【文献】
「設定を搭載したぱちんこ遊技機の電源投入時動作(案)」,日本,日本遊技機工業組合,2017年10月 5日,1,3,4頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技球を発射し、発射された遊技球が入賞口に入球することで該入賞口に対応する数の賞球を付与し、予め定められた数の設定値から一の設定値が設定され、設定された該設定値に応じて賞球の付与に関する有利度が定まる遊技機であって、
遊技盤が配設され、開閉可能に構成された開閉体と、
前記開閉体が開放状態である場合に操作可能な位置に配置され、且つ操作に基づいて第一の位置及び第二の位置のうちの一方の位置から他方の位置へ変位可能である第一の変位部を有する第一の操作手段と、
前記開閉体が開放状態である場合に操作可能な位置に配置され、且つ操作に基づいて第三の位置及び第四の位置のうちの一方の位置から他方の位置へ変位可能である第二の変位部を有する第二の操作手段と、
復電後の復帰状態として、新たに前記設定値を設定可能な設定変更状態、現在設定されている前記設定値を確認可能な設定確認状態、遊技の進行が可能な遊技可能状態、及び遊技の進行が不能な遊技停止状態を設定可能な復帰状態設定手段と、
遊技に関する情報が記憶されるRAMと、
復電時に前記RAMに記憶されている情報に異常があるか否かを判定するRAM異常判定手段と、を備え、
前記復帰状態設定手段は、
前記RAMに記憶されている情報に異常がないと前記RAM異常判定手段によって判定され、電断時の状態が前記遊技可能状態であり、該電断に対する復電時における前記第一の変位部の位置が前記第二の位置であり、且つ該復電時における前記第二の変位部の位置が前記第四の位置である、第一の場合には、前記設定変更状態を設定可能であり、
前記RAMに記憶されている情報に異常がないと前記RAM異常判定手段によって判定され、電断時の状態が前記遊技可能状態であり、該電断に対する復電時における前記第一の変位部の位置が前記第二の位置であり、且つ該復電時における前記第二の変位部の位置が前記第三の位置である、第二の場合には、前記設定確認状態を設定可能であり、
前記RAMに記憶されている情報に異常がないと前記RAM異常判定手段によって判定され、電断時の状態が前記遊技可能状態であり、該電断に対する復電時における前記第一の変位部の位置が前記第一の位置であり、且つ該復電時における前記第二の変位部の位置が前記第四の位置である、第三の場合には、RAMクリア処理が実行された後に前記遊技可能状態を設定可能であり、
前記RAMに記憶されている情報に異常がないと前記RAM異常判定手段によって判定され、電断時の状態が前記遊技可能状態であり、該電断に対する復電時における前記第一の変位部の位置が前記第一の位置であり、且つ該復電時における前記第二の変位部の位置が前記第三の位置である、第四の場合には、前記RAMクリア処理が実行されることなく前記遊技可能状態を設定可能であり、
前記RAMに記憶されている情報に異常がないと前記RAM異常判定手段によって判定され、電断時の状態が前記設定確認状態であり、該電断に対する復電時における前記第一の変位部の位置が前記第二の位置であり、且つ該復電時における前記第二の変位部の位置が前記第四の位置である、第五の場合には、前記設定変更状態を設定可能であり、
前記RAMに記憶されている情報に異常があると前記RAM異常判定手段によって判定された場合において、
復電時における前記第一の変位部の位置が前記第二の位置であり、且つ該復電時における前記第二の変位部の位置が前記第四の位置である場合には、該復電の直前の電断時の状態に関わらず、前記設定変更状態を設定可能であり、
復電時における前記第一の変位部の位置が前記第一の位置であり且つ該復電時における前記第二の変位部の位置が前記第三の位置である、復電時における前記第一の変位部の位置が前記第二の位置であり且つ該復電時における前記第二の変位部の位置が前記第三の位置である、又は復電時における前記第一の変位部の位置が前記第一の位置であり且つ該復電時における前記第二の変位部の位置が前記第四の位置である、所定の場合には、該復電の直前の電断時の状態に関わらず、前記遊技停止状態を設定し、
前記RAMに記憶されている情報に異常がないと前記RAM異常判定手段によって判定され、且つ電断時の状態が前記設定変更状態である場合において、該電断時に対する復電時に前記開閉体が開放状態であり、該復電時における前記第一の変位部の位置が前記第二の位置であり、且つ該復電時における前記第二の変位部の位置が前記第四の位置である、第八の場合には、前記設定変更状態を設定し、
前記RAMに記憶されている情報に異常がないと前記RAM異常判定手段によって判定され、電断時の状態が前記設定変更状態である場合において、該電断時に対する復電時に前記開閉体が閉鎖状態である場合には、前記第一の変位部の位置及び前記第二の変位部の位置に関わらず、前記遊技停止状態を設定し、
前記RAMに記憶されている情報に異常がないと前記RAM異常判定手段によって判定され、電断時の状態が前記設定変更状態であり、該電断に対する復電時における前記開閉体が開放状態であり、該復電時における前記第一の変位部の位置が前記第一の位置であり、且つ該復電時における前記第二の変位部の位置が前記第四の位置である場合には、前記遊技停止状態を設定する、
ことを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、
図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
なお、以降の説明における「有利(有利度)」とは、遊技者に対して有利であることを指し、さらに、特に断りがない限り、いわゆるプレミア画像等の演出上の特典を除き、賞球の獲得量(遊技球の払い出し)に関して有利であることを指す。
【0010】
<本発明の特徴>
本実施形態における遊技機10の詳細を説明する前に、本実施形態に記載されている発明(本発明)の特徴を説明する。なお、当該特徴を説明するにあたり、括弧内の構成は、直前の構成に対応する本実施形態の構成を例示したものであり、当該説明以降の遊技機10の説明においても同様の用途で括弧内に構成を記載する場合がある。
【0011】
本発明は、遊技球を発射し、発射された遊技球が入賞口に入球することで当該入賞口に対応する数の賞球を付与し、複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定され、設定された当該設定値に応じて賞球の付与に関する有利度が異なる遊技機であって、
操作手段(設定キースイッチ42、RAMクリアスイッチ43)と、
復電後の復帰状態を設定する復帰状態設定手段(復帰状態設定手段176)と、
遊技に関する情報が記憶されるRAM(RAM103)と、
復電時に上記RAMに記憶されている情報に異常があるか否かを判定するRAM異常判定手段(ステップS103)と、を備え、
上記復帰状態設定手段は、
上記復帰状態として、上記設定値の変更が可能な設定変更状態、上記設定値の確認が可能な設定確認状態、遊技の進行が可能な遊技可能状態、及び遊技の進行が不可能な遊技停止状態を設定可能なものであって、
上記RAMに記憶されている情報に異常がないと上記RAM異常判定手段によって判定され、電断時の状態が上記遊技可能状態であり、且つ当該電断に対する復電時の上記操作手段の態様が第一の態様(設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がON)である第一の場合(
図22(a)の右下のパターン)には、上記設定変更状態を設定し、
上記RAMに記憶されている情報に異常がないと上記RAM異常判定手段によって判定され、電断時の状態が上記遊技可能状態であり、且つ当該電断に対する復電時の上記操作手段の態様が第二の態様(設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFF)である第二の場合(
図22(a)の左下のパターン)には、上記設定確認状態を設定し、
上記RAMに記憶されている情報に異常がないと上記RAM異常判定手段によって判定され、電断時の状態が上記遊技可能状態であり、且つ当該電断に対する復電時の上記操作手段の態様が第三の態様(設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がON)である第三の場合(
図22(a)の右上のパターン)には、上記遊技可能状態を設定し、
上記RAMに記憶されている情報に異常がないと上記RAM異常判定手段によって判定され、電断時の状態が上記遊技可能状態であり、且つ当該電断に対する復電時の上記操作手段の態様が第四の態様(設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFF)である第四の場合(
図22(a)の左上のパターン)には、上記遊技可能状態を設定するものであり、
上記第三の場合には、RAMクリア処理が実行された後に、上記遊技可能状態が設定される一方、
上記第四の場合には、上記RAMクリア処理が実行されることなく、上記遊技可能状態が設定され、
上記復帰状態設定手段は、更に、
電断時の状態が上記設定確認状態であり、且つ当該電断に対する復電時の上記操作手段の態様が上記第一の態様である第五の場合には、上記設定変更状態を設定し、
上記RAMに記憶されている情報に異常があると上記RAM異常判定手段によって判定され、且つ復電時の上記操作手段の態様が上記第一の態様である場合(
図19(a)の右下のパターン)には、当該復電の直前の電断時の状態に関わらず、上記設定変更状態を設定し、
上記RAMに記憶されている情報に異常があると上記RAM異常判定手段によって判定され、且つ復電時の上記操作手段の態様が上記第一の態様とは異なる態様である所定の場合(
図19(a)の右下以外のパターン)には、当該復電の直前の電断時の状態に関わらず、上記遊技停止状態を設定するものであることを特徴とする遊技機である。
【0012】
本発明によれば、復電時の操作の複雑化を抑えるだけでなく、設定確認状態から設定変更状態への流れを円滑にし、且つRAM103に異常がある場合に復帰させる操作手段の態様を認識させ、RAM103に異常の虞がある場合の復帰を円滑にすることができる。
【0013】
なお、後述する本実施形態では、設定される設定値が大きくなるほど特図当否判定の有利度が高くなることで、設定される設定値が大きくなるほど有利度が高くなるように構成されているが、特図当否判定に限らず、特図停止図柄抽選、普図当否判定、及び普図停止図柄抽選のうちの少なくとも一つの抽選(又は判定)について設定差を設けることで、設定される設定値が大きくなるほど有利が高くなる(設定される設定値に応じて有利度が異なる)ようにしてもよい。すなわち、設定される設定値に応じて賞球の付与に関する有利度が異なるように構成されていればよい。
【0014】
また、上記RAM異常判定手段は、RAM103の遊技に係る領域に異常があるか否かの判定するものを指し、当該判定の対象となる遊技に係る領域は、RAM103の遊技に係る領域のうちの設定値に係る領域を除いた領域としてもよい。
【0015】
また、上記RAMクリア処理とは、RAM103の遊技に係る領域(後述するベース値に係る領域とは異なる領域)の一部(設定値に係る領域を除く領域)をクリアすることを指し、RAMクリア処理を実行するにあたり、設定値に異常がある場合(設定値が範囲外の場合)には、設定値に係る領域もクリアするようにしてもよい。
なお、RAM103のベース値に係る領域が異常である場合等、当該領域をクリアする条件が充足された場合には、当該領域をクリアするようにしてもよい。
【0016】
また、上述の各場合(第一の場合〜第四の場合)において、各場合に対応する復帰状態を必ず設定する必要はなく、少なくとも一部(RAM103の遊技に係る領域に異常がある場合や、中枠開扉センサ76がOFF(中枠17が閉鎖状態)である場合等の例外ケースを除く)で各場合に対応する復帰状態が設定されればよい。
【0017】
上記の特徴を有する遊技機10について、以下の実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0018】
<遊技機10の構造について>
まず、
図1から
図5を用いて、遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図であり、
図2は、
図1に示す領域IIに配設される図柄表示装置90を示す図であり、
図3は、
図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群及びその周辺を示す鳥瞰図であり、
図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図であり、
図5は、遊技機10の背面図である。
なお、
図1から
図5に図示される各構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成及び機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成又は機能が省かれても良い。
【0019】
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ機であり、多数の遊技釘(図示省略)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、「遊技領域50a」と称す)に遊技球を発射し、遊技球が入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。なお、以下の説明では、入賞口に遊技球が入球することを、単に「(入賞口に)入賞する」と表現する場合がある。
【0020】
遊技機10は、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠17と、遊技盤50の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
【0021】
中枠17は、ヒンジ機構21と同一側にあるヒンジ機構(図示省略)により左端側を中心に回動自在に支持され、外枠15の前側に開閉可能となっている。なお、中枠17は、シリンダ錠23により、施錠及び解錠(シリンダ錠23に扉キーを差し込み、扉キーを前枠の解錠方向とは逆の方向(本実施形態では、右)に回す)が可能となっている。
【0022】
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を中心に回動自在に支持され、中枠17に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠及び解錠(シリンダ錠23に扉キーを差し込み、扉キーを中枠17の解錠方向とは逆の方向(本実施形態では、左)に回す)が可能となっている。
また、前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50a及び遊技盤50を透視保護している。
また、前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27及び下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
また、前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
【0023】
図3に示すように、上球受け皿27の上面には、遊技者に操作される操作ボタン群が配置されている。この操作ボタン群には、後述する主制御基板100に電気的に接続されているメイン操作部39として、玉貸ボタン39a、及びプリペイドカードの返却操作を受け付ける返却ボタン39bが設けられ、後述する第1副制御基板200に電気的に接続されている操作部として、遊技中に発生する演出を切り替える又は遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができる演出ボタン37、及びそれぞれ上、下、左、右への操作を指示するためのカーソルボタン38(38a、38b、38c、38d)等が含まれる。なお、各操作部には、操作を検知するためのセンサが設けられており、接続対象の制御基板は、当該センサの検知状態の変化によって各操作部の操作を検知している。
また、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
【0024】
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構36が設けられている。この球抜き機構36を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示省略)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
なお、図示は省略するが、上球受け皿27には、球抜き機構36と同様に、操作することで貯留している球を下球受け皿29へ移動させる機構が設けられ、この機構と球抜き機構36の双方を操作することで、貯留している球を排出することが可能となる。
【0025】
図1に示すように、前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34a、34bは光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ演出ランプ35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や演出ランプ35は、遊技中に発生する演出やエラー演出等と連動して音声出力又は点灯若しくは消灯することができる。
【0026】
演出表示装置80は、遊技盤50の略中央に配設されているメイン表示部81と、メイン表示部81の周囲に配設されているサブ表示部82で構成されている。サブ表示部82は、さらに、メイン表示部81の上方に配設されている上サブ表示部82aと、メイン表示部81の左側に配設されている左サブ表示部82bと、メイン表示部81の右側に配設されている右サブ表示部82cと、を含んでいる。
ここで、メイン表示部81は、固定式の液晶表示装置であり、上サブ表示部82a、左サブ表示部82b、右サブ表示部82cは、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動式の液晶表示装置である。
【0027】
メイン表示部81は、後述する第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92における変動表示に連動して行われる装飾図柄の変動表示を表示することができ、さらに他の各種の演出も表示することができる。
メイン表示部81に表示される装飾図柄の変動表示において、表示される装飾図柄は、3つの図柄列をなす。各図柄列における装飾図柄の変動表示の方向は特に制限されず、例えば、上下方向、左右方向、奥行き方向、又はこれらの組合せ(斜め方向)のいずれであってもよい。
ここで、奥行き方向とは、実際にはメイン表示部81の表示画面上の平面的な変動表示であるにも関わらず、メイン表示部81の奧方から手前方向又はその逆方向に装飾図柄が変動表示しているかのように認識させる手法(例えば、遠近法)を用いた表示態様において、遊技者が認識する仮想的な方向をいう。
【0028】
サブ表示部82のそれぞれは、主として演出に関連する演出画像を表示するために設けられるだけでなく、移動可能に構成されている。
なお、それぞれの初期位置は、上サブ表示部82aはメイン表示部81を基準として上側であり、左サブ表示部82bはメイン表示部81を基準として左側であり、右サブ表示部82cはメイン表示部81を基準として右側であり、サブ表示部82のそれぞれは、これらの初期位置からメイン表示部81における装飾図柄の表示領域に重なる位置まで移動可能に構成されている。
【0029】
なお、本実施形態における演出表示装置80(メイン表示部81、上サブ表示部82a、左サブ表示部82b、右サブ表示部82c)には、いずれも液晶表示装置が採用されているが、本発明の実施はこれに限るものではない。例えば、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を演出表示装置80として採用することができる。
【0030】
メイン表示部81の右下側には、複数の発光ダイオード(light emitting diode、以下、「LED」と略称する)が配設されており、これらのLEDによって図柄表示装置90の表示領域が構成されており、図柄表示装置90には、特別図柄及び普通図柄が表示される。
また、図柄表示装置90は、メイン表示部81よりも遊技者が視認しにくい位置に配設され、図柄表示装置90の表示領域は、メイン表示部81の表示領域よりも小さい面積になっている。
なお、本実施形態における図柄表示装置90に係るLEDの配置や数は
図2に示すとおりであるが、これは一例であって、図柄表示装置90に係るLEDの配置や数はこの例に制限されるものではない。
【0031】
特別図柄は、特別電動役物(例えば、特別電動役物65)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における特別図柄には、第1特別図柄表示装置91に表示される第1特別図柄と第2特別図柄表示装置92に表示される第2特別図柄とが含まれる。
なお、特別図柄は「特図」、第1特別図柄は「特
図1」、第2特別図柄は「特
図2」と略称される場合がある。
【0032】
普通図柄は、普通電動役物(例えば、普通電動役物61)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における普通図柄は、普通図柄表示装置93に表示される。
なお、普通図柄は、「普図」と略称される場合があり、普通電動役物は「電チュー」と称される場合がある。
【0033】
また、図柄表示装置90には、上述の表示装置以外に、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、普通図柄保留ランプ96が設けられている。
第1特別図柄保留ランプ94は、保留されている特
図1の図柄変動の数を特定可能とし、第2特別図柄保留ランプ95は、保留されている特
図2の図柄変動の数を特定可能とし、普通図柄保留ランプ96は、保留されている普図の図柄変動の数を特定可能とし、いずれも、2つのLEDの点灯態様(本実施形態では、右常時点灯のみ=1、左右常時点灯=2、右側点滅+左側常時点灯=3、左右点滅=4)によって対応する図柄変動の数を特定可能とするものである。
【0034】
以下の説明では、第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92で特図を変動表示させた後に特図を停止表示させる図柄変動を「特図の図柄変動」と称し、以下の説明では、普通図柄表示装置93を変動表示させた後に普図を停止表示させる図柄変動を「普図の図柄変動」と称する場合がある。
また、以下の説明では、上述のメイン表示部81に表示される装飾図柄の変動表示は、「特図の図柄変動」や「普図の図柄変動」と区別して「装飾図柄の図柄変動」と称する場合がある。
なお、以下の説明では、単に「図柄変動」と称した場合には、特に断りがない限り特図の図柄変動を意味する。
【0035】
遊技盤50の前面には、
図4に示すように、多数の遊技釘(図示省略)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。
また、遊技領域50aの左側及び上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51及び内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。ここで、風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものをいう。
【0036】
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっており、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
【0037】
図4には、主要な入賞口として、大入賞口55、第1始動口57、第2始動口59ゲート63、一般入賞口67を図示しているが、図示されている入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
【0038】
大入賞口55は遊技領域50aの右下部に配置されている。大入賞口55には大入賞口センサ72が付設されており、大入賞口センサ72の検知結果によって大入賞口55への入賞が判定されて、大入賞口55に対応付けられた数(本実施形態では、15)の賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が大入賞口55に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0039】
大入賞口55の上方には特別電動役物65が配設されている。特別電動役物65は、大入賞口55への入賞が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、特別電動役物ソレノイド66により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。
より具体的には、特別電動役物65は、後述する特図当否判定によって大当りが導出されたことに起因して設定される大当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って大入賞口55への入賞が許容される。このように、特別電動役物65が開放状態である場合には、大入賞口55への入賞が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大する大当り遊技は、有利な遊技状態であると言える。
なお、特別電動役物は、「アタッカー」と称され、特別電動役物ソレノイド66によって特別電動役物が開放状態となることを、「アタッカー開放」と称する場合がある。
また、特図当否判定によって小当りが導出されたことに起因する小当り遊技の少なくとも一部においても特別電動役物65が開放状態となるが、上記の大当り遊技と比較して当該開放状態となる時間が短い。そのため、小当り遊技は、大当り遊技よりも不利な遊技状態と言える。
【0040】
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部に配置されている。第1始動口57には第1始動口センサ70が付設されており、第1始動口センサ70の検知結果によって第1始動口57への入賞が判定されて、第1始動口57に対応付けられた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。第1始動口57に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特
図1の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第2流路Yから転動した場合に比べて、第1流路Xから転動した場合に多くの遊技球が第1始動口57に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0041】
第2始動口59は、遊技領域50aの右下部に配置されている。第2始動口59には第2始動口センサ71が付設されており、第2始動口センサ71の検知結果によって第2始動口59への入賞が判定されて、第2始動口59に対応付けられた数(本実施形態では、1)の賞球が付与される。
第2始動口59に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特
図2の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第1流路Xから転動した場合に比べて、第2流路Yから転動した場合に多くの遊技球が第2始動口59に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0042】
第2始動口59に繋がる流路には普通電動役物61が配設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、普通電動役物ソレノイド62により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。
より具体的には、普通電動役物61は、普図の図柄変動で当選して行われる普図当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って第2始動口59への入賞が許容される。このように、普通電動役物61が開放状態である場合には、第2始動口59への入賞が容易となるため、賞球により遊技球の減少を抑えつつ、特
図2の図柄変動が実行される機会を大幅に増大しうる。
【0043】
ゲート63は、遊技領域50aの右中央部に配置されている。ゲート63には、ゲートセンサ74が付設されており、ゲートセンサ74の検知結果によってゲート63への入賞が判定される。ゲート63に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、普図の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球がゲート63に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0044】
一般入賞口67は、遊技領域50aの左下部に配置されている。一般入賞口67には、一般入賞口センサ73が付設されており、一般入賞口センサ73の検知結果によって一般入賞口67への入賞が判定されて、一般入賞口67に対応付けられた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第2流路Yから転動する場合と比較して、第1流路Xから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されているが、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されるようにしてもよい。また、一般入賞口67を複数個設けるようにしてもよい。
【0045】
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。遊技領域50aに打ち込まれ、上述した各入賞口に入球しなかった遊技球はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
【0046】
このように、遊技機10は、遊技球を発射し、発射された遊技球が入賞口に入球することで入賞口に対応する数の賞球を付与すると換言できる。
【0047】
なお、本実施形態では、上記入賞口及びアウト口に入球した遊技球(以下、「アウト球」と称する)を検出するためのアウト球センサ75(図示省略)を備えており、当該センサの検出結果を用いて計数されたアウト球数は、ベース値を導出するために用いられる。
ここで、ベース値とは、最も不利な状態(後述する、特図低確、且つ普図低確の状態)におけるセーフ球数(賞球数)÷アウト球数×100で導出される値であり当該値は、後述する主制御基板モニタ97に表示される。
より具体的には、初回電源投入(RAM103のベース値に係る領域がクリアされた場合を含む)からアウト球数の60000区切りの区間でベース値を導出し、導出したベース値を次の区間に表示(例えば、アウト球数が60001〜120000の区間で導出したベース値を120001〜180000の区間で表示)する。そして、表示される値は、導出したベース値の整数部分(小数点第一位を四捨五入)である。
【0048】
遊技盤50の背面には、
図5に示すように、主制御基板100が格納された主制御基板ケース109、第1副制御基板200が格納された第1副制御基板ケース209、第2副制御基板300が格納された第2副制御基板ケース309、電源制御基板500が格納された電源制御基板ケース509、払出制御基板400が格納された払出制御基板ケース409、及び設定基板41が装着され、第1副制御基板ケース209及び第2副制御基板ケース309の背面に加え、主制御基板ケース109の背面の一部を覆う開閉カバー45が着脱自在に装着されている。
なお、各基板を覆う基板ケース及びカバーは、透明性を有する部材によって構成されており、各ケース及びカバーを通して対応する基板が視認可能となっている。
【0049】
主制御基板100には、設定値、ベース値、及び遊技停止状態の種別(詳細は、後述)を表示する主制御基板モニタ97が設けられ、当該モニタは、遊技盤50の背面から視認可能となっている。また、当該モニタの表示は、主制御基板100により制御される。
【0050】
ここで、設定値とは、後述する特図当否判定の有利度(大当りが導出される確率)に影響を与える値である。本実施形態における設定値は、設定値1、設定値2、及び設定値3の計3段階が設けられており、設定されている設定値(以下、「現在の設定値」と称する場合がある)の値が大きくなるに従って特図当否判定の有利度が高くなるように構成されている。なお、設定値に応じた特図当否判定の詳細は、後述する。
また、設定値は、後述する設定変更手段177による設定変更処理によって変更可能であり、現在の設定値は、後述する設定確認手段178による設定確認処理において確認可能であり、設定変更処理及び設定確認処理の詳細は、後述する。
【0051】
また、本実施形態では、設定されている設定値、ベース値、及び遊技停止状態の種別を同一の表示装置(主制御基板モニタ97)で表示しているが、これらの一部又は全部を別の表示装置に表示するようにしてもよい。
【0052】
電源制御基板には、遊技島の電源設備から供給される一次電源を遊技機10に供給するために操作される電源スイッチ40が設けられている。
【0053】
設定基板41には、後述する復電時(電源投入時)の復帰状態を決定するための操作部として、設定キースイッチ42及びRAMクリアスイッチ43が設けられている。さらに、設定基板41には、設定キースイッチ42及びRAMクリアスイッチ43を覆う透明性を有する設定基板カバー44がヒンジ機構21と同一側にあるヒンジ機構(図示省略)により開閉可能に設けられている。
なお、設定基板カバー44は、設定キースイッチ42を操作するために用いられる設定キー600が挿入されている状態では、閉鎖状態にならないように構成されている。
また、設定基板カバー44は、ヒンジ機構によって開閉可能に構成されているが、上下にスライドするスライド式のカバーであってもよい。
【0054】
このように、遊技島に設置された状態では、中枠17を開放状態としなければ、遊技盤50の背面側に設けられた各操作部(電源スイッチ40、設定キースイッチ42、RAMクリアスイッチ43)の操作が困難となる。
【0055】
よって、遊技機10は、操作手段(設定キースイッチ42、RAMクリアスイッチ43)を備えていると換言できる。
【0056】
また、遊技機10において、操作手段は、第一の操作手段(設定キースイッチ42)及び第二の操作手段(RAMクリアスイッチ43)で構成されるものであると換言できる。
【0057】
また、遊技機10は、前面に遊技盤(遊技盤50)が配設され、開閉可能に構成された開閉体(中枠17)を備え、操作手段(設定キースイッチ42、RAMクリアスイッチ43)は、遊技盤の背面側に配設されたものであると換言できる。
【0058】
また、遊技盤50の背面には、開閉カバー45の上部には、遊技島の球供給設備から供給される遊技球が貯留される遊技球タンク46が配置されている。遊技球タンク46は、更に、タンクレール47及び払出ユニット48を介して、上球受け皿27に繋がる払出通路49と接続されており、払出ユニット48によって払い出された球は、払出通路49を通って上球受け皿27に払い出される。
【0059】
ここまで、本実施形態における遊技機10の構造について説明してきたが、これらは一具体例であって、別の構成によって本発明を実施することもできる。
【0060】
<遊技機10の制御構成について>
次に、
図6を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える制御構成を説明する。
図6は、遊技機10が備える制御構成を示すブロック図である。なお、
図6に示す制御構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、
図6で図示しない制御構成を備えていてもよい。
【0061】
主制御基板100は、遊技に関する各種の演算処理を行うCPU101と、制御プログラムや各種データ等を記憶したROM102と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM103と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート104と、CPU101によるプログラム処理とは別系統で動作して乱数(ハード乱数)を生成する乱数回路105と、を備えており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
【0062】
よって、遊技機10は、遊技に関する情報が記憶されるRAM(RAM103)を備えていると換言できる。
【0063】
CPU101は、ROM102に格納された各種の制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。
RAM103は、後述するバックアップ電源回路502において生成されるバックアップ電源によってバックアップがなされる。具体的には、RAM103に格納される情報のうち、電断が生じた後の復電時にそのデータを用いて電断直前の状態で遊技機10が復帰できるような各種情報がバックアップされるように構成されている。例えば、電断が生じた際に保持されていたスタックポインタや各レジスタ等のデータに加え、そのときの遊技機10の状態(遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態、又は遊技可能状態)、設定中の設定値、現在の特図抽選状態、現在の普図抽選状態などといった遊技に係る情報がバックアップ対象とされる。
【0064】
本実施形態では、少なくとも、そのような遊技に係る情報が格納される領域(RAM103の遊技に係る領域と表記される場合がある)に加えて、ベース値が格納される領域(RAM103のベース値に係る領域)と、RAM103の遊技に係る領域に関するチェックサムの補数及びバックアップフラグが格納される領域(RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域と表記される場合がある)と、RAM103のベース値に係る領域に関するチェックサムの補数及びバックアップフラグが格納される領域(RAM103のベース値に係るバックアップ情報領域と表記される場合がある)とがバックアップされる。そして、遊技機10は、復電時に、そのバックアップされた、RAM103の遊技に係る領域と、RAM103のベース値に係る領域と、RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域と、RAM103のベース値に係るバックアップ情報領域とに格納される各種情報を用いて復帰する。
なお、本実施形態におけるバックアップの具体的手法については何ら制限されない。例えば、RAM103のうちバックアップ対象とされる領域は、電断状態においても不揮発的にデータを保持可能な構成で実現されてもよい。他の例としては、RAM103の中でも、電断状態においても不揮発的にデータを保持可能に構成される第一メモリと、遊技機10が動作時に参照される第二メモリとで異なるハードウェアが設けられていてもよく、その場合には、遊技機10は、電断時に第二メモリから第一メモリにバックアップ対象となる情報を退避し、その退避された情報を復電時に第一メモリから第二メモリへリカバリすればよい。
【0065】
また、主制御基板100は、第1始動口センサ70、第2始動口センサ71、大入賞口センサ72、一般入賞口センサ73、ゲートセンサ74、アウト球センサ75、中枠開扉センサ76等と電気的に接続されており、I/Oポート104を介して、これらのセンサからの検出信号をCPU101に入力可能に構成されている。
【0066】
また、主制御基板100は、第1特別図柄表示装置91、第2特別図柄表示装置92、普通図柄表示装置93、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、普通図柄保留ランプ96、主制御基板モニタ97、普通電動役物ソレノイド62及び特別電動役物ソレノイド66に電気的に接続されており、I/Oポート104を介してこれらを制御可能に構成されている。
同様に、主制御基板100は、メイン操作部39に電気的に接続されており、メイン操作部39の操作を検知可能に構成されている。さらに、主制御基板100は、設定基板41と電気的に接続されており、設定キースイッチ42、及びRAMクリアスイッチ43の操作を検知可能に構成されている。
【0067】
主制御基板100と第1副制御基板200との間は、8本のパラレル信号線及び1本のストローブ線で接続されており、主制御基板100から第1副制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板100から第1副制御基板200へ各種の演出制御コマンドが送信される。
なお、第1副制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、第1副制御基板200は、主制御基板100に対してデータの送信を要求することはできないように構成されている。
また、本実施形態では、主制御基板100から第1副制御基板200へのデータ送信にパラレル伝送方式を採用しているが、シリアル伝送方式を採用してもよい。
【0068】
第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を行うCPU201、演出制御プログラムや各種データ等を記憶したROM202、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート204と、を備え、これらが内部バスを介して相互に接続され、CPU201がROM202に記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。
なお、第1副制御基板200は、演出ボタン37及びカーソルボタン38に電気的に接続されており、当該操作部の操作を検知可能に構成されている。
【0069】
また、第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づく演出制御処理にて、第2副制御基板300へ画像及び音響を指示する画像制御コマンド、演出ランプ35の点灯を制御するためのランプ制御データ、可動装飾体及びサブ表示部82の可動を制御するための可動制御データ等を生成する。
ここで、第1副制御基板200は、第2副制御基板300と双方向通信が可能に接続されており、画像及び音響に関する画像制御コマンドが第1副制御基板200から第2副制御基板300へ送信される一方、その応答として、当該制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が第2副制御基板300から第1副制御基板200へ送信される。
【0070】
また、第1副制御基板200は、演出ランプ35と電気接続されており、I/Oポート204を介して、ランプ制御データを送信する。そして、演出ランプ35は、第1副制御基板200から送信されるランプ制御データによって点灯が制御されるように構成されている。
【0071】
また、第1副制御基板200は、可動装飾体22及びサブ表示部82と電気接続されており、I/Oポート204を介して、可動制御データを送信する。
そして、可動装飾体及びサブ表示部82は、第1副制御基板200から送信される可動制御データによって可動が制御されるように構成されている。
【0072】
よって、遊技機10は、報知手段(スピーカ33、演出ランプ35、演出表示装置80)と、報知手段を制御する報知制御手段(第1副制御基板200)と、を備えていると換言できる。
【0073】
第2副制御基板300は、第1副制御基板200からの画像制御コマンドに基づき画像演出に関する各種の演算処理を行うCPU301と、画像制御プログラムや各種データ等を記憶したROM302と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM303と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート304とを備えており、CPU301がROM302に記憶された制御プログラムに従って画像演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。
その他、第2副制御基板300には、図示省略するが、CPU301から受信した制御信号に基づき演出内容に沿った画像データを生成するVDPと、CPU301から受信した制御信号に基づき演出内容に沿った音響データを生成する音源ICとを搭載している。VDPは、いわゆる画像プロセッサであり、CPU301からの指示に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した画像データを演出表示装置へ送信する。このVDPには、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAMが接続されている。音源ICは、CPU301からの指示に応じて音声ROMに記憶された音響データを読み込み、読み込んだ音響データを合成処理して生成した最終的な音響データを増幅器を介してスピーカ33に出力する。
【0074】
払出制御基板400は、CPU401、ROM402及びRAM403(いずれも図示省略)を主体として構成されている。
また、払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて払出ユニット48を駆動させて遊技球を払い出すための制御を実行するとともに、発射ハンドルの操作量に基づき球送り機構と発射機構とを同期的に駆動させて遊技球の発射を制御する。
【0075】
電源制御基板500は、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、上述の制御基板等の電子部品や電気部品に供給する通常電源を生成する通常電源回路501、バックアップ電源を生成するバックアップ電源回路502、及び電断(通常電源による供給電圧が所定の電圧低下となること)を検出する電断検出回路503で構成されている。
また、電源制御基板500には、電源スイッチ40が接続されており、遊技島の電源設備から1次電源が供給されていることを前提として、電源スイッチ40がONになると、電源制御基板500の通常電源回路501で通常電源が生成され、上述の制御基板(主制御基板100、第1副制御基板200、第2副制御基板300、及び払出制御基板400)を含む電子部品や電気部品に電源が供給される。
また、電源制御基板500は、電断検出回路503によって電断が検出された場合には、電断信号(NMI信号)を主制御基板100、第1副制御基板200、払出制御基板400のそれぞれに送信する。
また、バックアップ電源回路502は、遊技島の電源設備から遊技機10に電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。
なお、バックアップ電源回路502を払出制御基板400上に設けるようにしてもよく、電断検出回路503を電源制御基板500に設けず、主制御基板100、第1副制御基板200、及び払出制御基板400のそれぞれに設けるようにしてもよい。
【0076】
<遊技機10の機能構成について>
次に、
図7を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える機能構成を説明する。
図7は、遊技機10が備える機能構成を示すブロック図である。なお、
図7に示す機能構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、
図7で図示しない機能構成を備えていてもよい。また、必要に応じて、機能構成を説明する際に、
図8及び
図9も参照することとする。
【0077】
主制御基板100は、
図7に示すように、入球判定手段110、メイン乱数発生手段115、メイン保留制御手段120、事前判定手段125、特図抽選手段130、普図抽選手段135、大当り遊技制御手段140、図柄表示制御手段145、電動役物制御手段150、遊技状態制御手段155、メイン情報記憶手段160、メインエラー制御手段165、メインコマンド管理手段170、復電処理実行手段175、及び電断処理実行手段180を備えており、これらの手段は、
図6を用いて説明した主制御基板100上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
【0078】
なお、メイン情報記憶手段160は、主制御基板100が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。特に、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶されたデータ(演出制御コマンド)は、記憶された後にコマンド送信手段によって後述する第1副制御基板200のサブコマンド管理手段270に向けて送信される。
【0079】
入球判定手段110は、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に基づいて各入賞口への入賞を判定する。
【0080】
メイン乱数発生手段115は、乱数回路105によって更新範囲が異なる複数種類の乱数を生成可能であり、入賞口への入賞が判定されたタイミングで乱数回路105から当該入賞口に対応する一又は複数の乱数を取得(ラッチ)する。
より具体的には、メイン乱数発生手段115は、第1始動口57又は第2始動口59への入賞が判定された場合には、後述する、特図当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、及び特図変動パターン抽選用の乱数を取得する。ゲート63への入賞が判定された場合には、後述する普図当否判定用の乱数、普図図柄抽選用の乱数、及び普図変動パターン抽選用の乱数をメイン情報記憶手段160の対応する格納領域に格納する。
【0081】
メイン保留制御手段120は、特図の図柄変動の保留、及び普図の図柄変動の保留に関する制御を行う。特
図1に関しては、第1始動口57への入賞を契機として取得された、特図当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、及び特図変動パターン抽選用の乱数を、特
図1の作動保留情報として保留する(記憶させる)。
より具体的には、メイン保留制御手段120は、特
図1の作動保留情報が保留されるごとに1加算され、特
図1の作動保留情報が使用される(特図抽選手段130の抽選で用いられる)ごとに1減算される保留カウンタ(以下、「特
図1保留カウンタ」と称する)を備え、特
図1保留カウンタの値が上限値(本実施形態では、4)となるまで、当該作動保留情報をメイン情報記憶手段160の現在の特
図1保留カウンタに対応する格納領域に記憶させ、作動保留情報が使用されるごとに、使用された作動保留情報をクリアし、残りの作動保留情報を、特
図1保留カウンタの小さいものから順に、現在の格納領域から現在の特
図1保留カウンタよりも1少ない特
図1保留カウンタに対応する格納領域に移動(シフト)させる制御を行う。
また、メイン保留制御手段120は、特
図2及び普図に関しても、特
図1とは別に上述の制御と同様の制御を行い、特
図2の保留カウンタを特
図2保留カウンタと称する。
また、以降の説明では、「作動保留情報の保留」を「図柄変動の保留」と表現する場合がある。
また、メイン保留制御手段120は、特
図1又は特
図2の作動保留情報(保留カウンタ)を更新(加算又は減算)した際に、特
図1保留カウンタ及び特
図2保留カウンタを含む演出制御コマンド(保留コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、本実施形態では、特
図1に対応する作動保留情報及び特
図2に対応する作動保留情報の双方が保留されている場合には、特
図2に対応する作動保留情報が優先的に使用される。
【0082】
事前判定手段125は、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合に、当該作動保留情報を対象とした先読み演出のための事前判定を実行する。
より具体的には、事前判定手段125は、今回保留した作動保留情報の各乱数を読み出し、後述する、特図当否判定、特図停止図柄抽選、及び特図変動パターン抽選のそれぞれに対する事前判定を実行する。各事前判定では、各事前判定に対応する抽選に用いられる抽選テーブルと同一又は同等の抽選テーブル(図示省略)が用いられる。そのため、これらの事前判定は、後に実行される抽選の結果と同一の結果が導出される。
また、事前判定手段125は、導出された事前判定の結果を含む演出制御コマンド(事前判定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、上述の通り、事前判定コマンドは、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合の少なくとも一部で送信される(生成され、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶される)ものであるため、上述の保留コマンドに続いて送信されることとなる。ここで、所定の事前判定のタイミングとは、大当り遊技中ではないことを指し、さらに、本実施形態では、普図高確中の特
図1の作動保留情報が保留された場合には、事前判定コマンドの送信を規制している。
【0083】
特図抽選手段130は、特図当否判定手段131、特図停止図柄抽選手段132、及び特図変動パターン導出手段133を備え、特図当否判定手段131、特図停止図柄抽選手段132、特図変動パターン導出手段133の順に各手段による処理を実行する。特図抽選手段130は、特図の変動開始条件が充足された際に、メイン情報記憶手段160に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出す。
なお、「特図の変動開始条件が充足される」とは、その一例として、大当り中ではないこと、特
図1及び特
図2のいずれも図柄変動中でないこと、特
図1及び特
図2のうちの少なくともいずれか一方に作動保留情報が存在することの全ての条件が充足されたことである。
【0084】
ここで、
図8は、主制御基板100における抽選で用いられる抽選テーブルを模式的に示す図であり、以下の説明において必要に応じて参照する。
なお、
図8で示す抽選テーブル以外の抽選テーブルを含め、以下の抽選テーブルを用いた抽選では、読み出した乱数に対して抽選テーブルに記憶された抽選値をあらかじめ定められた順序に従って順次加算され、キャリー(桁あふれ)が発生した抽選値に対応する結果が当該抽選の結果として導出される。同様に、以降の抽選テーブルに関する説明では、説明の便宜上、抽選テーブルに名前を付しているが、名前に対応する抽選テーブルに含まれる抽選値等のデータが各ROMに識別可能に記憶されていればよく、これらの名前は、当該データが記憶される領域を特定するものではない。同様に、以降で図示される抽選テーブルには、説明の便宜上記載された項目や、抽選値として「−」又は「0」が記載されている場合があるが、これらは必ずしも各ROMに記憶されたデータを示すものではない。同様に、抽選に使用される乱数範囲の最大値と同一の抽選値が抽選テーブルに記載されている場合には、当該結果が100%導出されるため、必ずしも抽選を行う必要はない。
【0085】
特図当否判定手段131は、特図当否判定用の乱数を読み出し、読み出した乱数と現在の設定値に対応する特図当否判定用の抽選テーブルを用いて大当り、小当たり、はずれのいずれに該当するかを抽選によって決定する。
図8(a)は、特
図1当否判定用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜65535である。そのため、特図抽選状態が低確率の場合(以下、「特図低確」と略称する場合がある)において、現在の設定値が設定値1である場合には、180/65536、現在の設定値が設定値2である場合には、190/65536、現在の設定値が設定値3である場合には、200/65536の確率で大当りが導出される。また、特図抽選状態が高確率の場合(以下、「特図高確」と略称する場合がある)において、現在の設定値が設定値1である場合には、450/65536、現在の設定値が設定値2である場合には、475/65536、現在の設定値が設定値3である場合には、500/65536の確率で大当りが導出される。なお、小当りについては、いずれの設定値が設定されている場合であっても、300/65536の確率で導出される。
【0086】
図8(b)は、特
図2当否判定用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、特
図1当否判定の場合と同様に、0〜65535である。そのため、特図低確において、現在の設定値が設定値1である場合には、180/65536、現在の設定値が設定値2である場合には、190/65536、現在の設定値が設定値3である場合には、200/65536の確率で大当りが導出される。また、特図高確において、現在の設定値が設定値1である場合には、450/65536、現在の設定値が設定値2である場合には、475/65536、現在の設定値が設定値3である場合には、500/65536の確率で大当りが導出される。なお、小当りについては、特
図1当否判定とは異なり、いずれの設定値が設定されている場合であっても導出されない。
【0087】
このように、特図高確は、特図低確よりも大当りが導出される確率が高く、特図低確よりも有利度が高い状態であると言える。
なお、後述するRAMクリア処理が実行された場合には、特図低確が設定されることとなる。
また、設定される設定値が大きくなるほど大当りが導出される確率が高くなるため、設定される設定値が大きくなるほど特図当否判定(特
図1当否判定、特
図2当否判定のいずれも)の有利度が高くなると言える。
また、特図低確の大当りが導出される確率の分母(分子を1とした場合)と、特図高確で大当りが導出される確率の分母(分子を1とした場合)の比率が、設定される設定値に関わらず一定(本実施形態では、1:2.5)となるように抽選値が設定されており、当該比率が一定とは、大当り確率の分母(分子を1とした場合)の整数部分(小数点以下は、切り捨て、切り上げ、及び四捨五入のいずれか)の比率が一定となればよい。すなわち、前者の確率の分母と、後者の確率の分母の比率が、設定される設定値に関わらず略一定となるように抽選値が設定されていればよい。
【0088】
特図停止図柄抽選手段132は、特図当否判定手段131によって大当りが導出された場合に、特図停止図柄抽選用の乱数を読み出し、読み出した乱数と特図停止図柄抽選用の抽選テーブルを用いて特図の停止図柄を抽選によって決定する。
図8(c)は、特
図1停止図柄抽選用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜99である。そのため、特
図1では、大当りが導出された際に、50/100の確率(全ての設定値で同一)で図柄A、50/100の確率(全ての設定値で同一)で図柄Bが停止図柄として決定される。
ここで、図柄Aは、大当り遊技中に特別電動役物65が十分な時間(概ね9球入賞する程度)に亘って解放される回数(ラウンド数(R数))が9であり、且つ大当り遊技終了後に特図高確、普図高確となる図柄(以下、「確変図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「確変大当り」と称する場合がある)である。一方、図柄Bは、ラウンド数が8であり、且つ大当り遊技終了後に特図低確、普図高確(詳細は後述)となる図柄(以下、「通常図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「通常大当り」と称する場合がある)である。よって、図柄Aは、ラウンド数及びその後の特図抽選状態の双方において、図柄Bよりも有利な図柄である。
【0089】
図8(d)は、特
図2停止図柄抽選用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、特
図1停止図柄抽選と同様に、0〜99である。そのため、特
図1では、大当りが導出された際に、65/100の確率(全ての設定値で同一)で図柄a、35/100の確率(全ての設定値で同一)で図柄bとなる。
ここで、図柄aは、ラウンド数が16であり、且つ大当り遊技終了後に特図高確、普図高確となる確変図柄であり、図柄bは、ラウンド数が8であり、大当り遊技終了後に特図低確、普図高確となる通常図柄である。よって、図柄bよりも図柄aの方が有利度が高くなると言える。
【0090】
このように、本実施形態では、特
図1及び特
図2のいずれにおいても、各停止図柄が導出される確率は、設定される設定値に関わらず一定であり、特図停止図柄抽選の有利度は、設定される設定値によって変化しない。
【0091】
また、本実施形態は、特
図1による大当り遊技終了後の特図高確となる割合(50/100)と、特
図2による大当り遊技終了後の特図高確となる割合(65/100)とが異なっている(特
図1の図柄変動よりも特
図2の図柄変動が有利になっている)。詳細は省略するが、この違いは、大当り遊技中に遊技球が大入賞口55内に設けられた特定領域を通過した場合に大当り遊技終了後に特図高確とする機能を備え、特定領域の通過が容易となるラウンド(本実施形態では、9ラウンド目)を設けるか否かを特図の停止図柄によって変えることで実現している。
【0092】
また、特図停止図柄抽選手段132は、特図当否判定手段によって大当りが導出されなかった場合には、特
図1の小当り時は図柄C、特
図1のはずれ時は図柄D、特
図2のはずれ時は図柄cを停止図柄として一律に決定する。
【0093】
特図変動パターン導出手段133は、特図変動パターン(変動時間)を決定する際に参照する特図変動パターン抽選テーブルを複数種類備え、現在の特図変動パターン導出状態(詳細は、後述)と今回の特図当否判定手段131の抽選結果とに基づいて、今回の特図変動パターンを決定するための一つの特図変動パターン抽選テーブルを選択し、選択した特図変動パターン抽選テーブルと特図変動パターン抽選用の乱数とを用いて一つの特図変動パターンを決定する。
なお、本実施形態では、上述の特図停止図柄抽選と同様に、特図変動パターン導出状態及び特図当否判定手段131の抽選結果が同一であれば、各特図変動パターンが導出される確率は、設定される設定値に関わらず一定となる。
また、特図変動パターン導出手段133は、決定された特図変動パターンを含む演出制御コマンド(変動開始コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
【0094】
普図抽選手段135は、特図抽選手段130と同様に、普図の図柄変動中でない場合に、メイン情報記憶手段160に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出し、読み出した乱数を用いて、普図の当否を判定する普図当否判定を実行し、当該普図当否判定によって普通電動役物61が開放状態に制御されることとなる普図当りに当選した場合に普図の停止図柄を抽選により決定する普図停止図柄抽選、及び普図の変動パターン(変動時間)を抽選により決定する普図変動パターン抽選を実行する。
より具体的には、普図当否判定では、普図抽選状態が高確率の状態(「普図高確」と略称する場合がある)と、普図抽選状態が低確率の状態(「普図低確」と略称する場合がある)とがあり、抽選テーブルの図示は省略するが、本実施形態では、普図高確では、65535/65536の確率(全ての設定値で同一)で普図当りとなり、残りの1/65536の確率ではずれとなる一方、普図低確では、1/65536の確率(全ての設定値で同一)で普図当りとなり、残りの65535/65536の確率ではずれとなる。なお、普図低確では、普図当りとならない(65536/65536ではずれとなる)ようにしてもよい。
【0095】
普図停止図柄抽選では、特図停止図柄抽選と同様に、普通電動役物61の開放状態となるパターンが異なる複数種類の停止図柄から、普図停止図柄抽選用の抽選テーブル(図示省略)を用いた抽選によって一つの停止図柄が決定される。なお、普図当否判定ではずれとなった場合には、特
図1、2と同様に、停止図柄が一律に決定される。
【0096】
また、普図変動パターン抽選では、特図変動パターン抽選と同様に、複数種類の普図変動パターンから、普図変動パターン抽選用の抽選テーブル(図示省略)を用いた抽選によって一つの普図変動パターンが決定される。
【0097】
このように、普図高確は、普図低確よりも普図当りが導出される確率が高く、普図低確よりも有利度が高い状態であると言える。
なお、後述するRAMクリア処理が実行された場合には、普図低確が設定されることとなる。
また、本実施形態では、普図に関する抽選(普図当否判定、普図停止図柄抽選、及び普図変動パターン抽選)のいずれにおいても各抽選結果が導出される確率は、設定値に関わらず一定であり、普図に関する抽選の有利度は、設定される設定値によって変化しない。
【0098】
なお、本実施形態は、上述の通り、設定される設定値が大きくなるほど特図当否判定の有利度が高くなることで、設定される設定値が大きくなるほど有利度が高くなるように構成されているが、特図当否判定に限らず、特図停止図柄抽選、普図当否判定、及び普図停止図柄抽選のうちの少なくとも一つの抽選(又は判定)について設定差を設けることで、設定される設定値が大きくなるほど有利が高くなる(設定される設定値に応じて有利度が異なる)ようにしてもよい。すなわち、設定される設定値に応じて賞球の付与に関する有利度が異なるように構成されていればよい。
【0099】
よって、遊技機10は、複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定され、設定された設定値に応じて賞球の付与に関する有利度が異なると換言できる。
【0100】
大当り遊技制御手段140は、特図当否抽選の結果が大当りである場合、決定された大当り図柄に応じて、大当り開始デモに係るデモ時間、及び大当り終了デモに係るデモ時間を決定する。
また、大当り遊技制御手段140は、大当り開始時には、大当り開始デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り開始コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させ、大当り終了時には、大当り終了デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り終了コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
また、大当り遊技制御手段140は、特図当否抽選の結果が小当りの場合も同様に、小当り開始デモに係る時間、及び小当り終了デモに係るデモ時間を決定し、小当り開始時には、小当り開始デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(小当り開始コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させ、小当り終了時には、小当り終了デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(小当り終了コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、本実施形態では、大当り開始デモに係るデモ時間、及び大当り終了デモに係るデモ時間のいずれも同一の時間となる。
【0101】
図柄表示制御手段145は、特
図1の特図変動パターン(変動時間)に従って、特
図1を第1特別図柄表示装置91に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特
図1を停止表示させる。同様に、第2特別図柄の特図変動パターン(変動時間)に従って、特
図2を第2特別図柄表示装置92に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特
図2を停止表示させる。
なお、図柄表示制御手段145は、特
図1及び特
図2の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための特図遊技タイマを有し、特図を停止表示させる際に(特図遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(変動停止コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する。
【0102】
また、図柄表示制御手段145は、普図の普図変動パターン(変動時間)に従って、普図を普通図柄表示装置93に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に普図を普図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で停止表示させる。
なお、図柄表示制御手段145は、普図の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための普図遊技タイマを有する。
【0103】
電動役物制御手段150は、特図当否抽選の結果が大当りとなった場合、特図の停止表示後に、特別電動役物ソレノイド66に制御信号を出力し、特別電動役物65を特図の停止図柄に対応する解放パターンに従って開放させる。大当り遊技は、特別電動役物65の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(本例では、16R、9R、8R)だけ連続して実行する遊技状態である。
【0104】
また、電動役物制御手段150は、特図当否抽選の結果が小当りとなった場合、特図の停止表示後に、特別電動役物ソレノイド66に制御信号を出力し、特別電動役物65を短期間(0.05秒)だけ開放させる。
【0105】
また、電動役物制御手段150は、普図当否抽選に当選した場合、普通電動役物ソレノイド62に制御信号を出力して、普通電動役物61を普図の停止図柄に対応する開放パターンに従って開放させる。
【0106】
遊技状態制御手段155は、特図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段155は、上述の通り、大当り遊技の開始時に、大当りに係る図柄に関わらず、特図低確とし、通常大当りに係る大当り遊技の終了時には、特図低確を維持し、確変大当りに係る大当り遊技の終了時には、特図高確とする。
【0107】
また、遊技状態制御手段155は、普図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段155は、大当り開始時に、大当りに係る図柄に関わらず、普図低確とし、通常大当りに係る大当り遊技の終了時には、100回の図柄変動が行われるまで普図高確とし(100回の図柄変動後には普図低確とする)、確変大当りに係る大当り終了時には、次回の大当り遊技の開始まで(例えば、大当りが導出されるのに十分な有限の回数(例えば、5000回)を設定する場合も含む)普図高確とする。なお、特図低確且つ普図高確の状態を低確時短と称する場合がある。
【0108】
また、遊技状態制御手段155は、上述の特図変動パターン導出状態を制御する。具体的には、特図変動パターン導出状態を大別すると、特図低確且つ普図低確に対応する特図変動パターン導出状態A、特図低確且つ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態B、及び特図高確且つ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態Cがあり、大当り遊技中を除いて特図抽選状態及び普図抽選状態に応じた特図変動パターン導出状態が設定される。
【0109】
また、遊技状態制御手段155は、特図抽選状態、普図抽選状態、及び特図変動パターン導出状態の更新が発生した場合に、更新後の各状態を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
【0110】
メイン情報記憶手段160は、上述の通り、各手段によって読み出されたデータや、各手段による演算等によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
【0111】
メインエラー制御手段165は、I/Oポート104の入力情報を監視し、遊技機10がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態であると判定された場合には、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(エラーコマンド)をメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する。
なお、メインエラー制御手段165は、例えば、磁気センサ(図示省略)の検知によるエラー状態等、重要度の高いエラー状態となった場合には、払出制御基板400に遊技球の発射を規制させる等、エラーコマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する以外の処理を実行するようにしてもよい。
【0112】
メインコマンド管理手段170は、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に演出制御コマンドが記憶されている場合に、当該演出制御コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する。
なお、各演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
【0113】
復電処理実行手段175は、復帰状態設定手段176、設定変更手段177、設定確認手段178、及び遊技可能状態移行手段179を備える。
【0114】
復帰状態設定手段176は、復電時の復帰状態を、当該RAM103に異常があるか否か、当該復電の直前の電断時の状態、及び復電時の設定キースイッチ42の態様と復電時のRAMクリアスイッチ43の態様の組合せに基づいて設定する復帰状態設定処理を実行する。なお、当該処理によって設定される復帰状態には、遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態、及び遊技可能状態(RAMクリア処理を伴う場合と、RAMクリア処理を伴わない場合とがある)があり、当該処理の詳細は後述する。
【0115】
よって、遊技機10は、復電後の復帰状態を設定する復帰状態設定手段(復帰状態設定手段176)を備え、復帰状態設定手段は、復帰状態として、設定値の変更が可能な設定変更状態、設定値の確認が可能な設定確認状態、遊技の進行が可能な遊技可能状態、及び遊技の進行が不可能な遊技停止状態を設定可能なものであると換言できる。
【0116】
設定変更手段177は、設定変更状態が設定された場合に、設定値の変更を可能とする設定変更処理を実行する。なお、当該処理の詳細は、後述する。
【0117】
設定確認手段178は、設定確認状態が設定された場合に、設定値の確認を可能とする設定確認処理を実行する。なお、当該処理の詳細は、後述する。
【0118】
遊技可能状態移行手段179は、遊技可能状態が設定された場合に、遊技可能状態移行処理を実行する。なお、当該処理の詳細は、後述する。
【0119】
電断処理実行手段180は、電源制御基板500からの電断信号を受信したことに基づいて電断処理を実行する。
具体的には、RAM103のうちの遊技に係る領域(ベース値に係る領域とは異なる領域)に対しては、当該領域のチェックサムを導出し、当該チェックサムの補数をRAM103の遊技に係るバックアップ情報領域に記憶させる処理、及び当該領域に対する電断処理が実行されたことを示すバックアップフラグをONにする(RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグを記憶させる)処理を実行する。また、RAM103のベース値に係る領域に対しても、RAM103のうちの遊技に係る領域と同様に、RAM103のベース値に係る領域のチェックサムを導出し、当該チェックサムの補数をRAM103のベース値に係るバックアップ情報領域記憶させる処理、及びRAM103のベース値に係る領域対する電断処理が実行されたことを示すバックアップフラグをONにする(RAM103のベース値に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグを記憶させる)処理を実行する。
【0120】
第1副制御基板200は、
図7に示すように、サブ乱数発生手段210、通常演出制御手段220、サブエラー制御手段230、ランプ制御手段240、可動役物制御手段250、サブ情報記憶手段260、及びサブコマンド管理手段270を備えており、これらの手段は、
図5を用いて説明した第1副制御基板200上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
なお、サブ情報記憶手段260は、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。また、メインコマンド管理手段170から送信された演出制御コマンドは、サブコマンド管理手段270によってサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶される。
【0121】
サブ乱数発生手段210は、CPU201によってプログラム処理で更新される乱数(ソフトウェア乱数)を生成可能であり、通常演出制御手段220による各抽選(詳細は後述)が実行されるタイミングで乱数を取得する。
【0122】
通常演出制御手段220は、演出モード制御手段221、演出ルート決定手段222、サブ保留制御手段223、先読み演出制御手段224、演出内容決定手段225、装飾図柄制御手段226、及び大当り演出制御手段227を備える。
【0123】
演出モード制御手段221は、遊技状態指定コマンドが送信された場合に、主制御基板100側で管理された特図変動パターン導出状態との整合性をとるかたちで、演出モードの遷移を制御する。
本実施形態における演出モードは、通常モード、低確時短モード、確変モードに大別され、特図変動パターン導出状態Aには通常モード、特図変動パターン導出状態Bには確変モード、特図変動パターン導出状態Cには低確時短モードが対応する。
【0124】
演出ルート決定手段222は、事前判定コマンドが送信された場合に、当該コマンドに含まれる事前判定の結果(本実施形態では、特図変動パターン)に基づいて、今回保留された図柄変動に対応する演出ルートを決定(設定)する。
演出ルートとは、図柄変動の開始から終了までの演出であって、当該図柄変動における特図当否判定の結果を報知する演出の過程を規定するものであり、当該図柄変動で実行される演出の内容は、当該図柄変動に対応する演出ルートに従って決定されることとなる。
【0125】
サブ保留制御手段223は、保留コマンドの受信があった場合に、当該コマンドに含まれる特
図1保留カウンタと特
図2保留カウンタの情報に基づいて、メイン表示部81の保留表示領域(図示省略)に、特
図1保留カウンタに対応する数の保留画像と、特
図2保留カウンタに対応する数の保留画像とを表示させるための演出データを設定する。
なお、保留画像とは、大当り遊技の期待度等の有利度を示唆する種々の態様に変化する保留先読み演出の対象となる画像である。
【0126】
先読み演出制御手段224は、事前判定コマンドが送信された場合に、当該コマンドに含まれる事前判定の結果に基づいて先読み演出の内容を決定する。
先読み演出とは、先読み対象の図柄変動が開始される前の一又は複数回の図柄変動に亘って、先読み対象の図柄変動における特図当否判定の結果に対する期待度や、先読み対象の図柄変動において実行される演出の内容を示唆する演出である。
【0127】
演出内容決定手段225は、変動開始コマンドが送信された場合に、演出ルート決定手段222によって既に決定された演出ルートに従って今回の図柄変動において実行する演出の内容を決定する。
より具体的には、演出ルート決定手段222は、決定された演出ルートの各段階において、実行する演出の内容(演出パターン)を、当該演出ルートに対応する演出パターン抽選テーブルを用いた抽選等によって決定する。このようにすることで、決定された演出ルートに係る(に従って実行される)演出の内容を変えることができるとともに、一つの図柄変動における演出に繋がりを持たせることができる。また、同一の演出ルートが決定された場合であっても、実行される演出を多彩にすることもできる。
【0128】
装飾図柄制御手段226は、変動開始コマンドが送信された場合に、演出内容決定手段225によって決定された演出内容等に基づいて、装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせ(左図柄・中図柄・右図柄)を決定する。なお、以下の説明では、特に断りがない限り、装飾図柄の最終的な停止を、単に、装飾図柄の停止と表現する場合がある。
本実施形態における装飾図柄には、数字の「1」を模した「1図柄」、数字の「2」を模した「2図柄」、数字の「3」を模した「3図柄」、数字の「4」を模した「4図柄」、数字の「5」を模した「5図柄」、数字の「6」を模した「6図柄」、及び数字の「7」を模した「7図柄」があり、以降の説明では、「1図柄」、「3図柄」、「5図柄」、「7図柄」を総称して「奇数図柄」と称し、「2図柄」、「4図柄」、「6図柄」を総称して「偶数図柄」と称する場合がある。
【0129】
また、装飾図柄制御手段226は、停止させる装飾図柄の組合せを特図の停止図柄に対応させて決定している。具体的には、図柄Aと図柄aには、奇数図柄揃い(例えば、「1図柄」−「1図柄」−「1図柄」)を対応させ、図柄Bと図柄aには、偶数図柄揃い(例えば、「2図柄」−「2図柄」−「2図柄」)を対応させ、図柄Cと図柄Dと図柄cにはバラケ目(いずれの図柄揃いもない図柄の組合せ)を対応させている。
なお、停止させる装飾図柄の組合せを特図の停止図柄に対応させるにあたっては、必ずしも上述の対応関係とする必要はなく、例えば、図柄aに偶数図柄揃いを対応させる等、上述の対応関係に対して停止させる装飾図柄の組合せの期待度が高くならない組合せであれば、一部の場合(上述の対応関係となる割合よりも低い割合)で上述の対応関係とは異なる装飾図柄の組合せを採用してもよく、このような場合であっても、停止させる装飾図柄の組合せが特図の停止図柄と対応していると言える。
【0130】
大当り演出制御手段227は、大当り開始コマンドが送信された場合に、当該コマンドに含まれる情報等に基づいて、大当り遊技中であることを報知する大当り演出の内容を決定する。なお、大当り演出には、大当り遊技の開始を報知する開始デモ演出、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出、及び大当り遊技の終了を報知する終了デモ演出が存在する。
【0131】
通常演出制御手段220は、第1副制御基板200が備える上述の手段によって決定された演出内容に従って、各演出の実行タイミングで当該演出に対応する各デバイスの演出データを読み出す。なお、読み出した演出データに画像及び音響に係る演出データがある場合には、当該演出データに基づいて画像及び音響に関する画像制御コマンドを生成し、当該コマンドをサブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に格納する。
【0132】
サブエラー制御手段230は、エラーコマンドが送信された場合に、エラー演出パターンを決定し、当該エラー演出パターンに従ってエラー演出を実行するための演出データを読み出す。
なお、サブエラー制御手段230は、独自に(メインエラー制御手段165と独立して)遊技機10がエラー状態であるか否かを判定し、エラー状態であると判定した場合にエラー演出を実行する演出データを読み出すようにしてもよく、当該エラー状態としては、例えば、普図低確時におけるゲート63の入賞回数に基づいて判定される右打ちエラー状態がある。
【0133】
ランプ制御手段240は、演出ランプ35の点灯を制御するためのランプ制御データを保持しており、通常演出制御手段220によって読み出された演出データに演出ランプ35に対応する演出データがある場合には、当該演出データに基づいてランプ制御データを読み出し、読み出したランプ制御データを演出ランプ35へ送信する。
【0134】
可動役物制御手段250は、可動装飾体22及びサブ表示部82の可動を制御するための可動制御データを保持しており、通常演出制御手段220によって読み出された演出データに可動役物に対応する演出データがある場合には、当該演出データに基づいて可動制御データを読み出し、読み出した可動制御データを可動装飾体22及びサブ表示部82へ送信する。
【0135】
サブ情報記憶手段260は、上述の通り、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
【0136】
サブコマンド管理手段270は、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを受信し、受信した演出コマンドをサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶させ、サブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に画像制御コマンドが記憶されている場合には、当該画像制御コマンドを第2副制御基板300に向けて送信する。なお、各画像制御コマンドは、原則として、サブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
【0137】
<設定キースイッチ42の態様、及びRAMクリアスイッチ43の態様について>
次に、上述の復帰状態設定処理の詳細を説明するのに先立ち、
図9を用いて、設定キースイッチ42の態様とRAMクリアスイッチ43の態様との組み合わせについて説明する。なお、
図9は、設定キースイッチ42の態様とRAMクリアスイッチ43の態様との組み合わせのパターンを示す図である。
【0138】
まず、設定キースイッチ42及びRAMクリアスイッチ43のそれぞれは、一方の位置から他方の位置に変位する変位部(図示省略)と、当該変位部をいずれかの位置で検知するセンサ(図示省略)を備えており、主制御基板100のCPU101は、当該センサの検知結果によって各スイッチの態様を把握することができる。
【0139】
設定キースイッチ42を操作する際には、
図9(a)〜
図9(d)に示す通り、設定キースイッチ42に設定キー600を挿入する必要がある。より具体的には、設定キースイッチ42は、
図9(a)及び
図9(b)に示す設定キー600を挿入した状態(以下、「設定キースイッチ42がOFF」と表現する場合があり、当該状態は設定キー600の挿入の有無とは無関係)で、
図9(c)及び
図9(d)に示すように、挿入面に向かって右回りに90度回転させることで、設定キースイッチ42が操作された状態(以下、「設定キースイッチ42がON」と表現する場合がある)となる。
なお、設定キースイッチ42は、OFFの状態となる位置、及びONの状態となる位置のそれぞれにおいて、外力を要することなく、変位部を保持することができる。
また、設定キー600は、設定キースイッチ42がONの状態で抜去することができない。
【0140】
また、RAMクリアスイッチ43は、当該スイッチの上面を押下することで操作可能となる。より具体的には、
図9(a)及び
図9(c)に示す状態(以下、「RAMクリアスイッチ43がOFF」と表現する場合がある)で、
図9(b)及び
図9(d)に示すように、当該スイッチの上面を押下することで、RAMクリアスイッチ43が操作された状態(以下、「RAMクリアスイッチ43がON」と表現する場合がある)となる。
なお、RAMクリアスイッチ43は、変位部をOFFの状態となる位置に付勢して保持している。そのため、RAMクリアスイッチ43は、OFFの状態となる位置では、外力を要することなく変位部を保持することができる一方、ONの状態となる位置では、外力を要することなく変位部を保持できないようになっている。
【0141】
よって、遊技機10において、第一の操作手段(設定キースイッチ42)は、第一の位置(OFFとなる位置)及び第二の位置(ONとなる位置)のうちの一方の位置から他方の位置へ変位可能である第一の変位部を備え、第一の位置及び第二の位置のそれぞれの位置において、外力を要することなく第一の変位部を保持するものであり、第二の操作手段(RAMクリアスイッチ43)は、第三の位置(OFFとなる位置)及び第四の位置(ONとなる位置)のうちの一方の位置から他方の位置へ変位可能な第二の変位部を備え、第二の変位部を第三の位置に付勢して保持するものであると換言できる。
【0142】
なお、本実施形態において、RAMクリアスイッチ43は、OFFの状態となる位置では、外力を要することなく変位部を保持することができる一方、ONの状態となる位置では、外力を要することなく変位部を保持できないようになっているが、設定キースイッチ42と同様に、RAMクリアスイッチ43は、ONの状態となる位置で外力を要することなく変位部を保持することができるようにしてもよい。
【0143】
図9(a)には、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFの状態が示されている。詳細は後述するが、例えば、復電時が当該状態であり、復電時に異常がなく(詳細は、後述)、且つ直前の電断時の状態(当該復電に対応する電断時の状態)が遊技可能状態であった場合には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技可能状態が設定される。
【0144】
図9(b)には、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONの状態が示されている。詳細は後述するが、例えば、復電時が当該状態であり、復電時に異常がなく、且つ直前の電断時の状態が遊技可能状態であった場合には、RAMクリア処理が実行され、且つ復帰状態として遊技可能状態が設定される。
【0145】
図9(c)には、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFの状態が示されている。詳細は後述するが、例えば、復電時が当該状態であり、復電時に異常がなく、且つ直前の電断時の状態が遊技可能状態であった場合には、復帰状態として設定確認状態が設定される。
【0146】
図9(d)には、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONの状態が示されている。詳細は後述するが、例えば、復電時が当該状態であり、復電時に異常がなく、且つ直前の電断時の状態が遊技可能状態であった場合には、復帰状態として設定変更状態が設定される。
【0147】
このように、本実施形態において設定される復帰状態は、復電時の設定キースイッチ42の態様及び復電時のRAMクリアスイッチ43の態様の組合せによって決定される。なお、復電時の設定キースイッチ42の態様及び復電時のRAMクリアスイッチ43の態様の組合せと、設定される復帰状態の関係性の詳細は、後述する。
【0148】
よって、遊技機10において、第一の態様(設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がON)、第二の態様(設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFF)、第三の態様(設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がON)、及び第四の態様(設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFF)のそれぞれは、第一の変位部の位置と第二の変位部の位置との組み合わせで特定されるものであると換言できる。
【0149】
<復帰状態設定処理、及び設定された復帰状態に応じた処理について>
次に、
図10を用いて、復帰状態設定処理の詳細を説明する。なお、
図10は、復帰状態設定処理のフローを示す図である。
【0150】
まず、最初のステップS101では、RAM異常チェックが実行される。
RAM異常チェックでは、RAM103の遊技に係る領域、及びRAM103のベース値に係る領域のそれぞれに対して異常があるか否かのチェックが行われる。具体的には、対象となる領域に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグが記憶されているか否か(バックアップフラグがONであるか否か)を判定し、当該バックアップフラグが記憶されている場合(当該バックアップフラグがONである場合)には、対象となる領域と当該領域に係るバックアップ情報領域に記憶されている補数のチェックサムを導出し、当該演算結果が0である場合には、対象となる領域が正常であると判断し、それ以外は、対象となる領域が異常であると判断する。
なお、本実施形態における説明では、特段の説明がない限り、RAM103に異常があるとは、RAM103の遊技に係る領域に異常があることを指す。
【0151】
ステップS103では、RAM103の遊技に係る領域に異常があるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS109に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS105に進む。
【0152】
よって、遊技機10は、復電時にRAM(RAM103)に記憶されている情報に異常があるか否かを判定するRAM異常判定手段(ステップS103)を備えていると換言できる。
【0153】
ステップS105では、設定値が正常範囲(1〜3)であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS107に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS109に進む。
【0154】
ステップS107では、直前の電断時の状態が遊技停止状態であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS109に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS111に進む。
【0155】
ステップS109では、復電時に異常がある場合(RAM103に異常がある場合、設定値が正常でない場合、直前の電断時の状態が遊技停止状態である場合)における復帰状態の設定を行う異常状態時復帰状態設定処理を実行し、復帰状態設定処理を終了する。なお、異常状態時復帰状態設定処理の詳細は、後述する。
【0156】
ステップS111では、直前の電断時の状態が設定変更状態であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS113に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS115に進む。
【0157】
ステップS113では、復電時に異常がなく(RAM103に異常がなく、設定値が正常であり、且つ直前の電断時の状態が遊技停止状態でない場合)、且つ直前の電断時の状態が設定変更状態である場合における復帰状態の設定を行う設定変更状態時復帰状態設定処理を実行し、復帰状態設定処理を終了する。なお、設定変更状態時復帰状態設定処理の詳細は、後述する。
【0158】
ステップS115では、直前の電断時の状態が設定確認状態であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS117に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS119に進む。
【0159】
ステップS117では、復電時に異常がなく、且つ直前の電断時の状態が設定確認状態である場合における復帰状態の設定を行う設定確認状態時復帰状態設定処理を実行し、復帰状態設定処理を終了する。なお、設定確認状態時復帰状態設定処理の詳細は、後述する。
【0160】
ステップS119では、復電時に異常がなく、且つ直前の電断時の状態が遊技可能状態である場合における復帰状態の設定を行う遊技可能状態時復帰状態設定処理を実行し、復帰状態設定処理を終了する。なお、遊技可能状態時復帰状態設定処理の詳細は、後述する。
【0161】
次に、
図11を用いて、異常状態時復帰状態設定処理の詳細を説明する。なお、
図11は、異常状態時復帰状態設定処理のフローを示す図である。
【0162】
最初のステップS201では、RAMクリアスイッチ43がONであるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS203に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS213に進む。
【0163】
ステップS203では、中枠開扉センサ76がON(中枠が開放状態)であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS205に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS213に進む。
【0164】
ステップS205では、設定キーがONであるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS207に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS213に進む。
【0165】
ステップS207では、RAM103のベース値に係る領域に異常があるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS209に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS211に進む。
【0166】
ステップS209では、RAM103のベース値に係る領域をクリア(初期化)する。
このように、本実施形態では、RAM103の遊技に係る領域に異常があり、且つRAM103のベース値に係る領域に異常がある場合に、RAM103のベース値に係る領域をクリアするように構成されているが、RAM103のベース値に係る領域に係る領域に異常があれば(RAM103の遊技に係る領域に異常があるか否かに関わらず)、RAM103のベース値に係る領域をクリアするようにしてもよい。
また、RAM103のベース値に係る領域に異常があるか否かの判定は、ステップS209の直前に実行するようにしてもよい。
【0167】
ステップS211では、復帰状態として設定変更状態を設定し、異常状態時復帰状態設定処理を終了する。
【0168】
ステップS213では、RAM103の異常による遊技停止状態であることを示す「E1」を主制御基板モニタ97に表示させる。
【0169】
ステップS215では、遊技停止状態を設定し、その後の処理の実行を停止する。
【0170】
このように、復電時に異常がある場合には、設定変更状態が設定される場合以外は、遊技停止状態が設定されることとなる。
【0171】
次に、
図12を用いて、設定変更状態時復帰状態設定処理の詳細を説明する。なお、
図12は、設定変更状態時復帰状態設定処理のフローを示す図である。
【0172】
最初のステップS301では、RAMクリアスイッチがONであるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS303に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS309に進む。
【0173】
ステップS303では、中枠開扉センサ76がON(中枠が開放状態)であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS305に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS309に進む。
【0174】
ステップS305では、設定キーがONであるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS307に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS309に進む。
【0175】
ステップS307では、復帰状態として設定変更状態を設定し、設定変更状態時復帰状態設定処理を終了する。
【0176】
ステップS309では、RAM103の異常以外による遊技停止状態であることを示す「E2」を主制御基板モニタ97に表示させる。
【0177】
ステップS311では、遊技停止状態を設定し、その後の処理の実行を停止する。
【0178】
このように、復電時に異常がある場合と同様に、直前の電断時の状態が設定変更状態である場合には、設定変更状態が設定される場合以外は、遊技停止状態が設定されることとなる。
【0179】
次に、
図13を用いて、設定確認状態時復帰状態設定処理の詳細を説明する。なお、
図13は、設定確認状態時復帰状態設定処理のフローを示す図である。
【0180】
最初のステップS401では、RAMクリアスイッチがONであるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS403に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS415に進む。
【0181】
ステップS403では、中枠開扉センサ76がON(中枠が開放状態)であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS405に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS409に進む。
【0182】
ステップS405では、設定キーがONであるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS407に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS409に進む。
【0183】
ステップS407では、復帰状態として設定変更状態を設定し、設定確認状態時復帰状態設定処理を終了する。
【0184】
ステップS409では、セキュリティ信号をONにする。
なお、セキュリティ信号とは、遊技機外の機器(データ表示機やホールコンピュータ)に向けて遊技機10に設けられた外部端子盤(図示省略)から出力される信号の一種である。以降の説明を含め、セキュリティ信号をONにするとは、セキュリティ信号の出力を開始すること指し、セキュリティ信号をOFFにするとは、セキュリティ信号の出力を終了すること指す。
【0185】
ステップS411では、RAM103の遊技に係る領域の一部(設定値に係る領域を除く領域)をクリアする。
なお、以降の説明において、特段の説明がない限り、RAMクリア処理とは、ステップS411と同様に、RAM103の遊技に係る領域の一部(設定値に係る領域を除く領域)をクリアすることを指す。
【0186】
ステップS413では、遊技可能状態を設定し、設定確認状態時復帰状態設定処理を終了する。なお、遊技可能状態が設定された場合には、後述する遊技可能状態移行処理が実行された後に遊技可能状態へ移行する。
【0187】
ステップS415では、中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS417に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS413に進む。
【0188】
ステップS417では、設定キースイッチ42がONであるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS419に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS413に進む。
【0189】
ステップS419では、設定確認状態を設定し、設定確認状態時復帰状態設定処理を終了する。
【0190】
このように、復電時に異常がないことを前提とし、直前の電断時の状態が設定確認状態である場合には、設定変更状態、遊技可能状態、及び設定確認状態のいずれかが設定されることとなる。
【0191】
次に、
図14を用いて、遊技可能状態時復帰状態設定処理の詳細を説明する。なお、
図14は、遊技可能状態時復帰状態設定処理のフローを示す図である。
【0192】
最初のステップS501では、RAMクリアスイッチがONであるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS503に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS515に進む。
【0193】
ステップS503では、中枠開扉センサ76がON(中枠が開放状態)であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS505に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS509に進む。
【0194】
ステップS505では、設定キーがONであるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS507に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS509に進む。
【0195】
ステップS507では、復帰状態として設定変更状態を設定し、遊技可能状態時復帰状態設定処理を終了する。
【0196】
ステップS509では、セキュリティ信号をONにする。
【0197】
ステップS511では、RAM103の遊技に係る領域の一部(設定値に係る領域を除く領域)をクリアする。
【0198】
ステップS513では、遊技可能状態を設定し、遊技可能状態時復帰状態設定処理を終了する。なお、遊技可能状態が設定された場合には、後述する遊技可能状態移行処理が実行された後に遊技可能状態へ移行する。
【0199】
ステップS515では、中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS517に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS513に進む。
【0200】
ステップS517では、設定キースイッチ42がONであるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS519に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS513に進む。
【0201】
ステップS519では、設定確認状態を設定し、遊技可能状態時復帰状態設定処理を終了する。
【0202】
このように、復電時に異常がないことを前提とし、直前の電断時の状態が遊技可能状態である場合には、設定変更状態、遊技可能状態、及び設定確認状態のいずれかが設定されることとなる。
【0203】
また、本実施形態では、復電時に異常がなく、且つ直前の電断時の状態が遊技可能状態である場合に実行される復帰状態設定処理(遊技可能状態時復帰状態設定処理)は、復電時に異常がなく、且つ直前の電断時の状態が設定確認状態である場合に実行される復帰状態設定処理(設定確認状態時復帰状態設定処理)と同一の処理となる。
【0204】
以上説明した通り、本実施形態において、設定変更状態及び設定確認状態は、復電時にのみ設定可能である。そのため、遊技制御の安定化を図ることができる。
【0205】
よって、遊技機10において、復電時では、設定確認状態の設定が許可される一方、復電時以外では、設定確認状態の設定が禁止されると換言できる。
【0206】
次に、
図15を用いて、設定変更状態が設定された場合に実行される設定変更処理の詳細を説明する。なお、
図15は、設定変更処理のフローを示す図である。
【0207】
最初のステップS601では、設定値が正常範囲(1〜3)であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS605に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS603に進む。
【0208】
ステップS603では、設定値に1を設定する。
なお、本実施形態では、RAM103に異常がある場合であっても、設定値が正常範囲であれば、当該処理が実行されないが、RAM103に異常がある場合に当該処理を実行するようにしてもよい。
【0209】
ステップS605では、セキュリティ信号をONにする。
【0210】
ステップS607では、設定変更コマンドを送信(メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納)する。
なお、当該コマンドは、メイン表示部81やスピーカ33を用いて設定変更中であることを第1副制御基板200に報知させるためのコマンドである。
【0211】
ステップS609では、現在の設定値を主制御基板モニタ97に表示させる。
【0212】
ステップS611では、RAMクリアスイッチ43がOFFからONになったか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS613に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS615に進む。
なお、当該判定において、設定キースイッチ42がONであるか否かの判定を加え、双方の条件が充足された場合にステップS613に進むようにしてもよい。
【0213】
ステップS613では、設定値を更新する。具体的には、現在の設定値に1を加算し、設定値が3を超える場合には、設定値に1を設定する。
なお、設定値が更新(加算)された場合には、主制御基板モニタ97に表示されている設定値も更新される。
【0214】
ステップS615では、設定キースイッチ42がONからOFFになったか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS617に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS611に戻る。
【0215】
ステップS617では、表示していた設定値を非表示にする。
【0216】
ステップS619では、RAM103の遊技に係る領域の一部(設定値に係る領域を除く領域)をクリアする。
【0217】
ステップS621では、遊技可能状態を設定し、設定変更処理を終了する。なお、遊技可能状態が設定された場合には、後述する遊技可能状態移行処理が実行された後に遊技可能状態へ移行する。
【0218】
このように、本実施形態では、RAMクリアスイッチ43がONとなっている場合(より正確には、RAMクリアスイッチ43がONであり、且つ設定キースイッチがONとなる場合)に設定される設定変更状態において、RAMクリアスイッチ43が操作される(RAMクリアスイッチ43がOFFからONになる)ごとに設定値が変更(加算)されるようにしている。そのため、RAMクリアスイッチ43の故障によって設定値が変更できない場合に設定変更状態自体を設定させないようにすることができる。
【0219】
よって、遊技機10では、設定変更状態において、第二の変位部(RAMクリアスイッチ43の変位部)が第三の位置(OFFとなる位置)から第四の位置(ONとなる位置)に変位するごとに、あらかじめ定められた順序に従って設定値が更新されると換言できる。
【0220】
次に、
図16を用いて、設定確認状態が設定された場合に実行される設定確認処理の詳細を説明する。なお、
図16は、設定確認処理のフローを示す図である。
【0221】
最初のステップS701では、セキュリティ信号をONにする。
【0222】
ステップS703では、設定確認コマンドを送信(メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納)する。
なお、当該コマンドは、メイン表示部81やスピーカ33を用いて設定確認中であることを第1副制御基板200に報知させるためのコマンドである。
【0223】
ステップS705では、現在の設定値を主制御基板モニタ97に表示させる。
【0224】
ステップS707では、設定キースイッチがONからOFFに変化したか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS709に進み、当該条件が充足されなかった場合には再びステップS707の判定を実行する。
【0225】
ステップS709では、設定値を非表示にする。
【0226】
ステップS711では、遊技可能状態を設定し、設定確認処理を終了する。なお、遊技可能状態が設定された場合には、後述する遊技可能状態移行処理が実行された後に遊技可能状態へ移行する。
【0227】
このように、本実施形態では、設定確認状態において、設定キースイッチがONからOFFに変化した場合に当該状態を終了させるようになっており、このようにすることで、設定確認状態が再度設定された場合に、誤って設定確認状態を終了させ難くすることができる。
【0228】
次に、
図17を用いて、遊技可能状態が設定された場合に実行される遊技可能状態移行処理の詳細を説明する。なお、
図17は、遊技可能状態移行処理のフローを示す図である。
【0229】
最初のステップS801では、セキュリティ信号がONであるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS803に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS805に進む。
【0230】
ステップS803では、セキュリティ信号をOFFにする。
なお、本実施形態では、セキュリティ信号をONにしてからの経過時間を考慮せずにセキュリティ信号をOFFにしているが、セキュリティ信号をONにしてから一定時間経過するまでセキュリティ信号をOFFにしないようにしてもよく、この場合には、セキュリティ信号をONにしてから当該時間経過するまで次の処理(ステップS805)を実行しないようにしてもよい。
【0231】
ステップS805では、ベース値を主制御基板モニタ97に表示させる。なお、主制御基板モニタ97におけるベース値の表示態様については、後述する。
【0232】
ステップS807では、デバイスの初期設定を行う。
具体的には、払出制御基板400に遊技球の発射を許可するための発射許可コマンドの送信や、各入賞口への入球が有効となる状態の設定や、乱数回路105を起動させるためのデータの設定等の処理を実行する。
【0233】
ステップS809では、状態復帰コマンドを送信(メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納)し、遊技可能状態移行処理を終了する。
なお、当該コマンドは、主制御基板100によって遊技の進行が可能になったことを第1副制御基板200に知らせるためのコマンドであり、当該コマンドには、直前の電断時の状態、遊技可能状態が設定される前の復帰状態の有無、及び当該復帰状態の種類を特定可能な情報が含まれる。
【0234】
次に、
図18を用いて、主制御基板モニタ97の表示態様について説明する。なお、
図18は、状態別の主制御基板モニタ97の表示態様を示す図である。
図18に示す通り、主制御基板モニタ97は、横方向に連続的に配置された4つの7セグメントディスプレイ(以下、「7セグ」と略称する場合がある)で構成されるとともに、各7セグの右下には、ドット状のLEDが設けられている。なお、各情報を表示する際には、各情報は右詰めで表示される。
【0235】
より具体的には、現在の設定値は、右端の7セグを用いて表示され、遊技停止状態の種別は、右端の7セグ及び右から2番目の7セグを用いて表示される。また、ベース値の表示については、ベース値の表示であることを示す「bL.」を、左端の7セグ、左から2番目の7セグ、及び左から2番目の7セグの右下のドット状のLEDを用いて表示し、導出したベース値を、右端の7セグ及び右から2番目の7セグを用いて表示する。なお、ベース値が100を超える場合には、「bL.99.」と表示する。
また、特段の説明がない限り、本実施形態における「ベース値の表示」とは、ベース値の表示であることを示す表示(「bL.」の表示)及びベース値自体の表示を合わせて表示することを指す。
【0236】
ここで、現在の設定値を特定可能な表示、及び遊技停止状態の種別を特定可能な表示は、互いに異なる態様であれば、本実施形態における態様に限らず、種々の態様を採用してもよい。
また、上述の通り、設定変更状態及び設定確認状態では、主制御基板モニタ97に設定値が表示され、遊技停止状態では、主制御基板モニタ97に遊技停止状態の種別が表示され、各表示が表示される期間は、対応する復帰状態が設定されている期間と一致しているが、対応する復帰状態が設定されている期間の一部で表示されるようにしてもよい。
【0237】
また、上述のベース値に関する説明において説明を省略したが、初回電源投入(RAM103のベース値に係る領域がクリアされた場合を含む)からアウト球数が300となるまで(アウト球数が0〜299の範囲)では、主制御基板モニタ97に「bL.−−」を表示し(ベース値自体を表示せず)、アウト球数が300〜60000の範囲では、主制御基板モニタ97にリアルタイムのベース値を表示し、いずれの範囲においても「bL.」を点滅させる。一方、アウト球数が60001以降の範囲では、上述の通り、手前の区間で導出されたベース値を表示し、当該範囲では、「bL.」を常時点灯させる(点滅させない)。そのため、ベース値の表示が常時点灯しているか否(点滅しているか)か、又はベース値の表示の有無によって、RAM103のベース値に係る領域がクリアされたか否かを認識させることができる。
なお、「bL.」を点滅させる場合には、ベース値の整数部分を示す7セグについても点滅させるようにしてもよいが、当該7セグについては常時点灯させることが好ましい。
また、本実施形態では、点滅の有無で識別可能としているが、例えば、点灯色を変える等、点滅の有無を含む点灯態様の差異で識別可能にする方法であれば、いずれの方法を採用してもよい。
【0238】
また、初回電源投入からの「bL.−−」を表示させる期間を規定するアウト球数の閾値は、300に限らず、ベース値を導出する一区間を規定するアウト球数(本実施形態では、60000)の10%未満の値であれば、いずれの値を採用してもよい。
ベース値を導出する一区間を規定するアウト球数についても、60000に限らず、60000(1分間に100程度の打ち出しスピードで営業日当たりに打ち出される球数(100×60(分)×10(時間))に近しい値であれば、いずれの値を採用してもよい。
【0239】
また、本実施形態では、設定変更状態及び設定確認状態において表示されていた設定値が非表示になった直後に(遊技者が認識できない程度の時間を挟んで)ベース値を表示しているが、設定値を非表示にした後に遊技者が認識できる程度の時間を空けてベース値の表示を開始するようにしてもよい。なお、一度表示されたベース値は、電断が発生するまで表示され続けることとなる。
【0240】
<復帰状態を含む復電時の遊技機10の状態について>
以上の通り、本実施形態における復帰状態を含む復電時の遊技機10の状態は、RAM103に異常があるか否か、直前の電断時の状態、復電時の設定キースイッチ42の態様と復電時のRAMクリアスイッチ43の態様との組み合わせ、及び復電時の中枠開扉センサ76の状態によって決定される。以降の説明では、
図19〜
図22で示す表を用いて、これらの条件と復電時の遊技機10の状態を整理して説明する。
図19は、復電時に異常がある場合(RAM103に異常がある場合、設定値が正常でない場合、直前の電断時の状態が遊技停止状態である場合)の復電時の遊技機10の状態を整理した表であり、
図20は、復電時に異常がなく、且つ直前の電断時の状態が設定変更状態である場合の復電時の遊技機10の状態を整理した表であり、
図21は、復電時に異常がなく、且つ直前の電断時の状態が設定確認状態である場合の復電時の遊技機10の状態を整理した表であり、
図22は、復電時に異常がなく、且つ直前の電断時の状態が遊技可能状態である場合の復電時の遊技機10の状態を整理した表である。
なお、上述のフローでは、RAMクリアスイッチ43の態様、中枠開扉センサ76の状態、設定キースイッチ42の態様の順序で態様及び状態を参照してきたが、後述する表に示す関係性を満たせば、当該順序に限らず、いずれの順序を採用してもよい。
【0241】
図19(a)には、RAM103に異常があり、且つ復電時の中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)である場合(直前の電断時の状態は不問。以下、「場合1」と称する)における復電時の遊技機10の状態が示されている。
具体的に説明すると、場合1において、設定キースイッチ42がOFF、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図19(a)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技停止状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に「E1」が表示される。
同様に、場合1において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図19(a)の右上のパターン)、及び場合1において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図19(a)の左下のパターン)も、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技停止状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に「E1」が表示される。
一方、場合1において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図19(a)の右下のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として設定変更状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示される。なお、この場合に、RAM103のベース値に係る領域に異常があれば、当該領域もクリアされる。
【0242】
よって、遊技機10において、RAM(RAM103)に記憶されている情報に異常があるとRAM異常判定手段(ステップS103)によって判定され、且つ復電時の操作手段の態様が第一の態様(設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がON)である場合(
図19(a)の右下のパターン)には、復電の直前の電断時の状態に関わらず、設定変更状態を設定し、RAMに記憶されている情報に異常があるとRAM異常判定手段によって判定され、且つ復電時の操作手段の態様が第一の態様とは異なる態様である所定の場合(
図19(a)の右下以外のパターン)には、復電の直前の電断時の状態に関わらず、遊技停止状態を設定するものであると換言できる。
このようにすることで、RAM103に異常がある場合に復帰させる操作手段の態様を認識させ、RAM103に異常の虞がある場合の復帰を円滑にすることができる。
【0243】
また、遊技機10において、所定の場合(
図19(a)の右下以外のパターン)には、RAMクリア処理が実行されることなく、遊技停止状態が設定されると換言できる。
このようにすることで、遊技制御の安定化を図ることができる。
【0244】
図19(b)には、RAM103に異常があり、且つ復電時の中枠開扉センサ76がOFF(中枠17が閉鎖状態)である場合(直前の電断時の状態は不問。以下、「場合2」と称する)における復電時の遊技機10の状態が示されている。
具体的に説明すると、場合2において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図19(b)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技停止状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に「E1」が表示される。
同様に、場合2において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図19(b)の右上のパターン)、及び場合2において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図19(b)の左下のパターン)も、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技停止状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に「E1」が表示される。
なお、場合2において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図19(b)の右下のパターン)も同様に、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技停止状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に「E1」が表示される。
【0245】
図20(a)には、復電時に異常がなく(RAM103が正常であり)、直前の電断時の状態が設定変更状態であり、且つ復電時の中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)である場合(以下、「場合3」と称する)における復電時の遊技機10の状態が示されている。
具体的に説明すると、場合3において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図20(a)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技停止状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に「E2」が表示される。
同様に、場合3において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図20(a)の右上のパターン)、及び場合3において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図20(a)の左下のパターン)も、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技停止状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に「E2」が表示される。
一方、場合3において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図20(a)の右下のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として設定変更状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示される。なお、この場合に、RAM103のベース値に係る領域に異常があれば、当該領域もクリアされる。
【0246】
このように、場合3において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図20(a)の右上のパターン)、及び場合3において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図20(a)の左上のパターン)、すなわち、復電時に異常がなく、直前の電断時の状態が遊技可能状態であり、且つ中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)である場合には、復帰状態として遊技停止状態が設定される。そのため、設定変更状態が完了していない状態での遊技可能状態の設定を防止することができる。
【0247】
また、本実施形態では、場合3において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチがOFFである場合(
図20の左下のパターン)には、復帰状態として遊技停止状態が設定される。そのため、不測のタイミングで復電(停電回復等)してRAMクリアスイッチの操作が実質的に困難な場合であっても遊技停止状態を設定することができる。
【0248】
図20(b)には、復電時に異常がなく、直前の電断時の状態が設定変更状態であり、且つ復電時の中枠開扉センサ76がOFF(中枠17が閉鎖状態)である場合(以下、「場合4」と称する)における復電時の遊技機10の状態が示されている。
具体的に説明すると、場合4において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図20(b)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技停止状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に「E2」が表示される。
同様に、場合4において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図20(b)の右上のパターン)、及び場合4において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図20(b)の左下のパターン)も、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技停止状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に「E2」が表示される。
なお、場合4において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図20(b)の右下のパターン)も同様に、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技停止状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に「E2」が表示される。
【0249】
図21(a)には、復電時に異常がなく、直前の電断時の状態が設定確認状態であり、且つ復電時の中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)である場合(以下、「場合5」と称する)における復電時の遊技機10の状態が示されている。
具体的に説明すると、場合5において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図21(a)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合5において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図21(a)の右上のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合5において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチがOFFである場合(
図21(a)の左下のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として設定確認状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示される。
また、場合5において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図21(a)の右下のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として設定変更状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示される。なお、この場合に、RAM103のベース値に係る領域に異常があれば、当該領域もクリアされる。
【0250】
このように、本実施形態では、場合5において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチがONである場合(
図21(a)の右下のパターン)には、復帰状態として設定変更状態が設定される。そのため、設定確認状態から設定変更状態への流れを円滑にすることができる。
【0251】
よって、遊技機10において、復帰状態設定手段(復帰状態設定手段176)は、更に、電断時の状態が設定確認状態であり、且つ電断に対する復電時の操作手段の態様が第一の態様(設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がON)である第五の場合には、設定変更状態を設定するものであると換言できる。
【0252】
また、本実施形態では、場合5において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図21(a)の左下のパターン)には、復帰状態として設定確認状態が設定される。そのため、設定確認状態の再設定を円滑にすることができる。
【0253】
よって、遊技機10において、復帰状態設定手段(復帰状態設定手段176)は、更に、電断時の状態が設定確認状態であり、且つ電断に対する復電時の操作手段の態様が第二の態様(設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチがOFF)である第六の場合には、設定確認状態を設定するものであると換言できる。
【0254】
また、本実施形態では、場合5において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図21(a)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技可能状態が設定されるが、この場合には、第1副制御基板200に、演出ランプ35、スピーカ33、及び演出表示装置80の少なくともいずれか一つを用いたエラー報知を実行するようにしてもよい。このようにすることで、不正な設定確認の発生を抑止することができる。
【0255】
よって、遊技機10において、復帰状態設定手段(復帰状態設定手段176)は、更に、電断時の状態が設定確認状態であり、且つ電断に対する復電時の操作手段の態様が第四の態様(設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFF)である第七の場合には、遊技可能状態を設定するものであり、第七の場合には、RAMクリア処理が実行されることなく、遊技可能状態が設定され、報知制御手段(第1副制御基板200)は、第七の場合において、遊技可能状態が設定された場合には、所定の報知(エラー報知)を実行させると換言できる。
【0256】
また、遊技機10において、電断時の状態が設定確認状態であり、且つ電断に対する復電時の操作手段の態様が第三の態様(設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がON)である第八の場合には、遊技可能状態を設定し、第八の場合には、RAMクリア処理が実行された後に、遊技可能状態が設定されると換言できる。
【0257】
図21(b)には、復電時に異常がなく、直前の電断時の状態が設定確認状態であり、且つ復電時の中枠開扉センサ76がOFF(中枠17が閉鎖状態)である場合(以下、「場合6」と称する)における復電時の遊技機10の状態が示されている。
具体的に説明すると、場合6において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図21(b)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合6において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図21(b)の右上のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合6において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図21(b)の左下のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合6において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図21(b)の右下のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、遊技状態として遊技可能状態が設定される。
【0258】
図22(a)には、復電時に異常がなく、直前の電断時の状態が遊技可能状態であり、且つ復電時の中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)である場合(以下、「場合7」と称する)における復電時の遊技機10の状態が示されている。
場合7において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図22(a)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合7において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図22(a)の右上のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合7において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図22(a)の左下のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として設定確認状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示される。
また、場合7において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図22(a)の右下のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として設定変更状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示される。なお、この場合に、RAM103のベース値に係る領域に異常があれば、当該領域もクリアされる。
【0259】
よって、遊技機10において、復帰状態設定手段(復帰状態設定手段176)は、RAMに記憶されている情報に異常がないとRAM異常判定手段(ステップS103)によって判定され、電断時の状態が遊技可能状態であり、且つ電断に対する復電時の操作手段の態様が第一の態様(設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がON)である第一の場合(
図22(a)の右下のパターン)には、設定変更状態を設定し、RAMに記憶されている情報に異常がないとRAM異常判定手段によって判定され、電断時の状態が遊技可能状態であり、且つ電断に対する復電時の操作手段の態様が第二の態様(設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFF)である第二の場合(
図22(a)の左下のパターン)には、設定確認状態を設定し、RAMに記憶されている情報に異常がないとRAM異常判定手段によって判定され、電断時の状態が遊技可能状態であり、且つ電断に対する復電時の操作手段の態様が第三の態様(設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がON)である第三の場合(
図22(a)の右上のパターン)には、遊技可能状態を設定し、RAMに記憶されている情報に異常がないとRAM異常判定手段によって判定され、電断時の状態が遊技可能状態であり、且つ電断に対する復電時の操作手段の態様が第四の態様(設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFF)である第四の場合(
図22(a)の左上のパターン)には、遊技可能状態を設定するものであり、第三の場合には、RAMクリア処理が実行された後に、遊技可能状態が設定される一方、第四の場合には、RAMクリア処理が実行されることなく、遊技可能状態が設定されると換言できる。
このようにすることで、復電時の操作手段の態様に応じて復電時の復帰状態を選択可能にし、当該選択をスムーズにすることができる。
【0260】
また、場合7を含めたすべての場合において、復電時の設定キースイッチ42の態様と復電時のRAMクリアスイッチ43の態様の組合せに対応する復帰状態は、本実施形態の対応関係に限定されないが、本実施形態のように、RAMクリアスイッチ43がONであることを少なくとも含む組合せに対して、RAMクリア処理が実行される復帰状態を対応させることで、誤ったRAMクリア処理の発生を抑えることができる。
【0261】
よって、遊技機10において、第一の態様(設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がON)及び第三の態様(設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がON)のそれぞれは、第二の変位部(RAMクリアスイッチ43の変位部)が第四の位置(ONとなる位置)であることを少なくとも含む組合せで特定されるものであると換言できる。
【0262】
同様に、本実施形態のように、設定キースイッチ42がONであることを少なくとも含む組合せに対して、設定確認処理を対応させるようにしてもよい。
【0263】
図22(b)には、復電時に異常がなく、直前の電断時の状態が遊技可能状態であり、且つ復電時の中枠開扉センサ76がOFF(中枠17が閉鎖状態)である場合(以下、「場合8」と称する)における復電時の遊技機10の状態が示されている。
場合8において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図22(b)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合8において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図22(b)の右上のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合8において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図22(b)の左下のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合8において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図22(b)の右下のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
【0264】
このように、本実施形態では、復電時に異常がなく、且つ直前の電断時の状態が遊技可能状態である場合には、中枠開扉センサ76の状態(中枠17の開閉状態)に応じて設定される復帰状態が異なる。
特に、場合8において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合において、中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)である場合には、設定変更状態を設定する一方、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合において、中枠開扉センサ76がOFF(中枠17が閉鎖状態)である場合には、遊技可能状態を設定する。さらに、場合8において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合には、中枠開扉センサ76の状態(中枠17の開閉状態)に関わらず、遊技可能状態を設定する。
このようにすることで、適切でない設定変更状態の設定を禁止する一方、適切でないRAMクリア処理は許容することで、不正な設定変更を防ぎつつも、RAMクリア処理の操作性を高めることができる。
【0265】
よって、遊技機10において、復帰状態設定手段(復帰状態設定手段176)は、更に、第一の場合であり、且つ復電時に開閉体(中枠17)が開放されている場合(
図22(a)の右下のパターン)には、設定変更状態を設定する一方、第一の場合であり、且つ復電時に開閉体が閉鎖されている場合(
図22(b)の右下のパターン)には、遊技可能状態を設定し、第三の場合(
図22(a)の右上のパターン、
図22(b)の右上のパターン)には、復電時に開閉体が開放されているか否かに関わらず、遊技可能状態を設定するものであると換言できる。
【0266】
また、場合8において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合において、中枠開扉センサ76がOFF(中枠17が閉鎖状態)である場合には、RAMクリア処理が実行される。
このようにすることで、不正な設定変更が試みられた虞がある場合に有利な状態を維持しないようにすることができる。
【0267】
よって、遊技機10において、第一の場合であり、且つ復電時に開閉体(中枠17)が閉鎖されている場合(
図22(b)の右下のパターン)には、RAMクリア処理が実行された後に、遊技可能状態が設定されると換言できる。
【0268】
<変形例1>
次に、
図23を用いて、上述の場合3(復電時に異常がなく、直前の電断時の状態が設定変更状態であり、且つ復電時の中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)である場合)、及び上述の場合4(復電時に異常がなく、直前の電断時の状態が設定変更状態であり、且つ復電時の中枠開扉センサ76がOFF(中枠17が閉鎖状態)である場合)のそれぞれにおける復電時の遊技機10の状態の変形例を説明する。
なお、
図23は、復電時に異常がなく、且つ直前の電断時の状態が設定変更状態である場合の復電時の遊技機10の状態の変形例を整理した表である。
【0269】
図23(a)には、場合3における復電時の遊技機10の状態の変形例が示されている。
具体的に説明すると、場合3において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図23(a)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として設定変更状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示される。
同様に、場合3において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図23(a)の右上のパターン)、場合3において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図23(a)の左下のパターン)、及び場合3において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図23(a)の右下のパターン)も、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として設定変更状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示される。
なお、
図23(a)に示すパターンのいずれにおいても、RAM103のベース値に係る領域に異常があれば、当該領域もクリアされる。
【0270】
このように、場合3において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図23(a)の左上のパターン)、及び場合3において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図23(a)の右上のパターン)には、復帰状態として設定変更状態が設定される。そのため、設定変更状態が完了していない状態での遊技可能状態の設定を防止することができる。
【0271】
また、変形例1では、場合3において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチがOFFである場合(
図23の左下のパターン)には、復帰状態として設定変更状態が設定される。そのため、不測のタイミングで復電(停電回復等)してRAMクリアスイッチの操作が実質的に困難な場合であっても設定変更状態を設定することができる。
【0272】
図23(b)には、
図23(a)に対応する復電時の遊技機10の状態が示されている。
具体的に説明すると、場合4において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図23(b)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技停止状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に「E2」が表示される。
同様に、場合4において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図23(b)の右上のパターン)、場合4において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図23(b)の左下のパターン)、及び場合4において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図23(b)の右下のパターン)も、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技停止状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に「E2」が表示される。
このように、
図23(b)に示す復電時の遊技機10の状態は、
図20(b)に示す復電時の遊技機10の状態と同一となる。
【0273】
<変形例2>
次に、
図24を用いて、上述の場合5(復電時に異常がなく、直前の電断時の状態が設定確認状態であり、且つ復電時の中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)である場合)、及び上述の場合6(復電時に異常がなく、直前の電断時の状態が設定確認状態であり、且つ復電時の中枠開扉センサ76がOFF(中枠17が閉鎖状態)である場合)のそれぞれにおける復電時の遊技機10の状態の変形例を説明する。
なお、
図24は、復電時に異常がなく、且つ直前の電断時の状態が設定確認状態である場合の復電時の遊技機10の状態の変形例を整理した表である。
【0274】
図24(a)には、場合5における復電時の遊技機10の状態の変形例が示されている。
具体的に説明すると、場合5において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図24(a)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として設定確認状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示される。
また、場合5において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図24(a)の右上のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合5において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチがOFFである場合(
図24(a)の左下のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として設定確認状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示される。
また、場合5において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図24(a)の右下のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として設定変更状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示される。なお、この場合に、RAM103のベース値に係る領域に異常があれば、当該領域もクリアされる。
【0275】
このように、変形例2では、場合5において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチがOFFである場合(
図24(a)の左上のパターン)には、復帰状態として遊技可能状態とは異なる復帰状態(設定確認状態に限らず、遊技停止状態等、遊技可能状態とは異なる復帰状態であればよい)が設定される。そのため、設定確認状態が完了していない状態での遊技可能状態の設定を防止することができる。
【0276】
特に、変形例2では、場合5において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチがOFFである場合(
図24(a)の左上のパターン)には、復帰状態として設定確認状態が設定される。そのため、設定確認状態の再設定を円滑にすることができる。
【0277】
また、変形例2では、場合5において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチがOFFである場合(
図24(a)の左下のパターン)には、復帰状態として設定確認状態が設定される。そのため、設定確認状態の再設定を円滑にすることができる。
【0278】
図24(b)には、
図23(a)に対応する復電時の遊技機10の状態が示されている。
具体的に説明すると、場合6において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図24(b)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合6において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合には、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合6において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合6において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合には、RAMクリア処理が実行され、遊技状態として遊技可能状態が設定される。
このように、
図24(b)に示す復電時の遊技機10の状態は、
図21(b)に示す復電時の遊技機10の状態と同一となる。
【0279】
<他の変形例>
以上の説明で記載されていない変形例について、以下に列挙する。
まず、上述の本実施形態及び変形例では、復電時のRAMクリアスイッチ43の態様を参照して復電時の復帰状態を決定しているが、復電時からのRAMクリアスイッチ43の連続操作時間が規定時間(例えば、3s)を超えるか否かを参照するようにしもよい。このようにすれば、誤ったRAMクリア処理の発生をより抑えることができる。
【0280】
また、上述の本実施形態及び変形例では、復電時の復帰状態を決定するにあたり、中枠開扉センサ76の状態(中枠17の開閉状態)を参照していたが、当該状態を参照せずに復帰状態を設定するようにしてもよい。この場合には、一律に、中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)の場合に従って復電時の復帰状態を設定すればよい。
【0281】
また、主制御基板モニタ97に表示する遊技機の性能に関する表示としては、上述のベース値に限らず、いわゆる「役物比率」や「役物連続比率」等の遊技機の性能(設計値)を評価するための指標であれば、いずれの指標を採用してもよい。
【0282】
以上で説明した本発明は、上述の説明に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0283】
<付記>
本実施形態は、次のような技術思想を包含する。
(1)
遊技球を発射し、発射された遊技球が入賞口に入球することで該入賞口に対応する数の賞球を付与し、複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定され、設定された該設定値に応じて賞球の付与に関する有利度が異なる遊技機であって、
操作手段と、
復電後の復帰状態を設定する復帰状態設定手段と、
遊技に関する情報が記憶されるRAMと、
復電時に前記RAMに記憶されている情報に異常があるか否かを判定するRAM異常判定手段と、を備え、
前記復帰状態設定手段は、
前記復帰状態として、前記設定値の変更が可能な設定変更状態、前記設定値の確認が可能な設定確認状態、遊技の進行が可能な遊技可能状態、及び遊技の進行が不可能な遊技停止状態を設定可能なものであって、
前記RAMに記憶されている情報に異常がないと前記RAM異常判定手段によって判定され、電断時の状態が前記遊技可能状態であり、且つ該電断に対する復電時の前記操作手段の態様が第一の態様である第一の場合には、前記設定変更状態を設定し、
前記RAMに記憶されている情報に異常がないと前記RAM異常判定手段によって判定され、電断時の状態が前記遊技可能状態であり、且つ該電断に対する復電時の前記操作手段の態様が第二の態様である第二の場合には、前記設定確認状態を設定し、
前記RAMに記憶されている情報に異常がないと前記RAM異常判定手段によって判定され、電断時の状態が前記遊技可能状態であり、且つ該電断に対する復電時の前記操作手段の態様が第三の態様である第三の場合には、前記遊技可能状態を設定し、
前記RAMに記憶されている情報に異常がないと前記RAM異常判定手段によって判定され、電断時の状態が前記遊技可能状態であり、且つ該電断に対する復電時の前記操作手段の態様が第四の態様である第四の場合には、前記遊技可能状態を設定するものであり、
前記第三の場合には、RAMクリア処理が実行された後に、前記遊技可能状態が設定される一方、
前記第四の場合には、前記RAMクリア処理が実行されることなく、前記遊技可能状態が設定され、
前記復帰状態設定手段は、更に、
電断時の状態が前記設定確認状態であり、且つ該電断に対する復電時の前記操作手段の態様が前記第一の態様である第五の場合には、前記設定変更状態を設定し、
前記RAMに記憶されている情報に異常があると前記RAM異常判定手段によって判定され、且つ復電時の前記操作手段の態様が前記第一の態様である場合には、該復電の直前の電断時の状態に関わらず、前記設定変更状態を設定し、
前記RAMに記憶されている情報に異常があると前記RAM異常判定手段によって判定され、且つ復電時の前記操作手段の態様が前記第一の態様とは異なる態様である所定の場合には、該復電の直前の電断時の状態に関わらず、前記遊技停止状態を設定するものであることを特徴とする遊技機。
(2)
上記(1)に記載の遊技機であって、
前記所定の場合には、前記RAMクリア処理が実行されることなく、前記遊技停止状態が設定されることを特徴とする遊技機。
(3)
上記(1)又は上記(2)に記載の遊技機であって、
前記復帰状態設定手段は、更に、
電断時の状態が前記設定確認状態であり、且つ該電断に対する復電時の前記操作手段の態様が前記第二の態様である第六の場合には、前記設定確認状態を設定するものであることを特徴とする遊技機。
(4)
上記(1)乃至上記(3)のいずれか一つに記載の遊技機であって、
報知手段と、
前記報知手段を制御する報知制御手段と、を備え、
前記復帰状態設定手段は、更に、
電断時の状態が前記設定確認状態であり、且つ該電断に対する復電時の前記操作手段の態様が前記第四の態様である第七の場合には、前記遊技可能状態を設定するものであり、
前記第七の場合には、前記RAMクリア処理が実行されることなく、前記遊技可能状態が設定され、
前記報知制御手段は、
前記第七の場合において、前記遊技可能状態が設定された場合には、所定の報知を実行させることを特徴とする遊技機。
(5)
上記(1)乃至上記(4)のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記操作手段は、
第一の操作手段及び第二の操作手段で構成されるものであり、
前記第一の操作手段は、
第一の位置及び第二の位置のうちの一方の位置から他方の位置へ変位可能である第一の変位部を備え、
前記第一の位置及び前記第二の位置のそれぞれの位置において、外力を要することなく前記第一の変位部を保持するものであり、
前記第二の操作手段は、
第三の位置及び第四の位置のうちの一方の位置から他方の位置へ変位可能な第二の変位部を備え、
前記第二の変位部を第三の位置に付勢して保持するものであり、
前記第一の態様、前記第二の態様、前記第三の態様、及び前記第四の態様のそれぞれは、
前記第一の変位部の位置と前記第二の変位部の位置との組み合わせで特定されるものであり、
前記第一の態様及び前記第三の態様のそれぞれは、
前記第二の変位部が前記第四の位置であることを少なくとも含む組合せで特定されるものであることを特徴とする遊技機。
(6)
上記(5)に記載の遊技機であって、
前記設定変更状態において、前記第二の変位部が前記第三の位置から前記第四の位置に変位するごとに、あらかじめ定められた順序に従って前記設定値が更新されることを特徴とする遊技機。
(7)
上記(1)乃至上記(6)のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前面に遊技盤が配設され、開閉可能に構成された開閉体を備え、
前記操作手段は、
前記遊技盤の背面側に配設されたものであり、
前記復帰状態設定手段は、更に、
前記第一の場合であり、且つ復電時に前記開閉体が開放されている場合には、前記設定変更状態を設定する一方、
前記第一の場合であり、且つ復電時に前記開閉体が閉鎖されている場合には、前記遊技可能状態を設定し、
前記第三の場合には、復電時に前記開閉体が開放されているか否かに関わらず、前記遊技可能状態を設定するものであることを特徴とする遊技機。
(8)
上記(7)に記載の遊技機であって、
前記第一の場合であり、且つ復電時に前記開閉体が閉鎖されている場合には、前記RAMクリア処理が実行された後に、前記遊技可能状態が設定されることを特徴とする遊技機。