(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0014】
<シート体の全体概略構成>
本実施形態によるシート体100を
図1に示す。シート体100は、シートを2枚重ねにして左右対称な略平板状に構成され、
図1(a)に示す表面、及び、
図1(b)に示す裏面が規定される。シート体100の縁部は、開口E111、E121が形成される部位以外は、貼り合わせられている。シート体100は、15個の面S1〜S15を有する。面S1〜S15は連設され、それぞれの間には、折り線L1〜L14、切り込みC1〜C8が設けられる。
図1(a)に示すように、シート体100の表面において、面S4(一方面に相当する)及び面S10(他方面に相当する)は、メッセージ欄M1及びM2をそれぞれ備える。メッセージ欄M1及びM2は、メッセージを表記可能となっている。一方、
図1(b)に示すように、シート体100の裏面においては、何れの面もメッセージ欄を備えていない。なお、上下方向、前後方向、左右方向は、
図1等の各図中に適宜示す矢印向に対応している。なお、以下適宜、後側を「奥側」、前側を「手前側」と称する。
【0015】
図1に示すように、シート体100の上端部の左右方向中央に、長方形の面S1が、長辺が左右方向に沿うよう設けられる。面S1の左端及び右端には、長方形の面S2及びS3が、互いの短辺が重なり合うようそれぞれ連設される。面S1と、面S2及びS3との間には、折り線L1及びL2がそれぞれ設けられる。面S1の下端には、長方形の面S4が、互いの長辺が重なり合うよう連設される。面S1と、面S4との間には、折り線L3が設けられる。
【0016】
面S4の左端及び右端には、台形の面S5及びS6がそれぞれ連設される。面S5の右端辺は、面S4の左端短辺と重なり合うとともに、面S5の左端辺E5と平行である。左端辺E5は、面S5の右端辺よりも短い。面S6の左端辺は、面S4の右端短辺と重なり合うとともに、面S6の右端辺E6と平行である。右端辺E6は、面S6の左端辺よりも短い。面S4と、面S5及びS6との間には、折り線L4及びL5がそれぞれ設けられる。
【0017】
面S4の下端には、長方形の面S7が、互いの長辺が重なり合うよう連設される。面S4と、面S7との間には、折り線L6が設けられる。面S7の左端及び右端には、長方形の面S8及びS9が、互いの短辺が重なり合うようそれぞれ連設される。面S7と、面S8及びS9との間には、折り線L7及びL8がそれぞれ設けられる。面S7の下端には、長方形の面S10が、互いの長辺が重なり合うよう連設される。面S7と、面S10との間には、折り線L9が設けられる。
【0018】
面S10の左端及び右端には、長方形の面S11及びS12がそれぞれ連設される。面S11の右端長辺は、面S10の左端短辺と重なり合うとともに、面S11の左端長辺E11と平行で同一の長さを有する。面S12の左端長辺は、面S10の右端短辺と重なり合うとともに、面S12の右端長辺E12と平行で同一の長さを有する。面S10と、面S11及びS12との間には、折り線L10及びL11がそれぞれ設けられる。
【0019】
シート体100の下端部の左右方向中央であって、面S10の下端には、長方形の面S13が、互いの長辺が重なり合うよう連設される。面S10と、面S13との間には、折り線L12が設けられる。面S13の左端及び右端には、長方形の面S14及びS15が、互いの短辺が重なり合うよう連設される。面S13と、面S14及びS15との間には、折り線L13及びL14がそれぞれ設けられる。
【0020】
面S2と、面S5との間には、切り込みC1が設けられる。切り込みC1は、面S2の下端長辺及び面S5の上端斜辺に沿って形成される。面S3と、面S6との間には、切り込みC2が設けられる。切り込みC2は、面S3の下端長辺及び面S6の上端斜辺に沿って形成される。面S5と、面S8との間には、切り込みC3が設けられる。切り込みC3は、面S5の下端斜辺及び面S8の上端長辺に沿って形成される。面S6と、面S9との間には、切り込みC4が設けられる。切り込みC4は、面S6の下端斜辺及び面S9の上端長辺に沿って形成される。面S8と、面S11との間には、切り込みC5が設けられる。切り込みC5は、面S8の下端長辺及び面S11の上端短辺に沿って形成される。面S9と、面S12との間には、切り込みC6が設けられる。切り込みC6は、面S9の下端長辺及び面S12の上端短辺に沿って形成される。面S11と、面S14との間には、切り込みC7が設けられる。切り込みC7は、面S11の下端短辺及び面S14の上端長辺に沿って形成される。面S12と、面S15との間には、切り込みC8が設けられる。切り込みC8は、面S12の下端短辺及び面S15の上端長辺に沿って形成される。
【0021】
面S1、S4、S7、S10、S13の各長辺は、それぞれ同一の長さをなす。面S4及びS10は、互いに同一形状をなす。面S7及びS13は、互いに同一形状をなす。面S7及びS13の各短辺は、面S4及びS10の各短辺よりもそれぞれ短い。面S1の短辺は、面S7及びS13の各短辺よりも短い。面S2及びS3の各長辺、面S5及びS6の左右方向高さ、面S8及びS9の各長辺、面S11及びS12の各短辺、面S14及びS15の各長辺は、それぞれ同一の長さをなし、面S1、S4、S7、S10、S13の各長辺よりも短い。面S11の左端長辺E11は、面S5の左端辺E5よりも長い。面S12の右端長辺E12は、面S6の右端辺E6よりも長い。
【0022】
シート体100は、所定の縁部で貼り合わせられる。貼り合わせ部位は、面S1の上端長辺、面S2の上下端各長辺・左端短辺、面S3の上下端各長辺・右端短辺、面S5の上下端各斜辺・左端辺E5、面S6の上下端各斜辺・右端辺E6、面S8の上下端各長辺・左端短辺、面S9の上下端各長辺・右端短辺、面S11の上下端各短辺、面S12の上下端各短辺、面S13の下端長辺、面S14の上下端各長辺・左端短辺、面S15の上下端各長辺・右端短辺である。
【0023】
一方、面S11の左端長辺E11、面S12の右端長辺E12は、貼り合わせされない。このため、左端長辺E11、右端長辺E12に沿って、開口E111及びE121がそれぞれ形成される。面S11及びS12(被挿入部に相当する)においては、開口E111及びE121を介して、面S5及びS6(挿入部に相当する)を2枚シートの間にそれぞれ収納する空間が形成される。ここにおいて、面S5の左端辺E5、面S6の右端辺E6は、面S5及びS6の縁部であって、面S5及びS6が面S11及びS12にそれぞれ挿入される際に、開口E111及びE121に対向する。開口E111及びE121の寸法としては、シート体100を平置きした状態において、開口E111及びE121の長さは、左端長辺E11、右端長辺E12の長さとそれぞれ同一となる。左端長辺E11、右端長辺E12の長さは、左端辺E5、右端辺E6よりもそれぞれ長い。従って、開口E111及びE121の長さは、左端辺E5、右端辺E6よりもそれぞれ長い。
【0024】
以上のように構成されたシート体100は、面S11への開口E111を介した面S5の挿入、面S12への開口E121を介した面S6の挿入、折り線L1〜L14における折り込み、によって、複数の立体形状態様を選択的に実現可能となっている。複数の立体形状態様は、第1〜5態様である。各態様の組立は、はさみ、のり等の器具を用いることなく、手組みで行うことができる。
【0025】
<第1態様の組立方法>
次に、上記構成のシート体100の形状態様を第1態様とするための組立方法の一例を、
図1、
図2、
図3により説明する。組立により、シート体100は、最終的に
図2に示す第1態様の箱体10となる。
図2に示すように、箱体10は、略直方体形状をなし、第1前面11と、第1後面12と、第1底面13と、第1頂面14と、第1左面15と、第1右面16と、を有する。
【0026】
第1態様の組立は、
図1(a)に示すように、シート体100の表面が手前側を向くよう平置きされた状態から開始される。先ず、折り線L7及びL8をそれぞれ谷折りすることで、面S8及びS9を起こし、面S7に対し略直角にそれぞれ立設する。次いで、折り線L9を谷折りすることで、面S10を起こし、面S7に対し略直角に立設する。次いで、折り線L10及びL11をそれぞれ谷折りすることで、面S11及びS12を起こし、面S10に対し略直角にそれぞれ立設する。これにより、面S11及びS12は、面S8及びS9とそれぞれ重なり合い、面S7に対し略直角をなすよう配置される。
【0027】
次いで、折り線L13及びL14をそれぞれ谷折りすることで、面S14及びS15を起こし、面S13にそれぞれ重ね合わせる。次いで、折り線L12を谷折りすることで、重ね合わせた面S14及びS15も一体的に面S13を起こし、面S10に対し略直角に立設する。これにより、面S13、S14、S15が一体となった挿入部位Xが形成される(
図3参照)。挿入部位Xは、面S13、S14、S15が折り畳まれた状態で、
図1における面S13、S14、S15の下端辺の部分で挿入先端をなす。
【0028】
次いで、折り線L4及びL5をそれぞれ谷折りすることで、面S5及びS6を起こし、面S4に対し略直角にそれぞれ立設する。これにより、面S5及びS6は、面S11及びS12と隣り合うようそれぞれ配置される。
【0029】
次いで、折り線L1及びL2をそれぞれ谷折りすることで、面S2及びS3を起こし、面S1にそれぞれ重ね合わせる。次いで、折り線L3を谷折りすることで、重ね合わせた面S2及びS3も一体的に面S1を起こし、面S4に対し略直角に立設する。これにより、面S1、S2、S3が一体となった被挿入部位Yが形成される(
図3参照)。被挿入部位Yは、面S1、S2、S3が折り畳まれた状態で、
図1における面S1、S2、S3の上端辺の部分で開口をなす。この開口から挿入部位X(又は、後述する挿入部位Z)が挿入されると、面S1、S2、S3にて挿入部位X(又は、後述する挿入部位Z)を囲うように保持可能となっている。
【0030】
次いで、折り線L6を谷折りすることで、面S1、S5、S6が面S4に対しそれぞれ立設している状態で、面S4を面S7に対し略直角となるまで起こしていく。この際、
図3に示すように、面S5は、左端辺E5を先端として、面S11の開口E111を介して収納空間に挿入される。これと同時に、面S6は、右端辺E6を先端として、面S12の開口E121を介して収納空間に挿入される。面S5及びS6の挿入がある程度進むと、面S1、S2、S3で形成された被挿入部位Yが、面S13、S14、S15で形成された挿入部位Xに接する。そして、面S4が、面S7に対して略直角に配置されると同時に、面S5及びS6の面S11及びS12への挿入と、挿入部位Xの被挿入部位Yへの挿入がそれぞれ完了する。以上の手順により、略直方体形状の箱体10が完成する。
【0031】
図2に示す箱体10の第1前面11、第1後面12、第1底面13、第1頂面14、第1左面15、第1右面16は、それぞれ面S4、面S10、面S7、面S1及びS13、面S12、面S11に対応する。面S4及びS10には、メッセージ欄M1及びM2が備えられている。このため、メッセージ欄M1及びM2は、第1前面11及び第1後面12の内側にそれぞれ位置する。
【0032】
<第2態様の組立方法>
次に、上記構成のシート体100の形状態様を第2態様とするための組立方法の一例を、
図1、
図4、
図5により説明する。組立により、シート体100は、最終的に
図4に示す第2態様のオブジェ20となる。
図4に示すように、オブジェ20は、中空四角筒形状をなし、横置きにしたときに互いに連通する左開口部20a及び右開口部20bを形成するとともに、第2前面21と、第2後面22と、第2底面23と、第2頂面24と、を有する。
【0033】
第2態様の組立は、
図1(b)に示すように、シート体100の裏面が手前側を向くよう平置きされた状態から開始される。先ず、折り線L1、L2、L4、L5、L7、L8、L10、L11、L13、L14をそれぞれ谷折りすることで、面S2及びS3を起こし面S1に重ね合わせ、面S5及びS6を起こし面S4に重ね合わせ、面S8及びS9を起こし面S7に重ね合わせ、面S11及びS12を起こし面S10に重ね合わせ、面S14及びS15を起こし面S13に重ね合わせる。
【0034】
次いで、折り線L12を谷折りすることで、重ね合わせた面S14及びS15も一体的に面S13を起こし、面S10に対し略直角に立設する。これにより、面S13、S14、S15が一体となった挿入部位Xが形成される(
図5参照)。次いで、折り線L3を谷折りすることで、重ね合わせた面S2及びS3も一体的に面S1を起こし、面S4に対し略直角に立設する。これにより、面S1、S2、S3が一体となった被挿入部位Yが形成される(
図5参照)。
【0035】
次いで、折り線L9を谷折りすることで、面S13(挿入部位X)が面S10に対し立設し、且つ、面S11及びS12が面S10に重ね合わせられている状態で、面S10を起こし、面S7に対し略直角に立設する。次いで、折り線L6を谷折りすることで、面S1(被挿入部位Y)が面S4に対し立設し、且つ、面S5及びS6が面S4に重ね合わせられている状態で、面S4を面S7に対し略直角となるまで起こしていく。この際、
図5に示すように、面S1、S2、S3で形成された被挿入部位Yが、面S13、S14、S15で形成された挿入部位Xに向かう。そして、面S4が、面S7に対して略直角に配置されると同時に、挿入部位Xの被挿入部位Yへの挿入が完了する。以上の手順により、中空四角筒形状のオブジェ20が完成する。
【0036】
図4に示すオブジェ20の第2前面21、第2後面22、第2底面23、第2頂面24は、それぞれ面S4、面S10、面S7、面S1及びS13に対応する。面S4及びS10には、メッセージ欄M1及びM2が備えられている。このため、メッセージ欄M1及びM2は、第2前面21及び第2後面22の外側にそれぞれ位置する。
【0037】
<第3態様の組立方法>
次に、上記構成のシート体100の形状態様を第3態様とするための組立方法の一例を、
図1、
図6、
図7により説明する。組立により、シート体100は、最終的に
図6に示す第3態様のオブジェ30となる。
図6に示すように、オブジェ30は、中空三角筒形状をなし、横置きにしたときに互いに連通する左開口部30a及び右開口部30bを形成するとともに、第3底面31と、第1天面32と、第2天面33と、を有する。第1天面32及び第2天面33は、第3底面31に対しそれぞれ斜交している。
【0038】
第3態様の組立は、
図1(b)に示すように、シート体100の裏面が手前側を向くよう平置きされた状態から開始される。先ず、折り線L1、L2、L4、L5、L7、L8、L10、L11、L13、L14をそれぞれ谷折りすることで、面S2及びS3を起こし面S1に重ね合わせ、面S5及びS6を起こし面S4に重ね合わせ、面S8及びS9を起こし面S7に重ね合わせ、面S11及びS12を起こし面S10に重ね合わせ、面S14及びS15を起こし面S13に重ね合わせる。
【0039】
次いで、折り線L12を谷折りすることで、重ね合わせた面S14及びS15も一体的に面S13を起こし、面S10に重ね合わせた面S11、S12に更に重ね合わせる。これにより、面S10、S11、S12、S13、S14、S15が一体となった挿入部位Zが形成される(
図7参照)。挿入部位Zは、面S10、S11、S12、S13、S14、S15がそれぞれ折り畳まれた状態で、
図1に示す折り線L12の部分で挿入先端をなす。次いで、折り線L3を谷折りすることで、重ね合わせた面S2、S3も一体的に面S1を起こし、面S4に対し鋭角をなすように立設する。これにより、面S1、S2、S3が一体となった被挿入部位Yが形成される(
図7参照)。
【0040】
次いで、折り線L9を谷折りすることで、面S11、S12、S13、S14、S15が面S10に重ね合わせられている状態で、面S10(挿入部位Z)を面S7に対し鋭角をなすよう起こしていく。これとともに、折り線L6を谷折りすることで、面S1(被挿入部位Y)が面S4に対し立設し、且つ、面S5及びS6が面S4に重ね合わせられている状態で、面S4を面S7に対し鋭角をなすよう起こしていく。この際、
図7に示すように、面S1、S2、S3で形成された被挿入部位Yが、面S10、S11、S12、S13、S14、S15で形成された挿入部位Zに向かう。そして、挿入部位Zの被挿入部位Yへの挿入が完了する。以上の手順により、中空三角筒形状のオブジェ30が完成する。
【0041】
図6に示すオブジェ30の第3底面31と、第1天面32と、第2天面33は、それぞれ面S1及び面S10、面S4、面S7に対応する。面S4及びS10には、メッセージ欄M1及びM2が備えられている。このため、メッセージ欄M1及びM2は、第1天面32及び第3底面31の外側にそれぞれ位置する。
【0042】
<第4態様の組立方法>
次に、上記構成のシート体100の形状態様を第4態様とするための組立方法の一例を、
図1、
図8、
図9により説明する。組立により、シート体100は、最終的に
図8に示す第4態様のオブジェ40となる。
図8に示すように、オブジェ40は、有底四角筒形状をなし、縦置きにしたときに上方への開口部40aを形成するとともに、第4前面41と、第4後面42と、第4底面43と、第4左面44と、第4右面45と、を有する。
【0043】
第4態様の組立は、
図1(b)に示すように、シート体100の裏面が手前側を向くよう平置きされた状態から開始される。先ず、折り線L4、L7、L10をそれぞれ谷折りすることで、面S5を起こし面S4に重ね合わせ、面S8を起こし面S7に重ね合わせ、面S11を起こし面S10に重ね合わせる。次いで、折り線L8を谷折りすることで、面S9を起こし、面S7に対し略直角に立設する。次いで、折り線L9を谷折りすることで、面S11が重ね合わせられた状態で面S10を起こし、面S7に対し略直角に立設する。次いで、折り線L11を谷折りすることで、面S12を起こし、面S10に対し略直角に立設する。これにより、面S12は、面S9と重なり合うよう、面S7に対し略直角をなすよう配置される。
【0044】
次いで、折り線L13及びL14をそれぞれ谷折りすることで、面S14及びS15を起こし、面S13にそれぞれ重ね合わせる。次いで、折り線L12を谷折りすることで、重ね合わせた面S14及びS15も一体的に面S13を起こし、面S10に対し略直角に立設する。これにより、面S13、S14、S15が一体となった挿入部位Xが形成される(
図9参照)。
【0045】
次いで、折り線L5を谷折りすることで、面S6を起こし、面S4に対し略直角に立設する。これにより、面S6は、面S12と隣り合うよう配置される。次いで、折り線L1及びL2をそれぞれ谷折りすることで、面S2及びS3を起こし、面S1にそれぞれ重ね合わせる。次いで、折り線L3を谷折りすることで、重ね合わせた面S2及びS3も一体的に面S1を起こし、面S4に対し略直角に立設する。これにより、面S1、S2、S3が一体となった被挿入部位Yが形成される(
図9参照)。
【0046】
次いで、折り線L6を谷折りすることで、面S1(被挿入部位Y)及びS6が面S4に対しそれぞれ立設し、且つ、面S5が面S4に重ね合わせられた状態で、面S4を面S7に対し略直角となるまで起こしていく。この際、
図9に示すように、面S6は、左端辺E6を先端として、面S12の開口E121を介して収納空間に挿入される。面S6の挿入がある程度進むと、面S1、S2、S3で形成された被挿入部位Yが、面S13、S14、S15で形成された挿入部位Xに接する。そして、面S4が、面S7に対して略直角に配置されると同時に、面S6の面S12への挿入と、挿入部位Xの被挿入部位Yへの挿入が完了する。以上の手順により、有底四角筒形状のオブジェ40が完成する。
【0047】
図8に示すオブジェ40の第4前面41、第4後面42、第4底面43、第4左面44、第4右面45は、それぞれ面S4、面S10、面S11、面S1及びS13、面S7に対応する。面S4及びS10には、メッセージ欄M1及びM2が備えられている。このため、メッセージ欄M1及びM2は、第4前面41及び第4後面42の外側にそれぞれ位置する。
【0048】
<第5態様の組立方法>
次に、上記構成のシート体100の形状態様を第5態様とするための組立方法の一例を、
図1、
図10、
図11により説明する。組立により、シート体100は、最終的に
図10に示す第5態様のオブジェ50となる。
図10(a)に示すように、オブジェ50は、平置きにしたときに上面51が規定される略扁平形状をなす。
図10(b)に示すように、上面51以外の複数の面は、上面51の下方で重ねられつつ折りたたまれている。
【0049】
第5態様の組立は、
図1(b)に示すように、シート体100の裏面が手前側を向くよう平置きされた状態から開始される。先ず、折り線L1、L2、L4、L5、L7、L8、L10、L11、L13、L14をそれぞれ谷折りすることで、面S2及びS3を起こし面S1に重ね合わせ、面S5及びS6を起こし面S4に重ね合わせ、面S8及びS9を起こし面S7に重ね合わせ、面S11及びS12を起こし面S10に重ね合わせ、面S14及びS15を起こし面S13に重ね合わせる。
【0050】
次いで、折り線L12を谷折りすることで、重ね合わせた面S14及びS15も一体的に面S13を起こし、面S10に重ね合わせた面S11及びS12に更に重ね合わせる。これにより、面S10、S11、S12、S13、S14、S15が一体となった挿入部位Zが形成される(
図11参照)。次いで、折り線L3を谷折りすることで、重ね合わせた面S2及びS3も一体的に面S1を起こし、面S4に対し鋭角をなすように立設する。これにより、面S1、S2、S3が一体となった被挿入部位Yが形成される(
図11参照)。
【0051】
第5態様の組立においては、他の態様の組立に比して、折り線の数が1つ多くなる。上記挿入部位Zの形成に続き、被挿入部位Yが形成された段階において、
図11(a)に示すように、面S10に面S11、S12、S13(面S13には、面S14及びS15が重ね合わされている)が重ね合わされた領域の上下方向の略中央に、折り線L15が規定される。折り線L15は、折り線L9及びL12と互いに平行である。折り線L15により、上記領域は、上側が面S101、下側が面S102となるよう区画される。面S102が、挿入部位Zに対応する。次いで、
図11(b)に示すように、折り線L15を山折りすることで、面S102を起こし、シート体100の表面にて面S101に重ね合わせる。次いで、
図11(c)に示すように、折り線L9を谷折りすることで、表面にて面S102が面S101に重ね合わされている状態で、面S101を、裏面にて面S7に重ね合わせた面S8及びS9に更に重ね合わせる。これにより、面S102の挿入部位Zの挿入先端(折り線L12)が、シート体100の下端に突出する。次いで、
図11(d)に示すように、折り線L6を谷折りすることで、面S8、S9、S101、S102が面S7に重ね合わせられている状態で、面S7を面S4に対し鋭角をなすよう起こしていく。この際、面S102の挿入部位Zが、面S1、S2、S3で形成された被挿入部位Yに接する。そして、挿入部位Zの被挿入部位Yへの挿入が完了する。以上の手順により、略扁平形状のオブジェ50が完成する。
【0052】
図10(a)に示すオブジェ50の上面51は、面S4に対応する。
図10(b)に示すオブジェ50の上面51の下方には、
図11に示すように複数面が折り畳まれて収納されて、面S1及びS7のみが外側に露出する。面S4及びS10には、メッセージ欄M1及びM2が備えられている。このため、メッセージ欄M1は、
図10(a)に示すように、上面51の外側に位置する。なお、面S10のメッセージ欄M2は外側に露出しない。
【0053】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のシート体100においては、メッセージ欄M1及びM2をそれぞれ備えた面S4及びS10を含む複数面S1〜S15が備えられる。複数面S1〜S15のそれぞれの間に設けられた折り線L1〜L14における折り込みと、複数面のうち面S5(左端辺E5)及びS6(右端辺E6)の面S11(開口E111)及びS12(開口E121)への挿入により、複数の立体形状態様が選択的に実現可能となる。実現可能な立体形状態様は、第1態様、第2態様、第3態様、第4態様、第5態様である。これらのうち何れか1態様から、他の態様に変形させることができ、変形後の形状態様を、別用途に適したものとすることができる。
【0054】
第1態様は、略直方体形状をなす箱体10である。このため、所定の物品類を収納し輸送しつつ、メッセージ等を送るために用いることができる。第1態様では、メッセージ欄M1及びM2を備える面S4及びS10が、それぞれ第1前面11及び第1後面12となる。このため、第1前面11、第1後面12に対し直接メッセージ等を記載でき、メッセージ等を書いたメモを別途用意する必要がなくなる。
【0055】
第2態様は、中空四角筒形状をなすオブジェ20である。メッセージ欄M1及びM2を備える面S4及びS10が、それぞれ第2前面21及び第2後面22となる。従って、第2前面21及び第2後面22の2面を用いて、多くのメッセージ等を表示するよう飾ることができる。第3態様は、中空三角筒形状をなすオブジェ30である。メッセージ欄M1を備える面S4が第1天面32となり、メッセージ欄M2を備える面S10が第3底面31となる。このため、一方のメッセージ等を天面にて表示しつつ、他方のメッセージ等を底面にて隠すよう飾ることができる。また、中空三角筒形状をなすため、安定的に置くことができる。
【0056】
また、本実施形態では特に、立体形状態様として、第4態様を選択的に実現可能となっている。第4態様は、有底四角筒形状をなすオブジェ40である。メッセージ欄M1及びM2を備える面S4及びS10が、それぞれ第4前面41及び第4後面42となる。従って、第2態様と同等にメッセージを飾ることができる。また、縦置き上方の開口部40aを介し、オブジェ40の内部にて物品類を収納できる。例えば、オブジェ40を、筆記具を収納するためのペン立て等として用いることができる。以上より、メッセージを飾るオブジェ40に、物品類を収容する機能を加えることができる。
【0057】
また、本実施形態では特に、立体形状態様として、第5態様を選択的に実現可能となっている。第5態様は、略扁平形状をなすオブジェ50である。メッセージ欄M1を備える面S4が、上面51となり、メッセージ欄M2を備える面S10を含む他の複数面は、上面51の下方で折り畳まれて収納される。このため、オブジェ50は、メッセージ等を表示しつつ、コンパクトな状態を保持できる。従って、オブジェ50を容易に携帯することができる。
【0058】
以上より、例えば、第1態様から、第2態様、第3態様、第4態様、第5態様のうち何れか1態様に変形させることで、物品類を収容可能なメッセージ欄付きの箱体10から、メッセージを飾るためのオブジェ20、30、40、50のうち何れか1つへと変形させることができる。従って、第1態様に対応する箱体10から物品類を取出した後に、その箱体10を第2〜5態様の何れかに対応するオブジェに変形させて、メッセージを飾ることができる。また、第2〜5態様のうち何れか1態様から他の態様へ変形させることで、メッセージの飾り方を変更することができる。このように、本実施形態のシート体100によれば、形状態様の変形が可能で、メッセージを飾ることができる。
【0059】
また、本実施形態では特に、シート体100の折り線L1〜L14の折り込みにより第1〜4態様が実現され、第5態様のみ、折り線L15が更に追加されて実現される。第5態様の組立において、折り線L15により、他の態様の組立に比して、折り畳む回数を増やすことができる。従って、第5態様の特徴であるコンパクトな状態の保持を、容易に達成できる。
【0060】
また、本実施形態では特に、第2態様の中空四角筒形状、第3態様の中空三角筒形状、第4態様の有底四角筒形状、第5態様の略扁平形状のそれぞれにおいて、メッセージ欄M1又はM2が外部に露出する。従って、各オブジェに表示されるメッセージ等を、目立たせることができる。
【0061】
また、本実施形態では特に、第1態様の前記略直方体形状において、メッセージ欄M1及びM2が内側に位置する。即ち、箱体10が組立てられたときに、メッセージ欄M1及びM2に表示されたメッセージ等が、箱体10を構成する各面によって遮蔽される。従って、箱体10に物品類を収納し、メッセージを物品類とともに、他から見られることなく相手先に届けることができる。
【0062】
また、本実施形態では特に、組立の際に、面S11の開口E111、面S12の開口E121に対し、面S5の左端辺E5、面S6の右端辺E6がそれぞれ挿入される。開口E111及びE121の寸法としては、シート体100を平置きした状態において、開口E111及びE121の長さは、左端辺E5及び右端辺E6よりもそれぞれ長い。従って、上記挿入を簡単に行うことができ、迅速に組み立てることができる。
【0063】
<変形例>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
【0064】
上記実施形態においては、第1態様が略直方体形状をなしているが、これに代えて、第1態様が略立方体形状をなすよう構成されてもよい。この場合、箱体10の各面に対応するシート体100の複数面が、正方形となるよう構成される。
【0065】
なお、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
【0066】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0067】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【解決手段】シート体100は、2枚シートで構成され、メッセージ欄M1及びM2を備えた面S4及びS10を含む複数面S1〜S15を有する。シート体100は、挿入部の面S5及びS6、開口E111及びE121を備えた被挿入部の面S11及びS12を有し、複数面S1〜S15の間に、折り線L1〜L14、切り込みC1〜C8を設ける。挿入部の被挿入部への挿入、折り線の折り込みにより、シート体100は、第1態様、第2態様、第3態様を含む、複数の立体形状態様を選択的に実現可能に構成される。第1、第2、第3態様は、それぞれ略直方体形状をなす箱体10、中空四角筒形状をなすオブジェ20、中空三角筒形状をなすオブジェ30に対応する。