特許第6871904号(P6871904)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6871904物体の接合方法およびそれに使用される輪郭体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871904
(24)【登録日】2021年4月20日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】物体の接合方法およびそれに使用される輪郭体
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/34 20060101AFI20210510BHJP
【FI】
   B29C65/34
【請求項の数】26
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-500439(P2018-500439)
(86)(22)【出願日】2016年7月5日
(65)【公表番号】特表2018-520916(P2018-520916A)
(43)【公表日】2018年8月2日
(86)【国際出願番号】EP2016065780
(87)【国際公開番号】WO2017005721
(87)【国際公開日】20170112
【審査請求日】2019年6月10日
(31)【優先権主張番号】00982/15
(32)【優先日】2015年7月6日
(33)【優先権主張国】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】501485227
【氏名又は名称】ウッドウェルディング・アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,イェルク
(72)【発明者】
【氏名】レーマン,マリオ
(72)【発明者】
【氏名】クビスト,ヨアキム
(72)【発明者】
【氏名】ポシュナー,パトリシア
(72)【発明者】
【氏名】エシュリマン,マーセル
【審査官】 松田 成正
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06514593(US,B1)
【文献】 特表2010−522849(JP,A)
【文献】 特表2008−504990(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 63/00−63/48
B29C 65/00−65/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の物体を第2の物体に接合する方法であって、前記第1の物体および前記第2の物体は各々表面部分を有し、前記方法は、
・前記第1の物体および前記第2の物体を与え、さらに、輪郭体を与えるステップを含み、前記輪郭体は、横断方向の大きさが長手方向の大きさよりも小さい長手の形状を有するとともに、前記長手方向に沿って連続的に延在し、第1のアンダーカットおよび第2のアンダーカットを画定する形状を有し、
前記方法はさらに、
・前記輪郭体を、その前記長手方向が前記第2の物体の前記表面部分と平行になるように配置し、前記第2のアンダーカットが前記第2の物体の材料の中に入るように、前記輪郭体を前記第2の物体の前記表面部分に沿って前記第2の物体に埋込むステップと、
・前記第1のアンダーカットが前記第1の物体の熱可塑性材料の中に入るように、前記輪郭体を前記第1の物体の前記表面部分に沿って前記第1の物体に埋込むステップとを含み、
・少なくとも前記輪郭体を前記第1の物体に埋込むステップは、前記第1の物体および前記第2の物体が互いに押付けられている間に前記第1の物体および/または前記第2の物体に加わる機械的エネルギによって引起される、方法。
【請求項2】
前記輪郭体を前記第1の物体に埋込むステップは、前記第1の物体の前記表面部分と前記第2の物体の前記表面部分とが互いに接触するまで実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の物体は前記第2の物体の前記表面部分に沿って熱可塑性材料を有し、
前記輪郭体を前記第2の物体の前記表面部分に沿って前記第2の物体に埋込むステップは、前記輪郭体を前記第2の物体の熱可塑性材料に埋込むステップを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記輪郭体を前記第2の物体に埋込むステップは、前記輪郭体を前記第1の物体に埋込むステップと同時に実行され、前記機械的エネルギによって引起される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記輪郭体を、前記第1の物体および前記第2の物体に埋込むために、前記第1の物体の前記表面部分と前記第2の物体の前記表面部分との間において、前記第1の物体と前記第2の物体に対して配置し、
前記輪郭体を前記第1の物体に埋込むステップおよび前記輪郭体を前記第2の物体に埋込むステップは、押付力および機械振動エネルギを、前記第1の物体および前記第2の物体のうちの少なくとも一方に結合するステップを含み、
前記押付力により、前記輪郭体は、前記第1の物体と前記第2の物体との間で固定される、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
機械的エネルギを前記第1の物体および/または前記第2の物体に加え前記第1の物体および前記第2の物体が互いに押付けられるようにすることは、振動ソノトロードを用いて前記第1の物体および前記第2の物体を互いに押付けることを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記輪郭体は、安定化部分と、前記安定化部分から第1の方向に突出する第1のアンダーカットを形成する少なくとも1つの第1の固定部分と、前記安定化部分から第2の方向に突出する第2のアンダーカットを形成する少なくとも1つの第2の固定部分とを含み、 前記輪郭体を前記第1の物体および/または前記第2の物体に埋込むステップは、前記安定化部分が前記第1の物体の前記表面部分と前記第2の物体の前記表面部分との間において延在するようにするステップを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記安定化部分は実質的に平坦であり、
押付けてエネルギを加えるステップは、前記第1の物体の前記表面部分および前記第2の物体の前記表面部分が前記安定化部分に接するまで実行される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記輪郭体は、少なくとも2つの第1の固定部分および/または少なくとも2つの第2の固定部分を含む、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記輪郭体を前記第1の物体および/または前記第2の物体に埋込むステップにおいて、前記第1の物体または前記第2の物体の、隣接する2つの固定部分の間にある材料部分は、固体のままである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の物体は、前記第2の物体の前記表面部分に沿って熱可塑性材料を有し、
前記第1の固定部分を前記第1の物体に埋込むステップと前記第2の固定部分を前記第2の物体に埋込むステップとは、連続して1つずつ実行される、請求項7〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の物体の前記表面部分における熱可塑性部分と前記第2の物体の前記表面部分における熱可塑性部分との間において溶接を生じさせるステップを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記溶接は前記機械的エネルギによって生じる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記輪郭体は、輪郭形成されたワイヤまたは輪郭形成されたロッドである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記輪郭体は、その長さに沿って不変である断面を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記輪郭体は、閉じられた経路に沿って延在する、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記輪郭体は金属である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記輪郭体は曲げることができる、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法で使用される輪郭体であって、
前記輪郭体は、横断方向の大きさが長手方向の大きさよりも小さい長手の形状を有するとともに長手方向に連続的に延在し、前記長手方向に平行な面に沿って延在する実質的に平坦な安定化部分と、前記面から前記面の一方側の方向に突出する少なくとも1つの第1の固定部分と、前記面から前記面の他方側の方向に突出する少なくとも1つの第2の固定部分とを備え、
前記少なくとも1つの第1の固定部分は、前記面に対して垂直な方向について第1のアンダーカットを形成し、前記少なくとも1つの第2の固定部分は、前記面に対して垂直な方向について第2のアンダーカットを形成する、輪郭体。
【請求項20】
前記長手方向に対して垂直な断面は、前記長手方向に沿って不変である、請求項19に記載の輪郭体。
【請求項21】
前記面に対して平行であり前記長手方向に対して垂直である前記輪郭体の横断方向の大きさは、2mm以下である、請求項19または20に記載の輪郭体。
【請求項22】
少なくとも2つの第1の固定部分および/または少なくとも2つの第2の固定部分を備える、請求項1921のいずれか一項に記載の輪郭体。
【請求項23】
前記第1の固定部分または前記第2の固定部分はそれぞれ異なる取付位置から突出しており、前記取付位置において前記第1の固定部分および前記第2の固定部分は前記安定化部分に接続されている、請求項22に記載の輪郭体。
【請求項24】
前記第1または第2の固定部分のうちの少なくとも一方はそれぞれ、前記面に対して垂直な方向と異なる方向に突出している、請求項22または23に記載の輪郭体。
【請求項25】
前記固定部分のうちの少なくとも1つは、とげ状特徴を有する、請求項1924のいずれか一項に記載の輪郭体。
【請求項26】
前記安定化部分は、前記固定部分が突出する位置を超えて横方向に延在する、請求項1925のいずれか一項に記載の輪郭体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械工学および建築、特に機械建築たとえば自動車工学の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
自動車、航空機およびその他の産業では、新たな製造技術および新たな材料が現われるので、また、効率の向上が常に求められるので、物体の接合方法は、依然として課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、物体を接合する手法、具体的には第1の物体を第2の物体に接合する手法を提供することである。他の目的は、熱可塑性の物体間の接続を強化すること、または、複数もしくは1つの熱可塑性物体を機械的に強化することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の局面に従い、第1の物体を第2の物体に接合する方法が提供される。第1の物体および第2の物体はそれぞれ当接表面部分を有していてもよく、これらの表面部分は、局所的に平坦に互いに接触する。第2の物体はたとえば複雑な表面形状を有する。このような状況の場合、先行技術に従うと、固定のために接着性接合が使用される。しかしながら、接着性接合には特定の制限がある。
【0005】
第1の局面は代替解決策を提供する。第1の局面に従うと、液化不能な材料からなる輪郭体が、第1の物体と第2の物体との間の接続要素として使用される。輪郭体は特に、金属であってもよくおよび/または曲げることが可能であってもよい。しかしながら、従来のワイヤと異なり、輪郭体は、第1および第2のアンダーカットを画定する形状を有する。方法は、第2のアンダーカットが第2の物体の材料の中に入るように輪郭体を第2の物体に埋込むステップと、第1のアンダーカットが第1の物体の中に入るように輪郭体を第1の物体の材料に埋込むステップとを含み、少なくとも輪郭体を第1の物体に埋込むステップは、第1の物体および第2の物体が互いに押付けられている間に第1の物体および/または第2の物体に加わる機械的エネルギによって生じる。
【0006】
たとえば、輪郭体は、たとえば、液化不能であるかもしくは第1および第2の物体の材料双方よりも実質的に高い温度でのみ液化可能である金属もしくはポリマーからなる、輪郭形成されたワイヤまたはロッドであってもよく(その違いは、ワイヤは曲げることが可能であり、それに対してロッドは本質的に硬くそのため通常はより大きい断面を有することにある)、または、開口部のパターンを有する折畳まれた金属シートであってもよく、または、部分的に切出されて曲げられている複数の部分(舌状部)を有する金属シート等であってもよい。
【0007】
輪郭体が輪郭形成されたワイヤまたはロッドの場合、そのアスペクト比(すなわち、長手方向軸に対する径方向の大きさに対する、長手方向の大きさの比率)は、少なくとも5、少なくとも20、または、ワイヤであれば少なくとも100であってもよい。
【0008】
輪郭形成されたワイヤである輪郭体の利点は、面内のいかなる形状にも追従できるだけでなく、第3の次元の形状にも追従できる点にある。よって、本発明に従う手法は、ほぼどのような形状であってもよい自由形状の表面を有する物体を接続するのに好適であろう。
【0009】
また、一般的に、輪郭体は実質的に1次元であってもよい。すなわち、輪郭体は、長手方向に沿って延在し、その横断方向の寸法は双方ともに長手方向の寸法よりもはるかに小さい。これに代えて、輪郭体は、2つの面内次元に沿って延在する2次元の物体であってもよい。
【0010】
輪郭体は、互いに固定された複数のサブボディーで構成されていてもよい。このようなサブボディーは、それ自身で第1および第2のアンダーカットを画定してもよく、および/または第1および第2のアンダーカットは、これらのサブボディーの総合体とこれらのサブボディーの相互の相対的な配置によって画定されてもよい。
【0011】
輪郭体は、たとえばある程度丸い断面を有する従来のワイヤの形状と異なり、第1および第2のアンダーカットを画定する輪郭を有する。実施形態において、輪郭体は、押出成形体の対称性(並進対称性)を有していてもよい、すなわち、長手方向に沿って不変である輪郭を有していてもよい。このような輪郭体は、たとえば押出成形によって製造することができるが、その他の方法で製造してもよい。その他の実施形態において、アンダーカットを画定する輪郭体の輪郭は、適切に折畳まれ、変形された金属シートの部分によって構成されてもよく、または、鋳造体(ダイカスト等)等によって構成されてもよい。
【0012】
第2の材料/第1の材料が浸透する第1および第2のアンダーカットは、再固化後に、得られた構成を、(輪郭体が埋込まれている場所の周りの表面部分に対する面外方向において(この面外軸を本明細書では「中心部から周辺部への」軸とも呼び、対応する方向は「z方向」または「軸方向」と呼ぶこともある))第1/第2の物体が引離されないように、固定する。そのために、アンダーカットは、面外方向に対するアンダーカットであってもよい。輪郭体が延在する方向である長手方向に対する面外方向は、横断方向である。したがって、長手方向に延在する輪郭体は、少なくとも1つの横断方向においてアンダーカットされることになる。
【0013】
輪郭体を埋込むために、少なくとも第1の物体は、第1および第2の物体が互いに押付けられている間に機械的エネルギを吸収することによって流動可能にされることができる熱可塑性材料を含む。機械振動エネルギは、第1および/または第2の物体を通して、輪郭体との界面に結合され、さらに、輪郭体を通して、第2および/または第1の物体との界面に結合されてもよい。対応する界面において、外部摩擦と、場合によっては内部摩擦により、熱可塑性材料が加熱されて流動可能になる。そうなると、輪郭体は、圧力が加えられているので、材料の中に押込まれて埋込まれる。この場合、輪郭を有する輪郭体の構造は、エネルギ案内部として機能し得る。すなわち、エネルギの吸収および熱の発生は、自動的にそれぞれの界面に集中することになる。
【0014】
押付けるステップは、第1および第2の物体それぞれの当接表面部分が、輪郭体が第1の物体および第2の物体の材料に埋込まれている状態で、互いに接触するまで、実行されてもよい。
【0015】
あるグループの実施形態においては、第2の物体も熱可塑性材料を含む。そうすると、実施形態では、第1および第2の物体は先ず、輪郭体が最初は別個の物体として第1の物体と第2の物体との間にある状態で、互いに対して位置決めされる。第2の物体に埋込むステップは、第1の物体に埋込むステップと同じステップで、すなわち機械振動と押付け力を与えることにより、行なってもよい。
【0016】
したがって、このグループの実施形態の、第1の物体を第2の物体に接合する方法において、第1および第2の物体は各々、固体状態の熱可塑性材料を含み、表面部分を有する。この方法は、
・第1の物体および第2の物体を与え、さらに、輪郭体を与えるステップを含み、輪郭体は、長手方向に沿って延在し、第1のアンダーカットおよび第2のアンダーカットを画定する形状を有し、
・第1の物体の表面部分と第2の物体の表面部分との間において、第1および第2の物体に対して輪郭体を配置するステップと、
・第1および第2の物体の熱可塑性材料の流動部分が流動可能になることで、第2のアンダーカットが第2の物体の熱可塑性材料の中に入るように輪郭体が第2の物体の表面部分に沿って第2の物体に埋込まれ、かつ第1のアンダーカットが第1の物体の熱可塑性材料の中に入るように輪郭体が第1の物体の表面部分に沿って第1の物体に埋込まれるまで、押付力および機械振動エネルギを、第1の物体および第2の物体のうちの少なくとも一方に結合するステップとを含み、押付力により、輪郭体は、第1の物体と第2の物体との間で固定され、
・熱可塑性材料を再固化させるステップを含む。
【0017】
たとえば(これはすべての実施形態における1つの選択肢である)、押付力および機械振動を第1/第2の物体に結合するステップは、ソノトロードによって実行してもよい。ソノトロードは、一方の物体が支持体によって直接または間接的に保持されている間に他方の物体に対して押付けられる(上述の支持体は、ソノトロードが作用する横方向位置において第2の物体に対して直接保持される支持体であってもよく、または、第2の物体を保持するより複雑な物体のフレーム構造によって構成されてもよい。このような複雑なフレーム構造は、たとえば、車体等の組立て対象のアイテムの本体であってもよい)。任意で、たとえばソノトロードが各物体に圧痕を生じさせないようにするために、保護パッドをソノトロードと各物体との間に配置してもよい。
【0018】
この実施形態のグループの下位グループにおいて、上記方法は、第1および第2のアンダーカットが第1および第2の物体双方の熱可塑性材料に実質的に同時に埋込まれるように、実行される。すなわち、エネルギの効果により、両物体の熱可塑性材料部分が同一段階で流動可能になり始める。そのために、第1および第2の物体の材料組成および/または輪郭体の、それぞれのアンダーカットを含む固定部分の形状を、わずかに異なるようにすることにより、このような手段がなければ、エネルギ吸収が、輪郭体と、機械振動エネルギが結合される、第1および第2の物体のうちの一方との間の界面において、より高くなる可能性を、取除いてもよい。
【0019】
他の下位グループの実施形態において、上記方法は、それぞれアンダーカットを含む固定部分が、連続して1つずつ埋込まれるように、実行される。
【0020】
あるグループの実施形態において、輪郭体は、安定化部分を有するように設けられ、安定化部分は、実質的に平坦な部分であり、プロセス中、第1および第2の表面部分の間においてたとえばそれに平行に延在している。安定化部分から、アンダーカットを含む第1および第2の固定部分が、それぞれ第1および第2の物体の方向に突出している。
【0021】
よって、このグループの実施形態では、輪郭体は、実質的に平坦な安定化部分と、安定化部分から近位方向に突出する第1のアンダーカットを形成する少なくとも1つの第1の固定部分と、安定化部分から遠位方向に突出する第2のアンダーカットを形成する少なくとも1つの第2の固定部分とを含む。
【0022】
たとえば、輪郭体は、少なくとも2つの第1の固定部分を含んでいてもよく、および/または少なくとも2つの第2の固定部分を含んでいてもよい。一方側に突出する固定部分のうちの隣合う2つの固定部分間の距離は、各固定部分を埋込むステップにおいて、第1/第2の物体それぞれの熱可塑性材料部分がこれらの固定部分間で固体状態を保つように、選択してもよい。これに加えてまたはこれの代わりに、安定化部分は、1つまたは複数の固定部分の突出位置を超えて横方向に延在し、たとえば安定化部分の上記横方向に延在する部分に接触する、第1/第2の物体それぞれの熱可塑性材料部分が、固体状態を保つようにしてもよい。
【0023】
安定化部分を有する輪郭体が特に適している手法では、固定部分は必ずしも同時に埋込まれないが連続的に埋込まれる、または、埋込みプロセスの過程が正確にはわからないかまたは変動し、他のパラメータに依存する。なぜなら、安定化部分は、輪郭体が各物体の材料に入るときの相対的な動きを止める役割を果たすことで、界面があるべき場所を画定するからである。したがって、安定化部分により、輪郭体は常に、物体のうちの一方への埋込みの際の抵抗が物体のうちの他方への埋込みの際の抵抗よりも遥かに小さいときでも、両物体に十分に埋込まれる。
【0024】
特に、輪郭体を第1および第2の物体の熱可塑性材料に埋込むステップにおいて、押付力は、安定化部分が第1および第2の物体の表面部分間で固定されるまで、作用するようにされてもよい。
【0025】
輪郭体が1次元において延在する実施形態において、輪郭体は、物体のうちの少なくとも一方の少なくとも流動部分が妨害されることなく閉じられた通路の周りを通るという意味において、閉じられた通路を形成するように、第1および第2の物体に対して配置されてもよく、そうすると、閉じられたシールが形成されるので、水分またはその他の物質が第1の物体と第2の物体との間の領域に侵入することを防止できる。
【0026】
一般的に、実施形態において、形状(軸方向における輪郭体の範囲)は、材料によっては極めて小さい可能性がある。接合経路は、たとえば各側において0.5mm〜3mmであってもよく、たとえば各側で約1mmであってもよい。この場合、接合経路は、押付力を加えている間第1または第2の物体に機械振動を結合するソノトロードの鉛直方向(実質的に表面部分に対して垂直)の移動に対応する。
【0027】
実施形態の他の下位グループにおいて、第1および第2の物体はいずれも熱可塑性材料を含み、方法は、輪郭体を、第1の物体を第2の物体に対して位置決めする前に、第2の物体の材料に埋込むステップを含む。そのために、たとえば機械的エネルギ、特に振動エネルギを、輪郭体を第2の物体に埋込むために、輪郭体に直接加えてもよい。これは、このステップの後で、第1のアンダーカットを有する輪郭体の部分が、第2の物体から突出するように、すなわち第2の物体に埋込まれないように、実行される。その後、第2の物体の熱可塑性材料が再度固化した後に、第1の物体を輪郭体に接触させ、第2の物体に向けて押すが、その間機械振動エネルギはたとえば第1の物体に加えられている。
【0028】
第1および第2の物体双方が熱可塑性材料を含む実施形態において、方法は、第1の物体と第2の物体との間において溶接を生じさせるステップを含み得る。特に、第1/第2の物体に加えられる機械的エネルギは、熱可塑性材料部分が、たとえば、輪郭体の隣の、第1および第2の物体間の界面でも流動可能になるのに十分である、または、輪郭体が2次元に延在する場合は、その貫通開口部で流動可能になるのに十分である。溶接のために、第1および/または第2の物体は、両物体が互いに対して押付けられて輪郭体を埋込むときに物体のうちの他方に接触するエネルギ案内構造を含み得る。
【0029】
本発明はまた、本発明を実施するための輪郭体に関する。特に、この輪郭体は、上述の種類の安定化部分を含み得る。その原理および実施形態について以下でより詳細に説明する。このような安定化部分は、平坦であり、たとえば輪郭体のストリップ状部分である。この部分から2つの側各々に、少なくとも1つの固定部分が突出する。固定部分はそれ自身でまたは一緒に第1/第2のアンダーカットを形成する。
【0030】
本発明に従う手法の用途は、たとえば、自動車もしくは航空機産業、または軽量材料に注目するその他の産業にある。第1の物体を第2の物体に接合する実施形態において、第2の物体はたとえば自動車本体の一部であってもよく、第1の物体は自動車本体に接合する特定の自動車部品であってもよい。
【0031】
流動部分の液化は、主に、振動する物体と他方の物体の表面との間の摩擦によって生じてもよく、この摩擦により、熱可塑性材料を有する物体の表面が加熱される。
【0032】
本明細書において、「たとえば機械振動によって流動可能にされることが可能な熱可塑性材料」または短縮して「液化可能な熱可塑性材料」もしくは「液化可能な材料」もしくは「熱可塑性物質」という表現は、少なくとも1つの熱可塑性成分を含む材料を説明するために使用される。この材料は、加熱されたときに、特に摩擦によって加熱されたときに、すなわち互いに接触している一対の表面(接触面)のうちの少なくとも一方に配置され相互に相対的に振動で移動するときに、液体になる(流動可能になる)。この振動の周波数の特性は、先に述べた通りである。状況によっては、たとえば第1の物体自身が相当な負荷を支える必要がある場合、材料の弾性係数が0.5GPaよりも大きいことが好都合であろう。他の実施形態において、この弾性係数はこの値よりも低くてもよい。なぜなら、第1の物体の熱可塑性材料の振動伝達特性は、このプロセスにおいて何も役割を果たさないからである。特に、輪郭体は中心部から周辺部に向かう方向における範囲が比較的小さくてもよく、したがってこの方法は比較的薄い第1または第2の物体を第2または第1の物体に固定するのにも適している(どちらの物体も薄い可能性を含む)ので、本発明の手法は、弾性率が低いおよび/または弾性特性を有する熱可塑性材料等の、不十分な振動伝達体である熱可塑性材料に対しても、良好に機能し得る。これは特に、輪郭体の形状により、確実に各物体との接触部分を実質的に線状にし得るからである。これには高いエネルギ集中効果があり、熱可塑性材料の減衰特性が強い場合でも局所的に液化を生じさせることが可能である。
【0033】
熱可塑性材料は自動車および航空機産業では周知である。本発明に従う方法のために、特にこれらの産業における用途において周知の熱可塑性材料を使用してもよい。
【0034】
本発明に従う方法に適した熱可塑性材料は、室温で(または、この方法を実施する温度で)固体である。これは、好ましくは(特にC、P、SまたはSi鎖ベースの)ポリマー相を含み、この相は、たとえば溶融により、臨界温度範囲を上回ると固体から液体に変態するかまたは流動可能になり、たとえば結晶化によって再び冷却されて臨界温度範囲を下回ると固体材料に再度変態し、固体相の粘性は、液体相の粘性よりも数桁(少なくとも3桁)高い。熱可塑性材料は一般的に、共有的に架橋していないポリマー成分、または、融点範囲までまたは融点範囲を超えるまで加熱したときに架橋結合が可逆的に開くように架橋されているポリマー成分を含む。ポリマー材料はさらに、充填材、たとえば、熱可塑性特性がない材料、または、ベースポリマーの融点範囲よりも相当に高い融点範囲を含む熱可塑性特性を有する材料の、繊維または粒子を含み得る。
【0035】
本明細書において、一般的に「液化不能な」材料は、プロセス中に到達する温度で、したがって、特に第1の物体の熱可塑性材料が液化する温度で液化しない材料である。これは、液化不能な材料が、一般的にはプロセス中に液化する1つまたは複数の熱可塑性材料の液化温度よりも遥かに高い(たとえば少なくとも80℃高い)、プロセス中に到達しない温度では、液化可能であるという可能性を、排除しない。液化温度は、結晶性ポリマーの融点である。非晶質の熱可塑性物質の場合、液化温度(本明細書では「融点」とも呼ぶ)は、「流れ温度」(押出成形が可能な最低温度として定義されることがある)と呼ばれることもある、十分に流動可能になるガラス転移温度を上回る温度であり、たとえば熱可塑性材料の粘度が10Pa*sよりも低い粘度(実施形態では、特に実質的に繊維で強化されていないポリマーの場合、10Pa*sよりも低い粘度)に低下する温度である。
【0036】
たとえば、液化不能な材料は、アルミニウムもしくは鋼鉄等の金属、または硬質プラスチック、たとえば強化もしくは非強化熱硬化性ポリマー、または強化もしくは非強化熱可塑性材料であり、融点(および/またはガラス転移温度)が、液化可能な部分の融点/ガラス転移温度よりも、非常に高く、たとえば、融点および/またはガラス転移温度が、少なくとも50℃または80℃高い。
【0037】
熱可塑性材料の具体的な実施形態は、ポリエーテルケトン(PEEK)、ポリエステル、たとえばポリブチレンテレフタレート(PBT)またはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルイミド、ポリアミド、たとえばポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド6、もしくはポリアミド66、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリオキシメチレン、またはポリカーボネートウレタン、ポリカーボネートまたはポリエステルカーボネート、またはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アクリルエステル‐スチロール‐アクリルニトリル(ASA)、スチレン‐アクリロニトリル、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリスチレン、またはこれらの共重合体または混合物である。
【0038】
第1および第2の物体がいずれも熱可塑性材料を含み溶接されないことが望ましい実施形態において、材料のペアは、第2の物体の材料の融点が第1の物体の材料の融点よりも実質的に高い、たとえば、少なくとも50℃高くなるように、選択される。適切な材料のペアは、たとえば第1の物体としてのポリカーボネートまたはPBT、第2の物体としてのPEEKである。
【0039】
熱可塑性ポリマーに加えて、熱可塑性材料はまた、適切な充填材、たとえば強化繊維、たとえばガラスおよび/または炭素繊維を含み得る。これらの繊維は短繊維であってもよい。長繊維または連続繊維は、特に、プロセス中に液化しない第1および/または第2の物体の部分に使用してもよい。
【0040】
繊維材料(もしあれば)は、強化繊維として知られているどのような材料であってもよいが、特に、炭素、ガラス、ケブラー(登録商標)、セラミック、たとえばムライト、炭化ケイ素または窒化ケイ素、高強度ポリエチレン(ダイニーマ(登録商標))等であってもよい。
【0041】
その他の、繊維形状ではない充填材も可能であり、たとえば紛体粒子である。
本発明に従う方法に適した機械振動または発振は、好ましくは、2〜200kHzの周波数を有し(さらに好ましくは10〜100kHzまたは20〜40kHzの周波数を有する超音波振動)、作用面1平方ミリメートル当たり0.2〜20Wの振動エネルギを有する。振動ツール(ソノトロード)は、たとえばその接触面がツール軸の方向において優先的に発振し(長手方向振動)、その振幅が1〜100μm、好ましくはおよそ30〜60μmとなるように、設計される。たとえば、このような好ましい振動は、例として超音波溶接で知られている超音波装置によって生成される。
【0042】
本明細書において、「近位」および「遠位」という用語は、方向および場所を示すために使用される。すなわち、「近位」は、接合部の、オペレータまたは機械が機械振動を加える側であり、遠位はその反対側である。本明細書において、コネクタが近位側において広がっている部分は「ヘッド部」と呼び、遠位側において広がっている部分は「フット部」と呼ぶ。
【0043】
以下、本発明の局面の実施形態を図面を参照しながら説明する。図面はすべて模式的な図であり、縮尺は正確ではない。図面において、同一の参照番号は、同一のまたは類似する要素を示す。図面を用いて本発明および本発明の実施形態を説明するが、それは本発明の範囲を制限することを意図していない。「近位」、「遠位」等の向きを示す用語は、すべての局面および図面において、同じように使用される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】縁の形状が複雑である第1の物体および第2の物体を示す図である。
図2】輪郭体を設けて第2の物体に埋込む構成を示す図である。
図3】最初は輪郭体がどちらの物体からも分離している構成を示す図である。
図4】プロセス後の、図2または図3に示される種類の構成を示す図である。
図5】輪郭体の代替的な断面を示す図である。
図6】輪郭体の代替的な断面を示す図である。
図7】輪郭体の代替的な断面を示す図である。
図8】輪郭体の代替的な断面を示す図である。
図9図3の構成と同様であるが溶接のための手段が加えられている構成を示す図である。
図10】安定化部分を含む輪郭体を備えた構成を示す図である。
図11】代替的な輪郭体を示す図である。
図12】代替的な輪郭体を示す図である。
図13】代替的な輪郭体を示す図である。
図14】代替的な輪郭体を示す図である。
図15】代替的な輪郭体を示す図である。
図16】代替的な輪郭体を示す図である。
図17】代替的な輪郭体を示す図である。
図18】代替的な輪郭体を示す図である。
図19】代替的な輪郭体を示す図である。
図20】プロセス図である。
図21】輪郭体を第2の物体に埋込むための構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1は、第2の物体2および第1の物体1が複雑な縁形状を有し得ることを非常に概略的に示している。本発明は特定の形状に限定されない。より具体的には、示されている第1の物体1は第1の物体表面部分11を有し、この表面部分11は第2の物体の第2の物体表面部分21に接している。示されている実施形態の第1および第2の物体は、互いに適合するようにされた形状を有する。その他の実施形態において、第1および第2の物体の表面部分それぞれの形状は、全体が相互に一致している訳ではなく、よって、これらの物体が互いに物理的に接触するのは局所のみの可能性がある。
【0046】
図2は、輪郭体31が輪郭形成された金属ワイヤである、第1の可能性を示す。示されている実施形態において、輪郭体は十字形の断面形状を有する。最初、輪郭体31は、第2のアンダーカット部(示されている構成において輪郭体の下半分で形成されている)が第2の物体2の中に沈められて、第2の物体2に埋込まれている。この場合、第2の物体は何らかの適切な材料からなるものであればよく、この材料は、強化されたまたは強化されていない熱可塑性もしくは熱硬化性ポリマー、または金属を含む。輪郭体が埋込まれる第2の物体の材料は、液化可能であってもよいが、液化可能である必要はない。
【0047】
第1の物体1は、機械振動エネルギが第1の物体および/または第2の物体に結合されている間、第2の物体に対して押付けられる。これは、輪郭体31の周囲の領域において、第1の物体1の十分な熱可塑性材料が、第2の物体の中に沈められない輪郭体の部分に対して流動可能にされ、第1の物体と第2の物体とが互いに接触する状態になるまで、続けられる。
【0048】
図3は、第1の物体1および第2の物体2双方が熱可塑性材料を含み最初は輪郭体31が分離している、第2の可能性を示す。図3は、機械振動が第1の物体1(ソノトロード6)側から作用することを示している。しかしながら、振動は、第2の物体側から結合するまたは両側から結合することも可能である。
【0049】
機械振動を与えると、第1の物体および第2の物体の材料は、輪郭体(金属ワイヤ)の長さの周囲で流動することにより、輪郭体の全長に沿って連続するポジティブフィット接続が形成される。よって、結果として得られる接続部は、輪郭体がどのように配置されるかによって決まる線形の輪郭を有するであろう。この接続部は、耐水性であってもよく、接着接続に代わるものであってもよい。
【0050】
図4は、結果として生じた状態を示し、流動部12は再度固化している。流動部12は両側に、すなわち第1の物体と第2の物体とに示されている。これは最初の構成が図3の構成である場合と同様である。最初の構成が図2に示される構成の場合、第2の物体の内部に流動部は必ずしも必要でない(が、第2の物体の材料によっては第2の物体の内部に流動部が必要な場合もある)。
【0051】
特に第1の物体の材料と第2の物体の材料が異なる場合、輪郭体の断面を、これらの材料の異なる特性に合わせて調整してもよい。たとえば、材料の特定の溶融特性に合わせて、輪郭体の断面とその縁の輪郭を、機械振動の助けを借りて挿入するのに最適になるようにしてもよい。
【0052】
図5図8は代替の輪郭を示す。たとえば、図5に示される輪郭は、第1の物体1の材料が、第2の物体の材料と比較して、同等に硬い場合および/またはある程度温度が上昇して初めて流動性を持つ場合に、特に適しているであろう。そのために、図5において、離隔している2つの端部分が軸方向に対して角度をなすようにすることにより、輪郭体の、第1の物体に面する一部分(図5において上端)は切削特性がより大きく、第2の物体に面する部分は切削特性が小さくなるようにする。
【0053】
図6図8の変形は、アンダーカットに寄与するとげ状構造を含む。
図9は、図3と同様に成形された輪郭体による接続に加えて、第1の物体と第2の物体との間で溶接を生じさせる実施形態を示す。そのために、第1の物体の表面部分11には、図面の面に対して垂直に延びるエネルギ案内稜線等のエネルギ案内部15が複数設けられている。流動部分が流動性を持つようになり第1および第2の物体の表面部分が物理的に接触した後に、機械振動エネルギおよび押付力により、熱可塑性材料が、第1の物体と第2の物体との間の界面でも流動性を持つようにして、溶接を生じさせる。
【0054】
溶接を生じさせるという選択肢は、互いに溶着可能な第1の物体の材料と第2の物体の材料とを含む限り、本発明のすべての実施形態に適用できる。
【0055】
互いに溶着された2つの物体の材料に埋込まれる輪郭体31は、以下でより詳細に説明する第2の局面に従う強化物体としても機能する。
【0056】
図10は、輪郭体31がさらに以下の特徴を有する実施形態を示す。
−輪郭体31は安定化部分35を有し、安定化部分35は第1および第2の物体の表面部分に対してほぼ平行(図10の実施形態において軸(z)方向に対して垂直)に延在している。複数の固定部分36、37が安定化部分35から延在している。
【0057】
−第1の物体1に向かって延在し第1の物体に埋込まれることになる第1の固定部分36の数および/または形状は、第2の物体2の方向に延在し第2の物体2に埋込まれることになる第2の固定部分37の数および/または形状とは異なる。
【0058】
−第1の固定部分36と第2の固定部分37とは、互いにオフセットされている、すなわち、異なる面内(x−y−)位置に配置されている。
【0059】
−第2の固定部分37のうちの隣合う2つの第2の固定部分間の距離dは、流動部分の幅よりも大きい。これについては以下でより詳細に説明する。
【0060】
これらの特徴は、互いに独立しており、単独で実現されてもよく、または、任意の組合わせでもしくは下位の組合わせで実現されてもよい。
【0061】
特に、本発明の実施形態は、機械振動エネルギおよび相対的押付力を、第1の物体または第2の物体のみに結合する(または特別な実施形態において第1の物体と第2の物体とに結合する)が、輪郭体には直接結合しない。このため、第1/第2の物体に対する輪郭体の相対的な動きもその相対的な位置も、少なくとも最初に輪郭体が第1の物体および第2の物体双方から離れている(図3と同様)場合すなわちこれらのうちのいずれにも固定的に接続されていない場合は、直接制御できない。
【0062】
それでもなお、実施形態ではこの動きを間接的に制御することが可能である。
たとえば、実施形態のグループにおいて、輪郭体を、まず第2の物体または第1の物体に埋込み、輪郭体がこの第2/第1の物体の中の所望のレベルまで貫入したときに初めて、第1および第2の物体のうち他方の物体の材料の、輪郭体がその中に貫入するのに十分な量が、流動性を有するようにしてもよい。
【0063】
図10に示される種類の安定化部分35を用いることにより、輪郭体の貫入深さと、第1/第2の物体に対する相対的な位置および向きとを、定めてもよい。そのために、安定化部分は、表面部分によって画定される面に平行な、相当な領域にわたって延在し、この延在領域に材料が流れることを実質的に阻止、たとえば防止さえする。特に、安定化部分はシート状であってもよい。
【0064】
安定化部分の安定化効果を促進し得る他の任意の特徴を、図11を参照しながら説明する。すなわち、上記面に沿う安定化部分の範囲dは、固定部分によって生じた流動部分が、プロセスのどの段階においても、安定化部分の全範囲にわたって広がらないようにするのに十分大きい。図11は、安定化部分の範囲dに対する、第1の固定部分36によって生じる流動部分の平均直径dを示す。
【0065】
固定部分37と固定部分37との間の、第1の物体(および/または第2の物体)の材料の一部は、プロセス中固体のままなので、第1および第2の物体に対する相対的な安定化部分の軸方向(z)位置およびその向きは、それぞれの表面部分によって正確に定められる。これは、固定部分36、37の貫入深さも定める。
【0066】
また、まず第1の物体の固定部分を埋込んでから初めて第2の物体の固定部分を埋込む、またはその逆の、非対称な実施形態において、固定部分安定化部分35は、最初は停止部の役割を果たし、その後この組立て体におけるエネルギの伝達を支援し得る。
【0067】
また、上記面に沿う安定化部分の範囲dが、第1の物体が固定部分の間で固体の状態を保つのに十分大きいという条件を必ずしも満たさない、より小さな安定化部分(図8の例のように、輪郭体が、とげ状の端部を有するダブルT字形断面を有する)も、材料の流れを止めて閉じ込める役割を果たすので、安定化効果を有する。
【0068】
安定化部分35およびその寸法とは無関係に、図11の実施形態は、アンダーカットを生じさせるとげ状の特徴38を有する。とげ状の特徴38は、固定部分の最も外側の部分を折畳むことによって形成される。これに加えてまたはこれの代わりに、アンダーカットは、たとえば図12に示されるように軸方向に対して並行ではない方向に突出する固定部分36、37によって生じさせることができる。
【0069】
以下のパラメータは、第1の物体および第2の物体双方が、少なくとも輪郭体31と接触する部分において熱可塑性材料を含む場合に、各熱可塑性材料が流動性を持ち始める場所に影響し得る。
【0070】
−材料組成。たとえば、第1の物体の熱可塑性材料は、第2の物体の材料と異なっていてもよく、より高いまたは低い液化温度を有し得る(=材料が十分な流動性を持つようになる温度であり、融点を定める場合は融点に相当し、または、「流れ温度」(押出しが可能な最低温度と定義される場合がある)に対応し、材料が十分な流動性を持つようになるガラス転移温度、たとえば粘度が10Pa*sを下回る温度(実施形態では、特に実質的に繊維で強化されていないポリマーの場合、粘度が10Pa*sを下回る温度))。液化温度がより低い側の固定部分は最初に埋込まれる傾向がある。
【0071】
−各物体に最初に接触する輪郭体の部分それぞれのエネルギ案内特性。たとえば、図13が示す輪郭体31の場合、第1の固定部分36が有する第1のとげ状特徴38はかなり顕著なエッジを画定しているのに対し、第2の固定部分37が有する第2のとげ状特徴39はそれよりも顕著でないエッジを有するので、第1のとげ状特徴は最初に液化を開始させる傾向がある。
【0072】
−同様に、固定部分がシート部分を含む場合の、軸に対するシート部分の角度。図12において、安定化部分35に対する第1の固定部分36の角度αは、第2の固定部分37の角度βよりも小さいので、第2の固定部分は最初に液化を開始させる傾向がある。
【0073】
−振動がこの組立て体に結合されるときの振動の発振側。液化は、近位側、すなわち振動が最初にシステムに結合される側で、始まる傾向がある。
【0074】
特に輪郭体が、図3の実施形態のように安定化部分を持たない場合、これらのパラメータを用いて相違を一様にすることにより、確実に輪郭体が2つの物体に同程度埋込まれるようにしてもよい。たとえば、振動が一方側からシステムに結合される場合、他の上記パラメータのうちの1つ(材料特性、エネルギ案内特性、角度)を用いて、このようにして生じる非対称性を補償してもよい。用途の要求によって材料が異なっている必要がある場合、他のパラメータを補償に用いてもよい。
【0075】
しかしながら、特に輪郭体が安定化部分を有する場合、液化特性が非対称であることが望ましいであろう。また、上記パラメータを用いることにより、制御された液化および埋込みプロセスを保証することができる。
【0076】
図14が示す輪郭体31の安定化部分35は、固定部分36、37が突出する場所を超えて横方向に延在している。この種の輪郭体は、隣合う固定部分が近くても、また、これらが同じ場所から突出していても、安定化効果を有する(これは、たとえば、図2図3および図9の輪郭体が、第1の物体と第2の物体との間に延在する安定化部分をさらに有し、この安定化部分がたとえばそれぞれの面に対して実質的に平行である場合と同様である)。
【0077】
図14に示される実施形態において、安定化部分の横方向の範囲は、安定化部分の横方向に延在する部分(固定部分の横方向)と接触する第1/第2の物体それぞれの熱可塑性材料部分が固体状態を保つのに、十分である。
【0078】
図15が示す実施形態では、上述の実施形態と異なり、輪郭体31は、ワイヤのように実質的に1つの面内次元において延在しているのみならず、2つの面内次元における実質的な範囲を有する。図15の例において、xz断面はy方向に沿って一定のままである、すなわち、輪郭体はy軸に沿って対称形を有する。
【0079】
2次元の輪郭体を用いて2次元の接合部を得てもよい。
1次元のワイヤ状の輪郭体と比較すると、面内の2次元の輪郭体を曲げる方が難しいので、図15の輪郭体による接合は、物体間のy軸方向(長手方向)に沿うせん断力に対する強度が低くなる傾向があるであろう。図16が示す実施形態の輪郭体31は、折畳まれた金属シートからなり、この金属シートは、近位および遠位(上および下)端に沿って貫通孔71のパターンを有する。孔71の周囲の部分はそれぞれアンダーカットを形成する。このアンダーカットにおいて、液化したときにそれぞれのエッジと接触している材料は、この孔を通り、この孔の下の空間に流れる。本実施形態は、第1および第2の物体をy方向における相対的な動きに関して互いにロックするという点において、上記起こり得る不都合に対応している。
【0080】
図17は、輪郭体31(図面の面に対して垂直なy方向に延在)のさらに他の実施形態の断面を示す。横方向(x方向)の範囲が十分なので、図17に示される種類の輪郭体31は、第1の物体および第2の物体の材料を互いに完全に分離し得る。すなわち、第1の物体の材料は、輪郭体の一方側においてアンダーカット構造に流れ込み、第2の物体の材料は、輪郭体の他方側のみにおいてアンダーカット構造に流れ込む。
【0081】
図18の断面図および図19の平面図に示される輪郭体31は、シート材料のストリップを含み、複数の舌状部33がシート材料から切出されて各々近位側または遠位側に向けて曲げられている。示されている実施形態において、舌状部およびこれらが曲げられている方向が、規則的なパターンを形成している。ストリップを形成する代わりに、輪郭体31は、横方向のどちらの次元においてもエンドレスであってもよい(すなわちどの形状にも切出すことができる)。
【0082】
図20はプロセス図を示す。この図面は、押付力91および振動パワー92を時間の関数として示す。押付力91は、振動がオフに切換えられた後(ポスト押付相)に一定時間維持されてもよい。任意で、このポスト押付相において、押付力を高めてもよい(点線)。また、特定の振動パワープロファイルに従うことも1つの選択肢である。たとえば、これは、液化プロセスの終わりに向けて振動パワーをゆっくりと減じることを含む(点線)。
【0083】
図21は、さらに、輪郭体を第2の物体に埋込んだ後に、できれば第2の物体の熱可塑性材料の流動部分が再度固化した後に、第1の物体を配置する実施形態において、第2の物体2の熱可塑性材料に輪郭体31を埋込むプロセスを示す。図21において、示されている輪郭体31は安定化部分35を含み、安定化部分35は、輪郭体を第2の物体に埋込むステップにおいても第1の物体に埋込む次のステップにおいても、停止部の役割を果たし、第1のアンダーカットが第1の物体に埋込まれる、すなわち輪郭体が第2の物体の内部に向かってさらに動かされないことを、保証する。
【0084】
安定化部分35を含む輪郭体に加えてまたはその代わりに、その他の手段を用いることによってこれを確実にしてもよい。たとえば、第1の物体と第2の物体とが異なる熱可塑性材料を有する場合、第2の物体として、液化温度がより高い熱可塑性材料を有する物体を選択してもよい。それに加えてまたはその代わりに、図12および図13を参照しながら説明した手段および/またはこの構成にソノトロードを配置することを、上記手段としてもよい。
図1
図2
図3-4】
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21