(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第一実施形態]
以下、本発明に係る第一実施形態のアンケート処理システム(情報処理システム)について、図面に基づいて説明する。
[アンケート処理システムの概要]
図1は、本実施形態に係るアンケート処理システムの概略構成を示す図である。
アンケート処理システム1は、
図1に示すように、複数のユーザー端末10及び本発明の情報検索装置に相当するサーバー装置20を備える。これら複数のユーザー端末10及びサーバー装置20のそれぞれは、ネットワーク(例えばインターネット等のWAN(Wide Area Network))を介して通信可能に接続される。
なお、複数のユーザー端末10及びサーバー装置20のそれぞれは、インターネット等のネットワークを介して接続されることとしたが、これに限らず、例えば、専用線を介して接続されてもよい。
【0010】
本実施形態のアンケート処理システム1は、ユーザー端末10からユーザー属性情報(例えば、ユーザーの性別、年齢、年収、住所、仕事内容、身長、体重等の各種情報)がサーバー装置20に送信され、サーバー装置20が当該ユーザー属性情報を取得して、当該ユーザー属性情報に応じたアンケート情報をユーザー端末10に送信するシステムである。具体的に、このアンケート処理システム1では、サーバー装置20は、ユーザー端末10から取得されたユーザー属性情報に基づいて、アンケートの設問を最適化し、当該最適化されたアンケート情報をユーザー端末10に送信する。そして、最適化されたアンケートに対する回答結果がユーザー端末10から送信されると、当該アンケートの回答結果及びユーザーの属性を対応付けて記憶する。
なお、以下では、一例として、上記態様についての詳細を説明する。
【0011】
[ユーザー端末の構成]
ユーザー端末10は、例えばコンピューターであり、例えば、デスクトップ型パーソナルコンピューター、ノート型パーソナルコンピューター、スマートフォン、携帯電話端末、タブレット端末等により構成されている。このユーザー端末10は、
図1に示すように、表示部11と、入力操作部12と、端末通信部13と、端末記憶部14と、端末制御部15と、を含んで構成される。
表示部11は、例えば液晶ディスプレイ等により構成され、端末制御部15の制御の下、所定の画像(例えば、アンケートの設問及び選択肢を含む設問表示画面等)を表示させる。
入力操作部12は、ユーザーの操作による操作信号を端末制御部15に出力する。入力操作部としては、例えば、表示部11と一体に設けられたタッチパネルや、キーボード、マウス等の入力装置等を例示できる。
端末通信部13は、サーバー装置20やネットワーク上の所定の装置と通信する。
【0012】
端末記憶部14は、例えばメモリー、ハードディスク等のデータ記録装置により構成される。端末記憶部14には、例えば、アンケート処理システム1においてアンケートを受信して表示部11等を用いて出力するための各種プログラム(アプリケーション等)や各種データが記録される。
また、端末記憶部14には、ユーザー端末10を制御するための各種プログラム等が記憶される。更に、端末記憶部14には、サーバー装置20から送信されたアンケート情報、ユーザー操作により設定入力されたユーザー属性情報及びアンケートの回答結果等が記録される。
【0013】
端末制御部15は、CPU(Central Processing Unit)等の演算回路、RAM(Random Access Memory)等の記憶回路により構成され、ユーザー端末10の各部を制御する。
この端末制御部15は、端末記憶部14等に記憶されているプログラム(ソフトウェア)をRAMに展開し、RAMに展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。具体的には、端末制御部15は、上記プログラムを読み込み実行することで、ユーザーの入力操作部12の操作に応じて、アンケート情報に基づく設問表示画面、選択画像及び入力画像を表示部11に表示させ、入力された設問ごとの回答等を含む回答結果情報をサーバー装置20に送信する。
【0014】
[サーバー装置の構成]
図2は、サーバー装置20の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態のサーバー装置20は、コンピューターであり、通信部21と、記憶部22(記憶手段)と、制御部23と、等を含んで構成されている。
通信部21は、例えばLAN等を介してネットワークに接続されており、ネットワークを介してユーザー端末10と通信する。
【0015】
記憶部22は、例えばメモリ、ハードディスク等により構成されたデータ記録装置である。
この記憶部22には、ユーザー端末10に送信するアンケート情報の配信や配信タイミングの判定、アンケート情報の最適化(アンケートの設問における選択肢の最適化)を実施するための情報処理プログラム等の各種プログラムや、各種データが記録される。
【0016】
また、記憶部22には、アンケート情報、複数のユーザー端末10から送信されたユーザー情報、及びアンケートに対する回答統計情報が記憶される。
アンケート情報は、例えば、サーバー装置20の管理者により入力されて予め記憶部22に記憶されてもよく、通信部21を介して他の装置から取得されたものが記憶部22に記憶されるものであってもよい。
アンケート情報には、アンケートを識別するためのアンケートID、アンケートに含まれる設問に関する設問情報、設問情報の各設問の配置位置等を規定したアンケートフォーム情報等が含まれる。
設問情報には、複数の設問が含まれており、各設問には、それぞれ複数の選択肢が含まれる。なお、ここでは、説明の便宜上、設問情報の各設問に複数の選択肢が含まれる例を示すが、これに限定されず、選択肢を有さない設問(例えば、入力欄にテキスト文を入力させる設問等)が含まれていてもよい。
また、各設問に、それぞれ、設問を識別するための設問IDが関連付けられ、各選択肢にも、それぞれ、選択肢を識別するための選択肢IDが関連付けられる。
なお、各設問の内容の種別(例えば、生活に関する設問、会社に関する設問等)を示す設問内容ID等が設けられていてもよい。
また、アンケート情報としては、複数の設問が設定され、全ての設問に回答した後に回答結果を送信する一括送信形式のアンケート情報の他、複数の設問から1つの設問に回答するごとに当該設問の回答結果を送信する分割送信形式のアンケート情報を含む。このような回答結果の送信形式は、アンケートフォーム情報に記録されている。
【0017】
ユーザー情報は、例えば、アンケート処理システム1を利用するユーザーに関する情報であり、ユーザーID、ユーザー属性情報等が含まれる。
ユーザーIDは、各ユーザーを識別するための情報である。
属性情報は、上述したように、例えば、ユーザーの性別、年齢、年収、住所、仕事内容、身長、体重等の各種情報を含み、個々のユーザーの特性を示す情報となる。
【0018】
回答統計情報には、下記表1に示すように、例えば、アンケートIDと、回答属性情報と、設問IDと、選択肢IDと、回答数とが関連付けられた回答傾向情報が複数記録されている。
アンケートIDは、アンケートを特定する識別情報であり、アンケート情報のアンケートIDが記録される。
回答属性情報は、ユーザー属性情報に対応したユーザーの特性を示す情報である。なお、この回答属性情報は、ユーザー情報に記録されるユーザー属性情報と一致していなくてもよい。例えば、ユーザー属性情報としてユーザーの実年齢(例えば「28歳」等)が記録され、回答属性情報として年代(例えば「20代」等)が記録されていてもよい。
設問IDは、アンケートIDにて特定されるアンケート情報の設問情報における各設問の設問IDである。
選択肢IDは、設問IDに特定される設問に対する選択肢IDである。
回答数は、アンケートに対して、回答属性情報にて示されるユーザー属性のユーザーが、設問に対して選択した選択肢を集計した数値が記録されている。例えば、表1に示すように、アンケートID「E1」に対する、ユーザー属性「男」のユーザーのアンケートの回答結果において、設問ID「Q1」の設問に選択肢「A1」と選択した数(回答数)が「135」、選択肢「A2」を選択した数が「1964」、選択肢「A3」を選択した数が「23590」、選択肢「A4」を選択した数が「11111」であることを示す。
【0020】
この回答統計情報は、ユーザー端末10からアンケートの回答結果情報を取得された際に、各設問に対して選択された選択肢と、回答属性情報とを検出し、対応する回答数に「1」を加算することで更新される。すなわち、回答統計情報とは、各ユーザーからのアンケートに対する回答結果を統計した情報が記録されるものであり、アンケート情報における各設問に対する選択肢の選択傾向が記録されることを意味する。
【0021】
なお、表1は、説明の簡略化のため、1つの回答属性情報に対する、各設問の選択肢に対する回答数が記録される例を示すが、実際には、2つ以上の回答属性情報に対する各設問の各選択肢の回答数が記録されている。例えば、「男」かつ「20代」のユーザーの各設問に対する各選択肢に対する回答数が記録される。
【0022】
[制御部の構成]
制御部23は、CPU等の演算回路、RAM等の記憶回路により構成され、記憶部22等に記憶されている情報検索プログラム(ソフトウェア)をRAMに展開し、RAMに展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。そして、制御部23は、上記各種処理を実行することで、
図2に示すように、属性取得手段231、アンケート取得手段232、アンケート出力手段233、回答取得手段234、学習手段235及び選択肢最適化手段236として機能する。
【0023】
属性取得手段231は、ユーザー端末10からユーザーIDを取得した際に、当該ユーザーIDに対応するユーザー情報のユーザー属性情報を記憶部22から取得する。
なお、記憶部22に対応するユーザー情報が無い場合や、ユーザー端末10からユーザーIDが無い旨の信号が送信された場合は、ユーザー端末10に対してユーザー情報の登録を促す案内情報を送信し、ユーザー端末10からユーザー属性情報を取得してもよい。
【0024】
アンケート取得手段232は、アンケート情報の送信を要求する要求情報に基づいて、記憶部22から対象となるアンケート情報を取得する。
なお、要求情報は、例えば、ユーザー端末10において、例えばアンケート情報を要求するリンクが選択された場合や、所定のコンテンツが視聴された場合等に、ユーザー端末10からサーバー装置20に送信される。
また、記憶部22にアンケート情報が無い場合、ネットワーク上の他の装置(図示略)からアンケート情報を取得してもよい。この場合、アンケート取得手段232は、取得したアンケート情報を記憶部22に記憶する。
【0025】
アンケート出力手段233は、複数の選択肢を含むアンケート情報を出力する。このアンケート出力手段233は、アンケート取得手段232により取得されたアンケート情報をユーザー端末10に出力(送信)する。
【0026】
回答取得手段234は、アンケート情報に対する回答結果をユーザー端末10から取得する。なお、回答結果情報には、当該回答結果情報とともに、ユーザーを特定するユーザーIDも合わせて取得する。
学習手段235は、回答取得手段234により取得された回答結果情報(回答結果)に基づいて、回答統計情報を更新する。
【0027】
選択肢最適化手段236は、ユーザー属性情報に基づいて、アンケート情報の各設問における複数の選択肢の表示状態を最適化する。すなわち、選択肢最適化手段236は、ユーザー属性に基づいて、各設問に対する複数の選択肢から優先選択肢を設定し、ユーザー端末10において、アンケートを行うための画面を表示させた際に、当該優先選択肢が他の選択肢よりも優先されて表示される表示状態となるように、アンケートフォーム情報を編集する。なお、アンケートフォーム情報は、設問情報の各設問の表示位置、当該設問に対する各選択肢の内容を示す選択肢内容情報の表示位置、選択肢を選択するための選択入力欄の表示位置を示すコード(例えばHTMLコマンド等)が記録されている。よって、当該アンケートフォーム情報において、各選択肢(選択肢内容情報や選択入力欄)の表示位置や、表示方法(強調表示等)は容易に行うことができる。
【0028】
[情報処理システムの動作]
次に、上記のようなアンケート処理システム1のユーザー端末10及びサーバー装置20の動作について、図面に基づいて説明する。
図3は、本実施形態のアンケート処理システム1における情報処理方法を示すフローチャートである。
なお、ここでは、一例として、一括送信形式のアンケート情報に対する情報処理方法(アンケート処理)を説明する。
本実施形態のアンケート処理システム1では、サーバー装置20は、通信部21を介してユーザー端末10から入力されたユーザー属性情報を予め取得しており、当該ユーザー情報が生成されて記憶部22に記憶されている。つまり、サーバー装置20は、ユーザーに対して様々なサービス(例えばコンテンツ検索サービスや、電子商取引サービス)を提供する際に、ユーザーに対してユーザー情報の登録を促す。そして、ユーザー端末10にて、ユーザー属性情報やユーザーID等が設定入力されてサーバー装置20に送信されると、サーバー装置20は、これらのユーザー属性情報及びユーザーID等を関連付けたユーザー情報を生成して記憶部22に記憶する。なお、ユーザーIDは、サーバー装置20が設定してもよい。
なお、ここでは、上記のように、ユーザー情報が予めサーバー装置20に記憶されている例を示すが、これに限定されず、後述のステップS1(アンケート要求情報の送信)が実施された際に、記憶部22にユーザー情報が記録されていなくてもよい。例えば、ユーザー登録を行っていないユーザーがアンケート要求情報を送信した場合等である。この場合、サーバー装置20は、アンケート情報の最適化及び送信に先立って、ユーザー登録を促す案内情報をユーザー端末10に送信して、ユーザー属性情報を取得する。
【0029】
本実施形態では、ユーザー端末10において所定の操作が行われることで、ユーザー端末10からサーバー装置20に対してアンケート要求情報が送信される(ステップS1)。
例えば、所定のコンテンツにおいてアンケートに対して回答する旨を示すアイコン等が選択された場合や、所定のコンテンツが視聴された場合等に、アンケート要求情報が送信される。上記コンテンツには、アンケートID等が関連付けられて記憶されており、アンケート要求情報には、アンケートIDが含まれる。また、ユーザー端末10からアンケート要求情報とともに、ユーザーIDがサーバー装置20に送信される。
【0030】
サーバー装置20において、アンケート要求情報及びユーザーIDが受信されると(ステップS21)、選択肢最適化手段236は、アンケート要求情報に対するアンケート情報に対して、選択肢最適化処理を実施するか否かを判定する(ステップS22)。具体的には、選択肢最適化手段236は、回答統計情報から、アンケート要求情報に含まれるアンケートIDの回答傾向情報を読み込む。また、選択肢最適化手段236は、アンケート要求情報とともに送信されたユーザーIDに対応するユーザー情報から、ユーザー属性情報を読み込む。更に、選択肢最適化手段236は、読み込んだ回答傾向情報のうち、ユーザー属性情報に対応した回答属性情報の回答数の総数(例えば、1つの設問に対する各選択肢の回答数を加算した値)を算出し、当該総数が所定値(例えば「100」等)を超えるか否かを判定する。ここで、総数が所定値を超える場合に、選択肢最適化処理を実施し、総数が所定値未満である場合に、選択肢最適化処理を実施しないと判定する。
【0031】
上記ステップS22の判定処理により、「NO」と判定されると、アンケート取得手段232は、ステップS21にて受信したアンケート要求情報に含まれるアンケートIDに対応したアンケート情報を記憶部22から取得する。そして、アンケート出力手段233は、当該アンケート情報を、アンケートフォーム情報の変更なしにユーザー端末10に出力する(ステップS24)。つまり、ユーザー属性情報に対応した回答属性情報の回答数の総数が少ない場合、精度の高い選択肢最適化処理が実施できないため、選択肢最適化処理により編集されていないアンケートフォーム情報に基づいた、デフォルトのアンケート情報をユーザー端末10に送信する。
【0032】
そして、ユーザー端末10は、端末通信部13を介してアンケート出力手段233から送信されたアンケート情報を受信する(ステップS2)。
そして、ユーザー端末10の端末制御部15は、アンケート情報のアンケートフォーム情報に基づいて、各設問及びその選択肢を配置したアンケート表示画面を表示部11に表示させ、アンケートの回答が終了したか否かを判定する(ステップS3)。
【0033】
図4は、予め設定された形式のアンケート情報に基づいて表示部11に表示されるアンケート表示画面AN1の一例を示す図である。
例えば、ユーザー端末10(端末制御部15)は、上記ステップS22の判定処理により「NO」と判定されて、デフォルトのアンケート情報が送信された場合、
図4に示すようなアンケート表示画面AN1を表示部11に表示させる。このアンケート表示画面AN1には、
図4に示すように、複数の設問(例えば、第1問目、第2問目、第3問目・・・)と、当該設問に応じた4つの選択肢が表示されている。より具体的には、例えば、第1問目においては、4つの選択肢の内容を示す選択肢内容情報SN11〜SN14と、選択肢内容情報SN11〜SN14の近傍に配置されて、選択肢を選択するか否かを入力するための選択入力欄CB11〜CB14(
図4の例ではチェックボックス)がそれぞれ表示されている。更に、アンケート表示画面AN1には、全ての設問に対する回答が終了した際に、当該それぞれの回答を含む回答情報をサーバー装置20に送信させる結果送信ボタンBT1が表示されている。
【0034】
このようなアンケート表示画面AN1において、例えば、ユーザーが入力操作部12の操作により、4つの選択肢から1つの選択肢の選択入力欄CB11を選択すると、当該選択入力欄CB11に「レ点」(選択済み情報)が表示される。ここで、デフォルトのアンケート情報では、
図4に示すように、初期状態(表示部11にアンケート表示画面AN1が表示されてユーザー操作が行われていない状態)において、いずれの選択入力欄CB11〜CB14にも「レ点」が入力されていない。
ユーザーによる入力操作部12の操作により、各設問に対する選択肢の選択が行われ、更に、結果送信ボタンBT1が選択されると、ステップS3の判定処理において、ユーザー端末10は、「YES」と判定し、ユーザーの設問ごとの回答を含む回答結果情報をユーザーIDとともにサーバー装置20に送信する(ステップS4)。つまり、回答結果情報には、アンケートIDの他、各設問の設問IDと、各設問に対して選択された選択肢の選択肢IDが含まれる。
【0035】
一方、上記ステップS22の判定処理により、「YES」と判定されると、選択肢最適化手段236は、選択肢最適化処理を実行する(ステップS23)。
このステップS23では、まず、アンケート取得手段232は、ステップS21にて受信したアンケート要求情報に含まれるアンケートIDに対応するアンケート情報を取得する。また、選択肢最適化手段236は、記憶部22から、アンケートIDに対応する回答傾向情報を取得する。この回答傾向情報には、上述のように、回答属性情報毎に、各設問に対する選択肢の回答数が記録されている。選択肢最適化手段236は、各設問に対する複数の選択肢のうち、回答数が最大となる選択肢を優先選択肢として設定する。なお、複数の選択肢を選択可能な設問に対しては、2つ以上の優先選択肢を設定してもよい。この場合、例えば、回答数が所定値以上となる選択肢を設定してもよく、回答数をアンケート回答結果の総数(つまり、アンケートを回答した人数)で除算した回答選択率が所定値以上となる選択肢を優先選択肢として設定してもよい。
この後、選択肢最適化手段236は、アンケート情報のアンケートフォーム情報を編集して、優先選択肢を他の選択肢よりも優先する表示状態としたアンケート情報を生成する。
そして、アンケート出力手段233は、選択肢最適化処理が実行されたアンケート情報をユーザー端末10に出力する(ステップS24)。
【0036】
図5は、選択肢最適化処理が実行されたアンケート情報に基づいて表示部11に表示されるアンケート表示画面AN2の一例を示す図である。
具体的には、選択肢最適化手段236は、
図5に示すように、各設問(第1問目〜第3問目)の各選択肢内容情報SN11〜SN14,SN21〜SN24,SN31〜SN34の選択入力欄CB11〜CB14,CB21〜CB24,CB31〜CB34(本実施形態では、
図5に示すようなチェックボックス)のうち、優先選択肢に対応する選択入力欄CB12,CB21,CB33に、初期状態で選択済み情報である「レ点」が入力された表示状態となるように、アンケートフォーム情報を編集する。
【0037】
この場合、ユーザー端末10は、ステップS2により、上記のように編集されたアンケートフォーム情報が含まれるアンケート情報を受信すると、
図5に示すようなアンケート表示画面AN2を表示させる。つまり、ユーザーが入力操作部12を操作していない初期状態で、優先選択肢に対応した選択入力欄CB12,CB21,CB33に、選択済み情報である「レ点」が入力された状態となる。
優先選択肢は、これからアンケートに回答するユーザーと略同じ特性を有する他のユーザーの回答結果に基づいて設定された選択肢である。このため、この「レ点」が入力された選択肢は、本来ユーザーが選択しようとしていた選択肢である可能性が高い。従って、ユーザーが選択しようとしていた選択肢と優先選択肢とが一致する場合、ユーザーは、当該設問に対して、選択入力欄CBに対して操作を行う必要が無い。つまり、アンケートに対する回答操作において、ユーザーの操作回数を減らすことができるので、アンケートが有する設問数が多い場合でも、ユーザーは、「レ点」が入力された選択肢が適切であるか否かを確認するだけでよく、アンケートに対する回答操作を簡略化できる。
【0038】
この後、結果送信ボタンBT1が選択されることで、ステップS4により、回答結果情報及びユーザーIDがユーザー端末10からサーバー装置20に送信され、サーバー装置20において回答結果情報が受信されると(ステップS25)、学習手段235は、回答結果情報(回答結果)に基づいた回答統計情報の更新処理を行う(ステップS26)。
具体的に、学習手段235は、ステップS25において受信したユーザーIDを用いて、記憶部22から当該ユーザーIDに特定されるユーザー情報のユーザー属性情報を読み込む。また、学習手段235は、ステップS25において受信した回答結果情報に含まれるアンケートIDに対応する回答傾向情報を回答統計情報から取得する。そして、学習手段235は、取得した回答傾向情報のうち、読み込んだユーザー属性情報に対応する回答属性情報を抽出し、この回答属性情報に関連付けられた各設問の選択肢のうち、回答結果情報に含まれる選択肢の回答数に「1」を加算する。
そして、サーバー装置20は、ステップS26の処理が完了すると、処理を終了させる。
【0039】
ところで、上記は、一括送信形式のアンケート情報に対する情報処理方法であるが、分割送信形式であっても、略同様の処理により最適化したアンケート情報を送信できる。つまり、分割送信形式では、サーバー装置20において、1つの設問毎に、ステップS22からステップS24の処理が実施され、ユーザー端末10においても、1つの設問毎に、ステップS3の判定及びステップS4の回答結果情報の送信が実施される。そして、サーバー装置は、ステップS26の前に、全ての設問に対する回答結果情報が得られたか否かを判定し、全ての設問に対する回答結果情報が得られた場合は、ステップS26に進み、全ての設問に対する回答結果情報が得られていない場合は、ステップS22に戻る。なお、最初の設問に対して、ステップS22にて「NO」と判定されている場合では、2つ目の設問以降は、ステップS24に戻ってもよい。同様に、最初の設問に対して、ステップS22にて「YES」と判定されている場合では、2つ目の設問以降は、ステップS23に戻ってもよい。
【0040】
また、分割送信形式のアンケート情報の場合、サーバー装置20において、ステップS22においてYESと判定された場合に、ステップS23で全ての設問に対する選択肢最適化処理を行い、最適化された設問を1つずつユーザー端末10に送信してもよい。この場合も上記のように、ステップS26の処理の前に、全ての設問に対する回答結果情報が得られたか否かを判定するが、得られていない場合にステップS24に戻り、既に最適化された設問をユーザー端末10に送信すればよい。
上記の分割送信形式のアンケート情報を送信する場合の例では、サーバー装置20からユーザー端末10に対して1つの設問毎にアンケート情報を送信する例であるが、ステップS24において、全ての設問を含むアンケート情報を送信してもよい。この場合、ユーザー端末10において、表示部11に設問を1つずつ表示させる。つまり、アンケートフォーム情報として、設問に対する回答結果情報が得られた際に、次の設問を表示させる旨のコードを記載していればよい。この場合では、上記実施形態と同様、全ての設問に対する回答結果情報が得られた際にステップS4の処理が実施されるので、ステップS26の前に、全ての設問に対する回答結果情報が得られたか否かの判定が不要となる。
【0041】
[第一実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るアンケート処理システム1は、以下の効果を奏する。
本実施形態では、選択肢最適化手段236は、取得したユーザー属性情報に基づいて、アンケートにおける設問に対する回答となる複数の選択肢を最適化する。これにより、アンケート出力手段233によりユーザー端末10に送信されるアンケート情報は、複数の選択肢が最適化された状態となり、ユーザーによる選択肢の選択操作を簡略化できる。つまり、ユーザーのアンケートに対する入力コストを低減でき、アンケートの回収効率を高めることができる。また、アンケートに対する設問が多い場合、特に後半の設問になるほど、ユーザーの設問に答えるための意欲が減退してしまうが、本実施形態では、上記のように、入力コストを低減できるため、設問に答えるための意欲の減退を抑制できる。従って、アンケートの各設問に対して不適切な回答(例えば、あまり設問内容を理解しないで選択肢を選択する等)が減少し、アンケートに対する回答の信頼性を高めることができる。
【0042】
また、本実施形態では、所定の条件を充足しているか否か(回答数の総数が所定値を超えるか否か)を判定し、充足している場合に選択肢最適化処理を実施し、充足していない場合は、選択肢最適化処理を行わない。すなわち、アンケートの回答結果が少ない状態にて選択肢を最適化すると、十分な精度が得られない。この場合、ユーザーは、本来選択されない選択肢が選択された状態のアンケート表示画面を視認することとなり、各設問に対する選択肢を選択し直す操作が必要となる。特に、複数の選択肢が選択可能な設問に対して、誤った選択肢に選択済み情報(例えば「レ点」)が入力されている場合、ユーザーは、当該選択済み情報を削除する操作が増えるため、却って、ユーザーの入力コストを高める可能性がある。
これに対して、本実施形態では、上記のように、回答数の総数に基づいて、選択肢最適化処理を実施するか否かを判定しているため、回答数が少ない場合に上記のような不都合を回避することができる。
【0043】
学習手段235は、複数のユーザーの回答結果を統計して回答統計情報を生成するので、ユーザーの回答結果数が大きくなるにつれて、当該回答統計情報の信頼性を高めることができる。従って、学習手段235により常に回答統計情報が更新されるので、ユーザーが選択する可能性が高い選択肢を優先選択肢として選択できる可能性を高めることができる。
【0044】
選択肢最適化手段236は、アンケートIDにて特定される回答傾向情報から、ユーザー属性情報に対応する回答属性情報の各設問に対する選択肢の回答数を読み込み、回答数が最大となる選択肢を優先選択肢としている。つまり、アンケートに回答するユーザーと同じ特性(性別や年齢、年収や居住地等に基づく生活習慣や、嗜好性等)の他のユーザーのアンケートの回答結果の選択肢の選択傾向に基づいて、優先選択肢が設定される。従って、設定された優先選択肢は、ユーザーが選択する可能性が極めて高い選択肢であり、高精度な選択肢最適化処理を実現できる。よって、ユーザーのアンケートに対する入力コストをより確実に低減できる。
【0045】
本実施形態では、選択肢最適化手段236は、ユーザー端末10にてアンケート表示画面AN2が表示された際に、優先選択肢に対応する選択入力欄CBに対して選択済み情報である「レ点」を入力した表示状態となるように、アンケートフォーム情報を編集する。このため、ユーザーは、選択済み情報に対応した選択肢が適切であるか否かを確認して、適切であれば、そのまま次の設問に進むことができ、ユーザーの入力コストを効果的に低減できる。
なお、本実施形態では、選択入力欄CBとして、チェックボックスを例示したが、これに限定されるものではなく、例えばラジオボタン等が表示されていてもよく、選択肢内容情報の表示形態を例えば強調表示にする等により変更してもよい。選択肢内容情報の表示形態を変更することで、選択済み情報を入力する例としては、例えば選択肢内容情報を枠画像で囲ったり、選択肢内容情報の文字色や背景色を他の選択肢と異なる文字色としたり、選択肢内容情報を点滅表示させたりすることが挙げられる。
【0046】
本実施形態では、学習手段235は、アンケートの回答結果情報に基づいて、回答統計情報を更新する。すなわち、アンケートにより選択された選択肢の回答数に「1」を加算する。このように、過去のアンケートの回答結果情報を蓄積することで、高精度に優先選択肢を設定することができる。これにより、ユーザーのアンケートに対する入力コストをより効果的に低減できる。
【0047】
[第一実施形態の変形例]
上記第一実施形態では、選択肢最適化手段236は、優先選択肢に対する選択入力欄に予め選択済み情報が入力されたアンケート入力画面が表示されるように、アンケートフォーム情報を編集する例を示した。しかしながら、本発明は、これに限らない。
図6は、選択肢最適化処理が実行されたアンケート情報に基づいて表示部11に表示されるアンケート表示画面AN3の一例を示す図である。
例えば、選択肢最適化手段236は、
図6に示すように、優先選択肢に設定された選択肢を、複数の選択肢の先頭に移動させてもよい。つまり、
図4や
図5、
図6に示すように、通常、設問に対する選択肢は、一方向(
図4や
図5では、上から下に向かう選択肢配置方向)に沿って並べて配置される。本変形例では、選択肢最適化手段236は、優先選択肢の選択肢内容情報を、上記一方向における上流側、つまり、設問の内容に近い側(
図4〜
図6の例では上側)に配置してもよい。具体的に、第1問目においては、選択肢内容情報SN11〜SN14及び選択入力欄CB11〜CB14のうち、優先選択肢である選択肢内容情報SN12及びこれに対応する選択入力欄CB12を上側に配置する。第2問目及び第3問目についても同様である。
【0048】
ここで、優先選択肢の選択肢内容情報を、選択肢配置方向の上流側に移動させるのみでも、ユーザーは、設問の次に優先選択肢が表示されていることで、アンケート回答に対する操作性を向上できる。つまり、設問に対して1つの選択肢のみを選択するような場合では、設問の次に表示されている先頭の選択肢が、ユーザーが選択しようとしていた選択肢であれば、他の選択肢を確認するまでもなく、当該先頭の選択肢の選択入力欄CBに選択済み情報を入力できる。本変形例では、上記のように、先頭の選択肢が優先選択肢となるため、上記のように、ユーザーが他の選択肢を確認するまでもなく、容易に選択肢を選択できる確率が高くなり、アンケート回答におけるユーザー利便性を向上できる。
また、
図6に示すように、優先選択肢に対応する選択入力欄CBに対して、予め選択済み情報が入力されていてもよい。この場合、ユーザーは、入力操作の手間を省けるため、入力コストを低減でき、ユーザー利便性の更なる向上を図ることができる。
【0049】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について、図面を用いて説明する。
本実施形態のアンケート処理システムは、上記第一実施形態に係るアンケート処理システム1と略同一の構成を備える他、サーバー装置20の制御部23における回答取得手段234の回答結果取得タイミング、学習手段235の学習タイミング及び、選択肢最適化手段236の選択肢の最適化方法が一部異なる。すなわち、本実施形態では、アンケート処理方法(アンケート処理手順)が上記第一実施形態と異なる。以下に詳しく説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同様の符号を付して説明を簡略化又は省略する。
【0050】
本実施形態の制御部23は、上記第一実施形態と同様に、属性取得手段231、アンケート取得手段232、アンケート出力手段233、回答取得手段234、学習手段235及び選択肢最適化手段236として機能する。
ここで、本実施形態では、アンケート取得手段232により、アンケート要求情報に対するアンケート情報として、一括送信形式のアンケート情報が取得された場合は、上記第一実施形態と同様のアンケート処理を行う。一方、アンケート取得手段232により、アンケート要求情報に対するアンケート情報として、複数の設問から1つの設問に回答するごとに当該設問の回答結果を送信する分割送信形式のアンケート情報を取得する場合に、本実施形態のアンケート処理が実施される。
【0051】
上述したように、分割送信形式のアンケート情報では、アンケートフォーム情報に、1つの設問に対する回答が得られた場合に、その回答結果情報をサーバー装置20に送信し、次の設問及び選択肢を受信して表示させる旨のコードが記載されている。従って、本実施形態では、アンケート出力手段233は、複数の設問が設定されているアンケート情報を設問毎に分割して出力する。具体的に、アンケート出力手段233は、第1問目の設問情報(設問及び複数の選択肢)を含むアンケート情報を出力し、当該第1問目の設問に対する回答結果が受信された後に、第2問目の設問情報を含むアンケート情報を出力する。
【0052】
そして、本実施形態では、各設問の回答結果が得られる毎に、既に得られた設問に対する回答結果(ユーザーにより選択された選択肢)に基づいて次の設問に対する選択肢の選択肢最適化処理を行う。このために、本実施形態では、記憶部22に以下に示すような回答統計情報が記録されている。
図7は、本実施形態における回答統計情報の一部のデータ構造を模式的に示す図である。なお、
図7は、1つのアンケート情報に対する回答傾向情報の所定の回答属性情報に対する選択傾向(傾向情報)を示すデータ構造である。
すなわち、本実施形態では、回答統計情報として、上記表1に示したような、各設問に対して選択された各選択肢に対する回答数の他、分割送信形式のアンケート情報に対応して
図7に示すような傾向情報が記録される。
なお、本発明における「選択傾向」とは、設問に対してどの選択肢が選択されるかを示す傾向であり、上述した第一実施形態では、前後の設問に関係なく、各設問に対する各選択肢の回答数により示される。これに対して、本実施形態における「選択傾向」は、前の設問に対する回答を受けて、その後の設問に対してどの選択肢が選択されるかの傾向を含むものであり、言い換えれば、一連の設問に対する各ユーザーの回答の流れである傾向情報を含むものである。
【0053】
具体的には、傾向情報には、
図7に示すように、各選択肢に対してその後の設問に対する選択肢の回答数が記録される。例えば、設問Q1の選択肢「A1」〜「A4」に対して回答数が記録されるとともに、選択肢「A1」が選択された場合の設問Qの各選択肢「A5」〜「A8」の回答数(選択肢「A1」を選択したユーザーが設問「Q2」においてどの選択肢を選択しているかを示す)が記録される。その後の設問「Q3」以降においても同様である。また、設問「Q1」に対する選択肢「A2」〜「A4」においても同様であり、各選択肢を選択したユーザーがその後の設問に対してどの選択肢を選択したかを示す回答数が選択肢毎に枝分かれして記録される。
なお、本実施形態では、傾向情報に各選択肢の回答数が記録される例を示すが、これに限定されず、各選択肢の選択率が記録されていてもよい。例えば、設問「Q1」に対して選択肢「A1」が選択された場合の、設問「Q2」に対する選択肢「A5」が選択される確率(選択率)が記録されてもよい。当該選択率は、設問Q1で選択肢「A1」、設問「Q2」で選択肢「A5」を選択したユーザーの数(回答数)を、設問Q1で選択肢「A1」を選択したユーザーの数(回答数)で除算することで容易に算出できる。
【0054】
回答取得手段234は、アンケート出力手段233により出力されたアンケート情報に基づくアンケートの回答結果情報を複数のユーザー端末10のそれぞれから取得する。本実施形態では、回答取得手段234は、アンケート出力手段233により出力された設問毎にユーザーの回答結果情報を取得する。
【0055】
学習手段235は、回答取得手段234により設問ごとに取得された回答結果情報(回答結果)に基づいて、回答統計情報を更新する。
【0056】
選択肢最適化手段236は、一括送信形式のアンケート情報に対しては、表1に示すような回答統計情報に基づいて、上記第1実施形態と同様の最適化処理(第1最適化処理)を実行する。
また、選択肢最適化手段236は、分割送信形式のアンケート情報に対して、回答統計情報の
図7に示すような傾向情報に基づいた最適化処理(第2最適化処理)を実行する。すなわち、回答統計情報から、アンケート情報のアンケートIDに対応する回答傾向情報を取得し、更に、ユーザー属性情報に対する回答属性情報の傾向情報を取得する。そして、ユーザーが既に選択肢を選択した設問の回答結果と、取得した傾向情報とに基づいて、次の設問に対する優先選択肢を検出する。
【0057】
[情報処理システムの動作]
次に、本実施形態に係るアンケート処理システムのサーバー装置20の動作について、図面に基づいて説明する。
図8は、本実施形態のアンケート処理システムにおける情報処理方法を示すフローチャートである。
なお、一括送信形式のアンケート情報に対する第1最適化処理は、上記第一実施形態と同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、以下のアンケート処理において、「n」は、アンケートの設問番号(アンケート内における設問の順番を示す番号)を示す変数であり、「N」は、アンケート毎に予め設定された設問数(アンケートにおける設問の最後の設問番号)を示す変数である。また、記憶部22には、分割送信形式のアンケート情報に対して、アンケートIDと、既に回答した設問の設問IDと、選択された選択肢の選択肢IDと、アンケートに回答したユーザーのユーザーIDとを関連付けた回答経過情報を一時記憶される。
【0058】
本実施形態では、ステップS1により、ユーザー端末10において所定の操作が行われることで、ユーザー端末10からサーバー装置20に対してアンケート要求情報が送信される。
サーバー装置20において、ステップS21においてアンケート要求情報及びユーザーIDが受信されると、選択肢最適化手段236は、当該アンケート要求情報に含まれるアンケートIDから、アンケート情報が一括送信形式のアンケート情報であるか、分割送信形式のアンケート情報であるかを判定する。ここで、一括送信形式のアンケート情報であると判定された場合は、上述したように、第一実施形態と同様の第1最適化処理を実施する。
一方、分割送信形式のアンケート情報であると判定された場合は、以下の第2最適化処理を実施する。
この第2最適化処理では、選択肢最適化手段236は、先ず、ステップS22を実施して、アンケート情報に対して選択肢最適化処理を実行するか否かを判定する。この判定方法は、第一実施形態と同様であり、選択肢最適化手段236は、回答統計情報から、アンケートIDに対する回答傾向情報を読み込み、ユーザー属性情報に対応した回答属性情報の回答数の総数が所定値以上の場合に、選択肢最適化処理を実施し、前記総数が所定値未満である場合に、選択肢最適化処理を実施しないと判定する。
【0059】
ステップS22において、「YES」と判定された場合、選択肢最適化手段236は、変数nに対応する第n番目の設問の選択肢を最適化する。
ステップS31では、選択肢最適化手段236は、記憶部22に、ステップS21にて取得したアンケート要求情報に含まれるアンケートID及びユーザーIDを含む回答経過情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS31)。
ステップS31において、「NO」と判定された場合、回答経過情報が記憶されていない場合は、ユーザーID、アンケートIDを含む回答経過情報を新たに生成する(ステップS32)。つまり、n=1の場合、新たに回答経過情報が生成されることになる。
【0060】
ステップS32の後、又は、ステップS31において「YES」と判定された場合、選択肢最適化手段236は、回答経過情報と、回答統計情報とに基づいて、変数nに対応する設問の選択肢を最適化する(ステップS33)。
具体的には、選択肢最適化手段236は、回答統計情報から、ステップS21にて受信したアンケート要求情報に含まれるアンケートIDに対応する回答傾向情報を取得し、この回答傾向情報から、ステップS21にて受信したユーザー属性情報に対応する回答属性情報の傾向情報(
図7参照)を取得する。更に、選択肢最適化手段236は、傾向情報の変数n−1の設問までの選択肢IDが、回答経過情報に記録された変数n−1までの選択肢IDと一致するパターンを検出する。そして、検出したパターンにおける変数nの設問に対する各選択肢のうち、回答数が最大となる選択肢を優先選択肢として選択する。
【0061】
ここで、第1問目の設問では、回答経過情報に回答済みの設問ID及び選択肢IDの組合せがないため、傾向情報における第1問目の各選択肢のうち、回答数が最大となる選択肢が優先選択肢となる。例えば、
図7に示す例では、選択肢「A1」が優先選択肢として選択される。
一方、変数nが2以上である場合、回答経過情報として、既に回答済みの設問IDとその設問に対する選択肢の選択肢IDとが記録されるので、ユーザー毎に、これらの設問ID及び選択肢IDにより優先選択肢が設定される。
図7の例では、ユーザー属性情報が同じユーザーであっても、設問「Q1」に選択肢「A1」として選択されたユーザーには、設問「Q2」に対し選択肢「A8」が優先選択肢として設定され、設問「Q1」に選択肢「A4」として選択されたユーザーには、設問「Q2」に対し選択肢「A5」が優先選択肢として設定される。
この後、選択肢最適化手段236は、アンケート情報のアンケートフォーム情報を編集して、優先選択肢を他の選択肢よりも優先する表示状態としたアンケート情報を生成する。
【0062】
上記ステップS22の判定処理により「NO」と判定された場合、又はステップS33の後、アンケート出力手段233は、アンケートIDに対応するアンケート情報をユーザー端末10に送信する(ステップS34)。この際、アンケート出力手段233は、アンケートフォーム情報と、設問情報(設問及び選択肢を含む)とをユーザー端末10に送信するが、設問情報として、変数nに対応した第n問目の設問及び選択肢のみを送信してもよく、全ての設問と各設問に対する選択肢を送信してもよい。
このステップS34では、ステップS22において「NO」と判定された場合、第一実施形態と同様、デフォルトのアンケート情報(アンケートフォーム情報に変更なし)が送信される。また、ステップS33の最適化処理が実施されていると、優先選択肢を優先する表示形態となるように更新されたアンケートフォーム情報が送信される。
【0063】
そして、ユーザー端末10において、アンケート情報が受信される(ステップS11)と、端末制御部15は、送信されたアンケートフォーム情報に基づいて、第n問目の設問及びその選択肢を配置したアンケート表示画面を表示部11に表示させ、アンケートの回答が終了したか否かを判定する(ステップS12)。
【0064】
図9は、表示部11に表示される分割送信形式のアンケート情報に基づいたアンケート表示画面AN4の一例を示す図である。
図9に示すように、端末制御部15は、分割送信形式のアンケート情報に基づくアンケート表示画面AN4として、変数nに対応する設問と、当該設問に対する選択肢とを表示する。この際、最適化処理が実施されている場合、
図9に示すように、初期状態で選択済み情報である「レ点」が選択入力欄に表示される。
ステップS12は、第一実施形態におけるステップS3と同様であり、ユーザー操作により、いずれかの選択肢が選択された上で、回答結果を送信する旨の入力操作が行われたか否かを判定する。ステップS12において「NO」と判定された場合は、ユーザー操作による選択肢の選択操作が実施されるまで(YESと判定されるまで)待機する。
そして、ステップS12により「YES」と判定されると、ユーザー端末10は、ユーザーIDとともに、設問IDと選択された選択肢の選択肢IDとを関連付けた回答結果情報をサーバー装置20に送信する(ステップS13)。
【0065】
サーバー装置20において回答結果情報が受信されると(ステップS35)、学習手段235は、回答結果情報(回答結果)に基づいた回答統計情報の更新処理を行う(ステップS36)。
具体的には、学習手段235は、回答結果情報に基づいて、回答経過情報を更新する。つまり、回答結果情報に、変数nに対する設問IDと選択肢IDとの組み合わせを追記する。また、学習手段235は、アンケートID及びユーザー属性情報に基づいて、回答統計情報から対象となる傾向情報を特定する。そして、学習手段235は、傾向情報の変数n−1の設問までの選択肢IDが、回答経過情報に記録された変数n−1までの選択肢IDと一致するパターンを検出し、当該パターンにおける変数nの設問の選択肢のうち、更新された回答結果情報の変数nの設問に対する選択肢ID(ユーザーにより選択された回答結果情報に記録された選択肢ID)の回答数に「1」を加算する。
【0066】
この後、サーバー装置20は、変数nに1を加算し(ステップS37)、当該変数nがn<Nであるか否か、すなわち、現在実行しているアンケートに次の設問があるか否かを判定する(ステップS38)。このステップS38の判定処理により、「NO」と判定されると、サーバー装置20は、アンケート処理を終了させる。
【0067】
一方、ステップS38の判定処理により、「YES」と判定されると、再度ステップS22の処理に戻る。
つまり、本実施形態では、分割送信形式のアンケート情報であるため、ユーザーがアンケートに回答中においても、他のユーザーが当該アンケートに回答することで、回答統計情報が更新される。従って、第n問目の設問に対して、アンケートの回答数が少なく、高精度な最適化処理が実施できない場合でも、次の設問(第n+1問目)の回答時に十分な回答数が得られている場合がある。従って、本実施形態では、ステップS38において「YES」と判定された場合に、ステップS22に戻る。
なお、n−1番目の設問(前回の設問)に対して最適化処理を実施している場合では、ステップS33の最適化処理に戻ってもよい。ただし、この場合も、n−1番目の設問では、最適化処理が可能な程度に回答数が得られていても、n−1番目の設問に対してユーザーが選択した選択肢によっては、或いは、リアルタイムで集計される他のユーザーの回答数によっては、最適化処理が高精度に実施できない場合があるため、ステップS22に戻ることが好ましい。
【0068】
[第二実施形態の効果]
上記第二実施形態に係るアンケート処理システムは、上記第一実施形態に係るアンケート処理システム1と略同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
選択肢最適化手段236は、第2最適化処理において、分割送信形式のアンケート情報に対して、回答統計情報の
図7に示すような傾向情報に基づいた最適化処理(第2最適化処理)を実行する。すなわち、回答統計情報から、アンケート情報のアンケートIDに対応する回答傾向情報を取得し、更に、ユーザー属性情報に対する回答属性情報の傾向情報を取得する。そして、ユーザーが既に選択肢を選択した設問の回答結果と、取得した傾向情報とに基づいて、次の設問に対する優先選択肢を検出する。従って、設定された優先選択肢は、ユーザーが選択する可能性が極めて高い選択肢であり、高精度な選択肢最適化処理を実現できる。よって、ユーザーのアンケートに対する入力コストをより確実に低減できる。
【0069】
[第三実施形態]
上記第二実施形態では、
図9に示すようなアンケート表示画面AN4を表示することとした。これに対し、本実施形態では、選択肢最適化手段236は、上記アンケート表示画面AN4とは異なるアンケート表示画面を表示部11に表示させるように、アンケートフォーム情報を編集する。
なお、以下の説明では、上記第一及び第二実施形態と同一の構成及び略同一の構成については、説明を省略し、異なる点のみ詳しく説明する。
【0070】
図10は、予め設定された形式(デフォルト)のアンケート情報に基づいて表示部11に表示されるアンケート表示画面AN5の一例を示す図である。
本実施形態では、アンケート情報のアンケートフォーム情報として、
図10に示すようなアンケート表示画面AN5を表示させるためのコードが記録されている。このアンケートフォーム情報では、アンケート表示画面AN5として、
図10に示すように、設問情報における所定の設問(
図10の例では、第1問)と、当該設問に応じた所定数(
図10の例では4つ)の選択肢を均等に表示させる旨のコードが記録される。より具体的には、例えば、4つの略矩形状の選択領域SN41〜SN44を表示し、当該選択領域内に、選択肢内容情報が文字や絵柄等により表示させる旨が記録される。更に、第2実施形態と同様、第1問目の設問に対する回答が終了した際に、当該回答に関する回答情報をサーバー装置20に送信させる回答ボタンBT2を表示させる旨がアンケートフォーム情報に記録されている。
【0071】
また、このアンケートフォーム情報には、ユーザー端末10の表示部11に表示されたアンケート表示画面AN5において、ユーザーが4つの選択領域SN41〜SN44から1つを選択すると、当該選択された選択領域の背景色が、他の選択領域の背景色とは異なる色にて表示される旨のコードが記録される。すなわち、本実施形態では、選択領域SN41〜SN44が本発明の選択入力欄として機能し、選択領域の背景色を変更することで選択済みである旨(選択済み情報)が入力されることになる。
【0072】
図11は、選択肢最適化処理が実行されたアンケート情報に基づいて表示部11に表示されるアンケート表示画面AN6の一例を示す図である。
一方、選択肢最適化手段236は、ステップS33による選択肢最適化処理が実施されると、
図11に示すようなアンケート表示画面AN6が表示されるように、アンケートフォーム情報を編集する。
具体的に選択肢最適化手段236は、
図11に示すように、優先選択肢として設定された選択肢に対する選択領域(
図11の例では選択領域SN41)を、他の3つの選択領域SN42〜SN44よりも拡大(強調)させた表示状態となるように、アンケートフォーム情報を編集する。
また、選択肢最適化手段236は、優先選択肢に対応する選択領域(例えば、
図11の例では、選択領域SN41)を、その他の選択領域SN42〜SN44よりもアンケート表示画面AN6の上方、すなわち、先頭に表示される。換言すると、優先選択肢に対応する選択領域SN41を、設問の内容に近い側(
図10及び
図11の例では上側)に配置するように、アンケートフォーム情報を編集する。
【0073】
この場合、ユーザー端末10は、ステップS11により、上記のように編集されたアンケートフォーム情報が含まれる第1問目のアンケート情報を受信すると、
図11に示すようなアンケート表示画面AN6を表示させる。
上述したように、優先選択肢は、これからアンケートの第1問目に回答するユーザーと略同じ特性を有する他のユーザーの回答結果に基づいて設定された選択肢である。このため、拡大されて表示された選択肢は、本来ユーザーが選択しようとしていた選択肢である可能性が高い。従って、ユーザーが選択しようとしていた選択肢と優先選択肢とが一致する場合、ユーザーは当該選択肢(優先選択肢)を選択する操作を行いやすくなり、アンケートに対する回答コストを簡略化できる。
【0074】
[第三実施形態の効果]
上記第三実施形態に係るアンケート処理システムは、上記第二実施形態に係るアンケート処理システムと略同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
選択肢最適化手段236は、優先選択肢を拡大表示し、かつ、複数の選択肢の先頭に位置するように設定したアンケート情報を生成することから、ユーザー端末10の表示部11には、ユーザーが選択する可能性が極めて高い選択肢が他の選択肢に比べて強調されて(大きく)、かつ、注目し易い位置に表示される。これによれば、ユーザーは、選択肢を容易に選択できるので、ユーザーのアンケートに対する入力コストを更に低減できる。
【0075】
また、本実施形態では、上記拡大されて表示される選択肢が選択されると、他の選択肢とは異なる色にて表示されるので、ユーザーは、当該選択肢が選択されたか否かの判別を容易にできる。
【0076】
[第三実施形態の変形例]
上記第三実施形態では、選択肢最適化手段236は、優先選択肢が複数の選択肢の先頭に位置し、かつ、他の選択肢よりも拡大されたアンケート入力画面が表示されるように、アンケートフォーム情報を編集する例を示した。しかしながら、本発明は、これに限らない。
【0077】
図12は、選択肢最適化処理が実行されたアンケート情報に基づいて表示部11に表示されるアンケート表示画面AN7の一例を示す図である。なお、以下では、第2最適化処理が実行されたアンケート情報に基づくアンケート表示画面AN7を示す。
選択肢最適化手段236は、ステップS23の処理により、優先選択肢を設定すると、
図12に示すように、優先選択肢の選択領域(
図12の例では、選択領域SN51)を他の3つの選択領域SN52〜SN54よりも縮小し、かつ、他の3つの選択領域SN52〜SN54とは異なる色にて表示(つまり、優先選択肢である選択領域SN51を選択済の状態で表示)させるように、アンケートフォーム情報を編集してもよい。この際、他の選択領域SN52〜SN54を、例えば
図10に示すようなデフォルトの表示形態に比べて拡大させるように、アンケートフォーム情報を編集してもよい。
【0078】
このように、第三実施形態の変形例では、選択肢最適化手段236は、優先選択肢を、アンケート表示画面AN7の複数の選択肢のうち最前部に移動させ、他の選択肢よりも縮小して表示し、かつ、当該選択肢を選択済に設定したアンケート情報を生成する。これによれば、ユーザーは、自らが選択する可能性が高い選択肢が既に選択済であり、かつ、最前部に表示されているので、当該最適化された選択肢を選択する場合には、設問及び当該選択肢のみを確認するのみで、回答できる。
一方、自らが選択する可能性が高い選択肢を選択しない場合には、他の選択肢が上記選択肢よりも大きく(強調して)表示されているので、当該他の選択肢を選択する場合でもその内容をより認識しやすく、かつ、当該選択肢を選択する際に、選択領域を選択しやすい(選択肢を選択する際の操作領域が大きい)。従って、いずれの選択肢を選択する場合であっても、ユーザーのアンケートに対する入力コストをより確実に低減できる。
【0079】
[実施形態の変形]
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で、以下に示される変形をも含むものである。
[変形例1]
上記各実施形態では、ユーザー属性情報は、ユーザー端末10の表示部11に入力画面情報が表示され、入力操作部12の操作が実行された際に取得することとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、アンケート処理システム以外のシステムの処理において入力されたユーザー属性情報が、予め記憶部22に記憶されている場合、サーバー装置20は、記憶部22から当該ユーザー属性情報を取得するようにしてもよい。
【0080】
[変形例2]
上記各実施形態では、アンケート表示画面AN1〜AN7には、設問、4つの選択肢及び上記各ボタンBT1,BT2が表示されることとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、上記に加えて、アンケート表示画面AN1〜AN7の4つの選択肢のそれぞれにおける回答率等を合わせて表示するようにしてもよい。これによれば、ユーザーは、他のユーザーの回答を認識した上で選択肢を選択できるので、よりアンケートに対する入力コストを低減できる。
【0081】
[変形例3]
上記各実施形態では、設問に対して4つの選択肢を表示することとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、設問に対する選択肢の数は4つに限らず、選択肢が3つであってもよいし、5つであってもよい。すなわち、選択肢の数は、複数であればよく、設問毎にそれぞれ設定することができる。
【0082】
[変形例4]
上記各実施形態では、選択肢最適化手段236により設問の選択肢を最適化することにより、ユーザーのアンケートに対する入力コストを低減させることとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、選択肢最適化手段236は、上記設問の選択肢を最適化するとともに、ユーザーの選択肢の選択率が、所定値(例えば95%)を超える設問があれば、当該設問を削除することとしてもよい。この場合であっても、アンケートから不要な設問を削除できるので、ユーザーの入力コストを低減できる。
【0083】
[変形例5]
上記各実施形態では、アンケート情報が記憶部22に記憶されることとしたが、当該記憶部22には、キャッシュ等の揮発性メモリも含まれる。アンケート情報として、他の装置からサーバー装置20を介してユーザー端末10に送信される際に、当該揮発性メモリにアンケート情報を記憶する場合も本発明に含まれる。つまり、一時記憶されたアンケート情報に対して選択肢の最適化処理を実施し、最適化されたアンケート情報をユーザー端末10に送信してもよい。
つまり、取得したアンケート情報に対してアンケートIDを付与するとともに、回答統計情報に当該アンケート情報の回答傾向情報を記録しておけばよい。また、回答傾向情報としては、情報処理の処理効率化のために、サーバー装置20に記憶されていることが好適であるが、これに限定されず、ネット―ワーク上の他の装置に記録されているものを通信回線を介して取得(ダウンロード)してもよい。
【0084】
[変形例6]
上記各実施形態では、ユーザー情報は、例えば、アンケート処理システム1を利用するユーザーに関する情報であり、ユーザーID、ユーザー属性情報等を含むこととした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、ユーザー情報として、回答済みアンケート情報が含まれてもよい。この回答済みアンケート情報は、ユーザーが既に回答したアンケートやその回答内容を示す情報である。例えば、回答済みアンケート情報には、回答済みのアンケート情報を示すアンケートID、当該アンケートIDに手示されるアンケート情報の各設問に対して回答された選択肢(設問IDと選択肢IDとの組み合わせ)、及び各設問の設問内容ID等が含まれる。
このような場合、選択肢最適化手段236は、アンケート情報に含まれる設問に、他のアンケート情報と同一の設問が含まれる場合に、回答済みアンケート情報に基づいて、選択肢を最適化してもよい。この場合、選択肢最適化手段236は、アンケート情報の各設問の設問内容IDを取得し、ユーザー情報に含まれる回答済みアンケート情報から同一の当該設問内容IDが有るか否かを判定する。同一の設問内容IDが無い場合は、上記実施形態と同様の処理を実施する。一方、回答済みアンケート情報に、同一の設問内容IDが有る場合、当該設問に対して関連付けられた選択肢IDを読み込み、優先選択肢とするようにしてもよい。
【0085】
[変形例7]
上記各実施形態では、回答統計情報には、2つ以上の回答属性情報に対する各設問の各選択肢の回答数が記録されていることとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば1つの回答属性情報に対する各設問の選択肢の回答数のみが記録されていてもよい。
この場合は、例えば、回答統計情報に、総数に対する回答数の割合(属性別選択率)が更に記録される。そして、選択肢最適化手段236は、ユーザー属性情報に対応する回答属性情報の各設問の各選択肢に対する属性別選択率を取得し、これらの属性別選択率をかけ合せた数値を予想指数として算出し、予想指数が最大となる選択肢を優先選択肢とするようにしてもよい。例えば、ユーザー属性情報に複数の属性(例えば「男」「28歳」「年収550万」)が含まれる場合、これらに対応した回答属性情報(例えば「男」「20代」「年収500−600万」)における各設問に対する各選択肢の属性別選択率が取得する。選択肢「A1」に対して属性「男」に対する属性別選択率が0.2、属性「20代」に対しては、0.4、属性「年収500−600万」に対しては0.6である場合、予想指数は、0.048と算出される。同様に他の選択肢に対しても予想指数を算出し、そのうち最大となる選択肢を優先選択肢とする。なお、ここでは、属性別選択率をかけ合せた予想指数を一例としたが、これに限定されない。例えば、各選択肢に対する回答数の総和を予想指数としてもよい。上記例では、選択肢「A1」に対して、属性「男」が5000、属性「20代」が6000、属性「年収500−600万」が7000である場合、予想指数は18000となる。或いは、属性別選択率や回答数の平均を算出してもよい。
【0086】
[変形例8]
上記各実施形態では、選択肢最適化手段236は、複数の選択肢から1つの優先選択肢を設定する例を示した。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、複数回答が可能な設問については、2つ以上の優先選択肢を設定することとしてもよい。具体的に、第一実施形態においては、選択肢最適化手段236は、設問の回答数が最も多い選択肢と、当該選択肢の次に回答数が多い選択肢を優先選択肢として設定すればよい。この場合、例えば、これらの2つの優先選択肢を選択済(チェックボックスにレ点を表示)とし、かつ、回答数の多い順に選択肢を並び替える。第二実施形態及び第三実施形態においても、同様である。
また、選択肢を選択可能な設問では、選択可能な選択肢の数が設定されていない場合もある。このような場合では、回答数が所定値以上となる選択肢を優先選択肢としてもよい。また、回答数に基づいて選択率(上述した属性別選択率と同様の方法により算出可能)を算出し、当該選択率が所定値以上となる選択肢を優先選択肢としてもよい。
【0087】
[変形例9]
上記第二実施形態では、選択肢最適化手段236は、傾向情報の変数n−1の設問までの選択肢IDが、回答経過情報に記録された変数n−1までの選択肢IDと一致するパターンを検出し、当該検出したパターンにおける変数nの設問に対する各選択肢のうち、回答数が最大となる選択肢を優先選択肢として選択した。しかしながら、本発明は、これに限らない。
すなわち、上記第二実施形態では、例えば、設問「Q1」に対して得られた回答に基づいて、次の設問「Q2」の回答数を検出した際に、十分な数の回答結果が得られていない場合、最適化処理が実施されない。例えば、設問「Q1」に対して選択肢「A1」の回答数が10000、選択肢「A2」の回答数が10の場合で、ユーザーにより選択肢「A2」が選択された場合、以降の設問に対して、十分な回答数が得られていないために、最適化処理は実施されない。しかしながら、実際には、設問「Q1」に選択肢「A2」が選択された場合でも、以降の設問では設問「Q1」にて選択肢「A1」を選択した他のユーザーと同じ傾向で選択肢が選択される場合も多々ある。このような場合に、選択肢最適化処理が実施されていない場合、入力コストの十分な低減を図れない。
そこで、第二実施形態における設問に対する選択肢が一致するパターンを検出する方法に替えて、各設問に対して各選択肢の重み値を算出し、当該選択肢の重みと回答数とに基づいて、優先選択肢を設定してもよい。
【0088】
具体的には、学習手段235は、アンケートに対する回答結果を取得すると、回答統計情報を更新するとともに、各回答属性情報における各設問の各選択肢の回答数から重み値を算出する。つまり、
図7に示すような傾向情報に基づいて、前問までの回答結果に基づいた重み値を算出する。重み値としては、選択肢が選択される確率が例示でき、
図7の例では、設問「Q1」の選択肢「A1」では0.51、選択肢「A4」では、0.19となる。また、設問「Q1」で選択肢「A1」が選択された後の設問「Q2」の選択肢「A5」の重み値は0.35、設問「Q1」で選択肢「A4」が選択された後の設問「Q2」の選択肢「A5」の重み値は0.51となる。
そして、選択肢最適化手段236は、第一実施形態のようにユーザー属性情報に対応する回答属性情報に対する各設問に対する回答数を読み込み、更に、上記のように算出した重み値をかけ合せた予想指数を算出する。例えば、上記一例で、回答統計情報からアンケートIDに対応する回答傾向情報を読み込み、更に、ユーザー属性情報に対応した回答属性情報の各設問の各選択肢の回答数を取得した際に、設問「Q2」の選択肢「A5」に対する回答数が350000だったとする。この場合、設問「Q1」で選択肢「A1」が選択された後の設問「Q2」の選択肢「A5」の予想指数は、350000×0.35=122500となる。一方、設問「Q1」で選択肢「A4」が選択された後の設問「Q2」の選択肢「A5」の予想指数は、350000×0.51=178500となる。各選択肢に対して同様の予想指数を算出し、最大値を取る選択肢が優先選択肢となる。
このような方法では、上記のように、ユーザーが選択した選択肢に対する回答傾向に対して、十分な数の統計が得られていない場合でも精度の高い選択肢最適化処理を実施することができる。
【0089】
更には、上記一例は、回答傾向情報からユーザー属性情報に対応する各設問に対する選択肢の回答数を検出して、その回答数に重み値をかけ合せる例であるが、これに限られない。例えば、ユーザー属性情報に基づいて、各設問に対する各選択肢への重み値を設定する。そして、各設問に対する各選択肢の全ての回答数(ユーザー属性情報を考慮せず)に対して、ユーザー属性情報に基づいて設定された重み値を算出してもよい。
【0090】
[変形例10]
上記第二実施形態では、選択肢最適化手段236は、回答統計情報から、ステップS21にて受信したアンケート要求情報に含まれるアンケートIDに対応する回答傾向情報を取得し、この回答傾向情報から、ステップS21にて受信したユーザー属性情報に対応する回答属性情報の傾向情報(
図7参照)を取得し、傾向情報の変数n−1の設問までの選択肢IDが、回答経過情報に記録された変数n−1までの選択肢IDと一致するパターンにおける変数nの設問に対する各選択肢のうち、回答数が最大となる選択肢を優先選択肢として選択することとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。
例えば、選択肢最適化手段236は、回答統計情報から全てのユーザーの回答属性情報の傾向情報を取得し、当該傾向情報の上記パターンにおける変数nの設問に対する各選択肢のうち、回答数が最大となる選択肢を優先選択肢として選択するようにしてもよい。すなわち、ユーザー属性情報に限らず、ユーザーの設問に対する回答の経過のみによって、回答数が最大となる選択肢を優先選択肢として選択した場合であっても、ユーザーのアンケートに対する入力コストを低減できる。
また、このようにユーザー属性情報に限らず、回答数が最大となる選択肢を優先選択肢とする条件を予め設定してもよい。例えば、回答属性情報に基づいた各設問の各選択肢の回答数が所定の値(例えば、50以下)となる場合にのみ、上記処理をおこなってもよい。これによれば、少なくとも他の設問については、ユーザーの属性に基づいて優先選択肢が選択されるので、ユーザーのアンケートに対する入力コストを低減できる。
【0091】
[変形例11]
上記第三実施形態では、優先選択肢に対する選択領域を他の選択領域よりも拡大して表示することで強調表示する例を示したが、これに限定されない。
例えば、当該優先選択肢に対する選択領域を点滅表示させてもよく、他の選択領域とは異なる文字色や背景色で表示させてもよく、優先選択肢に対する選択領域のみ外枠を表示してもよい。すなわち、優先選択肢が強調表示されるものであれば、どのような態様で表示されてもよい。
第三実施形態の変形例においても同様であり、この場合では、優先選択肢が選択された状態で、他の選択肢が上述したような強調表示されていればよい。
【0092】
[変形例12]
上記第二及び第三実施形態では、選択肢最適化手段236は、アンケートフォーム情報を上記説明した状態に編集することとして、選択肢の並び順の変更や選択済み情報の表示、選択肢の表示形態を変更する例を示したが、これに限定されない。
例えば、設問ごとにアンケートフォーム情報における他の項目(例えば全体レイアウトや背景色等)を異なるように編集してもよい。具体的に、選択肢最適化手段236は、例えば、第1問目〜第5問目の設問における画面全体の背景色と、第6問目〜第10問目の設問における画面全体の背景色を異ならせるようにしてもよい。これによれば、ユーザーは、5つの設問に回答するごとに表示部11に表示されるアンケート表示画面のレイアウト仕様が変化するので、アンケートに飽きることなく回答できる可能性が高まる。また、アンケートの回答を続けて、5つの設問に回答するごとにアンケート表示画面のレイアウト仕様が変化するので、ユーザーが5つの設問に回答したことを認識できる。従って、ユーザーがアンケートに最後まで回答する可能性が高まるので、アンケートの回収効率を更に高めることができる。
【0093】
更に、前の設問に対する回答結果に応じて、選択肢の表示形態やアンケート表示画面のレイアウト仕様を変更してもよい。例えば、第1問目に対して第三実施形態の変形例のように、優先選択肢を小さく、他の選択肢を大きく表示させる。そして、例えば、以降の設問において、複数回、優先選択肢が選択された場合、第三実施形態での表示形態で表示させる。つまり、優先選択肢以外の他の選択肢が選択されることが多いユーザーには、当該他の選択肢の内容が分かりやすい様に、他の選択肢に対する選択領域を大きくして表示させ、優先選択肢の選択が多いユーザーには、当該優先選択肢の内容が分かりやすい様に、優先選択肢の選択領域を大きくして表示させる。
【0094】
[変形例13]
上記第三実施形態及び第三実施形態の変形例において、第二実施形態に対して適用した例を示したが、第一実施形態に対して適用してもよい。
【0095】
[変形例14]
上記各実施形態では、サーバー装置20が本発明の情報処理装置として機能することとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、ユーザー端末10がサーバー装置20と同様の機能を有し、当該ユーザー端末10が情報処理装置として機能することとしてもよい。この場合であっても、上記各実施形態と同様の効果を奏することができる。