(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
シート上に画像を形成する画像形成装置と、消色可能な消色トナーを用いて形成された画像を有するシートの前記シート上の画像を消去する消色装置と、通信する通信部と、
利用者による前記消色装置の使用量に基づいて、前記利用者の前記画像形成装置の使用可能量を示すクォータ値を増加させるとともに、前記画像形成装置又は前記消色装置に対して、各利用者のクォータ値に応じた情報を表示させる管理部と、
を備え、
前記管理部は、利用者の印刷クォータが最大値であるか否かを判定し、印刷クォータが最大値である場合、前記利用者の印刷クォータが最大値であり、消色操作を行っても印刷クォータは増加されない旨を示す警告表示を前記消色装置に表示させる、
クォータ管理装置。
前記管理部は、利用者が前記画像形成装置を使用した場合には、その使用量に応じて前記利用者のクォータ値を減少させ、利用者が前記消色装置を使用した場合には、その使用量に応じて前記利用者のクォータ値を増加させる、
請求項1又は2に記載のクォータ管理装置。
シート上に画像を形成する画像形成装置と、消色可能な消色トナーを用いて形成された画像を有するシートの前記シート上の画像を消去する消色装置と、通信する通信部を備える管理装置が、
利用者による前記消色装置の使用量に基づいて、前記利用者の前記画像形成装置の使用可能量を示すクォータ値を増加させる第1ステップと、
前記画像形成装置又は前記消色装置に対して、各利用者のクォータ値に応じた情報を表示させる第2ステップと、
を有し、
前記第2ステップにおいて、利用者の印刷クォータが最大値であるか否かを判定し、印刷クォータが最大値である場合、前記利用者の印刷クォータが最大値であり、消色操作を行っても印刷クォータは増加されない旨を示す警告表示を前記消色装置に表示させる、
クォータ管理方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態のクォータ管理装置及びクォータ管理方法を、図面を参照して説明する。
【0008】
図1は、本実施形態の印刷システム100の構成の具体例を示す図である。印刷システム100は、印刷管理サーバ1、管理対象機器2及びユーザ端末3を備える。印刷管理サーバ1、管理対象機器2及びユーザ端末3は通信機能を備え、それぞれが互いに通信可能に構成される。印刷管理サーバ1は、利用者による管理対象機器2の使用量を管理するサーバである。
図1は管理対象機器2の一例として、複写機21、複合機22及び消色装置23を示す。印刷管理サーバ1は、管理対象機器2の使用に関してどのような使用量を管理するものであってもよいが、複写機21や複合機22等の使用料金は一般に印刷や複写を行った紙の枚数に応じて課金されることが多い。そのため、本実施形態の印刷管理サーバ1は、各利用者が複写機21及び複合機22を用いて印刷又は複写した紙の枚数を使用量として管理すると仮定する。
【0009】
ユーザ端末3は、利用者が印刷システム100を利用するために用いる端末装置である。ユーザ端末3は、PC(Personal Computer)であってもよいし、スマートフォンやタブレット等の情報端末であってもよい。例えば、利用者はユーザ端末3を用いて、管理対象機器2に印刷や複写、消色等の各処理の実行を指示することができる。例えば
図1は、ユーザAが、ユーザ端末3を用いて複合機22に印刷処理の実行を指示し、複合機22から印刷物S1を取得した様子を表している。また、例えば、利用者はユーザ端末3を用いて印刷管理サーバ1にアクセスすることにより、管理対象機器2や利用者の追加又は削除、ユーザ情報や機器情報の編集等を行うことができる。
【0010】
なお、管理対象機器2は、必ずしもユーザ端末3を介して操作される機器である必要はなく、利用者が直接操作することが可能な機器であってもよい。例えば
図1は、消色処理の実行指示が、ユーザBの直接操作によって消色装置23に入力された様子を表している。図中のS2は消色処理の処理対象となるシートを表し、S2’は消色処理後のシートを表している。ユーザBは、消色トナーで印刷されたシートS2を消色装置23に処理させることによって、消色トナーで形成された画像が消去(消色)されたシートS2’を得ることができる。このように、管理対象機器2は、利用者によって直接的又は間接的に入力される実行指示に応じて印刷や複写、消色等の各処理を実行する。
【0011】
一方で、管理対象機器2は、各利用者による自装置の使用状況を印刷管理サーバ1に通知する。印刷管理サーバ1は、各管理対象機器2から通知される各利用者の使用状況に基づいて、管理対象機器2の使用量を利用者ごとに管理する。
【0012】
図2は、本実施形態の印刷管理サーバ1の機能構成の具体例を示すブロック図である。印刷管理サーバ1は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、プログラムを実行する。印刷管理サーバ1は、プログラムの実行によって通信部11、ユーザ情報記憶部12、機器情報記憶部13、ユーザ認証部14、ユーザ情報管理部15、機器情報管理部16及び機器検出部17を備える装置として機能する。なお、印刷管理サーバ1の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0013】
通信部11は、通信インタフェースを含んで構成される。通信部11は、印刷システム100が備える各装置及びユーザ端末3と通信可能に構成される。
【0014】
ユーザ情報記憶部12及び機器情報記憶部13は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。ユーザ情報記憶部12はユーザ情報を記憶し、機器情報記憶部13は機器情報を記憶する。ユーザ情報は、印刷システム100を利用するユーザに関する情報である。ユーザ情報には、各利用者の認証情報及びクォータ管理情報が含まれる。認証情報は、利用者が印刷システム100にログインするために必要な情報である。例えば、認証情報は各利用者のユーザID及びパスワードを示す情報である。クォータ管理情報は、各利用者の使用量を管理するための情報である。機器情報は、印刷システム100に含まれる各種の管理対象機器2に関する情報である。
【0015】
ユーザ認証部14は、自装置にアクセスする利用者を認証する機能を有する。具体的には、ユーザ認証部14は、ユーザ情報記憶部12に記憶されている各利用者の認証情報に基づいて、自装置のユーザ管理機能及び機器管理機能にアクセスする利用者の認証処理を行うとともに、各利用者の認証状態を認証状態又は非認証状態のいずれかに管理する。ユーザ認証部14は、認証状態にある利用者に対してのみ、ユーザ管理機能及び機器管理機能へのアクセスを許可する。
【0016】
ユーザ情報管理部15は、ユーザ情報を管理する機能を有する。具体的には、ユーザ情報管理部15は、利用者に対してユーザ情報の管理インタフェースを提供し、利用者の入力に応じてユーザ情報を登録又は更新する機能を有する。また、ユーザ情報管理部15は、管理対象機器2と間での情報通信に基づいてユーザ情報を更新する機能を有する。
【0017】
機器情報管理部16は、機器情報を管理する機能を有する。具体的には、機器情報管理部16は、利用者に対して機器情報の管理インタフェースを提供し、利用者の入力に応じて機器情報を登録又は更新する機能を有する。
【0018】
機器検出部17は、ネットワーク上に存在する機器であって、印刷システム100の管理対象機器2として登録可能な機器(以下「登録可能機器」という。)を検出する機能を有する。機器検出部17は、機器情報管理部16の要求に応じて登録可能機器の検出を試み、検出結果を機器情報管理部16に応答する。
【0019】
図3は、本実施形態におけるユーザ情報の具体例を示す図である。例えば、ユーザ情報は、
図3に示すユーザ情報テーブルの態様でユーザ情報記憶部12に記憶される。ユーザ情報テーブルは、ユーザIDごとのユーザ情報レコードを有する。ユーザ情報レコードは、ユーザID、ユーザ名、パスワード、部門番号、ドメイン名及びアカウント状態の各値を有する。ユーザIDは、印刷システム100の利用者を識別するための情報である。ユーザ名は、ユーザIDが示す利用者の名称を表す。パスワードは、ユーザIDが示す利用者が印刷システム100にログインするためのパスワードを表す。部門番号は、ユーザIDが示す利用者が所属する部門の識別番号である。ドメイン名は、ユーザIDが示す利用者が所属するドメインを表す。アカウント状態は、ユーザIDが示す利用者のアカウントの状態を表す。利用者のアカウント状態は、利用可能又は利用不可のいずれかに管理される。アカウント状態は、所定の条件に基づいて機械的に変更されてもよいし、システム管理者の手作業によって変更されてもよい。
【0020】
図4は、本実施形態におけるクォータ管理情報の具体例を示す図である。例えば、クォータ管理情報は、
図4(A)に示す印刷カウンタテーブル、
図4(B)に示す消色カウンタテーブル、及び
図4(C)に示す印刷クォータテーブルの態様でユーザ情報記憶部12に記憶される。印刷カウンタテーブルは、管理対象機器2を用いて行われた印刷及び複写の各処理の実行回数を保持するテーブルである。
図4(A)は、“印刷”及び“複写”の処理種別ごとの実行回数(カウンタ値)を、“フルカラー”、“2色/単色カラー”及び“ブラック”の各種印刷モードごとに保持する印刷カウンタテーブルの例である。また、
図4(A)の例に示すように、印刷カウンタテーブルは各行及び列の実行回数の総和(図中の“トータル”)を示す行及び列を有しても良い。
【0021】
消色カウンタテーブルは、管理対象機器2を用いて行われた消色処理の実行回数を保持するテーブルである。印刷クォータテーブルは、印刷クォータの値及びその最大値(最大量の一例)を保持するテーブルである。印刷クォータの最大値は印刷クォータの初期値であり、印刷クォータは印刷又は複写のいずれかの処理が実行されるごとに1減算される値である。すなわち、印刷クォータは利用者が印刷又は複写を実行することができる回数の残数を表す。以上説明したクォータ管理情報は、印刷システム100の利用者ごとに管理される。
【0022】
図5は、本実施形態の管理対象機器2の機能構成の具体例を示すブロック図である。ここでは、管理対象機器2の例として複写機21の機能構成を説明する。複写機21は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、プログラムを実行する。複写機21は、プログラムの実行によって通信部211、入力部212、表示部213、複写部214及び制御部215を備える装置として機能する。なお、複写機21の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0023】
通信部211は、通信インタフェースを含んで構成される。通信部211は、印刷システム100が備える各装置及びユーザ端末3と通信可能に構成される。
【0024】
入力部212は、マウスやキーボード、タッチパネル等の入力装置を含んで構成される。入力部212は、自装置に対する利用者の入力を受け付ける。例えば、複写機21において、入力部212は、複写処理の実行指示や、複写処理に関する各種設定の入力を受け付ける。入力部212は、利用者の入力情報を制御部215に出力する。
【0025】
表示部213は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、タッチパネル等の表示装置を含んで構成される。表示部213は、制御部215から出力される情報を表示する。例えば、複写機21において、表示部213は、各種のメニュー画面や複写処理の実行結果等、複写処理に関する種々の情報を表示する。
【0026】
複写部214は、複写処理を実現する各種機能部を備える。例えば、複写部214には、複写元のシートを読み取る読取部や、読み取った画像を複写先のシートに形成する帯電部や露光部、転写部等の機能部を備える。複写部214は、制御部215の制御により複写元のシートに形成された画像を複写先のシートに形成する複写処理を実行する。
【0027】
制御部215は、入力部212から出力される利用者の入力情報等に基づいて、複写部214による複写処理の実行を制御する。制御部215は、複写処理に関する各種情報を表示部213に表示させても良い。また、制御部215は、印刷管理サーバ1と連携して動作することにより、利用者の使用量を制限する機能(以下「利用制限機能」という。)を有する。
【0028】
以上、管理対象機器2の一例として複写機21の機能構成を示したが、複写機21以外の管理対象機器2についても、各装置の用途を実現する機能部以外の構成は複写機21と同様である。例えば、複合機22は、複写部214に代えて複合機機能部を備える点、複写部214を制御する制御部215に代えて複合機機能部を制御する制御部を備える点で複写機21と異なる。一方で、各管理対象機器2の制御部は、各装置の用途を実現する機能部(例えば複写機21における複写部等)の制御に関しては異なる構成を有するものの、利用制限機能に関しては他の管理対象機器2と同様の構成を有する。また、各管理対象機器2の制御部は、印刷管理サーバ1と同様の認証機能を備え、認証した利用者に対してのみ自装置を使用させることができる。
【0029】
図6は、本実施形態において印刷管理サーバ1が管理対象機器2を自装置に登録する処理の流れを示すフローチャートである。また、
図7及び
図8は、本実施形態における管理対象機器2の登録時にユーザ端末3に表示される画面例を示す図である。以下、
図7及び
図8を参照しながら、
図6に示すフローチャートを説明する。例えば、管理対象機器2の登録は、利用者がユーザ端末3を介して印刷管理サーバ1の機器管理機能にアクセスすることによって行われる。例えば、機器管理機能へのアクセスは、印刷管理サーバ1にログインした利用者にのみ許可される。この場合、印刷管理サーバ1のユーザ認証部14がユーザ端末3に対して利用者の認証情報を要求し、ユーザ端末3から利用者の認証情報を取得する。ユーザ認証部14は、ユーザ端末3から取得した認証情報が自装置に記憶された利用者の認証情報に一致した場合に、ユーザ端末3が自装置の機器管理機能にアクセスすることを許可する(ACT101)。
【0030】
続いて、印刷管理サーバ1では機器情報管理部16がアクセスを許可したユーザ端末3に対して既に登録済みの管理対象機器2の一覧画面を表示させる(ACT102)。例えば、ユーザ端末3には、
図7に示すような一覧画面が表示される。この一覧画面を確認することにより、利用者は目的の管理対象機器2(ここでは複写機Aとする。)が登録済みであるか否かを確認する。複写機Aが登録済みである場合、利用者は印刷管理サーバ1からログアウトし、機器登録の操作を終了する。
【0031】
一方、
図7の例のように複写機Aが登録済みでない場合、利用者は、印刷管理サーバ1に対してネットワーク上に存在する登録可能機器を検出する処理(以下「機器検出処理」という。)の実行指示を入力する。具体的には、利用者は、
図8に示すような機器検索画面を表示させ、“検索”ボタンを押下することにより機器検出処理の実行指示を入力する。この実行指示の入力に応じて、印刷管理サーバ1の機器検出部17が登録可能機器の検出処理を実行する(ACT103)。機器検出部17は、検出結果をユーザ端末3に表示させる。
図8の例は、機器検出処理によって複写機Aが検出されたことを表している。
【0032】
この検出結果を確認し、利用者は、検出された複写機Aを管理対象機器2として登録する操作を入力する。例えば、利用者は、
図8の機器検索画面に表示された“OK”ボタンを押下することにより、検出された機器を管理対象機器2として登録することを機器情報管理部16に指示する。この登録指示の入力に応じて、機器情報管理部16は、複写機Aから機器情報を取得し、取得した機器情報を機器情報記憶部13に記憶させることで、複写機Aを管理対象機器2として自装置に登録する(ACT104)。
【0033】
図9は、本実施形態における印刷管理サーバ1が印刷システム100の利用者を自装置に登録する処理の流れを示すフローチャートである。例えば、利用者の登録は、管理対象機器2の登録と同様に、利用者がユーザ端末3を介して印刷管理サーバ1のユーザ管理機能にアクセスすることによって行われる。この場合、印刷管理サーバ1のユーザ認証部14が、管理対象機器2の登録時と同様の方法で利用者を認証し、ユーザ端末3が自装置のユーザ管理機能にアクセスすることを許可する(ACT201)。
【0034】
続いて、印刷管理サーバ1ではユーザ情報管理部15がアクセスを許可したユーザ端末3に対して既に登録済みの利用者の一覧画面を表示させる(ACT202)。この一覧画面を確認することにより、利用者は目的の利用者(ここではユーザAとする。)が登録済みであるか否かを確認する。ユーザAが登録済みである場合、利用者は印刷管理サーバ1からログアウトし、ユーザ登録の操作を終了する。
【0035】
一方、ユーザAが登録済みでない場合、利用者は、印刷管理サーバ1に対してユーザAを追加する操作を入力する。具体的には、利用者は、ユーザAに関して
図3に示したようなユーザ情報を入力する。この入力に応じて、ユーザ情報管理部15は、入力されたユーザAのユーザ情報をユーザ情報記憶部12に記憶させることで、ユーザAを印刷システム100の利用者として自装置に登録する(ACT203)。
【0036】
さらに、利用者は、登録したユーザAについて、印刷クォータの最大値を設定する操作を入力する。この入力に応じて、ユーザ情報管理部15は、入力された印刷クォータの最大値をユーザAのユーザ情報に追加することで、ユーザAに対して印刷クォータの最大値を設定する(ACT204)。
【0037】
図10は、本実施形態の印刷システム100において利用者による管理対象機器2の使用量を制限する処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、その一例として利用者が複写機21を使用する場合に実行される処理の流れを説明する。まず、利用者が複写機21にログインする操作を入力する。例えば、利用者は、入力部212を操作し、自身の認証情報(ユーザID及びパスワード)を入力する。この入力に応じて、制御部215は入力された認証情報が予め登録された利用者の認証情報に一致するか否かを判定し、両者が一致した場合に利用者のログインを許可する(ACT301)。
【0038】
なお、複写機21における利用者の認証は、複写機21が印刷管理サーバ1と同様のユーザ情報を記憶することによって実現されてもよいし、複写機21が印刷管理サーバ1に認証処理を依頼することによって実現されてもよい。
【0039】
複写機21にログインした利用者は、複写機21に対して複写処理を実行させるための操作(以下「複写操作」という。)を入力する。例えば、複写機21の制御部215は、入力部212を介して複写操作の入力を受け付け(ACT302)、この複写操作の入力に応じて印刷管理サーバ1から当該利用者のユーザ情報を取得する。具体的には、複写機21は印刷管理サーバ1に対してユーザ情報要求を送信し(ACT303)、印刷管理サーバ1がこのユーザ情報要求の受信に応じて当該利用者のユーザ情報をユーザ情報記憶部12から取得する。印刷管理サーバ1は、取得したユーザ情報を複写機21に送信する(ACT304)。
【0040】
ユーザ情報が取得されると、制御部215は利用者の印刷クォータがゼロであるか否かを判定する(ACT305)。印刷クォータがゼロである場合(ACT305:YES)、制御部215は当該利用者の印刷クォータがゼロであり、これ以上の複写が許可されていない旨を示す警告表示を表示部213に表示させ(ACT306)、要求された複写処理を実行せずに処理を終了する。
【0041】
一方、印刷クォータが0でない場合(ACT305:NO)、制御部215は複写部214を制御し、要求された複写処理を実行させる(ACT307)。制御部215は、複写部214に複写処理を実行させると、当該利用者の印刷クォータから1を減算する(ACT308)。制御部215は、減算後の印刷クォータを示すクォータ情報を印刷管理サーバ1に送信する(ACT309)。印刷管理サーバ1では、受信されたクォータ情報に基づいて、ユーザ情報管理部15が当該利用者のユーザ情報を更新する(ACT310)。
【0042】
なお、ここでは、利用者が複写操作を行った場合に印刷クォータが1減算される例を示したが、印刷クォータは、利用者が印刷操作を行った場合にも同様に1減算される。このように、印刷クォータが複写又は印刷の操作に応じて減算されることにより、各利用者による管理対象機器2の使用量を制限することができる。
【0043】
図11及び
図12は、本実施形態の印刷システム100においてシートを再利用した利用者に管理対象機器2を使用する上でのインセンティブを与える処理の流れを示すフローチャートである。まず、利用者が消色装置23にログインする操作を入力する。この入力に応じて、消色装置23は複写機21と同様の方法で利用者の認証を行い、認証された利用者に対して自装置へのログインを許可する(ACT401)。
【0044】
消色装置23にログインした利用者は、消色装置23に対して消色処理を実行させるための操作(以下「消色操作」という。)を入力する。例えば、消色装置23の制御部は、入力部を介して消色操作の入力を受け付け(ACT402)、この消色操作の入力に応じて印刷管理サーバ1から当該利用者のユーザ情報を取得する。具体的には、消色装置23は印刷管理サーバ1に対してユーザ情報要求を送信し(ACT403)、印刷管理サーバ1がこのユーザ情報要求の受信に応じて当該利用者のユーザ情報をユーザ情報記憶部12から取得する。印刷管理サーバ1は、取得したユーザ情報を消色装置23に送信する(ACT404)。
【0045】
ユーザ情報が取得されると、消色装置23の制御部は当該利用者の印刷クォータが最大値(
図4(C)の例では20)であるか否かを判定する(ACT405)。印刷クォータが最大値である場合(ACT405:YES)、制御部は当該利用者の印刷クォータが最大値であり、消色操作を行っても印刷クォータは増加されない旨を示す警告表示を表示部に表示させる(ACT406)とともに、消色処理を実行するか否かを選択させる表示を表示部に表示させる。
【0046】
制御部は、利用者の選択を判定する(ACT407)。利用者が消色処理を実行しないことを選択した場合(ACT407:キャンセル)、制御部は消色処理を実行せずに処理を終了する。一方、利用者が消色処理を実行することを選択した場合(ACT407:実行)、制御部は消色処理を実現する消色部を制御し、要求された消色処理を実行させる(ACT408)。制御部は、消色部に消色処理を実行させると、当該利用者の消色カウンタに1を加算する(ACT409)。
【0047】
続いて、制御部は当該利用者の印刷クォータが最大値であるか否かを判定する(ACT410)。印刷クォータが最大値でない場合(ACT410:NO)、制御部は印刷クォータに1を加算し(ACT411)、加算後の印刷クォータの値を表示部に表示させる(ACT412)。制御部は、更新後の印刷クォータ又は消色カウンタを示すクォータ情報を印刷管理サーバ1に送信する(ACT413)。一方、印刷クォータが最大値である場合(ACT410:YES)、制御部は印刷クォータの加算を行わず、ACT413に処理を移す。印刷管理サーバ1では、受信されたクォータ情報に基づいて、ユーザ情報管理部15が当該利用者のユーザ情報を更新する(ACT414)。
【0048】
このように構成された本実施形態の印刷システム100では、消色操作を行ってシートを再利用した利用者の印刷クォータが、再利用を行った回数分だけ増加されるように管理される。このような構成を備えることにより、実施形態の印刷システム100は、シートを再利用した利用者に対して画像形成装置を使用する上でのインセンティブを与えることができる。
【0049】
また、本実施形態の印刷システム100では、各利用者の印刷クォータが所定の最大値を超えないように管理される。このような印刷クォータの管理により、実施形態の印刷システム100は、シートを再利用した利用者に対して予め定められた範囲内でのインセンティブを与えることができる。
【0050】
以下、実施形態の印刷システム100の変形例について説明する。
【0051】
上記実施形態では、印刷クォータの加算又は減算が管理対象機器2の制御部によって実行されたが、印刷クォータに関する各種計算は印刷管理サーバ1側で行われても良い。また、上記実施形態では、印刷クォータの判定処理と、その判定結果に応じた各種表示処理とが管理対象機器2の制御部によって実行又は制御されたが、これらの各処理は印刷管理サーバ1側で実行又は制御されても良い。この場合、例えば印刷管理サーバ1のユーザ情報管理部15は、複写機21による複写処理の実行、又は複合機22による印刷処理の実行に応じて印刷クォータから1を減算し、消色装置23による消色処理の実行に応じて印刷クォータに1を加算してもよい。また、例えば印刷管理サーバ1のユーザ情報管理部15は、更新前又は更新後の印刷クォータの値に応じて、印刷処理、複写処理、消色処理又は各種表示処理の実行を管理対象機器2に指示してもよい。
【0052】
上記実施形態では、印刷クォータは予め設定された最大値を超えない範囲で管理されたが、シートを再利用した利用者に対してより多くのインセンティブを与えたい場合には、加算後の印刷クォータが最大値を超えることを許容してもよい。また、加算によって印刷クォータが最大値を超えた場合、超過した分の印刷クォータを他のクォータに加算してもよい。例えば、複合機22の読み取り機能の使用回数を制限するクォータ(以下「スキャンクォータ」という。)が設けられている場合、最大値を超過した分の印刷クォータがスキャンクォータに加算されてもよい。また、カラー印刷やモノクロ印刷等の印刷種別ごとに印刷クォータが設けられている場合、例えばカラー印刷の印刷クォータの超過分がモノクロ印刷等の他の印刷種別の印刷クォータに加算されてもよい。
【0053】
上記実施形態では、個々の利用者ごとに使用量を管理する印刷システム100について説明したが、使用量は他の単位で管理されてもよい。例えば、個々の利用者ごとの単位に代えて例えば部署単位で使用量が管理されてもよい。この場合、印刷クォータは部署単位で設けられ、その部署に所属する利用者の使用状況に応じて印刷クォータが管理されてもよい。
【0054】
印刷管理サーバ1のユーザ情報管理部15は、外部からの入力に基づいて各利用者のユーザ情報を更新する機能を備えても良い。この場合、システム管理者は、印刷管理サーバ1にログインし、利用者の印刷クォータやその最大値を直接編集することができる。また、印刷クォータの最大値は全利用者に共通の値として設定されてもよいし、各利用者ごとに異なる値として設定されてもよい。
【0055】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、利用者による消色装置23の使用量に基づいて、利用者の画像形成装置(例えば複写機21及び複合機22)の使用可能量を示すクォータ値を増加させる管理部を持つことにより、シートを再利用した利用者に対して画像形成装置を使用する上でのインセンティブを与えることができる。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。