特許第6871903号(P6871903)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6871903プロテインキナーゼのモジュレーターとしてのキラルジアリール大環状分子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871903
(24)【登録日】2021年4月20日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】プロテインキナーゼのモジュレーターとしてのキラルジアリール大環状分子
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/16 20060101AFI20210510BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20210510BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20210510BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20210510BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20210510BHJP
   A61K 31/529 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   C07D487/16CSP
   A61P29/00
   A61P25/00
   A61P35/00
   A61P37/06
   A61K31/529
【請求項の数】13
【全頁数】152
(21)【出願番号】特願2018-500297(P2018-500297)
(86)(22)【出願日】2016年6月30日
(65)【公表番号】特表2018-519343(P2018-519343A)
(43)【公表日】2018年7月19日
(86)【国際出願番号】US2016040329
(87)【国際公開番号】WO2017004342
(87)【国際公開日】20170105
【審査請求日】2019年6月19日
(31)【優先権主張番号】62/188,043
(32)【優先日】2015年7月2日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/353,728
(32)【優先日】2016年6月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516221454
【氏名又は名称】ターニング・ポイント・セラピューティクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Turning Point Therapeutics,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】ジンロン・ジェイ・ツイ
(72)【発明者】
【氏名】イーシャン・リー
(72)【発明者】
【氏名】エバン・ダブリュー・ロジャーズ
(72)【発明者】
【氏名】ダヨン・ジャイ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ・デン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイン・ウン
【審査官】 東 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−530142(JP,A)
【文献】 特表2012−507569(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/050989(WO,A1)
【文献】 国際公開第2015/112806(WO,A1)
【文献】 特許第6490713(JP,B2)
【文献】 Journal of High Technology Law,2009年,pp.22-74
【文献】 佐藤 健太郎,広がる重水素の用途,Wako Organic Square,2010年,No.33,pp.1-3
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の式VII、式VIII、式IXまたは式Xの構造を有する化合物またはその薬学的に許容される塩。
【化1】
式中、
MはCHまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
はC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
およびRはそれらが結合している炭素原子と一緒になり、C−Cシクロアルキル環または5〜7員ヘテロシクロアルキル環を形成し;
およびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
はH、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または単環式5〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、またはヘテロアリールであり;ならびに
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換される。
【請求項2】
次の式XI、式XIIまたは式XIIIの構造を有する化合物またはその薬学的に許容される塩。
【化2】
式中、
MはCHまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
はC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
およびRはそれらが結合している原子と一緒になり、5〜7員ヘテロシクロアルキル環を形成し;
およびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、またはヘテロアリールであり;ならびに
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換される。
【請求項3】
がN(R)である、請求項1または2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
がHである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
がOである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
が−Hである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
が−Fである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
が、
(A)C−Cアルキル、または
(B)各水素原子が請求項1で定義するとおりに置換されたC−Cアルキル
である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
が1つ以上の−Fまたは−OHで置換されたC−Cアルキルである、請求項8に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
がメチル、エチル、2−ヒドロキシ−エチル、2−フルオロ−エチルまたは2−ヒドロキシ−2−プロピルである、請求項8に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
下記から成る群から選択される、請求項1または2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【化3】
【化4】
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、および任意で少なくとも1つの希釈剤、担体または賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項13】
癌の治療に使用するための、請求項12に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年7月2日に出願された米国仮特許出願第62/188,043号、および2016年6月23日に出願された米国仮特許出願第62/353,728号(その全開示は参照により本明細書に組み込まれる)の恩典を主張する。
【0002】
技術分野
本開示は、ある一定のキラルジアリール大環状誘導体、それらを含む医薬組成物、ならびにそれらを使用して癌、疼痛、神経疾患、自己免疫疾患、および炎症を治療する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
プロテインキナーゼは細胞成長、増殖および生存のための重要な制御因子である。遺伝的およびエピジェネティックな変化が癌細胞内で蓄積し、シグナル伝達経路の異常な活性化につながり、これが悪性プロセスを駆動する。Manning, G.ら Science 2002, 298, 1912−1934。これらのシグナル経路の薬理学的阻害は標的癌療法のための有望な介入機会を提供する。Sawyers, C., Nature 2004, 432, 294−297。
【0004】
ALKは、白血球チロシンキナーゼ(LTK)と共に、受容体チロシンキナーゼのインスリン受容体(IR)スーパーファミリー内に分類される。ALKは中枢および末梢神経系において主に発現され、神経系の正常な発達および機能における潜在的な役割が示唆される。Pulford, K.ら Cell Mol. Life Sci. 2004, 61, 2939。ALKは最初、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)細胞株においてt(2;5)(p23;q35)染色体転座から生じる融合遺伝子によりコードされる、融合タンパク質、NPM(ヌクレオフォスミン)−ALKとして発見された。Morris, S.W.ら Science 1994, 263, 1281。20を超える別個のALK転座パートナーが、ALCL(60−90%発生率)、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍(IMT、50−60%)、非小細胞肺癌(NSCLC、3−7%)、結腸直腸癌(CRC、0−2.4%)、乳癌(0−2.4%)、および他の癌腫を含む多くの癌において発見されている。Grande, E.ら Mol. Cancer Ther. 2011, 10, 569−579。ALK−融合タンパク質は細胞質中に位置し、ALKとの融合パートナーは、コイル−コイル相互作用により、融合タンパク質の二量体化またはオリゴマ化において役割を果たし、ALKキナーゼ機能の恒常的活性化が生成される。Bischof, D.ら Mol. Cell Biol., 1997, 17, 2312−2325。EML4−ALKは、棘皮動物微小管結合タンパク質様4(EML4)遺伝子およびALK遺伝子の一部を含み、NSCLCにおいて最初に発見され、発癌性が高く、トランスジェニックマウスにおいて肺腺癌を引き起こすことが示された。Soda, M.ら Nature 2007, 448, 561−566。神経芽細胞腫の家族性および孤発性症例の両方におけるALKの発癌性点変異。Mosse, Y. P.ら Nature 2008, 455, 930−935。ALKは、造血器、固形、および間葉系腫瘍における重要な役割のために、癌治療介入のための魅力的な分子標的となる。Grande、上記。
【0005】
トロポミオシン関連受容体チロシンキナーゼ(Trk)は、ニューロトロフィン(NT)、神経成長因子(NGF)ファミリーのタンパク質に対する高親和性受容体である。Trkファミリーのメンバーは神経起源の細胞において高度に発現される。それらの好ましいニューロトロフィン(TrkAに対するNGF、TrkBに対する脳由来神経栄養因子[BDNF]およびNT4/5、ならびにTrkCに対するNT3)によるTrk(TrkA、TrkB、およびTrkC)の活性化は、発達中にニューロンの生存および分化を媒介する。NT/Trkシグナル経路は、生化学的発作、一過性虚血、または物理的な損傷後にニューロンを保護する内在性システムとして機能する。Thiele, C. J.ら Clin. Cancer Res. 2009, 15, 5962−5967。しかしながら、Trkは元々、細胞外ドメイン内のトロポミオシン遺伝子と融合された発癌遺伝子としてクローン化された。NTRK1(TrkA)における染色体再編または突然変異により引き起こされる活性化突然変異は、甲状腺乳頭および髄様癌、最近では非小細胞肺癌において同定されている。Pierotti, M. A.ら Cancer Lett. 2006, 232, 90−98;Vaishnavi, A.ら Nat. Med. 2013, 19, 1469−1472。Trkは痛覚ならびに腫瘍細胞成長および生存シグナル伝達において重要な役割を果たすので、Trk受容体キナーゼの阻害剤は疼痛および癌のための治療として利益を提供し得る。
【0006】
ヤヌスファミリーのキナーゼ(JAK)はJAK1、JAK2、JAK3およびTYK2を含み、サイトカインおよび成長因子の生理的シグナル伝達に必要とされる細胞質(cytoplastic)チロシンキナーゼである。Quintas−Cardama, A.ら Nat. Rev. Drug Discov. 2011, 10(2), 127−40; Pesu, M.ら Immunol. Rev. 2008, 223, 132−142; Murray, P.J., J. Immunol. 2007, 178(5), 2623−2329。JAKはリガンド誘導オリゴマ化により活性化し、STAT(シグナル伝達性転写因子)と呼ばれる下流転写シグナル経路の活性化が得られる。リン酸化STATは、二量体化し、核中に移動し、増殖、アポトーシス、分化に関与する特定の遺伝子の発現を駆動し、それらは造血、炎症および免疫応答にとって必須である。Murray、上記。
【0007】
マウスノックアウト研究はJAK−STATシグナル伝達の主な役割を示し、それらのいくらかは互いに重なっている。JAK1は様々な炎症性サイトカイン、例えばIL−1、IL−4、IL−6、および腫瘍壊死因子α(TNFα)のシグナル伝達において重要な役割を果たす。Muller, M.ら Nature 1993, 366(6451), 129−135。JAK2は造血因子シグナル伝達、例えばEpo、IL−3、IL−5、GM−CSF、トロンボポエチン成長ホルモン、およびプロラクチン媒介シグナル伝達のために機能する。Neubauer, H.ら Cell 1998 93(3), 397−409。JAK3は免疫応答の媒介において役割を果たし、TYK2はJAK2またはJAK3と関連し、IL−12などのサイトカインのシグナル伝達を伝える。Nosaka, T.ら Science 1995, 270(5237), 800−802; Vainchenker, W.ら Semin. Cell. Dev. Biol. 2008, 19(4), 385−393。
【0008】
JAK/STAT経路の異常な制御が、癌(JAK2)および関節リウマチ(JAK1、JAK3)を含む複数のヒトの病理学的疾患に関与している。JAK2の機能獲得型突然変異(JAK2V617F)がMPN患者において高い頻度で発見されている。Levine, R.L.ら Cancer Cell 2005, 7(4), 387−397; Kralovics, R.ら N. Engl. J. Med. 2005, 253(17), 1779−1790; James, C.ら Nature 2005, 434(7037), 1144−1148; Baxter, E.J.ら Lancet 2005, 365(9464), 1054−1061。JAK2のJH2偽キナーゼドメインにおける突然変異は恒常的キナーゼ活性につながる。JAK2V617F突然変異(mutantation)を含む細胞はサイトカイン非依存性成長能力を獲得し、しばしば腫瘍となり、標的療法としてのJAK阻害剤の開発のための強い合理性を提供する。
【0009】
臨床試験における複数のJAK阻害剤は、骨髄線維症患者について脾腫および疾患関連体質的症状において著しい利益を示し、2011年に最初にFDAに認可されたJAK2阻害剤ルキソリチニブが挙げられる。Quintas−Cardama、上記;Sonbol, M.B.ら Ther. Adv. Hematol. 2013, 4(1), 15−35; LaFave, L.M.ら Trends Pharmacol. Sci. 2012, 33(11), 574−582。ルキソリチニブ治療と関連する最近収集された臨床データは、JAK阻害剤はJAK2野生型およびJAK2変異症例の両方に効くことを示した。Verstovsek, S.ら N. Engl. J. Med. 2012, 366(9), 799−807; Quintas−Cardama, A.ら Blood 2010, 115(15), 3109−3117。JAK2対JAK1/3の選択的阻害剤の発見は、未解決の問題のままである。加えて、JAK2/シグナル伝達性転写因子3(JAK2/STAT3)の過剰活性化は異常な樹状細胞分化の一因となり、癌における異常な樹状細胞分化および免疫抑制性骨髄細胞の蓄積につながる(Nefedova, Y.ら Cancer Res 2005; 65(20): 9525−35)。Ptenヌル老化腫瘍では、Jak2/Stat3経路の活性化が免疫抑制性腫瘍微小環境を確立し、これが腫瘍成長および化学療法抵抗性に寄与する(Toso, A.ら Cell Reports 2014, 9, 75−89)。よって、JAK2/STAT3経路の薬理阻害は、抗腫瘍免疫の制御により抗腫瘍活性を増強させる重要な新規治療戦略となり得る。
【0010】
ROS1キナーゼは未知のリガンドを有する受容体チロシンキナーゼである。ヒトROS1キナーゼの正常な機能は完全には理解されていない。しかしながら、ROS1キナーゼは遺伝的再配列を受け、神経膠芽腫、非小細胞肺癌(NSCLC)、胆管癌、卵巣癌、胃腺癌、結腸直腸癌、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、血管肉腫、および類上皮血管内皮腫を含む様々なヒト癌において、恒常的活性融合タンパク質を作り出すことが報告されている(Davies, K. D.ら Clin Cancer Res 2013, 19 (15): 4040−4045)。クリゾチニブによるROS1融合タンパク質のターゲティングは、その腫瘍がROS1遺伝子異常に対して陽性であるNSCLC患者において有望な臨床効力を示した(Shaw, A. T.ら N Engl J Med. 2014, 371(21):1963−1971)。獲得された耐性突然変異がクリゾチニブ治療患者において観察された(Awad, M. M.ら N Engl J Med. 2013, 368(25):2396−2401)。クリゾチニブROS1耐性を克服するために第二世代のROS1阻害剤を開発することが急務である。
【0011】
クリゾチニブ(PF−02341066)はMET/ALK/ROS1/RONを標的にするチロシンキナーゼ薬であり、TRKおよびAXLに対して中程度の活性を有する。Cui, J. J.ら J. Med. Chem. 2011, 54, 6342−6363。コンパニオン診断試験(Vysis ALK Break Apart FISHプローブキット)により同定された異常なALK融合遺伝子を発現する後期(局所進行性または転移性)NSCLCを有するある一定の患者を治療することが認可された。イマチニブおよび他のキナーゼ阻害薬と同様に、耐性は一定に、クリゾチニブによるある一定の時間の治療後に発症する。耐性メカニズムはALK遺伝子増幅、二次ALK突然変異、ならびにKITおよびEGFRを含む他のキナーゼの異常な活性化を含む。Katayama, R.ら Sci. Transl. Med. 2012, 4, 120ra17。CML患者におけるイマチニブ耐性の治療についての第二世代ABL阻害剤の臨床的成功に基づき、第二世代のALK阻害剤が現れている。これらの薬物はクリゾチニブ−不応性または耐性NSCLC患者の治療を標的にし、野生型または変異ALKタンパク質の両方に対するより強力な阻害を有する。Gridelli, C.ら Cancer Treat Rev. 2014, 40, 300−306。
【0012】
望ましい医薬特性を有する、これらの複数のプロテインまたはチロシンキナーゼ標的の小分子阻害剤が依然として必要である。ある一定のキラルジアリール大環状化合物が、この開示との関連で、この有利な活性プロファイルを有することが見出された。
【発明の概要】
【0013】
1つの態様では、本開示は、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩に関し
【化1】
式中、
MはCR4aまたはNであり;
はCRまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
はH、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;あるいはRおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒になり、任意でC−Cシクロアルキルまたは5〜7員ヘテロシクロアルキルを形成し;あるいはRおよびRはそれらが結合している原子と一緒になり、任意で5〜7員ヘテロシクロアルキルを形成し;
、R4aおよびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
はH、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または単環式5〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換され;
各Z、Z、Z、Z、Z、ZまたはZは独立してN、NH、またはC(R10)であり、ここで、各R10は独立してH、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−OC−Cアルキル、−OH、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−NH(フェニル)、−NH(ヘテロアリール)、−CN、または−CFであり、
nは1または2であり;
ただし、Z、Z、Z、Z、Z、ZまたはZの少なくとも1つはNまたはNHであることを条件とし;かつ、ただしR、RまたはRの少なくとも1つはHではないことを条件とする。
【0014】
1つの態様では、本開示は、式I−1の化合物またはその薬学的に許容される塩に関し
【化2】
式中、
MはCR4aまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
はC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
およびRの各々は独立してH、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
、R4aおよびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
はH、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または単環式5〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換され;
各Z、Z、Z、Z、Z、ZまたはZは独立してN、NH、またはC(R10)であり、ここで、各R10は独立してH、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−OC−Cアルキル、−OH、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−NH(フェニル)、−NH(ヘテロアリール)、−CN、または−CFであり、
ただし、Z、Z、Z、Z、Z、ZまたはZの少なくとも1つはNまたはNHであることを条件とする。
【0015】
別の態様では、本開示は、式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩に関し
【化3】
式中、
MはCR4aまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
はC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
およびRの各々は独立してH、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
、R4aおよびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
はH、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または単環式5〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換され;
各Z、Z、Z、Z、Z、ZまたはZは独立してN、NH、またはC(R10)であり、ここで、各R10は独立してH、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−OC−Cアルキル、−OH、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−NH(フェニル)、−NH(ヘテロアリール)、−CN、または−CFであり、
ただし、Z、Z、Z、Z、Z、ZまたはZの少なくとも1つはNまたはNHであることを条件とする。
【0016】
別の態様では、本開示は、式Ibの化合物またはその薬学的に許容される塩に関し
【化4】
式中、
MはCR4aまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
はC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;あるいはRおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒になり、任意でC−Cシクロアルキルまたは5〜7員ヘテロシクロアルキルを形成し;あるいはRおよびRはそれらが結合している原子と一緒になり、任意で5〜7員ヘテロシクロアルキルを形成し;
、R4aおよびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
はH、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または単環式5〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換され;
各Z、Z、Z、Z、Z、ZまたはZは独立してN、NH、またはC(R10)であり、ここで、各R10は独立してH、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−OC−Cアルキル、−OH、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−NH(フェニル)、−NH(ヘテロアリール)、−CN、または−CFであり、
nは1または2であり;
ただし、Z、Z、Z、Z、Z、ZまたはZの少なくとも1つはNまたはNHであることを条件とする。
【0017】
別の態様では、本開示は、式Icの化合物またはその薬学的に許容される塩に関し
【化5】
式中、
MはCR4aまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;あるいはRおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒になり、任意でC−Cシクロアルキルまたは5〜7員ヘテロシクロアルキルを形成し;あるいはRおよびRはそれらが結合している原子と一緒になり、任意で5〜7員ヘテロシクロアルキルを形成し;
、R4aおよびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
はH、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または単環式5〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換され;
各Z、Z、Z、Z、Z、ZまたはZは独立してN、NH、またはC(R10)であり、ここで、各R10は独立してH、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−O−C−Cアルキル、−OH、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−NH(フェニル)、−NH(ヘテロアリール)、−CN、または−CFであり、
nは1または2であり;
ただし、Z、Z、Z、Z、Z、ZまたはZの少なくとも1つはNまたはNHであることを条件とする。
【0018】
別の態様では、本開示は、式IIの化合物またはその薬学的に許容される塩に関し
【化6】
式中、
MはCHまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
およびRの各々は独立してC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、−C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
およびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
はH、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または単環式5〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、またはヘテロアリールであり;ならびに
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換される。
【0019】
別の態様では、本開示は、式IIIの化合物またはその薬学的に許容される塩に関し
【化7】
式中、
MはCHまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
およびRの各々は独立してC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
およびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
はH、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または単環式5〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、またはヘテロアリールであり;ならびに
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換される。
【0020】
別の態様では、本開示は、式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩に関し
【化8】
式中、
MはCHまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
およびRの各々は独立してC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
およびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
はH、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または単環式5〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、またはヘテロアリールであり;ならびに
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換される。
【0021】
別の態様では、本開示は、式Vの化合物またはその薬学的に許容される塩に関し
【化9】
式中、
MはCHまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
およびRの各々は独立してC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
およびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
はH、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または単環式5〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、またはヘテロアリールであり;ならびに
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換される。
【0022】
別の態様では、本開示は、式VIの化合物またはその薬学的に許容される塩に関し
【化10】
式中、
MはCHまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
はC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
およびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
はH、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または単環式5〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、またはヘテロアリールであり;ならびに
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換される。
【0023】
別の態様では、本開示は、下記からなる群より選択される化合物またはその薬学的に許容される塩に関し
【化11】
式中、
MはCHまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
はC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
およびRはそれらが結合している炭素原子と一緒になり、任意でC−Cシクロアルキルまたは5〜7員ヘテロシクロアルキルを形成し;
およびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
はH、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または単環式5〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、またはヘテロアリールであり;ならびに
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換される。
【0024】
別の態様では、本開示は、下記からなる群より選択される化合物またはその薬学的に許容される塩に関し
【化12】
式中、
MはCHまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
はC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
およびRはそれらが結合している原子と一緒になり任意で5〜7員ヘテロシクロアルキルを形成し;
およびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、またはヘテロアリールであり;ならびに
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換される。
【0025】
別の態様では、本開示は、式I、I−1、Ia、Ib、Ic、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIIもしくはXIIIの化合物、またはその薬学的に許容される塩、および任意で少なくとも1つの希釈剤、担体または賦形剤を含む医薬組成物に関する。
【0026】
別の態様では、本開示は、そのような治療の必要な被験体に、有効量の、式I、I−1、Ia、Ib、Ic、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIIもしくはXIIIの少なくとも1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、癌、疼痛、神経疾患、自己免疫疾患、または炎症を治療する方法に関する。
【0027】
別の態様では、本開示は、癌、疼痛、神経疾患、自己免疫疾患、または炎症の治療のための薬剤の調製における式I、I−1、Ia、Ib、Ic、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIIもしくはXIIIの化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0028】
別の態様では、本開示は、癌、疼痛、神経疾患、自己免疫疾患、または炎症を治療するための、式I、I−1、Ia、Ib、Ic、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIIもしくはXIIIの化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0029】
別の態様では、本開示は、そのような疾患および医学的状態の治療のための薬剤の調製における、式I、I−1、Ia、Ib、Ic、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIIもしくはXIIIの化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用ならびにそのような疾患および医学的状態の治療のためのそのような化合物および塩の使用に関する。
【0030】
さらに別の態様では、本開示は、MET、ALK、ROS1、AXL、TRK、およびJAKの1つ以上を含む、プロテインまたはチロシンキナーゼを阻害する方法に関し、そのようなキナーゼの1つ以上を含む細胞を、有効量の、式I、I−1、Ia、Ib、Ic、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIIもしくはXIIIの少なくとも1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩と、および/または、本開示の少なくとも1つの医薬組成物と接触させることを含み、ここで、接触はインビトロ、エクスビボ、またはインビボである。
【0031】
本開示の追加の実施形態、特徴、および利点は下記詳細な説明から、および本開示の実行により明らかになるであろう。本開示の化合物は下記列挙された節のいずれかにおける実施形態として説明することができる。本明細書で記載される実施形態のいずれも、実施形態が互いに矛盾しない程度まで、本明細書で記載される任意の他の実施形態と関連させて使用することができることが理解されるであろう。
【0032】
1.式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩
【化13】
式中、
MはCR4aまたはNであり;
はCRまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
はH、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;あるいはRおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒になり、任意でC−Cシクロアルキルまたは5〜7員ヘテロシクロアルキルを形成し;あるいはRおよびRはそれらが結合している原子と一緒になり、任意で5〜7員ヘテロシクロアルキルを形成し;
、R4aおよびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
はH、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または単環式5〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換され;
各Z、Z、Z、Z、Z、ZまたはZは独立してN、NH、またはC(R10)であり、ここで、各R10は独立してH、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−OC−Cアルキル、−OH、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−NH(フェニル)、−NH(ヘテロアリール)、−CN、または−CFであり、
nは1または2であり;
ただし、Z、Z、Z、Z、Z、ZまたはZの少なくとも1つはNまたはNHであることを条件とし;かつ、ただしR、RまたはRの少なくとも1つはHではないことを条件とする。
【0033】
1a.式I−1の化合物またはその薬学的に許容される塩
【化14】
式中、
MはCR4aまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
はC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
およびRの各々は独立してH、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
、R4aおよびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
はH、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または単環式5〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換され;
各Z、Z、Z、Z、Z、ZまたはZは独立してN、NH、またはC(R10)であり、ここで、各R10は独立してH、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−OC−Cアルキル、−OH、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−NH(フェニル)、−NH(ヘテロアリール)、−CN、または−CFであり、 ただし、Z、Z、Z、Z、Z、ZまたはZの少なくとも1つはNまたはNHであることを条件とする。
【0034】
2.式Iaを有する、節1または1aの化合物またはその薬学的に許容される塩
【化15】
式中、
MはCR4aまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
はC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
およびRの各々は独立してH、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
、R4aおよびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
はH、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または単環式5〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換され;
各Z、Z、Z、Z、Z、ZまたはZは独立してN、NH、またはC(R10)であり、ここで、各R10は独立してH、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−OC−Cアルキル、−OH、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−NH(フェニル)、−NH(ヘテロアリール)、−CN、または−CFであり、
ただし、Z、Z、Z、Z、Z、ZまたはZの少なくとも1つはNまたはNHであることを条件とする。
【0035】
2a.式Ibを有する、節1または1aの化合物またはその薬学的に許容される塩
【化16】
式中、
MはCR4aまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
はC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;あるいはRおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒になり、任意でC−Cシクロアルキルまたは5〜7員ヘテロシクロアルキルを形成し;あるいはRおよびRはそれらが結合している原子と一緒になり、任意で5〜7員ヘテロシクロアルキルを形成し;
、R4aおよびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
はH、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または単環式5〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換され;
各Z、Z、Z、Z、Z、ZまたはZは独立してN、NH、またはC(R10)であり、ここで、各R10は独立してH、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−OC−Cアルキル、−OH、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−NH(フェニル)、−NH(ヘテロアリール)、−CN、または−CFであり、
nは1または2であり;
ただし、Z、Z、Z、Z、Z、ZまたはZの少なくとも1つはNまたはNHであることを条件とする。
【0036】
2b.式Icを有する、節1または1aの化合物またはその薬学的に許容される塩
【化17】
式中、
MはCR4aまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;あるいはRおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒になり、任意でC−Cシクロアルキルまたは5〜7員ヘテロシクロアルキルを形成し;あるいはRおよびRはそれらが結合している原子と一緒になり、任意で5〜7員ヘテロシクロアルキルを形成し;
、R4aおよびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
はH、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または単環式5〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換され;
各Z、Z、Z、Z、Z、ZまたはZは独立してN、NH、またはC(R10)であり、ここで、各R10は独立してH、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−O−C−Cアルキル、−OH、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−NH(フェニル)、−NH(ヘテロアリール)、−CN、または−CFであり、
nは1または2であり;
ただし、Z、Z、Z、Z、Z、ZまたはZの少なくとも1つはNまたはNHであることを条件とする。
【0037】
3.Z、ZおよびZはNであり、ならびにZ、Z、ZおよびZはCHである、節1、1a、2、2aまたは2bの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0038】
4.XはN(R)である、前記節のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0039】
5.RはHである、前記節のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0040】
6.XはOである、前記節のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0041】
7.RはC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され、ならびにRはHである、前記節のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0042】
8.RはHであり、ならびにRはC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換される、節1〜6のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0043】
9.RおよびRはHである、節1〜6のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0044】
10.式IIを有する節1〜7のいずれか一つの化合物またはその薬学的に許容される塩
【化18】
式中、
MはCHまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
およびRの各々は独立してC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、−C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
およびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
はH、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または単環式5〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、またはヘテロアリールであり;ならびに
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換される。
【0045】
11.式IIIを有する節1〜7のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩
【化19】
式中、
MはCHまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
およびRの各々は独立してC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
およびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
はH、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または単環式5〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、またはヘテロアリールであり;ならびに
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換される。
【0046】
12.式IVを有する、節1〜6または8のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩
【化20】
式中、
MはCHまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
およびRの各々は独立してC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
およびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
はH、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または単環式5〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、またはヘテロアリールであり;ならびに
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換される。
【0047】
13.式Vを有する節1〜6または8のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩
【化21】
式中、
MはCHまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
およびRの各々は独立してC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
およびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
はH、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または単環式5〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、またはヘテロアリールであり;ならびに
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換される。
【0048】
14.式VIを有する節1〜6または9のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩
【化22】
式中、
MはCHまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
はC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
およびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
はH、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または単環式5〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、またはヘテロアリールであり;ならびに
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換される。
【0049】
14a.下記からなる群より選択される式を有する、節1、1a、2または2aのいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩
【化23】
式中、
MはCHまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
はC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
およびRはそれらが結合している炭素原子と一緒になり、任意でC−Cシクロアルキルまたは5〜7員ヘテロシクロアルキルを形成し;
およびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
はH、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、C−Cアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または単環式5〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、またはヘテロアリールであり;ならびに
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換される。
【0050】
14b.下記からなる群より選択される式を有する、節1、1a、2または2aのいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩
【化24】
式中、
MはCHまたはNであり;
およびXは独立して、S、S(O)、S(O)、OまたはN(R)であり;
はC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換され;
およびRはそれらが結合している原子と一緒になり任意で5〜7員ヘテロシクロアルキルを形成し;
およびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)または−CFであり;
各RおよびRは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、またはヘテロアリールであり;ならびに
各Rは独立して、H、重水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキルまたは−ORにより置換される。
【0051】
15.Rは−Hである、前記節のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0052】
16.Rは−Fである、前記節のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0053】
17.Rは、存在する場合、C−Cアルキルであり、ならびに、C−Cアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換される、節1−7、10、11、15または16のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0054】
18.Rは、存在する場合、−F、−OH、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、および−N(C−Cアルキル)からなる群より選択される1つ以上の部分で置換されたC−Cアルキルである、節1−7、10、11または15〜17のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0055】
19.Rは、存在する場合、メチルである、節1〜7、10、11または15〜18のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0056】
20.Rは、存在する場合、エチルである、節1〜7、10、11または15〜18のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0057】
21.Rは、存在する場合、ヒドロキシメチルである、節1〜7、10、11または15〜18のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0058】
22.Rは、存在する場合、フルオロメチルである、節1〜7、10、11または15〜18のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0059】
23.Rは、存在する場合、メトキシメチルである、節1〜7、10、11または15〜18のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0060】
24.Rは、存在する場合、ジフルオロメチルである、節1〜7、10、11または15〜18のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0061】
25.Rは、存在する場合、トリフルオロメチルである、節1〜7、10、11または15〜18のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0062】
26.Rは、存在する場合、−NH、−NH(C−Cアルキル)、または−N(C−Cアルキル)で置換されたC−Cアルキルである、節1−7、10、11または15〜18のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0063】
27.Rは、存在する場合、−NH、−NH(C−Cアルキル)、または−N(C−Cアルキル)で置換されたメチルである、節1−7、10、11または15〜18のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0064】
28.Rは、存在する場合、−N(CHで置換されたメチルである、節1〜7、10、11または15〜18のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0065】
29.Rは、存在する場合、−C(O)NRである、節1〜7、10、11、15または16のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0066】
30.RおよびRはHである、節29の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0067】
31.Rは、存在する場合、C−Cアルキルであり、ならびに、C−Cアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換される、節1−6、8、12、13、15または16のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0068】
32.Rは、存在する場合、−F、−OH、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、および−N(C−Cアルキル)からなる群より選択される1つ以上の部分で置換されたC−Cアルキルである、節1−6、8、12、13、15、16または31のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0069】
33.Rは、存在する場合、メチルである、節1〜6、8、12、13、15、16、31または32のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0070】
34.Rは、存在する場合、エチルである、節1〜6、8、12、13、15、16、31または32のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0071】
35.Rは、存在する場合、ヒドロキシメチルである、節1〜6、8、12、13、15、16、31または32のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0072】
36.Rは、存在する場合、フルオロメチルである、節1〜6、8、12、13、15、16、31または32のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0073】
37.Rは、存在する場合、メトキシメチルである、節1〜6、8、12、13、15、16、31または32のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0074】
38.Rは、存在する場合、ジフルオロメチルである、節1〜6、8、12、13、15、16、31または32のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0075】
39.Rは、存在する場合、トリフルオロメチルである、節1〜6、8、12、13、15、16、31または32のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0076】
40.Rは、存在する場合、−NH、−NH(C−Cアルキル)または−N(C−Cアルキル)で置換されたC−Cアルキルである、節1−6、8、12、13、15、16、31または32のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0077】
41.Rは、存在する場合、−NH、−NH(C−Cアルキル)または−N(C−Cアルキル)で置換されたメチルである、節1〜6、8、12、13、15、16、31または32のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0078】
42.Rは、存在する場合、−N(CHで置換されたメチルである、節1〜6、8、12、13、15、16、31または32のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0079】
43.Rは、存在する場合、−C(O)NRである、節1〜6、8、12、13、15または16のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0080】
44.RおよびRはHである、節43の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0081】
45.Rは、存在する場合、C−Cアルキルであり、ならびに、C−Cアルキルにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換される、前記節のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0082】
46.Rは、存在する場合、1つ以上の−Fまたは−OHで置換されたC−Cアルキルである、前記節のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0083】
47.Rは、存在する場合、C−Cアルキルである、節1〜46のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0084】
48.Rは、存在する場合、メチルである、節1〜46のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0085】
49.Rは、存在する場合、エチルである、節1〜46のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0086】
50.Rは、存在する場合、2−ヒドロキシ−エチルである、節1〜46のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0087】
51.Rは、存在する場合、2−フルオロ−エチルである、節1〜46のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0088】
52.Rは、存在する場合、2−ヒドロキシ−2−プロピルである、節1〜46のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0089】
53.MはCR4aである、前記節のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0090】
54.MはCR4aであり、ならびにR4aはHである、前記節のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【0091】
55.下記からなる群より選択される式を有する、節1の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【化25】
【化26】
【化27】
【0092】
56.下記からなる群より選択される式を有する、節1の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【化28】
【0093】
57.下記からなる群より選択される式を有する、節1の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【化29】
【化30】
【化31】
【0094】
58.下記からなる群より選択される式を有する、節1の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【化32】
【0095】
59.下記からなる群より選択される式を有する、節1の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【化33】
【0096】
60.下記からなる群より選択される式を有する、節1の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【化34】
【0097】
61.前記節のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩、および任意で少なくとも1つの希釈剤、担体または賦形剤を含む医薬組成物。
【0098】
62.そのような治療の必要な被験体に、有効量の、節1〜60のいずれか一つの少なくとも1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、癌、疼痛、神経疾患、自己免疫疾患、または炎症を治療する方法。
【0099】
63.癌、疼痛、神経疾患、自己免疫疾患、または炎症の治療のための薬剤の調製における、節1〜60のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用。
【0100】
64.癌、疼痛、神経疾患、自己免疫疾患、または炎症を治療するための、節1〜60のいずれか一つの化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用。
【0101】
65.そのようなキナーゼの1つ以上を含む細胞を、有効量の、節1〜60のいずれか一つの少なくとも1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩と、および/または、本開示の少なくとも1つの医薬組成物と接触させることを含み、ここで、接触はインビトロ、エクスビボ、またはインビボである、MET、ALK、ROS1、AXL、TRK、およびJAKの1つ以上を含む、プロテインまたはチロシンキナーゼを阻害する方法。
【0102】
66.患者において癌を治療するのに使用するための、節1〜60のいずれか一つの化合物。
【0103】
67.患者において炎症を治療するのに使用するための、節1〜60のいずれか一つの化合物。
【発明を実施するための形態】
【0104】
本開示をさらに説明する前に、この開示は記載される特定の実施形態に限定されず、そのようなものとして、当然変動し得ることが理解されるべきである。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限されるので、本明細書で使用される専門用語は特定の実施形態を説明する目的のためのものにすぎず、制限することを意図しないこともまた理解されるべきである。
【0105】
別に規定されない限り、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、この開示が属する技術分野の当業者により普通に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で言及される全ての特許、出願、公開された出願および他の刊行物は、その全体が参照により組み込まれる。このセクションで明記された定義が、本明細書で参照により組み込まれる特許、出願、または他の刊行物において明記された定義に反する、または別様に、これと矛盾する場合、このセクションで明記された定義は、参照により本明細書に組み込まれる定義より優先する。
【0106】
本明細書および添付の特許請求の範囲では、単数形「1つの(a、an)」および「その(the)」は、文脈で明確に別記されない限り、複数の指示対象を含む。特許請求の範囲はいずれの任意的な要素も排除することができるように起草され得ることがさらに注意されるべきである。そのようなものとして、この記述は「だけ」「のみ」などの排他的専門用語を請求項要素の列挙と関連させて使用するための、または「負」の制限の使用のための先行詞として機能することが意図される。
【0107】
本明細書では、「含む」「含有する」および「備える」という用語はそれらの開かれた、非限定的意味で使用される。
【0108】
より簡潔な説明を提供するために、本明細書で与えられる量的表現のいくつかは「約」という用語と共に特定されない。「約」という用語が明確に使用されるかどうかに関わらず、本明細書で与えられる全ての量は実際に与えられる値を示すことが意味され、当技術分野における普通の技術に基づいて合理的に推測されるであろう、そのように与えられた値の近似値、例えば、そのような与えられた値についての実験および/または測定条件による等価物および近似値を示すことも意味されることが理解される。収率がパーセンテージとして与えられる場合はいつでも、そのような収率は、特定の化学量論条件下で得ることができる同じ実体の最大量に対して、その収率が与えられる実体の質量を示す。パーセンテージとして与えられる濃度は、異なって示されない限り、質量比を示す。
【0109】
他に注記がなければ、本実施形態の方法および技術は一般に、当技術分野でよく知られた従来の方法に従い、ならびに、本明細書を通して引用され、説明される、様々な一般的な、およびより特定的な参考文献において記載されるように、実施される。例えば、Loudon, Organic Chemistry, 第4版, New York: Oxford University Press, 2002, pp. 360−361, 1084−1085; Smith and March, March’s Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure,第5版, Wiley−Interscience, 2001を参照されたい。
【0110】
本明細書で記載される化合物のための化学命名法は一般に、市販のACD/Name 2014(ACD/Labs)またはChemBioDraw Ultra 13.0(Perkin Elmer)を用いて誘導されてきた。
【0111】
明確にするために、別個の実施形態との関連で記載される本開示のある一定の特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせて提供され得ることが認識される。反対に、簡潔のために、単一の実施形態との関連で記載される本開示の様々な特徴もまた、別々に、または任意の好適な部分的組合せで提供され得る。変数により表される化学基に関する実施形態全ての組み合わせが特定的に本開示により包含され、各およびあらゆる組み合わせは、そのような組み合わせが、安定な化合物(すなわち、単離され、キャラクタリゼーションされ、かつ生物活性について試験され得る化合物)である化合物を包含する限りでは、個々にかつ明確に開示された場合と同じ程度に本明細書で開示される。加えて、そのような変数を説明する実施形態において列挙される化学基の全ての部分的組み合わせもまた、本開示により特定的に包含され、化学基の各およびあらゆるそのような部分的組み合わせは個々にかつ明確に本明細書で開示された場合と同じ程度に本明細書で開示される。
【0112】
定義
本明細書では、「アルキル」という用語は、任意で分枝しており、1〜20個の炭素原子を含む炭素原子の鎖を含む。ある一定の実施形態では、アルキルは、便宜的に、制限された長さ、例えばC−C12、C−C10、C−C、C−C、C−C、C−C、およびC−Cを有し得ることが、さらに理解されるべきである。例示的に、そのような特定的に制限された長さのアルキル基、例えばC−C、C−C、C−C、およびC−C、などは「低級アルキル」と呼ばれ得る。例示的なアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、などが挙げられるが、それらに限定されない。アルキルは置換されてもよく、または非置換でもよい。典型的な置換基としては、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロ、カルボニル、オキソ、(=O)、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、C−カルボキシ、O−カルボキシ、ニトロ、およびアミノ、または本明細書で提供される様々な実施形態において記載されるものが挙げられる。「アルキル」は他の基、例えば以上で提供されるものと組み合わせることができ、官能化アルキルが形成されることが理解されるであろう。例として、本明細書で記載される「アルキル」基の「カルボキシ」基との組み合わせは「カルボキシアルキル」基と呼ばれ得る。他の非限定的な例としては、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、などが挙げられる。
【0113】
本明細書では、「アルケニル」という用語は、任意で分枝しており、2〜20個の炭素原子を含み、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合(すなわちC=C)も含む炭素原子の鎖を含む。ある一定の実施形態では、アルケニルは、便宜的に、制限された長さ、例えば、C−C12、C−C、C−C、C−C、C−C、およびC−Cを有し得ることが理解されるであろう。例示的に、そのような特定的に制限された長さのアルケニル基、例えばC−C、C−C、C−C、およびC−Cは低級アルケニルと呼ばれ得る。アルケニルは非置換であってもよく、あるいは、アルキルについて記載されるように、または本明細書で提供される様々な実施形態において記載されるように置換されてもよい。例示的なアルケニル基としては、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−、2−、または3−ブテニル、などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0114】
本明細書では、「アルキニル」という用語は、任意で分枝しており、2〜20個の炭素原子を含み、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合(すなわちC≡C)も含む炭素原子の鎖を含む。ある一定の実施形態では、アルキニルは各々、便宜的に、制限された長さ、例えば、C−C12、C−C、C−C、C−C、C−C、およびC−Cを有し得ることが理解されるであろう。例示的に、そのような特定的に制限された長さのアルキニル基、例えばC−C、C−C、C−C、およびC−Cは低級アルキニルと呼ばれ得る。アルケニルは非置換であってもよく、あるいは、アルキルについて記載されるように、または本明細書で提供される様々な実施形態において記載されるように置換されてもよい。例示的なアルケニル基としては、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−、2−、または3−ブチニル、などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0115】
本明細書では、「アリール」という用語は、完全共役π電子系を有する、6〜12個の炭素原子の全て炭素の単環式または縮合環多環式基を示す。ある一定の実施形態では、アリールは、便宜的に、制限されたサイズ、例えばC−C10アリールを有し得ることが理解されるであろう。例示的なアリール基としては、フェニル、ナフチレニルおよびアントラセニルが挙げられるが、それらに限定されない。アリール基は非置換であってもよく、あるいは、アルキルについて記載されるように、または本明細書で提供される様々な実施形態において記載されるように置換されてもよい。
【0116】
本明細書では、「シクロアルキル」という用語は、3〜15員の全て炭素の単環を示し、全て炭素の5員/6員または6員/6員縮合二環、または多環式縮合環(「縮合」環系は、系内の各環が系内の各他の環と隣接する炭素原子対を共有することを意味する)基を含み、ここで、1つ以上の環が、1つ以上の二重結合を含み得るが、シクロアルキルは、完全共役π電子系を含まない。ある一定の実施形態では、シクロアルキルは、便宜的に、制限されたサイズ、例えばC−C13、C−C、C−CおよびC−Cを有し得ることが理解されるであろう。シクロアルキルは非置換であってもよく、あるいは、アルキルについて記載されるように、または本明細書で提供される様々な実施形態において記載されるように置換されてもよい。例示的なシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、アダマンチル、ノルボルニル、ノルボルネニル、9H−フルオレン−9−イル、などが挙げられるが、それらに限定されない。グラフィック描写で示されるシクロアルキル基の例示的な例としては、適正に結合された部分の形態の下記部分が挙げられる:
【化35】
【0117】
本明細書では、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、環(複数可)内に3〜12個の環原子を有する単環または縮合環基を示し、この場合、少なくとも1つの環原子はヘテロ原子、例えば窒素、酸素または硫黄であり、残りの環原子は炭素原子である。ヘテロシクロアルキルは任意で、1、2、3または4個のヘテロ原子を含み得る。ヘテロシクロアルキルはまた、窒素への二重結合(例えばC=NまたはN=N)を含む1つ以上の二重結合を有し得るが、完全共役π電子系を含まない。ある一定の実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、便宜的に、制限されたサイズ、例えば3〜7員ヘテロシクロアルキル、5〜7員ヘテロシクロアルキル、などを有し得ることが理解されるであろう。ヘテロシクロアルキルは非置換であってもよく、あるいは、アルキルについて記載されるように、または本明細書で提供される様々な実施形態において記載されるように置換されてもよい。例示的なヘテロシクロアルキル基としては、オキシラニル、チアナリル(thianaryl)、アゼチジニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、1,4−ジオキサニル、モルホリニル、1,4−ジチアニル、ピペラジニル、オキセパニル、3,4−ジヒドロ−2H−ピラニル、5,6−ジヒドロ−2H−ピラニル、2H−ピラニル、1,2,3,4−テトラヒドロピリジニル、などが挙げられるが、それらに限定されない。グラフィック描写で示されるヘテロシクロアルキル基の例示的な例としては、適正に結合された部分の形態の下記部分が挙げられる:
【化36】
【0118】
本明細書では、「ヘテロアリール」という用語は、窒素、酸素および硫黄から選択される1、2、3または4個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子は炭素原子であり、完全共役π電子系をも有する、5〜12個の環原子の単環または縮合環基を示す。ある一定の実施形態では、ヘテロアリールは、便宜的に、制限されたサイズ、例えば3〜7員ヘテロアリール、5〜7員ヘテロアリール、などを有し得ることが理解されるであろう。ヘテロアリールは非置換であってもよく、あるいは、アルキルについて記載されるように、または本明細書で提供される様々な実施形態において記載されるように置換されてもよい。例示的なヘテロアリール基としては、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル、プリニル、テトラゾリル、トリアジニル、ピラジニル、テトラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、チエニル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリルおよびカルバゾロイル(carbazoloyl)、などが挙げられるが、それらに限定されない。グラフィック描写で示されるヘテロアリール基の例示的な例としては、適正に結合された部分の形態の下記部分が挙げられる:
【化37】
【0119】
本明細書では、「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、−OH基を示す。
【0120】
本明細書では、「アルコキシ」は、−O−(アルキル)または−O−(非置換シクロアルキル)基の両方を示す。代表例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0121】
本明細書では、「アリールオキシ」は、−O−アリールまたは−O−ヘテロアリール基を示す。代表例としては、フェノキシ、ピリジニルオキシ、フラニルオキシ、チエニルオキシ、ピリミジニルオキシ、ピラジニルオキシ、などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0122】
本明細書では、「メルカプト」は、−SH基を示す。
【0123】
本明細書では、「アルキルチオ」は、−S−(アルキル)または−S−(非置換シクロアルキル)基を示す。代表例としては、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、シクロプロピルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ、などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0124】
本明細書では、「アリールチオ」は、−S−アリールまたは−S−ヘテロアリール基を示す。代表例としては、フェニルチオ、ピリジニルチオ、フラニルチオ、チエニルチオ、ピリミジニルチオ、などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0125】
本明細書では、「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を示す。
【0126】
本明細書では、「シアノ」は、−CN基を示す。
【0127】
「オキソ」という用語は、カルボニル酸素を表す。例えば、オキソで置換されたシクロペンチルはシクロペンタノンである。
【0128】
本明細書では、「結合」は、共有結合を示す。
【0129】
「置換された」という用語は、特定の基または部分が1つ以上の置換基を有することを意味する。「非置換」という用語は、特定の基が置換基を有さないことを意味する。「置換された」という用語が構造系を説明するために使用される場合、置換は、系上の任意の原子価により許される位置で起こることが意味される。いくつかの実施形態では、「置換された」は、特定の基または部分が1、2、または3つの置換基を有することを意味する。他の実施形態では、「置換された」は、特定の基または部分が、1または2つの置換基を有することを意味する。さらに他の実施形態では、「置換された」は、特定の基または部分が、1つの置換基を有することを意味する。
【0130】
本明細書では、「任意的な」または「任意で」は、その後に記載される事象または状況が起こるかもしれないが、その必要はないこと、その記載は、事象または状況が起きる場合および起きない場合を含むことを意味する。例えば、「ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールにおける各水素原子は独立して任意で、C−Cアルキルにより置換される」は、アルキルが、各アルキル基についての水素原子の置き換えにより、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールのいずれか上に存在してもよいが、その必要はないことを意味し、その記載は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールがアルキル基で置換された状況およびC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C−C10アリール、または単環もしくは二環式ヘテロアリールがアルキル基で置換されていない状況を含む。
【0131】
本明細書では、「独立して」は、その後に記載される事象または状況は、他の同様の事象または状況に対して、それ自体で読まれるべきであることを意味する。例えば、いくつかの等価の水素基が、その状況で記載される別の基により任意で置換されている状況では、「独立して任意で」の使用は、その基上の水素原子の各場合は、別の基により置換され得、この場合、水素原子の各々と置き換わる基は同じであっても、または異なっていてもよいことを意味する。または、例えば、複数の基が存在し、その全てが1組の可能性から選択することができる場合、「独立して」の使用は、基の各々が、任意の他の基とは別個の可能性の組から選択することができ、その状況で選択される基は同じであっても、または異なっていてもよいことを意味する。
【0132】
本明細書では、「薬学的に許容される塩」という用語は、医薬品において使用され得るイオンと対抗するそれらの塩を示す。一般に、S.M. Berge,ら “Pharmaceutical Salts,” J. Pharm. Sci., 1977, 66, 1−19を参照されたい。好ましい薬学的に許容される塩は、薬理学的に有効であり、過度の毒性、刺激作用、またはアレルギー応答なしで、被験体の組織と接触するのに好適であるものである。本明細書で記載される化合物は十分酸性基、十分塩基性基、両方の型の官能基、または1を超える各タイプを有することができ、したがって、多くの無機または有機塩基、ならびに無機および有機酸と反応し、薬学的に許容される塩を形成し得る。そのような塩としては下記が挙げられる:
(1)親化合物の遊離塩基の無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸などとの、または有機酸、例えば酢酸、シュウ酸、(D)もしくは(L)リンゴ酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などとの反応により得ることができる、酸付加塩;あるいは
(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、またはアルミニウムイオンにより置き換えられる;または有機塩基、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリメタミン、N−メチルグルカミン、などに配位される時に形成される塩。
【0133】
薬学的に許容される塩は当業者によく知られており、任意のそのような薬学的に許容される塩は本明細書で記載される実施形態と関連して企図され得る。薬学的に許容される塩の例としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、硫酸水素塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−ジオエート、ヘキシン−1,6−ジオエート、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、プロピルスルホン酸塩、ベシル酸塩、キシレンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、およびマンデル酸塩が挙げられる。他の好適な薬学的に許容される塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 第17版, Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1985において見出される。
【0134】
塩基性窒素を含む式I、I−1、Ia、Ib、Ic、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIIもしくはXIIIの化合物では、薬学的に許容される塩は、当技術分野で使用可能な任意の好適な方法、例えば、遊離塩基の無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、硝酸、ホウ酸、リン酸、などによる、または有機酸、例えば酢酸、フェニル酢酸、プロピオン酸、ステアリン酸、乳酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、イセチオン酸、コハク酸、吉草酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ピラノシジル酸(pyranosidyl acid)、例えばグルクロン酸もしくはガラクツロン酸、α−ヒドロキシ酸、例えばマンデル酸、クエン酸、もしくは酒石酸、アミノ酸、例えばアスパラギン酸もしくはグルタミン酸、芳香族酸、例えば安息香酸、2−アセトキシ安息香酸、ナフトエ酸、もしくは桂皮酸、スルホン酸、例えばラウリルスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、もしくはエタンスルホン酸、または酸の任意の適合可能な混合物、例えば本明細書で例として与えられるもの、ならびにこの技術における普通の技能レベルを考慮すると、等価物または許容される置換物として考えられる任意の他の酸およびその混合物による処理により調製され得る。
【0135】
本開示はまた、式I、I−1、Ia、Ib、Ic、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIIもしくはXIIIの化合物の薬学的に許容されるプロドラッグ、およびそのような薬学的に許容されるプロドラッグを使用する治療方法に関する。「プロドラッグ」という用語は、被験体への投与後に、化学的もしくは生理的プロセス、例えば加溶媒分解もしくは酵素切断を介して、または生理的条件下で、インビボでその化合物を与える、指定された化合物の前駆体を意味する(例えば、プロドラッグは、生理的pHにされると、式I、I−1、Ia、Ib、Ic、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIIもしくはXIIIの化合物に変換される)。「薬学的に許容されるプロドラッグ」は、無毒性で、生物学的に耐容され、および、被験体への投与のために別様に生物学的に好適であるプロドラッグである。好適なプロドラッグ誘導体の選択および調製のための例示的な手順が、例えば、“Design of Prodrugs”, H. Bundgaard編, Elsevier, 1985に記載される。
【0136】
本開示はまた、式I、I−1、Ia、Ib、Ic、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIIもしくはXIIIの化合物の薬学的に活性な代謝産物、および本開示の方法におけるそのような代謝産物の使用に関する。「薬学的に活性な代謝産物」は、式I、I−1、Ia、Ib、Ic、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIIもしくはXIIIの化合物またはその塩の体内での薬理学的に活性な代謝生成物を意味する。化合物のプロドラッグおよび活性代謝産物は、当技術分野で知られている、または使用可能なルーチン技術を用いて決定され得る。例えば、Bertoliniら J. Med. Chem. 1997, 40, 2011−2016; Shanら J. Pharm. Sci. 1997, 86 (7), 765−767; Bagshawe, Drug Dev. Res. 1995, 34, 220−230; Bodor, Adv. Drug Res. 1984, 13, 255−331; Bundgaard, Design of Prodrugs (Elsevier Press, 1985);およびLarsen, Design and Application of Prodrugs, Drug Design and Development (Krogsgaard−Larsenら 編, Harwood Academic Publishers, 1991)を参照されたい。
【0137】
本明細書で描写されるいずれの式も、その構造式ならびにある一定のバリエーションまたは形態の化合物を表すことが意図される。例えば本明細書で与えられる式は、ラセミ形態、または1つ以上の鏡像異性体、ジアステレオマー、もしくは幾何異性体、またはそれらの混合物を含むことが意図される。加えて、本明細書で与えられるいずれの式も、そのような化合物の水和物、溶媒和物、または多形、またはそれらの混合物をも示すことが意図される。例えば、記号
【化38】
を含む構造式により描写される化合物は記号
【化39】
が結合される炭素原子に対する両方の立体異性体を含む、特定的には、結合
【化40】
および
【化41】
の両方が
【化42】
の意味に包含されることが認識されるであろう。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、本明細書で提供されるある一定の化合物は下記式により記載することができ
【化43】
この式は、関連する炭素原子で両方の立体化学的配置を有する化合物、特定的には、この例では
【化44】
を包含することが理解されるであろう。
【0138】
本明細書で与えられるいずれの式もまた、化合物の非標識形態ならびに同位体標識された形態を表すことが意図される。同位体標識された化合物は、1つ以上の原子が、選択された原子質量または質量数を有する原子により置き換えられることを除き、本明細書で与えられる式により描写される構造を有する。本開示の化合物中に組む入れることができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素、およびヨウ素の同位体、例えば、それぞれ、H、H、11C、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、36Cl、および125Iが挙げられる。そのような同位体標識された化合物は、代謝研究(好ましくは、14Cを用いる)、反応速度論研究(例えばHまたはHを用いる)、検出またはイメージング技術[例えば、陽電子放射断層撮影(PET)または単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)]、例えば薬物または基質組織分布アッセイにおいて、または患者の放射性治療において有用である。さらに、より重い同位体、例えば重水素(すなわち、H)による置換は、より大きな代謝安定性、例えばインビボ半減期の増加またはまたは投与量要求の低減に起因する、ある一定の治療的利点を与え得る。この開示の同位体標識された化合物およびそのプロドラッグは、一般に、同位体標識されていない試薬の代わりに容易に入手できる同位体標識された試薬を使用することにより、スキームまたは以下で記載される実施例および調製において開示された手順を実施することにより調製することができる。
【0139】
本明細書で言及されるいずれの二置換基も、1を超えるそのような可能性が許される場合、様々な結合可能性を包含することが意味される。例えば、二置換基−A−B−への言及は、A≠Bである場合、本明細書では、Aが第1の置換メンバーに結合され、Bが第2の置換メンバーに結合されたそのような二置換基を示し、これはまた、Aが第2の置換メンバーに結合され、Bが第1の置換メンバーに結合されたそのような二置換基を示す。
【0140】
代表的な実施形態
いくつかの実施形態では、本明細書で記載される化合物は下記式の部分を含み
【化45】
ここで、Z−Zは本明細書で記載されるように規定される。他の実施形態では、本明細書で記載される化合物は下記式の部分を含み
【化46】
ここで、Z−Zはその他の点では本明細書で記載されるように規定される。さらに他の実施形態では、本明細書で記載される化合物は下記式の部分を含む。
【化47】
【0141】
さらに他の実施形態では、本明細書で記載される化合物は下記式の部分を含む。
【化48】
さらに他の実施形態では、本明細書で記載される化合物は下記式の部分を含む。
【化49】
【0142】
いくつかの実施形態では、Z、ZおよびZはNであり、ならびにZ、Z、ZおよびZはC(R10)である。いくつかの実施形態では、Z、ZおよびZはNであり、ならびにZ、Z、ZおよびZはC(R10)であり、ここで、各R10はHである。いくつかの実施形態では、ZおよびZはNであり、ZはNHであり、ならびにZ、Z、Z、およびZはC(R10)である。いくつかの実施形態では、ZおよびZはNであり、ZはNHであり、ならびにZ、Z、Z、およびZはC(R10)であり、ここで、各R10はHである。いくつかの実施形態では、Z、ZおよびZはNであり、ZはNHであり、ならびにZ、ZおよびZはC(R10)である。いくつかの実施形態では、Z、ZおよびZはNであり、ZはNHであり、ならびにZ、ZおよびZはC(R10)であり、ここで、各R10はHである。いくつかの実施形態では、ZはNであり、ZはNHであり、ならびにZ、Z、Z、Z、およびZはC(R10)である。いくつかの実施形態では、ZはNであり、ZはNHであり、ならびにZ、Z、Z、Z、およびZはC(R10)であり、ここで、各R10はHである。いくつかの実施形態では、ZおよびZはNであり、ZはNHであり、ならびにZ、Z、ZおよびZはC(R10)である。いくつかの実施形態では、ZおよびZはNであり、ZはNHであり、ならびにZ、Z、ZおよびZはC(R10)であり、ここで、各R10はHである。いくつかの実施形態では、Z、ZおよびZはNであり、ならびにZ、Z、ZおよびZはC(R10)である。いくつかの実施形態では、Z、ZおよびZはNであり、ならびにZ、Z、ZおよびZはC(R10)であり、ここで、各R10はHである。いくつかの実施形態では、Z、ZおよびZはNであり、ならびにZ、Z、ZおよびZはC(R10)である。いくつかの実施形態では、Z、ZおよびZはNであり、ならびにZ、Z、ZおよびZはC(R10)であり、ここで、各R10はHである。いくつかの実施形態では、Z、Z、ZおよびZはNであり、ならびにZ、ZおよびZはC(R10)である。いくつかの実施形態では、Z、Z、ZおよびZはNであり、ならびにZ、ZおよびZはC(R10)であり、ここで、各R10はHである。いくつかの実施形態では、Z、Z、ZおよびZはNであり、ならびにZ、ZおよびZはC(R10)である。いくつかの実施形態では、Z、Z、ZおよびZはNであり、ならびにZ、ZおよびZはC(R10)であり、ここで、各R10はHである。いくつかの実施形態では、Z、ZおよびZはNであり、ならびにZ、Z、ZおよびZはC(R10)である。いくつかの実施形態では、Z、ZおよびZはNであり、ならびにZ、Z、ZおよびZはC(R10)であり、ここで、各R10はHである。いくつかの実施形態では、Z、Z、ZおよびZはNであり、ならびにZ、ZおよびZはC(R10)である。いくつかの実施形態では、Z、Z、ZおよびZはNであり、ならびにZ、ZおよびZはC(R10)であり、ここで、各R10はHである。いくつかの実施形態では、Z、ZおよびZはNであり、ならびにZ、Z、ZおよびZはC(R10)である。いくつかの実施形態では、Z、ZおよびZはNであり、ならびにZ、Z、ZおよびZはC(R10)であり、ここで、各R10はHである。いくつかの実施形態では、Z、ZおよびZはNであり、ならびにZ、Z、ZおよびZはC(R10)である。いくつかの実施形態では、Z、ZおよびZはNであり、ならびにZ、Z、ZおよびZはC(R10)であり、ここで、各R10はHである。いくつかの実施形態では、ZおよびZはNであり、ならびにZ、Z、Z、ZおよびZはC(R10)である。いくつかの実施形態では、ZおよびZはNであり、ならびにZ、Z、Z、ZおよびZはC(R10)であり、ここで、各R10はHである。いくつかの実施形態では、Z、ZおよびZはNであり、ならびにZ、Z、ZおよびZはC(R10)である。いくつかの実施形態では、Z、ZおよびZはNであり、ならびにZ、Z、ZおよびZはC(R10)であり、ここで、各R10はHである。いくつかの実施形態では、ZおよびZはNであり、ならびにZ、Z、Z、ZおよびZはC(R10)である。いくつかの実施形態では、ZおよびZはNであり、ならびにZ、Z、Z、ZおよびZはC(R10)であり、ここで、各R10はHである。いくつかの実施形態では、Z、Z、ZおよびZはNであり、ならびにZ、ZおよびZはC(R10)である。いくつかの実施形態では、Z、Z、ZおよびZはNであり、ならびにZ、ZおよびZはC(R10)であり、ここで、各R10はHである。
【0143】
いくつかの実施形態では、Xは−N(R)−である。いくつかの実施形態では、Xは−O−である。いくつかの実施形態では、Xは−N(R)−であり、およびXは−O−である。いくつかの実施形態では、MはCHまたはNである。いくつかの実施形態では、MはNである。いくつかの実施形態では、MはCHである。いくつかの実施形態では、MはCHまたはNである。いくつかの実施形態では、MはNである。いくつかの実施形態では、MはCHである。
【0144】
いくつかの実施形態では、RはC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、−C(O)ORまたは−C(O)NRであり;ここで、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルおよびC−C10アリールにおける各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換される。
【0145】
いくつかの実施形態では、RはC−Cアルキルであり、ここで、各水素原子は独立して任意で、重水素、ハロゲン、−OH、−CN、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NHC(O)C−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)C−Cアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NHC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)NH、−N(C−Cアルキル)C(O)NHC−Cアルキル、−NHC(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)C(O)N(C−Cアルキル)、−NHC(O)OC−Cアルキル、−N(C−Cアルキル)C(O)OC−Cアルキル、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH、−NHS(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−N(C−Cアルキル)S(O)NH、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)NH(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−NHS(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)S(O)N(C−Cアルキル)、−COH、−C(O)OC−Cアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−SC−Cアルキル、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)NH(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−S(O)N(C−Cアルキル)、−P(C−Cアルキル)、−P(O)(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、または3〜7員ヘテロシクロアルキルにより置換される。
【0146】
いくつかの実施形態では、Rはメチル、エチル、イソプロピル、2−ヒドロキシ−2−プロプリル(propryl)、2−ヒドロキシエチルまたは2−フルオレチル(fluorethyl)である。いくつかの実施形態では、Rはメチルである。いくつかの実施形態では、Rはエチルである。いくつかの実施形態では、Rはイソプロピルである。いくつかの実施形態では、Rは2−ヒドロキシ−2−プロプリル(propryl)である。いくつかの実施形態では、Rは2−ヒドロキシエチルである。いくつかの実施形態では、Rは2−フルオレチル(fluorethyl)である。いくつかの実施形態では、RはDC−である。いくつかの実施形態では、Rは−C(O)NH、−C(O)NH(C−Cアルキル)または−C(O)N(C−Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Rは−C(O)NHCHである。いくつかの実施形態では、Rは−C(O)N(CHである。いくつかの実施形態では、Rはシアノメチルである。
【0147】
いくつかの実施形態では、RはC−Cアルキルまたは−C(O)NRであり、ここで、C−Cアルキルにおける各水素原子は独立して任意で−F、−OH、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、および−N(C−Cアルキル)からなる群より選択される1つ以上の部分で置換される。いくつかの実施形態では、RはC−Cアルキルまたは−C(O)NRであり、ここで、C−Cアルキルにおける各水素原子は独立して任意で−F、−OH、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、および−N(C−Cアルキル)からなる群より選択される1つ以上の部分で置換され、ならびにRはHである。
【0148】
いくつかの実施形態では、RはC−Cアルキルまたは−C(O)NRであり、ここで、C−Cアルキルにおける各水素原子は独立して任意で−F、−OH、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、および−N(C−Cアルキル)からなる群より選択される1つ以上の部分で置換される。いくつかの実施形態では、RはC−Cアルキルまたは−C(O)NRであり、ここで、C−Cアルキルにおける各水素原子は独立して任意で−F、−OH、−OC−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、および−N(C−Cアルキル)からなる群より選択される1つ以上の部分で置換され、ならびにRはHである。
【0149】
いくつかの実施形態では、RおよびRは結合して、C−Cシクロアルキルを形成する。いくつかの実施形態では、RおよびRは結合して、シクロペンチル環を形成する。いくつかの実施形態では、RおよびRは結合して、シクロヘキシル環を形成する。いくつかの実施形態では、RおよびRは結合して、3〜7員ヘテロシクロアルキルを形成する。いくつかの実施形態では、RおよびRは結合して、ピロリジニル環を形成する。いくつかの実施形態では、RおよびRは結合して、ピペリジニル環を形成する。いくつかの実施形態では、RおよびRは結合して、ピロリジン環を形成する。いくつかの実施形態では、RおよびRは結合して、ピペリジニル環を形成する。
【0150】
いくつかの実施形態では、RおよびRはそれぞれ独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、−OH、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、−CN、または−CFである。いくつかの実施形態では、RはH、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、−OH、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、−CN、または−CFであり、およびRはHである。いくつかの実施形態では、Rはフルオロであり、およびRはHである。
【0151】
他の実施形態では、式I、I−1、Ia、Ib、Ic、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIIもしくはXIIIの化合物は、下記からなる群より選択される:(7R,13R)−7−エチル−11−フルオロ−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(6R,13R)−6−エチル−11−フルオロ−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノ−ピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(7S,13R)−7−エチル−11−フルオロ−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザ−シクロトリデシン−4(5H)−オン、(6S,13R)−6−エチル−11−フルオロ−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(7R,13R)−11−フルオロ−7−(ヒドロキシメチル)−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(6S,13R)−11−フルオロ−6−(ヒドロキシメチル)−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(7S,13R)−11−フルオロ−7−(ヒドロキシメチル)−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]−ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(6R,13R)−11−フルオロ−6−(ヒドロキシメチル)−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(7R,13R)−11−フルオロ−7−(フルオロメチル)−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(7S,13R)−11−フルオロ−7−(フルオロメチル)−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(6S,13R)−11−フルオロ−6−(フルオロメチル)−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(7R,13R)−7−[(ジメチルアミノ)メチル]−11−フルオロ−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(6S,13R)−6−[(ジメチルアミノ)メチル]−11−フルオロ−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザ−シクロトリデシン−4(5H)−オン、(7S,13R)−7−(N−メチルカルボキサミド)−11−フルオロ−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(7R,13R)−7−(N−メチルカルボキサミド)−11−フルオロ−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(6R,13R)−6−(ジフルオロメチル)−11−フルオロ−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(6S,13R)−6−(ジフルオロメチル)−11−フルオロ−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(7R,13R)−7−(ジフルオロメチル)−11−フルオロ−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(13R)−13−エチル−11−フルオロ−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(7S,13R)−7,13−ジエチル−11−フルオロ−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザ−シクロトリデシン−4(5H)−オン、(6S,13R)−6,13−ジエチル−11−フルオロ−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(13R)−11−フルオロ−13−(2−ヒドロキシエチル)−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザ−シクロトリデシン−4(5H)−オン、(13R)−11−フルオロ−13−(2−フルオロエチル)−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(13S)−11−フルオロ−13−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザ−シクロトリデシン−4(5H)−オン、(7S,13R)−11−フルオロ−7−(メトキシメチル)−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(7S,13R)−11−フルオロ−7−メチル−13−()メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(7R)−7−エチル−11−フルオロ−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(7R)−11−フルオロ−7−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(7S)−11−フルオロ−7−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(6R)−11−フルオロ−6−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(6S)−11−フルオロ−6−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(7S,13R)−7,13−ジメチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f]ピリド[2,3−l][1,4,8,10]オキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、7−メチル−6,7,14,15−テトラヒドロ−2H−3,5−(アゼノメテノ)ピロロ[3,4−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−16(13H)−オン、(13R)−11−フルオロ−13,17−ジメチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザ−シクロトリデシン−4(5H)−オン、(7S,13R)−11−フルオロ−7,13,17−トリメチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(13R)−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザ−シクロトリデシン−4(5H)−オン、(13R)−13,17−ジメチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、[(7S,13R)−11−フルオロ−7−メチル−4−オキソ−4,5,6,7,13,14−ヘキサヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−13−イル]アセトニトリル、(7S,13R)−3−エチル−11−フルオロ−7,13−ジメチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(7R,13S)−9−フルオロ−7,13−ジメチル−6,7,14,15−テトラヒドロ−2H−3,5−(アゼノメテノ)ピロロ[3,4−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザ−シクロトリデシン−16(13H)−オン、(3aR,9R,17aS)−7−フルオロ−9−メチル−1,2,3,3a,9,10,17,17a−オクタヒドロ−16H−11,13−エテノシクロペンタ[b]ピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−16−オン、(3aS,9R,17aR)−7−フルオロ−9−メチル−1,2,3,3a,9,10,17,17a−オクタヒドロ−16H−11,13−エテノシクロペンタ[b]ピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−16−オン、(3aR,9R,17aR)−7−フルオロ−9−メチル−1,2,3,3a,9,10,17,17a−オクタヒドロ−16H−11,13−エテノシクロペンタ[b]ピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−16−オン、(4aS,10R,18aS)−8−フルオロ−10−メチル−2,3,4,4a,10,11,18,18a−オクタヒドロ−12,14−エテノジベンゾ[b,l]ピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]オキサトリアザ−シクロトリデシン−17(1H)−オン、(4aR,10R,18aR)−8−フルオロ−10−メチル−2,3,4,4a,10,11,18,18a−オクタヒドロ−12,14−エテノジベンゾ[b,l]ピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]オキサトリアザシクロトリデシン−17(1H)−オン、(3aS,9R,17aS)−7−フルオロ−9−メチル−1,2,3,3a,9,10,17,17a−オクタヒドロ−16H−11,13−エテノシクロペンタ[b]ピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−16−オン、(4aS,10R,18aR)−8−フルオロ−10−メチル−2,3,4,4a,10,11,18,18a−オクタヒドロ−12,14−エテノジベンゾ[b,l]ピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]オキサトリアザシクロトリデシン−17(1H)−オン、(3aR,9R,17aS
)−7−フルオロ−9−メチル−1,2,3,3a,9,10,17,17a−オクタヒドロ−16H−11,13−エテノピラゾロ[4,3−f]ピロロ[3,4−b][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−16−オン、(3aS,9R,17aS)−7−フルオロ−9−メチル−1,2,3,3a,9,10,17,17a−オクタヒドロ−16H−11,13−エテノピラゾロ[4,3−f]ピロロ[3,4−b][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−16−オン、(8R,14R)−12−フルオロ−14−メチル−7,8,14,15−テトラヒドロ−4H,6H−1,16−エテノ−5,8−メタノピラゾロ[4,3−g][1,5,9,11]ベンゾキサトリアザ−シクロテトラデシン−4−オン、(8S,14R)−12−フルオロ−14−メチル−7,8,14,15−テトラヒドロ−4H,6H−1,16−エテノ−5,8−メタノピラゾロ[4,3−g][1,5,9,11]ベンゾキサトリアザシクロテトラデシン−4−オン、(9R,15R)−13−フルオロ−15−メチル−6,7,8,9,15,16−ヘキサヒドロ−4H−1,17−エテノ−5,9−メタノピラゾロ[4,3−h][1,6,10,12]ベンゾキサトリアザシクロペンタデシン−4−オン、(9S,15R)−13−フルオロ−15−メチル−6,7,8,9,15,16−ヘキサヒドロ−4H−1,17−エテノ−5,9−メタノピラゾロ[4,3−h][1,6,10,12]ベンゾキサトリアザ−シクロペンタデシン−4−オン、(14R)−12−フルオロ−14−メチル−7,8,14,15−テトラヒドロ−4H,6H−5,8−エタノ−1,16−エテノピラゾロ[4,3−g][1,5,9,11]ベンゾキサトリアザシクロテトラデシン−4−オン、(7S,13R)−7−[(ジメチルアミノ)メチル]−11−フルオロ−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(7R,13R)−11−フルオロ−13−メチル−7−[(メチルアミノ)メチル]−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザ−シクロトリデシン−4(5H)−オン、(7S,13R)−11−フルオロ−13−メチル−7−[(ピロリジン−1−イル)メチル]−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(7R,13R)−7−エチル−11−フルオロ−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f]ピリド[3,2−l][1,4,8,10]オキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(7S,13S)−11−フルオロ−7,13−ジメチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f]ピリド[3,2−l][1,4,8,10]オキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(7S,13R)−11−フルオロ−7,13−ジメチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f]ピリド[3,2−l][1,4,8,10]オキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン、(7S)−11−フルオロ−N,7−ジメチル−4−オキソ−4,5,6,7,13,14−ヘキサヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−13−カルボキサミドおよび(7S)−11−フルオロ−N,N,7−トリメチル−4−オキソ−4,5,6,7,13,14−ヘキサヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−13−カルボキサミドまたはその薬学的に許容される塩。
【0152】
下記は式I、I−1、Ia、Ib、Ic、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIIおよびXIIIの化合物の例示的な実施形態を表す:
【表1-1】
【表1-2】
【0153】
【表1-3】
【表1-4】
【0154】
【表1-5】
【表1-6】
【0155】
【表1-7】
【表1-8】
【0156】
【表1-9】
【表1-10】
【0157】
【表1-11】
【表1-12】
【0158】
【表1-13】
【表1-14】
【0159】
当業者であれば、本明細書で列挙または例示される種は包括的ではないこと、ならびにこれらの規定された用語の範囲内の追加の種もまた選択され得ることを認識するであろう。
【0160】
医薬組成物
治療目的のために、本明細書で記載される化合物を含む医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤をさらに含み得る。薬学的に許容される賦形剤は、無毒性であり、そうでなければ被験体への投与に対して、生物学的に好適な物質である。そのような賦形剤は本明細書で記載される化合物の投与を促進し、活性材料成分と適合性である。薬学的に許容される賦形剤の例としては、安定剤、潤滑剤、界面活性剤、希釈剤、抗酸化剤、バインダ、着色剤、増量剤、乳化剤、または呈味改質剤が挙げられる。好ましい実施形態では、本発明による医薬組成物は無菌組成物である。医薬組成物は、当業者に知られており、または利用できるようになる配合技術により調製され得る。
【0161】
そのような組成物を管理する国家および地方規制に従う組成物を含む、無菌組成物もまた、発明により企図される。
【0162】
本明細書で記載される医薬組成物および化合物は、好適な医薬溶媒または担体中の溶液、エマルジョン、懸濁液、または分散物として、または丸薬、錠剤、ロゼンジ、坐薬、サシェ、糖衣錠、顆粒、粉末、再構成のための粉末、またはカプセルとして固体担体と共に、様々な剤形の調製のための当技術分野で知られている従来の方法に従い製剤化され得る。発明の医薬組成物は、好適な送達経路、例えば経口、非経口、直腸、経鼻、局所、もしくは眼内経路により、または吸入により投与され得る。好ましくは、組成物は静脈内または経口投与用に製剤化される。
【0163】
経口投与では、発明の化合物は、固体形態、例えば錠剤もしくはカプセルで、または溶液、エマルジョン、もしくは懸濁液として提供され得る。経口組成物を調製するために、発明の化合物は、例えば、約0.1mg〜1g/日、または約1mg〜50mg/日、または約50〜250mg/日、または約250mg〜1g/日の投与量が得られるように製剤化され得る。経口錠剤は、適合可能な薬学的に許容される賦形剤、例えば希釈剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤と混合された活性材料成分(複数可)を含み得る。好適な不活性フィラーとしては、炭酸ナトリウムおよびカルシウム、リン酸ナトリウムおよびカルシウム、ラクトース、デンプン、糖、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、ソルビトール、などが挙げられる。例示的な液体経口賦形剤としては、エタノール、グリセロール、水、などが挙げられる。デンプン、ポリビニル−ピロリドン(PVP)、デンプングリコール酸ナトリウム、微結晶セルロース、およびアルギン酸は例示的な崩壊剤である。結合剤としては、デンプンおよびゼラチンが挙げられる。潤滑剤は、存在する場合、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルクであってもよい。所望であれば、錠剤は、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの材料でコートされてもよく、胃腸管での吸収が遅延され、あるいは腸溶コーティングでコートされてもよい。
【0164】
経口投与のためのカプセルとしてはハードおよびソフトゼラチンカプセルが挙げられる。ハードゼラチンカプセルを調製するために、活性材料成分(複数可)は、固体、半固体、または液体希釈剤と混合され得る。ソフトゼラチンカプセルは、活性材料成分を水、油、例えばピーナッツ油またはオリーブ油、液体パラフィン、短鎖脂肪酸のモノおよびジグリセリドの混合物、ポリエチレングリコール400、またはプロピレングリコールと混合することにより調製され得る。
【0165】
経口投与のための液体は、懸濁液、溶液、エマルジョン、またはシロップの形態であってもよく、あるいは水または他の好適なビヒクルを用いて、使用前に再構成するために、凍結乾燥され、または乾燥生成物として提供されてもよい。そのような液体組成物は任意で、下記を含み得る:薬学的に許容される賦形剤、例えば懸濁剤(例えば、ソルビトール、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲルなど);非水性ビヒクル、例えば、油(例えば、アーモンド油または分別ヤシ油)、プロピレングリコール、エチルアルコール、または水;保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピルまたはソルビン酸);湿潤剤、例えばレシチン;ならびに、所望であれば、香味剤または着色剤。
【0166】
静脈内、筋肉内、腹腔内、鼻腔内、または皮下経路を含む非経口使用のために、発明の作用物質は、適切なpHおよび等張性に緩衝された無菌水溶液または懸濁液中で、または非経口的に許容される油中で提供され得る。好適な水性ビヒクルとしては、リンゲル液および等張塩化ナトリウムが挙げられる。そのような形態は、単位用量形態、例えばアンプルまたは使い捨て注射装置で、複数投与形態、例えばそこから適切な用量が引き出され得るバイアルで、または注射製剤を調製するために使用することができる固体形態もしくは予備濃縮物で提供され得る。例示的な注入用量は、数分〜数日の範囲の期間にわたる、医薬担体と混合された、約1〜1000μg/kg/分の作用物質の範囲である。
【0167】
経鼻、吸入、または経口投与では、発明の医薬組成物は、例えば、好適な担体をも含むスプレー製剤を使用して投与され得る。発明の組成物は、直腸投与のために坐薬として製剤化され得る。
【0168】
局所適用のために、本発明の化合物は好ましくは、クリームもしくは軟膏剤または局所投与に好適な同様のビヒクルとして製剤化される。局所投与では、発明の化合物は、ビヒクルに対して約0.1%〜約10%の薬物の濃度で医薬担体と混合され得る。発明の作用物質を投与する別の様式はパッチ製剤を使用して経皮送達を達成してもよい。
【0169】
本明細書では、「治療する」または「治療」という用語は、「予防的」および「根治的」治療の両方を包含する。「予防的」治療は、疾患、疾患の症状、または医学的状態の発症の延期、現れ得る症状の抑制、または疾患もしくは症状の発症または再発のリスクの低減を示すことが意味される。「根治的」治療は、既存の疾患、症状、または病状の重症度の低減または悪化の抑制を含む。よって、治療は、既存の疾患症状の悪化を寛解または防止する、追加の症状が起こらないように防止する、症状の根底にある全身性の原因を寛解または防止する、障害または疾患を阻害する、例えば、障害または疾患の発症を阻止する、障害または疾患を軽減させる、障害または疾患の退縮を引き起こす、疾患または障害により引き起こされる病状を軽減させる、または疾患または障害の症状を中止させることを含む。
【0170】
「被験体」という用語は、そのような治療の必要な哺乳類患者、例えばヒトを示す。
【0171】
例示的な疾患としては、癌、疼痛、神経疾患、自己免疫疾患、および炎症が挙げられる。癌としては、例えば、肺癌、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肝細胞癌、腎細胞癌、胃および食道胃癌、神経膠芽腫、頭頸部癌、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、および未分化大細胞リンパ腫が挙げられる。疼痛としては、例えば、任意の起源または原因由来の疼痛、例えば癌性疼痛、化学療法治療からの疼痛、神経痛、損傷または他の起源からの疼痛が挙げられる。自己免疫疾患としては、例えば、関節リウマチ、シェーグレン症候群、I型糖尿病、およびループスが挙げられる。例示的な神経疾患としては、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、およびハンチントン病が挙げられる。例示的な炎症疾患としては、アテローム性動脈硬化、アレルギー、および感染もしくは損傷由来の炎症が挙げられる。
【0172】
1つの態様では、本発明の化合物および医薬組成物は特定的に、チロシン受容体キナーゼ、特にMET、ALK、AXL、TRK、およびJAKを標的にする。よって、これらの化合物および医薬組成物は、1つ以上のこれらのキナーゼの活性を防止する、逆転させる、減速させる、または阻害するために使用することができる。好ましい実施形態では、治療方法は癌を標的にする。他の実施形態では、方法は肺癌または非小細胞肺癌を治療するためのものである。
【0173】
発明の阻害方法では、「有効量」は、標的タンパク質を阻害するのに十分な量を意味する。そのような標的調節の測定は、ルーチン分析法、例えば、以下で記載されるものにより実施され得る。そのような調節は、インビトロアッセイを含む様々な設定で有用である。そのような方法では、細胞は好ましくは、MET、ALK、AXL、TRK、および/またはJAKの上方制御のために、異常なシグナル伝達を有する癌細胞である。
【0174】
本発明による治療方法では、「有効量」は、一般に、そのような治療を必要とする被験体において所望の治療効果をもたらすのに十分な量または用量を意味する。発明の化合物の有効量または用量はルーチン方法、例えばモデリング、用量漸増、または臨床試験により、ルーチン因子、例えば、投与または薬物送達の様式または経路、作用物質の薬物動態、感染の重症度および経過、被験体の健康状態、病状、および体重、ならびに治療する医師の判断を考慮して確認され得る。例示的な用量は約0.1mg〜1g/日、または約1mg〜50mg/日、または約50〜250mg/日、または約250mg〜1g/日の範囲である。総投与量は単一または分割用量単位(例えば、BID、TID、QID)で与えられ得る。
【0175】
患者の疾患の改善が起こるとすぐに、用量は予防または維持治療のために調整され得る。例えば、投与量または投与頻度、またはその両方が、症状の関数として、所望の治療的または予防的効果が維持されるレベルまで低減され得る。当然、症状が適切なレベルまで軽減された場合、治療は中止され得る。しかしながら、患者は長期的に、症状が再発すると、間欠的治療を要求する可能性がある。患者はまた、長期的に慢性治療を要求する可能性がある。
【0176】
合剤
本明細書で記載される発明の化合物は、医薬組成物または方法において、本明細書で記載される疾患および障害の治療における、1つ以上の追加の活性材料成分と組み合わせて使用され得る。さらなる追加の活性材料成分としては、意図された疾患標的のための療法の有害作用を緩和する他の治療薬または作用物質が挙げられる。そのような組み合わせは、効力を増加させ、他の疾患症状を寛解させ、1つ以上の副作用を減少させ、または発明の化合物の要求される用量を減少させるように機能し得る。追加の活性材料成分は本発明の化合物とは別個の医薬組成物で投与され得、または本発明の化合物と共に単一の医薬組成物中に含められ得る。追加の活性材料成分は、本発明の化合物の投与と同時に、その前に、またはその後に投与され得る。
【0177】
併用剤は追加の活性材料成分を含み、それらは本明細書で記載される疾患および障害を治療するのに有効であることが知られている、または発見されており、疾患と関連する別の標的に対して活性であるものが挙げられる。例えば、発明の組成物および製剤、ならびに治療方法は、他の薬物または医薬品、例えば、標的疾患または関連する症状もしくは病状を治療するのに有用な、またはこれに対して対症的な他の活性剤をさらに含むことができる。癌の兆候では、追加のそのような作用物質としては、キナーゼ阻害剤、例えばEGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ)、Raf阻害剤(例えば、ベムラフェニブ)、VEGFR阻害剤(例えば、スニチニブ)、ALK阻害剤(例えば、クリゾチニブ)、標準化学療法薬、例えばアルキル化剤、代謝拮抗薬、抗腫瘍抗生物質、トポイソメラーゼ阻害剤、白金薬物、有糸分裂阻害剤、抗体、ホルモン療法薬、またはコルチコステロイドが挙げられるが、それらに限定されない。疼痛の兆候では、好適な併用剤は抗炎症薬、例えばNSAIDを含む。本発明の医薬組成物は1つ以上のそのような活性剤をさらに含むことができ、治療方法は、有効量の、1つ以上のそのような活性剤を投与することをさらに含み得る。
【0178】
化学合成
発明の方法において有用な例示的な化学的実体について、以下のそれらの一般的な調製のための例示的な合成スキームおよびその後に続く具体例を参照することにより、以下、説明する。当業者であれば、本明細書における様々な化合物を得るために、最終的に所望の置換基が、反応スキームを通して、必要に応じて保護ありまたはなしで運搬されるように開始材料が適切に選択され得、所望の生成物が得られることを認識するであろう。あるいは、最終的に所望の置換基の代わりに、反応スキームを通して運搬され、必要に応じて所望の置換基で置き換えられ得る、好適な基を使用することが必要であり、または望ましい可能性がある。さらに、当業者であれば、下記スキームで示される変換が、特定のペンダント基の官能性と適合可能である任意の順序で実施され得ることを認識するであろう。
【0179】
略語
本明細書で記載される実施例は、材料、例えば、限定はされないが、当業者に知られている下記略語で記載されるものを使用する:
【表2-1】
【表2-2】
【0180】
一般的方法A
エチル(R)−5−((1−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシレート(A−1)の調製
【化50】
【0181】
工程1.(R)−N−(5−フルオロ−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(A−1−3)の調製
(R)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(Sigma−Aldrich、20.00g、165.02mmol、1.00eq)および5−フルオロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(Sigma−Aldrich、23.12g、165.02mmol、1.00eq)を含むジクロロメタン(200.00mL)の溶液に、CsCO(161.30g、495.06mmol、3.00eq)を添加した。混合物を、周囲温度で、16時間撹拌した。反応混合物を、0℃の水(200mL)の添加により反応停止させ、その後、EtOAc(200mL×4)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(500mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮させた。残渣をシリカゲルカラムにより、20:1〜1:1の石油エーテル/酢酸エチルで溶出させて精製し、A−1−3(18.00g、73.98mmol、44.83%収率)を白色固体として得た。H NMR(CDCl、400MHz)δ ppm8.66(s、1H)、7.19(dt、J=2.4、5.2Hz、2H)、7.03−6.96(m、1H)、1.29(s、9H)。
【0182】
工程2.(R)−N−((R)−1−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)エチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(A−1−4R)の調製
A−1−3(6.00g、24.66mmol、1.00eq)を含むTHF(50.00mL)の溶液に、MeMgBrを含むTHF(2M、61.7mL、123.30mmol、5.00eq)の溶液を一滴ずつ−65℃でN下にて添加した。その後、混合物を周囲温度まで温め、18時間撹拌した。反応混合物を、0℃の水(20mL)の添加により反応停止させ、混合物をEtOAc(20mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮させた。残渣を、シリカゲルにより、50/1〜1:1の石油エーテル/酢酸エチルで溶出させて精製し、A−1−4R(Rf:0.5、PE:EA=1:1)(1.8g、28%収率)およびA−1−4S(Rf:0.4、PE:EA=1:1)を得た。A−1−4RのHNMR(CDCl、400MHz)δ9.34(s、1H)、6.76(dd、J=2.8、8.8Hz、1H)、6.54(dt、J=2.9、8.5Hz、1H)、6.38(dd、J=4.8、8.8Hz、1H)、5.27(d、J=8.0Hz、1H)、4.36(quin、J=7.2Hz、1H)、1.52(d、J=7.0Hz、3H)、1.29(s、9H)。A−1−4SのHNMR(CDCl、400MHz)δ8.81(s、1H)、6.88(dd、J=2.6、9.2Hz、1H)、6.84−6.76(m、1H)、6.76−6.70(m、1H)、4.75−4.63(m、1H)、4.26(d、J=4.5Hz、1H)、1.58(d、J=6.8Hz、3H)、1.27(s、9H)。
【0183】
工程3.(R)−2−(1−アミノエチル)−4−フルオロフェノール(A−1−5)の調製
A−1−4R(1.80g、6.94mmol、1.00eq)を含むHCl/EtOAc(20.00mL、4N)の溶液を周囲温度で2時間撹拌し、その後、混合物を濃縮し、A−1−5を白色固体HCl塩として得た(1.10g、5.74mmol、82.70%収率)。HNMR(DMSO−d、400MHz)δ10.24(s、1H)、8.48(br.s.、3H)、7.31(dd、J=2.9、9.7Hz、1H)、7.05−6.99(m、1H)、6.98−6.93(m、1H)、4.59−4.45(m、1H)、1.46(d、J=6.8Hz、3H)。
【0184】
工程4.エチル5−オキソ−4H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシレート(A−1−7)の調製
エチル5−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(150.00g、1.08mmol)およびエチル(E)−3−エトキシプロプ−2−エノエート(292.16g、2.03mol)を含むDMF(3.2L)の混合物に、CsCO(656.77g、2.02mol)を一度に20℃でN下にて添加した。混合物を110℃で6時間撹拌した。TLC(PE:EtOAc=1:1)は、反応が完了したことを示した。混合物を20℃まで冷却し、セライトパッドに通して濾過した。濾過ケーキを、酢酸エチル(3×30mL)で洗浄した。濾液をHO(2L)に添加し、HOAcで、pH=4まで酸性化させた。得られた沈殿を濾過して、A−1−7(173.00g、834.98mmol、86.36%収率)を白色固体として得た:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ8.54(d、J=7.91Hz、1H)、8.12(s、1H)、6.13(d、J=7.91Hz、1H)、4.27(q、J=7.11Hz、2H)、1.28(t、J=7.09Hz、3H)。
【0185】
工程5:5−クロロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシレート(A−1−8)の調製
A−1−7(158.00g、762.59mmol)を含むMeCN(1.6L)の混合物に、POCl(584.64g、3.81mol)を20℃でN下にて添加した。混合物を100℃で2時間撹拌した。TLC(PE:EA=1:1)は、反応が完了したことを示した。混合物を20℃まで冷却し、氷水(5000mL)に少しずつ0℃で注ぎ入れ、20分間撹拌した。沈殿を濾過し、乾燥させて、A−1−8(110.00g、487.52mmol、63.93%収率)を白色固体として得た:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ9.33(d、J=7.28Hz、1H)、8.66(s、1H)、7.41(d、J=7.15Hz、1H)、4.31(q、J=7.15Hz、2H)、1.32(t、J=7.09Hz、3H)。
【0186】
工程6.エチル(R)−5−((1−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)エチル)アミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシレート(A−1)の調製
A−1−5(1.10g、7.09mmol、1.00eq)およびA−1−8(1.60g、7.09mmol、1.00eq)を含むn−BuOH(30.00mL)の溶液にDIEA(5.50g、42.53mmol、6.00eq)を添加した。混合物を120℃で2時間撹拌した。反応混合物を、周囲温度の水(20mL)の添加により反応停止させ、EtOAc(20mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮させた。残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/酢酸エチル=10/1〜1:3)により精製し、A−1(1.15g、3.31mmol、46.69%収率、ee>97%純度)を白色固体として得た。
【0187】
エチル(R)−5−((1−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)プロピル)アミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシレート(A−2)の調製
A−2の調製のために一般的方法Aに従い、工程2においてEtMgBrを使用した。
【0188】
(R)−N−((R)−1−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシプロピル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(A−3−5)の調製
【化51】
【0189】
工程1.乾燥装置内のZn(6.72g、102.75mmol、5.00eq)を含む無水THF(50mL)の懸濁液に、TMSCl(446.51mg、4.11mmol、0.20eq)を25℃で一滴ずつ添加した。混合物を10分間撹拌し、続いて窒素下で40〜50℃まで加熱した。混合物に2−ブロモ酢酸エチル(10.30g、61.65mmol、3.00eq)を含む無水THF(500mL)を一滴ずつ20分にわたって添加し、その後、反応物を40〜50℃で30分間撹拌した。黒色混合物を0℃まで冷却し、A−1−3(5.00g、20.55mmol、1.00eq)を含むTHF(500mL)の溶液を添加した。反応物を25℃で2時間撹拌し、飽和NHCl(100mL)で反応停止させ、EtOAc(300mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、水(300mL×2)およびブライン(300mL×2)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮させた。残渣をシリカゲルカラム(100−200メッシュ)を用い、50/1、10/1の石油エーテル/酢酸エチルで溶出させて精製し、A−3−4S(4.35g、13.13mmol、63.87%収率)およびA−3−4R(0.52g,16.35%収率)を白色固体として得た。A−3−4SのHNMR:(400MHz、クロロホルム−d)δ8.77(s、1H)、6.90(dd、J=3.0、9.0Hz、1H)、6.86−6.80(m、1H)、6.78−6.72(m、1H)、5.33(d、J=5.0Hz、1H)、4.97−4.90(m、1H)、4.21−4.14(m、2H)、3.03−2.94(m、1H)、2.93−2.84(m、1H)、1.29−1.24(m、12H);A−3−4RのHNMR:(400MHz、クロロホルム−d)δ9.43(s、1H)、6.79(dd、J=2.9、8.7Hz、1H)、6.45(dt、J=3.0、8.5Hz、1H)、6.16(dd、J=4.6、8.9Hz、1H)、5.53(d、J=9.8Hz、1H)、4.65(dt、J=5.3、9.8Hz、1H)、4.13−4.07(m、2H)、3.01(dd、J=9.7、15.4Hz、1H)、2.63(dd、J=5.1、15.4Hz、1H)、1.29−1.24(m、12H)。
【0190】
工程2.A−3−4R(500.00mg、1.51mmol、1.00eq)を含む無水THF(5.00mL)の溶液に、LiBH(131.44mg、6.04mmol、4.00eq)を0℃で少しずつ添加した。混合物を、周囲温度で、2時間撹拌した。反応混合物を飽和NHCl(50mL)で反応停止させ、その後、EtOAc(100mL)により希釈し、EtOAc(100mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮させ、A−3−5(360.00mg、1.24mmol、82.39%収率)を白色固体として得た。HNMR(400MHz、クロロホルム−d)δ9.13(br.s.、1H)、6.79(dd、J=2.8、8.7Hz、1H)、6.53(dt、J=3.0、8.5Hz、1H)、6.27(dd、J=4.7、8.7Hz、1H)、5.19(d、J=9.2Hz、1H)、4.42(q、J=7.7Hz、1H)、3.71(td、J=5.7、10.8Hz、1H)、3.61−3.46(m、1H)、2.27−2.09(m、1H)、1.97(dt、J=6.5、13.0Hz、1H)、1.28(s、9H)。
【0191】
エチル(R)−5−((1−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシプロピル)アミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシレート(A−3)の調製
A−3の調製のために一般的方法Aに従い、工程3においてA−3−5を使用した。
【0192】
(S)−2−(1−アミノ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−4−フルオロフェノール(A−4−6)の調製
【化52】
【0193】
工程1.2−ブロモ−4−フルオロフェノール(Sigma−Aldrich、13.00g、68.06mmol、1.00eq)を含むTHF(100.00mL)の溶液に、NaH(2.72g、油中60%、68.06mmol、1.00eq)を0℃でN下にて5時間添加し、続いて、MOMCl(3.02g、37.51mmol、0.55eq)を添加した。混合物を16℃で10時間撹拌し、水(200ml)により反応停止させ、EtOAc(100mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(200ml)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮し、A−4−1(9.00g、38.29mmol、56.26%収率)を油として得た。
【0194】
工程2.A−4−1(14.00g、59.56mmol、1.00eq)を含む無水THF(140.00mL)の溶液にi−PrMgCl−LiClを含むTHF(1.3M、45.82mL、1.00eq)を一滴ずつ−78℃にて30分でN下にて添加した。混合物を、25℃まで1.5時間温め、得られた混合物を一滴ずつ、シュウ酸ジエチル(43.39g、296.90mmol、5.00eq)を含むTHF(140ml)に−30℃にて20分でN下にて添加した。混合物を、25℃まで1.5時間温めた。TLCは、開始材料が完全に消費されたことを示した。反応物を、水(200mL)を徐々に添加することにより反応停止させ、10分間撹拌した。有機層を分離させ、水相を、酢酸エチル(500mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、飽和ブライン(500mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮させた。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーにより、50/1〜10/1の石油エーテル/酢酸エチルで溶出させて精製し、A−4−2(5.70g、23.53mmol、39.6%収率)を黄色油として得た。HNMR(400MHz、クロロホルム−d)δ7.56(dd、J=3.2、8.2Hz、1H)、7.30−7.24(m、1H)、7.23−7.18(m、1H)、5.15(s、2H)、4.48−4.34(m、2H)、3.48(s、3H)、1.40(t、J=7.2Hz、3H)。
【0195】
工程3.A−4−2(5.70g、22.25mmol、1.00eq)および(R)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(4.05g、33.38mmol、1.50eq)を含むTHF(50.00mL)の混合物にTi(OEt)(7.61g、33.38mmol、1.50eq)を一度に周囲温度でN下にて添加した。混合物を70℃まで加熱し、12時間撹拌した。TLCは、開始材料が完全に消費されたことを示した。混合物を周囲温度まで冷却し、真空で45℃にて濃縮した。残渣を、水(100mL)に注ぎ入れた。水相を、酢酸エチル(300mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、ブライン(300mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮させた。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(カラム高さ:250mm、直径:100mm、100−200メッシュシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=20/1、5/1)により精製し、A−4−3(3.20g、8.90mmol、40.02%収率)を黄色油として得た。HNMR(400MHz、クロロホルム−d)δ7.56(dd、J=3.2、8.2Hz、1H)、7.30−7.24(m、1H)、7.23−7.18(m、1H)、5.15(s、2H)、4.48−4.34(m、2H)、3.48(s、3H)、1.40(t、J=7.2Hz、3H)。
【0196】
工程4.A−4−3(3.00g、8.69mmol、1.00eq)を含むMeOH(30.00mL)の溶液にNaBH(361.44mg、9.56mmol、1.10eq)を少しずつ0℃でN下にて添加した。反応混合物を、周囲温度まで2時間温めた。反応物を氷水(50mL)で徐々に反応停止させ、その後、DCM(100mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、ブライン(100mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮させた。残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/酢酸エチル=10/1〜3:1)により精製し、A−4−4S(1.20g、4.98mmol、38%収率、第一画分)を得、A−4−4R(600mg、19%、第二画分)を油として得た。A−4−4SのHNMR(400MHz、クロロホルム−d)δ7.11(dd、J=4.4、9.0Hz、1H)、7.04(dd、J=3.2、8.8Hz、1H)、7.00−6.93(m、1H)、5.33(d、J=8.0Hz、1H)、5.18(s、2H)、4.41(d、J=8.0Hz、1H)、4.23−4.12(m、2H)、3.49(s、3H)、1.23−1.17(m、12H)。A−4−4RのHNMR(400MHz、クロロホルム−d)δ7.12(dd、J=4.4、8.8Hz、1H)、7.02−6.94(m、2H)、5.41(d、J=4.0Hz、1H)、5.16(s、2H)、4.61(d、J=4.0Hz、1H)、4.29−4.13(m、2H)、3.50(s、3H)、1.24−1.17(m、12H)。
【0197】
工程5.A−4−4S(600.00mg、1.66mmol、1.00eq)を含むTHF(10.00mL)の溶液にMeMgBr(3MのEtO溶液、4.43mL、8.00eq)を一滴ずつ−78℃でN下にて添加した。混合物を、周囲温度で、12時間撹拌した。混合物を、飽和NHCl(20mL)に注ぎ入れ、10分間撹拌した。水相を、酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、ブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮させ、A−4−5(542.00mg、1.56mmol、93.97%収率)を黄色固体として得た。HNMR(400MHz、クロロホルム−d)δ7.13(dd、J=4.4、9.0Hz、1H)、7.08−7.02(m、1H)、6.96−6.89(m、1H)、5.24−5.15(m、2H)、4.67−4.35(m、2H)、3.50(s、3H)、1.35(s、3H)、1.21(s、9H)、1.10(s、3H)。
【0198】
工程6.化合物A−4−5(540.00mg、1.55mmol、1.00eq)を、HCl/ジオキサン(4N、5.00mL)に溶解し、周囲温度でN下、2時間撹拌した。TLCは反応の完了を示した。メタノール(20mL)を混合物に添加し、周囲温度で10分間撹拌した。その後、溶媒を減圧下で除去し、A−4−6を得、これを次の工程でさらに精製せずに使用した。
【0199】
エチル(S)−5−((1−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)アミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシレート(A−4)の調製
A−4を、一般的方法Aを用い、工程3においてA−4−6を使用して調製した。
【0200】
2−(1−アミノエト−1−イル)−3−ヒドロキシピリジン(A−6−3)の調製
【化53】
【0201】
工程1.化合物A−6−1(8.00g、58.33mmol、1.00eq)および炭酸カリウム(24.19g、175.00mmol、3.00eq)を含むメタノール(50.00mL)の溶液に、塩酸ヒドロキシルアミン(5.31g、75.83mmol、1.30eq)を添加した。混合物を25℃で12時間撹拌した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)は、開始材料が完全に消費されたことを示し、1つの新しいスポットが見出された。混合物を、HO(100mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(100mL3)により抽出した。有機層をブライン(100mL)により洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、化合物A−6−2(5.50g、36.15mmol、61.97%収率)を黄色固体として得た。
【0202】
工程2.化合物A−6−2(5.50g、36.15mmol、1.00eq)および亜鉛粉末(9.46g、144.59mmol、4.00eq)を含むエタノール(10.00mL)の溶液に塩化アンモニウム(11.15g、144.59mmol、4.00eq)を添加した。混合物を0−25℃で18時間撹拌した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)は、開始材料が完全に消費されたことを示し、1つの新しい主スポットが見出された。混合物を濾過し、濾液を濃縮し、化合物A−6−3(4.00g、28.95mmol、80.08%収率)を黄色固体として得た。HNMR:(400MHz、DMSO−d6)δ:7.75(d、J=4.4Hz、1H)、7.27(d、J=8.0Hz、1H)、7.17(dd、J=4.4、8.0Hz、1H)、4.51(q、J=6.4Hz、1H)、1.28(d、J=6.4Hz、3H)
【0203】
A−5を、A−1のための手順に従い、2−(アミノメチル)−4−フルオロフェノールおよびエチル5−クロロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシレートを開始材料として使用して調製した。
【0204】
A−6を、A−1のための手順に従い、A−6−3およびエチル5−クロロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシレートを開始材料として使用して調製した。
【表3-1】
【表3-2】
【0205】
一般的方法B
(7S,13R)−7−エチル−11−フルオロ−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン(1)および(6S,13R)−6−エチル−11−フルオロ−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン(2)の調製
【化54】
【0206】
工程1:(S)−2−エチルオキシラン(1.00g、13.87mmol)を含むHO(3.08mL)、MeOH(21.58mL)およびTHF(3.08mL)の溶液にNaN(4.51g、69.35mmol)およびNHCl(1.71g、31.90mmol)を添加した。反応混合物を75℃で4時間加熱し、その後、周囲温度まで冷却し、続いて、水(100mL)を添加した。混合物を、酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、抽出物を合わせ、ブライン(50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。1−1および2−1の粗生成物混合物を次の工程でさらに精製せずに使用した。
【0207】
工程2.1−1および2−1(1.35g、11.73mmol)を含むTHF(30.00mL)の溶液に、PPh(4.61g、17.60mmol)を添加し、反応溶液を周囲温度で65時間撹拌した。TLCは、変換の完了を証明した。反応溶液にHO(3.00g、166.48mmol)を添加し、混合物を7時間撹拌し、続いて、BocO(3.21g、14.72mmol)およびトリエチルアミン(2.38g、23.56mmol)を含むTHF(30mL)の溶液を添加した。反応物を周囲温度で19時間撹拌し、水(50mL)への添加により反応停止させ、DCM(3×50mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(40g)、0−35%酢酸エチルを含むヘキサン)は1−2の第一画分を提供した(1.379g、61.86%収率)。LC−MS m/z212.2(M+Na)H NMR(500MHz、DMSO−d6)δ ppm6.62(brt、J=5.73Hz、1H)4.50(d、J=5.16Hz、1H)3.34(br s、1H)2.87−2.96(m、1H)2.78−2.86(m、1H)、1.38−1.44(m、1H)1.37(s、9H)1.15−1.26(m、1H)0.84(t、J=7.45Hz、3H)。第二画分は1−2および2−2の混合物であった(0.625g、28.03%収率)。
【0208】
工程3.1−2(467.00mg、2.47mmol)およびCHSOCl(325.38mg、2.84mmol)を含むDCM(12.35mL)の溶液に−20℃で、ヒューニッヒ塩基(957.67mg、7.41mmol)を添加した。反応物を、周囲温度まで温め、22時間撹拌し、その後、水(50mL)への添加により反応停止させた。混合物を、DCM(3×50mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(24g)、0−35%酢酸エチルを含むヘキサン)により1−3を得た(623.90mg、2.33mmol、94.48%収率)。LC−MS m/z290.1(M+Na)
【0209】
工程4.1−3(116.46mg、0.436mmol)およびA−1(120.00mg、0.348mmol)を含むDMF(1.74mL)の溶液に、KCO(240.82mg、1.74mmol)を添加した。混合物を80℃で、撹拌しながら24時間加熱し、周囲温度まで冷却し、DCM(3mL)で希釈し、シリンジフィルタに通して濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(12g)、0−40%酢酸エチルを含むヘキサン)により、1−4および2−4の混合物を得た(59.40mg、0.115mmol、33.06%収率)。LC−MS m/z516.3(M+H)
【0210】
工程5:1−4および2−4の混合物(59.40mg、0.115mmol)を含むMeOH(3.03mL)およびTHF(1.49mL)の溶液に、LiOHを含むHO(2M、1.00mL)の溶液を添加した。混合物を70℃で3時間加熱し、周囲温度まで冷却し、水およびメタノールで希釈し、その後、HCl水溶液(2M、1.00mL)で酸性とし反応停止させた。混合物を、DCM(3×5mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を高真空下で一晩乾燥させ、その後、DCM(4.0mL)に溶解し、続いて、HClを含む1,4−ジオキサン(4M、2.0mL)を添加し、周囲温度で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、高真空下で乾燥させた。固体を、DMF(2mL)およびDCM(10mL)に溶解し、溶液に、FDPP(50.76mg、0.132mmol)およびヒューニッヒ塩基(74.23mg、0.574mmol)を添加した。混合物を2時間撹拌し、その後、NaCO水溶液(2M、12mL)で反応停止させた。混合物を5分間撹拌し、その後、DCM(4×10mL)で抽出した。抽出物を合わせ、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(12g)、0−10%メタノールを含むジクロロメタン)により純粋1(3.56mg)、2(3.83mg)、ならびに1および2の混合物(23.94mg)が得られ、総収率は73.85%であった。
【0211】
化合物3−8を、一般的方法Bを用いて調製した。工程1では、(R)−2−エチルオキシランを3および4のために、(S)−2−((メトキシメトキシ)メチル)オキシランを5および6のために使用し、続いて、アセタールを酸脱保護させ、ならびに(R)−2−((メトキシメトキシ)メチル)オキシランを7および8のために使用し、続いて、アセタールを酸脱保護させた。
【0212】
一般的方法C
(7R,13R)−11−フルオロ−7−(フルオロメチル)−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン(9)の調製
【化55】
【0213】
5(3.00mg、0.0081mmol)を含むDCM(0.161mL)の溶液に、Deoxo−Fluor(3.58mg、0.0162mmol)を添加した。混合物を30分間撹拌し、飽和NaHCO溶液(3mL)で反応停止させ、DCM(3×3mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(12g)、0−17.5%メタノールを含むジクロロメタン)により、9を得た(1.30mg、43.1%収率)。
【0214】
化合物10および11を、一般的方法Cを用い、それぞれ、化合物7および8から開始して調製した。
【0215】
一般的方法D
(7R,13R)−7−[(ジメチルアミノ)メチル]−11−フルオロ−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン(12)の調製
【化56】
【0216】
工程1.5(11.00mg、0.0296mmol)を含むDCM(0.60mL)の溶液に、デス・マーチン・ペルヨージナン(25.13mg、0.0592mmol)を添加した。混合物を、周囲温度で、30分間撹拌し、飽和NaHCO溶液(3mL)で反応停止させ、DCM:MeOH(5×3mL、1:1)で抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(12g)、0−22.5%メタノールを含むジクロロメタン)により、アルデヒド12−1を得た(8.10mg、0.0219mmol、74.04%収率)。LC−MS m/z370.2(M+H)
【0217】
工程2.12−1(5.00mg、0.0135mmol)を含むMeOHの溶液に、ジメチルアミン(2M、0.034mL)を添加した。混合物を60℃で2時間加熱し、周囲温度まで冷却し、続いて、水素化ホウ素ナトリウム(1.54mg、0.0406mmol)を添加し、1時間撹拌した。追加の部分のジメチルアミンを含むTHF(2M、1mL)および過剰量のNaBH4を添加し、反応を完了させた。混合物を45℃で一晩加熱し、濃縮乾固させた。残渣を、MeOHに溶解し、HCl水溶液(2M、0.40mL)を添加した。混合物を30分間撹拌し、続いて、NaOH水溶液(2M、0.45mL)を添加し、DCM(4×3mL)で抽出した。抽出物を合わせ、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0.060mLのTEAを化合物ローディング中に添加した)(ISCOシステム、シリカ(12g)、0−25%メタノールを含むジクロロメタン)により、12(1.89mg、0.0474mmol、35.03%収率)を白色固体として得た。
【0218】
一般的方法E
(6S,13R)−6−[(ジメチルアミノ)メチル]−11−フルオロ−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン(13)の調製
【化57】
【0219】
6(7.20mg、0.0194mmol)およびCHSOCl(8.88mg、0.0776mmol)を含むDCM(0.50mL)の溶液に−20℃で、ヒューニッヒ塩基(37.59mg、0.291mmol)を添加した。反応物を、周囲温度まで温め、1時間撹拌し、その後、飽和重炭酸塩溶液(2mL)の添加により反応停止させた。混合物を、DCM(3×3mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮乾固させた。ジメチルアミンを含むTHF(2M、1.98mL)の溶液を残渣フラスコに添加した。混合物を70℃で6時間加熱し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、C18(30g金col)、0−100%アセトニトリルを含む水w/0.035%TFA)により13をTFA塩として得た(2.93mg)。
【0220】
一般的方法F
(7S,13R)−11−フルオロ−N,13−ジメチル−4−オキソ−4,5,6,7,13,14−ヘキサヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−7−カルボキサミド(14)および(7R,13R)−11−フルオロ−N,13−ジメチル−4−オキソ−4,5,6,7,13,14−ヘキサヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−7−カルボキサミド(15)の調製
【化58】
【0221】
3−アミノ−2−ヒドロキシプロパン酸(3.50g、33.30mmol、1.00eq)を含む1,4−ジオキサン(30.00mL)の溶液に、NaOH(1.33g、33.30mmol、1.00eq)を含むHO(30.00ml)を一滴ずつ0℃で添加した。混合物を0℃で1時間撹拌し、続いて、(Boc)O(8.29g、37.97mmol、1.14eq)を添加した。混合物を、周囲温度まで温め、11時間撹拌し、HCl水溶液(1M、5mL)を0℃で添加してpHを約6に調整して反応停止させ、その後、EtOAc(20mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−2−ヒドロキシプロパン酸(3.50g)とし、これを直接、さらに精製せずに使用した。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.93(br.s.、1H)、5.41(br.s.、1H)、4.32(br.s.、1H)、3.65−3.40(m、2H)、1.42(s、9H)。
【0222】
工程2.3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−2−ヒドロキシプロパン酸(1.00g、4.87mmol、1.00eq)を含むDCM(24.00mL)およびDMF(24.00mL)の溶液に、メタンアミン(1.32g、19.49mmol、4.00eq、HCl塩)、EDCI(1.40g、7.31mmol、1.50eq)、HOBt(987mg、7.31mmol、1.50eq)および4−メチルモルホリン(2.96g、29.24mmol、6.00eq)を添加した。混合物を、周囲温度で、16時間撹拌し、その後、濃縮した。残渣をクエン酸(100mL)で希釈し、EtOAc(200mL×2)で抽出した。有機層を合わせ、飽和NaHCO水溶液(100mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮させ、tert−ブチル(2−ヒドロキシ−3−(メチルアミノ)−3−オキソプロピル)カルバメート(980.00mg、4.49mmol、92.20%収率)を白色固体として得た。H NMR(CDCl、400MHz)δ7.03(br.s.、1H)、5.41−5.14(m、2H)、4.19(d、J=2.8Hz、1H)、3.65−3.55(m、1H)、3.54−3.44(m、1H)、2.85(d、J=5.2Hz、3H)、1.45(s、9H)。
【0223】
工程3.tert−ブチル(2−ヒドロキシ−3−(メチルアミノ)−3−オキソプロピル)カルバメート(980.00mg、4.49mmol、1.00eq)を含むDCM(60.00mL)の撹拌溶液に、TEA(2.27g、22.45mmol、5.00eq)、4−メチルベンゼンスルホニルクロリド(1.71g、8.98mmol、2.00eq)および触媒量のDMAP(54.86mg、449.03μmol、0.10eq)を0℃で15分間添加した。反応物を周囲温度で12時間撹拌し、クエン酸(100mL)の添加により反応停止させ、その後、EtOAc(100mL)で希釈し、EtOAc(100mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、飽和NaHCO(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮させた。残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1〜1:1)により精製し、14−1(1.05g、2.82mmol、62.80%収率)を白色固体として得た。H NMR(CDCl、400MHz)δ7.84(d、J=8.0Hz、1H)、7.39(d、J=8.0Hz、1H)、6.38(br.s.、1H)、4.87(t、J=4.8Hz、1H)、4.77(br.s.、1H)、3.62−3.40(m、2H)、2.80(d、J=4.8Hz、3H)、2.47(s、3H)、1.41(s、9H)。
【0224】
工程4.A−1(75.00mg、0.218mmol)および14−1(89.23mg、0.240mmol)を含むDMF(1.1mL)の溶液にKCO(150.52mg、1.09mmol)を添加した。混合物を70℃まで、撹拌しながら75時間、さらにKCOおよび14−1を毎日添加しながら加熱し、反応を完了させた。反応物を周囲温度まで冷却し、DCMで希釈し(3mL)、シリンジフィルタに通して濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(12g)、0−100%酢酸エチルを含むヘキサン)により、14−2を得た(65.00mg、0.119mmol、54.8%収率)。LC−MS m/z545.3(M+H)
【0225】
工程5.14−2(65.00mg、0.119mmol)を含むMeOH(2.98mL)およびTHF(2.01mL)の溶液に周囲温度でLiOH水溶液(2.0M、2.01mL)を添加した。混合物を70℃で2時間加熱し、周囲温度まで冷却し、水およびメタノールで希釈し、その後、HCl水溶液(2.0M 2.01mL)で酸性とし反応停止させた。混合物を、DCM(3×5mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮し、高真空下で一晩乾燥させた。残渣にDCM(3.00mL)を添加し、続いて、HClを含む1,4−ジオキサン(4M、2.00mL)を添加した。混合物を周囲温度で1.5時間撹拌し、減圧下で濃縮し、高真空下で乾燥させた。残渣に、DMF(4.00mL)およびFDPP(50.34mg、0.131mmol)を添加し、続いて、ヒューニッヒ塩基(76.97mg、0.596mmol)を添加した。混合物を、周囲温度で、1.5時間撹拌し、NaCO水溶液(2M、4.0mL)で反応停止させ、5分間撹拌した。混合物を、DCM(4×10mL)で抽出し、抽出物を合わせ、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(12g)、0−17.5%メタノールを含むジクロロメタン)により、純粋14(2.29mg)を第一画分として、15(3.63mg)を最終画分として得た。中間画分(12.8mg)は14および15の混合物であった。
【0226】
一般的方法G
(6R,13R)−6−(ジフルオロメチル)−11−フルオロ−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン(16)、(6S,13R)−6−(ジフルオロメチル)−11−フルオロ−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン(17)、および(7R,13R)−7−(ジフルオロメチル)−11−フルオロ−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン(18)の調製
【化59】
【0227】
工程1.3−アミノ−1,1−ジフルオロプロパン−2−オール塩酸塩(150.29mg、1.16mmol)およびBoc−無水物(316.46mg、1.45mmol)を含むTHF(5.8mL)の溶液に、ヒューニッヒ塩基(449.76mg、3.48mmol)を添加した。混合物を18時間撹拌し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(12g)、0−40%酢酸エチルを含むヘキサン)により、tert−ブチル(3,3−ジフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)カルバメート(195.20mg、0.924mmol、79.8%収率)を得た。
【0228】
工程2.tert−ブチル(3,3−ジフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)カルバメート(195.20mg、0.924mmol)、TosCl(211.44mg、1.11mmol)、およびDMAP(5.65mg、0.462mmol)を含むDCM(4.6mL)の溶液に−78℃でヒューニッヒ塩基(358.33mg、2.77mmol)を添加した。反応物を、周囲温度まで温め、15時間撹拌し、その後、水(15mL)への添加により反応停止させた。混合物を、DCM(3×10mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(12g)、0−25%酢酸エチルを含むヘキサン)により、3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−1,1−ジフルオロプロパン−2−イル4−メチルベンゼンスルホナートを得た(240.60mg、0.658mmol、71.25%収率)。
【0229】
工程3.A−1(75.00mg、0.218mmol)および3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−1,1−ジフルオロプロパン−2−イル4−メチルベンゼンスルホナート(95.50mg、0.261mmol)を含むDMF(1.09mL)の溶液に、KCO(150.52mg、1.09mmol)を添加した。混合物を80℃で撹拌しながら18時間加熱し、周囲温度まで冷却し、DCMで希釈し(3mL)、シリンジフィルタに通して濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(12g)、0−50%酢酸エチルを含むヘキサン)により、16−1として同定された第一画分(26.00mg、0.0484mmol、22.21%収率)、ならびに17−1および18−1の混合物として同定された第二画分(26.7mg)を得た。
【0230】
工程4.16−1を、一般的方法Bにおける工程5の方法を使用して16に変換した。17−1および18−1の混合物を大環状化合物の混合物に変換し、これをフラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(12g)、0−7.5%メタノールを含むジクロロメタン)で分離して、17および18を得た。
【0231】
化合物19および22−24を、一般的方法Fに従い、工程1において14−1およびA−2−A−4の代わりにt−ブチル(2−クロロエチル)カルバメートを使用して調製した。
【0232】
化合物20および21を、一般的方法Bに従い、工程4においてA−1の代わりにA−2を使用して調製した。
【0233】
化合物25を、一般的方法Bに従い、工程1において2−エチルオキシランの代わりに(2R)−2−(メトキシメチル)オキシランを使用して調製した。
【0234】
一般的方法H
(7S,13R)−11−フルオロ−7−メチル−13−()メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン(26)の調製
【化60】
【0235】
工程1.26−1(10.00g、71.37mmol、1.00eq)および(R)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(8.65g、71.37mmol、1.00eq)を含むDCM(500.00mL)の混合物に、炭酸セシウム(69.76g、214.11mmol、3.00eq)を一度に、20℃でN下にて添加し、その後、50℃で12時間撹拌した。混合物を20℃まで冷却し、減圧下で45℃にて濃縮した。残渣を、水(300mL)に注ぎ入れた。水相を、酢酸エチル(500mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和ブライン(500mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮し、残渣を得、これを石油エーテルでトリチュレートし、26−2(15.00g、61.65mmol、86.38%収率)を白色固体として得た。HNMR(400MHz、CDCl)δ10.85(s、1H)、8.64(s、1H)、7.21−7.14(m、2H)、6.99(dd、J=4.4、10.0Hz、1H)、1.27(s、9H)。
【0236】
工程2.tert−ブチル(R)−(2−ヒドロキシプロピル)カルバメート(5.00g、28.54mmol、1.20eq)および26−2(5.79g、23.78mmol、1.00eq)を含むトルエン/THF(15mL、v/v=1:1)の混合物に、PPh(7.49g、28.54mmol、1.20eq)を添加した。反応混合物を、約0℃まで冷却し、DIAD(5.77g、28.54mmol、5.55mL、1.20eq)を一滴ずつ10分間添加した。混合物を25℃まで温めさせ、約10分間撹拌した後、さらに15mlのトルエンおよび15mlのTHFを、高粘度のオレンジ溶液に添加した。混合物を25℃でさらに24時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、残渣を、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=20/1〜5/1)により精製し、26−3(11.00g、19.23mmol、80.84%収率、70%純度)を白色固体として得た。HNMR(400MHz、CDCl)δ8.95(s、1H)、7.65(dd、J=2.8、8.8Hz、1H)、7.21−7.10(m、1H)、7.00(br dd、J=4.0、8.8Hz、1H)、5.08(br s、1H)、4.57(br s、1H)、3.45(br s、1H)、3.36−3.22(m、1H)、1.43(s、9H)、1.30(br d、J=6.4Hz、3H)、1.25(br s、9H)
【0237】
工程3.26−3(3.00g、7.49mmol)およびMgBr・EtO(12.7g、45mmol)を含むMeTHF(37.5mL)の溶液に−10℃で、CDMgI(1M、22.5mL)を添加した。反応物を、0℃まで3時間にわたり徐々に温め、その後、飽和NHCl溶液(50mL)への添加により反応停止させた。混合物を、DCM(3×50mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(40g)、0−50%酢酸エチルを含むヘキサン)により、26−4(1.72g、4.10mmol、54%収率)および26−5(970mg、2.31mmol、30%収率)を得る。
【0238】
工程2.I(117mg、462μmol)を26−5(970mg、2.31mmol)を含むTHF(9.96mL)および水(2.04mL)に添加した。反応物を50℃まで6時間加熱し、減圧下で濃縮し、高真空下で乾燥させ、粗26−6を得た。
【0239】
工程3.粗26−6およびエチル5−クロロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシレート(521mg、2.31mmol)を含むEtOH(12mL)の溶液に、ヒューニッヒ塩基(750mg、5.8mmol)を添加した。混合物を60℃まで撹拌しながら20時間加熱した。反応物を周囲温度まで冷却し、飽和NaHCO溶液(25mL)および水(75mL)への添加により反応停止させ、DCM(3×50mL)で抽出した。抽出物を合わせ、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(40g)、0−40%酢酸エチルを含むヘキサン)により、26−7を得た(894mg、1.77mmol、2工程で76%収率)。LC−MS m/z505.3(M+H)
【0240】
工程4.26−7(894mg、1.77mmol)を含むMeOH(40mL)およびTHF(10mL)の溶液に、周囲温度でLiOH水溶液(2.0M、15mL)を添加した。混合物を70℃で22時間加熱し、−20℃まで冷却し、その後、HCl水溶液(2.0M、15.1mL)で酸性とし反応停止させた。混合物を、DCM(3×50mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮し、高真空下で一晩乾燥させた。残渣にDCM(30mL)を添加し、続いて、HClを含むエーテル(2M、10mL)を添加した。混合物を、周囲温度で、20時間撹拌し、減圧下で濃縮し、高真空下で乾燥させた。DMF(20mL)、DCM(100mL)およびヒューニッヒ塩基(3.71g、28.70mmol)の溶液にこの粗材料の1/3、その後、FDPPの1/3(603.21mg、1.57mmol)を添加し、その後、混合物を1時間撹拌した。添加をもう2回実施し、最終混合物を周囲温度で18時間撹拌し、NaCO水溶液(2M、100mL)で反応停止させ、5分間撹拌した。混合物を、DCM(3×50mL)で抽出し、抽出物を合わせ、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(40g)、0−8.75%メタノールを含むジクロロメタン)により、26を得た(446mg、79%収率)。
【0241】
一般的方法I
7−メチル−6,7,14,15−テトラヒドロ−2H−3,5−(アゼノメテノ)ピロロ[3,4−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−16(13H)−オン(33)の調製
【化61】
【0242】
工程1.トリエチルアミン(1.10g、10.9mmol)を、2−(1−アミノエチル)フェノール(499mg、3.64mmol)およびトリフルオロ酢酸無水物(841mg、4.0mmol)を含むDCM(18.2mL)の溶液に0℃で添加した。反応物を2時間0℃で撹拌し、その後、0.5M HCl(100mL)に添加することにより反応停止させた。混合物を、DCM(150mL)で抽出した。抽出物を、0.5M HCl(3×100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を高真空下で乾燥させ、33−1を得た(809.3mg、3.47mmol、95%収率)。
【0243】
工程2.33−1(550mg、2.36mmol)およびtert−ブチル(2−ヒドロキシエチル)カルバメート(760mg、4.72mmol)を一緒に混合し、共沸混合物をDCM:トルエンから乾燥させた。乾燥混合物を、DCM(1.50mL)に再溶解し、PPh3(1.27g、4.84mmol)を溶液に添加した。混合物を、全てのものが完全に溶解されるまで撹拌した。溶液を0℃まで冷却し、DIAD(1.03g、5.07mmol)を非常に徐々に撹拌下で添加した。反応物を、室温まで温め、13時間撹拌した。反応物を水(100mL)に注ぐことにより反応停止させ、DCM(3×75mL)で抽出した。抽出物を合わせ、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(24g)、5−20%酢酸エチルを含むヘキサン)により、33−2を得た(655mg、1.74mmol、74%収率)。
【0244】
工程3.33−2(421mg、1.12mmol)を含むMeOH(4.80mL)およびH2O(1.20mL)の溶液にKCO(309mg、2.24mmol)を室温で添加した。反応物を60℃まで2.5時間加熱し、その後、冷却し、0.4M NaOH溶液(50mL)に注ぎ入れ、DCM(3×50mL)で抽出した。抽出物を合わせ、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を高真空下で乾燥させ、33−3を得た(227.8mg、812μmol、72%収率)。
【0245】
工程4.NaH(28mg、1.18mmol)を含むDMF(4.06mL)の混合物に、33−4(200mg、812μmol)を0℃で添加した。混合物を30分間撹拌し、続いて、SEMCl(176mg、1.06mmol)を添加した。反応物を、室温まで温め、2.5時間撹拌し、その後、水(25mL)への添加により反応停止させた。混合物を、DCM(3×15mL)で抽出し、抽出物を合わせ、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(12g)、0−50%酢酸エチルを含むヘキサン)により、33−5を得る(261.9mg、696μmol、86%収率)。
【0246】
工程5.33−3(75mg、267μmol)、33−5(103mg、267μmol)、N,N−ジメチルグリシン(8.3mg、80μmol)およびKCO(92mg、668μmol)を含むDMSO(1.34mL)の脱気溶液に、CuI(7.6mg、40μmol)を添加した。反応物を100℃まで4.5時間加熱し、水(25mL)に注ぎ入れ、DCM(3×15mL)で抽出した。抽出物を合わせ、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(12g)、0−40%酢酸エチルを含むヘキサン)により、33−6を得た(30.2mg、51.5μmol、19%収率)。
【0247】
工程6.33−6(30.2mg、51.5μmol)を含むMeOH(3mL)およびTHF(1mL)の溶液に周囲温度で、LiOH水溶液(2.0M、1mL)を添加した。混合物を70℃で45分間加熱し、−20℃まで冷却し、その後、HCl水溶液(2.0M、1.1mL)で酸性とし反応停止させた。混合物を、DCM(3×5mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮し、高真空下で乾燥させた。粗材料を、DCM(4mL)に溶解し、続いて、HClを含むエーテル(2M、2mL)を添加した。混合物を周囲温度で2時間撹拌し、減圧下で濃縮し、高真空下で乾燥させた。粗材料を、DMF(1.0mL)およびDCM(4.0mL)に溶解し、ヒューニッヒ塩基(33mg、256μmol)、それからFDPP(20.7mg、54μmol)を一度に添加した。反応物を4時間撹拌し、その後、2M NaCO溶液(5mL)で反応停止させた。混合物を5分間撹拌し、その後、DCM(4×10mL)で抽出した。抽出物を合わせ、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(12g)、0−100%酢酸エチルを含むヘキサン)により、33−7を得た(13.9mg、30.6μmol、59%収率)。
【0248】
工程7.33−7(13.9mg、30.6μmol)を、DCM(1.00mL)およびTFA(1.00mL)に溶解した。混合物を30分間全ての開始材料が消費されるまで撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮乾固させ、共沸混合物をトルエン(1mL)で乾燥させた。残渣を、DCM(1.00mL)およびMeOH(0.5mL)に再溶解し、NHOH(18M、150μL)を添加した。溶液を15分間撹拌し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(12g)、0−15%メタノールを含むジクロロメタン)により、33を得た(4.9mg、15μmol、49%収率)。
【0249】
一般的方法J
[(7S,13R)−11−フルオロ−7−メチル−4−オキソ−4,5,6,7,13,14−ヘキサヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−13−イル]アセトニトリル(38)の調製
【化62】
【0250】
工程1.Zn(3.02g、46.24mmol、3.75eq)および2−ブロモアセトニトリル(3.70g、30.83mmol、2.50eq)を含むTHF(20.00mL)の溶液に、TMSCl(254.52mg、2.34mmol、0.19eq)を一滴ずつN下にて添加した。混合物を0℃〜20℃で2時間撹拌した。その後、A−1−3(3.00g、12.33mmol、1.00eq)を混合物に添加し、混合物を50℃で12時間撹拌した。TLC(PE:EtOAc=1:2)は、反応がうまくいったことを示した。その後、混合物を、水(20mL)により反応停止させ、EtOAc(50mL5)で抽出し、有機層をブラインにより洗浄し(50mL)、NaSO上で乾燥させた。残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/酢酸エチル=10/1〜1:5)により精製し、38−1(260mg、PE:EtOAc=1:2、Rf=0.5)および38−2(441mg、PE:EtOAc=1:2、Rf=0.4)を白色固体として得た。H NMR(400MHz、CDCl、38−1)δ9.60(s、1H)、6.78(dd、J=3.0、8.3Hz、1H)、6.49(dt、J=3.1、8.5Hz、1H)、6.17(dd、J=4.6、8.9Hz、1H)、5.62(d、J=10.2Hz、1H)、4.45(dt、J=4.6、10.3Hz、1H)、3.12(dd、J=10.5、17.0Hz、1H)、2.65(dd、J=4.7、17.0Hz、1H)、1.38(s、9H);H NMR(400MHz、CDCl、38−2)δ9.10(br.s.、1H)、6.92(dq、J=3.0、8.7Hz、2H)、6.81(dd、J=4.6、8.7Hz、1H)、4.83−4.71(m、2H)、3.11−3.02(m、2H)、1.31(s、9H)。
【0251】
工程2.38−1(100.00mg、351.68μmol)およびtert−ブチル(R)−(2−ヒドロキシプロピル)カルバメート(123.25mg、703.36μmol)を一緒に混合し、共沸混合物を、DCM:トルエンから乾燥させた。混合物を、DCM(200.00μL)に再溶解し、PPh(189.10mg、720.94μmol)を溶液に添加した。混合物を全てのものが完全に溶解するまで撹拌し、その後、0℃まで冷却した。溶液に、DIAD(145.78mg、720.94μmol、141.53μL)を非常に徐々に混合しながら添加した。反応物を、室温まで温め、19時間撹拌し、水(4溶媒体積)への添加により反応停止させ、DCM(3×3mL)で抽出した。抽出物を合わせ、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(12g)、0−100%酢酸エチルを含むヘキサン)により、38−3を得た(58.8mg、37%収率)。
【0252】
一般的方法Hにおける反応工程2−4に従い、38−3を38に変換した。
【0253】
一般的方法K
tert−ブチル((S)−2−(2−((R)−1−アミノエチル)−4−フルオロフェノキシ)−プロピル)カルバメート(40−5)の調製
【化63】
【0254】
工程1.40−1(500.00g、3.24mol、1.00eq)、tert−ブチル(R)−(2−ヒドロキシプロピル)カルバメート(851.57g、4.86mol、1.50eq)およびPPh(1.27kg、4.86mol、1.50eq)を含むジクロロメタン(1.5L)の溶液に、DEAD(902.79g、5.18mol、940.41mL、1.60eq)を一滴ずつ0℃で添加した。溶液を25℃で4時間撹拌した。TLCは、より大きな極性を有する1つの主な新しいスポットが検出され、開始材料は完全に消費されたことを示した。石油エーテル(1.5L)を混合物に添加し、その後、固体を濾過し、濾液の溶媒を除去し、残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/酢酸エチル=20/1〜10:1)により精製し、40−2(680.00g、2.18mol、67.28%収率)を赤色油として得た。H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δ7.38(dd、J=3.2、8.8Hz、1H)、7.13(ddd、J=3.2、7.2、8.8Hz、1H)、6.97(dd、J=4.0、8.8Hz、1H)、5.06(br.s.、1H)、4.63−4.52(m、1H)、3.52−3.39(m、1H)、3.38−3.27(m、1H)、2.59(s、3H)、1.42(s、9H)、1.32(d、J=6.4Hz、3H)。
【0255】
工程2.(R)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(219.98g、1.82mol、1.50eq)、ジグライム(162.35g、1.21mol、172.71mL、1.00eq)および40−2(376.00g、1.21mol、1.00eq)を含むTHF(1.88L)および2−メチルテトラヒドロフラン(1.88L)の混合物に、テトラエトキシチタン(552.03g、2.42mol、501.85mL、2.00eq)を一度に20℃でN下にて添加した。混合物を60℃で12時間撹拌した。TLCは、約15%の開始材料が残っていることを示した。混合物を20℃まで冷却した。水(2L)を添加した。水相を、酢酸エチル(2000mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和ブライン(1L)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮させ、40−3(520.00g、粗)を赤色油として得、これを次の工程のためにさらに精製せずに使用した。
【0256】
工程3.40−3(520.00g、1.25mol、1.00eq)を含むTHF/HO(3.82L/78mL)の溶液に、NaBH(142.37g、3.76mol、3.00eq)を−50℃で添加し、反応物を、25℃まで温め、その後、25℃で12時間撹拌した。TLCは、開始材料が完全に消費されたことを示した。水(1L)を混合物に添加し、EtOAc(2L×2)で抽出した。有機層を、飽和NaCl(1L)で洗浄し、NaSO上で乾燥させた。溶媒を除去し、残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/酢酸エチル=20/1〜10:1)により精製し、40−4を得た(270.00g、570.40mmol、45.47%収率)。H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δ7.06(dd、J=3.2、9.2Hz、1H)、6.95(dt、J=3.2、8.4Hz、1H)、6.80(dd、J=4.4、9.2Hz、1H)、6.70(br.s.、1H)、4.93(d、J=6.0Hz、1H)、4.57−4.46(m、1H)、3.68−3.65(m、1H)、3.59−3.57(m、1H)、3.22−3.10(m、1H)、1.47(d、J=6.8Hz、3H)、1.40(s、9H)、1.27−1.25(m、3H)、1.22(s、9H)。
【0257】
工程4.40−4(270.00g、570.40mmol、1.00eq)および分子ヨウ素(28.95g、114.08mmol、22.98mL、0.20eq)を含むTHF(2.16L)の溶液に、HO(540.00mL)を25℃でN下にて添加した。混合物を50℃で3時間撹拌した。TLCは、開始材料が完全に消費されたことを示した。混合物を濃縮し、40−5(330.00g、粗)を白色固体として得た。LCMS:m/z313.2(M+H)。H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δ7.08(dd、J=2.8、9.4Hz、1H)、6.91−6.79(m、2H)、5.72(br.s.、1H)、4.55−4.32(m、2H)、3.52−3.41(m、1H)、3.31−3.19(m、1H)、1.42(s、9H)、1.38(d、J=6.8Hz、3H)、1.29(d、J=6.0Hz、3H)。
【0258】
一般的方法L
(3aR,9R,17aS)−7−フルオロ−9−メチル−1,2,3,3a,9,10,17,17a−オクタヒドロ−16H−11,13−エテノシクロペンタ[b]ピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−16−オン(41)の調製
【化64】
【0259】
工程1.(1S,2S)−2−アミノシクロペンタン−1−オール(41−1)HCl塩(500.00mg、3.63mmol)およびトリエチルアミン(1.10g、10.89mmol、1.51mL)を含むMeOH(18.15mL)の溶液に、BocO(1.58g、7.26mmol)を添加した。反応物を22時間撹拌し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(24g)、0−50%酢酸エチルを含むヘキサン)により、41−2を得る(714.2mg、3.55mmol、97.76%収率)。
【0260】
工程2.41−2(100.00mg、496.87μmol)およびA−1(171.09mg、496.87μmol)を一緒に混合し、共沸混合物を、DCM:トルエンから乾燥させた。混合物を、DCM(248.43μL)に再溶解し、PPh(136.84mg、521.71μmol)を溶液に添加した。混合物を全てのものが完全に溶解するまで撹拌した。DIAD(105.50mg、521.71μmol、102.43μL)を非常に徐々に混合しながら添加した。反応物を16時間撹拌し、その後、水(4mL)への添加により反応停止させ、DCM(3×3mL)で抽出した。抽出物を合わせ、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(12g)、0−50%酢酸エチルを含むヘキサン)により、41−3を得た(17.6mg、6.7%収率)。
【0261】
工程3.一般的方法Hにおける工程4に従い、41−3を41に変換した。
【0262】
一般的方法M
(7R,13R)−7−エチル−11−フルオロ−13−メチル−6,7,13,14−テトラヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f]ピリド[3,2−l][1,4,8,10]オキサトリアザシクロトリデシン−4(5H)−オン(58)の調製
【化65】
【0263】
工程1:MeMgBr(3M、6.45mL)を含むEtOを、58−1(1.00g、6.45mmol)を含むTHF(32mL)の溶液に−78℃で添加した。反応物を、5℃まで4時間にわたって徐々に温め、その後、−78℃まで冷却して戻し、飽和NHCl水溶液(20mL)の添加により反応停止させた。混合物を、室温まで温め、DCM(3×10mL)で抽出した。抽出物を合わせ、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(24g)、0−50%酢酸エチルを含むヘキサン)により、58−2を得た(1.10g、6.43mmol、100%収率)。
【0264】
工程2:DMSO(753mg、9.65mmol、685μL)を含むDCM(5mL)を塩化オキサリル(1.22g、9.65mmol、827μL)を含むDCM(15mL)に−78℃で1滴ずつ添加した。溶液を20分間撹拌し、その後、58−2(1.10g、6.43mmol)を含むDCM(8mL)を1滴ずつ添加した。反応物を20分間撹拌し、その後、TEA(3.25g、32mmol、4.46mL)を1滴ずつ添加した。反応物を、室温まで徐々に温め、2.5時間撹拌し、水(100mL)への添加により反応停止させた。混合物を、DCM(3×25mL)で抽出し、抽出物を合わせ、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(24g)、0−40%酢酸エチルを含むヘキサン)により、58−3を得た(1.01g、5.97mmol、92%収率)。
【0265】
工程3:58−3(1.01g、5.97mmol)、(S)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(1.00g、8.25mmol)およびジグライム(801mg、5.97mmol、852μL)を含むTHF(6.0mL)およびMeTHF(6.0mL)の溶液に、Ti(OEt)(2.59g、11.34mmol、2.37mL)を添加した。混合物を60℃で4時間加熱し、室温まで冷却し、水(100mL)への添加により反応停止させた。混合物を、DCM(3×50mL)で抽出し、抽出物をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(24g)、5−30%酢酸エチルを含むヘキサン)により、58−4を得た(1.31g、4.81mmol、80%収率)。
【0266】
工程4:NaBH(546mg、14.4mmol)を58−4(1.31g、4.81mmol)およびHO(260mg、14.43mmol、260μL)を含むTHF(24mL)に−78℃で添加した。反応物を室温まで徐々に温めさせ、18時間撹拌した。反応物を冷却して、−78℃に戻し、MeOH(3mL)、その後、水(5mL)で反応停止させ、その後、pHを2M HClで中性となるまで調整し、さらに水(75mL)で希釈し、DCM(3×75mL)で抽出した。抽出物を合わせ、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(40g)、30−60%酢酸エチルを含むヘキサン)により、56−5(758.1mg、2.76mmol、57%収率)および58−6(414.9mg、1.51mmol、31%収率)を得た。
【0267】
工程5:58−5(757mg、2.76mmol)を含むTHF(11.5mL)およびHO(2.30mL)の溶液に、I(140mg、552μmol)を添加した。混合物を50℃で9時間加熱し、その後、減圧下で濃縮し、58−7を得た。化合物を高真空で乾燥させ、そのままで使用した。
【0268】
工程6:58−7(469.7mg、2.76mmol)および5−クロロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシレート(778mg、3.45mmol)を含むEtOH(14.0mL)の溶液にヒューニッヒ塩基(2.96g、22.9mmol、4.0mL)を添加した。溶液を80℃で64時間加熱した。混合物を減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(40g)、50−100%酢酸エチルを含むヘキサン)により、58−8を得た(871.4mg、2.42mmol、87%収率)。
【0269】
工程7:58−8(869.65mg、2.42mmol)を含むEtOH(15.0mL)に、HClを含む1,4−ジオキサン(4M、15.0mL)を添加した。混合物を75℃まで加熱し、6時間撹拌し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー[EtNを含むDCM(200μL)を用いてローディング](ISCOシステム、シリカ(24g)、0−10%メタノールを含むジクロロメタン)により58−9を得る(736.1mg、2.13mmol、88%収率)。
【0270】
工程8:58−9(100mg、289μmol)および(S)−tert−ブチル(2−ヒドロキシブチル)カルバメート(68.5mg、362μmol)を一緒に混合し、共沸混合物を、DCM:トルエンから乾燥させた。残渣を、DCM(150μL)に再溶解し、PPh(99mg、376μmol)を溶液に添加した。混合物を全てのものが完全に溶解するまで撹拌し、DIAD(76mg、376μmol、73.9μL)を混合しながら、非常に徐々に添加した。混合物を35℃で2時間加熱し、室温まで冷却し、3日間撹拌した。反応物を、水(4mL)への添加により反応停止させ、DCM(3×4mL)で抽出した。抽出物を合わせ、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(12g)、0−60%酢酸エチルを含むヘキサン)により、58−10を得た(105.8mg、204μmol、70%収率)。
【0271】
工程9.58−10(105.8mg、204μmol)を含むMeOH(4mL)およびTHF(1.5mL)の溶液に周囲温度で、LiOH水溶液(2.0M、1.5mL)を添加した。混合物を70℃で3時間加熱し、−20℃まで冷却し、その後、HCl水溶液(2.0M、1.6mL)で酸性とし反応停止させた。混合物を、DCM(3×5mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮し、高真空下で乾燥させた。粗材料を、DCM(4mL)に溶解し、続いて、HClを含む1,4−ジオキサン(4M、3mL)を添加した。混合物を周囲温度で15時間撹拌し、減圧下で濃縮し、高真空下で乾燥させた。粗材料を、DMF(2.0mL)およびDCM(8.0mL)に溶解し、ヒューニッヒ塩基(264mg、2.05mmol、357μL)、それからFDPP(98mg、255μmol)を一度に添加した。反応物を3時間撹拌し、その後、2M NaCO溶液(5mL)で反応停止させた。混合物を5分間撹拌し、その後、DCM(3×10mL)で抽出した。抽出物を合わせ、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(12g)、0−10%メタノールを含むジクロロメタン)により、58を得た(49.3mg、133μmol、65%収率)。
【0272】
一般的方法N
(7S)−11−フルオロ−N,7−ジメチル−4−オキソ−4,5,6,7,13,14−ヘキサヒドロ−1,15−エテノピラゾロ[4,3−f][1,4,8,10]ベンゾキサトリアザシクロトリデシン−13−カルボキサミド(61)の調製
【化66】
【0273】
工程1.61−1のHCl塩(250.42mg、1.13mmol)およびエチル5−クロロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシレート(254.96mg、1.13mmol)をエタノール(5.65mL)中で合わせ、ヒューニッヒ塩基(1.46g、11.30mmol、1.97mL)を添加した。混合物を撹拌し、80℃まで温めた。反応は3時間後、LC−MSによりチェックすると、完了していた。反応物を冷却し、水および酢酸エチルと混ぜた。水層をもう2回、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(DCM/メタノール)により精製し、61−2を得た(176mg)。水層を酸性化し、酢酸エチルで抽出し、精製することにより追加の61−2(130mg)を得、最終収率72%を得た。
【0274】
工程2.61−2(130.00mg、347.30μmol)およびtert−ブチル(R)−(2−ヒドロキシプロピル)カルバメート(182.56mg、1.04mmol)を、トルエン中で合わせ、共沸により減圧下で乾燥させた。得られた乾燥化合物をジクロロメタン(231.53μL)に溶解し、トリフェニルホスフィン(277.83mg、1.06mmol)を溶液中に室温で添加した。約10分後、混合物を氷浴中で冷却し、DIAD(214.19mg、1.06mmol、207.95μL)を添加した。反応物を室温まで次第に撹拌し、19時間撹拌し、水への添加により反応停止させ(4溶媒体積)、DCM(3×3mL)で抽出した。抽出物を合わせ、NaSOで乾燥させ減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(12g)、0−100%酢酸エチルを含むヘキサン)により、61−3を得た(138.5mg、57%収率)。
【0275】
工程3.61−3(138.50mg、201.09μmol)を含むメタノール(0.5mL)、THF(2.00mL)および水(1.80mL)の溶液に、LiOH(2.0M、0.15mL)を添加した。混合物を室温で加水分解が完了するまで撹拌した。反応物をHClでpH約5まで中和し、DCMで抽出した。抽出物を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、高真空で乾燥させ、61−4を得た(100mg)。
【0276】
工程4.61−4(53.5mg、0.10mmol)を含むDCM(4.5mL)およびDMF(0.5mL)の溶液にFDPP(50.3mg、0.13mmol)を添加した。ヒューニッヒ塩基(130.1mg、1.01mmol)およびメチルアミンHCl塩(13.6mg、0.20mmol)。LC−MSが、完了したことを示すまで混合物を撹拌し、その後、NaCO水溶液で反応停止させた。混合物を、DCM(3×50mL)で抽出し、抽出物を合わせ、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCOシステム、シリカ(40g)、0−8.75%メタノールを含むジクロロメタン)により、61−5を得た(24.4mg、44%収率)。
【0277】
一般的方法Hにおける反応工程4に従い、61−5を61に変換した。
【0278】
化合物27−31を、一般的方法Fに従い、工程1において、A−5ならびに、27のために(S)−1−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ブタン−2−イルメタンスルホナート、28のために(S)−1−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン−2−イルメタンスルホナート、29のために(R)−1−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン−2−イルメタンスルホナート、30のために(R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロピルメタンスルホナート、および31のために(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロピルメタンスルホナートを使用して調製した。
【0279】
化合物32を、一般的方法Fに従い、工程1において、A−6および(R)−1−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン−2−イルメタンスルホナートを使用して調製した。
【0280】
化合物34および35を、一般的方法AおよびFに従い、エチル5−クロロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシレート(A−1−8)の代わりにエチル5−クロロ−6−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシレートを得るために、一般的方法Aにおいてエチル3−エトキシ−2−メチルアクリレートを使用して、ならびに、一般的方法Fにおいて、34のためにtert−ブチル(2−クロロエチル)カルバメートを、35のために(R)−1−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン−2−イルメタンスルホナートを使用して調製した。
【0281】
化合物36および37を、一般的方法AおよびFに従い、一般的方法Aにおいて、36のためにA−1−8を、37のためにエチル5−クロロ−6−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシレートを、および5−フルオロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒドの代わりに2−ヒドロキシベンズアルデヒドを使用して、ならびに、一般的方法Fにおいて、36および37の両方のためにtert−ブチル(2−クロロエチル)カルバメートを使用して調製した。
【0282】
化合物39を、一般的方法AおよびFに従い、一般的方法Aにおいて、エチル5−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(A−1−6)の代わりにエチル5−アミノ−3−エチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレートを使用して、および、一般的方法Fにおいて、(R)−1−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン−2−イルメタンスルホナートを使用して調製した。
【0283】
化合物40を、一般的方法Iに従い、33−3の代わりに40−5を使用して調製した。
【0284】
化合物42−54を、一般的方法Lに従い、一般的方法Lにおける、(1S,2S)−2−アミノシクロペンタン−1−オールの代わりに下記開始材料を使用して調製した。
【表4】
【0285】
化合物55−57を、一般的方法Eに従い、化合物6の代わりに化合物7を、55のためにジメチルアミンを、56のためにメチルアミンを、57のためにピロリジンを使用して調製した。
【0286】
化合物59および60を、一般的方法Mに従い、tert−ブチル(S)−(2−ヒドロキシブチル)カルバメートの代わりに、tert−ブチル(S)−(2−ヒドロキシプロピル)カルバメートの代わりに、tert−ブチル(R)−(2−ヒドロキシプロピル)カルバメートを使用して調製した。
【0287】
化合物62を、一般的方法Nに従い、メチルアミンの代わりにジメチルアミンを使用して調製した。
【表5-1】
【表5-2】
【0288】
【表5-3】
【表5-4】
【0289】
【表5-5】
【表5-6】
【0290】
【表5-7】
【表5-8】
【0291】
【表5-9】
【表5-10】
【0292】
【表5-11】
【表5-12】
【0293】
【表5-13】
【表5-14】
【0294】
【表5-15】
【0295】
生物学的検定法
CD74−ROS1およびEML4−ALK Ba/F3安定発現株の作製および細胞増殖アッセイ
CD74−ROS1野生型遺伝子およびEML4−ALK野生型遺伝子(バリアント1)をGenScriptで合成し、pCDH−CMV−MCS−EF1−Puroプラスミド(System Biosciences, Inc)にクローン化した。Ba/F3−CD74−ROS1およびBa/F3−EML4−ALK野生型細胞株を、Ba/F3細胞をCD74−ROS1野生型およびEML4−ALK野生型を含むレンチウイルスに感染させることにより作製した。安定発現株をピューロマイシン処理、続いてIL−3退薬により選択した。3000の細胞を384ウェルホワイトプレートに、化合物処理前に一晩播種した。細胞増殖を、72時間の様々な濃度の化合物インキュベーション後に、CellTiter−GloルシフェラーゼベースATP検出アッセイ(Promega)を用い、製造者のプロトコルに従い測定した。IC50決定を、GraphPad Prismソフトウェアを使用して実施した(GraphPad, Inc.、サンディエゴ、CA)。
【0296】
細胞増殖アッセイ
結腸直腸細胞株KM12(内在性TPM3−TRKA融合遺伝子を抱える)細胞を10%ウシ胎仔血清および100U/mLのペニシリン/ストレプトマイシンが補充されたDMEM培地中で培養した。5000の細胞を、化合物処理前に24時間384ウェルホワイトプレートに播種した。細胞増殖を、72時間のインキュベーション後に、CellTiter−GloルシフェラーゼベースATP検出アッセイ(Promega)を用い、製造者のプロトコルに従い測定した。IC50決定を、GraphPad Prismソフトウェアを使用して実施した(GraphPad, Inc.、サンディエゴ、CA)。あるいは、本態性血小板血症細胞株SET−2細胞(内在性JAK2V618F点変異を抱える)またはT細胞リンパ腫Karpas−299細胞株(内在性NPM−ALK融合遺伝子を抱える)を、10%ウシ胎仔血清および100U/mLのペニシリン/ストレプトマイシンが補充されたRPMI培地中で培養した。5000の細胞を、化合物処理前に24時間384ウェルホワイトプレートに播種した。細胞増殖を、72時間のインキュベーション後に、CellTiter−GloルシフェラーゼベースATP検出アッセイ(Promega)を用い、製造者のプロトコルに従い測定した。IC50決定を、GraphPad Prismソフトウェアを使用して実施した(GraphPad, Inc.、サンディエゴ、CA)。
【表6-1】
【表6-2】