する。
【数5】
ここで、mrは、単位体積の油頁岩スラグコンクリートにおける油頁岩スラグの使用量であり、単位、はkgである。ρrは、油頁岩スラグの見かけ密度であり、単位は、kg/m3である。Vrは、油頁岩スラグの体積置換率であり、単位は%である。
【0018】
骨材に石を含む場合には、単位体積油頁岩スラグコンクリートの石使用量は、式(4)によって算出する。
【数6】
ここで、mg は、単位体積油頁岩スラグコンクリートの石使用量であり、単位は、kgである。ρgは、石の見かけ密度であり、単位は、kg/m3である。
【0019】
前記セメント材料にシリカ粉末を含まない場合には、式(1)、式(3)および式(4)の
【数7】
前記骨材に鋼繊維を含まない場合には、式(1)、式(2)および式(4)のVf=0である。
【0020】
前記設計方法の好ましい実施形態として、前記鋼繊維の体積率は0〜2%である。
【0021】
前記設計方法の好ましい実施形態として、前記砂は、中砂であり、前記石は、砕石である。
【0022】
前記設計方法の好ましい実施形態として、前記油頁岩スラグコンクリートは、砂と油頁岩スラグ、又は砂、油頁岩スラグと石とを均一に混合した後、予備湿潤用水を加えて予備湿潤処理を行い、予備湿潤均一な材料を得て、前記予備湿潤均一な材料を余剰原料と混合して調製されたものである。ここで、前記余剰原料は、セメント材料、純用水及び減水剤、又はセメント材料、純用水、減水剤および鋼繊維からなる。前記余剰原料に鋼繊維を含まない場合には、前記予備湿潤均一材料は、セメント材料、純用水、減水剤とを順次混合され、前記余剰原料に鋼繊維を含む場合には、前記予備湿潤均一材料は、セメント材料、純用水、減水剤、鋼繊維とを順次混合される。単位体積油頁岩スラグコンクリートの予備湿潤用水量は、以下の式によって決定する。
【数8】
ここで、m’wは、単位体積油頁岩スラグコンクリートの予備湿潤用水量であり、単位は、kgである。mrは、単位体積油頁岩スラグコンクリートの油頁岩スラグ使用量であり、単位は、kgである。wxは、油頁岩スラグの飽和吸水率であり、単位は、%である。ηは、予備湿潤の程度であり、40〜100%の値を取る。
【0023】
前記設計方法の好ましい実施形態として、前記油頁岩スラグコンクリートはP.O 42.5Rセメント、シリカ粉末、油頁岩スラグ、砕石、川砂、鋼繊維、減水剤、予備湿潤用水および純用水から調製されたものである。
【0024】
前記設計方法の好ましい実施形態として、1立方メートル当たりの油頁岩スラグコンクリートにおける各原料含有量は、次表のとおりであり、単位は、kgである。
【表0】
【発明の効果】
【0025】
本発明は、従来の技術に比べて、以下の利点および有益の効果を有する。
【0026】
(1)、油頁岩スラグを骨材として使用される場合には、品質がよくないため、本発明は、超微細シリカ粉末を混入することによりその内部微細構造を改善させ、さらにそのマクロ性能を向上させる。本発明は、骨材の粒度分布と各種材料の単位使用量の正確な計算に基づいて、設計された油頁岩スラグコンクリートを特定の構造の強度要求に満たさせた。
(2)、本発明は、油頁岩スラグを粗骨材として、高い圧縮強度を有するコンクリートを得るとともに、油頁岩スラグの使用量を増加させることができ、油頁岩スラグ建築材料の資源化利用を実現した。
(3)、本発明は、油頁岩スラグコンクリートについての設計手順が明確で、方法が簡単かつ具体的で、把握しやすく、実際の工程に採用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の油頁岩スラグコンクリート配合比の設計方法の一実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の目的、技術的解決手段及び利点をよりよく説明するために、以下、特定の実施例を参照して本発明をさらに説明する。各実施例で用いられた油頁岩スラグは、茂名油母頁岩乾留後の残渣、堆積密度740kg/m3、飽和吸水率22.5%、破砕指標37.2%、飽和吸水率と破砕指標ともに規格<建築用玉石、砕石>(GB/T 14685-2011)におけるIII類砕石の上限より高かったため、42.5等級及びそれ以上のセメントを用いてセメント材料として超微細配合材を混入した。
【0029】
実施例1
本実施例は、以下のステップを含む本発明油頁岩スラグコンクリート配合比の設計方法の一実施形態である。
【0030】
ステップ(1)、油頁岩スラグコンクリートの原料はP.O 42.5Rセメント、シリカ粉末、ナフタレン系高性能減水剤、最大粒径2.5mm未満の中砂、5〜20mm粒度分布砕石、5〜16mm粒度分布油頁岩スラグ、純用水および予備湿潤用水であり、本実施例での粗骨材は油頁岩スラグと砕石であった。
ステップ(2)、減水剤以外の各原料の見かけ密度を測定した。P.O 42.5Rセメントρc:3000kg/m3。シリカ粉末ρsf:2200kg/m3。中砂ρs:2600kg/m3。砕石ρg:2500kg/m3。油頁岩スラグρr:1550kg/m3
ステップ(3)、水セメント比W/Bを算出した。
【数9】
ここで、αab,fb,fcu,kおよびσは、どれもJGJ55-2011<普通コンクリート配合比設計手順>に規定された方法によって値をとった。そのうち、αa =0.53、αb=0.2、fb=1.16×42.5=49.3MPa、fcu,k=30MPa、σ=5MPa。
JGJ51-2002<軽量骨材コンクリート技術規程>の規定によって1立方メートル当たり油頁岩スラグコンクリートの純用水量mwは、175kgであった。初期砂率Sp0は、40%をとった。そして、W/Bとmwから算出された1立方メートル当たり油頁岩スラグコンクリートのセメント材料使用量mjは、425kgであった。
ステップ(4)、減水剤使用量は、セメント材料使用量の3%をとって、1立方メートル当たり油頁岩スラグコンクリートの減水剤使用量maを算出した。具体的には、ma=mj×3%=12.75kg。シリカ粉末の使用量は、セメント材料使用量の8%をとって、1立方メートル当たり油頁岩スラグコンクリートのセメント使用量mcとシリカ粉末使用量msfを算出した。具体的には、msf=mj×8%=34kg、mc=mj−msf=391kg。油頁岩スラグ体積置換率Vrは、23%をとった。
ステップ(5)、骨材は、鋼繊維を含まず、砂率を調整する必要がなく、最終砂率Spは前記初期砂率Sp0であった。
ステップ(6)、減水剤の体積を無視し、絶対体積法を用いて単位体積油頁岩スラグコンクリートにおける中砂使用量ms、油頁岩スラグ使用量mrと砕石使用量mgをそれぞれ算出し、具体的には、以下のとおりである。
【数10】
ここで、Vsは単位体積油頁岩スラグコンクリートにおける砂体積である。
【数11】
単位体積油頁岩スラグコンクリートにおける予備湿潤水使用量m’wを算出し、具体的には、以下のとおりである。
【数12】
ここで、wxは、油頁岩スラグの飽和吸水率であり、ηは、予備湿潤の程度である。すなわち、油頁岩スラグ予備湿潤用水は、油頁岩スラグ飽和水要求量占める百分比であり、試験結果によると、その値は、40%をとった。
【0031】
実施例2
本実施例は、以下のステップを含む本発明油頁岩スラグコンクリート配合比の設計方法の一実施形態である。
【0032】
ステップ(1)、油頁岩スラグコンクリートの原料は、P.O 42.5Rセメント、シリカ粉末、ナフタレン系高性能減水剤、最大粒径2.5mm未満の中砂、5〜20mm粒度分布砕石、5〜16mm粒度分布油頁岩スラグ、フックエンドタイプ鋼繊維、純用水および予備湿潤用水であり、本実施例での粗骨材は、油頁岩スラグと砕石であった。
ステップ(2)、減水剤以外の各原料の見かけ密度を測定した。P.O 42.5Rセメントρc:3000kg/m3。シリカ粉末ρsf:2200kg/m3。中砂ρs:2600kg/m3。砕石ρg:2500kg/m3。油頁岩スラグρr:1550kg/m3。鋼繊維ρ:7800kg/m3
ステップ(3)、水セメント比W/Bを算出した。
【数13】
ここで、αab,fb,fcu,kおよびσは、どれもJGJ55-2011<普通コンクリート配合比設計手順>に規定された方法によって値をとった。そのうち、αa =0.53、αb=0.2、fb=1.16×42.5=49.3MPa、fcu,k=30MPa、σ=5MPa。
JGJ51-2002<軽量骨材コンクリート技術規程>の規定によって1立方メートル当たり油頁岩スラグコンクリートの純用水量mwは、175kgであった。初期砂率Sp0は、40%をとった。そして、W/Bとmw から算出された1立方メートル当たり油頁岩スラグコンクリートのセメント材料使用量mjは、425kgであった。
ステップ(4)、減水剤使用量は、セメント材料使用量の3%をとって、1立方メートル当たり油頁岩スラグコンクリートの減水剤使用量maを算出した。具体的には、ma=mj×3%=12.75kg。シリカ粉末の使用量はセメント材料使用量の8%をとって、1立方メートル当たり油頁岩スラグコンクリートのセメント使用量mcとシリカ粉末使用量msfを算出した。具体的には、msf=mj×8%=34kg、mc=mj−msf=391kg。油頁岩スラグ体積置換率Vrは23%をとった。
ステップ(5)、鋼繊維の体積率Vfは、0.5%をとって、すなわち、1立方メートル当たり油頁岩スラグコンクリートの鋼繊維使用量は、7800kg/m3×0.5%×1m3=39kgであった。砂率を調整し、最終砂率を以下の式によって算出した。
【数14】
ステップ(6)、減水剤の体積を無視し、絶対体積法を用いて単位体積油頁岩スラグコンクリートにおける中砂使用量ms、油頁岩スラグ使用量mrと砕石使用量mgをそれぞれ算出し、具体的には、以下のとおりである。
【数15】
単位体積油頁岩スラグコンクリートにおける予備湿潤水使用量m’wを算出し、具体的には、以下のとおりである。
【数16】
ここで、wxは、油頁岩スラグの飽和吸水率であり、ηは、予備湿潤の程度である。すなわち、油頁岩スラグ予備湿潤用水は、油頁岩スラグ飽和水要求量占める百分比であり、試験結果によると、その値は、40%をとった。
【0033】
実施例3
本実施例は、以下のステップを含む本発明油頁岩スラグコンクリート配合比の設計方法の一実施形態である。
【0034】
ステップ(1)、油頁岩スラグコンクリートの原料は、P.O 42.5Rセメント、シリカ粉末、ナフタレン系高性能減水剤、最大粒径2.5mm未満の中砂、5〜16mm粒度分布油頁岩スラグ、フックエンドタイプ鋼繊維、純用水および予備湿潤用水であり、本実施例での粗骨材は、すべて油頁岩スラグであった。
ステップ(2)、減水剤以外の各原料の見かけ密度を測定した。P.O 42.5Rセメントρc:3000kg/m3。シリカ粉末ρsf:2200kg/m3。中砂ρs:2600kg/m3。油頁岩スラグρr:1550kg/m3。鋼繊維ρ:7800kg/m3
ステップ(3)、水セメント比W/Bを算出した。
【数17】
ここで、αab,fb,fcu,kおよびσは、どれもJGJ55-2011<普通コンクリート配合比設計手順>に規定された方法によって値をとった。そのうち、αa=0.53、αb=0.2、fb=1.16×42.5=49.3MPa、fcu,k=30MPa、σ=5MPa。
JGJ51-2002<軽量骨材コンクリート技術規程>の規定によって1立方メートル当たり油頁岩スラグコンクリートの純用水量mwは、175kgであった。初期砂率Sp0は、40%をとった。そして、W/Bとmwから算出された1立方メートル当たり油頁岩スラグコンクリートのセメント材料使用量mjは425kgであった。
ステップ(4)、減水剤使用量は、セメント材料使用量の3%をとって、1立方メートル当たり油頁岩スラグコンクリートの減水剤使用量maを算出した。具体的には、ma=mj×3%=12.75kg。シリカ粉末の使用量は、セメント材料使用量の8%をとって、1立方メートル当たり油頁岩スラグコンクリートのセメント使用量mcとシリカ粉末使用量msfを算出した。具体的には、msf=mj×8%=34kg、mc=mj−msf=391kg。油頁岩スラグ体積置換率Vrは、100%をとった。
ステップ(5)、鋼繊維の体積率Vfは、0.5%をとって、すなわち、1立方メートル当たり油頁岩スラグコンクリートの鋼繊維使用量は、39kgm3であった。砂率を調整し、最終砂率を以下の式によって算出した。
【数18】
ステップ(6)、減水剤の体積を無視し、絶対体積法を用いて単位体積油頁岩スラグコンクリートにおける中砂使用量ms、油頁岩スラグ使用量mrをそれぞれ算出し、具体的には、以下のとおりである。
【数19】
単位体積油頁岩スラグコンクリートにおける予備湿潤水使用量m’wを算出し、具体的には、以下のとおりである。
【数20】
ここで、wxは、油頁岩スラグの飽和吸水率であり、ηは、予備湿潤の程度であった。すなわち、油頁岩スラグ予備湿潤用水は、油頁岩スラグ飽和水要求量占める百分比であり、試験結果によると、その値は、80%をとった。
【0035】
比較実施例
本比較実施例は、以下のステップを含む油頁岩スラグコンクリート配合比の設計方法の一実施形態である。
ステップ(1)、油頁岩スラグコンクリートの原料は、P.O 42.5Rセメント、シリカ粉末、ナフタレン系高性能減水剤、最大粒径2.5mm未満の中砂、5〜20mm粒度分布砕石および純用水であった。
ステップ(2)、減水剤以外の各原料の見かけ密度を測定した。P.O 42.5Rセメントρc:3000kg/m3。シリカ粉末ρsf:2200kg/m3。中砂ρs:2600kg/m3。砕石ρ:2500kg/m3
ステップ(3)、水セメント比W/Bを算出した。
【数21】
ここで、αab,fb,fcu,kおよびσは、どれもJGJ55-2011<普通コンクリート配合比設計手順>に規定された方法によって値をとった。そのうち、αa=0.53、αb=0.2、fb=1.16×42.5=49.3MPa、fcu,k=30MPa、σ=5MPa。
JGJ51-2002<軽量骨材コンクリート技術規程>の規定によって単位体積油頁岩スラグコンクリートの純用水量mwは、175kg/m3であった。初期砂率Sp0は、40%をとった。そして、W/Bとmwから算出された1立方メートル当たり油頁岩スラグコンクリートのセメント材料使用量mjは、425kg/m3であった。
ステップ(4)、減水剤使用量は、セメント材料使用量の3%をとって、1立方メートル当たり油頁岩スラグコンクリートの減水剤使用量maを算出した。具体的には、ma=mj×3%=12.75kg。シリカ粉末の使用量はセメント材料使用量の8%をとって、1立方メートル当たり油頁岩スラグコンクリートのセメント使用量mcとシリカ粉末使用量msfを算出した。具体的には、msf=mj×8%=34kg、mc=mj−msf=391kg。
ステップ(5)、骨材は、鋼繊維を含まず、砂率を調整する必要がなく、最終砂率Spは、前記初期砂率Sp0であった。
ステップ(6)、減水剤の体積を無視し、絶対体積法を用いて単位体積油頁岩スラグコンクリートにおける中砂使用量、油頁岩スラグ使用量と砕石使用量をそれぞれ算出し、具体的には、以下のとおりである。
【数22】
【0036】
実施例1〜3と比較実施例におけるコンクリート各原料の配合比は表1に示すように、単位は、どれもkg/m3であった。
【表1】
【0037】
実施例1〜3と比較実施例における配合比によって、それぞれ同じ規格、かつ体積100mm3の試料を作製し、これらの試料の28d密度と圧縮強度を測定し、試験結果を表2に示す。
【表2】
【0038】
表2の試験結果から分かるように、油頁岩スラグを骨材の形式で混入されると、コンクリートの強度を確実に低下させたが、油頁岩スラグの体積置換率23%の場合には、C30レベルに達することができる。また、鋼繊維の混入は、油頁岩スラグコンクリートの強度を著しく向上させることができ、さらに、油頁岩スラグの混入により密度を減少させ、構造の自重低減に有利であること。
【0039】
最後に、以上の実施例は、本発明の技術的解決手段を説明するためにのみ使用され、本発明の保護範囲を限定するものではないことを説明すべきであり、好ましい実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は、本発明の技術的解決手段の実質と範囲から逸脱することなく、本発明の技術的解決手段を修正又は同等に置き換えることができることを理解すべきである。
【要約】      (修正有)
【課題】的確であり、操作性が良く、油頁岩スラグの建築資源化利用を実現できる、油頁岩スラグコンクリート配合比の設計方法を提供する。
【解決手段】油頁岩スラグを粗骨材とし、コンクリートを調製する方法であって、(1)各種原材料の見かけ密度を測定するステップと、(2)水セメント比を算出し、単位用水量、初期砂率、油頁岩スラグ体積置換率を決定するステップと、(3)セメント材料単位使用量およびセメントとシリカ粉末の使用量を算出し、減水剤と鋼繊維との混合量を決定するステップと、(4)鋼繊維の体積率に基づいて砂率を調整するステップと、(5)砂、石、油頁岩スラグ、予備湿潤用水の単位使用量を算出するステップとを含む。
【選択図】図1
図1