(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871858
(24)【登録日】2021年4月20日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】抗体薬物コンジュゲート
(51)【国際特許分類】
C07K 5/062 20060101AFI20210510BHJP
C07K 16/00 20060101ALI20210510BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20210510BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20210510BHJP
A61K 38/05 20060101ALI20210510BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20210510BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20210510BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
C07K5/062
C07K16/00
C07K19/00
A61K47/68
A61K38/05
A61K39/395 L
A61K39/395 Y
A61P35/00
A61P43/00 111
【請求項の数】9
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2017-540224(P2017-540224)
(86)(22)【出願日】2016年1月28日
(65)【公表番号】特表2018-512376(P2018-512376A)
(43)【公表日】2018年5月17日
(86)【国際出願番号】US2016015482
(87)【国際公開番号】WO2016123412
(87)【国際公開日】20160804
【審査請求日】2019年1月25日
(31)【優先権主張番号】62/108,894
(32)【優先日】2015年1月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514291864
【氏名又は名称】ソレント・セラピューティクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Sorrento Therapeutics, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジェンウェイ・ミャオ
(72)【発明者】
【氏名】ガン・チェン
(72)【発明者】
【氏名】トン・ジュウ
(72)【発明者】
【氏名】アリシャー・ビー・ハサノフ
(72)【発明者】
【氏名】ディラン・デン
(72)【発明者】
【氏名】ホン・ジャン
【審査官】
松浦 安紀子
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/173391(WO,A1)
【文献】
国際公開第2014/107024(WO,A1)
【文献】
特表2007−514652(JP,A)
【文献】
特表2006−500333(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/173392(WO,A1)
【文献】
国際公開第2013/173393(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 5/062
A61K 38/05
A61K 39/395
A61K 47/68
A61P 35/00
A61P 43/00
C07K 16/00
C07K 19/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IV:
【化1】
〔式中、
YはOHまたはNH
2であり、
R
4はOH、NH
2、F、Cl、Br、IまたはOR
5であり、ここで、R
5はC1〜C4アルキルである;または
R
4は存在しない〕
を含む化合物
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
式I:
【化2】
〔式中、
Abはモノクローナル抗体であり、
L
1はコネクターであり、
L
1−L
2は、
【化3】
から選択され;
L
2はアミノ酸、ペプチド、−(CH
2)
n−、−(CH
2CH
2O)
n−、−(C=O)、−Val−Cit−、−Val−Ala−、−Ala−Ala−Asn−、−Ala−Val−Asn−、−(C=O)CH
2CH
2(C=O)−、−(C=O)CH
2CH
2O)−、−(CH
2CH
2O)
n−CH
2CH
2NH−、−(C=O)−CH
2−、
【化4】
およびそれらの組合せから選択されるリンカーであり;
Dは式II
:
【化5】
(式中、
YはOまたはNHであり、
XはCH
2N
3である)
の構造を有する活性物質であり、
nは1〜8の整数である〕
を含む抗体薬物コンジュゲート(ADC)またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
下記
:
【化6】
【化7】
およびそれらの薬学的に許容される塩から
なる群より選択され
る抗体薬物コンジュゲート(ADC)。
【請求項4】
YがOHである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
YがNH2である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
式I:
【化2A】
〔式中、
Abはモノクローナル抗体であり、
L1はコネクターであり、
L1−L2は、
【化3A】
から選択され;
L
2が、
−(C=O)−、−CH
2(C=O)−、−Cit−Val−(C=O)CH
2CH
2(C=O)−、Asn−Ala−Ala−(C=O)CH
2CH
2(C=O)、−Asn−Val−Ala−(C=O)CH
2CH
2(C=O)−、−Cit−Val−(C=O)CH
2CH
2OCH
2CH
2OCH
2CH
2−、−Cit−Val−(C=O)CH
2CH
2OCH
2CH
2OCH
2CH
2NH−、−Asn−Ala−Ala−(C=O)CH
2CH
2O(CH
2CH
2O)
nCH
2CH
2NH(C=O)−、
【化8】
から選択され
;
Dは式II:
【化5A】
(式中、
YはOまたはNHであり、
XはCH2N3である)
の構造を有する活性物質であり、
nは1〜8の整数である〕
を含む、抗体薬物コンジュゲート(ADC)
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
YがNHである、請求項2に記載の抗体薬物コンジュゲート(ADC)またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
YがOである、請求項2に記載の抗体薬物コンジュゲート(ADC)またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
式I:
【化2B】
〔式中、
Abはモノクローナル抗体であり、
Abと一体となった−L
1−L
2が、
【化9】
から選択され
;
L2はアミノ酸、ペプチド、−(CH2)n−、−(CH2CH2O)n−、−(C=O)、−Val−Cit−、−Val−Ala−、−Ala−Ala−Asn−、−Ala−Val−Asn−、−(C=O)CH2CH2(C=O)−、−(C=O)CH2CH2O)−、−(CH2CH2O)n−CH2CH2NH−、−(C=O)−CH2−、
【化4B】
およびそれらの組合せから選択されるリンカーであり;
Dは式II:
【化5B】
(式中、
YはOまたはNHであり、
XはCH2N3である)
の構造を有する活性物質であり、
nは1〜8の整数である〕
を含む、抗体薬物コンジュゲート(ADC)
またはその薬学的に許容される塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薬物成分として式IIのドラスタチン誘導体部分を含む抗体薬物コンジュゲート(式I)を提供する。
【背景技術】
【0002】
天然物であるドラスタチン10、ならびにその合成誘導体であるモノメチルオーリスタチンE(MMAE)およびモノメチルオーリスタチンF(MMAF)のようなドラスタチン類は、強力な抗腫瘍特性およびチューブリン阻害特性を示す製品である。治療薬としてのドラスタチン類の直接的な使用は、それらの高い毒性のため有効ではなかった。その代わりに、それらはがん細胞を死滅させるための標的送達のために、抗体に接合された。
【化1】
【発明の概要】
【0003】
本発明は、式IV:
【化2】
〔式中、
YはOHまたはNH
2であり、
R
4はOH、NH
2、F、Cl、Br、I、OR
5であり、ここで、R
5はC1〜C4アルキルである〕
のドラスタチン誘導体部分を含む化合物を提供する。
【0004】
本発明はさらに式I:
【化3】
〔式中、
Abはモノクローナル抗体であり、
L
1はコネクターであり、
L
2はリンカーであり、
Dは式II
【化4】
(式中、
YはOまたはNHであり、波線は結合点を示し、
Xは−CH
2N
3または
【化5】
であり、ここで、RはC1〜C8アルキル、C3〜C6環状アルキル、アリールまたはヘテロアリールである)
の構造を有する活性物質であり、
nは1〜8の整数である〕
の構造を有する抗体薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0005】
好ましくは、L
2はアミノ酸、ペプチド、−(CH
2)
n−、−(CH
2CH
2O)
n−、p−アミノベンジル(PAB)、Val−Cit(シトルリン)−PAB、Val−Ala−PAB、Ala−Ala−Asn−PABまたはそれらの組合せから成る群から選択される。好ましくは、−L
1−L
2は
【化6】
から成る群から選択される。好ましくは、Ab−L
1−L
2は
【化7】
から成る群から選択される。
【0006】
本発明はさらに、式I:
【化8】
〔式中、
Abはモノクローナル抗体であり、
L
1はコネクターであり、
L
2はリンカーであり、
Dは式II:
【化9】
(式中、
YはOまたはNHであり、波線は結合点を示し、
Xは−CH
2N
3または
【化10】
であり、ここで、RはC1〜C8アルキル、C3〜C6環状アルキル、アリールまたはヘテロアリールである)
の構造を有する活性物質であり、
nは1〜8の整数である〕
の構造を有する抗体薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩を合成する方法であって、抗体上のLysと式III
【化11】
〔式中、
Gは−F、−Cl、−Br、−I、−N
3、−OR、SR、−ONRR、RC(=O)O−およびRSO
2−O−から成る群から選択され;そして
Rは場合により置換されていてよいアルキルまたは場合により置換されていてよいアリールであり、
m=0または1である〕
を反応させることを含む、方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は静脈内投与によりBALB/cヌードマウス(n=8)に投与されたコンジュゲート16の単回投与を示す。
【
図2】
図2は静脈内投与によりBALB/cヌードマウス(n=8)に投与されたコンジュゲート16の単回投与を示す。
【
図4A】
図4Aは腫瘍細胞株群におけるADC−23(抗Her2抗体)のインビトロ内活性を示す。
【
図4B】
図4Bは腫瘍細胞株群におけるADC−16(抗Her2抗体)のインビトロ活性を示す。
【
図5】
図5は種々の異種移植腫瘍モデルにおけるADC−65、ADC−23およびADC−19のインビボ有効性を示す。
【
図6A-6B】
図6Aおよび6Bは、静脈内投与によりBALB/cヌードマウス(n=8)に投与されたコンジュゲート16および19の単回投与を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
本発明は、ペプチドに基づくリンカー部分が、そのC末端に、制御された様式で抗体上のCysまたはLysのいずれか一方と反応する結合点を有する、ADC(抗体薬物コンジュゲート)のような化合物およびコンジュゲートを提供する。Lys接合については、例えば、DAR(薬物抗体比)は2である。Cys上で接合が起こるとき、大部分のコンジュゲートのDAR(薬物抗体比)は4である。
【0012】
定義
略語は以下のように定義する。
【表4】
【表5】
【0013】
一般的合成方法−酸からの活性エステル(例えばNHS)の形成
酸をDCM(塩化メチレン)に溶解し、必要ならば、溶解を助けるためにDMF(N,N’−ジメチルホルムアミド)を添加した。N−ヒドロキシスクシンイミド(1.5当量)を添加し、その後EDC.HCl(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)(1.5当量)を添加した。酸の大部分が消費されるまで、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応の進行をRP−HPLCにより観察した。混合物をその後DCMで希釈し、クエン酸(10%水溶液)および飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を乾燥させ、濃縮乾固した。粗生成物を任意に、RP−HPLCまたはシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【実施例1】
【0014】
化合物1の調製
【化12】
粗製の化合物47(0.1mmol)のTHF(3mL)溶液に、ピペリジン4−カルボン酸(60mg)の飽和NaHCO
3水溶液(1mL)を添加した。混合物を室温で30分間撹拌し、その後1N HCl水溶液でpH=4〜5まで酸性化した。反応混合物を濃縮し、残渣を逆相HPLCにより精製し、凍結乾燥後、化合物1(68mg)を白色粉末として得た。MS m/z 1020.7(M+H)。
【実施例2】
【0015】
化合物2の調製
【化13】
化合物52(185mg、0.2mmol)をDCM/DMF(5/1、v/v、5mL)に溶解した。EDC.HCl(0.5mmol)およびHOSu(0.3mmol)を添加した。混合物を室温で30分間撹拌した。全ての化合物52が消費されたことをHPLC分析で確認した。反応物をDCM(50mL)で希釈し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を1mLまで濃縮し、アセトニトリル/水(6/4、v/v、3mL)で希釈した。ピロリジン3−カルボン酸(60mg)の飽和NaHCO
3水溶液(1mL)を添加し、混合物を室温で10分間撹拌した。反応液をHOAcで酸性化し、濃縮した。粗生成物をRP−HPLCにより精製し、化合物2(138mg、68%)を得た。MS m/z 1026.6(M+H)。
【実施例3】
【0016】
化合物4の調製
【化14】
化合物38の調製:
化合物37(261mg、0.52mmol)のDMF(6mL)溶液に、HATU(217mg、0.57mmol)、DIEA(362μL、2.08mmol)およびアミン36(213mg、0.52mmol)を添加した。混合物を30分間撹拌し、その後ピペリジン400μLを添加し、10分間撹拌した。混合物を蒸発させ、HPLCにより精製し、化合物38(171mg、60%)を得た。MS m/z 548.3(M+H)。
【0017】
化合物40の調製:
化合物39(37mg、0.15mmol)のDMF(4mL)溶液に、HATU(59mg、0.15mmol)、DIEA(108μL、0.6mmol)およびアミン38(102mg、0.15mmol)を添加した。混合物を30分間撹拌し、その後蒸発乾固させた。残渣を2mLのDCMに溶解させ、その後1mLのTFAを添加し、10分間撹拌した。混合物を蒸発させ、HPLCにより精製し、化合物40(94mg、78%)を得た。MS m/z 673.4(M+H)。
【0018】
化合物4の調製:
化合物41(85mg、0.12mmol)のDMF(2mL)溶液に、HATU(48mg、0.12mmol)、DIEA(83μL、0.48mmol)およびアミン40(94mg、0.12mmol)を添加した。混合物を30分間撹拌し、その後NaOH(90mg)の水溶液(1mL)を添加し、30分間撹拌した。混合物をHPLCにより精製し、化合物4(86mg、58%)を得た。MS m/z 1239.7(M+H)。
【実施例4】
【0019】
化合物6の調製
【化15】
化合物46の調製:
化合物41(1000mg、1.67mmol)のDMF(20mL)溶液に、HATU(640mg、1.68mmol)、DIEA(870μL、5.00mmol)およびアミン45(535mg、1.67mmol)を添加した。混合物を30分間撹拌し、その後蒸発させ、HPLCにより精製し、化合物46(1140mg、70%)を得た。MS m/z 865.5(M+H)。
【0020】
化合物47の調製:
化合物46(500mg、0.57mmol)のDMA(10mL)溶液に、ビス(p−ニトロフェニル)カーボネート(210mg、0.69mmol)およびDIEA(35μL、0.2mmol)を添加した。混合物を18時間撹拌し、その後100mLのエーテルを添加し、析出物をろ過により回収し、化合物47(500mg、85%)を得た。MS m/z 1030.6(M+H)。
【0021】
化合物49の調製:
化合物47(125mg、0.12mmol)のDMF(4mL)溶液に、HOBt(7mg、0.05mmol)、DIEA(21μL、0.12mmol)およびアミン48(40mg、0.12mmol)を添加した。混合物を16時間撹拌し、その後200μLのピペリジンを添加し、10分間撹拌した。混合物を蒸発させ、HPLCにより精製し、化合物49(72mg、60%)を得た。MS m/z 1005.6(M+H)。
【0022】
化合物6の調製:
化合物49(30mg、0.027mmol)のDCM(2mL)溶液に、DIEA(15μL、0.086mmol)、DIEA(50μL、0.288mmol)および無水物50(19mg、0.027mmol)を添加した。混合物を30分間撹拌し、その後蒸発させ、HPLCにより精製し、化合物6(32mg、88%)を得た。MS m/z 1347.5(M+H)。
【実施例5】
【0023】
化合物7の調製。
【化16】
化合物6の合成について記載したように、化合物7は化合物49(0.1mmol)と無水物63(0.1mmol)から合成した。収率79%。MS m/z 1296.8(M+H)。
【実施例6】
【0024】
化合物8の調製。
【化17】
化合物47(0.1mmol)のTHF(3mL)溶液に、化合物64(0.15mmol、67mg)のアセトニトリル/水(1/1、v/v、1mL)溶液を添加し、その後DIEA(50μL)を添加した。30分後、反応物を酸性化および濃縮した。残渣を逆相HPLCにより精製し、化合物8(87mg)を白色固体として得た。MS m/z 1243.6[M+H]
+。
【実施例7】
【0025】
化合物9の調製。
【化18】
化合物52の調製:
化合物46(120mg、0.12mmol)のDMF(3mL)溶液に、K
2CO
3(118mg、0.85mmol)およびブロモアセテート51(35mg、0.18mmol)を添加した。混合物を16時間撹拌し、その後蒸発させた。残渣を2mLのDCMに溶解させ、ろ過し、2mLのTFAを添加した。20分後、混合物を蒸発させ、HPLCにより精製し、化合物52(92mg、83%)を得た。MS m/z 923.5(M+H)。
【0026】
化合物53の調製:
化合物52(92mg、0.1mmol)のDMF(2mL)溶液に、HATU(38mg、0.1mmol)、DIEA(70μL、0.4mmol)およびboc−ヒドラジン(15mg、0.12mmol)を添加した。混合物を30分間撹拌し、その後蒸発乾固させた。残渣を2mLのDCMに溶解し、1mLのTFAを添加し、10分間撹拌した。混合物を蒸発させ、HPLCにより精製し、化合物53(82mg、78%)を得た。MS m/z 937.5(M+H)。
【0027】
化合物9の調製:
化合物54(53mg、0.156mmol)のDCM(2mL)溶液に、DIC(10mg、0.078mmol)を添加し、10分間撹拌した。その後DIEA(54μL、0.312mmol)およびアミン53(82mg、0.078mmol)を添加し、混合物を15分間撹拌した。混合物を蒸発させ、HPLCにより精製し、化合物9(62mg、63%)を得た。MS m/z 1260.5(M+H)。
【実施例8】
【0028】
化合物13の調製
【化19】
化合物37(130mg、0.26mmol)のDMF(3mL)溶液に、HATU(110mg、0.29mmol)、DIEA(175μL、1mmol)およびアミン36(110mg、0.27mmol)を添加した。混合物を30分間撹拌し、その後濃縮乾固した。残渣をその後TFA/DCM(1/4、v/v、5mL)で30分間撹拌した。混合物を蒸発させ、HPLCにより精製し、化合物66(108mg、65%)を得た。MS m/z 670.5(M+H)。
【0029】
化合物41(85mg、0.12mmol)のDMF(2mL)溶液にHATU(48mg、0.12mmol)、DIEA(83μL、0.48mmol)およびアミン66(94mg、0.12mmol)を添加した。混合物を30分間撹拌し、その後ピペリジン(0.2mL)を添加し、30分間撹拌した。混合物を濃縮し、HPLCにより精製し、化合物67(87mg、63%)を得た。MS m/z 1028.7(M+H)。
【0030】
化合物67(57mg、0.05mmol)および酸68(22mg)のDCM/DMF(3/1、v/v、4mL)溶液に、PyBrOP(0.055mmol)およびDIEA(35μL)を添加した。混合物を室温で30分間撹拌し、その後約2mLまで濃縮した。残渣を逆相HPLCにより精製し、化合物13(41mg)を得た。MS m/z 1425.7(M+H)。
【実施例9】
【0031】
本実施例は特定の細胞においてインビトロで測定した、指定した薬物接合抗体のEC50アッセイの結果を提供する。
【表6】
【実施例10】
【0032】
本実施例は、N87皮下異種移植モデルにおけるADC16(抗Her2抗体コンジュゲート)のインビボ有効性を示す。
図1は静脈内投与によりBALB/cヌードマウスに投与されたコンジュゲート16の単回投与を示す。各群にマウスが8匹存在し、合計6群のマウスを試験した:3群は種々の用量でT−DM1(トラスツズマブ−DM1コンジュゲート)を注射され;2群は種々の用量でADC16コンジュゲートを注射され;そして1群は溶媒対照群であった。全ての薬物は同一の方法(単回投与)で投与した。ADC−16静脈注射の単回投与は、1mg/kgまたは3mg/kgで、それぞれ3mg/kgまたは10mg/kgでのT−DM1より優れた。3mg/kgのADC−16は100日まで腫瘍増殖を完全に阻害した。
【実施例11】
【0033】
本実施例は、N87皮下異種移植モデルにおけるADC16(抗Her2抗体コンジュゲート)のインビボ安全性を示す。
図2は静脈内投与によりBALB/cヌードマウスに投与されたコンジュゲート16の単回投与を示す。各群にマウスが8匹存在し、合計7群のマウスを試験した:3群は種々の用量でT−DM1(トラスツズマブ−DM1コンジュゲート)を注射され;3群は種々の用量でADC16コンジュゲートを注射され;そして1群は溶媒対照群であった。全ての薬物は同一の方法(単回投与)で投与した。ADC−16静脈注射の単回投与は、1mg/kg、3mg/kgまたは10mg/kgで体重増加を遅らせなかった。T−DM1群とADC−16群の体重差は、腫瘍重量の違いによるものであった。
図3は処置後35日のマウスの写真を示す。
【実施例12】
【0034】
本実施例(
図4A)は、ADC−23が乳がん細胞株において、MMAEコンジュゲートと比較して、同等またはより強い抗増殖活性を誘導することを示す。これらの試験において、細胞を全てADC−23またはMMAEのいずれか一方で3日間処理した。IC50を細胞増殖の50%阻害を示す濃度として決定する。
【実施例13】
【0035】
本実施例(
図4B)は、ADC−16が乳がん細胞株において、MMAEコンジュゲートと比較して、同等またはより強い抗増殖活性を誘導することを示す。上記試験において、細胞を全てADC−16またはMMAEのいずれか一方で3日間処理した。IC50を細胞増殖の50%阻害を示す濃度として決定する。
【実施例14】
【0036】
本実施例(
図5)はLoVo(結腸)、MDA−MB−468(乳房)、BxPC−3(膵臓)、PA−1(卵巣)およびH1975 NSCLC異種移植ヌードマウスにおけるADC−65、ADC−23およびADC−19のインビボ有効性を示す。全てのADCは示した濃度で静脈注射により単回投与で与えた。試験されたADCはほとんどの場合同一量でのMMAFより優れ、かつ単回投与により完全に腫瘍増殖を阻害した。
【実施例15】
【0037】
本実施例は、N87皮下異種移植モデルにおけるADC19(抗Her2抗体コンジュゲート)のインビボ安全性および有効性を示す。
図6Aおよび6Bは静脈内投与によりBALB/cヌードマウスに投与されたコンジュゲート19の単回投与を示す。各群にマウスが8匹存在し、合計3群のマウスを試験した:1群のマウスはADC16を注射され;1群のマウスはADC19を注射され;そして1群は溶媒対照群であった。全ての薬物は同一の方法(単回投与)で投与した。2mg/kgでのADC−19静脈注射の単回投与は、同用量でのADC−16の単回投与と同等であり、49日まで腫瘍増殖を完全に阻害し、かつADC−16と同等に体重増加を遅らせなかった。
【実施例16】
【0038】
本実施例は、抗体薬物コンジュゲート16、17、19および64を合成するための一般的な接合方法を示す。有機溶媒を0〜30%含むpH6.0〜9.0の緩衝液中の0.5〜50mg/mLの抗体溶液に、0.1〜10当量の活性化薬物リンカーコンジュゲート(1、または2、または3、または4、または5、または62)を少しずつまたは連続流の方法で添加した。反応を0〜40℃で0.5〜50時間、穏やかに撹拌または振盪しながら実施し、HIC−HPLCにより観察した。得られた粗ADC生成物は最先端の方法を使用して、必要な脱塩、緩衝液の交換/配合、および任意に、精製の下流工程に付した。ADC生成物はHIC−HPLC、SEC、RP−HPLC、および任意にLC−MSにより特徴付けた。
【実施例17】
【0039】
本実施例は、抗体薬物コンジュゲート21、22、23、24、28および65を合成するための一般的な接合方法を示す。PBSのようなpH5.0〜9.0のある緩衝液中の0.5〜50mg/mLの抗体溶液に、0.5〜100当量のTCEPおよびDTTのような還元剤を添加した。還元を0〜40℃で0.5〜40時間、穏やかに撹拌または振盪しながら実施し、その後還元剤をカラムまたは限外ろ過によって除去した。DMAのような有機共溶媒を0〜30%含む、PBSのようなpH5.0〜9.0の、ある緩衝液中の0.5〜50mg/mLの還元された抗体に、0.5〜10当量の(化合物6〜15、または63から選択される)薬物−リンカー反応剤を添加した。反応を0〜40℃で0.5〜40時間、穏やかに撹拌または振盪しながら実施し、HIC−HPLCにより観察した。得られた粗ADC生成物は最先端の方法を使用して、必要な脱塩、緩衝液の交換/配合、および任意に、精製の下流工程に付した。最終ADC生成物はHIC−HPLC、SEC、RP−HPLC、および任意にLC−MSにより特徴付けた。