特許第6871788号(P6871788)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871788
(24)【登録日】2021年4月20日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】継手構造
(51)【国際特許分類】
   E02D 5/24 20060101AFI20210426BHJP
   E02D 5/28 20060101ALI20210426BHJP
   F16B 7/18 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   E02D5/24 103
   E02D5/28
   F16B7/18 A
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-71015(P2017-71015)
(22)【出願日】2017年3月31日
(65)【公開番号】特開2018-172906(P2018-172906A)
(43)【公開日】2018年11月8日
【審査請求日】2020年1月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006839
【氏名又は名称】日鉄建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】古谷 浩平
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−044476(JP,A)
【文献】 特開2012−087470(JP,A)
【文献】 中国実用新案第203685057(CN,U)
【文献】 米国特許第05950744(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 5/24
E02D 5/28
F16B 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1打設管の端部に取り付けられた第1継手と、第2打設管の端部に取り付けられた第2継手とが管軸方向に連結され、打設管同士が連結される打設管用の継手構造であって、
前記第1継手は、端部に設けられた第1継手嵌合部と、外周に設けられた第1ねじ部とを有し、
前記第2継手は、端部に設けられて前記第1継手嵌合部と嵌合する形状を有する第2継手嵌合部と、外周に設けられた第2ねじ部とを有し、
前記第1ねじ部及び前記第2ねじ部には、互いに等しいリード角を有するねじ溝又はねじ山が形成され、
前記第1ねじ部は、前記第1継手嵌合部に隣接した位置にねじ溝が開始される第1螺旋導入部を有し、
前記第2ねじ部は、前記第2継手嵌合部に隣接した位置にねじ溝が開始される第2螺旋導入部を有し、
前記第1継手と前記第2継手とが、前記第1継手嵌合部と前記第2継手嵌合部とを管軸方向に当接して嵌合した状態において、
前記第1螺旋導入部と前記第2螺旋導入部との間の長さLが、前記第1ねじ部及び前記第2ねじ部に設けられたねじピッチpの正の実数m倍であるとき、
前記第1螺旋導入部と前記第2螺旋導入部との間の回転方向の角度差Δθ(°)は、(1)式を満たし、
前記第1ねじ部及び前記第2ねじ部に連続して螺合された外套管によって連結されること
を特徴とする継手構造。

A≦Δθ≦A+90・・・(1)
A=(m−n)×360
(nは正の実数m未満の最も大きい自然数または0)
【請求項2】
前記正の実数mは、自然数であること
を特徴とする請求項1記載の継手構造。
【請求項3】
前記正の実数mは、自然数以外の有理数または無理数であること
を特徴とする請求項1記載の継手構造。
【請求項4】
前記第1継手は、前記第1継手嵌合部に設けられた第1ガイド部を有し、
前記第2継手は、前記第2継手嵌合部に設けられた第2ガイド部を有し、
前記第1継手嵌合部と前記第2継手嵌合部とが互いに管軸方向に当接して嵌合した状態において、前記第1ガイド部及び前記第2ガイド部は、管軸方向において重なり、
前記第1ガイド部と前記第1螺旋導入部との間における回転方向の角度差は、第1角であり、
前記第2ガイド部と前記第2螺旋導入部との間における回転方向の角度差は、第2角であり、
前記第2角は、前記第1角に前記角度差Δθを加えた角度であること
を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の継手構造。
【請求項5】
前記第1ガイド部は、凹部又は凸部の一方であり、
前記第2ガイド部は、凹部又は凸部の他方の形状で、前記第1ガイド部と嵌合すること
を特徴とする請求項4記載の継手構造。
【請求項6】
前記第1継手の外径及び前記第2継手の外径は、前記第1打設管の外径及び前記第2打設管の外径以上であること
を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の継手構造。
【請求項7】
前記第1継手嵌合部は、先端側の細いテーパ状の第1凸部を有し、
前記第2継手嵌合部は、先端側の細いテーパ状の第2凸部を有し、
前記第1継手嵌合部と前記第2継手嵌合部とが互いに当接して嵌合した状態において、前記第1凸部の第1側面及び前記第2凸部の第2側面は、回転方向で当接すること
を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の継手構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、打設管同士が連結される打設管用の継手構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転圧入で打設され、杭やパイプルーフ等として用いられる鋼管(打設管)の接続部分は、管軸方向に押し込む力を伝達するとともに、回転力(トルク)を伝達することが求められる。打設管に用いられる機械式継手として、例えば特許文献1〜3に開示された技術が挙げられる。特に、特許文献4では、現場での溶接を必要とせず、必要な部品点数が少ないため、簡易な作業で施工することのできる打設用鋼管の継手構造について開示されている。
【0003】
特許文献4では、例えば図14(a)に示すように、鋼管102に取り付けられた第1継手103と、鋼管104に取り付けられた第2継手105とが連結される打設用鋼管の継手構造について開示されている。第1継手103及び第2継手105の外周にはねじ山131、151が設けられ、第1継手103の第1継手嵌合部132と第2継手105の第2継手嵌合部152とが嵌合した状態において、ねじ山131、151は同一の螺旋上に位置するように位置決めされ、嵌合させた第1継手103及び第2継手105の外周にまたがる態様で外套管106が螺合されて鋼管102、104が連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−194735号公報
【特許文献2】特開2011−220049号公報
【特許文献3】特開2014−234654号公報
【特許文献4】特開2016−44476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献4のように、外套管106を用いて一対の鋼管102、104を連結する継手構造において、例えば各継手嵌合部132、152の先端に形成された複数の凹凸部が、2回以上の回転対称性を有することがある。このとき、各継手嵌合部132、152における複数の凹凸部同士が、鋼管の回転方向において2以上の位置で嵌合できる。このため、嵌合位置が正しい位置に嵌合されていないと、外套管106を取り付けた際、各ねじ山131、151の位相差が生じる。これにより、例えば図14(b)に示すように、継手嵌合部132、152間に隙間200(最大でねじ1山分)が発生する。
【0006】
隙間200が発生した場合、各継手嵌合部132、152が十分に嵌合されない状態で鋼管102、104の打設が行われるため、各継手103、105を介してトルクを十分に伝達できない懸念が挙げられる。また、隙間200が生じることで、各継手嵌合部132、152間の接触面積が小さくなり、各継手嵌合部132、152の早期劣化の懸念も挙げられる。従って、施工時において継手構造の安定した性能を維持できない恐れがある。
【0007】
この点、特許文献4では、各継手嵌合部132、152が嵌合した状態で、各ねじ山131、151が同一の螺旋上に位置した状態について記載されているに過ぎず、外套管106を取り付けた際の各継手嵌合部132、152の間における隙間について記載されていない。仮に、外套管106を取り付けた際に各継手嵌合部132、152が嵌合した状態を保っていたとしても、各継手嵌合部132、152の嵌合箇所を考慮せずに嵌合させた場合、図14(b)に示すように、隙間200は生じ得る。従って、特許文献4の開示技術では、各継手嵌合部132、152の間における隙間の発生を抑制することができず、各継手103、105を介してトルクを十分に伝達できないという懸念を払拭することは難しい。
【0008】
また、特許文献4では、各継手嵌合部132、152に形成された複数の凸部等において、回転方向における幅が大幅に異なる形状を有する。このため、鋼管の打設時において、幅の小さい形状への負荷が大きくなり、各継手103、105を介してトルクを十分に伝達できない懸念に加えて、各継手嵌合部132、152の早期劣化の恐れがある。これらにより、各継手を介してトルクを十分に伝達でき、安定した性能を維持できる継手構造が望まれている。
【0009】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであって、その目的とするところは、安定した性能を維持できる継手構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1発明に係る継手構造は、第1打設管の端部に取り付けられた第1継手と、第2打設管の端部に取り付けられた第2継手とが管軸方向に連結され、打設管同士が連結される打設管用の継手構造であって、前記第1継手は、端部に設けられた第1継手嵌合部と、外周に設けられた第1ねじ部とを有し、前記第2継手は、端部に設けられて前記第1継手嵌合部と嵌合する形状を有する第2継手嵌合部と、外周に設けられた第2ねじ部とを有し、前記第1ねじ部及び前記第2ねじ部には、互いに等しいリード角を有するねじ溝又はねじ山が形成され、前記第1ねじ部は、前記第1継手嵌合部に隣接した位置にねじ溝が開始される第1螺旋導入部を有し、前記第2ねじ部は、前記第2継手嵌合部に隣接した位置にねじ溝が開始される第2螺旋導入部を有し、前記第1継手と前記第2継手とが、前記第1継手嵌合部と前記第2継手嵌合部とを管軸方向に当接して嵌合した状態において、前記第1螺旋導入部と前記第2螺旋導入部との間の長さLが、前記第1ねじ部及び前記第2ねじ部に設けられたねじピッチpの正の実数m倍であるとき、前記第1螺旋導入部と前記第2螺旋導入部との間の回転方向の角度差Δθ(°)は、(1)式を満たし、前記第1ねじ部及び前記第2ねじ部に連続して螺合された外套管によって連結されることを特徴とする継手構造。

A≦Δθ≦A+90・・・(1)
A=(m−n)×360
(nは正の実数m未満の最も大きい自然数または0)
【0011】
第2発明に係る継手構造は、第1発明において前記正の実数mは、自然数であることを特徴とする。
【0012】
第3発明に係る継手構造は、第1発明において、前記正の実数mは、自然数以外の有理数または無理数であることを特徴とする。
【0013】
第4発明に係る継手構造は、第1発明〜第3発明のいずれかにおいて、前記第1継手は、前記第1継手嵌合部に設けられた第1ガイド部を有し、前記第2継手は、前記第2継手嵌合部に設けられた第2ガイド部を有し、前記第1継手嵌合部と前記第2継手嵌合部とが互いに管軸方向に当接して嵌合した状態において、前記第1ガイド部及び前記第2ガイド部は、管軸方向において重なり、前記第1ガイド部と前記第1螺旋導入部との間における回転方向の角度差は、第1角であり、前記第2ガイド部と前記第2螺旋導入部との間における回転方向の角度差は、第2角であり、前記第2角は、前記第1角に前記角度差Δθを加えた角度であることを特徴とする。
【0014】
第5発明に係る継手構造は、第4発明において、前記第1ガイド部は、凹部又は凸部の一方であり、前記第2ガイド部は、凹部又は凸部の他方の形状で、前記第1ガイド部と嵌合することを特徴とする。
【0015】
第6発明に係る継手構造は、第1発明〜第5発明のいずれかにおいて、前記第1継手の外径及び前記第2継手の外径は、前記第1打設管の外径及び前記第2打設管の外径以上であることを特徴とする。
【0016】
第7発明に係る継手構造は、第1発明〜第6発明のいずれかにおいて、前記第1継手嵌合部は、先端側の細いテーパ状の第1凸部を有し、前記第2継手嵌合部は、先端側の細いテーパ状の第2凸部を有し、前記第1継手嵌合部と前記第2継手嵌合部とが互いに当接して嵌合した状態において、前記第1凸部の第1側面及び前記第2凸部の第2側面は、回転方向で当接することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
第1発明〜第7発明によれば、第1継手及び第2継手は、外套管によって、第1継手嵌合部及び第2継手嵌合部を当接して嵌合した状態で(1)式を満たす各継手の組み合わせを予め把握しておくことで、施工時に各継手の接合具合等の確認を行う作業を短縮でき、各継手を容易に連結するとともに、各継手嵌合部の間に発生する隙間を抑制した状態で、各継手を連結させることができる。このため、各継手嵌合部の間の接触面積を大きくすることができ、各継手を介してトルクを十分に伝達でき、安定した性能を維持することが可能となる。これにより、施工期間の短縮を実現することが可能となる。また、外套管を各ねじ部と十分に螺合させることができ、外套管により各ねじ部の破損が防止され、各継手の劣化を抑制することができ、安定した性能を維持することが可能となる。
【0018】
第2発明によれば、正の実数mが自然数である。このため、第1螺旋導入部と第2螺旋導入部とが重なる位置に形成されるので、各継手嵌合部の間に発生する隙間を抑制した状態で、各継手を連結させることができる。
【0019】
第3発明によれば、正の実数mが自然数以外の有理数または無理数である。このため、第1螺旋導入部及び第2螺旋導入部は、回転方向において(1)式を満たす角度差Δθ(°)に応じた位置に離間した位置に形成されるので、各継手嵌合部の間に発生する隙間を抑制した状態で、各継手を連結させることができる。
【0020】
第4発明〜第7発明によれば、第2角は、第1角に角度差Δθを加えた角度である。このため、継手構造の製造時において、各螺旋導入部の位置を容易に設定することができる。これにより、製造時における歩留の向上及び製造時間の削減を実現することができる。
【0021】
第5発明〜第7発明によれば、第1ガイド部は、凹部又は凸部の一方であり、第2ガイド部は、凹部又は凸部の他方で、第1ガイド部と嵌合する。このため、施工時における各継手嵌合部の連結作業を容易に実施することができる。これにより、施工時間の短縮を実現することが可能となる。
【0022】
第6発明、第7発明によれば、第1継手の外径及び第2継手の外径は、第1打設管の外径及び第2打設管の外径以上である。このため、各継手に作用する外力に対する耐力を向上させることができる。これにより、より安定した性能を維持することが可能となる。
【0023】
第7発明によれば、テーパ状の第1凸部の第1側面及び第2凸部の第2側面が、回転方向で当接する。このため、各側面が傾いていることで、各継手嵌合部を容易に嵌合させることができる。これにより、施工時における各継手嵌合部の連結作業を容易に実施することができ、施工時間の短縮を実現することが可能となる。
【0024】
また、第7発明によれば、施工時に各打設管を回転させたとき、テーパ状の第1凸部及び第2凸部により、トルクを回転方向に加えて管軸方向に分散させることができ、外套管の回転を促す力を作用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明を適用した継手構造の一例を示す側面図である。
図2】(a)は、本発明を適用した継手構造における各継手の一例を示す側面図であり、(b)は、各継手嵌合部の一例を示す平面図であり、(c)は、各継手嵌合部の一例を示す側面図である。
図3】(a)は、本発明を適用した継手構造に用いられる外套管の一例を示す斜視図であり、(b)は、外套管の一例を示す断面図である。
図4】本発明を適用した継手構造の連結状態の一例を示す側面図である。
図5】本発明を適用した継手構造における各継手嵌合部の当接して嵌合した状態を示す側面図であり、(b)は、(a)における5B枠の拡大側面図を示す。
図6】(a)は、本発明を適用した継手構造における各螺旋導入部の角度の一例を示す概念図であり、(b)は、各螺旋導入部の角度の他の例を示す概念図である。
図7】本発明を適用した継手構造における各継手の一例を示す上面図である。
図8】(a)は、本発明を適用した継手構造における各螺旋導入部の位置の一例を示す側面図であり、(b)は、各螺旋導入部の位置の他の例を示す側面図である。
図9】本発明を適用した継手構造における各継手の第1変形例を示す側面図である。
図10】(a)は、本発明を適用した継手構造における各継手の第2変形例を示す側面図であり、(b)は、各継手嵌合部の第2変形例を示す平面図であり、(c)は、各継手嵌合部の第2変形例を示す側面図である。
図11】本発明を適用した継手構造の第2変形例を示す側面図である。
図12】本発明を適用した継手構造における各継手の第3変形例を示す側面図である。
図13】本発明を適用した継手構造に用いられる外套管の変形例を示す側面図である。
図14】(a)は、参考例の継手構造を示す断面図であり、(b)は、参考例の各継手を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を適用した継手構造1を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において各打設管2、3の軸に沿った方向を管軸方向Zとし、管軸方向Zを基準として各打設管2、3の外周の方向を回転方向Xとする。
【0027】
本発明を適用した継手構造1は、図1に示すように、主に打設管(第1打設管2、第2打設管3)同士を連結する各打設管2、3用の継手として用いられる。各打設管2、3として、例えば円筒状の鋼管が用いられる。例えば、第1打設管2を地中等に打設した後、発明を適用した継手構造1により各打設管2、3を連結し、各打設管2、3を打設する。これにより、継手構造1により管軸方向Zに連結された複数の打設管を、地中等に打設することができる。
【0028】
本発明を適用した継手構造1は、第1打設管2の端部に取り付けられた第1継手4と、第2打設管3の端部に取り付けられた第2継手5とを備える。第1継手4及び第2継手5は、外套管6を用いて管軸方向Zに連結される。第1継手4の外径は、第1打設管2の外径と略等しく、第2継手5の外径は、第2打設管3の外径と略等しい。
【0029】
第1継手4は、図2(a)に示すように、端部に設けられた第1継手嵌合部41と、外周に設けられた第1ねじ部42と、第1打設管2と接続する第1接続部43とを有する。第2継手5は、端部に設けられた第2継手嵌合部51と、外周に設けられた第2ねじ部52と、第2打設管3と接続する第2接続部53とを有する。
【0030】
第1ねじ部42及び第2ねじ部52には、互いに等しいリード角を有するねじ溝又はねじ山が形成される。第1ねじ部42及び第2ねじ部52のリード角は、任意である。
【0031】
第2継手嵌合部51は、第1継手嵌合部41と嵌合する形状を有する。すなわち、管軸方向Zにおいて、第2継手嵌合部51は、第1継手嵌合部41の形状と相補的な形状を有する。
【0032】
第1継手嵌合部41の形状及び第2継手嵌合部51の形状は、例えば管軸方向Zにおいて1回回転対称性を有する。この場合、第1継手嵌合部41と第2継手嵌合部51との嵌合状態を形成できる位置は、1つの位置に特定される。このため、施工時において各継手嵌合部41、51にマーキング等を実施することなく、各継手嵌合部41、51の嵌合位置を決定することができる。
【0033】
第1継手嵌合部41は、図2(b)及び(c)に示すように、複数の第1凸部41a及び複数の第1凹部41bを有し、第1凸部41a及び第1凹部41bは、回転方向Xにおいて交互に配置される。第2継手嵌合部51は、複数の第2凸部51a及び複数の第2凹部51bを有し、第2凸部51a及び第2凹部51bは、回転方向Xにおいて交互に配置される。第1凸部41a及び第2凸部51aは、例えばそれぞれ3つ以上配置され、それぞれの回転方向Xにおける幅は、各凸部41a、51aの平均幅の0.5倍以上1.5倍以下である。このため、各継手4、5が連結されたとき、各凸部41a、51aには略均一に負荷が作用するため、各継手4、5を介してトルクを十分に伝達できる。
【0034】
第1継手4及び第2継手5の連結に用いる外套管6として、例えば図3に示すように、円筒状の鋼製部材が用いられる。外套管6は、円筒の内側に外套ねじ部61を有し、外套ねじ部61は、第1ねじ部42及び第2ねじ部52のねじ溝又はねじ山に相補的な形状が形成される。外套ねじ部61のリード角は、第1ねじ部42及び第2ねじ部52のリード角と等しい。このため、外套管6は、外套ねじ部61を介して第1ねじ部42及び第2ねじ部52と螺合する。
【0035】
第1継手4及び第2継手5は、図4に示すように、第1ねじ部42及び第2ねじ部52に連続して螺合された外套管6によって連結される。このとき、第1継手嵌合部41及び第2継手嵌合部51は、互いに当接または第1継手嵌合部41と第2継手嵌合部51との隙間を抑制した状態で連結される。このため、各継手4、5を介してトルクを十分に伝達することができる。
【0036】
ここで、各継手嵌合部41、51の当接して嵌合した状態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0037】
図5(a)は、本発明を適用した継手構造1における各継手嵌合部41、51の当接して嵌合した状態を示す側面図であり、図5(b)は、図5(a)における5B枠の拡大側面図を示す。なお、図5の仮想経路7は、第1ねじ部42の螺旋経路の延長線上を示す。
【0038】
第1ねじ部42は、図5に示すように、第1継手嵌合部41に隣接した位置にねじ溝が開始される第1螺旋導入部42tを有し、第2ねじ部52は、第2継手嵌合部51に隣接した位置にねじ溝が開始される第2螺旋導入部52tを有する。第1ねじ部42及び第2ねじ部52は、互いに等しいねじピッチpを有する。第1継手嵌合部41と第2継手嵌合部51とが互いに当接して嵌合した状態において、第1ねじ部42と第2ねじ部52との間は、長さLで離間する。なお、前述と異なり、ねじ溝が開始される位置に第1螺旋導入部4tが設けられ、ねじ溝が開始される位置に第2螺旋導入部52tが設けられてもよい。
【0039】
このとき、図5(b)に示すように、長さLが、ねじピッチpの正の実数m倍となる。例えば正の実数mが自然数の場合、図6(a)に示すように、第1螺旋導入部42t及び第2螺旋導入部52tは、管軸方向Zにおいて重なる位置に形成される。すなわち、第1螺旋導入部42t及び第2螺旋導入部52tは、回転方向Xにおいて等しい角度の位置に形成される。このため、第2ねじ部52の螺旋経路は、仮想経路7と一致し、第1ねじ部42の螺旋経路の延長線上に設けられる。これにより、外套管6が第1ねじ部42及び第2ねじ部52に連続して螺合された場合においても、第1継手嵌合部41と第2継手嵌合部51とが当接または第1継手嵌合部41と第2継手嵌合部51との隙間が抑制された状態を維持し、第1継手4及び第2継手5を連結することができる。
【0040】
また、第1継手4及び第2継手5が連結された状態において、各継手嵌合部41、51が当接または第1継手嵌合部41と第2継手嵌合部51との隙間が抑制された状態を維持して、外套管6を第1ねじ部42及び第2ねじ部52と十分に螺合されることができる。このため、第1ねじ部42及び第2ねじ部52は、外套管6に完全に覆われる。これにより、外套管6により各ねじ部42、52の破損が防止され、各継手4、5の劣化を抑制することができる。
【0041】
上記のほか、例えば正の実数mが自然数以外の有理数または無理数となる場合、図6(b)に示すように、第1螺旋導入部42t及び第2螺旋導入部52tは、回転方向Xにおいて(1)式を満たす角度差Δθ(°)に応じた位置に離間して形成される。

A≦Δθ≦A+90 ・・・(1)
A=(m−n)×360
(nは正の実数m未満の最も大きい自然数または0)
【0042】
この場合においても、第2ねじ部52の螺旋経路は、仮想経路7と一致し、第1ねじ部42の螺旋経路の延長線上に設けられる。この構成により、外套管6が第1ねじ部42及び第2ねじ部52に連続して螺合された場合においても、第1継手嵌合部41と第2継手嵌合部51とが当接または第1継手嵌合部41と第2継手嵌合部51との隙間が抑制された状態を維持し、第1継手4及び第2継手5を連結することができる。
【0043】
ここで、各継手4、5における構成の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0044】
第1継手嵌合部41は、図7に示すように、第1ガイド部41iを有し、第2継手嵌合部51は、第2ガイド部51iを有する。第1ガイド部41iは、例えば第1ガイド凸部41aiと第1ガイド凹部41biとの間に設けられ、第2ガイド部51iは、例えば第2ガイド凸部51aiと第2ガイド凹部51biとの間に設けられる。なお、第1ガイド凸部41ai又は第1ガイド凹部41biの一方を第1ガイド部41iとし、第2ガイド凸部51ai又は第2ガイド凹部51biの他方を第2ガイド部51iとしてもよい。
【0045】
第1継手嵌合部41及び第2継手嵌合部51が当接して嵌合された状態において、第1ガイド部41i及び第2ガイド部51iは管軸方向Zにおいて重なる。なお、第1ガイド凸部41aiは、第2ガイド凹部51bi以外の第2凹部51bとは嵌合されない形状としてもよく、第2ガイド凸部51aiは、第1ガイド凹部41bi以外の第1凹部41bとは嵌合されない形状としてもよい。この場合、第1継手嵌合部41の形状及び第2継手嵌合部51の形状は、管軸方向Zにおいて1回回転対称性を有する。
【0046】
第1継手嵌合部41及び第2継手嵌合部51は、図8に示すように、互いに等しい管軸方向Zにおける長さL1、L2を有し、第1ねじ部42及び第2ねじ部52は、互いに等しいねじピッチp1、p2を有する。
【0047】
例えば図8(a)に示すように、長さL1、L2は、それぞれねじピッチp1、p2の正の整数m倍(正の実数mは自然数)となる場合がある。この場合、第1ガイド部41iから距離R1離れた位置に第1螺旋導入部42tを形成し、第2ガイド部51iから距離R1離れた位置に第2螺旋導入部52tを形成する。
【0048】
上記を換言すると、第1ガイド部41iと第1螺旋導入部42tとの間における回転方向Xの角度差は、距離R1に応じた第1角で表され、第2ガイド部51iと第2螺旋導入部52tとの間における回転方向Xの角度差は、第1角と等しい第2角で表される。
【0049】
また、例えば図8(b)に示すように、長さL1、L2は、それぞれねじピッチp1、p2の正の実数m倍(正の実数mは自然数以外の有理数または無理数)となる場合がある。この場合、第1ガイド部41iから距離R1離れた位置に第1螺旋導入部42tを形成し、第2ガイド部51iから距離R1離れた位置に加え、回転方向Xにおいて(1)式を満たす角度差Δθに応じた距離R2離れた位置に第2螺旋導入部52tを形成する。
【0050】
上記を換言すると、第1ガイド部41iと第1螺旋導入部42tとの間における回転方向Xの角度差は、距離R1に応じた第1角で表され、第2ガイド部51iと第2螺旋導入部52tとの間における回転方向Xの角度差は、第1角に角度差Δθを加えた第2角で表される。
【0051】
この構成により、外套管6が第1ねじ部42及び第2ねじ部52に連続して螺合された場合においても、第1継手嵌合部41と第2継手嵌合部51とが当接または第1継手嵌合部41と第2継手嵌合部51との隙間が抑制された状態を維持し、第1継手4及び第2継手5を連結することができる。
【0052】
また、各継手4、5を形成するとき、各ガイド部41i、51iを基準として各螺旋導入部42t、52tの形成位置を設定できるため、各継手嵌合部41、51が当接または第1継手嵌合部41と第2継手嵌合部51との隙間が抑制された状態で連結可能な各継手4、5を容易に製造することができる。これにより、継手構造1の製造における歩留を向上させることが可能となる。
【0053】
なお、各ガイド部41i、51iを形成することにより、例えば第1継手嵌合部41の形状及び第2継手嵌合部51の形状は、管軸方向Zにおいて2回以上の回転対称性を有してもよい。この場合においても、第1継手嵌合部41と第2継手嵌合部51との嵌合状態を形成できる位置は、各ガイド部41i、51iに基づいて1つの位置に特定される。
【0054】
ここで、各継手4、5における構成の第1変形例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0055】
第2継手嵌合部51は、図9(a)に示すように、第2ガイド凸部51aiの長さt1が、第2凸部51a、第1ガイド凸部41ai、及び第1凸部41aの長さt2よりも長く形成される。このとき、第1凹部41b、第2ガイド凹部51bi、及び第2凹部51bは、長さt3程度底上げされる。このとき、長さt1は、長さt2と長さt3とを足し合わせた値に略等しい。
【0056】
このため、図9(b)に示すように、第2ガイド凸部51aiを第1ガイド凹部41biに当接して嵌合させた場合、他の部分も当接して嵌合する状態を形成することができる。また、第2ガイド凸部51aiは、第1ガイド凹部41bi以外の第1凹部41bに当接させた場合、他の部分が当接しない状態を容易に確認できる。これにより、施工時における各継手嵌合部41、51の当接位置を容易に確認することができ、施工時間の短縮を実現することが可能となる。
【0057】
ここで、各継手4、5における構成の第2変形例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0058】
第1継手嵌合部41は、図10に示すように、先端側の細いテーパ状の第1凸部41aを有する。第2継手嵌合部51は、先端側の細いテーパ状の第2凸部51aを有する。第1継手嵌合部41は、テーパ状の第2凸部51aと嵌合する逆テーパ状の第1凹部41bを有する。第2継手嵌合部51は、テーパ状の第1凸部41aと嵌合する逆テーパ状の第2凹部51bを有する。
【0059】
この場合、図11に示すように、第1継手嵌合部41と第2継手嵌合部51とが互いに当接または第1継手嵌合部41と第2継手嵌合部51との隙間が抑制された状態において、第1凸部41aの第1側面41as及び第2凸部51aの第2側面51asは、回転方向Xで当接する。この状態で施工時に各打設管2、3を回転させたとき、テーパ状の第1凸部41a及び第2凸部51aにより、回転方向Xに加えて管軸方向Zにトルクを分散させて各継手嵌合部41、51に伝達させることができる。
【0060】
例えば、各側面41as、51asの管軸方向Zに対する傾きを、5°以上50°以下とすることで、トルクを回転方向X及び管軸方向Zへ均一に分散することができる。
【0061】
なお、上述したテーパ状の各凸部41a、51aは、両側の側面41as、51asを傾斜させた形状のほか、例えば片側の側面41as、51asのみを傾斜させた形状でもよい。
【0062】
ここで、各継手4、5における構成の第3変形例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0063】
第1継手4は、図12に示すように、第1ねじ部42における第1接続部43に隣接した位置に、係止部42eを有する。係止部42eは、ねじ溝又はねじ山が途切れる位置を示す。このため、外套管6が第1ねじ部42に螺合されたとき、係止部42eによって打設管2側に外套管6が外れることを抑制することができる。これにより、各継手4、5の径を拡大した場合においても、接続部43周辺に外套管6の移動を防止する機構を新たに設ける必要がない。従って、径を大きくした各継手4、5を用いることで、各継手4、5に作用する外力に対する耐力を向上させることができ、より安定した性能を維持することが可能となる。なお、係止部42eは、第2ねじ部52に設けられてもよい。
【0064】
ここで、外套管6における構成の変形例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0065】
外套管6は、図13に示すように、締め込み用カプラー6aと、緩み止めカプラー6bとを有する。締め込み用カプラー6aにおける管軸方向Zの長さは、緩み止めカプラー6bの管軸方向Zの長さよりも長い。各継手4、5に締め込み用カプラー6a及び緩み止めカプラー6bが螺合されるとき、締め込み用カプラー6aが地上側に設けられ、緩み止めカプラー6bが地中側に設けられる。緩み止めカプラー6bは、締め込み用カプラー6aの位置ずれを抑制することができ、より安定した性能を維持することが可能となる。
【0066】
上述した外套管6を用いる場合、先ず、緩み止めカプラー6bを地中側の継手4に螺合する。その後、各継手4、5の各継手嵌合部41、51を嵌合させる。次に、締め込み用カプラー6aを地上側の継手5から継手4の一部まで螺合する。その後、緩み止めカプラー6bを締め込み用カプラー6a側に締め込む。これにより、締め込み用カプラー6aの位置ずれを抑制することができる。
【0067】
本発明を適用した継手構造1によれば、第1継手4及び第2継手5は、外套管6によって、第1継手嵌合部41及び第2継手嵌合部51を当接し嵌合した状態で(1)式を満たす各継手4、5の組み合わせを予め把握しておくことで、施工時に各継手4、5の接合具合等の確認を行う作業を短縮でき、各継手4、5を容易に連結するとともに、各継手嵌合部41、51の間に発生する隙間を抑制した状態で、各継手4、5を連結させることができる。このため、各継手嵌合部41、51の間の接触面積を大きくすることができ、各継手4、5を介してトルクを十分に伝達でき、安定した性能を維持することが可能となる。これにより、施工期間の短縮を実現することが可能となる。また、外套管6を各ねじ部42、52と十分に螺合させることができ、外套管6により各ねじ部42、52の破損が防止され、各継手4、5の劣化を抑制することができ、安定した性能を維持することが可能となる。
【0068】
本発明を適用した継手構造1によれば、正の実数mが自然数である。このため、第1螺旋導入部42tと第2螺旋導入部52tとが重なる位置に形成されるので、各継手嵌合部41、51の間に発生する隙間を抑制した状態で、各継手4、5を連結させることができる。
【0069】
本発明を適用した継手構造1によれば、正の実数mが有理数である。このため、第1螺旋導入部42t及び第2螺旋導入部52tは、回転方向Xにおいて(1)式を満たす角度差Δθ(°)に応じた位置に離間した位置に形成されるので、各継手嵌合部41、51の間に発生する隙間を抑制した状態で、各継手4、5を連結させることができる。
【0070】
本発明を適用した継手構造1によれば、第2角は、第1角に角度差Δθを加えた角度である。このため、継手構造1の製造時において、各螺旋導入部42t、52tの位置を容易に設定することができる。これにより、製造時における歩留の向上及び製造時間の削減を実現することができる。
【0071】
本発明を適用した継手構造1によれば、第1ガイド部41iが、凹部又は凸部の一方であり、第2ガイド部51iが、凹部又は凸部の他方で、第1ガイド部41iと嵌合する。このため、施工時における各継手嵌合部41、51の連結作業を容易に実施することができる。これにより、施工時間の短縮を実現することが可能となる。
【0072】
本発明を適用した継手構造1によれば、第1継手4の外径及び第2継手5の外径は、第1打設管2の外径及び第2打設管3の外径以上である。このため、各継手4、5に作用する外力に対する耐力を向上させることができる。これにより、より安定した性能を維持することが可能となる。
【0073】
本発明を適用した継手構造1によれば、テーパ状の第1凸部41aの第1側面41as及び第2凸部51aの第2側面51asが、回転方向Xで当接する。このため、各側面41as、51asが傾いていることで、各継手嵌合部41、51を容易に嵌合させることができる。これにより、施工時における各継手嵌合部41、51の連結作業を容易に実施することができ、施工時間の短縮を実現することが可能となる。
【0074】
なお、本発明の実施形態の例においては、第1ねじ部42及び第2ねじ部52の双方にねじ山が形成された例を用いたが、本発明においてはこれに限らず、第1ねじ部42及び第2ねじ部52の双方にねじ溝が形成されてもよい。この場合、外套管6の内部には、これらのねじ溝と螺合するねじ山が設けられる。
【0075】
また、本発明を適用した継手構造1により接続された各打設管2、3を打設する際に、土中に障害物がある等した場合、各打設管2、3を逆回転させることがある。このとき、外套管6が周囲の土の周面摩擦力により回転せずにその場に保持される一方、各打設管2、3のみが逆回転してしまう場合が考えられる。
【0076】
そのような場合の対策として、例えば各打設管2、3を逆回転させた際に、一緒に外套管6が回転するよう、各打設管2、3と外套管6とを、別途設けたビスや嵌合部材等により連結してもよい。このほか、例えば第2変形例で示したようなテーパ状の第1凸部41a及び第2凸部51aを形成してもよい。この場合、トルクを回転方向Xに加えて管軸方向Zに分散させることができ、外套管6の回転を促す力を作用させることができる。また、例えば外套管6における構成の変形例で示したような締め込み用カプラー6a及び緩み止めカプラー6bを用いてもよい。この場合、締め込み用カプラー6aと緩み止めカプラー6bとの間の摩擦力により、外套管6全体の回転を促すことができる。
【0077】
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならない。
【符号の説明】
【0078】
1 :継手構造
2 :第1打設管
3 :第2打設管
4 :第1継手
41 :第1継手嵌合部
41a :第1凸部
41ai:第1ガイド凸部
41as:第1側面
41b :第1凹部
41bi:第1ガイド凹部
41i :第1ガイド部
42 :第1ねじ部
42e :係止部
42t :第1螺旋導入部
43 :第1接続部
5 :第2継手
51 :第2継手嵌合部
51a :第2凸部
51ai:第2ガイド凸部
51as:第2側面
51b :第2凹部
51bi:第2ガイド凹部
51i :第2ガイド部
52 :第2ねじ部
52t :第2螺旋導入部
53 :第2接続部
6 :外套管
6a :締め込み用カプラー
6b :緩み止めカプラー
61 :外套ねじ部
7 :仮想経路
102 :鋼管
103 :第1継手
104 :鋼管
105 :第2継手
106 :外套管
131 :ねじ山
132 :第1継手嵌合部
151 :ねじ山
152 :第2継手嵌合部
200 :隙間
X :回転方向
Z :管軸方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14