(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記圧縮機発停許可出力部は、前記圧縮機起動許可または圧縮機停止許可に応じて前記パラレル型冷凍機の前記圧縮機が起動または停止した場合、所定の起動許可待ち時間または停止許可待ち時間が経過した後に、次の前記圧縮機起動許可または圧縮機停止許可を出力することができる
請求項1に記載の冷凍システム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態に係る冷凍システムについて、
図1〜
図10を参照しながら説明する。
【0015】
(全体構成)
図1は、第1の実施形態に係る冷凍システム1の全体構成を示す系統図である。冷凍システム1は、パラレル型冷凍機11および12と、冷却塔21および22と、冷水ポンプ31および32と、冷却水ポンプ41および42と、上位制御装置6と、温度センサ91および92と、流量センサ93とを備える。
【0016】
パラレル型冷凍機11は、2台の圧縮機11−1aおよび11−1bと、蒸発器11−2と、凝縮器11−3とを備える。パラレル型冷凍機11は、図示していない制御部(
図2の制御部5)を備え、制御部の制御によって、蒸発器11−2に流入する冷水が送出されるときの温度を設定温度に制御したり、負荷変動に応じて2台の圧縮機11−1aおよび11−1bのうち、1台のみを起動したり、両方を起動したりする。パラレル型冷凍機11は、圧縮機の起動台数を切り替えることで、例えば定格出力と消費電力を変化させることができる。圧縮機11−1aおよび11−1bは、冷媒ガスを圧縮する。凝縮器11−3は、圧縮機11−1aや11−1bによって圧縮された高温高圧のガス冷媒を凝縮する。蒸発器11−2は、図示していない膨張弁を通じて減圧された液冷媒を蒸発させる。また、主管71を介して設備側より流入した冷水は、配管71、冷水ポンプ31および配管73を介して、蒸発器11−2の冷水入口から蒸発器11−2へ流入し、蒸発器11−2の冷水出口から送出され、配管74を介して設備側へ通じる主管78へと送出される。蒸発器11−2では、冷水と低温低圧化された液体冷媒とが熱交換することで、流入した冷水が所定の設定温度に冷やされて蒸発器11−2から送出される。一方、冷却水は、配管81、82および83と冷却水ポンプ41によって冷却塔21と凝縮器11−3との間を巡り、高温高圧化された冷媒と熱交換することで、冷媒を冷却する。なお、冷水ポンプ31と冷却水ポンプ41は、パラレル型冷凍機11が起動中に運転される。
【0017】
パラレル型冷凍機12は、パラレル型冷凍機11と同様に、2台の圧縮機12−1aおよび12−1bと、蒸発器12−2と、凝縮器12−3とを備える。パラレル型冷凍機12は、図示していない制御部(
図2の制御部5)を備え、制御部の制御によって、蒸発器12−2に流入する冷水が送出されるときの温度を設定温度に制御したり、負荷変動に応じて2台の圧縮機12−1aおよび12−1bのうち、1台のみを起動したり、両方を起動したりする。パラレル型冷凍機12は、圧縮機の起動台数を切り替えることで、例えば定格出力と消費電力を変化させることができる。圧縮機12−1aおよび12−1bは、冷媒ガスを圧縮する。凝縮器12−3は、圧縮機12−1aや12−1bによって圧縮された高温高圧のガス冷媒を凝縮する。蒸発器12−2は、図示していない膨張弁によって膨張された液冷媒を蒸発させる。また、主管71を介して設備側より流入した冷水は、配管75、冷水ポンプ32および配管76を介して、蒸発器12−2の冷水入口から蒸発器12−2へ流入し、蒸発器12−2の冷水出口から送出され、配管77を介して設備側へ通じる主管78へと送出される。蒸発器12−2では、冷水と低温低圧化された液体冷媒とが熱交換することで、流入した冷水が所定の設定温度に冷やされて蒸発器12−2から送出される。一方、冷却水は、配管84、85および86と冷却水ポンプ42によって冷却塔22と凝縮器12−3との間を巡り、高温高圧化された冷媒と熱交換することで、冷媒を冷却する。なお、冷水ポンプ32と冷却水ポンプ42は、パラレル型冷凍機12が起動中に運転される。
【0018】
また、上位制御装置6は、例えば、コンピュータと、入出力装置や通信装置を備え、温度センサ91が検出した主管還水温度、温度センサ92が検出した主管送水温度および流量センサ93が検出した主管流量を入力する。上位制御装置6は、パラレル型冷凍機11およびパラレル型冷凍機12と、図示していない信号線や通信線を介して所定の制御信号を送受信することで、パラレル型冷凍機11本体および12本体の発停(起動および停止)と圧縮機11−1aや11−1bおよび12−1aや12−1bの発停(起動および停止)を制御する。
【0019】
なお、
図1に示す構成例は、本実施形態に係る冷凍システム1の一例であり、例えば、パラレル型冷凍機11および12は、3台以上の複数であってもよい。また、冷凍システム1は、パラレル型冷凍機ではない、例えば圧縮機を1台のみ備える冷凍機等を含んでいてもよい。また、パラレル型冷凍機11は、2台に限らず、3台以上の圧縮機を備えていてもよい。
【0020】
次に、
図2を参照して、上位制御装置6と、パラレル型冷凍機11および12が備える制御部(
図1では不図示、
図2では制御部5)の構成例について説明する。
図2は、上位制御装置6と、パラレル型冷凍機11および12がそれぞれ備える制御部5の構成例を説明するためのブロック図である。なお、
図1に示す構成と同一の構成には同一の符号を用いている(以下、各図において同様)。
【0021】
図2に示す制御部5は、例えばマイクロコンピュータ等のコンピュータであり、図示していないCPU、揮発性および不揮発性の記憶装置、入出力装置、通信装置等を備える。制御部5は、圧縮機起動制御部51と、圧縮機停止制御部52と、冷水温度制御部53とを備える。圧縮機起動制御部51、圧縮機停止制御部52、および冷水温度制御部53は、それぞれ、制御部5が有するハードウェアを利用し、所定のプログラムをCPUが実行することで実現される機能である。
【0022】
圧縮機起動制御部51は、自機の負荷率が第1規定値(例えば50%)以上となり、かつ、上位制御装置6から後述する圧縮機起動許可を受け付けている場合に、自機(パラレル型冷凍機11やパラレル型冷凍機12)が具備する停止中の圧縮機(例えば圧縮機11−1bや圧縮機12−1b)を起動させる。圧縮機停止制御部52は、自機の負荷率が第2規定値(例えば40%)未満となり、かつ、上位制御装置6から後述する圧縮機停止許可を受け付けている場合に、自機が具備する起動中の圧縮機(例えば圧縮機11−1bや圧縮機12−1b)を停止させる。冷水温度制御部53は、蒸発器11−2や蒸発器12−2から送出される冷水の温度を、所定の設定値(例えば7℃)に一致するよう、パラレル型冷凍機11やパラレル型冷凍機12の各部を制御する。
【0023】
なお、パラレル型冷凍機11やパラレル型冷凍機12の負荷率とは次の値である。すなわち、「パラレル型冷凍機」の負荷率は、それぞれの冷水の蒸発器11−2や蒸発器12−2の入口(還水温度のセンサ値)と出口(送水温度のセンサ値または設定出口温度(送水温度の目標値))との温度差×流量によって定まる値であり、(負荷率=温度差×流量×係数/パラレル型冷凍機の定格出力)の式で求めることができる。ここで、係数は、冷水比熱等によって定まる定数である。
【0024】
上位制御装置6は、制御部61を備える。上位制御装置6は、制御部61の一部としてあるいは周辺機器として、表示装置や印刷装置、キーボードやマウス等の入出力装置を備えていてもよい。制御部61は、例えばサーバ、パーソナルコンピュータ、マイクロコンピュータ等のコンピュータであり、図示していないCPU、揮発性および不揮発性の記憶装置、入出力装置、通信装置等を備える。制御部61は、圧縮機発停許可出力部611と、台数制御部612とを備える。圧縮機発停許可出力部611および台数制御部612は、それぞれ、制御部5が有するハードウェアを利用し、所定のプログラムをCPUが実行することで実現される機能である。上位制御装置6は、通信線(あるいは信号線群)60を介してパラレル型冷凍機11およびパラレル型冷凍機12の各制御部5と接続されている。
【0025】
圧縮機発停許可出力部611は、所定の許可条件に基づき、複数のパラレル型冷凍機11および12のうちの起動中の一のパラレル型冷凍機に対し圧縮機起動許可または圧縮機停止許可を出力する。圧縮機起動許可は、各パラレル型冷凍機11および12において、負荷率に応じた圧縮機(例えば圧縮機11−1bや圧縮機12−1b)の起動制御を、パラレル型冷凍機11および12毎に許可する(有効とする)信号である。なお、圧縮機起動許可は、複数の圧縮機のうち少なくとも1台の圧縮機が起動中で、停止中の圧縮機が存在するパラレル型冷凍機に対して出力される。また、圧縮機停止許可は、複数の圧縮機のうち少なくとも2台の圧縮機が起動中であるパラレル型冷凍機に対して出力される。各パラレル型冷凍機11および12は、自機宛てに圧縮機起動許可が出力されている期間だけ、自機の負荷率に応じて自機の圧縮機(例えば圧縮機11−1bや圧縮機12−1b)を起動させることができる。また、圧縮機停止許可は、各パラレル型冷凍機11および12において、負荷率に応じた圧縮機(例えば圧縮機11−1bや圧縮機12−1b)の停止制御を、パラレル型冷凍機11および12毎に許可する(有効とする)信号である。各パラレル型冷凍機11および12は、自機宛てに圧縮機停止許可が出力されている期間だけ、自機の負荷率に応じて自機の圧縮機(例えば圧縮機11−1bや圧縮機12−1b)を停止させることができる。
【0026】
台数制御部612は、複数のパラレル型冷凍機11および12全体に対して要求される出力に応じて、パラレル型冷凍機11および12各々の本体の起動または停止を行う。ここで、全体に対して要求される出力とは、要求熱量(要求吸熱量)、流量、要求熱量と流量の両方、主管71から流入する冷水の温度(還水温度)等に応じて定義することができる。ここで、要求熱量は、主管71を介して設備側から還水される冷水の温度(センサ値)と主管78を介して設備側へ送水される冷水の温度(センサ値)または設定温度(温度の目標値)との温度差と、主管78を介して設備側へ送水される冷水の流量によって定まる値である。また、流量は、主管78を介して設備側へ送水される冷水の流量によって定まる値である。また、台数制御部612は、複数のパラレル型冷凍機11および12に対して予め起動または停止に関する優先順位を設定する。以下の説明では、パラレル型冷凍機11の優先順位がパラレル型冷凍機12の優先順位より高く設定されているものとする。
【0027】
次に、
図3を参照して、
図2に示す制御部5の動作例について説明する。
図3に示す処理は、各制御部5において例えば一定の周期で繰り返し実行される。
図3に示す処理では、まず、制御部5(例えば冷水温度制御部53)が、上述した自機の負荷率を算出する(ステップS101)。次に、圧縮機起動制御部51が、ステップS101で算出された負荷率が第1規定値(例えば50%)以上であるか否かを判定する(ステップS102)。負荷率が第1規定値(例えば50%)以上の場合(ステップS102で「Y」の場合)、圧縮機起動制御部51は、上位制御装置6から圧縮機起動許可を受け付けているか否かを判定する(ステップS103)。上位制御装置6から圧縮機起動許可を受け付けている場合(ステップS103で「Y」の場合)、圧縮機起動制御部51は、停止中の圧縮機(例えば圧縮機11−1bや圧縮機12−1b)を起動する(ステップS104)。次に、圧縮機起動制御部51は、圧縮機を起動した旨を上位制御装置6へ通知する(ステップS105)。
【0028】
一方、負荷率が第1規定値(例えば50%)以上でない場合(ステップS102で「N」の場合)、圧縮機起動制御部51は、ステップS101で算出された負荷率が第2規定値(例えば40%)未満であるか否かを判定する(ステップS106)。負荷率が第2規定値(例えば40%)未満である場合(ステップS106で「Y」の場合)、圧縮機起動制御部51は、上位制御装置6から圧縮機停止許可を受け付けているか否かを判定する(ステップS107)。上位制御装置6から圧縮機停止許可を受け付けている場合(ステップS107で「Y」の場合)、圧縮機起動制御部51は、起動中の圧縮機(例えば圧縮機11−1bや圧縮機12−1b)を停止する(ステップS108)。次に、圧縮機起動制御部51は、圧縮機を停止動した旨を上位制御装置6へ通知する(ステップS109)。
【0029】
また、制御部5は、負荷率が第2規定値(例えば40%)未満でない場合(ステップS106で「N」の場合)、上位制御装置6から圧縮機起動許可を受け付けていない場合(ステップS103で「N」の場合)、または、上位制御装置6から圧縮機停止許可を受け付けていない場合(ステップS107で「N」の場合)、圧縮機の起動や停止を行うことなく
図3に示す処理を終了する。
【0030】
図3に示す処理によって、制御部5は、上位制御装置6から起動や停止が許可されている場合のみ、自機の負荷率に応じて圧縮機を起動したり、停止したりすることができる。すなわち、上位制御装置6は、圧縮機起動許可および圧縮機停止許可を、1台のパラレル型冷凍機11または12に対して出力することで、圧縮機の起動や停止の複数のパラレル型冷凍機11または12での同時発生を防止することができる。なお、上位制御装置6は、圧縮機起動許可を1以上の圧縮機を起動中でかつ起動していない圧縮機を有するパラレル型冷凍機に対して出力し、圧縮機停止許可を2以上の圧縮機を起動中の圧縮機を有するパラレル型冷凍機に対して出力する。
【0031】
次に、
図4を参照して、
図2に示す台数制御部612の動作例について説明する。
図4に示す処理は、台数制御部612において例えば一定の周期で繰り返し実行される。なお、本実施形態では、パラレル型冷凍機の起動台数の増加(増段)と減少(減段)が連続的に発生することを防止するため、増段と減段には増段禁止時間と減段禁止時間が設定される。増段または減段を実行後、増段禁止時間および減段禁止時間の計測が開始され、計測が終了するまで次の増段または減段は禁止される。この増段禁止時間および減段禁止時間の計測は、例えば上位制御装置6が起動した際に計測がリセットされて開始される。なお、増段禁止時間と減段禁止時間は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0032】
図4に示す処理では、まず、台数制御部612が、温度センサ91が検出した主管還水温度、温度センサ92が検出した主管送水温度および流量センサ93が検出した主管流量を取得し、要求される出力を算出する(ステップS201)。次に、台数制御部612が、所定の増段条件が成立するか否かを判定する(ステップS202)。例えば、要求される出力に対して、起動中のパラレル型冷凍機の定格出力や稼働中の冷水ポンプの流量に余裕がないような場合に、停止中で起動可能なパラレル型冷凍機が残存するときに、増段条件が成立する。
【0033】
所定の増段条件が成立した場合(ステップS202で「Y」の場合)、台数制御部612は、増段禁止時間の計測が終了しているか否かを判定する(ステップS203)。増段禁止時間の計測が終了していた場合(ステップS203で「Y」の場合)、台数制御部612は、優先順位が最上位のパラレル型冷凍機を起動する(ステップS204)。ステップS204において、台数制御部612は、例えば、所定の制御信号を優先順位が最上位のパラレル型冷凍機へ送信することで、1台の圧縮機を起動して冷凍サイクルを起動することを指示する。次に、台数制御部612は、増段禁止時間の計測をリセットし、増段禁止時間の計測を開始する(ステップS205)。次に、台数制御部612は、減段禁止時間の計測をリセットし、減段禁止時間の計測を開始する(ステップS206)。次に、台数制御部612は、起動許可待ち時間の計測をリセットし、起動許可待ち時間の計測を開始する(ステップS207)。次に、台数制御部612は、停止許可待ち時間の計測をリセットし、停止許可待ち時間の計測を開始する(ステップS208)。ここで、起動許可待ち時間と停止許可待ち時間は、圧縮機を起動したり停止したりする場合に設定される禁止期間である。増段禁止時間および減段禁止時間が、パラレル型冷凍機本体の起動や停止に係る禁止期間であるのに対し、起動許可待ち時間および停止許可待ち時間は圧縮機の起動や停止に係る禁止期間である。
【0034】
一方、所定の増段条件が成立しなかった場合(ステップS202で「N」の場合)、台数制御部612は、所定の減段条件が成立するか否かを判定する(ステップS209)。例えば、要求される出力に対して、起動中のパラレル型冷凍機の定格出力や稼働中の冷水ポンプの流量に余裕がありすぎるような場合に、起動中で停止可能なパラレル型冷凍機が存在するときに、減段条件が成立する。所定の減段条件が成立した場合(ステップS209で「Y」の場合)、台数制御部612は、減段禁止時間の計測が終了しているか否かを判定する(ステップS210)。減段禁止時間の計測が終了していた場合(ステップS210で「Y」の場合)、台数制御部612は、優先順位が最下位のパラレル型冷凍機を停止する(ステップS211)。ステップS211において、台数制御部612は、例えば、所定の制御信号を優先順位が最下位のパラレル型冷凍機へ送信することで、圧縮機を停止して冷凍サイクルを停止することを指示する。次に、台数制御部612は、減段禁止時間の計測をリセットし、減段禁止時間の計測を開始する(ステップS212)。次に、台数制御部612は、増段禁止時間の計測をリセットし、増段禁止時間の計測を開始する(ステップS213)。次に、台数制御部612は、起動許可待ち時間の計測をリセットし、起動許可待ち時間の計測を開始する(ステップS214)。次に、台数制御部612は、停止許可待ち時間の計測をリセットし、停止許可待ち時間の計測を開始する(ステップS215)。
【0035】
また、台数制御部612は、増段禁止時間の計測が終了していなかった場合(ステップS203で「N」の場合)、所定の減段条件が成立しなかった場合(ステップS209で「N」の場合)、または、減段禁止時間の計測が終了していなかった場合(ステップS210で「N」の場合)、パラレル型冷凍機の起動や停止を行うことなく
図4に示す処理を終了する。
【0036】
図4に示す処理によって、台数制御部612は、増段禁止時間および減段禁止時間を設けた上で、複数のパラレル型冷凍機11および12の全体に対して要求される出力に応じて、パラレル型冷凍機の起動および停止を実行することができる。
【0037】
次に、
図5を参照して、
図2に示す圧縮機発停許可出力部611の動作例について説明する。
図5に示す処理は、圧縮機発停許可出力部611において例えば一定の周期で繰り返し実行される。なお、本実施形態では、圧縮機の起動と停止が連続して発生することを禁止するため設けた起動許可待ち時間および停止許可待ち時間の計測が、例えば上位制御装置6が起動した際に計測がリセットされて開始される。なお、起動許可待ち時間および停止許可待ち時間は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0038】
図5に示す処理では、圧縮機発停許可出力部611が、まず、圧縮機起動許可ON(オン)条件が成立するか否かを判定する(ステップS301)。
図5に示す処理において、圧縮機起動許可ON条件(ステップS301)および圧縮機停止許可ON条件(ステップS304)は、台数制御部612がステップS201の判定で用いる要求される出力の種類によって異なる。上述したように、出力の種類は、熱量に係る場合(以下、熱量モードという)、流量に係る場合(以下、流量モードという)、熱量と流量に係る場合(以下、熱量+流量モードという)、および還温度に係る場合(以下、還温度モードという)がある。これらのうち、流量に係る場合(流量モードと熱量+流量モードの場合)については、パラレル型冷凍機11および12の起動および停止と冷水ポンプ31および32の起動および停止が連動するため、流量の要求を満たすため、圧縮機の起動や停止による定格出力や消費電力の調節よりも、パラレル型冷凍機の起動や停止による定格出力と流量の調節を優先させることが求められる場合がある。したがって、本実施形態では、熱量モードと還温度モードでは、起動させるパラレル型冷凍機の台数ができるだけ少なくなるように圧縮機を起動または停止させる。一方、流量モードと熱量+流量モードでは、圧縮機の起動数を増やすことよりも、パラレル型冷凍機の起動数を増やすことが優先される。そのため、圧縮機の起動や停止を許可する条件が、モードの違いと、パラレル型冷凍機の起動状況に応じて変化する。
【0039】
以上のように、ステップS301では、モードに応じて、圧縮機発停許可出力部611が、圧縮機起動許可ON条件が成立するか否かを判定する。圧縮機起動許可ON条件が成立した場合(ステップS301で「Y」の場合)、すなわち、起動中の優先順位が最上位のパラレル型冷凍機に対して圧縮機起動許可を出力(ON)することが望ましいという条件が成立した場合、圧縮機発停許可出力部611は、起動許可待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS302)。起動許可待ち時間が経過した場合(ステップS302で「Y」の場合)、圧縮機発停許可出力部611は、起動中の優先順位が最上位のパラレル型冷凍機に対して圧縮機起動許可を出力する(ステップS303)。
【0040】
一方、圧縮機起動許可ON条件が成立しなかった場合(ステップS301で「N」の場合)、圧縮機発停許可出力部611は、圧縮機停止許可ON条件が成立するか否かを判定する(ステップS304)。圧縮機停止許可ON条件が成立した場合(ステップS304で「Y」の場合)、複数の圧縮機を起動している優先順位が最下位のパラレル型冷凍機に対して圧縮機停止許可を出力(ON)することが望ましいという条件が成立した場合、圧縮機発停許可出力部611は、停止待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS305)。停止許可待ち時間が経過した場合(ステップS305で「Y」の場合)、複数の圧縮機を起動している優先順位が最下位のパラレル型冷凍機に対して圧縮機停止許可を出力(ON)する(ステップS306)。
【0041】
ステップS303およびS306の次、圧縮機発停許可出力部611は、許可リセット条件が成立するか否かを判定する(ステップS307)。許可リセット条件の成立とは、ステップS303で出力された圧縮機起動許可またはステップS306で出力された圧縮機停止許可に対して許可された圧縮機の起動または停止ではない、所定の事象が発生したことを意味する。例えば、故障によって圧縮機が停止したとか、手動操作で許可していない圧縮機が起動されたとか、指令出力予定の冷凍機との通信異常の発生とかいった事象が発生した場合に、許可リセット条件が成立する。許可リセット条件が成立した場合(ステップS307で「Y」の場合)、圧縮機発停許可出力部611は、出力中の圧縮機起動許可または圧縮機停止許可の出力を停止する(ステップS311)。
【0042】
一方、許可リセット条件が成立していなかった場合(ステップS307で「N」の場合)、圧縮機発停許可出力部611は、圧縮機起動許可または圧縮機停止許可を出力したパラレル型冷凍機から、圧縮機起動通知または圧縮機停止通知が受信されたことを検知したか否かを判定する(ステップS308)。検知されなかった場合(ステップS308で「N」の場合)、圧縮機発停許可出力部611は、ステップS307の判定処理を実行する。そして、許可リセット条件が成立していなかった場合(ステップS307で「N」の場合)、圧縮機発停許可出力部611は、再度、圧縮機起動通知または圧縮機停止通知が受信されたことを検知したか否かを判定する(ステップS308)。その後、圧縮機発停許可出力部611は、許可リセット条件が不成立の場合、圧縮機起動通知または圧縮機停止通知が受信されるまでステップS308の判定処理を繰り返し実行する。
【0043】
そして、検知された場合(ステップS308で「Y」の場合)、圧縮機発停許可出力部611は、起動待ち時間および停止許可待ち時間の計測をリセットして、起動待ち時間および停止許可待ち時間の計測を開始する(ステップS309)。次に、圧縮機発停許可出力部611は、増段禁止時間および減段禁止時間の計測をリセットして、増段禁止時間および減段禁止時間の計測を開始する(ステップS310)。次に、圧縮機発停許可出力部611は、出力中の圧縮機起動許可または圧縮機停止許可の出力を停止する(ステップS311)。
【0044】
また、圧縮機発停許可出力部611は、起動許可待ち時間が経過していなかった場合(ステップS302で「N」の場合)、圧縮機停止許可ON条件が成立しなかった場合(ステップS304で「N」の場合)、および、停止許可待ち時間が経過していなかった場合(ステップS305で「N」の場合)、圧縮機起動許可または圧縮機停止許可の出力することなく
図5に示す処理を終了する。
【0045】
図5に示す処理によって、圧縮機発停許可出力部611は、起動許可待ち時間および停止許可待ち時間を設けた上で、複数のパラレル型冷凍機11および12のいずれかに1つに対して、圧縮機の起動または停止を許可するので、各パラレル型冷凍機が有する各圧縮機の起動や停止が同時にあるいは短時間に連続的に発生してしまうことを防止することができる。
【0046】
また、
図5に示す処理では、圧縮機の起動や停止が検知された場合、圧縮機発停許可出力部611は、増段禁止時間および減段禁止時間の計測をリセットして、増段禁止時間および減段禁止時間の計測を開始する。したがって、各パラレル型冷凍機本体の起動や停止と各圧縮機の起動や停止が同時にあるいは短時間に連続的に発生してしまうことを防止することができる。
【0047】
なお、起動許可待ち時間および停止許可待ち時間を、増段禁止時間および減段禁止時間よりも短い時間設定とすることで、圧縮機発停制御と台数制御とのハンチングを防止することができる。
【0048】
次に、
図6〜
図9を参照して、
図1に示す冷凍機システム1における圧縮機発停制御と台数制御の一例について説明する。
図6は、台数制御を熱量モードとする場合に、全体に対して要求される出力が(a)〜(f)に向けて上昇傾向にあるときの動作例を示す。
図7は、台数制御を熱量モードとする場合に、全体に対して要求される出力が(a)〜(f)に向けて下降傾向にあるときの動作例を示す。
図8は、台数制御を流量モードとする場合に、全体に対して要求される出力が(a)〜(f)に向けて上昇傾向にあるときの動作例を示す。
図9は、台数制御を流量モードとする場合に、全体に対して要求される出力が(a)〜(f)に向けて下降傾向にあるときの動作例を示す。
【0049】
図6に示す例において、
図6(a)ではパラレル型冷凍機11本体が起動し、パラレル型冷凍機12本体が停止している。また、パラレル型冷凍機11では圧縮機11−1aが起動し、圧縮機11−1bが停止している。ここで要求される出力が上昇すると、圧縮機起動許可ON条件が成立し(ステップS301で「Y」)、起動中で起動可能な圧縮機を有し、優先順位が最上位のパラレル型冷凍機11に対して圧縮機起動許可が出力される(ステップS303)(
図6(a))。そして、
図6(b)に示すように、圧縮機11−1bが起動する。ここで要求される出力が上昇すると(あるいは圧縮機11−1bの起動では十分でないとすると)、
図6(c)に示すように優先順位が次のパラレル型冷凍機12に対して起動指令が出力される。そして、
図6(d)に示すように、パラレル型冷凍機12本体が起動し、本体の起動に伴い圧縮機12−1aが起動する。ここで要求される出力が上昇すると(あるいは圧縮機12−1aの起動では十分でないとすると)、圧縮機起動許可ON条件が成立し(ステップS301で「Y」)、起動中で起動可能な圧縮機を有し、優先順位が最上位のパラレル型冷凍機12に対して圧縮機起動許可が出力される(ステップS303)(
図6(e))。そして、
図6(f)に示すように、圧縮機12−1bが起動する。
【0050】
一方、
図7に示す例において、
図7(a)ではパラレル型冷凍機11本体と、パラレル型冷凍機12本体がともに起動している。また、パラレル型冷凍機11では圧縮機11−1aと圧縮機11−1bが起動し、パラレル型冷凍機12では圧縮機12−1aと圧縮機12−1bが起動している。ここで要求される出力が下降すると、圧縮機停止許可ON条件が成立し(ステップS304で「Y」)、起動中で停止可能な圧縮機を複数有し、優先順位が最下位のパラレル型冷凍機12に対して圧縮機停止許可が出力される(ステップS306)(
図7(a))。そして、
図7(b)に示すように、圧縮機12−1bが停止する。ここで要求される出力が下降すると(あるいは圧縮機12−1bの停止では十分でないとすると)、
図7(c)に示すように優先順位が最下位のパラレル型冷凍機12に対して停止指令が出力される。そして、
図7(d)に示すように、パラレル型冷凍機12本体が停止する。ここで要求される出力が下降すると(あるいは圧縮機12−1aの停止では十分でないとすると)、圧縮機停止許可ON条件が成立し(ステップS304で「Y」)、起動中で停止可能な圧縮機を複数有し、優先順位が最下位のパラレル型冷凍機11に対して圧縮機停止許可が出力される(ステップS306)(
図7(e))。そして、
図7(f)に示すように、圧縮機11−1bが停止する。
【0051】
図8に示す例において、
図8(a)ではパラレル型冷凍機11本体が起動し、パラレル型冷凍機12本体が停止している。また、パラレル型冷凍機11では圧縮機11−1aが起動し、圧縮機11−1bが停止している。ここで要求される出力が上昇すると、
図8(a)に示すように起動可能な停止中の圧縮機を有する優先順位が次のパラレル型冷凍機12に対して起動指令が出力される。そして、
図8(b)に示すように、パラレル型冷凍機12本体が起動し、本体の起動に伴い圧縮機12−1aが起動する。ここで要求される出力が上昇すると(あるいは圧縮機12−1aの起動では十分でないとすると)、圧縮機起動許可ON条件が成立し(ステップS301で「Y」)、起動中で起動可能な圧縮機を有し、優先順位が最上位のパラレル型冷凍機11に対して圧縮機起動許可が出力される(ステップS303)(
図8(c))。そして、
図8(d)に示すように、圧縮機11−1bが起動する。ここで要求される出力が上昇すると(あるいは圧縮機11−1aの起動では十分でないとすると)、圧縮機起動許可ON条件が成立し(ステップS301で「Y」)、起動中で起動可能な圧縮機を有し、優先順位が最上位のパラレル型冷凍機12に対して圧縮機起動許可が出力される(ステップS303)(
図8(e))。そして、
図8(f)に示すように、圧縮機12−1bが起動する。
【0052】
一方、
図9に示す例において、
図9(a)ではパラレル型冷凍機11本体と、パラレル型冷凍機12本体がともに起動している。また、パラレル型冷凍機11では圧縮機11−1aと圧縮機11−1bが起動し、パラレル型冷凍機12では圧縮機12−1aと圧縮機12−1bが起動している。ここで要求される出力が下降すると、圧縮機停止許可ON条件が成立し(ステップS304で「Y」)、起動中で停止可能な圧縮機を複数有し、優先順位が最下位のパラレル型冷凍機12に対して圧縮機停止許可が出力される(ステップS306)(
図9(a))。そして、
図9(b)に示すように、圧縮機12−1bが停止する。ここで要求される出力が下降すると(あるいは圧縮機12−1bの停止では十分でないとすると)、圧縮機停止許可ON条件が成立し(ステップS304で「Y」)、起動中で停止可能な圧縮機を複数有し、優先順位が最下位のパラレル型冷凍機11に対して圧縮機停止許可が出力される(ステップS306)(
図9(c))。そして、
図9(d)に示すように、圧縮機11−1bが停止する。ここで要求される出力が下降すると(あるいは圧縮機11−1bの停止では十分でないとすると)、優先順位が最下位のパラレル型冷凍機12に対して停止指令が出力される(
図9(e))。そして、
図9(f)に示すように、パラレル型冷凍機12本体が停止する。
【0053】
図6〜
図9に示すようにモードの違いによって圧縮機起動許可ON条件または圧縮機停止許可ON条件を適切に設定することで、圧縮機の起動または停止と、本体の起動または定式の優先度を適切に設定することができる。
【0054】
次に、
図10を参照して、故障等の不具合が発生した場合の台数制御における優先順位の設定例について説明する。
図10において「→X→」は圧縮機1台の故障発生を示す。また、
図10に示す例では、起動時は停止中で優先順位の数字の小さいパラレル型冷凍機から起動がなされる。また、停止時は起動中で優先順位の数字の大きいパラレル型冷凍機から停止がなされる。また、起動中のパラレル型冷凍機で所定の不具合が発生した場合に、当該パラレル型冷凍機の優先順位が起動中記パラレル型冷凍機の中で最下位となるように設定される。また、停止中のパラレル型冷凍機で所定の不具合が発生した場合に、当該パラレル型冷凍機の優先順位が停止中のパラレル型冷凍機の中で最下位となるように設定される。
図10に示すように不具合発生時に優先順位を変更することで、不具合発生時の出力変動(温度変動等)を小さく抑えることができる。
【0055】
(変形例)
以上、第1の実施形態に係る冷凍システム1について詳細に説明したが、冷凍システム1の具体的な態様は、上述のものに限定されることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を加えることは可能である。
【0056】
例えば、第1の実施形態において、例えば台数制御における優先順位は、パラレル型冷凍機や圧縮機毎の運転積算時間を平準化するように、積算時間に応じて変更可能とすることができる。また、積算時間には、複数の圧縮機のうち積算運転時間が長い圧縮機の積算時間を採用したり、複数の圧縮機の積算時間の平均値を採用したりすることができる。
【0057】
また、上記制御装置1は、例えば制御部5のいずれか、あるいは複数に実装することもできる。
【0058】
<第2の実施形態>
図11は、第2の実施形態に係る冷凍システム1aの全体構成を示す系統図である。なお、
図1に示す構成と同一の構成には同一の符号を付けて説明を省略する。冷凍システム1aは、
図1に示す冷水ポンプ31に代えて、並列接続された冷水ポンプ31aと冷水ポンプ31bを備えている。また、冷凍システム1aは、
図1に示す冷却水ポンプ41に代えて、並列接続された冷却水ポンプ41aと冷却水ポンプ41bを備えている。また、冷水ポンプ31aと冷却水ポンプ41aは圧縮機11−1aの起動および停止と連動して起動および停止される。また、冷水ポンプ31bと冷却水ポンプ41bは圧縮機11−1bの起動および停止と連動して起動および停止される。また、冷凍システム1aは、
図1に示す冷水ポンプ32に代えて、並列接続された冷水ポンプ32aと冷水ポンプ32bを備えている。また、冷凍システム1aは、
図1に示す冷却水ポンプ42に代えて、並列接続された冷却水ポンプ42aと冷却水ポンプ42bを備えている。また、冷水ポンプ32aと冷却水ポンプ42aは圧縮機12−1aの起動および停止と連動して起動および停止される。また、冷水ポンプ32bと冷却水ポンプ42bは圧縮機12−1bの起動および停止と連動して起動および停止される。
この冷凍システム1aでは、圧縮機11−1aまたは11−1bと圧縮機12−1aまたは12−1bの起動や停止を判断する際に、冷水ポンプ31aと冷水ポンプ31bや冷却水ポンプ41aと冷却水ポンプ41bの動作状態や冷水ポンプ32aと冷水ポンプ32bや冷却水ポンプ42aと冷却水ポンプ42bの動作状態を考慮することが望ましい。すなわち、各ポンプのオンまたはオフによる流量の変化を考慮して各圧縮機の起動許可または停止許可の判定条件を設定することが望ましい。
【0059】
なお、上述の各実施形態においては、上述した制御部5または制御部61の各種処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0060】
上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。更に、制御部5または制御部61は、それぞれ、1台のコンピュータで構成されていても良いし、通信可能に接続された複数のコンピュータで構成されていてもよい。
【0061】
以上のとおり、本発明に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。