(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
本明細書では、「軸方向」という記載は、回転子が固定子に対して相対的に回転可能に配置されている状態において、回転子の回転中心を通る回転中心線P(
図1、
図21参照)の方向を示す。「周方向」という記載は、回転子が固定子に対して相対的に回転可能に配置されている状態において、軸方向に直角な断面で見て、回転中心線Pを中心とする円周方向を示す。「径方向」という記載は、回転子が固定子に対して相対的に回転可能に配置されている状態において、軸方向に直角な断面で見て、回転中心線Pを通る方向を示す。「径方向内周側」という記載は、径方向に沿って回転中心線P側を示し、「径方向外周側」という記載は、径方向に沿って回転中心線Pと反対側を示す。
なお、絶縁体に対しては、「軸方向」、「周方向」および「径方向」という記載は、絶縁体が固定子コアに装着されている状態における「軸方向」、「周方向」および「径方向」を示す。
また、本明細書では、「平行」、「直角」、「平坦」という記載は、それぞれ、「略平行」、「略直角」、「略平坦」を含むものとして用いられている。
また、本明細書では、便宜的に、
図4において上側および下側を、それぞれ「軸方向一方側」および「軸方向他方側」として説明し、
図4において右側および左側を、それぞれ「周方向一方側」および「周方向他方側」として説明するが、「一方」および「他方」は、これに限定されず、適宜の方向を選択することができる。
【0011】
図1に、本発明の電動機を構成する固定子の
第1実施形態が示されている。なお、
図1は、第1実施形態の固定子100の斜視図である。
本実施形態の固定子100は、固定子コア110、絶縁体200、固定子巻線(図示省略)、絶縁フィルム310により構成されている。
【0012】
固定子コア110は、軸方向両側にコア端面110Aおよび110Bを有している。
また、固定子コア110は、分割構造の固定子コアとして構成されている。本実施形態では、固定子コア110は、
図2に示されているように、第1コア部材120と第2コア部材130により構成されている。なお、
図2には、第1コア部材120と第2コア部材130を軸方向に直角な方向から見た図が示されている。
第1コア部材120(「インナーコア」と呼ばれている)は、複数の電磁鋼板を、カシメ用突起126を用いて積層した積層体により構成される。第1コア部材120は、径方向に沿って延在するとともに、周方向に沿って離間して配置されている複数のティース121を有している。ティース121は、径方向に沿って延在するティース基部122と、ティース基部122の径方向内周側に設けられ、周方向に沿って延在するティース先端部123を有している。周方向に隣接するティース121のティース先端部123は、連結部125によって連結されている。
第2コア部材130(「アウターコア」と呼ばれている)は、複数の電磁鋼板を、カシメ用突起136を用いて積層した積層体により構成される。第2コア部材130は、周方向に沿って延在するヨーク131を有している。ヨーク131は、ヨーク外周面132とヨーク内周面133を有している。そして、ヨーク内周面133から径方向外周側に窪んでいる凹部形成面134aを有している。凹部形成面134aにより、第1コア部材120のティース121(詳しくは、ティース基部122)の径方向外周側の端部が嵌合可能な凹部134が形成される。なお、ヨーク内周面133は、周方向に隣接する2つの凹部134(凹部形成面134a)の間に形成されているヨーク内周面部分133aと133bを有している。ヨーク内周面部分133aと133bは、ヨーク131の厚さが、ヨーク内周面部分133aと凹部134との接続部およびヨーク内周面部分133bと凹部134との接続部それぞれから両凹部134の周方向中央に向って薄くなるように傾斜している。
固定子コア110は、第1コア部材120のティース基部122の、ティース先端部123と反対側(径方向外周側)の端部を第2コア部材130の凹部134に圧入(あるいは、焼き嵌めまたは冷し嵌め)することによって形成される。すなわち、固定子コア110は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延在するヨーク131と、ヨーク131から径方向に沿って径方向内周側に延在する複数のティース121を有し、ティース121は、ヨーク131から径方向に沿って径方向内周側に延在するティース基部122と、ティース基部122の径方向内周側に設けられ、周方向に沿って延在するティース先端部123を有する。
なお、ティース先端部123の径方向内周側にはティース先端面124が形成されている。ティース先端面124によって、回転子(図示省略)が挿入される回転子挿入空間が形成される。
固定子100と、回転子挿入空間に回転可能に挿入される回転子とによって、本発明の電動機が構成される。
【0013】
固定子巻線(図示省略)は、ティース121に装着される絶縁体の回りに巻き付けられる。すなわち、固定子巻線は、集中巻き方式でティース121に巻き付けられている。固定子巻線をティース121に巻き付ける方法としては、ティース121に絶縁体を装着した状態で、絶縁体の回りに固定子巻線を巻き付ける方法や、絶縁体の回りに固定子巻線を巻き付けた状態で、絶縁体をティース121に装着する方法を用いることができる。
【0014】
ティース121に装着される絶縁体の
第1実施形態を、
図3〜
図7を参照して説明する。
図3は、
第1実施形態の絶縁体200の斜視図である。
図4は、
図3を矢印IVの方向から見た図であり、
図5は、
図3を矢印Vの方向から見た図であり、
図6は、
図3を矢印VIの方向から見た図であり、
図7は、
図3をVII−VII線から見た図である。
【0015】
絶縁体200(「樹脂ボビン」と呼ばれている)は、絶縁特性を有する樹脂、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、液晶ポリマー(LCP)樹脂、ナイロン等により形成される。
絶縁体200は、第1鍔部210、第2鍔部220、胴部230および貫通孔240を有している。
第1鍔部210は、軸方向(
図4において上下方向)および周方向(
図4において左右方向)に沿って延在するとともに、径方向外周側(
図4において紙面表側)に外周面210A、径方向内周側(
図4において紙面裏側)に内周面210B、軸方向一方側(
図4において上側)に端面211、軸方向他方側(
図4において下側)に端面212、周方向一方側(
図4において右側)に側面213、周方向他方側(
図4において左側)に側面214を有している。
第2鍔部220は、第1鍔部210より径方向内周側に配置され、軸方向および周方向に沿って延在するとともに、径方向外周側に外周面220A、径方向内周側に内周面220B、軸方向一方側に端面221、軸方向他方側に端面222、周方向一方側に側面223、周方向他方側に側面224を有している。
胴部230は、第1鍔部210と第2鍔部220との間に設けられ、径方向に沿って延在している。
貫通孔240は、胴部230の内側に径方向および軸方向に沿って延在するように形成され、第1鍔部210の外周面210Aおよび第2鍔部220の内周面220Bに開口している。
【0016】
第1鍔部210の外周面210A、内周面210B、端面211、端面212、側面213および側面214が、それぞれ本発明の「第1外周面」、「第1内周面」、「第1端面」、「第2端面」、「第1側面」および「第2側面」に対応する。
また、第2鍔部220の外周面220A、内周面220B、端面221、端面222、側面223および側面224が、それぞれ本発明の「第2外周面」、「第2内周面」、「第3端面」、「第4端面」、「第3側面」および「第4側面」に対応する。
【0017】
貫通孔240は、内壁面241〜244により形成されている。本実施形態では、
図8に示されているように、ティース基部122の端部を、第2鍔部220側から貫通孔240内に挿入する場合、ティース基部122の外壁面122a、122b、122cおよび122dが、それぞれ貫通孔240の内壁面241、242、243および244に対向するように挿入される。
なお、貫通孔240の内壁面241、242、243および244は、第2鍔部220の内周面220B側に、傾斜面241a、242a、243aおよび244aを有する。これにより、ティース基部122(ティース121)に対する絶縁体200の軸方向および周方向のずれを防止しながら、ティース基部122(ティース121)を絶縁体200の貫通孔240内に容易に挿入することができる。
【0018】
第1鍔部210には、外周面210Aから径方向外周側に突出する突部250、260および270が設けられている。本実施形態では、外周面210Aは、周方向および軸方向に沿って延在する平坦面に形成されている。
【0019】
突部250は、貫通孔240に対して端面212側に設けられている。
突部250は、端面212側(軸方向他方側)に外壁面251を有し、貫通孔240側(軸方向一方側)に外壁面252を有している。外壁面251は、端面212側から貫通孔240側に向かって、外周面210Aからの距離が長くなる傾斜面に形成されている。突部250の外壁面251が傾斜していることにより、絶縁体200の貫通孔240に挿入され、貫通孔240から(第1鍔部210の外周面210Aから)飛び出ているティース基部122の端部を、第2コア部材130の凹部134に圧入する際に、ティース基部122の端部が凹部134内に容易にガイドされる。
突部250が、本発明の「ガイド用突部」に対応し、突部250の外壁面251が、本発明の「ガイド面」に対応する。
【0020】
突部260は、貫通孔240より端面211側(軸方向一方側)で、側面213側(周方向一方側)の領域に設けられている。
突部260は、径方向外周側に形成され、周方向および軸方向に沿って延在する外壁面261、軸方向他方側に形成され、周方向に沿って延在する外壁面262、周方向一方側(突部270と反対側)に形成され、軸方向に沿って延在する外壁面264、周方向他方側(突部270と対向する側)に形成され、軸方向に沿って延在する外壁面263を有している。なお、突部260の、軸方向一方側の外壁面は、第1鍔部210の端面211により(端面211と面一に)形成されている。
外壁面264は、軸方向一方側から軸方向他方側に向けて、第1外壁面部分264a、第2外壁面部分264b、第3外壁面部分264c、第4外壁面部分264d、第5外壁面部分264eを有している。
本実施形態では、第1外壁面部分264aと第5外壁面部分264eは、軸方向に平行に延在し、第2外壁面部分264bと第3外壁面部分264cは、側面213上の暗部から軸方向および周方向に対して傾斜状に延在し、第4外壁面部分264dは、周方向に平行(軸方向に直角)に延在している。第2外壁面部分264bは、第1外壁面部分264a側の端部が、第3外壁面部分264c側(側面213側)の端部より軸方向一方側および周方向他方側に配置されるように傾斜している。第1外壁面部分264aと第2外壁面部分264bによって、側面213および端面211から窪んでいる切欠部265が形成される。また、第3外壁面部分264cは、第4外壁面部分264d側の端部が、第2外壁面部分264b側(側面213側)の端部より軸方向他方側および周方向他方側に配置されるように傾斜している。第3外壁面部分264c、第4外壁面部分264dおよび第5外壁面部分264eによって、後述する凹部280の一部を構成する切欠部266が形成される。
【0021】
突部270は、貫通孔240より端面211側(軸方向一方側)で、側面214側(周方向他方側)の領域に設けられている。
突部270は、径方向外周側に形成され、周方向および軸方向に沿って延在する外壁面271、軸方向他方側に形成され、周方向に沿って延在する外壁面272、周方向一方側(突部260と対向する側)に形成され、軸方向に沿って延在する外壁面273、周方向他方側(突部260と反対側)に形成され、軸方向に沿って延在する外壁面274を有している。なお、突部270の、軸方向一方側の外壁面は、第1鍔部210の端面211により(端面211と面一に)形成されている。
外壁面274は、軸方向一方側から軸方向他方側に向けて、第1外壁面部分274a、第2外壁面部分274b、第3外壁面部分274c、第4外壁面部分274d、第5外壁面部分274eを有している。
本実施形態では、第1外壁面部分274aと第5外壁面部分274eは、軸方向に平行に延在し、第2外壁面部分274bと第3外壁面部分274cは、側面214上の端部から軸方向および周方向に対して傾斜状に延在し、第4外壁面部分274dは、周方向に平行(軸方向に直角)に延在している。第2外壁面部分274bは、第1外壁面部分274a側の端部が、第3外壁面部分274c側(側面214側)の端部より軸方向一方側および周方向一方側に配置されるように傾斜している。第1外壁面部分274aと第2外壁面部分274bによって、側面214および端面211から窪んでいる切欠部275が形成される。また、第3外壁面部分274cは、第4外壁面部分274d側の端部が、第2外壁面部分274b側(側面214側)の端部より軸方向他方側および周方向一方側に配置されるように傾斜している。第3外壁面部分274c、第4外壁面部分274dおよび第5外壁面部分274eによって、後述する凹部290の一部を構成する切欠部276が形成される。
また、突部270の第1外壁面部分274aから周方向他方側に突出している係止突部277が設けられている。係止突部277は、周方向他方側の端部に、軸方向他方側に突出する突部278を有している。
係止突部277によって、後述するように、固定子巻線の端部が固定される。また、切欠部265と275によって、固定子巻線の端部を固定する際の作業空間が確保される。
【0022】
また、第1鍔部210には、外周面210Aから径方向内周側に窪んでいる凹部280と凹部290が設けられている。
凹部280は、貫通孔240に対して側面213側(周方向一方側)に設けられ、周方向一方側(側面213側)および径方向外周側が開口している。凹部280は、底面281と、底面281の軸方向一方側および軸方向他方側に設けられている第1壁面および第2壁面と、底面281の周方向他方側に設けられている第3壁面により形成されている。
凹部280の底面281は、軸方向および周方向に沿って延在している。本実施形態では、底面281は、平坦面に形成されている。
凹部280の、軸方向一方側の第1壁面は、突部260の第3外壁面部分264cと第4外壁面部分264dにより形成されている。本実施形態では、第4外壁面部分264dは、周方向に平行に延在し、第3外壁面部分264cは、周方向および軸方向に対して傾斜状に延在している。
凹部280の、軸方向他方側の第2壁面は、周方向に沿って延在する壁面282によって形成されている。本実施形態では、壁面282は、周方向に平行に延在している。
凹部280の周方向他方側の第3壁面は、軸方向に沿って延在する壁面283と突部260の第5外壁面部分264eによって形成されている。本実施形態では、壁面283と第5外壁面部分264eは、軸方向に平行に延在している。
凹部280は、後述する絶縁フィルムの周方向他方側の部分の周方向および軸方向の位置を規制する。
【0023】
凹部290は、貫通孔240に対して側面214側(周方向他方側)に設けられ、周方向他方側(側面214側)および径方向外周側が開口している。凹部290は、底面291と、底面291の軸方向一方側および軸方向他方側に設けられている第1壁面および第2壁面と、底面281の周方向一方側に設けられている第3壁面により形成されている。
凹部290の底面291は、軸方向および周方向に沿って延在している。本実施形態では、底面291は、平坦面に形成されている。
凹部290の、軸方向一方側の第1壁面は、突部270の第3外壁面部分274cと第4外壁面部分274dにより形成されている。本実施形態では、第4外壁面部分274dは、周方向に平行に延在し、第3外壁面部分274cは、周方向および軸方向に対して傾斜状に延在している。
凹部290の、軸方向他方側の第2壁面は、周方向に沿って延在する壁面292によって形成されている。本実施形態では、壁面292は、周方向に平行に延在している。
凹部290の周方向一方側の第3壁面は、軸方向に沿って延在する壁面293と突部270の第5外壁面部分274eによって形成されている。本実施形態では、壁面293と第5外壁面部分274eは、軸方向に平行に延在している。
凹部290は、後述する絶縁フィルムの周方向一方側の部分の周方向および軸方向の位置を規制する。
【0024】
突部260が、本発明の「第1突部」に対応し、突部270が、本発明の「第2突部」に対応し、凹部280が、本発明の「第1位置規制部」あるいは「第1凹部」に対応し、凹部290が、本発明の「第2位置規制部」あるいは「第2凹部」に対応する。
突部260の第3外壁面部分264cと第4外壁面部分264dによって、本発明の「第1位置規制部の第1壁面」あるいは「第1凹部の第1凹部形成面」が構成され、壁面282によって、本発明の「第1位置規制部の第2壁面」あるいは「第1凹部の第2凹部形成面」が構成され、壁面283と突部260の第5外壁面部分264eによって、本発明の「第1位置規制部の第3壁面」あるいは「第1凹部の第3凹部形成面」が構成される。
突部260の第4外壁面部分264dが、本発明の「第1位置規制部の第1壁面第1部分」あるいは「第1凹部の第1凹部形成面第1部分」に対応し、突部260の第3外壁面部分264cが、本発明の「第1位置規制部の第1壁面第2部分」あるいは「第1凹部の第1凹部形成面第2部分」に対応する。
突部270の第3外壁面部分274cと第4外壁面部分274dによって、本発明の「第2位置規制部の第4壁面」あるいは「第2凹部の第4凹部形成面」が構成され、壁面292によって、本発明の「第2位置規制部の第5壁面」あるいは「第2凹部の第5凹部形成面」が構成され、壁面293と突部270の第5外壁面部分274eによって、本発明の「第2位置規制部の第6壁面」あるいは「第2凹部の第6凹部形成面」が構成される。
突部270の第4外壁面部分274dが、本発明の「第2位置規制部の第4壁面第1部分」あるいは「第2凹部の第4凹部形成面第1部分」に対応し、突部270の第3外壁面部分274cが、本発明の「第2位置規制部の第4壁面第2部分」あるいは「第2凹部の第4凹部形成面第2部分」に対応する。
【0025】
さらに、第1鍔部210の、周方向一方側の側面213は、軸方向他方側から軸方向一方側に向けて、側面部分213aと213bを有している。側面部分213bは、凹部280に対応する領域に形成され、側面部分213aの厚さより薄い厚さを有する。
また、第1鍔部210の周方向他方側の側面214は、軸方向他方側から軸方向一方側に向けて、側面部分214a、214b、214cおよび214dを有している。側面部分214b、214cおよび214dは、凹部290に対応する領域に形成され、側面部分214aの厚さより薄い厚さを有している。また、側面部分214bは、側面部分214aの延在方向と同じ方向に延在し、側面部分214cと214eは、側面部分214b(214a)の延在方向に対して傾斜状に延在している。本実施形態では、側面部分214bは、側面部分214c側の端部が、側面部分214a側の端部より軸方向一方側および周方向一方側に配置されるように傾斜している。また、側面部分214dは、側面部分214c側の端部が、側面部分214cと反対側の端部より軸方向他方側および周方向一方側に配置されるように傾斜している。側面部分214cと214dによって、側面214に、周方向一方側に窪んでいる凹部215が形成される。側面部分214bおよび凹部215については、後述する。
【0026】
また、第2鍔部220は、軸方向一方側に、内周面220Bから径方向内周側に突出する突部が設けられている。これにより、第2鍔部220の側面223は、側面部分223aと、側面部分223aより厚い側面部分223bを有し、側面224は、側面部分224aと、側面部分224aより厚い側面部分224bを有している。側面部分223aと223bの間および側面部分224aと224bの間には、段差面225が形成されている。
また、第2鍔部220の端面221から軸方向一方側に突出している突部225が設けられている。突部225は、径方向内周側に突出する突部226を有している。
【0027】
次に、第1コア部材120と第2コア部材130を組み付ける動作を説明する。
先ず、第1コア部材120のティース121(ティース基部122)に絶縁体200を装着する。本実施形態では、
図8に示されているように、ティース121のティース基部122の端部を、絶縁体200の貫通孔240に、第2鍔部220側から挿入する。この時、貫通孔240を形成する内壁面241〜244の、径方向内周側の傾斜面241a〜244aによって、ティース基部122の端部が貫通孔240内にガイドされる。ティース基部122は、ティース基部122の端部が第1鍔部210の外周面210Aから飛び出るように挿入される。
そして、第1コア部材120のティース121に絶縁体200が装着された状態で、固定子巻線を巻き付ける。本実施形態では、絶縁体200の第1鍔部210、第2鍔部220および胴部230によって形成される空間に固定子巻線を巻き付けている。
なお、絶縁体200の装着および固定子巻線610の巻き付けに関しては、固定子巻線を絶縁体200に巻き付けた状態で、第1コア部材120のティース121に絶縁体200を装着する方法を用いることもできる。
【0028】
そして、ティース121に絶縁体200が装着されているとともに、絶縁体200に固定子巻線が巻き付けられた状態で、第1コア部材120と第2コア部材130を組み付ける。本実施形態では、絶縁体200の貫通孔240に挿入され、第1鍔部210の外周面210Aから飛び出ている、ティース基部122の端部を、第2コア部材130のヨーク131に形成されている凹部134に圧入することによって、第1コア部材120と第2コア部材130を組み付けている。
本実施形態では、絶縁体200の貫通孔240に挿入されたティース基部122の端部を、軸方向に沿って移動させながら第2コア部材130の凹部134に圧入する際、貫通孔240より端面212側(軸方向他方側)に形成されている突部250の外壁面251によって、ティース基部122の端部が凹部134内にガイドされる。これにより、第1コア部材120あるいは絶縁体200と第2コア部材130が強い力で接触するのを防止することができ、第1コア部材120や第2コア部材130が変形し、あるいは、絶縁体200にクラックが発生するのを防止することができる。
また、ティース基部122の端部を第2コア部材130の凹部134に圧入する方法として、圧入治具を用いて、第1鍔部210の外周面210Aから飛び出ているティース基部122の、軸方向一方側の壁面122aに、ティース基部122の端部を凹部134に挿入する方向に移動させる力を加える方法を用いることができる。
この時、圧入治具によって加えられる力によってティース基部122の端部が周方向および径方向に膨らむと、圧入作業が困難となる。このため、適切な大きさの圧入治具を用いて、ティース基部122の端部の適切な箇所に力を加える必要がある。本実施形態では、第1鍔部210に、貫通孔240より端面211側に、突部260の外壁面部分263と突部270の外壁面部分273によって、圧入治具の移動経路が形成されている。これにより、ティース基部122の端部の変形を防止しながら、ティース基部122の端部を第2コア部材130の凹部134に圧入することができる。
突部260の外壁面部分263が、本発明の「第1突部の経路形成面」に対応し、突部270の外壁面部分273が、本発明の「第2突部の経路形成面」に対応し、突部260の外壁面部分263と突部270の外壁面部分273によって、本発明の「圧入治具の移動経路」が形成される。
【0029】
次に、絶縁体200に巻き付けられた固定子巻線と固定子コアのヨーク131とを絶縁する絶縁フィルムについて説明する。絶縁フィルムは、絶縁体200とヨーク131との間に配置される。絶縁フィルムは、好適には、絶縁特性を有する樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂やポリエチレンナフタレート樹脂により形成される。
なお、絶縁フィルムは、絶縁体200に巻き付けられた固定子巻線とヨーク131との間を絶縁することができるように配置されていればよく、絶縁フィルムの全部が絶縁体200とヨーク131との間に配置されていなくてもよい。すなわち、絶縁フィルムの少なくとも一部が、絶縁体200とヨーク131との間に配置されていればよい。
【0030】
絶縁フィルムの
第1実施形態を、
図9、
図10を参照して説明する。
図9は、絶縁フィルム310の斜視図であり、
図10は、絶縁フィルム310の展開図である。
なお、
図9に示されている、互いに直交する
A方向、
B方向およびC方向は、絶縁フィルム310が絶縁体200とヨーク131との間に挿入されて保持された状態において、軸方向、周方向、径方向に略平行に延在する。
A方向、
B方向、C方向が、それぞれ本発明の「第1方向」、「第1方向と交差する第2方向」、「第1方向および第2方向と交差する第3方向」に対応する。
【0031】
第1実施形態の絶縁フィルム310は、
図10に示されている板状の絶縁フィルム320を折り曲げることによって形成される。
絶縁フィルム320は、B方向一方側およびB方向他方側に形成され、A方向に沿って延在する縁部321および縁部322と、A方向一方側およびA方向他方側に形成され、B方向に沿って延在する縁部323および縁部324を有している。
縁部323は、B方向一方側からB方向他方側に向って、第1端部分323a、第1傾斜部分323b、中央部分323c、第2傾斜部分323d、第2端部分323eを有している。本実施形態では、第1端部分323a、中央部分323cおよび第2端部分323eは、B方向に平行に延在し、第1傾斜部分323bおよび第2傾斜部分323dは、A方向およびB方向に対して傾斜状に延在している。第1傾斜部分323bは、中央部分323c側の端部が、第1端部分323a側の端部よりA方向一方側およびB方向他方側に配置されるように傾斜している。第2傾斜部分323dは、中央部分323c側の端部が、第2端部分323e側の端部よりA方向一方側およびB方向一方側に配置されるように傾斜している。
縁部324は、B方向一方側からB方向他方側に向って、第1端部分324a、第1傾斜部分324b、中央部分324c、第2傾斜部分324d、第2端部分324eを有している。本実施形態では、第1端部分324a、中央部分324cおよび第2端部分324eは、B方向に平行に延在し、第1傾斜部分324bおよび第2傾斜部分324dは、A方向およびB方向に対して傾斜状に延在している。第1傾斜部分324bは、中央部分324c側の端部が、第1端部分324a側の端部よりA方向一方側およびB方向他方側に配置されるように傾斜している。第2傾斜部分324dは、中央部分324c側の端部が、第2端部分324e側の端部よりA方向一方側およびB方向一方側に配置されるように傾斜している。
【0032】
絶縁フィルム310は、
図10に示されている板状の絶縁フィルム320を、折り曲げ部L1〜L3に沿って折り曲げることによって形成される。
本実施形態では、折り曲げ部L1は、縁部323の中央部分323cの中央(縁部324の中央部分324cの中央)を通るように設定されている。折り曲げ部L2は、縁部323の第1傾斜部分323bと中央部分323cとの接続点(縁部324の第1傾斜部分324bと中央部分324cとの接続点)を通るように設定されている。折り曲げ部L3は、縁部323の中央部分323cと第2傾斜部分323dとの接続点(縁部324の中央部分424cと第2傾斜部分324dとの接続点)を通るように設定されている。
板状の絶縁フィルム320を折り曲げ部L1〜L3に沿って折り曲げた絶縁フィルム310は、
図9に示されているように、第1分割部分310A〜第4分割部分310Dにより形成され、断面がT字状を有している。
すなわち、折り曲げ部L1とL2によって分割された第2分割部分310Bと折り曲げ部L1とL3により分割された第3分割部分310Cは、折り曲げ部L1に沿ってV字状に折り曲げられる。また、縁部321と折り曲げ部L2によって分割された第1分割部分310Aは、折り曲げ部L2に沿って、V字状の開口部と反対側に折り曲げられる。また、縁部322と折り曲げ部L3によって分割された第3分割部分310Dは、折り曲げ部L3に沿って、V字状の開口部と反対側に折り曲げられる。
折り曲げられた絶縁フィルム310は、A方向に沿って延在する縁部311および312、B方向に沿って延在する縁部313および314を有している。縁部313は、第1端部分313a、第1傾斜部分313b、中央部分313c(中央部分第1部分313c1、中央部分第2部分313c2)、第2傾斜部分313cおよび第2端部分313eを有している。縁部314は、第1端部分314a、第1傾斜部分314b、中央部分314c(中央部分第1部分314c1、中央部分第2部分314c2)、第2傾斜部分および第2端部分314eを有している。
【0033】
絶縁フィルム310が、本発明の「巻線絶縁部材」に対応する。
縁部311、312、313および314が、それぞれ本発明の「第1縁部」、「第2縁部」、「第3縁部」および「第4縁部」に対応する。また、縁部313の第1端部分313a、第1傾斜部分313b、中央部分313c、中央部分第1部分313c1、中央部分第2部分313c2、第2傾斜部分313dおよび第2端部分313eが、それぞれ本発明の「第1端部分」、「第1傾斜部分」、「第1中央部分」、「第1中央部分第1部分」、「第1中央部分第2部分」、「第2傾斜部分」および「第2端部分」に対応する。また、縁部314の第1端部分314a、第1傾斜部分314b、中央部分314c、中央部分第1部分314c1、中央部分第2部分314c2、第2傾斜部分314dおよび第2端部分314eが、それぞれ本発明の「第3端部分」、「第3傾斜部分」、「第2中央部分」、「第2中央部分第1部分」、「第2中央部分第2部分」、「第4傾斜部分」および「第4端部分」に対応する。
折り曲げ部L2、L1およびL3が、それぞれ本発明の「第1折り曲げ部」、「第2折り曲げ部」および「第3折り曲げ部」に対応する。第1分割部分310A〜第4分割部分310Dが、本発明の「第1分割部分」〜「第4分割部分」に対応する。
【0034】
本実施形態の絶縁フィル310では、A方向一方側の縁部313は、中央部分313c(313c1、313c2)がA方向一方側に飛び出ている突状に形成され、A方向他方側の縁部314は、中央部分314c(314c1、314c2)がA方向一方側に窪んでいる凹状に形成されている。
このため、
図11に示されているように、矢印方向に移動している絶縁シート330を切断刃340で切断して、板状の絶縁フィルム320を形成する際に、材料ロスを低減することができる。すなわち、絶縁フィルム320の縁部323(323a〜323e)および縁部324(324a〜324e)の形状に対応する形状の刃324(刃部分324a〜324f)を備える切断刃340を用いて切断することにより、不要な部分(材料ロス)が低減される。
【0035】
絶縁フィルム310は、
図12に示されているように、第1コア部材120と第2コア部材130を組み付けた状態で、絶縁体200とヨーク131の間に挿入される。この時、絶縁フィルム310は、縁部311が周方向一方側に配置され、縁部312が周方向他方側に配置されるように挿入される。
本実施形態では、縁部311と縁部312の間隔が短くなるように絶縁フィルム310を弾性変形させた状態で、縁部313が、絶縁体200の第1鍔部210の端面212側(軸方向他方側)から、すなわち、突部260および270が設けられていない側から挿入される。この時、絶縁フィルム310の、V字状に折り曲げられた第2分割部分310Bと第3分割部分310Cは、スロット内の、異なる相の固定子巻線の間に挿入される。
そして、絶縁フィルム310の挿入が完了すると、絶縁フィルム310に加えていた力を解除して、絶縁フィルム310を弾性復帰させる。これにより、
図12に示されているように、絶縁フィルム310の縁部311側(B方向一方側)の第1分割部分310Aが、周方向に隣接する2つの絶縁体200(詳しくは、周方向に隣接する2つのティース121それぞれに装着された2つの絶縁体200)のうちの、周方向一方側に配置されている絶縁体200の凹部290に配置され、縁部312側(B方向他方側)の第4分割部分310Dが、周方向に隣接する2つの絶縁体200のうちの、周方向他方側に配置されている絶縁体200の凹部280に配置される。
この時、絶縁フィルム310の周方向一方側への移動は、縁部311が、絶縁体200の凹部290を形成する壁面293と突部270の第5外壁面部分274eに当接することによって規制される。また、絶縁フィルム310の周方向他方側への位置は.縁部312が、絶縁体200の凹部280を形成する壁面283と突部260の第5外壁面部分264eに当接することによって規制される。また、絶縁フィルム310の軸方向一方側への移動は、縁部313の第1端部分313aと第1傾斜部分313bが、絶縁体200の突部270の第4外周面部分274dと第3外周面部分274cに当接することによって、あるいは、縁部313の第2端部分313eと第2傾斜部分313dが、絶縁体200の突部260の第4外周面部分264dと第3外周面部分264cに当接することによって規制される。また、絶縁フィルム310の軸方向他方側への移動は、縁部314の第1端部分324aが、絶縁体200の凹部290を形成する壁面292に当接することによって、あるいは、縁部314の第2端部分324eが、凹部280を形成する壁面282に当接することによって規制される。
絶縁フィルム310の周方向一方側への移動は、縁部313の第1傾斜部分313bが突部270の第3外壁面部分274cに当接することによっても規制され、また、絶縁フィルム310の周方向他方側への移動は、縁部313の第2傾斜部分313dが突部260の第3外壁面部分264cに当接することによっても規制される。
また、絶縁体200の側面214には、側面部分214cと214dによって、貫通孔240側(周方向一方側)に窪んでいる凹部215が形成されている。これにより、絶縁フィルム310の軸方向他方側への移動は、絶縁フィルム310の縁部314の、折り曲げ部L1近傍の部分が、絶縁体200の側面部分214cに当接することよって規制される。
これにより、挿入作業性を向上させるための第1傾斜部分313bおよび第2傾斜部分313dを有する絶縁フィルム310の周方向および軸方向の位置を確実に規制することができる。
絶縁体200の側面部分214cの配置位置および傾斜角度は、絶縁フィルム310の縁部314の軸方向に沿った移動を、側面部分214cによって規制することができるように設定される。
本実施形態の絶縁フィルム310は、絶縁体200に巻き付けられている固定子巻線とヨーク131とを絶縁する機能と、スロット内に収容されている、異なる相の固定子巻線間を絶縁する相間絶縁機能を有している。
【0036】
絶縁フィルムの
第2実施形態を、
図14を参照して説明する。
第2実施形態の絶縁フィルム350は、
図15に示されている板状の絶縁フィルム360を折り曲げることによって形成される。
第2実施形態の絶縁フィルム350は、A方向他方側の縁部354の形状を除いて、第1実施形態の絶縁フィルム310と同じ構成である。
なお、
図14および
図15において、
図9および
図10に記載されている各構成部に付されている符号と、2桁目以外が同じ符号が付されている構成部は、同じ構成部を示している。
本実施形態の板状の絶縁フィルム360の縁部364は、B方向一方側からB方向他方側に向って、第1端部分364a、第1傾斜部分364b、
中央部分364c、第2傾斜部分364d、第2端部分364eを有している。本実施形態では、第1端部分364a、中央部分364cおよび第2端部分364eは、B方向に平行に延在し、第1傾斜部分および第2傾斜部分364dは、A方向およびB方向に対して傾斜状に延在している。第1端部分364bは、中央部分364c側の端部が、第1端部分364a側の端部よりA方向他方側およびB方向他方側に配置されるように傾斜している。第2傾斜部分364dは、中央部分364c側の端部が、第2端部分364e側の端部よりA方向他方側およびB方向一方側に配置されるように傾斜している。
そして、第1実施形態の絶縁フィルム310と同様に、折り曲げ部L1〜L3に沿って第1分割部分350A〜第4分割部分350Dが折り曲げられることによって、断面がT字状を有する絶縁フィルム350が形成される。
本実施形態の絶縁フィル350では、A方向一方側の縁部353は、中央部分353c(中央部分第1部分353c1、中央部分第2部分353c2)がA方向一方側に飛び出ている突状に形成され、A方向他方側の縁部354は、中央部分354c(中央部分第1部分354c1、中央部分第2部分354c2)がA方向他方側に飛び出ている突状に形成されている。
本実施形態の絶縁フィルム350は、縁部353側から挿入することもできるし、縁部354側から挿入することもできる。これにより、絶縁フィルム350の挿入作業性をより向上させることができる。
【0037】
第2実施形態の絶縁フィルム350を絶縁体200とヨーク131との間に配置した状態が
図16に示されている。
図16の破線は、絶縁フィルム350の
縁部354の折り曲げ部L3の近傍の部分が、絶縁体200の側面214の側面部分214cに当接することによって、絶縁フィルム350の軸方向他方側への移動が規制される状態を示している。
また、
図16の一点鎖線は、絶縁フィルム350の
縁部354の折り曲げ部L3の近傍の部分が、絶縁体200の凹部290を形成する壁面292の、側面214側の端部に当接することによって、絶縁フィルム350の軸方向他方側への移動が規制される状態が示されている。
【0038】
図17に、第1実施形態の絶縁体200を、第2実施形態の絶縁フィルム350用に変更した変更例が示されている。
図17に示されている絶縁体200の変更例では、凹部280を形成する壁面282および凹部290を形成する壁面292の形状が異なっている。
変更例では、凹部280を形成する壁面282は、周方向に沿って延在する壁面部分282aと、壁面部分282aより周方向一方側に配置され、周方向および軸方向に対して傾斜状に延在する壁面部分282bを有している。
図17では、壁面部分282aは、周方向に平行に延在している。また、壁面部分282bは、壁面部分282aと反対側の端部が、壁面部分282a側の端部より周方向一方側および軸方向他方側に配置されるように傾斜している。
凹部290を形成する壁面292は、周方向に沿って延在する壁面部分292aと、壁面部分292aより周方向他方側に配置され、周方向および軸方向に対して傾斜状に延在する壁面部分292bを有している。
図17では、壁面部分292aは、周方向に平行に延在している。また、壁面部分292bは、壁面部分292aと反対側の端部が、壁面部分292a側の端部より周方向他方側および軸方向他方側に配置されるように傾斜している。
本変更例では、絶縁フィルム350の軸方向一方側への移動は、絶縁フィルム350の縁部353の第1端部分353aと第1傾斜部分353bが、絶縁体220の突部270の第4外壁面部分274dと第3外壁面部分274cに当接することによって、あるいは、縁部353の第2端部分353eと第2傾斜部分353dが、突部260の第4外壁面部分264dと第3外壁面部分264cに当接することによって規制される。また、絶縁フィルム350の軸方向他方側への移動は、絶縁フィルム350の縁部354の第1端部分354aと第1傾斜部分354bが、絶縁体220の凹部290を形成する壁面292の壁面部分292aと壁面部分292bに当接することによって、あるいは、縁部354の第2端部分354eと第2傾斜部分354dが、凹部280を形成する壁面282の壁面部分282aと壁面部分282bに当接することによって規制される。
これにより、挿入作業性をより向上させることができるとともに、保持性をより向上させることができる。
なお、変更例の側面214は、
図3に示されている、傾斜状に延在する側面部分241cと214dが省略され、軸方向に延在する側面部分214aと214bを有している。
【0039】
絶縁フィルムの
第3実施形態を、
図18を参照して説明する。
第3実施形態の絶縁フィルム370は、
図19に示されている板状の絶縁フィルム380を折り曲げることによって形成される。
第3実施形態の絶縁フィルム370は、A方向他方側の縁部374の形状を除いて、第1実施形態の絶縁フィルム310と同じ構成である。
なお、
図18および
図19において、縁部374と384を除いて、
図9および
図10に記載されている各構成部に付されている符号と、2桁目以外が同じ符号が付されている構成部は、同じ構成部を示している。
本実施形態の絶縁フィルム370では、縁部374は、B方向一方側からB方向他方側に向って、第1端部分374a、中央部分第1部分374b、中央部分第2部分374c、第2端部分374dを有している。第1端部分374a、中央部分第1部分374b、中央部分第2部分374cおよび第2端部分374dは、
図19に示されている板状の、絶縁フィルム380の縁部384を、折り曲げ部L1〜L3によって分割したものであり、B方向に平行に延在している。
そして、第1実施形態の絶縁フィルム310と同様に、折り曲げ部L1〜L3に沿って第1分割部分370A〜第4分割部分370Dが折り曲げられることによって、断面がT字状を有する絶縁フィルム370が形成される。
本実施形態の絶縁フィル370では、A方向一方側の縁部373は、中央部分373c(中央部分第1部分373c1、中央部分第2部分373c2)がA方向一方側に飛び出ている突状に形成され、A方向他方側の縁部374は、B方向に平行な形状を有している。
【0040】
第3実施形態の絶縁フィルム370を絶縁体200とヨーク131との間に配置した状態が
図20に示されている。
図20では、樹脂フィルム370の軸方向他方側への移動は、樹脂フィルム370の縁部374の第1縁部分374aが、絶縁体200の凹部290を形成する壁面292に当接することによって、あるいは、縁部374の第2縁部分374dが、凹部280を形成する壁面282に当接することによって規制される。
なお、本実施形態の樹脂フィルム370を用いる場合には、絶縁体200の側面214を、
図3に示されている、傾斜状に延在する側面部分241cと214dを省略し、軸方向に延在する側面部分214aと214bを有するように変更することもできる。
【0041】
次に、本発明の電動機を構成する固定子の
第2実施形態を、
図21を参照して説明する。なお、
図21は、第2実施形態の固定子400の斜視図である。第1実施形態の固定子100では、絶縁体200に、絶縁フィルムの周方向および軸方向の位置を規制する凹部280および290を設けたが、第2実施形態の固定子400では、固定子コアのヨークに、絶縁フィルムが軸方向に沿って移動可能な溝を設け、絶縁体に、絶縁フィルムの軸方向に沿った移動を規制する突部を設けている。
本実施形態の固定子400は、第1実施形態の固定子100と同様に、固定子コア410、絶縁体500、固定子巻線(図示省略)、絶縁フィルム310により構成されている。
【0042】
固定子コア410は、軸方向両側にコア端面410Aおよび410Bを有している。また、固定子コア410は、分割構造の固定子コアとして構成されている。本実施形態では、固定子コア410は、
図22に示されているように、ティース421を有する第1コア部材420と、ヨーク431を有する第2コア部材430により構成されている。
第1コア部材420は、第1実施形態の第1コア部材120と同様に、ティース基部422、ティース先端部423およびティース先端面424を有する複数のティース421が、連結部425によって連結された状態で周方向に沿って複数設けられている。
第2コア部材430は、第1実施形態の第2コア部材430と同様に、ヨーク外周面432とヨーク内周面433を有するヨーク431が周方向に沿って延在している。また、第1コア部材420のティース基部422の先端部が圧入される凹部434を形成する凹部形成面434aを有している。また、ヨーク内周面433は、周方向に隣接する2つの凹部434(凹部形成面434a)の間に形成されているヨーク内周面部分433aと433bを有している。ヨーク内周面部分433aおよび433bは、第1実施形態のヨーク内周面部分133aおよび133bと同様に傾斜している。
本実施形態では、ヨーク431には、ヨーク内周面433から径方向外周側に窪んでいる溝形成面が形成されている。溝形成面は、ヨーク内周面部分433aおよび433bそれぞれから径方向外周側に窪んでいる溝形成面部分435aおよび435bを有している。溝形成面(溝形成面部分435a、435b)により、ヨーク内周面433から径方向外周側に窪んでいるとともに、コア端面410Aおよび410Bに開口している溝435が形成される。溝435(溝形成面)は、周方向に隣接する2つの凹部434の間(周方向に隣接する2つのティース421の間)に形成されている。
なお、溝435は、溝形成面部分435aによって形成される領域(周方向他方側の領域)と溝形成面部分435bによって形成される領域(周方向一方側の領域)を有している。絶縁フィルムの周方向一方側の縁部および周方向他方側の縁部は、同じ溝435に配置される。例えば、周方向一方側の縁部は、溝435内の、溝形成面部分435bにより形成される領域に配置され、周方向他方側の縁部は、溝形成面部分435aにより形成される領域に配置される。
【0043】
ティース421に装着される絶縁体の
第2実施形態を、
図23を参照して説明する。
図23は、第2実施形態の絶縁体500の斜視図である。
絶縁体500は、第1実施形態の絶縁体200と同様に、第1鍔部510、第2鍔部520、胴部530および貫通孔540を有している。
本実施形態の絶縁体500では、第1実施形態の絶縁体200の凹部280および290が省略され、代わりに、外周面510Aから径方向外周側に突出する突部580および590が設けられている。すなわち、突部560、570、580および590以外は、第1実施形態の絶縁体200と同様の構成である。したがって、以下では、突部560、570、580および590についてのみ説明する。
本実施形態では、第1鍔部510の外周面510A、内周面510B、端面511、端面512、側面513および側面514が、それぞれ本発明の「第1外周面」、「第1内周面」、「第1端面」、「第2端面」、「第1側面」および「第2側面」に対応する。
また、第2鍔部520の外周面520A、内周面520B、端面521、端面522、側面523および側面524が、それぞれ本発明の「第2外周面」、「第2内周面」、「第3端面」、「第4端面」、「第3側面」および「第4側面」に対応する。
【0044】
第1鍔部510には、外周面510Aから径方向外周側に突出する突部550、560、570、580および590が設けられている。
突部560は、貫通孔540より端面511側(軸方向一方側)で、側面513側(周方向一方側)の領域に設けられている。突部560は、第1実施形態の突部260と同様に、外壁面561〜564を有している。また、外壁面564は、第1実施形態の外壁面264と同様に、第1外壁面部分564a〜第5外壁面部分564eを有している。
突部570は、貫通孔540より端面511側(軸方向一方側)で、側面514側(周方向他方側)の領域に設けられている。突部570は、第1実施形態の突部270と同様に、外壁面571〜574を有している。また、外壁面574は、第1実施形態の外壁面274と同様に、第1外壁面部分574a〜第5外壁面部分574eを有している。
突部580は、貫通孔540より端面512側(軸方向他方側)で、側面513側(軸方向一方側)の領域に設けられている。突部580は、突部560と対向する側に、周方向に沿って延在する外壁面580aを有している。本実施形態では、外壁面580aは、周方向に平行に延在している。
突部590は、貫通孔540より端面512側(軸方向他方側)で、側面514側(軸方向他方側)の領域に設けられている。突部590は、突部570と対向する側に、周方向に沿って延在する外壁面590aを有している。本実施形態では、外壁面590aは、周方向に平行に延在している。
【0045】
突部560、570、580および590が、それぞれ本発明の「第1突部」、「第2突部」、「第3突部」および「第4突部」に対応する。突部560と突部580によって、本発明の「第1位置規制部」が構成され、突部570と突部590によって、本発明の「第2位置規制部」が構成されている。
突部560の第3外壁面部分564cと第4外壁面部分564dによって、本発明の「第1位置規制部の第1壁面」あるいは「第1突部の第1突部形成面」が構成され、突部580の外壁面580aによって、本発明の「第1位置規制部の第2壁面」あるいは「第3突部の第2突部形成面」が構成され、突部560の第5外壁面部分564eによって、本発明の「第1位置規制部の第3壁面」あるいは「第1突部の第3突部形成面」が構成される。
突部560の第4外壁面部分564dが、本発明の「第1位置規制部の第1壁面第1部分」あるいは「第1突部の第1突部形成面第1部分」に対応し、突部560の第3外壁面部分564cが、本発明の「第1位置規制部の第1壁面第2部分」あるいは「第1突部の第1突部形成面第2部分」に対応する。
突部570の第3外壁面部分574cと第4外壁面部分574dによって、本発明の「第2位置規制部の第4壁面」あるいは「第2突部の第4突部形成面」が構成され、突部590の外壁面590aによって、本発明の「第2位置規制部の第5壁面」あるいは「第4突部の第5突部形成面」が構成され、突部570の第5外壁面部分574eによって、本発明の「第2位置規制部の第6壁面」あるいは「第2突部の第6突部形成面」が構成される。
突部570の第4外壁面部分574dが、本発明の「第2位置規制部の第4壁面第1部分」あるいは「第2突部の第4突部形成面第1部分」に対応し、突部570の第3外壁面部分574cが、本発明の「第2位置規制部の第4壁面第2部分」あるいは「第2突部の第4突部形成面第2部分」に対応する。
【0046】
第1コア部材420と第2コア部材430を組み付ける動作は、第1実施形態の固定子100における第1コア部材120と第2コア部材130を組み付ける動作と同様である。すなわち、第1コア部材420のティース基部422の端部を絶縁体500の貫通孔540に挿入し、絶縁体500の第1鍔部510の外周面510Aから飛び出ているティース基部422の端部を、第2コア部材430のヨーク431に形成されている凹部434に圧入する。
この時、第1コア部材420のティース421に装着された絶縁体500の突部560の第3外周面部分564cおよび第4外周面部分564dと突部580の外壁面580aが、絶縁体500とヨーク431との間に挿入される絶縁フィルムの周方向他方側の部分が配置される領域、例えば、溝435の、溝形成面部分435aにより形成される領域に対向する位置に配置され、突部570の第3外周面部分574cおよび第4外周面部分574dと突部490の外壁面490aが、絶縁フィルムの周方向一方側の部分が配置される領域、例えば、溝435の、溝形成面部分435bにより形成される領域に対応する位置に配置されるように構成されている。すなわち、軸方向両側のコア端面に開口している溝435に配置された絶縁部材の、周方向一方側の縁部および周方向他方側の縁部の軸方向の移動を規制可能に構成される。
本実施形態では、前記した絶縁フィルム310、350、370を用いることができる。
【0047】
本発明は、実施形態で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
実施形態では、断面がT字状を有するように折り曲げられた絶縁フィルム、折り曲げられていない板状の絶縁フィルムについて説明したが、絶縁フィルムの形状はこれに限定されない。
絶縁フィルムは、第1方向(軸方向)に沿った少なくとも一方側の縁部が、第1方向(軸方向)と交差する第2方向(周方向)に沿って延在する第1端部分と第2端部分、第1方向および第2方向に対して傾斜状に延在する第1傾斜部分と第2傾斜部分を有していればよい。
実施形態では、絶縁フィルムを、絶縁体と固定子コアのヨークの間に配置したが、
絶縁フィルムの配置位置はこれに限定されない。
絶縁フィルムを、絶縁体(樹脂ボビン)がティースに装着された固定子に用いた場合について説明したが、本発明の絶縁フィルムは、これ以外の種々の構造の固定子、例えば、固定子コアの軸方向両側に絶縁体(樹脂ボビン)が配置された固定子に用いることができる。
各実施形態で説明した各構成は、単独で用いることもできるし、適宜選択した複数の構成を組み合わせて用いることもできる。
本発明の電動機は、空調機駆動用電動機、車両駆動用電動機、車載機器駆動用電動機等の種々の機器を駆動する電動機として用いることができる。