特許第6871714号(P6871714)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871714
(24)【登録日】2021年4月20日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】橋台背面盛土の補強工法
(51)【国際特許分類】
   E02D 3/12 20060101AFI20210426BHJP
   E01D 19/02 20060101ALI20210426BHJP
   E01D 22/00 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   E02D3/12 102
   E01D19/02
   E01D22/00 B
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-209142(P2016-209142)
(22)【出願日】2016年10月26日
(65)【公開番号】特開2018-71094(P2018-71094A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2019年10月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000196587
【氏名又は名称】西日本旅客鉄道株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000201478
【氏名又は名称】前田建設工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390007607
【氏名又は名称】大鉄工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130362
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 嘉英
(72)【発明者】
【氏名】松田 好史
(72)【発明者】
【氏名】藤井 昌隆
(72)【発明者】
【氏名】山田 孝弘
(72)【発明者】
【氏名】藤原 雅仁
(72)【発明者】
【氏名】手塚 広明
(72)【発明者】
【氏名】山内 崇寛
(72)【発明者】
【氏名】川西 敦士
(72)【発明者】
【氏名】太田 光貴
(72)【発明者】
【氏名】三浦 勝義
(72)【発明者】
【氏名】土井 保彦
(72)【発明者】
【氏名】青木葉 隆典
(72)【発明者】
【氏名】春名 哲弥
【審査官】 亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−053644(JP,A)
【文献】 特開2015−055084(JP,A)
【文献】 特開2015−055082(JP,A)
【文献】 特開2005−060188(JP,A)
【文献】 特開2005−112708(JP,A)
【文献】 特開平08−085940(JP,A)
【文献】 特開2007−231727(JP,A)
【文献】 特開2007−126817(JP,A)
【文献】 特開2009−002027(JP,A)
【文献】 特開2008−150841(JP,A)
【文献】 特開2002−018413(JP,A)
【文献】 特開2013−177294(JP,A)
【文献】 特開2004−285715(JP,A)
【文献】 特開昭52−073508(JP,A)
【文献】 特開2006−161535(JP,A)
【文献】 特開平08−177040(JP,A)
【文献】 特開2003−027460(JP,A)
【文献】 特開2005−016295(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0025579(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 3/12
E01D 1/00−24/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
改良対象となる橋台背面盛土中に透水性を有する地盤改良体を形成して橋台背面盛土の沈下抑制を行う工法であって、
前記橋台背面盛土中に、ノニオン系界面活性剤を主成分とした起泡剤を用いて生成した気泡とセメントミルクの混合物であるエアミルクを注入して原地盤と撹拌混合して、微細気泡が連続してみずみちが形成された透水性を有する地盤改良体を構築することを特徴とする橋台背面盛土の補強工法。
【請求項2】
前記エアミルクを注入して原地盤と撹拌混合する機械撹拌装置は、撹拌ロッドの外周面にスクリューからなる排土機構を備えていることを特徴とする請求項に記載の橋台背面盛土の補強工法。
【請求項3】
フロー値調整剤を添加することにより、前記原地盤と前記エアミルクの混合物のフロー値を目標値200mmのプラスマイナス5mm以内に調整することを特徴とする請求項1または2に記載の橋台背面盛土の補強工法。
【請求項4】
前記透水性を有する地盤改良体の側方に、高圧噴射撹拌工法を用いて第2の地盤改良体を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の橋台背面盛土の補強工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋台と盛土の接続部である橋台背面盛土の補強工法に関するものであり、詳細には、橋台背面盛土中に透水性を有する地盤改良体を形成することにより、盛土の沈下抑制を行う工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
橋台背面盛土は、施工時の締め固め不足、盛土材の経年劣化、降雨による盛土材の流出等を原因とした地盤の緩み現象により、地盤の沈下や陥没を生じやすい。また、地震発生時には、橋台と背面盛土との相対変位が顕著となり、列車等の走行性を低下させることがある。このような現象を解消するため、盛土中にセメントミルク等による薬液注入を行う対策が実施されている。
【0003】
橋台背面盛土を補強するための技術として、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載された技術がある。特許文献1に記載された技術は、鉄道、道路の橋台付近で、鉄道、道路の仮線を設置して橋台の通行を中断した後に、橋台の背面盛土を適当な距離だけ除去し、その除去空間に、橋台背面と間隔を開けて補強盛土を構築する。そして、橋台背面と補強盛土前面との間に背面コンクリートを打設して橋台と補強盛土を一体化することにより、橋台と背面盛土を補強することができるとしている。
【0004】
特許文献2に記載された技術は、橋台の前面から背面盛土に向けて、橋桁の軸方向とほぼ平行に棒状補強材を打設する。さらに、盛土の法面から橋桁の軸方向と直交する方向に棒状補強材を打設することにより、鉄道や車両の交通状態を維持したまま、橋台と橋台の背面の盛土とを補強することができるとしている。
【0005】
特許文献3に記載された技術は、鉄道用の橋の抗土圧橋台の背面盛土に対して、軌道の両側に、軌道方向に沿って盛土を上下に貫く複数の盛土改良体を所定間隔で配列して軌道併設改良体群を造成する。そして、盛土改良体の頭部を連結体で一体に剛結する。軌道併設改良体群が軌道に沿って生じる地震時土圧を分断し、さらに背面盛土と盛土改良体との摩擦により地震時土圧を減衰させることで地震時土圧を低減する。これにより、相対的に抗土圧橋台自体を補強しなくとも、橋の耐震性を向上させることができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−247060号公報
【特許文献2】特開2011−247064号公報
【特許文献3】特開2015−55082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した従来の技術では、未だ解決されていない種々の課題が存在した。例えば、セメントミルク等による薬液注入による対策では、列車軌道への影響を考慮し、通常の圧力より低い圧力で薬液注入を実施する必要がある。このため、地盤中の緩み領域に対して効果的な薬液注入が難しく、品質の信頼性が確保できない場合もあった。
【0008】
また、地盤中の緩み領域がどの箇所に存在するか不明であるため、薬液注入では数多くの施工本数となる場合が多い。このため、地盤の緩み領域対策としては、地震時及び列車荷重にも耐えうる一定強度の透水性を有した地盤改良体を形成することが有効である。
【0009】
例えば、透水性を有する地盤改良体を形成するには、界面活性剤を主成分とした起泡剤を使用して、地盤改良体内に微細な連続気泡を形成することが考えられる。現在、気泡の使用は建設分野において、その軽量性、流動性、自立性という特性から、シールド工事や盛土工事、地盤改良工事等、様々な分野で実施されている。
【0010】
しかし、一般的な起泡剤では、主成分としてアニオン系界面活性剤が使用されており、優れた起泡力を有する反面、疎水性のカルシウム塩が生成されるため、硬化したコンクリートは不透水性となってしまい、透水性を有する地盤改良体を形成するという目的を達成することができない場合が多い。
【0011】
さらに、先行技術文献として挙げた各先行技術では、施工条件が限定されたり、施工に手間が掛かったりする等、さらなる工夫を行う余地がある。
【0012】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、橋台背面盛土中に微細な連続気泡を混入することにより透水性を有する地盤改良体を形成し、橋台背面盛土を確実かつ容易に補強することが可能な工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る橋台背面盛土の補強工法は、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明に係る橋台背面盛土の補強工法は、改良対象となる橋台背面盛土中に透水性を有する地盤改良体を形成して橋台背面盛土の沈下抑制を行う工法である。
【0014】
そして、橋台背面盛土中に、ノニオン系界面活性剤を主成分とした起泡剤を用いて生成した気泡とセメントミルクの混合物であるエアミルクを注入して原地盤と撹拌混合して、微細気泡が連続してみずみちが形成された透水性を有する地盤改良体を構築することを特徴とするものである。
【0015】
また、上述した橋台背面盛土の補強工法において、エアミルクを注入して原地盤と撹拌混合する機械撹拌装置は、撹拌ロッドの外周面にスクリューからなる排土機構を備えていることが好ましい。
【0016】
また、上述した橋台背面盛土の補強工法において、流動化剤や早期強度発現剤(例えば、早強セメント、早期凝結剤)等のフロー値調整剤を添加することにより、原地盤とエアミルクの混合物のフロー値を目標値200mmのプラスマイナス5mm以内に調整することが好ましい。
【0017】
また、上述した橋台背面盛土の補強工法において、透水性を有する地盤改良体の側方に、高圧噴射撹拌工法を用いて第2の地盤改良体を形成することが可能である。透水性を有する地盤改良体の側方とは、透水性を有する地盤改良体の一側、透水性を有する地盤改良体を挟んで両側のことであり、透水性を有する地盤改良体の一側に第2の地盤改良体を形成し、あるいは透水性を有する地盤改良体を挟んで、その両側に第2の地盤改良体を形成する。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る橋台背面盛土の補強工法によれば、原地盤と、気泡及びセメントミルクの混合物からなるエアミルクを混合撹拌することで、耐震性を有するとともに透水性を有する地盤改良体を形成することができる。透水性を有する地盤改良体内に存在する気泡は、連続気泡となっており、「みずみち」を形成するため、透水性を発揮することが可能となる。
【0019】
また、ノニオン系界面活性剤を主成分とした起泡剤を用いて気泡を生成することにより、疎水性のカルシウム塩が生成されることがなく、硬化したコンクリートは透水性を有することになる。
【0020】
また、エアミルクを注入して原地盤と撹拌混合する機械撹拌装置において、撹拌ロッドの外周面にスクリューからなる排土機構を備えることにより、橋台背面盛土中に撹拌ロッドを貫入する際の抵抗が少なくなり、1.0t未満の小型機械であっても、斜め施工や水平施工が可能となり、太径の透水性を有する地盤改良体を構築することが可能となる。また、貫入時の排土を容易に行うことができ、原地盤とエアミルクの混合状態が安定し、良質な透水性を有する地盤改良体を形成することが可能となる。
【0021】
ところで、一般的なベントナイト泥水のような泥水削孔の場合には、斜め施工および水平施工を行うと、坑口より泥水が漏出して、改良範囲内が一時空洞化し、地盤が沈下することが考えられる。これに対して、撹拌ロッドの外周面にスクリューからなる排土機構を備えることにより、撹拌ロッドを貫入する際に、一時的に橋台背面盛土中に空洞が生じることを防止して、地盤の変位を抑制した施工が可能となる。
【0022】
また、流動化剤や早期強度発現剤(例えば、早強セメント、早期凝結剤)等のフロー値調整剤を添加して、フロー値を目標値の200プラスマイナス5mm以内に設定することで、異なる地盤条件であっても安定した透水性を有する地盤改良体を形成することが可能となる。
【0023】
また、透水性を有する地盤改良体の側方に、高圧噴射撹拌工法を用いて第2の地盤改良体を形成することにより、透水性を有する地盤改良体により排水を行って、橋台背面盛土の補強をより一層確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係る橋台背面盛土の補強工法を説明する側面図。
図2】本発明の実施形態に係る橋台背面盛土の補強工法の施工手順を示す模式図。
図3】本発明の実施形態に係る橋台背面盛土の補強工法により形成した透水性を有する地盤改良体と、第2の地盤改良体とを正面から見た状態の断面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る橋台背面盛土の補強工法を説明する。図1図3は本発明の実施形態に係る橋台背面盛土の補強工法を説明するもので、図1は側面図、図2は施工手順を示す模式図、図3は透水性を有する地盤改良体及び第2の地盤改良体の断面模式図である。
【0026】
<橋台背面盛土の補強工法の概要>
本発明の実施形態に係る橋台背面盛土の補強工法は、機械撹拌工法を用いて橋台背面盛土80の内部に透水性を有する地盤改良体70を形成するものであり、機械撹拌装置10を用いて、橋台背面盛土80中に気泡とセメントミルクの混合物であるエアミルクを注入して原地盤と撹拌混合する。橋台背面盛土80中に気泡とエアミルクを注入して、原地盤と撹拌混合すると、微細気泡が連続して「みずみち」が形成された地盤改良体70を構築することができ、この地盤改良体70は透水性を有することになる。
【0027】
<施工機械の設置>
橋台背面盛土80の法面の傾斜角度に応じて、足場60を設置する必要がある。すなわち、機械撹拌装置10が自走できる傾斜角度である場合には、そのまま地盤改良体70の形成を行うことができるが、機械撹拌装置10が自走できない傾斜角度である場合には、機械撹拌装置10を含む施工機器を設置するための足場60を施工する。この場合には、例えば、図1に示すように、橋台背面盛土80の側方に、単管パイプ等を用いて足場60を組み立てる。また、本実施形態では、一般的な機械撹拌工法で使用する施工機器よりも小型の施工機器(例えば、機械重量1.0t程度)を用いるため、それに見合った強度を有していればよい。
【0028】
足場60上には、詳細には図示しないが、地盤改良体70を形成するための施工機器として、小型の機械撹拌装置10、電源装置、コンプレッサ、硬化剤や水等を送出するためのポンプ等を設置する。なお、図1に示す例では、橋台背面盛土80に対して、撹拌ロッド20を斜め下向きに貫入するようになっているが、撹拌ロッド20の貫入方向は、下向きであってもよいし、水平方向であってもよい。
【0029】
<機械撹拌装置>
機械撹拌装置10は、地盤改良等に使用されている一般的な装置であり、本実施形態では、機械重量が1.0t程度の小型の装置を使用している。この機械撹拌装置10は、詳細には図示しないが、本体40と、撹拌ロッド20と、撹拌ロッド20の先端部に設けた攪拌翼30とを備えており、撹拌ロッド20の先端部からエアミルク等を噴出するようになっている。また、撹拌ロッド20の外周面には、スクリューからなる排土機構50を設けてある。
【0030】
<地盤改良体の形成>
本実施形態では、図2に示すように、所定の高さにおいて、橋台背面盛土80中に撹拌ロッド20を斜め下向きに貫入して空堀を行い、所定深さまで撹拌ロッド20を貫入したら(a)〜(c)、撹拌ロッド20(攪拌翼30)の先端部からエアミルク(気泡及びセメントミルクの混合物)を吐出させ、攪拌翼30を回転させて原地盤と混合撹拌しながら撹拌ロッド20を引き抜いて地盤改良体70を形成する(d)。
【0031】
続いて、排泥を行いながら撹拌ロッド20を貫入し、再度、撹拌ロッド20の先端部からエアミルク(気泡及びセメントミルクの混合物)を吐出させ、攪拌翼30を回転させて原地盤と混合撹拌しながら撹拌ロッド20を引き抜く(e)〜(f)。さらに、撹拌を継続しながら撹拌ロッド20の貫入と引き抜きを実施し、透水性を有する地盤改良体70を形成する(g)〜(h)。なお、改良対象となる橋台背面盛土80の性状に応じて、撹拌ロッド20の貫入及び引き抜きによる混合撹拌の回数を調整すればよい。
【0032】
<エアミルク>
本実施形態で、橋台背面盛土80中に注入するエアミルクは、気泡とセメントミルクの混合物であり、気泡はノニオン系界面活性剤を主成分とした起泡剤を用いて生成する。本実施形態で使用するエアミルクの比重は、一般的な地盤改良工法で使用するセメントミルクの比重(ρ=1.60g/cm3)と比較して小さい(ρ=0.57g/cm3、空気量70%)。したがって,一般的な斜面補強工法のような施工手順で施工した場合には,エアミルクが土砂と混合される前に地上に排出されることが懸念される。そこで、撹拌ロッド20の貫入時にエアミルクの吐出は行わずに、撹拌ロッド20の引き抜き時にエアミルクの吐出を行いながら撹拌を行うことで土(原地盤)との一体化を図ることが可能となる。
【0033】
<排土機構>
例えば、透水性の地盤改良体70(100%)に対して、土(原地盤)とセメントミルクと気泡との割合を、それぞれ20%、25%、55%とした場合に、原地盤の土を80%(100%−20%)除去しなければならない。そこで、撹拌ロッド20の外周面には、スクリューからなる排土機構50を設けてある。
【0034】
このような排土機構50を設けることにより、貫入時の排土を容易に行うことができるので、撹拌ロッド20の貫入抵抗を減少させ、撹拌ロッド20を貫入する際に生じる空洞の発生を防止して、地盤の変位を抑制している。
【0035】
<目標フロー値>
本実施形態では、施工の際に材料分離を生じず、安定した透水性の品質を確保する必要があるため、原地盤とエアミルクの混合物のフロー値の目標値を200mmとし、プラスマイナス5mmの範囲を許容値として設定した。この目標値を達成するため、流動化剤や早期強度発現剤(例えば、早強セメント、早期凝結剤)等のフロー値調整剤を添加している。本実施形態の地盤改良体70では、フロー値を適切に管理することにより、透水係数が1.0×10-2cm/sec程度となり、有効な透水性を確保することができた。
【0036】
<第2の地盤改良体>
図3に示すように、上述した工程により形成した透水性を有する地盤改良体70の側方に、高圧噴射撹拌工法を用いて第2の地盤改良体90を形成してもよい。図3に示す例では、透水性を有する地盤改良体70を挟んで、その両側に第2の地盤改良体90を形成しているが、透水性を有する地盤改良体70の一側にのみ第2の地盤改良体90を形成してもよい。第2の地盤改良体90を形成することにより、橋台背面盛土80の補強が確実なものとなるとともに、透水性を有する地盤改良体70により橋台背面盛土80から排水を行うことができる。なお、橋台背面盛土80からの排水を確実なものとするため、透水性を有する地盤改良体70は橋台背面盛土80の底部まで達している。
【0037】
<本発明の有利な作用効果>
橋台背面盛土80が鉄道軌道の付帯設備である場合に、鉄道の運行に影響を与えずに既設の橋台背面盛土80の地盤改良を行うためには、周辺地盤の変状に対する影響が小さく、軌道へ影響を及ぼさない工法であることが前提となる。また、軌道上からの施工であると夜間施工となり、工期上の制約が大きい。そのため、昼間施工が可能であり、かつ安定した地盤改良体70の品質が得られる工法を採用する必要がある。本発明では、橋台背面盛土80の軌道上からではなく、側面からの施工が可能な機械撹拌工法を採用し、透水性を有する地盤改良体70を形成しており、特に鉄道の橋台背面盛土80の地盤改良を行う際に、本発明に特有の優れた作用効果を奏する。
【符号の説明】
【0038】
10 機械撹拌装置
20 撹拌ロッド
30 攪拌翼
40 本体
50 排土機構
60 足場
70 地盤改良体
80 橋台背面盛土
90 第2の地盤改良体
図1
図2
図3