特許第6871875号(P6871875)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニムの特許一覧

特許6871875エアロゾル発生システムのためのカートリッジおよび装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871875
(24)【登録日】2021年4月20日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】エアロゾル発生システムのためのカートリッジおよび装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20210510BHJP
【FI】
   A24F40/42
【請求項の数】9
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-566083(P2017-566083)
(86)(22)【出願日】2016年6月27日
(65)【公表番号】特表2018-523985(P2018-523985A)
(43)【公表日】2018年8月30日
(86)【国際出願番号】EP2016064886
(87)【国際公開番号】WO2017001351
(87)【国際公開日】20170105
【審査請求日】2019年6月26日
(31)【優先権主張番号】15174395.2
(32)【優先日】2015年6月29日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】リケッツ ニコラウス マーティン アーネスト ウィルヘルム
【審査官】 河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−508287(JP,A)
【文献】 特表2014−530633(JP,A)
【文献】 特表2014−534814(JP,A)
【文献】 特開2014−117515(JP,A)
【文献】 中国実用新案第203851815(CN,U)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0027468(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00−47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システム用のカートリッジであって、前記カートリッジが、
液体エアロゾル形成基体を含む液体保存容器であり、液体が少なくとも1つの風味物質を含む液体保存容器と、
出口と、
前記出口と前記液体エアロゾル形成基体の前記風味物質との間に配置されるフィルター
、および、
第一の部分および第二の部分を有し、第一の位置から第二の位置まで移動可能な液体移動要素であり、前記第一の位置にある時、前記液体移動要素の前記第一の部分が、前記カートリッジの外部にあり、かつ前記出口に隣接しており、前記第二の位置にある時、前記液体移動要素の前記第一の部分が、前記カートリッジの内部にあり、かつ前記出口から離れている液体移動要素、とを含み、
前記風味物質は、固体又はゲルである、エアロゾル発生システム用のカートリッジ。
【請求項2】
前記液体が複数の風味物質を含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの風味物質が、前記液体保存容器内で可動性である、請求項1または請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記風味物質が前記カートリッジ内で可視的である、請求項1〜3のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記風味物質が植物材料を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記フィルターが、前記液体保存容器内の第一の位置と第二の位置との間を移動可能であり、前記フィルターが、前記第二の位置にある時よりも前記第一の位置にある時に前記出口の近くに存在する、請求項1〜5のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記フィルターがメッシュを含む、請求項1〜6のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記液体保存容器内に可動性物質をさらに含み、前記可動性物質が、前記液体保存容器の一部で移動可能であり、前記可動性物質が、前記フィルターにより前記液体保存容器の前記一部に保持される、請求項1〜7のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載のカートリッジを含むエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生システムのためのカートリッジにおよびカートリッジを受けるための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
数多くの先行技術文献、例えば、EP-A-0 295 122、EP-A-1 618 803およびEP-A-1 736 065には、数多くの利点を有する電気的に動作する喫煙システムが開示されている。こうしたシステムの一部の例の1つの利点は、副流煙を著しく減少させつつ、喫煙者が喫煙を選択的に一時停止したり再開したりできることである。
【0003】
EP-A-0 295 122、EP-A-1 618 803およびEP-A-1 736 065などの先行技術文献には、エアロゾル形成基体として液体を使用する電気的な喫煙システムが開示されている。液体は、ハウジング内に受けられることができるカートリッジ内に含まれうる。喫煙者に提供されるエアロゾルを形成するために、吸煙中に液体基体を加熱するヒーターに接続されている電池などの電源が提供される。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第一の態様によれば、エアロゾル発生システムのためのカートリッジが提供されている。カートリッジは、液体エアロゾル形成基体を含む液体保存容器を含む。液体は、少なくとも1つの風味物質を含む。
【0005】
有利には、風味物質は、エアロゾル形成基体に風味を提供することができる。例えば、風味物質は、液体に風味を持たせうる。液体への風味物質のこの添加は、液体の味を変えることによりユーザーに向上した体験を提供することでありうる。液体容器の中身をユーザーが見ることができる場合、可視的な風味物質の添加はユーザーの体験を高めうる。風味物質は、固体材料を含んでもよい。他の選択肢も実行可能である。例えば、風味物質は、ゲルまたは1つより多い材料または基体の複合材料であってもよい。
【0006】
液体は、複数の風味物質を含むことが好ましい。液体は、例えば、5より多い、10より多い、または20以上の風味物質を含みうる。
【0007】
風味物質は、例えば、サイズ、形状、または合成において、すべて同様または実質的に同一であってよい。一部の例では、1つより多い異なる風味物質が液体に含まれる。異なる風味物質は、サイズ、形状、および合成を含む1つ以上の態様において異なっていてもよい。風味物質は、例えば、粒子、顆粒、ペレット、薄片、葉、小枝、断片、スパゲッティまたは細片であってよい。風味物質は、例えば4mmの最大寸法を持つものでもよい。例えば、風味物質は、3mm未満(例えば、2mm未満または1mm未満)の寸法を持つものでもよい。一部の例では、風味物質は、約0.1mmより大きく、好ましくは約0.2mmより大きく、例えば約0.5mmより大きい。特定のサイズより大きい物質を基準とする場合、物質はその特定のサイズのメッシュ開口部を有するふるいを通過しないことが好ましい。
【0008】
例えば、風味物質が薄片または葉で形成される場合、物質は、例えば、約0.1mm〜約3mm、好ましく約0.2mm〜約2mmの幅を有してもよい。風味物質は、約0.5mm〜約4mm、好ましく約0.7mm〜約3mmの長さを有してもよい。風味物質は、約20μm〜約550μm、好ましく約30μm〜約120μmの平均厚さを有してもよい。
【0009】
風味物質は、液体内で可視的であることが好ましい。風味物質のサイズは、物質をユーザーが液体内で見ることができるようなサイズであることが好ましい。風味物質は、ユーザーにとってカートリッジ内で可視的であることが好ましい。一部の例では、風味物質は、エアロゾル発生システムの使用中にユーザーに対して可視的である。風味物質は、カートリッジがエアロゾル発生装置に取り付けられた時、ユーザーに対して可視的であってもよい。
【0010】
本発明の例では、風味物質は植物材料を含む。風味物質は、植物の葉、幹、茎、花、果実、根、またはその他の部分を含んでもよい。風味物質はハーブを含んでもよい。風味物質は植物性薬品を含んでもよい。風味物質はたばこを含んでもよい。風味物質は、ハーブの葉、たばこの葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこおよび膨化たばこのうち1つ以上を含む、粉末、顆粒、ペレット、薄片、断片、スパゲッティまたは細片のうち一つ以上を含みうる。風味物質は、ハッカ、ローズマリー、セージまたはその他のハーブのうち1つ以上を含んでもよい。液体は、液体に風味を与えてもよいまたは与えなくてもよい1つ以上の付加的な物質を、さらに含んでもよい。本発明のさらなる態様では、複数の物質を含む液体エアロゾル形成基体を含む液体保存容器が提供される。物質は、本明細書において記述した風味物質の1つ以上の特徴を有してもよい。
【0011】
液体エアロゾル形成基体は、液体状の風味成分をさらに含んでもよい。液体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含む、たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこ含有材料および非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、さらにエアロゾル形成体を含むことが好ましい。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。
【0012】
風味物質は、液体保存容器内で可動性でありまたは遊離性であることが好ましい。本発明の好ましい例では、風味物質は、液体保存容器内の液体内で移動することができる。一部の例では、風味物質は、液体中に浮流または浮遊していてもよい。液体が複数の風味物質を含む場合、液体および風味物質は、懸濁液またはコロイドを形成しうる。液体および物質の性質は、液体内で物質の所望の分布を達成するために、選択されまたは変更されてもよい。例えば、すべての物質の一部は、液体中に浮流する、沈む、または浮遊する傾向がありうる。そのような性質は、例えば、配合、処理、被覆の選択によって、またはその他の手段によって達成されうる。
【0013】
カートリッジは、出口、および出口と風味物質を含む液体保存容器の一部との間に配置されるフィルターをさらに含むことが好ましい。出口は、液体保存容器からのエアロゾル形成基体の送達に適していることが好ましい。
【0014】
有利には、固体風味物質を有する液体エアロゾル形成基体および出口とその固体風味物質との間のフィルターを提供することで、例えば、基体を燃焼することなく、など、固体基体から直接的にエアロゾルを生成する困難さなしに、液体と固体エアロゾル形成基体の両方の利点を有する液体エアロゾル形成基体を提供することが可能になる。固体風味物質は、液体エアロゾル形成基体に付加的な風味を持たせうる。この浸軟プロセスは、新鮮な液体エアロゾル形成基体を可能にし、ユーザーに向上した体験を提供しうる。
【0015】
フィルターは、出口に隣接した第一の位置と液体保存容器内の第一の位置から離れた第二の位置との間を移動可能であることが好ましい。第二の位置では、1つの固体風味物質または各固体風味物質は、液体のバルクから分離されており、かつ出口から遠位である。フィルターは、第二の位置にある時よりも第一の位置にある時に出口の近くに存在することが好ましい。
【0016】
有利には、移動可能なフィルターを有するカートリッジを提供することで、1つの固体風味物質または各固体風味物質が使用中のカートリッジの外への液体の移動を妨げることなく、使用前に即時に液体合成を準備することを可能にする少なくとも1つの固体風味物質を有するエアロゾル形成基体を提供することが可能になる。1つの固体風味物質または各固体風味物質は、付加的な風味が注入された液体エアロゾル形成基体を可能にしうる。この浸軟プロセスは、新鮮な液体エアロゾル形成基体を可能にし、ユーザーに向上した体験を提供しうる。従来の電気的な加熱エアロゾル発生装置は、装置の動きを妨げて固体風味物質が潜在的に発熱体により燃やされるので、そのような液体基体と固体風味物質の有利な組み合わせを使用することができない。
【0017】
液体エアロゾル形成基体および1つの固体風味物質または各固体風味物質が浮遊状態にある場合、フィルターは、液体内で浮遊状態をなくすために1つの固体風味物質または各固体風味物質を運ぶように働くことが好ましい。
【0018】
カートリッジは、液体保存容器内に可動性物質をさらに含んでもよく、その可動性物質は液体保存容器の一部で移動可能であり、その可動性物質はフィルターにより液体保存容器の一部に保持される。
【0019】
カートリッジは発熱体をさらに含んでもよく、フィルターは、液体保存容器内に配置され、発熱体から間隔を置かれる。発熱体のさらなる詳細は、以下において提供される。
【0020】
カートリッジは、第一の部分および第二の部分を有し第一の位置から第二の位置まで移動可能な液体移動要素をさらに含んでもよい。第一の位置にある時、液体移動要素の第一の部分は、カートリッジの外部にあり、かつ出口に隣接しており、第二の位置にある時、液体移動要素の第一の部分は、カートリッジの内部にあり、かつ出口から離れている。液体移動要素は、液体移動要素の第二の部分に隣接した発熱体をさらに含んでもよい。液体移動要素は、細長のシャフトであることが好ましく、実質的に剛直であることが好ましい。
【0021】
フィルターは、出口で受けられる液体移動要素の端部を受けるように構成されることが好ましく、使用時に、液体移動要素は、第一の位置から第二の位置までフィルターを移動させるようにフィルター上で働く。
【0022】
フィルターは、液体移動要素の端部を受けるように構成される貫通孔を含むことが好ましい。フィルターは、凹所を有する多孔性円板を含むことが好ましく、フィルターは、凹所に配置される。多孔性円板の厚さは、フィルターが第一の位置から第二の位置へと移動する時に多孔性円板が液体保存容器の長軸方向軸に対して実質的に垂直なままであるように、構成されることが好ましい。多孔性円板の厚さは、約50μm〜約400μm、好ましく約70μm〜約200μmであってもよい。多孔性円板は、貫通孔を含むことが好ましい。多孔性円板は、複数の穿孔を含みうる。多孔性円板は、メッシュ、好ましくは粗いメッシュを含みうる。多孔性円板は、上述のキャニスターを形成するのに適した任意のポリマーなどのポリマーから成形されてもよい。貫通孔での液体移動要素の受容に基づいて、フィルターは、液体移動要素がフィルターと係合するように構成されることが好ましい。貫通孔の内径は、液体移動要素が多孔性円板内で締まりばめになるような大きさにすることが好ましい。
【0023】
カートリッジは、出口を密封するように構成されたシールをさらに含むことが好ましい。シールは壊れやすくてもよい。シールは取り外し可能であってもよい。シールはフィルムで形成されてもよい。フィルムは、金属フィルム、好ましくはアルミニウム、より好ましくは食品用陽極酸化アルミニウム、またはポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレン、フッ化エチレンプロピレンなどのポリマーで形成されてもよい。
【0024】
シールは、層状フィルムで形成されてもよい。層状材料の少なくとも1つの層は、紙または厚紙であってもよい。ラミネートの層は、接着剤、熱または圧力を使用して、互いに貼り付けられてもよい。ラミネートがアルミニウムの層およびポリマー材料の層を含む時、ポリマー材料は被覆であってもよい。被覆層は、アルミニウム層よりも薄くてもよい。
【0025】
カートリッジが壊れやすいシールを含む時、液体移動要素の第一の部分は、シールに穴を開けるように構成された穿孔部分を含んでもよい。液体移動要素の第一の部分は、フィルター要素と係合するように構成された少なくとも1つのリッジを含んでもよい。
【0026】
出口の内径は、出口と液体移動要素との間に、閉じ込め滑りばめが存在するような大きさにすることが好ましい。したがって液体移動要素が第二の位置にある時、液体移動要素の外部表面と出口との間の液体漏れへの抵抗が向上する。出口の内径は、約1.5mm〜約7mm、好ましくは約2mm〜約5mm、より好ましくは約1.8mm〜約2.3mmであってもよい。液体移動要素の外径は、約1.5mm〜約7mm、好ましくは約2mm〜約5mm、より好ましくは約1.8mm〜約2.3mmであってもよい。出口の内径と液体移動要素の外径との間の許容差は、約0.05mm〜約0.3mmであることが好ましく、約0.1mm〜約0.15mmであることが好ましい。
【0027】
出口は、出口における液体移動要素の受容に基づいて変形するように構成された可撓性ガスケットを含んでもよい。そのような可撓性ガスケットは、液体移動要素の外径と出口との間の漏れへの抵抗を改善する。可撓性ガスケットは、エラストマーまたはグラフェンなどのポリマーであってもよい。
【0028】
カートリッジが液体移動要素を含む場合、カートリッジは、液体移動要素に結合され、カートリッジの液体保存容器と摺動可能に係合するように構成された保護シースをさらに含んでもよい。保護シースは、有利には、液体移動要素が第一の位置にある時、液体移動要素を損傷または汚染から保護する。保護シースは、開部分および閉部分を有する円筒形であることが好ましく、円筒の内径は、閉じ込め滑りばめがシースの内部表面と液体保存容器の外部表面との間に提供されるような大きさにすることが好ましい。
【0029】
液体移動要素は、液体移動要素の第二の部分に隣接した少なくとも1つの発熱体をさらに備えうる。その少なくとも1つの発熱体は、電源への電気的接続を可能にするように構成される電気接点を好ましくは含む。少なくとも1つの発熱体のさらなる詳細は、以下において提供される。保護シースが提供される場合、少なくとも1つの発熱体を含む液体移動要素の第二の部分は、シースの閉端部を通って突出してもよい。
【0030】
液体移動要素は毛細管芯を含んでもよい。毛細管芯は、ガラスファイバー、カーボンファイバーならびに金属ファイバー、またはガラスファイバー、カーボンファイバーならびに金属ファイバーの任意のおよびすべての組み合わせを含む、毛細管ファイバーで形成されてもよい。金属ファイバーを提供することで、芯全体の疎水性に悪影響を与えることなく、芯の機械的な抵抗を高めうる。そのようなファイバーは、芯の中心軸に平行に提供されてもよく、網状、らせん状または部分的に不織布状であってもよい。液体移動要素が第二の位置にある時、液体保存容器内の液体と接触するように毛細管芯を配置することが好ましい。その場合、使用時に、液体は毛細管芯内での毛細管作用によって、液体保存容器から少なくとも1つの電気発熱体に向かって移動される。発熱体が活性化されると、毛細管芯内の液体が発熱体によって気化され、過飽和蒸気を形成する。過飽和蒸気は気流と混合され、気流中で運ばれる。流れる間に、蒸気は凝縮されてエアロゾルを形成し、エアロゾルはユーザーの口に向かって運ばれる。毛細管芯と組み合わせた発熱体は、素早い反応を提供する場合がある。これはその配設が、発熱体に液体の広い表面積を提供する場合があるためである。したがって本発明による発熱体の制御は、毛細管芯またはその他の加熱用の配置の構造に依存する場合がある。発熱体およびその制御に関するさらなる詳細は、以下において提供される。
【0031】
液体保存容器は、円形断面の形状を持つことが好ましい。液体保存容器は、楕円形、長方形、正方形、三角形のまたは同様の断面の形状を持っていてもよい。フィルターの外径は、フィルターが液体保存容器内で閉じ込め滑りばめとなるような大きさにすることが好ましい。閉じ込め滑りばめが存在するように液体保存容器およびフィルターを配置することで、フィルターが第二の位置にある時、液体エアロゾル形成基体のバルク内の固体風味物質の存在を減少しまたは除去するためのフィルタリングが向上する。フィルターは、液体保存容器の内部表面に対して摺動するように構成されたオーリングなどのシールを含んでもよい。
【0032】
カートリッジは、液体保存容器と同一の断面形状を持つことが好ましい。
【0033】
フィルターは毛細管ファイバーを含んでもよい。フィルターは、毛細管ファイバーのマットを接合することにより形成されてもよい。接合は、超音波接合であってもよい。フィルターは、約10μm〜約110μm、好ましくは約20μm〜約70μmの厚さを有してもよい。フィルターは、織布もしくは不織布材料で形成されうる。織布または不織布材料のファイバーは、平行、らせん状、網状であってもよく、またはこれらのタイプのファイバーの任意の組み合わせもしくはすべての組み合わせであってもよい。フィルターは、単一の材料または複数の材料を含みうる。材料は、金属または非金属の未加工、合成または未加工と合成との両方の材料であってもよい。フィルターのファイバーは、セルロースで形成されることが好ましい。フィルターは、不織布セルロースファイバーで形成されることが好ましい。あるいは、フィルターは、メッシュ、好ましくはステンレス鋼メッシュ、より好ましくは医療用ステンレス鋼で形成される。
【0034】
液体保存容器は、閉端部および開端部を有するキャニスターと、出口を含むリッドとを含んでもよい。キャニスターはリップを含んでもよく、リッドは突出部を含んでもよく、リップと突出部は、リッドをキャニスターに固定するために係合するように構成される。液体保存容器は、薄壁のキャニスターであってもよい。キャニスターは、ALTUGLAS(登録商標)医療用樹脂ポリメチルメタクリレート(PMMA)、Chevron Phillips K-Resin(登録商標)スチレンブタジエンコポリマー(SBC)、アルケマ特殊性能ポリマーPebax(登録商標)、Rilsan(登録商標)、およびRilsan(登録商標)Clear、DOW(Health+(商標))低密度ポリエチレン(LDPE)、DOW(商標)LDPE91003、DOW(商標)LDPE91020(MFI2.0; density923)、ExxonMobil(商標)ポリプロピレン(PP)PP1013H1、PP1014H1およびPP9074MED、Trinseo CALIBRE(商標)ポリカーボネート(PC)2060-SERIESなどの、実質的に透明な材料で形成されてもよい。キャニスターは、射出成形プロセスなどによって成形されてもよい。
【0035】
カートリッジを提供することの利点は、高いレベルの衛生状態が維持できることである。液体と電気発熱体との間に延びる毛細管芯などの液体移動要素を使用することで、装置の構造を比較的簡単にすることができる。液体は、液体が毛細管作用などによって液体移動要素を通して運ばれるようにする粘性および表面張力を含む物理的特性を持つ。カートリッジは再充填可能ではないことが好ましい。従って、液体保存容器内の液体が使い尽くされた時、エアロゾル発生装置は交換される。液体保存容器は、所定の吸煙回数のための液体を保持するよう配置されることが好ましい。
【0036】
液体移動要素が毛細管芯を含む場合、毛細管芯は繊維質または海綿状の構造を有してもよい。毛細管芯は一束の毛細管を含むことが好ましい。例えば、毛細管芯は複数の繊維もしくは糸、またはその他の微細チューブを含んでもよい。繊維または糸は一般的に、エアロゾル発生装置の長軸方向に配置される場合がある。毛細管芯はロッド形状に形成された海綿体様または発泡体様の材料を含んでもよい。芯の構造は複数の小さな穴またはチューブを形成し、それを通して液体が毛細管作用によって少なくとも1つの電気発熱体に移動できる。毛細管芯は適切な任意の材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例には、繊維または焼結粉末の形態のセラミックまたはグラファイトをベースにした材料がある。毛細管芯は、密度、粘性、表面張力、および蒸気圧などの異なる液体物理特性を用いて使用されるような、適切な任意の毛細管現象および多孔性を有してもよい。芯の毛細管の性質は、液体の性質と相まって、加熱領域内で芯が常に湿っていることを確実にする。
【0037】
液体移動要素は、第一の部分および第二の部分を有する導管をさらに含んでもよい。導管は、液体移動要素が第一の位置にある時、導管の第一の部分および第二の部分が液体保存容器の外部にあり、液体移動要素が第二の位置にある時、導管の第一の部分が液体保存容器の内部にあり、かつ導管の第二の部分が液体保存容器の外部にあるように構成される。液体移動要素が第二の位置にある時、液体保存容器の外に液体保存容器内から液体を運ぶように導管を構成することが好ましい。導管は中空であってもよい。導管は毛細管材料を含んでもよい。導管は、そこに配置される発熱体を有してもよい。
【0038】
本発明の第二の態様に従って、本明細書において記述した液体移動要素および発熱体を有するカートリッジを受けるように構成されているエアロゾル発生装置が、提供される。装置は、カートリッジを受けるためのくぼみを有するハウジングと、電源と、容器がくぼみ内に受けられた時にカートリッジの発熱体を電源に結合するように構成された電気接点とを含む。
【0039】
第二の態様の装置はまた、カートリッジがくぼみ内に受けられた時に液体移動要素を第一の位置から第二の位置へと移動させるように構成されたアクチュエータを備えうる。アクチュエータは電気的に動作するアクチュエータであってもよい。電気的に動作するアクチュエータは、カートリッジがハウジングのくぼみ内に受けられた時、動作されうる。アクチュエータは機械的に動作するアクチュエータであってもよい。機械的に動作するアクチュエータは、ユーザーが動作させるものであってもよい。ハウジングは、くぼみを閉じるように構成されたリッドを含んでもよい。リッドは、第一の開いた位置から第二の閉じた位置へと移動するように構成されたヒンジ付きのリッドであってもよい。第一の位置において、カートリッジはくぼみ内に挿入されうる。この場合、機械的に動作するアクチュエータは、リッドに結合されてもよい。リッドが閉じる作用は、液体移動要素を第一の位置から第二の位置へと移動するために機械的なアクチュエータを動作しうる。アクチュエータは、カートリッジの少なくとも1つのヒーターに電力を供給できるようにするために、装置の電気接点をカートリッジ上の対応する電気接点に係合することが好ましい。
【0040】
代替的にアクチュエータを提供するため、ユーザーは、液体移動要素を第一の位置から第二の位置へと移動し、次にカートリッジを装置内に挿入するために、カートリッジに長軸方向の圧縮力を加えてもよい。
【0041】
本発明の第三の態様に従って、本明細書において記述した液体移動要素を有さないカートリッジを受けるように構成されているエアロゾル発生装置が、提供される。この装置は、カートリッジを受けるためのくぼみを有するハウジングと、第一の部分および第二の部分を有する液体移動要素と、カートリッジの出口内に挿入可能な第一の端部と、液体移動要素の第二の部分に隣接する発熱体と、発熱体に電力を供給するように構成された電源とを含む。
【0042】
第三の態様の装置は、カートリッジがくぼみ内に受けられた時に液体移動要素がカートリッジ内に挿入されるように、カートリッジを液体移動要素に係合するよう構成されたアクチュエータをさらに備えうる。アクチュエータは電気的に動作するアクチュエータであってもよい。電気的に動作するアクチュエータは、カートリッジがハウジングのくぼみ内に受けられた時、動作されうる。アクチュエータは機械的に動作するアクチュエータであってもよい。機械的に動作するアクチュエータは、ユーザーが動作させるものであってもよい。ハウジングは、くぼみを閉じるように構成されたリッドを含んでもよい。リッドは、第一の開いた位置から第二の閉じた位置へと移動するように構成されたヒンジ付きのリッドであってもよい。第一の位置において、カートリッジはくぼみ内に挿入されうる。この場合、機械的に動作するアクチュエータは、リッドに結合されてもよい。リッドが閉じる作用は、液体移動要素に向かってカートリッジを移動させるために機械的なアクチュエータを動作させ、したがって、液体移動要素が第一の位置から第二の位置へとカートリッジ内を移動しうる。
【0043】
第三の態様の装置は、第一の位置から第二の位置へと移動可能なシールドをさらに含むことが好ましく、第一の位置にある時、シールドは液体移動要素の第一の部分に隣接しており、第二の位置にある時、シールドは液体移動要素の第二の部分に隣接しており、シールドは第一の位置の方に偏向される。シールドは、有利には、カートリッジがくぼみ内に挿入される前に、汚染の損傷から液体移動要素を保護する。
【0044】
装置はマウスピースを含むことが好ましい。本明細書で使用される場合、「マウスピース」という用語は、エアロゾル発生システムによって発生するエアロゾルを直接吸い込むためにユーザーの口に入れられるエアロゾル発生システム、エアロゾル発生物品、またはエアロゾル発生装置の一部を意味することが好ましい。マウスピースは取り外し可能であってもよい。マウスピースは、くぼみを閉じるためのリッドを含んでもよく、またはリッドであってもよい。
【0045】
エアロゾル発生装置は、エアロゾルがそこで過飽和蒸気から形成されるエアロゾル形成チャンバーを備える場合があり、エアロゾルは次にユーザーの口内に運ばれる。空気吸込み口、空気出口およびチャンバーは、エアロゾルを空気出口に運び、ユーザーの口の中へと入れるように、空気吸込み口からエアロゾル形成チャンバーを経由して空気出口への気流の経路を画定するように配設されることが好ましい。使用時に、液体移動要素の第二の端部はエアロゾル形成チャンバー内に配置されることが好ましい。空気吸込み口は、マウスピース内に提供されてもよい。空気出口は、マウスピース内に提供されてもよい。カートリッジを受けるためのくぼみの一部は、エアロゾル形成チャンバーを形成してもよい。気流の経路は、空気吸込み口から、エアロゾル形成チャンバーを通ってカートリッジの周りに、空気出口まで延びてもよい。
【0046】
マウスピースは、Dupont(商標)Delrin(登録商標)アセタールおよびZytel(登録商標)ナイロン樹脂、ならびにAltuglas(登録商標)PMMA、Celanex(登録商標)PBT、ExxonMobil(商標)PP-Medical Grades、Fortron(登録商標)PPS、Hostaform(登録商標)POM、K-Resin(登録商標)SBC、LD PE Health+(商標)Dow、Pebax(登録商標)TPE-A、Riteflex(登録商標)TPE-E、Vectra(登録商標)LCPの使用を含むグレードポリマーを含む医療適合性高分子化合物で形成されてもよい。マウスピースは、ポリマー被覆などの被覆を備えうる。
【0047】
好ましくは外側本体である装置ハウジングは、ユーザーによって保持される部品を備えうる。装置ハウジングは被覆を含んでもよく、被覆は、提供される場合、マウスピース上の被覆と同一であることが好ましい。
【0048】
装置は、複数の発熱体、例えば2個、または3個、または4個、または5個、または6個またはそれ以上の発熱体を含みうる。発熱体(単一または複数)は、最も効果的にエアロゾル形成基体を加熱するように適切に配設されてもよい。
【0049】
少なくとも1つの電気発熱体は、電気抵抗性の材料を含むことが好ましい。適切な電気抵抗性の材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金およびセラミック材料および金属材料でできた複合材料が挙げられるが、これに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープシリコン炭化物が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な合金の例としては、ステンレス鋼、コンスタンタン、ニッケル-、コバルト-、クロミウム-、アルミニウム-チタン-ジルコニウム-、ハフニウム-、ニオビウム-、モリブデン-、タンタル-、タングステン-、スズ-、ガリウム-、マンガン-、および鉄を含有する合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、鉄-アルミニウム系合金、および鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。Timetal(登録商標)は、Titanium Metals Corporation(1999 Broadway Suite 4300, Denver, Colorado)の登録商標である。複合材料では、電気抵抗性の材料は、必要なエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的性質に応じて、随意に断熱材料へ埋込、封入、または塗布されてもよく、あるいはその逆であってもよい。発熱体は、2層の不活性材料の間で絶縁された、金属製でエッチング加工が施された箔を含んでもよい。その場合、不活性材料はKapton(登録商標)、全層ポリイミドまたはマイカ箔を含んでもよい。Kapton(登録商標)は、E.I. du Pont de Nemours and Company(1007 Market Street、Wilmington、Delaware 19898、United States of America)の登録商標である。
【0050】
少なくとも1つの電気発熱体は赤外線発熱体、光子供給源、または誘導発熱体を備えてもよい。
【0051】
少なくとも1つの電気発熱体は任意の適切な形態をとってもよい。少なくとも1つの電気発熱体は、異なる導電性部分または電気抵抗性の金属チューブを持つケーシングまたは基体の形態をとってもよい。カートリッジは使い捨て発熱体を組み込んでもよい。少なくとも1つの電気発熱体は、ディスク型の(端部の)発熱体、またはディスク型の発熱体と加熱用の針またはロッドを組み合わせたものであってもよい。少なくとも1つの電気発熱体は、エアロゾル形成基体を囲むかまたは部分的に囲むように配設された柔軟な材料シートを備えてもよい。その他の可能性としては、加熱用のワイヤーまたはフィラメント、例えばNi−Cr、白金、タングステンまたは合金製のワイヤーまたは加熱プレートが挙げられる。随意に、発熱体は堅い担体材料内またはその上に付着されてもよい。
【0052】
少なくとも1つの電気発熱体は、熱を吸収および保存して、その後ある期間にわたりエアロゾル形成基体に熱を放出する能力を持つ材料を含む、ヒートシンクまたは蓄熱体を含んでもよい。ヒートシンクは、適切な金属またはセラミック材料など、任意の適切な材料で形成されてもよい。材料は高い熱容量(顕熱保存材料)を持つか、または熱を吸収し、その後で可逆的なプロセス(高温相変化など)を経て放出する能力を持つ材料であることが好ましい。適切な蓄熱材料としては、シリカゲル、アルミナ、炭素、ガラスマット、ガラス繊維、鉱物、金属または合金(アルミニウム、銀または鉛)、およびセルロース系材料(紙など)が挙げられる。可逆的な相変化により熱を放出するその他の材料としては、パラフィン、酢酸ナトリウム、ナフタリン、ろう、ポリエチレンオキシド、金属、金属塩、共晶塩の混合物または合金が挙げられる。
【0053】
ヒートシンクまたは蓄熱体は、エアロゾル形成基体と直接的に接触し、かつ保存した熱を基体に直接的に伝達できるように配設されてもよい。ヒートシンクまたは蓄熱体に保存された熱は、金属チューブなどの熱導体の手段によってエアロゾル形成基体に伝達されてもよい。
【0054】
少なくとも1つの発熱体は伝導によりエアロゾル形成基体を加熱してもよい。発熱体は基体と、または基体が付着している担体と、少なくとも部分的に接触してもよい。発熱体からの熱は熱伝導性要素によって基体に伝導してもよい。
【0055】
少なくとも1つの発熱体は、使用中に電気加熱式のエアロゾル発生装置を通して引き出された、入ってくる周囲空気に熱を伝達してもよく、これが次に対流によってエアロゾル形成基体を加熱する。周囲空気は、最初に基体を通して引き出され、次に加熱されてもよい。
【0056】
少なくとも1つの電気発熱体の制御は、沸点、蒸気圧、および表面張力など、液体基体の物理的特性に依存する場合がある。
【0057】
装置は、電源から1つの発熱体または各発熱体への電力供給を制御するように構成される制御回路を備えてもよい。制御回路は、ユーザーが装置を吸煙する時を検出するように構成された吸煙検出器を備えてもよく、制御回路は、吸煙が検出された時にヒーターを起動させる。装置は、装置を起動するための、スイッチなどのユーザー入力装置を備えうる。
【0058】
電源は、外部の電力供給源または内蔵の電力供給源であってもよい。電源はACまたはDCであってもよく、DCであることが好ましい。電源は電池とし得る。別の方法として、電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置としうる。電源は、再充電を必要とする場合があり、また1回以上の喫煙の体験のための十分なエネルギーの保存が許容される容量を持っていてもよい。例えば、電源は1本の従来型の紙巻たばこを喫煙するのにかかる一般的な時間に対応する約6分間、または6分の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な生成を許容するのに十分な容量を持っていてもよい。別の例では、電源は、所定の回数の吸煙またはヒーターの個別の起動を許容するのに十分な容量を持っていてもよい。
【0059】
エアロゾル発生装置は携帯型であることが好ましい。エアロゾル発生装置は、喫煙装置とすることができ、従来型の葉巻たばこや紙巻たばこと匹敵するサイズを有する場合がある。喫煙装置の全長は、およそ30mm〜およそ150mmである場合がある。喫煙装置の外径は、およそ5mm〜およそ30mmである場合がある。
【0060】
本発明の第四の態様に従って、本明細書において記述したカートリッジを取り外し可能に受けるように構成されているエアロゾル発生装置が、提供される。装置は、液体保存容器から発熱体に送達された液体エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを発生させるように配置される発熱体に電力を供給するための電源を含む。
【0061】
本発明の第五の態様によれば、本明細書において記述したカートリッジを含むエアロゾル発生装置が、提供される。装置は、使用後にカートリッジを再充填できなくてもまたは交換できなくてもよい使い捨て可能なものであってもよい。
【0062】
本発明のさらなる態様によれば、本明細書において記述したカートリッジおよび本明細書において記述したエアロゾル発生装置を含む、電気的な加熱エアロゾル発生システムが提供される。
【0063】
本発明の1つの態様のいずれの特徴も、任意の適切な組み合わせにおいて本発明のその他の態様にも適用されうる。特に、方法の態様は装置の態様に適用でき、その逆もまた可である。さらにまた、1つの態様における任意の一部またはすべての特徴は、任意の適切な組み合わせにおいて、任意のその他の態様の任意の一部またはすべての特徴に適用されうる。
【0064】
当然ながら、本発明の任意の態様において説明および定義された種々の特徴の特定の組み合わせを独立して実施および/または供給および/または使用できる。
【0065】
本開示は、本明細書において添付図面を参照しながら説明されるものと実質的に同じ方法および装置にも拡大される。
本発明は以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1図1は、本発明の一実施形態によるカートリッジを示す図である。
図2図2は、本発明の一実施形態によるエアロゾル発生装置を示す図である。
図3図3は、図1のカートリッジを有する図2のエアロゾル発生装置を備えるシステムを示す図である。
図4図4(a)および図4(b)は、使用時の図3のシステムを示す図である。
図5図5は、本発明の代替の実施形態によるカートリッジを示す図である。
図6図6は、本発明の代替の実施形態によるエアロゾル発生装置を示す図である。
図7図7は、本発明の代替の実施形態によるカートリッジを示す図である。
図8図8は、図7に示すカートリッジの分解図である。
図9図9(a)、図9(b)および図9(c)は、本発明のさらなる代替の実施形態によるエアロゾル発生装置を示す図である。
図10図10は、図9に示すエアロゾル発生装置のヒーター組立品の詳細図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0067】
図1は、キャニスターの形状の液体保存容器102、出口106を有するリッド104、およびフィルター要素108を備えるカートリッジ100を示す。キャニスター102は、固体たばこ材料112の薄片を有する液体エアロゾル形成基体110を含む。本明細書で使用される場合、「固体たばこ材料の薄片」は、たばこの葉、均質化したたばこの断片等、を意味する。液体エアロゾル発生基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される、ニコチン含有材料およびプロピレングリコールまたはグリセリンなどのエアロゾル形成体を含む。固体たばこ材料は、加熱に伴ってさらに放出されるたばこ風味化合物を与えるために、液体中に溶かされる。
【0068】
キャニスター102は円筒形であり、閉端部114および開端部116を有する。キャニスターは、リッド104により密封され、壊れやすいフィルムが出口106を通じて配置される リッドは、キャニスターの開端部と隣接した対応するリップ120と係合する、リッドの周囲にある突出部118を備える。リッドは、以下でさらに詳細に説明される、液体移動要素を受けるように構成された可撓性ガスケット122をさらに備える。
【0069】
キャニスター102は実質的に透明であるので、ユーザーはカートリッジ100の中身を見ることができる。
【0070】
フィルター要素108は、多孔性円板124およびフィルター126を含む。多孔性円板124は、粗いメッシュの形状の多孔性基部128を含む。フィルター126は、互いに超音波接合された毛細管ファイバーの形状である。フィルターは、多孔性基部128の下側に貼り付けられる。多孔性円板124は、液体移動要素を受けるように構成される貫通孔130をさらに含む。
【0071】
使用時に、フィルター要素は、液体から固体たばこ薄片を濾過するために移動可能に構成され、出口106から遠くに薄片を移動するように構成される。
【0072】
図示した通り、フィルター要素108は、閉じ込め滑りばめをキャニスター102内に提供するような外径を有する。このようにして、フィルター要素はキャニスターに沿って移動するので、たばこ薄片がフィルター要素の周りに流れ出ることが防がれる。多孔性円板124の厚さは、円板が図1に示す位置である第一の位置から閉端部114に隣接した位置である第二の位置へと移動する時に、カートリッジの長軸方向軸に対して実質的に垂直なままであるような大きさである。
【0073】
そのようなカートリッジは、エアロゾル発生装置の使用の前までにたばこ薄片を液体中に溶かし、たばこ風味を液体エアロゾル形成基体に与えることを可能する。
【0074】
図2は、カートリッジ100を受け取り、使用するように構成されたエアロゾル発生装置200を示す。装置200は、外側ハウジング202、取り外し可能なマウスピース204、再充電可能電池方式の電源206、制御回路208、およびカートリッジ100を受けるように構成されたくぼみ210を備える。くぼみ210は、第一の自由端部214および装置200に取り付けられる第二の端部216を持つ液体移動要素212を含む。液体移動要素212は、第二の端部216に隣接した抵抗発熱体218を備える。発熱体218は、制御回路208を介して電源206に電気的に結合される。液体移動要素212の第一の端部214は、カートリッジ100上の壊れやすいシールを貫通することとフィルター126と係合することとの両方を行うように構成されたリッジを含む。液体移動要素212は、カートリッジ100のキャニスター102から発熱体218へ液体を運ぶための毛細管芯である。
【0075】
くぼみはさらにシールド220を含む。シールドは、例えば、装置のマウスピース端部の方にばねにより偏向され、液体移動要素212を通じて摺動するように構成される。シールドは、装置が使用中でない時、液体移動要素212を損傷および汚染から保護する。空気吸込み口(図示せず)およびマウスピース内の空気出口(図示せず)が、空気吸込み口から空気出口までくぼみを介して延びる気流経路とともに提供される。
【0076】
図3は、カートリッジ100がくぼみ210に挿入されている装置200を示す。図4(a)、図4(b)および図4(c)は、カートリッジ100を装置200に挿入するユーザーのプロセスを示す。使用時に、ユーザーは、くぼみ210を開くためにマウスピース204を取り外す。次にユーザーは、カートリッジ100をくぼみ210に挿入する。カートリッジは、カートリッジ100を導くシールド220と係合し、したがって、液体移動要素212が、最初に壊れやすいシールを貫通し、次に可撓性ガスケット122を通じて移動し、多孔性円板124の貫通孔130と係合する。カートリッジ100がさらにくぼみ内に挿入されると、液体移動要素212は、たばこ薄片が液体110から濾過され発熱体216から離れるように移動するように、フィルター要素108を第一の位置(図1に示す)から第二の位置(図3および図4(c)に示す)まで移動させる。たばこ薄片が発熱体から離れるように移動しない場合、それらは使用時に燃える場合がある。図示した通り、液体移動要素212の第一の端部214上のリッジは、液体を液体移動要素の端部内に引き出すことを可能にする。
【0077】
使用時、ユーザーは、吸煙検出器を起動するマウスピースを引き出すことにより、またはスイッチにより、装置を起動させる。次に発熱体218に電源206から電力が与えられると、毛細管芯内の液体が発熱体によって気化され、過飽和蒸気を形成する。次に蒸気が、装置上でユーザーが引き出すことにより発生した気流内に流入され、エアロゾルを形成する。さらに液体は、毛細管作用によって、液体移動212要素に沿って引き出される。
【0078】
くぼみ210の範囲における外側ハウジング202は実質的に透明であるので、ユーザーはカートリッジ100の中身を見ることができる。
【0079】
代替例のカートリッジ500を図5(a)に示す。カートリッジ500は、図1に示すものと類似している。カートリッジ500はさらに、キャニスター502、出口506を有するリッド504、フィルター要素508、および固体たばこ薄片512を含む液体エアロゾル形成基体510を備える。この例では、カートリッジ500は、フィルター要素508に結合される液体移動要素514を含む。液体移動要素514は装置200の液体移動要素212と同様のものであってもよく、あるいはそれは毛細管芯で形成されなくてもよい。この例では、示される液体は、液体移動要素の第二の端部に提供されるチューブ516によって運ばれる。図5(b)に詳細に示されるチューブ516は、液体移動要素のシャフト内に一対の入口518を有し、液体移動要素の第二の端部に出口520を有する。ここで上記の内容からわかるように、使用時に、液体移動要素は、チューブ516の一対の入口がキャニスター内に位置し、液体を外部の発熱体に運ぶことができるように、図5(a)に示す第一の位置から第二の位置へと移動する。
【0080】
カートリッジは図6に示す装置600などの装置で使用されてもよい。この装置は、図2に示す装置と同様であり、外側ハウジング602、マウスピース604、電源606、および制御電子装置608を備える。ハウジング602は、上述のカートリッジ500などの一体型の液体移動要素を持つカートリッジを受けるためのくぼみ610を含む。くぼみには、使用時にくぼみを覆い、かつ閉じるように構成されたリッド612が提供される。リッドは、リッドがユーザーによって閉じられた時、液体移動要素を第一の位置から第二の位置へと移動させる機構614を備える。リッドは実質的に透明であるので、ユーザーはリッドが閉じている時の濾過プロセスを見ることができる。装置600は、チューブ516によって運ばれた液体を加熱するためのくぼみ610内に配置された発熱体をさらに含む。
【0081】
一度リッドが閉じると、装置600は、図2の装置に関して上記で説明したような同様の方法で動作する。
【0082】
図7は、キャニスター702の形状の液体保存容器を備えるカートリッジ700を示す。キャニスター702は、中央の中空部分704と、中央の中空部分の一方の端部に設けられた出口706とを含む。中央の中空部分704の一方の端部に、壊れやすいシール708が使用前に出口706を密封するために設けられる。2つの液体貯蔵部分712と714との間に、キャニスター702を分割する仕切り710が設けられる。出口706を有するキャニスター702の端部に、液体送達組立品が設けられる。液体送達組立品は、フィルター要素716と、多孔性毛細管要素718とを備える。多孔性毛細管要素718は、使用中のカートリッジからの漏れを減少させる、あるいは漏れを防ぐために高保持材料で形成される。2つの液体貯蔵部分712および714は流体連通する。これは、液体送達組立品を通るか、あるいは流体透過性材料もしくは半透過性材料から仕切り710を形成することによって達成されうる。
【0083】
キャニスター702は透明であり、2つの液体貯蔵部分712および714にそれぞれ2つの液体エアロゾル形成基体を含む。液体エアロゾル形成基体の一方には、図1に関して上述したものと同様の固体たばこ材料720の薄片が含まれる。この固体材料は、本明細書において記述した任意の他のタイプの風味を与える材料であってもよい。液体エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される、ニコチン含有材料およびプロピレングリコールまたはグリセリンなどのエアロゾル形成体を含む。固体たばこ材料は、加熱に伴ってさらに放出されるたばこ風味化合物を与えるために、液体中に溶かされる。
【0084】
図8は、カートリッジ700の分解図を示す。理解される通り、キャニスター702は、簡易でありまた明瞭であるので示されない。
【0085】
図9(a)、図9(b)および図9(c)は、カートリッジ700を用いて使用するためのエアロゾル発生装置900を示す。このエアロゾル発生装置は、図2に示した装置200と類似している。装置は、電源および制御電子装置(図示せず)、空気吸込み口904ならびにヒーター組立品906を含む本体902を備える。装置は、空気出口910とカートリッジ700を受けるための透明な接合部分912とを有する取り外し可能なマウスピース部分908をさらに含む。図9(b)に示すように、使用時に、ユーザーはヒーター組立品にカートリッジを挿入する。図10と関連して以下でさらに詳細に説明されるヒーター組立品は、シール708を貫通してカートリッジ700の液体送達組立品と係合する。ユーザーは次に、装置の組立てを完成させるために、図9に示すようにマウスピース部分908を取り付ける。透明な接合部分912により、ユーザーはカートリッジ700を見ることができ、したがってその中に設けられた固体たばこ材料720も見ることができる。
【0086】
図10に示すヒーター組立品906は、ヒーターマウント1000、中空穿孔要素1002および電気発熱体1004を含む。電気発熱体には、制御電子装置を介して発熱体と電源とを電気的に結合するように構成された電気接点1006および1008が設けられる。発熱体1004は、貫通孔1010内で穿孔要素1002の長軸方向軸を横断するように設けられる。
【0087】
使用時において、カートリッジ700が装置900内に受けられた時、貫通孔1010がカートリッジの液体送達組立品と流体連通する。このようにして、液体が発熱体1004に提供され、加熱に伴ってエアロゾル化される。気流経路は、空気吸込み口904から、ヒーター組立品1000の中空穿孔要素1002を通って、発熱体1004を越えて、カートリッジの中央の中空部分704を通って、マウスピース内の空気出口の外へと形成される。電力が発熱体1004に与えられた時、液体は蒸発し、毛細管作用によって液体送達組立品でさらに液体が取り替えられる。
図1
図2
図3
図4(a)】
図4(b)】
図4(c)】
図5(a)】
図5(b)】
図6
図7
図8
図9(a)】
図9(b)】
図9(c)】
図10