(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
シェルと別体のグランド部材にバネ力を有する弾性変形部を設けて、弾性変形部のバネ力を利用してグランド部材をシェルと接続させたいという要望がある。
【0007】
そこで、本発明は、この要望に応えることができるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
グランド部材に設けた弾性変形部のバネ力を利用してグランド部材をシェルと接続する場合、バネ力を受ける部位としてシェルの背面部が適している。しかしながら、シェルの背面部にバネ力を加えると、バネ力によってシェルがハウジングから浮き上がる恐れがある。本発明によるコネクタは、シェルのハウジングからの浮き上がりを防止する構造を有している。より具体的には、本発明は、下記のコネクタを提供する。
【0009】
本発明は、第1のコネクタとして、
対象物に取付可能であって、且つ、相手側シェルを備えた相手側コネクタと前後方向に沿って嵌合可能なコネクタであり、
前記コネクタは、前記前後方向における前側に嵌合部を有しており、且つ、ハウジングと、コンタクトと、シェルと、前記シェルと別体のグランド部材と、受止部とを備えており、
前記コンタクトは、前記ハウジングに保持されており、
前記シェルは、背面部を有しており、
前記背面部は、前記前後方向において前記ハウジングの背面を覆っており、
前記グランド部材は、少なくとも1つの被保持部と、少なくとも1つの接続部と、被固定部と、弾性変形部と、被押当部とを有しており、
前記被保持部は、前記ハウジングに保持されており、
前記接続部は、前記相手側シェルと接続する部位であり、
前記被固定部は、前記対象物に固定される部位であり、
前記弾性変形部は、前記被押当部を支持しており、
前記被押当部は、前記前後方向において前記シェルの前記背面部に押し当てられており、
前記受止部は、前記ハウジング又は前記グランド部材の一部であり、
前記背面部は、前記前後方向において前記被押当部と前記受止部との間に挟まれている
コネクタを提供する。
【0010】
また、本発明は、第2のコネクタとして、第1のコネクタであって、
前記シェルの前記背面部は、前記前後方向において前記受止部によって受け止められている
コネクタを提供する。
【0011】
また、本発明は、第3のコネクタとして、第1又は第2のコネクタであって、
前記受止部は、前記グランド部材の一部であり、
前記被押当部は、前記前後方向において後方に向かって前記背面部に押し当てられている
コネクタを提供する。
【0012】
また、本発明は、第4のコネクタとして、第3のコネクタであって、
前記グランド部材は、2つの側板部と、第1連結部と、第2連結部とを有しており、
2つの前記側板部には、前記被保持部が夫々設けられており、且つ、前記接続部が夫々設けられており、
2つの前記側板部は、前記前後方向と直交するピッチ方向において互いに離れており、
前記第1連結部及び前記第2連結部の夫々は、前記側板部を互いに連結しており、
前記弾性変形部は、前記第1連結部から延びており、
前記受止部は、前記第2連結部から延びている
コネクタを提供する。
【0013】
また、本発明は、第5のコネクタとして、第4のコネクタであって、
前記被押当部と前記受止部とは、前記前後方向及び前記ピッチ方向の双方と直交する上下方向において互いに異なる位置にある
コネクタを提供する。
【0014】
また、本発明は、第6のコネクタとして、第4又は第5のコネクタであって、
前記弾性変形部は、前記前後方向及び前記ピッチ方向の双方と直交する上下方向において、上端と、下端とを有しており、
前記弾性変形部の前記上端は、前記第1連結部と繋がっており、
前記弾性変形部の前記下端は、前記被押当部と繋がっており、前記弾性変形部の前記上端に対して相対的に移動可能である
コネクタを提供する。
【0015】
また、本発明は、第7のコネクタとして、第3から第6までのコネクタのいずれかであって、
前記受止部の一部は、前記前後方向及び前記ピッチ方向の双方と直交する上下方向において、前記背面部の下縁と同じ位置にある
コネクタを提供する。
【0016】
また、本発明は、第8のコネクタとして、第1又は第2のコネクタであって、
前記被押当部は、前記前後方向において前方に向かって前記背面部に押し当てられている
コネクタを提供する。
【0017】
また、本発明は、第9のコネクタとして、第8のコネクタであって、
前記受止部は、前記ハウジングの一部である
コネクタを提供する。
【0018】
また、本発明は、第10のコネクタとして、第8又は第9のコネクタであって、
前記グランド部材は、2つの側板部と、連結部とを有しており、
2つの前記側板部には、前記被保持部が夫々設けられており、且つ、前記接続部が夫々設けられており、
2つの前記側板部は、前記前後方向と直交するピッチ方向において互いに離れており、
前記連結部は、前記側板部を互いに連結しており、
前記弾性変形部は、前記連結部から延びている
コネクタを提供する。
【0019】
また、本発明は、第11のコネクタとして、第10のコネクタであって、
前記弾性変形部は、前記前後方向及び前記ピッチ方向の双方と直交する上下方向において、上端と、下端とを有しており、
前記弾性変形部の前記下端は、前記連結部と繋がっており、
前記弾性変形部の前記上端は、前記被押当部と繋がっており、前記弾性変形部の前記下端に対して相対的に移動可能である
コネクタを提供する。
【0020】
また、本発明は、第12のコネクタとして、第8から第11までのコネクタのいずれかであって、
前記弾性変形部の一部は、前記前後方向及び前記ピッチ方向の双方と直交する上下方向において、前記背面部の下縁と同じ位置にある
コネクタを提供する。
【0021】
また、本発明は、第13のコネクタとして、第1から第12までのコネクタのいずれかであって、筐体に収容可能なコネクタであり、
前記シェルは、前記筐体に接続される筐体接続部を有している
コネクタを提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明において、グランド部材の被押当部は、弾性変形部に支持されており、前後方向においてシェルの背面部に押し当てられている。即ち、グランド部材は、弾性変形部のバネ力を利用してシェルと接続する。シェルの背面部は、前後方向において被押当部と受止部との間に挟まれており、これにより移動が規制されている。このため、シェルのハウジングからの浮き上がりが防止されている。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1及び
図6を参照すると、本発明の実施の形態によるコネクタ10は、相手側コネクタ60(プラグ)と嵌合可能なレセプタクルである。
図5及び
図6を参照すると、コネクタ10は、対象物(回路基板)70に取付可能であり、且つ、筐体80に収容可能である。詳しくは、本実施の形態において、回路基板70は、上下方向(Z方向)における上面70Uを有している。コネクタ10は、使用時に、回路基板70の上面70Uに搭載され、且つ、電子機器(図示せず)の筐体80の内部に収容される。但し、本発明は、これに限られず、様々なコネクタに適用可能である。例えば、コネクタ10は、プラグであってもよい。
【0025】
図6を参照すると、相手側コネクタ60は、絶縁体からなる相手側ハウジング610と、2組の相手側コンタクトセット620Sと、金属製の2つの相手側シェル630とを備えている。相手側コンタクトセット620Sの夫々は、導電体からなる複数の相手側コンタクト620を含んでいる。相手側コンタクト620の夫々は、相手側ハウジング610に保持されており、且つ、ケーブル690と接続されている。2組の相手側コンタクトセット620Sは、ピッチ方向(Y方向)において互いに離れており、且つ、前後方向(X方向)と直交する平面において相手側シェル630に夫々覆われている。
【0026】
図1及び
図2を参照すると、コネクタ10は、前端10Fと、後端10Rと、嵌合部12とを有している。前端10F及び後端10Rは、コネクタ10のX方向における前端(+X側の端)及び後端(−X側の端)に夫々位置している。嵌合部12は、X方向におけるコネクタ10の前側(+X側)に位置している。換言すれば、嵌合部12は、コネクタ10の前端10F近傍に設けられている。
【0027】
図6を参照すると、コネクタ10は、回路基板70に取り付けられた状態において、X方向(嵌合方向)に沿って相手側コネクタ60と嵌合可能である。コネクタ10と相手側コネクタ60とが互いに嵌合した嵌合状態において、嵌合部12は、相手側コネクタ60と嵌合する。特に、本実施の形態の嵌合部12は、嵌合状態において、相手側コネクタ60の−X側の端部を受容する。但し、本発明は、これに限られず、嵌合部12は、嵌合状態において、相手側コネクタ60の−X側の端部に受容されてもよい。
【0028】
図1から
図3までを参照すると、コネクタ10は、絶縁体からなるハウジング20と、2組のコンタクトセット30Sと、金属製のシェル40と、導電体からなり且つシェル40と別体のグランド部材50とを備えている。コンタクトセット30Sの夫々は、導電体からなる4つのコンタクト30を含んでいる。即ち、コネクタ10は、複数のコンタクト30を備えている。
【0029】
図1から
図4までを参照すると、ハウジング20は、前方(+X方向)に向かって開口した箱形状を有している。詳しくは、ハウジング20は、上部20Uと、下部20Lと、2つの側部20Sと、後部20Rとを有している。上部20U、下部20L、側部20S及び後部20Rの夫々は、概ね板形状を有している。
図3に示されるように、後部20Rは、後方(−X方向)を向いた平面状の背面230を有している。
【0030】
図2及び
図4に示されるように、ハウジング20は、2つの受容部210と、保持部220と、2つのコンタクト保持部212とを有している。保持部220は、後部20RのY方向及びZ方向における中間部から前方に突出している。受容部210の夫々は、嵌合部12に設けられた空間である。受容部210は、Y方向において保持部220の両側に夫々形成されている。コンタクト保持部212は、受容部210の内部に夫々設けられている。コンタクト保持部212の夫々は、後部20Rから前方に突出している。
図6を参照すると、嵌合状態において、受容部210は、相手側コネクタ60の相手側シェル630を夫々受容し、コンタクト保持部212は、相手側シェル630に夫々受容される。
【0031】
本実施の形態のハウジング20は、上述した構造を有している。但し、本発明は、これに限られず、ハウジング20は、様々に変形可能である。例えば、保持部220を、後部20Rの上端近傍に配置してもよい。この場合、コンタクト保持部212は、2つの側部20Sの間に位置するようにして1つだけ形成されていてもよい。
【0032】
図4を参照すると、2組のコンタクトセット30Sは、受容部210に夫々対応して設けられており、Y方向において互いに離れている。受容部210の夫々において、コンタクトセット30Sのコンタクト30は、上下2列に配置されており、且つ、コンタクト保持部212に保持されている。
【0033】
図3及び
図4を参照すると、上側(+Z側)に配置された上側コンタクト30の形状は、下側(−Z側)に配置された下側コンタクト30の形状と少し異なっている。但し、コンタクト30は、互いに同じ基本構造を有している。詳しくは、コンタクト30の夫々は、被保持部310と、接触部320と、延長部380と、被固定部390とを有している。被保持部310は、ハウジング20のコンタクト保持部212に保持されている。接触部320は、被保持部310から前方に延びている。延長部380は、被保持部310から下方(−Z方向)に延びている。被固定部390は、延長部380の下端(−Z側の端)から後方に延びている。
【0034】
図5を参照すると、被固定部390は、コネクタ10の使用時に、回路基板70の上面70Uに形成された導電パッド(図示せず)に半田付け等によって接続され固定される。
【0035】
図6を参照すると、コンタクトセット30Sは、相手側コネクタ60の相手側コンタクトセット620Sと夫々対応している。また、コンタクトセット30Sの夫々におけるコンタクト30は、対応する相手側コンタクトセット620Sの相手側コンタクト620と夫々対応している。嵌合状態において、接触部320の夫々は、対応する相手側コンタクト620と接触する。即ち、嵌合状態において、コンタクト30は、相手側コンタクト620と夫々接続し、これにより、回路基板70の導電パターン(図示せず)は、ケーブル690と電気的に接続される。
【0036】
本実施の形態のコンタクト30は、上述した構造を有している。但し、本発明は、これに限られず、コンタクト30は、様々に変形可能である。例えば、コンタクトセット30Sの夫々において、コンタクト30は、1列に配置されていてもよい。この場合、コンタクト30は、互いに同じ形状を有していてもよい。また、コンタクト30は、相手側コンタクト620と夫々対応している限り、2組に分けられていなくてもよい。換言すれば、コネクタ10は、コンタクトセット30Sを1つのみ備えていてもよい。この場合、コネクタ10は、1以上のコンタクト30を備えていればよい。
【0037】
図1から
図3までを参照すると、シェル40は、前方及び下方に向かって開口した箱形状を有している。詳しくは、シェル40は、上板部40Uと、2つの側板部40Sと、背面部40Rとを有している。シェル40は、折り曲げられた1枚の金属板である。上板部40U、側板部40S及び背面部40Rの夫々は、多少の曲げを有する平板形状を有している。
【0038】
図3を参照すると、シェル40は、上方(+Z側)からハウジング20に取り付けられている。この結果、シェル40は、ハウジング20の大部分を覆っている。特に、シェル40の背面部40Rは、ハウジング20の後部20Rを後方から覆っている。即ち、背面部40Rは、X方向においてハウジング20の背面230を覆っている。また、背面部40Rの下端には、凹部440が形成されている。凹部440は、グランド部材50に対応するように設けられており、背面部40Rの下端から上方に凹んでいる。但し、本発明は、これに限られず、凹部440は、必ずしも設ける必要はない。換言すれば、背面部40Rの下端は、上方に凹むことなくY方向に沿って直線状に延びていてもよい。
【0039】
図2から
図4までを参照すると、シェル40は、2つの主接続部420を有している。主接続部420は、側板部40Sに夫々形成されている。主接続部420の夫々は、弾性変形可能である。主接続部420の一部(接点部)は、Y方向において移動可能に支持されており、且つ、受容部210の内部に突出している。
図6を参照すると、嵌合状態において、主接続部420の接点部は、相手側コネクタ60の相手側シェル630と夫々接触する。
【0040】
図1から
図4までに示されるように、シェル40は、筐体接続部430を有している。筐体接続部430は、上板部40Uに形成されている。筐体接続部430は、弾性変形可能である。詳しくは、筐体接続部430は、上板部40Uから、Y方向において2つのバネに分かれつつ、上方及び後方に延びている。筐体接続部430の上端部は、Z方向において移動可能に支持されている。
図5を参照すると、コネクタ10が筐体80の内部に収容されたとき、筐体接続部430の上端部は、筐体80と接触する。即ち、シェル40は、筐体80と接続する筐体接続部430を有している。
【0041】
図1から
図4までを参照すると、シェル40は、6つの被固定部490を有している。被固定部490のうちの3つは、シェル40の+Y側に設けられており、被固定部490のうちの他の3つは、シェル40の−Y側に設けられている。被固定部490の夫々は、下方に延びている。
図5を参照すると、被固定部490の夫々は、コネクタ10の使用時に、回路基板70に形成されたスルーホール(図示せず)に挿入され固定される。これにより、シェル40は、回路基板70にグランドされる。
【0042】
本実施の形態のシェル40は、上述した構造を有している。但し、本発明は、これに限られず、シェル40は、様々に変形可能である。また、コネクタ10は、上述した部材に加えて、付加部材40X(
図4参照)のような様々な部材を更に備えていてもよい。
【0043】
図8を参照すると、グランド部材50は、折り曲げられた1枚の金属板である。グランド部材50は、2つの側板部510と、第1連結部540と、弾性変形部550と、被押当部560と、第2連結部570と、曲部574と、受止部580と、2つの被固定部590とを有している。2つの側板部510は、Y方向において互いに離れており、且つ、XZ平面に沿って互いに平行に延びている。2つの側板部510には、被保持部520が夫々設けられており、且つ、接続部530が夫々設けられている。即ち、グランド部材50は、2つの被保持部520と、2つの接続部530とを有している。
【0044】
被保持部520の夫々は、複数の突起524と、複数の突起526とを有している。被保持部520の夫々において、突起524は、外表面522からY方向外側に突出しており、突起526は、被保持部520の上縁及び下縁から上下に突出している。
【0045】
図3、
図4及び
図8を参照すると、グランド部材50は、ハウジング20の後部20RのY方向における中間部に取り付けられている。詳しくは、被保持部520の夫々は、この中間部に後方から圧入されており、突起524及び突起526により、ハウジング20に強固に保持されている。被保持部520は、保持部220の後端においてハウジング20に保持されている。本実施の形態によれば、グランド部材50を、2つの被保持部520によってしっかりとハウジング20に保持できる。
【0046】
図8を参照すると、被固定部590は、被保持部520から下方に夫々延びている。
図5を参照すると、被固定部590は、回路基板70に固定される部位である。詳しくは、被固定部590の夫々は、コネクタ10の使用時に、回路基板70に形成されたスルーホール(図示せず)に挿入され固定される。これにより、グランド部材50は、回路基板70にグランドされる。
【0047】
図8を参照すると、接続部530の夫々は、バネ部532と、接点部538とを有している。バネ部532は、その後端において被保持部520と繋がっており、弾性変形可能となるように前方に延びている。接点部538は、バネ部532の前端近傍に設けられており、バネ部532によってY方向に移動可能に支持されている。
図2を参照すると、被保持部520は、ハウジング20の保持部220のY方向両側に沿って夫々延びている。
図4を参照すると、接続部530の接点部538は、保持部220からY方向外側に張り出している。
【0048】
図6及び
図7を参照すると、接続部530は、相手側コネクタ60の相手側シェル630と接続する部位である。詳しくは、接続部530の接点部538は、嵌合状態において、相手側シェル630と夫々接触する。
【0049】
図8を参照すると、第1連結部540及び第2連結部570の夫々は、側板部510をY方向において互いに連結している。第1連結部540及び第2連結部570は、Z方向において互いに離れている。第1連結部540は、第2連結部570の上方に位置している。
【0050】
弾性変形部550は、弾性変形可能となるように第1連結部540から下方に延びており、且つ、被押当部560を支持している。弾性変形部550は、Z方向において上端552と、下端554とを有している。弾性変形部550の上端552は、第1連結部540の下端と繋がっている。弾性変形部550の下端554は、被押当部560と繋がっており、弾性変形部550の上端552に対して相対的に移動可能である。即ち、弾性変形部550において、上端552は、固定端であり、下端554は、自由端である。
【0051】
図5及び
図8を参照すると、被押当部560は、第2連結部570の上方に位置している。被押当部560は、自由端である弾性変形部550の下端554と繋がっており、X方向において移動可能である。本実施の形態によれば、第1連結部540は、Z方向においてグランド部材50の上端近傍に位置しており、第2連結部570は、Z方向においてグランド部材50の下部(−Z側の部位)に位置している。これにより、弾性変形部550において上端552と下端554との間の距離を大きくし、バネ長を長くできる。また、第1連結部540のY方向におけるサイズ(幅)を大きくすることにより、弾性変形部550を幅広に形成し、これにより弾性変形部550のバネ力を大きくできる。
【0052】
受止部580は、曲部574を介して第2連結部570から延びている。曲部574は、XZ平面において下方に張り出した半円形状を有しており、第2連結部570の下端と受止部580の下端とを互いに連結している。受止部580は、YZ平面と平行な平板形状を有している。受止部580は、Z方向において被押当部560の下方に位置しており、X方向において被押当部560の後方に位置している。特に、受止部580は、シェル40の背面部40Rの下端近傍に位置している。詳しくは、受止部580の一部は、Z方向において、背面部40Rの下縁と同じ位置にある。
【0053】
図5を参照すると、被押当部560は、X方向において後方に向かってシェル40の背面部40Rに押し当てられており、これにより、グランド部材50は、シェル40と接続している。即ち、本実施の形態において、グランド部材50は、弾性変形部550のバネ力を利用してシェル40と接続する。
【0054】
図5及び
図6を参照すると、前述したように、シェル40及びグランド部材50の夫々は、コネクタ10の使用時に、回路基板70にグランドされる。相手側シェル630の夫々は、嵌合状態において、シェル40の主接続部420及び被固定部490を経由して回路基板70にグランドされ、且つ、グランド部材50の接続部530及び被固定部590を経由して回路基板70にグランドされる。本実施の形態によれば、相手側シェル630、シェル40及びグランド部材50は、互いに接続されて、互いに同じ電位を有する。更に、相手側シェル630を、様々な経路でグランドできる。この構造により、嵌合状態におけるシールド機能を強化できる。
【0055】
図1、
図3及び
図5を参照すると、シェル40の背面部40Rは、X方向において被押当部560と受止部580との間に挿入されている。
図5を参照すると、曲部574は、シェル40の凹部440を通過して延びている。凹部440を更に大きく上方に凹ませることで、シェル40の背面部40Rの下端を更に下方に延ばし、これによりシールド機能を更に強化できる。
【0056】
被押当部560に押された背面部40Rは、X方向において受止部580によって受け止められている。即ち、シェル40の背面部40Rは、X方向において被押当部560と受止部580との間に挟まれており、これにより移動が規制されている。このため、シェル40のハウジング20からの浮き上がりが防止される。
【0057】
図5を参照すると、被押当部560と受止部580とは、Z方向において互いに異なる位置にある。特に、本実施の形態において、被押当部560は、受止部580よりも上方の位置においてシェル40の背面部40Rを押している。背面部40Rのうち被押当部560に直接押される部位(被押圧部)が所定距離だけ後方に移動すると、背面部40Rのうち受止部580によって受け止められる部位(被受止部)は、所定距離よりも大きな距離を移動する。従って、背面部40Rの被押圧部が僅かに移動しただけで、背面部40Rの被受止部が受止部580によって受け止められる。本実施の形態によれば、シェル40のハウジング20からの浮き上がりがより確実に防止される。
【0058】
図3を参照すると、グランド部材50は、Y方向と直交する所定平面(XZ平面)について鏡対称な形状を有している。この構造により、2組のコンタクトセット30Sの導体抵抗を互いに一致させることができる。
【0059】
本実施の形態のグランド部材50は、上述した構造を有している。但し、本発明は、これに限られず、グランド部材50は、以下に説明するように、様々に変形可能である。
【0060】
図5を参照すると、被押当部560と受止部580とは、Z方向において互いに同じ位置にあってもよい。この構造によれば、シェル40の背面部40Rを、より容易に被押当部560と受止部580との間に挿入できる。
【0061】
図8を参照すると、接続部530の夫々は、グランド部材50のうちの接続部530を除く部位と別体であってもよい。例えば、
図4を参照すると、コネクタ10は、YZ平面においてコンタクトセット30Sを夫々覆う2つの内部シェル40Y(
図4において破線で描画した部位)を備えていてもよい。
図6を併せて参照すると、内部シェル40Yは、嵌合状態において相手側コネクタ60の相手側シェル630と夫々接続してもよい。この場合、接続部530は、側板部510の一部でなくてもよい。代わりに、内部シェル40Yは、グランド部材50の被保持部520に接続された所定部位を有していてもよい。この変形例においては、所定部位を含む内部シェル40Y全体が、グランド部材50の接続部として機能する。換言すれば、この場合、グランド部材50は、側板部510と別体に形成された接続部を有している。
【0062】
図4を参照すると、前述したように、本発明は、コンタクトセット30Sを1つのみ有するコネクタにも適用可能である。
図8を参照すると、この場合、側板部510の夫々は、被保持部520及び接続部530を有していなくてもよい。代わりに、グランド部材50は、第1連結部540の上端から前方に向かってXY平面上を延びる上板部を1つだけ有していてもよい。この上板部には、1つの被保持部520と1つの接続部530とが設けられていてもよい。即ち、本発明によるグランド部材は、少なくとも1つの被保持部と、少なくとも1つの接続部とを有していればよい。
【0063】
以下、コネクタ10の変形例について、コネクタ10との相違点を中心に説明する。
【0064】
図9を
図6と併せて参照すると、第1の変形例によるコネクタ10Aは、コネクタ10と同様に、相手側シェル630を備えた相手側コネクタ60と前後方向(嵌合方向:X方向)に沿って嵌合可能である。
図11を
図5と併せて参照すると、コネクタ10Aは、コネクタ10と同様に、嵌合部12を有している。嵌合部12は、嵌合状態において、相手側コネクタ60(
図6参照)と嵌合する。加えて、コネクタ10Aは、コネクタ10と同様に、回路基板70に取付可能であり、且つ、筐体80に収容可能である。
【0065】
図9及び
図10に示されるように、コネクタ10Aは、コネクタ10(
図1参照)と同じハウジング20及び2組のコンタクトセット30Sを備えている一方、コネクタ10とは少し異なる、金属製のシェル40Aと、導電体からなるグランド部材50Aとを備えている。グランド部材50Aは、シェル40Aと別体の部材である。
【0066】
図10を
図3と併せて参照すると、シェル40Aは、シェル40と同様に1枚の金属板から形成されており、シェル40と同じ基本構造を有している。但し、シェル40Aは、シェル40と同じ側板部40S及び上板部40Uを有している一方、シェル40の背面部40Rとは少し異なる背面部40RAを有している。上下方向(Z方向)における背面部40RAの下端には、シェル40の凹部440に比べて上方に大きく凹んだ凹部440Aが形成されている。シェル40Aは、上方からハウジング20に取り付けられており、シェル40Aの背面部40RAは、ハウジング20の背面230を覆っている。但し、本発明は、これに限られず、凹部440Aは、必ずしも設ける必要はない。換言すれば、背面部40RAの下端は、上方に凹むことなくY方向に沿って直線状に延びていてもよい。
【0067】
図12を
図8と併せて参照すると、グランド部材50Aは、グランド部材50と同様に1枚の金属板から形成されており、グランド部材50と同じ基本構造を有している。例えば、グランド部材50は、ピッチ方向(Y方向)と直交する所定平面(XZ平面)について鏡対称な形状を有している。但し、グランド部材50Aは、グランド部材50と同じ第1連結部540、弾性変形部550、被押当部560及び被固定部590を有している一方、グランド部材50とは少し異なる2つの側板部510A、第2連結部570A、曲部574A及び受止部580Aを有している。
【0068】
2つの側板部510Aは、側板部510と同様に、Y方向において互いに離れており、且つ、XZ平面に沿って互いに平行に延びている。側板部510Aの後端部の上端は、Z方向において、側板部510の後端部の上端に比べて上方に位置している。この結果、グランド部材50Aの第1連結部540、弾性変形部550及び被押当部560は、グランド部材50に比べて上方に位置している。この相違点を除き、2つの側板部510Aは、側板部510と夫々同じ構造を有している。例えば、2つの側板部510Aには、被保持部520が夫々設けられており、且つ、接続部530が夫々設けられている。
【0069】
図12を参照すると、第1連結部540及び第2連結部570Aの夫々は、側板部510AをY方向において互いに連結している。第1連結部540は、第2連結部570Aの上方に位置している。受止部580Aは、曲部574Aを介して第2連結部570Aから延びている。曲部574Aは、XZ平面において階段形状を有しており、第2連結部570Aの上端と受止部580Aの下端とを互いに連結している。受止部580Aは、YZ平面と平行な平板形状を有している。受止部580Aは、X方向において被押当部560の後方に位置している。また、受止部580Aは、シェル40Aの背面部40RAの下端近傍に位置している。詳しくは、受止部580Aの一部は、Z方向において、背面部40RAの下縁と同じ位置にある。
【0070】
図11を参照すると、被押当部560は、X方向において後方に向かってシェル40Aの背面部40RAに押し当てられており、これにより、グランド部材50Aは、シェル40Aと接続している。本変形例によれば、上述した実施の形態と同様に、長いバネ長及び大きなバネ力を有する弾性変形部550が、被押当部560をシェル40Aにしっかりと押し付ける。
【0071】
図11を参照すると、曲部574Aは、シェル40Aの凹部440Aを通過して延びている。被押当部560に押されたシェル40Aの背面部40RAは、X方向において受止部580Aによって受け止められている。即ち、シェル40Aの背面部40RAは、X方向において被押当部560と受止部580Aとの間に挟まれており、これにより移動が規制されている。このため、シェル40Aのハウジング20からの浮き上がりが防止される。受止部580Aは、Z方向において被押当部560の下方に位置している。この構造により、シェル40Aのハウジング20からの浮き上がりがより確実に防止される。
【0072】
以上に説明したように、本実施の形態及び第1の変形例によるコネクタは、受止部を備えている。受止部は、後方に向かって押圧されたシェルの背面部を受け止める。仮に受止部をハウジングに設ける場合、樹脂製部材であるハウジングの損傷を防止するために、受止部は、X方向において十分に大きなサイズを有する必要がある。この結果、ハウジング及びコネクタのX方向におけるサイズが大きくなる。一方、本実施の形態及び第1の変形例による受止部は、曲げ加工が容易な金属製のグランド部材の一部である。このため、コネクタのサイズの増大を避けつつ、シェルの背面部を確実に受け止めることができる。
【0073】
但し、本発明は、これに限られず、受止部は、前方に向かって押圧されたシェルの背面部を受け止めてもよい。この場合、ハウジングの一部が受止部として機能してもよいし、グランド部材が受止部として機能してもよい。以上の説明から理解されるように、本発明による受止部は、ハウジング又はグランド部材の一部である。以下、受止部をハウジングに設ける場合の変形例について説明する。
【0074】
図13を
図6と併せて参照すると、第2の変形例によるコネクタ10Bは、コネクタ10と同様に、相手側シェル630を備えた相手側コネクタ60と前後方向(嵌合方向:X方向)に沿って嵌合可能である。詳しくは、
図15を
図5と併せて参照すると、コネクタ10Bは、コネクタ10と同様に、嵌合部12を有している。嵌合部12は、嵌合状態において、相手側コネクタ60(
図6参照)と嵌合する。加えて、コネクタ10Bは、コネクタ10と同様に、回路基板70に取付可能であり、且つ、筐体80に収容可能である。
【0075】
図13及び
図14に示されるように、コネクタ10Bは、コネクタ10(
図1参照)と同じ2組のコンタクトセット30S及びシェル40を備えている一方、コネクタ10とは少し異なる、絶縁体からなるハウジング20Bと、導電体からなるグランド部材50Bとを備えている。グランド部材50Bは、シェル40と別体の部材である。
【0076】
図14を
図3と併せて参照すると、ハウジング20Bは、ハウジング20と同じ基本構造を有している。但し、ハウジング20Bは、ハウジング20と同じ上部20U、下部20L(
図2参照)及び2つの側部20Sを有している一方、ハウジング20の後部20Rとは少し異なる後部20RBを有している。後部20RBには、2つの受止部240Bが設けられている。受止部240Bの夫々は、背面230から後方に突出している。
【0077】
図16を
図8と併せて参照すると、グランド部材50Bは、グランド部材50と同様に1枚の金属板から形成されており、グランド部材50と同じ基本構造を有している。例えば、グランド部材50Bは、ピッチ方向(Y方向)と直交する所定平面(XZ平面)について鏡対称な形状を有している。但し、グランド部材50Bは、グランド部材50と同じ被固定部590を有している一方、グランド部材50とは少し異なる2つの側板部510B、弾性変形部550B及び被押当部560Bを有している。また、グランド部材50Bは、グランド部材50の第1連結部540及び第2連結部570に代えて、1つの連結部540Bを有している。また、グランド部材50Bは、グランド部材50の曲部574及び受止部580に対応する部位を有していない。
【0078】
2つの側板部510Bは、側板部510と同様に、Y方向において互いに離れており、且つ、XZ平面に沿って互いに平行に延びている。側板部510Bの後端部の上端は、上下方向(Z方向)において、側板部510の後端部の上端に比べて下方に位置している。この相違点を除き、側板部510Bは、側板部510と夫々同じ構造を有している。例えば、2つの側板部510Bには、被保持部520が夫々設けられており、且つ、接続部530が夫々設けられている。
【0079】
図16を参照すると、連結部540Bは、側板部510BをY方向において互いに連結している。弾性変形部550Bは、弾性変形可能となるように連結部540Bから全体として上方に延びており、且つ、被押当部560Bを支持している。弾性変形部550Bは、シェル40の背面部40Rの下端近傍に位置している。詳しくは、弾性変形部550Bは、Z方向において、上端552Bと、下端554Bとを有している。弾性変形部550Bの下端554Bは、連結部540Bの下端と繋がっており、弾性変形部550Bの一部(下端554Bと上端552Bとの間の部位)は、Z方向において、背面部40Rの下縁と同じ位置にある。弾性変形部550Bの上端552Bは、被押当部560Bと繋がっており、弾性変形部550Bの下端554Bに対して相対的に移動可能である。
【0080】
被押当部560Bは、自由端である弾性変形部550Bの上端552Bと繋がっており、X方向において移動可能である。本変形例による弾性変形部550Bは上方に延びているため、回路基板70(
図15参照)によって制約されることなく、弾性変形部550Bのバネ長を長くできる。また、連結部540BのY方向におけるサイズ(幅)を大きくすることにより、弾性変形部550Bを幅広に形成し、これにより弾性変形部550Bのバネ力を大きくできる。
【0081】
図15を参照すると、被押当部560Bは、X方向において前方に向かってシェル40の背面部40Rに押し当てられており、これにより、グランド部材50Bは、シェル40と接続されている。被押当部560Bに押されたシェル40の背面部40Rは、ハウジング20Bの受止部240Bによって受け止められている。即ち、シェル40の背面部40Rは、X方向において被押当部560Bと受止部240Bとの間に挟まれており、これにより移動が規制されている。このため、シェル40のハウジング20Bからの浮き上がりが防止される。
【0082】
図14を参照すると、本変形例によれば、シェル40をハウジング20Bに取り付ける際、シェル40の背面部40Rの下端は、グランド部材50Bの被押当部560Bの上端部分にガイドされて、ハウジング20Bの受止部240Bと被押当部560Bとの間にスムーズに挿入される。換言すれば、本変形例のグランド部材50Bは、背面部40Rの下端をガイドするガイド部を有している。