【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)商品説明 説明日 平成29年4月27日 説明場所 川崎重工業株式会社 明石工場(兵庫県明石市川崎町1番1号)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記隙間は、前記操作部材が、前記フランジ部が前記操作規制部材に接触するまで傾倒する間、前記入力軸部が前記一方向へさらに傾倒する力を前記操作部材から受けない大きさである
ことを特徴とする請求項1に記載のジョイスティック装置。
【背景技術】
【0002】
ジョイスティック装置は、レバーやノブの操作に応じた方向情報を、コンピュータや各種装置の制御ユニットなどに入力するための装置である。
【0003】
例えば特許文献1に記載の入力装置1は、
図7(A)の断面図に示すように、利用者からの各種の操作を受け付けるための入力操作部10と、入力操作部10を上面に配置する筐体200とを有する。この筐体200には、入力素子1を搭載した基板4が収納されていて、上面に基板4を覆う基板カバー15が設けられている。
【0004】
また、入力操作部10は、操作ノブ20と、ノブ受け部材40と、入力素子1の操作端2に接続されているガイド部材30とを有する。利用者が操作ノブ20に加えた力は、ノブ受け部材40及びガイド部材30を介して、入力素子1に作用する。
【0005】
操作ノブ20には、第1、第2当接面21,22が形成されている。各当接面21,22は、操作ノブ20の中心軸を中心として、内側から第1当接面21、第2当接面22の順で、それぞれ環状に形成されている。
【0006】
このような特許文献1に記載の入力装置1によれば、操作者が、操作ノブ20を中立状態(
図7(A)に示す状態)から横方向Bへ押すと、操作ノブ20とともに、ノブ受け部材40、ガイド部材30、入力素子1の操作端3が、それぞれ、操作端2の基部を中心として揺動する。そして、特許文献1には、操作端2の傾倒状態が素子本体3に検知された後、
図7(B)に示すように、第2当接面22が第2ストッパ12と接触した時点で、操作ノブ20及び操作端2等は、これ以上揺動できなくなる、と記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、操作ノブ20は、
図7(B)に示された状態からさらに横方向Bへ押されると、第2当接面22と第2ストッパ12との接触部分を中心として右回りに回転する力を受けることになる。このとき、入力素子1の操作端2に過度の負荷が掛かり、その結果、操作端2が曲がること、折れることなどによって、入力素子1が損傷するおそれがある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、操作部材が利用者の操作に応じた力を受けた場合に、過度の負荷によって入力素子を損傷する可能性を低減することが可能なジョイスティック装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係るジョイスティック装置は、
本体部、及び、当該本体部から上方へ突き出した傾倒可能な入力軸部を有する入力素子と、
前記入力軸部と共通の軸に沿って嵌り合う柱状部、及び、当該柱状部の外側面から外方、かつ、下方へ傾斜して延びるフランジ部を含む操作部材と、
前記本体部に対して固定されて、前記フランジ部の下面に接触して前記フランジ部を支持しており、前記入力軸部が貫通する第1開口部が設けられた支持部材と、
前記本体部に対して固定されており、前記柱状部が貫通する第2開口部が設けられ、前記フランジ部の上方の一部を覆う操作規制部材とを有し、
前記柱状部が前記入力軸部と隙間を有して嵌り合い、これによって、前記操作部材は、(1)利用者の操作に応じて一方向の力を受けると、前記柱状部が前記操作規制部材の前記第2開口部と接触するまで、前記支持部材に接触することによって下方から支持されて前記入力軸部とともに前記一方向に傾倒し、(2)利用者の操作に応じて前記一方向の力をさらに受けると、前記柱状部と前記第2開口部との接触が維持され、前記フランジ部が前記操作規制部材に接触するまで前記入力軸部に対して前記一方向に傾倒する。
【0011】
前記隙間は、前記操作部材が、前記フランジ部が前記操作規制部材に接触するまで傾倒する間、前記入力軸部が前記一方向へさらに傾倒する力を前記操作部材から受けない大きさであってもよい。
【0012】
前記フランジ部は、前記操作規制部材に接触する場合、前記操作規制部材に設けられた前記第2開口部に接触してもよい。
【0013】
前記フランジ部の下面は、上に凸の球面状であってもよい。
【0014】
前記フランジ部の下面がなす球面の中心は、前記入力軸部の傾倒の中心と共通であってもよい。
【0015】
前記支持部材は、前記フランジ部の下面が接触する接触部を有し、
前記フランジ部の下面が前記支持部材の前記接触部の全体と接触し、かつ、前記操作部材が前記操作規制部材と1ヶ所で接触した状態において、前記
柱状部と前記第2開口部との接触部分は、前記柱状部の
軸に対して、前記柱状部が前記入力軸部と嵌り合う領域
の側方に位置してもよい。
【0016】
前記入力素子と前記支持部材とが取り付けられる取付対象物をさらに有し、
前記本体は、上端から予め定められた長さにわたる外側面にネジ山が設けられた雄ネジ部を有し、
前記取付対象物は、前記雄ネジ部が貫通する第3開口部を有し、
前記支持部材は、前記雄ネジ部とネジ結合するネジ山が設けられた雌ネジ部を有し、
前記本体と前記支持部材とは、前記第3開口部を貫通した前記雄ネジ部と前記雌ネジ部とがネジ結合することによって、前記取付対象物を挟んで固定されていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、操作部材が利用者の操作に応じた力を受けた場合に、過度の負荷によって入力素子を損傷する可能性を低減することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施の形態に係るジョイスティック装置ついて、図面を参照しつつ説明する。全図を通じて同一の要素には同一の符号を付す。また、本発明の実施の形態の説明及び図面では、上・下・前・後・右・左の用語を用いるが、これらは、方向を説明するために用いるのであって、本発明を限定する趣旨ではない。
【0020】
本発明の一実施の形態に係るジョイスティック装置100は、
図1〜3に示すように、概ね、入力素子101と、筐体102と、操作レバー103と、保護ユニット104と、筐体取付板105と、カバー部材106とを備える。ここで、
図1は、ジョイスティック装置100の外観斜視図である。
図2は、部分断面図である。
図3は、保護ユニット104及びその近傍を拡大した断面図である。
【0021】
入力素子101は、本体部107と、本体部107に対して任意の方向へ傾倒可能な入力軸部108とを有し、入力軸部108の傾きに応じた信号を出力する素子である。入力素子101の下面には、図示しない出力端子が半田付けされた基板109が取り付けられている。
【0022】
本体部107の外側面は、上から順に、第1外周面部110と、第1段差部111と、第2外周面部112と、第2段差部113と、第3外周面部114とを有する。
【0023】
第1外周面部110、第2外周面部112及び第3外周面部114の各々は、上下方向を向く共通の中心軸CAに沿って延在する。第1外周面部110、第2外周面部112及び第3外周面部114の各々について、上下方向の中心軸CAに垂直な断面における円の直径は、第1外周面部110、第2外周面部112及び第3外周面部114の順で次第に大きくなっている。
【0024】
第1外周面部110には、ネジ山が設けられている。第2外周面部112及び第3外周面部114の各々は、例えば、滑らかな周面である。すなわち、第1外周面部110は、上端から予め定められた長さにわたる外側面を形成する部位であって、雄ネジ部に相当する。
【0025】
なお、第1外周面部110、第2外周面部112、第3外周面部114の各々は、適宜切欠きが設けられてもよく、従って、上方から見て完全な円形でなくてもよい。また、第2外周面部112、第3外周面部114の各々は、上方から見て円形やその一部を切り欠いた周面などではなく、例えば、上方から見て矩形などの多角形などであってもよい。
【0026】
第1段差部111は、第1外周面部110と第2外周面部112とを接続する部位であり、中心軸CAに垂直な平面を形成している。第2段差部113は、第2外周面部112と第3外周面部114とを接続する部位であり、中心軸CAに垂直な平面を形成している。
【0027】
入力軸部108は、軸方向に沿って延びる棒状の部材であって、本体部から上方へ突き出している。入力軸部108は、入力素子101の設計上適宜定められる回転中心RC1を中心に任意の方向へ傾倒可能に設けられている。
【0028】
詳細には、入力軸部108は、その軸に垂直な断面が円形をなす円柱状であり、その円形の直径は、例えば6.35mm程度である。入力軸部108は、外力が加わっていない中立状態では、上下方向を向いて延びる。
【0029】
この説明から分かるように、
図2は、中立状態のジョイスティック装置100の断面図である。詳細には、
図2は、中心軸CAを含む平面のうち、上下方向及び左右方向に平行な平面で中立状態のジョイスティック装置100を切った断面を、前方から見た図である。
【0030】
入力軸部108が中心軸CAに対して傾くことができる角度は、入力素子101の設計上定められており、本実施の形態では、0度〜8度であるとする。例えば、入力軸部108の傾きが0度〜8度の範囲にある場合、その角度に応じて入力素子101から出力される信号が変化する。
【0031】
筐体102は、各種部材が取り付けられる中空の部材であり、内部の空間を上方へ開放する筐体開口部115を有する。本実施の形態に係る筐体102は、箱状であり、筐体開口部115は、筐体102の上面を形成する天板部116に設けられている。
【0032】
操作レバー103は、利用者が操作するためのレバーであって、利用者が把持し易いような長さを有する部材である。本実施の形態に係る操作レバー103は、
図2に示すように、中空であり、保護ユニット104のレバー取付板121(詳細後述)に、操作レバー103の内部に配置されるネジS1により固定されている。これにより、操作レバー103は、操作部材117に対して固定されている。なお、利用者が操作するための部材は、操作レバー103に限られず、ノブなどであってもよい。
【0033】
保護ユニット104は、入力素子101を損傷し難くするための、本発明に特徴的なユニットである。保護ユニット104は、
図3に示すように、操作部材117と、支持部材118と、操作規制部材119と、ナット120と、レバー取付板121と、カバーキャップ122とを有する。
【0034】
操作部材117は、操作レバー103に対する利用者の操作を入力軸部108に伝達する部材、言い換えると、操作レバー103に加えられた力に応じた力を入力軸部108に伝達する部材である。操作部材117は、柱状部123と、フランジ部124と、突出部125とを有する。
【0035】
柱状部123は、共通の軸を有する3つの円柱を軸方向に接続した形状であり、入力軸部108と嵌り合う嵌合穴部126が設けられている。
【0036】
詳細には、中立状態では
図3に示すように、柱状部123の軸は上下方向を向いており、柱状部123は、上から順に、第1柱状部127と、第2柱状部128と、第3柱状部129とを有する。本実施の形態では、軸に垂直な断面における外周円の半径は、大きい順に、第2柱状部128、第1柱状部127、第3柱状部129となっている。
【0037】
また、嵌合穴部126は、入力軸部108と共通の軸に沿って嵌り合う円柱状の穴を形成しており、中立状態において下から上へ向かう。本実施の形態に係る嵌合穴部126は、第3柱状部129、第2柱状部128を貫通し、第1柱状部127の途中まで延びている。
【0038】
嵌合穴部126は、それが形成する穴の軸方向から見て入力軸部108の外形よりも大きな直径を有する円形であり、このような嵌合穴部126によって、柱状部123は入力軸部108と隙間130を有して嵌り合っている。隙間130は、柱状部123と入力軸部108との間の空間のうち、入力軸部108の側方に形成される空間である。本実施の形態に係る嵌合穴部126をそれが形成する穴の軸方向から見た円形の直径は、例えば、6.6mm程度である。
【0039】
フランジ部124は、柱状部123の外側面から外方、かつ、下方へ傾斜して延びている。
【0040】
本実施の形態に係るフランジ部124の上面(以下、「フランジ上面」という。)131及び下面(以下、「フランジ下面」という。)132の各々は、上に凸の球面状である。詳細には、フランジ部124のフランジ上面131及びフランジ下面132の各々がなす球面の中心は、入力軸部108の傾倒の中心RC1と共通である。
【0041】
突出部125は、外周面125aに雄ネジが設けられた円柱状の部位であって、柱状部123に接続して設けられている。詳細には、突出部125は、第3柱状部129に接続しており、第3柱状部129から嵌合穴部126とは反対の方向、すなわち中立状態にて第3柱状部129から上方へ突き出している。
【0042】
支持部材118は、入力素子101の本体部107に対して固定されて、フランジ部124を傾動可能に支持する部材であって、
図3に示すように、素子固定部133と、支持部134とを有する。
【0043】
素子固定部133は、中心軸CAを中心とする回転対称な形状をなし、中心軸CAに沿って延びる円柱状の中空を有する部位であって、入力素子101の本体部107に対して固定される。素子固定部133は、平らな下面部(以下、「固定下面部」という。)135を有する。また、内面部(以下、「固定内面部」という。)136には、第1外周面部110とネジ結合するネジ山が設けられている。すなわち、固定内面部136は、ネジ山が設けられた雌ネジ部に相当する。
【0044】
素子固定部133の固定内面部136は、本体部107の第1外周面部110とネジ結合しており、これによって、素子固定部133は、入力素子101の本体部107に固定されている。ネジ結合とは、ネジ作用によって嵌り合うことを意味する。
【0045】
支持部134は、素子固定部133の上端に接続する部位であって、接触部137と、第1開口部138と、斜面部139とを有する。
【0046】
接触部137は、フランジ下面132に接触しており、フランジ部124が接触しつつ移動できるようにフランジ部124を支持する部位である。本実施の形態に係る接触部137は、支持部134の上端外縁にて中心軸CAを中心とする環状に面取りが施された部位である。
【0047】
第1開口部138は、入力軸部108が貫通する開口を形成する部位である。本実施の形態に係る第1開口部138は、上方から見て中心軸CAを中心とする円形の開口を形成している。
【0048】
斜面部139は、フランジ部124の移動を阻害しないように傾斜面を形成する部位である。詳細には、斜面部139は、接触部137の下方にて、中心軸CAを中心とする半径方向の外方、かつ、下方へ向かう傾斜面を形成する。そして、斜面部139の一部は、素子固定部133にまで続いている。
【0049】
操作規制部材119は、本体部107に対して固定されており、本体部107及び支持部材118に対して操作部材117が傾倒することができる範囲を規制する部材である。操作規制部材119は、
図3に示すように、ネジ固定部140と、蓋部141とを有する。
【0050】
ネジ固定部140は、円筒状の部位であって、下面にネジ穴部142が設けられている。ネジ穴部142は、下から上へ向かうネジ穴を形成している。
【0051】
蓋部141は、ネジ固定部140の上端に接続する部位であって、第2開口部143が設けられており、フランジ部の上方の一部を覆う。第2開口部143は、柱状部123が貫通する開口を形成する。第2開口部143は、上方から見て円形をなす。
【0052】
なお、「(本体部107などの)ある部材に対して固定される」とは、当該部材に直接的に固定されることと、1つ又は複数の部材を介して当該部材に間接的に固定されることとを含む。
【0053】
ナット120は、突出部125とネジ結合する。
【0054】
レバー取付板121は、例えば金属、樹脂などで概ね中央に貫通孔が設けられた円盤状の部材である。レバー取付板121は、中央に、突出部125が貫通する孔と当該孔に連続して第1柱状部127と嵌り合う穴とを形成する凹部144が設けられている。また、レバー取付板121は、ネジ山を有する複数のネジ孔部145が設けられている。複数のネジ孔部145の中心は、レバー取付板121の中心から等しい距離に設けられている。
【0055】
凹部144には、突出部125が貫通するとともに、第1柱状部127が嵌り合っている。また、凹部144の下端は、第2柱状部128の上面で支持されるとともに、凹部144の上端は、突出部125の先端にネジ結合したナット120によって押さえつけられている。このように、レバー取付板121は、ネジ結合によって互いに固定されたナット120と第2柱状部128との間に挟まれることによって、操作部材117に固定されている。
【0056】
また、複数のネジ孔部145の各々にネジS1が捻じ込まれており、これによって、操作レバー103は、レバー取付板121に固定されている。
【0057】
カバーキャップ122は、ナット120及び突出部125の上方及び側方を覆うキャップである。カバーキャップ122の外側面は、外方へ突き出した段差146を有する。そして、
図2に示すように、カバーキャップ122は、操作レバー103の底部に設けられた貫通孔147の中に配置され、段差146が貫通孔147を形成する壁部に引っ掛かることで、容易に外れないようにレバー取付板121に取り付けられている。
【0058】
筐体取付板105は、
図2に示すように、例えば樹脂製、金属製などの部材であって、入力素子101と保護ユニット104とが取り付けられる取付対象物である。本実施の形態に係る筐体取付板105は、板状であり、上下方向に貫通した第3開口部148及び第4開口部149を有する。第3開口部148は、第1外周面部110が貫通する開口を形成している。第4開口部149は、素子固定部133を固定するためのネジS2が貫通する開口を形成している。
【0059】
そして、素子固定部133の固定内面部136と、第3開口部148を貫通した第1外周面部110とが上述の通りネジ結合しており、筐体取付板105は、このネジ結合によって互いに固定された素子固定部133及び本体部107のそれぞれの固定下面部135との第1段差部111との間に挟まれている。これによって、入力素子101と支持部材118とが、筐体取付板105に固定されている。
【0060】
操作規制部材119は、第4開口部149を貫通して、ネジ固定部140のネジ穴部142にネジ結合するネジS2によって、筐体取付板105に固定されている。
【0061】
そして、操作部材117は、支持部材118と操作規制部材119との間に挟まれることで、一定の範囲で移動可能に筐体取付板105に取り付けられている。
【0062】
さらに、筐体取付板105は、ネジS3によって筐体102に固定されている。このように、入力素子101と保護ユニット104とは、筐体取付板105を介して筐体102に取り付けられる。
【0063】
カバー部材106は、筐体102と操作レバー103との間から、筐体102の内部へ埃などが入り込むことを防ぐための部材である。カバー部材106は、操作レバー103の下面から、筐体102の天板部116の下面にまで、延在する部材であって、操作レバー103と筐体102との接続部分を覆うように設けられている。
【0064】
なお、これまで説明した各部材は、適宜選択されてよいが、例えば、筐体102、操作レバー103、保護ユニット104、筐体取付板105は、金属、樹脂などで作られる。また、カバー部材106は、ゴムなどの柔軟な材料で作られる。
【0065】
これまで、ジョイスティック装置100の構成について説明した。ここから、ジョイスティック装置100の動作を図を参照して説明する。
【0066】
利用者が操作レバー103を操作すると、操作部材117は、前後左右の面内における任意の一方向の力を受ける。ここでは、操作部材117が利用者の操作に応じて左方向の力を受ける場合を例に説明する。
【0067】
操作部材117は、中立状態から左方向の力を受けると、フランジ下面132が支持部134の接触部137に接触して支持されながら、左方向へ傾倒する。そして、柱状部123が入力軸部108と嵌り合っているため、
図4の断面図に示すように、嵌合穴部126は、その右端近傍が入力軸部108の右端近傍に当たって、入力軸部108を左方へ押す。これによって、操作部材117は、概ね回転中心RC1を中心に入力軸部108とともに左方向へ傾倒する。
【0068】
操作部材117は、
図4に示す傾倒状態からさらに左方向の力を受けると、
図5に示すように、柱状部123(詳細には、第2柱状部128)が操作規制部材119の第2開口部143と接触するまで、左方向へ傾倒する。
【0069】
ここで、
図5に示す状態、すなわち、フランジ部124の下面が支持部材118の接触部137の全体と接触し、かつ、操作部材117が操作規制部材119と1ヶ所で接触した状態を第1接触状態という。
【0070】
柱状部123が入力軸部108と嵌り合っているため、中立状態から第1接触状態まで傾倒する間、上述の場合と同様に、嵌合穴部126は、その右端近傍が入力軸部108の右端近傍に当たって、入力軸部108を左方へ押す。また、この間、上述の場合と同様に、操作部材117は、フランジ下面132が支持部134の接触部137に接触して、支持部134に支持されている。これによって、操作部材117は、第2柱状部128が操作規制部材119の第2開口部143と接触するまで、概ね回転中心RC1を中心に入力軸部108とともに左方向へ傾倒する。
【0071】
上述のように、入力軸部108の傾きの許容範囲が設計上、中心軸CAに対して0度〜8度である場合、第2開口部143の内径と第2柱状部128の外形とは、
図5に示す第1接触状態において入力軸部108が中心軸CAに対して、概ね回転中心RC1を中心に8度傾くように設定されるとよい。
【0072】
ここで、フランジ下面132は、上に凸の球面状であるので、操作部材117は、回転中心RC1を中心に滑らかに傾倒することができる。特に本実施の形態では、フランジ下面132がなす球面の中心は、入力軸部108の傾倒の中心RC1と共通である。そのため、操作部材117は、回転中心RC1を中心に極めて滑らかに傾倒することができる。
【0073】
また、
図5を見ると分かるように、第1接触状態において柱状部123と第2開口部143との接触部分は、柱状部123の軸方向の位置において、柱状部123が入力軸部108と嵌り合う領域に含まれる。柱状部123が入力軸部108と嵌り合う領域は、本実施の形態の嵌合穴部126に相当する。すなわち、第1接触状態において第2開口部143と接触する箇所が、嵌合穴部126の側方(柱状部123の軸に対して垂直な方向)に位置する。これによって、第1接触状態において第2開口部143と接触する箇所が、嵌合穴部126の側方に位置しない場合よりも、柱状部123をその軸方向に短くすることができる。従って、保護ユニット104を小型化することが可能になる。
【0074】
図5に示す第1接触状態からさらに左方向の力を受けるとする。入力軸部108と嵌合穴部126との嵌り合いは、上述の通り、隙間を有する嵌り合いであるため、このとき、操作部材117は、入力軸部108に対して左方向に傾倒することができる。そして、柱状部123と第2開口部143との接触が維持された状態で、操作部材117は、
図6に示すように、フランジ部124が操作規制部材119(詳細には、第2開口部143の下端部)に接触するまで、入力軸部108に対して左方向に傾倒することができる。
【0075】
ここで、
図6に示す状態、すなわち、操作部材117が柱状部123(詳細には、第2柱状部128)とフランジ上面131との2ヶ所で操作規制部材119と接触し、更に、フランジ下面132が接触部137に接触した状態を第2接触状態という。
【0076】
すなわち、操作部材117は、第1接触状態からさらに左方向の力を受けると、柱状部123と第2開口部143との接触が維持され、入力軸部108に対して左方向に傾倒する。
【0077】
図6に示す第2接触状態において、操作部材117は、柱状部123(詳細には、第2柱状部128)とフランジ上面131との2ヶ所で操作規制部材119と接触し、更に、フランジ下面132が接触部137と接触している。そのため、操作部材117は、第2接触状態からさらに左方向の力を受けたとしても、さらに左方向へ傾倒することができない。
【0078】
そして、入力軸部108と嵌合穴部126との嵌り合いは隙間130を有する嵌り合いである。本実施の形態に係る隙間130は、第1接触状態から第2接触状態まで、入力軸部108が嵌合穴部126の中で自由に動ける大きさである。すなわち、操作部材117が入力軸部108に対して傾倒する間、入力軸部108が左方向へさらに傾倒する力を操作部材117から受けない大きさである。
【0079】
そのため、第1接触状態から第2接触状態まで、操作部材117が傾倒しても、その間に入力軸部108に掛かる力の大きさは、第1接触状態からほとんど変わらない。従って、本実施の形態によれば、操作部材が利用者の操作に応じた力を受けた場合に、過度の負荷によって入力素子を損傷する可能性を低減することが可能になる。
【0080】
なお、実施の形態では、隙間130は、第1接触状態から第2接触状態まで、入力軸部108が嵌合穴部126の中で自由に動ける大きさであるとした。しかし、入力軸部108と嵌合穴部126との嵌り合いは隙間130を有する嵌り合い(緩み嵌め)であればよい。これによれば、第1接触状態から第2接触状態まで操作部材117が傾倒したときに入力軸部108に掛かる力の大きさを軽減することができる。そのため、操作部材が利用者の操作に応じた力を受けた場合に、過度の負荷によって入力素子を損傷する可能性を低減することが可能になる。
【0081】
また、実施の形態では、操作部材117が柱状部123(詳細には、第2柱状部128)とフランジ上面131との2ヶ所で操作規制部材119と接触し、更に、フランジ下面132が接触部137に接触した状態を第2接触状態とした。しかし、第2接触状態は、操作規制部材119に対する柱状部123(詳細には、第2柱状部128)とフランジ上面131との2ヶ所の接触箇所の位置関係を調整して、第2接触状態からさらに左方向の力を受けたとしても、さらに左方向へ傾倒することができない状態であればよい。例えば、第2接触状態は、操作部材117が柱状部123(詳細には、第2柱状部128)とフランジ上面131との2ヶ所のみで操作規制部材119と接触した状態であってもよい。
【0082】
以上、本発明の実施の形態及び変形例について説明したが、本発明は、これらに限られるものではない。例えば、本発明は、これまで説明した実施の形態及び変形例の一部又は全部を適宜組み合わせた形態、その形態に適宜変更を加えた形態をも含む。